(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】がんの治療ための新規インターロイキン-2バリアント
(51)【国際特許分類】
C07K 14/55 20060101AFI20241223BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20241223BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20241223BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20241223BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241223BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241223BHJP
C07K 16/30 20060101ALN20241223BHJP
C12P 21/02 20060101ALN20241223BHJP
【FI】
C07K14/55 ZNA
C07K19/00
A61K38/20
A61K39/395 T
A61K39/395 N
A61P35/00
A61P43/00 111
C07K16/30
C12P21/02 C
(21)【出願番号】P 2021573421
(86)(22)【出願日】2020-06-13
(86)【国際出願番号】 US2020037644
(87)【国際公開番号】W WO2020252418
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-06-12
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520500417
【氏名又は名称】キュージーン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUGENE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リ,ユエシェン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ,リンユン
(72)【発明者】
【氏名】ス,ジン
【審査官】團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/184965(WO,A1)
【文献】特表2014-500868(JP,A)
【文献】特表2007-528728(JP,A)
【文献】GHASEMI, R et al.,Selective targeting of IL-2 to NKG2D bearing cells for improved immunotherapy,Nat Commun,2016年09月21日,12878; pp.1-15
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC C07K
DB名 REGISTRY/CAPLUS/MEDLINE/
EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580
(JDreamIII)
GenBank/EMBL/Geneseq
Uniprot/Geneseq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離されたIL-2バリアントポリペプチドであって、
前記IL-2バリアントポリペプチドが、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、より低いTreg活性を伴うIL-2Rαへの結合の減少を示すが、IL-2Rβγ複合体への結合および活性化の能力を保持
し、
前記IL-2バリアントポリペプチドが、配列番号3のアミノ酸残基の位置P65およびS125における2つのアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換が、配列番号3の65位におけるP65H、P65K、P65N、P65Q、P65Rの置換、及び、125位におけるS125Iの置換からなる群から選択される;又は
前記IL-2バリアントポリペプチドが、配列番号3のアミノ酸残基の位置L19、P65およびS125における3つのアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換が、配列番号3の19位におけるL19H、L19Q、L19Yの置換、65位におけるP65H、P65K、P65N、P65Q、P65Rの置換、及び、125位におけるS125Iの置換からなる群から選択される
ことを特徴とする単離されたIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項2】
配列番号44~51および配列番号111~120に記載のアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項3】
配列番号3のアミノ酸残基の位置P65およびS125における2つのアミノ酸置換を含む、請求項1~
2のいずれか一項に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項4】
配列番号3のアミノ酸残基の位置L19、P65およびS125における3つのアミノ酸置換を含む、請求項1~
2のいずれか一項に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項5】
配列番号3のL19H、P65QおよびS125Iの3つのアミノ酸置換を含む、請求項4に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項6】
配列番号3のL19Q、P65QおよびS125Iの3つのアミノ酸置換を含む、請求項4に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項7】
1)請求項1~
2に記載のいずれかに記載のIL-2バリアントポリペプチドおよび2)異種タンパク質を含む単離された融合タンパク質
であって、単量体または二量体のいずれかの形態である、単離された融合タンパク質。
【請求項8】
前記IL-2バリアントポリペプチドが
、そのN末端アミノ酸において前記異種タンパク質のC末端アミノ酸に融合している、請求項
7に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項9】
前記IL-2バリアントポリペプチドが、ペプチドリンカーを通して、そのN末端アミノ酸において前記異種タンパク質のC末端アミノ酸に融合している、請求項8に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項10】
前記IL-2バリアントポリペプチドが
、そのC末端アミノ酸において前記異種タンパク質のN末端アミノ酸に融合している、請求項
7に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項11】
前記IL-2バリアントポリペプチドが、ペプチドリンカーを通して、そのC末端アミノ酸において前記異種タンパク質のN末端アミノ酸に融合している、請求項10に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項12】
前記異種タンパク質が、前記IL-2バリアントポリペプチドの循環半減期を増加させる、請求項
7に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項13】
前記異種タンパク質が、腫瘍関連抗原(TAA)を標的とする抗体、抗体重鎖または軽鎖、抗体断片、タンパク質およびペプチドの形態でのターゲティング部分である、請求項
7に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項14】
前記異種タンパク質が、免疫チェックポイント調節因子に対する抗体または抗体断片である、請求項
13に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項15】
前記抗体がProgrammed Death-1(PD-1)アンタゴニスト抗体または抗体断片である、請求項
14に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項16】
前記抗体が、配列番号138および139に記載の重鎖および軽鎖アミノ酸配列、配列番号140および141に記載の重鎖および軽鎖アミノ酸配列、配列番号142および143に記載の重鎖および軽鎖アミノ酸配列、配列番号144および145に記載の重鎖および軽鎖アミノ酸配列、ならびに配列番号146および147に記載の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を含む抗体から選択されるアンタゴニストヒト化PD-1抗体である、請求項
15に記載の単離された融合タンパク質。
【請求項17】
薬剤的に許容できる担体と混合して
、請求項1~
16のいずれか一項に記載の
単離されたIL-2バリアントポリペプチドまたは単離された融合タンパク質を含む
、医薬組成物。
【請求項18】
対象における
がんを治療するための、請求項
17に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2019年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/947,806号および2019年6月14日に出願された米国仮特許出願第62/861,651号の利益を主張するものであり、該仮特許出願はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
インターロイキン2(IL-2)はT細胞に関連して記述がなされた最初の増殖因子である。その発見以後、IL-2は、インビトロにおいてはT細胞の増殖および生存を促進することが示され(Smith、KA.(1988年)、Science.、240巻、頁1169-76)、T細胞とウイルス感染(T viral infection)(Blattman、JNら(2003年)、Nat Med、9巻、頁540-7)やワクチン(Fishman、M.ら(2008年)、J Immunother.、31巻、頁72-80、Kudo-Saito、C.ら(2007年)、Cancer Immunol Immunother.、56巻、頁1897-910;Lin、CT.ら(2007年)、Immunol Lett.、114巻、頁86-93)との関連においては免疫応答をブーストする能力が示されている。
【0003】
IL-2はがん治療で用いられている。組換えヒトIL-2は転移性黒色腫および腎がんに対する効果の高い免疫療法であり、およそ10%の患者で持続的な反応が見られる。しかし、半減期が短く、毒性が強いことで、IL-2の最適用量は制限を受けている。さらに、IL-2は、そのヘテロ三量体型受容体のIL-2Rαβγに対して、より大きな親和性で結合するため、高レベルのIL-2Rαを恒常的に発現している免疫抑制的な制御性T細胞(Treg)の優先的な増殖が起こる。Tregの増殖はがん免疫療法にとってのIL-2の望ましくない効果となる。その結果、IL-2を使用したがんの免疫療法の成功には、1)どうように副作用を抑えつつ、必要な場所で活性化させるか、および2)どのようにTregの刺激を抑える一方で、エフェクターT細胞を優先的に活性化させるかという2つの基本的な重要課題に取り組まなければならない。
【0004】
さらに最近になって、細胞傷害性のエフェクターT細胞を選択的に刺激するようにIL-2を改変できることが分かった。様々なアプローチから、改善された選択的な免疫刺激能を有するIL-2バリアントが生成されるに至った。これらのIL-2バリアントのなかには、主に高親和性の受容体(α鎖、β鎖、およびγ鎖)によりシグナル伝達する能力を増強し、中間親和性の受容体(β鎖およびγ鎖)によりシグナル伝達する能力は増強しないように設計されたものもある。基本的な考え方としては、確認された毒性作用の原因であると考えられたNK細胞におけるシグナル伝達は促進せずに、T細胞におけるシグナル伝達を促進することとした。この分野の発明としては以下のものがある:米国特許第7,186,804号、米国特許第7,105,653号、米国特許第6,955,807号、米国特許第5,229,109号、米国特許出願公開第20050142106号。これらの発明はいずれも、生体内で天然のIL-2よりも高い治療有効性を有するIL-2のバリアントに関するものではないことに留意することが重要である。
【0005】
要約すると、IL-2は、様々な細胞集団の生物活性に非常に関りがある、高度に多面的なサイトカインである。この特性は、IL-2を、免疫応答の制御における重要な交点とし、各治療法および複雑な免疫調節の魅力的な標的としている。さらに、受容体サブユニットに偏ったIL-2バリアントを、IL-2によって媒介される選択的免疫調節を達成するように作製して、がん細胞を攻撃するTeff細胞を優先的に増殖および活性化し、一方ではTreg細胞の増殖および活性化を減少させることができる。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合能力が減少または消失したIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。具体的には、これらのバリアントは、生体内でネイティブな制御性T細胞を増殖させる証明済みの能力に由来するネイティブなIL-2による治で観察される制限を克服する方法をもたらすことになる。本発明は、変異している数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。導入された変異は、これらのポリペプチドのTreg細胞を刺激する能力を実質的に低下させ、IL-2により高い有効性を与える。さらに、導入された変異は、CD25によって媒介されるVLSおよびCD25によって媒介されるシンク効果を減少させると予想される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、制御性T細胞(Treg)の活性が望ましくないがんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0007】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合能力の減少または消失にくわえて、IL-2Rβγ相互作用を減少させることによって全体的な効力を最適に調節したIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。導入された変異は、経路の過剰活性化を防ぎ、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性を低減し、潜在的なシンクを減少させ、リンパ球の過剰刺激に伴う活性化誘導細胞疲弊を下げ、受容体媒介のIL-2インターナリゼーションを軽減し、したがって、生体内での半減期を延長し、ゆっくりと持続する薬力学をもたらして、生体内分布、生体利用能、機能および抗腫瘍有効性を向上させる。また、本発明の発明者らは、IL-2Rαへの結合が減少/消失し、IL-2Rβγ活性が減弱したIL-2バリアントの使用が、サイトカインと、著しく異なる効力および分子量を呈する抗体アームとの間の化学両論的バランスの確立を容易にして、最適な投薬およびを可能にし、各アームの機能を維持することを提案する。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0008】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合能力の減少または消失にくわえて、IL-2Rβγ相互作用が減少したIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。導入された変異は、延長され、耐久性のある薬力学および潜在的に薬物動態をもたらす。さらに、導入された変異は、細胞疲弊および活性化によって誘導される細胞死を減少させ、耐久性のあるリンパ球応答性を増強する。結果として、導入された変異は、より少ない頻度の投与レジメンが可能にし、診療所での投与の利便性を提供する。また、物品コストの削減も予想される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0009】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合が消失し、野生型対応物とは比較にならない予想外の大きい程度でエフェクターTおよびNK細胞応答が強化されたIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。CD25結合を消失させる変異は、CD25またはCD25+細胞へのシンクを減少させ、結果としてIL-2Rβγへの利用可能性を増加させると予想される。受容体占有が高まることにより、活発な細胞傷害性細胞応答および強い腫瘍殺傷有効性が引き出される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0010】
本発明の1つの態様において、導入された変異は、IL-2Rα(CD25)への結合能力は低下させたが、低レベルのTreg応答を保持した。残存する免疫制御性Tregは、免疫カウンターバランスを可能にし、全身的な忍容性を向上させ、細胞毒性エフェクター細胞に対して過剰に傾斜しない免疫バランスを確保する。微調整されたTreg応答は、腫瘍殺傷有効性を損なわない状態にあるが、末梢性寛容を維持するのに十分な強さである。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0011】
1つの態様において、本発明は、IL-2の変異バリアントの作製に関し、この変異体は、凝集の減少、発現の増加、製造可能性および開発適合性の向上を有し、例えば、Treg細胞を刺激する能力の実質的な低下、受容体の過剰活性化の減少、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性の低減、生体内分布、生体利用能、機能および抗腫瘍有効性を向上させる薬力学の延長を含む特性の組み合わせをもつ。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0012】
1つの態様において、本発明は、腎がんおよびメラノーマの治療のための臨床での高投与量IL-2に関連する血管漏出症候群(VLS)などの重篤な毒性の低減を特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。具体的には、導入された変異は、IL-2Rα(CD25)との結合能力を大幅に低下させ、結果として、CD25+肺内皮細胞との結合を損ない、内皮細胞の損傷を防ぎ、VLSを大幅に減少させることが予想される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント調節因子、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物トの一部として、これらの変異バリアントを治療に使用して安全プロファイルを向上させることを含む。
【0013】
本発明は、がんの治療における、現在のIL-2ベースの免疫調節戦略の実質的な改善を可能にする。具体的には、本明細書に記載の変異バリアントによる天然のIL-2の置換は、細胞傷害性エフェクター細胞よりもTreg細胞を優先的に刺激しないこと、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性の低減、過剰刺激に伴う細胞の消耗の最小化、および薬力学および潜在的に薬物動態の向上をもたらされることになる。変異により、CD25+肺内皮細胞への結合が損なわれ、その結果VLSが減少することが予想される。種々の実施形態において、IL-2バリアント(または変異体)は、配列番号3に記載の成熟ヒトIL-2ポリペプチドの配列に由来するIL-2バリアント(または変異体)の配列を含む。種々の実施形態において、IL-2バリアントはIL-2アゴニストとしての機能を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントはIL-2アンタゴニストとしての機能を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、配列番号31~66、または配列番号111~120または配列番号47のアミノ酸9~133、10~133、および11-113を含む。
【0014】
別の態様において、本発明のIL-2バリアントは、少なくとも1つの異種タンパク質に取り付けられている。種々の実施形態において、Il-2バリアントは、融合分子に延長された半減期を与える少なくとも1つのポリペプチドと融合している。そのようなポリペプチドとしては、IgG Fcまたは新生児Fc受容体に結合する他のポリペプチド、ヒト血清アルブミン、または血清中半減期が延長されたタンパク質に結合するポリペプチドが挙げられる。種々の実施形態において、IL-2バリアントはIgG Fc分子と融合している。種々の実施形態において、FcドメインはヒトIgG Fcドメインである。種々の実施形態において、Fcドメインは、配列番号6に記載のヒトIgG1重鎖定常ドメイン配列に由来するものである。種々の実施形態において、Fcドメインは、配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するFcドメインである。種々の実施形態において、Fcドメインは、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するFcドメインである。種々の実施形態において、Fcドメインは、ヒトIgG2重鎖定常ドメイン配列に由来するものである。種々の実施形態において、Fcドメインは、ヒトIgG4重鎖定常ドメイン配列に由来するものである。
【0015】
種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IgG Fc領域のN末端またはC末端に連結させることができる。
【0016】
用語「Fc」は、単量体形態であっても多量体形態であってもよい、全長抗体の非抗原結合性断片の配列を含む分子または配列を指す。ネイティブFcのオリジナルとなる免疫グロブリン供給源は、ヒト由来のものが好ましく、当該技術分野で開示がなされた任意の免疫グロブリンであってよい。ネイティブFcは、共有結合的結合(すなわち、ジスルフィド結合)および非共有結合的結合により、連結されて二量体形態または多量体形態になり得る、単量体ポリペプチドから構成される。ネイティブFc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(例えば、IgG、IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に応じて、1~4の幅がある。ネイティブFcの1例として、IgGのパパイン分解から生じるジスルフィド結合二量体がある(Ellisonら、(1982年)、Nucleic Acids Res.、10巻:頁4071-9)。用語「ネイティブFc」とは、本明細書で使用される場合、単量体形態、二量体形態、および多量体形態の総称である。プロテインAに対する結合部位、プロテインGに対する結合部位、種々のFc受容体に対する結合部位、および補体タンパク質に対する結合部位を含有するFcドメイン。
【0017】
種々の実施形態において、用語「Fcバリアント」とは、ネイティブFcから改変を受けたが、サルベージ受容体であるFcRnに対する結合部位を尚も含んでいる、分子または配列を指す。国際公開第97/34631号(1997年9月25日に公開)および国際公開第96/32458号には、例示的なFcバリアント、およびサルベージ受容体との相互作用に関する記載があり、当該国際公開は参照により本明細書に援用される。さらに、ネイティブFcは、本発明の融合分子には必要とされない構造的特徴または生物活性を与えることから、除去されてもよい部位を含む。すなわち、種々の実施形態においては、用語「Fcバリアント」は、以下に影響または関与する1つまたは複数のネイティブFc部位または残基を欠く分子または配列を含む:(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との不適合性、(3)選択された宿主細胞における発現後のN末端の異種性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または、(7)抗体依存性細胞傷害(ADCC)。
【0018】
用語「Fcドメイン」は、上記で定義された、ネイティブFcおよびFcバリアントの分子および配列を包含する。FcバリアントおよびネイティブFcと同様、用語「Fcドメイン」は、全長抗体から消化された、または組換え遺伝子発現もしくは他の手段で生成された、単量体形態または多量体形態の、分子を包含する。種々の実施形態において、「Fcドメイン」とは、ヒンジ領域の全体または一部を通常含む、2つのFcドメイン単量体(配列番号6)からなる二量体を指す。種々の実施形態において、Fcドメインはエフェクター機能を欠くように変異を受けていてもよい。種々の実施形態において、FcドメインのFcドメイン単量体の各々は、FcドメインとFcγ受容体との間の相互作用または結合を減少させるために、CH2抗体定常ドメインにアミノ酸置換を含む。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減する3つのアミノ酸置換(L234A、L235A、およびG237A)を含む(配列番号7)。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減する3つのアミノ酸置換(L234A、L235AおよびP329G)を含む。
【0019】
種々の実施形態において、Fcドメインは生体内半減期をさらに延長させるように変異を受けていてもよい。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、ヒトFcRnに対する結合性を増強させる米国特許第7,658,921号で開示された3つのアミノ酸置換(M252Y、S254T、およびT256E)を含む。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、米国特許第7,371,826号で開示されたアミノ酸置換(N434A)を含む(配列番号8)。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、ヒトFcRnに対する結合性を増強させる米国特許第8,546,543号に開示のアミノ酸置換M428LまたはN434Sのいずれかを含む。種々の実施形態において、半減期延長変異は、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減するアミノ酸置換と組み合わせることができる。
【0020】
種々の実施形態において、IL-2バリアントFc融合タンパク質は、単量体型であることになり、すなわち、IL-2変異タンパク質分子を1つだけ含む。そのような実施形態において、融合タンパク質は、IL-2バリアントに連結されたヘテロ二量体Fc(例えば配列番号9に記載の配列を有するKnob-Fc)および対応するヘテロ二量体Fc(例えば、配列番号10に記載の配列を有するHole-Fc)。上記2つのFc含有ポリペプチドのヘテロ二量体が形成された場合、得られるタンパク質は一価IL-2バリアントを含む。種々の実施形態において、一価IL-2 Fc融合タンパク質を作製するために使用されるヘテロ二量体Fcドメインは、エフェクター機能が低下/消失し、半減期が延長されたKnob-Fcドメイン(配列番号134)および減少した/が低下したHole-Fcドメイン(配列番号135)である。
【0021】
種々の実施形態において、本発明のIL-2バリアントは、抗キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)抗体などの、融合分子に対して半減期の延長をもたらす抗体に取り付けることができる。そのような抗体は、外来抗原を認識し、より長い半減期を与えるが、ヒトにおいて生物学的機能も害も持たない。IgGクラスは、IgG、IgA、IgEまたはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgA2)とすることができた。
【0022】
種々の実施形態において、本発明のIL-2バリアント構築物は、抗体、抗体断片、タンパク質、または腫瘍関連抗原(TAA)などのがん組織に富む分子に結合するペプチドの形態のターゲティング部分を含む。
【0023】
TAAは、免疫応答が望まれる任意の分子、巨大分子、分子の組み合わせなどであり得る。TAA、複数のポリペプチドサブユニットを含むタンパク質であり得る。例えば、タンパク質は、二量体、三量体、またはより高次の多量体であり得る。種々の実施形態において、タンパク質の2つ以上のサブユニットは、例えば、ジスルフィド結合などの共有結合で接続され得る。種々の実施形態において、タンパク質のサブユニットは、非共有相互作用と共に一緒に保持され得る。したがって、TAAは、それに対して当業者は免疫応答を誘導することを望む任意のペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物、もしくは有機小分子、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。種々の実施形態において、TAAは、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900または約1000個のアミノ酸を含むペプチドである。種々の実施形態において、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、一般的に注射によって対象に投与される分子である。
【0024】
種々の実施形態において、腫瘍特異的抗体または結合タンパク質は、遊離サイトカイン療法の全身毒性を回避しながら、それらがより最適な抗腫瘍免疫応答を刺激できる腫瘍部位などの疾患部位にIL-2バリアントを誘導するターゲティング部分として機能する。IL-2フルアゴニストの場合、抗体-抗原ターゲティングよりもむしろ、IL-2-IL-2R相互作用が、典型的な抗体用量における、腫瘍細胞ではなくIL-2受容体発現細胞への免疫サイトカインの局在を決定しうる。種々の実施形態において、IL-2Rαへの結合が減少/消失し、抗体融合タンパク質における効力が減弱したIL-2バリアントの使用は、IL-2と標的抗体との間の化学量論的バランスの確立を容易にし、IL-2部分が経路の過剰活性化を引き起こさない一方で、抗体が十分な標的占有を達成できる最適な投薬を達成する。IL-2Rαへの結合が減少/消失し、IL-2抗体融合タンパク質の効力が減弱したIL-2バリアントの使用は、抗体を介した腫瘍標的化をさらに増強し、末梢の活性化およびAICDを最小限に抑え、抗原シンクを減少させ、抗体アームを介して腫瘍ターゲティングを促進する。
【0025】
種々の実施形態において、本発明のIL-2変異体は、抗体、抗体断片、タンパク質、または免疫チェックポイント修飾因子を標的とするペプチドであるターゲティング/二重機能性部分に結合させることができる。
【0026】
多数の免疫チェックポイントタンパク質抗原が、様々な免疫細胞に発現していることが報告されており、例えば、SIRP(マクロファージ、単球、樹状細胞に発現)、CD47(腫瘍細胞および他の細胞種に高発現)、VISTA(単球、樹状細胞、B細胞、T細胞に発現)、CD152(活性化CD8+T細胞、CD4+T細胞および制御性T細胞で発現)、CD279(腫瘍浸透リンパ球に発現、活性化T細胞(CD4とCD8の両方)、制御性T細胞、活性化B細胞、活性化NK細胞、アレルギー性T細胞、単球、樹状細胞で発現)、CD274(T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、血管内皮細胞、膵島細胞に発現)、ならびにCD223(活性化T細胞、制御性T細胞、アレルギー性T細胞、NK細胞、NKT細胞、および形質細胞様樹状細胞に発現)(例えばPardoll,D.,Nature Reviews Cancer,12:252-264,2012を参照)が含まれる。免疫チェックポイントタンパク質であると明らかにされている抗原に結合する抗体は、当業者に公知である。例えば、様々な抗CD276抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20120294796号(Johnson et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD272抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20140017255号(Mataraza et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD152/CTLA-4抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20130136749号(Korman et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗LAG-3/CD223抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20110150892号(Thudium et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD279(PD-1)抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許7,488,802号(Collins et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD274(PD-L1)抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20130122014号(Korman et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗TIM-3抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20140044728号(Takayanagi et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗B7-H4抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20110085970号(Terrett et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。ならびに様々な抗TIGIT抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20180169239A1号(Grogan)およびそこに引用されている参考文献を参照)。これらの文献はそれぞれ、その中で教示されている特定の抗体や配列について、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0027】
種々の実施形態において、IL-2バリアントは、免疫細胞の表面に存在する免疫チェックポイントタンパク質抗原への結合を示す抗体、抗体断片、またはタンパク質もしくはペプチドに融合させることができる。種々の実施形態において、免疫チェックポイントタンパク質抗原は、限定されないが、CD279(PD-1)、CD274(PDL-1)、CD276、CD272、CD152、CD223(LAG-3)、CD40、SIRPα、CD47、OX-40、GITR、ICOS、CD27、4-1BB、TIM-3、B7-H3、B7-H4、TIGIT、およびVISTAからなる群より選択される。
【0028】
種々の実施形態において、抗体はアンタゴニストFAP抗体または抗体断片である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号136および137に記載の可変ドメイン配列を含むヒト化アンタゴニストFAP抗体である。種々の実施形態において、異種タンパク質は、免疫チェックポイント調節因子に対する抗体または抗体断片である。種々の実施形態において、抗体はアンタゴニストPD-1抗体または抗体断片である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号138および139、配列番号140および141、配列番号142および143、配列番号144および145、または配列番号146および147に記載の可変ドメイン配列を含むアンタゴニストPD-1抗体である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号148および149に記載の可変ドメイン配列を含むアンタゴニストヒトPD-L1抗体である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号150および151に記載の可変ドメイン配列を含むアンタゴニストCTLA-4抗体である。種々の実施形態において、異種タンパク質は、リンカーおよび/またはヒンジリンカーペプチドによってIL-2バリアントに結合している。リンカーまたはヒンジリンカーは、二次構造が比較的少ない、5個、10個、15個、20個、30個、40個(またはその間の数字)、またはそれ以上のアミノ酸からなる人工配列であり得る。
【0029】
種々の実施形態において、異種タンパク質は、αヘリックス高次構造を示し、タンパク質ドメイン間の剛直なスペーサーとして働き得る、10個、15個、20個、30個、40個(またはその間の数字)、またはそれ以上のアミノ酸からなる剛直なリンカーペプチドによって、IL-2バリアントに取り付けられている。
【0030】
別の態様において、IL-2バリアントは、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号、または同第4,179,337号に記載の方法で、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンなどの種々のポリオールを含むがこれらに限定はされない、種々の非タンパク質性ポリマーに連結することができる。種々の実施形態において、IL-2バリアント内の種々の位置でアミノ酸置換をなし、PEGなどのポリマーの付加を促してもよい。種々の実施形態において、そのようなPEG化タンパク質は、非PEG化タンパク質よりも、半減期が延長され、かつ/または免疫原性が低減され得る。
【0031】
種々の実施形態において、Il-2バリアントは、N末端またはC末端において、IgG Fcもしくは新生児Fcγ/受容体に結合する他のポリペプチド、ヒト血清アルブミン、または長期の血中半減期を有するタンパク質に結合するポリペプチド、または種々の非タンパク質性ポリマーに、非共有結合的または共有結合的に連結することができる。
【0032】
別の態様において、本開示は、IL-2バリアントを、薬剤的に許容できる担体と混合して含む医薬組成物を提供する。
【0033】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む上記方法を提供する。1つの実施形態において、対象はヒト対象である。種々の実施形態において、がんは、膵がん、胃がん、肝臓がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、メラノーマ、白血病、骨髄異形成症候群、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、頭頸部がん、横紋筋肉腫から選択される。
【0034】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法において、治療有効量の本発明の医薬組成物を、以下からなる群から選択される第2の治療方法と組み合わせて投与することを含む、上記方法を提供する:細胞障害性化学療法、免疫療法、小分子キナーゼ阻害剤標的療法、外科手術、放射線療法、および幹細胞移植。種々の実施形態において、併用療法は、治療有効量の免疫療法を対象に投与することを含み得るが、免疫療法としては、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体(depleting antibody)を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CTLA-4、PD-1、PD-L1、OX-40、CD137、TIGIT、GITR、LAG3、TIM-3、CD47、SIRPα、ICOS、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:TNFファミリー、IL-1、IL-4、IL-7、IL-12、IL-15、IL-17、IL-21、IL-22、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、およびIFN-γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療;CAR-NK細胞を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖されたかつ/またはTCRトランスジェニック)を用いた治療;TALL-104細胞を用いた治療;Toll様受容体(TLR:TLR7、TLR8、およびTLR9)作用剤CpGおよびイミキモドなどの免疫刺激剤を用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず;上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、IL-2バリアントと免疫療法との間には相乗作用が存在する。
【0035】
別の態様において、本開示は、がん治療用の医薬を調製するためのIL-2バリアントの使用を提供する。
【0036】
別の態様において、本開示は、本開示のIL-2バリアントをコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。別の態様において、本開示は、本明細書に記載の核酸を含むベクターを提供する。種々の実施形態において、上記のベクターは発現ベクターである。別の態様において、本開示は、本開示の核酸を含む単離された細胞を提供する。種々の実施形態において、上記の細胞は、本開示の発現ベクターを含む宿主細胞である。別の態様において、上記のタンパク質またはポリペプチドの発現を促進する条件下で上記の宿主細胞を培養することによる、IL-2バリアントの作製方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、例示的なIL-2バリアントFc融合タンパク質P-0635(1A)およびP-0704(1B)のSDS-PAGE(非還元条件下(レーン1)および還元条件下(レーン2))によって決定された純度ならびにSEC-HPLCによって評価された単量体の%割合を示す。P-0635およびP-0704は、野生型IL-2における同じアミノ酸置換P65Rを共有する。P-0635は、ホモ二量体Fcに融合した二価IL-2バリアントを含み、一方でP-0704は、ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)ヘテロ二量体Fcに融合した一価IL-2バリアントを含む。
【
図2】
図2は、プロテインA精製後の例示的なIL-2 Fc融合タンパク質P-0250(2A)、P-0318(2B)、P-0317(2C)、およびP-0531(2D)のサイズ排除クロマトグラムを示す。
【
図3】
図3は、ELISAにおけるIL-2RαへのIL-2 Fc融合タンパク質の結合強度に対するIL-2価の影響を示す。P-0531およびP-0689は、野生型IL-2における同じ開発適合性改善アミノ酸置換S125Iを共有する。P-0531は、ホモ二量体Fcに融合した二価IL-2バリアントを含み、一方でP-0689は、ノブ・イントゥ・ホールヘテロ二量体Fcに融合した一価IL-2バリアントを含む。
【
図4】
図4は、ELISAにおけるIL-2RαへのIL-2バリアントFc融合体の結合強度に対する様々な変異の影響を示す。(4A)IL-2バリアントFc融合体はT41へのアミノ酸置換を含み、(4B)IL-2バリアントFc融合体はY107へのアミノ酸置換を含み、(4Cおよび4D)IL-2バリアントFc融合体はR38へのアミノ酸置換を含む。
【
図5】
図5は、ELISAにおけるIL-2RαへのIL-2バリアントFc融合体の結合強度に対するIL-2 E68置換の影響を示す。
【
図6】
図6は、ELISAにおけるIL-2RαへのIL-2バリアントFc融合体の結合強度に対するIL-2 E62置換の影響を示す。
【
図7】
図7は、ELISAにおけるIL-2RαへのIL-2バリアントFc融合体の結合強度に対する様々なIL-2 P65置換の影響を示す。(7A~7B)IL-2P65置換はIL-2Rαへの結合の増強をもたらし、(7C)IL-2P65置換はIL-2Rαへの結合の減少をもたらし、(7D)IL-2P65置換はIL-2Rαへの結合の完全な消失をもたらした。
【
図8】
図8は、ELISAにおけるIL-2Rαへの結合強度に対するIL-2アミノ酸置換の組み合わせの効果を示す。(8A)IL-2Rαへの結合強度に対するIL-2 F42A置換の影響、(8B)F42AおよびCD25破壊置換E62Fの組み合わせは、IL-2Rαへの結合の完全な消失をもたらし、(8C)F42AおよびCD25破壊置換P65Hの組み合わせは、IL-2Rαへの結合の完全な消失をもたらした。
【
図9】
図9は、ヒトPBMCアッセイにおける野生型融合タンパク質(P-0531)および基準タンパク質(P-0551)と比較した、CD4+Treg細胞におけるSTAT5リン酸化の用量依存的誘導に対するIL-2変異体Fc融合タンパク質の異なる効果を示す。IL-2バリアントのパネルは、IL-2Rαへの結合の増強、減少、また消失をもたらすCD25干渉変異を含む。
【
図10】
図10は、野生型IL-2融合タンパク質P-0531、および基準タンパク質P-0551と比較して、ELISAにおけるIL-2バリアントFc融合タンパク質のパネルのIL-2Rβγへの結合の完全な保存を示す。IL-2バリアントのパネルは、IL-2Rαへの結合の増強、減少、また消失をもたらすCD25干渉変異を含む。
【
図11】
図11は、IL-2バリアントFc融合タンパク質のパネルが、ヒトPBMC中のCD8+T細胞(11A)およびNK細胞(11B)のKi67発現の誘導において同等の活性を示したことを示す。IL-2バリアントのパネルは、IL-2Rαへの結合の増強、減少、また消失をもたらすCD25干渉変異を含む。野生型IL-2融合タンパク質P-0531および基準タンパク質P-0511を比較のために含めた。
【
図12】
図12は、ヒトPBMCのCD8+T細胞でKi67発現を誘導する活性に対するIL-2価数の影響を示す。P-0531およびP-0689は、野生型IL-2 Fc融合タンパク質の二価および一価の対応物である。P-0635およびP-0704は、IL-2 P65R Fc融合体の二価および一価の相当物である。
【
図13】
図13は、その野生型の対応物と比較して、CD4+T細胞でpSTAT5発現を誘導する活性に対する様々なIL-2Rβ/γc調節アミノ酸置換またはN末端欠失の影響を示す。(13A)IL-2変異体、(13B~13C)アミノ酸置換を位置D20にもつIL-2変異体、(13D)IL-2 Q126E変異、および(13E)N末端アミノ酸が欠失したIL-2変異体。
【
図14】
図14は、ELISAにおけるIL-2Rβγへの結合強度(14A)およびヒトPBMC中のCD8+T細胞でのKi67発現を誘導する活性(14B)に対するIL-2Rβまたはγc破壊アミノ酸置換の影響を示す。P-0689は一価の野生型IL-2 Fc融合タンパク質であり、P-0704は、もはやIL-2Rαに結合できないが、二量体IL-2Rβγ受容体に対して完全な親和性と機能的活性を保持する一価のIL-2 P65R Fc融合体である。
【
図15】
図15は、ヒトPBMC中のCD8+T細胞(15A)、NK細胞(15B)、およびCD4+T細胞(15C)でのKi67発現を誘導するIL-2バリアントFc融合体の活性に対する様々なIL-2Rβ破壊アミノ酸変化の影響を示す。P-0704と基準分子(P-0551の単量体型)は比較のために含めた。
【
図16】
図16は、Balb/Cマウスへの単回注射後の末梢血におけるTreg(16A)、CD8+T(16B)、およびNK細胞(16C)の増殖に対するP-0704の時間依存的効果を示す。P-0704は一価のIL-2 P65R Fc融合体である。P-0689は一価の野生型IL-2 Fc融合タンパク質であり、比較のために含めた。FACS分析によるリンパ球表現型検査のために3日目と5日目に採血した。
【
図17】
図17は、ヒトPBMCアッセイにおけるCD4+Treg(17A)、CD8+T(17B)、およびNK細胞(17C)におけるSTAT5リン酸化の用量依存的誘導に対する融合形式の影響を示す。P-0704は一価のIL-2 P65R Fc融合体であり、P-0803は同じIL-2部分をもつ抗体融合体である。
【
図18】
図18は、ヒトPBMCアッセイにおける、IL-2の差動効果バリアント野生型融合タンパク質(P-0837)と比較した、CD4+Treg細胞(18A)、CD8+T(18B)、およびNK細胞(18C)におけるSTAT5リン酸化の用量依存的誘導に対するIL-2バリアント抗体融合タンパク質の区別のある効果の違いを示す。P-0838はIL-2Rαへの結合能力を著しく低下させるIL-2 P65Q変異をもち、P-0782はIL-2Rαへの結合が消失したIL-2P65R部分を有する。
【
図19】
図19は、ヒトPBMC中のCD8+T(19A)およびNK(19B)でのSTAT5リン酸化の刺激、ならびにCD8+T(19C)およびNK(19D)細胞のKi67発現の誘導におけるIL-2バリアント抗体融合体の活性に対するIL-2Rβ調節アミノ酸変化の影響を示す。3つの化合物はすべてIL-2部分にP65R変異を含み、P-0786およびP-0783は、それぞれ追加のIL-2Rβ破壊変異L19QおよびL19Hを含む。
【
図20】
図20は、ヒトPBMCアッセイにおける、CD4+Treg(20A)、CD8+T(20B)、およびNK細胞(20C)に対するSTAT5リン酸化の刺激、ならびにCD8+T(20D)およびNK細胞(20E)に対するKi67発現の誘導におけるIL-2バリアント抗体融合体の活性に対するIL-2Rβ調節アミノ酸変化の影響を示す。3つの化合物P-0838、P-0790、およびP-0787はすべて、IL-2部分にP65Q変異を含み、P-0790およびP-0787は、それぞれ追加のIL-2Rβ調節変異L19QおよびL19Hを含む。P-0837は野生型IL-2融合対応物である。
【
図21】
図21は、増殖中のCTLL-2細胞におけるIL-2バリアント抗体融合体の活性に対するIL-2Rβ調節アミノ酸の変化の影響を示す。P-0782、P-0783、およびP-0786はすべてIL-2部分にP65R変異を含み、P-0786およびP-0783はそれぞれ追加のIL-2R調節変異L19QおよびL19Hを含む。P-0837は野生型IL-2融合体対応物である。
【
図22】
図22は、ELISAにおける抗体アームへの直接結合(22A)およびリガンド競合阻害(22B)に対するIL-2バリアントの融合体の最小限の影響を示し、同様に、IL-2バリアントヒトPD-1抗体IL-2は、FACS分析で分析した細胞表面に発現したPD1に対して親抗体と同様の結合を示した(
図22C)。P-0795は、ヒトPD-1アンタゴニスト抗体であり、P-0880、P-0803、およびP-0885は、P-0795の重鎖のC末端に共有結合した単量体IL-2 P65Rバリアントを有する。P-0803およびP-0885は同じIL-2 P65R/S125I置換を共有するが、リンカーが異なる(それぞれ(G
3S)
2および(G
4S)
3)。P-0885は1つの追加のL19Q変異を含む。P-0704およびP-0859は、それぞれP-0880とP-0885のFc融合体対応物である。
【
図23】
図23は、ヒトPBMC中のCD4+Treg(23Aおよび23B)、CD8+T(23Cおよび23D)、およびNK細胞(23Eおよび23F)におけるSTAT5リン酸化の用量依存的誘導に対するIL-2バリアント抗体融合タンパク質の効果の違いを示す。P-0803およびP-0804は、それぞれP65RおよびL19H/P65R変異をもつIL-2バリアントヒトPD-1抗体融合タンパク質である。P-0782は、IL-2 P65RサロゲートマウスPD-1抗体融合体であり、P-0783はP-0782と比較して追加のL19H変異を含む。
【
図24】
図24は、プロテインA精製後のIL-2バリアントヒトPD-1抗体融合タンパク質、P-0840(24A)、P-0841(24B)、P-0803(24C)、およびP-0880(24D)のサイズ排除クロマトグラムを示す。
【
図25】
図25は、ヒトPBMCアッセイにおけるCD8+T(25Aおよび25B)、およびNK細胞(25Cおよび25D)でのSTAT5リン酸化の用量依存的誘導に対するIL-2バリアント抗体融合タンパク質のリンカー長の影響を示す。P-0840およびP-0841はともに、IL-2 L19Q/P65QバリアントヒトPD-1抗体融合タンパク質であり、P-0840は(G
3S)
2リンカーを含み、P-0841は(G
4S)
3リンカーを有する。同様に、P-0803およびP-0880はIL-2 P65RバリアントヒトPD-1抗体融合タンパク質であり、P-0803は(G
3S)
2リンカーを含み、一方でP-0880は(G
4S)
3リンカーを有する。
【
図26】
図26は、ヒトPBMCにおいてCD8+T(26A)およびNK細胞(26B)でのSTAT5リン酸化を刺激し、CD8+T(26C)およびNK細胞(26D)でのKi67発現を誘導する際のIL-2バリアントヒトPD-1抗体融合体の活性に対するIL-2R調節アミノ酸変化の影響を示す。3つの化合物、P-0880、P-0885、およびP-0882はすべて、P65R変異をIL-2部分に含み、P-0885およびP-0882は、さらなるIL-2Rβ調節変異L19QおよびL19Hをそれぞれ含む。P-0849は野生型IL-2融合体対応物である。化合物はすべて、PD-1抗体重鎖とIL-2をつなぐ(G
4S)
3リンカーを有する。
【
図27】
図27は、C57BL6マウスに単回注射した後の、CD8+T細胞(27A)、およびNK細胞(27B)におけるKi67発現に対するIL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質P-0782、P-0838、P-0781(基準)、およびP-0837の時間依存的効果、ならびにCD8(27C)およびNK細胞(27D)の細胞増殖に対する影響を示す。細胞増殖はベースラインに対する細胞数の倍率変化で表した。P-0782はIL-2部分にP65R変異を含み、P-0838はP65Q変異を含み、P-0781は、IL-2Rαへの結合が消失した基準IL-2バリアントをもち、P-0837は野生型IL-2融合体対応物である。
【
図28】
図28は、C57BL6マウスにおける単回注射後の、CD8+T(28A)、およびNK細胞(28B)におけるKi67発現に対するIL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質P-0786の時間および用量依存的効果、ならびにCD8(28C)およびNK細胞(28D)の細胞増殖に対する影響を示す。細胞増殖はベースラインに対する細胞数の倍率変化で表した。P-0786は、IL-2Rαへの結合を消失させ、全体的な効力を低下させるL19Q/P65R変異を含む。野生型IL-2融合体対応物であるP-0837を比較のために含めた。
【
図29】
図29は、C57BL6マウスにおける単回注射後の、CD8+T(29A)、およびNK細胞(29B)におけるKi67発現に対するIL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質P-0783の時間および用量依存的効果、ならびにCD8(29C)およびNK細胞(29D)の細胞増殖に対する影響を示す。細胞増殖は、ベースラインに対する細胞数の倍率変化で表した。P-0783は、IL-2Rαへの結合を消失させ、全体的な効力を低下させるL19H/P65R変異を含む。野生型IL-2融合体対応物であるP-0837を比較のために含めた。
【
図30】
図30は、IL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質、P-0782、P-0786、およびP-0783を投与されたC57BL/6マウスにおける体重変化を示す。化合物はすべて、IL-2部分にP65R変異を含み、P-0781はIL-2Rαへの結合を消失させた基準IL-2バリアントをもち、P-0786およびP-0783は、追加のIL-2Rβ破壊変異L19QおよびL19Hをそれぞれ含む。データは平均値±SEMとして表されている。
【
図31】
図31は、Q7D反復投薬スケジュール後の皮下B16F10マウスメラノーマ腫瘍モデルにおけるIL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質の抗腫瘍有効性(31A)および体重変化(31B)を示す。3つの抗体融合タンパク質はすべて、IL-2Rαへの結合を損なうIL-2L65Q変異を含み、P-0790およびP-0787は、全体的な効力をさらに調節するための、それぞれ追加のL19QおよびL19H変異を含む。データは平均値±SEMとして表されている。
【
図32】
図32は、Q7D反復投薬スケジュール後の皮下B16F10マウスメラノーマ腫瘍モデルにおける2つの投与量でのP-0787の抗腫瘍有効性(32A)および体重変化(32B)を示す。P-0787は、IL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質であり、L19H/P65Q変異を含む。データは平均値±SEMとして表されている。
【
図33】
図33は、Q7D反復投薬スケジュール後の皮下B16F10マウスメラノーマ腫瘍モデルにおけるIL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質P-0782およびP-0786の抗腫瘍有効性を示す。サロゲートマウスPD-1抗体であるP-0722を比較のために含めた。P-0782およびP-0786はともに、IL-2Rα結合消失abrogated変異P65Rを含み、一方でP-0786は全体的な効力を調節するための追加のL19Q変異を含む。データは平均値±SEMとして表されている。
【
図34】
図34は、マウスB16F10肺転移モデルでのP-0790による肺転移性結節の用量依存的阻害を示す。(34A)平均肺結節数。(34B)各グループの代表的な動物の肺の写真。P-0790はIL-2L19Q/P65QサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質であり、IL-2Rαへの結合が著しく損なわれ、全体的な効力が調節されている。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析は、一元配置分散分析とそれに続くテューキー事後検定で行った。*p<0.05。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、1個~数個のアミノ酸が変異していることを除き、ヒトIL-2と一次配列を共有している、ポリペプチドに関する。IL-2バリアントは、これらのポリペプチドのTreg細胞を刺激する能力を実質的に低下させ、腫瘍の治療においてそれらポリペプチドをより効果的にする変異を含んでいる。また、制御性T細胞(Treg)の活性が望ましくないがんや感染症などの疾患の治療のために、単独、またはワクチン、TAA標的生物製剤、もしくは免疫チェックポイントブロッカーと組み合わせて、または二機能性分子構築体の構成要素として使用する、これらの変異バリアントの治療用途も含まれる。別の態様において、本発明は、本開示のポリペプチドを含む医薬組成物に関する。最後に、本発明は、がんおよび種々の感染症に対する免疫系の選択的調節効果による、本開示のポリペプチドおよび医薬組成物の治療用途に関する。
【0039】
定義
本明細書において、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は同義的に使用されており、アミノ酸残基のポリマーを指している。種々の実施形態において、「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は、α炭素同士がペプチド結合を通じて連結されているアミノ酸鎖である。鎖の一方の末端(アミノ末端)の末端アミノ酸はすなわち遊離アミノ基を有しており、一方、鎖の他方の末端(カルボキシ末端)の末端アミノ酸は遊離カルボキシル基を有している。本明細書で使用される場合、用語「アミノ末端」(N末端と省略)は、ペプチドのアミノ末端のアミノ酸上の遊離α-アミノ基を指すか、あるいは、ペプチド内の任意の他の場所のアミノ酸のα-アミノ基(ペプチド結合に参加している場合のアミノ基)を指す。同様に、用語「カルボキシ末端」は、ペプチドのカルボキシ末端の遊離カルボキシル基、またはペプチド内の任意の他の場所のアミノ酸のカルボキシル基を指す。ペプチドは、実質的に任意のポリアミノ酸も包含し、ペプチド模倣薬が挙げられるがこれに限定はされず、例えば、アミノ酸同士がアミド結合ではなくエーテルによって連結されているものなどである。
【0040】
本開示のポリペプチドは、例えば、(1)タンパク質分解に対する感受性の低減、(2)酸化に対する感受性の低減、(3)タンパク質複合体形成を目的とした結合親和性の変化、(4)結合親和性の変化、および、(5)他の物理化学的特性または機能特性の付与または改変など、いかなる方法およびいかなる理由で改変されたポリペプチドも包含する。
【0041】
アミノ酸の「置換」とは、本明細書で使用される場合、親ポリペプチド配列内の特定位置のあるアミノ酸の、異なるアミノ酸との、ポリペプチドにおける置換を指す。アミノ酸置換は、当該技術分野において周知の遺伝学的手法または化学的手法を用いて生じさせることができる。例えば、天然配列に(例えば、分子間接触を形成しているドメインの外側のポリペプチド部分に)、単一のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)がなされていてもよいし、複数のアミノ酸置換がなされていてもよい。「保存的アミノ酸置換」とは、ポリペプチド内の、あるアミノ酸の、機能的に類似したアミノ酸との置換を指す。下記の6つのグループはそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含んでいる。:
1)アラニン(A)、セリン(S)、およびスレオニン(T)
2)アスパラギン酸(D)、およびグルタミン酸(E)
3)アスパラギン(N)、およびグルタミン(Q)
4)アルギニン(R)、およびリジン(K)
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、およびバリン(V)
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)
【0042】
「非保存的アミノ酸置換」とは、これらのクラスの1つの構成要素の別のクラスの構成要素への置換を指す。そのような変化を起こす際、種々の実施形態においては、アミノ酸の疎水性親水性指標が考慮される場合がある。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特性に基づいて、疎水性親水性指標が割り振られている。それぞれの疎水性親水性指標は以下である、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);トレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。
【0043】
タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際のアミノ酸疎水性親水性指標の重要性は、当該技術分野においては理解されているところである(例えば、Kyteら、1982年、J.Mol.Biol.、157:105-131を参照)。ある特定のアミノ酸を、同様の疎水性親水性指標または疎水性親水性スコアを有する他のアミノ酸に置換しても、同様の生物活性が保持され得ることが知られている。疎水性親水性指標に基づいて変化を起こす際、種々の実施形態においては、両者の疎水性親水性指標が±2以内であるアミノ酸同士の置換が含まれる。種々の実施形態においては±1以内のものが含まれ、種々の実施形態においては±0.5以内のものが含まれる。
【0044】
また、特に、このように作製された生物学的な機能を持つタンパク質またはペプチドの、本明細書において開示される免疫学的な実施形態での使用が意図されている場合、類似アミノ酸同士の置換は、親水性に基づくことで、効率的に為すことができると、当該技術分野では理解されている。種々の実施形態において、隣接アミノ酸の親水性によって制御される、タンパク質の局所的な平均親水性の最大値は、その免疫原性および抗原性と相関しており、すなわち、当該タンパク質の生物学的特性と相関している。
【0045】
下記の親水性値がこれらのアミノ酸残基に割り振られている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0.+-.1);グルタミン酸(+3.0.+-.1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(-0.4);プロリン(-0.5.+-.1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5)、およびトリプトファン(-3.4)。同様の親水性値に基づいた変化を起こす際、種々の実施形態においては、親水性値が±2以内であるアミノ酸同士の置換が含まれ、種々の実施形態においては±1以内のものが含まれ、種々の実施形態においては±0.5以内のものが含まれる。
【0046】
【0047】
当業者であれば、周知の手法を用いて、本明細書に記載されているポリペプチドの好適なバリアントを決定することができる。種々の実施形態において、当業者は、活性に重要であるとは考えられていない領域を標的とすることにより、活性を破壊することなく変化を起こすことができる、上記分子の好適な領域を、特定することができる。他の実施形態において、当業者は、類似ポリペプチド間で保存されている、上記分子の残基および部分を特定することができる。さらなる実施形態においては、生物活性または構造にとって重要であり得る領域でさえも、生物活性を破壊することも、ポリペプチド構造に悪影響を与えることもなく、保存的アミノ酸置換を起こすことができる。
【0048】
さらに、当業者は、活性または構造にとって重要な類似ポリペプチド内の残基を特定する構造・機能研究を調査することができる。そのような比較を考慮に入れて、当業者は、類似ポリペプチドの活性または構造にとって重要なアミノ酸残基に対応する、ポリペプチド内のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、そのような予測された重要アミノ酸残基のために、化学的に類似したアミノ酸置換を選択することができる。
【0049】
また、当業者は、三次元構造およびアミノ酸配列を、類似ポリペプチドの当該構造と関連させて解析することができる。そのような情報に照らして、当業者は、その三次元構造に関して、ポリペプチドのアミノ酸残基の並びを予測することができる。種々の実施形態において、当業者は、ポリペプチドの表面上に存在すると予測されたアミノ酸残基に、このような残基は他の分子との重要な相互作用に関与している場合があるため、根本的な変化が生じないように、選択を行うことができる。さらに、当業者は、所望のアミノ酸残基のそれぞれに単一のアミノ酸置換を含む試験バリアントを作製することができる。その後、当業者に公知の活性定量法を用いて、バリアントのスクリーニングを行うことができる。そのようなバリアントを用いることで、好適なバリアントに関する情報を集めてもよい。例えば、特定のアミノ酸残基への変化が活性の破壊、活性の好ましくない低減、または不適切な活性をもたらすことが分かった場合、そのような変化を有するバリアントを避けることができる。言い換えれば、そのような通例の実験から集められた情報に基づいて、当業者は、単独または他の変異と組み合わせた、さらなる置換が避けられるべきアミノ酸を容易に確認することができる。
【0050】
用語「ポリペプチド断片」および「切断型ポリペプチド」とは、本明細書で使用される場合、対応する完全長タンパク質と比較して、アミノ末端および/またはカルボキシ末端に欠失を有するポリペプチドを指す。種々の実施形態において、断片は、例えば、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、150以上、200以上、250以上、300以上、350以上、400以上、450以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、または1000以上のアミノ酸長とすることができる。種々の実施形態において、断片は、例えば、1000以下、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下、450以下、400以下、350以下、300以下、250以下、200以下、150以下、100以下、50以下、25以下、10以下、または5以下のアミノ酸長ともすることができる。断片には、その一方または両方の末端に、1つまたは複数の追加のアミノ酸をさらに含ませることができ、例えば、異なる天然タンパク質由来のアミノ酸配列(例えば、Fcまたはロイシンジッパードメイン)または人工アミノ酸配列(例えば、人工リンカー配列)を含ませることができる。
【0051】
「ポリペプチドバリアント」、「ハイブリッドポリペプチド」、および「ポリペプチド変異体」という用語は、本明細書で使用される場合、別のポリペプチド配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列に挿入されている、アミノ酸配列から欠失している、かつ/またはアミノ酸配列中に置換されているアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。種々の実施形態において、挿入、欠失、または置換されているアミノ酸残基の数は、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、または少なくとも500のアミノ酸長とすることができる。本開示のハイブリッドは融合タンパク質を包含する。
【0052】
ポリペプチドの「誘導体」とは、化学的に修飾されたポリペプチドであって、例えば、ポリエチレングリコール、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)などの別の化学的部分への結合、リン酸化、およびグリコシル化などである。
【0053】
本明細書において、用語「%配列同一性」は、用語「%同一性」と同義的に使用されており、配列アラインメント用プログラムを用いてアラインメントされた場合の、2以上のペプチド配列間のアミノ酸配列同一性の値、または2以上のヌクレオチド配列間のヌクレオチド配列同一性の値を指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%同一性は、規定のアルゴリズムで測定された80%配列同一性と同じことを意味し、所与の配列が別の長さの別の配列に対して少なくとも80%の同一性を有することを意味している。種々の実施形態において、%同一性は、所与の配列に対しての、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%、またはそれ以上の配列同一性から選択される。種々の実施形態において、%同一性は、例えば、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約99%の範囲内である。
【0054】
本明細書において、用語「%配列相同性」は、用語「%相同性」と同義的に使用されており、配列アラインメント用プログラムを用いてアラインメントされた場合の、2以上のペプチド配列間のアミノ酸配列相同性の値、または2以上のヌクレオチド配列間のヌクレオチド配列相同性の値を指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%相同性は、規定のアルゴリズムで測定された80%配列相同性と同じことを意味し、すなわち、所与の配列の相同体は所与の配列のある長さに亘って80%超の配列相同性を有する。種々の実施形態において、%相同性は、所与の配列に対しての、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%、またはそれ以上の配列相同性から選択される。種々の実施形態において、%相同性は、例えば、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約99%の範囲内である。
【0055】
2つの配列間の同一性を確認するために用いることができる例示的なコンピュータプログラムとしては、NCBIウェブサイトにおいてインターネット上で一般に入手可能な一連のBLASTプログラム、例えば、BLASTN、BLASTX、およびTBLASTX、BLASTPおよびTBLASTN、が挙げられるが、これらに限定はされない。また、Altschulら、J.Mol.Biol.、215巻:頁403-10、1990年(公表された初期設定、すなわち、パラメーターw=4、パラメーターt=17、に特に関連して)、およびAltschulら、Nucleic Acids Res.、25巻:頁3389-3402、1997年を参照されたい。GenBank Protein Sequencesや他の公開データベースのアミノ酸配列と比較して所与のアミノ酸配列を評価する場合、配列検索は典型的に、BLASTPプログラムを用いて行う。BLASTXプログラムは、GenBank Protein Sequencesや他の公開データベースのアミノ酸配列に対して、全ての読み取り枠で翻訳された核酸配列の検索に好ましい。オープンギャップペナルティ=11.0、ギャップ伸長ペナルティ=1.0という初期パラメーターを用いて、BLASTPおよびBLASTXの両方を実行し、BLOSUM-62行列を利用する。
【0056】
パーセント配列同一性の算出に加え、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA、90巻:頁5873-5787、1993年を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性尺度の1つとして、最小和確率(smallest sum probability)(P(N))があり、これは、2つのヌクレオチド配列間または2つのアミノ酸配列間で一致が偶然に生じる確率を示す。例えば、試験核酸を参照核酸と比較した場合の最小和確率が、例えば、約0.1未満、約0.01未満、または約0.001未満である場合、核酸は参照配列に類似しているとみなされる。
【0057】
用語「修飾」とは、本明細書で使用される場合、ペプチド骨格(例えばアミノ酸配列)の任意の操作またはポリペプチドの翻訳後修飾(例えばグリコシル化)を指す。
【0058】
用語「ノブ・イントゥ・ホール修飾(knob-into-hole modification)」とは、本明細書で使用される場合、CH3ドメインにおける、2つの免疫グロブリン重鎖間の境界面内の修飾を指す。1つの実施形態において、「ノブ・イントゥ・ホール修飾」は、一方の抗体重鎖にはアミノ酸置換T366Wと任意選択でアミノ酸置換S354Cとを含み、他方の抗体重鎖にはアミノ酸置換T366S、L368A、Y407Vと、任意選択でY349Cとを含む。ノブ・イントゥ・ホール技術は、米国特許第5,731,168号;米国特許第7,695,936号;Ridgwayら、Prot Eng、9巻、頁617-621(1996年)、およびCarter、J Immunol Meth、248巻、頁7-15(2001年)などで説明されている。
【0059】
用語「融合タンパク質」とは、本明細書で使用される場合、元は別々のタンパク質をコードしていた2以上の遺伝子を含む融合ポリペプチド分子であって、その構成成分は、直接またはペプチドリンカーを介して、ペプチド結合で互いに連結されている、融合ポリペプチド分子を指す。用語「融合した」とは、本明細書で使用される場合、構成成分が、直接または1もしくは複数のペプチドリンカーを介して、ペプチド結合で連結されていることを指す。
【0060】
「リンカー」とは、共有結合的に、またはイオン結合、ファンデルワールス結合、もしくは水素結合を通じて、2つの他分子を連結する分子のことをいい、例えば、ある相補的配列の5’末端にハイブリダイズし、さらに、別の相補的配列の3’末端にハイブリダイズすることで、2つの非相補的配列を連結する核酸分子である。「切断可能なリンカー」とは、切断可能なリンカーによって連結されている2つの成分を分離するために、分解または他の方法による切断が可能なリンカーを指す。切断可能なリンカーは一般的には酵素によって切断され、典型的にはペプチダーゼ、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼなどによって切断される。切断可能なリンカーは、例えば温度変化、pH変化、塩濃度変化などの、環境要因によって切断される場合もある。
【0061】
用語「ペプチドリンカー」とは、本明細書で使用される場合、1つまたは複数のアミノ酸、典型的には2~20個程度のアミノ酸、を含むペプチドを指す。ペプチドリンカーは、当該技術分野において公知のものか、本明細書に記載のものである。好適な非免疫原性のリンカーペプチドとしては、(G4S)nペプチドリンカー、(SG4)nペプチドリンカー、またはG4(SG4)nペプチドリンカーなどが挙げられる。「n」は通常は1~10の数字であり、典型的には2~4の数字である。
【0062】
「医薬組成物」は、動物における製薬学的用途において好適な組成物を指す。医薬組成物は、薬理学的有効量の活性薬剤と、薬剤的に許容できる担体とを含む。「薬理学的有効量」とは、意図された薬理学的結果を得るのに有効な薬剤量を指す。「薬剤的に許容できる担体」とは、任意の標準的な医薬担体、溶媒、緩衝液、および医薬品添加物を指し、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、5%ブドウ糖水溶液、水中油型エマルションまたは油中水型エマルションなどのエマルション、ならびに、様々な種類の湿潤剤および/または補助剤などである。好適な医薬担体および製剤については、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第21版、2005年、マック出版社(Mack Publishing Co)、イーストン、に記載がある。「薬剤的に許容できる塩」は、製薬学的用途で化合物に配合できる塩であり、例えば、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)、アンモニア塩、有機アミン塩が挙げられる。
【0063】
本明細書で使用される場合、「治療」(および「治療する」や「治療すること」などのその文法的変形語)は、治療を受けている個体における病気の自然経過を変化させるための臨床的介入を指し、予防のために実施することもできるし、臨床病理の経過中に実施することもできる。望ましい治療効果としては、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理的帰結の低減、転移の予防、疾患増悪速度の減少、病状の改善または軽減、および寛解または予後の改善が挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書で使用される場合、疾患、障害、または状態を「軽減する」とは、当該疾患、障害、または状態の症状の重症度および/または発生頻度を低減させることを意味する。さらに、本明細書における「治療」に関する記載は、治癒的、対症的および予防的な治療に関する記載を包含する。
【0064】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、その症状の1つまたは複数を改善、緩和、軽減、および/または遅延するなど、特定の障害、状態、または疾患を治療するのに十分な化合物または組成物の量を指す。がん、または他の望ましくない細胞の増殖に関して、有効量は、以下に十分な量を含む:(i)がん細胞数の減少;(ii)腫瘍サイズの減少;(iii)末梢器官へのがん細胞浸潤の阻害、遅滞、ある程度の減速、好ましくは停止;(iv)腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の減速、好ましくは停止);(v)腫瘍増殖の阻害;(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発の抑制または遅延;ならびに/または、(vii)がんと関連した症状のうちの1もしくは複数のある程度の軽減。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。
【0065】
「投与する」または「投与させる(cause to be administered)」という表現は、当該の薬剤/化合物の患者への投与を管理および/または許可する、医療専門家(例えば、医師)、または患者の医学的ケアを管理する人、によって行われる行為を指す。投与させることには、診断、および/または適切な治療レジメンの決定、および/または患者への特定の薬剤/化合物の処方が含まれ得る。このような処方は、例えば、処方箋書式の草案、医療記録の注釈などを包含し得る。投与が本明細書に記載されている場合、「投与させること」も企図される。
【0066】
用語「患者」、「個体」、および「対象」は、同義的に使用されている場合があり、哺乳動物を指し、ヒトまたはヒト以外の霊長類が好ましいが、家畜化された哺乳類(例えば、イヌまたはネコ)、実験用の哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット)、および農業用の哺乳類(例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ)を指す場合もある。種々の実施形態において、患者は、病院、精神科医療施設で医師もしくは他の医療従事者の治療を受けている、外来患者としての、または他の臨床状況下の、ヒト(例えば、成人男性、成人女性、青年期男性、青年期女性、男児、女児)とすることができる。種々の実施形態において、患者は、免疫無防備状態の患者または免疫系が弱まった患者としてもよく、例えば、原発性免疫不全症患者、エイズ患者;ある特定の免疫抑制剤を服用しているがん患者および移植患者;ならびに、免疫系に影響を及ぼす遺伝病(例えば、先天性無ガンマグロブリン血症、先天性IgA欠損症)を有する患者が挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、患者は免疫原性のがんを有しており、例えば、膀胱がん、肺がん、黒色腫、および変異率が高いと報告されている他のがん(Lawrenceら、Nature、499巻(7457号):頁214-218、2013年)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0067】
用語「免疫療法」とは、がん治療のことをいい、例えば、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CTLA-4、PD-1、OX-40、CD137、GITR、LAG3、TIM-3、SIRP、CD47、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL-2、IL-12、IL-15、IL-21、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、およびIFN-γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療;CAR-NK細胞を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖されたかつ/またはTCRトランスジェニックのT細胞)を用いた治療;TALL-104細胞を用いた治療;Toll様受容体(TLR)アゴニストCpGおよびイミキモドなどの免疫刺激剤を用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0068】
「抵抗性または難治性のがん」とは、化学療法、外科手術、放射線療法、幹細胞移植、および免疫療法などをはじめとするこれまでの抗がん治療には反応しない腫瘍細胞またはがんを指す。腫瘍細胞は、治療開始時から抵抗性または難治性である可能性もあるし、治療の中で抵抗性または難治性になる場合もある。難治性の腫瘍細胞には、治療の開始に反応しない、または、短期間の初期反応は示すが、治療に反応はしない、腫瘍が含まれる。難治性の腫瘍細胞には、抗がん治療による治療に反応するが、その後引き続く治療には反応しない腫瘍も含まれる。本発明の目的上、難治性の腫瘍細胞は、抗がん療法による治療で阻害されたように見えたが、治療の中止後に5年以内、場合によっては10年以内、またはそれ以上の期間以内に再発する腫瘍も包含する。抗がん治療では、化学療法剤単独、放射線単独、標的療法単独、外科手術単独、またはこれらの組み合わせが使用できる。説明の簡略化のためであり、限定を目的としたものではないが、上記の難治性腫瘍細胞は抵抗性腫瘍と交換可能であると理解されたい。
【0069】
「Fcドメイン」または「Fc領域」という用語は、本明細書で使用される場合、定常領域の一部を少なくとも含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を規定するために使用される。この用語はネイティブ配列のFc領域とバリアントFc領域とを包含する。IgGのFc領域はIgGのCH2ドメインとIgGのCH3ドメインとから構成される。CH3領域は、本明細書においては、ネイティブ配列のCH3ドメインである場合と、バリアントCH3ドメイン(例えば、その一方の鎖に「凸部」(「ノブ」)が導入され、そのもう一方の鎖に対応する「凹部」(「ホール」)が導入された、CH3ドメイン;参照によって本明細書に明確に援用される、米国特許第5,821,333号を参照)である場合がある。このようなバリアントCH3ドメインを用いることで、本明細書に記載されているような2つの同一でない免疫グロブリン重鎖のヘテロ二量体化が促進され得る。本明細書においては特に記載がない限り、Fc領域または定常領域でのアミノ酸残基の番号付けは、EU付番方式に従うものとする。
【0070】
用語「エフェクター機能」とは、本明細書で使用される場合、免疫グロブリンのFc領域に起因する生物活性を指し、免疫グロブリンのアイソタイプによって異なる。免疫グロブリンのエフェクター機能の例としては、C1qとの結合による補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体との結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)、サイトカイン分泌、抗原提示細胞による免疫複合体を介した抗原取り込み、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の発現低下、およびB細胞活性化が挙げられる。エフェクター機能とは、CD8やNK細胞などのエフェクター免疫細胞によって誘発される同様の免疫反応を指すこともある。
【0071】
「制御性T細胞」または「Treg細胞」という用語、本明細書で使用される場合、他のT細胞(エフェクターT細胞)の反応を抑制できる、特殊な種類のCD4+T細胞を意味する。Treg細胞は、CD4、IL-2受容体のαサブユニット(CD25)、および転写因子であるフォークヘッドボックスP3(FOXP3)の発現を特徴としており(Sakaguchi、Annu Rev Immunol、22巻、頁531-62(2004年))、腫瘍によって発現されたものを包含する抗原に対する末梢性自己寛容の誘導と維持において決定的役割な役割を果たす。
【0072】
用語「従来型CD4+T細胞」とは、本明細書で使用される場合、制御性T細胞以外のCD4+T細胞を意味する。従来型CD4+T細胞はCD3およびCD4を発現する。ナイーブで刺激されていない状態では、IL-2受容体のα-サブユニット(CD25)を発現せず、IL-2受容体のβγ-サブユニットを発現している。
【0073】
用語「CD8 T細胞」とは、CD3およびCD8の発現を特徴とする細胞傷害性Tリンパ球の一種である。CD8 T細胞は、主にIL-2受容体のβγ-サブユニットを発現し、がん細胞、ウイルスに感染した細胞、またはその他の方法で損傷を受けた細胞を殺傷するのに重要な役割を担っている。
【0074】
用語「NK細胞」とは、自然免疫系に重要な細胞傷害性リンパ球の一種である。NK細胞は主にIL-2受容体のβγ-サブユニットを発現し、ウイルスに感染した細胞および腫瘍の形成に対して迅速な応答をもたらす。
【0075】
本明細書で使用される場合、「特異的結合」とは、結合が抗原に対して選択的であることを意味し、望ましくないまたは非特異的な相互作用とは区別できる。免疫グロブリンの特異的抗原に対する結合能力は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、または表面プラズモン共鳴(SPR)法などの当業者に周知の他の方法を通じて測定できる。
【0076】
「親和性」または「結合親和性」という用語は、本明細書で使用される場合、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合的な相互作用の総合計強度を指す。一般的に、分子XのそのパートナーYに対する親和性は解離定数(KD)で表すことができ、KDは解離速度定数と会合速度定数(それぞれkoffおよびkon)の比である。親和性を測定するための特定の方法として、表面プラズモン共鳴(SPR)がある。
【0077】
用語「結合性の減少」とは、本明細書で使用される場合、SPRなどで測定された場合の、それぞれの相互作用における、親和性の減少を指す。逆に、「結合性の増加」とは、それぞれの相互作用における、結合親和性の増加を指す。
【0078】
用語「ポリマー」とは、本明細書で使用される場合、通常、ホモポリマー;例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、および交互コポリマーなどのコポリマー;ならびにターポリマー;ならびにこれらの混合物および修飾物を包含するが、これらに限定はされない。さらに、特に限定されていない限り、用語「ポリマー」は、その物質の全ての可能な幾何学的立体配置を包含するものとする。これらの立体配置は、アイソタクチックな対称性、シンジオタクチックな対称性、およびランダムな対称性を包含するが、これらに限定はされない。
【0079】
「ポリエチレングリコール」または「PEG」とは、共役化剤、または共役部分もしくは活性化部分(例えば、アルデヒド部分、ヒドロキシサクシニミジル部分、ヒドラジド部分、チオール部分、トリフレート部分、トレシレート(tresylate)部分、アジリジン(azirdine)部分、オキシラン部分、オルトピリジルジスルフィド部分、ビニルスルホン部分、ヨードアセトアミド部分、またはマレイミド部分)による誘導体化、を用いるまたは用いない、ポリアルキレングリコール化合物またはその誘導体を意味する。種々の実施形態において、PEGは、実質的に直鎖のPEG、直鎖PEG、分岐鎖PEG、または樹状PEGを包含する。PEGは、市販されている、または当該技術分野において周知の方法(SandlerおよびKaro、Polymer Synthesis、アカデミック・プレス社、ニューヨーク、3巻、頁138~161)に従ったエチレングリコールの開環重合により作製できる、周知の水溶性ポリマーである。
【0080】
「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチド単位から構成される重合体を指す。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(「DNA」)およびリボ核酸(「RNA」)などの天然核酸だけでなく、核酸アナログも包含する。核酸アナログは、天然ホスホジエステル結合以外の他のヌクレオチドとの結合に参加しているヌクレオチドである非天然塩基を含むもの、ホスホジエステル結合以外の結合を通じて付加された塩基を含むもの、を包含する。すなわち、核酸アナログは、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリエステル、ホスホルアミダート、ボラノリン酸、メチルホスホン酸、キラル-メチルホスホン酸、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)などを包含し、これらに限定はされない。このようなポリヌクレオチドは、自動DNA合成装置などを用いて合成することができる。用語「核酸」は、典型的には大型のポリヌクレオチドを指す。用語「オリゴヌクレオチド」は、典型的には短いポリヌクレオチドを指し、一般的には約50ヌクレオチド以下である。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)で表されている場合、「U」が「T」と置き換わったRNA配列(すなわち、A、U、G、C)もこれに包含されることは理解されたい。
【0081】
本明細書では従来の表示法を用いてポリヌクレオチド配列を記載している。一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側の末端が5’末端であり;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向を5’方向と称する。新生RNA転写物への5’方向から3’方向へのヌクレオチド付加を転写方向と称する。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖を「コード鎖」と称し;DNAから転写されたmRNAと同じ配列を有し、RNA転写物の5’末端の5’側に位置するDNA鎖上の配列を「上流配列」と称し;RNAと同じ配列を有し、コードRNA転写物の3’末端の3’側にあるDNA鎖上の配列を「下流配列」と称する。
【0082】
「相補的」とは、位相幾何学的な適合性、すなわち、2つのポリヌクレオチドの相互作用し合う表面同士の一致性をいう。すなわち、この2つの分子は相補的と記載することができ、さらには、接触表面特徴が互いに相補的である。第一のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と実質的に同一である場合、または、第一のポリヌクレオチドがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で第二のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能である場合、第一のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドに相補的である。
【0083】
「~に特異的にハイブリダイズすること」または「特異的なハイブリダイゼーション」または「~に選択的にハイブリダイズする」とは、核酸分子が、特定のヌクレオチド配列に対して、当該配列が混合物としての(例えば、全細胞)DNAまたはRNA中に存在している場合に、ストリンジェントな条件下で優先的に、結合、二本鎖形成、またはハイブリダイズすることを指す。用語「ストリンジェントな条件」とは、プローブが、その標的物質には優先的にハイブリダイズするが、他の配列に対してはより小さな程度にしかハイブリダイズしないか、または全くハイブリダイズしないであろう、条件を指す。サザンハイブリダイゼーションおよびノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験に関連して、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存的であり、異なる環境パラメーター下では異なったものとなる。核酸のハイブリダイゼーションの詳細な手引きは、Tijssen、1993年、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Acid Probes、第I部、第2章、「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays」、エルゼビア社、ニューヨーク州;Sambrookら、2001年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、コールド・スプリング・ハーバー研究所、第3版、ニューヨーク州;および、Ausubelら(編)、Current Edition,Current Protocols in Molecular Biology、グリーン・パブリッシング・アソシエート・アンド・ワイリー・インターサイエンス社(Greene Publishing Associates and Wiley Interscience)、ニューヨーク州に見出すことができる。
【0084】
通常、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件および高度にストリンジェントな洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHにおける特定の配列の融解温度(Tm)より5℃程度低くなるように選択される。Tmは、標的配列の50%が完全一致プローブにハイブリダイズする(規定のイオン強度およびpH下での)温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブのTmと同じになるように選択される。サザンブロットまたはノーザンブロットにおけるフィルター上の約100超の相補的残基を有する相補的核酸同士のハイブリダイゼーションのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例は、50%ホルマリン+1mgヘパリン、42℃、一晩のハイブリダイゼーション実行である。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、0.15M NaCl、72℃、約15分である。ストリンジェントな洗浄条件の例は、0.2×SSC洗浄、65℃、15分である。SSC緩衝液の説明については、Sambrookらを参照されたい。高度にストリンジェントな洗浄の前に、低度にストリンジェントな洗浄を行うことで、バックグラウンドのプローブシグナルを除去することができる。例えば約100超のヌクレオチドの二本鎖に対する中程度にストリンジェントな洗浄の例は、1×SSC、45℃、15分である。例えば約100超のヌクレオチドの二本鎖に対する低度にストリンジェントな洗浄の例は、4~6×SSC、40℃、15分である。通常、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて、無関係のプローブにおいて確認されたシグナル・ノイズ比の2倍(以上)のシグナル・ノイズ比が、特定のハイブリダイゼーションの検出を示す。
【0085】
「プライマー」とは、指定のポリヌクレオチド鋳型に特異的にハイブリダイズし、相補的ポリヌクレオチドの合成開始点を与えることが可能な、ポリヌクレオチドを指す。このような合成は、ポリヌクレオチドプライマーが、合成が誘導される条件下に、すなわち、ヌクレオチド類と、相補的ポリヌクレオチド鋳型と、DNAポリメラーゼなどの重合用の物質と、の存在下に、置かれた場合に生じる。プライマーは典型的には一本鎖であるが、二本鎖であってもよい。プライマーは典型的にはデオキシリボ核酸であるが、幅広い種類の合成プライマーおよび天然プライマーが多くの適用で有用である。プライマーは鋳型に対して相補的であり、鋳型にハイブリダイズして合成開始部位として働くように設計されているが、鋳型の配列を厳密に反映している必要はない。このような場合の、鋳型に対するプライマーの特異的なハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシー次第である。プライマーは、発色性部分、放射性部分、または蛍光性部分などで標識でき、検出可能な部分として使用できる。
【0086】
「プローブ」とは、ポリヌクレオチドを指して使用されている場合、別のポリヌクレオチドの指定の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能なポリヌクレオチドをいう。プローブは、標的の相補的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするものであるが、鋳型の相補的配列を厳密に反映している必要はない。このような場合の、標的に対するプローブの特異的なハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシー次第である。プローブは、発色性部分、放射性部分、または蛍光性部分などで標識でき、検出可能な部分として使用できる。プローブが相補的なポリヌクレオチドの合成開始点を与える場合、プローブをプライマーとすることもできる。
【0087】
「ベクター」は、それに連結した別の核酸を細胞に導入するのに使用できるポリヌクレオチドである。ベクターの1種として「プラスミド」があるが、プラスミドとは、その中に追加の核酸セグメントを連結することができる、直鎖状または環状の二本鎖DNA分子をいう。別の種類のベクターとしてウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、複製欠損アデノウイルス、および複製欠損アデノ随伴ウイルス)があり、このウイルスゲノムの中には追加のDNAセグメントを導入することができる。ある特定のベクターは導入された宿主細胞内で自律増殖が可能である(例えば、細菌性複製開始点を含む細菌ベクターおよびエピソーム性の哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性の哺乳類ベクター)は、宿主細胞内への導入後に宿主細胞のゲノムに組み入れられることで、宿主ゲノムと共に複製される。「発現ベクター」は選択されたポリヌクレオチドの発現を指示することができるベクターの一種である。
【0088】
「制御配列」は、それが機能的に連結された核酸の発現(例えば、発現量、発現タイミング、または発現場所)に影響を与える核酸である。制御配列は、例えば、被制御核酸に対して直接、あるいは、1つまたは複数の他の分子(例えば、当該制御配列および/または当該核酸に結合するポリペプチド)の作用を通じて、その効果を及ぼし得る。制御配列の例としては、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が挙げられる。制御配列のさらなる例が、例えば、Goeddel、1990年、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、185巻、アカデミック・プレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州、およびBaronら、1995年、Nucleic Acids Res.、23巻、頁3605-06に記載されている。制御配列がヌクレオチド配列の発現(例えば、発現量、発現タイミング、または発現場所)に影響を及ぼしている場合、当該ヌクレオチド配列は当該制御配列に「機能的に連結」されていることになる。
【0089】
「宿主細胞」は、本開示のポリヌクレオチドの発現に用いることができる細胞である。宿主細胞は原核生物とすることができ、例えば、大腸菌とすることができ、あるいは、宿主細胞は真核生物とすることができ、例えば、単細胞の真核生物(例えば、酵母または他の真菌)、植物細胞(例えば、タバコ植物細胞またはトマト植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞、または昆虫細胞)、またはハイブリドーマとすることができる。典型的には、宿主細胞はポリペプチドコード核酸による形質転換またはそのトランスフェクトが可能な培養細胞であり、当該宿主細胞においてこのポリペプチドコード核酸の発現が可能となる。発現対象の核酸で形質転換された、またはそれをトランスフェクトされた宿主細胞を表すために、「組換え宿主細胞」という表現が用いられている場合がある。宿主細胞はまた、上記核酸を含んではいるが、それを所望のレベルでは発現していない細胞とすることもできるが、ただし、上記核酸と機能的に連結するように制御配列が当該宿主細胞に導入されている場合は除く。宿主細胞という用語は、特定の対象細胞を指すだけでなく、そのような細胞の子孫や潜在的な子孫も指すと理解される。突然変異や環境の影響などによってある特定の改変が後の世代において生じ得るため、そのような子孫は実際には親細胞と同一でない場合があるが、その場合であっても、本明細書で使用される上記用語の範囲内に包含される。
【0090】
用語「単離された分子」(ここで、分子はポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどである)は、その起源または派生源に基づいて、(1)天然状態のそれに伴っている天然付随成分を付随していない分子、(2)同じ種由来の他の分子を実質的に含んでいない分子、(3)異なる種由来の細胞によって発現された分子、または(4)天然では生じない分子である。すなわち、化学的に合成された分子、または天然にそれが生じる細胞とは異なる細胞系で発現された分子が、その天然付随成分から「単離」されることとなる。当該技術分野において周知の精製法を用いて、分子を、単離により天然付随成分を実質的に含まないものとしてもよい。当該技術分野において周知のいくつかの手段で、分子の純度または均一性を評価することができる。例えば、当該技術分野において周知の方法を用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびゲル染色によりポリペプチドを可視化することで、ポリペプチド試料の純度を評価することができる。ある特定の目的のために、HPLCまたは当該技術分野において周知の他の精製手段を用いることで、より高い解像度を得てもよい。
【0091】
試料の少なくとも約60%~75%が単一のポリペプチド種を示す場合に、タンパク質またはポリペプチドは「実質的に純粋な」、「実質的に均一な」、または「実質的に精製された」ものである。このポリペプチドまたはタンパク質は単量体であっても多量体であってもよい。典型的には、実質的に純粋なポリペプチドまたはタンパク質は、タンパク質試料の約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%(W/W)、通常約95%を構成することになり、99%超純粋となることが好ましい。タンパク質の純度または均一性は、タンパク質試料をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、当該技術分野において周知の染色法によるゲル染色で単一ポリペプチドバンドを可視化するなどの、当該技術分野において周知のいくつかの手段で、示すことができる。ある特定の目的のために、HPLCまたは当該技術分野において周知の他の精製手段を用いることで、より高い解像度を得てもよい。
【0092】
「標識」または「標識化」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体に別の分子を組み込むことをいう。1つの実施形態において、標識は検出可能なマーカーであり、例えば、放射性標識されたアミノ酸の組み込み、またはマークを付けたアビジンにより検出可能なビオチニル部分のポリペプチドへの付加(例えば、光学的方法または熱量測定法(calorimetric method)で検出可能な蛍光マーカーまたは酵素活性を含むストレプトアビジン)である。別の実施形態において、標識またはマーカーは、治療用の標識またはマーカーとすることができ、例えば、薬剤複合体または毒素である。ポリペプチドおよび糖タンパク質の種々の標識法が、当該技術分野において公知であり、使用されてよい。ポリペプチド用の標識の例として、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:放射性同位元素または放射性核種(例えば、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光ラベル(例えば、FITC蛍光体、ローダミン蛍光体、ランタニド蛍光体)、酵素標識(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体に対する結合部位、金属結合ドメイン、エピトープ標識)、磁性を有する薬剤、例えばガドリニウムキレート、毒素、例えば百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにこれらのアナログまたはホモログ。種々の実施形態において、標識は、起こり得る立体障害を抑制するため、様々な長さのスペーサーアームによって付加される。
【0093】
用語「異種の」とは、本明細書で使用される場合、構成や状態が天然のものではない、または天然には存在しないことを指し、例えば、既存の天然構成または天然状態を、別の供給源由来の構成または状態と置き替えることにより達成することができる構成や状態を指す。同様に、そのタンパク質が天然で発現される生物以外の生物でのタンパク質の発現は、異種発現系および異種タンパク質となる。
【0094】
本明細書に記載の本開示の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなるもの」、および/または態様および実施形態「から本質的になるもの」、を包含すると理解される。
【0095】
本明細書における「約」値またはパラメーターを指す記載は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とした変動を包含(および説明)する。例えば、「約X」を指す記載は、「X」という記載を包含する。
【0096】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈によって特に明示されていない限り、「a」、「または(or)」、および「the」といった単数形は複数形を包含する。本明細書に記載の本開示の態様および変更形態は、態様および変更形態「からなるもの」、および/または態様および変更形態「から本質的になるもの」、を包含すると理解される。
【0097】
IL-2
インターロイキン-2(IL-2)は、古典的なTh1サイトカインであり、T細胞抗原受容体と共起刺激分子CD28を介した活性化後のT細胞によって産生される。IL-2の制御は、シグナル経路の活性化と、IL-2プロモーターに作用して遺伝子転写を新たに引き起こす転写因子と、を通じて起こるが、IL-2mRNAの安定性の調節も伴う。IL-2は、Jak-STAT経路を通じたシグナル伝達を仲介する、高度に制御されたα鎖とβ鎖とγ鎖を含む多鎖受容体に結合する。IL-2は、活性化シグナル、増殖シグナル、および分化シグナルをT細胞、B細胞、およびNK細胞に送達する。IL-2はまた、免疫応答を終了させるための必要不可欠な機構を与える機能である、T細胞の活性化誘導細胞死の媒介において重要である。市販の非グリコシル化ヒト組換えIL-2製品である、アルデスロイキン(カリフォルニア州サンディエゴのプロメテウス・ラボラトリーズ社(Prometheus Laboratories Inc.)から、PROLEUKIN(登録商標)という商標のデス-アラニル-1、セリン-125ヒトインターロイキン-2として入手可能)は、転移性腎細胞癌患者および転移性黒色腫患者への投与用に承認されている。IL-2はまた、C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者、急性骨髄性白血病患者、非ホジキンリンパ腫患者、皮膚T細胞リンパ腫患者、若年性関節リウマチ患者、アトピー性皮膚炎患者、乳がん患者、および膀胱がん患者における投与が提唱されている。残念ながら、半減期の短さと毒性の強さがIL-2の最適用量に制限を設けている。
【0098】
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL-2」および「ネイティブインターロイキン-2」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、および成熟型を包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン-2アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類インターロイキン-2種のアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_032392.1(ハツカネズミ(Mus musculus)、未成熟型)、NP_001040595.1(アカゲザル(Macaca mulatta)、未成熟型)、NP_000577.2(ヒト、前駆型)、CAA01199.1(ヒト、未成熟型)、AAD48509.1(ヒト、未成熟型)、およびAAB20900.1(ヒト)が挙げられる。本発明の種々の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然哺乳類IL-2の未成熟型または前駆型である。他の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然哺乳類IL-2の成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然ヒトIL-2の前駆型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然ヒトIL-2の成熟型である。種々の実施形態において、IL-2をベースとするドメインD2は、下記の配列番号1に記載のヒトIL-2前駆体配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号1)
【0099】
種々の実施形態において、IL-2をベースとするドメインD2は、下記の配列番号3に記載のヒトIL-2成熟型野生型配列のアミノ酸配列を含み、当該アミノ酸配列は125位にシステインからセリンへの置換を含むが、天然IL-2との比較でIL-2受容体との結合性は変化させていない:
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号3)
【0100】
IL-2バリアント
本発明は、1個~数個のアミノ酸が変異していることを除き、ヒトIL-2と一次配列を共有している、ポリペプチドに関する。IL-2バリアントの1つのパネルは、これらのポリペプチドのTreg細胞を刺激する能力を実質的に低下させ、腫瘍の治療においてそれらポリペプチドをより効果的にする変異を含んでいる。また、制御性T細胞(Treg)の活性が望ましくないがんや感染症などの疾患の治療のために、単独、またはワクチン、TAA標的生物製剤、もしくは免疫チェックポイントブロッカーと組み合わせて、または二機能性分子構築体の構成要素として使用する、これらの変異バリアントの治療用途も含まれる。別の態様において、本発明は、本開示のポリペプチドを含む医薬組成物に関する。最後に、本発明は、自己免疫性および炎症性障害またはがんおよび種々の感染症のような疾患に対する免疫系の選択的調節効果による、本開示のポリペプチドおよび医薬組成物の治療用途に関する。
【0101】
本発明は、見掛けの分子量が少なくとも15kDである、100~500アミノ酸長、好ましくは140残基サイズのポリペプチドに関する。これらのポリペプチドはネイティブIL-2と90%を超える高い配列同一性を保持する。これらの位置において、これらのポリペプチドは、ネイティブIL-2の同位置におけるアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基を導入する変異が生じている。
【0102】
本発明のポリペプチドは、他の名称のなかでも、免疫調節性ポリペプチド、IL-2類似体、またはIL-2バリアントと称することがある。これらのポリペプチドは、IL-2受容体複合体の三次元構造(PDB公開データベースで利用可能)に基づいて設計されており、主に、IL-2受容体サブユニットαと相互作用するアミノ酸に対応するIL-2の位置に変異が導入されている。
【0103】
種々の実施形態において、IL-2バリアント(または変異体)は、配列番号3に記載の成熟ヒトIL-2ポリペプチドの配列に由来する配列を含む。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、ネイティブ(または野生型)IL-2タンパク質とは異なるアミノ酸配列を含む。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2受容体ポリペプチドと相互作用し、IL-2のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能する。種々の実施形態において、アゴニスト活性を有するIL-2バリアントは、スーパーアゴニスト活性を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rαとの結び付きとは無関係に、IL-2のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能できる。IL-2アゴニストは、野生型IL-2と比較した場合の同等または増加した生物活性により例証される。IL-2アンタゴニストは、野生型IL-2と比較した場合の生物活性の減少、またはIL-2介在反応を阻害する能力により例証される。種々の実施形態において、IL-2バリアントの配列は、ネイティブIL-2配列と比較した場合に、少なくとも1つのアミノ酸変化、例えば置換または欠失、を有し、このような変化により、IL-2アゴニスト活性またはIL-2アンタゴニスト活性が得られる。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rαへの結合が減少/消失してエフェクターT細胞(Teff)を選択的に活性化し増殖させる配列番号31~66に記載のアミノ酸配列を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rβまたはγcに関連する毒性を低減し、細胞の消耗を減弱させ、持続的な薬力学を向上させるために、IL-2Rαへの結合の減少/消失を引き起こして、効力が減弱したエフェクターT細胞を選択的に活性化し、増殖させる変異にくわえて、IL-2Rβまたはγcを調節する変異を含む配列番号111~120に記載のアミノ酸配列を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rαへの結合の減少/消失を引き起こして、効力が減弱したエフェクターT細胞を選択的に活性化し、増殖させる変異にくわえて、N末端欠失を含む配列番号189(アミノ酸462~586)、190(アミノ酸462~585)、および191(アミノ酸462~584)のアミノ酸配列を有する。種々の実施形態において、配列番号31~66、111~120に記載のアミノ酸配列、ならびに配列番号47のアミノ酸9~133、10~133、および11~133をもつIL-2バリアントはまた、S125Iアミノ酸置換を含んで、IL-2および対応する融合タンパク質の開発適合性プロファイルを向上させる。
【0104】
IL-2Rαとの接触面にアミノ酸置換が導入された例示的なIL-2バリアントを表2に示す。
【0105】
本発明の主要な態様は、がん治療のために、IL-2Rαβγを発現する細胞よりもIL-2Rβγを発現する(しかしIL-2Rαは発現しない)細胞に対するIL-2選択性を野生型IL-2と比べて向上させることである。本発明の発明者らによって用いられた1つのアプローチは、サイトカイン成分にCD25を破壊する変異を導入することを通して、高度に選択的なIL-2-Fc融合タンパク質を作り出すことである。CD25破壊変異の選択は、IL-2/IL-2R共結晶構造(PDBコード2B51)の精査に基づいた。R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、およびY107を含む、IL-2受容体αサブユニットとの接触面にある1つまたは2つの関連する残基に対する複数のアミノ酸置換が、IL-2Rαへの結合を減少または消失させることを目標として導入された。また、これらの構築物はS125I変異を含み、開発適合性が著しく向上した。くわえて、IL-2バリアントがIL-2Rα+肺内皮細胞への結合を損なうことで、内皮細胞の損傷を防ぎ、VLSを著しく減少させることが予想される。さらに、CD25結合を損なうことは、CD25抗原シンクを減少させ、IL-2Rβγ-発現細胞へのサイトカイン占有を高め、結果として生体内反応と腫瘍殺傷効果を高めることも予想される。
【0106】
標的となるIL-2残基、R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、およびY107はすべてIL-2Rαとの接触面にあり、複数のIL-2Rα残基と水素結合/塩橋または疎水性相互作用のいずれか形成するので(Mathias Rickert,et al.(2005) Science 308,1477-80)、表2および同様のものに列挙されているIL-2バリアントはIL-2Rαとの相互作用を壊すと予想され、IL-2Rαへの結合が減少または消失したIL-2バリアントをもたらすと推論された。しかし、異なる部位での変異や同一部位での異なる置換は、IL-2Rα結合への影響に劇的な違いをもたらす可能性があり、構造ベースの変異誘発アプローチに基づいて予測することができず、特に予想外のものもあること(実施例4および5を参照)が見出された。
【0107】
さらに、IL-2Rβγ調節置換をさらに組み込んで、最適な活性のために全体的な効力を減弱できると推論された。IL-2Rβγのアゴニストによって調節される効力は、細胞傷害性リンパ球の過剰活性化を防ぎ、「オンターゲット」で「標的組織外に対する」毒性を最小限に抑えることができる。くわえて、過剰な刺激によって誘導される細胞の疲弊とアポトーシスを最小限に抑え得る。さらに、サイトカインシグナル伝達分子の結合親和性の減弱は、受容体によって媒介される内在化を減少させ、不要な標的シンクを減少させ、持続的な受容体活性化および耐久性のある薬力学および薬物動態を導くことができる。その結果として、IL-2Rβγ調節置換は、毒性を低減し、薬物動態および薬力学ならびに治療指標を向上できる可能性がある。
【0108】
IL-2Rαへの結合が減少/消失したIL-2バリアントに対するIL-2Rβまたはγcを破壊する変異を含むアミノ酸置換をもつ例示的なIL-2バリアントを表3に示す。
【0109】
本発明はまた、上記のIL-2バリアントのクラスに対する、特に表2および表3に記載のものに対する追加の改変、例えば上記のIL-2バリアントに対する8、または9、または10個のN末端残基の欠失を包含し、効力が様々なレベルで減弱したエフェクターT細胞を選択的に活性化および増殖させる。任意のさらなる組み合わせ変異は、IL-2受容体の特定成分に対するその親和性を変えるものであっても、あるいはそのインビボ薬力学的特性(半減期を延長する、またはT細胞によるその内部移行を低減する)を向上させるものであっても、本発明の趣旨および範囲に包含される。これらの追加の変異は、バイオインフォマティクスツールを用いた合理的な設計によって、または様々な性質のコンビナトリアル分子ライブラリー(ファージライブラリー、酵母または細菌における遺伝子発現のライブラリー)を用いることによって、得てもよい。別の態様において、本発明は、担体タンパク質と結合した、上記の免疫調節性ポリペプチドのいずれかを含む、融合タンパク質に関する。担体タンパク質はアルブミンまたはヒト免疫グロブリンのFc領域とすることができる。
【0110】
種々の実施形態において、配列番号170に記載のアミノ酸配列を有するIL-2RαSushiは、様々な長さおよび組成のリンカーを使用してIL-2とFcドメインとの間に連結された。Fcドメインは、N末端またはC末端にあることができる。IL-2-IL-2RαSushi-Fc融合タンパク質は、配列番号171~172に記載のアミノ酸配列を有し、IL-2Rαへの結合が減少してエフェクターT細胞を選択的に活性化して増殖させることが予想される。
【0111】
種々の実施形態において、IL-2およびIL-2RαSushiは非共有結合複合体を形成する。IL-2は、Hole-Fc鎖(配列番号10)のN末端またはC末端のいずれかに融合され、IL-2RαSushiは、Knob-Fc鎖(配列番号9)のN末端またはC末端のいずれかに融合された。非共有結合C末端IL-2-IL-2RαSushi-Fc融合タンパク質は、配列番号173~174に記載のアミノ酸配列を有する。
【0112】
Fcドメイン
IgGクラスの免疫グロブリンはヒト血液中で最も豊富なタンパク質である。それらの循環血中半減期は21日間もの長さに達し得る。IgGのFc領域を種々のサイトカインや受容体などの別のタンパク質のドメインと組み合わせた、融合タンパク質の報告がある(例えば、Caponら、Nature、337巻:頁525-531、1989年;Chamowら、Trends Biotechnol.、14巻:頁52-60、1996年);米国特許第5,116,964号および同第5,541,087号を参照)。融合タンパク質の原型は、IgGのFcのヒンジ領域内のシステイン残基を介して連結された、重鎖の可変領域およびCH1ドメインと軽鎖がないIgG分子に似た分子となった、ホモ二量体タンパク質である。Fcドメインを含む融合タンパク質の二量体特性は、他の分子とのより高次の相互作用(すなわち二価または二重特異的結合)を実現する際に有利となり得る。構造的な相同性により、Fc融合タンパク質は、同様のアイソタイプをもつヒトIgGと同等のインビボ薬物動態プロファイルを示す。
【0113】
用語「Fc」は、単量体形態であっても多量体形態であってもよい、全長抗体の非抗原結合性断片の配列を含む分子または配列を指す。ネイティブFcのオリジナルとなる免疫グロブリン供給源は、ヒト由来のものが好ましく、任意の免疫グロブリンであってよいが、IgG1およびIgG2が好ましい。ネイティブFcは、共有結合的結合(すなわち、ジスルフィド結合)および非共有結合的結合により、連結されて二量体形態または多量体形態になり得る、単量体ポリペプチドから構成される。ネイティブFc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(例えば、IgG、IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に応じて、1~4の幅がある。ネイティブFcの1例として、IgGのパパイン分解から生じるジスルフィド結合二量体がある(Ellisonら、(1982年)、Nucleic Acids Res.、10巻:頁4071-9)。用語「ネイティブFc」とは、本明細書で使用される場合、単量体形態、二量体形態、および多量体形態の総称である。プロテインAに対する結合部位、プロテインGに対する結合部位、種々のFc受容体に対する結合部位、および補体タンパク質に対する結合部位を含有するFcドメイン。
【0114】
種々の実施形態において、用語「Fcバリアント」とは、ネイティブFcから改変を受けたが、サルベージ受容体であるFcRnに対する結合部位を尚も含んでいる、分子または配列を指す。国際公開第97/34631号(1997年9月25日に公開)および国際公開第96/32478号には、例示的なFcバリアント、およびサルベージ受容体との相互作用に関する記載があり、当該国際公開は参照により本明細書に援用される。さらに、ネイティブFcは、本発明の融合分子には必要とされない構造的特徴または生物活性を与えることから、除去されてもよい部位を含む。すなわち、種々の実施形態においては、用語「Fcバリアント」は、以下に影響または関与する1つまたは複数のネイティブFc部位または残基を欠く分子または配列を含む:(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との不適合性、(3)選択された宿主細胞における発現後のN末端の異種性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または、(7)抗体依存性細胞傷害(ADCC)。
【0115】
用語「Fcドメイン」は、上記で定義された、ネイティブFcおよびFcバリアントの分子および配列を包含する。FcバリアントおよびネイティブFcと同様、用語「Fcドメイン」は、全長抗体から消化された、または組換え遺伝子発現もしくは他の手段で生成された、単量体形態または多量体形態の、分子を包含する。種々の実施形態において、「Fcドメイン」とは、ヒンジ領域の全体または一部を通常含む、2つのFcドメイン単量体(配列番号6)からなる二量体を指す。種々の実施形態において、Fcドメインはエフェクター機能を欠くように変異を受けていてもよい。種々の実施形態において、FcドメインのFcドメイン単量体の各々は、FcドメインとFcγ受容体との間の相互作用または結合を減少させるために、CH2抗体定常ドメインにアミノ酸置換を含む。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減する3つのアミノ酸置換(L234A、L235A、およびG237A)を含む(配列番号7)。
【0116】
種々の実施形態において、Fcドメインの2つのFcドメイン単量体は、それぞれ、これら2つの単量体のヘテロ二量体化を促すアミノ酸置換を含む。種々の他の実施形態において、Fcドメイン単量体のヘテロ二量体化は、2つのFcドメイン単量体に異なっているが適合性の置換(「ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)」残基対など)を導入することにより、促すことができる。この「ノブ・イントゥ・ホール」技術は米国特許第8,216,805号においても開示されている。さらに別の実施形態では、一方のFcドメイン単量体がノブ型変異T366Wを含み、他方のFcドメイン単量体がホール型変異のT366S、L358A、およびY407Vを含む。種々の実施形態において、安定化ジスルフィド架橋を形成する2つのCy残基が(「ノブ」側のS354Cと「ホール」側のY349C)が導入された(配列番号9および配列番号10)。ヘテロ二量体Fcの使用により、一価IL-2バリアントを得ることができる。
【0117】
種々の実施形態において、二量体IL-2バリアントFc融合体の作製に使用されるFcドメイン配列は、下記の配列番号7に記載のヒトIgG1-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
(配列番号7)
配列番号7は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
【0118】
種々の実施形態において、二量体IL-2 Fc融合タンパク質の作製に使用されるFcドメイン配列は、以下の配列番号8に記載のIgG1-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG
(配列番号106)
配列番号8は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0119】
種々の実施形態において、単量体IL-2バリアント融合体の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、下記の配列番号9に記載のKnob-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
(配列番号9)
配列番号9は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
【0120】
種々の実施形態において、IL-2バリアントの作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、下記の配列番号10に記載のHole-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
(配列番号10)
配列番号10は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
【0121】
種々の実施形態において、単量体IL-2 Fc融合タンパク質の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、エフェクター機能が低減/消失し、半減期が延長された、下記の配列番号134に記載のアミノ酸配列をもつKnob-Fcドメインであり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG
(配列番号134)
配列番号134は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0122】
種々の実施形態において、単量体IL-2 Fc融合タンパク質の作製に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、エフェクター機能が低減/消失し、半減期が延長された、下記の配列番号135に記載のアミノ酸配列をもつHole-Fcドメインであり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG
(配列番号135)
配列番号135は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0123】
ターゲティング部分としての抗体
種々の実施形態において、本発明のIL-2バリアント構築物は、抗体、抗体断片、タンパク質、または腫瘍関連抗原(TAA)などのがん組織に富む分子に結合するペプチドの形態のターゲティング部分を含む。
【0124】
TAAは、それに対して免疫応答が望まれる任意の分子、巨大分子、分子の組み合わせなどであることができる。TAAは、2つ以上のポリペプチドサブユニットを含むタンパク質であることができる。例えば、タンパク質は、二量体、三量体、または高次の多量体であることができる。種々の実施形態において、タンパク質の2つ以上のサブユニットは、例えばジスルフィド結合などの共有結合でつながることができる。種々の実施形態において、タンパク質のサブユニットは、非共有結合性相互作用で一緒に保持され得る。したがって、TAAは、それに対して当業者が免疫応答を誘導することを望む、任意のペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物、もしくは有機小分子、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。種々の実施形態において、TAAは、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900または約1000個のアミノ酸を含むペプチドである。種々の実施形態において、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、注射によって対象に一般的に投与される分子である。種々の実施形態において、腫瘍特異的抗体または結合タンパク質は、投与後、ターゲティング部分として機能して、IL-2バリアントをがん部位などの疾患部位に導き、そこで活性ドメインが放出され、疾患細胞上のそのコグネイト受容体と相互作用することができる。
【0125】
本発明のIL-2バリアントのTAA標的として、前述のマーカーのいずれかを使用することができる。種々の実施形態において、本開示のIL-2バリアント構築物および方法に使用するために企図される1つまたは複数のTAA、TAAバリアント、またはTAA変異体は、表5に示されるリストから選択されるか、またはそこから誘導される。
【0126】
種々の実施形態において、本発明のIL-2バリアントは、免疫チェックポイント調節因子を標的とする抗体、抗体断片、タンパク質、またはペプチドであるターゲティング/二重機能性部分に結合することができる。
【0127】
多数の免疫チェックポイントタンパク質抗原が、様々な免疫細胞に発現していることが報告されており、例えば、SIRP(マクロファージ、単球、樹状細胞に発現)、CD47(腫瘍細胞および他の細胞種に高発現)、VISTA(単球、樹状細胞、B細胞、T細胞に発現)、CD152(活性化CD8+ T細胞、CD4+ T細胞および制御性T細胞で発現)、CD279(腫瘍浸透リンパ球に発現、活性化T細胞(CD4とCD8の両方)、制御性T細胞、活性化B細胞、活性化NK細胞、アレルギー性T細胞、単球、樹状細胞で発現)、CD274(T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、血管内皮細胞、膵島細胞に発現)、ならびにCD223(活性化T細胞、制御性T細胞、アレルギー性T細胞、NK細胞、NKT細胞、および形質細胞様樹状細胞に発現)(例えばPardoll,D.,Nature Reviews Cancer,12:252-264,2012)が含まれる。免疫チェックポイントタンパク質であると明らかにされている抗原に結合する抗体は、当業者に公知である。例えば、様々な抗CD276抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20120294796号(Johnson et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD272抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20140017255号(Mataraza et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD152/CTLA-4抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20130136749号(Korman et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗LAG-3/CD223抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20110150892号(Thudium et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD279(PD-1)抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許7,488,802号(Collins et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗CD274(PD-L1)抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20130122014号(Korman et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗TIM-3抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20140044728号(Takayanagi et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。様々な抗B7-H4抗体が当該技術分野で記載されている(例えば米国特許出願公開第20110085970号(Terrett et al)およびそこに引用されている参考文献を参照)。これらの文献はそれぞれ、その中で教示されている特定の抗体や配列について、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0128】
種々の実施形態において、IL-2融合パートナーは、免疫細胞の表面に存在する免疫チェックポイントタンパク質抗原への結合を示す抗体、抗体断片、またはタンパク質もしくはペプチドであり得る。様々な実施形態において、免疫チェックポイントタンパク質抗原は、PD1(CD279)、PDL-1(CD274)、CD276、CD272、CD152(CTLA-4)、CD223、CD279、CD274、CD40、SIRPα、CD47、OX-40、GITR、ICOS、CD27、4-1BB、TIM-3、B7-H3、B7-H4、TIGITおよびVISTAからなる群より選択されるが、これらに限定されない。
【0129】
種々の実施形態において、抗体はアンタゴニストFAP抗体または抗体断片である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号136および137に記載の可変ドメイン配列を含むヒト化アンタゴニストFAP抗体である。種々の実施形態において、異種タンパク質は、免疫チェックポイント調節因子に対する抗体または抗体断片である。種々の実施形態において、抗体はアンタゴニストヒトTIGIT抗体である。種々の実施形態において、抗体はアンタゴニストPD-1抗体または抗体断片である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号138および139、配列番号140および141、配列番号142および143、配列番号144および145、または配列番号146および147に記載の可変ドメイン配列を含むアンタゴニストPD-1抗体である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号148および149に記載の可変ドメイン配列を含むアンタゴニストヒトPD-L1抗体である。種々の実施形態において、抗体は、配列番号150および151に記載の可変ドメイン配列を含むアンタゴニストヒトCTLA-4抗体である。種々の実施形態において、例示的な二機能性IL-2 PD1抗体融合タンパク質が表12に示されている。
【0130】
二機能性IL-2バリアントPD-1抗体融合タンパク質
種々の実施形態において、腫瘍微小環境における免疫抑制効果を回避する免疫チェックポイント遮断抗体、または既存の応答を増強する免疫刺激抗体が、IL-2抗体融合タンパク質を構築するために使用される。負の免疫チェックポイントの発現レベルは、腫瘍微小環境に浸潤した腫瘍抗原を経験した疲弊T細胞で特に増加する。種々の実施形態において、免疫チェックポイントを標的とする抗体にIL-2バリアントをつなぎ止めることは、IL-2を疲弊したT細胞に導き、腫瘍微小環境を免疫学的にホットな状態にすることが予想される。種々の実施形態において、二機能性IL-2バリアントチェックポイント阻害剤抗体融合タンパク質は、腫瘍微小環境に浸潤した腫瘍抗原経験疲弊T細胞などのチェックポイント阻害剤発現細胞にシスで(in cis)優先的にIL-2を送達し、選択的シグナル伝達を促進し、所望の腫瘍部位での活性を増強することができる。種々の実施形態において、二機能性IL-2バリアントチェックポイント阻害剤抗体融合タンパク質は、負の調節を除去し、T細胞の機能を再活性化し、Teff細胞数を増やし、腫瘍に対する免疫系の活性をさらに高めることによって相乗効果をもたらす。
【0131】
種々の実施形態において、二機能性IL-2バリアントチェックポイント阻害剤抗体融合タンパク質は、IL-2の全身曝露および標的外毒性を減らす。種々の実施形態において、IL-2Rαへの結合の減少/消失とIL-2Rβγ活性の減弱/調節の両方をもつIL-2バリアントの使用は、サイトカインIL-2活性と抗体活性の間の化学量論的バランスの確立を容易にする。疲弊Teff細胞における適切な抗体標的化またはシス活性化をもつIL-2活性バリアントの減弱は、最適な投与と各アームの機能の維持を可能にすることになる。さらに、抗体と融合した減弱IL-2活性バリアントは、末梢の活性化を最小限にし、T細胞のAICDを減少させ、抗原シンクを軽減し、腫瘍および/または免疫細胞部位への抗体標ターゲティング部分を介して腫瘍殺傷を促進すると予想される。
【0132】
種々の実施形態において、本発明のIL-2バリアントは、免疫チェックポイント調節因子を標的とする抗体、抗体断片、タンパク質、またはペプチドであるチェックポイント阻害剤に結合することができる。種々の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はアンタゴニストPD-1抗体である。種々の実施形態において、PD-1抗体は、配列番号138および139、配列番号140および141、配列番号142および143、配列番号144および145、または配列番号146および147に記載の可変ドメインを含む。種々の実施形態において、例示的な二機能性IL-2 PD1抗体融合タンパク質が表12に列挙されている。
【0133】
リンカー
種々の実施形態において、異種タンパク質はリンカーペプチドおよび/またはヒンジリンカーペプチドによってIL-2バリアントに取り付けられている。リンカーまたはヒンジリンカーは、二次構造が比較的少ない、またはαヘリックス高次構造を示す、5個、10個、15個、20個、30個、40個(またはその間の数字)、またはそれ以上のアミノ酸からなる人工配列であり得る。
【0134】
ペプチドリンカーは、タンパク質ドメイン間に、共有結合と、構造的および/または空間的な追加の可動性とを与える。当該技術分野においては公知であるが、ペプチドリンカーは、グリシンおよびセリンなどの可動性アミノ酸残基を含む。種々の実施形態において、ペプチドリンカーは1~100個のアミノ酸を含み得る。種々の実施形態において、スペーサーには、GGGSGGGS(配列番号18)のモチーフを含ませることができる。他の実施形態では、リンカーは、(GGGGS)(配列番号21)nモチーフを含むことができ、そこにおいてnは1~10の整数である。他の実施形態では、リンカーには、グリシンおよびセリン以外のアミノ酸を含ませることもできる。別の実施形態では、リンカーには、他のタンパク質モチーフを含ませることができ、例えば、AEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号16)などのαヘリックス高次構造の配列が挙げられるが、これに限定はされない。種々の実施形態において、リンカーの長さおよび組成は、発現レベルおよび凝集傾向を含むがこれらに限定はされない、活性または開発適合性を最適化するように調整することができる。別の実施形態では、ペプチドリンカーは、単純な化学結合であってよく、例えば、アミド結合(例えば、PEGの化学的な結合によるもの)である。
【0135】
【0136】
ポリヌクレオチド
別の態様において、本開示は、本開示のIL-2、IL-2バリアント、IL-2融合タンパク質、またはIL-2バリアント融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。主題の核酸は一本鎖であっても二本鎖であってもよい。このような核酸はDNA分子であってもRNA分子であってもよい。DNAとしては、例えば、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、PCRで増幅されたDNA、およびこれらの組み合わせが挙げられる。IL-2ポリペプチドをコードするゲノムDNAは、多くの種に対応したゲノムライブラリーから得られる。合成DNAは、重複するオリゴヌクレオチド断片を化学合成した後、それらの断片をアセンブルし、コード領域および隣接配列の一部または全部を再構成することにより得られる。RNAは、T7プロモーターを用いたベクターなどの高レベルのmRNA合成を指示する原核生物発現ベクターと、RNAポリメラーゼとから得ることができる。cDNAは、IL-2を発現する種々の組織から単離されたmRNAから調製されたライブラリーから得られる。本開示のDNA分子は、完全長遺伝子だけでなく、ポリヌクレオチドやその断片も包含する。完全長遺伝子は、N末端シグナル配列をコードする配列も包含し得る。このような核酸が、新規IL-2バリアントを作製するための方法などで使用され得る。
【0137】
種々の実施形態において、単離された核酸分子は、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含み、さらに、本明細書に記載の少なくとも1つの異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。種々の実施形態において、上記の核酸分子は、本明細書に記載のリンカーまたはヒンジリンカーをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。
【0138】
種々の実施形態において、本開示の組換え核酸は、発現コンストラクト内の1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列に機能的に連結されていてもよい。制御配列は、当該技術分野において承認されたもので、IL-2バリアントの発現を指示するように選択される。すなわち、制御配列という用語には、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメントが包含される。例示的な制御配列が、Goeddel;Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、アカデミックプレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州(1990)に記載されている。典型的には、上記の1つまたは複数の制御ヌクレオチド配列として、プロモーター配列、リーダー配列またはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始配列および転写終結配列、翻訳開始配列および翻訳終結配列、ならびにエンハンサー配列またはアクチベーター配列を含むことができるが、これらに限定はされない。当該技術分野において公知の構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターが、本開示により企図されている。プロモーターは、天然プロモーターであってもよいし、あるいは、2つ以上のプロモーターエレメントを組み合わせたハイブリッドプロモーターであってもよい。発現コンストラクトは、プラスミドなどの、細胞内またはエピソーム内に存在するものであってもよいし、あるいは、発現コンストラクトを染色体に挿入してもよい。種々の実施形態において、形質転換宿主細胞のセレクションを可能とするために、発現ベクターは選択マーカー遺伝子を含む。選択マーカー遺伝子は当該技術分野において周知であり、使用される宿主細胞によって異なる。
【0139】
本開示の別の態様において、主題の核酸は、IL-2バリアントをコードしている、少なくとも1つの制御配列に機能的に連結されたヌクレオチド配列を含む発現ベクター内にある状態で、提供される。用語「発現ベクター」は、ポリヌクレオチド配列からポリペプチドを発現させるための、プラスミド、ファージ、ウイルス、またはベクターを指す。宿主細胞における発現に好適なベクターは容易に利用可能なものであり、ベクターへの核酸分子の挿入は標準的な組換えDNA技術を用いて行われる。そのようなベクターには、作動可能なように連結されている場合にDNA配列の発現を調節する、IL-2バリアントをコードするDNA配列を発現させるためにこれらのベクターに用いることができる、種々様々な発現調節配列を含ませることができる。このような有用な発現調節配列としては、例えば、SV40の初期プロモーターおよび後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルスの前初期プロモーター、RSVプロモーター、lac系、trp系、TAC系またはTRC系、T7 RNAポリメラーゼによって発現が指示されるT7プロモーター、λファージの主要なオペレーター領域およびプロモーター領域、fdコートタンパク質に対する調節領域、3-ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の解糖酵素に対するプロモーター、酸性ホスファターゼ(例えば、PhoS)のプロモーター、酵母α接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系の多角体プロモーター、ならびに、原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を調節することが知られている他の配列、ならびにこれらの種々の組み合わせ、が挙げられる。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択および/または発現が所望されるタンパク質の種類などの要因によって異なる場合があることは理解されよう。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を調節する能力、および当該ベクターにコードされる任意の他のタンパク質(抗生物質マーカーなど)の発現についても、考慮がなされるべきである。IL-2の発現に好適な例示的な発現ベクターとして、IL-2ポリヌクレオチドと、当該技術分野において公知または以下に記載の任意の追加の好適なベクターとを含有するpDSRa(参照により本明細書に援用される、国際公開第90/14363号に記載)、およびその誘導体がある。
【0140】
クローニングされた遺伝子またはその一部を、原核細胞もしくは真核細胞(酵母細胞、鳥類細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞)のいずれか、またはその両方での発現に好適なベクターにライゲーションすることで、本開示の組換え核酸を産生させることが可能となる。組換えIL-2ポリペプチドを産生させるための発現用溶媒は、プラスミドと他のベクターを含む。例えば、好適なベクターとしては、大腸菌などの原核細胞における発現用の、以下の各種プラスミドが挙げられる:pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミド、およびpUC由来プラスミド。
【0141】
哺乳類発現ベクターの中には、細菌内のベクターの増殖を促進する原核生物性配列と、真核細胞で発現される1つまたは複数の真核生物性転写単位とを、両方含有するものがある。pcDNAI/amp由来ベクター、pcDNAI/neo由来ベクター、pRc/CMV由来ベクター、pSV2gpt由来ベクター、pSV2neo由来ベクター、pSV2-dhfr由来ベクター、pTk2由来ベクター、pRSVneo由来ベクター、pMSG由来ベクター、pSVT7由来ベクター、pko-neo由来ベクター、およびpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳類発現ベクターの例である。これらのベクターのいくつかは、原核細胞および真核細胞の両方における複製および薬剤耐性セレクションを促すための、pBR322などの細菌性プラスミド由来の配列による改変を受けている。あるいは、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現のために、ウシパピローマウイルス(BPV-1)、またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo、pREP由来、およびp205)などのウイルスの誘導体を用いることができる。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、下記の遺伝子治療送達系の説明に見出すことができる。プラスミドの調製および宿主生物の形質転換で使用される種々の方法は、当該技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞の両方に好適な他の発現系、ならびに一般的な組換え法については、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook、Fritsch、およびManiatis(編)(コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局、1989年)、16章および17章を参照されたい。場合によっては、バキュロウイルス発現系を使用して組換えポリペプチドを発現することが望ましいことがある。そのようなバキュロウイルス発現系の例としては、pVL由来ベクター(pVL1392、pVL1393、およびpVL941など)、pAcUW由来ベクター(pAcUW1など)、およびpBlueBac由来ベクター(B-gal含有pBlueBacIIIなど)が挙げられる。
【0142】
種々の実施形態において、主題のIL-2バリアントをCHO細胞で産生させるためのベクターが設計されることとなり、例えば、Pcmv-Scriptベクター(ストラタジーン社、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)、pcDNA4ベクター(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)、およびpCI-neoベクター(プロメガ社、マディソン、ウィスコンシン州)などである。後述するように、主題の遺伝子コンストラクトを用いて、培養液中で増殖された細胞において主題のIL-2バリアントの発現を引き起こし、例えば、タンパク質(融合タンパク質またはバリアントタンパク質を含む)を産生させ、精製を行うことができる。
【0143】
本開示はまた、1つまたは複数の主題のIL-2バリアントのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子をトランスフェクトされた宿主細胞に関する。宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、本開示のIL-2バリアントは、大腸菌などの細菌細胞で発現されてもよく、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用)で発現されてもよく、酵母で発現されてもよく、あるいは哺乳類細胞で発現されてもよい。他の好適な宿主細胞が当業者に公知である。
【0144】
これを受けて、本開示はさらに、主題のIL-2バリアントを生産する方法に関する。例えば、IL-2バリアントをコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を適切な条件下で培養することにより、IL-2バリアントを発現させることができる。IL-2バリアントは、分泌後、IL-2バリアントを含有する細胞および培地の混合物から単離することができる。あるいは、IL-2バリアントを細胞質または膜画分に保持させ、細胞を回収、溶解し、上記タンパク質を単離してもよい。細胞培養液には宿主細胞、培地、および他の副生成物が含まれる。細胞培養に好適な培地は当該技術分野において周知のものである。
【0145】
本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、当業者に周知のタンパク質精製法に従って精製することができる。これらの方法は、あるレベルでの、タンパク質性画分と非タンパク質性画分の粗分画を含む。ペプチドポリペプチドを他のタンパク質から分離した後、目的のペプチドまたはポリペプチドをクロマトグラフ法および電気泳動法によりさらに精製することで、部分的または完全な精製(すなわち均一になるまでの精製)を達成することができる。「単離されたポリペプチド」または「精製されたポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドがその天然で入手可能な状態に対し任意の程度精製されている、他の成分から単離可能な組成物を指すことが意図されている。精製されたポリペプチドとは、そのため、それを天然に生じ得る環境から分離されたポリペプチドも指す。一般に、「精製された」とは、分画を受けて種々の他成分を除去された、発現されたその生物活性を実質的に保持している、ポリペプチド組成物を指す。用語「実質的に精製された」が用いられている場合、この呼称は、ポリペプチドまたはペプチドが組成物の主成分を形成している、例えば、組成物中のタンパク質の約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、または約90%以上を構成している、ペプチド組成物またはポリペプチド組成物を指す。
【0146】
精製に用いるのに好適な種々の方法は、当業者に周知なものである。これらの方法としては、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体(免疫沈降)などを用いた沈降、または熱変性による沈降の後に、遠心分離;アフィニティークロマトグラフィー(プロテインAカラム)、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー;等電点電気泳動;ゲル電気泳動;これらの方法の組み合わせ、を行うことが挙げられる。当該技術分野では周知のことであるが、種々の精製工程を実行する順番は変更しても、あるいは、ある特定の工程を省いても、尚も、実質的に精製されたポリペプチドを調製するのに好適な方法となり得ると考えられる。
【0147】
医薬組成物
別の態様において、別の態様において、本開示は、IL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む医薬組成物を提供する。そのような薬剤的に許容できる担体は、当業者に周知で理解されるものであり、広範に説明がなされている(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、A.R.Gennaro(編)、マック出版社、1990年を参照)。薬剤的に許容できる担体は、例えば、組成物のpH、モル浸透圧濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解速度、遊離速度、吸着性、または浸透性などを変化、維持または保存する目的で含まれ得る。このような医薬組成物は、当該ポリペプチドの物理的状態、安定性、生体内での放出速度、および生体内でのクリアランス速度に影響し得る。好適な薬剤的に許容できる担体としては、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジンなど);抗菌剤;抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝剤(ホウ酸塩、炭酸水素塩、トリス塩酸、クエン酸塩、リン酸塩、他の有機酸など);増量剤(bulking agent)(マンニトールまたはグリシンなど)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、β-シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなど);充填剤(filler);単糖類;二糖類および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど);着色剤;着香剤および希釈剤(diluting agent);乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩形成性対イオン(ナトリウムなど);保存剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトールまたはソルビトールなど);懸濁化剤;界面活性剤または湿潤剤(プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール(tyloxapal)など);安定化剤(スクロースまたはソルビトール);等張化剤(tonicity enhancing agent)(ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトール ソルビトールなど);送達担体(delivery vehicle);賦形剤(diluent);医薬品添加物(excipient)、および/または補助剤(pharmaceutical adjuvant)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0148】
医薬組成物中の主要な溶媒または担体は、本質的に水性であっても非水性であってもよい。例えば、好適な溶媒または担体は、注射用蒸留水であってもよく、生理的食塩水であってもよく、人工脳脊髄液であってもよく、非経口投与用の組成物に通常含まれる他の物質を添加することができる。さらなる例示的な溶媒として、血清アルブミンを混合した中性緩衝生理食塩水または生理食塩水がある。他の例示的な医薬組成物は、約pH7.0~8.5のトリス緩衝液、または約pH4.0~5.5の酢酸緩衝溶液を含み、当該緩衝液にはソルビトールまたはその好適な代替物をさらに含ませてもよい。本開示の1つの実施形態において、所望の純度を有する選択された組成物を任意の製剤化剤(formulation agent)(Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記)と混合することによって、凍結乾燥ケークまたは水溶液の形態で、保存用に、組成物を調製してもよい。さらに、治療用組成物は、スクロースなどの適切な医薬品添加物を用いて、凍結乾燥物として製剤化してもよい。最適な医薬組成物は、意図された投与経路、送達様式、および目的の用量などに基づいて当業者によって決定される。
【0149】
非経口投与が企図される場合、治療用医薬組成物は、薬剤的に許容できる溶媒中に所望のIL-2ポリペプチドまたはIL-2ポリペプチド融合タンパク質を含む、発熱物質を含まない非経口投与において許容される水溶液の形態であり得る。特に好適な非経口注射用溶媒は滅菌蒸留水であり、滅菌蒸留水中では、ポリペプチドは適切に保存された無菌の等張液として製剤化される。種々の実施形態において、注射投与に好適な医薬製剤が、水溶液中で製剤化され得るが、ハンクス液、リンゲル液、または生理的緩衝食塩水などの生理的に適合性の緩衝液中で製剤化されることが好ましい。水性の注射用懸濁液には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、当該懸濁液の粘度を増加させる物質を含有させてもよい。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性の注射用懸濁液として調製してもよい。任意選択で、懸濁液には、好適な安定剤、すなわち、化合物の溶解性を増加させることで高度に濃縮された溶液の調製を可能にする薬剤を含有させてもよい。
【0150】
種々の実施形態において、治療用医薬組成物は、コロイド分散系を用いた標的化送達用に製剤化され得る。コロイド分散系としては、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに、水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質をベースとした系が挙げられる。リポソーム生成で有用な脂質の例としては、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミンなどのホスファチジル化合物、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシドが挙げられる。例示的なリン脂質としては、卵黄ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、およびジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。リポソームのターゲティングは、例えば、臓器特異性、細胞特異性、および細胞小器官特異性に基づいても可能であり、当該技術分野において公知である。
【0151】
種々の実施形態において、医薬組成物の経口投与が企図される。この様式で投与される医薬組成物は、錠剤およびカプセル剤などの固体剤形の調剤で通例使用される担体を含ませて製剤化することもできるし、含ませずに製剤化することもできる。経口投与用の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖剤、散剤、粒剤など)では、1つまたは複数の本開示の治療用化合物を、1つまたは複数の薬剤的に許容できる担体と混合してよく、例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または下記のうち任意のものである:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent);(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリン粘土およびベントナイト粘土などの吸着剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤;ならびに、(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、医薬組成物は緩衝剤を含んでいてもよい。ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの医薬品添加物を用いた、軟ゼラチンカプセル中および硬ゼラチンカプセル中の充填剤として、同様の種類の固体組成物を使用してもよい。経口投与用の液体剤形としては、薬剤的に許容できる乳剤、マイクロエマルション、水剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体剤形には、当該技術分野において一般に使用される不活性な賦形剤を含有させてもよく、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(具体的には、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などである。不活性な賦形剤に加えて、経口用組成物には、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、着香剤、着色剤、芳香剤、および保存剤などの補助剤を含ませることができる。
【0152】
種々の実施形態において、医薬組成物の皮膚または粘膜への局所投与が企図される。局所製剤には、皮膚浸透促進剤または角質層浸透促進剤として有効であると知られている各種薬剤のうちの1つまたは複数をさらに含ませてもよい。これらの例としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、およびアゾン(azone)がある。製剤を美容上許容できるものにするために、追加の薬剤をさらに含ませてもよい。これらの例としては、脂肪、ろう、油、色素、香料、保存剤、安定剤、および界面活性剤がある。当該技術分野において公知のものなどの、角質溶解薬を含ませてもよい。例としてはサリチル酸および硫黄がある。局所的投与用または経皮投与用の剤形としては、散剤、噴霧剤、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、水剤、貼付剤、および吸入剤が挙げられる。活性化合物は、無菌条件下で、薬剤的に許容できる担体と、必要な場合、任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合してよい。軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤には、本開示の主題の化合物(例えばIL-2バリアント)の他に、動物性脂肪、植物性脂肪、油、ろう、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛などの医薬品添加物、またはこれらの混合物、を含有させてもよい。
【0153】
本明細書における使用が企図されるさらなる医薬組成物としては、持続送達製剤または送達制御製剤において、ポリペプチドを含む製剤が挙げられる。種々の実施形態において、医薬組成物は、徐放性ハイドロゲルとしてナノ粒子に製剤化されてもよく、または腫瘍溶解性ウイルスに組み込まれてもよい。そのようなナノ粒子の方法としては、例えば、薬物担体として疎水性骨格と親水性枝部をもつポリマーからなるナノ粒子へのカプセル化、マイクロ粒子へのカプセル化、エマルションでのリポソームへの挿入、および他の分子への結合が挙げられる。ナノ粒子の例としては、キトサンやカーボポールでコーティングした粘膜付着性ナノ粒子(Takeuchi et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.47(1):39-54,2001)ならびに帯電した組み合わせポリエステル、ポリ(2-スルホブチル-ビニルアルコール)およびポリ(D,L-乳酸-コ-グリコール酸)を含むナノ粒子(Jung et al.,Eur.J.Pharm.Biopharm.50(1):147-160,2000)が挙げられる。アルブミンベースのナノ粒子組成物は、タキサンなどの疎水性薬物を送達するための薬物送達システムとして開発されている。例えば、米国特許第5,916,596号、同第6,506,405号、同第6,749,868号、同第6,537,579号、同第7,820,788号、および同第7,923,536号を参照されたい。パクリタキセルのアルブミン安定化ナノ粒子製剤であるアブラキサン(登録商標)は、転移性乳がんの治療用に2005年に米国で承認され、その後他の様々な国で承認された。
【0154】
リポソーム担体、生体内分解性の微小粒子または多孔質ビーズ、およびデポ剤などの、種々の他の持続送達手段または制御送達手段を製剤化するための方法も当業者に公知である。
【0155】
治療目的で採用される医薬組成物の有効量は、例えば治療の内容および目的に応じることになる。したがって、治療のための適切な投与量レベルは、部分的には、送達される分子、ポリペプチドが使用される適応症、投与の経路、および患者の体の大きさ(体重、体表面または臓器のサイズ)ならびに状態(年齢および一般的健康状態)に応じて変わることを当業者であれば理解するであろう。このため、臨床医は、最適な治療効果を得るために、用量設定と、投与経路の変更を行うことができる。典型的な用量は、上記の要因に応じて、約0.001mg/kg~約100mg/kgまたはそれ以上の範囲を取り得る。好ましくは、ポリペプチド組成物を静脈内に注射または投与してもよい。持効性の医薬組成物を、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、3~4日毎、毎週、または隔週に投与してもよい。投与頻度は、使用される製剤でのポリペプチドの薬物動態パラメーターに依存することとなる。典型的には、組成物は、所望の効果を達成する用量に達するまで投与される。したがって、組成物は、単回投与として投与されてもよいし、あるいは長期に亘る複数回投与(投与当たり同じまたは異なる濃度)として投与されてもよいし、あるいは持続点滴として投与されてもよい。適切な用量のさらなる改善が定期的に行われる。適切な用量反応データを用いて、適切な投与量を確認してもよい。
【0156】
医薬組成物の投与の経路は、既知の方法に合わせ、例えば、経口、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内経路、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮下、または腹腔内または腫瘍内による注射によって、である。また、鼻腔内、経腸、局所、舌下、尿道、膣、または直腸の手段、徐放システム、または埋込デバイスである。所望により、組成物は、ボーラス投与で投与してもよいし、点滴で持続的に投与してもよいし、あるいは、埋込デバイスにより投与してもよい。代替または追加として、組成物は、目的分子が吸着または封入されている膜、スポンジ、または別の適切な材料の埋め込みによって、局所的に投与してもよい。埋込デバイスが使用される場合、デバイスは任意の好適な組織または臓器に埋め込むことができ、目的分子の送達は、拡散、徐放性ボーラス、または連続投与を介してもよい。
【0157】
治療用途
1つの態様において、本開示は、対象におけるがん細胞を治療する方法であって、薬剤的に許容できる担体中の本開示のIL-2バリアント、またはIL-2バリアント融合タンパク質の治療有効量(単剤療法としてまたは併用療法投与計画のいずれか)を前記対象に投与することを含み、そのような投与ががん細胞の成長および/または増殖を阻害する方法を提供する。具体的には、本開示のIL-2バリアント、またはIL-2バリアント融合タンパク質は、がんとして特徴付けられる障害を治療するのに有用である。そのような障害としては、乳房、呼吸器、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺のがんおよびそれらの遠隔転移などの固体腫瘍、リンパ腫、肉腫、多発性骨髄腫ならびに白血病が挙げられるが、これらに限定されない。乳がんの例としては、浸潤性乳管がん、浸潤性小葉がん、非浸潤性乳管がん、および小葉がんが挙げられるが、これらに限定されない。呼吸器系のがんの例としては、小細胞および非小細胞肺がん、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が挙げられるが、これらに限定されない。脳腫瘍の例としては、脳幹および下垂体グリオーマ、小脳および大脳星細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。男性の生殖器の腫瘍としては、前立腺がんおよび精巣がんなどが挙げられるが、これらに限定されない。女性の生殖器の腫瘍としては、子宮内膜がん、子宮頸がん、卵巣がん、膣がん、および外陰がん、ならびに子宮肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。消化管の腫瘍としては、肛門がん、結腸がん、大腸がん、食道がん、胆嚢がん、胃がん、膵臓がん、直腸がん、小腸がんおよび唾液腺がんが挙げられるが、これらに限定されない。尿路の腫瘍としては、膀胱がん、陰茎がん、腎臓がん、腎盂がん、尿管がんおよび尿道がんが挙げられるが、これらに限定されない。眼のがんとしては、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。肝がんの例としては、肝細胞がん(線維層板バリアントを伴うまたは伴わない肝細胞がん)、胆管がん(肝内胆管がん)、および混合肝細胞胆管がんが挙げられるが、これらに限定されない。皮膚がんとしては、扁平上皮がん、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、非黒色腫皮膚がんが挙げられるが、これらに限定されない。頭頸部がんとしては、上咽頭がん、ならびに口唇および口腔がんが挙げられるが、これらに限定されない。リンパ腫としては、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病、中枢神経系のリンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。肉腫としては、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられるが、これらに限定されない。白血病としては、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、様々なリンパ球性白血病、様々な骨髄性白血病、および毛状細胞性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態において、がんは、アクチビンA、ミオスタチン、TGF-βおよびGDF15などのTGF-βファミリーメンバーの高発現をもつがん、例えば、膵臓がん、胃がん、卵巣がん、大腸がん、メラノーマ、白血病、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がんおよび頭頸部がんであることになる。
【0158】
「治療有効量」または「治療有効投与量」とは、治療される障害の1つまたは複数の症状をある程度緩和するであろう、投与される治療薬の量を指す。
【0159】
治療有効投与量は、最初に細胞培養アッセイからEC50を決定することによって推定することができる。次いで、動物モデルにおいて、細胞培養で決定されたEC50を含む循環血漿中濃度範囲を達成するように投与量を決めることができる。そのような情報を使用して、ヒトにおいて有用な投与量をより正確に求めることができる。血漿中のレベルは、例えばHPLCによって測定することができる。正確な組成、投与の経路および投与量は、対象の状態を考慮して、個々の医師よって選択され得る。
【0160】
投与計画は最適な所望の反応(例えば、治療的反応または予防的反応)が得られるように調整できる。例えば、単回ボーラス投与が行われ、何回かの分割量(複数回投与量または反復投与量または維持投与量)が長期に亘って投与され、治療状況の必要性に比例して用量が増減され得る。投与のしやすさと投与量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。投薬単位形態とは、本明細書で使用される場合、治療される哺乳類対象に対する統一された用量として適した物理的に分離している単位を指し、それぞれの単位は必要な医薬担体と併せて目的の治療効果を生むと計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の投薬単位形態の規格は、主に、抗体の独自の特徴、および達成されるべき特定の治療効果または予防効果によって決定される。
【0161】
すなわち、当業者には理解されることであるが、本明細書に提供される開示に基づいて、用量および投与計画は当該治療分野で周知の方法に従って調整される。すなわち、最大耐量を容易に確立でき、検出可能な治療効果を対象に与える有効量も決定でき、同様に、検出可能な治療効果を対象に与えるようにそれぞれの薬剤を投与するための時間的要件も決定できる。よって、本明細書にはある特定の用量および投与計画が例示されているが、これらの例は、本開示を実施する際に対象に与えられ得る用量および投与計画を何ら限定するものではない。
【0162】
なお、用量の値は、改善されるべき状態の種類および重症度によって異なり、単回用量または反復用量を含み得る。さらには、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投与計画は、個々の必要性や組成物の投与を管理または監督する人の専門家としての判断に従って長期間に亘って調整されるべきということ、ならびに、本明細書に記載された用量範囲は例示のみを目的としており、特許請求された組成物の範囲や実践を限定する意図はないことも、理解されたい。さらに、本開示の組成物を用いた投与計画は、疾患の種類、対象の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重症度、投与経路、および使用される特定の抗体を含む様々な要因に基づかせてもよい。すなわち、投与計画は多様であり得るが、標準的な方法を用いてルーチンに決定できる。例えば、用量は薬物動態パラメーターまたは薬力学的パラメーターに基づいて調整され得るが、これらのパラメーターとしては、毒性作用および/または実験室値などの臨床的効果が含まれ得る。すなわち、本開示は、当業者によって求められる、対象者内用量漸増を包含する。適切な用量および投与計画の決定は、関連技術分野で周知であり、本明細書で開示された教示が提供されれば当業者に達成されることは理解される。
【0163】
治療有効量または予防有効量の本開示のIL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質の、例示的、非限定的な一日投与量の範囲は、0.001~100mg/kg、0.001~90mg/kg、0.001~80mg/kg、0.001~70mg/kg、0.001~60mg/kg、0.001~50mg/kg、0.001~40mg/kg、0.001~30mg/kg、0.001~20mg/kg、0.001~10mg/kg、0.001~5mg/kg、0.001~4mg/kg、0.001~3mg/kg、0.001~2mg/kg、0.001~1mg/kg、0.010~50mg/kg、0.010~40mg/kg、0.010~30mg/kg、0.010~20mg/kg、0.010~10mg/kg、0.010~5mg/kg、0.010~4mg/kg、0.010~3mg/kg、0.010~2mg/kg、0.010~1mg/kg、0.1~50mg/kg、0.1~40mg/kg、0.1~30mg/kg、0.1~20mg/kg、0.1~10mg/kg、0.1~5mg/kg、0.1~4mg/kg、0.1~3mg/kg、0.1~2mg/kg、0.1~1mg/kg、1~50mg/kg、1~40mg/kg、1~30mg/kg、1~20mg/kg、1~10mg/kg、1~5mg/kg、1~4mg/kg、1~3mg/kg、1~2mg/kg、または1~1mg/kg体重であることができる。なお、投与量の値は、改善されるべき状態の種類および重症度によって異なり得る。さらに、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投与計画は、個々の必要性や組成物の投与を管理または監督する人の専門家としての判断に従って長期間に亘って調整されるべきということ、ならびに、本明細書に記載された用量範囲は例示のみを目的としており、特許請求された組成物の範囲や実践を限定する意図はないことも理解されたい。
【0164】
本開示の医薬組成物の毒性および治療指数は、LD50(集団の50%に対し致死的な用量)やED50(集団の50%に治療効果のある用量)などを求めるための、細胞培養液または実験動物における標準的な薬学的手法で求めることができる。中毒量と治療有効量との間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大きな治療指数を示す組成物が一般的に好ましい。
【0165】
IL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質医薬組成物の投与の投与頻度は、治療法および治療される特定の疾患の性質に応じたものとなる。対象は、毎週2回、毎週または毎月などの一定間隔を置いて、目的の治療結果が達成されるまで治療できる。例示的な投与頻度として、中断なしに毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、毎週1回を2週間、その後月1回、毎週1回を3週間、その後月1回、月1回、2か月毎に1回、3か月毎に1回、4か月毎に1回、5か月毎に1回、もしくは6か月毎に1回、または年1回が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0166】
併用療法
本明細書で使用される場合、本開示のIL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質と1つまたは複数の他の治療薬とを参照した、「同時投与」、「同時投与される」、および「~と組み合わせて」という用語は、以下を意味することが意図され、以下を指して包含する:治療を必要としている対象への本開示のIL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの同時投与であって、そのような成分が合剤化されて単一剤形となり、上記各成分が実質的に同時に上記対象に放出される、同時投与;治療を必要としている対象への本開示のIL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの実質的な同時投与であって、そのような成分が互いに別々に製剤化されて別々の剤形となり、それらが上記対象によって実質的に同時に摂取された際、上記各成分が実質的に同時に上記対象に放出される、実質的な同時投与;治療を必要としている対象への本開示のIL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの連続投与であって、そのような成分が互いに別々に製剤化されて別々の剤形となり、それらが各投与の間にかなりの時間間隔を置いて上記対象によって連続した時間に摂取された際、上記各成分が実質的に異なる時間に上記対象に放出される、連続投与;ならびに、治療を必要としている対象への本開示のIL-2バリアントまたはIL-2バリアント融合タンパク質と治療薬とのそのような組み合わせの連続投与であって、そのような成分が合剤化されて単一剤形となり、上記各成分が徐放的に放出される際、それらが同時および/または異なる時間に同時、連続的、および/または重複的に上記対象に放出され、各部分は同じ経路または異なる経路で投与され得る連続投与。
【0167】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法であって、免疫療法、細胞障害性化学療法、小分子キナーゼ阻害剤標的療法、外科手術、放射線療法、および幹細胞移植を包含するがこれらに限定はされない第二の治療法と組み合わせて、治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。例えば、そのような方法は、予防的に、がんの予防、外科手術後のがんの再発および転移の予防で、他の従来のがん治療法の補助療法として、用いることができる。本開示が認めるところによれば、本明細書に記載の併用法の使用を通じて、従来のがん治療法(例えば、化学療法、放射線療法、光線療法、免疫療法、および外科手術)の有効性を増強することができる。
【0168】
幅広い従来化合物が抗悪性腫瘍活性を有することが示されている。これらの化合物は、固形腫瘍を退縮させる、転移とさらなる成長を抑制する、または、白血病性もしくは骨髄の悪性腫瘍における悪性T細胞の数を減少させる、化学療法における医薬品として使用されている。化学療法は様々な種類の悪性腫瘍の治療で有効であったが、多くの抗悪性腫瘍化合物は望ましくない副作用を誘導する。2種以上の異なる治療を組み合わせた場合、それらの治療が、相乗的に働いて、各治療の用量の削減を可能とすることにより、より高用量で各化合物が発現する有害な副作用が低減される場合があることが示されている。他の例では、治療に対して抵抗性の悪性腫瘍は、2種以上の異なる治療の併用療法に対して反応する場合がある。
【0169】
種々の実施形態において、化学療法剤などの第二の抗がん剤が患者に投与されることとなる。例示的な化学療法剤の一覧には、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ナイトロジェンマスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、ベンダムスチン、シタラビン(CA)、5-フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン(5-FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、テニポシド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ペントスタチン、クラドリビン、シタラビン、ゲムシタビン、プララトレキサート、ミトキサントロン、ジエチルスチルベストロール(DES)、フルダラビン(fluradabine)、イホスファミド、ヒドロキシ尿素、タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセル(doxetaxel)など)、および/または、アントラサイクリン系抗生物質、ならびに、限定はされないが、DA-EPOCH、CHOP、CVP、またはFOLFOXなどの薬剤の組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、そのような化学療法剤の投与量としては、おおよそ、10mg/m2、20mg/m2、30mg/m2、40mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、230mg/m2、240mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
種々の実施形態において、本開示の併用療法は、治療有効量の免疫療法を対象に投与することをさらに含み得るが、免疫療法としては、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体(depleting antibody)を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CTLA-4、PD-1、OX-40、CD137、GITR、LAG3、TIM-3、SIRP、CD47、CD40、TIGIT、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL-12、IL-15、IL-21、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、およびIFN-γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療;CAR-NK細胞を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖されたかつ/またはTCRトランスジェニック)を用いた治療;TALL-104細胞を用いた治療;Toll様受容体(TLR)作用剤CpGおよびイミキモドなどの免疫刺激剤を用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず;上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、IL-2バリアントと免疫療法との間には相乗作用が存在する。
【0171】
種々の実施形態において、併用療法は、同じ医薬組成物または別個の医薬組成物のいずれかで、IL-2バリアントおよび第2の薬剤組成物を同時に投与することを含む。種々の実施形態において、IL-2バリアント組成物および第2の薬剤組成物は連続して投与され、すなわち、IL-2バリアント組成物は、第2の薬剤組成物の投与の前または後に投与される。種々の実施形態において、IL-2バリアント組成物および第2の薬剤組成物の投与は同時であり、すなわち、IL-2バリアント組成物および第2の薬剤組成物の投与期間は互いに重なっている。種々の実施形態において、IL-2バリアント組成物および第2の薬剤組成物の投与は、同時ではない。例えば、種々の実施形態において、IL-2バリアント組成物の投与は、第2の薬剤組成物が投与される前に終了される。種々の実施形態において、第2の薬剤組成物の投与は、IL-2バリアント組成物が投与される前に終了される。
【実施例】
【0172】
以下の実施例は、本開示をより十分に例示するために提供されており、本開示の範囲を限定するものとは解釈されない。
【0173】
実施例1
IL-2 Fc融合体コンストラクトの構築と作製
すべての遺伝子には、哺乳類細胞における発現用のコドン最適化を行い、合成して、レシピエント哺乳類発現ベクター(GenScript)にサブクローニングした。CMVプロモーターによってタンパク質発現が駆動され、CDSの3’末端には合成SV40ポリAシグナル配列が存在している。分泌のための適切なシグナル伝達およびプロセシングを確実にするために、リーダー配列が構築物のN末端に設計されている。
【0174】
ポリエチレンイミン(PEI、分子量25,000、直鎖、ポリサイエンス社(Polysciences))を用いて、浮遊液中で増殖中のHEK293-F細胞を上記哺乳類発現ベクターでコトランスフェクトすることにより、コンストラクトを産生させた。2種以上の発現ベクターが存在していた場合、ベクターを1:1の比でトランスフェクトした。トランスフェクションにおいては、HEK293細胞は無血清FreeStyle(商標)293 Expression Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック社(ThermoFisher))中で培養した。1000mlの振盪フラスコ(ワーキングボリューム330mL)内で産生させる場合、トランスフェクションの24時間前に、HEK293細胞を0.8×106細胞/mlの密度で播種した。総量330μgのDNA発現ベクターを、16.7mlのOpti-mem培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)と混合した。16.7mlのOpti-mem培地で希釈した0.33mgのPEIを添加した後、その混合物を15秒間ボルテックスし、次いで室温で10分間インキュベートした。その後、このDNA/PEI液を上記細胞に添加し、8%CO2の恒温器内で37℃にてインキュベートした。酪酸ナトリウム(ミリポアシグマ社)を最終濃度2mMで4日目に細胞に添加することで、タンパク質発現の維持を補助した。6日間の培養後、上清を収集し、2200rpmで20分間の遠心分離により精製を行った。この液を滅菌ろ過(0.22μmフィルター、コーニング社)した。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて、細胞培養上清から分泌タンパク質を精製した。
【0175】
あるいは、ExpiCHO細胞(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)で製造者の指示に従ってコンストラクトを作製した。
【0176】
アフィニティークロマトグラフィーでは、各上清を25mlリン酸緩衝生理食塩水、pH7.2(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)で平衡化したHiTrap MabSelectSureカラム(CV=5mL、GEヘルスケア社)にのせた。未結合タンパク質を5カラム容量のPBS、pH7.2で洗浄して除去し、標的タンパク質を25mMクエン酸ナトリウム、25mM塩化ナトリウム、pH3.2で溶出させた。タンパク質溶液を、3%の1M Tris pH10.2を加えることによって中和した。イオン交換クロマトグラフィーまたはミックスモードクロマトグラフィー(CaptoMMC(GEヘルスケア社)、セラミックヒドロキシアパタイトまたはセラミックフルオロアパタイト(バイオ・ラッド者)を含むがこれに限定されない)も必要に応じて利用して、プロテインA材料をポリッシュした。アミコン(登録商標)ウルトラ-15コンセントレーター10KDa NMWC(メルクミリポア社)で標的タンパク質を濃縮した。
【0177】
精製したコンストラクトの純度および分子量は、還元剤を用いたまたはその非存在下でのSDS-PAGEおよびクーマシー(インペリアルRステイン(ImperialR Stain))による染色で分析した。NuPAGE(登録商標)Pre-Castゲルシステム(4~12%または8~16%Bis-Tris、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を製造者の指示に従って使用した。精製タンパク質サンプルのタンパク質濃度は、280nmでのUV吸光度(Nanodrop分光光度計、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を測定し、アミノ酸配列に基づいて計算したモル吸光係数で割ることによって求めた。コンストラクトの凝集体含有量は、Agilent1200高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムで分析した。試料は、25℃で150mMリン酸ナトリウム、pH7.0を移動相とするAdvanceBioサイズ排除カラム(300Å、4.6×150mm、2.7μm、LCカラム、アジレント社(Agilent))に注入した。
【0178】
プロテインAで精製した例示的IL-2バリアントFc融合構築物であるP-0635およびP-0704のSDS-PAGEおよびサイズ排除クロマトグラム分析を
図1に示した。P-0635(配列番号85、
図1A)およびP-0704(配列番号96および10、
図1B)はIL-2の同じアミノ酸置換P65Rを共有する。P-0635はホモ二量体Fcに融合した二価のIL-2バリアントを含み、一方でP-0704はノブ・イントゥ・ホール型ヘテロ二量体Fcに融合した一価のIL-2バリアントを含む。SDS-PAGE分析により、両分子は高いタンパク質純度を示し、還元条件下で実行した試料(レーン2)は、P-0635のホモ二量体Fc鎖とP-0704のヘテロ二量体Fc鎖の両方について予想されるMWを示した。サイズ排除クロマトグラム分析により、両分子とも凝集傾向が低く、最初のプロテインA捕捉ステップ後の凝集は5%未満であったことが示された。
【0179】
実施例2
IL-2における単一アミノ酸置換は融合化合物の開発適合性の普遍的な向上をもたらす
所望の生物学的特性をもつバリアントタンパク質をもたらす変異の組み合わせを見出すための遺伝子操作アプローチは、IL-2に適用された際に大きな課題に直面した。天然に存在するIL-2タンパク質は非常に不安定で凝集しやすい傾向があることが当該分野で知られている。このことは、野生型IL-2 Fc融合タンパク質(P-0250)が、
図2Aに示されているSECクロマトグラムで例示されるように、高い凝集性の傾向を伴って、低いレベル(HEK-293F細胞で一過性に約3mg/L)で発現した実験において実証された。所望の生物学的活性を達成することを目的としたIL-2におけるアミノ酸置換は典型的に、さらに安定性が低い変異体タンパク質をもたらしたので、遺伝子操作の取り組みは頓挫した。本研究初期段階のIL-2バリアントのかなりの部分は、極めて低いレベルで発現し、
図2Bに示されているP-0318(IL-2 D20I/N88I Fc融合体)のSECクロマトグラムによって例示されるように、いくつかのバリアントは、より著しく凝集しやすかった。これは、治療薬の製造および保存にとって問題である。
【0180】
また、IL-2バリアント融合体の発現プロファイルおよび凝集傾向は、異なる変異部位または同じ変異部位を共有するが異なる残基置換をもつ変異体の間で著しく異なることが観察された。この観察結果は、P-0317(IL-2 D20I/N88R Fc融合体)およびP-0318(IL-2 D20I/N88I Fc融合体)によって例示されている。両バリアント融合体は、残基20および88において同じ変異部位を共有し、1つのアミノ酸でのみ異なり、同様に低レベルで発現する。
図2Bに見られるように、P-0318は非常に凝集しやすく、65%の高分子量種を含み、クロマトグラムで予想されるピークがマイナー種となり、矢印で表した。それに対して、P-0317は、凝集体が7.5%で比較的純粋である(
図2C)。N88R変異は、得られた融合タンパク質の凝集傾向を減らし得ると推論されることになる。しかし、P-0254およびP-0324はそれぞれ、N88R単一変異をもつIL-2またはD20T/N88R二重変異をもつ、得られた融合タンパク質であり、30~40%の凝集体を伴って凝集しやすいタンパク質であった。つまり、タンパク質の安定性に対する個々のアミノ酸置換の寄与は、状況に依存するようである。
【0181】
異なる残基置換がタンパク質の安定性に対して予測不能に寄与することも、IL-2へのアミノ酸置換が典型的に低い安定性のタンパク質をもたらすという事実をさらに深刻なものにした。したがって、安定性の向上、より高い発現レベル、およびより低い凝集傾向を含む、ンパク質開発適合性を普遍的に高めることができる残基置換(単数または複数)を見つけることは非常に望ましい。
【0182】
125位でのアミノ酸置換は、その残基がγc相互作用に不可欠なQ126のすぐ近くに存在するので、IL-2選択性を調整することを当初は目的としていた。天然に存在するIL-2は125位に対になっていないシステインを含んでおり、プロロイキンではセリンに置換されている。125位にアラニン置換を含むIL-2も広く使用されている。125位のシステインに対するセリンまたはアラニンの置換は生物学的活性を完全に保ったので、生物学的活性を変化させるようにQ126とγcの相互作用を妨害するために、Glu、Lys、Try、His、およびIsoを含む嵩高い荷電残基または疎水性残基を125位に導入した。Iso125を含む融合分子(P-0531)を除いて、得られた融合分子はすべて発現レベルが低すぎてその特性を評価することができなかった。P-0531は、そのS125対応物(P-0250)と比較したとき、有意に高いレベルで発現し(29.5mg/L対3.1mg/L力価)、凝集傾向が大きく減少した(0.7%対25.7%凝集)。開発適合性、特に生成物の純度が驚くほど向上したことから、125位のイソロイシン置換によるそのような向上が、異なる変異状況で再現されるかどうかを評価することした。
【0183】
したがって、S125I置換を多数のIL-2バリアントFc融合分子に導入した。IL-2のアミノ酸位置125(125I)にIle置換をもつ構築物を、そのSer125対応物と同じベクター、同じ培養条件を使用して発現させ、MabSelectSureを使用して精製した。例示的な分子の単位がmg/Lの発現量およびSECクロマトグラフィーで評価した単位が凝集%の純度を表7にまとめた。表7の同じ行の2つの分子は、同じ他のアミノ酸置換(単数または複数)を共有し、残基125のみ、セリンまたはイソロイシンのいずれかで異なる。野生型IL-2 Fc融合体のS125I相当物であるP-0531(配列番号68)のSECプロファイルをさらに
図2Dに示した。125位でのイソロイシン置換は、4~11倍の発現レベルの増強と一様に低い凝集蛍光をもたらすことが表7から明らかである。
【0184】
125位のイソロイシンが、IL-2融合コンストラクトの開発適合性の普遍的な向上をもたらしたことが本発明から明らかである。この発見は、わずかに安定な野生型IL-2を変えることは典型的に、安定性がさらに低い変異タンパク質をもたらすという事実によって、所望の生物学的特性に向けたIL-2の遺伝子操作が妨げられてきたので、特に有益である。IL-2の遺伝子操作に附随する問題は、125位のイソロイシンでの単一アミノ酸置換によって緩和することができる。
【0185】
実施例3
エフェクターT細胞およびNK細胞に対する選択性を向上するためのIL-2コンストラクトの設計
本発明の主要な態様は、がん治療のために、野生型IL-2と比べて、IL-2Rαβγを発現する細胞よりもIL-2Rβγ(IL-2Rαではない)を発現する細胞に対するIL-2の選択性を向上させることである。本発明の発明者らによって使用された1つのアプローチは、サイトカイン成分にCD25破壊変異を導入することを通して高度に選択的なIL-2-Fc-融合タンパク質を作り出すことである。CD25破壊変異の選択は、IL-2/IL-2R共結晶構造(PDBコード2B51)の精査に基づいた。IL-2Rαへの結合を減少または消失させることを目的として、IL-2受容体αサブユニットとの接触面にある1または2つの関連する残基、例えばR38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、およびY107に複数のアミノ酸置換を導入した。また、これらのコンストラクトに、著しく開発適合性を向上させるS125I変異も含めた。さらに、IL-2バリアントがIL-2Rα+肺内皮細胞への結合を損なうことにより、内皮細胞の損傷を防ぎ、VLSを著しく減少させることが予想される。さらに、CD25結合の障害はまた、CD25抗原シンクを減少させ、IL-2Rβγ発現細胞へのサイトカイン占有を高め、結果的に生体内での応答および腫瘍殺傷有効性を高めることも予想される。
【0186】
表3に、Fcホモ二量体またはFcヘテロ二量体へのC末端融合体として発現したIL-2変異タンパク質のパネルをまとめた。IL-2受容体αサブユニットとの接触面の残基に1または2つのアミノ酸の置換を有するIL-2バリアントのパネル(配列番号31~66)を、「GGGSGGGS」リンカー(配列番号18)を介して、二価のIL-2融合体(配列番号69~95)としてFcホモ二量体または一価のIL-2融合体(配列番号96~106)としてFcヘテロ二量体のいずれかのC末端に融合させた。
【0187】
実施例4
受容体サブユニットαへの結合に対するIL-2Rαとの接触面に導入したIL-2変異の影響
IL-2変異タンパク質のパネルを、Fcヘテロ二量体またはFcホモ二量体へのC末端融合体として発現させ、酵素結合免疫吸着法(ELISA)でIL-2Rαへの結合をスクリーニングした。簡潔に説明すると、IL-2Rα-ECD(配列番号5)を0.1μg/ウェルでNunc Maxisorp 96ウェルマイクロプレートのウェルにコーティングした。4℃で一晩インキュベートし、superblock(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)でブロッキングした後、100nMから始まるIL-2 Fc融合タンパク質の3倍連続希釈を100μl/ウェルで各ウェルに加えた。室温で1時間インキュベートした後、ヤギ抗ヒトIgG Fc-HRP(希釈液で1:5000に希釈したもの)を100μl/で各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。ウェルを十分に吸引し、各ステップの後にPBS/0.05% Tween-20で3回洗浄した。最後に100μlのTMB基質を各ウェルに加え、プレートを室温で暗所にて10分間発色させ、100μl/ウェルの停止溶液(2N硫酸、リッカ・ケミカル社(Ricca Chemical)を加えた。吸光度を450nmで測定し、プリズムソフトウェア(グラフパッド社)を使用して曲線フィッティングした。
【0188】
最初に、野生型IL-2 Fc融合タンパク質のS125I相当物であるP-0531およびP-0689についてCD25結合を試験した。P-0531(配列番号68)はFcホモ二量体に融合した二価のIL-2部分を含み、P-0689(配列番号107+10)はP-0531の一価の対応物である。
図3に示されるように、P-0531とP-0689の間の結合EC
50(それぞれ0.21nMと0.51nM)の2倍の差異はIL-2の価数の違いと一致した。
【0189】
標的としたIL-2の残基R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、およびY107はすべて、IL-2Rαとの接触面にあり、複数のIL-2Rα残基と水素結合/塩橋または疎水性相互作用のいずれかを形成するので(Mathias Rickert,et al.(2005)Science 308,1477-80)、これらの部位のアミノ酸置換は、IL-2Rαとの相互作用を壊し、IL-2Rαへの結合を減少または消失させるIL-2バリアントをもたらすと推論されていた。しかし、結合データから、IL-2Rα結合に対する異なるIL-2変異の影響は劇的に異なることが明らかになった。
【0190】
図4に示されるように、T41位(
図4AのP-0603、P-0604、およびP-0605で例示)またはY107位(
図4BのP-0610、P-0611、およびP-0612で例示)に様々な置換を有するIL-2ホモ二量体Fc融合体は、IL-2Rαへの結合強度を完全に維持した。このデータから、残基T41およびY107は、IL-2Rαの接触面に存在し、様々なIL-2Rα残基と相互作用するにもかかわらず、機能的に重要ではない可能性が高いことが示唆された。
【0191】
残基R38は、IL-2/IL-2Rα相互作用のエネルギーの高いホットスポットとしてかかわり、重要な水素結合に関与していた。複数の遺伝子操作の取り組み、例えば、Keith M.Heaton,et al,(1993)Cancer Res.53.2597-2602、およびPeisheng Hu,et.al,(2003)Blood 101:4853-4861は、R38の様々な置換がIL-2Rαとの相互作用を壊す結果になることを示した。結果として、P-0602(R38A)、P-0614(R38F)、およびP-0615(R38G)で例示される様々な変異が、IL-2Rαへの結合強度を全く低下させない、または最小限(最大で3倍)しか低下させないことを観察したのは、かなり予想外のことであった。結合データを
図4C~4Dに示す。
【0192】
同様に、残基E68はIL-2Rαの接触面の残基との複数の水素結合に関与するが、E68A(P-0628)、E68F(P-0629)、E68H(P-0630)、およびE68L(P-0631)で例示される様々なアミノ酸特性のE68での置換はいずれもIL-2Rαへの結合力の低下を全くもたらさなかった。興味深いことに、実際にP-0629およびP-0630は、それぞれ3倍および14倍のIL-2Rαへの結合の増強を示した(
図5)。
【0193】
まとめると、IL-2残基、T41、R38、E68、およびY107の置換は、一般にIL-2Rα相互作用を壊さず、得られたIL-2ホモダイマーFc融合体は、IL-2Rαへの完全なまたは完全に近い結合を保持した。様々なIL-2変異タンパク質ELISA結合EC
50をP-0531のそれに正規化して表8にまとめる。
【0194】
それに対して、P-0624(E62A)、P-0625(E62F)、P-0626(E62H)、およびP-0627(E62L)で例示される残基E62のアミノ酸置換はすべて、IL-2Rαへの結合の減少をもたらした、E62は実際にIL-2/IL-2Rα相互作用のエネルギーの高いホットスポットであることが示唆された。
図6に示されるように、E62HおよびE62L置換はIL-2Rαへの結合において2~3倍の若干の減少しか生じなかったが、E62AおよびE62F変異はこのIL-2Rサブユニットとの相互作用において劇的な破壊をもたらすようで、それぞれIL-2Rαへの結合において60および150倍の減少をもたらした。さらに、IL-2 F42A変異(P-0613)が受容体αとの相互作用を破壊することは文献で十分裏付けられており、
図8Aでも実証され、IL-2Rαへの結合が15倍減少した。
【0195】
まとめると、F42およびE62は、その置換が全体としてIL-2Rα相互作用を壊したIL-2残基であり、得られたIL-2バリアントはIL-2Rαへの結合の減少を示した。様々なIL-2変異タンパク質のELISA結合EC
50をP-0531のそれに対して正規化し、表9に示した。
【0196】
実施例5
P65残基のアミノ酸置換は受容体サブユニットαへの結合に意外にも多様な影響をもたらした
IL-2残基P65は、R36およびL42を含むいくつかの重要なIL-2Rα接触面残基とのファンデルワールス相互作用に関与し、IL-2Rαと塩橋も水素結合も形成しない。したがって、P65の置換は、このIL-2Rサブユニットとの相互作用の若干の破壊をもたらし得るだけで、IL-2Rαへの結合に対する影響は少ないのではないかと推測された。しかし、IL-2Rα相互作用に対するP65置換の影響は、推定とは大きく異なり、IL-2Rαへの結合を完全に保持/増強する、減少させる、または完全に消失させるなど、予想外にも多岐にわたった。
【0197】
P65G、P65E、P65A、P65H、P65N、P65Q、P65R、P65Kで例示されるP65での複数の置換を導入し、得られたIL-2変異タンパク質を、Fcホモ二量体またはFcヘテロ二量体のいずれかへのC末端融合体として発現させた。それに続いて、そのIL-2変異タンパク質のパネルを、CD25へのELISA結合でスクリーニングした。結合データを
図7に示し、IL-2ムテインのELISA結合EC
50を、各コンストラクトの価数に合わせてP-0531またはP-0689のいずれかのそれに対して正規化し、表10にまとめた。
【0198】
図7Aおよび7Bに示されるように、P65G(P-0608)、P65E(P-0633)、P65A(P-0706)の変異は、IL-2Rαサブユニットとの相互作用に少しも破壊を引き起こさないようであり、むしろ、IL-2Rαへの結合強度は、野生型の対応物と比較して、それぞれ18倍、10倍、および10倍増強された。
【0199】
IL-2変異タンパク質Fc融合体の別のパネル、P-0634、P-0708、およびP-0709は、IL-2のIL-2Rαサブユニットとの相互作用の著しい破壊を引き起こしたP65変異を有する。
図7Cに示され、表9にまとめられているように、P65N(P-0708)は、IL-2Rαへの結合の若干8.6倍の減少を引き起こし、一方ではP65H(P-0634)およびP65H(P-0709)の置換は、より顕著な影響をもたらし、それぞれIL-2Rα結合の23倍および43倍の減少で示された。
【0200】
IL-2 P65置換のさらに別のカテゴリー、P65RおよびP65Kは、IL-2およびIL-R2Rαの相互作用に劇的な破壊をもたらすようであり、P-0635、P-0704、およびP-0707のIL-2Rαへの結合を消失させた(
図7D)。P-0635およびP-0704は、P65R置換を含むIL-2 Fc融合体の二価および一価の対応物であり、P-0707はP65Kのアミノ酸置換を有する。
図7Dは、3つのIL-2変異タンパク質Fc融合体のすべてが、100nMと高いIL-2Rα濃度で最小限のシグナルを示し、結合を消失させることが示された三重CD25破壊変異F42A/Y45A/L72Gを有する基準分子((Christian Klein,et.al,OncoImmunology(2017),6:3,e1277306)と同等であることを示した。
【0201】
図7A~7Cならびに表9および10にまとめられているように、残基P65の置換は、IL-2Rα結合に対して予想外にも多様な影響をもたらした。重要なことに、その置換は、得られたIL-2バリアントのIL-2Rαへの結合を完全に保持/増強する、減少させる、または完全に消失させることができる。当業者であれば理解するであろうように、単一のアミノ酸に対する変更から生じるこのレベルの活性の変化は、構造に基づいた変異誘発アプローチでは予測できなかった。P65への変異はファンデルワールス相互作用面の限られた部分を変えただけなので、IL-2Rαの結合が完全な消失は予想されてもおらず、従来の技術で教示されてもいない。
【0202】
実施例6
受容体サブユニットαへのIL-2結合を調節するアミノ酸置換の組み合わせ
当業者であれば理解するであろうように、本発明に開示の変異は、受容体サブユニットαへのIL-2結合を最適に調製するように任意選択で独立して、任意のやり方で組み合わせることができる。ここでは、2つのIL-2Rα破壊アミノ酸置換を組み合わせることによる、IL-2Rαに結合できないIL-2化合物の設計を示す。
【0203】
P-0613は、IL-2Rαへの結合の15倍減少をもたらしたF42A変異を含み(
図8A)、P-0625およびP-0634はE62FおよびP65H置換を有し、IL-2Rαへの結合はそれぞれ150倍および23倍減少した。P-0702のF42AとE62Fの二重変異の組み合わせと、P-0703のF42AとP65Hの二重変異の組み合わせはともに、IL-2Rαへの結合の消失をもたらした(
図8Bおよび8C)。予想通り、F42/E62A二重アミノ酸変化を含むP-0766およびF42A/E62H二重置換のP-0767は、IL-2Rαに結合することができなかった(データは示されていない)。
【0204】
アミノ酸の組み合わせは、IL-2Rαへの結合が消失したIL-2変異タンパク質を設計するための効果的な方法としての役割を果たすことにくわえて、結合活性のレベルを調節するために使用することもできる。本明細書に示されている1つの例はP-0765であり、これは1つのCD25破壊変異F42Aと1つのCD25増強置換P65Aを組み合わせたもので、その野生型対応物のP-0689と比較して、IL-2Rαへの結合強度には6.8倍と若干の減少があり(データは示されていない)、個々の変異の組み合わせと合致していた。IL-2変異タンパク質のELISA結合EC
50をP-0689のそれに対して正規化し、表11にまとめた。
【0205】
まとめると、アミノ酸置換の組み合わせは、受容体サブユニットαへのIL-2結合を調節するための汎用的なアプローチである。それは、2つのCD25破壊残基を組み合わせることによって、IL-2Rα結合の完全な消失を達成することができる、または、異なる減弱レベルでIL-2Rα結合を調節するのに役立つ可能性がある。
【0206】
実施例7
IL-2Rα結合強度の調節は、生体外機能アッセイにおいてTreg細胞を刺激するIL-2の効力に相関する
続いて、IL-2バリアントFc融合タンパク質のパネルを、野生型融合P-0531および基準分子P-0551(配列番号95)と比較して、CD4+Treg細胞におけるSTAT5リン酸化を異なる形で刺激する能力について調べた。STAT5は、IL-2が膜貫通型のIL-2受容体に結合した際に下流のシグナル伝達カスケードに関与することが知られている。リンパ球サブ集団におけるSTAT5のリン酸化を、新鮮なヒト末梢血単核細胞(PBMC)を使用して測定し、FACS解析においてフォークヘッド転写因子FOXP3を用いてTreg集団を同定した。
【0207】
精製したPBMCを無血清MACSバッファーにて4℃で1時間飢餓状態にした。次いで、2×105個のPBMCを試験化合物の連続希釈液で37℃にて30分間処理した。Foxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set(EBIO)を用いて、1×Foxp3固定/透過処理作業溶液で30分間インキュベートし、1×透過処理バッファーで洗浄することによって、細胞を固定および透過処理した。さらに細胞をCytofixバッファーで固定し、Perm Buffer III(BDバイオサイエンス社)で透過処理し、次いで洗浄した。ヒトTruStain FcX(1:50希釈)を加えることによってFc受容体をブロッキングした後、製造者によって推奨される濃度の抗CD25-PE、抗FOXP3-APC、抗pSTAT5-FITC、および抗CD4-PerCP-Cy5.5抗体の混合物を用いて室温で45分間、細胞を染色した。細胞を遠心分離で回収し、洗浄し、FACSバッファーに再懸濁し、フローサイトメトリーで解析した。フローサイトメトリーのデータをCD4+/Foxp3+/CD25high群にゲートをかけて、Treg細胞のサブセットとした。データは、ゲートをかけた集団中のpStat5陽性細胞の%割合として表される。
【0208】
このIL-2バリアントFc融合体のパネルは、IL-2Rαへの結合の増強(P-0608)、結合の減少(P-0626、P-0634、およびP-0624)、または結合の消失(P-0635)のいずれかをもたらすアミノ酸置換を含む。さらに、P-0626、P-0634、およびP-0624は、IL-2Rα結合強度の減弱のレベルが異なり、結合の減少は、P-0626、P-0634、およびP-0624についてそれぞれ2.6倍、23倍、および60倍であった。IL-2Rα結合の調節の傾向とレベルは、CD4+Treg細胞のSTAT5リン酸化を刺激する様々なIL-2バリアントFc融合体の効力の違いに反映された(
図9)。IL-2Rαへの結合が増強されたP-0608は、それに対応して、TregのSTAT5リン酸化の刺激においてP-0531よりも高い効力を示す傾向を示した。P-0626、P-0624、およびP-0634はすべて、pSTAT5効力の低下を示し、それらのIL-2Rα結合強度が低いことと一致した。低いとはいえ、その保持されたIL-2Rαへの結合は、IL-2Rαへの結合が消失したP-0635および基準であるP-0551よりも、依然としてTregをより強力に活性化することにつながった。P-0635およびP-0551は、Treg細胞でのpSTAT5の誘導において、同等の5ログ右シフトの効力を有し、この低レベルのTregシグナルは、おそらくTreg細胞に発現するIL-Rβγの活性化に起因すると考えられる。結果として、変異体は、CD8+TおよびNK細胞も活性化されたときの濃度でTregを活性化するという所望の特性を得られると予想される。IL-2Rα結合の完全な消失は、Tregの効力の5ログを超える低下をもたらすことは驚くべきことである(
図9)。
【0209】
実施例8
IL-2Rβγとの相互作用に対するIL-2Rα接触面に導入したIL-2変異の効果
IL-2Rα接触面に導入したIL-2変異が、IL-2とIL-2Rβγとの相互作用に影響を与えることになるかどうかを調べるために、IL-2Rβγへの結合を、実施例7と同じIL-2バリアントFc融合タンパク質のパネルについてELISAで評価した。
【0210】
簡潔に説明すると、Fc hole鎖(配列番号10)のN末端に融合したIL-2Rβ ECD(配列番号109)およびFc knob鎖(配列番号9)のN末端に融合したγc ECD(配列番号110)を含む組換えIL-2Rβγヘテロ二量体を、2μg/ウェルでNunc Maxisorp 96ウェルマイクロプレートのウェルにコーティングした。4℃で一晩インキュベートし、1%BSAでブロッキングした後、10nMから始まるIL-2 Fc融合タンパク質の3倍連続希釈を100μl/ウェルで各ウェルに加えた。室温で1時間インキュベートした後、ビオチンマウス抗ヒトIL-2クローンB33-2(BDバイオサイエンス社)を0.5μg/mlで100μl/ウェルずつ各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。続いて、ストレプトアビジンHRP(希釈液で1:5000に希釈)を100μl/ウェルで各ウェルに加え、室温で40分間インキュベートした。ウェルを十分に吸引し、各ステップの後にPBS/0.05% Tween-20で3回洗浄した。最後に100μlのTMB基質を各ウェルに加え、プレートを室温で暗所にて10分間発色させ、100μl/ウェルの停止溶液(2N硫酸、リッカ・ケミカル社)を加えた。吸光度を450nmで測定し、プリズムソフトウェア(グラフパッド社)を使用して曲線をフィットさせた。
【0211】
図10に示されるように、野生型IL-2融合体P-0531と比較して、IL-2Rαへの結合を増強、減少、または消失のいずれかをもたらす変異からなる例示的なIL-2バリアントFc融合体はすべて、IL-2Rβγへの結合が変化していないことを示した。このデータから、IL-2Rα接触面に導入したIL-2変異の試験したものは、実際にCD25結合を干渉し、IL-2Rβγとの相互作用には影響を与えないことが裏付けられた。
【0212】
例示的なIL-2バリアントFc融合タンパク質のパネルを、ヒトCD8+T細胞およびNK細胞のKi67発現に誘導についてフローサイトメトリーでさらに特徴付けを行った。新鮮な単離NK細胞とCD8+T細胞は、CD25発現がないか非常に低く、IL-2Rシグナル伝達は主に中程度の親和性の受容体サブユニットβγによって媒介される。Ki67は、細胞増殖のマーカーとして使われる核タンパク質である。
【0213】
簡潔に説明すると、ヒトPBMCを健常ドナーのバフィーコートからFicoll-Hypaque遠心分離によって分離した。精製したヒトPBMCをIL-2バリアントFc融合化合物の連続希釈液で処理し、37℃で5日間インキュベートした。5日目に、細胞をFACSバッファー(1%FBS/PBS)で1回洗浄し、最初にFcブロッカーと表面マーカー抗体、抗ヒトCD56-FITC、抗ヒトCD8-APCで染色した。30分間インキュベーションし、洗浄した後、細胞ペレットを200μl/ウェルの1×Foxp3固定および透過処理作業溶液で完全に再懸濁し、室温にて暗所で30分間インキュベートした。遠心分離後、200μlの1×透過処理バッファーを各ウェルに加え、再度洗浄した。細胞ペレットを、抗ヒトKi67-PE(1:25希釈)を含む透過処理バッファーに再懸濁した。室温で30分間インキュベートした後、細胞を集め、洗浄し、FACSバッファーに再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。データは、ゲートをかけた集団中のKi-67陽性細胞の%割合として表される。
【0214】
P-0531およびP-0551と比較して、IL-2バリアントFc融合タンパク質に応答したCD8+T細胞およびNK細胞のKi-67発現の用量依存的増加を、
図11Aおよび11Bに示した。CD25を干渉する変異の導入は、野生型IL-2の二価の融合タンパク質であるP-0531と同等の効力をもつFc融合構築物をもたらした。
【0215】
さらに、P-0531およびP-0635のそれぞれ一価の対応物であるP-0689およびP-0704は、ヒトCD8+T細胞のKi-67発現の誘導について特徴付けを行った。
図11Cに示されるように、P-0689(野生型IL-2)およびIL-2Rαとの結合を消失させるP65Rの変異を有するP-0704は、CD8+T細胞のKi-67発現の強い用量依存的な増加を同じように示した。生体外機能データと合わせて、IL-2Rαの接触面に導入されたIL-2の変異は、IL-2Rβγとの相互作用に最小限の影響を与える、または影響を与えないことが確認された。さらに、P-0531とP-0689の間およびP-0635とP-0704の間の効力の差異は、それぞれのIL-2の価数の違いと一致した。
【0216】
実施例9
全体的な効力の減弱に向けた、IL-2Rαへの結合が減少したIL-2バリアントへのIL-2Rβまたはγcを破壊する置換の導入
IL-2フルアゴニストは、経路の過剰な活性化および望ましくない「オンターゲット」「オフティッシュ」毒性をもたらす可能性がある。これは特にIL-2Rβγ選択的フルアゴニストに当てはまり得る。選択性の強化およびCD25シンクの減少により、IL-2Rβγ選択的フルアゴニストは、CD4+、CD8+エフェクターTおよびNK細胞の生体内応答を劇的に強化することができる。結果として、急性毒性が著しい体重減少とともに観察されることがある。さらに、過剰な刺激によって誘発される細胞の疲弊や死が、繰り返し投与した後の生体内での反応を消失させる可能性がある。より低い全体的な効力は、経路の過剰活性化を防ぎ、不要な標的のシンクを減少でき、その結果として、毒性を減らし、薬物動態および薬力学を向上できる可能性があると推論された。そこで、最適な活性を得るために、IL-2Rαとの結合を減少/消失させたIL-2バリアントに、全体的な効力を減弱させるIL-2Rβγ調節置換を組み込んだ。また、IL-2Rβγへの結合親和性を減弱させると、受容体によって媒介されるIL-2のインターナリゼーションが減少し、野生型IL-2よりもゆっくりとではあるが持続的な受容体活性化および耐久性のある薬力学につながることになる。
【0217】
IL-2Rβまたはγcを破壊する変異の選択は、IL-2/IL-2R共結晶構造(PDBコード2B51)の精査に基づいて行った。IL-2Rβまたはγc受容体サブユニットと直接接触する接触面またはその近傍の残基を置換は、IL-2Rβγへの結合の減少をもたらし、したがって経路を活性化する全体的な効力を調節すできる可能性がある。例えば、D20は、IL-2Rβ接触面で受容体サブユニットの側鎖への広範な水素結合ネットワークに関与している。同様に、N88はIL-2/IL-2Rβ相互作用のエネルギーの高いホットスポットであり、受容体鎖との重要な水素結合に関与している。Q126はγc相互作用に必須である。しかし、エネルギーホットスポットでのアミノ酸置換は、活性の実質的な低下をもたらし、効力が最適ではなくなる可能性がある。それは、
図13AのD20位での様々な変異(D20E、D20T、D20N、D20Q、D20S)によって例示された。P-0250(配列番号67)はすべての変異をIL-2に導入したものであり、IL-2バリアントFc融合タンパク質として発現させた。
図13Aに示されるように、D20位の変異の大部分は、IL-2Rβγサブユニットのみを発現するCD4+Tconv細胞におけるpSTAT5発現を刺激する活性の大きな低下または消失をもたらした。同様に、N88位の変異によっても、CD4+Tconv細胞の活性化の作用がほとんど消失する結果になった(データは示されていない)。
【0218】
そこで、IL-2Rβとファンデルワールス相互作用するだけの残基であるL19位にアミノ酸置換を導入した。得られた変異体はIL-2の機能活性を消失させるのではなく、調節するのみである。
図13Bおよび
図13Cは、19位に様々な変異を有するIL-2バリアントが、CD4+Tconv細胞のSTAT5リン酸化を誘導する際に、スペクトラムレベルの効力を発揮したことを示す。野生型と比較して、L19Y、L19R、L19Qの変異は、軽度の活性低下を示し、L19NおよびL19Hは中程度の活性低下を示した。L19Dでは、そのような活性は著しく損なわれた。L19位を変異させることによる異なるレベルの効力低下は、最適な効力を得るための活性の微調整を容易にして、生体内での毒性を低減し、薬物動態および薬力学を向上させる。
【0219】
さらに、γcの相互作用に必須の残基であるQ126にアミノ酸変化を有するIL-2バリアントを同様に作製した。CD4+Tconv細胞のSTAT5リン酸化の誘導におけるIL-2 Q126E Fc融合タンパク質の機能的活性を
図13Dに示す。その野生型対応物と比較して、Q126Eは、若干の活性低下をもたらした。
【0220】
さらに、IL-2のN末端のアミノ酸は、主にIL-2Rβγとの相互作用に関与するので、N末端アミノ酸欠失は、全体的な効力を調節するための異なるアプローチと考えられていた。結果として、L19H/S125I/Q126Eを有するIL-2バリアントに作ったN末端欠失変異体(5、7、9、または11個のアミノ酸のN末端欠失)を構築し、ヒトPBMCアッセイで調べた。親分子として、IL-2 L19H/S125I/Q126Eバリアントは、完全なIL-2Rαへの結合を保持しているが、IL-2Rβγとの結合は減少しており、その結果、信頼性の高いアッセイを行うことができるのはTreg細胞でのみであるが、それでも全体的な効力に対する変異の影響を解明することは可能である。11個のアミノ酸の欠失を含むFc IL-2バリアントは、特徴付けに向けての十分な材料が得られなかった。
図13Eに示されているように、5および7個のアミノ酸の欠失は効力を完全に保持しているが、9個のアミノ酸の欠失は25倍の活性障害をもたらした(18pM対0.74pM)。したがって、N末端の7、8、9、または10個のアミノ酸を欠失させると、異なる効力の様々なIL-2バリアントをさらに所望の活性プロファイルに調整できると予想される。
【0221】
IL-2Rβ破壊変異L19H、L19Q、L19Yおよびγc破壊変異Q126EをP-0704に導入して、それぞれP-0731、P-0759、P-0761およびP-0732を得た。P-0704は、IL-2Rαへの結合を完全に失った状態にするP65Rのアミノ酸置換を含む。P-0704と比較して、P-0731、P-0759、P-0761およびP-0732を、IL-2Rβγへの結合についてELISAで評価し、ヒトCD8+T細胞、CD4+T細胞およびNK細胞におけるKi-67発現の誘導についてフローサイトメトリーで評価した。
【0222】
図14Aに示されるように、P-0689およびP-0704と比較して、例示的なIL-2バリアントFc融合体はすべて、IL-2Rβγへの結合の様々なレベルの低下を示した。IL-2の受容体サブユニットβまたはγへの結合は弱く、解離速度が速いので、個々のサブユニットへの結合活性をELISAで信頼性高く評価することができなかった(データは示されていない)。しかし、IL-2Rβγヘテロ二量体への結合の減少は、アミノ酸変化がそれぞれのβまたはγ受容体サブユニットとの相互作用を壊したためであると予想された。
【0223】
P-0731のIL-2Rβ破壊置換L19HおよびP-0732のγc破壊変異Q126Eによって生じた活性低下を、ヒトPBMCのヒトCD8+T細胞におけるKi67発現誘導活性について評価した。野生型IL-2単量体Fc融合体のS125I相当物であるP-0689ならびにIL-2Rαへの結合を失ったが二量体IL-2Rβγ受容体に対する親和性および機能活性を完全に保持したP-0704を比較のために含めた。
図14Bに示されるように、単量体IL-2 Fc融合タンパク質はすべて、用量依存的にKi-67陽性CD8+T細胞の割合の増加を誘導し、P-0731は、P-0704と比較して約30倍の効力低下を示した。P-0732は、P-0704と比較してEC
50が100倍を超えて弱くなり、最も低い効力を示した。
【0224】
P-0731、P-759、およびP-0761によるヒトCD8+T細胞、NK細胞、およびCD4+T細胞の増殖における用量依存的な増加を、それぞれ
図15A、15B、および15Cに示した。IL-2バリアントFc融合タンパク質P-0731、P-0759、およびP-0761はすべて、P-0704のIL-2Rα結合を消失させる置換P65Rにくわえて、L19位にIL-2Rβを破壊する置換を含んでいる。P-0704と比較して、バリアントはすべて、ヒトCD8+T細胞、NK細胞、およびCD4+T細胞の増殖において予想される効力の低下を示した。P-0759(L19Q)およびP-0761(L19Y)は、若干3~5倍の効力低下を示し、一方でP-0731のL19H変異は、より大きい30倍の効力低下をもたらした。L19QおよびL19Hの置換による効力減弱のレベルは、評価したすべての細胞サブセットにわたって同じ傾向になり、CD4+Tconv細胞におけるpSTAT5発現を誘導する際の活性低下のレベル(
図13Bおよび13C)、ならびに組換えIL-2Rβγタンパク質への結合を弱めるレベル(
図14A)と一致した。基準分子は、P-0704と比較して、細胞増殖の誘導において、同等の効力、しかしわずかに低い効力を示した。
【0225】
まとめると、免疫抑制性Tregの望ましくない増殖を抑えるためにCD25を破壊する置換をIL-2に導入することにくわえて、最適活性のために、IL-2Rβγを破壊する置換またはN末端欠失をさらに組み込んで、全体的な効力を減弱させることができる。より低い効力は、経路の過剰活性化を防ぎ、不要な標的のシンクを減少でき、その結果として、毒性を減らし、薬物動態および薬力学を向上できる可能性がある。
【0226】
実施例10
単回注射後のマウスにおけるIL-2バリアントFc融合タンパク質の薬力学的効果
IL-2Rαへの結合が消失したC末端の一価のIL-2バリアントFc融合タンパク質であるP-0704(配列番号96および10)で処理した後の、さまざまなリンパ球サブセットの細胞増殖の経時変化観察をBalb/Cマウスで単一注射後に行った。末梢血リンパ球の増殖の効果を経時的にモニターした。さらに、P-0704の免疫薬力学的プロファイルを、野生型IL-2対応物であるP-0689(配列番号107および10)のプロファイルと比較した。
【0227】
7週齢の雌Balb/cマウスをチャールズ・リバー・ラボラトリーズから受け取り、試験前に少なくとも7日間施設内で(in house)馴化させた。0日目に、ビヒクルならびにP-0704およびP-0689の0.6mg/kgでの単回投与をマウスの腹腔内に施した。血液試料を注射後3日目と5日目に採血した。各群に4匹のマウスを入れた。
【0228】
免疫表現型の決定にヘパリン処理した全血を使用した。BD pharm溶解バッファーを使用して赤血球を溶解した後、トリパンブルー死細胞排除により全生存単核血球を計数し、Ki67細胞内染色に進めた。細胞ペレットを200ul/ウェルの1×Foxp3固定/透過処理作業溶液で完全に再懸濁し、室温にて暗所で30分間インキュベートした。遠心分離後、200ulの1×透過処理バッファーを各ウェルに加え、再度洗浄した。精製抗マウスCD16/CD32(1:50希釈)でFc受容体をブロッキングした後、細胞をAPC-cy7 CD3、BV510 CD4、FITC Foxp3、PE Ki67、APC CD335、およびPercpcy5.5 CD8(1:50希釈)で染色した。室温で30分間インキュベートした後、細胞を集め、洗浄し、FACSバッファーに再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。
【0229】
図16Aに示されるように、P-0689の野生型IL-2は、がんの治療には望ましくないとみなされているTreg細胞の強い増殖(細胞数の6倍増加)をもたらし、3日目にピーク達し、一方でP-0704は3日目にTreg増殖はなく、5日目にTreg細胞が最小限増殖しただけであった。それに対して、P-0704は、3日目に全CD3+リンパ球集団中のCD8+T細胞の割合を増加させ、5日目に19%(ベースライン)から67%へとCD8集団の増強を続けた(
図16B)。反対に、P-0689によるCD8+T細胞の増殖は最小限であった(
図16B)。NK細胞の場合、3日目に5.4倍の細胞数増加が観察され、細胞増殖は継続し、5日目にP-0704による64倍の細胞増加がもたらされた。P-0689は、3日目にNK細胞数を7.8倍増加させたが、その効果はすぐに低下し、5日目にベースラインに戻った(
図16C)。
【0230】
まとめると、P-0704は、Tregの増殖をほぼ消失させ、CD8およびNK細胞の増殖を顕著に増強し、P-0689とは大きく異なる細胞増殖プロファイルを示した。この観察結果は、IL-2Rαサブユニットへの結合能力、結果としてTreg細胞の応答性に大きな違いがあることと一致する。さらに、P-0704は、IL-2Rβγ選択的フルアゴニストとして、選択性の強化およびCD25シンクの減少により、CD8+エフェクターT細胞およびNK細胞の生体内応答を劇的に強めることができる。
【0231】
実施例11
IL-2-抗体融合タンパク質の構築、発現、および精製
本実施例では、様々なIL-2-抗体融合タンパク質を調製し、評価する。免疫チェックポイントを標的とする抗体にIL-2バリアントをつなぎ止めることは、IL-2を疲弊したT細胞に導き、腫瘍微小環境を免疫学的にホットな状態(hot)にすることが予想される。また、この戦略はIL-2の全身への曝露や標的外に対する毒性を軽減する。また、免疫チェックポイント阻害剤とIL-2バリアントの二重機能融合タンパク質は、負の制御を取り除くことならびにT細胞の機能および数を再活性化することによって、相乗効果をもたらすことも予想される。免疫チェックポイント遮断抗体-サイトカイン融合タンパク質は、腫瘍に対する免疫系の活性をさらに高めることが予想される。本発明の発明者らは、IL-2Rαへの結合が減少/消失し、IL-2Rβγ活性が減弱したIL-2バリアントの使用は、著しく異なる効力および分子量を示すサイトカインと抗体アームとの間の化学量論的バランスの構築を容易にして、最適投与を可能にし、各アームの機能を維持するためであると提案する。さらに、サイトカイン活性の減弱は、末梢の活性化を最小限にし、抗原シンクを軽減し、抗体アームを介して腫瘍ターゲティングを促進することが予想される。
【0232】
チェックポイント阻害剤標的が細胞傷害性T細胞またはPD-1などのIL-2Rβγも発現する他のリンパ球サブセットで発現する場合、IL-2 PD-1抗体融合タンパク質は、腫瘍微小環境における活性および消耗CD8+TなどのPD-1+細胞に、優先的にシスでIL-2変異体を送達し、選択的シグナル伝達を促進できると予想待される。
【0233】
この概念に沿って、様々なIL-2抗体融合タンパク質を構築した。
【0234】
IL-2-抗体融合タンパク質を調製するために、上記で列挙した抗体の重鎖のCH1-CH2-CH3(EUナンバリングに基づく抗体残基118~447)ドメインを、L234A、L235A、G237A変異を含んで、FcγRおよびC1qへの結合を消失させるが、FcRn結合またはPKを保持する配列番号162に記載のIgG1配列で置換した。IL-2バリアントペプチドは、FcドメインのC末端に表6に列挙した配列をもつペプチドリンカーを介して融合されている。あるいは、一価のIL-2バリアントを発現させるために、上記で列挙した抗体の重鎖のCH1-CH2-CH3ドメインを、配列番号163~164に記載のヘテロ二量体鎖で置換した。IL-2バリアントペプチドは、ノブ・イントゥ・ホール技術を用いて遺伝子操作されたknob含有ヘテロ二量体重鎖のC末端に表6に列挙した配列をもつペプチドリンカーを介して融合されている。半減期延長変異、例えばN434Aを、ホモ二量体またはヘテロ二量体Fc鎖にさらに組み入れることができる。例示的なIL-2 PD-1アンタゴニスト抗体融合タンパク質を表12に列挙する。さらに、P-0844は、配列番号182~184を含む基準IL-2バリアントPD-1アンタゴニスト抗体融合タンパク質である。
【0235】
遺伝子合成、発現ベクター構築、およびタンパク質生成、精製、特徴付けは、実施例1で詳述したのと同じ手順に従って行った。
【0236】
免疫正常応答性マウスの生体内腫瘍モデルで使用するために、マウスサロゲートPD-1 IL-2バリアント融合タンパク質を類似の方法で生成した。サロゲート抗マウスPD-1抗体は配列番号185~187を含み、エフェクター機能の除去およびヘテロ二量体化のためのFc変異を有し、IL-2バリアントは、抗マウスPD-1 HC鎖2(配列番号186)のC末端に(G
4S)
3リンカー(配列番号15)を介して融合されている。表13に、それぞれの例示的なマウスサロゲートPD1-IL-2バリアント融合タンパク質におけるIL-2バリアントを列挙する。
【0237】
実施例12
IL-2バリアント抗体融合タンパク質は、生体外機能アッセイにおいてIL-2の効力および活性プロファイルを完全に保持する
本研究のサロゲートPD-1アンタゴニスト抗体(配列番号185~187)はヒト抗原と交差反応せず、その結果、リンパ球サブセットの刺激および増殖におけるIL-2バリアントの効力および活性プロファイルに対する抗体融合形式の影響を評価するために、ヒト細胞における非機能抗体として使用した。
【0238】
抗体融合形式の影響を、そのFc融合体対応物P-0704に比較して、P-0782を例として示した。P-0782およびP-0704はともに、ヘテロ二量体FcドメインのC末端に柔軟性のある(G3S)2リンカー(配列番号18)を介して連結した単量体IL-2 P65Rバリアントを含む。IL-2のP65R置換はIL-2Rαへの結合を消失させる(
図7D)。
図17A~17Cに示されるように、P-0782およびP-0704は、CD4+Treg細胞(
図17A)、CD8+T細胞(
図17B)、およびNK細胞(
図17C)における用量依存的なSTAT5リン酸化の誘導において等しい効力を有する。データから、抗体に融合したIL-2部分が、その対応するFc融合タンパク質と同様に、その活性を完全に保持することが確認された。
【0239】
さらに、3つのIL-2バリアントマウスPD1抗体融合タンパク質、P-0837、P-0838、およびP-0782を、ヒトPBMCにおいてpSTAT5を刺激するそれらの活性について比較した。P-0838およびP-0782のIL-2変異は、それぞれP65QおよびP65Rである。P-0837は野生型IL-2部分(配列番号4)を含む。野生型と比較して、P65QはIL-2Rα結合強度を43倍低下させ(表10)、P65RはIL-2Rαへの結合を消失させた。先の実施例におけるIL-2 Fc融合分子の知見を裏付けるように、
図18A~18Cは、IL-2Rα接触面に導入されたIL-2変異は実際にCD25のみに干渉し、IL-2Rβγとの相互作用には影響を与えないことを示している。ヒトPBMC中のナイーブCD8+TおよびNK細胞は、CD25を全く発現しない、または非常に低いレベルで発現するので、3つの分子はすべて、これらの2つのリンパ球サブセットにおけるpSTAT5発現の用量依存的な刺激において同一の効力を示す(
図18Bおよび18C)。反対に、Treg細胞は高レベルのCD25を恒常的に発現し、その結果としてP-0838およびP-0782は、Treg細胞におけるpSTAT5発現の刺激において、野生型対応物のP-0837よりも劇的に減少した反応を示した(
図18A)。P-0837、P-0838、およびP-0782のEC
50は、それぞれ、0.45pM、0.36nM(P-0837より800倍弱い)および4.5nM(P-0837より10,000倍弱い)である。CD25結合が減少した変異体P-0838とCD25結合が消失した変異体P-0782はともに、野生型対応物と同様にCD8およびNK細胞を刺激する効力を保持した。さらに、P-0782のIL-2Rα結合の消失により、結果としてTreg/CD8のEC
50比が約1になり、細胞傷害性エフェクター細胞よりもTreg細胞を優先的に刺激しないことを示した(EC
50、Tregの4.5nM対CD8+T細胞の4.6nM)。P-0838に著しく弱いもののIL-2Rα結合が存在することにより、CD8+T細胞よりもTregに対して約13倍増強されたpSTAT5応答性がもたらされる(Tregの0.36nM対CD8+T細胞の4.6nM)。
【0240】
また、IL-2への結合の減少にくわえて、IL-2Rβ破壊変異L19QまたはL19Hをもつ効力が減弱したIL-2バリアントを、IL-2抗体融合形式用の生体外機能アッセイでも評価した。P-0782と比較して、P-0786は1つの追加のL19Q置換を含み、P-0783はL19Hを含む。P-0782、P-0786、およびP-0783のFc対応物は、それぞれ、P-0704、P-0759、およびP-0731である。
【0241】
ヒトCD8+T細胞およびNK細胞でのP-0782、P-0786、およびP-0783によるSTAT5リン酸化の用量依存的な誘導を、それぞれ
図19Aおよび
図19Bに示し、同じリンパ球サブセットの増殖の用量依存的な増加を、それぞれ
図19Cおよび
図19Dに示した。P-0782と比較して、P-0786は、CD8+T細胞(
図19A)およびNK細胞(
図19B)でのSTAT5リン酸化の誘導において、若干2~3倍の効力低下を示し、一方でP-0783のL19H変異は、より大きい20~30倍の効力低下をもたらした(
図19Aおよび
図19B)。同様のレベルの効力減弱が、CD8+T細胞(
図19C)およびNK細胞(
図19D)のKi67の用量依存的な増加で観察された。抗体融合タンパク質P-0782、P-0786、およびP-0783の効力減弱のレベルは、それぞれ対応するFc融合タンパク質P-0704、P-0759およびP-0731と同じ傾向になった(
図15Aおよび15B)。
【0242】
IL-2Rβ破壊disrupt変異による効力減弱を、IL-2抗体融合形式におけるP65Q変異の状況でも評価した。L19QおよびL19HをP-0838に導入して、それぞれP-0790およびP-0787を作製した。
図20A、20Bおよび20Cは、Treg、CD8+TおよびNK細胞におけるSTAT5リン酸化を刺激するそれらの活性を示す。
図20Dおよび20Eは、CD8+T細胞およびNK細胞における増殖マーカーKi67の用量依存的な増加を示す。効力減弱のレベルは、IL-Rα消失置換P65RをベースとするAb融合体について観察されたのと同じ傾向になった。
【0243】
S125I相当野生型IL-2を含むP-0837とともに、P-0782、P-0786、およびP-0783を、CTLL-2増殖活性についてさらに評価した。CTLL-2細胞は、α、β、およびγ受容体サブユニットを発現するC57BL/6マウス由来の細胞傷害性T細胞である。簡潔に説明すると、CTLL2細胞を採取し、洗浄し、IL-2を含まない培地(RPMI1640、10%FCS、2mMグルタミン)に再懸濁し、2時間インキュベートした(IL-2飢餓)。飢餓後、IL-2を含まない新鮮な培地に50,000/mlで再懸濁したCTLL-2細胞50μlを96ウェルU底プレートに移した。50μlの連続希釈したIL-2抗体融合体をウェルに加えて、最終容量を100μl/ウェルとした。試料を2日間インキュベートし、製造業者の説明書に従ってCellTiter-Gloを使用して増殖を評価し、発光シグナルを測定した。
図21に示されるように、L19QおよびL19hによる効力減弱のレベルはマウス細胞でも維持された。Treg細胞に類似して、CTLL-2細胞で、野生型IL-2を含むP-0837は、IL-Rαサブユニットの発現に関してP-0782と比べて顕著に増殖に有利であることを示した。
【0244】
まとめると、サロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質形式のIL-2バリアントは、生体外機能アッセイにおいて、それらのFc融合体相当物に見られるように、効力および活性プロファイルを完全に保持した。
【0245】
実施例13
IL-2バリアントヒトPD-1抗体融合タンパク質のインビトロでの特徴付け
P-0795は、重鎖として配列番号140を、軽鎖として配列番号141を含むヒトPD-1アンタゴニスト抗体である。P-0803(配列番号166、169および141)は、IL-2バリアントがknob含有ヘテロ二量体重鎖のC末端に融合したP-0795の複合体である。P-0803のIL-2バリアントは、IL-2Rα結合を消失させる変異P65Rと開発適合性を向上させる置換S125Iを含む。P-0803で例示される抗体融合タンパク質の抗体アームの機能を、ELISA形式で直接結合とリガンド競合阻害の両方について調べた。
【0246】
直接結合の場合、huPD-1-Hisをコーティング抗原として使用して、実施例4と同じELISAプロトコールに従った。リガンド(PD-L1)競合阻害ELISAでは、同様のELISAプロトコールを若干修正して使用した。簡潔に説明すると、プレートを0.2μg/wellのヒトPD1-Fcタンパク質で4℃にて一晩コーティングした。洗浄して、2%BSAでブロッキングした後、0.5μg/mLのビオチン化ヒトPDL1-Fcを、1:1(体積/体積)で連続希釈したP-0795またはP-0803と混合し、100μLの混合物を各ウェルに加え、37℃で1時間インキュベートした。ストレプトアビジン-HRPを二次抗体として加えた。
【0247】
図22Aに示されるように、P-0803およびP-0795はPD-1に対する同一の結合強度を有した(EC
50=0.6nM)。また、P-0803は、表面に固定化されたPD-L1へのヒトPD-1の結合の遮断において、P-0795と同等の効力を有した(IC
50=2.1nM、
図22B)。まとめてデータは、IL-2抗体融合体の抗体アームが完全に機能することを裏付けた。
【0248】
同様に、IL-2バリアント ヒトPD-1抗体 IL-2は、FACS分析により解析した細胞表面に発現したPD1に対して親抗体と同様の結合を示した(
図22C)。P-0795はアンタゴニストヒトPD-1抗体であり、P-0880およびP-0885はともに、P-0795のC末端に(G
4S)
3リンカーを介して結合した一価のIL-2を含む。P-0880はP65R/S125I置換を含み、一方ではP-0885はL19Q/P65R/S125I変異を含む。P-0704およびP-0759は、それぞれP-0880およびP-0885のFc融合体対応物である。PD-1を標的とするアームを欠くことにより、P-0704およびP-0759は、予想された通りPD-1発現細胞に結合しなかった。
【0249】
PD-1はチェックポイント阻害剤PD-1と結合するため、免疫複合体は、腫瘍微小環境での活性化および疲弊したCD8+TなどのPD-1+細胞にシスで優先的にIL-2バリアントを送達して、選択的なシグナル伝達を促進できることが予想される。健常人のPBMCでは、ナイーブCD8+T細胞とNK細胞は一般にPD-1陰性であり、一方でTregは低いレベルのPD-1を恒常的に発現している。結果として、IL-2 huPD-1 Ab融合タンパク質であるP-0803およびP-0804は、PD-1陽性T細胞でのpSTAT5の刺激において、それらのPD-1を標的としない相当物、それぞれP-0782およびP-0783よりも15倍を超える強力な効力があることが観察され(
図23Aおよび23B)、一方でPD-1陰性細胞では効力の違いは最小限または軽度であった(
図23C-23F)。また、huPD-1 Ab融合タンパク質は、ナイーブな非活性化CD8およびNK細胞において、PD-1を標的としない対応物と比較して、効力が増加する傾向を示した(
図23C~23F)。
【0250】
T細胞のPD-1発現レベルが高いほど、抗体融合タンパク質によって標的にされて選択的なシグナル伝達が達成される可能性が高いことになる。その結果として、腫瘍微小環境において、IL-2 PD-1抗体融合タンパク質は、TregよりもTeffに優先的に結合することになる。
【0251】
さらに、タンパク質発現プロファイルおよび活性に対する抗体knob重鎖およびIL-2バリアントに繋がっているリンカーの長さの影響を調べた。P-0840(配列番号168、169および141)ならびにP-0841(配列番号178、175、および141)は、リンカー長のみが異なる2つのIL-2 P-0795融合タンパク質である。P-0840は(G
3S)
2リンカー(配列番号18)を含み、一方でP-0841は(G
4S)
3リンカー(配列番号15)を有する。
図24Aおよび24Bに示されるように、プロテインAで精製した、ExpiCHO一過性発現から得たP-0841は、同一の製造および精製工程から得たP-0840よりも有意に少ない低分子量不純物を示した(16%対3%)。リンカーがそれぞれ(G
3S)
2および(G
4S)
3であり、それ以外は同一の配列をもつP-0803およびP-0880(配列番号177、175、および141)についても、不純物含量における同様の差が観察された(11%対2.7%、
図24Cおよび24D)。
【0252】
P-0841およびP-0880のわずかに長いリンカーは、短いリンカーを含有するそれらそれぞれの対応物と比較して、純度の向上をもたらした一方で、IL-2部分の生物学的活性に対する影響は、細胞傷害性リンパ球に対するpSTAT5刺激効力で例示されるように、最小限にまたは僅かに増強されただけであった(
図25)。融合タンパク質の開発適合性プロファイルへの有益な影響を考慮すると、長いリンカーは他の負の影響を引き起こさず、短いリンカーよりも好ましい。
【0253】
IL-2バリアントがknob含有ヘテロ二量体重鎖に(G
4S)
3リンカーを介して融合したいくつかのP-0795融合タンパク質、P-0880、P-0882(配列番号176、175および141)、ならびにP-0885(配列番号179、175および141)を構築した。細胞表面発現PD-1への結合は、
図22Cに示されるように、hPD1抗体単独と比較して、より長いリンカーをもつIL-2バリアントhuPD-1抗体融合タンパク質において変化しなかった。CD8+T細胞とNK細胞の両方におけるpSTAT5の刺激およびKi67発現の誘導におけるIL-2の効力を調べるために、それらのタンパク質をさらに生体外機能アッセイで試験した(
図26)。3つの構築物はすべて、IL-2Rαを消失させる変異P65Rを含み、P-0882およびP-0885はそれぞれ、追加のL19HおよびL19Q変異を含んで、全体的な効力を調節する。比較のために、野生型IL-2の対応物であるP-0849をアッセイに含めた。生体外機能活性を表14にまとめた。P-0880と比較したP-0885およびP-0882による効力減弱のレベルは、評価した細胞サブセットにわたって同じ傾向になり、P-0759およびP-0731対P-0704(対応するFc融合タンパク質、
図15Aおよび15B)、ならびにP-0786およびP-0783対P-0782(対応するマウスPD1抗体融合タンパク質、
図19)について観察された減少のレベルと一致した。予想通り、野生型IL-2融合体は、CD8+TおよびNK細胞でP-0880と同等の活性を示した。
【0254】
実施例14
C57BL6マウスにおけるIL-2バリアントサロゲートマウスPD-1抗体融合タンパク質の薬力学的効果
IL-2バリアントマウスPD-1抗体融合タンパク質の薬力学的効果を、C57BL6マウスおいて単回注射した後に評価した。7週齢の雌のC57BL6マウスをチャールズ・リバー・ラボラトリーズから受け取り、試験前に少なくとも7日間施設内で馴化させた。時間0に、ビヒクルおよび各IL-2マウスPD-1抗体融合タンパク質の単回投与をマウスに腹腔内投与した。血液試料を注射後3、5、7、および10日目に採血した。各群に5匹のマウスを入れた。ヘパリン処理した全血を、実施例10に記載の免疫表現型の決定に使用した。
【0255】
P-0782は、IL-2Rα結合を消失させるIL-2 P65R部位を含み、P-0838は、IL-2Rα結合を減少させるIL-2 P65Q部位を含み、一方でP-0837は野生型IL-2を含む。IL-2Rαへの結合を完全に失った基準IL-2バリアント(配列番号188)を含む対応物マウスPD-1抗体融合タンパク質であるP-0781を、比較のために含めた。
【0256】
2mg/kgで単回注射した後、CD8およびNK細胞で試験したすべての化合物について、Ki67刺激は最大レベルを達成した(
図27A~27B)。各化合物のピークKi67発現シグナルは、CD8+T細胞で最大レベルに達し、3日目に最大限に達した。P-0782、P-0838および基準P-0781では、シグナルは7日まで持続し、10日目に低下した。それに比べて、Ki67シグナルは野生型P-0837では加速度的に弱まった(
図27A)。NK細胞での同様のKi67誘導は、試験したすべての化合物で観察された(
図27B)。
【0257】
驚いたことに、CD8およびNK細胞の増殖は試験した化合物によって劇的な違いがみられた。IL-2Rα結合を消失させる変異をもつP-0782は、CD8+T(
図27C)およびNK細胞(
図27D)の活発な増殖を示した。両方のリンパ球サブセットの増殖は、3日目に始まって継続し、7日目にCD8+T細胞の68倍の増加およびNK細胞数の182倍の増加を伴ってピークに達した。IL-2Rα結合能力を低下させる変異を含むP-0838は、WT抗体融合体と同様、またはわずかに強いCD8およびNK細胞の増殖を示した。基準P-0781の場合、両リンパ球サブセットの増殖は、P-0780およびP-0838と比較して中間であった。際立って対照的に、野生型P-0837による両方のリンパ球サブセットの細胞増殖は、有意に低い最大シグナルで5日目にピークに達した(CD8+T細胞では3.9倍、NK細胞では6.8倍、
図27Cおよび
図27D)。
【0258】
CD25結合を消失させる変異は、CD25シンク効果を減少させ、結果としてIL-2Rβγへの利用可能性を増加させる利点をもたらす可能性がある。受容体占有が高まることにより、活発な細胞傷害性細胞の増殖が引き起こされる。CD25結合活性が残存する変異体は、CD8およびNK細胞に対して野生型と同様の活性をもたらすシンク効果を依然として有しうる。まとめると、P-0782は、P-0838およびP-0837と比較して、大きく異なる細胞増殖プロファイルを示した。P-0782は、試験したいずれの化合物よりもCD8+T細胞とNK細胞の両方の顕著な増殖および増殖(proliferation and expansion)を示し、基準化合物であるP-0781よりも優れている。IL-2Rβγ選択的フルアゴニストとして、P-0782およびP-0781は、選択性を高め、CD25シンクを減少させることにより、CD8+エフェクターTおよびNK細胞の生体内での応答を劇的に強化することができる。P-0838は、野生型と比較して、CD8およびNK細胞の強い増殖を示さなかったが、IL-2Rα(CD25)との結合能力を低下させるように導入された変異は、VLSを減少させる有益性をもたらすことが予想される。さらに、残存する免疫制御性Treg応答は、免疫カウンターバランスをもたらして、全身的な忍容性を向上させ、免疫バランスが細胞傷害性エフェクター細胞に過剰に傾かないことを確実にすることが予想される。Treg応答は、腫瘍殺傷の有効性を損なわないように微調整できるが、末梢性寛容を維持するのに十分に強力である。
【0259】
IL-2Rαへの結合能力を消失させることにくわえ、IL-2Rβγ相互作用を減少させる変異を含むIL-2バリアントとの二機能性PD1抗体融合タンパク質の薬力学も試験した。P-0786とP-0783はともに、異なるIL-2Rβを調節する変異L19QとL19Hをそれぞれ組み込むことによってIL-2効力が減弱したP-0782の対応物である。
図19Cおよび19Dは、Ki67発現を刺激した際のこれら3つの化合物間のインビトロでの効力の違いを示した。2つの異なる用量レベルでのCD8+およびNK細胞の増殖および増殖に対するP-0786およびP-0783の効果を
図28および
図29に示す。
図28Aに示されるように、効力が低い化合物であるP-0786は、野生型P-0837で観察された3日目の代わりに、5日目にCD8+T細胞のピークKi67シグナルを誘導した。NK細胞のKi67の増加は、P-0783とP-0837の両方によって最大化され(
図28B)、NK細胞はCD8+T細胞よりもIL-2に応答するという概念と一致する。
【0260】
減弱したIL-2バリアントのPD1抗体融合体の薬力学的効果は、野生型融合体と比較して劇的に向上した。
図28Cおよび28Dは、野生型と比較して、P-0786による細胞増殖の用量反応効果が著しく延長および増強されたことを示した。CD8+TおよびNK細胞増殖の増加は、遅延したが、持続的で耐久性があった。2mg/kg投与群の反応は7日目にピークに達し、10日目にベースラインに戻らなかったが、5mg/kg投与群の反応は急激に、かつ継続的に増加し、投与後10日目にピークに達しなかった。反対に、野生型融合体群におけるCD8およびNK細胞の増殖はわずかであり、5日目にピークに達し、7日目にベースラインに戻った(
図28Cおよび
図28D)。
【0261】
P-0783は、さらに弱いIL-2アゴニストを含むので、Ki67発現(
図29Aおよび29B)ならびにCD8+細胞およびNK細胞の増殖の用量依存的な誘導(
図29Cおよび29D)において、P-0786と同様に遅延するが持続的で耐久性がある効果を示した。細胞数がピークに達した日および細胞数増加の倍率変化を、化合物ごとに表15にまとめた。
【0262】
さらに、
図30に示されるように、効力レベルおよび対応する細胞傷害性リンパ球の増殖は、マウスの体重減少によって反映される毒性と相関した。IL-2Rβγ選択的フルアゴニストとして、P-0782は、CD8+TおよびNK細胞数の両方において劇的な増加を引き起こし、最大の体重減少をもたらし、減弱アゴニストP-0786およびP-0783は、生体内での忍容性の向上を示した。P-0783は、P-0786よりも忍容性においてわずかに優れ、P-0783はP-0786よりも弱いアゴニストであるという事実と一致した。
【0263】
まとめると、P-0782は、CD8+TおよびNK細胞の増殖および増殖(proliferating and expanding)において強力な薬理学的効果を示した。P-0786およびP-0783は、より弱いものの、より持続的なシグナルを示した。3つの化合物の効力を順位付けすると、生体外と生体内で概ね一致した。さらに、フルアゴニストのP-0782と比較して、効力が減弱した化合物P-0786およびP-0783は、生体内での薬力学と忍容性の向上を示した。
【0264】
実施例15
PD1抗体IL-2バリアント融合タンパク質の同系マウス腫瘍モデルにおける生体内有効性
IL-2バリアントマウスPD-1抗体融合タンパク質の抗腫瘍有効性を、皮下B16F10メラノーママウス腫瘍モデルで試験した。雌C57BL/6マウス(7週)を、4~7日間の馴化後、体重によって投与群(n=10匹/群)に無作為に割り付けた。継代3のB16F10細胞(5×105細胞/マウス)を、-1日目にマウスの右側腹部に皮下(s.c.)接種した。マウスに試験化合物を0、7および14日目に3回(Q7D)腹腔内(i.p.)投与した。すべてのマウスを注意深くモニターし、体重を週に3回測定した。腫瘍は標準的なノギスを使用して週3回測定し、腫瘍サイズは標準的な式、長さ×(幅)w2×0.5で、単位mm3で算出した。腫瘍サイズが限界の1500mm3を超えたとき、マウスを安楽死させた。
【0265】
3つの抗体融合タンパク質、P-0838、P-0790、およびP-0787を、2回のQ7D投与で3mg/kgにて投与した。3つの融合タンパク質はすべて、IL-2 L65Q変異を含んでIL-2Rαへの結合が損なわれ、P-0790およびP-0787はそれぞれ追加のL19QおよびL19H変異を含んで、さらにIL-2Rβγ活性を減少させて全体的な効力が調節される。
図31Aに示されるように、すべての化合物は、P-0787、P-0790、およびP-0838について、それぞれ78%、64%、および57%の腫瘍成長抑制を伴う強い単剤抗腫瘍有効性を示した。腫瘍抑制有効性のレベルは、P-0838からP-0790およびP-0787へのインビトロでの効力の減弱と相関した。
【0266】
図30で見られたことと同様に、
図31Bでは、フルIL-2アゴニストであるP-0838は、最大の体重減少で反映されているように、最も早く、最も高い毒性を有し、減弱アゴニストであるP-0790およびP-0787は、生体内での忍容性を向上させたことが示された。P-0787はP-0790よりも忍容性に優れ、これはP-0783がP-0786よりも弱いアゴニストであるという事実と一致する。全体として、データは、IL-2Rβγ選択的および減弱変異体が良好な腫瘍殺傷有効性を示し、忍容性を向上させたことを裏付けた。
【0267】
生体内での腫瘍抑制および忍容性に対する投与量効果を、P-0787についてさらに調べた。
図32Aに見られるように、P-0787は、3mg/kgから5mg/kgに投与量を増加させたとき、同様に強力な抗腫瘍効果を示した。投与量の上昇は劇的な体重減少を引き起こさず(
図32B)、弱いアゴニストが高い投与量を容易にし、忍容性を高めたことを示唆した。
【0268】
強い腫瘍成長抑制は、2回のQ7D投与で1.5mg/kgにて投与したP-0782およびP-0786についても観察された(
図33)。サロゲートマウスPD-1抗体であるP-0722は、B16F10同系モデルにおいて抗腫瘍効果を示さず、一方でP-0782およびP-0786は、P-0786がP-0782の減弱対応物であるにもかかわらず、同等の強い腫瘍成長抑制を示した。
【0269】
最後に、IL-2バリアント抗体融合タンパク質であるP-0790を、マウスB16F10肺転移モデルで試験した。簡潔に説明すると、3×105個のマウスメラノーマ細胞を雌のB57BL6マウス(10~12週齢)に静脈内注射した。次の日(1日目)、3回のQ7D投与を腹腔内注射で開始した。投与群(n=5匹/群)には、0.3、1、および3mg/kgのP-0790および3mg/kgの対応する抗体P-0722が含まれる。ビヒクル(PBS)を陰性対照として含めた。24日目に、すべてのマウスを組織採取のために犠牲にした。肺腫瘍の結節を数え、抗転移効果は投与群とビヒクル対照の間の腫瘍結節の数の違いで表した。
【0270】
P-0790は、IL-2 L19Q/P65Q PD-1抗体融合タンパク質で、IL-2Rαへの結合が著しく損なわれ、全体的な効力が調節されている。同様に、サロゲートマウスPD-1抗体であるP-0722は、B16F10腫瘍細胞の転移を抑制する効果がなかったが、P-0790による肺転移結節の用量依存的な抑制が観察された。
図34Aは平均肺結節数を示し、
図34Bは各群の代表的な動物の肺の写真を示した。データは平均±SEMとして表される。
【0271】
まとめると、様々なIL-2バリアントマウスPD-1抗体融合タンパク質は、強い単剤抗腫瘍効果を示した。減弱IL-2アゴニストは、効果的な腫瘍増殖抑制を示し、忍容性を向上させ、有効性向上のための高容量投与が可能になった。
【0272】
実施例16
カニクイザルにおけるIL-2バリアントPD-1抗体融合タンパク質の薬力学的/薬物動態学的評価および安全性評価
カニクイザルにおける、選ばれたIL-2バリアントPD-1抗体融合タンパク質のPK/PD特性および安全性を評価する予定である。薬剤を投与されたことのないカニクイザルを2~3週間馴化および訓練し、各群に1匹を無作為に割り付け、その後に投与前ベースライン週を設けることになる。+1日目に、1つの群はビヒクル(PBS)の静脈内投与を受け、他の群にはさまざまな試験化合物を静脈内投与されることになる。
【0273】
-3、2、4、6、8、10、12、15日目に採血する。末梢血単核細胞(PBMC)をサル全血から分離し、末梢血Treg、非制御性CD4+T細胞、CD8+T細胞、CD8+Tセントラルメモリー、CD8+エフェクターメモリー、CD8+TナイーブおよびNK細胞のFACS免疫表現型決定のために使用して、薬力学を明らかにする。細胞の活性化および増殖も、CD25およびKi67を測定することによってモニターすることになる。全血はまた、好中球、リンパ球、単球、好酸球、および好塩基球の5分類を含む全血球計算(CBC)にも使用される。
【0274】
選ばれたIL-2バリアントPD-1抗体融合タンパク質のPK特性は、融合タンパク質を捕捉するために、マウス抗ヒトIL-2 Ab(BDファーミンジェン社)を使用して96ウェルプレートをコーティングして、全長インタクト分子を測定することによって、カニクイザル血漿試料において評価することになる。マウス抗ヒトIL-2-ビオチン(自家製)を検出用に使用し、続いて試験化合物の血漿中濃度を定量することになる。-3、2、3、4、5、6、8、10、15日目に採取した血漿試料にくわえて、1日目に、選ばれたIL-2バリアントPD-1抗体融合タンパク質を投与した10分後、1時間後、4時間後、および8時間後に4つの追加血漿試料を採取した。
【0275】
7、8、15日目の血漿試料は、以下の臨床化学パラメータ:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、γグルタミン酸トランスフェラーゼ、アルブミン、総ビリルビン、クレアチニン、血尿窒素、およびC反応性タンパク質を評価するためにも使用することになる。
【0276】
さらに、各動物の体重を、全試験期間中、毎週モニターすることになる。体温および血圧は、1日目(投与前)、投与後6時間、24時間、96時間および168時間にモニターすることになる。
【0277】
本願で開示および特許請求されている物品および方法は全て、本開示に照らし合わせることで、必要以上の実験を行うことなく作製および実行することができる。本開示の物品および方法を好ましい実施形態の観点から説明したが、本開示の精神および範囲から逸脱しない範囲で、物品および方法に変更を適用してもよいことは、当業者には明らかである。当業者には明らかな、そのような変更形態および均等物は全て、現存するものであれ後に開発されるものであれ、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲に包含されると見なされる。本明細書で引用された特許、特許出願、および刊行物は全て、本開示が属する技術分野における当業者の水準を示すものである。全ての特許、特許出願、および刊行物は、あたかも個々の刊行物が、その全体があらゆる目的で参照により援用されると明確かつ個別に示されているのと同程度に、それらの全体があらゆる目的で参照により本明細書に援用される。本明細書に例示的に記載された開示は、本明細書に特には開示されていない任意の要素の非存在下で、好適に実施されている場合がある。すなわち、本開示は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されたが、本明細書で開示された概念の変更および変形が当業者によって為されてもよいこと、ならびに、そのような変更形態および変形形態が添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内であると見なされることを理解されたい。
【0278】
配列表
添付の配列表に列挙された核酸配列およびアミノ酸配列では、米国特許法施行規則§1.822の規定の通り、ヌクレオチド塩基は標準的な略語を用いて示しており、アミノ酸は1文字表記を用いて示している。
配列番号1はヒトIL-2前駆体のアミノ酸配列である。
配列番号2はヒトIL-2成熟型の天然に存在するアミノ酸配列である。
配列番号3はヒトIL-2成熟型の野生型アミノ酸配列である。
配列番号4は、融合タンパク質開発適合性プロファイルを向上させるためのS125I置換を含むヒトIL-2成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号5はヒトIL-2Rαの細胞外ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号6はヒトIgG1-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号7はエフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1-Fcの配列である。
配列番号8はエフェクター機能が減少/消失し、半減期が延長したヒトIgG1-Fcの配列である。
配列番号9はエフェクター機能が減少/消失したKnob-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号10はエフェクター機能が減少/消失したHole-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号11~30は様々なペプチドリンカーの配列のアミノ酸配列である。
配列番号31~66は、アミノ酸置換がIL-2受容体αサブユニットとの接触面に導入された様々なIL-2バリアントのアミノ酸配列である。
配列番号67~107は様々なIL-2バリアントFc融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号108は基準IL-2バリアントFc融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号109はヒトIL-2Rβの細胞外ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号110はヒトγcの細胞外ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号111~120は様々なIL-2バリアントのアミノ酸配列である。
配列番号121~133は様々なIL-2バリアントFc融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号134は、エフェクター機能が減少/消失し、半減期が延長したKnob-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号135は、エフェクター機能が減少/消失し、半減期が延長したHole-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号136~137は、ヒト化抗FAP抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号138~139は、ヒトPD-1アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号140~141は、PD-1アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号142~143は、PD-1アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号144~145は、PD-1アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号146~147は、PD-1アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号148~149は、PD-L1アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号150~151は、CTLA-4アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号152~153は、CD40アゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号154~155は、フィブロネクチンアンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号156~157は、CD20アンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号158~159は、Her-2/neuアンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号160~161は、EGFRアンタゴニスト抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列である。
配列番号162は、Fcエフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1のCH1CH2CH3ドメインの配列のアミノ酸配列である。
配列番号163は、Fcエフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1のCH1CH2CH3ドメインknob鎖の配列のアミノ酸配列である。
配列番号164は、Fcエフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1のCH1CH2CH3ドメインhole鎖の配列のアミノ酸配列である。
配列番号165~169は様々なIL-2バリアント抗体融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号170はヒトIL-2受容体アルファSushiドメインのアミノ酸配列である。
配列番号171~174は、IL-2およびIL-2RSushiFc融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号175~181は、様々なIL-2バリアントヒトPD-1アンタゴニスト抗体融合タンパク質のknob鎖のアミノ酸配列である。
配列番号182~184は、基準IL-2バリアント抗体融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号185~187は、ヘテロ二量体重鎖をもつサロゲート抗マウスPD-1抗体のアミノ酸配列である。
配列番号188は基準IL-2バリアントのアミノ酸配列である。
配列番号189~191は、様々なIL-2バリアントヒトPD-1アンタゴニスト抗体融合タンパク質のknob鎖のアミノ酸配列である。
【0279】
配列表
ヒトIL-2前駆体の配列
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号1)
ヒトIL-2成熟型の天然に存在する配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号2)
ヒトIL-2成熟型の野生型配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号3)
ヒトIL-2 S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号4)
ヒトIL-2Rα(CD25)細胞外ドメインの配列
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGEMETSQFPGEEKPQASPEGRPESETSCLVTTTDFQIQTEMAATMETSIFTTEYQ(配列番号5)
ヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号6)
エフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号7)
エフェクター機能が減少/消失し、半減期が延長したヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号8)
エフェクター機能が減少/消失したヒトIgG Knob-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号9)
エフェクター機能が減少/消失したヒトIgG Hole-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号10)
ペプチドリンカーの配列 GGGSGGGSGGGS(配列番号11)
ペプチドリンカーの配列 GGGS(配列番号12)
ペプチドリンカーの配列 GSSGGSGGSGGSG(配列番号13)
ペプチドリンカーの配列 GSSGT(配列番号14)
ペプチドリンカーの配列 GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号15)
ペプチドリンカーの配列 AEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号16)
ペプチドリンカーの配列 GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号17)
ペプチドリンカーの配列 GGGSGGGS(配列番号18)
ペプチドリンカーの配列 GSGST(配列番号19)
ペプチドリンカーの配列 GGSS(配列番号20)
ペプチドリンカーの配列 GGGGS(配列番号21)
ペプチドリンカーの配列 GGSG(配列番号22)
ペプチドリンカーの配列 SGGG(配列番号23)
ペプチドリンカーの配列 GSGS(配列番号24)
ペプチドリンカーの配列 GSGSGS(配列番号25)
ペプチドリンカーの配列 GSGSGSGS(配列番号26)
ペプチドリンカーの配列 GSGSGSGSGS(配列番号27)
ペプチドリンカーの配列 GSGSGSGSGSGS(配列番号28)
ペプチドリンカーの配列 GGGGSGGGGS(配列番号29)
ペプチドリンカーの配列 GSGSGSGSGSGSGGS(配列番号30)
IL-2 F42A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号31)
IL-2 R38F/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号32)
IL-2 R38G/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTGMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号33)
IL-2 R38A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号34)
IL-2 T41A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLAFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号35)
IL-2 T41G/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLGFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号36)
IL-2 T41V/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLVFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号37)
IL-2 F44G/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKGYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号38)
IL-2 F44V/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号39)
IL-2 E62A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEALKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号40)
IL-2 E62F/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEFLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号41)
IL-2 E62H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEHLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号42)
IL-2 E62L/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEELLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号43)
IL-2 P65G/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKGLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号44)
IL-2 P65E/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKELEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号45)
IL-2 P65H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号46)
IL-2 P65R/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号47)
IL-2 P65A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKALEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号48)
IL-2 P65K/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKKLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号49)
IL-2 P65N/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号50)
IL-2 P65Q/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号51)
IL-2 E68A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEAVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号52)
IL-2 E68F/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEFVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号53)
IL-2 E68H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEHVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号54)
IL-2 E68L/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLELVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号55)
IL-2 E68P/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEPVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号56)
IL-2 Y107G/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEGADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号57)
IL-2 Y107H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEHADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号58)
IL-2 Y107L/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCELADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号59)
IL-2 Y107V/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEVADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号60)
IL-2 F42A/E62F/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEFLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号61)
IL-2 F42A/E62A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEALKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号62)
IL-2 F42A/E62H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEHLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号63)
IL-2 F42A/P65H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号64)
IL-2 F42A/P65R/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号65)
IL-2 F42A/P65A/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKALEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号66)
P-0250
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号67)
P-0531
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号68)
P-0613
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号69)
P-0614
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTFMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号70)
P-0615
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTGMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号71)
P-0602
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号72)
P-0603
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLAFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号73)
P-0604
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLGFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号74)
P-0605
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLVFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号75)
P-0606
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKGYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号76)
P-0607
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号77)
P-0624
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEALKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号78)
P-0625
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEFLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号79)
P-0626
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEHLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号80)
P-0627
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEELLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号81)
P-0608
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKGLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号82)
P-0633
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKELEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号83)
P-0634
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P-0635
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P-0628
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P-0629
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P-0630
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P-0631
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P-0632
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P-0609
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P-0610
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P-0611
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P-0612
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKVYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEVADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号94)
P-0551
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P-0704 knob鎖
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P-0706 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKALEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号97)
P-0707 knob鎖
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P-0708 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号99)
P-0709 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号100)
P-0702 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEFLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号101)
P-0766 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEALKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号102)
P-0767 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEHLKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号103)
P-0703 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号104)
P-0705 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号105)
P-0765 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKALEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号106)
P-0689 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号107)
基準knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFAMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNGAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号108)
ヒトIL-2Rβ(CD122)細胞外ドメインの配列
AVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDT(配列番号109)
ヒト共通サブユニットガンマγc(CD132)細胞外ドメインの配列
LNTTILTPNGNEDTTADFFLTTMPTDSLSVSTLPLPEVQCFVFNVEYMNCTWNSSSEPQPTNLTLHYWYKNSDNDKVQKCSHYLFSEEITSGCQLQKKEIHLYQTFVVQLQDPREPRRQATQMLKLQNLVIPWAPENLTLHKLSESQLELNWNNRFLNHCLEHLVQYRTDWDHSWTEQSVDYRHKFSLPSVDGQKRYTFRVRSRFNPLCGSAQHWSEWSHPIHWGSNTSKENPFLFALEA(配列番号110)
IL-2 L19H/P65R/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号111)
IL-2 L19Q/P65R/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号112)
IL-2 L19Y/P65R/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLYDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号113)
IL-2 L19H/P65Q/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号114)
IL-2 L19H/P65H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号115)
IL-2 L19H/P65N/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号116)
IL-2 L19Q/P65Q/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号117)
IL-2 L19Q/P65H/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号118)
IL-2 L19Q/P65N/S125Iバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号119)
IL-2 P65R/S125I/Q126Eバリアントの配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIESIISTLT(配列番号120)
P-0731 knob鎖
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P-0759 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号122)
P-0761 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLYDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号123)
P-0811 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号124)
P-0812 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号125)
P-0813 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号126)
P-0814 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号127)
P-0815 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKHLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号128)
P-0816 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号129)
P-0732 knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIESIISTLT(配列番号130)
P-0758
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号131)
P-0760
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号132)
P-0762
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLYDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号133)
生体内半減期が延長したKnob-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号134)
生体内半減期が延長したHole-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号135)
ヒト化抗FAP抗体重鎖
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTENIIHWVRQAPGQGLEWMGWFHPGSGSIKYAQKFQGRVTMTADKSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARHGGTGRGAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号136)
ヒト化抗FAP抗体κ軽鎖
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASRSISTSAYSYMHWYQQKPGKAPKLLIYLASNLESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQHSRELPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号137)
ヒトPD-1アンタゴニスト抗体重鎖
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYRFTSYGISWVRQAPGQGLEWMGWISAYNGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTNTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDADYSSGSGYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号138)
ヒトPD-1アンタゴニスト抗体Lλ
SYELTQPPSVSVSPGQTARITCSGDALPKQYAYWYQQKPGQAPVMVIYKDTERPSGIPERFSGSSSGTKVTLTISGVQAEDEADYYCQSADNSITYRVFGGGTKVTVLGQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS(配列番号139)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号140)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-Lκ
DIVMTQSPLSLPVTPGEPASITCKASQDVETVVAWYLQKPGQSPRLLIYWASTRHTGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQYSRYPWTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号141)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC
QGQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWMGVIESETGGTAYNQKFKGRAKITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTREGITTVATTYYWYFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号142)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-Lκ
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQGSHVPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号143)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC
QVQLVQSGVEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMYWVRQAPGQGLEWMGGINPSNGGTNFNEKFKNRVTLTTDSSTTTAYMELKSLQFDDTAVYYCARRDYRFDMGFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号144)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-Lκ
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKGVSTSGYSYLHWYQQKPGQAPRLLIYLASYLESGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQHSRDLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号145)
ヒトPD-1アンタゴニスト抗体-HC
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号146)
ヒトPD-1アンタゴニスト抗体-Lκ
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSSNWPRTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号147)
ヒト化PD-L1アンタゴニスト抗体-HC
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号148)
ヒト化PD-L1アンタゴニスト抗体-Lκ
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号149)
ヒトCTLA-4アンタゴニスト抗体-HC
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYTMHWVRQAPGKGLEWVTFISYDGNNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAIYYCARTGWLGPFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号150)
ヒトCTLA-4アンタゴニスト抗体-Lκ
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVGSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGAFSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号151)
ヒトCD40アゴニスト抗体-HC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPDSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELNRLRSDDTAVYYCARDQPLGYCTNGVCSYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDISVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号152)
ヒトCD40アゴニスト抗体-Lκ
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIYSWLAWYQQKPGKAPNLLIYTASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQANIFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号153)
ヒト化抗フィブロネクチン抗体-HC
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSFSMSWVRQAPGKGLEWVSSISGSSGTTYYADSVKGRFTISRDSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKPFPYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号154)
ヒト化抗フィブロネクチン抗体-Lκ
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSFLAWYQQKPGQAPRLLIYYASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQTGRIPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号155)
キメラ抗CD20抗体-HC
QVQLQQPGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGRGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARSTYYGGDWYFNVWGAGTTVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKAEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号156)
キメラ抗CD20抗体-Lκ
QIVLSQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVSYIHWFQQKPGSSPKPWIYATSNLASGVPVRFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWTSNPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号157)
ヒト化抗Her2抗体-HC
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFNIKDTYIHWVRQAPGKGLEWVARIYPTNGYTRYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCSRWGGDGFYAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号158)
ヒト化抗Her2抗体-Lκ
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVNTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSRSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHYTTPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号159)
キメラ抗EGFR抗体-HC
QVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号160)
キメラ抗EGFR抗体-Lκ
DILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号161)
エフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1 CH1-CH2-CH3ドメイン
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号162)
エフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1 CH1-CH2-CH3ドメイン knob鎖
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号163)
エフェクター機能が減少/消失したヒトIgG1 CH1-CH2-CH3ドメイン Hole鎖
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号164)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号165)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号166)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号167)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号168)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-IgG1-HC hole鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号169)
ヒトIL-2RαSushiドメインの配列
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号170)
P-0327
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号171)
P-0422
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSGGGGSGGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号172)
P-0482-Hole鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号173)
P-0482-Knob鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICT(配列番号174)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-IgG1-HC hole鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号175)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号176)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号177)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号178)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号179)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKQLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号180)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLQDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKNLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号181)
基準PD-1アンタゴニスト抗体-HC-hole鎖
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGRDIYYPDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCVLLTGRVYFALDSWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALGAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号182)
基準PD-1アンタゴニスト抗体-HC-基準IL-2バリアント knob鎖
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGRDIYYPDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCVLLTGRVYFALDSWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALGAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCRDELTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSAPASSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFAMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNGAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFAQSIISTLT(配列番号183)
基準PD-1アンタゴニスト抗体-Lλ
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFSFSSYTMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGRDIYYPDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCVLLTGRVYFALDSWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALGAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSRDELTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号184)
サロゲートマウスPD-1アンタゴニスト抗体HC鎖1
EVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCSVTGYSITSSYRWNWIRKFPGNRLEWMGYINSAGISNYNPSLKRRISITRDTSKNQFFLQVNSVTTEDAATYYCARSDNMGTTPFTYWGQGTLVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSQTVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVAISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTKPREEQINSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFGAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKKQMAKDKVSLTCMITNFFPEDITVEWQWNGQPAENYKNTQPIMKTDGSYFVYSKLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPG(配列番号185)
サロゲートマウスPD-1アンタゴニスト抗体HC鎖2
EVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCSVTGYSITSSYRWNWIRKFPGNRLEWMGYINSAGISNYNPSLKRRISITRDTSKNQFFLQVNSVTTEDAATYYCARSDNMGTTPFTYWGQGTLVTVSSAKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSTWPSQTVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVAISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTKPREEQINSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFGAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKEQMAKDKVSLTCMITNFFPEDITVEWQWNGQPAENYDNTQPIMDTDGSYFVYSDLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPG(配列番号186)
サロゲートマウスPD-1アンタゴニスト抗体LC
DIVMTQGTLPNPVPSGESVSITCRSSKSLLYSDGKTYLNWYLQRPGQSPQLLIYWMSTRASGVSDRFSGSGSGTDFTLKISGVEAEDVGIYYCQQGLEFPTFGGGTKLELKRTDAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPRDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC(配列番号187)
基準IL-2バリアント
APASSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFAMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNGAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFAQSIISTLT(配列番号188)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号189)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号190)
ヒト化PD-1アンタゴニスト抗体-HC-IL-2バリアント knob鎖
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVATISGGGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPDSSGVAYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKRLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIQSIISTLT(配列番号191)
【配列表】