(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20241223BHJP
【FI】
A61L2/10
(21)【出願番号】P 2021069947
(22)【出願日】2021-04-16
【審査請求日】2024-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】308022922
【氏名又は名称】株式会社ワークソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】荻原 真二
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 清美
(72)【発明者】
【氏名】宮本 治彦
(72)【発明者】
【氏名】跡部 光朗
(72)【発明者】
【氏名】原 敏美
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-022538(JP,A)
【文献】特開2017-063899(JP,A)
【文献】登録実用新案第3210243(JP,U)
【文献】特開2021-194358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の手の指先から少なくとも手首部までを覆うように前記作業者の手に装着された紫外線非透過性材料でなる手袋に対し、紫外線照射部が発する紫外線を照射して前記手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置であって、
前記紫外線を遮光する紫外線遮光部材でなり、内部に殺菌室を有する殺菌室筐体と、
前記殺菌室に挿入した前記手袋を装着した手の所定の動きに連動して「シャッター閉」又は「シャッター開」の状態となり、「シャッター閉」の状態においては前記紫外線を前記作業者の前記手首部において遮光する第1シャッター片及び第2シャッター片と、
前記第1シャッター片及び第2シャッター片の少なくとも一方のシャッター片に対して、前記「シャッター開」の状態を保持させようとする付勢力を付与する付勢力付与部材と、
を備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線照射装置において、
前記殺菌室筐体は、前記手袋を装着した手を前記殺菌室に挿入したときの手の甲側に位置する第1殺菌室筐体部と、手のひら側に位置する第2殺菌室筐体部と、に分かれていて、前記第1殺菌室筐体部と前記第2殺菌室筐体部との対向面がそれぞれ開口面となっており、前記第1殺菌室筐体部の側の前記開口面には、前記殺菌室に挿入した前記手袋を装着した手によって当該手袋を装着した手の手のひらに直交する方向の押圧力を受ける紫外線透過可能な押圧力受け部が取り付けられており、
前記第1殺菌室筐体部の各側面のうち、前記手袋を装着した手を前記殺菌室に挿入する側に位置する前側の側面が前記第1シャッター片として機能するとともに、前記第2殺菌室筐体部の各側面のうち、前記手袋を装着した手を前記殺菌室に挿入する側に位置する前側の側面が前記第2シャッター片として機能し、
前記第1殺菌室筐体部は、
当該第1殺菌室筐体部の前記前側の側面とは反対側に位置する後側の側面が、前記第2殺菌室筐体部の前記前側の側面とは反対側に位置する後側の側面に対して、開閉支持部によって軸支されていて、前記第2殺菌室筐体部に対して前記開閉支持部を支点として開閉自在となっており、
前記第1殺菌室筐体部と前記第2殺菌室筐体部との間には、前記付勢力付与部材が介在されており、前記押圧力受け部に前記押圧力が付与されると、前記「シャッター閉」の状態となり、前記押圧力受け部に付与されている前記押圧力が解除されると、前記「シャッター開」の状態となることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の紫外線照射装置において、
前記第1殺菌室筐体部及び前記第2殺菌室筐体部は、一方の殺菌室筐体部が他方の殺菌室筐体部よりも一回り大きなサイズとなっており、前記「シャッター閉」の状態となった際には、前記一方の殺菌室筐体部の前記各側面と前記他方の殺菌室筐体部の各側面との間に重畳領域が形成されることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項1に記載の紫外線照射装置において、
前記第1シャッター片は、ほぼ半円を描くような板状をなし、前記ほぼ半円の弧に沿った方向の中途部において第1支持軸により回転自在に支持されているとともに、前記第2シャッター片は、ほぼ半円を描くような板状をなし、前記ほぼ半円の弧に沿った方向の中途部において第2支持軸により回転自在に支持されており、
前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片は、前記「シャッター開」の状態においては、第1シャッター片の前記第1支持軸から当該第1シャッター片の周方向に沿った端部までの間と、第2シャッター片の前記第2支持軸から当該第2シャッター片の周方向に沿った端部までの間とには、互いに交差する交差部が形成されるように配置されており、
前記「シャッター開」の状態において、前記殺菌室に挿入した手袋を装着した手が手のひらに直交する方向に動くことによって、前記手首部の押圧力が前記交差部に付与されると、前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが、前記付勢力付与部材の付勢力に抗して前記第1支持軸及び前記第2支持軸を支点に回転して、前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが閉ループを形成して前記「シャッター閉」の状態となり、前記交差部に付与されている前記押圧力が解除されると、前記「シャッター開」の状態となることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の紫外線照射装置において、
前記殺菌室には、当該殺菌室に挿入された前記手袋を装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有する棒状の挿入位置決め部が設けられていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項6】
請求項1に記載の紫外線照射装置において、
前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片はそれぞれが板状をなし、当該板状をなす前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片には、前記「シャッター閉」の状態又は前記「シャッター開」の状態となるように前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片を往復動させるためのリンク機構が設けられ、
前記リンク機構は、
一端部と他端部との間の中途部には鈍角の角度で屈曲している第1屈曲部が形成され、当該第1屈曲部が第1支持軸を支点にして回転自在に軸支されている第1リンクバーと、
一端部と他端部との間の中途部には鈍角の角度で屈曲している第2屈曲部が形成され、当該第2屈曲部が第2支持軸を支点にして回転自在に軸支されている第2リンクバーと、
を有し、
前記第1リンクバーは、当該第1リンクバーの前記一端部が前記第1シャッター片の板面に取り付けられ、当該第1リンクバーの前記他端部が自由端となっていて当該他端部の側には第1長孔が形成されており、
前記第2リンクバーは、当該第2リンクバーの前記一端部が前記第2シャッター片の板面に取り付けられ、当該第2リンクバーの前記他端部が自由端となっていて当該他端部の側には第2長孔が形成されており、
前記第1リンクバー及び前記第2リンクバーは、前記第1長孔と前記第2長孔とが重畳部分を有するように配置され、前記第1長孔と前記第2長孔との前記重畳部分には、開閉操作部が差し込まれており、
前記手袋を装着した手の挿入方向の押圧力が前記開閉操作部に付与されると、当該開閉操作部が前記挿入方向に移動することにより、前記付勢力付与部材の付勢力に抗して前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが互いに接近する方向に移動して「シャッター閉」の状態となり、前記開閉操作部に付与されている前記押圧力が解除されると、前記「シャッター開」の状態となることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項7】
請求項6に記載の紫外線照射装置において、
前記開閉操作部は、棒状部材を有しており、前記手袋を装着した手が前記殺菌室に挿入された際には、前記棒状部材が前記手袋を装着した手の親指と人差し指との間の股部に入り込むように、当該棒状部材が前記第1長孔と前記第2長孔との前記重畳部分に差し込まれていていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項8】
請求項7に記載の紫外線照射装置において、
前記棒状部材は、前記手袋を装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項9】
請求項6に記載の紫外線照射装置において、
前記開閉操作部は、内側に空間を有する枠体と、当該枠体を吊るす枠体吊り部材と、を有しており、前記手袋を装着した手が前記殺菌室に挿入された際には、前記手袋を装着した手の親指が前記枠体の空間部に挿入可能となるように前記枠体吊り部材が前記第1長孔と前記第2長孔との前記重畳部分に差し込まれていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項10】
請求項9に記載の紫外線照射装置において、
前記枠体は、前記手袋を装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項11】
請求項6~10のいずれかに記載の紫外線照射装置において、
前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが前記シャッター閉の状態となった際における前記第1シャッター片と前記第2シャッター片との当接部には、前記手袋を装着した手の挿入方向に沿った傾斜面が互いに対面するようにそれぞれに形成されており、前記シャッター閉の状態においては、それぞれの傾斜面同士が当接することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の紫外線照射装置において、
前記第1シャッター片には第1手首部包囲部材が設けられているとともに前記第2シャッター片には第2手首部包囲部材が設けられており、前記「シャッター閉」の状態となった際には、前記第1手首部包囲部材と前記第2手首部包囲部材とによって、前記手袋を装着した手の前記手首部の外周面に沿うように当該外周面を囲み、前記「シャッター開」の状態となった際には、前記手袋を装着した手が前記殺菌室に対して挿脱可能となることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項13】
請求項1~12に記載の紫外線照射装置において、
前記「シャッター閉」の状態となったことを検出するとシャッター閉状態検出信号を出力するシャッター閉状態検出センサーと、
前記紫外線照射部に対して点灯・消灯制御を行う機能を有する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記シャッター閉状態検出センサーから出力されたシャッター閉状態検出信号に基づいて前記紫外線照射部を点灯させる制御を行うことを特徴とする紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線による殺菌は、ノロウイルス、サルモネラ菌、O157などの広い範囲のウイルスや菌に対して高い効果が得られることから、食品業界や医療の分野などにおいては、紫外線を用いた紫外線照射装置が注目されている。
【0003】
紫外線は広い範囲のウイルスや菌に対して高い効果が得られるが、その一方で、作業者及びその周囲の作業者に紫外線が照射されると、当該作業者及びその周囲の作業者に悪影響を与えることも知られている。このため、殺菌室筐体内に形成されている殺菌室において照射される紫外線が当該作業者及びその周囲の作業者に悪影響を与えない安全性の高い紫外線照射装置であることが重要であり、この点を考慮した安全性の高い紫外線照射装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図16は、特許文献1に記載されている紫外線照射装置900を説明するための斜視図である。特許文献1に記載されている紫外線照射装置900は、
図16に示すように、手袋Gを装着した手が挿入される挿入口910を有する殺菌室筐体920と、殺菌室筐体920内に形成されている殺菌室921内に紫外線を照射する紫外線照射ランプ930と、挿入口910の縁部から殺菌室921内に向かう方向に延出され、手袋を装着した手の挿入をガイドするとともに紫外線を遮光するスリーブ状のガイド部940と、挿入口910の正面及び側面を覆う紫外線遮光板950とを備えている。
【0005】
なお、特許文献1に記載されている紫外線照射装置900は、手袋Gを装着した手を上から下方向に挿入するタイプの紫外線照射装置であるが、手袋Gを装着した手を下から上方向に挿入するタイプの紫外線照射装置、手袋Gを装着した手を水平方向に挿入するタイプの紫外線照射装置も知られている。
【0006】
特許文献1に記載されている紫外線照射装置900は、作業者の手に装着された手袋Gに対し、紫外線を照射して手袋Gの表面を殺菌する紫外線照射装置である。すなわち、作業者の手に装着された手袋Gを装着した手を挿入口910から殺菌室921内に挿入すると、殺菌室921内で紫外線照射ランプ930が点灯して、手袋Gの表面に紫外線が照射されるようになっている。これにより、手袋Gの表面を殺菌することができる。
【0007】
また、特許文献1に記載されている紫外線照射装置900は、上述したように、スリーブ状のガイド部940及び紫外線遮光板950を有している。このため、殺菌室921内に照射される紫外線が、現時点で殺菌を行っている作業者及びその周囲の作業者に照射されてしまうことを抑制できる。これによって、特許文献1に記載されている紫外線照射装置900は、殺菌室921内に照射される紫外線が、現時点で殺菌を行っている作業者及びその周囲の作業者に悪影響を与えない安全性の高い紫外線照射装置であるといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、特許文献1に記載されている紫外線照射装置900は安全性の高い紫外線照射装置であるが、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置の開発が望まれている。ここで、挿入口910から紫外線が漏れ出ないように、紫外線を確実に遮光できれば、現時点で殺菌を行っている作業者及びその周囲の作業者に紫外線が照射されてしまうことを確実に防止できる。このため、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置とするには、作業者が手袋を紫外線照射装置に挿入した際に、紫外線が殺菌室921の外に照射されることを確実に防止することが課題となる。
【0010】
特に、作業者が行う作業に内容などによっては、作業者の手首までしか覆うことのできない短めの手袋を使用し、かつ、手首よりも肘側の腕の領域を覆うアームカバーなども着用できない場合もある。このような場合においては、作業者の腕が露出した状態、すなわち、腕が素肌の状態で、手袋Gを装着した手を挿入口910から殺菌室921に挿入することとなる。このような場合、作業者の手首や腕は挿入口910よりも外側に位置することとなるが、紫外線照射装置から紫外線が外部に漏れ出ると、漏れ出た紫外線が手首や腕にも照射されてしまう場合もある。このような場合に対処できるようにするためにも、紫外線が紫外線照射装置の外に照射されることを確実に防止することが重要である。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、手袋を装着した手を紫外線照射装置に挿入した際に、紫外線が紫外線照射装置の外に照射されることを確実に防止して、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[1]本発明の紫外線照射装置は、作業者の手の指先から少なくとも手首部までを覆うように前記作業者の手に装着された紫外線非透過性材料でなる手袋に対し、紫外線照射部が発する紫外線を照射して前記手袋の表面を殺菌する紫外線照射装置であって、前記紫外線を遮光する紫外線遮光部材でなり、内部に殺菌室を有する殺菌室筐体と、前記殺菌室に挿入した前記手袋を装着した手の所定の動きに連動して「シャッター閉」又は「シャッター開」の状態となり、「シャッター閉」の状態においては前記紫外線を前記作業者の前記手首部において遮光する第1シャッター片及び第2シャッター片と、前記第1シャッター片及び第2シャッター片の少なくとも一方のシャッター片に対して、前記「シャッター開」の状態を保持させようとする付勢力を付与する付勢力付与部材と、を備えることを特徴とする。
【0013】
[2]本発明の紫外線照射装置においては、前記殺菌室筐体は、前記手袋を装着した手を前記殺菌室に挿入したときの手の甲側に位置する第1殺菌室筐体部と、手のひら側に位置する第2殺菌室筐体部と、に分かれていて、前記第1殺菌室筐体部と前記第2殺菌室筐体部との対向面がそれぞれ開口面となっており、前記第1殺菌室筐体部の側の前記開口面には、前記殺菌室に挿入した前記手袋を装着した手によって当該手袋を装着した手の手のひらに直交する方向の押圧力を受ける紫外線透過可能な押圧力受け部が取り付けられており、前記第1殺菌室筐体部の各側面のうち、前記手袋を装着した手を前記殺菌室に挿入する側に位置する前側の側面が前記第1シャッター片として機能するとともに、前記第2殺菌室筐体部の各側面のうち、前記手袋を装着した手を前記殺菌室に挿入する側に位置する前側の側面が前記第2シャッター片として機能し、前記第1殺菌室筐体部は、当該第1殺菌室筐体部の前記前側の側面とは反対側に位置する後側の側面が、前記第2殺菌室筐体部の前記前側の側面とは反対側に位置する後側の側面に対して、開閉支持部によって軸支されていて、前記第2殺菌室筐体部に対して前記開閉支持部を支点として開閉自在となっており、前記第1殺菌室筐体部と前記第2殺菌室筐体部との間には、前記付勢力付与部材が介在されており、前記押圧力受け部に前記押圧力が付与されると、前記「シャッター閉」の状態となり、前記押圧力受け部に付与されている前記押圧力が解除されると、前記「シャッター開」の状態となることが好ましい。
【0014】
[3]本発明の紫外線照射装置においては、前記第1殺菌室筐体部及び前記第2殺菌室筐体部は、一方の殺菌室筐体部が他方の殺菌室筐体部よりも一回り大きなサイズとなっており、前記「シャッター閉」の状態となった際には、前記一方の殺菌室筐体部の前記各側面と前記他方の殺菌室筐体部の各側面との間に重畳領域が形成されることが好ましい。
【0015】
[4]本発明の紫外線照射装置においては、前記第1シャッター片は、ほぼ半円を描くような板状をなし、前記ほぼ半円の弧に沿った方向の中途部において第1支持軸により回転自在に支持されているとともに、前記第2シャッター片は、ほぼ半円を描くような板状をなし、前記ほぼ半円の弧に沿った方向の中途部において第2支持軸により回転自在に支持されており、前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片は、前記「シャッター開」の状態においては、第1シャッター片の前記第1支持軸から当該第1シャッター片の周方向に沿った端部までの間と、第2シャッター片の前記第2支持軸から当該第2シャッター片の周方向に沿った端部までの間とには、互いに交差する交差部が形成されるように配置されており、前記「シャッター開」の状態において、前記殺菌室に挿入した手袋を装着した手が手のひらに直交する方向に動くことによって、前記手首部の押圧力が前記交差部に付与されると、前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが、前記付勢力付与部材の付勢力に抗して前記第1支持軸及び前記第2支持軸を支点に回転して、前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが閉ループを形成して前記「シャッター閉」の状態となり、前記交差部に付与されている前記押圧力が解除されると、前記「シャッター開」の状態となることが好ましい。
【0016】
[5]本発明の紫外線照射装置においては、前記殺菌室には、当該殺菌室に挿入された前記手袋を装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有する棒状の挿入位置決め部が設けられていることが好ましい。
【0017】
[6]本発明の紫外線照射装置においては、前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片はそれぞれが板状をなし、当該板状をなす前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片には、前記「シャッター閉」の状態又は前記「シャッター開」の状態となるように前記第1シャッター片及び前記第2シャッター片を往復動させるためのリンク機構が設けられ、前記リンク機構は、一端部と他端部との間の中途部には鈍角の角度で屈曲している第1屈曲部が形成され、当該第1屈曲部が第1支持軸を支点にして回転自在に軸支されている第1リンクバーと、一端部と他端部との間の中途部には鈍角の角度で屈曲している第2屈曲部が形成され、当該第2屈曲部が第2支持軸を支点にして回転自在に軸支されている第2リンクバーと、を有し、前記第1リンクバーは、当該第1リンクバーの前記一端部が前記第1シャッター片の板面に取り付けられ、当該第1リンクバーの前記他端部が自由端となっていて当該他端部の側には第1長孔が形成されており、前記第2リンクバーは、当該第2リンクバーの前記一端部が前記第2シャッター片の板面に取り付けられ、当該第2リンクバーの前記他端部が自由端となっていて当該他端部の側には第2長孔が形成されており、前記第1リンクバー及び前記第2リンクバーは、前記第1長孔と前記第2長孔とが重畳部分を有するように配置され、前記第1長孔と前記第2長孔との前記重畳部分には、開閉操作部が差し込まれており、前記手袋を装着した手の挿入方向の押圧力が前記開閉操作部に付与されると、当該開閉操作部が前記挿入方向に移動することにより、前記付勢力付与部材の付勢力に抗して前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが互いに接近する方向に移動して「シャッター閉」の状態となり、前記開閉操作部に付与されている前記押圧力が解除されると、前記「シャッター開」の状態となることが好ましい。
【0018】
[7]本発明の紫外線照射装置においては、前記開閉操作部は、棒状部材を有しており、前記手袋を装着した手が前記殺菌室に挿入された際には、前記棒状部材が前記手袋を装着した手の親指と人差し指との間の股部に入り込むように、当該棒状部材が前記第1長孔と前記第2長孔との前記重畳部分に差し込まれていていることが好ましい。
【0019】
[8]本発明の紫外線照射装置においては、前記棒状部材は、前記手袋を装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有することが好ましい。
【0020】
[9]本発明の紫外線照射装置においては、前記開閉操作部は、内側に空間を有する枠体と、当該枠体を吊るす枠体吊り部材と、を有しており、前記手袋を装着した手が前記殺菌室に挿入された際には、前記手袋を装着した手の親指が前記枠体の空間部に挿入可能となるように前記枠体吊り部材が前記第1長孔と前記第2長孔との前記重畳部分に差し込まれていることが好ましい。
【0021】
[10]本発明の紫外線照射装置においては、前記枠体は、前記手袋を装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有することが好ましい。
【0022】
[11]本発明の紫外線照射装置においては、前記第1シャッター片と前記第2シャッター片とが前記シャッター閉の状態となった際における前記第1シャッター片と前記第2シャッター片との当接部には、前記手袋を装着した手の挿入方向に沿った傾斜面が互いに対面するようにそれぞれに形成されており、前記シャッター閉の状態においては、それぞれの傾斜面同士が当接することが好ましい。
【0023】
[12]本発明の紫外線照射装置においては、前記第1シャッター片には第1手首部包囲部材が設けられているとともに前記第2シャッター片には第2手首部包囲部材が設けられており、前記「シャッター閉」の状態となった際には、前記第1手首部包囲部材と前記第2手首部包囲部材とによって、前記手袋を装着した手の前記手首部の外周面に沿うように当該外周面を囲み、前記「シャッター開」の状態となった際には、前記手袋を装着した手が前記殺菌室に対して挿脱可能となることが好ましい。
【0024】
[13]本発明の紫外線照射装置においては、前記「シャッター閉」の状態となったことを検出するとシャッター閉状態検出信号を出力するシャッター閉状態検出センサーと、前記紫外線照射部に対して点灯・消灯制御を行う機能を有する制御部と、を有し、前記制御部は、前記シャッター閉状態検出センサーから出力されたシャッター閉状態検出信号に基づいて前記紫外線照射部を点灯させる制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の紫外線照射装置においては、殺菌室に挿入した手袋を装着した手の所定の動きに連動して「シャッター閉」の状態又は「シャッター開」の状態となり、「シャッター閉」の状態においては紫外線を作業者の手首部において遮光する第1シャッター片及び第2シャッター片を備えている。このため、手袋を装着した手を紫外線照射装置に挿入した際には、紫外線が紫外線照射装置の外に照射されることを確実に防止して、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置を提供することができる。また、第1シャッター片及び第2シャッター片の開閉動作は、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室内に挿入した際に、当該手袋Gを装着した手の動きに連動して行わせることができる。このため、第1シャッター片及び第2シャッター片を開閉させるための駆動力として、モーターなどの動力源及びその制御系も不要とすることができる。これにより、紫外線照射装置を安価に製造できることは勿論、紫外線照射装置の小型・軽量化が可能となり、持ち運びや設置などを容易なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態1に係る紫外線照射装置1を説明するために示す図である。
【
図2】挿入位置決め部150を説明するために示す図である。
【
図3】実施形態1に係る紫外線照射装置1における紫外線照射ランプ120の制御系を説明するために示すブロック図である。
【
図4】実施形態1に係る紫外線照射装置1におけるシャッター(第1シャッター片210及び第2シャッター片220)の動作を説明するために示すブロック図である。
【
図5】実施形態1に係る紫外線照射装置1の変形例を説明するために示す図である。
【
図6】実施形態2に係る紫外線照射装置2を説明するために示す図である。
【
図7】実施形態2に係る紫外線照射装置2の第1シャッター片310と第2シャッター片320について説明するために示す図である。
【
図8】実施形態2係る紫外線照射装置2の変形例を説明するために示す図である。
【
図9】実施形態3に係る紫外線照射装置3を説明するために示す図である。
【
図10】実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1シャッター片410と第2シャッター片420について説明するために示す図である。
【
図11】第1シャッター片410及び第2シャッター片420の動作を説明するために示す図である。
【
図12】実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1変形例を説明するために示す図である。
【
図13】実施形態3に係る紫外線照射装置3の第2変形例を説明するために示す図である。
【
図14】手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入する例を説明するために示す図である。
【
図15】第1シャッター片410及び第2シャッター片420の開閉動作を行わせるための他のリンク機構例を説明するために示す図である。
【
図16】特許文献1に記載されている紫外線照射装置900を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る紫外線照射装置1を説明するために示す図である。なお、
図1(a)は実施形態1に係る紫外線照射装置1の外観を示す斜視図である。また、
図1(b)は
図1のa-a矢視断面図である。なお、
図1(b)は手袋Gを装着した手が挿入されている状態が示されている。実施形態1に係る紫外線照射装置1は、「手袋Gを装着した手」の手の甲を上にして、ほぼ水平にした状態で紫外線照射装置1の殺菌室内に挿入するタイプの紫外線照射装置であるとする。
【0028】
まずは、手袋Gについて説明する。手袋Gは、紫外線非透過性材料でなる手袋であって、例えば、ニトリルやラッテクス等のゴム材又は酸化チタン等の紫外線遮断物質を含有する熱可塑性樹脂から形成される。この手袋Gは、作業者の指先から手首部までを覆う丈の短いものであるとする。このため、作業者が袖の短い作業用衣服を着用した場合、当該手袋Gを作業者の手に装着すると、作業者の手首部までは手袋Gによって覆われるが、手袋Gによって覆われていない作業者の腕の領域Waは肌が露出する状態となる。
【0029】
なお、手袋Gにおいて、作業者の手首部を覆う部分を、手袋Gの手首部Gaとする。また、手袋Gによって覆われていない作業者の腕の領域Waを、手袋Gの手首部Ga直下の素肌領域Wa又は単に素肌領域Waという。
【0030】
実施形態1に係る紫外線照射装置1は、紫外線を遮光する紫外線遮光部材でなり、内部に殺菌室110を有する殺菌室筐体100と、殺菌室110に挿入した手袋Gを装着した手の所定の動きに連動して「シャッター閉」の状態又は「シャッター開」の状態となり、「シャッター閉」の状態においては紫外線を作業者の手首部、すなわち、手袋Gの手首部Gaにおいて遮光する第1シャッター片210及び第2シャッター片220と、第1シャッター片210及び第2シャッター片220の少なくとも一方のシャッター片に対して、「シャッター開」の状態を保持させようとする付勢力を付与する付勢力付与部材230とを備えている。なお、付勢力付与部材230としては、例えば、オイルスプリングダンパーを用いることができる。
【0031】
また、第1シャッター片210には第1手首部包囲部材212が設けられているとともに前記第2シャッター片220には第2手首部包囲部材222が設けられている。第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222は、手袋Gの手首部Gaに接触する部分の形状が湾曲状となっていることが好ましい。
【0032】
そして、第1シャッター片210及び第2シャッター片220は、「シャッター閉」の状態となった際には、第1手首部包囲部材212と第2手首部包囲部材222とによって、手袋Gの手首部Gaの外周面に沿うように当該外周面を囲み、「シャッター開」の状態となった際には、手袋Gを装着した手が殺菌室110に対して挿脱可能となる。
【0033】
第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222は、例えば、ポリウレタンなどをスポンジ状とした柔軟性部材を例示できるが、柔軟性に富み、紫外線の遮光が可能で、手首を囲んだ状態となった際に、作業者に不快感を与えないような部材であれば特に限定されるものではない。なお、第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222は、それぞれ第1シャッター片210及び第2シャッター片220に着脱可能となっていて、交換可能であることが好ましい。
【0034】
ところで、実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、第1シャッター片210及び第2シャッター片220は、左右の手に対応して対をなして設けられている。これら対をなす第1シャッター片210及び第2シャッター片220をまとめて説明する際には、「一対の第1シャッター片210及び第2シャッター片220」と表記する場合もある。なお、以下の説明では、主に左手側の構成要素について説明するが、右手側においても、左手側の構成要素と同様の構成要素が設けられている。
【0035】
また、実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、殺菌室110に挿入した手袋Gを装着した手の掌(以下、「手のひら」と表記する。)によって当該手のひらに直交する方向(
図1においてz軸に沿ったz’方向)の押圧力、すなわち、
図1においては下方向の押圧力を受ける押圧力受け部130をさらに有している。なお、以下の説明においては、手のひらに直交する方向(
図1においてz軸に沿ったz’方向)を「押し下げ方向」と表記する場合もある。
【0036】
押圧力受け部130は、押し下げ方向の押圧力を受けると、押し下げ方向に所定量だけ移動し、押圧力が解除されると元の位置に復帰する動作を行うものである。また、この押圧力受け部130は、紫外線透過が可能で、かつ、手袋Gを装着した手による押し下げ方向の押圧力を受けることができれば特に限定されるものではない。実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、紫外線を効率的に通過させることができるように、網目の粗い網状部材でなるものとする。なお、網状部材としては、例えば、細い金属ワイヤーを格子状としたものであってもよく、また、透明のテフロン(登録商標)材を格子状にしたものであってもよく、紫外線の通過を可能な限り妨げないものであればよい。
【0037】
ここで、第1シャッター片210は、押圧力受け部130の動作に連動する可動シャッター片であり、第2シャッター片220は、固定して設けられている固定シャッター片である。そして、押圧力受け部130が押し下げ方向の押圧力を受けると、第1シャッター片210が押し下げ方向に所定量だけ移動して、「シャッター閉」の状態となり、押圧力受け部130に対する押圧力を解除すると、「シャッター開」の状態となる。
【0038】
このような構成とするための具体例について説明する。殺菌室筐体100は、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入したときの手の甲側に位置する第1殺菌室筐体部100Aと、手のひら側に位置する第2殺菌室筐体部100Bとに分かれていて、第1殺菌室筐体部100Aと第2殺菌室筐体部100Bとの対向面がそれぞれ開口面となっており、第1殺菌室筐体部100Aの側の開口面には、押圧力受け部130が取り付けられている。
【0039】
そして、第1殺菌室筐体部100Aの各側面101~104(側面104は目視できない位置にあるため符号が付されていない。)のうち、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入する側に位置する前側の側面101が第1シャッター片210として機能する。また、第2殺菌室筐体部100Bの各側面105~108(側面108は目視できない位置にあるため符号が付されていない。)のうち、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入する側に位置する前側の側面105が第2シャッター片220として機能する。
【0040】
第1殺菌室筐体部100Aは、当該第1殺菌室筐体部100Aの前側の側面101とは反対側に位置する後側の側面103が、第2殺菌室筐体部100Bの前側の側面105とは反対側に位置する後側の側面107に対して、開閉支持部240(ヒンジ240と表記する場合もある。)によって軸支されていて、第2殺菌室筐体部100Bに対してヒンジ240を支点として開閉自在(回転自在)となっている。
【0041】
また、第1殺菌室筐体部100Aと第2殺菌室筐体部100Bとの間には、上述した付勢力付与部材230が介在されており、押圧力受け部130に押し下げ方向の押圧力が付与されると、第1殺菌室筐体部100Aがヒンジ240を支点に回転して、「シャッター閉」の状態となり、押圧力受け部130に付与されている押し下げ方向の押圧力が解除されると、付勢力付与部材230の付勢力によって「シャッター開」の状態となる。
【0042】
すなわち、押し下げ方向の押圧力が押圧力受け部130に付与されていない状態(初期状態とする。)においては、第1殺菌室筐体部100Aは第2殺菌室筐体部100Bに対して開状態に保持されているため、第1シャッター片210と第2シャッター片220とは「シャッター開」の状態に保持される。これにより、作業者は、手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入することができる。この初期状態において、作業者が、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入して、当該手袋Gを装着した手を押圧力受け部130に載せて、当該手袋Gを装着した手で押圧力受け部130を押し下げ方向に押圧すると、第1殺菌室筐体部100Aは第2殺菌室筐体部100Bに対してヒンジ240を支点として、第1シャッター片210が第2シャッター片220の側に所定量だけ回転して、「シャッター閉」の状態となる。
【0043】
なお、手袋Gを装着した手で押圧力受け部130を押圧する際には、作業者は、ガススプリングダンパー(付勢力付与部材230)の存在によって多少の抵抗を感じながら押圧することとなるが、ガススプリングダンパーを最適な付勢力に設定しておくことにより、作業者は適度な負荷を感じながら押し下げ動作を行うことができる。
【0044】
また、第1殺菌室筐体部100Aは、第2殺菌室筐体部100Bよりも一回り大きなサイズとなっている。具体的には、第1殺菌室筐体部100Aは、当該第1殺菌室筐体部100Aの各側面101~104の各内壁面と第2殺菌室筐体部100Aの各側面105~108の各外壁面とが接触した状態で第2殺菌室筐体部100Bが第1殺菌室筐体部100Aに入る程度のサイズとなっている。
【0045】
このように、第1殺菌室筐体部100Aは第2殺菌室筐体部100Bよりも一回り大きなサイズとなっているため、「シャッター閉」の状態となった際には、第1殺菌室筐体部100Aの各側面101~104と第2殺菌室筐体部100Bの各側面105~108との間には、わずかであるが重畳領域145が形成される。この重畳領域145は、第1殺菌室筐体部100Aにおいては、各側面101~104のうち開口面側端部に近い帯状領域であり、第2殺菌室筐体部100Bにおいては、各側面105~108のうち開口面側端部に近い帯状領域(
図1において、薄い灰色で示されている領域)である。このような重畳領域145が形成されることにより、「シャッター閉」の状態となって紫外線照射ランプ120が点灯状態となった際には、紫外線照射ランプ120が発する紫外線が外部に照射されないようにすることができる。
【0046】
特に、第1シャッター片210として機能する前側の側面101と、第2シャッター片220として機能する前側の側面105とにおいても重畳領域145が形成されるため、紫外線照射ランプ120が発する紫外線が、作業者から見て手前側(作業者の素肌領域Wa側)に照射されることを確実に防ぐことができる。
【0047】
また、前述したように、第1シャッター片210には第1手首部包囲部材212が設けられているとともに第2シャッター片220には第2手首部包囲部材222が設けられている。このため、「シャッター閉」の状態となった際には、手袋Gの手首部Gaは、第1シャッター片210に設けられている第1手首部包囲部材212と第2シャッター片220に設けられている第2手首部包囲部材222とによって隙間なく覆われた状態となる。
【0048】
これにより、「シャッター閉」の状態となった際には、紫外線照射ランプ120が発する紫外線を手袋Gの手首部Gaにおいて確実に遮光することができ、紫外線が、作業者から見て手前側(作業者の素肌領域Wa側)に照射されることを、確実に防ぐことができる。また、第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材22は、スポンジ状などの柔軟部材でなるため、「シャッター閉」の状態となった際に、作業者に圧迫感などを与えることがなく、快適に殺菌作業を行うことができる。
【0049】
ところで、殺菌室筐体100内には、手袋Gを装着した手の挿入位置を決める挿入位置決め部150(
図1(b)参照。)が設けられている。当該挿入位置決め部150は、手袋Gを装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制機能を有するとともに、手袋Gを装着した手の各指を強制的に開かせるための強制開指機能を有している。この挿入位置決め部150は、手袋Gを装着した手を挿入した際に、手袋Gを装着した手の各指間に入り込んで、隣り合う指間に隙間を生じさせることができる程度の太さを有する棒状をなしている。挿入位置決め部150は、各指間に滑らかに挿入させるためには円柱状又は円筒状であることが好ましい。
【0050】
図2は、挿入位置決め部150を説明するために示す図である。挿入位置決め部150は、
図2示すように、親指F1と人指し指F2との間に入る第1挿入位置決め部151、人指し指F2と中指F3との間に入る第2挿入位置決め部152、中指F3と薬指F4との間に入る第3挿入位置決め部153、薬指F4と小指F5との間に入る第4挿入位置決め部154の4本の挿入位置決め部(第1~第4挿入位置決め部151~154)を有する。
【0051】
これら第1~第4挿入位置決め部151~154は、実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、第2殺菌室筐体部100Bの内部底面から垂直又はほぼ垂直に突出されるように設けられている(
図1(b)参照。)。ここで、第1~第4挿入位置決め部151~154のうちの第1挿入位置決め部151の突出長さは、第1殺菌室筐体部100Aが第2殺菌室筐体部100Bに対して開いた状態(
図1に示す「シャッター開」の状態)においても押圧力受け部130を突き抜けるような長さとなっている。一方、第2~第4挿入位置決め部152~154は、第1殺菌室筐体部100Aが第2殺菌室筐体部100Bに対して閉じた状態、すなわち、「シャッター閉」の状態において押圧力受け部130を突き抜け可能となるような長さとなっている。
【0052】
なお、このような第1~第4挿入位置決め部151~154を設けるに際しては、押圧力受け部130が、例えば、網状部材である場合、第1殺菌室筐体部100Aが第2殺菌室筐体部100Bに対して閉じた状態(「シャッター閉」の状態)となったときに、第1~第4挿入位置決め部151~154が網状部材の空間部を突き抜け可能となるように、網を構成する各格子の配置を設定する。
【0053】
また、挿入位置決め部150を構成する部材は、所定値以上の紫外線透過率を有する部材からなることが好ましく、例えば、石英、透明のテフロン(登録商標)などを用いることができる。このような透過率を有する部材であれば、紫外線照射を行った際、各指に対して確実に紫外線殺菌を行うことができる。
【0054】
ここで、第1~第4挿入位置決め部151~154のうち、特に、親指F1と人指し指F2との間に入る第1挿入位置決め部151は、挿入深さを規制する挿入深さ規制機能を有する。これは、人間の手首部から親指F1と人指し指F2との間の股部までの距離は、手の大きさにあまり依存せずに、個人差が出にくいとされているからである。
【0055】
このため、手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入した際に、親指F1と人指し指F2との間の股部の位置を規制することで、手袋Gを装着した手の挿入深さを適正に規制することができる。これにより、作業者の性別や体のサイズなどの影響を受けずに、手袋Gを装着した手の挿入深さを規制できる。換言すれば、手袋Gを装着した手の親指F1と人指し指F2との間の股部が、第1挿入位置決め部151に当接した位置で、紫外線照射ランプ120による殺菌を行うことで、手袋Gを装着した手を適正に殺菌することができる。このとき、親指F1と人指し指F2との間は、第1挿入位置決め部151によって強制的に開かれた状態にある。
【0056】
このように、第1挿入位置決め部151は、手袋Gを装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制機能を有するとともに、親指F1と人指し指F2とを強制的に開かせる強制開指機能を有する。
【0057】
一方、第2~第4挿入位置決め部152~154は、人指し指F2と中指F3との間、中指F3と薬指F4との間、薬指F4と小指F5との間を強制的に開かせる強制開指部としての機能を有する。人指し指F2と中指F3との間、中指F3と薬指F4との間、薬指F4と小指F5との間は、第2~第4挿入位置決め部152~154によって強制的に開かれた状態となるため、各指間にも紫外線が満遍なく照射されることとなり、適正な紫外線殺菌が行われる。
【0058】
なお、
図2では、第2~第4挿入位置決め部152~154は、各指の指先に近い部分に位置するように描かれているが、これに限られるものではなく、第2~第4挿入位置決め部152~154は各指間の股部に近い部分まで入り込むような位置に設けるようにしてもよい。
【0059】
また、実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、「シャッター閉」の状態となったことを検出するためのシャッター閉状態検出センサーSが設けられている。シャッター閉状態検出センサーSの取り付け位置は、シャッターが確実に閉状態となったことを検出できれば特に限定されるものではない。
【0060】
例えば、第1シャッター片210の第1手首部包囲部材212及び第2シャッター片220の及び第2手首部包囲部材222のそれぞれに、シャッター閉状態検出センサーとしての感圧センサー(第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2とする。)を取り付けることが一例として挙げられる。そして、第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からそれぞれ出力される感圧信号に基づいて紫外線照射ランプ120を点灯させるといった制御を行う。このように、第1シャッター片210の第1手首部包囲部材212及び第2シャッター片220の第2手首部包囲部材222のそれぞれに設けられている第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からの出力信号に基づいて紫外線照射ランプ120を点灯させるようにすることで、確実に「シャッター閉」の状態となったときに紫外線照射ランプ120を点灯させることができる。
【0061】
以上、実施形態1に係る紫外線照射装置1における第1シャッター片210及び第2シャッター片220及び第1シャッター片210及び第2シャッター片220の動作などについて主に説明したが、実施形態1に係る紫外線照射装置1の全体な構成について詳細に説明する。
【0062】
殺菌室筐体100は、金属板等の紫外線を遮光する紫外線遮光性部材で形成されており、殺菌室筐体100の作業者から見える面(
図1に示す殺菌室筐体100においては上面)には、2本のスリット141が所定間隔を置いて形成されている(
図1参照。)。この2本のスリット141には、スモーク加工などの紫外線を遮光できるような加工が施されている半透明のアクリル板などが嵌め込まれている。
【0063】
これにより、作業者は、手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入した際に、紫外線の影響を受けることなく、手袋Gを装着した手が殺菌室110の所定深さまで挿入された状態となっている否かを目視によっても確認できる。なお、「殺菌室110の所定深さまで挿入された状態」というのは、殺菌室110において適正な殺菌が可能となる深さまで挿入された状態であることを意味している。
【0064】
殺菌室筐体100の内部には紫外線照射部として、複数本の紫外線照射ランプ120が配設されている。紫外線の殺菌作用は、260nm前後の波長を有する紫外線が高いともいわれていることから、紫外線照射ランプとしては、260nmに近い254nmの波長を有する紫外線を発光する低圧水銀UVランプを用いることが好ましい。
【0065】
紫外線照射ランプ120は、殺菌室110内において、手袋Gを装着した手の甲側及び手のひら側に、当該手袋Gを装着した手の甲側及び手のひらからそれぞれ所定間隔を置いて設置されている。また、個々の紫外線照射ランプ120は、実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、所定間隔を置いて平行に、かつ、手袋Gを装着した手の幅方向(y軸方向)に沿って配置されている。また、紫外線照射ランプ120は、殺菌室110の内部において、殺菌室110の幅方向(y軸方向)のほぼ全域に亘って架け渡されている。なお、
図1においては、紫外線照射ランプ120としては、管状の紫外線照射ランプが示されているが、管状の紫外線照射ランプではなく、LED等の固体電子部品を用いた紫外線照射用のデバイスを用いてもよい。
【0066】
また、殺菌室筐体100の各内壁面には、反射板としての皺加工されたアルミニウム箔(図示は省略する。)が貼付されており、紫外線照射ランプ120から殺菌室110の各内壁面に向かう方向に照射された紫外線を反射しつつ散乱している。また、複数本の紫外線照射ランプ120の全体を覆うように、紫外線透過性材料でなる保護シート(図示は省略する。)が設けられている。保護シートとして用いる部材は、紫外線を相当程度透過することが可能な部材であれば何れのものでもよいが、例えば、石英、透明のテフロン(登録商標)等を用いることができる。
【0067】
図3は、実施形態1に係る紫外線照射装置1における紫外線照射ランプ120の制御系を説明するために示すブロック図である。紫外線照射ランプ120の制御を行うために必要な構成要素としては、
図3に示すように、「シャッター閉」の状態となったことを検出するためのシャッター閉状態検出センサーSとしての第1シャッター閉状態検出センサー(第1感圧センサーS1)及び第2シャッター閉状態検出センサー(第2感圧センサーS2)、制御部610と、種々の表示を行う表示部620とを有している。
【0068】
第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2は、第1シャッター片210と第2シャッター片220とがシャッター閉動作を行った場合に、それぞれ感圧信号を出力する。制御部610は、実施形態1に係る紫外線照射装置1全体の制御を行うものであるが、ここでは、紫外線照射ランプ120に対する点灯・消灯制御と、作業者に各種の情報を表示するための制御についてのみを記載する。制御部610は、第1シャッター片210と第2シャッター片220とがシャッター閉動作を行った場合に、第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からの感圧信号を受信すると、紫外線照射ランプ120を点灯させ、所定時間点灯させた後に紫外線照射ランプ120を消灯させるといった制御を行う。
【0069】
表示部620は、殺菌操作に関する様々な情報を表示する。例えば、「手を挿入してください」、「殺菌開始」、「殺菌終了」、「手を抜いてください」といった内容を例示することができ、これ以外にも様々な表示(例えば、挿入深さが適正か否かの表示)が可能である。
【0070】
続いて、実施形態1に係る紫外線照射装置1によって殺菌を行う際の各部の動作について
図1~
図4を参照して説明する。初期状態においては、第1殺菌室筐体部100Aは第2殺菌室筐体部100Bに対して開状態となっており、このような初期状態においては、第1シャッター片210及び第2シャッター片220は、「シャッター開」の状態となっている(
図1(a)参照。)。このため、手袋Gを装着した手は殺菌室110内に挿入可能となっている。
【0071】
図1(a)に示す初期状態において、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入する際には、作業者は、手袋Gを装着した手をすぼめた状態で殺菌室110内に挿入することが一般的であるが、親指と人指し指との間は多少開いた状態となることも一般的である。この状態で手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入して押圧力受け部130に手袋Gを装着した手を載せると、親指F1と人指し指F2との間の股部が第1位置決め部151に当接することとなり(
図1(b)参照。)、親指F1と人指し指F2との間は開かれた状態となる。
【0072】
この状態で、作業者は手袋Gを装着した手の手のひらで押圧力受け部130に押し下げ方向の押圧力を与えると、第1殺菌室筐体部100Aがヒンジ240を支点に所定角度だけ回転(
図1(b)においては反時計方向に回転)する。それによって、当該第1殺菌室筐体部100Aの第1シャッター片210と第2殺菌室筐体部100Bの第2シャッター片220とによるシャッター閉動作が行われるが、このとき、第2位置決め部152~第4位置決め部154が、押圧力受け部130から上方に突き突き抜けてくる。これにより、作業者は人指し指F2から小指F5までの各指を開かざるを得なくなり、人指し指F2から小指F5の各指の間に第2~第4位置決め部152~154が入り込んでくる(
図4(a)参照。)。
【0073】
そして、作業者が手袋Gを装着した手の手のひらで押圧力受け部130に対して、さらに押し下げ方向の押圧力を与えて行くと、第1シャッター片210と第2シャッター片220とが「シャッター閉」の状態となる(
図4(a)及び
図4(b)参照。)。このとき、手袋Gを装着した手は、第1~第4位置決め部151~154によって、親指から小指までの各指が強制的に開かれた状態となる(
図2参照。)。なお、
図4(b)において、ハッチングを施した部分は、作業者の手首部の断面を示している。
【0074】
このような動作、すなわち、作業者が手袋Gを装着した手の手のひらで押圧力受け部130に対して押し下げ方向の押圧力を与えて行く動作を行う際においては、手袋Gを装着した手の挿入方向の深さは、第1挿入位置決め部151によって規制される。すなわち、手袋Gを装着した手の挿入深さは、親指F1と人指し指F2との間の股部が第1挿入位置決め部151に当接することによって規制される。手袋Gを装着した手の親指F1と人指し指F2との間の股部が第1挿入位置決め部51に当接した位置が、適正な殺菌が行える位置となるように予め設定しておけば、手袋Gを装着した手が当該位置に達した状態で、紫外線照射ランプ120を点灯させれば、当該手袋Gを装着した手を適正に殺菌することができる。
【0075】
また、第1挿入位置決め部151は、親指F1と人指し指F2とを強制的に開かせる機能をも有しているため、親指F1と人指し指F2との間は開かれた状態となる。また、親指F1及び人指し指F2以外の他の指の指間、すなわち、人指し指F2と中指F3、中指F3と薬指F4、薬指F4と小指F5との間は、第2~第4挿入位置決め部152~154によって、それぞれ強制的に開かれた状態となる。これにより、紫外線が各指に満遍なく照射されることとなり、手袋Gを装着した手を適正に殺菌することができる。
【0076】
また、「シャッター閉」の状態となった際には、手袋Gの手首部Gaは、第1シャッター片210に設けられている第1手首部包囲部材212と第2シャッター片220に設けられている第2手首部包囲部材222とによって隙間なく覆われた状態となる(
図4(b)参照。)。
【0077】
このように、第1シャッター片210と第2シャッター片220とが「シャッター閉」の状態となると、シャッター閉状態検出部としての第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からシそれぞれ感圧信号(シャッター閉状態検出信号)が制御部610に送られる。制御部610は、第1感圧センサーS1からの感圧信号と第2感圧センサーS2からの感圧信号との両方の感圧信号を受け取ると、紫外線照射ランプ120を点灯させるべく制御を行う。
【0078】
紫外線照射ランプ120が点灯することによって、手袋Gを装着した手の殺菌が行われる。このとき、上述したように、第1シャッター片210と第2シャッター片220とは「シャッター閉」の状態となっており、手袋Gの手首部Gaは、第1シャッター片210に設けられている第1手首部包囲部材212と第2シャッター片220に設けられている第2手首部包囲部材222とによって隙間なく囲まれた状態となっている。
【0079】
また、第1シャッター片210と第2シャッター片220とが「シャッター閉」の状態となった際には、第1シャッター片210として機能する前側の側面101と、第2シャッター片220として機能する前側の側面105との間に重畳領域145が形成されるため、紫外線照射ランプ120が発する紫外線が、作業者から見て手前側(作業者の素肌領域Wa側)に照射されることを確実に防ぐことができる。
【0080】
また、第1殺菌室筐体部100Aの他の3つの各側面102~104と第2殺菌室筐体部100Bの他の3つの各側面106~108との間においても、互いに重畳領域145を有して重なり合うこととなる。これにより、紫外線照射ランプ120が発する紫外線が第1殺菌室筐体部100A及び第2殺菌室筐体部100Bの各側面の接合部から外部に照射されることを確実に防止できる。
【0081】
そして、制御部610は、紫外線照射ランプ120を所定時間点灯させたのち、紫外線照射ランプ120を消灯させる。その後、作業者は、手袋Gを装着した手による押圧力受け部130への押圧力を解除すると、第1殺菌室筐体部100Aは、付勢力付与部材(ガススプリングダンパー)230の付勢力によって、初期状態に復帰する。これにより、第1シャッター片210と第2シャッター片220とが「シャッター開」の状態(初期状態)となる。これにより、作業者は手袋Gを装着した手を殺菌室100内から引く抜くことができる。
【0082】
以上説明したように、実施形態1に係る紫外線照射装置1によれば、第1シャッター片210及び第2シャッター片220が「シャッター閉」の状態となることにより、紫外線照射ランプ120が発する紫外線は、第1シャッター片210と第2シャッター片220とによって遮光される。このため、紫外線は第1シャッター片210及び第2シャッター片220よりも作業者から見て手前側(作業者の左手の素肌領域Wa)に照射されることを確実に防ぐことができ、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置となる。
【0083】
また、実施形態1に係る紫外線照射装置1によれば、シャッターの開閉動作は、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室内に挿入した際に、当該手袋Gを装着した手の動きに連動して行わせることができる。具体的には、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入した際に、当該手袋Gを装着した手の手のひらで押圧力受け部130を押し下げ方向に押圧するだけでシャッター閉動作を行わせることができ、また、押圧力受け部130への押圧力を解除するだけでシャッター開動作を行わせることができる。このため、第1シャッター片210及び第2シャッター片220を開閉させるための駆動力として、モーターなどの動力源及びその制御系も不要とすることができることから、紫外線照射装置を安価に製造できることは勿論、紫外線照射装置の小型・軽量化が可能となり、持ち運びや設置などを容易なものとすることができる。
【0084】
また、第1シャッター片210及び第2シャッター片220に取り付けられている第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222は、第1シャッター片210及び第2シャッター片220に対して着脱自在にしておくことにより、第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222が劣化した場合には、第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222を交換可能とすることができ、紫外線遮光効果を長期間に渡って保持できるとともに衛生面からも好ましいものとなる。
【0085】
なお、実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けた場合を例示したが、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けずに、より簡素化した構造とすることもできる。この場合、挿入位置が適切か否かは、例えば、作業者がスリット141から自分で判断させるようにしたり、挿入位置が適切か否かを検出するセンサー(図示せず。)を設けて、当該センサーからの信号によって表示部620によって作業者に知らせるようにしたりすることも可能である。また、作業者の指を開かせる場合には、作業者に対して「指を開いてください」といったことを表示部620で表示したり、音声で報知したりすることも可能である。
【0086】
[実施形態1に係る紫外線照射装置1の変形例]
図5は、実施形態1に係る紫外線照射装置1の変形例を説明するために示す図である。実施形態1に係る紫外線照射装置1の変形例を紫外線照射装置1Aとする。紫外線照射装置1Aは、実施形態1に係る紫外線照射装置1を片手用の紫外線照射装置とした場合であり、
図5において、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同一構成要素には、同一符号が付されている。
【0087】
また、紫外線照射装置1Aの殺菌室110内に設けられる構成要素は、実施形態1に係る紫外線照射装置1とほぼ同様であるため、
図5においては、殺菌室110内に設けられる構成要素の図示は省略する。但し、片手用の紫外線照射装置とした場合は、殺菌室筐体100は、当該殺菌室筐体100の幅方向(y軸に沿った方向)の長さが短くなる。このため、紫外線照射ランプとしては、U字形のものを使用したり、紫外線照射ランプを手袋Gを装着した手の挿入方向(x軸に沿った方向)に配置したりすることによって対応できる。
【0088】
なお、紫外線照射装置1Aにおいて、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合には、左手用及び右手用のそれぞれの紫外線照射装置を用意することが好ましいが、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けないタイプのものであれば、左手用及び右手用それぞれに共通の紫外線照射装置として使用できる。また、第1~第4挿入位置決め部151~154のうち、挿入深さ規制機能を有する第1挿入位置決め部151のみを設けるようにしてもよい。
【0089】
図5に示す紫外線照射装置1Aのように、実施形態1に係る紫外線照射装置1を片手用の紫外線照射装置とすることにより、片手のみを殺菌すれば済むような業種の場合に有効なものとなる。特に、片手用の紫外線照射装置の場合には小型化が図れるため、設置場所の制限が少なく、軽量となることから持ち運びも便利である。また、両手用の紫外線照射装置に比べれば、安価なものとなるため普及し易いものとなる。
【0090】
なお、上述した実施形態1に係る紫外線照射装置1及びその変形例である紫外線照射装置1Aにおいては、手袋Gを装着した手を手の甲を上にして、ほぼ水平した状態で紫外線照射装置1の殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置であったが、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で、紫外線照射装置1の殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置であってもよい。なお、「手袋Gを装着した手を縦にした姿勢」というのは、親指が上になり、かつ、手の幅方向を垂直(z軸に沿った方向)に立てた姿勢であることを意味している。
【0091】
このような紫外線照射装置、すなわち、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置においては、紫外線照射ランプ120は、第1殺菌室筐体部100Aの側面102の内壁面及び第2殺菌室筐体部100Bの側面106の内壁面と、第1殺菌室筐体部100Aの側面104(図示せず。)の内壁面及び第2殺菌室筐体部100Bの側面108(図示せず。)の内壁面に、手袋Gを装着した手の挿入方向(x軸方向)に沿って、それぞれ設けることが好ましく、さらには実施形態1に係る紫外線照射装置1のように、両手タイプの紫外線照射装置においては、紫外線照射ランプ120は、左手の手のひらと右手の手のひらとの間にも設けることが好ましい。
【0092】
また、このような紫外線照射装置、すなわち、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置において、第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合は、第1~第4挿入位置決め部151~154は、第1殺菌室筐体部100Aの側面102の内壁面と側面104(図示せず。)の内壁面との間に左右方向(y軸に沿った方向)に架設することが好ましい。また、このような紫外線照射装置、すなわち、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置においても、第1~第4挿入位置決め部151~154のうち、挿入深さ規制機能を有する第1挿入位置決め部151のみを設けるようにしてもよい。
【0093】
なお、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置とすることは、後述する他の実施形態及びその変形例においても同様に実施できる。
【0094】
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係る紫外線照射装置2を説明するために示す図である。なお、
図6は実施形態2に係る紫外線照射装置2の外観を示す斜視図である。実施形態2に係る紫外線照射装置2が実施形態1に係る紫外線照射装置1と異なる点は、第1シャッター片210及び第2シャッター片220と、その開閉機構である。なお、実施形態2に係る紫外線照射装置2においても、殺菌室筐体100内に設けられている紫外線照射ランプなどの紫外線照射装置としての基本的な構成は、実施形態1に係る紫外線照射装置1とほぼ同様である。このため、実施形態2に係る紫外線照射装置2を説明するために示す各図においては、殺菌室筐体100内に設けられている紫外線照射装置としての基本的な構成については図示を省略する。
【0095】
また、前述の実施形態1に係る紫外線照射装置1においては、殺菌室筐体100は、第1殺菌室筐体部100Aと第2殺菌室筐体部100Bとに分かれていたが、実施形態2に係る紫外線照射装置2においては、殺菌室筐体100は1つの筐体となっている。また、実施形態2に係る紫外線照射装置2においては、押圧力受け部130は存在しない。実施形態2に係る紫外線照射装置2においては、当該実施形態2に係る紫外線照射装置2における第1シャッター片を第1シャッター片310とし、第2シャッター片を第2シャッター片320として説明する。
【0096】
また、実施形態2に係る紫外線照射装置2においても、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、殺菌室筐体100内には、
図2に示すような第1~第4挿入位置決め部151~154が設けられていることが好ましい。このような第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合は、これら第1~第4挿入位置決め部151~154は、殺菌室筐体100の内部底面から上方に向かって垂直又はほぼ垂直に突出して設けることができるが、実施形態2に係る紫外線照射装置2においては、第1~第4挿入位置決め部151~154の図示は省略する。
【0097】
図7は、実施形態2に係る紫外線照射装置2の第1シャッター片310と第2シャッター片320について説明するために示す図である。なお、
図7は
図6において示されている左右両手のうちの一方の手に対応する第1シャッター片310及び第2シャッター片320を示している。また、
図7(a)は「シャッター開」の状態を示しており、
図7(b)は「シャッター閉」の状態を示しており、
図7(c)は「シャッター開」の状態を殺菌室筐体100の内部側から見た図である。なお、
図7(a)及び
図7(b)に示されている二点鎖線L1は、殺菌室筐体100の前側の側面101の輪郭の一部を模式的に表しており、二点鎖線L2は、挿入口300の輪郭を模式的に表している。また、
図7(b)において、ハッチングを施した部分は、作業者の手首部の断面を示している。
【0098】
実施形態2に係る紫外線照射装置2における第1シャッター片310及び第2シャッター片320とその開閉機構について、
図6及び
図7を参照して説明する。実施形態2に係る紫外線照射装置2における第1シャッター片310及び第2シャッター片320と、その開閉機構は、第1手首部包囲部材312が設けられている第1シャッター片310と、第2手首部包囲部材322が設けられている第2シャッター片320とを有している。
【0099】
なお、第1手首部包囲部材312及び第2手首部包囲部材322は、実施形態1に係る紫外線照射装置1における第1シャッター片210及び第2シャッター片220に設けられている第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222と同様の材質のものを使用することができる。また、第1手首部包囲部材312及び第2手首部包囲部材322の形状、すなわち、手袋Gの手首部Gaに接触する部分の形状は、手袋Gの手首部Gaを包囲できるように湾曲状となっていることが好ましい。
【0100】
第1シャッター片310及び第2シャッター片320は、それぞれがほぼ半円を描くような板状をなしている。そして、第1シャッター片310は、ほぼ半円の弧に沿った方向の中途部において第1支持軸313により回転自在に支持されている。一方、第2シャッター片320は、ほぼ半円の弧に沿った方向の中途部において第2支持軸323により回転自在に支持されている。
【0101】
そして、これら第1シャッター片310及び第2シャッター片320は、「シャッター開」の状態においては、第1シャッター片310の第1支持軸313から当該第1シャッター片310の周方向に沿った端部315までの間と、第2シャッター片320の第2支持軸323から当該第2シャッター片320の周方向に沿った端部325までの間とには、交差部Crが形成されるように配置されている。
【0102】
また、第1シャッター片310及び第2シャッター片320には、当該第1シャッター片310及び第2シャッター片320の少なくとも一方のシャッター片に対して、「シャッター開」の状態を保持させようとする付勢力を付与する付勢力付与部材330が取り付けられている。この場合は、付勢力付与部材330は、第1シャッター片310及び第2シャッター片320それぞれに設けられており、第1シャッター片310と第2シャッター片320との間隔を広げるような付勢力を第1シャッター片310及び第2シャッター片320それぞれに付与する。
【0103】
ここで、付勢力付与部材330としては、例えば、ねじりスプリングを用いることができる(
図7(c)参照。)。以下、付勢力付与部材330を「ねじりスプリング330」と表記する。なお、
図7(c)は、
図6(a)の裏側、すなわち、殺菌室筐体100内部から第1シャッター片310及び第2シャッター片320を見た図である。
【0104】
ねじりスプリング330は、
図7(c)に示すように、第1シャッター片310及び第2シャッター片320それぞれに取り付けられており、当該ねじりスプリング330のコイルスプリング部331が、第1シャッター片310の第1支持軸313及び第2シャッター片320の第2支持軸323にそれぞれ環装されている。また、当該ねじりスプリング330の一方の端部332が第1シャッター片310及び第2シャッター片320にそれぞれ固定され、ねじりスプリング330の他方の端部333が殺菌室筐体100の所定箇所(例えば、前側の側面101の内壁面の所定箇所)に固定されている。
【0105】
第1シャッター片310及び第2シャッター片320それぞれにこのようなねじりスプリング330が取り付けられていることによって、第1シャッター片310と第2シャッター片320には、第1シャッター片310と第2シャッター片320との間隔を広げるような付勢力が常時付与されることとなる。なお、第1シャッター片310の側には、ねじりスプリング330の付勢力による第1シャッター片310の押し広げ量を規制する第1ストッパー314が設けられている。また、第2シャッター片320の側にも、ねじりスプリング330の付勢力による第2シャッター片320の押し広げ量を規制する第2ストッパー324が設けられている。
【0106】
また、実施形態2に係る紫外線照射装置2においても、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、「シャッター閉」の状態となったことを検出するためのシャッター閉状態検出センサーが設けられている。シャッター閉状態検出センサーの取り付け位置は、特に限定されるものではないが、シャッターが確実に閉状態となったことを検出できる位置に取り付けられている。
【0107】
ここでは、第1シャッター片310の第1手首部包囲部材312及び第2シャッター片320の第2手首部包囲部材322のそれぞれに、例えば、感圧センサー(第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2とする。)を取り付けることが例示できる。そして、第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からそれぞれ出力される感圧信号に基づいて紫外線照射ランプ120を点灯させるといった制御を行う。このような制御は、
図3に示す制御部610によって行うことができる。
【0108】
ところで、第1シャッター片310及び第2シャッター片320は、殺菌室筐体100において、手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入するための挿入口300の内側(殺菌室筐体100における前側の側面101の内壁面側)に取り付けられている。具体的には、第1シャッター片310の第1支持軸313は、殺菌室筐体100における前側の側面101の内壁面側に取り付けられており、第2シャッター片320の第2支持軸323も、殺菌室筐体100における前側の側面101の内壁面側に取り付けられている。また、第1シャッター片310及び第2シャッター片320は、手袋Gを装着した手の挿入方向において、作業者から見て手前側と奥側とに互いに「ずれ」を有して配置されている。
【0109】
このように構成されている第1シャッター片310及び第2シャッター片320は、「シャッター開」の状態(
図6及び
図7(a)参照。)において、挿入口300から手袋Gを装着した手を殺菌室110(
図6参照。)に挿入すると、
図6及び
図7(a)では図示されていない第1~第4挿入位置決め部151~154(
図2参照。)によって、挿入深さが規制されるとともに、各指が開かれた状態となる。特に、第1挿入位置決め部151によって、挿入深さが規制されるとともに親指F1と人指し指F2とが開かれ、第2~第4挿入位置決め部152~154によって他の指間が開かれた状態となる。
【0110】
このように、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入した状態で、手袋Gを装着した手を手のひらに直交する方向、すなわち、下方向(z’方向)に動かすことによって、手袋Gを装着した手の動きに連動して「シャッター閉」の状態となる。具体的には、実施形態2に係る紫外線照射装置2においては、手袋Gを装着した手を手のひらに直交する方向、すなわち、下方向(z’方向)に動かすことによって、手袋Gの手首部Ga(作業者の手首部)が交差部Crを押し下げ方向に押圧することとなる。これにより、第1シャッター片310が第1支持軸313を支点に時計方向に回転するとともに第2シャッター320が第2支持軸323を支点に反時計方向に回転することにより、前記第1シャッター片310と第2シャッター片320とが閉ループを形成して「シャッター閉」の状態となる(
図7(b)参照。)。
【0111】
ここで、第1シャッター片310及び第2シャッター片320は、手袋Gを装着した手の挿入方向において、作業者から見て手前側と奥側とに「ずれ」を有して配置されているため、「シャッター閉」の状態となった際には、第1シャッター片310と第2シャッター片320とは、互いに重畳領域を有する(
図7(b)の破線枠B内参照。)。このため、手袋Gを装着した手の挿入方向においては第1シャッター片310と第2シャッター片320との間には、手袋Gを装着した手の挿入方向の隙間が形成されないこととなり、殺菌室110内に設けられている紫外線照射ランプ(
図6及び
図7においては図示せず。)からの紫外線を第1シャッター片310と第2シャッター片320において確実に遮光できる。
【0112】
このようにして、第1シャッター片310と第2シャッター片320とが「シャッター閉」の状態となると、第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からそれぞれ感圧信号が出力され、それぞれの感圧信号が制御部610(
図3参照。)に入力される。これにより、制御部610では紫外線照射ランプ120を所定時間だけ点灯させる。そして、紫外線照射ランプ120の点灯により手袋Gを装着した手の殺菌が行われ、所定時間後に紫外線照射ランプ120が消灯する。紫外線照射ランプ120が消灯したのちに、作業者が第1シャッター片310と第2シャッター片320に対して、手のひらに直交する方向の押圧力を解除すると、第1シャッター片310及び第2シャッター片320は付勢力付与部材230の付勢力によって初期状態に復帰する(
図7(a)参照。)。これにより、作業者は、手袋Gを装着した手を殺菌室110内から脱出させることができる。
【0113】
実施形態2に係る紫外線照射装置2における紫外線照射ランプの点灯・消灯制御は、
図3において説明した実施形態1に係る紫外線照射装置1の点灯・消灯制御と同様に行うことができるため、ここではその説明は省略する。
【0114】
以上説明したように、実施形態2に係る紫外線照射装置2によれば、第1シャッター片310及び第2シャッター片320が「シャッター閉」の状態となることにより、紫外線照射ランプ120からの紫外線が、第1シャッター片310及び第2シャッター片320よりも、作業者から見て手前側(作業者の左手の素肌領域Wa)に照射されることを確実に防ぐことができ、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置となる。
【0115】
また、シャッターの開閉動作は、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室内に挿入した際に、当該手袋Gを装着した手の動きに連動して行わせることができる。具体的には、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入した際に、当該手袋Gの手首部Ga(作業者の手首部)で第1シャッター片310と第2シャッター片320との交差部Crを押圧するだけでシャッター閉動作を行わせることができ、また、交差部Crへの押圧力を解除するだけでシャッター閉動作を行わせることができる。このため、第1シャッター片310及び第2シャッター片320を開閉させるための駆動力として、モーターなどの動力源及びその制御系も不要とすることができることから、紫外線照射装置を安価に製造できることは勿論、紫外線照射装置の小型・軽量化が可能となり、持ち運びや設置などを容易なものとすることができる。
【0116】
また、第1シャッター片310及び第2シャッター片320に取り付けられている第1手首部包囲部材312及び第2手首部包囲部材322は、第1シャッター片310及び第2シャッター片320に対して容易に着脱自在にしておくことも可能である。これにより、第1手首部包囲部材312及び第2手首部包囲部材322が劣化した場合には、第1手首部包囲部材312及び第2手首部包囲部材322を容易に交換することができ、紫外線遮光効果を長期間に渡って保持できるとともに、衛生面においても好ましいものとなる。
【0117】
また、実施形態2に係る紫外線照射装置2においては、第1シャッター片310及び第2シャッター片320を殺菌室筐体100に対して着脱自在としておくこともできる。これにより、第1シャッター片310及び第2シャッター片320そのものを交換できるため、第1シャッター片310及び第2シャッター片320が汚れたり、損傷したりした場合には、第1シャッター片310及び第2シャッター片320そのものを交換することができる。
【0118】
また、実施形態2に係る紫外線照射装置2においても、図示はされていないが、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けた場合を例示したが、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けずに、より簡素化した構造とすることもできる。また、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置とすることも可能である。
【0119】
[実施形態2に係る紫外線照射装置2の変形例]
図8は、実施形態2係る紫外線照射装置2の変形例を説明するために示す図である。実施形態2係る紫外線照射装置2の変形例を紫外線照射装置2Aとする。紫外線照射装置2Aは、実施形態2係る紫外線照射装置2を片手用の紫外線照射装置とした場合であり、
図8おいて、実施形態2係る紫外線照射装置2同一構成要素には、同一符号が付されている。
【0120】
紫外線照射装置2Aにおいても、当該紫外線照射装置2Aの殺菌室筐体110内に設けられる構成要素については図示を省略する。なお、実施形態2係る紫外線照射装置2を片手用の紫外線照射装置とした場合は、殺菌室筐体100は、当該殺菌室筐体100の幅方向(y軸に沿った方向)の長さが短くなる。このため、紫外線照射装置2Aにおいては、紫外線照射ランプとしては、U字形のものを使用したり、紫外線照射ランプを手袋Gを装着した手の挿入方向(x軸に沿った方向)に配置したりすることによって対応できる。
【0121】
また、紫外線照射装置2Aにおいて、第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合には、第1~第4挿入位置決め部151~154の配置によって左手用及び右手用に分けて用意することが好ましいが、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けないタイプのものであれば、左手用及び右手用それぞれに共通の紫外線照射装置として使用できる。
【0122】
図8に示す紫外線照射装置2Aのように、実施形態2に係る紫外線照射装置2を片手用の紫外線照射装置とすることにより、片手のみを殺菌すれば済むような業種の場合に有効なものとなる。特に小型化が図れるため設置場所の制限が少なく、また軽量であることから持ち運びも便利である。また、両手用の紫外線照射装置に比べれば、安価なものとなるため普及し易いものとなる。
【0123】
[実施形態3]
図9は、実施形態3に係る紫外線照射装置3を説明するために示す図である。
図9は実施形態3に係る紫外線照射装置3の外観を示す斜視図である。実施形態3に係る紫外線照射装置3が実施形態2に係る紫外線照射装置2と異なる点は、第1シャッター片及び第2シャッター片と、その開閉機構である。なお、実施形態3に係る紫外線照射装置3においても、殺菌室筐体100内に設けられている紫外線照射ランプなどの紫外線照射装置としての基本的な構成は、実施形態1に係る紫外線照射装置1とほぼ同様である。このため、実施形態3に係る紫外線照射装置3を説明するために示す各図においては、殺菌室筐体100内に設けられている紫外線照射装置としての基本的な構成については図示を省略する。
【0124】
また、実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、実施形態2に係る紫外線照射装置2と同様に、殺菌室筐体100は1つの筐体となっている。ここで、実施形態3に係る紫外線照射装置3における第1シャッター片を第1シャッター片410とし、第2シャッター片を第2シャッター片420として説明する。
【0125】
また、実施形態3に係る紫外線照射装置3においても、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、殺菌室筐体100内には、
図2に示すような第1~第4挿入位置決め部151~154が設けられていることが好ましい。このような第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合は、これら第1~第4挿入位置決め部151~154は、殺菌室筐体100の内部底面から上方に向かって垂直又はほぼ垂直に突出して設けることができるが、実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、第1~第4挿入位置決め部151~154の図示は省略する。
【0126】
図10は、実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1シャッター片410と第2シャッター片420について説明するために示す図である。なお、
図10(a)は実施形態3に係る紫外線照射装置3における第1シャッター片410及び第2シャッター片420及びリンク機構500をz軸に沿って上方から見た図であり、
図10(b)は
図10(a)を正面側(作業者の側)からx軸に沿って見た図である。ここで、
図10(a)及び
図10(b)は
図9において示されている左右両手に対応する一対のシャッター片のうちの一方の手に対応するシャッター片(第1シャッター片410及び第2シャッター片420)を示している。また、
図10(a)及び
図10(b)は「シャッター開」の状態を示している。また、
図10(b)に示されている二点鎖線L1は、殺菌室筐体100の前側の側面101の輪郭の一部を模式的に表しており、二点鎖線L2は、挿入口400の輪郭を模式的に表している。
【0127】
実施形態3に係る紫外線照射装置3における第1シャッター片410及び第2シャッター片420とその開閉機構について、
図9及び
図10を参照して説明する。実施形態3に係る紫外線照射装置3における第1シャッター片410及び第2シャッター片420とその開閉機構は、板状をなす第1シャッター片410と、同じく板状をなす第2シャッター片420と、第1シャッター片410及び第2シャッター片420を開閉させるための開閉機構としてのリンク機構500が設けられている。これら第1シャッター片410及び第2シャッター片420は、実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、直線状に配置されたガイドレール550に沿って往復動可能に設けられている。
【0128】
また、第1シャッター片410には、第1手首部包囲部材412が設けられており、第2シャッター片420には、第2手首部包囲部材422が設けられている。これら第1手首部包囲部材412及び第2手首部包囲部材422は、実施形態1に係る紫外線照射装置1における第1シャッター片210及び第2シャッター片220に設けられている第1手首部包囲部材212及び第2手首部包囲部材222と同様の材質のものを使用することができる。また、第1手首部包囲部材412及び第2手首部包囲部材422のそれぞれの手首部に接触する部分の形状は、手首部を包囲できるように湾曲状となっていることが好ましい。
【0129】
続いて、リンク機構500について説明する。リンク機構500は、一端部512と他端部514との間の中途部には鈍角の角度で屈曲している第1屈曲部511が形成され、当該第1屈曲部511が第1支持軸516を支点にして回転自在に軸支されている第1リンクバー510と、一端部522と他端部524との間の中途部には鈍角の角度で屈曲している第2屈曲部521が形成され、当該第2屈曲部522が第2支持軸526を支点にして回転自在に軸支されている第2リンクバー520と、を有している。なお、第1支持軸516及び第2支持軸526は、殺菌室筐体100の所定箇所に設けられている台座部517,527にそれぞれ取り付けられている。
【0130】
また、第1リンクバー510は、当該第1リンクバー510の一端部512が第1シャッター片410の板面に取り付けられ、当該第1リンクバー510の他端部514が自由端となっていて当該他端部514の側には第1長孔515が形成されている。一方、第2リンクバー520は、当該第2リンクバー520の一端部522が第2シャッター片420の板面に取り付けられ、当該第2リンクバー520の他端部524が自由端となっていて当該他端部524の側には第2長孔525が形成されている。
【0131】
第1リンクバー510及び第2リンクバー520は、第1長孔515と第2長孔525とが重畳部分を有するように配置され、第1長孔515と第2長孔525との重畳部分には、開閉操作部530が差し込まれている。そして、手袋を装着した手の挿入方向の押圧力が開閉操作部530に付与されると、当該開閉操作部530が挿入方向に移動することにより、付勢力付与部材(ねじりスプリングとする。)の付勢力に抗して第1シャッター片410と第2シャッター片420とが互いに接近する方向に移動して「シャッター閉」の状態となり、開閉操作部530に付与されている押圧力が解除されると、「シャッター開」の状態となる。
【0132】
リンク機構500についてさらに説明する。まず、第1リンクバー510の第1シャッター片420に対する取り付け構造について具体的に説明する。第1リンクバー510の一端部512には、長孔512aが形成されており、第1シャッター片410の板面には第1リンクバー取り付け基部518が突設されている。そして、第1リンクバー取り付け基部518にはピン513が突出していて、当該ピン513が長孔512aに差し込まれている。
【0133】
第2リンクバー520の一端部522側も同様の構成となっている。すなわち、第2リンクバー520の一端部522には、長孔522aが形成されており、第2シャッター片420の板面には第2リンクバー取り付け基部528が突設されている。そして、第2リンクバー取り付け基部528にはピン523が突出していて、当該ピン523が長孔522aに差し込まれている。
【0134】
続いて、リンク機構500における付勢力生成部材について説明する。この場合の付勢力生成部材は、実施形態2に係る紫外線照射装置2と同様に、ねじりスプリング(
図10においては図示せず。)を用いることができる。また、第1シャッター片420の側には、付勢力付与部材(ねじりスプリング)の付勢力による第1シャッター片410の押し広げ量を規制する第1ストッパー519が設けられている。第2シャッター片420の側にも、付勢力付与部材の付勢力により第2シャッター片420の押し広げ量を規制する第2ストッパー529が設けられている。これら第1ストッパー519及び第2ストッパー529は例えばガイドレール550に設けることができる。
【0135】
ねじりスプリングは、第1シャッター片410及び第2シャッター片420に対して実施形態2に係る紫外線照射装置2において説明した
図7(c)とほぼ同様に取り付けることができる。すなわち、
図7(c)に示すねじりスプリング330のコイルスプリング部331が、第1リンクバー510の第1支持軸516に環装され、当該ねじりスプリング330の一方の端部332が第1リンクバー510の他端側の長孔515付近に固定され、ねじりスプリング300の他方の端部333が殺菌室筐体100の所定箇所に固定されている。
【0136】
ねじりスプリング330が第1リンクバー510に、このように取り付けられていることにより、第1リンクバー510に対しては、当該第1リンクバー510が第1支持軸516を支点に時計方向に回転しようとする力が付与されることとなる。第2リンクバー520の側も同様の構成となっており、当該第2リンクバー520に対しては、当該第2リンクバー520が第2支持軸526を支点に反時計方向に回転しようとする力が付与されることとなる。これにより、第1シャッター片410及び第2シャッター片420に対しては「シャッター開」の状態を保持させようとする付勢力が付与されることとなる。
【0137】
ところで、前述したように、第1リンクバー510に形成されている第1長孔515及び第2リンクバー520に形成されている第2長孔525は、それぞれの長孔が、z軸に沿った方向(実施形態3においては手の平に直交する方向)において重畳するように配置され、第1長孔515と第2長孔525との重畳部分には、開閉操作部530がz軸に沿った方向に差し込まれている。この開閉操作部530について説明する。
【0138】
実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、開閉操作部530は棒状部材531(
図10(b)参照。)を有しており、当該棒状部材531が第1長孔515と第2長孔525との重畳部分にz軸に沿った方向に差し込まれている。なお、棒状部材531は、重畳した状態の第1長孔515と第2長孔525を移動可能となっている。また、棒状部材531は、手袋Gを装着した手を挿入口400から挿入した際に、手袋Gを装着した手の親指と人指し指との股部に入り込むような位置に設けられている。
【0139】
そして、棒状部材531が手袋Gを装着した手の指間(親指F1と人指し指との間の股部)によって、挿入方向(y軸に沿った方向)に押し込まれると、第1リンクバー510が第1支持軸516を支点に反時計方向に回転するとともに第2リンクバー520が第2支持軸526を支点に時計方向に回転する。なお、第1リンクバー510が第1支持軸516を支点に反時計方向に回転する際には、ピン513が長孔512a内を相対的に移動する運動を行いながら第1シャッター片410を図示の右方向に移動させて行く。一方、第2リンクバー520が第2支持軸526を支点に時計方向に回転する際には、ピン523が長孔522a内を相対的に移動しながら第2シャッター片420を図示の左方向に移動させて行く。このようなシャッター閉動作を行うことによって、「シャッター閉」の状態となる。
【0140】
このようなシャッター閉動作を行う際には、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は、手袋Gを装着した手の挿入方向を横切る方向(x軸に沿った左右方向)に移動する。すなわち、第1シャッター片410が閉動作する際には、手袋Gを装着した手の左方向から右方向に移動し、第2シャッター片420が閉動作する際には、手袋Gを装着した手の右方向から左方向に移動して、手袋Gの手首部Gaを左右から挟み込むように動作する。
【0141】
なお、棒状部材531は、手袋Gを装着した手の挿入深さを規制する挿入深さ規制部としての機能を有する。すなわち、手袋Gを装着した手の間の股部で棒状部材531を押し込むことによって、手袋Gを装着した手の位置が、適正な殺菌が行える位置となるように予め設定しておけば、「シャッター閉」の状態においては、常に適正な殺菌が行えるものとなる。
【0142】
また、実施形態3に係る紫外線照射装置3においても、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、「シャッター閉」の状態となったことを検出するためのシャッター閉状態検出センサーとしての第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2が設けられている。
【0143】
第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2の取り付け位置は、特に限定されるものではないが、確実に「シャッター閉」の状態となったことを検出できる位置に取り付けられている。例えば、第1シャッター片410の第1手首部包囲部材412に第1感圧センサーS1を取り付けるとともに第2シャッター片320の第2手首部包囲部材422に第2感圧センサーS2を取り付けることが例示できる。そして、制御部610(
図3参照。)は、第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からそれぞれ出力される感圧信号に基づいて、実施形態3に係る各図においては図示されていない紫外線照射ランプ120(
図1(b)参照。)を点灯させるといった制御を行う。
【0144】
このように、第1シャッター片410の第1手首部包囲部材412及び第2シャッター片420の第2手首部包囲部材422のそれぞれに設けられている第1感圧センサーS1及び第2感圧センサーS2からの出力信号に基づいて紫外線照射ランプ(
図9及び
図10においては図示されていない。)を点灯させるようにすることで、確実に「シャッター閉」の状態となったときに紫外線照射ランプを点灯させることができる。なお、紫外線照射ランプの点灯消灯制御は、
図3に示す制御系によって行うことができる。
【0145】
また、第1シャッター片410と第2シャッター片420とがシャッター閉の状態となった際における第1シャッター片410と第2シャッター片420との当接部には、手袋Gを装着した手の挿入方向に沿った傾斜面が互いに対面するようにそれぞれに形成されている。そして、「シャッター閉」の状態においては、それぞれの傾斜面同士が当接する。
【0146】
具体的には、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は、第1シャッター片410と第2シャッター片420との当接部というのは、第1シャッター片410及び第2シャッター片420において、第1手首部包囲部材412及び第1手首部包囲部材412が設けられていない部分の当接部であり、後述する
図11(c)における破線枠C内に示すように、手袋Gを装着した手の挿入方向に沿った傾斜面410a、420aが形成されている。そして、「シャッター閉」の状態においては、傾斜面410aと傾斜面420aとが当接するようになっている。このような構成となっていることにより、紫外線照射ランプが発する紫外線が、作業者から見て手前側(作業者の素肌領域Wa側)に照射されることを確実に防ぐことができる。
【0147】
図11は、第1シャッター片410及び第2シャッター片420の動作を説明するために示す図である。なお、
図11(a)及び
図11(b)は
図10(a)と同様に、第1シャッター片410及び第2シャッター片420及びリンク機構500をz軸に沿って上方から見た図であるが、当該
図11(a)及び
図11(b)においては、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は断面(
図10(b)のc-c矢視断面)として示されている。また、
図11(c)は
図11(a)及び
図11(b)を正面側(作業者の側)からx軸に沿って見た図である。また、
図11(c)において示されている二点鎖線L1は、殺菌室筐体100の前側の側面101の輪郭の一部を模式的に表しており、二点鎖線L2は、挿入口400の輪郭を模式的に表している。以下、
図11及び前述した
図9、
図10を参照して第1シャッター片410及び第2シャッター片420の動作を説明する。
【0148】
まず、
図9及び
図10に示すシャッター開状態(初期状態)において、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入すると、手袋Gを装着した手の親指F1と人指し指とF2の間の股部が、開閉操作部530の棒状部材531(
図10(b)参照。)に当接した状態となる(
図11(a)参照。)。なお、
図11においては、棒状部材531は目視できない位置にある。この状態で手袋Gを装着した手をさらに挿入方向に押し込むと、棒状部材531が後方(挿入方向の奥側)に移動して行くこととなる(
図11(b)参照。)。
【0149】
棒状部材531が後方(挿入方向の奥側)に移動することにより、第1リンクバー510及び第2リンクバー520などでなるリンク機構500が動作して、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は、付勢力付与部材(ねじりスプリング)の付勢力に抗してガイドレール550に沿って互いに接近するように動作して、「シャッター閉」の状態となる(
図11(c)参照。)。
【0150】
なお、
図11(c)に示すように「シャッター閉」の状態となったときの手袋Gを装着した手の位置(殺菌室100内における手袋Gを装着した手の位置)が、殺菌室110の所定深さ(適正な殺菌が可能となる深さ)まで挿入された状態となるように、棒状部材531の移動量を予め設定されているものとする。これにより、
図11(c)に示すように「シャッター閉」の状態となったときに、実施形態3に係る各図においては図示されていない紫外線照射ランプを点灯させれば、手袋Gを装着した手を適正に殺菌することができる。なお、紫外線照射ランプの点灯制御は、上述の各実施形態と同様に実施できる。
【0151】
その後、手袋Gを装着した手が棒状部材531に対する押し込み力を解除して、手袋Gを装着した手を手前側に引き戻す操作を行うと、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は、付勢力付与部材(ねじりスプリング)の付勢力によって、
図11(a)に示す「シャッター開」の状態(初期状態)に復帰する。この初期状態においては、手袋Gを装着した手を殺菌室110から脱出させることができる。
【0152】
なお、実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、棒状部材531が挿入深さ規制機能と、親指F1と人指し指F2とを強制的に開かせる強制開指機能とをなすため、実施形態1及び2において説明した第1挿入位置決め部151は特に設ける必要はないが、第2~第4挿入位置決め部152~154は、実施形態1と同様に設けることが好ましい。第2~第4挿入位置決め部152~154は、手袋Gを装着した手が
図11(b)に示す状態となったときに、各指(人指し指F2と中指F3との間、中指F3と薬指F4との間、薬指F4と小指F5との間に入り込むような位置に設けることが好ましい。これにより、紫外線照射ランプによる殺菌を行う際には、全ての指が開かれた状態となり、適切な殺菌が行える。
【0153】
以上説明したように、実施形態3に係る紫外線照射装置3によれば、第1シャッター片410及び第2シャッター片420が「シャッター閉」の状態となることにより、紫外線照射ランプが発する紫外線が、第1シャッター片410と第2シャッター片420よりも、作業者から見て手前側(作業者の左手の素肌領域Wa)に照射されることを確実に防ぐことができ、安全性をより一層向上させた紫外線照射装置となる。
【0154】
また、シャッターの開閉動作は、実施形態1に係る紫外線照射装置1と同様に、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室内に挿入した際に、当該手袋Gを装着した手の動きに連動して行わせることができる。具体的には、作業者が手袋Gを装着した手を殺菌室110内に挿入した際に、当該手袋Gを装着した手の親指F1と人指し指F2との間の股部で棒状部材531を挿入方向(殺菌室筐体の奥側)に押し込むだけでシャッター閉動作を行わせることができる。また、手袋Gを装着した手を挿入方向(殺菌室筐体の奥側)に押し込んだ後に、当該手袋Gを装着した手を手前に引くだけでシャッター開動作を行わせることができる。
【0155】
このため、第1シャッター片410及び第2シャッター片420を開閉させるための駆動力として、実施形態1に係る紫外線照射装置1及び実施形態2に係る紫外線照射装置2と同様に、モーターなどの動力源及びその制御系などを不要とすることができることから、紫外線照射装置を安価に製造できることは勿論、紫外線照射装置の小型・軽量化が可能となり、持ち運びや設置などを容易なものとすることができる。
【0156】
また、第1シャッター片410及び第2シャッター片420に取り付けられている第1手首部包囲部材412及び第2手首部包囲部材422は、第1シャッター片410及び第2シャッター片420に対して着脱自在にしておくことも可能である。これにより、第1手首部包囲部材412及び第2手首部包囲部材422が劣化した場合には、第1手首部包囲部材412及び第2手首部包囲部材422を交換することができ、紫外線遮光効果を長期間に渡って保持できる。
【0157】
また、実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、第1シャッター片410及び第2シャッター片420を殺菌室筐体100に対して着脱自在としておくこともできる。これにより、第1シャッター片410及び第2シャッター片420そのものを交換できるため、第1シャッター片410及び第2シャッター片420が汚れたり、損傷したりした場合には、第1シャッター片410及び第2シャッター片420そのものを交換することができる。
【0158】
なお、以上説明した実施形態3に係る紫外線照射装置3においては、開閉操作部530の棒状部材531は、実施形態3に係る紫外線照射装置3の挿入口400(
図10参照)を見たときに、当該挿入口400の左右方向(y軸に沿った方向)のほぼ中央に位置する場合を例示したが、必ずしも中央とすることに限られるものではない。すなわち、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入した際に、作業者が意識することなく手袋Gを装着した手の親指F1と人指し指F2との間の股部が開閉操作部530の棒状部材531に当接するような位置としてもよい。
【0159】
これは、手袋Gを装着した手の甲を上にして、殺菌室110にほぼ水平に挿入する際においては、手袋Gを装着した手の親指F1と人指し指F2との間の股部の位置は、左右それぞれの手において、中央よりも左側又は右側に多少ずれた位置となるためである。例えば、左手に対応させるには、棒状部材531及び枠体吊り部材532は、それぞれ右寄りに位置させ、右手に対応させるには、棒状部材531及び枠体吊り部材532は、それぞれ左寄りに位置させることが好ましい。このことは、以下に説明する「実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1変形例」においても同様である。
【0160】
[実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1変形例]
図12は、実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1変形例を説明するために示す図である。実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1変形例を実施形態3に係る紫外線照射装置3Aとする。紫外線照射装置3Aは、実施形態3に係る紫外線照射装置3を片手用の紫外線照射装置とした場合であり、
図12おいて、実施形態3係る紫外線照射装置3と同一構成要素には、同一符号が付されている。
【0161】
紫外線照射装置3Aにおいても、殺菌室筐体100内に設けられている紫外線照射装置としての基本的な構成についての図示は省略する。なお、片手用の紫外線照射装置とした場合は、殺菌室筐体100は、当該殺菌室筐体100の幅方向(y軸に沿った方向)の長さが短くなる。このため、紫外線照射装置3Aにおいては、紫外線照射ランプとしては、U字形のものを使用したり、紫外線照射ランプを手袋Gを装着した手の挿入方向(x軸に沿った方向)に配置したりすることによって対応できる。
【0162】
また、紫外線照射装置3Aにおいても、第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合には、第1~第4挿入位置決め部151~154の配置によって左手用及び右手用に分けて用意することが好ましいが、第1~第4挿入位置決め部151~154を設けないタイプのものであれば、左手用及び右手用それぞれに共通の紫外線照射装置として使用できる。
【0163】
図12に示す紫外線照射装置3Aのように、実施形態3に係る紫外線照射装置3を片手用の紫外線照射装置とすることにより、片手のみを殺菌すれば済むような業種の場合に有効なものとなる。特に小型化が図れるため設置場所の制限が少なく、また軽量であることから持ち運びも便利である。また、両手用の紫外線照射装置に比べれば、安価なものとなるため普及し易いものとなる。
【0164】
[実施形態3に係る紫外線照射装置3の第2変形例]
図13は、実施形態3に係る紫外線照射装置3の第2変形例を説明するために示す図である。実施形態3に係る紫外線照射装置3の第2変形例を紫外線照射装置3Bとする。なお、
図13は
図10(b)に対応する図である。すなわち、
図9において示されている左右両手に対応する一対のシャッター片のうちの一方の手に対応するシャッター片(第1シャッター片410及び第2シャッター片420)を示している。また、
図13は
図10(b)と同様に「シャッター開」の状態を示している。
【0165】
紫外線照射装置3Bが
図9及び
図10に示した実施形態3に係る紫外線照射装置3と異なる点は、第1シャッター片410及び第2シャッター片420の開閉操作を行うための開閉操作部530が、内側に空間を有する枠体540と、当該枠体540を吊るす枠体吊り部材532とを有している点である。その他の構成は、
図10(b)とほぼ同様である。このため、
図13においては、同一構成要素には同一符号が付されており、重複する部分の説明は省略する。
図13に示されている二点鎖線L1は、殺菌室筐体100の前側の側面101の輪郭の一部を模式的に表しており、二点鎖線L2は、挿入口400の輪郭を模式的に表している。
【0166】
ここで、枠体540は、紫外線照射装置3Bにおいては四角形をなし、4つの枠541,542,543,544の枠を有している。これら4つの枠541~544のうち、枠541,543は縦枠であり、枠542,544は横枠である。また、枠体吊り部材532は棒状をなし、
図10(a)に示す第1長孔515と第2長孔525との重畳部分に差し込まれている。そして、当該枠体吊り部材532の先端部(下端部)には枠体540の横枠544が取り付けられている。なお、枠体540は、手袋Gを装着した手を殺菌室110に挿入した際に、手袋Gを装着した手の親指F1が枠体540の空間部に挿入可能となるような位置となっていることが好ましい。なお、枠体540の上下方向(z軸に沿った方向)の位置は可変とすることも好ましい。
【0167】
開閉操作部530がこのような枠体540と枠体吊り部材532とを有することによって、紫外線照射装置3Bは、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置とすることができる。
【0168】
図14は、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入する例を説明するために示す図である。ここでは、
図9に示されている実施形態3に係る紫外線照射装置3の第1変形例である紫外線照射装置3Aと同様に、片手用の紫外線照射装置とした場合について説明する。なお、開閉操作部530は、
図13に示すように、枠体540と枠体吊り部材532とを有する構成となっている。
図14(a)は手袋Gを装着した手の親指F1が上になるような姿勢として殺菌室110内に挿入する様子を示す図であり、
図14(b)は
図13のd-d矢視断面図である。
【0169】
実施形態3に係る紫外線照射装置3の第2変形例である紫外線照射装置3Bにおいては、
図14(a)に示すように、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入する。このとき、手袋Gを装着した手の親指F1が枠体540の空間部に入り込むように挿入すると(
図14(b)参照。)、親指F1と人指し指F2との間の股部が枠体540の横枠542に当接する。この状態で手袋Gを装着した手をさらに挿入方向に押し込むと、枠体540が後方(挿入方向の奥側)に移動して行くこととなる。これにより、第1リンクバー510及び第2リンクバー520などでなるリンク機構500が動作して、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は、付勢力付与部材(ねじりスプリング)の付勢力に抗して互いに接近するように動作して、「シャッター閉」の状態となる(
図11(b)及び
図11(c)参照。)。
【0170】
なお、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置においては、紫外線照射ランプ120は、殺菌室筐体100内において、殺菌室筐体100の側面102,104の内壁面に沿うように配置することが好ましい。なお、
図13においては、紫外線照射ランプ120の断面(破線で示されている。)が模式的に示されている。このように、紫外線照射装置3Bにおいては、手袋Gを装着した手を縦にした姿勢で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置とすることができる。
【0171】
また、左手の親指F1を枠体540の空間内に挿入する際に、当該親指F1と人指し指F2との間の股部を枠体540の縦枠541に当接させた状態で、枠体540を挿入方向に押し込むようにすれば、手袋Gを装着した手の甲を上にして、ほぼ水平にした状態で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置とすることもできる。また、右手の親指F1を枠体540の空間内に挿入し、当該親指F1と人指し指F2との間の股部を枠体540の縦枠543に当接させた状態で、枠体540を挿入方向に押し込むようにすることもできる。なお、このように、手袋Gを装着した手の甲を上にして、ほぼ水平にした状態で殺菌室110内に挿入するタイプの紫外線照射装置の場合には、紫外線照射ランプは、
図1(b)に示したように、殺菌室筐体100の上面側の内壁面と下面側の内壁面とに配置することが好ましい。
【0172】
ところで、
図14においては、片手用の紫外線照射装置として説明したが、
図9に示すような両手用の紫外線照射装置(実施形態3に係る紫外線照射装置3)の場合にも適用できる。また、枠体540は
図13においては四角形としたが、四角形に限られるものではなく円形であってもよく、また、三角形などの多角形であってもよい。
【0173】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0174】
(1)上記各実施形態及びその変形例においては、机上面などに置く横置きタイプであって、当該紫外線照射装置の前側の側面から手袋Gを装着した手を机上面に対してほぼ平行となるようにして(ほぼ水平方向となるようにして)殺菌室110に挿入する場合を例示したが、これに限られるものではなく、縦置きタイプ、斜め置きタイプの紫外線照射装置であってもよい。例えば、手袋Gを装着した手を上方から垂直方向に殺菌室に挿入するタイプの紫外線照射装置、手袋Gを装着した手を下方から垂直方向に殺菌室に挿入するタイプ紫外線照射装置、手袋Gを装着した手を上方から斜め下方に殺菌室に挿入するタイプの紫外線照射装置、手袋Gを装着した手を下方から斜め上方に殺菌室に挿入するタイプの紫外線照射装置など、種々のタイプの紫外線照射装置に適用できる。
【0175】
(2)上記実施形態1及びその変形例においては、付勢力付与部材として、オイルスプリングダンパーを用い、上記実施形態2及び3においては、付勢力付与部材として、ねじりスプリングを用いた場合を例示したが、これらは一例であって、第1シャッター片及び第2シャッター片の少なくとも一方のシャッター片に対して、「シャッター開」の状態を保持させようとする付勢力を付与できるものであれば種々のものを使用できる。
【0176】
(3)上記各実施形態及びその変形例においては、「シャッター閉」の状態を検出するためのシャッター閉状態検出部としては、感圧センサーを用いた場合を例示したが、感圧センサーに限られるものではない。また、上記各実施形態においては、感圧センサーを第1シャッター片及び第2シャッター片の両方に取り付けて、第1シャッター片の側の感圧センサーS1と第2シャッター片の側の感圧センサーS2の両方の感圧センサーからの金津信号に基づいて紫外線照射ランプを点灯させるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、第1シャッター片と第2シャッター片とが接触する部分の一方のシャッター片の側に感圧センサーを取り付けて、第1シャッター片と第2シャッター片とが接触した場合に、紫外線照射ランプを点灯させるようにしてもよい。
【0177】
(4)上記実施形態1及びその変形例においては、押圧力受け部130としては、網状部材を用いた場合を例示したが、網状部材に限られるものではない。例えば、紫外線透過が可能な材料(石英、透明のテフロン(登録商標)など)を用いたプレートであってもよい。この場合、第1~第4挿入位置決め部151~154を設ける場合には、プレートに第1~第4挿入位置決め部151~154が突き抜け可能となるような孔を設ければ、第1~第4挿入位置決め部151~154はそれぞれの機能を発揮できる。
【0178】
(5)上記実施形態3及びその変形例においては、リンク機構による第1シャッター片410及び第2シャッター片420の開閉動作を行わせるためのリンク機構としては、ガイドレール550上を直線的に往復動するようなリンク機構としたが、これに限られるものではない。
【0179】
図15は、第1シャッター片410及び第2シャッター片420の開閉動作を行わせるためのリンク機構500の他の構成例(リンク機構500’とする。)を説明するために示す図である。なお、
図15は
図11に対応する図であり、第1シャッター片410及び第2シャッター片420及びリンク機構500’をz軸に沿って上方から見た図である。但し、
図15(a)及び
図15(b)は、
図11(a)及び
図11(b)と同様に、第1シャッター片410及び第2シャッター片420は断面(
図10(b)のc-c矢視断面)として示されている。また、
図15(c)は
図15(a)及び
図15(b)を正面側(作業者の側)からx軸に沿って見た図である。なお、
図15(c)に示されている二点鎖線L1は、殺菌室筐体100の前側の側面101の輪郭の一部を模式的に表しており、二点鎖線L2は、挿入口400の輪郭を模式的に表している。
図15において、
図11と同一構成要素には同一符号が付されている。以下、
図15を参照してリンク機構500’における第1シャッター片410及び第2シャッター片420の動作を説明する。
【0180】
図15に示すリンク機構500’は、第1リンクバー510の一端部512が、第1シャッター片410の板面に対して固定した状態で取り付けられているとともに、第2リンクバー520の一端部522が、第2シャッター片420の板面に対して固定した状態で取り付けられている点及びガイドレール550が存在しない点が実施形態3に係る紫外線照射装置3のリンク機構500と異なる。
【0181】
このように構成されているリンク機構500’は、手袋Gを装着した手によって開閉操作部530が押し込まれると、第1リンクバー510が、図示しない付勢力生成部材(ねじりスプリング)の付勢力に抗して第1支持軸516を支点に反時計方向(矢印a方向)に円弧を描くように回転するとともに、第2リンクバー520が、図示しない付勢力生成部材(ねじりスプリング)の付勢力に抗して第2支持軸526を支点に時計方向(矢印b方向)に円弧を描くように回転する。
【0182】
このように、手袋Gを装着した手によって開閉操作部530が押し込まれると、第1シャッター片410が反時計方向(矢印a方向)に円弧を描くように回転するとともに、第2シャッター片420が時計方向(矢印b方向)に円弧を描くように回転する(
図15(a)参照。)。これにより、第1シャッター片410と第2シャッター片42とが当接して「シャッター閉」の状態となる(
図15(b)及び
図15(c)参照。)。その後、手袋Gを装着した手による開閉操作部530の押し込みが解除され、手袋Gを装着した手を引き抜くと、付勢力生成部材の付勢力により、第1シャッター片410が時計方向に円弧を描くように回転するとともに、第2シャッター片420が反時計方向に円弧を描くように回転して、「シャッター開」の状態となる。
【0183】
このようなリンク機構500’であっても、実施形態3に係る紫外線照射装置3と同様に、第1シャッター片410及び第2シャッター片420を開閉動作させることができ、実施形態3に係る紫外線照射装置3と同様の効果が得られる。
【0184】
(6)上記各実施形態及びその変形例においては、手袋Gは、作業者の指先から手首部までを覆う丈の短いタイプの手袋であるとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、作業者の指崎から肘に近い部分までを覆う丈の長いタイプの手袋であってもよい。
【0185】
(7)上記各実施形態及びその変形例においては、手袋Gを装着した手による押し下げ力又は押し込み力をシャッター(第1シャッター片及び第2シャッター片)そのものに付与することにより、「シャッター閉」の状態とし、当該「シャッター閉」の状態において、押し下げ力又は押し込み力を解除することにより、「シャッター開」の状態に復帰させるような構成としたが、これに限られるものではない。
【0186】
例えば、手袋Gを装着した手の所定の動きをセンサーによって検知し、当該センサーからの検知信号に基づいてシャッター駆動機構を動作させ、それによって、「シャッター閉」の状態とし、当該「シャッター閉」の状態から所定時間後(殺菌に必要な時間終了後)に「シャッター開」の状態に復帰させるような構成とすることもできる。また、手袋Gを装着した手の所定の動きを撮像して得られた撮像データを画像処理して、当該画像処理によって得られた画像処理データに基づいてシャッター駆動機構を動作させ、それによって、「シャッター閉」の状態とし、当該「シャッター閉」の状態から所定時間後(殺菌に必要な時間終了後)に「シャッター開」の状態に復帰させるような構成とすることもできる。なお、センサーからの検知信号又は画像処理データに基づいて「シャッター閉」の状態又は「シャッター開」の状態とするためのシャッター駆動機構としては、種々の駆動機構を採用することができる。
【符号の説明】
【0187】
1,2,3・・・紫外線照射装置、1A,2A,3A,3B・・・各実施形態の紫外線照射装置の変形例、100・・・殺菌室筐体、100A・・・第1殺菌室筐体部、100B・・・第2殺菌室筐体部、101,105・・・前側の側面、103,107・・・後側の側面、110・・・殺菌室、120・・・紫外線照射ランプ(紫外線照射部)、130・・・押圧力受け部、141・・・スリット、145・・・重畳領域、150・・・挿入位置決め部、151・・・第1挿入位置決め部(挿入深さ規制部)、152,153,154・・・第2~第4挿入位置決め部(強制開指部)、210,310,410・・・第1シャッター片、220,320,420・・・第2シャッター片、212,312,412・・・第1手首部包囲部材、222,322,422・・・第2手首部包囲部材、230・・・付勢力付与部材(オイルスプリングダンパー)、240・・・開閉支持部(ヒンジ部)、330・・・付勢力付与部材(ねじりスプリング)、313・・・第1支持軸、323・・・第2支持軸、314,324・・・ストッパー、500・・・リンク機構、500’・・・リンク機構500の他の構成例、510・・・第1リンクバー、520・・・第2リンクバー、511、521・・・屈曲部、512・・・第1リンクバー510の一端部、513,523・・・ピン、支持軸、514・・・・第1リンクバー510の自由端、515・・・第1リンクバーの長孔、516・・・第1支持軸、526・・・第2支持軸、522・・・第2リンクバー520の一端部、524・・・・第2リンクバー520の自由端、525・・・第2リンクバーの長孔、517,527・・・台座部、518,528・・・基部、519,529・・・ストッパー、530・・・開閉操作部、531・・・棒状部材、540・・・枠体、541,543・・・縦枠、542,544・・・横枠、550・・・ガイドレール、Cr・・・交差部、F1・・・親指、F2・・・人指し指、F3・・・中指、F4…薬指、F5・・・小指、G・・・手袋、Ga・・・手袋Gの手首部、L1・・・殺菌室筐体100の輪郭の一部、L2・・・挿入口の輪郭、S・・・シャッター閉状態検出部、S1・・・第1シャッター閉状態検出部(第1感圧センサー)、S2・・・第2シャッター閉状態検出部(第2感圧センサー)、Wa・・・素肌領域