(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、ドメイン組織情報生産装置、情報処理方法、ドメイン組織情報生産方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20241223BHJP
【FI】
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020117512
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】507384939
【氏名又は名称】Sansan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】林 佑樹
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-188671(JP,A)
【文献】特開2002-259025(JP,A)
【文献】特開2018-018395(JP,A)
【文献】特開2010-237908(JP,A)
【文献】特開2010-218043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得部と、
電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部と、
前記ドメイン情報を用いて、前記ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索部と、
前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力部と、を備え、
前記ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子が当該ドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、
前記出力部は、前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を、当該組織識別子に対応するスコアに応じて出力する情報処理装置。
【請求項2】
ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得部と、
電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部と、
前記ドメイン情報を用いて、前記ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索部と、
前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力部と、を備え、
前記ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子が当該ドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、
前記検索部は、組織識別子に対応付けられたスコアが予め決められた条件を満たす組織識別子を検索する情報処理装置。
【請求項3】
前記ドメイン情報は、ドメイン名の少なくとも一部の文字列であり、
前記検索部は、ドメイン情報が有する文字列と一致または類似する文字列を有するドメイン名と対応付けられた組織識別子であって、対応するドメイン名が、対応する組織識別子が示す組織が利用するドメイン名である可能性が、予め決められた条件よりも高いことを示すスコアと対応付けられた組織識別子を検索する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記検索部が取得した組織識別子が複数である場合に、当該組織識別子を、当該組織識別子に対応付けられたスコアに応じた出力順で出力する請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、入力画面に表示される電子メールアドレスの入力欄に入力される電子メールアドレスについてドメイン情報を取得し、
前記出力部は、取得した1以上の組織識別子を、前記入力画面に表示される組織識別子の入力欄に入力するための組織識別子として出力する請求項1から請求項
4いずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項6】
組織識別子の出力を行わないドメイン名である1以上の除外ドメイン名が格納される除外ドメイン格納部をさらに備え、
前記取得部が取得したドメイン情報が前記除外ドメイン名のいずれか一つと一致する場合に、組織識別子の出力を行わない請求項1から請求項
5記載の情報処理装置。
【請求項7】
取得部と、電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部と、検索部と、出力部と、を用いて行われる情報処理方法であって、
前記取得部が、ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得ステップと、
前記検索部が、前記ドメイン情報を用いて、前記ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索ステップと、
前記出力部が、前記検索ステップで検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力ステップと、を備え、
前記ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子が当該ドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、
前記出力ステップは、前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を、当該組織識別子に対応するスコアに応じて出力する情報処理方法。
【請求項8】
取得部と、電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部と、検索部と、出力部と、を用いて行われる情報処理方法であって、
前記取得部が、ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得ステップと、
前記検索部が、前記ドメイン情報を用いて、前記ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索ステップと、
前記出力部が、前記検索ステップで検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力ステップと、を備え、
前記ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子が当該ドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、
前記検索ステップは、組織識別子に対応付けられたスコアが予め決められた条件を満たす組織識別子を検索する情報処理方法。
【請求項9】
電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部にアクセス可能なコンピュータを、
ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得部と、
前記ドメイン情報を用いて、前記ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索部と、
前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力部と、して機能させ、
前記ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子が当該ドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、
前記出力部は、前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を、当該組織識別子に対応するスコアに応じて出力するプログラム。
【請求項10】
電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部にアクセス可能なコンピュータを、
ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得部と、
前記ドメイン情報を用いて、前記ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索部と、
前記検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力部と、して機能させ、
前記ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子が当該ドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、
前記検索部は、組織識別子に対応付けられたスコアが予め決められた条件を満たす組織識別子を検索するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドメイン名に関する情報を用いて処理を行う装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、会社・法人名と電子メールアドレスとの入力を受け付ける入力画面を出力する技術が知られていた(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】"取引価値向上セミナー参加受付フォーム"、[online]、[令和2年6月25日検索]、インターネット<URL:https://mm-enquete-cnt.meti.go.jp/form/pub/chusyokeienshien/oem_1029_r1>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、適切な組織識別子を容易に入力することが困難である、という課題があった。
【0005】
例えば、ユーザが、組織識別子をキーボードやタッチパネル等を利用して1文字ずつ入力する必要があり、容易に入力を行うことができなかった。
【0006】
また、例えば、同じ組織(例えば、会社や法人)の組織識別子(例えば、企業名や、企業コード等)であっても、入力するユーザの違いや、入力時の状況、入力ミス等によって、入力する組織識別子の表記等が異なってしまい、適切な組織識別子が入力されない場合がある、という問題があった。例えば、組織名が「AAA株式会社」である組織に属するユーザであっても、ユーザによっては、その組織名を「AAA」と記入したり、「AAA(株)」と記入したり、「AAA corporation」と記入したり、「Aaa株式会社」と入力したりする場合がある。例えば、このように異なる表記等で入力された組織名等のデータは、データベース等においては、異なるデータであると判断される場合が多く、入力されたデータの有効利用等の妨げとなっていた。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、適切な組織識別子を容易に入力できるようにするための支援を行う情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報処理装置は、ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得部と、電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部と、ドメイン情報を用いて、ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索部と、検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力部と、を備えた情報処理装置である。
【0009】
かかる構成により、電子メールアドレスを用いて取得した1以上の組織識別子を出力することができ、適切な組織識別子を容易に入力するための支援を行うことができる。
【0010】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子がドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、出力部は、検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を、組織識別子に対応するスコアに応じて出力するようにしてもよい。
【0011】
かかる構成により、スコアを利用して適切に組織識別子を出力することができ、精度よく、適切な組織識別子の容易な入力を支援することができる。
【0012】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、ドメイン組織情報は、ドメイン名に対応付けられた組織識別子がドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有しており、検索部は、組織識別子に対応付けられたスコアが予め決められた条件を満たす組織識別子を検索するようにしてもよい。
【0013】
かかる構成により、スコアを利用してより適切に組織識別子を取得することができ、精度よく、適切な組織識別子の容易な入力を支援することができる。
【0014】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、ドメイン情報は、ドメイン名の少なくとも一部の文字列であり、検索部は、ドメイン情報が有する文字列と一致または類似する文字列を有するドメイン名と対応付けられた組織識別子であって、対応するドメイン名が、対応する組織識別子が示す組織が利用するドメイン名である可能性が、予め決められた条件よりも高いことを示すスコアと対応付けられた組織識別子を検索するようにしてもよい。
【0015】
かかる構成により、ユーザが属する組織の組織識別子である可能性が高い組織識別子を出力することができ、精度よく、適切な組織識別子の容易な入力を支援することができる。
【0016】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、出力部は、検索部が取得した組織識別子が複数である場合に、組織識別子を、組織識別子に対応付けられたスコアに応じた出力順で出力するようにしてもよい。
【0017】
かかる構成により、ユーザが属する組織の組織識別子である可能性が高い組織識別子をユーザが認識しやすい態様で出力することができ、適切な組織識別子をユーザが選びやすくすることができる。
【0018】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、取得部は、入力画面に表示される電子メールアドレスの入力欄に入力される電子メールアドレスについてドメイン情報を取得し、出力部は、取得した1以上の組織識別子を、入力画面に表示される組織識別子の入力欄に入力するための組織識別子として出力するようにしてもよい。
【0019】
かかる構成により、組織識別子の入力欄への入力を適切に支援することができる。
【0020】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、取得部は、ユーザが入力する電子メールアドレスの更新に応じて、取得するドメイン情報を更新し、検索部は、更新されたドメイン情報を用いて検索を行い、出力部は、更新されたドメイン情報に応じて検索部が取得した組織識別子を用いて出力を更新するようにしてもよい。
【0021】
かかる構成により、電子メールアドレスの更新に応じて、更新した組織識別子を順次出力することができ、動的に、適切な組織識別子の容易な入力を支援することができる。
【0022】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、組織識別子の出力を行わないドメイン名である1以上の除外ドメイン名が格納される除外ドメイン格納部をさらに備え、取得部が取得したドメイン情報が除外ドメイン名のいずれか一つと一致する場合に、組織識別子の出力を行わないようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、除外ドメイン名を利用している電子メールアドレスについては、組織識別子を出力しないようにすることができ、これにより、例えば、ユーザの組織とは関連のない誤った組織の組織識別子が出力されることを防ぐことができる。
【0024】
また、本発明の情報処理装置は、前記情報処理装置において、出力部は、検索部が組織識別子を取得できなかった場合に、入力される電子メールアドレスについて注意を喚起する情報を出力するようにしてもよい。
【0025】
かかる構成により、電子メールアドレスの入力について適切に注意喚起することもできる。
【0026】
また、本発明のドメイン組織情報生産装置は、名刺に関する情報であって、ユーザの電子メールアドレスと、ユーザの所属する組織の組織識別子とを有する複数の名刺情報を取得する名刺情報取得部と、名刺情報取得部が取得した複数の名刺情報から、それぞれ、電子メールアドレスのドメイン名と、組織識別子とを取得し、取得したドメイン名と組織識別子とを有する1以上のドメイン組織情報を取得するドメイン組織取得部と、ドメイン組織取得部が取得した1以上のドメイン組織情報を出力するドメイン組織情報出力部と、を備えたドメイン組織情報生産装置である。
【0027】
かかる構成により、適切なドメイン組織情報を生産することできる。
【0028】
また、本発明のドメイン組織情報生産装置は、前記ドメイン組織情報生産装置において、ドメイン組織取得部は、複数の名刺情報から取得したドメイン名と組織識別子について、同じドメイン名と組織識別子との組の出現数を取得し、取得した出現数に対応するスコアと、出現数を取得したドメイン名と組織識別子との組を有するドメイン組織情報を取得するようにしてもよい。
【0029】
かかる構成により、かかる構成により、適切なスコアを有するドメイン組織情報を適切に生産することできる。
【0030】
また、本発明のドメイン組織情報生産装置は、前記ドメイン組織情報生産装置において、名刺情報からの取得対象として除外されるドメイン名である1以上の取得除外ドメイン名が格納される除外格納部をさらに備え、ドメイン組織取得部は、取得除外ドメイン名のいずれか一つと一致するドメイン名を、名刺情報取得部が取得した名刺情報から取得しないようにしてもよい。
【0031】
かかる構成により、取得除外ドメイン名を有さないドメイン組織情報を取得することができ、例えば、ユーザが利用する組織と関連付けることが困難なドメインを取得除外ドメイン名とすることで、組織識別子が適切に検索できないドメイン組織情報の生産を避けることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明による情報処理装置等によれば、適切な組織識別子を容易に入力するための支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施の形態における情報処理システムのブロック図
【
図2】同情報処理装置の動作について説明するフローチャート
【
図3】同ドメイン組織情報生産装置の動作について説明するフローチャート
【
図5】同情報処理装置の除外ドメイン名管理表の一例を示す図(
図5(a))、および同ドメイン組織情報生産装置の取得除外管理表の一例を示す図(
図5(b))
【
図6】同情報処理装置のドメイン組織情報管理表の一例を示す図
【
図7】同入出力装置の表示例を示す図(
図7(a)、
図7(b))
【
図9】同入出力装置の表示例を示す図(
図9(a)、(
図9(b))
【
図11】同ドメイン組織情報生産装置のドメイン会社管理表の一例を示す図(
図11(a)-
図11(c))
【
図12】同コンピュータシステムの外観の一例を示す図
【
図13】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0035】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における情報処理システム1000のブロック図である。
【0036】
情報処理システム1000は、情報処理装置1、ドメイン組織情報生産装置2、および1または2以上の入出力装置3を備える。情報処理装置1とドメイン組織情報生産装置2とは、例えば、有線または無線の通信回線等を介して情報の送受信が可能となるよう接続されている。情報処理装置1とドメイン組織情報生産装置2とは、例えば、インターネット等のネットワークを介して接続されている。かかることは、情報処理装置1と1または2以上の入出力装置3との接続についても同様である。なお、以下、本実施の形態においては、
図1に示すように、入出力装置3が一つである場合を例に挙げて説明する。
【0037】
情報処理装置1は、取得部101、ドメイン組織格納部102、除外ドメイン格納部103、検索部104、および出力部105を備える。
【0038】
ドメイン組織情報生産装置2は、名刺情報格納部201、名刺情報取得部202、ドメイン組織取得部204、除外格納部203、およびドメイン組織情報出力部205を備える。
【0039】
情報処理装置1は、通常、サーバ装置である。例えば、情報処理装置1は、クラウドサーバや、ASP(アプリケーションサーバ装置)である。なお、情報処理装置1は、サーバ装置でなくてもよい。情報処理装置1は、例えば、コンピュータ等により実現される。
【0040】
取得部101は、ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン情報を取得する。ドメイン情報は、ユーザが入力する電子メールアドレスのドメイン名に関する情報である。ドメイン情報とは、例えば、ドメイン名の少なくとも一部を有する情報である。ドメイン情報は、例えば、ドメイン名に含まれる文字列の情報である。ドメイン情報については後述する。
【0041】
電子メールアドレスのドメイン名とは、例えば、電子メールアドレスの「@(アット)」マーク以降の文字列である。ドメイン名は、通常、「.(ドット)」記号で区切られたラベルと呼ばれる複数の文字列で構成されており、「.」で区切られた各文字列は、右側から「トップレベルドメイン」、「第2レベルドメイン」、「第3レベルドメイン」、「第4レベルドメイン」と呼ばれる。
【0042】
例えば、「com」、「net」等の分野別トップレベルドメイン(gTLD)を有するドメイン名の第2レベルドメインとしては、通常、ユーザが独自に指定する文字列が利用可能である。また、例えば、「jp」、「eu」等の国コードトップレベルドメイン(ccTLD)を有するドメイン名であって、第2レベルドメインに、「co」、「ne」等の組織の種類を判別するための文字列等が入らないドメイン名においては、通常、第2レベルドメインに、ユーザが独自に指定する文字列が利用可能である。また、例えば、ccTLDを有するドメイン名であって、第2レベルドメインに、組織を判別するための文字列等が入るドメイン名においては、通常、第3レベルドメインに、ユーザが独自に指定する文字列が利用可能である。以下、このようなドメイン名のユーザが独自に指定する文字列の部分(具体的にはこのようなラベル)を、説明の便宜上、ユーザ指定ドメインと呼ぶ。また、通常、ユーザ指定ドメインの、左側に位置するラベルは、ドメインを分割するための、ユーザが文字列を自由に割当て可能なサブドメインと呼ばれる。
【0043】
なお、ここでは、ドメイン名が、サブドメインを含む場合について説明するが、サブドメインを含まないと考えてもよい。また、ここでは、ドメイン名が、gTLDや、ccTLDや、ccTLDと組織の種類を判別するセカンドレベルドメインとの組み合わせを含む場合について説明するが、これらを含まないと考えてもよい。
【0044】
ユーザが入力する電子メールアドレスとは、ユーザが入力した電子メールアドレスであってもよく、ユーザが入力途中の電子メールアドレスであってもよい。また、ユーザが入力する電子メールアドレスは、ユーザが入力する電子メールアドレスの一部(好ましくは、ドメイン名の部分)であってもよい。
【0045】
ユーザが入力する電子メールアドレスは、ユーザが情報処理装置1に対して入力する電子メールアドレスであってもよく、情報処理装置1以外の、入出力装置3等の装置に入力する電子メールアドレスであってもよい。例えば、取得部101は、情報処理装置1がユーザからキーボードやタッチパネル等の入力デバイス等を介して受け付けた電子メールアドレス、ユーザが入力する電子メールアドレスのドメイン名、ユーザが入力途中の電子メールアドレス、およびユーザが入力途中の電子メールアドレスのドメイン名等の1以上を取得してもよい。また、取得部101は、ユーザが入出力装置3等の装置に入力する同様の情報を、入出力装置3等の装置から受け付けしてもよい。入出力装置3等の装置からの上記のような情報の受け付けは、具体的は、情報の受信である。これらの情報を受け付けたり受信したりする受付部(図示せず)は、例えば、取得部101等が有していてもよく、取得部101以外の処理部として情報処理装置1が有していてもよい。
【0046】
取得部101は、例えば、ユーザが入力する電子メールアドレスの少なくとも一部を受け付け、この情報からドメイン情報を取得する。ここでのユーザが入力する電子メールアドレスとは、通常、ユーザの電子メールアドレス、すなわち、ユーザが利用する電子メールアドレスである。
【0047】
例えば、取得部101は、ユーザが入力した電子メールアドレスを受け付けて、受け付けた電子メールアドレスから、ドメイン情報を取得する。取得するドメイン情報は、例えば、受け付けた電子メールアドレスのドメイン名であってもよく、電子メールアドレスのドメイン名から取得したドメイン名の一部の情報であってもよい。例えば、取得部101は、電子メールアドレスの「@」マーク以降の文字列であるドメイン名の少なくとも一部を、ドメイン情報として取得する。また、取得部101は、ユーザが入力したドメイン名を受け付け、受け付けたドメイン名から、ドメイン情報を取得してもよい。例えば、受け付けたドメイン名をそのままドメイン情報として取得してもよく、受け付けたドメイン名の一部の情報をドメイン情報として取得してもよい。
【0048】
また、取得部101は、電子メールアドレスのドメイン名のうちの、上述したユーザ指定ドメインやその一部を、ドメイン情報として取得してもよく、ドメイン名のうちの、上述したユーザ指定ドメインとサブドメインとの組み合わせやその一部を、ドメイン情報として取得してもよい。
【0049】
例えば、ユーザ指定ドメインや、サブドメインは、例えば、ドメイン名内の「.」で区切られたラベルの、右からの位置により検出できる。検出するラベルの位置は、ドップレベルドメインの文字列と、トップレベルドメインの種類(gTLDやccTLD等)とを対応付けて管理する情報(図示せず)等を用いて判断可能である。なお、トップレベルドメインの文字列と、ドメイン情報として取得する文字列(例えば、ラベル)のドメイン名内における位置とを対応付けて、格納部(図示せず)等に予め格納しておくようにして、この情報を利用して、トップレベルドメインの文字列に応じて、ドメイン名の所望の位置の文字列を、ドメイン情報として取得するようにしてもよい。
【0050】
また、ドメイン情報として取得するユーザ指定ドメインの一部や、サブドメインとユーザ指定ドメインとの組み合わせのうちの一部は、どのような部分であってもよく、例えば、ユーザ指定ドメインや、サブドメインとユーザ指定ドメインとの組み合わせの、先頭部分の任意の文字数の文字列であってもよく、予め用意された辞書に含まれる単語のいずれかと一致する部分(または一致しない部分)や、予め用意された組織等を表す複数の文字列等のいずれかと一致する部分であってもよい。
【0051】
また、取得部101は、ユーザが入力途中の電子メールアドレスを受け付け、この入力途中の電子メールアドレスのドメイン名の部分や、その一部を、ドメイン情報として取得してもよい。また、取得部101は、ユーザが入力途中の電子メールアドレスのドメイン名を受け付け、この入力途中のドメイン名や、その一部を、ドメイン情報として取得してもよい。
【0052】
取得部101は、例えば、入力画面に表示される電子メールアドレスの入力欄に入力される電子メールアドレスについてドメイン情報を取得する。この入力画面は、例えば、情報処理装置1や、入出力装置3等の装置のモニタ(図示せず)等に表示される電子メールアドレスおよび組織識別子の入力に用いられる入力画面である。入力欄は、例えば、入力フィールドとも呼ばれる。
【0053】
取得部101は、ユーザが入力する電子メールアドレスの更新に応じて、取得するドメイン情報を更新する。ここでの更新とは、例えば、電子メールアドレスを構成する文字列の追記や削除、置換等である。例えば、ユーザが電子メールアドレスのドメイン名の入力途中に、ドメイン名の文字列を一文字追記する毎に、取得部101は、追記されたドメイン名についてドメイン情報を取得し、取得したドメイン情報で、直前に取得していたドメイン情報を更新してもよい。例えば、ユーザが入力中の電子メールアドレスとして「staff@pqr」という文字列を入力した時点で、取得部101がこの文字列を受け付け、この文字列の「@」マークより後(例えば、右側)の文字列「pqr」を、ドメイン情報として取得していたとし、さらに、ユーザが入力中の電子メールアドレスに文字列「s」を追記して、入力された電子メールアドレスの文字列が「staff@pqrs」という文字列に更新された時点で、取得部101がこの文字列を受け付け、この文字列の「@」より後の文字列「pqrs」で、上記で取得したドメイン情報「pqr」を更新(例えば、上書き)してもよい。
【0054】
なお、上記で説明した取得部101がドメイン情報を取得する処理は一例であり、取得部101がドメイン情報を取得する処理は、上記の処理に限定されるものではない。
【0055】
ドメイン組織格納部102には、1以上のドメイン組織情報が格納される。ドメイン組織情報は、電子メールアドレスのドメイン名と、組織識別子とを対応付けて有する情報である。例えば、ドメイン組織情報とは、ドメイン名と、組織識別子との対を有する情報である。組織識別子とは、組織を識別可能な識別子である。ここでの組織とは、例えば、会社や企業、社団法人、財団法人等の法人であるが、これに限られず、法人以外の団体(集団)や個人であってもよい。組織識別子は、例えば、法人名、企業名、企業コード、法人番号等である。
【0056】
ドメイン組織格納部102に格納される各ドメイン組織情報は、ドメイン組織情報によりドメイン名に対応付けられた組織識別子がドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコア(以下、単にスコアと称す場合がある)を、ドメイン名と組織識別子と対応付けて有していてもよい。スコアは、例えば、ドメイン名に対応付けられた組織識別子がドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を評価した評価値等と考えてもよい。また、スコアは、ドメイン名に対応付けられた組織識別子がドメイン名を利用する組織の組織識別子である確率を示す値であってもよい。スコアは、ドメイン名と組織識別子の組み合わせが出現する回数(以下、出現数と呼ぶ場合がある)や、出現頻度や、出現数または出現頻度を指標化した値や、出現数または出現頻度で、ドメイン名と組織識別子との組み合わせをランク分けした値等である。具体的には、スコアは、例えば、格納部(図示せず)や、後述する名刺情報格納部201等に格納される電子メールアドレスと、この電子メールアドレスを利用するユーザが属する組織の組織識別子と、を有する複数の情報や、このような情報が格納されるデータベース等において、同じドメイン名を有する電子メールアドレスと同じ組織識別子との組み合わせが出現する可能性を示す値であり、例えば、同じドメイン名を有する電子メールアドレスと同じ組織識別子とを有する情報が出現する回数や、出現頻度や、この出現数や頻度を指標化した値や、この回数や頻度を値の範囲毎にランク分けした値等である。出現頻度は、例えば、上記のような電子メールアドレスと組織識別子とを有する1または2以上の情報のすべてや、このような情報が格納されるデータベースが有するすべてのレコード数に対する比率であってもよく、同じドメイン名を有する電子メールアドレスを有する情報の総数に対する頻度であってもよい。このスコアは、通常、数値であるが、数値に変換可能な文字列等の値であってもよい。電子メールアドレスと組織識別子とを有する1または2以上の情報やこれらが格納されるデータベースは、例えば、組織識別子と電子メールアドレスとを有する1または2以上の名刺情報や、これらが格納されるデータベースである。名刺情報等については後述する。
【0057】
なお、スコアは、上記のような出現数や出現頻度に加えて、これら以外の、ドメイン名に対応する組織識別子であることの可能性の高さを示す要素をさらに用いて算出された値であってもよい。例えば、一のドメイン組織情報が有する電子メールアドレスのドメイン名を用いて、会社情報を提供するデータベース(図示せず)や、WEB検索等を行った場合に検出される企業名等の組織識別子がこのドメイン組織情報が有する組織識別子と一致する場合に、この組織識別子に対応する上記のような出現数や出現頻度を表す値に対して、これらの値が増加するような予め決められた値や、検索により取得される組織の構成員の人数等に応じた値を加算または乗算した値を、スコアとして用いてもよい。
【0058】
また、スコアは、例えば、ドメイン組織情報が有する組織識別子が、同じドメイン組織情報が有するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を結果的に示す値や、この可能性を結果的に評価可能な値等であれば、上記で説明した値に限定されるものではない。
【0059】
ドメイン組織格納部102は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。かかることは、以下の他の格納部についても同様である。
【0060】
除外ドメイン格納部103には、1または2以上の除外ドメイン名が格納される。除外ドメイン名は、例えば、対応する組織識別子の出力を行わないドメイン名である。除外ドメイン名は、例えば、組織識別子を出力するための検索に利用されない1以上のドメイン名である。除外ドメイン名は、例えば、検索部104による検索対象から除外される1以上のドメイン名であってもよい。
【0061】
除外ドメイン名は、例えば、ドメイン名を不特定多数のユーザが電子メールアカウントのドメイン名として利用すること等により、ドメイン名を利用する組織の特定が困難なドメイン名である。除外ドメイン名は、例えば、いわゆるフリーメールサービスや、インターネットサービスプロバイダ等がユーザに提供する電子メールアカウントのドメイン名である。
【0062】
なお、除外ドメイン格納部103に格納される除外ドメイン名は、通常は、ドメイン名であるが、ドメイン名のうちの、ユーザ指定ドメインであってもよい。
【0063】
なお、ドメイン組織格納部102に、除外ドメイン格納部103に格納される除外ドメイン名と一致するドメイン名を有するドメイン組織情報が格納されていない場合、除外ドメイン格納部103を省略し、この除外ドメイン格納部103に格納された除外ドメイン名を用いた処理等を情報処理装置1が行わないようにしてもよい。
【0064】
検索部104は、ドメイン情報を用いて、1または2以上のドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する。検索部104は、例えば、ドメイン情報を検索キーとして用いて、ドメイン組織格納部102に格納されている1または2以上のドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する。ここでの検索は、例えば、ドメイン情報と一致するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子の検索である。ここでの一致は、通常、完全一致であるが、部分一致であってもよい。完全一致するドメイン名とは、例えば、ドメイン情報と同一のドメイン名である。また、部分一致するドメイン名は、例えば、ドメイン情報と前方一致する(すなわち前方部分の文字列が同じである)ドメイン名や、後方一致する(すなわち後方部分の文字列が同じである)ドメイン名や、ドメイン情報と同一の文字列を含むドメイン名である。また、部分一致するドメイン名は、例えば、ドメイン情報の一部と同じであるドメイン名であってもよい。また、部分一致するドメイン名は、ここでは、ドメイン情報の一部が、ドメイン名の一部と同じであるドメイン名であってもよい。ただし、この場合のドメイン名の一部は、ドメイン名から、トップレベルドメインや、組織の判別に利用される第2レベルドメイン等を除いた部分であることが好ましい。また、ドメイン情報の一部が、ドメイン名の一部と同じであるドメイン名の検索は行わないようにしてもよい。
【0065】
また、検索部104が行う検索は、類似検索であってもよい。例えば、検索部104は、ドメイン情報に類似するドメイン名と対応付けられた組織識別子や、ドメイン情報に類似する文字列を有するドメイン名と対応付けられた組織識別子をドメイン組織情報から検索してもよい。例えば、検索部104は、レーベンシュタイン距離やジャロ・ウィンクラー距離等を算出して、文字列同士の類似度を数値化し、この数値を用いて、ドメイン情報に対する類似度が高いドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子を検索してもよい。なお、ここで述べた類似検索は一例であり、検索部104が行う類似検索は、この類似検索に限定されるものではない。
【0066】
検索部104は、ドメイン情報を用いて、異なる条件の複数の検索を行ってもよい。検索部104は、例えば、ドメイン情報に完全一致するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子を検索し、さらに、ドメイン情報に部分一致するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子を検索してもよい。また、検索部104は、ドメイン情報を用いて取得した異なる検索キーを用いて、複数の検索を行ってもよい。検索部104は、例えば、ドメイン名であるドメイン情報をそのまま検索キーとして用いて、完全一致するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子を検索し、さらに、ドメイン名であるドメイン情報の一部を除いた検索キーを用いて(例えば、ドメイン名のうちのユーザ指定ドメインを検索キーとして用いて)、この検索キーと完全一致する文字列を有するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子とを取得してもよい。なお、異なる条件の検索や、異なる検索キーを用いた検索は、例えば、最初の検索による検索結果が、予め決められた条件を満たさない場合にのみ、例えば、予め決められた数以上の組織識別子が検出できなかった場合や、しきい値以上のスコアと対応付けられたスコアが検出できなかった場合等にのみ、行うようにしてもよい。
【0067】
検索部104は、例えば、組織識別子に対応付けられたスコアが、予め決められた条件をさらに満たす組織識別子を検索してもよい。例えば、検索部104は、ドメイン情報が有する文字列と一致または類似する文字列を有するドメイン名と対応付けられた組織識別子であって、対応するドメイン名が、対応する組織識別子が示す組織が利用するドメイン名である可能性が、予め決められた条件よりも高いことを示すスコアと対応付けられた組織識別子を検索する。例えば、検索部104は、組織識別子に対応付けられたスコアが、対応するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性がより高いことを示す値のものから順に、予め決められた順位以内の組織識別子を検索してもよく、組織識別子に対応付けられたスコアが、対応するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性が高いことを示す範囲内の値である組織識別子を検索してもよい。ここでの範囲は、上限または下限のみがしきい値等で指定された範囲であってもよい。例えば、ドメイン組織情報が有するスコアとして、ドメイン組織情報が有するドメイン名に対応付けられた組織識別子が、このドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性が高いほど、値が高くなるようなスコアを利用する場合、検索部104は、スコアの大きさが、スコアの大きい方から数えて予め決められた順位内に入るスコアや、予め決められたしきい値よりも値が大きいスコアと対応付けられた組織識別子をさらに検索してもよい。
【0068】
なお、検索部104は、取得部101が取得するドメイン情報が更新された場合、更新されたドメイン情報を用いて、再度、検索を行い、検索結果を更新するようにしてもよい。
【0069】
また、検索部104は、取得部101が取得したドメイン情報が、除外ドメイン格納部103に格納される1または2以上の除外ドメイン名のいずれか一つと対応する場合(具体的には一致する場合)に、上記のようなドメイン情報を用いた組織識別子の検索を行わないようにしてもよい。例えば、取得部101が取得したドメイン情報が、ドメイン名である場合において、このドメイン名と一致する除外ドメイン名を除外ドメイン格納部103において検索し、一致する除外ドメイン名が検出された場合に、上記のようなドメイン情報を用いた組織識別子の検索を行わないようにしてもよい。ここでの一致は、完全一致であることが好ましいが、部分一致であってもよい。このようにして、取得部101が取得したドメイン情報が除外ドメイン名のいずれか一つと一致する場合に、情報処理装置1が結果的に組織識別子の出力を行わないようにしてもよい。
【0070】
出力部105は、検索部104が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する。ここでの出力は、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、外部の装置への送信、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。
【0071】
出力部105は、例えば、検索部104が取得した1以上の組織識別子を、組織識別子の入力候補(例えば、入力欄等への入力候補)として出力する。例えば、出力部105は、検索部104が取得した1以上の組織識別子を、ユーザが選択可能な入力候補のリストとして出力する。リストとして出力する、ということはリストを表示することであってもよく、入力候補のリストとして表示可能な情報を入出力装置3等の他の装置に送信したり引き渡したりすることであってもよい。組織識別子の選択は、例えば、マウスや、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスを介して行われる。なお、入力候補のリスト等を出力する処理等については、公知技術であるため、ここでは、詳細な処理は説明する。
【0072】
出力部105が、検索部104が取得した1以上の組織識別子を表示する場合、例えば、検索部104が取得した1以上の組織識別子(例えば、組織識別子を有する入力候補のリスト)を、組織識別子の入力欄を有する入力画面(図示せず)に表示することが好ましく、入力画面に表示される組織識別子の入力欄の近傍(例えば、上下左右等)に表示することがより好ましい。なお、検索部104が取得した組織識別子が一つである場合、取得した組織識別子を組織識別子の入力欄内に表示してもよい。
【0073】
出力部105が、検索部104が取得した1以上の組織識別子や、1以上の組織識別子を有する入力候補のリストとして表示可能な情報を、入出力装置3等の他の装置に送信したり、引き渡したりする場合、例えば、検索により取得された1以上の組織識別子であることを示す情報や、組織識別子の入力候補であることを示す識別子や、入力の対象となる組織識別子の入力欄を識別する識別子等と対応付けて出力してもよい。
【0074】
出力部105は、例えば、検索部104が検索により取得した1以上の組織識別子を、組織識別子に対応するスコアに応じて出力する。例えば、出力部105は、検索部104が取得した組織識別子が複数である場合に、複数の組織識別子を、組織識別子に対応付けられたスコアに応じた出力順で出力する。例えば、出力部105は、複数の組織識別子を、組織識別子に対応付けられたスコアで配列して(例えば、スコアの昇順、または降順に配列して)出力する。例えば、出力部105は、複数の組織識別子を、組織識別子に対応付けられたスコアが、対応するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性がより高いことを示す値のものが、組織識別子の入力欄により近い位置に配置されるよう出力(例えば、表示)する。例えば、ドメイン組織情報が有するスコアとして、ドメイン組織情報が有するドメイン名に対応付けられた組織識別子が、このドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性が高いほど、値が高くなるようなスコアを利用する場合、複数の組織識別子を、対応する値が大きいものが、より組織識別子の入力欄により近い位置に配置されるよう配列して出力する。なお、出力順で組織識別子を送信するということは、複数の組織識別子を出力順で配列して送信することであってもよく、各組織識別子に出力順を示す情報を対応付けて送信することであってもよい。
【0075】
また、例えば、出力部105は、検索部104が検索により取得した1以上の組織識別子のうちの、各組織識別子に対応付けられたスコアが、対応するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性がより高いことを示す値のものから順に、予め決められた順位以内の組織識別子のみを出力してもよく、各組織識別子に対応付けられたスコアが、対応するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性が高いことを示す範囲内の値である組織識別子のみを出力してもよい。ここでの範囲は、上限または下限のみがしきい値等で指定された範囲であってもよい。例えば、ドメイン組織情報が有するスコアとして、ドメイン組織情報が有するドメイン名に対応付けられた組織識別子が、このドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性が高いほど、値が高くなるようなスコアを利用する場合、出力部105は、予め決められたしきい値よりも値が大きいスコアや、スコアの大きさが、スコアの大きい方から数えて予め決められた順位内に入るスコアと対応付けられた1以上の組織識別子のみを出力してもよい。ただし、検索部104が、スコアを検索条件として用いて、同様の組織識別子を検索している場合等においては、出力部105が、このようなスコアを用いて出力する組織識別子を決定する処理を行わないようにしてもよい。
【0076】
なお、1以上の組織識別子を、各組織識別子に対応するスコアに応じて出力する、ということは、各組織識別子に対応するスコアによっては、出力しないことを含む概念であってもよい。例えば、予め決められたしきい値よりも値が大きいスコアと対応付けられた組織識別子がない場合、出力部105は、組織識別子を出力しなくてもよい。
【0077】
なお、検索部104が、組織識別子を検索により取得できなかった場合、出力部105は、組織識別子を出力しなくてよい。
【0078】
出力部105は、検索部104が、検索により1以上の組織識別子を取得できなかった場合、予め決められた情報を出力してもよい。予め決められた情報は、例えば、予め決められたテンプレート等を用いて作成された情報であってもよい。例えば、出力部105は、組織識別子を検出できなかった旨を示す情報を出力してもよい。また、出力部105は、例えば、検索部104が1以上の組織識別子を取得できなかった場合に、入力される電子メールアドレスについて注意を喚起する情報を出力してもよい。注意を喚起する情報は、例えば、「電子メールアドレスが間違っています」というメッセージ等の入力される電子メールアドレスが間違っていることを警告する情報であってもよく、「正しい電子メールアドレスですか」や、「電子メールアドレスをご確認ください」というメッセージ等の、入力される電子メールアドレスが正しいか確認を促す情報であってもよい。
【0079】
検索部104が、上述したように、取得部101が取得するドメイン情報の更新に応じて検索を行って1以上の組織識別子を取得した場合、出力部105は、例えば、更新されたドメイン情報に応じて検索部104が取得した組織識別子を用いて出力を更新するようにしてもよい。
【0080】
なお、出力部105は、取得部101が取得したドメイン情報が、除外ドメイン名のいずれか一つと一致する場合に、検索部104が検出した1以上の組織識別子の出力を行わないようにしてもよい。これにより、取得部101が取得したドメイン情報が除外ドメイン名のいずれか一つと一致する場合に、情報処理装置1が結果的に組織識別子の出力を行わないようにしてもよい。なお、上記の処理を行うために、出力部105は、例えば、検索部104が1以上の組織識別子を検索により取得した場合において、取得部101が取得したドメイン情報が、除外ドメイン名のいずれか一つと一致するか判断してもよい。
【0081】
出力部105は、モニタ等や通信手段等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部105は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0082】
ドメイン組織情報生産装置2は、ドメイン組織情報を生産する装置である。ドメイン組織情報生産装置2は、例えば、コンピュータにより実現可能である。
【0083】
名刺情報格納部201には、1または2以上の名刺情報が格納される。名刺情報は、名刺に関する情報である。名刺情報は、ユーザの電子メールアドレスと、ユーザの所属する組織の組織識別子とを有する情報である。名刺情報は、電子メールアドレスおよび組織識別子以外の情報を有していてもよい。名刺情報は、電子メールアドレスおよび組織識別子以外の、ユーザ名や、電話番号、勤務先の住所等の情報をさらに有していてもよい。名刺情報は、例えば、名刺をスキャナやカメラ等で読み取り、OCR等を行って取得した情報であってもよく、名刺の画像等から、手入力で取得した情報であってもよく、いわゆる電子名刺やデジタル名刺等の電子的な名刺の情報であってもよく、どのように取得された情報かは問わない。
【0084】
ここでの格納は、受付部(図示せず)が受け付けた名刺情報や、受信部(図示せず)が受信した名刺情報の一時記憶であってもよい。
【0085】
名刺情報取得部202は、複数の名刺情報を取得する。例えば、名刺情報取得部202は、名刺情報格納部201に格納される複数の名刺情報を読み出して取得する。また、名刺情報取得部202は、ドメイン組織情報生産装置2がアクセス可能な外部の装置(図示せず)等に格納される名刺情報を取得してもよい。外部の装置は、例えば、名刺情報を管理したり提供したりするサーバ装置(図示せず)である。また、名刺情報取得部202は、受付部(図示せず)が受け付けた名刺情報や、受信部(図示せず)が受信した名刺情報を取得してもよい。名刺情報取得部202は、複数の名刺情報を同時に取得してもよく、異なるタイミングで取得してもよく、その取得するタイミング等は問わない。
【0086】
以下、本実施の形態においては、名刺情報取得部202が、名刺情報を名刺情報格納部201から取得する場合を例に挙げて説明する。なお、名刺情報取得部202が、名刺情報を名刺情報格納部201から取得しない場合、名刺情報格納部201は省略してもよい。
【0087】
除外格納部203には、1または2以上の取得除外ドメイン名が格納される。取得除外ドメイン名は、名刺情報からの取得対象として除外されるドメイン名である。例えば、取得除外ドメイン名は、ドメイン組織情報生産装置2が生産するドメイン組織情報が有するドメイン名から、除外されるドメイン名である。取得除外ドメイン名については、上述した除外ドメイン格納部103に格納される除外ドメイン名と同様のドメイン名(例えば、同じドメイン名)が利用可能である。除外ドメイン格納部103に格納される1以上の除外ドメイン名と、除外格納部203に格納される1以上の取得除外ドメイン名とは、完全に同じであってもよく、少なくとも一部が異なっていてもよい。例えば、格納される除外ドメイン名の一部と、格納される取得除外ドメイン名の一部とが、同じでなくてもよい。
【0088】
なお、ドメイン組織情報生産装置2が、情報処理装置1の除外ドメイン格納部103にアクセス可能な場合、この除外ドメイン格納部103に格納されている1または2以上の除外ドメイン名を、取得除外ドメイン名として用いるようにして、除外格納部203を省略してもよい。同様に、情報処理装置1が、ドメイン組織情報生産装置2の除外格納部203にアクセス可能な場合、情報処理装置1が、この除外格納部203に格納されている1または2以上の取得除外ドメイン名を、除外ドメイン名として用いるようにして、除外ドメイン格納部103を省略してもよい。
【0089】
ドメイン組織取得部204は、名刺情報取得部202が取得した複数の名刺情報から、それぞれ、電子メールアドレスのドメイン名と、組織識別子とを取得し、取得したドメイン名と、組織識別子と、を有する1以上のドメイン組織情報を取得する。ドメイン組織取得部204は、重複しないようにドメイン組織情報を取得する。例えば、ドメイン組織取得部204は、複数の名刺情報からそれぞれ取得したドメイン名と、組織識別子と、の複数の組について、いわゆるユニーク処理を行って、ドメイン名と組織識別子との両方が重複する組については、一つの組のみを残すようにして、1以上のドメイン組織情報を取得する。
【0090】
ドメイン組織取得部204は、複数の名刺情報からそれぞれ取得したドメイン名と組織識別子の組について、ドメイン名と組織識別子とが同じである組の出現数を取得し、取得した出現数に対応するスコアと、この出現数を取得したドメイン名と組織識別子との組を有する1以上のドメイン組織情報を取得する。ドメイン組織取得部204は、例えば、取得した出現数に対応するスコアを取得し、取得したスコアを有するドメイン組織情報を取得する。ドメイン組織取得部204は、例えば、出現数を取得したドメイン名と組織識別子とが同じである1以上の組について、一つの組のみを残し、取得した出現数に対応するスコアを取得し、残したドメイン名と組織識別子との組に、取得した出現数に対応するスコアを対応付けてドメイン組織情報を取得する。複数のデータの中から、重複するデータを抽出し、各データの出現数をカウントして取得する処理は公知技術であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0091】
出現数に対応するスコアとは、上述したドメイン組織格納部102に格納されているスコアと同様のスコアである。例えば、ドメイン組織取得部204は、取得した出現数を、そのままスコアとして取得してもよい。また、取得した出現数を、名刺情報取得部202が取得した複数の名刺情報の総数で除算した値である全名刺情報に対する出現頻度をスコアとして取得してもよい。また、取得した出現数を、同じドメイン名の出現数で除算した値である同じドメイン名を有する名刺情報に対する出現頻度をスコアとして取得してもよい。また、取得した出現数や、出現頻度に対して、上記のような、出現数や出現頻度以外の、ドメイン名に対応する組織識別子であることの可能性の高さを示す要素に応じた値をさらに適用して(例えば、加減乗除して)、スコアを取得してもよい。また、上記のような出現数や出現頻度等の出現数に対応する値を、指標化した値や、ランク分けした値を、スコアとして取得してもよい。指標化やランク分けは、例えば、公知のアルゴリズムや、変換テーブル等を用いて、行うことが可能である。
【0092】
ドメイン組織取得部204は、除外格納部203に格納されている取得除外ドメイン名のいずれか一つと一致するドメイン名を、名刺情報取得部202が取得した複数の名刺情報から取得しないことが好ましい。つまり、ドメイン組織取得部204は、取得除外ドメイン名のいずれか一つと一致するドメイン名を有するドメイン名と組織識別子との組を取得しないようにして、取得除外ドメイン名と組織識別子とを有するドメイン組織情報や、取得除外ドメイン名と組織識別子とスコアとを有するドメイン組織情報を取得しないようにすることが好ましい。なお、ここでのドメイン名を取得しない、ということは、一旦取得したドメイン名のうちの、取得除外ドメイン名のいずれか一つと一致するドメイン名を削除することも含むと考えてもよい。なお、ドメイン組織情報生産装置2が生産するドメイン組織情報が、取得除外ドメイン名と一致するドメイン名を有するドメイン組織情報を有していてもよい場合、取得除外ドメイン名のいずれか一つと一致するドメイン名を、名刺情報取得部202が取得した複数の名刺情報から取得しないようにする処理は省略してもよく、この場合、除外格納部203を省略してもよい。
【0093】
ドメイン組織情報出力部205は、ドメイン組織取得部204が取得した1以上のドメイン組織情報を、生産したドメイン組織情報として出力する。ここでの出力は、例えば、モニタ等の表示デバイスによる表示、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。例えば、ドメイン組織情報出力部205は、1以上のドメイン組織情報を格納部(図示せず)や、ドメイン組織情報生産装置2がアクセス可能な格納部(図示せず)に蓄積してもよい。また、ドメイン組織情報出力部205は、1以上のドメイン組織情報を情報処理装置1に送信してもよい。この場合、例えば、情報処理装置1が、受信部(図示せず)等で1以上のドメイン組織情報を受信し、受信したドメイン組織情報をドメイン組織格納部102に蓄積してもよい。
【0094】
ドメイン組織情報出力部205は、モニタ等や通信手段等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。ドメイン組織情報出力部205は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0095】
入出力装置3は、電子メールアドレスと、組織識別子との入力を受け付ける装置である。また、入出力装置3は、例えば、入力される電子メールアドレスの少なくとも一部を、情報処理装置1に送信し、この送信に応じて、1以上の組織識別子やメッセージ等を情報処理装置1から受信可能な装置である。また、入出力装置3は、例えば、受信した1以上の組織識別子を表示、具体的には、組織識別子の入力候補として表示可能な装置である。入出力装置3は、上記の処理に加えて、上記以外の他の処理を実行可能な装置であってもよい。
【0096】
例えば、入出力装置3は、電子メールアドレスと、組織識別子との入力を受け付けるための入力画面(図示せず)を、モニタ等の表示デバイス(図示せず)に表示するための表示部(図示せず)と、ユーザが、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイスを用いて、入力画面を介して入力する電子メールアドレスや組織識別子を受け付ける受付部(図示せず)と、受付部が入力画面を介して受け付ける電子メールアドレスを情報処理装置1に送信する送信部(図示せず)と、情報処理装置1が、電子メールアドレスの送信に応じて検索して出力する1以上の組織識別子や、メッセージ等を受信する受信部(図示せず)と、を備えた装置である。この入出力装置3において、表示部は、例えば、電子メールアドレスの入力欄と、組織識別子の入力欄とを有する入力画面を表示する。また、表示部は、例えば、受信部が受信した1以上の組織識別子を、入力画面の組織識別子の入力欄の近傍に表示する。例えば、表示部は、受信部が受信した1以上の組織識別子を、組織識別子の入力候補としてリスト状に表示する。また、この入力欄の近傍に表示された1以上の組織識別子のうちの一つを、ユーザが入力デバイス等を介して選択する操作を行うと、この操作に応じて、受付部は、選択された組織識別子を入力欄に入力される組織識別子として受け付け、表示部は、受け付けた組織識別子を、組織識別子の入力欄に表示する。なお、入出力装置3は、受け付けた電子メールアドレスおよび組織識別子を用いて、予め決められた処理を行う処理部や、受け付けた情報を格納部(図示せず)に蓄積する蓄積部(図示せず)等を有していてもよい。また、送信部は、処理部の処理結果や受付部が受け付けた電子メールアドレスおよび組織識別子を他の装置等に送信してもよい。また、表示部は、処理部の処理結果や、上記のような入力画面や、受付部が受け付けた電子メールアドレスおよび組織識別子をモニタ等の表示デバイス等に表示してもよい。また、入出力装置3は、上記以外の処理を行う手段等を有していてもよい。
【0097】
入出力装置3は、例えば、コンピュータや、タブレット型端末、いわゆるスマートフォン等の多機能携帯電話等により実現可能である。
【0098】
次に、情報処理システム1000の情報処理装置1の動作の一例について
図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、入出力装置3にユーザが入力する電子メールアドレスを、情報処理装置1の取得部101が受信し、受信した電子メールアドレスから取得部101が、ドメイン情報を取得する場合を例に挙げて説明する。
【0099】
(ステップS101)取得部101は、ユーザが入力する電子メールアドレスを受信したか判断する。この電子メールアドレスは、入力途中の電子メールアドレスであってもよい。ここでの電子メールアドレスの受信は、入力される電子メールアドレスのドメイン名の受信であってもよい。取得部101は、例えば、「@」マークが入った文字列を受信した場合に、この文字列を電子メールアドレスと判断してもよい。また、取得部101は、受信した情報が、電子メールアドレスであるか否かの判断を行わなくてもよい。受信した場合、ステップS102に進み、受信していない場合、ステップS101に戻る。
【0100】
(ステップS102)取得部101は、ステップS101で受信した電子メールアドレスからドメイン情報を取得する。
【0101】
(ステップS103)取得部101は、ステップS102で取得したドメイン情報が、除外ドメイン格納部103に格納されている除外ドメイン名のいずれか一つに対応するか、例えば、一致するか、判断する。いずれか一つと対応する場合、ステップS108に進み、いずれとも対応しない場合、ステップS104に進む。
【0102】
(ステップS104)検索部104は、ドメイン情報と一致するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子を、ドメイン組織格納部102に格納されている1以上のドメイン組織情報から検索する。ここでの検索は、一回の検索であってもよく、検索条件や、検索キー等を変更した複数回の検索であってもよい。
【0103】
(ステップS105)検索部104は、ステップS104の検索により1以上の組織識別子が取得されたか判断する。取得された場合、ステップS106に進み、取得できなかった場合、ステップS110に進む。
【0104】
(ステップS106)検索部104は、ステップS105で取得した組織識別子において、対応するスコアが予め決められた条件を満たす組織識別子を検索して、1以上の組織識別子を取得する。このスコアについての検索で組織識別子が取得できない場合、ステップS108に進むようにしてもよい。なお、ステップS105で取得した組織識別子が予め決められた数以下である場合、ステップS106の処理を省略するようにしてもよい。また、この検索で組織識別子が取得できない場合、さらに、ドメイン情報を用いて、ステップS104の検索に対して、検索の条件や検索キー等を変更した検索を行い、検索結果について、スコアを用いた上記のような検索をおこなってもよい。
【0105】
(ステップS107)出力部105は、ステップS106で取得した組織識別子をスコアに応じた出力順で出力(例えば、送信)する。なお、取得した組織識別子が一つである場合、単に、取得した組織識別子を出力してもよい。
【0106】
(ステップS108)取得部101は、ユーザによる電子メールアドレスの入力が終了したか判断する。例えば、電子メールアドレスの入力欄からカーソル等のフォーカスが外れたことを示す情報を、取得部101や、図示しない受信部等が、電子メールアドレスの送信元となる入出力装置3から受信した場合に、電子メールアドレスの入力が終了したと判断してもよく、取得部101が、入出力装置3から電子メールアドレスを受信してから、予め決められた時間以上経過した場合に、入力が終了したと判断してもよい。電子メールアドレスの入力が終了した場合、処理を終了し、終了していない場合、ステップS109に進む。
【0107】
(ステップS109)取得部101は、電子メールアドレスが更新されたか判断する。例えば、取得部101が、更新された電子メールアドレス(例えば、直前に受信した電子メールアドレスとは1文字以上の文字列が異なる電子メールアドレス)を、入出力装置3から受信した場合に、取得部101は、電子メールアドレスが更新されたと判断する。更新された場合、ステップS102に進んで、更新後の電子メールアドレスからドメイン情報を取得する処理を行う。更新されていない場合、ステップS108に戻る。
【0108】
(ステップS110)出力部105は、取得部101が受信した電子メールアドレスについて、注意を喚起する情報を出力する。そして、ステップS108に進む。
【0109】
なお、ステップS104においては、ドメイン情報と類似するドメイン名と対応付けられた1以上の組織識別子を検索してもよい。
【0110】
また、除外ドメイン格納部103に格納されている除外ドメイン名と同じドメイン名を有するドメイン組織情報がドメイン組織格納部102に格納されていない場合、ステップS103の処理は、省略してよい。
【0111】
また、情報処理装置1が、更新された電子メールアドレスについて、組織識別子を取得する処理等を行わない場合、ステップS108からステップS109までの処理を省略して、ステップS103で除外ドメイン名と一致すると判断された場合、ステップS107の後、およびステップS110で注意を喚起する情報を送信した後に、処理を終了するようにしてもよい。
【0112】
なお、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0113】
次に、情報処理システム1000のドメイン組織情報生産装置2の動作の一例について
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0114】
(ステップS201)名刺情報取得部201は、カウンターmの値として1を代入する。
【0115】
(ステップS202)名刺情報取得部201は、m番目の名刺情報を名刺情報格納部201から取得する。例えば、m番目の名刺情報を読み出す。
【0116】
(ステップS203)ドメイン組織取得部204は、m番目の名刺情報から、電子メールアドレスのドメイン名と、組織識別子との組を取得する。
【0117】
(ステップS204)ドメイン組織取得部204は、ステップS203で取得したドメイン情報が、除外格納部203に格納されている除外ドメイン名のいずれか一つと一致するか判断する。一致しない場合、ステップS205に進み、一致する場合、ステップS206に進む。
【0118】
(ステップS205)ドメイン組織取得部204は、ステップS203で取得したドメイン名と、組織識別子との組を、図示しない格納部等に蓄積する。ここでの蓄積は一時記憶であってもよい。
【0119】
(ステップS206)名刺情報取得部201は、カウンターmの値を1インクリメントする。
【0120】
(ステップS207)名刺情報取得部201は、m番目の名刺情報が名刺情報格納部201に格納されているか判断する。格納されている場合、ステップS202に戻り、格納されていない場合、ステップS208に進む。
【0121】
(ステップS208)ドメイン組織取得部204は、ステップS205で蓄積したドメイン名と組織識別子との組において、同じドメイン名と組織識別子との組の出現数をカウントして取得する。
【0122】
(ステップS209)ドメイン組織取得部204は、出現数をカウントしたドメイン名と組織識別子とが同じ組ごとに、カウントした出現数に対応するスコアを取得する。
【0123】
(ステップS210)ドメイン組織取得部204は、ステップS209でスコアを取得したドメイン名と組織識別子との組毎に、取得したスコアと、ドメイン名と、組織識別子とを有するドメイン組織情報を取得する。
【0124】
(ステップS211)ドメイン組織情報出力部205は、ステップS210で取得したドメイン組織情報を出力する。そして、処理を終了する。
【0125】
なお、
図3のフローチャートにおいて、名刺情報格納部201に格納される情報の追加を監視して、追加される毎に、上記のステップS201からステップS211までの処理を行うようにしてもよい。
【0126】
以下、本実施の形態における情報処理システム1000の、情報処理装置1と入出力装置3とを用いた処理の具体的な動作について説明する。ここでは、入出力装置3が、モニタを有するコンピュータである場合を例に挙げて説明する。また、ここでは、入出力装置3に対して、ユーザが、セミナー等を申し込むための入力を行う場合を例に挙げて説明する。
【0127】
(具体例1)
図4は、入出力装置3のモニタ3aに表示されるセミナー申し込みの入力画面の一例を示す図である。入力画面は、申込みを行うユーザの電子メールアドレスの入力欄41と、ユーザが属する組織の組織識別子であるユーザが属する会社の会社名の入力欄42とを有しているものとする。
【0128】
ユーザAが、セミナー申込みを行うために、
図4に示す入力画面に情報の入力を行っており、例えば、入力欄41にフォーカス(例えば、カーソル等)を移動させ、自分の電子メールアドレス「usera@asmno.com」を入力すると、入出力装置3の受付部(図示せず)は、この電子メールアドレスを受け付ける。そして、ユーザAが、フォーカスを入力欄41の外側に移動させたとすると、入出力装置3の送信部(図示せず)は、フォーカスの移動に応じて、入力欄41に入力された電子メールアドレスを、情報処理装置1に送信する。
【0129】
情報処理装置1の取得部101が、入出力装置3から電子メールアドレス「usera@asmno.com」を受信すると、取得部101は、この電子メールアドレスの「@」マークよりも右側の文字列であるドメイン名「asmno.com」を、ドメイン情報として取得する。
【0130】
図5(a)は、除外ドメイン格納部103に格納されている除外ドメイン名を管理する除外ドメイン名管理表である。除外ドメイン名管理表は、除外ドメイン名のリストと考えてもよい。
【0131】
図6は、ドメイン組織格納部102に格納されるドメイン組織情報を管理するドメイン組織情報管理表である。ドメイン組織情報管理表は、「ID」、「ドメイン名」、「会社名」、および「スコア」という属性を有している。「ID」は、ドメイン組織情報を管理する識別子であるドメイン組織識別子である。なお、ドメイン組織識別子は説明の便宜上のものであり、省略してもよい。「ドメイン名」は、電子メールアドレスのドメイン名である。「会社名」は、会社名である。ここでは、ドメイン名を利用する組織が会社であり、組織識別子が会社名である場合を例に挙げて説明する。「スコア」は、同じレコードの「ドメイン名」を利用する会社が、同じレコードの「会社名」が示す会社である可能性を示すスコアであり、ここでは、スコアが高いほど、可能性が高いことを示している。このスコアは、ここでは、例えば、各ドメイン組織情報の「ドメイン名」と「会社名」との組が、名刺情報格納部201に格納されている1または2以上の名刺情報に出現する数を示す値である。なお、このドメイン組織情報管理表においては、各レコードが各行で表されているものとする。
【0132】
検索部104は、取得部101が取得したドメイン情報「asmno.com」と完全一致する除外ドメイン名が、除外ドメイン名管理表に存在するか、検索を行って判断する。仮に、完全一致する除外ドメイン名が検出された場合、情報処理装置1は、受信した電子メールアドレスから組織識別子の候補を取得する処理を終了する。ここでは、完全一致する除外ドメイン名が検索により検出されなかったとする。
【0133】
検索部104は、
図6に示したドメイン組織情報管理表において、「ドメイン名」の属性値が、ドメイン情報「asmno.com」と完全一致するレコードを検索する。ここでは、「ID」が「10003」から「10009」までの7つのレコードが検出されたとする。
【0134】
検索部104は、さらに、検出された7つのレコードにおいて、「スコア」の値が、大きいものから数えて4位までのレコード、すなわち「スコア」の値が上位4位までのレコードを検出する。ここでは、「ID」が「10003」、「10005」、「10006」および「10009」である4つのレコードが検出されたとする。検索部104は、例えば、検出した4つのレコードの情報を、ドメイン組織格納部102から読み出し、メモリ(図示せず)等に一時記憶する。ここでのドメイン組織情報のレコードの検出は、各レコードに含まれる組織識別子である「会社名」の検出に相当すると考えてよい。
【0135】
出力部105は、検索部104が検出して一時記憶したドメイン組織情報の各レコードの「企業名」の属性値を、各「企業名」に対応する「スコア」の値、すなわち各「企業名」と同じレコードの「スコア」の値に応じて出力する。具体的には、出力部105は、検索部104が検出して一時記憶したドメイン組織情報の各レコードから、「スコア」の値が高いものから順に、「会社名」の属性値である会社名を取得し、取得した会社名に、「スコア」の値の高いものから順に、順位を示す値として、値「1」から開始される連番を対応付ける。この連番は、順位が一つ下がると値が一つ増加する連番であるとする。これにより、例えば、「1:A本株式会社、2:A本工業株式会社、3:A本セールス株式会社、4:amoto corporation」という「スコア」の値の順位と対応付けられた会社名の情報を取得する。そして、取得した会社名の情報を電子メールアドレス「usera@asmno.com」の送信元である入出力装置3に送信する。
【0136】
入出力装置3の表示部(図示せず)は、入出力装置3の受信部(図示せず)が情報処理装置1から受信した会社名の情報を、
図4に示した入力画面における「会社名」の入力欄42の下に表示する。ここでは、受信した「スコア」の値の順位と対応付けられた会社名の情報のうちの、順位が高いもの(すなわち、順位を示す数値が小さいもの)が上に配置されるようなリストを生成して表示する。表示されるリストは、例えば、入力欄42に入力される会社候補のリストと考えてもよい。
【0137】
図7(a)は、上記で生成された会社名のリスト70が表示された入力画面の一例を示す図である。リスト70は、例えば、テンプレート等を利用して作成される。表示されるリストの会社名を示す各項目には、項目を指定する操作を受け付けた場合に各項目に表示される会社名を、入力欄42に入力するイベントを発生させるプログラム等が設定されているものとする。
【0138】
ユーザAが、例えば、リスト70の項目から自分の所属する会社名「A本セールス株式会社」を見つけ、リスト70上のこの項目をマウスクリックやタップしたとすると、
図7(b)に示すように、この項目の会社名「A本セールス株式会社」が会社名の入力欄42に入力される。なお、リスト70に会社名がない場合、入力欄42にキーボードやタッチパネルを利用して会社名を入力すればよい。
【0139】
なお、仮に、検索部104が、
図6に示したドメイン組織情報管理表において、「ドメイン名」の属性値が、ドメイン情報「asmno.com」と完全一致するレコードを検出できなかった場合、出力部105は、格納部(図示せず)に予め用意された電子メールアドレスの入力について注意を喚起するためのメッセージである「電子メールアドレスが正しいかご確認ください。」を、入出力装置3に送信する。
【0140】
このメッセージを受信した入出力装置3は、
図4に示した入力画面上に上記の注意を喚起するメッセージを表示する。例えば、注意を喚起するメッセージをダイアログとして、入力画面に重ねて表示する。なお、この表示は一例であり、入出力装置3が、注意を喚起するメッセージを、入力画面のどの場所に、どのように表示するかは問わない。
【0141】
なお、上記においては、入力欄41に入力された電子メールアドレス全体を入出力装置3が情報処理装置1に送信するようにしたが、入力された電子メールアドレスのドメイン名のみを「@」マーク等を利用して取り出し、取り出したドメイン名を情報処理装置1に電子メール情報の一部の情報として送信してもよい。
【0142】
(具体例2)
上記具体例においては、入力欄41への入力が完了した電子メールアドレスを情報処理装置1に送信するようにしたが、入力欄に電子メールアドレスのドメイン名の文字列が入力される毎に、入力欄に入力途中の電子メールアドレスのドメイン名の文字列を、情報処理装置1に送信するようにし、この入力途中のドメイン名を用いて、組織識別子である会社名の入力候補の情報を取得する処理の具体例について以下に説明する。なお、ここでは、除外ドメイン管理表およびドメイン組織情報管理表については、
図5(a)および
図6に示したものを利用して説明を行う。
【0143】
図8は、
図4と同様に、入出力装置3のモニタ3aに表示されるセミナー申し込みの入力画面の一例を示す図である。この入力画面は、申込みを行うユーザの電子メールアドレスの入力欄が、電子メールアドレスの「@」マークより前(左側)の部分であるユーザ名の入力欄41aと、電子メールアドレスの「@」マークより後(右側)の部分であるドメイン名の入力欄41bとに分かれている点で、
図4の入力画面と異なっている。なお、電子メールアドレスのユーザ名はローカルパートとも呼ばれる。
【0144】
ユーザAが入力欄41aに、ユーザAの電子メールアドレス「usera@asmno.com」のユーザ名「usera」を入力し、入力欄41bに、ユーザAの電子メールアドレスのドメイン名の1文字目である「a」を入力したとすると、入出力装置3の送信部(図示せず)は、入力欄41bに入力されたユーザAの電子メールアドレスの一部であるドメイン名の最初の文字「a」を、情報処理装置1に送信する。
【0145】
情報処理装置1の取得部101が、送信される電子メールアドレスのドメイン名の最初の文字「a」を受信すると、この文字「a」をドメイン情報として取得する。
【0146】
そして、検索部104は、
図5(a)に示した除外ドメイン名管理表を検索して、ドメイン情報である文字「a」と完全一致する除外ドメイン名があるか判断する。仮に、完全一致する除外ドメイン名がある場合、検索部104は、組織識別子である会社名を検索する処理を行わない。ここでは、完全一致する除外ドメイン名がないとする。
【0147】
次に、検索部104は、
図6に示したドメイン組織情報管理表において、「ドメイン名」の属性値が、ドメイン情報「a」と一致するレコードを検索する。ここでは、上記の具体例とは異なり、ドメイン情報「a」と前方一致(つまり、ドメイン名の最も前方側の部分が、ドメイン情報と完全一致する)するレコードを検索する。具体的には、「ドメイン名」の属性値の最初の一文字(最も前方側の一文字)が、ドメイン情報と一致する「a」であるレコードを検索する。
【0148】
ここでは、「ID」が「10001」から「10010」までの10個のレコードが検出されたとする。
【0149】
検索部104は、さらに、検出された10個のレコードにおいて、上記の具体例と同様に、「スコア」の値が上位4位までのレコードを検出する。ここでは、「ID」が「10002」、「10003」、「10006」および「10010」である4つのレコードが検出されたとする。検索部104は、例えば、検出した4つのレコードの情報を、ドメイン組織格納部102から読み出し、メモリ(図示せず)等に一時記憶する。
【0150】
出力部105は、上記の具体例と同様に、検索部104が検出して一時記憶したドメイン組織情報の各レコードから、「スコア」の値が高いものから順に、「会社名」の属性値である会社名を取得し、取得した会社名に、「スコア」の値の高いものから順に、順位を示す連番を対応付ける。これにより、例えば、「1:A本株式会社、2:A本工業株式会社、3:A藤株式会社、4:株式会社ASM」という「スコア」の値の順位と対応付けられた会社名の情報を取得する。そして、取得した会社名の情報を電子メールアドレス「usera@asmno.com」の送信元である入出力装置3に送信する。
【0151】
入出力装置3の表示部(図示せず)は、上記の具体例と同様に、情報処理装置1から受信した会社名の情報を、
図4に示した入力画面における「会社名」の入力欄42の下に、対応する順位を示す連番の値が小さいものが上に配置されるようなリストを生成して表示する。
【0152】
図9(a)は、上記で生成された会社名のリスト71が表示された入力画面の一例を示す図である。
【0153】
ここで、ユーザAが、例えば、リスト71の項目から自分の所属する会社名「A本セールス株式会社」を見つけた場合、リスト71上のこの項目をマウスクリックやタップしたとすると、この会社名が、入力欄42に入力されるが、ここでは、自分の所属する会社名が見つけられず、会社名を指定するマウスクリックやタップ等の操作を行わなかったとする。
【0154】
そして、さらにユーザAが、電子メールアドレスのドメイン名の入力欄41bに、上記で入力された文字「a」に続いて、新たな文字「s」を入力し、入力された文字列が「a」から「as」に更新されたとすると、情報処理装置1の送信部(図示せず)は、更新された文字列を、情報処理装置1に送信する。
【0155】
取得部101は、上記の電子メールアドレスのドメイン名の一部である「a」の送信元である情報処理装置1から、更新された電子メールアドレスのドメイン名の一部である「as」を受信すると、この文字列「as」を更新されたドメイン情報として取得する。
【0156】
そして、検索部104は、
図5(a)に示した除外ドメイン名管理表を検索して、ドメイン情報である文字「as」と完全一致する除外ドメイン名があるか判断する。ここでは、完全一致する除外ドメイン名がないとする。
【0157】
次に、検索部104は、
図6に示したドメイン組織情報管理表において、「ドメイン名」の属性値が、ドメイン情報「as」と前方一致するレコードを検索する。
【0158】
ここでは、「ID」が「10003」から「10010」までの8個のレコードが検出されたとする。
【0159】
検索部104は、さらに、検出された8個のレコードにおいて、上記の具体例と同様に、「スコア」の値が上位4位までのレコードを検出し、メモリ(図示せず)等に一時記憶する。ここでは、「ID」が「10003」、「10005」、「10006」および「10010」である4つのレコードが検出されたとする。
【0160】
出力部105は、上記の具体例と同様に、検索部104が検出して一時記憶したドメイン組織情報の各レコードから、「スコア」の値が高いものから順に、「会社名」の属性値である会社名を取得し、取得した会社名に、「スコア」の値の高いものから順に、順位を示す連番を対応付ける。これにより、例えば、「1:A本株式会社、2:A本工業株式会社、3:株式会社ASM、4:A本セールス株式会社」という「スコア」の値の順位と対応付けられた会社名の情報を取得する。そして、取得した会社名の情報を入出力装置3に送信する。
【0161】
入出力装置3の表示部(図示せず)は、上記の具体例と同様に、情報処理装置1から受信した会社名の情報を、
図4に示した入力画面における「会社名」の入力欄42の下に、対応する順位を示す連番の値が小さいものが上に配置されるようなリストを生成して表示する。具体的には、
図9(a)に表示したリスト71に変えて、新たに生成したリストを表示することで、会社名の候補を選択するためのリストを更新する。
【0162】
図9(b)は、上記で生成された会社名のリスト72が表示された入力画面の一例を示す図である。
【0163】
ここで、ユーザAが、例えば、リスト72の項目から自分の所属する会社名「A本セールス株式会社」を見つけ、リスト72上のこの項目をマウスクリックやタップしたとすると、この会社名が、入力欄42に入力される。そして、上記のような、会社名の入力候補のリストを取得する処理等は終了する。なお、会社名を指定するマウスクリックやタップ等の操作を行わなかった場合、新たに更新される入力欄41bの文字を用いて、上記と同様の処理が繰り返される。この処理の繰り返しは、例えば、入力欄42に会社名が入力されるか、または、入力欄41bへの電子メールアドレスのドメイン名の入力が終了するまで繰り返し行われる。ドメイン名の入力の終了は、例えば、入力欄41bに対するフォーカスが外れたこと等により検知される。
【0164】
(具体例3)
次に、ドメイン組織情報生産装置2を用いてドメイン組織情報を生産する処理の具体例について説明する。
【0165】
図10は、名刺情報格納部201に格納されている複数の名刺情報を管理する名刺情報管理表の一例を示す図である。名刺情報管理表は、ユーザの名前である「名前」、ユーザが所属する会社名である「会社名」と、ユーザの電子メールアドレスである「メールアドレス」、ユーザの電話番号である「電話番号」と、ユーザの勤務先の住所である「住所」等の属性を有している。名刺情報管理表の各レコードが、各名刺情報に相当する。なお、ここでは、各レコードが各行で表されているものとする。名刺情報管理表は、例えば、複数の名刺から取得した名刺情報を管理する管理表であるとする。名刺情報の少なくとも一部は、名刺等からOCR等で読み取られた名刺情報であってもよい。また、名刺情報の少なくとも一部は、ユーザ等により手入力された名刺情報であってもよい。
【0166】
図5(b)は、除外格納部203に格納されている取得除外ドメイン名を管理する取得除外管理表である。取得除外管理表は、1または2以上の取得除外ドメイン名のリストと考えてもよい。
【0167】
名刺情報取得部202は、
図10に示した名刺情報管理表で管理される各名刺情報に対応する各レコードから、「電子メールアドレス」の属性値のドメイン名と、「会社名」の属性値である会社名との組を順次取得し、取得したドメイン名と完全一致する取得除外ドメイン名が、
図5(b)に示した取得除外管理表にあるか判断し、ない場合、取得したドメイン名と会社名との組を、メモリ等の記憶媒体に順次蓄積していく。完全一致する取得除外ドメイン名がある場合、ドメイン名と、このドメイン名を有する電子メールアドレスを利用する会社との関連を特定することが困難であるため、取得したドメイン名と会社名との組は蓄積しない。例えば、
図10の上から1行目の「メールアドレス」の属性値から取得されるドメイン名「asmno.com」と完全一致する取得除外ドメイン名がないため、このドメイン名と、上から1行目の「会社名」の属性値から取得される会社名「A本株式会社」との組は、蓄積される。一方、
図10の上から2行目の「メールアドレス」の属性値から取得されるドメイン名「gooddle.com」と完全一致する取得除外ドメイン名が存在するため、このドメイン名と、上から2行目の「会社名」の属性値から取得される会社名「日本KR株式会社」との組は、蓄積されず、破棄される。
【0168】
図11(a)は、
図10に示した名刺情報管理表で管理されるすべての名刺情報について上記の処理を行って取得され蓄積された、ドメイン名と会社名との複数の組を管理するドメイン会社管理表である。ドメイン会社管理表は、ドメイン名である「ドメイン名」と、会社名である「会社名」という属性を有している。
【0169】
ドメイン組織取得部204は、
図11(a)に示したドメイン会社管理表において、同じドメイン名と会社名との組の出現数をカウントする。例えば、ドメイン組織取得部204は、
図11(a)に示したドメイン会社管理表を、
図11(b)に示すように、ドメイン会社管理表のドメイン名と会社名との組を有するレコードをドメイン名でソートし、さらに、
図11(c)に示すように、同じドメイン名を有するレコードを、会社名でソートし、ソート結果を利用して、同じドメイン名と会社名との組の出現数をカウントする。そして、カウントした出現数を、対応するドメイン名と会社名との組のスコアとして取得し、取得したスコアと、対応するドメイン名と会社名との組を有する複数のドメイン組織情報を取得する。これにより、
図6に示したドメイン組織情報と同様のドメイン組織情報を取得できる。
【0170】
そして、ドメイン組織情報出力部205は、ドメイン組織取得部204が生産した複数のドメイン組織情報を、例えば、情報処理装置1等に送信する。
【0171】
例えば、情報処理装置1の受信部(図示せず)が、ドメイン組織情報生産装置2が生産したドメイン組織情報を受信し、受信したドメイン組織情報で、ドメイン組織格納部102に格納されているドメイン組織情報を更新する。ここでの更新は、結果的に、情報が更新されれば、どのような処理であってもよく、例えば、変更があった部分の追記や削除であってもよく、上書きであってもよい。
【0172】
以上、本実施の形態によれば、ユーザが入力する電子メールアドレスに応じて、ユーザが属する組織識別子の候補を出力することができ、適切な組織識別子を容易に入力するための支援を行うことができる。例えば、出力される組織識別子の候補から入力する組織識別子を選択することで、表記のゆらぎ等の少ない適切な組織識別子を容易に入力することが可能となる。
【0173】
また、本実施の形態によれば、ドメイン組織情報が有する組織識別子が、同じドメイン組織情報が有するドメイン名を利用する組織の組織識別子である可能性を示すスコアを用いて、組織識別子の候補を出力することができ、精度良く、適切な組織識別子を容易に入力するための支援を行うことができる。
【0174】
例えば、同じグループに属する複数の会社が、同じドメイン名を共用している場合においては、ドメイン組織情報管理表には、ドメイン名が同一であるが、会社名が異なる複数のドメイン組織情報が存在する場合がある。また、同じ会社であっても、名刺情報等に異なる表記が存在する場合、ドメイン組織情報管理表には、ドメイン名が同一であるが、会社名の表記が異なる複数のドメイン組織情報が存在する場合がある。会社名の異なる表記とは、例えば、会社名を英語表記した場合や、会社名の一部を短縮表示、例えば、株式会社を(株)と表示した場合である。このような場合、例えば、ユーザが入力する電子メールアドレスのドメイン名に対応する組織識別子が複数検出されることとなるが、本実施の形態においては、組織識別子に対応付けられたスコアを利用して、ユーザが入力する電子メールアドレスのドメイン名に対応する組織識別子である可能性が高い組織識別子を優先的に出力したり、選択的に出力したりすることで、より適切に、組織識別子の入力を支援することができる。
【0175】
なお、上記実施の形態においては、ドメイン組織情報生産装置2が情報処理装置1と通信回線等を介して接続されている例について説明したが、ドメイン組織情報生産装置2が生成するドメイン組織情報を、情報処理装置1に対して直接送信しない場合(例えば、着脱可能な記録媒体等を介して、ドメイン組織情報の受け渡し等を行う場合、これらは接続されていなくてもよい。また、ドメイン組織情報生産装置2と、情報処理装置1とを一つの情報処理装置で実現してもよく、この場合、例えば、ドメイン組織情報出力部205が出力するドメイン組織情報を、ドメイン組織格納部102に蓄積するようにし、除外ドメイン格納部103と除外格納部203とを、適宜、一つの格納部で実現するようにしてもよい。
【0176】
また、上記実施の形態において、情報処理装置1と入出力装置3とを一つの情報処理装置で実現してもよい。これにより、例えば、情報処理装置1が、ユーザ等から電子メールアドレスおよび組織識別子を受け付けるようにしてもよい。
【0177】
なお、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0178】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在しうる2以上の通信手段(取得部や出力部等)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0179】
また、上記各実施の形態では、情報処理装置がサーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置である場合について説明したが、情報処理装置は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、出力部や受付部は、通信回線を介して入力を受け付けたり、画面を出力したりすることになる。例えば、後者の場合、入出力装置3を、情報処理装置に入出力を行うクライアント装置と考えてもよい。
【0180】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
【0181】
なお、上記実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、電子メールアドレスのドメイン名と、組織の識別子である組織識別子とを対応付けて有する1以上のドメイン組織情報が格納されるドメイン組織格納部にアクセス可能なコンピュータを、ユーザが入力する電子メールアドレスからドメイン名に関するドメイン情報を取得する取得部と、ドメイン情報を用いて、ドメイン組織情報から1以上の組織識別子を検索する検索部と、検索部が検索により取得した1以上の組織識別子を出力する出力部と、して機能させるためのプログラムである。
【0182】
また、上記実施の形態におけるドメイン組織情報生産装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、名刺に関する情報であって、ユーザの電子メールアドレスと、ユーザの所属する組織の組織識別子とを有する複数の名刺情報を取得する名刺情報取得部と、名刺情報取得部が取得した複数の名刺情報から、それぞれ、電子メールアドレスのドメイン名と、組織識別子とを取得し、取得したドメイン名と組織識別子とを有する1以上のドメイン組織情報を取得するドメイン組織取得部と、ドメイン組織取得部が取得した1以上のドメイン組織情報を出力するドメイン組織情報出力部と、して機能させるためのプログラムである。
【0183】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0184】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0185】
図12は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置およびドメイン組織情報生産装置をそれぞれ実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0186】
図12において、コンピュータシステム900は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0187】
図13は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。
図13において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0188】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM921に記憶されて、CD-ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD-ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0189】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0190】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0191】
以上のように、本発明にかかる情報処理装置等は、組織識別子の入力に利用される装置等として適しており、特に、電子メールアドレスと組織識別子との入力に利用される装置等として有用である。
【符号の説明】
【0192】
1 情報処理装置
2 ドメイン組織情報生産装置
3 入出力装置
3a モニタ
101 取得部
102 ドメイン組織格納部
103 除外ドメイン格納部
104 検索部
105 出力部
201 名刺情報格納部
202 名刺情報取得部
203 除外格納部
204 ドメイン組織取得部
205 ドメイン組織情報出力部
1000 情報処理システム