(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】横方向ライトパイプ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20241223BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/00 Z
(21)【出願番号】P 2022510224
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 IL2020051005
(87)【国際公開番号】W WO2021048864
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-08
(32)【優先日】2019-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518010049
【氏名又は名称】ルムス エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】Lumus Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Pinchas Sapir Street, 7403631 Ness Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンフェルド,シオン
(72)【発明者】
【氏名】ゲルバーグ,ジョナサン
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0242249(US,A1)
【文献】特開平11-072632(JP,A)
【文献】特開2010-176150(JP,A)
【文献】特開2017-067889(JP,A)
【文献】特開2018-132765(JP,A)
【文献】特開2010-122581(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0045664(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G02B 27/01
G02B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ライトパイプ(600)
を含み、当該ライトパイプ(600)は、少なくとも、
(i)第1の屈折率(η
1)、前記ライトパイプ(600)の近位端における入力面(S01)
であって光源からの光が前記ライトパイプ(600)に入力される入力面(S01)、および第2の面(S12)を有する第1の光学構造(P1)、ならびに
(ii)前記第1の屈折率に等しくない第2の屈折率(η
2)、第3の面(S21)、および前記ライトパイプ(600)の遠位端における出力面(S23)
であって前記ライトパイプ(600)から光が出力される出力面(S23)、を有する第2の光学構造(P2)、を含み、
前記ライトパイプ(600)
は更に、
前記入力面(S01)と前記第2の面(S12)との間の方向に、前記第1の光学構造(P1)の長寸法(606)に平行な長手方向軸(R1)を有
し、
前記長手方向軸(R1)に平行に投入された前記入力面(S01)への入力光線(L0)が、前記入力光線(L0)に平行でない出力光線(L3)として前記出力面(S23)から出力されるように、前記ライトパイプ(600)の前記長手方向軸(R1)に対して斜めである、前記第2の面(S12)と前記第3の面(S21)との間の界面(620
)を備え
、
前記ライトパイプ(600)は、ユーザの頭部に装置を支持する機械体のフレームに結合され、前記ライトパイプ(600)は、前記ライトパイプ(600)の前記長手方向軸(R1)が前記フレームの伸長方向と平行になるように前記フレームと整列される、装置。
【請求項2】
前記入力光線(L0)と前記出力光線(L3)との間の角度が、前記ライトパイプ(600)の光学偏差角であり、前記光学偏差角がゼロ度(0°)以外である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記長手方向軸(R1)と出力面法線(R23)との間の角度が、前記ライトパイプ(600)の機械的な偏差角であり、前記機械的な偏差角が、ゼロ度(0°)以外であり、前記出力面法線(R23)が、前記第2の光学構造(P2)の前記出力面(S23)に垂直である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも前記第1(P1)および第2(P2)の光学構造が、前記ライトパイプ(600)を通る光の光路を画定し、前記光路が、
(a)前記入力面(S01)を介してカップリングインし、
(b)前記第1の光学構造(P1)を横断し、
(c)前記第1(P1)から前記第2(P2)の光学構造へ、前記第2の(S12)から前記第3の(S21)面への前記界面(620)を介して屈折させ、
(d)前記第2の光学構造(P2)を横断し、かつ
(e)前記出力面(S23)を介して前記第2の光学構造(P2)からカップリングアウトする前記光によって、少なくとも部分的に画定される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1(P1)および前記第2(P2)の光学構造の少なくとも1つの外側側壁(S14、S15、S24、S25)が、反射コーティングでコーティングされ、前記反射コーティングが、前記光路を前記ライトパイプ(600)内に拘束する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
反射防止コーティングが、前記少なくとも第1(P1)および前記第2(P2)の光学構造の少なくとも1つの面(S01、S12、S21、S23)に追加される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の面(S12)が、前記第3の面(S21)に隣接する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の面(S12)が、前記第3の面(S21)から間隙(660、670)によって分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記間隙が、
(a)空気、
(b)光学接着剤、および
(c)光学ゲルからなる群から選択された材料で充填されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第3の面(S21)が、前記第2の面(S12)に対して間隙角(1000)で構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の光学構造(P1)が、第1の幅(W1)を有し、前記第2の光学構造(P2)が、第5の幅(W23)を有し、前記第5の幅(W23)が前記第1の幅(W1)よりも大きい、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の光学構造(P1)の第3の幅(W11)および/または前記第2の光学構造(P2)の第4の幅(W22)が、前記ライトパイプ(600)の前記長手方向軸(R1)に沿って変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記出力面(S23)が、第8の角度(γ、「ガンマ」)にあり、かつ/または前記入力面(S01)が、前記ライトパイプ(600)の前記長手方向軸(R1)に対して第11の角度(φ、「サイ」)にある、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ライトパイプ(600)の前記入力面(S01)に入力光(L0、L7)を提供する光源(610)をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
投影光学系(612)をさらに含み、前記ライトパイプ(600)が、前記投影光学系(612)への入力として前記出力光線(L3)を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ライトパイプ(600)の前記長寸法(606)が、前記ライトパイプ(600)の幅(W1、W11、W2、W22)よりも少なくとも1桁大きい、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
装置であって、
ライトパイプ(600)
を含み、当該ライトパイプ(600)は、少なくとも、
(i)第1の屈折率(η
1)、前記ライトパイプ(600)の近位端における入力面(S01)
であって光源からの光が前記ライトパイプ(600)に入力される入力面(S01)、および第2の面(S12)を有する第1の光学構造(P1)、ならびに
(ii)前記第1の屈折率(η
1)、第3の面(S21)、および前記ライトパイプ(600)の遠位端における出力面(S23)
であって前記ライトパイプ(600)から光が出力される出力面(S23)を有する第2の光学構造(P2)、を含み、
前記ライトパイプ(600)
は更に、
前記入力面(S01)と前記第2の面(S12)との間の方向に、前記第1の光学構造(P1)の長寸法(606)に平行な長手方向軸(R1)を有
し、
前記長手方向軸(R1)に平行に投入された前記入力面(S01)への入力光線(L0)が、前記入力光線(L0)に平行でない出力光線(L3)として前記出力面(S23)から出力されるように、前記ライトパイプ(600)の前記長手方向軸(R1)に対して斜めである、前記第2の面(S12)と前記第3の面(S21)との間の界面(620
)を備え、
前記第2の面(S12)
は、前記第3の面(S21)から間隙(660、670)によって分離され
、
前記ライトパイプ(600)は、ユーザの頭部に装置を支持する機械体のフレームに結合され、前記ライトパイプ(600)は、前記ライトパイプ(600)の前記長手方向軸(R1)が前記フレームの伸長方向と平行になるように前記フレームと整列される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、光学ライトパイプに関し、具体的には、関連付けられたシステム構成要素に対して任意の所望の折り曲げ角で折り曲げることができる光軸(光路)を有する、電子ディスプレイソース(ニアアイディスプレイの光導波路内に画像を投入するために使用されるシリコン上液晶(LCOS)マイクロディスプレイなど)を照射するために使用することができるライトパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
拡張現実システムでは、特に異なる光(例えば、LED)源の色を混合することが必要な場合、審美的な着用可能フレームに光学系の形状および形態因子を適合させることが課題である。異なる光源チャネルを混在させる方法の1つは、照明の生成にライトパイプを使用することである。審美的な理由から、ライトパイプを眼鏡のフレームに整列させることが望ましい。しかしながら、ライトパイプは比較的長い要素であるため、所望の光学エンジンエンベロープから突出することが多い。したがって、審美的な形状を達成するためには、ライトパイプを任意の所望の方向に折り曲げることが重要である。
【0003】
比較的長い要素であることに加えて、ライトパイプはまた、典型的には比較的真っ直ぐである。所望の光学エンジンエンベロープ内にライトパイプをなんとか維持するために、ライトパイプをバンド付き光ファイバとして実装する湾曲したライトパイプの設計が提案されている。しかしながら、バンド付き光ファイバの実装は、湾曲したバンド付き光ファイバ内を伝播する光線が、伝播軸に沿った全内部反射によって伝播することができないという事実に起因して、低い効率をもたらす。ライトパイプが、反射コーティング(すなわち、鏡面コーティング)を有する直角プリズム(すなわち、90度プリズム)を使用して折り曲げられる代替の折り曲げソリューションが提案されている。このようなソリューションは、より高い効率をもたらすが、これらのソリューションは、特定の折り曲げ角に著しく限定される。
【発明の概要】
【0004】
本実施形態の教示によれば、装置であって、ライトパイプであって、少なくとも、(i)第1の屈折率、ライトパイプの近位端における入力面、および第2の面を有する第1の光学構造、ならびに(ii)第1の屈折率に等しくない第2の屈折率、第3の面、およびライトパイプの遠位端における出力面を有する第2の光学構造、を含み、ライトパイプが、入力面と第2の面との間の方向に、第1の光学構造の長寸法に平行な長手方向軸を有する、ライトパイプと、長手方向軸に平行に投入された入力面への入力光線が、入力光線に平行でない出力光線として出力面から出力されるように、ライトパイプの長手方向軸に対して斜めである、第2の面と第3の面との間の界面と、を含む装置が提供される。
【0005】
任意選択の実施形態では、入力光線と出力光線との間の角度は、ライトパイプの光学偏差角であり、光学偏差角はゼロ度以外である。別の任意の実施形態では、長手方向軸と出力面法線との間の角度は、ライトパイプの機械的な偏差角であり、機械的な偏差角は、ゼロ度以外であり、出力面法線は、第2の光学構造の出力面に垂直である。
【0006】
別の任意の実施形態では、少なくとも第1および第2の光学構造は、ライトパイプを通る光の光路を画定し、光路は、入力面を介してカップリングインし、第1の光学構造を横断し、第1から第2の光学構造へ、第2から第3の面への界面を介して屈折させ、第2の光学構造を横断し、かつ出力面を介して第2の光学構造からカップリングアウトする光によって、少なくとも部分的に画定される。別の任意の実施形態では、第1および第2の光学構造の少なくとも1つの外側側壁は、反射コーティングでコーティングされ、反射コーティングは、光路をライトパイプ内に拘束する。
【0007】
別の任意の実施形態では、反射防止コーティングは、少なくとも第1および第2の光学構造の少なくとも1つの面に追加される。別の任意の実施形態において、第2の面は、第3の面に隣接する。別の任意の実施形態において、第2の面は、第3の面から間隙によって分離される。別の任意の実施形態において、間隙は、空気、光学接着剤、および光学ゲルからなる群から選択された材料で充填されている。別の任意の実施形態において、第3の面は、第2の面に対して間隙角で構成されている。
【0008】
別の任意の実施形態では、第1の光学構造は、第1の幅を有し、第2の光学構造は、第5の幅を有し、第5の幅は第1の幅よりも大きい。別の任意の実施形態では、第1の光学構造の第3の幅および/または第2の光学構造の第4の幅は、ライトパイプの長手方向軸に沿って変化する。別の任意の実施形態では、出力面は、第8の角度にあり、かつ/または入力面は、ライトパイプの長手方向軸に対して第11の角度にある。
【0009】
別の任意の実施形態では、ライトパイプの入力面に入力光を提供する光源をさらに含む。別の任意の実施形態では、投影光学系をさらに含み、ライトパイプは、投影光学系への入力として出力光線を提供するように構成されている。
【0010】
別の任意の実施形態では、ライトパイプの長寸法は、ライトパイプの幅よりも少なくとも1桁大きい。
【0011】
本実施形態の教示によれば、装置であって、ライトパイプであって、少なくとも、第1の屈折率、ライトパイプの近位端における入力面、および第2の面を有する第1の光学構造、ならびに第1の屈折率、第3の面、およびライトパイプの遠位端における出力面を有する第2の光学構造、を含み、ライトパイプが、入力面と第2の面との間の方向に、第1の光学構造の長寸法に平行な長手方向軸を有する、ライトパイプと、長手方向軸に平行に投入された入力面への入力光線が、入力光線に平行でない出力光線として出力面から出力されるように、ライトパイプの長手方向軸に対して斜めである、第2の面と第3の面との間の界面と、を含み、第2の面が、第3の面から間隙によって分離される、装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のいくつかの実施形態は、単なる例として、添付の図面を参照して本明細書に記載される。図面を詳細に、具体的に参照すると、示された詳細は、例示であり、かつ本発明の実施形態の例示的な考察の目的のためであることが強調される。これに関して、図面を伴う説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにするものである。
ここで、図面に注目すると、同様の参照番号または文字は、対応するまたは同様の構成要素を示す。図面は以下のとおりである。
【0013】
【
図3】
図2Bに対応するライトパイプの略図である。
【
図4】
図3のライトパイプに類似した、ライトパイプの略図である。
【
図5】
図4のライトパイプに類似したライトパイプの略図である。
【
図6】
図2Bに例示される実施形態の変形例である。
【
図7】
図6の実施形態による、ライトパイプの略図である。
【
図9】外側側壁が先細りになっているライトパイプの略図である。
【
図10】空隙によって分離された構造を有するライトパイプの略図である。
【
図11】外側側壁の間の距離が一定であるライトパイプである。
【
図12】外側側壁の間の距離が増加するライトパイプである。
【
図13A】単一ベース光学構造から構築されたライトパイプの略図である。
【
図14A】ライトパイプの代替的な実装の略図である。
【
図16A】反射コーティングを使用する、従来の折り曲げライトパイプの略図である。
【
図16C】三次元(3D)であり、入力および出力面の代替的な傾斜と回転を伴う、
図16Bの略図である。
【0014】
詳細な説明-第1の実施形態-
図1~
図16C
本発明の実施形態は、任意の所望の折り曲げ角で折り曲げることができる光路を提供するライトパイプを対象とする。
【0015】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料は、本発明の実施形態の実施または試験において使用され得るが、例示的な方法および/または材料は、以下に記載される。矛盾する場合、定義を含む本特許明細書が優先される。本発明の実施形態の実施または試験において、例示的な方法および/または材料は、以下に記載される。矛盾する場合、定義を含む本特許明細書が優先される。さらに、材料、方法、および実施例は単に例示であり、必ずしも限定することを意図しない。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明で規定される、かつ/または図面および/もしくは実施例に例示される構成要素および/または方法の構成の詳細および配置に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方法で実施もしくは実行されることが可能である。
【0017】
図面の簡略化のために、概して、1つの光線のみが描かれていることに留意されたい。光線は、「光」または「ビーム」と呼ぶこともできる。当業者は、描写される光(光線)が、通常、わずかに異なる角度で複数のビームによって形成される実際の光のサンプルビームであることに気付くであろう。光の極限(エッジ)と特に言及されている場合を除き、例示されている光線は、通常、光のセントロイドである。光が画像に対応し、中心光線が画像の中心または画像の中心画素からの中心光線である場合。光が光源から来る場合、中心光線は、通常、光源から伝播する照明の円錐の中心(および最大強度)である。
【0018】
本発明の実施形態による照明ライトパイプは、少なくとも2つ(すなわち、2つ以上)の光学構造(例えば、プリズム)、すなわち、第1の光学構造および第2の光学構造の組み合わせから形成される。第1の光学構造は、第1の屈折率を有する材料から形成され、第2の光学構造は、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する材料から形成される。光は、スネルの法則に従って、(少なくとも)2つの光学構造間のライトパイプ内で屈折する。したがって、ライトパイプの光路は、光が光学構造を出る前に曲げられ、それによって(以下で画定される)折り曲げ角の選択のためのより高い自由度を許容する。ライトパイプの様々なパラメータを最適化することによって、所望の光学エンジンエンベロープに適した所望の出力光軸角度(すなわち、折り曲げ角)を達成することができる。最適化可能なパラメータは、例えば、光学構造の屈折率、内部光学接合部の角度、光学構造の外面の配向角度、ならびに光学構造の入射および出射面の配向角度を含む。
【0019】
以下の段落は、本発明のライトパイプの異なる実施形態を説明する。以下の実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるべきではない。ライトパイプの他の実施形態も企図される。
【0020】
ここで
図1を参照すると、本発明のライトパイプ600の実施形態の例示的な典型的使用法の略図である。審美的な理由から、ライトパイプ600は、好ましくは眼鏡のフレーム(フレーム)に整列(平行)しており、本図では、ライトパイプ600の長手方向軸R1がフレームに平行であるように示されている。光源610からの光源ビームは、入力光を、ライトパイプ600、この場合、入力面法線R01に沿って入力面(図示せず)に提供する。ライトパイプは、光軸を転換し、それにより、出力面法線R23に沿った出力光線が入力面法線R01に沿った入力光線と非平行になるように、ライトパイプ600を通る光路の方向が変化する。この場合、ライトパイプ600の照明出力は、ユーザの目で見るために画像拡張モジュールに画像を供給する投影光学系612に向けられる。本書の文脈では、ライトパイプが光軸を転換することは、光軸の「折り曲げ」と呼ばれることがある。
【0021】
図2Aを参照すると、2つの光学構造が使用される本発明の実施形態による、ライトパイプの光路の屈折の表現である。明確にするために、ライトパイプの外側は示されていない。ライトパイプ600Aは、ベース屈折率η
0を有する第1のベース媒体P0(例えば、空気)に配備された入力端部602を有する。図において、概して、ライトパイプを要素600と呼び、特定の実施形態を要素600xと呼び、ここで「x」は文字である。特定の実施形態600xの一部の説明が、一般的なライトパイプ600および他の特定の実施形態600xに適用可能であることは、当業者には明らかであろう。第1の光学構造P1(例えば、プリズムなどの構成要素または要素)は、η
1の第1の屈折率を有し、第2の光学構造P2(構成要素、要素)は、η
2の第2の屈折率を有する。ライトパイプ600の出力端部604における媒体は、ライトパイプ600の入力端部602における媒体と概して同じである。この実装は、限定的ではなく、出力端部604は、第1のベース媒体P0以外の第2の媒体P3内にあり得る。この説明を明確にするために、ライトパイプ100の出力端部604における媒体は、概して、第2の媒体P3として示される。第2の媒体P3が第1の媒体のP0ベース屈折率η
0と異なる屈折率を有する場合、第2の媒体P3の屈折率を第3の屈折率η
3と呼ぶ。本実施例では、第2の媒体P3は、ベース屈折率η
0を有しており、これはベース媒体P0と同じ屈折率、同じ媒体である。本実施例では、第1のP1および第2のP2光学構造の屈折率は異なる。この実装は、限定的なものではなく、以下に記載されるように、代替の構成において、光学構造の屈折率は実質的に等しくすることができる。
【0022】
光源610は、ライトパイプ600Aに光を提供する。光源は、当技術分野で既知であり、例えば、各LEDが1つの色の光を放射する複数のLEDの群であり、色の組み合わせは光源によって提供される光である。通常の例示的な光源は、3つのLEDからの色の組み合わせを提供し、1つのLEDは赤色光を生成し、1つのLEDは緑色光を生成し、1つのLEDは青色光を生成する。光源610は、入力光線L0(「ビーム」または「入力ビーム」とも呼ばれる)として表される光を提供する。光源チャネルとしても知られる色の組み合わせは、ライトパイプによって混合され、照明出力、通常は実質的に白色の光を生成する。
【0023】
ベース媒体P0と第1の光学構造P1は屈折率が異なるため、入力光線L0は外部入力面S01において屈折して、第1の光学構造P1の内部の光線L1(第1の光学構造P1の光線L1)になる。ライトパイプ600Aの第1の光学構造P1の外部入力面S01は、ベース媒体P0の方向に破線の入力面法線R01として示される法線を有する。これに対応して、入力面法線R01は、入力面S01の内側の第1の光学構造P1に対しても垂直であり、内側とは、入力面S01の外側と反対側である。第1の角度、外部入力角θ01は、入力光線L0と入力面法線R01との間に画定される。同様に、第2の角度は、光線L1と入力面法線R01との間に画定される内部入力角θ10である。
【0024】
光線L1は、第1の光学構造P1を介して外部入力面S01から第2の面S12に伝播する。この場合、第2の面S12は、第2の光学構造P2の方向における第1の光学構造P1の出力面である。第2の面S12は、第2の光学構造P2への入力面である第3の面S21に隣接する。通常、第2の面S12および第3の面S21は、隣接して互いに接触して構成されており、それにより、第1の光学構造P1と第2の光学構造P2との間に単一の界面620が効果的に実装される。本説明では、便宜上、第2の面S12および第3の面S21の界面620は、概して、単に「第2の面S12」と呼ばれる。なお、本図では、第2の面S12と第3の面S21は、それぞれ、分かりやすくするために、(本実施例の実用的な実装である単一の線を使用するのではなく)図面上では若干分離した線で表現されている。この実装は、限定的なものではなく、以下に、光学構造の表面が隣接していない実装を説明する。
【0025】
第1の光学構造P1と第2の光学構造P2は屈折率が異なるため、光線L1は第2の面S12において屈折し、第2の光学構造P2の内部の光線L2(第2の光学構造P2の光線L2)になる。第1の光学構造P1の第2の面S12は、第1の光学構造P1の方向に破線である第2の面の法線R12として示される法線を有する。これに対応して、第2の面の法線R12は、第3の面S21の内側の第2の光学構造P2に対しても垂直である。第3の角度である第2の面の出力角θ12は、光線L1と第2の面の法線R12との間に画定される。同様に、第4の角度は第3の面の入力角θ21であり、光線L2と第2の面の法線R12との間に画定される。
【0026】
光線L2は、第2の光学構造P2を介して第3の面S21から出力面S23に伝播する。この場合、出力面S23は、第2の媒体P3の方向における第2の光学構造P2の第4の面である。第2の光学構造P2と第2の媒体P3は屈折率が異なるため、光線L2は出力面S23において屈折し、第2の媒体P3の内部の光線L3(第2の媒体P3の光線L3)になる。光線L3は、ライトパイプ600の出力光である。第2の光学構造P2の出力面S23は、第2の光学構造P2の方向に破線である出力面法線R23として示される出力法線(本書の文脈では第4の面の法線とも呼ばれる)を有する。これに対応して、出力面法線R23は、出力面S23の外側で第2の媒体P3に対しても垂直である。第5の角度である第4の面の出力角θ23は、光線L2と出力面法線R23との間に画定される。同様に、第6の角度は、光線L3と出力面法線R23との間に画定される第4の面の出力角θ32である。
【0027】
本図では、2つの作図線が使用されている。第2の基準線S2と第3の基準線S3は、いずれも入力面S01と平行である。第2の基準線S2は、第2の面S12と交差する。第2の基準線S2と第2の面S12(この場合、第3の面S21も)との間には、第7の角度(δ、「デルタ」)が画定される。第7の角度(δ)は、第1の光学構造P1と第2の光学構造P2との間の表面の向きを画定するのを助けるために使用される。同様に、第3の基準線S3は出力面S23と交差する。第3の基準線S3と出力面S23との間には、第8の角度(γ、「ガンマ」)が画定される。第8の角度(γ)は、第2の光学構造P2と第2の媒体P3との間の表面の向きを画定するのを助けるために使用される。
【0028】
入力光軸は、前述のように入力光の中心光線である入力光線L0と一致するように画定される。光線、この場合、光線L1と光線L2は、ライトパイプ600を通る(第1のP1と第2のP2の光学構造を通る)伝播の光軸、または光路を形成する。出力光軸は、出力光の中心光線である出力光線L3と一致するように画定される。「光路」、例えば、ライトパイプ600を通る伝播、および光路の屈曲への言及はまた、「光軸」、例えば、ライトパイプ600を通って伝播する光の光軸、および光軸の屈曲への言及でもあり得る。当業者であれば、軸外の(入力面S01に対して非垂直、入力面法線R01に対して非平行)入力光線は、通常、ライトパイプ600の壁面上で数回反射されることを理解するであろう。例示的な軸外光路L9を本図に示す。
【0029】
本実施形態において、光路は(光軸は)、少なくとも3回屈折される。まず、光路の入力光軸(光線L0)を、屈折率η0を有する第1の媒体P0から屈折率η1を有する第1の光学構造P1に屈折させる。次に、光路を、屈折率η1を有する第1の光学構造P1から屈折率η2を有する第2の光学構造P2へ屈折させる。次に、光路を、屈折率η2を有する第2の光学構造P2から屈折率η0を有する第2の媒体P3に屈折させる。
【0030】
入射角と屈折角は以下の通りである。
η0*sin(θ01)=η1* sin(θ10)
η1*sin(θ12)=η2* sin(θ21)
η2*sin(θ23)=η0* sin(θ32)
θ12=θ10-δ
θ23=θ21-(δ-γ)
【0031】
また、2つの屈折率η1~η2はどちらも、ベース媒体η0の屈折率よりも大きい。第1の屈折率η1と第2の屈折率η2は、それぞれベース屈折率η0よりも大きい。このように、η1≧η2≧η0、またはη2≧η1≧η0のいずれかである。
【0032】
上記の考察を考慮し、例示的な本実施形態を使用して、ここで、ライトパイプ600の折り曲げ角の定義を考察することができる。本書の文脈において、「偏差角」(または「折り曲げ角」)という用語は、光に対して、すなわち「光の視点」から(「光学偏差角」または「光折り曲げ角」)、または入力光軸(光入力光線L0)および出力光軸(光出力光線L3)(「機械的偏差角」または「機械的折り曲げ角」)の方向に対して定義することができる。光学的または機械的なものを特定せずに「偏差角」または「折り曲げ角」という用語が使用されている場合、当業者であれば、参照には光学的および機械的なものの両方が含まれると理解するであろう。この場合、ライトパイプ600の光折り曲げ角は、入力光線L0と出力光線L3との間に画定される角度である。上で考察されたように、ライトパイプ600の様々なパラメータを選択、構成、および最適化することによって、所望の光学エンジンエンベロープに合った所望の折り曲げ角を達成することができる。パラメータの例としては、光学構造(P0、P1、P2、P3)の屈折率(η0、η1、η2、η3)、内部光学接合部の角度(δ)、光学構造の外面の配向角(α、β)、光学構造の入射面および出射面の配向角(ψ、γ)が挙げられる。前文で未記載の要素表記については、後述することに留意されたい。
【0033】
本説明に基づいて、出力光線L3の所望の方向が与えられると、折り曲げ角が決定され得、ライトパイプ600は、0度(0゜)と90゜を含む任意の折り曲げ角、特に0度(0゜)と90°以外任意の折り曲げ角に対して、すなわち、出力光軸が入力光軸に対して直線および垂直以外になるように設計される。
【0034】
図2Bは、
図2Aに例示される実施形態の変形例を示す。任意選択で、外側側壁(本書の文脈では「外壁」とも呼ばれる)は、反射コーティング層でコーティングすることができる。本実施形態では、ライトパイプ600Bの第1の外側側壁S24は、光路(この場合、光線L2)が、ライトパイプ600B内で第1の外側側壁S24によって特定の角度(第9の角度、α、「アルファ」)でさらに反射され光線L21になるように、反射コーティング層でコーティングすることができる。代替的または追加的に、ライトパイプ600は、外側側壁(この場合は第1の外側側壁S24)が全内部反射(TIR)を使用して光路の1つ以上の部分を反射するように構成され得る。第4の基準線S4は、入力面S01に鉛直な作図線である。第4の基準線S4は、第1の外側側壁S24と交差する。第9の角度(α)は、第4の基準線S4と第1の外側側壁S24との間に画定される。第9の角度(α)は、ライトパイプ600の他の表面に対する第1の外側側壁S24の向きを画定するのに役立つように使用される。本実施形態では、ベース媒体に戻る前の光線L21の入射角θ
23は、式θ
23=θ
21-(δ-γ)-2αで与えられる。
【0035】
図3は、
図2Bに対応するライトパイプ600Cの略図であり、それにより、光路(L0、L1、L2、L21、L3)は、2つの光学構造(P1、P2)の屈折率の変化によって少なくとも部分的に屈折され、ライトパイプ600の外側側壁(第1の外側側壁S24)のうちの1つによって反射される。なお、本図では、入力光線L0は外部入力面S01に対して垂直であり、入力光線L0は入力面法線R01に対して平行であり、外部入力角θ
01は90°であり、内部入力角θ
10は90°である。出力光線L3は出力面S23に対して垂直であり、出力光線L3は出力面法線R23に対して平行であり、第4の面の出力角θ
23は90°であり、外部出力角θ
32は90°であることも留意されたい。
【0036】
上記の説明では、折り曲げ角は、光に関して、すなわち、「光の視点」から、または光入力光線L0および光出力光線L3の方向に対して画定された。あるいは、折り曲げ角は、ライトパイプ600の要素の機械的構成に関して説明することができる。長手方向軸R1は、第1の光学構造P1の長寸法606に平行に画定される。長手方向軸R1は、入力面S01に対して垂直であることにも、入力光線L0に対して平行であることにも制限されないことに留意されたい。本実施例では、長手方向軸R1は入力面S01に対して垂直であり、入力光線L0に対して平行である。
図2Aおよび
図2Bの例では、長手方向軸R1は入力面S01に対して垂直であってもなくてもよく、入力光線L0に対して平行でなくてもよい。長手方向軸R1は、折り曲げ角の入力基準となる。出力面法線R23は、折り曲げ角の出力基準となる。次いで、機械的折り曲げ角は、長手方向軸R1と出力面法線R23との間の角度によって画定される。
【0037】
図において、入力面S01は、概して、第1の光学構造P1の長手方向軸R1に対して鉛直に描かれるが、この実装は限定的ではなく、他の箇所で説明したように、入力面S01は、第1の光学構造P1の長手方向軸R1に対して非鉛直(90°以外の角度で傾斜、または斜め)であってよい。
【0038】
第2の光学構造P2は、通常、第1の光学構造P1に一致しているため、第2の光学構造P2の第2の長手方向軸R2は、通常、第1の光学構造P1の第1の長手方向軸R1と同じ、平行、または実質的に同じ方向である。この実装は、限定的なものではなく、当業者は、第2の光学構造P2の第2の長手方向軸R2が、第1の長手方向軸R1の方向以外の方向にあってもよいことを理解するであろう。本説明では、ライトパイプ600の全体的な効果を明確に定義するのを助けるために、第2の光学構造P2の出力は、第1の光学構造P1(および第1の長手方向軸R1)に対して画定される。図中では、簡略化のために、光学構造面(例えば、入力面S01、第1の外側側壁S24、および出力面S23)は、概して、平坦な面(直線)として描かれるが、この実装は限定的ではなく、光学構造の表面は、曲面などの他の形状であり得る。例えば、入力面S01、第2の面S12、および/または出力面S23は湾曲させてもよく、ライトパイプのそれぞれの入出力においてレンズを実装することができる。
【0039】
出力面S23は、様々な形状にすることができるが、製造および後続デバイスへの機械的な取り付けを楽にするために、ライトパイプ600の側面にも鉛直である直線面が好ましいことが多い。
【0040】
図において、第1の光学構造P1の第1の幅W1は、概して、第2の光学構造P2の第2の幅W2に実質的に等しいように描かれている。以下に詳述するいくつかの例のように、光学構造の幅は必ずしも等しいとは限らない。光学構造の幅は、概して、ライトパイプ600の長軸(長手方向軸R1など)と比較して、ライトパイプ600の短軸に沿っており、換言すれば、通常、長手方向軸R1に鉛直である。
【0041】
図4は、
図3のライトパイプ600Cと同様のライトパイプ600Dの略図である。本図では、光路である光線L1は、第2の面S12において第1の光学構造P1の内部でフレネル反射による追加の反射640を受け、それにより、光線L12をライトパイプ600Dの第4の外側側壁S15に向けて反射する。第4の外側側壁S15における第2の追加の反射642(全内部反射によって)は、第2の面S12に向かって光線L13を反射する。光線L13は、第1の光学部品P1から第2の光学部品P2へと屈折し、上述したように光路に沿って進み続ける。
【0042】
図5は、
図4のライトパイプ600Dと同様に、別の実施形態によるライトパイプ600Eの略図である。本実施形態において、光学構造は、同じ材料から構築され、間隙650、この場合は空隙によって分離された2つのプリズムとして実装されている。この場合、界面620は、第2の面S12、第3の面S21、および間隙650の領域を含む。第1のプリズムは、第1の屈折率η
1を有する第1の光学構造P1であり、第2のプリズムP11は、第1の屈折率η
1を有する他の光学構造である。上述したように、この例示的な実装は限定的なものではなく、2つ以上の光学構造を使用することができる。光学構造のうちの2つ以上は、異なる屈折率を有することができ、または光学構造のうちの2つ以上は、同じ屈折率を有することができる。外側側壁は、第2の光学構造P2については、第1の外側側壁S24、第2の外側側壁S25と指定され、第1の光学構造P1については、第3の外側側壁S14、第4の外側側壁S15と指定されている。プリズム(P1、P11)の外側側壁(S14、S15、S24、S25)に対する(空気)間隙650の角度および間隔、ならびに光学構造面の角度(例えば、第2の面S12および第3の面S21は、互いに平行または非平行にすることができる)は、(光線652の間で)ライトパイプ内を伝播する全範囲の有用光線が、全内部反射により空隙において反射し、次に(全内部反射により)第4の外側側壁S15から反射し、再び空隙において臨界角より小さい角度で入射し、それによって第1のプリズムP1から空隙650を介して第2のプリズムP11へ伝達されるように、決定される。その結果、(光線652の間の)ビームが狭められ(ビーム654の間の範囲)、転換される。なお、第1のプリズムP1の上部第4の外側側壁S15からの反射に続く空隙650における反射が、空隙650における透過を防止する臨界角以下で入射する場合には、反射が生じる上部第4の外側側壁S15の領域にミラー(例えば、反射コーティングまたは反射面)を適用してもよい。
【0043】
図6は、主光線(光路L0、L1、L2、L21、L22、L3)の2つの内部反射がある、
図7に示される追加の構成要素を有する
図2Bに例示される実施形態の変形例を示す。本実施形態では、第2の光学構造P2において、ライトパイプ600Fの第1の外側側壁S24は、光路(この場合、光線L2)が、ライトパイプ600F内で第1の外側側壁S24によって特定の角度(第9の角度、α、「アルファ」)でさらに反射されて光線L21になるように、反射コーティング層でコーティングすることができる。同様に、ライトパイプ600Fの第2の外側側壁S25は、光路(この場合、光線L21)が、第2の外側側壁S25によってライトパイプ600F内で特定の角度(第10の角度、β)でさらに反射されて光線L22になるように、反射コーティング層でコーティングすることができる。代替的または追加的に、ライトパイプ600は、外側側壁(この場合は第1の外側側壁S24および第2の外側側壁S25)が全内部反射(TIR)を使用して光路の1つ以上の部分を反射するように構成され得る。
【0044】
第5の基準線S5は、入力面S01に鉛直な作図線である。第5の基準線S5は、第2の外側側壁S25と交差する。第10の角度(β)は、第5の基準線S5と第2の外側側壁S25との間に画定される。第10の角度(β)は、ライトパイプ600の他の表面に対する第2の外側側壁S25の向きを画定するのに役立つように使用される。この実施形態では、第2の媒体P3に戻る前の光軸の入射角θ23は、式θ23=θ21-(δ-γ)-2*α-2*βで与えられる。
【0045】
図7は、
図6の実施形態による、ライトパイプ600Fの略図である。明確にするために、
図6のすべての要素を示しているわけではない。本図では、第2の光学構造P2の側壁(S24、S25)は、互いに平行であり、入力面S01に鉛直である。したがって、第4の基準線S4は平行であり、そのため、第1の外側側壁S24と一致し、第9の角度(α)はゼロ(0°)である。同様に、第5の基準線S5は平行であり、そのため、第2の外側側壁S25と一致し、第10の角度(β)はゼロ(0°)である。
【0046】
図8は、入力面S01が角度付けされていることをさらに含む、
図9に示される実施形態の変形例の表現を示す。上述の実施形態のいずれかと組み合わせて、ライトパイプ600は、入射面である外部入力面S01(すなわち、ベース媒体P0と第1の光学構造P1との間の界面)が特定の角度(第11の角度Ψ、「サイ」)で傾斜するように角度を付けることができる。
図8に示す表現は、追加の傾斜角Ψを有する
図6に示す表現であることに留意されたい。傾斜角はまた、
図2Bなどの他の表現にも適用することができる。上記の説明と同様に、第6の基準線S6は、入力面S01が傾いたので、入力面S01の代わりに基準として使用される作図線である。第6の基準線S6は、入力面S01と交差する。第11の角度(Ψ)は、第6の基準線S6と入力面S01との間で画定される。第11の角度(Ψ)は、ライトパイプ600Gの他の表面に対する入力面S01の向きを画定するのに役立つように使用される。
【0047】
図9は、ライトパイプの外側側壁(すなわち、2つの光学構造の外側側壁)が先細りであり、結果として、先細りの側壁を有するライトパイプが得られる、本発明の別の実施形態によるライトパイプ600Gの略図である。第1の光学構造P1は、入力端602において第1の幅W1を有し、これは本図では入力面S01の幅でもある。第1の光学構造P1は、光路(光線L1)方向の長手方向軸R1に沿って幅が大きくなり、第2の面S12付近で第3の幅W11となる。第2の光学構造P2は、第3の面S21付近で第4の幅W22を有する。第2の光学構造P2は、第2の面S12から出力面S23に向かって、光路(L2、L21、L22)の方向の長手方向軸R1に沿って幅が減少し、出力面S23付近で第2の幅W2となる。あるいは、(本図には示されていない)第1の光学構造P1は、長手方向軸R1に沿って、幅が減少するかまたは一定のままであり得、第2の光学構造P2は、幅が増加するかまたは一定のままであり得る。
【0048】
本図では、第1の外側側壁S24の第9の角度(α)および第4の基準線S4、ならびに第2の外側側壁S25の第10の角度(β)および第5の基準線S5が示されている。対応する基準線および角度は、第3の外側側壁S14および第4の外側側壁S15については示されていない。この説明に基づいて、当業者は、これらの要素を適切に取り扱うことができるであろう。
【0049】
図10は、等しい接合面角度を有するライトパイプの異なる構造(部分)が空隙660によって分離されたライトパイプ600Iの略図である。例示的な本図において、光学構造は、同じまたは異なる屈折率を有することができる2つの構造(P1、P2)である。本図は、
図5に類似している。例示的な本図において、第2の面S12と第3の面S21は、第2の面S12と第3の面S21が互いに平行である
図5の例示的な実施形態と比較して、互いに間隙角1000にある。この場合、界面620は、第2の面S12、第3の面S21、および間隙660の領域を含む。第2の面S12は、長手方向軸R1に対して鉛直(かつ入力面S01に対して平行)であるが、第3の面S21は、長手方向軸R1に対して斜めであるため、界面620は、ライトパイプ600の長手方向軸R1に対して斜めであると見なされる。
【0050】
図11および
図12は、異なる光学構造(P1、P2)が、対応する間隙屈折率η
4を有する光学媒体672で任意選択的に充填された間隙670によって分離されるライトパイプ(600J、600K)の略図である。この場合、界面620は、第2の面S12、第3の面S21、間隙670、および光学媒体672の領域を含む。光学媒体としては、例えば、光学接着剤および光学ゲルが挙げられる。光路が長手方向軸R1に沿って屈折するように、3つの構造[第1の光学構造P1(η
1)、第2の光学構造P2(η
2)、間隙670(η
4)]に対して少なくとも2つの異なる屈折率が使用されなければならない。本図は、間隙670が平行な面、この場合、第2の面S12と第3の面S21との間にある状態で描かれているが、この実装は限定的ではなく、間隙670は、
図10を参照して説明したように、間隙角1000を含むことができる。分離が光学媒体によって行われる実装では、効率を向上させるために、2つの異なる屈折率の界面620の後のライトパイプの区間において、ライトパイプの外側側壁間の距離(幅)を大きくする(すなわち、ライトパイプを広くする)ことが可能である。この場合、第2の光学構造P2を広げる。任意選択で、1つ以上の反射防止コーティングが、例えば、第1のP1から第2のP2光学構成要素への光透過の効率を改善するために、異なる光学構造の間に追加され得る。
【0051】
図11は、外側側壁間の距離が一定のままであるライトパイプ600Jを示し、この場合、光損失、すなわち、効率の低下がもたらされる。本図において、第1の光学構造P1の第1の幅W1は、第2の光学構造P2の第2の幅W2に実質的に等しい。出力光線L33の一部は、残りのビーム(出力光線L3)とともにライトパイプ600Jから出ず、上面(第1の外側側壁S24)からの反射が加わり、システムに失われる(出力面S23からの出力角の使用可能範囲内に出力されない)バンドW33内にある。
【0052】
図12は、ライトパイプ600Kを示しており、界面620の後の区間(間隙670の後、第2の光学構造P2)における外側側壁(第1の外側側壁S24と第2の外側側壁S25)間の距離が、第2の幅W2から第5の幅W23に増加し、それによって、出力光線L31のすべてが出力面S23から出力されていることから分かるように効率が維持される。この場合、第5の幅W23は、第2の幅W2よりも大きい。結果として、ライトパイプ600Kは、第1の区間(第1の光学構造P1、すなわち、プリズムに対応する)よりも広い第2の区間(第2の光学構造P2、すなわち、プリズムに対応する)を有する。
【0053】
図13Aは、傾斜した入口1302および出口1304の面を有するスラブ型構造として形成された単一ベース光学構造1310から構成されたライトパイプ1300Aの略図である。光学構造1310は、長方形のスラブを取り、スラブの端部において対応する斜め切りを行うことによって形成され得る。その結果、ライトパイプ1300Aは、紙面上の断面が台形状となる。等脚台形として実装される場合、入射面1302を通ってライトパイプ1300Aに入射する入力光L0の入射角、および出射面1304を通ってライトパイプ1300AのL4からカップリングアウトされる光の角度は等しい。
【0054】
図13Bは、
図13Aのライトパイ1300Aの略図であり、入力光L0は、入射面1302に対して異なる角度にある。
図13Aに示されるライトパイプ1300Aは、単一の構造(ベース1310)から形成されるという利点を有するが、ライトパイプ1300Aは、出力光L5がライトパイプ1300Aの外壁からカップリングアウトし、出力面1304からカップリングアウトしないことによって示されるカップリングアウト光損失、すなわち効率の低下を被り得る。
【0055】
図13Cは、
図13Aおよび
図13Bに示される実施形態の変形例を含むライトパイプ1300Bの略図である。本実施形態のライトパイプ1300Bは、カップリングアウト光L5の損失を回避し、それによって効率を維持する。この実施形態では、カップリングアウトウェッジ(例えば、プリズム)の形態の追加の光学構造1312が、単一ベース光学構造1310に取り付けられる。この場合、単一光学構造の以前の出射面1304は、紙面上の断面において右台形をもたらす単一ベース光学構造1310の右端(シート上に描かれているような非限定的な方向基準)において垂直切りを行うことによって、単一ベース光学構造1310の出射面1306を形成することによって置き換えられ得る。2つの光学構造(1310、1312)は、異なる屈折率を有してもよく、または、2つの光学構造(1310、1312)の間の接合面(すなわち、界面620)における望ましくない反射/屈折を防止するために、同じ屈折率を有してもよい。ライトパイプ1300Bは、ここでは、追加の光学構造1312からの新しい出力面1308を有する。
【0056】
図13Dは、カップリングイン損失を示す
図13Cのライトパイプ1300Bの略図である。本ライトパイプ1300Bは、カップリングアウト光損失L5を回避するが、ライトパイプ1300Bは、単一ベース光学構造1310が形成される材料の屈折率に少なくとも部分的に起因して、カップリングイン光損失L6を被り得る。本図に見られるように、単一ベース光学構造1310の屈折率が十分に高くない場合、入射面1302を通って単一ベース光学構造1310に入射する光線L0の一部は、屈折光線が単一ベース光学構造1310の底面に当たったときに、単一ベース光学構造1310内で屈折光線が全内部反射されないように、急角度で屈折されてもよい。したがって、2つの光学構造(1310、1312)が形成される材料は、好ましくは、入射面1302を通して単一ベース光学構造1310に入射する光線L0が、単一ベース光学構造1310の底面に当たったときに全内部反射(TIR)を受けるように十分な浅い角度で屈折するように、十分に高い屈折率(好ましくは、1.60以上)のものである。
【0057】
図13Eは、
図13Cおよび
図13Dのライトパイプ1300Bの略図であり、単一ベース光学構造1310は、入力光L0が入力面1302で十分に高い角度で屈折し、単一ベース光学構造1310の底面に当たったときにTIRをもたらすように、十分に高い屈折率の材料から作られる。
【0058】
図13Fは、
図13Cのライトパイプ1300Bの変形例であるライトパイプ1300Cの略図である。本図において、入力面1302Aは、入力面1302からシート上で垂直に「反転」させ、それにより、先に説明したライトパイプ1300Bの入力面1302から90゜回転した入力面1302Aを有する単一ベース光学構造1310が提供される。両方のライトパイプ(1300B、1300C)の機能が維持される。
【0059】
図13Gは、
図13Cに示す実施形態の変形例の略図である。ライトパイプ1300Bは、単一ベース光学構造1310(すなわち、台形構造)の入射面1302において、またはその付近にコリメーティングレンズ1320が配備される光学装置の一部である。コリメーティングレンズを使用すると、光源ビームL7の角度範囲が狭くなり、ライトパイプ600への入力光線L0のカップリングイン損失が減少する。コリメーティングレンズ1320は、光学接着剤を介して入射面1302に取り付けられてもよいし、コリメーティングレンズ1320と入射面1302との間に空隙を維持して入射面1302付近に配備されてもよい。空隙が維持される実施形態では、コリメーティングレンズ1320は、機械的配置を介して所定の位置に保持され得る。光源610は、提供された光をコリメートするコリメーティングレンズ1320に光を提供し、光のコリメートされたビームL01を入射面1302に出力する。本構成は、コリメートされた出力ビームL31をもたらす。
【0060】
図13Hは、
図13Gに示す実施形態の変形例の略図である。本実施形態では、コリメーティングレンズ1320の代わりに、フレネルレンズ1330が使用される。フレネルレンズ1330の使用は、コリメーティングレンズ1320の使用と比較して、より広い範囲の角度をカバーする光線L01を単一ベース光学構造1310の入射面に提供するという利点を有する。フレネルレンズ1330を使用する別の利点は機械的なもので、コリメーティングレンズ1320と比較して同じ体積でより小さな焦点距離を提供することである。フレネルレンズ1330は、上述したコリメーティングレンズ1320の配備と同様に、単一ベース光学構造1310を有する光学装置において、例えば、光学接着剤または空隙を用いて構成することが可能である。
【0061】
図13Iは、
図13Aおよび
図13Gに示す実施形態の変形例の略図である。本実施形態では、コリメーティングレンズ1320の代わりに、(例えば、ガラスまたはプラスチック製の)錐体1340が使用される。錐体1340を使用することには、屈折の代わりに反射を使用するという利点がある。錐体1340は、1つには、光源610(例えば、LED)を錐体1340の入口に接触させることができるので、コリメーティングレンズ1320よりも光源ビームL7をよく集める。典型的には、コリメーティングレンズ1320などの通常のレンズを使用する場合、光源610とレンズ表面との間の距離を維持する必要がある。例えば、レンズの焦点面に光源がないと正常に動作しない場合がある。その結果、光源ビームL7から高角度の光線が失われる。錐体1340を使用して、比較的高角度の光線を光源ビームL7から集めることができる。代替の実施形態では、錐体1340を使用する代わりに、湾曲した(直線でない)側壁を有する反射レンズを使用することができる。錐体1340は、上述したコリメーティングレンズ1320の配備と同様に、単一ベース光学構造1310を有する光学装置1300Dにおいて、例えば、光学接着剤または空隙を用いて構成することが可能である。
【0062】
本図において、単一ベース光学構造1310の出力は、
図13Aを参照して上述したように、出射面1304である。本実施形態では、ディフューザ1350が、出射面1304に隣接して構成されている。ディフューザを使用する例示的な1つの利点として、混色を良くすることが挙げられる。ライトパイプの出力における、かつ光学装置の構成要素としてのディフューザの使用は、任意選択の実施形態である。
【0063】
特定の実施形態によれば、ライトパイプを形成する光学構造は、入射面/開口部S01(すなわち、ベース媒体P0と第1の光学構造P1との間の界面)における光軸R01が出射面/開口部S23(すなわち、第2の光学構造P2とベース媒体P3との間の界面)における光軸R23に直交するように配置され得る。
【0064】
特定の実施形態によれば、反射防止コーティングは、ライトパイプを形成する2つの光学構造の間の接合面(すなわち、2つの面が隣接している界面620、または空隙に隣接する表面上)に適用され得る。
【0065】
特定の実施形態によれば、反射コーティングは、ライトパイプの外面(外側側壁)の一部またはすべてに適用することができる。
【0066】
特定の実施形態によれば、屈折率整合された光学接着剤または光学ゲルは、ライトパイプを形成する2つの光学構造の間に配備することができる。光学接着剤または光学ゲルの屈折率は、光学構造が構築される並置材料の1つに一致させることができる。
【0067】
特定の実施形態によれば、ライトパイプを形成する2つの光学構造の間に、意図的に屈折率を整合させていない光学接着剤または光学ゲルを配備することができる。
【0068】
当業者は、一般的なライトパイプ動作の典型的な寸法および要件を理解するであろう。例えば、ライトパイプ(600)の長寸法(606)は、通常、ライトパイプ600の長さと呼ばれ、ライトパイプの短寸法(幅)よりも著しく長い(例えば、1桁大きい)。ライトパイプ600の断面は、通常、矩形であるが、これは限定的ではなく、他の断面は、例えば、円形を使用することができる。ライトパイプ600の通常の厚さは、1~5mmである。ライトパイプ600の通常の長さは、10~60mmである。
【0069】
ライトパイプ600は、好ましくは無視できるほどの照度損失で、入力面S01から出力面S23に光(入力光線L0)を伝達する。本発明の実施形態は、入射光の向きを変え、光は所与の開口でライトパイプ600に入り、実質的に同様の開口でライトパイプ600から出る。光の光路は、方向転換され、ライトパイプ600を通る光路の逸脱となる。
【0070】
入力光の角度の範囲は様々であり得る。例えば、入力光L0の外部入力角θ
01は0°~+-60°(簡略化のため単に+-60゜と呼ばれる)であってもよい。L0は、光源610を起点とし、外部入力面S01にぶつかる光錐の光線のいずれであってもよい。別の非限定的な例として、入力光L0は、入力面法線R01の周りで非対称であり得、例えば、-30°~+40°の角度である。現在使用されているLED光源には、可能な+-90°の入力が含まれる。同様に、出力光L3は、0°~+-60°(簡略化のため単に+-60°と呼ばれる)の出力角θ
32であってもよい。別の非限定的な例では、出力光L3は、例えば、-20°~+30°の角度で、出力面法線R23の周りで非対称であり得る。1つの好ましい実装は、+-40°の出力範囲である。
図9のライトパイプ600Gは、出力光L3の角度範囲を変更するために使用され得る。例えば、第2の光学構造P2を先細りにすることは、出力角の範囲を減少させるため、かつ/または伝播する光線を目的の角度に集中させるために使用することができる。同様に、入力角の範囲が出力における所望の範囲よりも広い(大きい)場合、第2の光学構造P2は、出力の角度範囲を縮小するために先細りにすることができる。同様に、入力角の範囲が出力における所望の範囲よりも狭い(小さい)場合、第2の光学構造P2は、出力の角度範囲を大きくするために幅を広げる(W22からW2)ことができる。
【0071】
図14Aは、ライトパイプの代替的な実装の略図である。これまでに説明した実施形態は、互いに異なる屈折率を有する2つの主光学構造(例えば、プリズム、例えば、第1の光学構造P1および第2の光学構造P2)から構築されるライトパイプに係るものであったが、例えば、ブロックの出力面S12に配備されたマイクロプリズムのアレイ1360と組み合わせて単一の主要光学構造(すなわちブロック、本図では第1の光学構造P1)が使用されている他の実施形態も可能である。本図は、ライトパイプが単一の主要ブロック(P1)に残り、ブロック出力の放射光L31の方向がブロック出力においてマイクロプリズムのアレイ1360を介して調整できるような実施形態を示している。マイクロプリズムのアレイ1360は、放射光L31の方向を面S12に対して非垂直になるように変更するために使用することができる。代替的に、ブロック出力S12において市販の方向転換フィルム(DTF)を配備することによって、同じまたは類似の機能を達成することができる。
【0072】
図14Bは、
図14Aに示す実施形態の変形例の略図である。本図では、ディフューザ1360は、マイクロプリズムのアレイ1360の出力に配備される。ディフューザ1350は、マイクロプリズムアレイが出力する光をさらに拡散する効果を有し、より広い範囲の角度L32をカバーし、かつ/または混色を改善する。ディフューザ1350は、角度L32として示される、(出力光線L31の)中心光線の周りの角度の範囲を達成するために使用され得る。
【0073】
図14B、
図14Cのディフューザ1350は、より広い角度範囲をカバーし、かつ/または混色を改善するために、追加の光学構造1312によって出力される光L32を拡散させる。
【0074】
図15Aは、
図13C~
図13Iのライトパイプの側面
図1500および上面
図1502の略図である。本図は、少なくとも部分的に、新しい出力面1308から出力される、単一ベース光学構造1310からの光の損失を回避するために、アウトカップリングウェッジ(追加の光学構造1312)の寸法を画定している。「Y」は、(単一ベース光学構造から出力面までの縁に沿った)アウトカップリングウェッジの最小長さ、「h」は、単一ベース光学構造1310の高さ、「Z」は、入力面から出力面までのライトパイプの長さ、「a」は、入射光線がライトパイプの側面から反射して、ウェッジの延長部がライトパイプの他の面と交差する角度、「H」は、(ウェッジ/追加の光学構造1312の縁から出力面までの)アウトカップリングされた光線の高さ、「V」は、ライトパイプのベース光学構造1310を越えたウェッジの高さ、「θ」は、出力面とベース光学構造1310の面との間のウェッジの角度である。
【0075】
「Y=h tan a Z」は、TIRによるライトパイプ1500内の伝播光線の損失を回避するための、アウトカップリングウェッジ(追加の光学構造1312)の最小長さである。
【0076】
「H=h+[V/[1+[tanθ/tan a]]]」であって、「H」は、アウトカップリングウェッジ(追加の光学構造1312)の最小高さである。
【0077】
十分な混色を許容するための通常の比率は、「5<[Z/h]<10」である。
【0078】
図16Aは、反射コーティング1606(すなわち、ミラーコーティング)を使用して、入力光1602の光路を出力光1603に方向転換する、従来の折り曲げライトパイプ1600の略図である。本構成では、少なくとも2つの光線配置を介してライトパイプ1600を通る伝播中に光が損失することがあり、例えば、入力光1604は、損失した出力光1605としてカップリングアウトし、入力光1608は、損失した出力光1609としてカップリングアウトする(エスケープする)。
【0079】
本図および次の図では、明確にするために、光路の屈折は示されていない。
【0080】
図16Bは、改良型ライトパイプ1610の略図である。本実施形態では、界面1620は、第1の光学構造P1と第4の光学構造P4との間に構成され、第4の光学構造P4と第2の光学構造P2との間にも構成されている。第4の光学構造P4は、第1のP1および第2のP2光学に隣接する側面以外の第4の光学構造P4の側面上に構成されている鏡内面1606を有する。
【0081】
図16Bは、改良型ライトパイプ1610の略図である。本実施形態では、界面1620は、第1の光学構造P1と第4の光学構造P4との間に構成され、第4の光学構造P4と第2の光学構造P2との間にも構成されている。
【0082】
第4の光学構造P4は、第1のP1および第2のP2光学構造に隣接する側面以外の第4の光学構造P4の側面上に構成されている鏡内面1606を有する。通常の界面1620は、低屈折率光学接着剤を使用している。この低屈折率界面1620は、伝播する光線の(表面の法線に対しての)低角度が界面1620を通過することを許容し、伝播する光線の高角度は、TIRによって反射される。
【0083】
界面1620(例示的な界面1620Aおよび1620Bとして示される各界面)は、少なくとも部分的に、TIR1616(それぞれの例示的なTIR1616Aおよび1616Bとして示される)を生成し、光損失を回避する。本図において、界面1620は、領域1616においてTIRをもたらす。伝播入力光1604は、界面1620BでTIR1616Bを受けて、光は第2の光学構造P2を通って進み続け、出力光1615としてライトパイプ1610の出力面を出る。伝播入力光1608は、界面1620AでTIR1616Aを受けて、光は、第2の光学構造P2を通って進み続け、出力光1619としてライトパイプ1610の出力面を出る。したがって、従来の実装(入力光線1604および1608)で失われた2つの光線配置(
図16A、1605、1609)は、追加の低屈折率界面1620の本実施形態を使用して維持される(1615、1619)。
【0084】
代替の実施形態では、界面1620は、空隙を用いて実装され得る。本図において、非限定的な実装では、入力面S01および出力面S23は、ミラー1606の傾斜に対して反対方向(例えば、直交)に傾斜している。上述したように、入力面S01の傾斜は第11の角度(Ψ)を使用して説明することができ、出力面S23の傾斜は第8の角度(γ)を使用して説明することができる。
【0085】
図16Cは、
図16Bの改良されたライトパイプ1610の略図であるが、三次元(3D)、かつ入力および出力面の代替的な傾斜および回転を有するものとして示されている。ライトパイプ1630の本実施形態では、入力面S01および出力面S23は、ミラー1606の傾斜に対して同じ方向(例えば、平行)に傾斜している。上述したように、入力面S01および出力面S23は、ライトパイプ600の軸に対して任意の角度で傾斜せることができる。好ましくは、入力面S01および出力面S23は、0°(ゼロ)~45°で傾斜し、最も好ましくは45°で傾斜する。入力面はまた、例えば、
図2Aのライトパイプ600Aおよび
図3のライトパイプ600Cを参照して上述したように、傾斜を欠く、すなわち、直線であることも可能である。
【0086】
また、本実施形態では、入力面S01、出力面S23を回転させる。入力面S01は、矢印1601に示されるように、第1の光学構造P1の(第1の)長手方向軸R1に対して回転させられる。同様に、出力面S23は、矢印1623によって示されるように、第2の光学構造P2の第2の長手方向軸R2に対して回転させられる。入力面S01および出力面S23は、ライトパイプ600軸に対して任意の角度で回転させることができる。好ましくは、入力面S01および出力面S23は、90°刻み(0°、90°、180°、270°)で回転させられる。
【0087】
本説明に基づいて、当業者は、TIRによって光線が後方(入力面に向かって)反射されるのを避けるために光学構造(P1、P2)の屈折率に十分に近いが、ライトパイプ600の側面から光が逃げないように十分なTIRを実装するために光学構造(P1、P2)の屈折率とは十分に異なる(十分に遠い)界面1620の屈折率を選択し、設計できるようになる(例えば、適切な屈折率を有する光学接着剤を選択する)。
【0088】
本図のライトパイプ1630を参照して説明した回転は、上述したライトパイプ600のすべてに適用できることに留意されたい。
【0089】
上述した例、使用した数値、および例示的な計算は、本実施形態の説明を補助するためのものであることに留意されたい。不注意による誤植、数学的な誤り、および/または簡略化された計算の使用は、本発明の有用性および基本的な利点を損なうものではない。
【0090】
添付の請求項が複数の従属性なしで起草されている限り、これは、そのような複数の従属性を許容しない権限における正式な要件に対応するためだけに行われたことである。請求項を多重従属にすることで暗示される特徴のすべての可能な組み合わせは、明示的に想定されており、本発明の一部とみなされるべきであることに留意されたい。
【0091】
本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的のために提示されてきたが、網羅的であることを意図しないか、または開示された実施形態に限定されない。多くの修正および変形は、記載された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見出される技術に対する実用化もしくは技術改善をもっともよく説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することを可能にするために選択された。
【0092】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的に別様に示さない限り、複数への言及を含む。
【0093】
「例示的な」という用語は、本明細書において、「例、実例、または例示としての役割」を意味するように使用される。「例示的な」として説明される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい、もしくは有利であると解釈されるべきではなく、および/または他の実施形態からの特徴の組み込みを除外するべきではない。
【0094】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴も、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴はまた、別々に、もしくは任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の任意の他の説明された実施形態において好適であるとして提供され得る。様々な実施形態の文脈において説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作不能である場合を除き、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。