(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】受電装置及び給電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 50/12 20160101AFI20241220BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241220BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J7/00 301D
(21)【出願番号】P 2024535612
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 JP2022037041
(87)【国際公開番号】W WO2024075175
(87)【国際公開日】2024-04-11
【審査請求日】2024-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】榊 裕翔
(72)【発明者】
【氏名】中溝 英之
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112366777(CN,A)
【文献】特開2010-233354(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106740220(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/12
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から出力された電力が供給される1次側コイルとの間で電磁誘導が生じる2次側コイルと、
前記2次側コイルの一端と一端が接続されている第1の電気回路と、
前記第1の電気回路の他端と一端が接続されている第2の電気回路と、
第3の電気回路と、
第4の電気回路と、
前記第3の電気回路及び前記第4の電気回路のうちのいずれか一方の電気回路を前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続し、又は、前記第3の電気回路及び前記第4の電気回路のそれぞれを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離す切替回路とを備え、
前記電力の送信周波数において、
前記2次側コイルと前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とが共振し、前記第4の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記第2の電気回路と前記第4の電気回路とが共振し、前記第3の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記2次側コイルと前記第1の電気回路と前記第3の電気回路とが共振することを特徴とする受電装置。
【請求項2】
前記第1の電気回路は、第1のコンデンサを有し、
前記第2の電気回路は、第1のコイルを有し、
前記第3の電気回路は、第2のコイルを有し、
前記第4の電気回路は、第2のコンデンサを有し、
前記電力の送電周波数において、
前記2次側コイルと前記第1のコンデンサと前記第1のコイルとが共振し、前記第4の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記第1のコイルと前記第2のコンデンサとが共振し、前記第3の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記2次側コイルと前記第1のコンデンサと前記第2のコイルとが共振することを特徴とする請求項1記載の受電装置。
【請求項3】
前記電源が定電圧特性の電力を供給する電源であり、
前記切替回路は、
前記受電装置から定電圧特性の電力を負荷に供給させるときには、
前記第2のコンデンサを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続し、かつ、前記第2のコイルを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離し、
前記受電装置から定電流特性の電力を前記負荷に供給させるときには、
前記第2のコイル及び前記第2のコンデンサのそれぞれを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離すことを特徴とする請求項2記載の受電装置。
【請求項4】
前記電源が定電流特性の電力を供給する電源であり、
前記切替回路は、
前記受電装置から定電流特性の電力を負荷に供給させるときには、
前記第2のコイルを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続し、かつ、前記第2のコンデンサを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離し、
前記受電装置から定電圧特性の電力を前記負荷に供給させるときには、
前記第2のコイル及び前記第2のコンデンサのそれぞれを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離すことを特徴とする請求項2記載の受電装置。
【請求項5】
前記第1の電気回路は、
第1の複素インピーダンスを有する回路であって、前記第1の複素インピーダンスの可変が可能な回路であることを特徴とする請求項1記載の受電装置。
【請求項6】
前記第2の電気回路は、
第2の複素インピーダンスを有する回路であって、前記第2の複素インピーダンスの可変が可能な回路であることを特徴とする請求項1記載の受電装置。
【請求項7】
電力を出力する電源と、
前記電源から出力された電力が供給される1次側コイルとを有する送電装置と、
前記送電装置から非接触で電力を受電する受電装置とを備え、
前記受電装置は、
前記1次側コイルとの間で電磁誘導が生じる2次側コイルと、
前記2次側コイルの一端と一端が接続されている第1の電気回路と、
前記第1の電気回路の他端と一端が接続されている第2の電気回路と、
第3の電気回路と、
第4の電気回路と、
前記第3の電気回路及び前記第4の電気回路のうちのいずれか一方の電気回路を前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続し、又は、前記第3の電気回路及び前記第4の電気回路のそれぞれを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離す切替回路とを備え
前記電力の送信周波数において、
前記2次側コイルと前記第1の電気回路と前記第2の電気回路とが共振し、前記第4の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記第2の電気回路と前記第4の電気回路とが共振し、前記第3の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記2次側コイルと前記第1の電気回路と前記第3の電気回路とが共振することを特徴とする給電装置。
【請求項8】
前記切替回路を制御する制御回路を備えたことを特徴とする請求項7記載の給電装置。
【請求項9】
前記第1の電気回路は、第1のコンデンサを有し、
前記第2の電気回路は、第1のコイルを有し、
前記第3の電気回路は、第2のコイルを有し、
前記第4の電気回路は、第2のコンデンサを有し、
前記電力の送電周波数において、
前記2次側コイルと前記第1のコンデンサと前記第1のコイルとが共振し、前記第4の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記第1のコイルと前記第2のコンデンサとが共振し、前記第3の電気回路が前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続されているとき、前記2次側コイルと前記第1のコンデンサと前記第2のコイルとが共振することを特徴とする請求項8記載の給電装置。
【請求項10】
前記電源が定電圧特性の電力を供給する電源であり、
前記制御回路は、
前記受電装置から定電圧特性の電力を負荷に供給させるときには、
前記第2のコンデンサを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続し、かつ、前記第2のコイルを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離すように、前記切替回路を制御し、
前記受電装置から定電流特性の電力を前記負荷に供給させるときには、
前記第2のコイル及び前記第2のコンデンサのそれぞれを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離すように、前記切替回路を制御することを特徴とする請求項9記載の給電装置。
【請求項11】
前記電源が定電流特性の電力を供給する電源であり、
前記制御回路は、
前記受電装置から定電流特性の電力を負荷に供給させるときには、
前記第2のコイルを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間に接続し、かつ、前記第2のコンデンサを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離すように、前記切替回路を制御し、
前記受電装置から定電圧特性の電力を前記負荷に供給させるときには、
前記第2のコイル及び前記第2のコンデンサのそれぞれを前記第1の電気回路の他端と前記2次側コイルの他端との間から切り離すように、前記切替回路を制御することを特徴とする請求項9記載の給電装置。
【請求項12】
前記第2の電気回路の他端と第1の入力端子が接続され、前記2次側コイルの他端と第2の入力端子が接続されており、前記第1の入力端子と前記第2の入力端子とに与えられた電力を整流し、整流後の電力を負荷に出力する整流回路を備えたことを特徴とする請求項8記載の給電装置。
【請求項13】
前記整流回路から前記負荷に印加されている電圧を監視する電圧監視回路を備え、
前記制御回路は、
前記電圧監視回路により監視された電圧に基づいて、前記切替回路を制御することを特徴とする請求項12記載の給電装置。
【請求項14】
前記負荷がバッテリーであり、
前記制御回路は、
前記電圧監視回路により監視された電圧が閾値未満であれば、前記受電装置から定電流特性の電力が前記整流回路に出力されるように、前記切替回路を制御し、前記電圧監視回路により監視された電圧が前記閾値以上であれば、前記受電装置から定電圧特性の電力が前記整流回路に出力されるように、前記切替回路を制御することを特徴とする請求項13記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、受電装置及び給電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
送電装置と受電装置とを備え、送電装置が有する1次側コイルと受電装置が有する2次側コイルとが電磁誘導を生じることで、送電装置から受電装置に非接触で電力が伝送される給電装置がある。
そのような給電装置として、例えば、特許文献1には、2次側コイルのほかに、コンデンサ(以下「第1のコンデンサ」という)と、スイッチと、コンデンサ(以下「第2のコンデンサ」という)と、整流部とを有する受電装置を備えた給電装置が開示されている。
第1のコンデンサの一端は、2次側コイルの一端と接続され、第1のコンデンサの他端は、スイッチの一端及び整流部の第1の入力端子のそれぞれと接続されている。スイッチの一端は、第1のコンデンサの他端及び整流部の第1の入力端子のそれぞれと接続されている。第2のコンデンサの一端は、スイッチの他端と接続され、第2のコンデンサの他端は、2次側コイルの他端及び整流部の第2の入力端子のそれぞれと接続されている。
送電装置の電源から、定電流特性の電力が1次側コイルに供給されたとき、1次側コイルと2次側コイルとの間で電磁誘導が生じることで、定電流特性の電力が定電圧特性の電力に変換される。このとき、スイッチが閉状態であれば、2次側コイルと第1のコンデンサと第2のコンデンサとによって、さらに、定電圧特性の電力が定電流特性の電力に変換される。このため、スイッチが閉状態であれば、定電流特性の電力が整流部に供給される。一方、スイッチが開状態であれば、定電圧特性の電力がそのまま整流部に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている受電装置では、送電装置が有する電源が、定電圧特性の電力を供給する電源である場合、1次側コイルと2次側コイルとの間で電磁誘導が生じることで、定電圧特性の電力が定電流特性の電力に変換される。スイッチの開閉状態が切り替えられても、整流部に供給される電力は、変換後の電力である定電流特性の電力であり、当該受電装置は、定電圧特性の電力を整流部に供給することができないという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、送電装置が有する電源が、定電圧特性の電力を供給する電源であるのか、定電流特性の電力を供給する電源であるのかにかかわらず、外部の負荷に供給する電力として、定電圧特性の電力、又は、定電流特性の電力のいずれかを選択的に出力することができる受電装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る受電装置は、電源から出力された電力が供給される1次側コイルとの間で電磁誘導が生じる2次側コイルと、2次側コイルの一端と一端が接続されている第1の電気回路と、第1の電気回路の他端と一端が接続されている第2の電気回路と、第3の電気回路と、第4の電気回路とを備えている。また、受電装置は、第3の電気回路及び第4の電気回路のうちのいずれか一方の電気回路を第1の電気回路の他端と2次側コイルの他端との間に接続し、又は、第3の電気回路及び第4の電気回路のそれぞれを第1の電気回路の他端と2次側コイルの他端との間から切り離す切替回路を備えている。受電装置は、電力の送信周波数において、2次側コイルと第1の電気回路と第2の電気回路とが共振し、第4の電気回路が第1の電気回路の他端と2次側コイルの他端との間に接続されているとき、第2の電気回路と第4の電気回路とが共振し、第3の電気回路が第1の電気回路の他端と2次側コイルの他端との間に接続されているとき、2次側コイルと第1の電気回路と第3の電気回路とが共振するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、送電装置が有する電源が、定電圧特性の電力を供給する電源であるのか、定電流特性の電力を供給する電源であるのかにかかわらず、外部の負荷に供給する電力として、定電圧特性の電力、又は、定電流特性の電力のいずれかを選択的に出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る給電装置(その1)を示す構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る給電装置(その2)を示す構成図である。
【
図3】スイッチ26aが開状態で、スイッチ26bが閉状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図4】コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図5】スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図6】コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、かつ、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図7】スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図8】コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、かつ、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図9】スイッチ26aが閉状態で、スイッチ26bが開状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図10】コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
【
図11】スイッチ26a及びスイッチ26bにおけるそれぞれの開閉状態と、受電装置2から負荷3に出力される電力の特性(CV、又は、CC)との関係を示す説明図である。
【
図12】実施の形態1に係る他の給電装置(その1)を示す構成図である。
【
図13】給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数である状態を示す説明図である。
【
図14】給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数である状態を示す説明図である。
【
図15】実施の形態1に係る他の給電装置(その2)を示す構成図である。
【
図16】給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数である状態を示す説明図である。
【
図17】給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数である状態を示す説明図である。
【
図18】実施の形態2に係る給電装置(その1)を示す構成図である。
【
図19】実施の形態2に係る給電装置(その2)を示す構成図である。
【
図20】CVの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【
図21】CCの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【
図22】CVの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【
図23】CCの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【
図24】実施の形態3に係る給電装置を示す構成図である。
【
図25】制御回路52による電力特性の制御例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る給電装置(その1)を示す構成図である。
図1に示す給電装置は、定電圧特性の電力(以下「CVの電力」という)を供給する電源11aを有する送電装置1及び受電装置2を備えている。
送電装置1は、非接触で電力を受電装置2に伝送する。
受電装置2は、送電装置1から、非接触で電力を受電し、受電した電力を負荷3に供給する。
負荷3は、受電装置2から、電力の供給を受ける。
【0011】
送電装置1は、電源11a、コンデンサ12及び1次側コイル13を備えている。
電源11aは、CVの電力を供給する電源である。
コンデンサ12の一端は、電源11aの一端と接続されている。
コンデンサ12の他端は、1次側コイル13の一端と接続されている。
コンデンサ12のキャパシタンスは、C1である。
【0012】
1次側コイル13の一端は、コンデンサ12の他端と接続されている。
1次側コイル13の他端は、電源11aの他端と接続されている。
1次側コイル13のインダクタンスは、L1である。
電力の送電周波数f1において、コンデンサ12と1次側コイル13とは、直列共振する。
【0013】
受電装置2は、2次側コイル21、第1の電気回路22、第2の電気回路23、第3の電気回路24、第4の電気回路25、切替回路26及び整流回路27を備えている。
2次側コイル21は、電源11aから出力された電力が供給される1次側コイル13との間で電磁誘導が生じる。
2次側コイル21のインダクタンスは、L2である。
【0014】
第1の電気回路22は、第1の複素インピーダンスZ
1を有する回路であり、第1のコンデンサ22aを備えている。
第1のコンデンサ22aの一端は、2次側コイル21の一端と接続されている。
第1のコンデンサ22aの他端は、後述する第1のコイル23aの一端、スイッチ26aの一端及びスイッチ26bの一端のそれぞれと接続されている。
第1のコンデンサ22aのキャパシタンスは、C
2である。
図1に示す給電装置では、第1の電気回路22が第1のコンデンサ22aを備えており、第1の複素インピーダンスZ
1が、第1のコンデンサ22aのキャパシタンスC
2によって決定されている。しかし、これは一例に過ぎず、第1の電気回路22が、例えば、第1のコンデンサ22aのほかに、コイルを備え、第1の複素インピーダンスZ
1が、第1のコンデンサ22aのキャパシタンスC
2と当該コイルのインダクタンスとによって決定されるものであってもよい。
【0015】
第2の電気回路23は、第2の複素インピーダンスZ
2を有する回路であり、第1のコイル23aを備えている。
第1のコイル23aの一端は、第1のコンデンサ22aの他端、スイッチ26aの一端及びスイッチ26bの一端のそれぞれと接続されている。
第1のコイル23aの他端は、整流回路27の第1の入力端子27aと接続されている。
第1のコイル23aのインダクタンスは、L
3である。
図1に示す給電装置では、第2の電気回路23が第1のコイル23aを備えており、第2の複素インピーダンスZ
2が、第1のコイル23aのインダクタンスL
3によって決定されている。しかし、これは一例に過ぎず、第2の電気回路23が、例えば、第1のコイル23aのほかに、コンデンサを備え、第2の複素インピーダンスZ
2が、第1のコイル23aのインダクタンスL
3と当該コンデンサのキャパシタンスとによって決定されるものであってもよい。
【0016】
第3の電気回路24は、第3の複素インピーダンスZ
3を有する回路であり、第2のコイル24aを備えている。
第2のコイル24aの一端は、スイッチ26aの他端と接続されている。
第2のコイル24aの他端は、2次側コイル21の他端、後述する第2のコンデンサ25aの他端及び整流回路27の第2の入力端子27bのそれぞれと接続されている。
第2のコイル24aのインダクタンスは、L
4である。
図1に示す給電装置では、第3の電気回路24が第2のコイル24aを備えており、第3の複素インピーダンスZ
3が、第2のコイル24aのインダクタンスL
4によって決定されている。しかし、これは一例に過ぎず、第3の電気回路24が、例えば、第2のコイル24aのほかに、コンデンサを備え、第3の複素インピーダンスZ
3が、第2のコイル24aのインダクタンスL
4と当該コンデンサのキャパシタンスとによって決定されるものであってもよい。
【0017】
第4の電気回路25は、第4の複素インピーダンスZ
4を有する回路であり、第2のコンデンサ25aを備えている。
第2のコンデンサ25aの一端は、スイッチ26bの他端と接続されている。
第2のコンデンサ25aの他端は、2次側コイル21の他端、第2のコイル24aの他端及び整流回路27の第2の入力端子27bのそれぞれと接続されている。
第2のコンデンサ25aのキャパシタンスは、C
3である。
図1に示す給電装置では、第4の電気回路25が第2のコンデンサ25aを備えており、第4の複素インピーダンスZ
4が、第2のコンデンサ25aのキャパシタンスC
3によって決定されている。しかし、これは一例に過ぎず、第4の電気回路25が、例えば、第2のコンデンサ25aのほかに、コイルを備え、第4の複素インピーダンスZ
4が、第2のコンデンサ25aのキャパシタンスC
3と当該コイルのインダクタンスとによって決定されるものであってもよい。
【0018】
電力の送電周波数f
1において、2次側コイル21と第1の電気回路22と第2の電気回路23とが共振する。つまり、電力の送電周波数f
1において、2次側コイル21と第1の電気回路22と第2の電気回路23とが共振するように、2次側コイル21のインダクタンスL
2と第1のコンデンサ22aのキャパシタンスC
2と第1のコイル23aのインダクタンスL
3とが設定されている。
また、電力の送電周波数f
1において、第4の電気回路25が第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間に接続されているとき、第2の電気回路23と第4の電気回路25とが共振する。つまり、電力の送電周波数f
1において、第2の電気回路23と第4の電気回路25とが共振するように、第1のコイル23aのインダクタンスL
3と第2のコンデンサ25aのキャパシタンスC
3とが設定されている。
また、電力の送電周波数f
1において、第3の電気回路24が第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間に接続されているとき、2次側コイル21と第1の電気回路22と第3の電気回路24とが共振する。つまり、電力の送電周波数f
1において、2次側コイル21と第1の電気回路22と第3の電気回路24とが共振するように、2次側コイル21のインダクタンスL
2と第1のコンデンサ22aのキャパシタンスC
2と第2のコイル24aのインダクタンスL
4とが設定されている。
図1に示す給電装置での共振は、電力の送電周波数f
1において、コイルとコンデンサとの合成インピーダンスの虚部が概ね0であることを意味する。概ね0とは、厳密に0であるものに限るものではなく、実用上問題のない範囲で、合成インピーダンスの虚部が0に近いものを含む概念である。
【0019】
切替回路26は、スイッチ26a及びスイッチ26bを備えている。
スイッチ26aの一端は、第1のコンデンサ22aの他端、第1のコイル23aの一端及びスイッチ26bの一端のそれぞれと接続されている。
スイッチ26aの他端は、第2のコイル24aの一端と接続されている。
スイッチ26bの一端は、第1のコンデンサ22aの他端、第1のコイル23aの一端及びスイッチ26aの一端のそれぞれと接続されている。
スイッチ26bの他端は、第2のコンデンサ25aの一端と接続されている。
切替回路26は、第3の電気回路24及び第4の電気回路25のうちのいずれか一方の電気回路を第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間に接続し、又は、第3の電気回路24及び第4の電気回路25のそれぞれを第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間から切り離すように動作をする。
【0020】
図1に示す給電装置では、電源11aがCVの電力を供給する電源である。このため、具体的には、切替回路26は、受電装置2からCVの電力を負荷3に供給させる場合、スイッチ26bを閉状態にして、第2のコンデンサ25aを第1のコンデンサ22aの他端と2次側コイル21の他端との間に接続する。また、切替回路26は、スイッチ26aを開状態にして、第2のコイル24aを第1のコンデンサ22aの他端と2次側コイル21の他端との間から切り離すように動作する。
切替回路26は、受電装置2から定電流特性の電力(以下「CCの電力」という)を負荷3に供給させる場合、スイッチ26a,26bを開状態にして、第2のコイル24a及び第2のコンデンサ25aのそれぞれを第1のコンデンサ22aの他端と2次側コイル21の他端との間から切り離すように動作する。
【0021】
整流回路27の第1の入力端子27aは、第1のコイル23aの他端と接続されている。
整流回路27の第2の入力端子27bは、2次側コイル21の他端、第2のコイル24aの他端及び第2のコンデンサ25aの他端のそれぞれと接続されている。
整流回路27の第1の出力端子27c及び第2の出力端子27dのそれぞれは、負荷3と接続されている。
整流回路27は、第1の入力端子27aと第2の入力端子27bとから与えられた交流の電力を整流し、整流後の電力を負荷3に供給する。
【0022】
図2は、実施の形態1に係る給電装置(その2)を示す構成図である。
図2に示す給電装置は、CCの電力を供給する電源11bを有する送電装置1及び受電装置2を備えている。
電源11bは、CCの電力を供給する電源である。
図2に示す給電装置では、電源11bが、CCの電力を供給する電源であるのに対し、
図1に示す給電装置では、電源11aが、CVの電力を供給する電源である点でのみ相違している。
つまり、
図1に示す給電装置の受電装置2と、
図2に示す給電装置の受電装置2とは、同一構成である。
【0023】
次に、
図1に示す給電装置の動作について説明する。
最初に、CVの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CVの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26aが開状態に制御され、スイッチ26bが閉状態に制御される。
図3は、スイッチ26aが開状態で、スイッチ26bが閉状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
送電装置1の電源11aからCVの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが、
図3に示すように、直列共振する。
このとき、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じる。
図3において、L
mは、以下の式(1)に示すように、1次側コイル13と2次側コイル21との相互インダクタンスである。
図3では、整流回路27の記載が省略されている。
【0024】
【0025】
コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振している状態では、送電装置1において、コンデンサ12と1次側コイル13とを無視することができるため、
図3は、
図4のように表すことができる。
図4は、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図4では、整流回路27の記載が省略されている。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図3及び
図4に示すように、ジャイレータ31が形成される。ジャイレータ31は、インピーダンスを反転させる回路である。
ジャイレータ31の伝達関数は、以下の式(2)のように表される。
【0026】
式(2)において、V
1は、ジャイレータ31に印加される電圧、I
1は、電源11aからジャイレータ31に流れる電流である。
V
Lmは、ジャイレータ31の出力電圧、I
Lmは、ジャイレータ31から出力される電流である。
【0027】
電源11aから出力されたCVの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11aから出力されたCVの電力は、CCの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CCの電力になる。
ジャイレータ31から出力されたCCの電力は、ジャイレータ32に印加される。
ジャイレータ32の伝達関数は、以下の式(3)のように表される。
【0028】
式(3)において、V
2は、ジャイレータ32の出力電圧、I
2は、ジャイレータ32から出力される電流、ω
0は、角周波数である。
【0029】
以下の式(5)が成立する条件の下では、式(3)は、以下の式(6)のように表すことができる。したがって、ジャイレータ32は、インピーダンスを反転させる回路とみなすことができる。
【0030】
【0031】
ジャイレータ31から出力されたCCの電力は、ジャイレータ32を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、ジャイレータ31から出力されたCCの電力は、CVの電力に変換され、ジャイレータ32から整流回路27に出力された電力は、CVの電力になる。
整流回路27は、ジャイレータ32から出力されたCVの電力を整流し、整流後のCVの電力を負荷3に供給する。
【0032】
次に、CCの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CCの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態に制御される。
図5は、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図5では、整流回路27の記載が省略されている。
送電装置1の電源11aからCVの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが、
図5に示すように、直列共振する。
このとき、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じ、送電周波数f
1において、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが、
図5に示すように、直列共振する。
【0033】
コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振している状態では、送電装置1において、コンデンサ12と1次側コイル13とを無視することができる。また、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが直列共振している状態では、受電装置2において、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとを無視することができる。このため、
図5は、
図6のように表すことができる。
図6は、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、かつ、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図6では、整流回路27の記載が省略されている。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図5及び
図6に示すように、ジャイレータ31が形成される。ジャイレータ31の伝達関数は、以下の式(7)のように表される。
【0034】
【0035】
電源11aから出力されたCVの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11aから出力されたCVの電力は、CCの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CCの電力になる。
ジャイレータ31から出力されたCCの電力は、整流回路27に印加される。
整流回路27は、ジャイレータ32から出力されたCCの電力を整流し、整流後のCCの電力を負荷3に供給する。
【0036】
次に、
図2に示す給電装置の動作について説明する。
最初に、CVの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CVの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態に制御される。
図7は、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図7では、整流回路27の記載が省略されている。
送電装置1の電源11bからCCの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが、
図7に示すように、直列共振する。
このとき、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じ、送電周波数f
1において、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが、
図7に示すように、直列共振する。
【0037】
コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振している状態では、送電装置1において、コンデンサ12と1次側コイル13とを無視することができる。また、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが直列共振している状態では、受電装置2において、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとを無視することができる。このため、
図7は、
図8のように表すことができる。
図8は、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、かつ、2次側コイル21と第1のコンデンサ22aと第1のコイル23aとが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図8では、整流回路27の記載が省略されている。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図7及び
図8に示すように、ジャイレータ31が形成される。ジャイレータ31の伝達関数は、以下の式(8)のように表される。
【0038】
【0039】
電源11bから出力されたCCの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11bから出力されたCCの電力は、CVの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CVの電力になる。
ジャイレータ31から出力されたCVの電力は、整流回路27に印加される。
整流回路27は、ジャイレータ32から出力されたCVの電力を整流し、整流後のCVの電力を負荷3に供給する。
【0040】
次に、CCの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CCの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26aが閉状態に制御され、スイッチ26bが開状態に制御される。
図9は、スイッチ26aが閉状態で、スイッチ26bが開状態であるときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図9では、整流回路27の記載が省略されている。
送電装置1の電源11aからCCの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが、
図9に示すように、直列共振する。
このとき、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じる。
【0041】
コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振している状態では、送電装置1において、コンデンサ12と1次側コイル13とを無視することができるため、
図9は、
図10のように表すことができる。
図10は、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振しているときに、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導を生じている状態を示す説明図である。
図10では、整流回路27の記載が省略されている。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図9及び
図10に示すように、ジャイレータ31が形成される。
ジャイレータ31の伝達関数は、以下の式(9)のように表される。
【0042】
【0043】
電源11bから出力されたCCの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11bから出力されたCCの電力は、CVの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CVの電力になる。
ジャイレータ31から出力されたCVの電力は、ジャイレータ33に印加される。
ジャイレータ33の伝達関数は、以下の式(10)のように表される。
【0044】
【0045】
以下の式(12)が成立する条件の下では、式(10)は、以下の式(13)のように表すことができる。したがって、ジャイレータ33は、インピーダンスを反転させる回路とみなすことができる。
【0046】
【0047】
ジャイレータ31から出力されたCVの電力は、ジャイレータ33を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、ジャイレータ31から出力されたCVの電力は、CCの電力に変換され、ジャイレータ33から整流回路27に出力された電力は、CCの電力になる。
整流回路27は、ジャイレータ33から出力されたCCの電力を整流し、整流後のCCの電力を負荷3に供給する。
【0048】
図11は、スイッチ26a及びスイッチ26bにおけるそれぞれの開閉状態と、受電装置2から負荷3に出力される電力の特性(CV、又は、CC)との関係を示す説明図である。
図11において、ONは、スイッチが閉状態であることを示し、OFFは、スイッチが開状態であることを示している。
図11より、送電装置1が、CVの電力を供給する電源11aを有する場合、スイッチ26aがOFFで、スイッチ26bがONであれば、受電装置2から負荷3に出力される電力の特性は、CVであることがわかる。
また、送電装置1が、CVの電力を供給する電源11aを有する場合、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれがOFFであれば、受電装置2から負荷3に出力される電力の特性は、CCであることがわかる。
送電装置1が、CCの電力を供給する電源11bを有する場合、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれがOFFであれば、受電装置2から負荷3に出力される電力の特性は、CVであることがわかる。
また、送電装置1が、CCの電力を供給する電源11bを有する場合、スイッチ26aがONで、スイッチ26bがOFFであれば、受電装置2から負荷3に出力される電力の特性は、CCであることがわかる。
【0049】
以上の実施の形態1では、電源11a(または電源11b)から出力された電力が供給される1次側コイル13との間で電磁誘導が生じる2次側コイル21と、2次側コイル21の一端と一端が接続されている第1の電気回路22と、第1の電気回路22の他端と一端が接続されている第2の電気回路23と、第3の電気回路24と、第4の電気回路25とを備えるように、受電装置2を構成した。また、受電装置2は、第3の電気回路24及び第4の電気回路25のうちのいずれか一方の電気回路を第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間に接続し、又は、第3の電気回路24及び第4の電気回路25のそれぞれを第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間から切り離す切替回路26を備えている。受電装置2は、電力の送信周波数において、2次側コイル21と第1の電気回路22と第2の電気回路23とが共振し、第4の電気回路25が第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間に接続されているとき、第2の電気回路23と第4の電気回路25とが共振し、第3の電気回路24が第1の電気回路22の他端と2次側コイル21の他端との間に接続されているとき、2次側コイル21と第1の電気回路22と第3の電気回路24とが共振するものである。したがって、受電装置2は、送電装置1が有する電源が、定電圧特性の電力を供給する電源11aであるのか、定電流特性の電力を供給する電源11bであるのかにかかわらず、外部の負荷に供給する電力として、定電圧特性の電力、又は、定電流特性の電力のいずれかを選択的に出力することができる。
【0050】
図1に示す給電装置は、1つのジャイレータ31、又は、2つのジャイレータ31,32を備えている。
また、
図2に示す給電装置は、1つのジャイレータ31、又は、2つのジャイレータ31,33を備えている。
しかしながら、給電装置が備えるジャイレータの個数は、1つ、又は、2つに限るものではない。
送電装置1が有する電源が、CVの電力を供給する電源11aである場合、給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数であれば、受電装置2から負荷3に出力される電力がCCの電力となり、給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数であれば、受電装置2から負荷3に出力される電力がCVの電力となる。
したがって、送電装置1が有する電源が、CVの電力を供給する電源11aである場合、給電装置は、例えば、
図12のように構成されていてもよい。
【0051】
図12は、実施の形態1に係る他の給電装置(その1)を示す構成図である。
図12において、スイッチ26a,26a’が開状態で、スイッチ26b,26b’が閉状態であれば、
図13に示すように、給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数である3つとなるため、受電装置2から負荷3に出力される電力がCCの電力となる。
また、スイッチ26aが開状態、スイッチ26bが閉状態、スイッチ26a’26b’が開状態であれば、
図14に示すように、給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数である2つとなるため、受電装置2から負荷3に出力される電力がCVの電力となる。
図13は、給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数である状態を示す説明図であり、
図14は、給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数である状態を示す説明図である。
【0052】
送電装置1が有する電源が、CCの電力を供給する電源11bである場合、給電装置は、例えば、
図15のように構成されていてもよい。
図15は、実施の形態1に係る他の給電装置(その2)を示す構成図である。
図15において、スイッチ26a,26a’が閉状態で、スイッチ26b,26b’が開状態であれば、
図16に示すように、給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数である3つとなるため、受電装置2から負荷3に出力される電力がCVの電力となる。
また、スイッチ26aが閉状態、スイッチ26bが開状態で、スイッチ26a’26b’が開状態であれば、
図17に示すように、給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数である2つとなるため、受電装置2から負荷3に出力される電力がCCの電力となる。
図16は、給電装置が備えるジャイレータの個数が奇数である状態を示す説明図であり、
図17は、給電装置が備えるジャイレータの個数が偶数である状態を示す説明図である。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態2では、第1の電気回路41が、第1の複素インピーダンスZ1の可変が可能な回路であり、第2の電気回路42が、第2の複素インピーダンスZ2の可変が可能な回路である受電装置2について説明する。
【0054】
図18は、実施の形態2に係る給電装置(その1)を示す構成図である。
図18において、
図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図18に示す給電装置は、CVの電力を供給する電源11aを有する送電装置1及び受電装置2を備えている。
【0055】
第1の電気回路41は、第1の複素インピーダンスZ1を有する回路であって、第1の複素インピーダンスZ1の可変が可能な回路である。
第1の電気回路41は、スイッチ41a、第1のコンデンサ41b、スイッチ41c、コイル41d及び第1のコンデンサ41eを備えている。
スイッチ41a及びスイッチ41cにおけるそれぞれの開閉状態が変化することで、第1の複素インピーダンスZ1が変化する。
スイッチ41aの一端は、2次側コイル21の一端及びスイッチ41cの一端のそれぞれと接続されている。
スイッチ41aの他端は、第1のコンデンサ41bの一端と接続されている。
第1のコンデンサ41bの一端は、スイッチ41aの他端と接続されている。
第1のコンデンサ41bの他端は、スイッチ42aの一端、スイッチ42cの一端、スイッチ26aの一端、スイッチ26bの一端及び第1のコンデンサ41eの他端のそれぞれと接続されている。
第1のコンデンサ41bのキャパシタンスは、C11である。
【0056】
スイッチ41cの一端は、2次側コイル21の一端及びスイッチ41aの一端のそれぞれと接続されている。
スイッチ41cの他端は、コイル41dの一端と接続されている。
コイル41dの一端は、スイッチ41cの他端と接続されている。
コイル41dの他端は、第1のコンデンサ41eの一端と接続されている。
コイル41dのインダクタンスは、L11である。
第1のコンデンサ41eの一端は、コイル41dの他端と接続されている。
第1のコンデンサ41eの他端は、スイッチ42aの一端、スイッチ42cの一端、スイッチ26aの一端、スイッチ26bの一端及び第1のコンデンサ41bの他端のそれぞれと接続されている。
第1のコンデンサ41eのキャパシタンスは、C12である。
【0057】
第2の電気回路42は、第2の複素インピーダンスZ2を有する回路であって、第2の複素インピーダンスZ2の可変が可能な回路である。
第2の電気回路42は、スイッチ42a、第1のコイル42b、スイッチ42c、第1のコイル42d及びコンデンサ42eを備えている。
スイッチ42a及びスイッチ42cにおけるそれぞれの開閉状態が変化することで、第2の複素インピーダンスZ2が変化する。
スイッチ42aの一端は、第1のコンデンサ41bの他端、第1のコンデンサ41eの他端、スイッチ26aの一端、スイッチ26bの一端及びスイッチ42cの一端のそれぞれと接続されている。
スイッチ42aの他端は、第1のコイル42bの一端と接続されている。
第1のコイル42bの一端は、スイッチ42aの他端と接続されている。
第1のコイル42bの他端は、整流回路27の第1の入力端子27a及びコンデンサ42eの他端のそれぞれと接続されている。
第1のコイル42bのインダクタンスは、L12である。
【0058】
スイッチ42cの一端は、第1のコンデンサ41bの他端、第1のコンデンサ41eの他端、スイッチ26aの一端、スイッチ26bの一端及びスイッチ42aの一端のそれぞれと接続されている。
スイッチ42cの他端は、第1のコイル42dの一端と接続されている。
第1のコイル42dの一端は、スイッチ42cの他端と接続されている。
第1のコイル42dの他端は、コンデンサ42eの一端と接続されている。
第1のコイル42dのインダクタンスは、L13である。
コンデンサ42eの一端は、第1のコイル42dの他端と接続されている。
コンデンサ42eの他端は、整流回路27の第1の入力端子27a及び第1のコイル42bの他端のそれぞれと接続されている。
コンデンサ42eのキャパシタンスは、C13である。
【0059】
図19は、実施の形態2に係る給電装置(その2)を示す構成図である。
図19に示す給電装置は、CCの電力を供給する電源11bを有する送電装置1及び受電装置2を備えている。
図19に示す給電装置では、電源11bが、CCの電力を供給する電源であるのに対し、
図18に示す給電装置では、電源11aが、CVの電力を供給する電源である点でのみ相違している。
つまり、
図18に示す給電装置の受電装置2と、
図19に示す給電装置の受電装置2とは、同一構成である。
【0060】
次に、
図18に示す給電装置の動作について説明する。
最初に、CVの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CVの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26aが開状態に制御され、スイッチ26bが閉状態に制御される。
また、図示せぬ制御回路によって、スイッチ41a,42cが開状態に制御され、スイッチ41c,42aが閉状態に制御される。
制御回路によって、このように制御される場合、
図18に示す給電装置は、
図20のように表される。
図20は、CVの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【0061】
送電装置1の電源11aからCVの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じる。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図18に示す給電装置には、
図1に示す給電装置と同様に、ジャイレータ31が形成される。
電源11aから出力されたCVの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11aから出力されたCVの電力は、CCの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CCの電力になる。
【0062】
送電周波数f1において、2次側コイル21とコイル41dと第1のコンデンサ41eと第1のコイル42bとが共振し、第1のコイル42bと第2のコンデンサ25aとが共振する。
2次側コイル21とコイル41dと第1のコンデンサ41eと第1のコイル42bと第2のコンデンサ25aとが共振することによって、ジャイレータ32が形成される。
ジャイレータ32の伝達関数は、以下の式(14)のように表される。
【0063】
【0064】
以下の式(16)が成立する条件の下では、式(14)は、以下の式(17)のように表すことができる。したがって、ジャイレータ34は、インピーダンスを反転させる回路とみなすことができる。
【0065】
【0066】
ジャイレータ31から出力されたCCの電力は、ジャイレータ32を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、ジャイレータ32から出力されたCCの電力は、CVの電力に変換され、ジャイレータ32から整流回路27に出力された電力は、CVの電力になる。
【0067】
次に、CCの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CCの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態に制御される。
また、図示せぬ制御回路によって、スイッチ41c,42cが開状態に制御され、スイッチ41a,42aが閉状態に制御される。
制御回路によって、このように制御される場合、
図18に示す給電装置は、
図21のように表される。
図21は、CCの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【0068】
送電装置1の電源11aからCVの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じる。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図18に示す給電装置には、
図1に示す給電装置と同様に、ジャイレータ31が形成される。
電源11aから出力されたCVの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11aから出力されたCVの電力は、CCの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CCの電力になる。
【0069】
このとき、送電周波数f1において、2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42bとが直列共振する。
2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42bとが直列共振する状態では、受電装置2において、2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42bとを無視することができる。その結果、ジャイレータ31から整流回路27に出力された電力は、CCの電力になる。
【0070】
次に、
図19に示す給電装置の動作について説明する。
最初に、CVの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CVの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態に制御される。
また、図示せぬ制御回路によって、スイッチ41c,42cが開状態に制御され、スイッチ41a,42aが閉状態に制御される。
制御回路によって、このように制御される場合、
図19に示す給電装置は、
図22のように表される。
図22は、CVの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【0071】
送電装置1の電源11bからCCの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じる。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図19に示す給電装置には、
図2に示す給電装置と同様に、ジャイレータ31が形成される。
電源11bから出力されたCCの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11bから出力されたCCの電力は、CVの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CVの電力になる。
【0072】
このとき、送電周波数f1において、2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42bとが直列共振する。
2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42bとが直列共振する状態では、受電装置2において、2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42bとを無視することができる。その結果、ジャイレータ31から整流回路27に出力された電力は、CVの電力になる。
【0073】
次に、CCの電力が負荷3に供給される場合の動作について説明する。
CCの電力が負荷3に供給される場合、図示せぬ制御回路によって、スイッチ26aが閉状態に制御され、スイッチ26bが開状態に制御される。
また、図示せぬ制御回路によって、スイッチ41c,42aが開状態に制御され、スイッチ41a,42cが閉状態に制御される。
制御回路によって、このように制御される場合、
図19に示す給電装置は、
図23のように表される。
図23は、CCの電力が負荷3に供給される場合の給電装置を示す説明図である。
【0074】
送電装置1の電源11bからCCの電力が出力されると、電力の送電周波数f
1において、コンデンサ12と1次側コイル13とが直列共振し、1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じる。
1次側コイル13と2次側コイル21との間で電磁誘導が生じることで、
図19に示す給電装置には、
図2に示す給電装置と同様に、ジャイレータ31が形成される。
電源11bから出力されたCCの電力は、ジャイレータ31を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、電源11bから出力されたCCの電力は、CVの電力に変換される。したがって、ジャイレータ31から出力された電力は、CVの電力になる。
【0075】
送電周波数f1において、2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第1のコイル42dとコンデンサ42eとが共振し、2次側コイル21と第1のコンデンサ41bと第2のコイル24aとが共振する。
2次側コイル21とコイル41dと第1のコイル42dとコンデンサ42eと第2のコイル24aとが共振することによって、ジャイレータ33が形成される。
ジャイレータ33の伝達関数は、以下の式(18)のように表される。
【0076】
【0077】
以下の式(20)が成立する条件の下では、式(18)は、以下の式(21)のように表すことができる。したがって、ジャイレータ33は、インピーダンスを反転させる回路とみなすことができる。
【0078】
【0079】
ジャイレータ31から出力されたCVの電力は、ジャイレータ33を通過することで、インピーダンスが反転される。その結果、ジャイレータ31から出力されたCVの電力は、CCの電力に変換され、ジャイレータ33から整流回路27に出力された電力は、CCの電力になる。
【0080】
以上の実施の形態2では、第1の電気回路41が、第1の複素インピーダンスを有する回路であって、第1の複素インピーダンスの可変が可能な回路であり、第2の電気回路42が、第2の複素インピーダンスを有する回路であって、第2の複素インピーダンスの可変が可能な回路であるように、
図18及び
図19のそれぞれに示す受電装置2を構成した。したがって、
図18及び
図19のそれぞれに示す受電装置2は、
図1及び
図2のそれぞれに示す受電装置2と同様に、送電装置1が有する電源が、定電圧特性の電力を供給する電源11aであるのか、定電流特性の電力を供給する電源11bであるのかにかかわらず、外部の負荷3に供給する電力として、定電圧特性の電力、又は、定電流特性の電力のいずれかを選択的に出力することができる。また、
図18及び
図19のそれぞれに示す受電装置2は、
図1及び
図2のそれぞれに示す受電装置2よりも、共振精度を高めることができる。
【0081】
実施の形態3.
実施の形態3では、電圧監視回路51及び制御回路52を備える給電装置について説明する。
【0082】
図24は、実施の形態3に係る給電装置を示す構成図である。
図24において、
図1、
図2、
図18及び
図19と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
図24に示す給電装置では、負荷3がバッテリー50である。
電源11は、CVの電力を供給する電源11a、又は、CCの電力を供給する電源11bである。
【0083】
電圧監視回路51は、整流回路27からバッテリー50に印加されている電圧を監視し、電圧の監視結果を制御回路52に出力する。
制御回路52は、電圧監視回路51により監視された電圧に基づいて、切替回路26を制御する。
具体的には、制御回路52は、電圧監視回路51により監視された電圧が閾値未満であれば、受電装置2からCCの電力が整流回路27に出力されるように、切替回路26を制御する。
制御回路52は、電圧監視回路51により監視された電圧が閾値以上であれば、受電装置2からCVの電力が整流回路27に出力されるように、切替回路26を制御する。
【0084】
図24に示す給電装置では、電圧監視回路51及び制御回路52が、
図1に示す給電装置図、又は、
図2に示す給電装置に適用されている例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、電圧監視回路51及び制御回路52が、例えば、
図18に示す給電装置図、又は、
図19に示す給電装置に適用されているものであってもよい。
【0085】
次に、
図24に示す給電装置の動作について説明する。
図25は、制御回路52による電力特性の制御例を示す説明図である。
図25において、横軸は時刻、縦軸は、整流回路27からバッテリー50に印加されている電圧である。Thは、閾値である。
受電装置2から整流回路27に出力される電力がCCの電力である場合、バッテリー50の急速充電が可能である。しかしながら、バッテリー50の充電量が100%に近い状態のときに、CCの電力でバッテリー50が充電される場合、バッテリー50の過充電を招くおそれがある。
受電装置2から整流回路27に出力される電力がCVの電力である場合、CCの電力である場合よりも、バッテリー50に対する充電速度が遅くなる。したがって、CVの電力でバッテリー50が充電される場合、CCの電力でバッテリー50が充電される場合よりも、バッテリー50の過充電を招く可能性が低減される。
【0086】
電圧監視回路51は、整流回路27からバッテリー50に印加されている電圧Vを監視し、電圧Vの監視結果を制御回路52に出力する。
制御回路52は、電圧監視回路51から、電圧Vの監視結果を取得する。
制御回路52は、電圧監視回路51により監視された電圧Pに基づいて、切替回路26を制御する。
【0087】
具体的には、制御回路52は、電圧監視回路51により監視された電圧Pが閾値Th未満であれば、受電装置2からCCの電力が整流回路27に出力されるように、切替回路26を制御する。
図25の例では、時刻t
0から時刻t
1に至る直前まで、制御回路52は、受電装置2からCCの電力が整流回路27に出力されるように、切替回路26を制御する。
電源11が、CVの電力を供給する電源11aであれば、制御回路52は、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態になるように、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれを制御する。
電源11が、CCの電力を供給する電源11bであれば、制御回路52は、スイッチ26aが閉状態で、スイッチ26bが開状態になるように、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれを制御する。
【0088】
制御回路52は、電圧監視回路51により監視された電圧Pが閾値Th以上であれば、受電装置2からCVの電力が整流回路27に出力されるように、切替回路26を制御する。
図25の例では、時刻t
1以降、制御回路52は、受電装置2からCVの電力が整流回路27に出力されるように、切替回路26を制御する。
電源11が、CVの電力を供給する電源11aであれば、制御回路52は、制御回路52は、スイッチ26aが開状態で、スイッチ26bが閉状態になるように、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれを制御する。
電源11が、CCの電力を供給する電源11bであれば、制御回路52は、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれが開状態になるように、スイッチ26a及びスイッチ26bのそれぞれを制御する。
【0089】
図24に示す給電装置では、負荷3がバッテリー50である。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、負荷3がモータであってもよいし、負荷3が空調機器であってもよい。
制御回路52は、負荷3の用途に応じて、受電装置2から整流回路27に出力される電力の特性を切り替えることができる。
【0090】
以上の実施の形態3では、整流回路27から負荷3に印加されている電圧を監視する電圧監視回路51と、電圧監視回路51により監視された電圧に基づいて、切替回路26を制御する制御回路52と備えるように、給電装置を構成した。したがって、給電装置は、送電装置1が有する電源が、定電圧特性の電力を供給する電源11aであるのか、定電流特性の電力を供給する電源11bであるのかにかかわらず、外部の負荷3に供給する電力として、定電圧特性の電力、又は、定電流特性の電力のいずれかを選択的に出力することができる。また、給電装置は、負荷3の用途に応じて、受電装置2から整流回路27に出力される電力の特性を切り替えることができる。
【0091】
図24に示す給電装置は、電圧監視回路51及び制御回路52の双方を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、当該給電装置は、電圧監視回路51を備えずに、制御回路52を備えるものであってもよい。この場合、制御回路52は、例えば、外部からの制御信号に従って切替回路26を制御する態様が想定される。制御信号は、例えば、定電圧特性の電力の出力を指示する信号、又は、定電流特性の電力の出力を指示する信号である。
【0092】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本開示は、受電装置及び給電装置に適している。
【符号の説明】
【0094】
1 送電装置、2 受電装置、3 負荷、11,11a,11b 電源、12 コイル、13 1次側コイル、21 2次側コイル、22 第1の電気回路、22a 第1のコンデンサ、23 第2の電気回路、23a 第1のコイル、24 第3の電気回路、24a 第2のコイル、25 第4の電気回路、25a 第2のコンデンサ、26 切替回路、26a,26a’ スイッチ、26b,26b’ スイッチ、27 整流回路、27a 第1の入力端子、27b 第2の入力端子、27c 第1の出力端子、27d 第2の出力端子、31,32,33 ジャイレータ、41 第1の電気回路、41a スイッチ、41b 第1のコンデンサ、41c スイッチ、41d コイル、41e 第1のコンデンサ、42 第2の電気回路、42a スイッチ、42b 第1のコイル、42c スイッチ、42d 第1のコイル、42e コンデンサ、50 バッテリー、51 電圧監視回路、52 制御回路。