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特許7607971ゲームプログラム、ゲーム装置およびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/537 20140101AFI20241223BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20241223BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241223BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241223BHJP
【FI】
A63F13/537
A63F13/55
G06T19/00 A
G06F3/0481
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023110821
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2020044068の分割
【原出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2023139031
(43)【公開日】2023-10-03
【審査請求日】2023-07-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年9月12日から同年9月15日 本願発明の「ゲームプログラム」に係るアプリケーション(悪魔城ドラキュラ Grimoire of Souls)をプレイアブル展示した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年9月18日 本願発明の「ゲームプログラム」に係るアプリケーション「Castlevania Grimoire of Souls」(日本語表記名称「悪魔城ドラキュラ Grimoire of Souls」)をウェブサイトにおいて公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】堤崎 陽太
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-133000(JP,A)
【文献】「Dead Cells 2BCA - Boomerang/Wolf Trap Only - 2 (Survival Build)」,YouTube[online][video],2019年07月11日,[2024年7月3日検索], <https://www.youtube.com/watch?v=Gqfu2z2E_Hk>,4:43, 4:45-4:46
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを、
ユーザによって操作される第1のゲーム要素と、第2のゲーム要素とをゲーム空間において制御するとともに、前記ユーザによる攻撃操作を受け付けた時に前記第1のゲーム要素による前記第2のゲーム要素への攻撃を制御するゲーム制御部と、
画面に前記第1のゲーム要素および前記第2のゲーム要素を表示させる表示制御部と、
前記第1のゲーム要素による前記第2のゲーム要素への攻撃が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、
前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定し、
前記第2のゲーム要素の基準点または前記作用点から前記移動方向に離れた所定距離内の点を、前記画像の移動開始点に決定する決定部として機能させ、
前記表示制御部は、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を前記移動開始点から移動させる
プログラム。
【請求項2】
ユーザによって操作される第1のゲーム要素と、第2のゲーム要素とをゲーム空間において制御するとともに、前記ユーザによる攻撃操作を受け付けた時に前記第1のゲーム要素による前記第2のゲーム要素への攻撃を制御し、
画面に前記第1のゲーム要素および前記第2のゲーム要素を表示させ、
前記第1のゲーム要素による前記第2のゲーム要素への攻撃が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、
前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定し、
前記第2のゲーム要素の基準点または前記作用点から前記移動方向に離れた所定距離内の点を、前記画像の移動開始点に決定し、
前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を前記移動開始点から移動させる
ゲーム装置の制御方法。
【請求項3】
ユーザによって操作される第1のゲーム要素と、第2のゲーム要素とをゲーム空間において制御するとともに、前記ユーザによる攻撃操作を受け付けた時に前記第1のゲーム要素による前記第2のゲーム要素への攻撃を制御するゲーム制御部と、
画面に前記第1のゲーム要素および前記第2のゲーム要素を表示させる表示制御部と、
前記第1のゲーム要素による前記第2のゲーム要素への攻撃が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、
前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定し、
前記第2のゲーム要素の基準点または前記作用点から前記移動方向に離れた所定距離内の点を、前記画像の移動開始点に決定する決定部とを有し
前記表示制御部は、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を前記移動開始点から移動させる
ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画面内において、操作キャラクタが敵キャラクタを攻撃してダメージを与えた場合に、そのダメージを示す数値を表示するゲームプログラムが知られている。従来、この種のゲームプログラムでは、ダメージを示す数値を、ダメージを与えられた敵キャラクタの上方等の予め定められた位置に表示し、あるいはその定められた位置から予め定められた方向に予め定められた距離だけ移動させていた。なお、この種のゲームプログラムによるゲームは、例えば非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「Unity(登録商標)のアクションゲームで与えたダメージを 与えた場所にUIで表示する」、[2020年3月9日検索]、インターネット<UR L: https://gametukurikata.com/ui/damagepointui>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲームプログラムにおいて、ダメージを示す数値を予め決められた位置に表示する場合には、ダメージを示す数値がゲーム画面内において敵キャラクタまたはその部位と重複し、数値の視認性が低下し易いという問題があった。また、従来のゲームプログラムにおいて、ダメージを示す数値を予め定められた位置から予め定められた方向に予め定められた距離だけ移動させる場合には、表示が単調になり、ユーザの注意を惹かないという問題があった。
【0005】
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、攻撃によるダメージ等、ゲーム要素に対する作用の効果に係る数値を表示する場合に、その数値の視認性の低下を緩和し、かつ、ユーザの注意を惹く態様で数値を表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様であるゲームプログラムは、プロセッサを、画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させる表示制御部と、前記第1のゲーム要素が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定する決定部として機能させ、前記表示制御部は、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を移動させる。
【0007】
本発明の一態様であるゲーム装置の制御方法は、画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させ、前記第1のゲーム要素が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定し、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を移動させる。
【0008】
本発明の一態様であるゲーム装置は、画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させる表示制御部と、前記第1のゲーム要素が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定する決定部とを有し、前記表示制御部は、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態であるゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図 である。
図2】同ゲーム装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】同ゲーム装置のプロセッサが実行するゲーム制御処理の流れを示すフローチ ャートである。
図4】同プロセッサが実行する表示内容決定処理の流れを示すフローチャートであ る。
図5】同プロセッサが実行する移動方向決定処理の流れを示すフローチャートであ る。
図6】同プロセッサが実行する移動経路決定処理の流れを示すフローチャートであ る。
図7】同プロセッサが実行する移動画像生成処理の流れを示すフローチャートであ る。
図8】同実施形態における攻撃データを示す図である。
図9】同実施形態における移動画像記録データを示す図である。
図10】同実施形態の第1動作例における表示画面を示す図である。
図11】同第1動作例における作用および作用点を説明する図である。
図12】同実施形態の第2動作例における表示画面を示す図である。
図13】同実施形態の第3動作例における表示画面を示す図である。
図14】同実施形態の第4動作例における表示画面を示す図である。
図15】同実施形態の第5動作例における表示画面を示す図である。
図16】同実施形態の第6動作例における表示画面を示す図である。
図17】同実施形態の第1変形例においてプロセッサが実行する移動経路修正処理 の流れを示すフローチャートである。
図18】同実施形態の第2変形例における表示画面を示す図である。
図19】同実施形態の第3変形例における表示画面を示す図である。
図20】同実施形態の第4変形例における表示画面を示す図である。
図21】同実施形態の第5変形例においてプロセッサが実行する移動経路決定処理 の流れを示すフローチャートである。
図22】同実施形態の第6変形例における表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0011】
[A.実施形態]
[1.ゲーム装置のハードウェア構成]
図1は、本発明の一実施形態であるゲーム装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーム装置10は、例えばタブレット端末または携帯用のゲーム装置等の可搬型の情報処理装置であってもよいし、スマートフォンであってもよいし、あるいは例えば業務用のゲーム装置またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータ等の据置型の情報処理装置であってもよい。
【0012】
図1に示すように、ゲーム装置10は、ゲーム装置10の各部を制御するプロセッサ110と、各種情報を記憶する記憶部120と、ゲーム装置10の外部に存在する外部装置との通信を行うための通信部130と、ゲーム装置10のユーザの操作を受け付けるための操作部140と、各種画像を表示する表示部150とを備える。
【0013】
プロセッサ110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ110は、CPUに加え、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0014】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとを含む。揮発性メモリは、プロセッサ110の作業領域として機能する。不揮発性メモリには、ユーザにゲームを提供するアプリケーションプログラムであるゲームプログラムPRG等の各種の情報が記憶される。このゲームプログラムPRGは、ネットワークに接続されたゲームサーバ(図示略)等から通信部130を介してダウンロードすることが可能である。
【0015】
[2.ゲーム装置の機能構成]
図2はゲーム装置10のプロセッサ110がゲームプログラムPRGを実行することにより実現される諸機能を示すブロック図である。本実施形態において、ゲームプログラムPRGは、プロセッサ110をゲーム制御部200として機能させる。
【0016】
図2に示すように、ゲーム制御部200は、表示制御部202と、決定部204とを含む。表示制御部202は、表示部150の画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させる。第1のゲーム要素および第2のゲーム要素は、ゲームを進行させる役を担う複数のゲーム要素のうちの任意の2つのゲーム要素である。ゲームは、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼすことにより進行する。典型的には、第1のゲーム要素は、ユーザによって操作される操作キャラクラまたは操作キャラクタが装備する武器である。第2のゲーム要素は、ゲームが提供する敵キャラクタである。作用は、第2のゲーム要素に何等かの効果を発生させる作用である。本実施形態において、作用は、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃である。
【0017】
決定部204は、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点に対する作用の方向に基づいて、作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定する。
【0018】
作用の効果に係る数値は、典型的には作用の効果を直接に示す数値である。しかし、作用の効果に係る数値は、そのような数値に限定されるものではなく、例えば単に作用の効果の変化により変化する数値であってもよい。本実施形態では、作用の効果に係る数値は、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃により第2のゲーム要素が被るダメージの程度を示す数値である。
【0019】
さらに詳述すると、本実施形態では、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃が成功すると、第2のゲーム要素である敵キャラクタは、その攻撃の威力に相当するポイント数を失う。本実施形態では、この攻撃成功により失うポイント数をダメージ値DMという。そして、作用の効果に係る数値を示す画像は、このダメージ値DMを示す画像である。以下、このダメージ値DMを示す画像をダメージ画像という。
【0020】
決定部204は、作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点に対する作用の方向に基づいて、ダメージ画像の移動方向を決定する。これは、ダメージ画像の移動方向の決定に作用点に対する作用の方向が関与するということである。
【0021】
具体的には、作用点において、作用に対向する第1の方向よりも作用が向かう第2の方向に近い第3の方向を、ダメージ画像の移動方向として決定する。このようにダメージ画像の移動方向を決定するのは、第1のゲーム要素である操作キャラクタを操作しているユーザが、作用の方向をダメージ画像の移動方向に基づいて認識できるようにするためである。
【0022】
また、決定部204は、移動方向に基づいて移動経路を決定し、表示制御部202は、画面において移動経路に沿ってダメージ画像を移動させる。移動経路は、ダメージ画像の移動開始点から移動終了点までの経路を意味する。本実施形態において、表示制御部202は、ダメージ画像を移動経路に沿って移動させ、移動終了点において停止させ、その後の所定時間、移動終了点においてダメージ画像を表示させる。
【0023】
本実施形態において、移動開始点は、第2のゲーム要素の基準点または作用点から所定距離内の点になる。ここで、基準点とは、キャラクタ等のゲーム要素の描画時における基準点である。具体的に、基準点はキャラクタ等のゲーム要素の画像の中心に位置する点であるが、キャラクタ等のゲーム要素の画像に対して任意の位置に設定してもよい。ゲーム要素の描画では、基準点に対する相対位置により、描画対象であるゲーム要素の各部が特定される。本実施形態では、このような基準点または作用点に基づいて、ダメージ画像の移動開始点が決定される。作用点から所定距離内の点の他、基準点から所定距離内の点が移動開始点となり得るのは、第2のゲーム要素の形状およびサイズにより、好ましい移動開始点の位置が異なる場合があるからである。
【0024】
ダメージ画像の移動開始点が基準点または作用点にあまり近いと、移動開始時にダメージ画像が第2のゲーム要素と重複してダメージ画像の視認性を低下させることになり、基準点または作用点からあまり遠いと、ダメージを受けた第2のゲーム要素の所在が分かりにくくなる。そこで、本実施形態において移動開始点は、視認性を著しく低下させることなく、かつ、第2のゲーム要素の所在を分かりにくくしない最低限の距離だけ基準点または作用点から離れた位置となる。
【0025】
また、決定部204は、作用の効果が妨げられた場合に、作用点において、作用が向かう第2の方向よりも作用に対向する第1の方向に近い第4の方向を、ダメージ画像の移動方向として決定する。ここで、作用の効果が妨げられた場合とは、例えば作用が攻撃である場合、攻撃に対する防御が行われた場合が該当する。決定部204が、このようにダメージ画像の移動方向を決定することにより、第1のゲーム要素から作用点に及んだ作用がその作用の方向の反対側に弾き返されるのを、ダメージ画像の移動により演出することができる。
【0026】
また、表示制御部202は、画面において移動するダメージ画像に伴って、作用の効果が妨げられたことを示す画像、具体的には攻撃が防御されたことを示す防御画像を移動させる。
【0027】
また、決定部204は、所定時間内に第2のゲーム要素に複数回の作用が及んだ場合に、少なくとも2回の作用に対するダメージ画像の移動経路を互いにずらす。このような処理を行う理由は次の通りである。ダメージ画像が複数回に亙って表示され、同一の移動開始点から同一方向に移動すると、移動開始時刻が少しずれていたとしても、移動終了時に各ダメージ画像が画面上において重複し、互いに視認性を低下させることになる。そこで、本実施形態では、少なくとも2回の作用に対するダメージ画像の移動経路を互いにずらすことで、ダメージ画像の視認性の低下を回避しているのである。所定時間内という制限を設けているのは、複数回の作用が及んだとしても、その時間間隔が所定時間よりも長く、複数回表示されるダメージ画像が画面上において重複しない場合には、ダメージ画像の視認が妨げられないからである。本実施形態では、少なくとも2回の作用に対するダメージ画像の移動方向をずらすことにより移動経路を互いにずらしている。
【0028】
また、決定部204は、作用の態様および作用の効果の程度の少なくとも一方に応じて、ダメージ画像のサイズ、移動距離および移動速度等、ダメージ画像の表示の態様を変える。一例として、本実施形態における決定部204は、ダメージ値DMに応じて、ダメージ画像のサイズ、移動距離および移動速度を変える。
【0029】
[3.ゲーム装置の動作]
図3は本実施形態におけるプロセッサ110がゲームプログラムPRGに従って実行するゲーム制御処理OP100の流れを示すフローチャートである。図4はプロセッサ110が図3のステップS114において実行する表示内容決定処理OP200の流れを示すフローチャートである。図5はプロセッサ110が図3のステップS116において実行する移動方向決定処理OP300の流れを示すフローチャートである。図6はプロセッサ110が図3のステップS118において実行する移動経路決定処理OP400の流れを示すフローチャートである。図7はプロセッサ110が図3のステップS122において実行する移動画像生成処理OP500の流れを示すフローチャートである。
【0030】
本実施形態において、操作部140の操作によりゲーム実行の開始が指示されると、プロセッサ110はゲームプログラムPRGを実行することにより図3に示すゲーム制御処理OP100を実行する。まず、ステップS102において、プロセッサ110は、操作部140から操作情報を検出する。次にステップS104において、プロセッサ110は、ゲーム空間内のゲーム要素を動作させる。このゲーム要素には、第1のゲーム要素および第2のゲーム要素が含まれる。
【0031】
さらに詳述すると、ステップS104では、ステップS102において検出された操作情報に基づいて、ゲーム空間内において、第1のゲーム要素である操作キャラクタまたはその武器を動作させる。例えば第1のゲーム要素に第2のゲーム要素を攻撃させることを指示する操作情報がステップS102において検出された場合、ステップS104では、ゲーム空間において第1のゲーム要素に第2のゲーム要素を攻撃させる。
【0032】
また、ステップS104では、第1のゲーム要素の状態に応じて、第2のゲーム要素を動作させる。例えば第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に攻撃を仕掛けてくる場合、ステップS104では、第2のゲーム要素に攻撃に対する防御を行わせる。
【0033】
ゲーム空間は、3次元空間でもよいが、簡単のため、本実施形態におけるゲーム空間は、表示部150に容易に表示可能な2次元平面であるものとする。
【0034】
次にステップS106に進むと、プロセッサ110は、ゲーム空間内の各ゲーム要素を描画する。具体的には、記憶部120内に設定された表示画像記憶エリアに、ゲーム空間内の第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を含む各ゲーム要素の画像を書き込む。この表示画像記憶エリア内の画像が表示部150によって表示される。
【0035】
次にステップS108に進むと、プロセッサ110は、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃が開始されたか否かを判断する。このステップS108の判断の条件は、攻撃の態様により異なったものとなる。
【0036】
例えば操作キャラクタが自分の手足により第2のゲーム要素を攻撃する場合には、操作キャラクタが第2のゲーム要素に向けて手または足の移動を開始させた時点において攻撃が開始されたと判断する。
【0037】
また、操作キャラクタが剣などの武器を手に持った状態で第2のゲーム要素を攻撃する場合、武器が第2のゲーム要素に向けて移動を開始した時点において攻撃が開始されたと判断する。
【0038】
また、操作キャラクタが、ナイフを投げる、あるいは銃を撃つ等、操作キャラクタから離れる武器により第2のゲーム要素を攻撃する場合、武器が操作キャラクタから離れた時点において攻撃が開始されたと判断する。
【0039】
ステップS108の判断結果が「NO」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS112に進める。一方、ステップS108の判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、ステップS110の処理を実行する。すなわち、プロセッサ110は、攻撃データを生成して記憶部120内に保存する。
【0040】
図8はこの攻撃データを例示する図である。図8に示すように、攻撃データは、攻撃IDと、攻撃者IDと、攻撃相手IDとを含む。
【0041】
ここで、攻撃IDは、攻撃を識別するIDである。プロセッサ110は、ステップS108において攻撃の開始を検出する都度、その攻撃を特定する攻撃IDを発生する。
【0042】
攻撃者IDは、攻撃という作用を第2のゲーム要素(敵キャラクタまたはその身体の一部)に及ぼす第1のゲーム要素を特定するIDである。ここで、操作キャラクタが自分の手足により敵キャラクタも対する攻撃を行う場合、操作キャラクタのIDが攻撃者IDとなる。また、操作キャラクタが武器により敵キャラクタも対する攻撃を行う場合、武器のIDが攻撃者IDとなる。この攻撃者IDは、攻撃が開始された後、攻撃の結果が生じるまで、攻撃の状態を追跡するために使用される。そして、攻撃の結果を生じさせるのは武器である。このため、武器のIDが攻撃者IDとされる。
【0043】
攻撃相手IDは、攻撃という作用が及ぶ第2のゲーム要素を特定するIDである。
【0044】
ステップS110の処理が終了すると、プロセッサ110は、処理をステップS112に進める。このステップS112において、プロセッサ110は、記憶部120内に保存された攻撃データにより特定される攻撃の結果が発生したか否かを判断する。ここで、攻撃の結果には、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃が成功することと、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃が防御されることとが含まれる。
【0045】
ステップS112では、記憶部120内の攻撃データの攻撃者IDにより特定される操作キャラクタまたは武器の動作に関わる処理が行われ、それにより攻撃の結果が生じたか否かが判断される。具体的には、攻撃データ中の攻撃者IDにより特定される第1のゲーム要素が攻撃相手IDにより特定される第2のゲーム要素を攻撃し、その結果(攻撃成功または防御)が発生したか否かが判断される。このステップS112の判断結果が「NO」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS102に戻す。なお、記憶部120内に攻撃データが保存されていない場合、このステップS112の判断結果は「NO」となる。一方、ステップS112の判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS114に進める。
【0046】
次にステップS114に進むと、プロセッサ110は、結果が発生した攻撃について、決定部204としての処理、すなわち、結果に係る表示内容を決定する表示内容決定処理OP200を実行する。図4はこの表示内容決定処理OP200の流れを示すフローチャートである。
【0047】
まず、ステップS202において、プロセッサ110は、結果が発生した攻撃に関して、その攻撃が成功したか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS212に進め、「NO」である場合、すなわち、攻撃が防御された場合には、処理をステップS222に進める。
【0048】
次にステップS212に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、ダメージ画像を表示内容として決定する。
【0049】
次にステップS214に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、ダメージ画像を表示部150に表示して移動させる際の移動開始時におけるダメージ画像のサイズである開始サイズSZsを所定値とする。さらに詳述すると、本実施形態では、攻撃が成功してダメージ画像を表示部150の画面に表示する際、画面内において、このダメージ画像を移動させつつそのサイズを大きくしてゆく。ステップS214では、移動開始時におけるダメージ画像のサイズである開始サイズSZsを決定する。
【0050】
次にステップS216に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、移動終了時におけるダメージ画像のサイズである終了サイズSZeをダメージ値DMに基づいて決定する。具体的には、プロセッサ110は、終了サイズSZeを次式に従って算出する。
SZe=k・DM+SZs ……(1)
ここで、kは所定の係数である。
このように本実施形態では、攻撃という作用の効果に係るダメージ値DMが大きくなる程、移動終了時におけるダメージ画像のサイズである終了サイズSZeが大きくなる。
【0051】
一方、攻撃が防御され、ステップS222に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、攻撃が成功した場合のダメージ値DMと比べて極端に低いダメージ値DMを示すダメージ画像と、攻撃が防御されたことを示す防御画像とからなる結合画像を表示内容として決定する。この例において攻撃が防御された場合のダメージ画像は、ダメージ値DM=1を示す画像である。また、防御画像は、GUARDの文字からなる画像である。
【0052】
次にステップS224に進むと、プロセッサ110は、移動開始時における結合画像のサイズである開始サイズSZsを所定のサイズとする。
【0053】
次にステップS226に進むと、プロセッサ110は、移動終了時における結合画像のサイズである終了サイズSZeを開始サイズSZsより大きな所定のサイズとする。
【0054】
ステップS216またはS226の処理が終了すると、プロセッサ110は、表示内容決定処理OP200を終了し、処理を図3のステップ116に進める。図3に示すステップS116において、プロセッサ110は、決定部204としての処理、すなわち、図5に示す移動方向決定処理OP300を実行する。
【0055】
まず、プロセッサ110は、ステップS302において、攻撃が成功したか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS312に進め、「NO」である場合、すなわち、攻撃が防御された場合には、処理をステップS322に進める。
【0056】
次にステップS312に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、ダメージ画像の移動方向を決定する。さらに詳述すると、プロセッサ110は、ステップS112の判断結果を「YES」にした攻撃データ(図8参照)の攻撃者IDと攻撃相手IDを参照する。そして、プロセッサ110は、攻撃者IDにより特定される第1のゲーム要素が攻撃相手IDにより特定される第2のゲーム要素に及ぼしている作用に関し、その作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点と、その作用点における作用の方向とに基づいて、ダメージ画像の移動方向を決定する。
【0057】
具体的には、決定部204であるプロセッサ110は、作用点において、作用に対向する第1の方向よりも作用が向かう第2の方向に近い第3の方向を、ダメージ画像の移動方向として決定する。一例を挙げると、次の通りである。
【0058】
例えば作用点において、作用が右方向に向かっていたとする。この場合、第2の方向は、作用が向かう右方向になり、第1の方向は、作用に対向する左方向になる。従って、ダメージ画像の移動方向である第3の方向は、第1の方向よりも第2の方向に近い方向、すなわち、右方向または右方向に対して90度よりも小さい角度をなす斜め右方向となる。
【0059】
一方、ステップS322に進むと、プロセッサ110は、結合画像の移動方向を決定する。さらに詳述すると、プロセッサ110は、ステップS312と同様、ステップS112の判断結果を「YES」にした攻撃データ(図8参照)の攻撃者IDと攻撃相手IDを参照する。そして、プロセッサ110は、攻撃者IDにより特定される第1のゲーム要素が攻撃相手IDにより特定される第2のゲーム要素に及ぼしている作用に関し、その作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点と、その作用点における作用の方向とに基づいて、結合画像中のダメージ画像の移動方向を決定する。
【0060】
具体的には、決定部204としてのプロセッサ110は、作用点において、作用が向かう第2の方向よりも作用に対向する第1の方向に近い第4の方向を、ダメージ画像の移動方向として決定する。一例を挙げると、次の通りである。
【0061】
例えば作用点において、作用が右方向に向かっていたとする。この場合、第2の方向は、作用が向かう右方向になり、第1の方向は、作用に対向する左方向になる。従って、結合画像中のダメージ画像の移動方向である第4の方向は、第2の方向よりも第1の方向に近い方向、すなわち、左方向または左方向に対して90度よりも小さい角度をなす斜め左方向となる。
【0062】
ステップS312またはS322の処理が終了すると、プロセッサ110は、移動方向決定処理OP300を終了し、処理を図3のステップS118に進める。このステップS118において、プロセッサ110は、決定部204としての処理、すなわち、表示内容を移動させる移動経路を決定する移動経路決定処理OP400を実行する。図6はこの移動経路決定処理OP400の流れを示すフローチャートである。
【0063】
まず、プロセッサ110は、ステップS402において、攻撃が成功したか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS412に進め、「NO」である場合、すなわち、攻撃が防御された場合には、処理をステップS432に進める。
【0064】
次にステップS412に進むと、プロセッサ110は、ダメージ画像の移動開始点Psを決定する。理想的には、次の条件を満たす位置がダメージ画像の移動開始点Psとされる。
a.ダメージ画像の移動開始点Psは、第2のゲーム要素の基準点または作用点から、図3のステップS116(具体的には図5のステップS312)において決定した移動方向に離れた位置であること。
b.ダメージ画像の移動開始点Psは、ユーザが基準点または作用点を認識できる程度に基準点または作用点からの距離が短い位置であること。
c.ダメージ画像の移動開始点Psは、第2のゲーム要素がダメージ画像の視認性を妨げることがない程度に基準点または作用点からの距離が長い位置であること。
ただし、これらの条件の全てを満たす移動開始点Psを見つけることが困難な場合もあるので、現実には上記条件のうち例えば条件aおよびbを満たす点を移動開始点Psとしてもよい。
【0065】
次にステップS414に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、図3のステップS116(具体的には図5のステップS312)において決定した移動方向を修正する必要があるか否かを判断する。このステップS414において、プロセッサ110は、記憶部120内に移動画像記録データが保存されているか否かを判断し、保存されている場合にはその移動画像記録データの内容を参照する。
【0066】
図9はこの移動画像記録データを例示する図である。この移動画像記録データは、図3のステップS108において攻撃の開始が検出され、図3のステップS112において当該攻撃の結果が検出される都度、後述するステップS120においてプロセッサ110によって生成され、記憶部120に保存されるデータである。この移動画像記録データは、攻撃が成功し、ダメージ画像を表示して移動させる場合に、そのダメージ画像について生成される。また、この移動画像記録データは、攻撃が防御され、結合画像を表示して移動させる場合に、その結合画像について生成される。
【0067】
図9に示すように、移動画像記録データは、攻撃IDと、種別データと、移動開始点データと、移動方向データと、移動開始時刻データとを含む。ここで、攻撃IDは、成功した攻撃または防御された攻撃の攻撃IDである。種別データは、攻撃が成功したことにより表示するダメージ画像、または攻撃が防御されたことにより表示する結合画像のいずれかを示すデータである。移動開始点データは、ダメージ画像または結合画像の移動開始点を示す。また、移動方向データは、ダメージ画像または結合画像の移動方向を示す。移動開始時刻データは、ダメージ画像または結合画像の移動の開始時刻を示す。
【0068】
ここで、ステップS412において決定した移動開始点Psと同じ移動開始点を示す移動開始点データと、図5のステップS116において決定した移動方向と同じ移動方向を示す移動方向データと、現在時刻との時間差が所定時間以内である開始時刻を示す移動開始時刻データとを含むという移動方向修正条件を満たす移動画像記録データが記憶部120内に2個以上保存されている場合、図6のステップS414の判断結果は「YES」となる。ここで、所定時間は、ダメージ画像が画面に表示される期間の時間長に基づいて決定される。
【0069】
ステップS414の判断結果が「YES」である場合、決定部204であるプロセッサ110は、移動画像記録データ中の移動方向データが示す移動方向から所定角度だけ傾くように、図5のステップS312において決定した最新の移動方向を修正する(ステップS416)。このようにすることで、時間的に前後して、複数回に亙って、ダメージ画像が共通の移動開始点から移動する場合に、最新のダメージ画像の移動経路を先発のダメージ画像の移動経路からずらし、3個以上のダメージ画像が重なることによるダメージ画像の視認性の低下を回避することができる。ステップS416の処理が終了すると、プロセッサ110は、処理をステップS418に進める。
【0070】
一方、2個以上の移動画像記録データが記憶部120内に保存されていない場合、または保存された2個以上の移動画像記録データが上述の移動方向修正条件を満たさない場合、図6のステップS414の判断結果は「NO」となり、プロセッサ110は、処理をステップS418に進める。
【0071】
次にステップS418に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、図3のステップS114において決定したダメージ値DMに基づき、ダメージ画像の移動距離Lを決定する。具体的には、ダメージ値DMが大きくなる程、移動距離Lを長くする。本実施形態では、一定の移動時間を掛けて、このステップS418において決定された移動距離だけダメージ画像を移動させる。従って、ダメージ値DMが大きくなって移動距離が長くなる程、ダメージ画像の移動速度も速くなる。このように本実施形態では、ダメージ値DMに応じてダメージ画像の移動速度を変えている。
【0072】
次にステップS420に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、ステップS412において決定した移動開始点Psから、図5のステップS312において決定した移動方向に、ステップS418において決定した移動距離Lだけ隔たった位置を求め、この位置を移動終了点Peとする。
【0073】
一方、ステップS402の判断結果が「NO」となってステップS432に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、ダメージ画像および防御画像からなる結合画像の移動開始点Psを決定する。この移動開始点Psの決定方法は、上述したステップS412におけるダメージ画像の移動開始点Psの決定方法と同様である。
【0074】
次にステップS434に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、図3のステップS116(具体的には図5のステップS322)において決定した移動方向を修正する必要があるか否かを判断する。この判断結果が「YES」である場合、ステップS436を実行してステップS438に進み、「NO」である場合、ステップS436を実行することなくステップS438に進む。ここで、ダメージ画像および防御画像からなる結合画像は、ダメージ画像よりもサイズが大きいため、2つの結合画像間で移動経路が重複した場合の視認性の低下の程度は、2つのダメージ画像間で移動経路が重複した場合の視認性の低下の程度よりも大きい。そこで、ステップS434では、ステップS414よりも甘い条件で、移動方向の修正の要否が判断される。例えばステップS434では、上述した移動経路修正条件を満たす移動画像記録データが記憶部120に1個以上保存されている場合に判断結果が「YES」となる。
【0075】
次にステップS438に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、所定の距離を結合画像の移動距離Lとして決定する。
【0076】
次にステップS440に進むと、決定部204であるプロセッサ110は、ステップS432において決定した移動開始点Psから、図5のステップS322において決定した移動方向に、ステップS438において決定した移動距離Lだけ隔たった位置を求め、この位置を移動終了点Peとする。
【0077】
ステップS420またはS440が終了すると、プロセッサ110は、移動経路決定処理OP400を終了し、処理を図3のステップS120に進める。このステップS120において、プロセッサ110は、ステップS108において検出した攻撃の攻撃IDと、表示する移動画像の種別(ダメージ画像/結合画像)を示す種別データと、当該攻撃の結果発生した表示内容(ダメージ画像/結合画像)の移動開始点を示す移動開始点データと、移動方向を示す移動方向データと、現在時刻を示す移動開始時刻データとにより移動画像記録データを構成し、この移動画像記録データを記憶部120内に保存する。
【0078】
次にステップS122に進むと、プロセッサ110は、表示制御部202としての処理を実行する。すなわち、プロセッサ110は、移動画像生成ルーチンを起動することにより、図7に示す移動画像生成処理OP500を実行する。この移動画像生成処理OP500は、ステップS114において決定した表示内容がステップS118において決定した移動経路に沿って移動する動画を描画する処理である。
【0079】
次にステップS124に進むと、プロセッサ110は、ステップS114~S122の処理の契機となった攻撃データを消去する。このステップS124が終了すると、プロセッサ110は処理をステップS102に戻す。
【0080】
短い時間間隔で攻撃データが発生する場合、時間軸上において部分的に重複して複数回に亙って移動画像生成処理OP500が並列実行され得る。また、移動画像生成処理OP500の実行による描画と、ステップS106の描画も並列に実行される。
【0081】
次に図7を参照し、プロセッサ110が移動画像生成ルーチンを実行することにより実行される移動画像生成処理OP500について説明する。以下では、ダメージ画像の描画を例に、移動画像生成処理OP500の内容を説明する。まず、ステップS502において、プロセッサ110は、初期設定を行う。この初期設定において、プロセッサ110は、表示対象であるダメージ画像のサイズの初期値を図4のステップS214において決定した開始サイズSZsにする。また、プロセッサ110は、ダメージ画像の描画位置を図6のステップS412において決定した移動開始点Psに初期設定する。次にステップS504に進むと、プロセッサ110は、設定されたサイズを有し、かつ、描画位置に位置するダメージ画像を描画する。
【0082】
次にステップS512に進むと、プロセッサ110は、図3のステップS118において決定した移動経路に沿って描画位置を所定距離、具体的には移動距離Lに対応して定まる距離L/N(Nは移動中におけるダメージ画像の描画回数)だけ移動する。次にステップS514に進むと、プロセッサ110は、ダメージ画像のサイズを所定サイズ、具体的には(SZe-SZs)/Nだけ増加させる。次にステップS516に進むと、プロセッサ110は、設定されたサイズを有し、かつ、描画位置に位置するダメージ画像を描画する。
【0083】
次にステップS520に進むと、プロセッサ110は、ダメージ画像の移動が終了したか否かを判断する。この判断は、ダメージ画像の移動がN回行われたかの判断であってもよく、ダメージ画像の描画位置が移動終了点Peに到達したかの判断であってもよい。この判断結果が「NO」である場合、プロセッサ110は処理をステップS512に戻し、ステップS512~S520の処理を繰り返す。一方、ステップS520の判断結果が「YES」である場合、プロセッサ110は、処理をステップS522に進める。
【0084】
次にステップS522に進むと、プロセッサ110は、移動画像生成ルーチンの起動前に図3のステップS120において記憶部120に保存した移動画像記録データを消去する。このステップS552の処理が終了すると、プロセッサ110は、移動画像生成処理OP500を終了する。以上、描画対象がダメージ画像である場合を例に移動画像生成処理OP500の流れを説明したが、描画対象が結合画像である場合も同様な処理の流れとなる。
【0085】
[3.1.第1動作例]
図10は本実施形態の第1動作例において表示部150に表示される画像を示している。図10では、操作キャラクタC11が剣C11aを手に持ち、この剣C11aを第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に斬りつけ、攻撃が成功している。
【0086】
図11は、第1のゲーム要素である剣C11aの作用が第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に及ぶ瞬間における剣C11aおよび敵キャラクタC2を示している。この例では、剣C11aが敵キャラクタC2の作用点Pactに対し、右方向の攻撃ベクトル(すなわち、作用)を及ぼしている。このため、攻撃が成功したとき、図10に示すように、ダメージ値DM=12を示すダメージ画像PDMの移動方向は右方向となる。また、ダメージ画像の移動開始点Psは、作用点から移動方向である右方向に隔たった敵キャラクタC2の外側の位置となる。そして、ダメージ画像PDMは、この移動開始点Psから右方向にサイズを大きくしながら移動する。
【0087】
この第1動作例によれば、ダメージ画像PDMが移動し、敵キャラクタC2から離れるので、ダメージ画像PDMが敵キャラクタC2と重複して視認性が低下する可能性を減らし、ダメージ画像PDMの視認性を高めることができる。また、第1動作例によれば、ダメージ画像PDMは、サイズを大きくしながら移動するので、ユーザの注意を惹きつけることができる。また、第1動作例によれば、作用点Pactに対する攻撃ベクトルVactの方向にダメージ画像PDMが移動する。従って、ユーザは、ダメージ画像PDMの移動方向から、作用点に及ぶ作用の方向を容易に認識することができる。また、第1動作例によれば、作用点Pactに対する攻撃ベクトルVactが第2のゲーム要素である敵キャラクタC2を突き抜けている感じを、ダメージ画像PDMの移動により演出し、ユーザに爽快感を与えることができる。
【0088】
[3.2.第2動作例]
図12は本実施形態の第2動作例において表示部150に表示される画像を示している。図12では、操作キャラクタC11が鞭C11bを手に持ち、3回に亙って鞭C11bによる敵キャラクタC2の攻撃を行っており、この攻撃がすべて成功している。
【0089】
第1回および第2回の攻撃において、鞭C11bは、第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に命中する。これらの攻撃に対応した2個の移動画像記録データにおいて、移動開始点データおよび移動方向データは各移動画像記録データ間で同じになる。
【0090】
そして、第1回の攻撃から所定時間以内に第3回の攻撃が成功すると、その直後に実行される図6のステップS414の判断結果が「YES」となり、ダメージ画像PDMの移動方向が修正される(ステップS416)。
【0091】
図12には3回に亙る攻撃により表示されて移動する3個のダメージ画像PDM1~PDM3が示されている。第1回の攻撃により発生するのは、ダメージ値DM=7を示すダメージ画像PDM1である。また、第2回の攻撃により発生するのは、ダメージ値DM=18を示すダメージ画像PDM2である。第2回の攻撃の際には、上述した移動方向修正条件を満たす移動画像記録データが記憶部120に2個以上保存されていないので、図6のステップS414の判断結果が「NO」となる。このため、第2回の攻撃が成功した時点において、ダメージ値DM=18を示すダメージ画像PDM2は、第1回のダメージ値DM=7を示すダメージ画像PDM1の移動経路と重なった移動経路に沿って移動する。
【0092】
しかしながら、第3回の攻撃が成功したとき、上述した移動方向修正条件を満たす移動画像記録データが記憶部120に2個以上保存されているので、図6のステップS414の判断結果が「YES」となる。このため、第3回の攻撃の成功により表示されるダメージ値DM=12を示すダメージ画像PDM3の移動方向は、第1回および第2回のダメージ画像PDM1およびPDM2の移動方向に対して傾いた移動方向に修正される。
【0093】
仮に3回に亙って表示されるダメージ画像PDM1~PDM3のすべてが重なった移動経路に沿って移動した場合、ダメージ画像PDM1~PDM3を別個のものとして認識するのは著しく困難である。しかしながら、本実施形態では、第1回および第2回についてはダメージ画像PDM1およびPDM2が同じ方向に移動するものの、第3回についてはダメージ画像PDM3の移動方向を第1回および第2回と異なる移動方向とし、ダメージ画像PDM3の移動経路をダメージ画像PDM1およびPDM2の移動経路からずらしている。このため、ダメージ画像PDM1~PDM3の移動経路が重複して視認が著しく困難になるのを回避することができる。
【0094】
また、図12に例示されるように、ダメージ値DM=12を示すダメージ画像PDM2は、ダメージ値DM=7を示すダメージ画像PDM1よりも、終了サイズSZeが大きく移動距離Lが長い。また、ダメージ値DM=18を示すダメージ画像PDM2は、ダメージ値DM=12を示すダメージ画像PDM3よりも、終了サイズSZeが大きく移動距離Lが長い。これは図4のステップS216の処理および図6のステップS418の処理が実行されるためである。
【0095】
このように本実施形態では、ダメージ画像の終了サイズおよび移動距離の変化によりダメージ値の変化を認識することができる。
【0096】
[3.3.第3動作例]
図13は本実施形態の第3動作例において表示部150に表示される画像を示している。図13では、敵キャラクタC2の左側にいる操作キャラクタC11が敵キャラクタC2に向けてナイフC11cを投げ、この攻撃が成功している。また、図13では、操作キャラクタC11による攻撃と略同時に、敵キャラクタC2の右側にいる他の操作キャラクタC12が敵キャラクタC2に向けてナイフC12cを投げ、この攻撃が成功している。
【0097】
この第3動作例では、操作キャラクタC11がナイフC11cを投げたときに、第1のゲーム要素であるナイフC11cは、第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に対して右方向の攻撃ベクトルを与える。同様に、操作キャラクタC12がナイフC12cを投げたときに、第1のゲーム要素であるナイフC12cは、第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に対して左方向の攻撃ベクトルを与える。
【0098】
図13において、ダメージ値DM=19を示すダメージ画像PDM1は、ナイフC11cによる攻撃により表示されるダメージ画像である。ナイフC11cにより第2のゲーム要素に与えられる攻撃ベクトルは右方向なので、ダメージ画像PDM1の移動方向は右方向となる。
【0099】
また、図13において、ダメージ値DM=25を示すダメージ画像PDM2は、ナイフC12cによる攻撃により表示されるダメージ画像である。ナイフC12cにより第2のゲーム要素に与えられる攻撃ベクトルは左方向なので、ダメージ画像PDM2の移動方向は左方向となる。
【0100】
このように本実施形態においてユーザは、ダメージ画像の移動方向により、作用点に対する作用の方向を認識することができる。従って、特に図13に例示するように、複数の方向から敵キャラクタC2に攻撃が加えられる場合に、ダメージ画像を発生させた攻撃の方向をダメージ画像の移動方向から容易に認識することができる。
【0101】
[3.4.第4動作例]
図14は本実施形態の第4動作例において表示部150に表示される画像を示している。図14では、敵キャラクタC2の左側にいる操作キャラクタC11が右方向にブーメランC11dを投げ、このブーメランC11dが敵キャラクタC2の上空を通り過ぎた後、敵キャラクタC2側に方向転回し、敵キャラクタC2に右側から命中し、攻撃が成功している。
【0102】
この第4動作例では、第1のゲーム要素であるブーメランC11dは、第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に右側から命中する。従って、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素の作用点に及ぼす作用の方向は左方向である。
【0103】
図14において、ダメージ値DM=16を示すダメージ画像PDMは、操作キャラクタC11からの攻撃により表示されるダメージ画像である。作用点に対する作用の方向が左方向であるため、ダメージ画像PDMの移動方向は左方向となる。
【0104】
このように本実施形態によれば、第1のゲーム要素の作用が第2のゲーム要素の作用点に及んだ場合に、作用点に対する作用の方向を、ダメージ画像PDMの移動方向から容易に認識することができる。
【0105】
[3.5.第5動作例]
図15は本実施形態の第5動作例において表示部150に表示される画像を示している。図15では、敵キャラクタC2の左側にいる操作キャラクタC11が手に持った剣C11aで敵キャラクタC2を攻撃する。しかし、敵キャラクタC2は、手に持った楯C2aにより、この剣C11aによる攻撃を防御している。
【0106】
この場合、図4のステップS202の判断結果が「NO」となり、図3のステップS122において、ダメージ画像および防御画像からなる結合画像PGUが表示部150に表示され、この結合画像が表示部150の画面内において移動する。図15には、このようにして表示される結合画像PGUが示されている。上述した通り、攻撃が防御された場合におけるダメージ画像の移動方向は、作用点において、作用が向かう第2の方向(この場合、右方向)よりも作用に対向する第1の方向(この場合、左方向)に近い第4の方向が、ダメージ画像の移動方向となる。そして、防御画像はダメージ画像に伴って移動する。従って、結合画像PGUの移動方向は第4の方向となる。図15に示す例において、結合画像PGUの移動方向である第4の方向は、左方向に対して90度より小さい角度だけ傾いた斜め左方向(左斜め上方もしくは左斜め下方)となっている。左方向に対して90度より小さい角度だけ傾いた斜め左方向(左斜め上方もしくは左斜め下方)とすることで、攻撃者である操作キャラクタC11の所在を認識し易いようにしている。
【0107】
このように本実施形態では、攻撃が防御された場合に、防御画像を含む結合画像PGUが表示され、この結合画像PGUが攻撃の方向と反対側に移動する。従って、攻撃が第2のゲーム要素によって第1のゲーム要素側に弾き返されるのを、結合画像PGUの移動により演出することができる。
【0108】
[3.6.第6動作例]
図16は本実施形態の第6動作例において表示部150に表示される画像を示している。図16では、敵キャラクタC2の左側にいる操作キャラクタC11が手に持った鞭C11bで複数回に亙って敵キャラクタC2を攻撃する。しかし、敵キャラクタC2は、手に持った楯C2aによりこの複数回に亙る攻撃を悉く防御している。
【0109】
この場合、第1回の防御の際に、図4のステップS202の判断結果が「NO」となり、図3のステップS122において、ダメージ画像および防御画像からなる結合画像PGUが表示部150に表示され、この結合画像が表示部150の画面内において移動する。
【0110】
また、第2回の防御の際に、図4のステップS202の判断結果が「NO」となる。そして、第1回の防御と第2回の防御の時間間隔が所定時間以内である場合には、図6のステップS434の判断結果が「YES」となり、結合画像の移動方向が修正される(ステップS436)。
【0111】
図16では、2つの結合画像PGUが攻撃者である操作キャラクタC11側に移動している。しかし、この2つの結合画像PGUは、移動方向が互いに異なっているため、移動経路が互いにずれている。従って、結合画像PGUが重複して視認性が低下するのを回避することができる。
【0112】
[4.実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態によるゲームプログラムPRGは、プロセッサ110を、画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させる表示制御部202と、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点に対する作用の方向に基づいて、作用の効果に係る数値を示す画像であるダメージ画像の移動方向を決定する決定部204として機能させ、表示制御部202は、画面において、決定部204が決定した移動方向にダメージ画像を移動させる。本実施形態によれば、決定部204が決定した移動方向にダメージ画像が移動することにより、ダメージ画像が第2のゲーム要素から離れるのでダメージ画像の視認性の低下を緩和することができる。
【0113】
さらに詳述すると、本実施形態では、ダメージ画像の移動中、ダメージ画像が第2のゲーム要素と重ならない状態が生じる。移動の開始時点において、ダメージ画像が第2のゲーム要素と重なっていても、その後に重ならない状態が一時的にでも生じれば、その状態においてダメージ画像のダメージ値DMを読み取れる。また、ダメージ画像と第2のゲーム要素とが重ならない状態が生じた後で、攻撃により破壊された第2のゲーム要素の破片が吹っ飛んで来てダメージ画像に重なったとしても、それ以前にダメージ画像のダメージ値DMが読み取られるので問題ない。このように本実施形態では、ダメージ画像が移動することにより、ダメージ画像と第2のゲーム要素とが重ならない状態が生じ、ダメージ画像のダメージ値DMの視認が容易になる。
【0114】
また、本実施形態において、表示制御部202は、決定部204が決定した移動方向にダメージ画像を移動させるので、ダメージ画像にユーザの注意を惹きつけ、迫力のある態様でダメージ画像を表示することができる。
【0115】
また、本実施形態において、決定部204は、作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点に対する作用の方向に基づいて、ダメージ画像の移動方向を決定するので、ユーザは、表示されるダメージ画像の移動方向から、作用点に対する作用の方向を認識することができる。従って、ダメージ画像PDMにユーザの注意を惹きつけることができる。
【0116】
また、本実施形態において決定部204は、作用点において、作用に対向する第1の方向よりも作用が向かう第2の方向に近い第3の方向を、ダメージ画像の移動方向として決定する。従って、本実施形態によれば、作用の方向が直感的に分かり易くなる。また、本実施形態によれば、作用点に対する作用が第2のゲーム要素を突き抜けている感じを、ダメージ画像PDMの移動により演出し、ユーザに爽快感を与えることができる。
【0117】
また、本実施形態において決定部204は、作用の効果が妨げられた場合に、作用点において、作用が向かう第2の方向よりも作用に対向する第1の方向に近い第4の方向を、ダメージ画像の移動方向として決定する。
【0118】
従って、本実施形態によれば、攻撃が防御されたことを分かり易くユーザに知らせることができる。また、第2のゲーム要素に与えた作用が第2のゲーム要素から作用の方向の反対側に弾き返されるのを、ダメージ画像の第4の方向への移動により演出することができる。
【0119】
また、本実施形態において決定部204は、所定時間内に作用点に複数回の作用が及んだ場合に、少なくとも2回の作用に対するダメージ画像の移動経路を互いにずらす。
【0120】
従って、本実施形態によれば、複数回に亙って表示されるダメージ画像が重複し、ダメージ画像の視認性が低下するのを回避することができる。
【0121】
また、本実施形態において決定部204は、ダメージ値DMに応じて、ダメージ画像のサイズ、移動距離および移動速度を変える。従って、本実施形態によれば、第2のゲーム要素に及んだ作用の効果の程度をユーザが容易に認識することができる。
【0122】
[B.変形例]
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0123】
[第1変形例]
上記実施形態では、ダメージ画像の移動によりダメージ画像が第2のゲーム要素から離れるため、ダメージ画像と第2のゲーム要素とが重複しない状態が発生する可能性が増し、ダメージ画像の視認性の高まることが期待される。しかしながら、ダメージ画像と第2のゲーム要素とが重複しない状態がダメージ画像の移動中に生じない場合もあり得る。そこで、上述した図3のステップS118の実行によりダメージ画像の移動経路が決定した後、図17に示す移動経路修正処理OP600を実行してもよい。
【0124】
まず、ステップS602において、プロセッサ110は、決定した移動経路に沿ってダメージ画像を移動させた場合のダメージ画像の視認性を評価する。具体的には、移動経路上のM1個(M1は2以上の整数)の位置の各々において、ダメージ画像と第2のゲーム要素との重複面積を求め、この重複面積のダメージ画像の面積に対する比Raを求める。そして、移動経路上のM1個の位置のうち比Raが閾値th1以下である位置の個数M2を求め、さらに個数M2の個数M1に対する比M2/M1を求める。この比M2/M1が大きい程、ダメージ画像の視認性は高い。
【0125】
次にステップS604において、プロセッサ110は、ステップS602において求めた比M2/M1に基づき、移動経路の修正が必要か否かを判断する。ステップS602において求めた比M2/M1が閾値th2未満であれば、ステップS604の判断結果は「YES」となり、処理はステップS606に進む。また、ステップS602において求めた比M2/M1が閾値th2以上であれば、ステップS604の判断結果は「NO」となり、プロセッサ110は、移動経路修正処理OP600を終了する。
【0126】
次にステップS606に進むと、プロセッサ110は、第1のゲーム要素に対する第2のゲーム要素の相対位置に基づき、ダメージ画像の移動経路の代替案を複数生成する。例えば移動経路修正処理OP600の実行前において、ダメージ画像の移動経路が右方向に向かう移動経路であった場合、プロセッサ110は、右上方向に向かう移動経路(第1の代替案)および右下方向に向かう移動経路(第2の代替案)を生成する。
【0127】
次にステップS608において、プロセッサ110は、複数の移動経路の代替案の各々について、当該移動経路に沿ってダメージ画像を移動させた場合のダメージ画像の視認性を評価する。
【0128】
次にステップS610において、プロセッサ110は、ステップS608における視認性の評価結果およびステップS602における視認性の評価結果に基づき、最良の視認性の得られる移動経路を選択し、ダメージ画像の移動経路とする。なお、このステップS610では、代替案の移動経路におけるダメージ画像の視認性よりも元の移動経路におけるダメージ画像の視認性の方が優れており、元の移動経路が選択される場合もあり得る。
【0129】
[第2変形例]
第1変形例において、例えば第2のゲーム要素が巨大な敵キャラクタの部位であるような場合があり得る。図18はそのような状況を例示するものである。この例では、巨大な敵キャラクタC2の部位C2eが第2のゲーム要素となっている。操作キャラクタC11は、剣C11aにより部位C2eへの攻撃を行い、この攻撃が成功している。図18には、この場合においてダメージ画像PDMの移動する様子が示されている。この例のように敵キャラクタC2が巨大であり、操作キャラクタC11が敵キャラクタC2の部位C2eに攻撃を行う場合には、敵キャラクタC2と重複しないようにダメージ画像PDMを移動させることが困難である。そこで、この例では、攻撃を受けた部位C2eを第2のゲーム要素として扱い、第2のゲーム要素である部位C2eと重複しない移動経路に沿ってダメージ画像PDMを移動させている。この場合、巨大な敵キャラクタC2がダメージ画像PDMの背景となるが、通常、この背景は場所による色の変化が少ないので、ダメージ画像PDMの視認性の低下は僅かである。
【0130】
[第3変形例]
図19は第3変形例において表示部150に表示される画像を示すものである。図19に示す例では、上記実施形態の第2動作例(図12参照)と同様、操作キャラクタC11が鞭C11bを手に持ち、3回に亙って鞭C11bによる敵キャラクタC2への攻撃を行っており、この攻撃がすべて成功している。
【0131】
第2動作例において、決定部204は、第3回の攻撃成功に応じて表示するダメージ画像PDM3の移動方向を第1回および第2回の攻撃成功に応じて表示したダメージ画像PDM1およびPDM2の移動方向に対して傾けることにより各ダメージ画像の移動経路を互いにずらした。
【0132】
これに対し、第3変形例において決定部204は、第3回の攻撃成功に応じて表示するダメージ画像PDM3の移動開始点を、各ダメージ画像の移動方向と直交する方向に沿って、第1回および第2回の攻撃成功に応じて表示したダメージ画像PDM1およびPDM2の移動開始点から移動させることにより、各ダメージ画像の移動経路を互いにずらしている。この態様においても、ダメージ画像PDM1~PDM3の視認性が低下するのを回避することができる。
【0133】
また、この第3変形例と第2動作例とを組み合わせた変形例も考えられる。すなわち、第3回の攻撃成功に応じてダメージ画像PDM3を表示して移動する際、ダメージ画像PDM1およびPDM2の移動方向に対して傾いた移動方向に移動開始点から所定距離だけ移動させ、その後、ダメージ画像PDM3の移動方向をダメージ画像PDM1およびPDM2の移動方向に合わせ、この移動方向に沿ってダメージ画像PDM3を移動させる。この態様においても、ダメージ画像PDM3の移動経路がダメージ画像PDM1およびPDM2の移動経路からずれるので、ダメージ画像PDM1~PDM3の視認性が低下するのを回避することができる。
【0134】
[第4変形例]
図20は第4変形例におけるダメージ画像の移動方向の決定方法を説明する図である。第4変形例では、第1のゲーム要素である操作キャラクタC11に対し、攻撃を行った場合にその作用が発生する作用発生領域AR1が設定される。図20に示す例では、作用発生領域AR1は、操作キャラクタC11を包含する楕円形状をなしている。この作用発生領域AR1の輪郭をなす楕円形は、例えば操作キャラクタC11が振る剣C11aの切先の軌跡である。また、第2のゲーム要素である敵キャラクタC2に対し、攻撃が届いたとしたら敵キャラクタC2にダメージという効果が発生する効果発生領域AR2が設定される。そして、第4変形例では、作用発生領域AR1と効果発生領域AR2とが衝突した場合に、攻撃が行われたとみなされる。そして、攻撃時点において、作用発生領域AR1の輪郭線に沿って移動する剣C11aの切先の軌跡が効果発生領域AR2の輪郭線と最初に交差する交点が作用点Pactとされる。また、作用発生領域AR1の輪郭線の作用点Pactにおける接線方向が攻撃ベクトルVactの方向とされる。図20に示す例では、攻撃ベクトルVactが右下方向を向いている。そこで、この例では、作用点に対する作用の方向を右方向とみなし、ダメージ画像の移動方向を右方向とする。この態様は、ダメージ画像の移動方向を決定するための処理が簡単であるという利点がある。また、ゲームプログラムにおける技術用語として、第4変形例における作用発生領域と効果発生領域とを総称して「当たり判定領域」もしくは「衝突判定領域」と呼ぶことがある。
【0135】
[第5変形例]
図21は第4変形例においてプロセッサ110が実行する移動経路決定処理OP700を示すフローチャートである。この第4変形例では、移動方向の決定を待たずに、移動経路を決定する処理を進める。図20に示す移動経路決定処理OP700は、第1のゲーム要素の第2のゲーム要素に対する攻撃の結果が発生したときに、プロセッサ110により実行される。
【0136】
まず、ステップS702において、プロセッサ110は、移動開始点の候補を複数決定する。この移動開始点の候補は、ダメージ画像の視認性を低下させることなく、かつ、第2のゲーム要素の所在を分かりにくくしない最低限の距離だけ基準点または作用点から離れた位置である。
【0137】
次にステップS704に進むと、プロセッサ110は、複数の移動開始点の候補の各々について、好ましい移動終了点を決定する。好ましい移動終了点とは、ダメージ画像が移動開始点から移動終了点まで移動した場合に、そのダメージ画像の移動方向から作用点に対する作用の方向を認識し易い移動終了点である。
【0138】
次にステップS706に進むと、プロセッサ110は、ステップS702において決定した複数の移動開始点の候補からステップS704において決定した複数の移動終了点までの各移動経路について、当該移動経路に沿って移動するダメージ画像の視認性を評価する。
【0139】
次にステップS708に進むと、プロセッサ110は、複数の移動経路のうち最も優れた視認性の評価結果の得られた移動経路を選択する。このようにしてダメージ画像の視認性の低下が少ない移動経路が決定される。
【0140】
[第6変形例]
図22は第6変形例において表示部150に表示される画像を示すものである。この図22では、操作キャラクタC11が剣C11aにより敵キャラクタC2を攻撃し、この攻撃が成功ししため、ダメージ値DM=20を示すダメージ画像PDMが表示される。
【0141】
第6変形例において、決定部204は、作用点に対する作用の方向に基づいて、例えば右方向を移動方向として決定すると、右方向の軸を中心軸AXとし、この中心軸AXを横切って三角波状に振動する移動経路をダメージ画像PDMの移動経路RTとする。また、決定部204は、三角波状に振動する移動経路RTの三角波の振幅をダメージ値DMが大きくなる程大きくする。図22において、実線で示す移動経路RTは、ダメージ値DM=20を示すダメージ画像PDMの移動経路である。ダメージ画像PDMの示すダメージ値DMが20より小さくなると、そのダメージ画像PDMは、図22において破線で示すように、三角波の振幅が移動経路RTよりも小さい移動経路RT’に沿って移動する。
【0142】
この第6変形例によれば、ダメージ画像PDMが振動しながら移動するので、ダメージ画像PDMにユーザの注意を惹きつけることができる。また、移動経路RTの振動の振幅がダメージ値DMに応じて大きくなるので、ユーザがダメージ値DMを認識するのが容易になる。なお、移動経路RTの形状は、必ずしも三角波形状である必要はなく、正弦波形状等であってもよい。
【0143】
[第7変形例]
上記実施形態では、操作キャラクタC11の敵キャラクタC2に対する攻撃が防御された場合に、防御画像およびダメージ画像からなる結合画像を表示させ、この防御画像をダメージ画像に伴って移動させた(図15参照)。しかし、攻撃が防御された場合には、ダメージ画像を表示させることなく、防御画像のみを表示させ、画面内において防御画像を移動させてもよい。この場合、決定部204は、作用点において、作用が向かう第2の方向よりも作用に対抗する第1の方向に近い第5の方向を、第2の移動方向として決定し、表示制御部202は、表示部150の画面において、ダメージ画像を表示することなく、第2の移動方向に防御画像を移動させる。
【0144】
この態様によれば、攻撃によるダメージがない場合でも、攻撃が防御されたことを示す防御画像が表示されたので、ユーザは攻撃が防御されたことを認識することができる。また、第2のゲーム要素に与えられた作用が第2のゲーム要素から作用の方向の反対側に弾き返されるのを、防御画像の第2の移動方向への移動により演出することができる。
【0145】
[第8変形例]
上記実施形態において決定部204は、ダメージ値DMに応じてダメージ画像PDMのサイズ、移動距離および移動速度を変化させた。しかし、ダメージ画像PDMの表示に関して、決定部204が実行する処理は、これに限定されるものではない。例えば決定部204は、第2のゲーム要素に及ぶ作用の態様および作用の効果の程度の少なくとも一方に応じて、ダメージ画像PDMの移動速度を変えてもよい。あるいは決定部204は、第2のゲーム要素に及ぶ作用の態様および作用の効果の程度の少なくとも一方に応じて、ダメージ画像PDMのサイズ、移動距離および移動速度の少なくとも1つを変えてもよい。
【0146】
作用の態様には、例えば操作キャラクタが攻撃に用いる武器、または操作キャラクタのスキル等の強化段階(強化レベル等)が含まれる。作用の効果の程度は、例えばダメージ値DMである。ダメージ画像PDMのサイズ、移動距離および移動速度の少なくとも1つの決定に作用の効果を関与させるのは、作用の効果は、武器等の作用の態様のみにより依存するのではなく、敵キャラクタのタフさ等にも左右されるからである。
【0147】
この態様によれば、ユーザは、ダメージ画像PDMのサイズ、移動距離および移動速度の少なくとも1つに基づいて、作用の態様または作用の効果の程度の少なくとも一方を認識することができる。
【0148】
[第9変形例]
第9変形例において、決定部204は、第2のゲーム要素に作用を及ぼす第1のゲーム要素の属性に基づいて、ダメージ画像PDMの表示色を決定する。例えば第2のゲーム要素である操作キャラクタが水属性を有する場合にはダメージ画像PDMを水色で表示し、操作キャラクタが火属性を有する場合にはダメージ画像PDMを赤色で表示する、といった具合である。上記実施形態では、第2のゲーム要素に作用が及んだ場合において、ダメージ画像PDMが第2のゲーム要素と重複することによってダメージ画像の視認性が低下するのを緩和することができる。従って、第9変形例において、ユーザは、ダメージ画像PDMの表示色に基づいて第1のゲーム要素の属性を認識するのが容易になる。
【0149】
[第10変形例]
図3のステップS118においてダメージ画像PDMの移動経路を決定した際に、移動終了点におけるダメージ画像PDMまたはその一部が表示部150の画面の外に出て表示されない、ということが起こり得る。そこで、このような事態が発生した場合に、決定部204は、移動終了点におけるダメージ画像PDMが画面内に収まるようにダメージ画像PDMの移動方向を修正してもよい。あるいは移動方向を修正せず、ダメージ画像PDMの移動距離を短くし、この移動距離を短くした分だけダメージ画像PDMの終了サイズを大きくしてもよい。
【0150】
[第11変形例]
第1のゲーム要素を動作させて第2のゲーム要素に対する攻撃を行わせる動作の精度は、操作部140の操作性、具体的には操作部140が発生可能な操作情報の種類および量に応じて任意に定めればよい。例えば操作部140の操作性が高い場合には、第1のゲーム要素である操作キャラクタの腕または脚、あるいは操作キャラクタが装備する鞭等の武器を操作部140から得られる操作情報に従って動作させ、第1のゲーム要素に細かな動きを行わせてもよい。また、操作部140の操作性が低く、僅かな種類の操作情報しか操作部140から得られない場合には、例えば予め定義された複数の攻撃パターン(例えば鞭による正面攻撃あるいは鞭による背面攻撃等)の中の1つを操作情報に基づいて選択し、その攻撃パターンに従って第1のゲーム要素を動作させてもよい。この場合において、第4変形例において示した作用発生領域AR1および効果発生領域AR2(図20参照)を攻撃パターンに従って決定してもよい。
【0151】
[第12変形例]
上記実施形態において、ゲーム空間は2次元平面であり、第1のゲーム要素および第2のゲーム要素は、この2次元平面内において活動した。しかし、ゲーム空間は、3次元空間であってもよく、この3次元空間内において活動する第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示部150の画面に3次元表示してもよい。この場合において、ダメージ画像PDMの移動方向が例えば画面の奥行方向となると、ダメージ画像PDMの移動はユーザにとって見辛いものとなる。そこで、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、決定部204は、表示部150の画面内における作用点に対する作用の方向に基づいて、ダメージ画像PDMの移動方向を決定すればよい。
【0152】
[第13変形例]
上記実施形態では、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合に、作用の効果に係る数値を示す画像を表示したが、表示する画像は数値以外のものを示す画像であってもよい。例えば第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合に、作用の効果に応じて表情が変化する人の顔の画像を表示してもよい。
【0153】
[C.付記]
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0154】
[付記1]
この発明の一態様であるゲームプログラム(PRG)は、プロセッサ(110)を、画面に第1のゲーム要素(C11)および第2のゲーム要素(C12)を表示させる表示制御部(202)と、前記第1のゲーム要素が前記第2のゲーム要素に作用(Vact)を及ぼした場合、前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点(Pact)に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値(DM)を示す画像(PDM)の移動方向を決定する決定部(204)として機能させ、前記表示制御部(202)は、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を移動させる。
【0155】
第1のゲーム要素および第2のゲーム要素は、ゲームを進行させる役割を担った複数のゲーム要素のうちの任意の2つのゲーム要素である。ゲームは、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に作用を及ぼすことにより進行する。第1のゲーム要素の一例は、ユーザによって操作される操作キャラクタである。また、第2のゲーム要素の一例は、操作キャラクタと敵対する敵キャラクタである。
【0156】
作用は、例えば攻撃である。この場合において、第1のゲーム要素は、操作キャラクタまたは操作キャラクタが装備する武器である。また、第2のゲーム要素は、第1のゲーム要素によって攻撃される敵キャラクタまたは敵キャラクタにおいて第1のゲーム要素によって攻撃される部位である。作用が攻撃である場合、作用の効果は、攻撃により第2のゲーム要素が被るダメージである。なお、作用の効果は、ダメージというマイナスの効果に限らず、例えばダメージの回復等のプラスの効果であってもよい。
【0157】
この態様によれば、決定部(204)が決定した移動方向に作用の効果に係る数値を示す画像が移動することにより、当該画像が第2のゲーム要素から離れるので当該画像の視認性の低下を緩和することができる。
【0158】
また、この態様において、決定部(204)は、作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点(Pact)に対する作用(Vact)の方向に基づいて、作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定する。従って、ユーザは、数値を示す画像の移動方向から、第2のゲーム要素の作用点に及ぶ作用の方向を認識することができる。従って、数値を示す画像に対してユーザの注意を惹きつけることができる。
【0159】
[付記2]
付記1において、前記決定部(204)は、前記移動方向に基づいて移動経路を決定し、前記表示制御部(202)は、前記画面において前記移動経路に沿って前記数値を示す画像を移動させてもよい。
【0160】
この態様は、移動方向の決定時点において移動経路を決定することが可能なので、処理が簡単であるという利点がある。数値を示す画像の移動経路は、一例として移動方向に沿った直線状の移動経路である。しかし、数値を示す画像の移動経路は、数値を示す画像の移動方向に基づいたものであればよく、移動方向に沿った直線状の移動経路である必要はない。例えば移動経路は、移動方向に沿った軸線を繰り返し横切りつつ軸線方向に進む振動波形状の移動経路であってもよい。
【0161】
[付記3]
付記1または2において、前記決定部(204)は、前記第2のゲーム要素または前記作用点が属する部位と、前記画面を移動する前記数値を示す画像との、前記画面における重複の可能性が少なくなるように前記数値を示す画像の移動方向を決定してもよい。
【0162】
この態様によれば、作用が及ぶ第2のゲーム要素の作用点(Pact)に対する作用の方向のみに基づいて移動方向を決定するのに比べ、作用の効果に係る数値を示す画像の視認性が高まる可能性を増加させることができる。
【0163】
[付記4]
付記1~3のいずれか1の付記において、前記決定部(204)は、前記作用点(Pact)において、前記作用(Vact)に対向する第1の方向よりも前記作用が向かう第2の方向に近い第3の方向を、前記数値を示す画像の移動方向として決定してもよい。
【0164】
第1の方向よりも第2の方向に近い第3の方向とは、例えば第3の方向の第1の方向に対する角度が90度よりも大きく、かつ、第3の方向の第2の方向に対する角度が90度よりも小さくなる第3の方向を意味する。
【0165】
この態様によれば、ユーザは、作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向から、第2のゲーム要素の作用点に対する作用の方向を認識することができる。
【0166】
[付記5]
付記1~4のいずれかにおいて、前記決定部(204)は、前記作用の効果が妨げられた場合に、前記作用点において、前記作用が向かう第2の方向よりも前記作用に対向する第1の方向に近い第4の方向を、前記数値を示す画像の移動方向として決定してもよい。
【0167】
この態様によれば、第2のゲーム要素に対する作用の効果が妨げられたのを分かり易く示すことができる。また、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に対して及ぼした作用が第2のゲーム要素において作用の方向と反対側に弾き返されるのを、数値を示す画像の移動により演出することができる。
【0168】
[付記6]
付記5において、前記表示制御部(202)は、前記画面において移動する前記数値を示す画像に伴って前記作用の効果が妨げられたことを示す画像を移動させてもよい。
【0169】
この態様によれば、数値を示す画像の数値が何を意味するかをユーザが理解することができる。
【0170】
[付記7]
付記1~4のいずれかにおいて、前記決定部(204)は、前記作用の効果が妨げられた場合に、前記作用点において、前記作用が向かう第2の方向よりも前記作用に対抗する第1の方向に近い第5の方向を、第2の移動方向として決定し、前記表示制御部(202)は、前記画面において、前記数値を示す画像を表示することなく、前記第2の移動方向に前記作用の効果が妨げられたことを示す画像を移動させてもよい。
【0171】
この態様によれば、作用の効果がない場合においても、作用の効果が妨げられたことを分かり易く示すことができる。また、第1のゲーム要素が第2のゲーム要素に対して及ぼした作用が第2のゲーム要素から作用の方向と反対側に弾き返されるのを、作用の効果が妨げられたことを示す画像の移動により演出することができる。
【0172】
[付記8]
付記1~6のいずれかにおいて、前記決定部(204)は、所定時間内に前記作用点に複数回の作用が及んだ場合に、少なくとも2回の作用に対する前記数値を示す画像の移動経路を互いにずらしてもよい。
【0173】
この態様によれば、移動経路を互いにずらすことにより、数値を示す複数の画像が画面内において重複し、視認性が低下するのを回避することができる。
【0174】
[付記9]
付記1~6または8のいずれかにおいて、前記決定部(204)は、前記作用の態様および前記作用の効果の程度の少なくとも一方に応じて、前記数値を示す画像の移動速度、移動距離またはサイズの少なくとも1つを変えてもよい。
【0175】
この態様によれば、ユーザは、数値を示す画像の移動速度、移動距離またはサイズの少なくとも1つの変化に基づいて、作用の態様および前記作用の効果の程度の少なくとも一方の変化を認識することができる。
【0176】
[付記10]
付記1~6、8または9のいずれかにおいて、前記表示制御部(202)は、前記画面において、前記数値を示す画像を、前記移動方向に移動させながら振動させ、前記決定部(202)は、前記作用の態様および前記作用の効果の程度の少なくとも一方に応じて、前記振動の振幅を決定してもよい。
【0177】
この態様によれば、数値を示す画像が振動しながら移動するので、数値を示す画像にユーザの注意を惹きつけることができる。また、ユーザは、振動の振幅の大きさに基づいて、作用の態様および作用の効果の程度の少なくとも一方を認識することができる。
【0178】
[付記11]
この発明の一態様によるゲーム装置の制御方法は、画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させ、前記第1のゲーム要素が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定し、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を移動させるものである。
【0179】
[付記12]
この発明の一態様によるゲーム装置は、画面に第1のゲーム要素および第2のゲーム要素を表示させる表示制御部と(202)、前記第1のゲーム要素が前記第2のゲーム要素に作用を及ぼした場合、前記作用が及ぶ前記第2のゲーム要素の作用点に対する前記作用の方向に基づいて、前記作用の効果に係る数値を示す画像の移動方向を決定する決定部(204)とを有し、前記表示制御部(202)は、前記画面において前記移動方向に前記数値を示す画像を移動させる。
【符号の説明】
【0180】
10…ゲーム装置、110…プロセッサ、120…記憶部、PRG…ゲームプログラム、130…通信部、140…操作部、150…表示部、200…ゲーム制御部、202…表示制御部、204…決定部、C11,C12…操作キャラクタ、C2…敵キャラクタ、C11a…剣、C11b…鞭、C11c…ブーメラン、C2a…楯、C2e…敵キャラクタの部位、PDM,PDM1~PDM3…ダメージ画像、PGU…結合画像、RT,RT’…移動経路、AX…移動経路の中心軸、AR1…作用発生領域、AR2…効果発生領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22