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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20241223BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
E04B1/94 K
E04B1/94 E
E04B1/94 D
E04B1/94 L
E04H9/02 321E
E04H9/02 321H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023134089
(22)【出願日】2023-08-21
【審査請求日】2023-09-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 「2023年度日本建築学会大会 学術講演梗概集・建築デザイン発表梗概集」,https://www.gakkai-web.net/p/aij/reg/mod2.php,3118「CLT外壁と柱・梁との取合い目地の耐火性能検証」,2023年8月10日掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】390024556
【氏名又は名称】株式会社シェルター
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】安達 広幸
(72)【発明者】
【氏名】武田 純一
(72)【発明者】
【氏名】孫田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】藤生 直人
(72)【発明者】
【氏名】山木戸 勇也
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 博則
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 紘史
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-278212(JP,A)
【文献】特許第4436530(JP,B2)
【文献】特開2024-80888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/94
E04H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木製の垂直材及び木製の横架材により構築された矩形形状の開口部を有する架構と、
前記架構の開口部に嵌め込まれた木製のパネルと、
前記垂直材の材軸方向及び前記横架材の材軸方向により規定される、前記架構及び当該架構の開口部に嵌め込まれたパネルの一面に取り付けられた耐火板材と、
前記耐火板材の表面に取り付けられた外装材と、
を備え、
前記耐火板材及び前記外装材は、前記垂直材、前記横架材及び前記パネルの各接合箇所において分割され、
前記架構と前記パネルとの間の目地に耐火繊維材が充填され、
前記耐火板材及び前記外装材の分割箇所を形成する目地に、当該目地の最奥部から開口端部に向けて耐火目地材及びシーリング材がこの順番で充填された、
構造体。
【請求項2】
前記耐火板材及び前記外装材の分割箇所を形成する目地は、前記垂直材、前記横架材及び前記パネルの各接合箇所の目地より狭い、
請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記外装材の目地の開口端部が、段付傾斜面に形成され、
前記段付傾斜面の少なくとも段付面に前記シーリング材が充填された、
請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記耐火板材は、少なくとも1層の石膏ボードからなる、
請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
前記耐火繊維材は、ロックウール又はグラスウールからなる、
請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記耐火目地材は、アルカリアースシリケートウールからなる、
請求項1に記載の構造体。
【請求項7】
前記シーリング材は、2成分形ポリウレタン系シーリング材又は2成分形変成シリコーン系シーリング材からなる、
請求項1に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築物の外壁を構成する構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
木造建築物の壁面構造として、特開2004-278212号公報(特許文献1)に記載されるように、木製柱及び木製梁により構築された矩形形状の架構に対して、矩形形状のパネルを嵌め込んだものが提案されている。このような壁面構造は、木製建築物に地震や台風などによる水平力が作用すると、平行四辺形的変形が生じ、その結果、パネルが架構に接触して水平力に対抗することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-278212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような壁面構造を使用して耐火性能を有する木製建築物の外壁を構成する場合、壁面構造の外面に対して、少なくとも1層の耐火板材及び外装材をこの順番で積層することが考えられる。しかしながら、架構に水平力が作用して平行四辺形的変形が生じた場合、架構とパネルとの取り合い部(接合箇所)において、耐火板材及び外装材が損傷する可能性があり、これによって耐火性能が損なわれるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、木製の垂直材及び木製の横架材により構築された架構とこれに嵌め込められた木製のパネルとの取り合い部において、耐火板材及び外装材の損傷を防ぎつつ耐火性能を確保することができる、構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
構造体は、木製の垂直材及び木製の横架材により構築された矩形形状の開口部を有する架構と、架構の開口部に嵌め込まれた木製のパネルと、垂直材の材軸方向及び横架材の材軸方法により規定される、架構及びその開口部に嵌め込まれたパネルの一面に取り付けられた耐火板材と、耐火板材の表面に取り付けられた外装材と、を備えている。そして、耐火板材及び外装材は、垂直材、横架材及びパネルの各接合箇所において分割されている。また、架構とパネルとの間の目地に耐火繊維材が充填され、耐火板材及び外装材の分割箇所を形成する目地に、その最奥部から開口端部に向けて耐火目地材及びシーリング材がこの順番で充填されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、木製の垂直材及び木製の横架材により構築された架構とこれに嵌め込められた木製のパネルとの取り合い部において、耐火板材及び外装材の損傷を防ぎつつ耐火性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】構造体の一例を示す平面図である。
図2図1におけるA-A断面図である。
図3】構造体の他の例を示す平面図である。
図4】構造体の要部の一例を示す拡大断面図である。
図5】架構に平行四辺形的変形が生じた様子の説明図である。
図6】パネルの変形例を示す平面図である。
図7】パネルの他の変形例を示す平面図である。
図8】パネルの他の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1及び図2は、木造建築物の外壁を構成する構造体100の一例を示している。ここで、以下説明する構造体100は、本実施形態のあくまで一例を示すものであり、その構成に限定されると解釈すべきではない。従って、本技術分野の当業者であれば、本実施形態の技術的思想の範囲内で、自らの経験、知識、技術常識などを考慮して、適宜変形可能であることはいうまでもない。
【0010】
構造体100は、木製の一対の柱110及び木製の一対の梁120により構築された矩形形状の開口部を有する架構130と、架構130の開口部に嵌め込まれた木製のパネル140と、架構130及びパネル140の一面に取り付けられた耐火板材150と、耐火板材150の表面に取り付けられた外装材160と、を備えている。
【0011】
柱110及び梁120は、例えば、無垢材又は集成材から構成されている。そして、周知の接合技術や接合金物を利用して、一対の柱110の下端が基礎(図示せず)に強固に固定され、その中間部に一対の梁120の両端部が強固に固定されて架構130が構築されている。ここで、柱110が垂直材の一例として挙げられ、梁120が横架材の一例として挙げられる。なお、図1に示す架構130は、柱勝ちの架構であるが、図3に示すような梁勝ちの架構であってもよい。
【0012】
パネル140は、例えば、平面視で矩形形状を有する直交集成材CLTから構成され、架構130の開口部に対して所定寸法の目地(例えば、50mm)を隔てて嵌め込み可能な寸法を有している。ここで、目地の所定寸法は、地震などの水平力が架構130に作用して変形四辺形的変形が生じたときに、柱110、梁120及びパネル140に生じ得る相対変位量を考慮して適宜決定することができる。そして、パネル140は、周知の接合技術や接合金物を利用して、架構130の開口部に嵌め込まれて固定されている。なお、パネル140の板厚としては、例えば、これが嵌め込まれる架構130の柱110の寸法と略同じとすることができる。このようにすれば、架構130とパネル140との取り合い部が面一になって、ここに耐火板材150及び外装材160を取り付ける作業が容易になる。
【0013】
耐火板材150は、架構130及びその開口部に嵌め込まれたパネル140の一面、具体的には、柱110の材軸方向及び梁120の材軸方向により規定される2面のうち、木造建築物の室外側に配置された外面に、例えば、接着剤やステープルなどにより固定されている。耐火板材150は、例えば、図4に示すように、架構130及びパネル140側に配置された下張り耐火板材150Aと、下張り耐火板材150Aの表面に配置された上張り耐火板材150Bと、を含むことができる。ここで、下張り耐火板材150A及び上張り耐火板材150Bは、木造建築物の外面が雨などに晒されることを踏まえ、例えば、耐水強化石膏ボードとすることができる。また、下張り耐火板材150A及び上張り耐火板材150Bの厚さは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、耐火板材150は、上述した2層に限らず、例えば、構造体100に要求される耐火性能に応じた2層以上としてもよい。
【0014】
外装材160は、例えば、軽量気泡コンクリートALC、サイディングから構成され、周知の接合技術や接合金物を利用して、耐火板材150の表面(外表面)に取り付けられている。
【0015】
ところで、矩形形状の開口部を有する架構130に地震などの水平力が作用すると、図5に示すように、架構130に平行四辺形的変形が生じ、その結果、柱110、梁120及びパネル140の取り合い部(接合箇所)に相対変位が発生してしまう。その相対変位がある程度大きくなると、架構130及びパネル140に取り付けられた耐火板材150及び外装材160に許容限度を超えた応力が発生して損傷し、構造体100の耐火性能が低下してしまうことが懸念される。
【0016】
そこで、本実施形態では、図2に示されるように、耐火板材150及び外装材160は、架構130とパネル140との接合箇所、要するに、柱110、梁120及びパネル140の各接合箇所において分割されている。ここで、耐火板材150及び外装材160の分割箇所には、所定寸法(例えば、25mm)の目地が設けられている。従って、このように耐火板材150及び外装材160を分割することで、架構130に水平力が作用して平行四辺形的変形が生じても、柱110、梁120及びパネル140の相対変位に追従して耐火板材150及び外装材160が移動するので、これらの損傷を抑制することができる。
【0017】
また、架構130とパネル140との接合箇所、並びに耐火板材150及び外装材160の分割箇所には、上述したような目地が設けられているので、その箇所の耐火性能を確保する必要がある。
【0018】
そこで、本実施形態では、図2及び図4に示すように、柱110及び梁120により構築される架構130とパネル140との間の目地に、耐火繊維材170が充填されている。ここで、耐火繊維材170としては、例えば、優れた断熱性能、耐熱性能及び吸音性能を有するロックウール又はグラスウールとすることができる。なお、ロックウールは、グラスウールよりも水や湿気に強いばかりか、グラスウールよりも高温に耐え得るため、耐火繊維材170として適切なものであるが、広く使用されているグラスウールであっても十分な性能を発揮可能である。
【0019】
一方、耐火板材150及び外装材160の分割箇所には、図2及び図4に示すように、分割箇所にある目地の最奥部から開口端部に向けて、耐火目地材180及びシーリング材190がこの順番で充填されている。具体的には、外装材160の目地の開口端部は、図4に示すように、段付傾斜面160Aに形成されている。ここで、段付傾斜面160Aは、外装材160の開口端部が斜めに延びる傾斜面160A1に形成され(要するに、面取加工され)、その奥部が目地と平行に延びる平面視で矩形形状の段付面160A2に形成されている。そして、目地の最奥部から外装材160の段付面160A2の直下まで耐火目地材180が充填され、その上層(外層)にシーリング材190が充填されている。
【0020】
耐火目地材180としては、例えば、アルカリアースシリケートウール(AESウール)を使用することができる。アルカリアースシリケートウールは、シリカ、カルシア、マグネシアを主成分とし、任意の形状に成形した人造鉱物繊維断熱材である。アルカリアースシリケートウールは、耐熱性に優れているだけでなく耐衝撃性に優れており、軽量で取り扱いが容易であるという特長を有している。
【0021】
シーリング材190としては、例えば、2成分形ポリウレタン系シーリング材、又は2成分形変成シリコーン系シーリング材を使用することができる。2成分形ポリウレタン系シーリング材又は2成分形変成シリコーン系シーリング材は、耐候性、耐久性、接着性、良好な施工品質、追従性を有するシーリング材であって、建築物で広く利用されているものである。ここで、2成分形のシーリング材は、基材と硬化剤とが反応して硬化する混合反応硬化型のシーリング材であって、1成分形に比べて2液系コーキングガンや撹拌機が必要となるが、硬化速度の制御がし易いという特長を有している。
【0022】
かかる構造体100によれば、柱110及び梁120により構築された架構130に地震などの水平力が作用すると、架構130には、上述したように、平行四辺形的変形が生じる(図5参照)。ここで、架構130及びその開口部に嵌め込まれたパネル140の一面に取り付けられた耐火板材150及び外装材160は、架構130を構築する柱110及び柱120並びにパネル140の各接合箇所において分割されている。従って、柱110、梁120及びパネル140に相対変位が発生しても、これに追従して分割された各部材が移動するので、耐火板材150及び外装材160の損傷などを避けることができる。
【0023】
また、柱110又は梁120とパネル140との間の目地に耐火繊維材170が充填されているため、柱110、梁120及びパネル140に相対変位が発生しても、耐火繊維材170が弾性変形して追従する。このため、柱110、梁120及びパネル140の間の目地に隙間が発生することが抑制され、耐火性能を維持することができる。
【0024】
さらに、耐火板材150及び外装材160の分割箇所には、その最奥部から開口端部に向けて耐火目地材180及びシーリング材190がこの順番で層状に充填されている。このため、架構130に平行四辺形的変形が生じ、分割された耐火板材150及び外装材160の目地の幅が変化しても、耐火目地材180及びシーリング材190が弾性変形して追従し、耐火性能を維持することができる。ここで、シーリング材190は、外装材160の開口端部に形成された段付傾斜面160Aの奥部にある段付面160A2に充填されているため、外装材160との接触面積の増加を通して、外装材160に対する優れた密着性を発揮することができる。
【0025】
このように構成された構造体100の耐火性能を確認するため、以下のような条件で試験体の加熱試験を行った。
【0026】
柱110、梁120及びパネル140を模擬する試験体として、厚さ150mmの直交集成材CLTを使用した。また、2層の耐火板材150として、厚さ21mmの下張り耐水強化石膏ボードを使用するとともに、厚さ15mmの耐水強化石膏ボードを使用した。直交集成材CLTを目地幅50mmで複数に分割し、その目地に厚さ50mm、80kg/mのロックウールを充填した。耐火板材150及び外装材160を直交集成材CLTの分割箇所において目地幅25mmで複数に分割し、その目地の最奥部から62mmまで耐火目地材180としてのアルカリアースシリケートウールを充填するとともに、そこから15mmに亘ってシーリング材190を充填した。
【0027】
そして、加熱条件は、ISO834に規定される標準加熱温度曲線に従った2時間加熱とし、小型壁炉によって試験体の加熱試験を行った。ここでは、試験体の加熱終了後に6時間経過するまで温度測定を継続し、試験体の温度測定値がすべて低下傾向になったことが確認できたら、試験体を解体して観察した。その結果、直交集成材CLTの表面は、変色しておらず、炭化が全く生じていないことが確認できた。
【0028】
従って、本実施形態に係る構造体100は、各部材の目地について、優れた耐火性能を発揮可能であることを理解できるであろう。
【0029】
柱110及び梁120により構築された架構130の開口部に嵌め込まれるパネル140は、図1に示される1枚に限らず、例えば、架構130の大きさに応じて、図6に示すように、複数枚(図示の例では2枚)から構成されていてもよい。この場合には、各パネル140の目地に、耐火繊維材170が充填されていればよい。なお、パネル140は、図6に示すような横方向だけでなく、縦方向に複数枚配置、又は横方向及び縦方向にそれぞれ複数枚配置されていてもよい。これらのパネル140は、周知の接合技術や接合金物を使用して連結することができる。
【0030】
パネル140は、直交集成材CLTからなる構成に限らず、図7及び図8に示すような構成であってもよい。即ち、パネル140は、水平方向に延びる一対の木製の横架材140Aと、一対の横架材140Aの両端部及び中間部(図示の例では3か所)を相互に連結する複数の木製の垂直材140Bと、一対の木製の面材140Cと、を含んでいる。面材140Cは、一対の横架材140A及び一対の垂直材140Bにより構築された枠体の両面に対して、接着剤やステープルなどでそれぞれ取り付けられている。また、横架材140A、垂直材140B及び面材140Cにより区画される直方体形状の空間には、断熱性、耐火性及び遮音性を確保すべく、ロックウールやグラスウールなどの耐火繊維材140Dが充填されている。
【0031】
このようなパネル140は、中実の直交集成材CLTよりも軽量であるため、構造体100の重量を軽減することができる。構造体100の重量が減ると、これを支持する他の架構の負荷が軽減され、木造建築物の耐久性を向上させることができる。
【0032】
なお、当業者であれば、様々な上記実施形態の技術的思想について、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置き換えたりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
【符号の説明】
【0033】
100…構造体
110…柱(垂直材)
120…梁(横架材)
130…架構
140…パネル
150…耐火板材
150A…下張り耐火板材(石膏ボード)
150B…上張り耐火板材(石膏ボード)
160…外装材
160A…段付傾斜面
160A2…段付面
170…耐火繊維材
180…耐火目地材
190…シーリング材
【要約】
【課題】木製の垂直材及び木製の横架材により構築された架構とこれに嵌め込められた木製のパネルとの取り合い部において、耐火板材及び外装材の損傷を防ぎつつ耐火性能を確保する。
【解決手段】構造体100は、木製の柱110及び木製の梁120により構築された架構130と、その開口部に嵌め込まれた木製のパネル140と、架構130及びパネル140の一面に取り付けられた耐火板材150と、その表面に取り付けられた外装材160と、を備えている。耐火板材150及び外装材160は、柱110、梁120及びパネル140の各接合箇所において分割されている。また、架構130とパネル140との間の目地に耐火繊維材170が充填され、耐火板材150及び外装材160の分割箇所を形成する目地に、その最奥部から開口端部に向けて耐火目地材180及びシーリング材190がこの順番で充填されている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8