(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】人材レーティングシステム、および人材レーティング方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20241220BHJP
G06Q 10/1053 20230101ALI20241220BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241220BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q10/1053
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024518122
(86)(22)【出願日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 JP2023030235
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】澤田 友哉
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-038485(JP,A)
【文献】特開2015-164022(JP,A)
【文献】特開2019-016152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が使用する対象者端末装置と、
前記対象者を評価する外部装置と、
前記対象者端末装置および前記外部装置が通信ネットワークを介して接続された人材レーティング装置と、
人材の派遣先業者が使用する派遣先端末装置と、前記対象者端末装置、および前記派遣先端末装置と通信ネットワークを介して接続された人材入札装置と、を備え、
前記人材レーティング装置は、
前記対象者端末装置から取得した前記対象者の人材情報、および前記外部装置から取得した前記対象者の評価結果を入力し、前記人材情報および前記評価結果に基づいて前記対象者の特徴情報を出力する演算部と、
前記演算部から出力された前記特徴情報に基づいて前記対象者のレーティングを決定するレーティング決定部と、
前記レーティング決定部により決定されたレーティングに基づいて対象者の競り値を決定する競り値決定部と、を備え、
前記対象者の人材情報は、前記対象者が申告した情報であり、前記評価結果は、前記対象者を外部機関が評価した結果であり、前記外部機関は派遣先業者とは異なる前記対象者の評価を行う者であり、
前記人材入札装置は、
前記競り値決定部により決定された前記競り値を示す競り値情報を前記派遣先端末装置に送信する情報提供部と、
前記派遣先端末装置から対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求を受け付ける入札受付部と、
前記入札要求に基づいて前記対象者の派遣先を決定する派遣先決定部と、を備え、
前記競り値は、対象者に入札するために必要な入札ポイント数を示す、
人材レーティングシステム。
【請求項2】
前記演算部は、前記人材情報および前記評価結果に基づく特徴ベクトルを演算し、
前記レーティング決定部は、前記演算部により演算された特徴ベクトルに応じてレーティングを変化させ、
前記競り値決定部は、前記レーティング決定部により決定されたレーティングに基づいて前記競り値の初期値を変化させる、
請求項
1に記載の人材レーティングシステム。
【請求項3】
前記演算部は、前記派遣先端末装置から受け付けた求人条件に基づいて特徴ベクトルを演算し、
前記情報提供部は、前記演算部により演算された前記対象者の特徴ベクトルと前記演算部により演算された前記求人条件の特徴ベクトルに近い特徴ベクトルを持つ対象者の情報を含むマッチング情報を前記派遣先端末装置に送信する、
請求項
2に記載の人材レーティングシステム。
【請求項4】
前記演算部は、前記対象者の特徴ベクトルおよび前記求人条件の特徴ベクトルの次元数を圧縮し、圧縮した次元数において前記求人条件の特徴ベクトルに近い特徴ベクトルを持つ対象者を抽出する、請求項
3に記載の人材レーティングシステム。
【請求項5】
前記競り値決定部は、前記入札受付部により受け付けた入札要求に基づいて前記競り値を変化させ、前記対象者の特徴ベクトルと前記求人条件の特徴ベクトルとの距離に基づいて前記競り値の変動幅を変化させる、請求項
3に記載の人材レーティングシステム。
【請求項6】
対象者が使用する対象者端末装置と、
前記対象者を評価する外部装置と、
前記対象者端末装置および前記外部装置が通信ネットワークを介して接続された人材レーティング装置と、
人材の派遣先業者が使用する派遣先端末装置と、前記対象者端末装置、および前記派遣先端末装置と通信ネットワークを介して接続された人材入札装置と、を備える人材レーティングシステムの人材レーティング方法であって、
前記対象者端末装置が、対象者の人材情報を前記人材レーティング装置に送信するステップと、
前記外部装置が、対象者の評価結果を前記人材レーティング装置に送信するステップと、
前記人材レーティング装置が、前記対象者の人材情報および前記対象者の評価結果を取得するステップと、
前記人材レーティング装置が、前記人材情報および前記評価結果に基づいて前記対象者の特徴情報を演算するステップと、
前記人材レーティング装置が、前記特徴情報に基づいて前記対象者のレーティングを決定するステップと、
前記人材レーティング装置が、決定されたレーティングに基づいて対象者の競り値を決定するステップと、
前記人材入札装置が、決定された前記競り値を示す競り値情報を前記派遣先端末装置に送信するステップと、
前記人材入札装置が、前記派遣先端末装置から対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求を受け付けるステップと、
前記人材入札装置が、前記入札要求に基づいて前記対象者の派遣先を決定するステップと、を含み、派遣先決定部と、を備え、
前記対象者の人材情報は、前記対象者が申告した情報であり、前記評価結果は、前記対象者を外部機関が評価した結果であり、前記外部機関は派遣先業者とは異なる前記対象者の評価を行う者であり、
前記競り値は、対象者に入札するために必要な入札ポイント数を示す、
人材レーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人材レーティングシステム、および人材レーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人材オークションについての技術として、例えば、特許文献1に記載された人材オークションシステムが知られている。特許文献1に記載された人材オークションシステムは、資格機関の提供する資格証明書を求職者の客観的な能力情報として利用することによって、求職者と求人企業の双方のニーズのマッチングを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された人材オークションにおいては求職者の資格以外にも職歴や職場からの評価などの他の要素を含む総合的な評価を考慮することが望ましい。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、人材を総合的に評価することができる人材レーティングシステム、および人材レーティング方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は上述した課題を解決するためになされたもので、本開示の一態様は、対象者が使用する対象者端末装置と、前記対象者を評価する外部装置と、前記対象者端末装置および前記外部装置が通信ネットワークを介して接続された人材レーティング装置と、人材の派遣先業者が使用する派遣先端末装置と、前記対象者端末装置、および前記派遣先端末装置と通信ネットワークを介して接続された人材入札装置と、を備え、前記人材レーティング装置は、前記対象者端末装置から取得した前記対象者の人材情報、および前記外部装置から取得した前記対象者の評価結果を入力し、前記人材情報および前記評価結果に基づいて前記対象者の特徴情報を出力する演算部と、前記演算部から出力された前記特徴情報に基づいて前記対象者のレーティングを決定するレーティング決定部と、前記レーティング決定部により決定されたレーティングに基づいて対象者の競り値を決定する競り値決定部と、を備え、前記対象者の人材情報は、前記対象者が申告した情報であり、前記評価結果は、前記対象者を外部機関が評価した結果であり、前記外部機関は派遣先業者とは異なる前記対象者の評価を行う者であり、前記人材入札装置は、前記競り値決定部により決定された前記競り値を示す競り値情報を前記派遣先端末装置に送信する情報提供部と、前記派遣先端末装置から対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求を受け付ける入札受付部と、前記入札要求に基づいて前記対象者の派遣先を決定する派遣先決定部と、を備え、前記競り値は、対象者に入札するために必要な入札ポイント数を示す、人材レーティングシステムである。
【0007】
本開示の他の態様は、対象者が使用する対象者端末装置と、前記対象者を評価する外部装置と、前記対象者端末装置および前記外部装置が通信ネットワークを介して接続された人材レーティング装置と、人材の派遣先業者が使用する派遣先端末装置と、前記対象者端末装置、および前記派遣先端末装置と通信ネットワークを介して接続された人材入札装置と、を備える人材レーティングシステムの人材レーティング方法であって、前記対象者端末装置が、対象者の人材情報を前記人材レーティング装置に送信するステップと、前記外部装置が、対象者の評価結果を前記人材レーティング装置に送信するステップと、前記人材レーティング装置が、前記対象者の人材情報および前記対象者の評価結果を取得するステップと、前記人材レーティング装置が、前記人材情報および前記評価結果に基づいて前記対象者の特徴情報を演算するステップと、前記人材レーティング装置が、前記特徴情報に基づいて前記対象者のレーティングを決定するステップと、前記人材レーティング装置が、決定されたレーティングに基づいて対象者の競り値を決定するステップと、前記人材入札装置が、決定された前記競り値を示す競り値情報を前記派遣先端末装置に送信するステップと、前記人材入札装置が、前記派遣先端末装置から対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求を受け付けるステップと、前記人材入札装置が、前記入札要求に基づいて前記対象者の派遣先を決定するステップと、を含み、派遣先決定部と、を備え、前記対象者の人材情報は、前記対象者が申告した情報であり、前記評価結果は、前記対象者を外部機関が評価した結果であり、前記外部機関は派遣先業者とは異なる前記対象者の評価を行う者であり、前記競り値は、対象者に入札するために必要な入札ポイント数を示す、人材レーティング方法である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、人材を総合的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態における人材
レーティングシステムの一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態における人材入札装置および人材
レーティング装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態における人材
レーティングシステムの具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態における多変量解析部の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態における特徴ベクトルのマッピング処理の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態における特徴ベクトルを用いた対象者の抽出処理の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態における競り値の演算処理の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態における人材
レーティングシステムの動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した人材レーティングシステム、人材レーティング方法、人材レーティング装置、および人材レーティングプログラムを、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、実施の形態における人材
レーティングシステム1の一例を示すブロック図である。人材
レーティングシステム1は、例えば、人材入札装置100と、
情報処理装置200と、対象者端末装置300と、派遣元端末装置400と、派遣先端末装置500と、外部装置600と、研修コンテンツ提供装置700とを備える。人材入札装置100、
情報処理装置200、対象者端末装置300、派遣元端末装置400、派遣先端末装置500、外部装置600、および、研修コンテンツ提供装置700は、通信ネットワークNWを介して接続され、インターネット等のネットワークに接続するためのNIC(Network Interface Card)または無線通信モジュールなどの通信インターフェース(不図示)を有する。ネットワークは、例えばインターネット等の汎用ネットワーク、およびローカル5GまたはWiFi(登録商標)などのプライベートなネットワークを含んでよい。
【0014】
対象者端末装置300は、対象者に使用されるスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。派遣元端末装置400は、派遣元業者に使用されるスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。派遣先端末装置500は、派遣先業者に使用されるスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。外部装置600は、対象者端末装置300からの要求、派遣元端末装置400からの情報、および派遣先端末装置500からの情報を受け付け、対象者を外部から評価する処理を行うサーバ装置などの情報処理装置である。研修コンテンツ提供装置700は、対象者端末装置300からの要求を受け付け、対象者端末装置300に研修や教育のためのコンテンツを送信する処理を行うサーバ装置などの情報処理装置である。
【0015】
図2は、実施の形態における人材入札装置100および
情報処理装置200の構成の一例を示すブロック図である。人材入札装置100は、例えば、人材情報、評価結果、派遣元業者情報および派遣先業者情報を登録し、派遣先業者の入札に基づいて対象者の派遣先を決定するサービスを提供する情報処理装置である。人材としての対象者は、例えば、薬剤師などの専門的な資格や技能を持つ専門職者である。人材情報は、対象者が申告した情報である。人材情報は、対象者の年齢、勤務可能地、勤務形態、職歴、または保有スキルを含む情報であってよい。評価結果は、対象者を評価する外部装置を利用して対象者が受けた試験結果などの評価情報を含む。評価結果は、対象者の研修受講履歴、派遣先における労働履歴、または派遣先端末装置500から取得した対象者の評価を含む情報であってよい。派遣元業者情報は、対象者の派遣元業者を特定する情報である。派遣先業者情報は、派遣先業者を特定する情報である。
【0016】
人材入札装置100は、例えば、発行部110と、情報提供部120と、入札受付部130と、派遣先決定部140とを備える。発行部110、情報提供部120、入札受付部130、および派遣先決定部140は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0017】
発行部110は、派遣先業者に入札ポイントを発行する。発行部110は、派遣先業者および派遣元業者に入札ポイントを発行してよい。入札ポイントは、人材入札装置100、派遣元業者、および派遣先業者において入札のために仮想的に取引される仮想通貨として機能する情報である。発行部110は、派遣先業者情報が登録されていることに基づいて入札ポイントを定期的に発行する処理、派遣元業者情報が登録されていることに基づいて入札ポイントを定期的に発行する処理、特定コンテンツの閲覧履歴に基づいて入札ポイントを発行する処理、の少なくとも一つを行ってよい。特定コンテンツは、例えば、人材入札装置100が提供する対象者、派遣元業者、派遣元業者に関する情報を含むコンテンツである。特定コンテンツは、派遣先業者が求人条件を入力するときに表示させるコンテンツであってよく、派遣先業者が入札するときに表示させるコンテンツであってよく、派遣元業者が対象者を登録するときに表示させるコンテンツであってよい。派遣先業者は、発行された入札ポイントを保有し、保有している入札ポイントを用いて入札を行うことができる。
【0018】
情報提供部120は、対象者端末装置300から取得した人材情報、および外部装置600から取得した評価結果を派遣先端末装置500に送信する。情報提供部120は、例えば、派遣先端末装置500からの求人条件を含む要求を受け付け、求人条件に基づいて抽出された対象者の人材情報および評価結果を派遣先端末装置500に応答する。求人条件は、例えば、人材情報および評価結果のうち派遣先業者が希望する人材の条件である。
【0019】
入札受付部130は、派遣先端末装置500から対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求を受け付ける。対象者情報は、対象者を特定する情報である。入札ポイント数情報は、派遣先業者が保有する入札ポイントのうち対象者の入札に用いる入札ポイント数を示す情報である。
【0020】
派遣先決定部140は、入札要求に基づいて対象者の派遣先を決定する。派遣先決定部140は、一人の対象者に一つの入札要求を受けつけた場合、入札要求を送信した派遣先端末装置500の派遣先業者を落札者として決定する。派遣先決定部140は、一人の対象者に複数の入札要求を受けつけた場合、入札要求を送信した派遣先端末装置500の派遣先業者のうち最も入札ポイント数が多い派遣先業者を落札者として決定する。
【0021】
情報処理装置200は、例えば、演算部210と、決定部220と、競り値決定部230とを備える人材レーティング装置である。演算部210、決定部220、および競り値決定部230は、例えばCPU等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0022】
演算部210は、対象者端末装置300から取得した対象者の人材情報、および人材の評価装置としての外部装置600から取得した対象者の評価結果を入力し、対象者の特徴情報を出力する。特徴情報は、例えば、対象者の人材情報および評価結果を含む高次元の特徴ベクトルである。決定部220は、演算部210から出力された特徴情報に基づいて対象者のレーティングを決定する。対象者のレーティングは、対象者の価値を示す情報であり、例えば、対象者の需要度、おすすめ度、多数の対象者中のランクなどの情報である。
【0023】
競り値決定部230は、決定部220により決定されたレーティングに基づいて対象者の競り値の初期値を決定する。対象者の競り値は、派遣先業者が対象者に入札するために必要な入札ポイント数を示す。対象者の競り値の初期値は、レーティングが高いほど高い値に設定される。競り値決定部230は、入札要求が多いほど競り値を上昇させるよう補正する。競り値決定部230は、入札要求が少ない場合には競り値を下降させるよう補正してよい。情報提供部120は、派遣先端末装置500からの要求に応じて対象者情報、競り値決定部230により決定された競り値を、派遣先端末装置500に送信する。
【0024】
派遣先決定部140は、競り値決定部230により決定された競り値および入札要求に基づいて対象者を落札した派遣先業者を決定する。
【0025】
図3は、実施の形態における人材
レーティングシステム1の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
人材
レーティングシステム1は、人材マッチング機能と、人材
レーティング機能とを有する。人材マッチング機能は、例えば、ポイント管理装置102と、人材
レーティングシステム1の利用者が操作する端末装置としての対象者端末装置300、派遣元端末装置400、および派遣先端末装置500と、人材照合装置104により実現される。ポイント管理装置102および人材照合装置104は、人材入札装置100により実現される機能部である。
【0026】
人材レーティング機能は、例えば、外部装置600と、人材登録装置202と、記憶装置212と、学習装置214とを備える。学習装置214は、例えば、人材特徴評価部214aと、人材価値評価部214bと、学習情報更新部214cとを備える。人材登録装置202、記憶装置212、学習装置214は、情報処理200により実現される機能部である。
【0027】
人材照合装置104は、例えば、人材入札装置100により実現される機能部である。人材照合装置104は、例えば、情報提供部120と、入札受付部130と、派遣先決定部140とを備える。
【0028】
ポイント管理装置102は、発行部110と、消費部112とを備える。消費部112は、派遣先決定部140により派遣先が決定された場合に、落札者が保有する入札ポイントから入札ポイント数を減算することで、入札ポイントを消費させる。消費部112は、落札者以外の派遣元業者の入札ポイント数を減算させない。
【0029】
人材登録装置202は、例えば、企業需要登録部204と、人材情報登録部206とを備える。企業需要登録部204は、派遣元端末装置400から派遣可能な対象者の対象者情報を取得する。企業需要登録部204は、派遣先端末装置500から求人条件を示す情報を取得する。企業需要登録部204は、派遣元端末装置400および派遣先端末装置500から取得した情報を記憶装置212に記憶させることによって、派遣元業者および派遣先業者の需要を示す情報を登録する。人材情報登録部206は、対象者端末装置300から取得した人材情報を記憶装置212に記憶させる。
【0030】
外部装置600は、対象者を評価する処理を行う情報処理装置である。外部装置600は、例えば、試験実施部710と、総合評価部410とを備える。試験実施部710は、対象者端末装置300に試験用コンテンツを送信し、対象者端末装置300から取得した解答に基づく試験結果を演算する。試験実施部710は、試験結果を会員情報データベース212aに記憶させる。総合評価部410は、例えば派遣元端末装置400における対象者の評価情報、および研修コンテンツ提供装置700から対象者に提供した研修コンテンツの視聴(受講)履歴などを取得し、対象者を総合的に評価する情報として会員情報データベース212aに記憶させる。
【0031】
記憶装置212は、各種の情報の記憶する情報処理装置である。記憶装置212は、例えば、会員情報データベース212aと、学習用データベース212bとを備える。会員情報データベース212aは、会員としての派遣元業者、派遣先業者、および対象者に関する情報を蓄積する。具体的に、会員情報データベース212aは、派遣元業者に所属する対象者情報、派遣先業者の求人条件を示す情報、および対象者の人材情報および評価結果を示す情報を蓄積する。学習用データベース212bは、対象者の特徴ベクトルおよび求人条件を示す特徴ベクトルを取得し、特徴ベクトルを学習データとして記憶する。
【0032】
人材特徴評価部214aは、例えば、演算部210を含む。演算部210は、会員情報データベース212aから対象者の人材情報および評価結果を取得し、取得した情報を高次元の特徴ベクトルに変換する。対象者の特徴ベクトルは、対象者を高次元空間で表現する情報である。演算部210は、対象者の特徴ベクトルを学習用データベース212bに記憶させる。また、人材特徴評価部214aは、派遣先業者から取得した求人条件に基づいて、派遣先業者の求める人材、勤務時間、場所などの要望に対応した値を持つ求人条件の特徴ベクトルに変換する。求人条件の特徴ベクトルは、求人条件を高次元空間で表現する情報である。演算部210は、求人条件の特徴ベクトルを学習用データベース212bに記憶させる。
【0033】
人材価値評価部214bは、例えば、決定部220と、競り値決定部230とを含む。決定部220は、人材特徴評価部214aから取得した対象者の特徴ベクトルに応じて対象者のレーティングを変化させる。競り値決定部230は、変化させたレーティングに基づいて対象者の競り値を決定する。人材価値評価部214bは、試験実施部710に対して試験内容を変更させる指示を出力し、変更された試験を受けた対象者の試験結果に基づいて演算部210によって特徴ベクトルを更新させ、対象者のレーティングを示すレーティング情報および競り値を示す競り値情報を更新する。人材価値評価部214bは、試験結果および対象者を総合的に評価する情報に基づいて特徴ベクトルを更新することで対象者の価値を評価する。
【0034】
学習情報更新部214cは、人材価値評価部214bから特徴ベクトル取得し、人材照合装置104に出力する。人材照合装置104は、学習情報更新部214cから取得した特徴ベクトルによって学習用データベース212bに記憶された対象者の特徴ベクトルを更新する。
【0035】
図4は、実施の形態における多変量解析部200Aの一例を示す図である。多変量解析部200Aは、人材特徴評価部214a(演算部210)および人材価値評価部214b(
決定部220、競り値決定部230)における特徴ベクトル、
レーティング、および競り値の演算を行う。多変量解析部200Aは、例えば、自己申告情報および外部評価情報を入力し、多変量解析を行うことによって特徴ベクトルを出力する。
【0036】
自己申告情報は、例えば、国家資格情報、職歴情報、大学専攻情報、専門領域および得意分野情報、勤務可能地域情報、勤務可能時間情報、通勤またはリモートワークなどのワークスタイル情報、対応可能言語情報、および自宅情報などの対象者が申告した情報である。外部評価情報は、例えば、オンライン試験情報、派遣先の総合評価情報、所属する専門職業界(例えば薬剤師会)に関する情報などの外部機関が対象者を評価した情報である。外部機関とは、派遣元業者、試験開催者、研修開催者、教育コンテンツ提供者などの対象者以外の者を含む。多変量解析部200Aは、多変量解析として、ロジスティック回帰分析、比較ハザード分析、分散分析、重回帰分析、判別分析、主成分分析、因子分析、またはクラスター分析のいずれかを使用する処理を行う。多変量解析は、例えば、主成分分析や因子分析などの要約処理、クラスター分析や判別分析などの分類処理、および回帰分析などの予測処理を含んでいてよい。
【0037】
図5は、実施の形態における特徴ベクトルのマッピング処理の一例を示す図である。
演算部210は、対象者の特徴ベクトルおよび求人条件の特徴ベクトルの次元数を圧縮し、圧縮した次元数において対象者の特徴ベクトルと求人条件の特徴ベクトルとの距離に基づいて、求人条件の特徴ベクトルに近い特徴ベクトルを持つ対象者を抽出してよい。高次元の特徴ベクトル(
図5の左図)を蒸留(distillation)して2D空間(
図5の右図)にマッピングする方法として、t-SNE(t-distributed Stochastic Neighbor Embedding)が知られている。多変量解析部200Aは、特徴ベクトルをリアルタイムで処理する必要があるが、t-SNEは高次元の特徴ベクトル空間で特徴ベクトルの比較を行うと入力変数が多いほど計算時間を要する。そこで、多変量解析部200Aは、t-SNEやRP(Random Projection)を用いて特徴ベクトルの次元を圧縮し、2D空間上の距離を求めることで特徴ベクトルの比較処理の高速化を図ることができる。例えば、対象者の高次元の特徴ベクトルを2D空間に正規化し、派遣元業者が求める人材の特徴ベクトルも2D空間に正規化する。これにより多変量解析部200Aは、派遣元業者が求める人材に類似する対象者を短時間で絞り込むことができる。
【0038】
図6は、実施の形態における特徴ベクトルを用いた対象者の抽出処理の一例を示す図である。
多変量解析部200Aは、求人条件を含む情報に対して多変量解析を行うことによって、求人条件の特徴ベクトルを高次元の特徴ベクトル空間にマッピングする。多変量解析部200Aは、求人条件の特徴ベクトルが特徴ベクトル空間における任意の1点(図中の×)に収束した場合には、k近傍法(k-nearest neighbors)を使用して、任意の1点からの距離の近い特徴ベクトルを持つ対象者の順に、k人の候補者を抽出する。人材特徴評価部214aは、
図6中の楕円のように求人条件の特徴ベクトルが特徴ベクトル空間の任意の領域に点在した場合、求人条件が含まれる特徴ベクトル空間内に含まれるすべての候補者を抽出する。多変量解析部200Aは、演算の高速化のために、t-SNEやRPを行って特徴ベクトル空間の次元数を削減し、削減した特徴ベクトル空間において候補者の抽出を行ってよい。
【0039】
多変量解析部200Aは、入力された複数の説明変数としての自己申告情報および外部評価情報に対して多変量解析を行い、特徴ベクトル空間における対象者と求人条件とのマッチ率(類似度および相関)を算出する。これにより多変量解析部200Aは、ある説明変数のみに着目して対象者と派遣先の相関や類似度を求めるのではなく、高次元の特徴空間における自明でない相関および類似度を考慮した派遣先候補を提案することが可能となる。
【0040】
図7は、実施の形態における競り値の演算処理の一例を示す図である。
競り値決定部230は、入札受付部130により受け付けた入札要求に基づいて競り値を変化させ、対象者の特徴ベクトルと求人条件の特徴ベクトルとの距離に基づいて競り値の変動幅を変化させてよい。競り値の変動幅は、例えば、ある対象者に対して入札数が増加することに応じて更新される競り値の変化を示す。人材価値評価部214bの競り値決定部230は、対象者の特徴ベクトルと求人条件の特徴ベクトルとの距離d(
図7中のx、x=1/d)が近いほど競り値(図中のy)を増加させてよい。競り値決定部230は、例えば、下記の式のように、対象者の特徴ベクトルと求人条件の特徴ベクトルとの距離dの逆数に対してlogxをかけることによって初期の競り値gに対する補正幅yを増加させる。
y=g・xlogx(x≧1)またはg(x<1)
これにより競り値決定部230は、派遣先業者の求人条件に近い対象者ほど、競り値が上昇する幅を大きく変動させることができる。一方、競り値決定部230は、派遣先業者の求人条件に近い対象者がいない場合、競り値が上昇する幅を小さく変動させることができる。
【0041】
図8は、実施の形態における人材
レーティングシステム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。
まず対象者端末装置300は、人材入札装置100に人材情報を含む登録情報S10を送信する。人材情報は、
情報処理装置200に送信され、記憶装置212に記憶される。派遣元端末装置400は、派遣元情報および対象者情報を含む登録情報S12を人材入札装置100に送信する。派遣元情報および対象者情報は、
情報処理装置200に送信され、記憶装置212に記憶される。派遣元端末装置400は、登録情報S12に対象者を登録するために派遣元業者が人材入札装置100の管理者に支払う料金情報を含めてよい。派遣先端末装置500は、派遣先情報および求人情報を含む登録情報S14を人材入札装置100に送信する。派遣先情報および求人情報は、
情報処理装置200に送信され、記憶装置212に記憶される。派遣先端末装置500は、登録情報S14に、派遣先業者が人材入札装置100の管理者に定期的に支払う料金情報を含めてよく、入札ポイントを取得するための料金情報を含めてよい。人材入札装置100は、派遣先業者に仲介手数料の支払いを要求する料金情報S16を派遣先端末装置500に送信する。人材入札装置100は、派遣元業者に仲介手数料の支払いを要求する料金情報S18を派遣元端末装置400に送信する。これにより人材入札装置100の運営者は派遣先業者および派遣元業者から仲介手数料を取得することができる。
【0042】
人材入札装置100は、発行部110により派遣先業者に発行した入札ポイントを示すポイント発行情報S20を派遣先端末装置500に送信する。人材入札装置100は、発行部110により派遣元業者に発行した入札ポイントを示すポイント発行情報S22を派遣元端末装置400に送信する。
【0043】
派遣元端末装置400は、登録した対象者のうち派遣する対象者の対象者情報を含む派遣登録情報S24を人材入札装置100に送信する。情報処理装置200は、派遣登録情報S24に含まれる対象者の特徴ベクトルに基づいてレーティングを決定し、レーティング情報に基づいて競り値を示す競り値情報S26aを人材入札装置100に送信する。人材入札装置100は、レーティング情報および競り値情報S26aを対象者端末装置300、派遣元端末装置400、および派遣先端末装置500に送信する。これにより対象者、派遣元業者、および派遣先業者は、対象者のレーティングおよび競り値を閲覧することができる。
【0044】
情報処理装置200は、求人条件の特徴ベクトルと対象者の特徴ベクトルとを用いて、求人条件の特徴ベクトルに近い特徴ベクトルをもつ対象者を抽出し、抽出した対象者の対象者情報を含むマッチング情報S26bを人材入札装置100に送信する。情報提供部120は、マッチング情報S26bを派遣先端末装置500に送信する。これにより派遣先業者は、求人条件にマッチングする対象者を閲覧することができる。
【0045】
複数の派遣先端末装置500が、ある対象者の対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求情報S28a、28b、・・・を人材入札装置100に送信する。競り値決定部230は、受信した入札要求に応じて競り値を変動させる。派遣先決定部140は、複数の入札要求情報S28a、28b、・・・のうち入札ポイント数が最も多い派遣先業者を落札者として決定し、落札者を示す落札情報S30を派遣先端末装置500、派遣元端末装置400、および対象者端末装置300に送信する。
【0046】
人材入札装置100は、落札者としての派遣先業者が保有する入札ポイントから入札ポイント数を減算したポイント情報S32aを落札者の派遣先端末装置500に送信し、落札できなかった派遣先業者に入札ポイント数を返還するポイント情報S32b、・・・を落札者以外の派遣先業者の派遣先端末装置500に送信する。人材入札装置100の発行部110は、落札された対象者の派遣元業者に対応した派遣元端末装置400に、成功報酬としての入札ポイントを発行するポイント情報S34を送信する。
【0047】
対象者が派遣先に勤務すると、発行部110は、落札された対象者の派遣元業者の派遣元端末装置400に、対象者の労働対価としての雇用料金(時給)の一部を示す料金情報S36aを送信する。料金情報S36aは、入札ポイント数を示す情報であってよい。これにより派遣元業者は、対象者を派遣したことによって報酬を得ることができる。また、人材入札装置100は、派遣先業者の派遣先端末装置500に、雇用料金(時給)の一部を示す料金情報S36bを送信する。これにより派遣先業者は、対象者を雇用したことによって報酬を得ることができる。
【0048】
人材照合装置104は、派遣先業者に対象者をレコメンドするために協調フィルタリング処理を行ってよい。人材照合装置104は、派遣先業者の検索履歴または入札履歴に基づいて、要望している対象者が似ている派遣先業者を探索し、探索された派遣先業者が落札した対象者に似ている対象者をレコメンドしてよい。人材照合装置104は、コンテンツベースフィルタリング処理を行うことで、派遣先業者が閲覧している対象者の特徴ベクトルに似ている特徴ベクトルを持つ対象者をレコメンドしてよい。人材照合装置104は、協調フィルタリング処理により派遣先業者の求人条件の特徴ベクトルを推定し、コンテンツフィルタリング処理により、推定した求人条件の特徴ベクトルに似た特徴ベクトルを持つ対象者をレコメンドしてよい。
【0049】
さらに学習装置214は、学習情報更新部214cによって更新された、例えば、派遣先業者の求人条件の特徴ベクトル、派遣先業者が落札した対象者の特徴ベクトル、落札した競り値(入札ポイント数)を学習データとして予測モデルを学習させ、説明変数として求人条件の特徴ベクトルを予測モデルに入力し、予測モデルから出力された対象者の特徴ベクトルに似た特徴ベクトルを持つ対象者および競り値の初期値(推論結果)をレコメンドしてよい。予測モデルは、正規分布、二項分布などの統計モデルが利用可能であり、統計モデルを特定するためのパラメータを持つ。パラメータは、学習処理によって推論結果を出力するための最適な値が設定される。
【0050】
また、予測モデルは、教師なし学習、教師あり学習のいずれの手法で学習させてよい。教師なし学習は、例えば、次元圧縮法処理やクラスタリング処理を含む。次元圧縮法は、例えば主成分分析、多次元尺度構成法、t-SNE法などを含む。クラスタリング処理は、k-meanms法、階層的クラスタリングなどを含む。教師あり学習は、例えば、分類処理または回帰処理などを含む。分類処理は、例えば、決定木、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、ロジスティクス回帰などを含む。回帰処理は、例えば、部分的最小二乗法(Partial Least Squares Regression、PLS)、ラッソ回帰(least absolute shrinkage and selection operator、LASSO)、Ridge回帰、サポートベクターマシン、ランダムフォレスト、ロジスティクス回帰などを含む。学習装置214は、これらの学習手法を用いて予測モデルを構築し、構築した予測モデルを用いて多変量解析部200A(演算部210、決定部220、および競り値決定部230)の処理を行う。
【0051】
以上のように、実施の形態によれば、対象者端末装置300と、対象者を評価する外部装置600と、対象者端末装置300および外部装置600が通信ネットワークNWを介して接続された情報処理装置200とを備え、人材レーティング装置が、対象者端末装置300から取得した対象者の人材情報、および外部装置600から取得した対象者の評価結果を入力し、人材情報および評価結果に基づいて対象者の特徴情報を出力する演算部210と、演算部210から出力された特徴情報に基づいて対象者のレーティングを決定する決定部220と、を備える、人材レーティングシステム1を実現することができる。
【0052】
人材レーティングシステム1によれば、対象者の人材情報としての対象者が申告した情報、評価結果としての対象者を外部機関が評価した結果に基づいて対象者をレーティングすることができるので、人材を総合的に評価して、対象者や派遣先業者にレーティングを見える化することができる。
【0053】
人材レーティングシステム1によれば、決定部220により決定されたレーティングに基づいて対象者の競り値を決定し、競り値決定部230により決定された競り値を示す競り値情報を派遣先端末装置500に送信し、派遣先端末装置500から対象者情報および入札ポイント数情報を含む入札要求を受け付けて、入札要求に基づいて対象者の派遣先を決定することができる。これにより人材レーティングシステム1によれば、レーティングに基づいて対象者への入札を支援することができる。
【0054】
人材レーティングシステム1によれば、例えば、対象者として薬剤師を想定した場合、休日外来や薬剤師の不足する地域のドラックストアに勤務可能な薬剤師を落札することによって、薬剤師が不足する場面を抑制して患者に薬剤を提供することができる。また、人材レーティングシステム1によれば、薬剤師の技量を高めるため、企業や薬局が教育の一環として異なる業種または勤務形態の職場に薬剤師を派遣することができ、派遣元業者にとって保有する薬剤師のスキルアップを図り、薬剤師の競り値を上昇させることができるメリットがある。さらに、人材レーティングシステム1によれば、対象者情報を登録することに応じて無料で研修コンテンツを提供し、研修の受講履歴に応じて薬剤師の競り値を向上させることができる。これにより人材レーティングシステム1によれば、薬剤師から自身のスキルに応じた競り値を見える化し、さらに、派遣先業者からみた価値を高くすることができる。
【0055】
人材レーティングシステム1によれば、人材情報および前記評価結果に基づく特徴ベクトルを演算し、演算された特徴ベクトルに応じてレーティングを変化させ、決定されたレーティングに基づいて競り値の初期値を変化させることができる。これにより人材レーティングシステム1は、対象者が持つ資格や評価に応じて対象者を適正に評価する競り値を設定することができる。
【0056】
人材レーティングシステム1によれば、派遣先端末装置500から受け付けた求人条件に基づいて特徴ベクトルを演算し、対象者の特徴ベクトルと求人条件の特徴ベクトルに近い特徴ベクトルを持つ対象者の情報を含むマッチング情報を派遣先端末装置500に送信することができる。これにより人材レーティングシステム1は、人手によって求人条件に近い対象者を探索する手間を省くことができる。
【0057】
人材レーティングシステム1によれば、対象者の特徴ベクトルおよび求人条件の特徴ベクトルの次元数を圧縮し、圧縮した次元数において求人条件の特徴ベクトルに近い特徴ベクトルを持つ対象者を抽出することができるので、求人条件に近い対象者を抽出する処理を高速化することができる。
【0058】
人材レーティングシステム1によれば、入札要求に基づいて競り値を変化させ、対象者の特徴ベクトルと求人条件の特徴ベクトルとの距離に基づいて競り値の変動幅を変化させることができる。
【0059】
なお、各実施形態および変形例について説明したが、一例であってこれらに限られず、例えば、各実施形態や各変形例のうちのいずれかや、各実施形態の一部や各変形例の一部を、他の1または複数の実施形態や他の1または複数の変形例と組み合わせて本発明の一態様を実現させてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…人材入札支援システム、100…人材入札装置、102…ポイント管理装置、104…人材照合装置、110…発行部、112…消費部、120…情報提供部、130…入札受付部、140…派遣先決定部、200…情報処理装置、200A…多変量解析部、202…人材登録装置、204…企業需要登録部、206…人材情報登録部、210…演算部、212…記憶装置、212a…会員情報データベース、212b…学習用データベース、214…学習装置、214…人材特徴評価部、214a…人材特徴評価部、214b…人材価値評価部、214c…学習情報更新部、220…レーティング決定部、
230…競り値決定部、300…対象者端末装置、400…派遣元端末装置、410…総合評価部、500…派遣先端末装置、600…外部装置、700…研修コンテンツ提供装置、710…試験実施部
【要約】
本開示の一態様は、対象者端末装置と、対象者を評価する外部装置と、対象者端末装置および前記外部装置が通信ネットワークを介して接続された人材レーティング装置とを備え、人材レーティング装置は、対象者端末装置から取得した対象者の人材情報、および外部装置から取得した対象者の評価結果を入力し、人材情報および評価結果に基づいて対象者の特徴情報を出力する演算部と、演算部から出力された特徴情報に基づいて対象者のレーティングを決定するレーティング決定部と、を備える、人材レーティングシステムである。