(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】照射制御装置及び照射制御方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/076 20060101AFI20241220BHJP
【FI】
B60Q1/076
(21)【出願番号】P 2024519159
(86)(22)【出願日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 JP2022019554
(87)【国際公開番号】W WO2023214459
(87)【国際公開日】2023-11-09
【審査請求日】2024-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中本 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】井上 悟
(72)【発明者】
【氏名】下谷 光生
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-073284(JP,A)
【文献】特開2008-143505(JP,A)
【文献】特開2009-040227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/076
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両から、前記自車両が走行している第1車道と、前記第1車道と交差してかつ前記第1車道
の一方側である境界と接続する第2車道
との接続部までの距離に関する情報、及び前記第2車道の形状に関する情報を含む、車道に関する情報を取得する車道情報取得部と、
前記自車両の運転者の視線方向に関する情報を取得する視線方向取得部と、
前記自車両から前記接続部までの距離に基づいて、前記接続部を照射する第1態様となるように前記自車両の照射装置を制御し、前記照射装置が前記第1態様である状態で前記運転者の視線方向が前記第2車道に向いている場合に、
少なくとも前記運転者の視線方向に沿う仮想線と前記第2車道とが平面視で重なる部
分を照射する第2態様となるように前記照射装置を制御する照射制御部と、を備えた
ことを特徴とする照射制御装置。
【請求項2】
前記第1態様は、少なくとも前記自車両の前方及び前記接続部を同時に照射する態様であり、前記第2態様は、少なくとも前記自車両前方及び前記運転者の視線方向に沿う仮想線と前記第2車道とが平面視で重なる部分を同時に照射する態様である
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項3】
前記車道情報取得部は、地図情報及び前記自車両の位置を示す位置情報を取得し、
取得した前記地図情報及び前記位置情報に基づいて、前記車道に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項4】
前記照射制御部は、前記接続部が前記自車両よりも前方に位置してかつ前記自車両から前記接続部までの距離が所定距離以下である場合に、前記第1態様となるように前記照射装置を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項5】
前記照射制御部は、前記照射装置が前記第1態様である場合に、前記照射装置が前記第2態様である場合よりも低い輝度となるように前記照射装置を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項6】
前記車道情報取得部は、前記第1車道が複数の車線を有している場合、前記自車両が、前記複数の車線のうちいずれの車線を走行しているかを示す情報を取得し、
前記照射制御部は、前記第1車道が複数の車線を有し、かつ前記自車両が走行している車線と前記第2車道とが接続していない場合、前記照射装置が前記第2態様となることを制限する
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項7】
前記照射制御部は、前記第1車道が複数の車線を有し、かつ前記自車両が走行している車線と前記第2車道とが接続していない場合、前記照射装置が前記第1態様となることを制限する
ことを特徴とする請求項
5記載の照射制御装置。
【請求項8】
前記照射制御部は、前記第1車道が複数の車線を有し、かつ前記自車両が走行している車線と前記第2車道とが接続していない場合、前記自車両から前記接続部までの距離と、前記運転者の視線方向が前記第2車道に向いていることと、に基づいて、前記第1態様となるように前記照射装置を制御する
ことを特徴とする請求項
6記載の照射制御装置。
【請求項9】
前記照射制御部は、前記第2車道が前記第1車道へ合流する車道である場合、前記第2車道が前記第1車道から分岐する車道である場合よりも、前記第2態様において広い範囲を照射するように前記照射装置を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項10】
前記自車両の速度に関する速度情報を取得する速度情報取得部を備え、
前記照射制御部は、前記自車両から前記接続部までの距離と、前記自車両の速度と、に基づいて、前記第1態様となるように前記照射装置を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の照射制御装置。
【請求項11】
車道情報取得部と、視線方向取得部と、照射制御部と、を備えた装置が行う自車両の照射装置を制御する照射制御方法であって、
前記車道情報取得部が、前記自車両から、前記自車両が走行している第1車道と、前記第1車道と交差してかつ前記第1車道
の一方側である境界と接続する第2車道
との接続部までの距離に関する情報、及び前記第2車道の形状に関する情報を含む、車道に関する情報を取得するステップと、
前記視線方向取得部が、前記自車両の運転者の視線方向に関する情報を取得するステップと、
前記照射制御部が、前記自車両から前記接続部までの距離に基づいて、前記接続部を照射する第1態様となるように前記照射装置を制御するステップと、
前記照射制御部が、前記照射装置が前記第1態様である状態で前記運転者の視線方向が前記第2車道に向いている場合に、
少なくとも前記運転者の視線方向に沿う仮想線と前記第2車道とが平面視で重なる部
分を照射する第2態様となるように前記照射装置を制御するステップと、を備えた
ことを特徴とする照射制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照射制御装置及び照射制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者の顔向き方向及び顔向き角度と、車両から交差点までの距離と、に基づいて、ヘッドランプユニットの照射方向を変化させる車両用照明制御システムが開示されている(特許文献1参照)。この車両用照明制御システムは、ナビゲーション装置の誘導に応じて車両が右左折する方向に運転者が顔を向けた場合、顔向きに合わせてヘッドランプユニットの照射方向を変化させることで、右左折する方向の路面を照明するようにヘッドランプユニットを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、車両の運転者は、自車両が走行する車道以外にも、当該車道と交差する他の車道に注意を向ける必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の車両用照明制御システムは、自車両が右左折する方向の路面、即ち自車両が走行する車道を照明して視認性の向上を図るものであるにすぎず、自車両が走行する車道と交差する他の車道の視認性を向上させることができなかった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するものであって、車道の視認性を向上させることができる照射制御装置及び照射制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照射制御装置は、自車両から、自車両が走行している第1車道と、第1車道と交差してかつ第1車道の一方側である境界と接続する第2車道との接続部までの距離に関する情報、及び第2車道の形状に関する情報を含む、車道に関する情報を取得する車道情報取得部と、自車両の運転者の視線方向に関する情報を取得する視線方向取得部と、自車両から接続部までの距離に基づいて、接続部を照射する第1態様となるように自車両の照射装置を制御し、照射装置が第1態様である状態で運転者の視線方向が第2車道に向いている場合に、少なくとも運転者の視線方向に沿う仮想線と第2車道とが平面視で重なる部分を照射する第2態様となるように照射装置を制御する照射制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車道の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る車両の概略構成を示す側面図である。
【
図2】実施の形態1に係る車両の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る照射制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る照射制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る照射制御装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1の変形例1に係る照射制御装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1に係る車両が車道を走行している様子を示す平面図である。
【
図8】実施の形態1に係る車両の第1態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【
図9】実施の形態1に係る車両の第2態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【
図10】実施の形態1に係る照射装置の輝度の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【
図11】実施の形態2に係る照射制御装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2に係る第2態様の照射装置が分岐路を照射する場合の照射範囲を示す平面図である。
【
図13】実施の形態2に係る第2態様の照射装置が合流路を照射する場合の照射範囲を示す平面図である。
【
図14】実施の形態3に係る車両と接続部との位置関係を示す平面図である。
【
図15】実施の形態3に係る車両と接続部との位置関係を示す平面図である。
【
図16】実施の形態4に係る車両の第2態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【
図17】実施の形態4に係る車両の第2態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【
図18】実施の形態5に係る車両の第1態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【
図19】実施の形態5に係る車両の第2態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【
図20】実施の形態6に係る照射制御装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図21】実施の形態6に係る車両が車道を走行している様子を示す平面図である。
【
図22】実施の形態7に係る照射制御装置が行う処理を示すフローチャートである。
【
図23】実施の形態7に係る車両の第1態様の照射装置による照射範囲を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、
図1を参照して、実施の形態1に係る自車両としての車両1の概略構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る車両1の概略構成を示す側面図である。車両1は、車体2、地図情報取得部10、位置情報生成部20、乗員情報取得部30、照射装置40及び照射制御装置100を備えている。なお、以下の説明において、車両1のステアリングハンドル(不図示)が中立位置に位置する状態での車両1の進行方向である、
図1に示す-Y方向を前方とし、これを基準に前後左右方向を定義する。
【0010】
地図情報取得部10は、車両1の周辺の車道に関する地図情報を取得する。例えば、地図情報取得部10は、車外に設けられて地図情報を管理する地図情報管理サーバ(不図示)と通信を行うことによって、地図情報管理サーバから車両1の周辺の車道に関する地図情報を取得する。例えば、地図情報は、車道の配置、形状、車線の数及び進行方向等、車両1の周辺の車道に関する情報が含まれている。なお、車両1が予め地図情報を記憶している記憶部を備えている場合、地図情報取得部10は、この記憶部から地図情報を取得するように構成されていてもよい。
【0011】
位置情報生成部20は、車両1の位置を示す位置情報を生成する。例えば、位置情報生成部20は、GNSS(Global Navigation Satellite System)によって取得した情報に基づいて、位置情報を生成する。具体的には、位置情報生成部20は、GPS(Global Positioning Systems)衛星、準天頂衛星、地上に配置された基地局等、車外の設備(不図示)と通信を行うことによって取得した情報と、車両1が有するジャイロセンサ、速度センサ及び加速度センサ等のセンサ(不図示)によって取得した情報と、に基づいて、位置情報を生成する。
【0012】
乗員情報取得部30は、車体2によって区画される車室R内において、運転者3を含む乗員4の情報を取得する。例えば、乗員情報取得部30は、DMS(Driver Monitoring System)又はOMS(Occupant Monitoring System)によって構成され、車室R内を撮影するカメラ(不図示)からの画像情報に基づいて、乗員4の姿勢、顔の向き、視線方向等、乗員4の外観に関する情報を取得する。
【0013】
照射装置40は、点灯して車外に光を照射する。例えば、照射装置40は、車両1の前方を照射する前照灯41と、前照灯41とは異なる範囲を照射可能な補助灯42と、を有している。例えば、補助灯42は、車両1が走行している車道と交差してかつ当該車道と接続する他の車道を照射(照明)する。照射装置40は、夜間等、車両1の周辺の明るさが十分でない状態において、車外を照射することで、車道の視認性を向上させる。照射制御装置100は、照射装置40を制御する。例えば、照射制御装置100は、地図情報取得部10、位置情報生成部20及び乗員情報取得部30からの情報に基づいて、照射装置40の点灯、消灯及び照射範囲を制御する。照射制御装置100の詳細は、後述する。
【0014】
次に、
図2を参照して、照射制御装置100の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1に係る車両1の概略構成を示すブロック図である。照射制御装置100は、車道情報取得部110、位置情報取得部120、注視方向取得部130及び照射制御部140を備えている。
【0015】
位置情報取得部120は、位置情報生成部20が生成した車両1の位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部120は、位置情報生成部20が生成した車両1の位置情報として、車両1の所定部位(例えば、車両1の左右中央の前端部)の地理座標系における座標を取得する。位置情報取得部120は、取得した位置情報を出力する。
【0016】
車道情報取得部110は、車両1が走行している車道及び車両1の周辺の車道に関する情報を取得する。例えば、車道情報取得部110は、地図情報取得部10からの地図情報及び位置情報取得部120からの位置情報を取得し、取得したこれらの情報に基づいて、車両1が走行している車道及び車両1の周辺の車道に関する情報を取得する。車道情報取得部110が取得する車道に関する情報は、車両1の周辺において、車両1から、車両1が走行している車道と、当該車道と交差してかつ当該車道と接続する他の車道と、の接続部までの距離に関する情報、及び他の車道の形状に関する情報を含む。なお、車両1が走行している車道は、実施の形態1において、第1車道を構成し、第1車道と交差してかつ第1車道と接続する他の車道は、実施の形態1において、第2車道を構成する。
【0017】
また、車道情報取得部110は、地図情報取得部10からの地図情報及び位置情報取得部120からの位置情報に加えて、又はこれら地図情報及び位置情報に代えて、車外を撮影するカメラから取得した画像情報に基づいて、車両1が走行している車道及び車両1の周辺の車道に関する情報を取得するように構成されていてもよい。車道情報取得部110は、取得した車道に関する情報を出力する。車道情報取得部110の詳細については、後述する。
【0018】
注視方向取得部130は、乗員情報取得部30から車両1の運転者3(
図1参照)の視線方向に関する情報を取得する。例えば、注視方向取得部130は、乗員情報取得部30が運転者3の眼球の動きの情報に基づいて算出した視線方向の情報を乗員情報取得部30から取得する。なお、注視方向取得部130は、乗員情報取得部30が取得した運転者3の顔の向きの情報に基づいて間接的に推定した運転者3の視線方向の情報を乗員情報取得部30から取得してもよいし、乗員情報取得部30が取得した運転者3の上体の向きの情報に基づいて間接的に推定した運転者3の視線方向の情報を乗員情報取得部30から取得してもよいし、運転者3の眼球の動き、顔の向き及び上体の向きのうちの複数の情報の組合せによって運転者3の視線方向の情報を取得してもよい。一般に、顔の向き及び上体の向きは、T字路又は十字路等の交差点で車両が比較的低速で走行している場合、並びに運転者が近距離を注視している場合、視線方向との相関が高い。
【0019】
また、注視方向取得部130は、車両1の前方を基準とした角度の数値として視線方向に関する情報を取得してもよいし、運転手を基準とした方角の数値として視線方向に関する情報を取得してもよいし、車両1の前方を複数の領域に区分した場合に運転者の視線が向けられているいずれかの領域を視線方向に関する情報として取得してもよい。また、注視方向取得部130は、乗員情報取得部30から取得した情報に基づいて運転者3の視線方向を算出(推定)することで、視線方向に関する情報を取得してもよい。
【0020】
また、注視方向取得部130は、取得した運転者3の視線方向に関する情報に基づいて、運転者3が注視している注視方向の情報を取得する。例えば、注視方向取得部130は、取得した運転者3の視線方向の所定期間における変化量が予め設定された閾値未満である場合、当該所定期間における視線方向に基づいて注視方向を取得する。具体的には、注視方向取得部130は、運転者3の視線方向の所定期間における変化量が予め設定された閾値未満である場合、当該所定期間における視線方向の平均を注視方向として取得してもよいし、当該所定期間の開始時における視線方向を注視方向として取得してもよいし、当該所定期間の終了時における視線方向を注視方向として取得してもよい。
【0021】
また、注視方向取得部130は、車両1の前方を複数の領域に区分した場合に運転者の視線が向けられている領域が、所定期間変化がなかった場合に、運転者から視た当該領域の方向を注視方向として取得してもよく、運転者3の視線方向に基づいて運転者3の注視している注視方向を取得する方法としては、多様な方法が考えられる。注視方向取得部130は、取得した運転者3の注視方向を示す情報を出力する。なお、実施の形態1において、瞬間的な視線方向と、上記注視方向と、をまとめて単に視線方向ともいう。なお、注視方向取得部130は、実施の形態1において、視線方向取得部を構成する。
【0022】
照射制御部140は、車道情報取得部110及び注視方向取得部130からの情報に基づいて、照射装置40の点灯、消灯及び照射範囲を制御するための制御信号を出力する。照射制御部140の詳細については、後述する。
【0023】
次に、
図3及び
図4を参照して、照射制御装置100のハードウェア構成について説明する。
図3及び
図4は、照射制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、
図3に示すように、照射制御装置100は、プロセッサ100aとメモリ100bとI/Oポート100cとを有し、メモリ100bに格納されるプログラムをプロセッサ100aが読み出して実行するように構成されている。
【0024】
また、例えば、
図4に示すように、照射制御装置100は、専用のハードウェアである処理回路100dと、I/Oポート100cとを有している。処理回路100dは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらの組合せによって構成される。照射制御装置100の各機能は、これらプロセッサ100a又は専用のハードウェアである処理回路100dがプログラムを実行することによって実現される。
【0025】
次に、
図5乃至
図10を参照して、照射制御装置100が行う処理について説明する。
図5は、照射制御装置100が行う処理を示すフローチャートであり、
図7は、実施の形態1に係る車両1が、第1車道としての車道S1を走行している様子を示す平面図である。
図7に示す状態で、照射装置40は、車両1の前方の照射範囲H1のみを照射する通常の態様で車道S1を照射している。また、
図7に示す車道S1は、車両1が走行している車線S11と、車線S11に隣接して車線S11と同一方向に向かう車線S12と、を有している。車線S11は、幅方向における一方側の境界K1と他方側の境界K2とによって区画されており、車線S12は、幅方向における一方側の境界K2と他方側の境界K3とによって区画されている。例えば、境界K3は、車線S12と対向車線(不図示)とを区画する中央分離帯である。
【0026】
車両1の周辺には、車道S1と交差してかつ車道S1の一方側である境界K1と接続する第2車道としての車道S2が存在している。例えば、車道S2は、合流部としての接続部C1で車道S1に合流する合流路である。言い換えると、車道S2は、車道S2を走行する車両が、車道S1と車道S2とが接続する接続部C1において車道S1を走行する車両と合流する、合流路である。また、例えば、車道S2は、車道S2を走行する車両が90°以下の進行方向の変化で車道S1に侵入することが可能なように車道S1と接続している。
【0027】
照射制御装置100は、処理を開始すると、まず、位置情報取得部120によって車両1の位置情報を取得する(ステップST100)。ステップST100の処理を行うと、照射制御装置100は、車道情報取得部110によって周辺の車道に関する情報を取得する(ステップST101)。この処理において、例えば、車道情報取得部110は、地図情報と位置情報とに基づいて、車両1から予め設定された所定の第1距離内の範囲における、車両1が走行している車道S1と他の車道である車道S2との接続部C1の有無、接続部C1の位置及び形状、車両1から接続部C1までの距離L、及び車両1から視た車道S2の位置及び形状の情報を取得する。
【0028】
例えば、第1距離は、前照灯41による照射可能な最大距離よりも大きい距離、例えば、200メートルである。なお、車両1から接続部C1までの距離は、車両1の前端から接続部C1の手前側の端部P1までの距離であってもよいし、車両1の中心部からの距離であってもよいし、接続部C1の中心点までの距離であってもよいし、直線距離であってもよいし、車両1が走行している車道S1に沿った長さであってもよい。
【0029】
ステップST101の処理を行うと、照射制御装置100は、照射制御部140によって、車道情報取得部110が取得した車道に関する情報に基づいて、走行している車道S1と他の車道である車道S2との接続部C1が、車両1の進行方向において車両1よりも前方に位置して、かつ所定の第1距離内に存在するか否かを判定する(ステップST102)。ステップST102の処理において、車道S1と車道S2との接続部C1が、所定の第1距離内に存在しない場合(ステップST102のNO)、照射制御装置100は、処理をステップST100に戻す。
【0030】
ステップST102の処理において、車道S1と車道S2との接続部C1が、車両1の進行方向における前方に位置して、かつ所定の第1距離内に存在する場合(ステップST102のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140によって、接続部C1が、車両1の進行方向における前方に位置して、かつ車両1から接続部C1までの距離Lが所定の第1距離よりも小さい所定の第2距離以下であるか否かを判定する(ステップST103)。言い換えると、照射制御部140は、車両1が接続部C1の第2距離手前の位置に達したか否かを判定する。例えば、第2距離は、照射装置40が接続部C1を照射可能な最大距離、例えば、100メートルである。この処理において、照射制御部140は、照射装置40によって照射することで視認性を向上させる必要性がある接続部C1が、所定の第2距離内に存在するか否かを判定している。
【0031】
ステップST103の処理において、車両1から接続部C1までの距離Lが所定の第2距離以下でない場合(ステップST103のNO)、照射制御装置100は、車両1と接続部C1との距離Lが所定の第2距離以下となるまで次の処理を待機する。ステップST103の処理において、車両1から接続部C1までの距離Lが所定の第2距離以下である場合(ステップST103のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140によって、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御するための制御信号を出力する(ステップST104)。
【0032】
図8は、実施の形態1に係る車両1の第1態様の照射装置40による照射範囲を示す平面図である。
図8に示すように、照射装置40は、第1態様である状態で、車両1の前方と、接続部C1と、を照射する。例えば、照射装置40は、第1態様である状態で、前照灯41によって車両1の前方の照射範囲H1を照射し、補助灯42によって接続部C1を含む照射範囲H2を照射する。この処理において、照射制御装置100は、車両1の前方を照射すると共に比較的に狭い範囲である接続部C1を照射して、接続部C1の視認性を向上させて、車両1の運転者に車道S2への注意を促している。
【0033】
なお、照射装置40は、第1態様である状態で、接続部C1の少なくとも一部を照射していればよく、車道S1と車道S2との接続部の一部が照射装置40による照射範囲に含まれていなくてもよい。また、照射装置40が通常の態様で照射する場合の照射範囲、例えば、前照灯41の照射範囲に接続部C1の一部又は全部が含まれていてもよい。
【0034】
ステップST104の処理を行うと、照射制御装置100は、注視方向取得部130によって運転者3(
図1参照)の視線方向に関する情報(運転者情報)を取得する(ステップST105)。この処理において、注視方向取得部130は、運転者3の視線方向と、視線方向の時間変化と、に基づいて運転者3の注視方向を取得している。
【0035】
ステップST105の処理を行うと、照射制御装置100は、照射制御部140によって、運転者3の注視方向が車道S2に向いているか否かを判定する(ステップST106)。この処理において、照射制御部140は、照射装置40が第1態様である状態で運転者3の注視方向が第2車道S2に向いているか否かを判定している。言い換えると、照射制御部140は、照射装置40が第1態様である状態で、運転者の注視方向に沿う仮想線と車道S2とが平面視で重なるか否かを判定している。ステップST106の処理において、運転者3の注視方向が車道S2に向いていない場合(ステップST106のNO)、例えば、
図8に示すように、運転者3の注視方向D1が前方を向いている場合、照射制御装置100は、処理をステップST108に移行する。
【0036】
ステップST106の処理において、運転者3の注視方向が車道S2に向いている場合(ステップST106のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140によって、照射装置40が接続部C1から車道S2の運転者3が注視している部分までを含む範囲を照射する第2態様となるように、照射装置40を制御するための制御信号を出力する(ステップST107)。言い換えると、照射制御部140は、運転者3の注視方向に沿う仮想線と第2車道S2とが平面視で重なる部分から接続部C1までを含む範囲を照射する第2態様となるように照射装置40を制御する制御信号を出力する。
【0037】
図9は、実施の形態1に係る車両1の第2態様の照射装置40による照射範囲を示す平面図である。
図9に示すように、運転者3の注視方向D2が第2車道S2に向いている場合、照射制御部140は、第2態様となるように照射装置40を制御する。照射装置40は、第2態様において、車両1の前方と、運転者3の注視方向D2に沿う仮想線V1と第2車道S2とが平面視で重なる部分である注視領域A1から接続部C1までを含む照射範囲H3と、を照射する。例えば、照射装置40は、第2態様である状態で、前照灯41によって車両1の前方の照射範囲H1を照射し、補助灯42によって接続部C1から注視領域A1までを含む照射範囲H3を照射する。この処理において、照射制御装置100は、照射装置40に接続部C1から車道S2の運転者3が注視している部分までを含む範囲を照射させることで、運転者3が車道S2に注意を向けた場合に車道S2の視認性を向上させて、車道S2の形状及び車道S2上の他の車両等を目視しやすくしている。
【0038】
なお、実施の形態1において、照射制御部140は、第1態様で照射した場合よりも、第2態様で照射した場合の方が広角の照射を行うように、照射装置40を制御する。言い換えると、照射制御部140は、第1態様で照射した場合よりも、第2態様で照射した場合の方が、車両1から視た照射範囲の幅が大きくなるように、照射装置40を制御する。また、言い換えると、照射制御部140は、第1態様で照射した場合よりも、第2態様で照射した場合の方が、車道S2の長手方向において照射範囲が大きくなるように、照射装置40を制御する。
【0039】
例えば、照射制御部140は、照射装置40が第1態様で照射する場合よりも多くの光源を発光させることにより、照射装置40を第2態様で照射させるように制御する。また、例えば、照射制御部140は、駆動源(不図示)によって補助灯42を移動させることによって、第1態様での照射と第2態様での照射とを切替えるように照射装置40を制御する。また、例えば、照射制御部140は、駆動源(不図示)によって照射装置40の反射板(不図示)を移動させることによって、第1態様での照射と第2態様での照射とを切替えるように照射装置40を制御する。このように、照射制御装置100は、運転者3が車道S2に注意を向けた場合に照射装置40に第2態様で照射させることによって、第1態様で照射させる場合よりも車道S2の広い範囲における視認性を向上させている。
【0040】
ステップST107の処理を行うと、照射制御装置100は、照射制御部140によって車両1が接続部C1を通過したか否かを判定する(ステップST108)。この処理において、照射制御部140は、車道情報取得部110が取得した車道に関する情報に基づいて、車両1が接続部C1を通過したか否かを判定している。なお、この処理において、照射制御部140は、車両1の前端が接続部C1の最奥端を通過したか否かを判定することによって車両1が接続部C1を通過したか否かを判定してもよいし、車両1の前端が接続部C1の手前側の端部P1を通過したか否かを判定することによって車両1が接続部C1を通過したか否かを判定してもよいし、接続部C1が照射装置40によって照射可能な範囲を手前側に外れたか否かを判定することによって車両1が接続部C1を通過したか否かを判定してもよい。車両1が接続部C1を通過していない場合(ステップST108のNO)、照射制御装置100は、処理をST105に移行して再度運転者情報を取得する。
【0041】
車両1が接続部C1を通過した場合(ステップST108のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140に第1態様及び第2態様での照射を終了させて、通常の態様で照射するように照射装置40を制御するための制御信号を出力する(ステップST109)。例えば、この処理において、照射制御部140は、補助灯42による照射を終了する。
【0042】
上述したような、照射装置40によって車道S2を照射する輝度は、運転者3が感じる煩わしさ及び違和感、並びに他車の乗員及び歩行者が感じる眩しさを抑制するため、急激な変化を避けることが望ましい。
図10は、実施の形態1に係る照射装置40の、輝度の変化の一例を示すタイミングチャートである。例えば、
図10に示すように、照射制御部140は、車両1と接続部C1との距離Lが第2距離に達した時刻t1から接続部C1を照射する補助灯42の輝度をゼロから徐々に上昇させ、時刻t2で補助灯42の輝度を所定の第1輝度に到達させる。照射制御部140は、照射装置40が第1態様を維持する間、補助灯42に第1輝度を維持させる。
【0043】
その後、照射制御部140は、時刻t3で運転者3の注視方向が車道S2に向けられた場合、再び補助灯42の輝度を徐々に上昇させ、時刻t4で補助灯42の輝度を第1輝度よりも輝度が高い所定の第2輝度に到達させる。照射制御部140は、照射装置40が第2態様を維持する間、補助灯42に第2輝度を維持させる。その後、照射制御部140は、時刻t5で運転者3の注視方向が車道S2から外れるか、車両1が接続部C1を通過した場合、補助灯42の輝度を徐々に下降させ、時刻t6で補助灯42の輝度をゼロにする。
【0044】
このように、照射制御部140は、照射装置40が第1態様である場合に、照射装置40が第2態様である場合よりも低い輝度となるように、照射装置40を制御する。これにより、運転者が接続部C1に対する関心が低い場合に、照射装置40による照射によって運転者が煩わしさを感じること及び違和感を覚えることを抑制することができる。
【0045】
また、照射制御部140は、第1態様の照射装置40で接続部C1を照射する場合、並びに第2態様の照射装置40で接続部C1及び車道S2を照射する場合、輝度が徐々に変化するように、照射装置40を制御する。これにより、輝度の急激な変化に伴って運転者3が煩わしさ感じること及び違和感を覚えること、並びに他車の乗員及び歩行者が眩しさを感じることを抑制することが可能となる。なお、照射制御部140は、照射装置40が照射する輝度を段階的に変化させるように制御してもよい。
【0046】
以上、実施の形態1に係る照射制御装置100は、照射制御部140が、車両1から接続部C1までの距離Lに基づいて、接続部C1を照射する第1態様となるように車両1の照射装置40を制御し、照射装置40が第1態様である状態で運転者3の注視方向が第2車道S2に向いている場合に、運転者3の注視方向に沿う仮想線V1と第2車道S2とが平面視で重なる注視領域A1から接続部C1までを含む範囲を照射する第2態様となるように照射装置40を制御する。これにより、照射制御装置100は、車両1が車道S1を直進するか否かによらず、運転者が注意を向けた場合に交差する車道S2を照射して車道S2の視認性を向上させることができる。
【0047】
また、照射制御装置100は、照射装置40に第1態様で照射させる場合、照射装置40に第2態様で照射させる場合よりも低い輝度となるように照射装置40を制御するので、運転者が視線を車道S2に向けていない場合には照射装置40が車道S2との接続部C1を照射する輝度を抑制し、運転者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【0048】
また、照射制御装置100は、運転者の注視方向が車道S2に向いている場合に、照射装置40が車道S2を第2態様で照射するので、視線方向の変化に応じて短時間で頻繁に照射装置40の照射の態様及び輝度が変化することを抑制し、運転者が感じる煩わしさ、並びに他車の乗員及び歩行者等が感じる眩しさ等を抑制することができる。
【0049】
なお、実施の形態1において、車道S2は、接続部C1で車道S1に合流する合流路であるものとして説明したが、これに限定されない。車道S2は、接続部C1で車道S1から分岐する分岐路であってもよいし、接続部C1でT字又は十字に交差する交差路であってもよい。例えば、車道S2が分岐路である場合、接続部C1は車道S1から車道S2へ分岐する分岐部であり、車道S2が交差路である場合、接続部C1は車道S1と車道S2との交差点への進入部又は交差点からの離脱部である。
【0050】
変形例1.
次に、
図6を参照して、実施の形態1の変形例について説明する。実施の形態1において、照射制御装置100は、ステップST104にて第1態様で照射した後に、運転者3が一度でも他の車道である車道S2を注視すると接続部を通過するまで第2態様で照射し続けるように照射装置40を制御したが、これに限定されない。照射制御装置100は、運転者3が車道S2を注視したときには第2態様で照射し、運転者3が車道S2を注視しなかった場合は、再度第1態様で照射するように照射装置40を制御してもよい。
図6は、実施の形態1の変形例1に係る照射制御装置100が行う処理を示すフローチャートである。変形例1に係る照射制御装置100は、実施の形態1に係る照射制御装置100に対し、ステップST106の処理において、ステップST106の処理において、運転者3の注視方向が車道S2に向いていない場合(ステップST106のNO)の処理が異なるが、他の処理及び構成については実施の形態1と同様である。変形例1に係る照射制御装置100は、ステップST106の処理において、運転者が車道S2を注視していない場合(ステップST106のNO)、処理をステップST104aに移行して第1態様で照射を行う。ステップST104aの処理を行うと、変形例1に係る照射制御装置100は、処理をステップST108に移行する。
【0051】
なお、実施の形態1に係る照射制御装置100及び変形例1に係る照射制御装置100は、接続部から第2距離だけ手前になった時点で、一旦第1態様で照射するように動作するが、接続部から第2距離だけ手前になった時点で、運転者3が車道S2を注視している場合には、第1態様で照射を行わずに最初から第2態様で照射するように照射装置40を制御してもよい。このような場合、照射制御装置100が行う処理は、
図5及び
図6に示すフローチャートに対して、ステップST103及びステップST104を削除したものとなる(図示省略)。
また、接続部から第2距離だけ手前になった時点で、その時点より少し前の時点までの間に、例えば5秒手前までに運転者3が車道S2を注視した場合には、第1態様で照射を行わずに最初から第2態様で照射するように照射装置40を制御してもよい。
【0052】
実施の形態2.
次に、
図11乃至
図13を参照して、実施の形態2に係る照射制御装置100について説明する。実施の形態2に係る照射制御装置100は、実施の形態1に係る照射制御装置100と比較して、照射装置40に第2態様で照射させる処理が異なるが、他の処理や構成については同様であり、実施の形態1と同様の処理及び構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図11は、実施の形態2に係る照射制御装置100が行う処理を示すフローチャートである。ステップST106の処理において、運転者3の注視方向が車道S2に向いている場合(ステップST106のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140によって、ステップST102において所定の第1距離内に存在すると判定した接続部C1に係る他の車道が、接続部C1で車道S1と合流する合流路であるか否かを判定する(ステップST1071)。
【0054】
ステップST1071の処理において、接続部C1に係る他の車道が合流路でない場合(ステップST1071のNO)、照射制御装置100は、照射制御部140によって通常の第2態様の照射装置40で照射を行う(ステップST1072)。また、ステップST1071の処理において、接続部C1に係る他の車道が合流路である場合(ステップST1071のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140によって通常の第2態様で照射する場合よりも、広角の照射となるように第2態様の照射装置40で照射を行う(ステップST1073)。
【0055】
図12は、実施の形態2に係る第2態様の照射装置40が分岐路である車道S3を照射する場合の照射範囲を示す平面図であり、
図13は、実施の形態2に係る第2態様の照射装置40が合流路である車道S2を照射する場合の照射範囲を示す平面図である。
図12及び
図13に示すように、照射制御部140は、注視方向D2が同じであったとしても、第2態様の照射装置40が合流路である車道S2を照射する場合、第2態様の照射装置40が分岐路である車道S3を照射する場合よりも広角の照射となるように、照射装置40を制御する。言い換えると、照射制御部140は、他の車道が車道S1へ合流する車道S2である場合、他の車道が車道S1から分岐する車道S3である場合よりも、第2態様において広い範囲を照射するように照射装置40を制御する。
【0056】
例えば、照射制御部140は、注視方向D2が同じであったとしても、第2態様の照射装置40が合流路である車道S2を照射する場合(
図13参照)の、照射範囲H2の先端の円弧長W2が、第2態様の照射装置40が分岐路である車道S3を照射する場合(
図12参照)の照射範囲H2の先端の円弧長W1よりも、長くなるように、照射装置40を制御する。なお、照射制御部140は、第2態様の照射装置40が合流路である車道S2を照射する場合、第2態様の照射装置40が分岐路である車道S3を照射する場合よりも、車道S1から離れる方向へ照射範囲が広がるように、照射装置40を制御することが望ましい。
【0057】
ステップST1072及びステップST1073の処理を行うと、照射制御装置100は、ステップST108の処理を行う。
【0058】
以上、実施の形態2に係る照射制御装置100は、照射制御部140が、他の車道が車道S1へ合流する車道S2である場合、他の車道が車道S1から分岐する車道S3である場合よりも、第2態様において広い範囲を照射するように照射装置40を制御する。これにより、照射制御装置100は、自車両が走行する車道S1に接続する他の車道が、車道S1に向かって走行する他の車両が存在する可能性がある合流路である車道S2である場合に、合流路でない場合よりも照射装置40によって広い範囲を照射して、当該他の車道の視認性を向上させることができる。
【0059】
なお、実施の形態2に係る照射制御装置100は、照射制御部140が、他の車道が車道S1へ合流する車道S2であるか否かによって照射する範囲の広さを変化させるように構成されているが、これに限定されない。照射制御装置は、他の車道を照射装置40が照射する範囲の広さの重要度に基づいて、照射装置40が照射する範囲の広さを変化させるように構成されていればよく、例えば、照射制御装置は、周辺の明るさに基づいて照射装置40が照射する範囲の広さを変化させるように構成されていてもよいし、他の車道の幅に基づいて照射装置40が照射する範囲の広さを変化させるように構成されていてもよいし、自車両の速度に基づいて照射装置40が照射する範囲の広さを変化させるように構成されていてもよい。
【0060】
具体的には、照射制御装置は、周辺の明るさが所定の明るさよりも暗い場合、周辺の明るさが所定の明るさよりも明るい場合よりも、照射装置40が広い範囲を照射するように照射装置40を制御してもよいし、他の車道の幅が所定の幅よりも広い場合、他の車道の幅が所定の幅よりも狭い場合よりも、照射装置40が広い範囲を照射するように照射装置40を制御してもよいし、自車両の速度が所定の速度よりも大きい場合、自車両の速度が所定の速度よりも小さい場合よりも、照射装置40が広い範囲を照射するように照射装置40を制御してもよい。
【0061】
実施の形態3.
次に、
図14及び
図15を参照して、実施の形態3に係る照射制御装置100について説明する。実施の形態3に係る照射制御装置100は、実施の形態1に係る照射制御装置100と比較して、照射装置40に第1態様で照射させる処理が異なるが、他の処理や構成については同様であり、実施の形態1と同様の処理及び構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
実施の形態3に係る照射制御装置100は、照射制御部140が、車両1から接続部C1までの距離と車両1の速度とに基づいて、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御する。具体的には、照射制御装置100は、車両1の速度が大きいほど、接続部C1を照射する第1態様となる判断基準となる車両1から接続部C1までの第2距離が大きくなるように、照射制御部140が照射装置40を制御する。
【0063】
例えば、照射制御部140は、位置情報取得部120から取得した車両1の位置情報が示す車両1の位置の、単位時間あたりの変化に基づいて、車両1の速度を算出する。このような照射制御部140は、実施の形態3において、自車両の速度に関する速度情報を取得する速度情報取得部を構成する。また、例えば、照射制御装置100は、車両1の速度を示す速度情報を取得する速度センサ(不図示)を備え、照射制御部140に速度情報を出力する。このような速度センサは、実施の形態3において、自車両の速度に関する速度情報を取得する速度情報取得部を構成する。
【0064】
照射制御部140は、第2距離L(t)を、L(t)=Vs×t1 となるように設定する。ここで、Vsは、車両1の速度であり、t1は、予め設定されている所定時間である。t1が短すぎると、第2距離L(t)が小さくなることによって運転者3が接続部C1及び車道S2の視認が困難になる。このため、t1は、運転者3が車両1の運転中に接続部C1及び車道S2の視認が可能になる程度大きな値となるように設定される。例えば、t1は、1~2.5秒程度の時間に予め設定される。
【0065】
照射制御部140は、このように第2距離L(t)を設定することにより、車両1の車速Vsが大きいほど接続部C1から手前の位置で接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御するので、速度に応じた適正なタイミングで接続部C1を照射することが可能となり、接続部C1の視認性を向上させることができる。
【0066】
図14は、実施の形態3に係る車両1a,1bと接続部C1との位置関係を示す平面図である。
図15は、実施の形態3に係る車両1cと接続部C1との位置関係を示す平面図である。
図14に示すように、照射制御部140は、接続部C1の座標が(X0,Y0)、自車両である車両1aの座標が(X1,Y1)である場合、距離L(Y0-Y1)が、第2距離L(t)=Vs×t1よりも小さくなった際に、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御する。また、
図14に示すように、照射制御部140は、自車両である車両1bの座標が(X2,Y2)である場合、距離L(Y0-Y2)が、第2距離L(t)=Vs×t1よりも小さくなった際に、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御する。
【0067】
なお、例えば、照射制御部140は、車線S12の幅方向であるX方向の接続部C1と自車両との座標の差に基づいて、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御してもよい。具体的には、照射制御部140は、L=√〔(X0-X2)2+(Y0-Y2)2〕 として算出した接続部C1と自車両との距離Lに基づいて、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御してもよい。このように照射装置40を制御することにより、例えば、車両1bのように接続部C1から遠い側の車線である車線S12を自車両が走行している場合においても、適正なタイミングで接続部C1を照射することが可能となる。
【0068】
また、
図15に示すように、照射制御部140は、接続部C1の座標が(X0,Y0)、自車両である車両1cの座標が(X3,Y3)であり、車両1cが合流路である車道S2を走行している場合、距離L√〔(X0-X3)
2+(Y0-Y3)
2〕が、第2距離L(t)=Vs×t1よりも小さくなった際に、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御する。
【0069】
実施の形態4.
次に、
図16及び
図17を参照して、実施の形態4に係る照射制御装置100について説明する。実施の形態4に係る照射制御装置100は、実施の形態1に係る照射制御装置100と比較して、照射装置40に第2態様で照射させる処理が異なるが、他の処理や構成については同様であり、実施の形態1と同様の処理及び構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
図16及び
図17は、実施の形態4に係る車両1の第2態様の照射装置40による照射範囲を示す平面図である。
図16に示すように、実施の形態4に係る照射制御装置100は、照射装置40が第1態様である状態で運転者の注視方向D21が車道S2に向いている場合に、運転者の注視方向D21に沿う仮想線V11と車道S2とが平面視で重なる部分である注視領域A11から接続部C1までを含む照射範囲H21を照射する第2態様となるように、照射制御部140が照射装置40を制御する。
【0071】
また、実施の形態4に係る照射制御装置100は、照射装置40が第2態様で照射範囲H21を照射している状態で運転者が注視方向を変化させた場合、注視方向の変化に追従して照射装置40が照射する範囲を変化させるように、照射制御部140が照射装置40を制御する。例えば、
図17に示すように、照射制御装置100は、照射装置40が第2態様で照射範囲H21を照射している状態で運転者が注視方向D21(
図16参照)を注視方向D22(
図17参照)へ変化させた場合、注視方向の変化に追従して照射装置40が照射する範囲を、照射範囲H21(
図16参照)から、運転者の注視方向D22に沿う仮想線V12と車道S2とが平面視で重なる部分である注視領域A12を含む照射範囲H22(
図17参照)へ変化させるように、照射制御部140が照射装置40を制御する。
【0072】
このように、実施の形態4に係る照射制御装置100は、照射装置40が第2態様で照射範囲H21を照射している状態で運転者が注視方向を変化させた場合、注視方向の変化に追従して照射装置40が照射する範囲を変化させるように、照射制御部140が照射装置40を制御するので、運転者が車道S2の広い範囲に注意を向けようとしている際に、照射装置40で車道S2の広い範囲を照射することが可能となり、車道S2の視認性を向上させることができる。
【0073】
なお、実施の形態4において、分岐路である車道S2を例に説明したが、照射装置40によって照射する他の車道としては、合流路であってもよいし、交差路であってもよい。また、照射装置40が照射する照射範囲H22は、接続部C1を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。また、照射制御部140は、照射装置40が第2態様で照射範囲H21を照射している状態で運転者が注視方向を変化させた場合、注視方向の変化に追従して照射装置40が照射する範囲を移動させるように変化させてもよいし、注視方向の変化に追従して照射装置40が照射する範囲を拡大させるように変化させてもよいし、注視方向の変化に追従して照射装置40が照射する範囲を移動させながら拡大させるように変化させてもよい。
【0074】
実施の形態5.
次に、
図18及び
図19を参照して、実施の形態5に係る照射制御装置100について説明する。実施の形態5に係る照射制御装置100は、実施の形態1に係る照射制御装置100と比較して、照射装置40に第1態様及び第2態様で照射させる処理が異なるが、他の処理や構成については同様であり、実施の形態1と同様の処理及び構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
図18は、実施の形態5に係る車両1の第1態様の照射装置40による照射範囲を示す平面図である。例えば、車両1が走行している車道S1と交差してかつ当該車道S1と接続する、交差路としての車道S2及び車道S3が存在する場合について説明する。実施の形態5に係る照射制御装置100は、車両1から接続部C1までの距離に基づいて、接続部C1を照射する第1態様となるように車両1の照射装置40を照射制御部140が制御し、車道S1と車道S2との接続部C1、及び車道S1と車道S3との接続部C1を共に照射する。
【0076】
図19は、実施の形態5に係る車両1の第2態様の照射装置40による照射範囲を示す平面図である。実施の形態5に係る照射制御装置100は、照射装置40が第1態様である状態で、車両1が車道S2又は車道S3に侵入するための運転者の操作を照射制御部140が検知し、検知した操作に応じて照射装置40を制御する。言い換えると、実施の形態5に係る照射制御装置100は、照射装置40が第1態様である状態で、車両1が車道S2又は車道S3に向けて左折又は右折するための運転者の操作を照射制御部140が検知し、検知した操作に応じて照射装置40を制御する。
【0077】
例えば、照射制御部140は、ステアリングハンドルの操作角度を所定角度以上とする操作、ウインカーの点滅を開始する操作等の、左折又は右折するための運転者の操作を検知する。
【0078】
図19に示すように、例えば、照射制御部140は、右折するための運転者の操作を検知した場合、車道S1と車道S3との接続部C1と、当該接続部C1よりも右折した際の進行方向奥となる部分と、を含む照射範囲H3を照射するように、照射装置40を制御する。例えば、当該接続部C1よりも右折した際の進行方向奥となる部分に横断歩道Z1が配置されている場合、照射制御部140は、右折するための運転者の操作を検知すると、車道S1と車道S3との接続部C1と、車道S3の横断歩道Z1を含む照射範囲H3を照射するように、照射装置40を制御する。
【0079】
一般に、運転者は、交差路で左折又は右折する場合、周辺の広い範囲に注意を向けるために視線方向を短時間で複数方向に変化させることが多く、運転者が狭い範囲を注視する注視方向を抽出することが難しい。このため、交差路としての車道S2及び車道S3が存在する場合、運転者の注視方向に基づいて照射装置40を制御するよりも、交差路で左折又は右折する方向に応じて照射装置40を制御する方が、車道の視認性を向上させる目的に適う場合がある。
【0080】
なお、
図19に示す状態から車両1が実際に右折する方向へ移動を開始した場合、照射制御部140は、照射装置40が照射する照射範囲H3を進行方向奥に移動させるように、照射装置40が照射する範囲を変化させてもよい。また、実施の形態5において、車道S1、車道S2及び車道S3は、十字に交差する交差路を形成しているが、これに限らず、車道S1、車道S2及び車道S3がT字に交差する交差路を形成している場合においても同様である。
【0081】
実施の形態6.
次に、
図20及び
図21を参照して、実施の形態6に係る照射制御装置100について説明する。実施の形態6に係る照射制御装置100は、実施の形態1に係る照射制御装置100と比較して、照射装置40に第1態様で照射させる処理が異なるが、他の処理や構成については同様であり、実施の形態1と同様の処理及び構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
図20は、実施の形態6に係る照射制御装置100が行う処理を示すフローチャートであり、
図21は、実施の形態6に係る車両1が車道S1を走行している様子を示す平面図である。実施の形態6に係る照射制御装置100は、ステップST101の処理を行うと、車道情報取得部110によって自車両が走行している車線の情報を取得する(ステップST1001)。この処理において、車道情報取得部110は、車両1が走行している車道S1が有する車線の本数を示す情報と、車道S1が複数の車線を有している場合、これら複数の車線のうち車両1がいずれの車線を走行しているかを示す情報と、を取得する。
【0083】
ステップST1001の処理を行うと、照射制御装置100は、ステップST102の処理を行う。ステップST102の処理を行うと、照射制御装置100は、車道情報取得部110が取得した自車両が走行している車線の情報に基づいて、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されているか否かを判定する(ステップST1002)。
【0084】
ステップST1002の処理において、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されている場合(ステップST1002のYES)、照射制御装置100は、ステップST103の処理を行い、ステップST103の処理においてYESの場合、照射装置40によって第1の態様で接続部C1を照射する(ステップST104)。
【0085】
ステップST1002の処理において、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されていない場合(ステップST1002のNO)、照射制御装置100は、処理をステップST100に戻す。この処理において、照射制御部140は、車両1が走行している車道S1が複数の車線を有している場合において、車両1が走行している車線と車道S2とが接続していない場合、照射装置40が第1態様及び第2態様となることを制限している。言い換えると、照射制御部140は、車両1が走行している車道S1が複数の車線を有している場合において、車両1が走行している車線と車道S2とが接続していない場合、照射装置40が第1態様及び第2態様となることを禁止している。
【0086】
図21は、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されていない場合の状態を示す。
図21に示すように、車両1が、互いに同一方向へ向かう車線S11と車線S12とを有する車道S1の、車道S2とは反対側の車線である車線S12を走行している場合、車両1が走行している車線S12と車道S2との間に1本の車線S11が存在しているため、車線S12と車道S2とは直接接続されていない。
【0087】
このような場合においては、運転者に、車道S2及び車道S1と車道S2との接続部C1に対する注意を促す重要度が低い。照射制御装置100は、このような場合に照射装置40が第1の態様で接続部C1を照射する処理を行わないことにより、運転者に注意を促す重要度が低い範囲を照射装置40が照射することを制限して、運転者が煩わしさを感じること、並びに他車の乗員及び歩行者が眩しさを感じることを抑制している。
【0088】
なお、車道情報取得部110は、自車両である車両1が走行している車線と、接続部C1に係る車道S2と、の間に存在する車線の本数の情報を取得し、当該本数に応じて照射制御部140が照射装置40を制御するように構成されていてもよい。例えば、照射制御部140は、車両1が走行している車線と車道S2とが直接接続されていない場合であっても、車両1が走行している車線と車道S2との間に存在する車線の本数が所定本数(例えば1本)以内である場合、接続部C1を第1態様で照射するように照射装置40を制御してもよい。
【0089】
実施の形態7.
次に、
図22及び
図23を参照して、実施の形態7に係る照射制御装置100について説明する。実施の形態7に係る照射制御装置100は、実施の形態6に係る照射制御装置100と比較して、照射装置40に第1態様で照射させる処理が異なるが、他の処理や構成については同様であり、実施の形態6と同様の処理及び構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
図22は、実施の形態7に係る照射制御装置100が行う処理を示すフローチャートであり、
図23は、実施の形態7に係る車両1が車道S1を走行している様子を示す平面図である。ステップST102の処理において、車道S1と車道S2との接続部C1が、車両1の進行方向における前方に位置して、かつ所定の第1距離内に存在する場合(ステップST102のYES)、実施の形態7に係る照射制御装置100は、ステップST103の処理を行う。ステップST103の処理において、車両1から接続部C1までの距離Lが所定の第2距離以下である場合(ステップST103のYES)、照射制御装置100は、ステップST1002の処理を行う。ステップST1002の処理において、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されている場合(ステップST1002のYES)、照射制御装置100は、ステップST104の処理を行う。ステップST1002の処理において、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されていない場合(ステップST1002のNO)、実施の形態7に係る照射制御装置100は、運転者情報を取得(ステップST105a)し、運転者の注視方向が車道S2に向いているか否かを判定する(ステップST1003)。
【0091】
ステップST1003の処理において、運転者の注視方向が車道S2に向いていない場合(ステップST1003のNO)、照射制御装置100は、照射制御部140によって車両1が接続部C1を通過したか否かを判定する(ステップST108a)。ステップST108aの処理において、車両1が接続部C1を通過していない場合(ステップST108aのNO)、照射制御装置100は、処理をステップST105aに戻す。このように、照射制御部140は、車両1が走行している車道S1が複数の車線を有している場合において、車両1が走行している車線と車道S2とが接続しておらず、かつ運転者の注視方向が車道S2に向いていない場合、照射装置40が第1態様及び第2態様となることを制限している。言い換えると、照射制御部140は、車両1が走行している車道S1が複数の車線を有している場合において、車両1が走行している車線と車道S2とが接続しておらず、かつ運転者の注視方向が車道S2に向いていない場合、照射装置40が第1態様及び第2態様となることを禁止している。このように、照射制御装置100は、運転者の注視方向が車道S2に向いていないことに基づいて、運転者の車道S2に対する関心が低いものと判定し、第1態様の照射装置40で接続部C1を照射することを禁止している。
【0092】
ステップST1003の処理において、運転者の注視方向が車道S2に向いている場合(ステップST1003のYES)、照射制御装置100は、照射制御部140によって、接続部C1を照射する第1態様となるように照射装置40を制御するための制御信号を出力する(ステップST1005)。ステップST1005の処理を行うと、照射制御装置100は、ステップST108aの処理を行う。ステップST108aの処理において、車両1が接続部C1を通過していた場合(ステップST108aのYES)、照射制御装置100は、ステップST109の処理を行う。
【0093】
図23は、車両1が走行している車線と、他の車道とが接続部C1によって接続されていない場合の状態を示す。
図23に示すように、車両1が、互いに同一方向へ向かう車線S11と車線S12とを有する車道S1の、車道S2とは反対側の車線である車線S12を走行している場合、車両1が走行している車線S12と車道S2との間に1本の車線S11が存在しているため、車線S12と車道S2とは直接接続されていない。
【0094】
上述したように、このような場合においては、運転者に、車道S2及び車道S1と車道S2との接続部C1に対する注意を促す重要度が低いが、車線S12と車道S2とが直接接続されていない場合であっても、運転者が車道S2へ視線方向を向けた場合には、運転者が車道S2に注意を向けている可能性が高い。実施の形態7に係る照射制御部140は、車線S12と車道S2とが直接接続されていない場合であっても、運転者が車道S2へ視線方向を向けた場合に第1態様で接続部C1を照射するように照射装置40を制御する。言い換えると、運転者の視線方向D3に沿う仮想線V2と車道S2とが平面視で重なる場合に、第1態様で接続部C1を照射するように照射装置40を制御する。ステップST1005の処理を行うと、照射制御装置100は、ステップST108の処理を行う。
【0095】
以上より、実施の形態7に係る照射制御装置100は、自車両が走行している車線が他の車道S2と直接接続されていない車線であっても、運転者の注視方向が車道S2に向けられたことに基づいて、接続部C1を第1態様で照射するように照射制御部140が照射装置40を制御する。これにより、実施の形態7に係る照射制御装置100は、自車両が走行している車線によらず、運転者が注意を向けていることに基づいて他の車道との接続部C1を照射して、視認性を向上させることができる。
【0096】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組合せ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本開示に係る照射制御装置及び照射制御方法は、例えば、車道を走行する車両が照射装置によって車道を照射する際に、車道の視認性を向上させるための照射装置の制御に利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 車両(自車両)、3 運転者、40 照射装置、100 照射制御装置、110 車道情報取得部、130 注視方向取得部(視線方向取得部)、140 照射制御部(速度情報取得部)、A1,A11,A12 部分、C1 接続部、D1,D2,D3,D21,D22 注視方向(視線方向)、H2,H21,H22 照射範囲(範囲)、L 距離、S1 車道(第1車道)、S2 車道(第2車道)、S11 車線、S12 車線、V1,V11,V12 仮想線。