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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】化合物のダニ抑制又は駆除における使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/045 20060101AFI20241223BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 31/22 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 31/201 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 17/08 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241223BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20241223BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20241223BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20241223BHJP
   A61Q 3/00 20060101ALI20241223BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20241223BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20241223BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
A61K31/045
A61K31/122
A61K31/22
A61K31/201
A61K31/352
A61K31/7048
A61P17/00 101
A61P27/02
A61P37/08
A61P27/06
A61P27/12
A61P17/08
A61P17/04
A61P35/00
A61P33/14
A61K9/12
A61K9/107
A61K9/70
A61K9/06
A61K8/34
A61K8/35
A61K8/36
A61K8/37
A61K8/60
A61K8/49
A61Q1/12
A61Q3/00
A61Q5/02
A61Q19/10
A61Q5/06
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022564789
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2021089105
(87)【国際公開番号】W WO2021213483
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】202010334025.0
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524429903
【氏名又は名称】コアンチョウ、メディカル、ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU MEDICAL UNIVERSITY
(73)【特許権者】
【識別番号】524429914
【氏名又は名称】ザ、セカンド、アフィリエイテド、ホスピタル、オブ、コアンチョウ、メディカル、ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】THE SECOND AFFILIATED HOSPITAL OF GUANGZHOU MEDICAL UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 岩
【審査官】清野 千秋
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101731215(CN,A)
【文献】Am J Ophthalmol,2011年,151,pp.1030-1034
【文献】Clinical Optometry,2018年,10,pp.57-63
【文献】Journal of Economic Entomology,2011年,104(2),pp.375-378
【文献】Clinical Pharmacy,2014年,18(2),pp.14-16
【文献】Veterinary Parasitology,2017年,240,pp.17-23
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/045
A61K 31/122
A61K 31/22
A61K 31/201
A61K 31/352
A61K 31/7048
A61P 17/00
A61P 27/02
A61P 37/08
A61P 27/06
A61P 27/12
A61P 17/08
A61P 17/04
A61P 35/00
A61P 33/14
A61K 9/12
A61K 9/107
A61K 9/70
A61K 9/06
A61K 8/34
A61K 8/35
A61K 8/36
A61K 8/37
A61K 8/60
A61K 8/49
A61Q 1/12
A61Q 3/00
A61Q 5/02
A61Q 19/10
A61Q 5/06
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タラキサステロール、タラキセロン、タラキセロールアセテート、ルペノン又はその塩、溶媒和物を含む、ニキビダニ属ダニ抑制又は駆除用製品。
【請求項2】
前記ニキビダニ属ダニは、ニキビダニ、コニキビダニのうちの1種又は複数種である、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記ニキビダニ属ダニ抑制又は駆除用製品は医薬組成物、化粧品又は殺ダニ剤である、請求項1~のいずれか1項に記載の製品。
【請求項4】
前記医薬組成物はニキビダニ属ダニ感染による疾患を予防及び/又は治療する医薬組成物であり、
前記疾患は、眼病、皮膚疾患、アレルギー疾患から選択される、
請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記眼病は、眼瞼炎、マイボーム腺機能障害、瞼板炎、まつげ抜け、まつげ乱生、緑内障、白内障、眼部毛嚢炎、結膜炎、眼瞼結膜炎、翼状片、角膜炎、眼瞼下垂及びまぶたの外反、眼瞼基底細胞癌、ドライアイ、霰粒腫から選択される、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記皮膚疾患は、脂漏性皮膚炎、ニキビ、酒さ、毛包性粃糠疹、口周囲皮膚炎、ニキビダニ症、ヒゼンダニ症、基底細胞癌から選択される、請求項4に記載の製品。
【請求項7】
前記アレルギー疾患は、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎から選択される、請求項4に記載の製品。
【請求項8】
前記医薬組成物は外用製剤である、請求項3に記載の製品。
【請求項9】
前記医薬組成物は眼科用製剤又は皮膚外用製剤である、請求項3に記載の製品。
【請求項10】
前記眼科用製剤は、点眼剤、眼軟膏、眼科用ゲル剤、アイエマルジョン、眼科用懸濁液、眼科用フィルム剤、洗眼剤、眼内注射剤から選択される、請求項9に記載の製品。
【請求項11】
前記皮膚外用製剤は、エアロゾル、粉末剤、ローション、チンキ剤、リニメント剤、コーティング剤、軟膏剤、ゲル剤、ペースト剤、乳剤から選択される、請求項9に記載の製品。
【請求項12】
前記医薬組成物は人用医薬組成物又は動物用医薬組成物である、請求項3に記載の製品。
【請求項13】
前記化粧品の形態は、洗顔料、石鹸、エモリエント化粧水、クレンジングローション、スキンケアローション、ジェル、フェイスクリーム、日焼け止めクリーム、エッセンス、フェイシャルマスク、ゲル、リキッドファンデーション、リップバーム、ネッククリーム、シャンプー、ボディソープ、整髪料、ボディーローション、アイクリーム、マスカラ、アイライナーパウダー、アイライナークリーム、アイライナー、アイシャドウパウダー、アイシャドウクリーム、眉描き、アイブロウパウダーから選択される、請求項3に記載の製品。
【請求項14】
前記殺ダニ剤の形態は、噴霧剤、ローション、パッチ、スモールパッケージから選択される、請求項3に記載の製品。
【請求項15】
タラキサステロール、タラキセロン、タラキセロールアセテート、ルペノン又はその塩、溶媒和物のうちの1種又は複数種を含む、ニキビダニ属ダニによる疾患の治療及び/又は予防用医薬組成物。
【請求項16】
前記疾患は、眼病、皮膚疾患、アレルギー疾患から選択される、請求項15に記載の医薬組成物
【請求項17】
前記眼病は、眼瞼炎、マイボーム腺機能障害、瞼板炎、まつげ抜け、まつげ乱生、緑内障、白内障、眼部毛嚢炎、結膜炎、眼瞼結膜炎、翼状片、角膜炎、眼瞼下垂及びまぶたの外反、眼瞼基底細胞癌、ドライアイ、霰粒腫から選択される、請求項16に記載の医薬組成物
【請求項18】
前記皮膚疾患は、脂漏性皮膚炎、ニキビ、酒さ、毛包性粃糠疹、口周囲皮膚炎、ニキビダニ症、ヒゼンダニ症、基底細胞癌から選択される、請求項16に記載の医薬組成物
【請求項19】
前記アレルギー疾患は、アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎から選択される、請求項16に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬分野に関し、具体的には、式I、II又はIII構造の化合物のダニ抑制又は駆除における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ダニは節足動物門のクモ形綱の広腹亜綱の一種の小型の動物であり、体の大きさは通常0.5ミリ前後で、そのうち、0.1ミリまで小さいものもあり、多くの種類は1ミリ未満である。現在、ダニはヒトや動物(例えば、イヌ、ネコなどのペット)の健康に非常に密接な関係があり、例えば、革ダニ、ツツガムシダニ、ヒゼンダニ、ニキビダニ、コナダニ、チリダニやシラミダニなどは血を吸い、皮膚を侵害し、「酒さ」や、ニキビダニ症、アレルギー症、尿路ダニ症、肺ダニ症、腸ダニ症や疥癬などを引き起こし、ヒトと動物の体の健康に深刻な被害を与えることが発見された。
【0003】
ニキビダニ属ダニは、通常、皮膚毛包皮脂腺単位に感染するミクロ体外寄生虫である。報告された種のうち、少なくとも毛包ニキビダニと皮脂ニキビダニはヒトの体表で発見されており、主に毛包と皮脂腺、マイボーム腺に寄生している。ニキビダニは毛包上皮細胞をエサとし、毛包拡張と脱毛を引き起こし、臨床では眼瞼炎、マイボーム腺機能障害、まつげ抜け、まつげ乱生、結膜炎と眼瞼結膜炎、翼状片、角膜炎、眼瞼基底細胞癌などとして表現する。ニキビダニはまた脂質をエサとし、ドライアイを引き起こすこともある。また、ニキビダニは機械的な閉塞によってマイボーム腺排出管を閉塞させ、脂質排出困難や過剰な分泌物貯留を引き起こし、霰粒腫を形成させることもある。ニキビダニ感染眼病の臨床的症状は主に、繰り返す目の縁の赤みやかゆみ、目の乾燥、目の灼熱感、目の異物感、光を恐れること、分泌物が増えること、まつげが繰り返して抜けることがあり、重篤な場合は、角膜に影響を及ぼし、視覚がぼやけ、視力が低下することがある。以上の眼病のほかに、近年多くの研究により、ニキビダニ感染は多種のよく見られる皮膚疾患につながることが指摘されており、脂漏性皮膚炎、ざ瘡、酒さ、毛包性粃糠疹、口周皮膚炎、ニキビダニ症、基底細胞癌などが含まれる(例えば、Luo, X., Li, J., Chen, C., Tseng, S. & Liang, L. Ocular Demodicosis as a Potential Cause of Ocular Surface Inflammation. Cornea 36 Suppl 1, S9-s14;Karincaoglu, Y., Tepe, B., Kalayci, B., Atambay, M. & Seyhan, M. Is Demodex folliculorum an aetiological factor in seborrhoeic dermatitis? Clinical and experimental dermatology 34, e516-520;Chen, W. & Plewig, G. Human demodicosis: revisit and a proposed classification. The British journal of dermatology 170, 1219-1225参照)。
【0004】
特に、ダニと眼病との関係が証明された報告には、以下のものがある。
【0005】
Human Permanent Ectoparasites; Recent Advances on Biology and Clinical Significance of Demodex Mites: Narrative Review Article(Iranian journal of parasitology 12(1):12-21)から、コニキビダニは皮脂腺やマイボーム腺、毛包ニキビダニに存在し、しばしばヒトのまつげの毛包部位に寄生し、顔の皮膚に感染すると眼病を引き起こすことが実証されている。
【0006】
Ocular Demodicosis as a Potential Cause of Ocular Surface Inflammation(Cornea 36 Suppl 1(Suppl 1):s9-s14)から、コニキビダニ及び毛包ニキビダニはヒトの眼のダニ症を引き起こす2種のニキビダニであり、また、ヒトの年齢が罹患リスクに比例し、眼のダニ症は眼表面の状况に強く正の相関を持っていることが実証されている。
【0007】
Demodex species in human ocular disease: new clinicopathological aspects(International ophthalmology 37(1):303-312)に記載の研究から明らかなように、コニキビダニ及び毛包ニキビダニは外眼疾患の発症機構につながる一方、眼のダニ症は眼外のエコシステムのバランスを崩す。
【0008】
Ocular Demodex: a systematic review of the clinical literature(Ophthalmic & physiological optics : the journal of the British College of Ophthalmic Opticians(Optometrists) 40(4):389-432)では、ニキビダニ感染は複数の眼表面の疾患の潜在的な病因であり、ニキビダニが眼の前部構造、例えばまぶた、まつげや眼表面に寄生すると、ヒトの眼のダニ症が発症し、また、発症率は年齢と正の相関を持つことが記載されている。
【0009】
The relationship between demodex and ocular discomfort(Investigative ophthalmology & visual science 51(6):2906-2911)では、ニキビダニの数が眼病の重篤度及び患者の年齢と正の相関を持つことが指摘されている。
【0010】
Demodex mites(Clinics in dermatology 32(6):739-743)では、ニキビダニ感染は慢性眼瞼炎を引き起こし、慢性眼瞼炎の罹患率はダニの数及び患者の年齢と正の相関を持つことが指摘されている。
【0011】
Quantitative Analysis of the Bacteria in Blepharitis With Demodex Infestation(Frontiers in microbiology 9:1719)に記載された研究から明らかなように、コニキビダニ及び毛包ニキビダニ感染は眼病の発症を引き起こし、また、罹患率はダニの数及び患者の年齢と正の相関を持つ。ニキビダニはバチルスのキャリアであり、共病原体として眼瞼炎の発症機構に役割を果たすことができる。
【0012】
Bacillus oleronius and Demodex mite infestation in patients with chronic blepharitis( Clinical microbiology and infection : the official publication of the European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases 18(10):1020-1025)によれば、ニキビダニは眼瞼炎疾患の発症を引き起こすことがあり、しかも、バチルスのキャリアでもあり、眼瞼炎の進行過程で共病原体として機能する。
【0013】
Correlation between ocular Demodex infestation and serum immunoreactivity to Bacillus proteins in patients with Facial rosacea(Ophthalmology 117(5):870-877.e871)では、ドライアイ患者の眼でのニキビダニ感染の発生率が非ドライアイ患者よりも低く、眼表面炎症ではダニ感染及び細菌感染の共存が可能であることが提案されている。
【0014】
High prevalence of demodex brevis infestation in chalazia(American journal of ophthalmology 157(2):342-348.e341)に記載された研究から明らかなように、成人及びマイボーム腺嚢胞に罹患している小児患者の中ではコニキビダニ症の発症率が極めて高く、眼のニキビダニ症はマイボーム腺嚢胞の重要な病因の1つである。
【0015】
ダニによる疾患(例えば眼病、皮膚疾患)は、現在、臨床では十分に重視されておらず、細菌性疾患などと誤診されてしまう場合が多く、一般的な抗菌薬治療では明らかな治療効果がない場合が多い。
【0016】
このため、本発明は、ダニの抑制又は駆除に有用な一連の化合物を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
下記式Iで示される化合物又はその塩、異性体、溶媒和物の、ダニ抑制又は駆除用製品の製造における使用。
【化1】
(式中、
はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択されるか、又は、Rと5番目の炭素原子との間が二重結合である場合、RはO又はSから選択される。
、R、R、R、R、Rは、独立して、H、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、OH、NHから選択される。
はH、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、OH、NHから選択されるか又は、1番目の炭素原子と4番目の炭素原子との間が二重結合である場合、Rは存在しない。
はH、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、OH、NHから選択されるか又は、2番目の炭素原子と3番目の炭素原子との間が二重結合である場合、Rは存在しない。
6番目の炭素原子と7番目の炭素原子との間は二重結合又は単結合である。
10及びR13は、独立して、H、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C1-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、CH=CH、C(C1-8アルキル)=CH、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。
11及びR12は、独立して、H、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C1-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択されるか、又は、R11及びR12は炭素原子であり、これらの間の炭素原子と5~8員環を形成し、前記環上の任意の炭素原子上のHはC1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、OH、NH、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH、C(C1-8アルキル)=CH、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)で置換されてもよい。)
【0018】
具体的には、本発明の前記式I化合物は式I-1の化合物である。
【化2】
(式中、
14と8番号の炭素原子との間が単結合である場合、R14はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択され、かつ、8番号の炭素原子上の水素原子は任意にR14で置換され、R14と8番号の炭素原子との間が二重結合である場合、R14はO、S、CH、CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)から選択される。
15はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。
nは1~4の整数、例えば1、2、3、4である。
具体的には、RはH、C1-3アルキル、OH、OC(=O)(C1-3アルキル)、(C1-3アルキル)COH、CF、CHF、CHFから選択されるか、又は、Rと5番目の炭素原子との間が二重結合である場合、RはOである。より具体的には、RはOH、OC(=O)(C1-3アルキル)から選択される。特に具体的には、RはOH、OC(=O)CHから選択される。
具体的には、R、R、R、R、R、Rは、独立して、H、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、OH、NHから選択される。特に具体的には、R、R、R、R、R、Rは、独立して、H又はメチルから選択される。
具体的には、1番目の炭素原子と4番目の炭素原子との間は単結合であり、RはH、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、O(C1-3シクロアルキル)、OHから選択される。特に具体的には、1番目の炭素原子と4番目の炭素原子との間は単結合であり、RはH又はメチルから選択される。
具体的には、2番目の炭素原子と3番目の炭素原子との間は単結合であり、RはH、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、O(C1-3シクロアルキル)、OHから選択される。特に具体的には、2番目の炭素原子と3番目の炭素原子との間は単結合であり、RはH又はメチルから選択される。
具体的には、6番目の炭素原子と7番目の炭素原子との間は単結合である。
具体的には、R10及びR13は、独立して、H、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、OH、NHから選択される。特に具体的には、R10及びR13は、独立して、H又はメチルから選択される。
具体的には、R14と8番号の炭素原子との間が単結合である場合、R14はH、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、OH、NHから選択され、かつ、8番号の炭素原子上の水素原子は同様にR14で置換され、R14と8番号の炭素原子との間が二重結合である場合、R14はCH、CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)から選択される。特に具体的には、R14と8番号の炭素原子との間が単結合である場合、R14はH又はメチルから選択され、かつ、8番号の炭素原子上の水素原子は同様にH又はメチルで置換され、R14と8番号の炭素原子との間が二重結合である場合、R14はCH(メチレン)から選択される。
具体的には、R15はH、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、OH、NH、CH=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=CH、C(C1-3アルキル)=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=C(C1-3アルキル)から選択される。特に具体的には、R15はH、C1-3アルキル、C(CH)=CHから選択される。)
【0019】
本発明の具体的な実施形態では、前記式I化合物はタラキサステロール、タラキセロール、タラキセロン、ロブル酸、タラキサステロールアセテート、タラキセロールアセテート、ルペノン又はその塩、異性体、溶媒和物である。
【0020】
下記式IIで示される化合物又はその塩、異性体、溶媒和物の、ダニ抑制又は駆除用製品の製造における使用である。
【化3】
(式中、
16、R18、R20、R23、R24は、独立して、H、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。
17、R19、R21、R22は、独立して、H、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)又は式II-1、II-2、II-3の基から選択される。
【化4】
具体的には、R16、R18、R20、R23、R24は、独立して、H、ハロゲン、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、NH(C1-3アルキル)、N(C1-3アルキル)、C3-11シクロアルキル、OH、NH、OC(=O)(C1-3アルキル)、C(=O)(C1-3アルキル)、(C1-3アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C2-3アルケニル、C2-3アルキニル、CH=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=C(C1-3アルキル)から選択される。より具体的には、R16、R18、R20、R23、R24は、独立して、H又はメチルから選択される。
具体的には、R17、R19、R21、R22は、独立して、H、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)又は式II-1、II-2の基から選択される。より具体的には、R17、R19、R21、R22は、独立して、H又はメチルから選択される。)
【0021】
本発明の具体的な実施形態では、前記式II化合物はジオスメチン又はその塩、異性体、溶媒和物である。
【0022】
下記式IIIで示される化合物又はその塩、異性体、溶媒和物の、ダニ抑制又は駆除用製品の製造における使用である。
【化5】
(式中、
25
【化6】
から選択される。
26は炭素原子であり、R27及びR28のうちの少なくとも1つと5~8員環を形成し、かつR27及びR28のうちR26と環を形成しない基はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。
29はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。)
【0023】
具体的には、本発明の前記式III化合物は式III-1又はIII-2の化合物である。
【化7】
(式中、
30、R31、R33、R34、R35はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。
式III-1中、1番目の炭素原子と2番目の炭素原子との間は二重結合又は単結合から選択される。III-1中、1番目の炭素原子と2番目の炭素原子との間が二重結合から選択される場合、R32は存在せず、III-1中、1番目の炭素原子と2番目の炭素原子との間が単結合から選択される場合、R32はH、ハロゲン、C1-8アルキル、O(C1-8アルキル)、S(C1-8アルキル)、NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)、C3-11シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3-11ヘテロシクロアルキル、O(C1-8シクロアルキル)、S(C1-8シクロアルキル)、NH(C1-8シクロアルキル)、N(C1-8シクロアルキル)(C1-8アルキル)、OH、NH、SH、SO(C1-8アルキル)、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、CH=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=CH(C1-8アルキル)、C(C1-8アルキル)=C(C1-8アルキル)、OC(=O)(C1-8アルキル)、C(=O)(C1-8アルキル)、(C1-8アルキル)COH、COH、CN、CF、CHF、CHF、NO、C(=O)NH(C1-8アルキル)、C(=O)N(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)NH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)C(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH(C1-8アルキル)、NHC(=O)N(C1-8アルキル)、NHC(=O)NH、N(C1-8アルキル)SONH(C1-8アルキル)、N(C1-8アルキル)SON(C1-8アルキル)、NHSONH(C1-8アルキル)、NHSON(C1-8アルキル)から選択される。
具体的には、R25
【化8】
から選択される。
具体的には、R27及びR28のうちR26と環を形成しない基はH、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、O(C1-3シクロアルキル)、C2-3アルケニル、C2-3アルキニル、CH=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=C(C1-3アルキル)、OC(=O)(C1-3アルキル)、C(=O)(C1-3アルキル)、(C1-3アルキル)COH、COHから選択される。より具体的には、R27及びR28のうちR26と環を形成しない基はH、CH=CH、COHから選択される。
具体的には、R30、R31、R33、R34、R35はH、C1-3アルキル、O(C1-3アルキル)、C3-6シクロアルキル、OH、NH、CH=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=CH、C(C1-3アルキル)=CH(C1-3アルキル)、C(C1-3アルキル)=C(C1-3アルキル)から選択される。特に具体的には、R30、R31、R33、R34、R35はH、メチル、OHから選択される。
具体的には、III-1中、1番目の炭素原子と2番目の炭素原子との間が二重結合から選択される場合、R32は存在しない。)
【0024】
本発明の具体的な実施形態では、式IIIで示される化合物はスウェルチアマリン、スウェロシド、ゲンチオピクロサイド、ロガニン酸又はその塩、異性体、溶媒和物である。
【0025】
具体的には、本発明で示される化合物又はその塩、異性体、溶媒和物は、唯一のダニ抑制又は駆除用の活性成分であってもよいし、他の同じ又は異なる活性成分と組み合わせてダニ抑制又は駆除に用いられてもよい。
【0026】
本発明で示される化合物は、例えばタンポポ、ジンギョウ、リンドウ、菊などの天然植物から抽出されたものであってもよく、前記抽出方法は本分野でよく使用される方法であってもよい。
【0027】
本発明で示される化合物は化学合成又は生合成によって製造されてもよい。
【0028】
具体的には、本発明の上記のダニ駆除製品は治療及び/又は予防の目的にも、非治療及び/又は予防の目的にも有用である。
【0029】
具体的には、本発明の上記ダニはニキビダニ、チリダニ、ヒゼンダニなどのうちの1種又は複数種であってもよい。本発明の一実施例では、本発明の上記ダニはニキビダニ、例えば毛包ニキビダニ及び皮脂ニキビダニである。
【0030】
本発明の一実施例では、本発明の上記ダニ駆除製品は医薬組成物である。
【0031】
具体的には、上記医薬組成物は薬学的に許容可能な補助材料をさらに含む。
【0032】
具体的には、本発明の上記医薬組成物はダニ感染による疾患の予防及び/又は治療に有用である。
【0033】
具体的には、上記疾患は眼病、皮膚疾患、アレルギー疾患などであってもよい。
【0034】
具体的には、上記眼病は、眼瞼炎、マイボーム腺機能障害、瞼板炎、まつげ抜け、まつげ乱生、緑内障、白内障、眼部毛嚢炎、結膜炎、眼瞼結膜炎、翼状片、角膜炎、眼瞼下垂及びまぶたの外反、眼瞼基底細胞癌、ドライアイ、霰粒腫などのうちの1種又は複数種であってもよく、目の充血やかゆみ、目の乾燥、目の灼熱感、目の異物感、光を恐れること、眼の分泌物が増えること、まつげ抜け、視覚ぼやけ、視力低下などから選択される1種又は複数種の症状があってもよい。
【0035】
具体的には、上記皮膚疾患は、脂漏性皮膚炎、ニキビ、酒さ、毛包性粃糠疹、口周囲皮膚炎、ニキビダニ症、ヒゼンダニ症、基底細胞癌などのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0036】
具体的には、上記アレルギー疾患はアレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎などのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0037】
具体的には、上記医薬組成物は、投与に適している任意の剤形、例えば外用製剤、特に眼科用製剤、皮膚外用製剤などとしてもよい。
【0038】
具体的には、上記眼科用製剤は、点眼剤、眼軟膏、眼科用ゲル剤、アイエマルジョン、眼科用懸濁液、眼科用フィルム剤、洗眼剤、眼内注射剤などであってもよい。
【0039】
具体的には、前記眼科用製剤は、薬学的に許容可能な補助材料、例えばpH調整剤、共溶媒、浸透圧調整剤、粘度調整剤、酸化防止剤、静菌防腐剤、緩衝剤、懸濁剤、局所麻酔剤、界面活性剤、可溶化剤、潤滑剤、乳化剤、安定剤、充填剤、保護剤、溶媒などを含んでもよい。
【0040】
具体的には、上記皮膚外用製剤はエアロゾル、粉末剤、ローション、チンキ剤、リニメント剤、コーティング剤、軟膏剤、ゲル剤、ペースト剤、乳剤などであってもよい。
【0041】
具体的には、本発明の上記医薬組成物の様々な剤形は薬学分野の一般的な製造方法によって製造され得る。
【0042】
具体的には、本発明の上記医薬組成物は、0.01~99.5重量%(具体的には、例えば0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、99重量%、99.5重量%)の活性成分を含んでもよい。
【0043】
具体的には、上記医薬組成物はヒトに用いられてもよいし、動物用薬として非ヒト動物、例えば非ヒト哺乳類、例えばペット動物(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、マウスなど)、家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、イヌ、ウサギなど)などの動物に用いられてもよい。
【0044】
本発明の別の実施形態では、本発明の上記ダニ駆除製品は化粧品である。
【0045】
具体的には、上記化粧品は化粧品の分野で許容可能な補助材料をさらに含む。
【0046】
具体的には、本発明の上記化粧品は顔用の化粧品、例えば洗顔料、石鹸、エモリエント化粧水、クレンジングローション、スキンケアローション、ジェル、フェイスクリーム、日焼け止めクリーム、エッセンス、フェイシャルマスク、ゲル、リキッドファンデーション、リップバームであってもよい。
【0047】
具体的には、本発明の上記化粧品は顔以外の他の部位用の化粧品、例えばネッククリーム、シャンプー、ボディソープ、石鹸、整髪料、ボディーローション、リップバームなどであってもよい。
【0048】
具体的には、本発明の上記化粧品はまた、眼及び眼の周囲用の化粧品、例えばアイクリーム、マスカラ、アイライナーパウダー、アイライナークリーム、アイライナー、アイシャドウパウダー、アイシャドウクリーム、眉描き、アイブロウパウダーなどであってもよい。
【0049】
具体的には、本発明上記化粧品の各種の形態は、化粧品分野の一般的な製造方法によって製造されてもよい。
【0050】
具体的には、本発明の上記化粧品は、0.01~99.5重量%(具体的には、例えば0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、99重量%、99.5重量%)の活性成分を含有してもよい。
【0051】
本発明の別の実施形態では、本発明の上記ダニ駆除製品は、生活で用いる物品(例えば、枕カバー、枕詰め物、シート、寝具、マットレス、衣類、カーペット、クッション、ソファー、夏ござ、ぬいぐるみ、エアコンなど)に寄生し得るダニを駆除、抑制し得る殺ダニ剤である。
【0052】
具体的には、上記殺ダニ剤は、所望の性能を達成させ得る任意の適切な補助材料を含んでもよい。
【0053】
具体的には、上記殺ダニ剤は、噴霧剤、ローション、パッチ、スモールパッケージなどの形態であってもよい。
【0054】
具体的には、本発明の上記殺ダニ剤の各種の形態は、デイリーケア用製品の分野でよく使用される製造方法によって製造されてもよい。
【0055】
具体的には、本発明の上記殺ダニ剤は、0.01~99.5重量%(具体的には、例えば0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、99重量%、99.5重量%)の活性成分を含んでもよい。
【0056】
本発明はまた、これを必要とする被験者に本発明の上記化合物又はその塩、異性体、溶媒和物(特に、タラキサステロール、タラキセロール、タラキセロン、ロブル酸、タラキサステロールアセテート、タラキセロールアセテート、ルペノン又はその塩、異性体、溶媒和物;ジオスメチン又はその塩、異性体、溶媒和物;スウェルチアマリン、スウェロシド、ゲンチオピクロサイド、ロガニン酸又はその塩、異性体、溶媒和物)又は本発明の上記医薬組成物を投与するステップを含む、ダニ感染による疾患の予防及び/又は治療方法を提供する。
【0057】
具体的には、上記疾患は眼病、皮膚疾患、アレルギー疾患などであってもよい。
【0058】
具体的には、上記眼病は、眼瞼炎、マイボーム腺機能障害、瞼板炎、まつげ抜け、まつげ乱生、緑内障、白内障、眼部毛嚢炎、結膜炎、眼瞼結膜炎、翼状片、角膜炎、眼瞼下垂及びまぶたの外反、眼瞼基底細胞癌、ドライアイ、霰粒腫などのうちの1種又は複数種であってもよく、目の充血やかゆみ、目の乾燥、目の灼熱感、目の異物感、光を恐れること、眼の分泌物が増えること、まつげ抜け、視覚ぼやけ、視力低下などから選択される1種又は複数種の症状があってもよい。
【0059】
具体的には、上記皮膚疾患は脂漏性皮膚炎、ニキビ、酒さ、毛包性粃糠疹、口周囲皮膚炎、ニキビダニ症、ヒゼンダニ症、基底細胞癌などのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0060】
具体的には、上記アレルギー疾患はアレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎などのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0061】
具体的には、上記被験者はこの予防及び/又は治療を受ける任意の動物、特に哺乳類、例えばヒト、ネコ、イヌ、ウサギ、ネズミ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタなどであってもよい。本発明の一実施例では、上記被験者はヒトであり、本発明の別の実施例では、上記被験者は非ヒト動物である。
【0062】
本発明の一実施例では、上記方法は、これを必要とする被験者の眼に本発明の上記化合物又はその塩、異性体、溶媒和物(特にタラキサステロール、タラキセロール、タラキセロン、ロブル酸、タラキサステロールアセテート、タラキセロールアセテート、ルペノン又はその塩、異性体、溶媒和物;ジオスメチン又はその塩、異性体、溶媒和物;スウェルチアマリン、スウェロシド、ゲンチオピクロサイド、ロガニン酸又はその塩、異性体、溶媒和物)又は本発明の上記医薬組成物を投与するステップを含むダニによる眼病の治療及び/又は予防方法である。
【0063】
具体的には、上記眼への投与は点眼剤、眼軟膏、眼科用ゲル剤、アイエマルジョン、眼科用懸濁液、眼科用フィルム剤、洗眼剤、眼内注射剤の形態で投与されてもよい。
【0064】
具体的には、本発明の化合物又は本発明の上記医薬組成物の投与量は、投与経路、被験者の年齢、体重、治療対象の疾患のタイプや重篤度などの変化に応じて、1回又は複数回投与されてもよい。
【0065】
比較した結果、対照群に比べて、本発明で示される化合物は、全て、ダニの生存時間を短縮させることができ、特にタラキセロール、ジオスメチン、ゲンチオピクロサイド、及びタラキサステロールアセテートはダニの生存時間を顕著に短縮させることができ、ダニ駆除・抑制製品(例えば医薬品、化粧品、日用品など)に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0066】
特に断らない限り、本発明で使用される全ての科学用語及び技術用語は本発明の当業者が通常理解するものと同義である。
【0067】
本発明では、「動物」という用語は一般に脊椎動物、特にヒトを含む哺乳類を指す。「非ヒト動物」という用語はヒト以外の任意の脊椎動物、特に哺乳類を指す。本発明のいくつかの実施形態では、本発明において、前記非ヒト動物は、ヒトが飼育して家畜化し、人為的に繁殖が制御可能な動物である家畜であり、例えば食用、労働、毛皮、ペット、実験などの目的に用いられ、例えば経済動物、ペット動物、実験動物などが挙げられる。経済動物としては、例えば家畜、例えばブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ロバ、キツネ、タヌキ、ミンク、キャメルなどが挙げられる。ペット動物としては、例えばイヌ、ネコ、ウサギ、ネズミ(例えばモルモット、ハムスター、スナネズミ、トトロ、リスなど)などが挙げられる。実験動物としては、例えばサル、イヌ、ウサギ、ネコ、ネズミ(例えばラット、マウス)などが挙げられる。
【0068】
以下、本発明の実施例を参照しながら、本発明の技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明する実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、実施例の全てというわけではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに実施し得る他の全ての実施例は本発明の特許範囲に属する。
【実施例
【0069】
実施例1:化合物のニキビダニの生存時間への影響に関するインビトロ一次スクリーニング
方法
1.単体化合物
選択した単体化合物の英語名及び分子式を以下の表1に示す。
これら化合物は成都瑞芬思生物科技有限公司から購入した標準品である。
【表1】
2.化合物溶液の製造
表1で示される化合物参照品の粉末をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した後、滅菌蒸留水で希釈し、DMSOの最終濃度を10%とし、対照試験をしたところ、この濃度では、コニキビダニの生存時間を短縮させることができなかった。陰性対照は滅菌水と混合した最終濃度10%のDMSOとした。
3.ニキビダニのインビトロ培養
スライドグラスあたり各溶液35μlを加え、2時間ごとに光学顕微鏡下でダニが生存しているか否かを1回観察した。顕微鏡下でダニ(体、手足など)が動いているか否かを観察することで死亡か否かを判断し、実験においては、ニキビダニに関して熟練した2人の実験者はそれぞれ観察して判定し、判定の結果が異なる場合、もう1人の熟練した実験者に個別に判定してもらった。インビトロ培養は、温度20℃、湿度96%の人工気候室にて行われ、スライドグラスは高湿度状態を確保するために観察中にウェットボックスで輸送された。
4.統計方法
本実験では、SPSS22.0統計ソフトウェアを用いて統計を行い、Shapiro-Wilk検定に正規性検定を行い、Bartlett検定に等分散性検定を行い、正規分布に合致し、分散が揃えているデータについて一元配置分散分析(One-way ANOVA)を行い、統計的有意性がある場合、Bonferroni法を用いて2群ずつ比較を行い、データが正規分布に合致しない場合、Kruskal-Wallis検定を用いて統計分析を行い、検定標準をα=0.05とした。
5.実験結果
化合物による毛包ニキビダニの生存時間への影響
湿度96%、温度20℃の環境下でニキビダニをインビトロ培養し、ニキビダニの生存を動的に観察して生存時間を記録した。結果を表2に示す。陰性対照である10% DMSOに比べて、タラキセロール群では、ニキビダニのインビトロ生存時間が顕著に短縮され(37.91±20.96 vs. 80.79±25.34, P=0.006)、ジオスメチン群では、ニキビダニのインビトロ生存時間が顕著に短縮され(35.92±14.82 vs. 80.79±25.34, P=0.001)、タラキサステロールアセテート群では、ニキビダニのインビトロ生存時間が対照群よりも顕著に短縮され(37.91±20.96 vs. 80.79±25.34, P<0.001)、ゲンチオピクロサイド群では、ニキビダニの生存時間が対照群よりも顕著に短縮され(37.31±36.06 vs. 80.79±25.34, P<0.001)、残りの単体化合物群では、ニキビダニの生存時間が対照群に対しては有意差が認められなかった(P>0.05)。
【表2】
【0070】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の主旨及び原則を逸脱することなく行われる全ての修正、等同置換などは本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【0071】
本発明に記載の前述実施例及び方法は、当業者の能力、経験や好みによって異なる。
【0072】
本発明では、記載されている方法のステップの順番は方法のステップの順番を何ら制限するものではない。