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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-19
(45)【発行日】2024-12-27
(54)【発明の名称】増幅装置
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20241220BHJP
   H03F 3/68 20060101ALN20241220BHJP
【FI】
H03F1/02 111
H03F1/02 188
H03F3/68 220
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024561562
(86)(22)【出願日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2023019418
【審査請求日】2024-10-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松崎 優治
(72)【発明者】
【氏名】坂田 修一
(72)【発明者】
【氏名】田口 巴里絵
(72)【発明者】
【氏名】齋木 研人
(72)【発明者】
【氏名】山下 青
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/002778(WO,A1)
【文献】特開2012-090133(JP,A)
【文献】特開2020-184665(JP,A)
【文献】国際公開第2021/005633(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0294387(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅対象の信号の振幅に応じて、前記増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する信号分配器と、
前記第1の入力信号を増幅する第1の増幅器と、
前記第2の入力信号を増幅する第2の増幅器と、
前記第1の増幅器による増幅後の信号と前記第2の増幅器による増幅後の信号とを合成する合成回路と、
前記増幅対象の信号の振幅が含まれる振幅範囲に応じて、前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器におけるそれぞれの出力側に印加する電源電圧を切り替える離散可変電源と
を備え
前記振幅範囲として、互いに異なる複数の振幅範囲があり、
それぞれの振幅範囲の下限値を示す閾値と、前記増幅対象の信号の振幅とを比較し、それぞれの閾値と前記振幅との比較結果を出力する比較回路を備え、
前記離散可変電源は、
前記比較回路から出力された比較結果に基づいて、前記電源電圧を切り替え、
前記信号分配器は、
前記増幅対象の信号の振幅と前記比較回路から出力された比較結果とに基づいて、前記増幅対象の信号を前記第1の入力信号と前記第2の入力信号とに分配する増幅装置。
【請求項2】
前記信号分配器は、
前記第1の入力信号の振幅と前記第2の入力信号の振幅との比である振幅比が前記増幅対象の信号の振幅に対応する振幅比になり、かつ、前記第1の入力信号の位相と前記第2の入力信号の位相との差である位相差が前記増幅対象の信号の振幅に対応する位相差になるように、前記増幅対象の信号を前記第1の入力信号と前記第2の入力信号とに分配することを特徴とする請求項記載の増幅装置。
【請求項3】
前記信号分配器は、
前記増幅対象の信号の周波数に応じて、前記増幅対象の信号の振幅に対応する振幅比及び前記増幅対象の信号の振幅に対応する位相差のそれぞれを変更することを特徴とする請求項記載の増幅装置。
【請求項4】
前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器のそれぞれをB級にバイアスするゲートバイアス回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項5】
前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器を含む2入力増幅器のバックオフ量に応じて、前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器におけるそれぞれのゲートバイアスを切り替えるゲートバイアス回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項6】
前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器を含む2入力増幅器の負荷変調のモードに応じて、前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器におけるそれぞれのゲートバイアスを切り替えるゲートバイアス回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項7】
前記合成回路は、
前記第1の増幅器の出力側と一端が接続されている第1の線路と、
前記第2の増幅器の出力側と一端が接続され、前記第1の線路の他端と他端が接続されている第2の線路とを備え、
前記第1の線路は、前記増幅対象の信号の中心周波数で電気長が90度の線路であり、
前記第2の線路は、前記増幅対象の信号の中心周波数で電気長が180度の線路であることを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【請求項8】
前記離散可変電源は、エンベロープアンプを備えており、
前記エンベロープアンプは、
前記増幅対象の信号の振幅が含まれる振幅範囲に応じて切り替わる電源電圧を前記第1の増幅器及び前記第2の増幅器におけるそれぞれの出力側に印加することを特徴とする請求項1記載の増幅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、増幅装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キャリア増幅器とピーク増幅器と合成回路とを備える増幅装置がある。
このような増幅装置として、例えば、特許文献1には、キャリア増幅器及びピーク増幅器におけるそれぞれの出力側に電源電圧を印加する可変電源を備える増幅装置が開示されている。
当該増幅装置では、キャリア増幅器及びピーク増幅器のそれぞれに与えられる増幅対象の信号の振幅の変化に伴って、キャリア増幅器による増幅後の信号とピーク増幅器による増幅後の信号とを合成する合成回路の出力インピーダンスが変化するときは、可変電源から出力される電源電圧は、固定される。合成回路の出力インピーダンスの変化は、負荷変調であり、負荷変調によって、増幅装置の効率が高められる。
一方、増幅対象の信号の振幅の変化に伴って、合成回路の出力インピーダンスが変化しないときは、可変電源から出力される電源電圧は、増幅対象の信号の振幅に追従するように変調される。電源電圧が変調されることによって、増幅装置の効率が高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開2022-038695号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
増幅対象の信号の振幅に追従するように、可変電源から出力される電源電圧が変調される場合、電源電圧が固定の場合よりも、可変電源の効率が低下する。
特許文献1に開示されている増幅装置の効率は、合成回路の出力インピーダンスが変化しないときに、電源電圧が変調されることによって、合成回路の出力インピーダンスが変化しないときに、電源電圧が固定される場合よりも高められるものの、可変電源の効率が低下する分だけ低下する。この結果、合成回路の出力インピーダンスが変化しないときは、合成回路の出力インピーダンスが変化するときよりも、増幅装置の効率が低下してしまうことがあるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、特許文献1に開示されている増幅装置よりも、合成回路の出力インピーダンスが変化する、増幅対象の信号の振幅範囲を広げることができる増幅装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る増幅装置は、増幅対象の信号の振幅に応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する信号分配器と、第1の入力信号を増幅する第1の増幅器と、第2の入力信号を増幅する第2の増幅器と、第1の増幅器による増幅後の信号と第2の増幅器による増幅後の信号とを合成する合成回路と、増幅対象の信号の振幅が含まれる振幅範囲に応じて、第1の増幅器及び第2の増幅器におけるそれぞれの出力側に印加する電源電圧を切り替える離散可変電源とを備え、振幅範囲として、互いに異なる複数の振幅範囲があり、それぞれの振幅範囲の下限値を示す閾値と、増幅対象の信号の振幅とを比較し、それぞれの閾値と振幅との比較結果を出力する比較回路を備え、離散可変電源は、比較回路から出力された比較結果に基づいて、電源電圧を切り替え、信号分配器は、増幅対象の信号の振幅と比較回路から出力された比較結果とに基づいて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、特許文献1に開示されている増幅装置よりも、合成回路の出力インピーダンスが変化する、増幅対象の信号の振幅範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る増幅装置を示す構成図である。
図2】離散可変電源5から出力される電源電圧を示す説明図である。
図3】第1の入力信号と第2の入力信号との振幅比及び第1の入力信号と第2の入力信号との位相差を示す説明図である。
図4】2入力増幅器4のバックオフ量と2入力増幅器4の効率との関係を示す説明図である。
図5】それぞれの動作モードでの、2入力増幅器4のバックオフ及び2入力増幅器4の飽和のそれぞれを示す説明図である。
図6】実施の形態3に係る増幅装置を示す構成図である。
図7】第1の入力信号と第2の入力信号との振幅比及び第1の入力信号と第2の入力信号との位相差を示す説明図である。
図8】第1の入力信号と第2の入力信号との振幅比及び第1の入力信号と第2の入力信号との位相差を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る増幅装置を示す構成図である。
図1に示す増幅装置は、入力端子1、比較回路2、信号分配器3、2入力増幅器4、離散可変電源5、出力端子6及びゲートバイアス回路7を備えている。
図1に示す増幅装置は、ゲートバイアス回路7を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、ゲートバイアス回路7は、図1に示す増幅装置の外部に設けられていてもよい。
入力端子1には、増幅対象の信号が与えられる。入力端子1に与えられた増幅対象の信号は、比較回路2及び信号分配器3のそれぞれに与えられる。
図1に示す増幅装置では、説明の便宜上、増幅対象の信号の振幅Eは、0以上1以下であるものとして説明する。0≦E≦1である。
【0011】
比較回路2の内部メモリには、互いに異なる1つ以上の閾値が格納されている。
具体的には、増幅対象の信号の振幅Eが含まれる可能性がある振幅範囲の数がN(Nは、2以上の整数)であれば、互いに異なる、(N-1)個の閾値が比較回路2の内部メモリに格納されている。
図1に示す増幅装置では、増幅対象の信号の振幅Eが含まれる可能性がある振幅範囲の数が3つであるため、2つの閾値Th,Thが比較回路2の内部メモリに格納されている。閾値Th,Thは、それぞれの振幅範囲の下限値を示すものである。
比較回路2は、増幅対象の信号がデジタル信号である場合、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現される。
比較回路2は、増幅対象の信号がアナログ信号である場合、例えば、検波器及び比較器によって実現される。
比較回路2は、それぞれの閾値Th,Thと増幅対象の信号の振幅Eとを比較する。
比較回路2は、それぞれの閾値Th,Thと振幅Eとの比較結果を信号分配器3及び離散可変電源5のそれぞれに出力する。
図1に示す増幅装置では、2つの閾値Th,Thが比較回路2の内部メモリに格納されている。
【0012】
信号分配器3には、入力端子1から増幅対象の信号が与えられる。
信号分配器3は、増幅対象の信号がデジタル信号である場合、例えば、直交変調器によって実現される。直交変調器は、例えば、FPGA又はASICと、RFDAC(RF Digital-to-Analog Converter )又はDACとによって実現される。
信号分配器3は、増幅対象の信号がアナログ信号である場合、例えば、減衰器又は可変利得増幅器と、移相器とによって実現される。
信号分配器3は、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
具体的には、信号分配器3は、増幅対象の信号の振幅Eと比較回路2から出力された比較結果とに基づいて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
信号分配器3は、第1の入力信号を2入力増幅器4における第1の増幅器4aに出力する。
信号分配器3は、第2の入力信号を2入力増幅器4における第2の増幅器4bに出力する。
【0013】
2入力増幅器4は、第1の増幅器4a、第2の増幅器4b及び合成回路4cを備えている。
図1に示す増幅装置では、2入力増幅器4は、ドハティ増幅器として動作する。
第1の増幅器4aがキャリア増幅器であって、第2の増幅器4bがピーク増幅器であってもよいし、第1の増幅器4aがピーク増幅器であって、第2の増幅器4bがキャリア増幅器であってもよい。
【0014】
第1の増幅器4aは、例えば、FET(Field Effect Transistor)、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)、又は、HEMT(High Electron Mobility Transistor)によって実現される。
第1の増幅器4aのゲート端子は、ゲートバイアス回路7によって、B級にバイアスされている。第1の増幅器4aがB級動作するときに、第1の増幅器4aの出力電力が飽和する出力負荷は、例えば、50Ωであるものとする。
第1の増幅器4aは、信号分配器3から出力された第1の入力信号を増幅し、増幅後の信号を合成回路4cに出力する。
【0015】
第2の増幅器4bは、例えば、FET、HBT、又は、HEMTによって実現される。
第2の増幅器4bのゲート端子は、ゲートバイアス回路7によって、B級にバイアスされている。第2の増幅器4bがB級動作するときに、第2の増幅器4bの出力電力が飽和する出力負荷は、例えば、50Ωであるものとする。
第2の増幅器4bは、信号分配器3から出力された第2の入力信号を増幅し、増幅後の信号を合成回路4cに出力する。
【0016】
合成回路4cは、例えば、集中定数素子を用いた回路、分布定数線路を用いた回路、集中定数と分布定数とを組み合わせた回路、L-C(コイル-コンデンサ)型整合回路、又は、伝送線路によって実現される。
合成回路4cは、第1の線路4c-1及び第2の線路4c-2を備えている。
第1の線路4c-1の一端は、第1の増幅器4aの出力側と接続されている。
第1の線路4c-1の他端は、第2の線路4c-2の他端と接続されている。
第1の線路4c-1は、例えば、増幅対象の信号の中心周波数で電気長が90度の線路である。
第2の線路4c-2の一端は、第2の増幅器4bの出力側と接続されている。
第2の線路4c-2の他端は、第1の線路4c-1の他端と接続されている。
第2の線路4c-2は、例えば、増幅対象の信号の中心周波数で電気長が180度の線路である。
合成回路4cは、第1の増幅器4aによる増幅後の信号と第2の増幅器4bによる増幅後の信号とを合成する。
合成回路4cは、増幅後の信号と増幅後の信号との合成信号を出力端子6に出力する。
【0017】
図1に示す増幅装置では、第1の線路4c-1が、電気長が90度の線路であり、第2の線路4c-2が、電気長が180度の線路である。しかし、これは一例に過ぎず、第1の線路4c-1が、電気長が90度の線路であり、第2の線路4c-2が、電気長が0度に相当する線路であってもよい。また、任意の位相がαであるときに、第1の線路4c-1が、電気長が(90+α)度の線路であり、第2の線路4c-2が、電気長が(90-α)度の線路であってもよい。
【0018】
離散可変電源5は、例えば、DC(直流)-DCコンバータ、バックコンバータ、エンベロープアンプ、又は、デジタルアンプによって実現される。
離散可変電源5は、増幅対象の信号の振幅が含まれる振幅範囲に応じて、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に印加する電源電圧を切り替える。第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側は、例えば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれのドレイン端子である。
具体的には、離散可変電源5は、比較回路2から出力された比較結果に基づいて、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に印加する電源電圧を切り替える。
【0019】
出力端子6は、第1の線路4c-1の他端及び第2の線路4c-2の他端のそれぞれと接続されている。
出力端子6は、合成回路4cから出力された合成信号を外部に出力するための端子である。
ゲートバイアス回路7は、第1の増幅器4aをB級にバイアスする。第1の増幅器4aをB級にバイアスするとは、第1の増幅器4aの閾値電圧に近い電圧を第1の増幅器4aのゲート端子に印加することを意味する。
また、ゲートバイアス回路7は、第2の増幅器4bをB級にバイアスする。第2の増幅器4bをB級にバイアスするとは、第2の増幅器4bの閾値電圧に近い電圧を第2の増幅器4bのゲート端子に印加することを意味する。
【0020】
次に、図1に示す増幅装置の動作について説明する。
比較回路2の内部メモリには、2つの閾値Th,Thが格納されている。
閾値Thは、離散可変電源5によって、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に印加される電源電圧がX(V)であるときに、2入力増幅器4の出力電力POUTがバックオフ点の電力PBOFF,Xになる、増幅対象の信号の振幅Eに相当する値である。つまり、閾値Thは、電源電圧がX(V)であるときに、2入力増幅器4に負荷変調が生じる、増幅対象の信号の振幅範囲の下限値を示すものである。バックオフ点の電力PBOFF,Xは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも、例えば6dBだけ小さい電力である。
電源電圧がX(V)である場合、2入力増幅器4の出力電力POUTが、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xとバックオフ点の電力PBOFF,Xとの範囲内であるときに(PBOFF,X≦POUT≦Ps,X)、2入力増幅器4に負荷変調が生じる。2入力増幅器4に負荷変調が生じるとき、2入力増幅器4は、高効率に動作する。
【0021】
閾値Thは、離散可変電源5によって、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に印加される電源電圧が0.5X(V)であるときに、2入力増幅器4の出力電力POUTがバックオフ点の電力PBOFF,0.5Xになる、増幅対象の信号の振幅Eに相当する値である。つまり、閾値Thは、電源電圧が0.5X(V)であるときに、2入力増幅器4に負荷変調が生じる、増幅対象の信号の振幅範囲の下限値を示すものである。電源電圧が0.5X(V)であるときは、なお、閾値Thは、2入力増幅器4に負荷変調が生じる、増幅対象の信号の振幅範囲の上限値を示すものである。バックオフ点の電力PBOFF,0.5Xは、電源電圧が0.5X(V)であるときの、2入力増幅器4の飽和電力Ps,0.5Xよりも、例えば6dBだけ小さい電力である。
電源電圧が0.5X(V)である場合、2入力増幅器4の出力電力POUTが、2入力増幅器4の飽和電力Ps,0.5Xとバックオフ点の電力PBOFF,0.5Xとの範囲内であるときに(PBOFF,0.5X≦POUT≦Ps,0.5X)、2入力増幅器4に負荷変調が生じる。2入力増幅器4に負荷変調が生じるとき、2入力増幅器4は、高効率に動作する。
また、電源電圧が0.25X(V)である場合、2入力増幅器4の出力電力POUTが、2入力増幅器4の飽和電力Ps,0.25Xとバックオフ点の電力PBOFF,0.25Xとの範囲内であるときに(PBOFF,0.25X≦POUT≦Ps,0.25X)、2入力増幅器4に負荷変調が生じる。バックオフ点の電力PBOFF,0.25Xは、電源電圧が0.25X(V)であるときの、2入力増幅器4の飽和電力Ps,0.25Xよりも、例えば6dBだけ小さい電力である。2入力増幅器4に負荷変調が生じるとき、2入力増幅器4は、高効率に動作する。
【0022】
比較回路2は、入力端子1から、増幅対象の信号を取得する。
比較回路2は、それぞれの閾値Th,Thと増幅対象の信号の振幅Eとを比較する。
比較回路2は、それぞれの閾値Th,Thと振幅Eとの比較結果を信号分配器3及び離散可変電源5のそれぞれに出力する。
図1に示す増幅装置では、増幅対象の信号の振幅Eが閾値Thよりも大きければ、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードに決定される。
増幅対象の信号の振幅Eが閾値Th以下であり、かつ、増幅対象の信号の振幅Eが閾値Thよりも大きければ、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードに決定される。
増幅対象の信号の振幅Eが閾値Th以下であれば、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードに決定される。
【0023】
離散可変電源5は、比較回路2の比較結果を取得する。
離散可変電源5は、比較回路2の比較結果を参照して、2入力増幅器4の動作モードを認識する。
図2は、離散可変電源5から出力される電源電圧を示す説明図である。
図2において、横軸は、時間を示し、縦軸は、離散可変電源5から出力される電源電圧及び増幅対象の信号の振幅Eのそれぞれを示している。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、図2に示すように、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧X(V)を印加する。X(V)は、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧である。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、図2に示すように、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.5X(V)を印加する。0.5X(V)は、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧の半分の電圧である。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、図2に示すように、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.25X(V)を印加する。0.25X(V)は、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧の4分の1の電圧である。
【0024】
信号分配器3は、比較回路2の比較結果を取得する。
信号分配器3は、比較回路2の比較結果を参照して、2入力増幅器4の動作モードを認識する。
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、電源電圧X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第1の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも例えば6dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xとの間の電力である。
【0025】
具体的には、信号分配器3は、図3に示すように、第1の入力信号の振幅と第2の入力信号の振幅との比である振幅比が増幅対象の信号の振幅Eに対応する振幅比になるように、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
図3は、第1の入力信号と第2の入力信号との振幅比及び第1の入力信号と第2の入力信号との位相差を示す説明図である。
図3において、横軸は、増幅対象の信号の振幅Eを示し、縦軸は、振幅比及び位相差のそれぞれを示している。
図3の例では、増幅対象の信号の振幅Eが大きくなるほど、振幅比が小さくなるように、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。
第1の増幅器4aがキャリア増幅器であって、第2の増幅器4bがピーク増幅器であれば、振幅比は、(第1の入力信号の振幅/第2の入力信号の振幅)である。第1の増幅器4aがピーク増幅器であって、第2の増幅器4bがキャリア増幅器であれば、振幅比は、(第2の入力信号の振幅/第1の入力信号の振幅)である。
また、信号分配器3は、図3に示すように、第1の入力信号の位相と第2の入力信号の位相との差である位相差が増幅対象の信号の振幅Eに対応する位相差になるように、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
図3の例では、増幅対象の信号の振幅Eが変化しても、位相差が一定になるように、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。
【0026】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、電源電圧0.5X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第2の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも例えば12dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xよりも例えば6dBだけ小さい電力との間の電力である。
具体的には、信号分配器3は、図3に示すように、第1の入力信号の振幅と第2の入力信号の振幅との比である振幅比が増幅対象の信号の振幅Eに対応する振幅比になるように、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
また、信号分配器3は、図3に示すように、第1の入力信号の位相と第2の入力信号の位相との差である位相差が増幅対象の信号の振幅Eに対応する位相差になるように、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
【0027】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、電源電圧0.25X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第3の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも例えば18dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xよりも例えば12dBだけ小さい電力との間の電力である。
具体的には、信号分配器3は、図3に示すように、第1の入力信号の振幅と第2の入力信号の振幅との比である振幅比が増幅対象の信号の振幅Eに対応する振幅比になるように、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
また、信号分配器3は、図3に示すように、第1の入力信号の位相と第2の入力信号の位相との差である位相差が増幅対象の信号の振幅Eに対応する位相差になるように、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
【0028】
信号分配器3は、第1の入力信号を2入力増幅器4における第1の増幅器4aに出力する。
信号分配器3は、第2の入力信号を2入力増幅器4における第2の増幅器4bに出力する。
【0029】
第1の増幅器4aは、信号分配器3から第1の入力信号が与えられる。
第1の増幅器4aは、第1の入力信号を増幅し、増幅後の信号を合成回路4cに出力する。
第2の増幅器4bは、信号分配器3から第2の入力信号が与えられる。
第2の増幅器4bは、第2の入力信号を増幅し、増幅後の信号を合成回路4cに出力する。
第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に印加される電源電圧が、増幅対象の信号の振幅Eが含まれる振幅範囲に応じて切り替えられており、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。このため、2入力増幅器4は、増幅対象の信号の振幅Eにかかわらず、負荷変調を生じる。
合成回路4cは、第1の増幅器4aによる増幅後の信号と第2の増幅器4bによる増幅後の信号とを合成する。
合成回路4cは、第1の増幅器4aによる増幅後の信号と第2の増幅器4bによる増幅後の信号との合成信号を出力端子6に出力する。
【0030】
ここで、閾値Th,Thと2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲との関係を具体的に説明する。
2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲がβdBであるとすれば、閾値Th,Thは、βdBと等差の関係になる。例えば、β=6dBであれば、閾値Thは、6dBバックオフの値になり、閾値Thは、12dBバックオフの値になる。
閾値Th,Thを電圧振幅かつ真数で表すと、閾値Th,Thは、10(-β/20)の等比の関係になる。このため、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.5倍になり、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.25倍になる。
【0031】
また、それぞれの動作モードにおける、離散可変電源5から出力される電源電圧は、2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲がβdBであるとすれば、10(-β/20)の等比の関係になる。このため、第1の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、最大の電源電圧であるX(V)になり、第2の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、X(V)×10(-β/20)になる。第3の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、X(V)×10(-β/20)×2になる。
【0032】
図4は、2入力増幅器4のバックオフ量と2入力増幅器4の効率との関係を示す説明図である。
図4において、横軸は、2入力増幅器4のバックオフ量であり、縦軸は、2入力増幅器4の効率である。
バックオフ量が6dBから飽和の範囲では、離散可変電源5から出力される電源電圧は、最大の電源電圧X(V)であり、バックオフ量が12dBから6dBの範囲では、離散可変電源5から出力される電源電圧は、最大の電源電圧X(V)の0.5倍である。また、バックオフ量が18dBから12dBの範囲では、離散可変電源5から出力される電源電圧は、最大の電源電圧X(V)の0.25倍である。
図4の例では、バックオフ量が18dB未満の範囲のときは、2入力増幅器4に負荷変調が生じていないため、バックオフ量が大きいほど、2入力増幅器4の効率が低下している。
これに対して、バックオフ量が18dBから飽和の範囲のときは、増幅対象の信号の振幅Eが含まれる振幅範囲に応じて、離散可変電源5から出力される電源電圧が切り替わることによって、2入力増幅器4に負荷変調が生じている。このため、2入力増幅器4の効率として、高い効率が得られている。
【0033】
図5は、それぞれの動作モードでの、2入力増幅器4のバックオフ及び2入力増幅器4の飽和のそれぞれを示す説明図である。
第1の動作モードでは、電源電圧が最大のX(V)であり、バックオフ量が6dBから飽和の範囲において、負荷変調が行われていることを示している。バックオフ量が飽和のときに、第1の増幅器4aと第2の増幅器4bとの特性が重ねっている。
第2の動作モードでは、電源電圧が0.5X(V)であり、バックオフ量が12dBから6dBの範囲において、負荷変調が行われていることを示している。第2の動作モードでは、バックオフ量が6dBのときに飽和になっており、第1の増幅器4aと第2の増幅器4bとの特性が重ねっている。
第3の動作モードでは、電源電圧が0.25X(V)であり、バックオフ量が18dBから12dBの範囲において、負荷変調が行われていることを示している。第3の動作モードでは、バックオフ量が12dBのときに飽和になっており、第1の増幅器4aと第2の増幅器4bとの特性が重ねっている。
【0034】
以上の実施の形態1では、増幅対象の信号の振幅に応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する信号分配器3と、第1の入力信号を増幅する第1の増幅器4aと、第2の入力信号を増幅する第2の増幅器4bと、第1の増幅器4aによる増幅後の信号と第2の増幅器4bによる増幅後の信号とを合成する合成回路4cと、増幅対象の信号の振幅が含まれる振幅範囲に応じて、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に印加する電源電圧を切り替える離散可変電源5とを備えるように、増幅装置を構成した。したがって、増幅装置は、特許文献1に開示されている増幅装置よりも、合成回路の出力インピーダンスが変化する、増幅対象の信号の振幅範囲を広げることができる。
【0035】
実施の形態2.
実施の形態1では、増幅対象の信号の振幅Eに対する比較対象の閾値が、閾値Th,Thである増幅装置を説明した。
増幅対象の信号の振幅Eに対する比較対象の閾値は、1つの閾値であってもよいし、3つ以上の閾値であってもよい。
実施の形態2では、増幅対象の信号の振幅Eに対する比較対象の閾値が、3つの閾値Th,Th,Thである増幅装置について説明する。
実施の形態2に係る増幅装置の構成は、実施の形態1に係る増幅装置の構成と同様であり、実施の形態2に係る増幅装置を示す構成図は、図1である。
【0036】
上述したように、2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲がβdBであるとすれば、閾値Th,Th,Thは、βdBと等差の関係になる。例えば、β=6dBであれば、閾値Thは、6dBバックオフの値になり、閾値Thは、12dBバックオフの値になり、閾値Thは、18dBバックオフの値になる。
閾値Th,Th,Thを電圧振幅かつ真数で表すと、閾値Th,Th,Thは、10(-β/20)の等比の関係になる。このため、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.5倍になり、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.25倍になり、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.125倍になる。
なお、α(αは、4以上の整数)個の閾値を用いる場合、閾値Thαは、(6×α)dBバックオフの値になる。閾値Thαは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の10(-β/20)×(α-1)倍になる。
【0037】
また、それぞれの動作モードにおける、離散可変電源5から出力される電源電圧は、2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲がβdBであるとすれば、10(-β/20)の等比の関係になる。このため、第1の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、最大の電源電圧であるX(V)になり、第2の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、X(V)×10(-β/20)になる。第3の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、X(V)×10(-β/20)×2になり、第4の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、X(V)×10(-β/20)×3になる。
なお、α個の閾値を用いる場合、第(α+1)の動作モードでは、離散可変電源5から出力される電源電圧は、X(V)×10(-β/20)×αになる。
【0038】
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧X(V)を印加する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.5X(V)を印加する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.25X(V)を印加する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第4の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.125X(V)を印加する。
【0039】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、電源電圧X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、電源電圧0.5X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、電源電圧0.25X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第4の動作モードであれば、電源電圧0.125X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
【0040】
実施の形態3.
実施の形態3では、信号分配器8が、増幅対象の信号の周波数に応じて、増幅対象の信号の振幅Eに対応する振幅比及び増幅対象の信号の振幅Eに対応する位相差のそれぞれを変更する増幅装置について説明する。
【0041】
図6は、実施の形態3に係る増幅装置を示す構成図である。図6において、図1と同一符号は、同一又は相当部分を示すので、詳細な説明を省略する。
信号分配器8には、入力端子1から増幅対象の信号が与えられる。
信号分配器8は、増幅対象の信号がデジタル信号である場合、例えば、直交変調器によって実現される。
信号分配器8は、増幅対象の信号がアナログ信号である場合、例えば、減衰器又は可変利得増幅器と、移相器とによって実現される。
信号分配器8は、増幅対象の信号の振幅Eと比較回路2から出力された比較結果とに基づいて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。
信号分配器8は、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する際、増幅対象の信号の周波数に応じて、増幅対象の信号の振幅に対応する振幅比及び増幅対象の信号の振幅に対応する位相差のそれぞれを変更する。
信号分配器8は、第1の入力信号を2入力増幅器4における第1の増幅器4aに出力する。
信号分配器8は、第2の入力信号を2入力増幅器4における第2の増幅器4bに出力する。
【0042】
次に、図6に示す増幅装置の動作について説明する。
図6に示す増幅装置では、増幅対象の信号の周波数がfであれば、例えば、第1の増幅器4aがキャリア増幅器として動作し、第2の増幅器4bがピーク増幅器として動作する。
図6に示す増幅装置では、増幅対象の信号の周波数が例えばf/2に切り替われば、例えば、第1の増幅器4aがピーク増幅器として動作し、第2の増幅器4bがキャリア増幅器として動作する。
増幅対象の信号の周波数がfからf/2に切り替わった場合、2入力増幅器4のバックオフ量が変化する。後述する図7の例では、2入力増幅器4のバックオフ量が7dBになっている。
【0043】
2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲がβdBであるとすれば、閾値Th,Thは、βdBと等差の関係になる。例えば、β=7dBであれば、閾値Thは、7dBバックオフの値になり、閾値Thは、14dBバックオフの値になる。
したがって、2入力増幅器4のバックオフ量が7dBである場合、閾値Thは、電源電圧がX(V)であるときに、2入力増幅器4の出力電力POUTが、飽和電力Ps,Xよりも7dBだけ小さい電力になるときの、増幅対象の信号の振幅Eに設定される。
閾値Thは、2入力増幅器4の出力電力POUTが飽和電力Ps,Xよりも14dBだけ小さい電力になるときの、増幅対象の信号の振幅Eに設定される。
閾値Th,Thを電圧振幅かつ真数で表すと、閾値Th,Thは、10(-β/20)の等比の関係になる。このため、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.45倍になり、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.20(=0.45×0.45)倍になる。
【0044】
比較回路2は、入力端子1から、周波数がf/2である増幅対象の信号を取得する。
比較回路2は、それぞれの閾値Th,Thと増幅対象の信号の振幅Eとを比較する。
比較回路2は、それぞれの閾値Th,Thと振幅Eとの比較結果を信号分配器8及び離散可変電源5のそれぞれに出力する。
図6に示す増幅装置では、増幅対象の信号の振幅Eが閾値Thよりも大きければ、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードに決定される。
増幅対象の信号の振幅Eが閾値Th以下であり、かつ、増幅対象の信号の振幅Eが閾値Thよりも大きければ、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードに決定される。
増幅対象の信号の振幅Eが閾値Th以下であれば、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードに決定される。
【0045】
離散可変電源5は、比較回路2の比較結果を取得する。
離散可変電源5は、比較回路2の比較結果を参照して、2入力増幅器4の動作モードを認識する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧X(V)を印加する。X(V)は、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧である。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.45X(V)を印加する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.20X(V)を印加する。
【0046】
信号分配器8は、比較回路2の比較結果を取得する。
信号分配器8は、比較回路2の比較結果を参照して、2入力増幅器4の動作モードを認識する。
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、電源電圧X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第1の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも7dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xとの間の電力である。
【0047】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、電源電圧0.45X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第2の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも14dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xよりも7dBだけ小さい電力との間の電力である。
【0048】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、電源電圧0.20X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第3の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも21dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xよりも14dBだけ小さい電力との間の電力である。
【0049】
図7は、第1の入力信号と第2の入力信号との振幅比及び第1の入力信号と第2の入力信号との位相差を示す説明図である。
図7において、横軸は、増幅対象の信号の振幅Eを示し、縦軸は、振幅比及び位相差のそれぞれを示している。
信号分配器8は、図7に示すように、増幅対象の信号の振幅Eが大きくなるほど、振幅比が大きくなるように、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。振幅比は、(第2の入力信号の振幅/第1の入力信号の振幅)である。
また、信号分配器8は、図7に示すように、増幅対象の信号の振幅Eが変化しても、位相差が一定になるように、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。ただし、このときの位相差は、増幅対象の信号の周波数がfであるときの位相差よりも小さくなっている。
増幅対象の信号の周波数がfからf/2に切り替わった場合、2入力増幅器4のバックオフ量が変化する。図7の例では、2入力増幅器4のバックオフ量が7dBになっている。
【0050】
以上の実施の形態3では、信号分配器8が、増幅対象の信号の周波数に応じて、増幅対象の信号の振幅に対応する振幅比及び増幅対象の信号の振幅に対応する位相差のそれぞれを変更するように、図6に示す増幅装置を構成した。したがって、図6に示す増幅装置は、図1に示す増幅装置と同様に、特許文献1に開示されている増幅装置よりも、合成回路の出力インピーダンスが変化する、増幅対象の信号の振幅範囲を広げることができるほか、増幅対象の信号の周波数が変化しても、効率を高めることができる。
【0051】
図6に示す増幅装置では、増幅対象の信号の周波数がfからf/2に切り替わった場合について示している。しかし、これは一例に過ぎず、増幅対象の信号の周波数が、例えば、fから2f/3に切り替わる場合もある。このような場合も、2入力増幅器4のバックオフ量が変化する。図8の例では、2入力増幅器4のバックオフ量が5dBになっており、2入力増幅器4は、アウトフェージング増幅器として動作する。
【0052】
2入力増幅器4に負荷変調が生じる電力範囲がβdBであるとすれば、閾値Th,Thは、βdBと等差の関係になる。例えば、β=5dBであれば、閾値Thは、5dBバックオフの値になり、閾値Thは、10dBバックオフの値になる。
したがって、2入力増幅器4のバックオフ量が5dBである場合、閾値Thは、電源電圧がX(V)であるときに、2入力増幅器4の出力電力POUTが、飽和電力Ps,Xよりも5dBだけ小さい電力になるときの、増幅対象の信号の振幅Eに設定される。
閾値Thは、2入力増幅器4の出力電力POUTが飽和電力Ps,Xよりも10dBだけ小さい電力になるときの、増幅対象の信号の振幅Eに設定される。
閾値Th,Thを電圧振幅かつ真数で表すと、閾値Th,Thは、10(-β/20)の等比の関係になる。このため、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.56倍になり、閾値Thは、離散可変電源5から出力される最大の電源電圧X(V)の0.32(=0.56×0.56)倍になる。
【0053】
離散可変電源5は、比較回路2の比較結果を取得する。
離散可変電源5は、比較回路2の比較結果を参照して、2入力増幅器4の動作モードを認識する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧X(V)を印加する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.56X(V)を印加する。
離散可変電源5は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの出力側に電源電圧0.32X(V)を印加する。
【0054】
信号分配器8は、比較回路2の比較結果を取得する。
信号分配器8は、比較回路2の比較結果を参照して、2入力増幅器4の動作モードを認識する。
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第1の動作モードであれば、電源電圧X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第1の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも5dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xとの間の電力である。
【0055】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第2の動作モードであれば、電源電圧0.56X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第2の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも10dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xよりも5dBだけ小さい電力との間の電力である。
【0056】
信号分配器3は、2入力増幅器4の動作モードが第3の動作モードであれば、電源電圧0.32X(V)が印加されているときに、増幅対象の信号の振幅Eの変化に伴って、合成回路4cの出力インピーダンスが変化する負荷変調を生じるように、増幅対象の信号の振幅Eに応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する。第1の入力信号の電力と第2の入力信号の電力との合計電力は、増幅対象の信号の電力と等しい。
第3の動作モードでは、2入力増幅器4の出力電力POUTは、2入力増幅器4の飽和電力Ps,Xよりも15dBだけ小さい電力と飽和電力Ps,Xよりも10dBだけ小さい電力との間の電力である。
【0057】
図8は、第1の入力信号と第2の入力信号との振幅比及び第1の入力信号と第2の入力信号との位相差を示す説明図である。
図8において、横軸は、増幅対象の信号の振幅Eを示し、縦軸は、振幅比及び位相差のそれぞれを示している。
信号分配器8は、図8に示すように、増幅対象の信号の振幅Eが変化しても、振幅比が一定になるように、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。
また、信号分配器8は、図8に示すように、増幅対象の信号の振幅Eが大きくなるほど、位相差が小さくなるように、増幅対象の信号が第1の入力信号と第2の入力信号とに分配されている。
増幅対象の信号の周波数がfから2f/3に切り替わった場合、2入力増幅器4のバックオフ量が変化する。図8の例では、2入力増幅器4のバックオフ量が5dBになっている。
【0058】
実施の形態4.
実施の形態1~3に係る増幅装置では、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bのそれぞれがB級にバイアスされている。つまり、第1の増幅器4aのゲート端子及び第2の増幅器4bのゲート端子のそれぞれは、ゲートバイアス回路7によって、B級にバイアスされている。
しかしながら、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bのそれぞれがB級にバイアスされるものに限るものではない。例えば、ゲートバイアス回路7が、2入力増幅器4のバックオフ量に応じて、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれのゲートバイアスを切り替えるようにしてもよい。
例えば、ゲートバイアス回路7は、2入力増幅器4のバックオフ量が大きいほど、大きなゲートバイアスを第1の増幅器4aのゲート端子及び第2の増幅器4bのゲート端子のそれぞれに与える。
【0059】
ゲートバイアス回路7がゲートバイアスを制御することによって、例えば、増幅対象の信号の振幅Eによって変化する、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの利得を平滑化することができる。第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれの利得が平滑化されることによって、合成信号の低歪み化を図ることができる。
【0060】
また、ゲートバイアス回路7が、2入力増幅器4の負荷変調のモードに応じてゲートバイアスを制御することによって、増幅器の動作級を制御するようにしてもよい。負荷変調のモードとしては、例えば、2入力増幅器4がドハティ増幅器として動作するモードと、2入力増幅器4がアウトフェージング増幅器として動作するモードとがある。
具体的には、2入力増幅器4がドハティ増幅器として動作するときのゲートバイアスの制御と、2入力増幅器4がアウトフェージング増幅器として動作するときのゲートバイアスの制御とが異なるように、ゲートバイアス回路7がゲートバイアスを制御する。一例としては、2入力増幅器4がアウトフェージング増幅器として動作するときのゲートバイアスが、2入力増幅器4がドハティ増幅器として動作するときのゲートバイアスよりも大きくなるように、ゲートバイアス回路7がゲートバイアスを制御する。
ただし、これは一例に過ぎず、2入力増幅器4がアウトフェージング増幅器として動作するときのゲートバイアスが、2入力増幅器4がドハティ増幅器として動作するときのゲートバイアスよりも小さくなるように、ゲートバイアス回路7がゲートバイアスを制御してもよい。また、2入力増幅器4がドハティ増幅器として動作するときのゲートバイアスの制御と、2入力増幅器4がアウトフェージング増幅器として動作するときのゲートバイアスの制御とが同じになるように、ゲートバイアス回路7がゲートバイアスを制御してもよい。
【0061】
因みに、2入力増幅器4がドハティ増幅器として、バックオフ動作を行うときに、ゲートバイアス回路7が、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれのゲートバイアスを閾値電圧以上にすることによって、2入力増幅器4の利得を増加させることができる。
また、2入力増幅器4がアウトフェージング増幅器として、バックオフ動作を行うときに、ゲートバイアス回路7が、第1の増幅器4a及び第2の増幅器4bにおけるそれぞれのゲートバイアスを閾値電圧以上にすることによって、2入力増幅器4の利得を増加させることができる。
【0062】
なお、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本開示は、増幅装置に適している。
【符号の説明】
【0064】
1 入力端子、2 比較回路、3 信号分配器、4 2入力増幅器、4a 第1の増幅器、4b 第2の増幅器、4c 合成回路、4c-1 第1の線路、4c-2 第2の線路、5 離散可変電源、6 出力端子、7 ゲートバイアス回路、8 信号分配器。
【要約】
増幅対象の信号の振幅に応じて、増幅対象の信号を第1の入力信号と第2の入力信号とに分配する信号分配器(3)と、第1の入力信号を増幅する第1の増幅器(4a)と、第2の入力信号を増幅する第2の増幅器(4b)と、第1の増幅器(4a)による増幅後の信号と第2の増幅器(4b)による増幅後の信号とを合成する合成回路(4c)と、増幅対象の信号の振幅が含まれる振幅範囲に応じて、第1の増幅器(4a)及び第2の増幅器(4b)におけるそれぞれの出力側に印加する電源電圧を切り替える離散可変電源(5)とを備えるように、増幅装置を構成した。
図1
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図3
図4
図5
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図7
図8