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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】コンデンサユニットおよび電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/08 20060101AFI20241220BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20241220BHJP
   H01G 2/10 20060101ALI20241220BHJP
   H01G 4/32 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
H01G2/08 A
H01G2/02 101E
H01G2/10 K
H01G4/32 540
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024516036
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2022018551
(87)【国際公開番号】W WO2023203754
(87)【国際公開日】2023-10-26
【審査請求日】2024-04-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】高林 宏和
(72)【発明者】
【氏名】白形 雄二
【審査官】鈴木 駿平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-138880(JP,A)
【文献】特開平09-153571(JP,A)
【文献】特開2000-049271(JP,A)
【文献】特開2008-071934(JP,A)
【文献】実開昭55-075160(JP,U)
【文献】特開昭64-005043(JP,A)
【文献】特開平05-326750(JP,A)
【文献】特開2014-220362(JP,A)
【文献】特開平09-260180(JP,A)
【文献】特開2006-165158(JP,A)
【文献】特開2013-191805(JP,A)
【文献】特開2009-194080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02
H01G 2/08
H01G 2/10
H01G 4/224
H01G 4/32
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を空けて設けられる複数のコンデンサ素子と、
前記複数のコンデンサ素子の少なくともいずれかに隣接した位置に設けられ、前記複数のコンデンサ素子の少なくともいずれかから受けた熱を内部で分散させる1つまたは複数の伝熱部材と、
前記伝熱部材の端部を露出させた状態で、前記伝熱部材および前記複数のコンデンサ素子を覆う絶縁部材と、を備え、
前記伝熱部材は、前記絶縁部材に覆われる外面において、露出している前記端部に隣接している位置に設けられ、前記伝熱部材を貫通する貫通孔と、前記貫通孔より端部から遠い位置で前記貫通孔に隣接した位置に形成される凸部と、を有する第1剥離抑制部を有する、
コンデンサユニット。
【請求項2】
前記伝熱部材の前記端部を露出させた状態で、前記伝熱部材の外面を覆う被覆部材をさらに備え、
前記絶縁部材は、前記複数のコンデンサ素子の全体および前記被覆部材で覆われた前記伝熱部材を覆う、
請求項1に記載のコンデンサユニット。
【請求項3】
前記被覆部材の線膨張係数は、前記伝熱部材の線膨張係数より小さく、かつ、前記絶縁部材の線膨張係数より大きい、または、前記伝熱部材の線膨張係数より大きく、かつ、前記絶縁部材の線膨張係数より小さい、
請求項に記載のコンデンサユニット。
【請求項4】
前記伝熱部材は、露出している前記端部から前記絶縁部材で覆われる部分に向かう方向に直交する断面において、角が丸みを帯びた多角形の形状を有する、
請求項1からのいずれか1項に記載のコンデンサユニット。
【請求項5】
前記絶縁部材から露出して設けられる第1端子および第2端子と、
前記第1端子と前記コンデンサ素子の正極とを電気的に接続する第1導体と、
前記第2端子と前記コンデンサ素子の負極とを電気的に接続する第2導体と、を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載のコンデンサユニット。
【請求項6】
前記第1導体および前記第2導体の少なくともいずれかは、外面に設けられ、突出する形状および窪む形状の少なくともいずれかを有する第2剥離抑制部を有する、
請求項に記載のコンデンサユニット。
【請求項7】
前記伝熱部材の露出した前記端部に熱的に接続され、前記複数のコンデンサ素子から前記伝熱部材を介して伝達された熱を放熱する冷却部をさらに備える、
請求項1からのいずれか1項に記載のコンデンサユニット。
【請求項8】
前記冷却部に向く前記絶縁部材の外面にスリットが形成される、
請求項に記載のコンデンサユニット。
【請求項9】
請求項1からのいずれか1項に記載のコンデンサユニットを備える、
電子機器。
【請求項10】
請求項に記載のコンデンサユニットと、
前記コンデンサユニットを介して電源から供給される電力を負荷に供給するための電力に変換し、変換した前記電力を出力する電力変換部と、
前記コンデンサユニットおよび前記電力変換部を収容する筐体と、を備え、
前記コンデンサユニットが備える前記冷却部は、前記複数のコンデンサ素子から前記1つまたは複数の伝熱部材を介して伝達された熱を、前記筐体の外部の空気に放熱する、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンデンサユニットおよび電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器、例えば、入力電力を変換して変換した電力を負荷に供給する電力変換装置には、大容量のコンデンサユニットを備えるものがある。コンデンサユニットの一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されるコンデンサユニットは、コンデンサ素子に接触する熱伝導板を備え、熱伝導板を介して、コンデンサ素子を収容する筐体の外部に、コンデンサ素子で生じた熱を放熱させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2016/117441号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンデンサ素子の相互の相対的な位置関係がずれることを抑制するために、コンデンサ素子の周囲に、例えば樹脂である絶縁部材が充填される。例えば、特許文献1に開示されるコンデンサユニットにおいて、コンデンサ素子および熱伝導板は絶縁部材で覆われる。コンデンサ素子の冷却性能を高めるため、絶縁部材は、熱伝導板の端部が露出した状態で熱伝導板を覆うことが好ましい。熱伝導板と絶縁部材とが異なる部材で形成されていて、線膨張率に差があると、コンデンサ素子の発熱量が大きくなって樹脂と熱伝導板の温度が上昇するにつれて、絶縁部材と熱伝導板との界面で生じる熱応力が大きくなる。この結果、絶縁部材が熱伝導板から剥離し、剥離によって生じる隙間に、コンデンサユニットの周囲の空気に含まれる水分が浸入してしまう。
【0005】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、絶縁部材の剥離を抑制する構造を有するコンデンサユニットおよびコンデンサユニットを備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示のコンデンサユニットは、複数のコンデンサ素子と、1つまたは複数の伝熱部材と、絶縁部材と、を備える。複数のコンデンサ素子は、互いに間隔を空けて設けられる。伝熱部材は、複数のコンデンサ素子の少なくともいずれかに隣接した位置に設けられ、複数のコンデンサ素子の少なくともいずれかから受けた熱を内部で分散させる。絶縁部材は、伝熱部材の端部を露出させた状態で、伝熱部材および複数のコンデンサ素子を覆う。伝熱部材は、絶縁部材に覆われる外面において、露出している端部に隣接している位置に設けられ、伝熱部材を貫通する貫通孔と、貫通孔より端部から遠い位置で貫通孔に隣接した位置に形成される凸部と、を有する第1剥離抑制部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るコンデンサユニットが備える伝熱部材は、突出する形状および窪む形状の少なくともいずれかを有する第1剥離抑制部を有する。この結果、絶縁部材の剥離が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る電子機器の構成を示すブロック図
図2】実施の形態1に係るコンデンサユニットの断面図
図3】実施の形態1に係るコンデンサユニットの図2におけるIII-III線での矢視断面図
図4】実施の形態1に係るコンデンサユニットの図2におけるIV-IV線での矢視断面図
図5】実施の形態1に係るコンデンサ素子の構成を示す図
図6】実施の形態1に係るコンデンサユニットの断面図
図7】実施の形態1に係るコンデンサユニットの背面図
図8】実施の形態1に係る電子機器の断面図
図9】実施の形態1に係る伝熱部材の側面図
図10】実施の形態1に係る伝熱部材の図9におけるX-X線での矢視断面図
図11】実施の形態1に係るコンデンサユニットの図3におけるXI-XI線での矢視断面図
図12】実施の形態2に係る伝熱部材の側面図
図13】実施の形態2に係る伝熱部材の図12におけるXIII-XIII線での矢視断面図
図14】実施の形態3に係る伝熱部材の側面図
図15】実施の形態3に係る伝熱部材の下面図
図16】実施の形態4に係る伝熱部材の側面図
図17】実施の形態4に係る伝熱部材の図16におけるXVII-XVII線での矢視断面図
図18】実施の形態5に係るコンデンサユニットの断面図
図19】実施の形態に係る伝熱部材の第1変形例の断面図
図20】実施の形態に係る伝熱部材の第2変形例の下面図
図21】実施の形態に係る伝熱部材の第3変形例の断面図
図22】実施の形態に係るコンデンサユニットの第1変形例の背面図
図23】実施の形態に係るコンデンサユニットの第2変形例の断面図
図24】実施の形態に係るコンデンサユニットの第2変形例の図23におけるXXIV-XXIV線での矢視断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係るコンデンサユニットおよび電子機器について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0010】
(実施の形態1)
電子機器の一例として、鉄道車両に搭載され、直流電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動機に供給する電力変換装置がある。電力変換装置を例にして、実施の形態1に係る電子機器1について以下に説明する。
【0011】
図1に示す電子機器1は、図示しない電源、具体的には、集電装置から直流電力の供給を受ける。集電装置は、電力供給線を介して変電所から供給される電力を取得する。電力供給線は、例えば、架線または第三軌条である。集電装置は、例えば、パンタグラフまたは集電靴である。電子機器1は、集電装置から供給された直流電力を三相交流電力に変換して、変換した三相交流電力を負荷91に供給する。実施の形態1では、電子機器1は3レベルインバータであって、負荷91は三相誘導電動機である。
【0012】
電子機器1は、集電装置に接続される端子1aと、接地される端子1bと、集電装置から供給される電力で充電されるコンデンサユニット11と、コンデンサユニット11を介して集電装置から供給される直流電力を三相交流電力に変換する電力変換部12と、を備える。端子1aは、接触器、フィルタリアクトル等を介して、集電装置に電気的に接続されることが好ましい。コンデンサユニット11は、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2と、を有する。第1コンデンサC1および第2コンデンサC2は直列に接続されている。直列に接続された第1コンデンサC1および第2コンデンサC2は、端子1a,1bの間に接続される。
【0013】
電力変換部12の一次端子は、端子1a、端子1b、および直列に接続された第1コンデンサC1と第2コンデンサC2の接続点にそれぞれ接続される。電力変換部12の三相交流電力のU相、V相、W相に対応する3つの二次端子は、負荷91の対応する入力端子に接続される。電力変換部12は、図示しない制御装置によって制御される複数のスイッチング素子を有する。複数のスイッチング素子として、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が用いられる。複数のスイッチング素子のオンオフを切り替えるスイッチング動作が制御装置によって制御されることで、電力変換部12は、電力変換を行う。詳細には、電力変換部12は、一次端子を介して供給される直流電力を負荷91に供給するための三相交流電力に変換し、三相交流電力を二次端子から出力する。
【0014】
図2図2におけるIII-III線での矢視断面図である図3、および図2におけるIV-IV線での矢視断面図である図4に示すように、コンデンサユニット11は、複数のコンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dと、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dから受けた熱を内部で分散させる伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cと、を備える。コンデンサユニット11の内部温度は、具体的には、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dのそれぞれの温度である。図2図3、および図4において、鉛直方向をZ軸方向とし、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dの配列方向をX軸方向とする。X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交する。
【0015】
コンデンサユニット11はさらに、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dのそれぞれの正極に電気的に接続される第1導体23aと、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dのそれぞれの正極に電気的に接続される第1導体33aと、を備える。第1導体23a,33aは、例えば、銅、アルミニウム等の導電体で形成されるバスバーである。
【0016】
コンデンサユニット11はさらに、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dのそれぞれの負極に電気的に接続される第2導体23bと、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dのそれぞれの負極に電気的に接続される第2導体33bと、を備える。第2導体23b,33bは、例えば、銅、アルミニウム等の導電体で形成されるバスバーである。
【0017】
コンデンサユニット11はさらに、第1導体23aに電気的に接続される第1端子24aと、第1導体33aに電気的に接続される第1端子34aと、第2導体23bに電気的に接続される第2端子24bと、第2導体33bに電気的に接続される第2端子34bと、を備える。
【0018】
コンデンサユニット11はさらに、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cのそれぞれの一部およびコンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの全体を覆う絶縁部材25を備える。絶縁部材25は、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cのそれぞれの端部221a,221b,221c,321a,321b,321cを露出させた状態で、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを覆う。
【0019】
上述のコンデンサユニット11が備える伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの露出している端部221a,221b,221c,321a,321b,321cに隣接している位置に設けられる第1剥離抑制部50を有する。この結果、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが剥離することが抑制される。
【0020】
コンデンサユニット11の各部の詳細について以下に説明する。図2に示すように、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dは、互いに間隔を空けて一列に並べて設けられる。詳細には、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dは、外装の主面がX軸に直交する向きで、X軸方向に並べて設けられる。同様に、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dは、互いに間隔を空けて並べて設けられる。詳細には、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dは、外装の主面がX軸に直交する向きで、X軸方向に並べて設けられる。
【0021】
コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの構成は同じであるため、コンデンサ素子21aの構成について図5を用いて説明する。コンデンサ素子21aはフィルムコンデンサであって、正極41aが形成されているフィルム41cと、負極41bが形成されているフィルム41dと、を備える。フィルム41c,41dが重ねられて中心軸周りに巻かれる。フィルム41cはプラスチックフィルムであって、金属、例えば、アルミニウム、亜鉛等がフィルム41cに蒸着されることで、正極41aが形成される。同様に、フィルム41dはプラスチックフィルムであって、金属、例えば、アルミニウム、亜鉛等がフィルム41dに蒸着されることで、負極41bが形成される。
【0022】
コンデンサ素子21aの中心軸の方向の一端が正極端子に相当し、他端が負極端子に相当する。図5の例では、コンデンサ素子21aの上端が正極端子に相当し、コンデンサ素子21aの下端が負極端子に相当する。コンデンサ素子21aは、中心軸に直交する断面の外形が長円となる形状を有する。長円とは、直径が同じ2つの円の外縁を同じ長さの2本の直線で繋ぐことで得られる形状の外形を意味する。コンデンサ素子21aは、中心軸がZ軸方向に一致する向きで設けられる。詳細には、図2および図3に示すように、コンデンサ素子21aのZ軸方向上端がコンデンサ素子21aの正極端子に相当し、コンデンサ素子21aのZ軸方向下端がコンデンサ素子21aの負極端子に相当する。
【0023】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの少なくともいずれかに隣接した位置に設けられて、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの少なくともいずれかから伝達された熱を内部で分散させる。
【0024】
コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dのそれぞれの温度上昇を抑制するため、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの内、互いに隣接している2つのコンデンサ素子の間に設けられることが好ましい。実施の形態1では、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの内、互いに異なるコンデンサ素子に隣接した位置に設けられる。
【0025】
詳細には、伝熱部材22aは、コンデンサ素子21a,21bの間に設けられ、コンデンサ素子21a,21bから受けた熱を内部で分散させる。伝熱部材22bは、コンデンサ素子21b,21cの間に設けられ、コンデンサ素子21b,21cから受けた熱を内部で分散させる。伝熱部材22cは、コンデンサ素子21c,21dの間に設けられ、コンデンサ素子21c,21dから受けた熱を内部で分散させる。
【0026】
同様に、伝熱部材32aは、コンデンサ素子31a,31bの間に設けられ、コンデンサ素子31a,31bから受けた熱を内部で分散させる。伝熱部材32bは、コンデンサ素子31b,31cの間に設けられ、コンデンサ素子31b,31cから受けた熱を内部で分散させる。伝熱部材32cは、コンデンサ素子31c,31dの間に設けられ、コンデンサ素子31c,31dから受けた熱を内部で分散させる。
【0027】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、少なくとも一方の主面がコンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの少なくともいずれかに当接する板状部材であることが好ましい。当接するとは、直接的に当接することおよび間接的に当接することを含むものとする。実施の形態1では、伝熱部材22aは板状部材であって、伝熱部材22aの一方の主面はコンデンサ素子21aに当接し、伝熱部材22aの他方の主面はコンデンサ素子21bに当接する。伝熱部材22bは板状部材であって、伝熱部材22bの一方の主面はコンデンサ素子21bに当接し、伝熱部材22bの他方の主面はコンデンサ素子21cに当接する。伝熱部材22cは板状部材であって、伝熱部材22cの一方の主面はコンデンサ素子21cに当接し、伝熱部材22cの他方の主面はコンデンサ素子21dに当接する。
【0028】
同様に、伝熱部材32aは板状部材であって、伝熱部材32aの一方の主面はコンデンサ素子31aに当接し、伝熱部材32aの他方の主面はコンデンサ素子31bに当接する。伝熱部材32bは板状部材であって、伝熱部材32bの一方の主面はコンデンサ素子31bに当接し、伝熱部材32bの他方の主面はコンデンサ素子31cに当接する。伝熱部材32cは板状部材であって、伝熱部材32cの一方の主面はコンデンサ素子31cに当接し、伝熱部材32cの他方の主面はコンデンサ素子31dに当接する。
【0029】
伝熱部材22aがコンデンサ素子21a,21bに面で当接する板状部材であることで、コンデンサ素子21a,21bから伝熱部材22aに効率よく熱を伝達することができる。伝熱部材22b,22c,32a,32b,32cについても同様である。これによって、コンデンサユニット11の内部温度の上昇を抑制することが可能となる。
【0030】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、熱伝導率の高い材料、例えば、銅、アルミニウム等の金属、異方性を有する熱輸送部材であるグラファイト、異種金属で形成されるクラッド材、高熱伝導性セラミック等で形成されることが好ましい。
【0031】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが設けられることで、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dからコンデンサユニット11の外面までの伝熱効率が向上し、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dで生じた熱がコンデンサユニット11の外部に効率よく伝達される。この結果、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの温度の上昇が抑制される。
【0032】
第1導体23aは、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dの鉛直方向上端に当接することで、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dのそれぞれの正極41aに電気的に接続される。同様に、第1導体33aは、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dの鉛直方向上端に当接することで、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dのそれぞれの正極41aに電気的に接続される。
【0033】
第2導体23bは、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dの鉛直方向下端に当接することで、コンデンサ素子21a,21b,21c,21dのそれぞれの負極41bに電気的に接続される。同様に、第2導体33bは、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dの鉛直方向下端に当接することで、コンデンサ素子31a,31b,31c,31dのそれぞれの負極41bに電気的に接続される。
【0034】
第1端子24aは、図示しない締結部材によって第1導体23aに当接した状態で第1導体23aに取り付けられる。この結果、第1端子24aは、第1導体23aに電気的に接続される。第1端子34aは、図示しない締結部材によって第1導体33aに当接した状態で第1導体33aに取り付けられる。この結果、第1端子34aは、第1導体33aに電気的に接続される。
【0035】
同様に、第2端子24bは、図示しない締結部材によって第2導体23bに当接した状態で第2導体23bに取り付けられる。この結果、第2端子24bは、第2導体23bに電気的に接続される。第2端子34bは、図示しない締結部材によって第2導体33bに当接した状態で第2導体33bに取り付けられる。この結果、第2端子34bは、第2導体33bに電気的に接続される。
【0036】
上述のコンデンサ素子21a,21b,21c,21d、第1導体23a、第2導体23b、第1端子24a、および第2端子24bによって、第1コンデンサC1が実現される。第1端子24aは第1コンデンサC1の正極端子に相当し、第2端子24bは第1コンデンサC1の負極端子に相当する。第1端子24aは図示しないバスバーによって、端子1aおよび電力変換部12の一次端子に電気的に接続される。第2端子24bは、図示しないバスバーによって、電力変換部12の一次端子および第2コンデンサC2に電気的に接続される。
【0037】
上述のコンデンサ素子31a,31b,31c,31d、第1導体33a、第2導体33b、第1端子34a、および第2端子34bによって、第2コンデンサC2が実現される。第1端子34aは第2コンデンサC2の正極端子に相当し、第2端子34bは第2コンデンサC2の負極端子に相当する。第1端子34aは図示しないバスバーによって、電力変換部12の一次端子および第1コンデンサC1に電気的に接続される。第2端子34bは、図示しないバスバーによって、端子1bおよび電力変換部12の一次端子に電気的に接続される。
【0038】
絶縁部材25は、例えば、エポキシ、ウレタン、シリコーン等の樹脂で形成される。絶縁部材25は、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dおよび伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを互いに絶縁する。図3に示すように、絶縁部材25は、伝熱部材22a,22b,22cの端部221a,221b,221cを露出させた状態で、伝熱部材22a,22b,22cおよびコンデンサ素子21a,21b,21c,21dを覆う。詳細には、絶縁部材25は、板状部材である伝熱部材22a,22b,22cのY軸方向における端部221a,221b,221cを露出させた状態で、伝熱部材22a,22b,22cおよびコンデンサ素子21a,21b,21c,21dを覆う。
【0039】
絶縁部材25はさらに、図4に示すように、伝熱部材32a,32b,32cの端部321a,321b,321c、具体的には、板状部材である伝熱部材32a,32b,32cのY軸方向における端部321a,321b,321cを露出させた状態で、伝熱部材32a,32b,32cおよびコンデンサ素子31a,31b,31c,31dを覆う。
【0040】
絶縁部材25によって、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31d、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32c、第1導体23a,33a、第2導体23b,33b、第1端子24a,34a、および第2端子24b,34bの相互の相対的な位置関係が固定される。
【0041】
絶縁部材25はさらに、第1端子24a,34aのそれぞれの一部および第2端子24b,34bのそれぞれの一部が露出した状態で、第1導体23a,33a、第2導体23b,33b、第1端子24a,34a、および第2端子24b,34bを覆う。第1端子24a,34aのそれぞれの一部および第2端子24b,34bのそれぞれの一部が露出していることで、バスバーを第1端子24a,34aおよび第2端子24b,34bに電気的に接続することが可能となる。
【0042】
例えば、図示しないケースの内部に絶縁部材25以外のコンデンサユニット11の構成要素を並べて、エポキシ樹脂をケースに充填して硬化させてケースから取り出すことで、上述のコンデンサユニット11が得られる。
【0043】
冷却性能を高めるために、コンデンサユニット11は、図6に示すように、伝熱部材22a,22b,22cの露出している端部221a,221b,221cおよび伝熱部材32a,32b,32cの露出している端部321a,321b,321cに熱的に接続される冷却部26をさらに備えることが好ましい。コンデンサユニット11は、絶縁部材25の冷却部26に向く面と冷却部26に当接し、接触熱抵抗を低減するTIM(Thermal Interface Material)29と、をさらに備えることが好ましい。冷却部26は、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dから伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを介して伝達された熱を放熱する。図6は、図3と同じ断面でコンデンサユニット11を見た図である。
【0044】
冷却部26は、伝熱部材22a,22b,22cの露出している端部221a,221b,221cおよび伝熱部材32a,32b,32cの露出している端部321a,321b,321cに直接的に当接する受熱ブロック27と、受熱ブロック27から伝達された熱を放熱する放熱器28と、を有する。受熱ブロック27の一方の主面27aに、図示しない締結部材による締結、接着剤による接着、ろう付け、溶接等の取付方法によって、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが取り付けられる。受熱ブロック27の他方の主面27bに、図示しない締結部材による締結、ろう付け、溶接等の取付方法によって、放熱器28が取り付けられる。
【0045】
受熱ブロック27が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cに熱的に接続されることで、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dから伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを介して受熱ブロック27に熱が伝達される。受熱ブロック27は、熱伝導率の高い材料、例えば、銅、アルミニウム等の金属、異方性を有する熱輸送部材であるグラファイト、異種金属で形成されるクラッド材、高熱伝導性セラミック等で形成されることが好ましい。
【0046】
受熱ブロック27が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの端面に当接することで、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから受熱ブロック27に直接的に熱が伝達され、伝熱効率が高まる。この結果、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの冷却性能が向上して、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの温度の上昇を抑制することが可能となる。
【0047】
放熱器28は、受熱ブロック27から伝達された熱を周囲の空気に放熱する。コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dから伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを介して受熱ブロック27に伝達された熱は、放熱器28によって周囲の空気に放熱される。この結果、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dが冷却される。実施の形態1では、放熱器28は、図6および図7に示すように、主面がYZ平面に平行な複数のフィンを有する。放熱器28は、熱伝導率の高い材料、例えば、銅、アルミニウム等の金属、異方性を有する熱輸送部材であるグラファイト、異種金属で形成されるクラッド材、高熱伝導性セラミック等で形成されることが好ましい。
【0048】
TIM29は、放熱シート、グリス等で形成される。TIM29は、絶縁部材25の冷却部26に向く面と受熱ブロック27の主面27aに当接し、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cのY軸方向の周りの外面を覆う。TIM29は、絶縁部材25から冷却部26の受熱ブロック27に効率よく熱を伝達することを可能にする。
【0049】
図8に示すように、電子機器1は、上記構成を有するコンデンサユニット11および電力変換部12を収容する筐体13を備える。図の複雑化を避けるため、図8において、電力変換部12の記載を省略した。
【0050】
筐体13には、開口13aが形成される。コンデンサユニット11が有する冷却部26は、一部が開口13aから筐体13の外部に露出した状態で開口13aを塞ぐ。冷却部26が開口13aを塞ぐことで、塵埃、水分等の異物を含む筐体13の外部の空気が開口13aから筐体13の内部に流入することが抑制される。詳細には、放熱器28が筐体13の外部に露出した状態で、受熱ブロック27は筐体13の内部から開口13aを塞ぐ。放熱器28が筐体13の外部に露出しているため、放熱器28は、受熱ブロック27から伝達された熱を筐体13の外部の空気に放熱する。この結果、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dが冷却される。筐体13の外部の空気の温度は、筐体13の内部の空気の温度より低いため、筐体の内部の空気に放熱するコンデンサユニットと比べて、コンデンサユニット11の冷却性能は高い。
【0051】
上記構成を有する電子機器1に電力が供給されると、具体的には、電子機器1が集電装置に電気的に接続されると、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dに電流が流れて、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dが発熱する。コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dで生じた熱は、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを介して冷却部26が有する受熱ブロック27に伝達される。受熱ブロック27に伝達された熱は、受熱ブロック27に取り付けられる放熱器28または受熱ブロック27が当接する筐体13を介して、筐体13の外部の空気に放熱される。この結果、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dが冷却されて、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの温度上昇が抑制される。
【0052】
上述したように、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dで生じた熱は、筐体13の外部の空気に放熱されるため、筐体13の内部の空気の温度上昇が抑制される。この結果、コンデンサユニット11の内部温度の上昇が抑制される。
【0053】
上述のようにコンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dが通電時に発熱し、温度が上昇すると、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dに隣接している伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cおよび絶縁部材25の温度が上昇する。伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cと絶縁部材25とは異なる部材で形成されているため、線膨張係数が互いに異なる。このため、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの発熱量が増大すると、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cと絶縁部材25との界面で生じる熱応力が大きくなる。
【0054】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cと絶縁部材25との界面で生じる熱応力によって、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することを抑制するための構造について以下に説明する。伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの構造は互いに同じであるため、伝熱部材22aについて説明する。
【0055】
図9および図9におけるX-X線での矢視断面図である図10に示すように、伝熱部材22aは、絶縁部材25に覆われる外面において、絶縁部材25に覆われずに露出している端部221aに隣接した位置に少なくとも設けられる第1剥離抑制部50を有する。図9および図10は、コンデンサユニット11の構成要素の内、伝熱部材22aのみを表示した図である。端部221aに隣接した位置とは、端部221aに十分に近い位置、例えば、端部221aのY軸負方向側の一端からの距離が30ミリメートル以下となる範囲に設けられればよい。
【0056】
第1剥離抑制部50は、突出する形状および窪む形状の少なくともいずれかを有する。実施の形態1において、第1剥離抑制部50は、Z軸方向に並べられている複数の凹部51を有する。各凹部51は、伝熱部材22aの外面からX軸負方向に窪む形状を有する。例えば、伝熱部材22aが、X軸方向の幅が10ミリメートルの平板部材で形成されるときに、凹部51のX軸方向の長さは、2ミリメートル以上、かつ、3ミリメートル以上の範囲であることが好ましい。複数の凹部51は、Z軸方向に互いに間隔を空けて並べて設けられる。
【0057】
伝熱部材22aの周囲に絶縁部材25が充填されると、図3におけるXI-XI線での矢視断面図である図11に示すように、凹部51に絶縁部材25が充填される。この結果、アンカー効果によって、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制される。
【0058】
伝熱部材22aは、露出している端部221aから絶縁部材25で覆われている部分に向かう方向、すなわち、Y軸方向に直交する断面において、角が丸みを帯びた多角形の形状を有することが好ましい。実施の形態1では、伝熱部材22aは、XZ平面において、角が丸みを帯びた四角形の形状を有する。
【0059】
伝熱部材22aの端部221aに隣接した位置に設けられる第1剥離抑制部50によって、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制されることで、絶縁部材25と伝熱部材22aとの間に空隙が生じることが抑制される。このため、コンデンサユニット11の外部の空気に含まれる水分が、端部221aに沿って移動し、絶縁部材25と伝熱部材22aとの間の空隙を通って、コンデンサ素子21a,21bに到達することが抑制される。
【0060】
以上説明した通り、実施の形態1に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22a,22b,22cは、絶縁部材25に覆われる外面において、露出している端部221a,221b,221cに隣接した位置に少なくとも設けられる第1剥離抑制部50を有する。同様に、コンデンサユニット11が備える伝熱部材32a,32b,32cは、絶縁部材25に覆われる外面において、露出している端部321a,321b,321cに隣接した位置に少なくとも設けられる第1剥離抑制部50を有する。第1剥離抑制部50は、突出する形状および窪む形状の少なくともいずれかを有する。第1剥離抑制部50によって、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することが抑制される。
【0061】
上述のように第1剥離抑制部50が設けられていることで、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの発熱量が増大し、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cと絶縁部材25との界面で生じる熱応力が増大しても、絶縁部材25の剥離が抑制されている。このため、高温の環境下で信頼性の高いコンデンサユニット11が得られる。
【0062】
上述のようにコンデンサユニット11において、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの発熱量の増大時においても絶縁部材25の剥離が抑制されているため、第1剥離抑制部50が設けられていないコンデンサユニットと比べて、コンデンサユニット11が有するコンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの許容温度は高くなる。換言すれば、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dに印加される電圧を高くすること、または、フィルム41c,41dを薄くすることが可能となる。このため、コンデンサユニット11の設計の制約が緩和される。
【0063】
コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dに印加される電圧を高くすることで、コンデンサユニット11の大容量化が可能となる。フィルム41c,41dを薄くすることで、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの小型化、すなわち、コンデンサユニット11の小型化が可能となる。
【0064】
(実施の形態2)
第1剥離抑制部50の形状は、上述の例に限られず、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することが抑制可能な形状であれば任意である。実施の形態1と異なる形状の第1剥離抑制部50を有する伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cについて、実施の形態1と異なる点を中心に実施の形態2で説明する。
【0065】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの構造は互いに同じであるため、実施の形態2に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22aについて図12および図12におけるXIII-XIII線での矢視断面図である図13を用いて説明する。図12および図13は、コンデンサユニット11の構成要素の内、伝熱部材22aのみを示す図である。第1剥離抑制部50は、Z軸方向に並べられている複数の貫通孔52で形成される。各貫通孔52は、伝熱部材22aをX軸方向に貫通する。
【0066】
伝熱部材22aの周囲に絶縁部材25が充填されると、貫通孔52に絶縁部材25が充填される。この結果、アンカー効果によって、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制される。
【0067】
以上説明した通り、実施の形態2に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが有する第1剥離抑制部50は、複数の貫通孔52で形成される。貫通孔52に絶縁部材25が充填されていることで、伝熱部材22aの一方の主面側に位置する絶縁部材25と伝熱部材22aの他方の主面側に位置する絶縁部材25とは、各貫通孔52に充填されている絶縁部材25を介して連続している。このため、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが、実施の形態1よりも確実に抑制される。伝熱部材22b,22c,32a,32b,32cについても同様の効果が得られる。
【0068】
(実施の形態3)
第1剥離抑制部50の形状は、上述の例に限られず、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することが抑制可能な形状であれば任意である。実施の形態1,2と異なる形状の第1剥離抑制部50を有する伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cについて、実施の形態1,2と異なる点を中心に実施の形態3で説明する。
【0069】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの構造は互いに同じであるため、実施の形態3に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22aについて図14および図15を用いて説明する。第1剥離抑制部50は、Z軸方向に延びるスリット53で形成される。
【0070】
伝熱部材22aの周囲に絶縁部材25が充填されると、スリット53に絶縁部材25が充填される。この結果、アンカー効果によって、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制される。
【0071】
以上説明した通り、実施の形態3に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが有する第1剥離抑制部50は、スリット53で形成される。スリット53に絶縁部材25が充填されていることで、伝熱部材22aにおいてZ軸方向の全体に亘って、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制される。このため、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが、実施の形態1よりも確実に抑制される。伝熱部材22b,22c,32a,32b,32cについても同様の効果が得られる。
【0072】
(実施の形態4)
第1剥離抑制部50の形状は、上述の例に限られず、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することが抑制可能な形状であれば任意である。実施の形態1-3と異なる形状の第1剥離抑制部50を有する伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cについて、実施の形態1-3と異なる点を中心に実施の形態4で説明する。
【0073】
実施の形態4に係るコンデンサユニット11が有する伝熱部材22aに設けられる第1剥離抑制部50は、突出する形状および窪む形状を有する。詳細には、図16および図16におけるXVII-XVII線での矢視断面図である図17に示すように、第1剥離抑制部50は、貫通孔で形成される凹部54と、凹部54に隣接している位置に形成される凸部55と、を有する。図16および図17は、コンデンサユニット11の構成要素の内、伝熱部材22aのみを表示する図である。凹部54および凸部55は、伝熱部材22aに切り込みを入れて伝熱部材22aの一部をX軸方向に引き出すことで形成される。
【0074】
伝熱部材22aの周囲に絶縁部材25が充填されると、貫通孔で形成される凹部54に絶縁部材25が充填される。この結果、アンカー効果によって、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制される。凹部54のY軸負方向側に凸部55が設けられていることで、コンデンサユニット11の外部の空気に含まれる水分が伝熱部材22aに沿ってY軸負方向に移動することが抑制される。
【0075】
以上説明した通り、実施の形態4に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが有する第1剥離抑制部50は、凹部54および凸部55を有する。凹部54に絶縁部材25が充填されていることで、絶縁部材25が伝熱部材22aから剥離することが抑制される。凸部55が設けられていることで、たとえ伝熱部材22aと絶縁部材25との間に空隙が生じても、コンデンサユニット11の外部の空気に含まれる水分が伝熱部材22aに沿って移動し、絶縁部材25と伝熱部材22aとの間の空隙を通って、コンデンサ素子21a,21bに到達することが抑制される。
【0076】
(実施の形態5)
絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することを抑制する構造は、第1剥離抑制部50に限られない。第1剥離抑制部50とは異なる構造で絶縁部材25の剥離を抑制するコンデンサユニットについて、実施の形態1と異なる点を中心に実施の形態5で説明する。
【0077】
図18に示すコンデンサユニット61は、伝熱部材22a,22b,22cの端部221a,221b,221cを露出させた状態で、伝熱部材22a,22b,22cの外面を覆う被覆部材62a,62b,62cを備える。コンデンサユニット61において、伝熱部材22a,22b,22cは、第1剥離抑制部50を有さない。
【0078】
図示しないが、コンデンサユニット61はさらに、伝熱部材32a,32b,32cの端部321a,321b,321cを露出させた状態で、伝熱部材32a,32b,32cの外面を覆う被覆部材62a,62b,62cをさらに備える。コンデンサユニット61において、伝熱部材32a,32b,32cは、第1剥離抑制部50を有さない。
【0079】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの構造は互いに同じであって、被覆部材62a,62b,62cの構造は互いに同じであるため、伝熱部材22aと伝熱部材22aを覆う被覆部材62aについて説明する。伝熱部材22aは、端部221aを露出させた状態で、被覆部材62aに覆われる。
【0080】
被覆部材62aは、線膨張係数が伝熱部材22aの線膨張係数より小さく、かつ、絶縁部材25の線膨張係数より大きい部材、または、線膨張係数が伝熱部材22aの線膨張係数より大きく、かつ、絶縁部材25の線膨張係数より小さい部材で形成される。換言すれば、被覆部材62aの線膨張係数は、伝熱部材22aの線膨張係数より小さく、かつ、絶縁部材25の線膨張係数より大きい、または、伝熱部材22aの線膨張係数より大きく、かつ、絶縁部材25の線膨張係数より小さい。このため、伝熱部材22aと被覆部材62aとの界面における熱応力および被覆部材62aと絶縁部材25との界面における熱応力はいずれも、実施の形態1-4における伝熱部材22aと絶縁部材25との界面における熱応力より小さい。伝熱部材22b,22c,32a,32b,32cについても同様である。
【0081】
一例として、伝熱部材22aがマグネシウムで形成され、被覆部材62aがポリエチレンで形成され、絶縁部材25がエポキシ樹脂で形成されればよい。このとき、被覆部材62aの線膨張係数は、伝熱部材22aの線膨張係数より小さく、かつ、絶縁部材25の線膨張係数より大きい。他の一例として、伝熱部材が炭素鋼で形成され、被覆部材62aがフッ素樹脂で形成され、絶縁部材25が高密度ポリエチレンで形成されればよい。
【0082】
以上説明した通り、実施の形態5に係るコンデンサユニット61は、伝熱部材22a,22b,22cを覆う被覆部材62a,62b,62cおよび伝熱部材32a,32b,32cを覆う被覆部材62a,62b,62cを備える。伝熱部材22aと被覆部材62aとの界面における熱応力および被覆部材62aと絶縁部材25との界面における熱応力はいずれも、実施の形態1-4における伝熱部材22aと絶縁部材25との界面における熱応力より小さい。このため、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することが抑制される。
【0083】
本開示は、上述の実施の形態に限られない。上述の実施の形態は任意に組み合わせることが可能である。一例として、コンデンサユニット61は、実施の形態1-4に係るコンデンサユニット11が備える伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cを有してもよい。
【0084】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、ヒートパイプで形成されてもよい。この場合、第1剥離抑制部50は、ヒートパイプの壁面を貫通しない凹部51またはスリット53で形成されることが好ましい。
【0085】
第1剥離抑制部50の形状は、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cから剥離することを抑制できる形状であれば任意である。一例として、第1剥離抑制部50は、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの表面をやすりで削って荒くすることで形成されてもよい。他の一例として、第1剥離抑制部50は、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの表面にエッチング加工を施して凹凸を形成することで、形成されてもよい。他の一例として、第1剥離抑制部50は、Y軸方向に直交する断面の面積が他の部分と比べて狭い狭小部により形成されてもよい。他の一例として、貫通孔52は、伝熱部材22aのX軸正方向に向く面からX軸負方向に向く面に至る貫通孔であって、X軸に交差する方向に延伸する貫通孔で形成されてもよい。貫通孔52は、複数列に亘って形成されてもよい。
【0086】
第1剥離抑制部50が設けられる場所は、上述の例に限られず、伝熱部材22a,22b,22cの露出している端部221a,221b,221cおよび伝熱部材32a,32b,32cの露出している端部321a,321b,321cに隣接している位置を含む場所であれば任意である。一例として、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの全面に亘って、第1剥離抑制部50が設けられてもよい。
【0087】
他の一例として、図19に示すように、伝熱部材22aのX軸正方向に向く面およびX軸負方向に向く面の両方に凹部51が設けられてもよい。他の一例として、図20に示すように、伝熱部材22aのX軸正方向に向く面およびX軸負方向に向く面の両方にスリット53が形成されてもよい。他の一例として、図21に示すように、伝熱部材22aにおいて、X軸正方向に突出する凸部55およびX軸負方向に突出する凸部55がZ軸方向に交互に並べて設けられてもよい。
【0088】
絶縁部材25の形状は、上述の例に限られない。一例として、図22に示すように、絶縁部材25の冷却部26に向く面に、スリット25aが形成されてもよい。スリット25aが形成されることで、絶縁部材25にかかる熱応力が低減される。
【0089】
コンデンサユニット11,61は、絶縁部材25が伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32c以外のコンデンサユニット11の構成要素から剥離することを抑制する構造をさらに備えてもよい。
【0090】
一例として、図23および図23におけるXXIV-XXIV線での矢視断面図である図24に示すように、第1導体23a,33aおよび第2導体23b,33bの少なくともいずれかは、絶縁部材25の剥離を抑制する第2剥離抑制部70を有してもよい。図23および図24の例では、第1導体23a,33aおよび第2導体23b,33bは、絶縁部材25が第1導体23a,33aおよび第2導体23b,33bから剥離することを抑制する第2剥離抑制部70を有する。
【0091】
第2剥離抑制部70は、Z軸方向に窪む複数の凹部71で形成される。第2剥離抑制部70が設けられることで、絶縁部材25が第1導体23a,33aおよび第2導体23b,33bから剥離して空隙が生じることが抑制される。この結果、コンデンサユニット11の外部の空気に含まれる水分が、絶縁部材25と第1導体23a,33aおよび第2導体23b,33bとの間の空隙を通って、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dに到達することが抑制される。
【0092】
第2剥離抑制部70の形状は、上述の例に限られない。一例として、第2剥離抑制部70はスリットで形成されてもよい。他の一例として、第2剥離抑制部70は、互いに隣接している凹部および凸部で形成されてもよい。
【0093】
コンデンサユニット11,61が備えるコンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの数は、上述の例に限られず、任意である。実施の形態ではコンデンサユニット11は第1コンデンサC1と第2コンデンサC2の2つのコンデンサ群を有するが、コンデンサ群の数は任意である。例えば、コンデンサユニットは第1コンデンサC1のみを有してもよいし、第1コンデンサC1と第2コンデンサC2に加えて、第3コンデンサを有してもよい。
【0094】
コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dの構成は、上述の例に限られない。一例として、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dは、金属箔を用いたフィルムコンデンサでもよい。
【0095】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cの個数および形状は、コンデンサ素子21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31dで生じた熱を内部で分散することができる形状であれば任意である。一例として、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、棒状部材で形成されてもよい。
【0096】
他の一例として、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、U字型に折り曲げられた板状部材でもよいし、U字型に折り曲げられた棒状部材でもよい。他の一例として、伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cは、内部に形成された流路に冷媒が封入されている板状部材でもよい。
【0097】
伝熱部材22a,22b,22c,32a,32b,32cが設けられる位置は、上述の例に限られない。一例として、上述の位置に加えて、コンデンサ素子21dにのみ隣接した位置、具体的には、コンデンサ素子21dのX軸正方向に向く面に隣接した位置に伝熱部材が設けられてもよい。他の一例として、第1導体23aとコンデンサ素子21aのX軸負方向に向く面との間に伝熱部材が設けられてもよい。
【0098】
放熱器28の形状は、受熱ブロック27から伝達された熱を放熱することができる形状であれば任意である。一例として、放熱器28が有する複数のフィンは、放熱器28の近傍の空気の流れに応じて任意に変更可能である。他の一例として、放熱器28は、複数の棒状の突起を有してもよい。他の一例として、放熱器28は、ヒートパイプを有してもよいし、内部に形成された流路に冷媒が封入されている板状部材を有してもよい。
【0099】
冷却部26が設けられる位置は、上述の例に限られない。具体的には、冷却部26は、筐体13の外部ではなく、筐体13の内部に設けられてもよい。この場合、冷却部26は、筐体13の内部であって、筐体13の外部の空気が流入する位置に設けられることが好ましい。
【0100】
絶縁部材25を受熱ブロック27に取り付ける方法は、任意である。一例として、締結部材による締結、接着剤による接着等の取付方法によって、絶縁部材25を受熱ブロック27に取り付ければよい。
【0101】
電子機器1は、3レベル電力変換装置に限られず、コンデンサユニット11を備える任意の機器である。一例として、電子機器1は、整流装置でもよい。電子機器1は、鉄道車両に限られず、自動車、船舶、航空機等の任意の移動体に搭載可能である。
【0102】
負荷91は、三相誘導電動機に限られず、電子機器1から電力供給を受ける任意の機器である。例えば、負荷91は、空調機器、照明機器等である。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
互いに間隔を空けて設けられる複数のコンデンサ素子と、
前記複数のコンデンサ素子の少なくともいずれかに隣接した位置に設けられ、前記複数のコンデンサ素子の少なくともいずれかから受けた熱を内部で分散させる1つまたは複数の伝熱部材と、
前記伝熱部材の端部を露出させた状態で、前記伝熱部材および前記複数のコンデンサ素子を覆う絶縁部材と、を備え、
前記伝熱部材は、前記絶縁部材に覆われる外面において、露出している前記端部に十分近く隣接している位置に少なくとも設けられ、突出する形状および窪む形状の少なくともいずれかを有する第1剥離抑制部を有する、
コンデンサユニット。
(付記2)
前記第1剥離抑制部は、凹部を有する、
付記1に記載のコンデンサユニット。
(付記3)
前記凹部は、前記伝熱部材を貫通する貫通孔で形成される、
付記2に記載のコンデンサユニット。
(付記4)
前記凹部は、スリットで形成される、
付記2に記載のコンデンサユニット。
(付記5)
前記第1剥離抑制部は、前記凹部に隣接した位置に形成される凸部をさらに有する、
付記2から4のいずれかに記載のコンデンサユニット。
(付記6)
前記伝熱部材の前記端部を露出させた状態で、前記伝熱部材の外面を覆う被覆部材をさらに備え、
前記絶縁部材は、前記複数のコンデンサ素子の全体および前記被覆部材で覆われた前記伝熱部材を覆う、
付記1から5のいずれかに記載のコンデンサユニット。
(付記7)
前記被覆部材の線膨張係数は、前記伝熱部材の線膨張係数より小さく、かつ、前記絶縁部材の線膨張係数より大きい、または、前記伝熱部材の線膨張係数より大きく、かつ、前記絶縁部材の線膨張係数より小さい、
付記6に記載のコンデンサユニット。
(付記8)
前記伝熱部材は、露出している前記端部から前記絶縁部材で覆われる部分に向かう方向に直交する断面において、角が丸みを帯びた多角形の形状を有する、
付記1から7のいずれかに記載のコンデンサユニット。
(付記9)
前記絶縁部材から露出して設けられる第1端子および第2端子と、
前記第1端子と前記コンデンサ素子の正極とを電気的に接続する第1導体と、
前記第2端子と前記コンデンサ素子の負極とを電気的に接続する第2導体と、を備える、
付記1から8のいずれかに記載のコンデンサユニット。
(付記10)
前記第1導体および前記第2導体の少なくともいずれかは、外面に設けられ、突出する形状および窪む形状の少なくともいずれかを有する第2剥離抑制部を有する、
付記9に記載のコンデンサユニット。
(付記11)
前記伝熱部材の露出した前記端部に熱的に接続され、前記複数のコンデンサ素子から前記伝熱部材を介して伝達された熱を放熱する冷却部をさらに備える、
付記1から10のいずれかに記載のコンデンサユニット。
(付記12)
前記冷却部に向く前記絶縁部材の外面にスリットが形成される、
付記11に記載のコンデンサユニット。
(付記13)
付記1から12のいずれかに記載のコンデンサユニットを備える、
電子機器。
(付記14)
付記11または12に記載のコンデンサユニットと、
前記コンデンサユニットを介して電源から供給される電力を負荷に供給するための電力に変換し、変換した前記電力を出力する電力変換部と、
前記コンデンサユニットおよび前記電力変換部を収容する筐体と、を備え、
前記コンデンサユニットが備える前記冷却部は、前記複数のコンデンサ素子から前記1つまたは複数の伝熱部材を介して伝達された熱を、前記筐体の外部の空気に放熱する、
電子機器。
【0103】
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0104】
1 電子機器、1a,1b端子、11,61 コンデンサユニット、12 電力変換部、13 筐体、13a 開口、21a,21b,21c,21d,31a,31b,31c,31d コンデンサ素子、22a,22b,22c,32a,32b,32c 伝熱部材、23a,33a 第1導体、23b,33b 第2導体、24a,34a 第1端子、24b,34b 第2端子、25 絶縁部材、25a,53 スリット、26 冷却部、27 受熱ブロック、27a,27b 主面、28 放熱器、29 TIM、41a 正極、41b 負極、41c,41d フィルム、50 第1剥離抑制部、51,54,71 凹部、52 貫通孔、55 凸部、62a,62b,62c 被覆部材、70 第2剥離抑制部、91 負荷、221a,221b,221c,321a,321b,321c 端部、C1 第1コンデンサ、C2 第2コンデンサ。
図1
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