(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】取付具、取付部材、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20241223BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
G03B17/56 A
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2024176157
(22)【出願日】2024-10-07
【審査請求日】2024-10-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真二
(72)【発明者】
【氏名】中島 忠義
(72)【発明者】
【氏名】本田 大典
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-010212(JP,A)
【文献】特開2014-075641(JP,A)
【文献】特開2021-043410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置を取付対象物に取り付けるための取付具であって、
撮像装置保持部と、撮像装置取付部を有し、
前記撮像装置保持部は、前記撮像装置を保持するフレーム部と、
相対する第一フランジ部を有し、
前記撮像装置取付部は、ウェブ部と、相対する第二フランジ部を有し、
前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に、前記撮像装置を前記取付対象物に取り付けるための取付手段を有し、
前記第二フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられ、
前記撮像装置保持部と前記撮像装置取付部は前記第一フランジ部と前記第二フランジ部で連結される
ことを特徴とする取付具。
【請求項2】
前記撮像装置保持部は、前記フレーム部から立ち上げられた相対する立ち上がり部と、
前記相対する立ち上がり部に架け渡されたブラケットを有し、
前記第一フランジ部は、前記ブラケットに設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記取付手段は磁石であることを特徴とする請求項1または2に記載の取付具。
【請求項4】
撮像装置を取付対象物に取り付けるための取付具であって、
撮像装置保持部と、撮像装置取付部を有し、
前記撮像装置保持部は、前記撮像装置を覆うフレーム部と、
相対する第一フランジ部を有し、
前記撮像装置
取付部は、第一形材と、第二形材を有し、
前記第一形材は、ウェブ部と、相対する第二フランジ部を有し、
前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に複数の係合爪を有し、
前記第二フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられ、
前記第二形材は、前記係合爪が掛かる溝部を有し、
前記撮像装置保持部と前記第一形材は前記第一フランジ部と前記第二フランジ部で連結される
ことを特徴とする取付具。
【請求項5】
前記溝部には幅の広い大溝部と幅の狭い小溝部が設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の取付具。
【請求項6】
前記第一形材の前記ウェブ部は孔を有し、
前記孔にはボルトが挿通され、
前記ボルトは前記第二形材に当接する
ことを特徴とする請求項4に記載の取付具。
【請求項7】
撮像装置を取付対象物に取り付けるための取付部材であって、
ウェブ部と、フランジ部を有し、
前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に、前記撮像装置を前記取付対象物に取り付けるための取付手段を有し、
前記フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられる
ことを特徴とする取付部材。
【請求項8】
撮像装置を取付対象物に取り付けるための取付部材であって、
第一形材と、第二形材を有し、
前記第一形材は、ウェブ部と、相対する第二フランジ部を有し、
前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に複数の係合爪を有し、
前記第二フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられ、
前記第二形材は、前記係合爪が掛かる溝部を有する
ことを特徴とする取付部材。
【請求項9】
取付対象物に取り付けられる撮像装置であって、
フレーム部と、撮像装置取付部を有し、
前記フレーム部は、相対する第一フランジ部を有し、
前記撮像装置取付部は、ウェブ部と、相対する第二フランジ部を有し、
前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に、前記撮像装置を前記取付対象物に取り付けるための取付手段を有し、
前記第二フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられ、
前記フレーム部と前記撮像装置取付部は前記第一フランジ部と前記第二フランジ部で連結される
ことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付具、取付部材、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
施工管理に撮像装置を用いる手法が知られている。例えば特開平6-165184号(以下、特許文献1とする)には、施工管理用の撮像装置が記載されている。施工管理に撮像装置を用いることで、施工管理者は遠隔地からでも工事の進捗状況を把握可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施工管理に用いられる撮像装置は作業の進捗に応じて様々な箇所に取り付けられうる。また、施工作業の終了に伴い取り外される。そのため、撮像装置を作業現場に取り付けるための取付具は、特許文献1に記載されているような大がかりな装置ではなく、取り付けや取り外しなどの作業性に優れていることが望ましい。
【0005】
本発明の一目的は、作業性に優れた撮像装置の取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一解決手段に係る取付具は、撮像装置を取付対象物に取り付けるための取付具であって、撮像装置保持部と、撮像装置取付部を有し、前記撮像装置保持部は、前記撮像装置を保持するフレーム部と、相対する第一フランジ部を有し、前記撮像装置取付部は、ウェブ部と、相対する第二フランジ部を有し、前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に、前記撮像装置を前記取付対象物に取り付けるための取付手段を有し、前記第二フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられ、前記撮像装置保持部と前記撮像装置取付部は前記第一フランジ部と前記第二フランジ部で連結されることを一特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一解決手段によれば、撮像装置を用いた作業の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一実施形態に係る取付具10が有する撮像装置保持部20の正面図である。
【
図2】撮像装置100に装着された撮像装置保持部20の正面図である。
【
図3】
図2に示す撮像装置保持部20の右側面図である。
【
図4】
図2に示す撮像装置保持部20の底面図である。
【
図5】
図2に示す撮像装置保持部20の背面図である。
【
図6】取付具10が有する撮像装置取付部40の正面図である。
【
図7】
図6に示す撮像装置取付部40の右側面図である。
【
図8】
図6に示す撮像装置取付部40の平面図である。
【
図9】
図6に示す撮像装置取付部40の底面図である。
【
図10】取付具10を用いて撮像装置100を取付対象物Bに取り付けた状態を示す図である。
【
図11】第二実施形態に係る取付具10Aが有する第一形材61の正面図である。
【
図14】
図10に示す第一形材61が有する図爪部66の拡大図である。
【
図15】取付具10Aが有する第二形材71の正面図である。
【
図18】取付具10Aを用いて撮影装置100を取付対象物Bに取り付けた状態を示す図である。
【
図19】第一形材61の変形例である第一形材61Aを示す図である。
【
図20】フランジ部28を備えた撮影装置100Aの一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらは互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0010】
(第一実施形態)
図面をもとに本発明の第一実施形態について説明する。取付具10は、撮像装置保持部20と、撮像装置取付部40を有する。取付具10は撮像装置100を取付対象物Bに取り付けることができる。
【0011】
(撮像装置100)
図1は取付具10が有する撮像装置保持部20の正面図である。
図2は撮像装置100に装着された撮像装置保持部20の正面図、
図3は右側面図、
図4は底面図、
図5は背面図である。撮像装置100は撮像部101と筐体102を有する。撮像部101は周囲の被写体を撮像することができる。筐体102は撮像部101の動作を統括する制御部を収容している。なお、撮像部101はドーム型に限定されるものではなく、例えば砲弾型であってもよい。
【0012】
(撮像装置保持部20)
撮像装置保持部20は、フレーム部21と、一対の立ち上がり部23と、ブラケット25を有する。フレーム部21は撮像部101を保持する筐体である。フレーム部21は主面30と、相対する一対の立ち上がり部23を有する。
図1に示すように、主面30は開口部22を有する。本実施形態においては、立ち上がり部23は四角形状の主面30における一組の対辺において立ち上げられる。
図4に示すように、立ち上がり部23は開口部24を有していてもよい。
【0013】
立ち上がり部23にはブラケット25が固定される。ブラケット25は撮像装置保持部20に複数設けられてもよい。例えば撮像装置保持部20の底面と背面に設けられてもよい。ブラケット25を撮像装置保持部20の背面に設ける場合、ブラケット25は相対する立ち上がり部23に渡し架けられる。本実施形態においては、撮像装置保持部20の背面に設けられたブラケット25をブラケット25―1、撮像装置保持部20の底面に設けられたブラケット25をブラケット25-2として説明する。ブラケット25の固定には、例えばボルト26を用いることができる。立ち上がり部23にブラケット25を固定しやすいよう、立ち上がり部23の一端を曲げ、立ち上がり部23に渡し架けられるブラケット25と平行な面を立ち上がり部23に形成してもよい。
【0014】
ブラケット25はC型(コの字型)鋼状の形材であり、ウェブ部27と一対のフランジ部28を有する。フランジ部28にはボルト孔29が設けられる。
【0015】
(撮像装置取付部40)
図6は撮像装置取付部40の正面図、
図7は右側面図、
図8は平面図、
図9は底面図である。撮像装置取付部40はブラケット41を有する。ブラケット41はC型鋼状の形材であり、ウェブ部42と、そのウェブ部42から立ち上げられた一対のフランジ部43を有する。フランジ部43にはボルト孔44が設けられる。ボルト孔44は、フランジ部28のボルト孔29と対応する大きさおよび位置に設けられる。
【0016】
撮像装置取付部40は、撮像装置100を取付対象物Bに取り付けるための手段として磁石部45を有する。磁石部45はブラケット41のウェブ部42に固定される。磁石部45は例えば接着剤やボルトによりウェブ部42に固定される。本実施形態においては、磁石部45はボルト48を介してウェブ部42に固定される。磁石部45はフェライト磁石やネオジウム磁石などの永久磁石を有する。撮像装置取付部40は磁石部45により取付対象物Bに着脱可能に取り付けられる。取付対象物Bとしては、例えば建設中の建物の鉄骨柱や梁が想定される。
【0017】
磁石部45はスイッチ46を備えていてもよい。スイッチ46の操作により撮像装置取付部40を取付対象物Bから取り外し可能としてもよい。磁石部45はスイッチ46の操作により電磁石への通電を制御可能な構成であってもよいし、スイッチ46の操作により磁力の流れを制御可能な構成であってもよい。磁石部45にスイッチ46を設けることで、スイッチ46の操作により撮像装置取付部40を取付対象物Bから容易に取り外すことができる。
【0018】
磁石部45はウェブ部42に複数設けられてもよいし、1つのみ設けられてもよい。本実施形態においては、磁石部45をウェブ部42の長手方向の両端に設けるものとして説明する。
【0019】
ボルト48を用いて磁石部45をウェブ部42に取り付ける場合、ボルト48の締結に伴い磁石部45が回転してしまわないよう、ウェブ部42の下面側(フランジ部43が立ち上げられていない側)にウェブ部42に対して垂直に立ち上がる回転止め49を設けるとよい。これにより、磁石部45を所望の向きで取り付けることができる。回転止め49は例えばコの字型の部材として形成し、ボルトなどを介してウェブ部42に取り付けるとよい。
【0020】
(取り付け方法)
取付具10を用いて撮像装置100を取付対象物Bに取り付ける方法について説明する。
図10は取付具10を用いて撮像装置100を取付対象物Bに取り付けた状態を示す図である。以下では、取付対象物Bが建設中の建物の鉄骨柱であるものとして説明する。
【0021】
作業者は、まず、撮像装置100に撮像装置保持部20を装着する。撮像装置保持部20の主面30と立ち上がり部23の間に筐体102を置き、主面30の前面に撮像部101を取り付ける。筐体102内の制御部と撮像部101を接続するケーブルは開口部22に通される。筐体102はボルトなどで主面30や立ち上がり部23に固定してもよい。
【0022】
次に、作業者は、撮像装置取付部40と撮像装置保持部20を連結させる。撮像装置保持部20のブラケット25に撮像装置取付部40のブラケット41をかぶせ、ボルト孔29とボルト孔44を合わせる。ボルト孔29とボルト孔44にボルト47を挿通することで、撮像装置取付部40と撮像装置保持部20を連結させる。
【0023】
次に、作業者は、撮像装置100が取り付けられた撮像装置取付部40を取付対象物Bである鉄骨柱に当てる。磁石部45がスイッチ46を備える場合には、スイッチ46を操作する。すると、磁石部45の吸着力により、撮像装置取付部40は鉄骨柱に取り付けられる。こうして撮像装置100は鉄骨柱すなわち取付対象物Bに取り付けられる。
【0024】
撮像装置100を鉄骨柱から取り外す際は、磁石部45を鉄骨柱から引きはがすのに十分な力を撮像装置100に与えればよい。磁石部45がスイッチ46を備える場合には、スイッチ46を操作し、撮像装置取付部40を取付対象物Bから離脱させればよい。
【0025】
(効果)
取付具10の作用効果を説明する。取付具10を介して取付対象物Bに取り付けられた撮像装置100は、道具などを用いずに取付対象物Bから取り外すことができる。すなわち、取付具10を用いることで、撮像装置100を取付対象物Bから容易に取り外すことができる。そのため、取付具10は作業性に優れている。
【0026】
撮影装置100がドーム型カメラである場合、
図10に示すように、撮影装置100および撮像装置保持部20を鉄柱である取付対象物Bに対して垂直な姿勢で取り付けることで、撮像装置100の視野範囲を広く確保することができる。こうした取り付け姿勢では、撮像装置保持部20の背面にあるブラケット25-1が撮像装置100と撮像装置保持部20の荷重を受け、撮像装置保持部20にかかるたわみを小さくすることができる。
【0027】
なお、撮像装置100が砲弾型カメラである場合、撮影装置100および撮像装置保持部20を鉄柱である取付対象物Bに対して平行な姿勢で取り付けることで、撮像装置100の視野範囲を広く確保することができる。この場合、ブラケット25―1が撮像装置取付部40と連結される。また、ドーム型カメラである撮像装置100を建築物の梁に取り付ける場合にも、ブラケット25―1が撮像装置取付部40と連結される。
【0028】
このようにして、取付具10は撮像装置100の姿勢や取り付け位置を問わず撮像装置100を取付対象物Bに取り付けることができ、作業性に優れている。建築物の梁のような作業性の悪い箇所に撮像装置100を取り付ける場合にも取付具10は好適である。
【0029】
ブラケット25―1とブラケット25―2をL字状の受け金具31で連結してもよい。受け金具31は、撮像装置100が取付対象物Bに対して垂直に取り付けられる場合であっても並行に取り付けられる場合であっても撮像装置保持部20にかかるたわみを小さくすることができる。
【0030】
ブラケット25-1のフランジ部28に長孔32を設け、長孔32にワイヤーなどの紐状部材を通して梁などに括り付けることで、取付対象物Bに取り付けられた撮像装置100を支持可能にしてもよい。ブラケット25―1とブラケット25―2のいずれについても、長孔33を設け、ホースバンドのような連結具を用いて取付対象物Bと撮像装置保持部20を連結可能としてもよい。このようにして、撮像装置保持部20のブラケット25は拡張性に優れ、取付具10の作業性の良さに貢献している。
【0031】
撮像装置保持部20と撮像装置取付部40は、ボルト47を通して容易に連結させることができる。ボルト47はブラケット25とブラケット41の側面から通されるため、撮像装置100に撮像装置保持部20を装着した後であっても撮像装置取付部40を取り付けやすく、作業性に優れている。また、ボルト47が撮像装置100に対して突き立てられないため、撮像装置100の筐体102がボルト47で傷付くおそれがない。
【0032】
撮像装置保持部20は立ち上がり部23に開口部24を設けることで、軽量化される。また、撮像装置保持部20はブラケット25が中実材でないぶん軽量である。撮像装置保持部20の背面に主面30のような板材を設けず、立ち上がり部23にブラケット25を渡しかけることでも軽量化を図っている。撮像装置取付部40もブラケット41が中実材でないぶん軽量である。
【0033】
このような工夫により、撮像装置保持部20や撮像装置取付部40を装着した撮像装置100は高い位置に持ち上げやすく、取付対象物Bの高い位置にも取りつけやすい。このようにして、取付具10は作業性に優れている。
【0034】
撮像装置保持部20と撮像装置取付部40はフランジ部43とフランジ部28で連結されているため、そのぶん磁石部45の吸着面から撮像装置100の間の距離が広い。そのため、撮像装置100を取付対象物Bから取り外す際に、取り外すための力の作用点と磁石部45の吸着面の間の距離を広く確保することができる。てこの原理により、撮像装置取付部40を容易に取り外すことができる。
【0035】
また、磁石部45をウェブ部42の長手方向の両端部に設けることで、撮像装置100の制御部を収容する筐体102と磁石部45の距離を保つことができる。同様に、撮像装置保持部20と撮像装置取付部40をフランジ部43とフランジ部28で連結されることで、そのぶん筐体102と磁石部45の距離を広く保つことができる。これにより、磁石部45によって生じる磁場の撮像装置100への干渉が防止される。
【0036】
また、磁石部45をウェブ部42の長手方向の両端部に設けることで、梁や貫などの横架材が突出した部分を跨ぐようにして撮像装置100を取付対象物Bに取り付け可能となる。この際、ブラケット41と磁石部45の間に板状や円筒状の部材を介在させることで、横架材の高さに合わせて撮像装置取付部40の高さを調整することができる。このようにして、取付具10は多様な取付対象物Bに取り付け可能であり、作業性に優れている。
【0037】
なお、撮像装置取付部40における撮像装置100を取付対象物Bに取り付けるための手段は、磁石でなく単管クランプなどであってもよい。撮像装置100を取付対象物Bに取り付けるための手段は取付対象物Bの形状や材質に合わせて適宜変更可能である。
【0038】
(第二実施形態)
図面をもとに本発明の第二実施形態について説明する。取付具10Aは、撮像装置保持部20と、撮像装置取付部60を有する。取付具10Aは撮像装置100を取付対象物Bに取り付けることができる。
【0039】
(撮像装置取付部60)
撮像装置取付部60は第一形材61を有する。
図11は取付具10Aが有する第一形材61の正面図、
図12は右側面図、
図13は平面図である。第一形材61はウェブ部62と、ウェブ部62から立ち上げられたフランジ部64と、ウェブ部62から延出する爪部66を有する。
【0040】
フランジ部64はボルト孔65を有する。ボルト孔65は、撮像装置保持部20におけるフランジ部28のボルト孔29と対応する大きさおよび位置に設けられる。
【0041】
第一形材61は、撮像装置100を取付対象物Bに取り付けるための手段として爪部66を有する。
図14は爪部66の拡大図である。爪部66は、ウェブ部62におけるフランジ部64が立ち上げられている側の反対側に突出している。爪部66はウェブ部62の長手方向の両端に設けられる。爪部66は接続部67と係合片68を有する。接続部67はウェブ部62におけるフランジ部64が立ち上げられている側の反対側に屈曲している。接続部67はウェブ部62から延出しており、ウェブ部62と係合片68を接続している。第一形材61の側面視で、ウェブ部62と係合片68の間には間隔Sが設けられている。間隔Sは後述する第二形材71のウェブ部72の板厚以上となるよう確保される。係合片68はウェブ部62の長手方向の一方側に突出している。複数設けられる爪部66の係合片68は、いずれも同じ方向へ突出している。
【0042】
撮像装置取付部60は第二形材71を有する。
図15は第二形材71の正面図、
図16は右側面図、
図17は平面図である。第二形材71はウェブ部72と、ウェブ部72から立ち上げられた一対のフランジ部73を有する。ウェブ部72はボルト孔80を有する。フランジ部73は立ち上がり部74と羽根部75と屈曲部76を有する。立ち上がり部74と羽根部75は屈曲部76により接続されている。フランジ部73は屈曲部76で屈曲し、それぞれ拡開している。立ち上がり部74はウェブ部72に対して略垂直になるよう設けられる。羽根部75はウェブ部72に対して略平行になるよう設けられる。立ち上がり部74は係合片68の高さH以上の高さを有する。
【0043】
羽根部75は溝部77を有する。溝部77は羽根部75に設けられた孔である。溝部77は大きさの異なる大溝部78と小溝部79を有していてもよい。小溝部79は係合片68の板圧以上の幅を有する。大溝部78は小溝部79より広い幅を有する。
【0044】
(取り付け方法)
取付具10Aを用いて撮像装置100を取付対象物Bに取り付ける方法について説明する。
図18は撮像装置10Aを用いて撮像装置100を取付対象物Bに取り付けた状態を示す図である。以下では、取付対象物Bが建設中の建物の鉄骨柱であるものとして説明する。
【0045】
作業者は、まず、撮像装置100に撮像装置保持部20を装着する。撮像装置100に撮像装置保持部20を取り付ける方法は第一実施形態と同様のため省略する。
【0046】
次に、作業者は、撮像装置取付部60と撮像装置保持部20を連結させる。撮像装置保持部20のブラケット25に撮像装置取付部60のブラケット61をかぶせ、ボルト孔29とボルト孔65を合わせる。ボルト孔29とボルト孔65にボルト47を挿通することで、撮像装置取付部60と撮像装置保持部20を連結させる。撮像装置取付部60の孔44と撮像装置保持部20の孔29を合わせ、ボルト47を挿通し、適宜ナットで固定することで、撮像装置取付部60と撮像装置保持部20を連結させる。
【0047】
次に、作業者は、第二形材71を取付対象物Bに取り付ける。取付対象物Bである鉄骨柱に第二形材71を当て、ウェブ部72のボルト孔80にボルトを打ち、第二形材71を取付対象物Bに固定する。
【0048】
次に、作業者は、撮像装置100を持ち上げ、第一形材61の爪部66を第二形材71の溝部77に引っ掛ける。各係合片68を大溝部78に通し、その後小溝部79に嵌め込む。これにより、撮像装置100は取付対象物Bに取り付けられる。
【0049】
撮像装置100を鉄骨柱から取り外す際は、撮像装置100を持ち上げ、各係合片68を小溝部79から外し、大溝部78から抜く。このようにして、他の道具などを用いずに撮像装置100を取付対象物Bから取り外すことができる。
【0050】
撮像装置100を取付対象物Bから取り外すときに、必要に応じて第二形材71も取付対象物Bから取り外してもよい。取付対象物Bが作業用の足場などである場合、撤収時に第二形材71は必ずしも取り外す必要はない。悪天候などの理由により一時的に撮像装置100を取り外す際も第二形材71は取付対象物Bに取り付けたままでよい。第二形材71は次回使用するときのために取付対象物Bに取り付けたままでもよい。第一形材61も撮像装置保持部20に取り付けたままであってもよい。
【0051】
(効果)
取付具10Aの作用効果を説明する。取付具10Aを介して取付対象物Bに取り付けられた撮像装置100は、道具などを用いずに取付対象物Bから取り外すことができる。すなわち、取付具10Aを用いることで、撮像装置100を取付対象物Bから容易に取り外すことができる。撮像装置100は第一形材61を介して第二形材71に引っ掛けられ、取付対象物Bに取り付けられる。撮像装置100を持ち上げることで、撮像装置100を容易に取付対象物Bから取り外すことができる。そのため、取付具10Aは作業性に優れている。
【0052】
撮像装置取付部60は取付対象物Bへの固定に磁石を用いないため、取付対象物Bが十分な厚みのある鉄材でなくても取り付け可能である。このため、撮像装置取付部60は例えば軽量鉄骨造の建築物に用いるのに好適である。
【0053】
図18に示すように、第二形材71の立ち上がり部74を係合片68の長さLと同等の長さとすることで、撮像装置100を取付対象物Bに取り付けた際、係合片68が取付対象物Bに当接する。これにより、撮像装置100を取り付けた際の撮像装置100のがたつきや振動が抑制される。
【0054】
溝部77に大溝部78を設けることで、係合片68を通しやすく、また抜き取りやすくすることができる。これにより、撮像装置100は第二形材71に容易に脱着可能となる。また、溝部77に幅の狭い小溝部79を設けることで、撮像装置100を取付対象物Bに取り付けた際に撮像装置100の振動を抑制することができる。
【0055】
地震などの要因で撮像装置100が浮き上がり、第一形材61と第二形材71のはまり合いが解除されないよう、止め具を設けてもよい。例えば、
図19に示す第一形材61Aのように、第一形材61のウェブ部62にボルト孔90を設け、ボルトを第二形材71のウェブ部72に突き立てると、ボルトが止め具となり、第一形材61と第二形材71の解除を防止できる。ウェブ部72側にも孔を設け、ボルトが引っかかるようにしてもよい。
【0056】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0057】
ブラケット25やブラケット41の材質は必ずしも金属でなくてもよい。木やアルミ、プラスチックなど、撮像装置100の重量を支えられる他の材質からも選択可能である。第一形材61や第二形材71などについても同様である。
【0058】
前記した実施形態では撮像装置保持部20と撮像装置取付部40の連結や撮像装置保持部20と第一形材61の連結にはボルトを用いるものとして説明したが、これらは他の方法により連結してもよい。例えば爪と溝の嵌合構造や引っ掛け構造により連結されてもよい。
【0059】
前記した実施形態では撮像装置100と撮像装置保持部20を別個の物として説明したが、撮像装置100と撮像装置保持部20は一体であってもよい。フレーム部21は撮像装置100の筐体102であってもよい。
図20はフランジ部28を備えた撮像装置100Aの一例である。こうした撮像装置100を用いて、撮像装置取付部40や撮像装置取付部60を筐体102に取り付け可能としてもよい。
【0060】
施工管理用でない撮影装置にも本発明に係る取付具を用いることができる。資材置き場や畑を監視するための撮影装置に取付具10や取付具10Aを用いてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 取付具
20 撮像装置保持部
21 フレーム部
23 立ち上がり部
25 ブラケット
27 ウェブ部
28 フランジ部
40 撮像装置取付部
42 ウェブ部
43 フランジ部
45 磁石部
60 撮像装置取付部
61 第一形材
62 ウェブ部
64 フランジ部
66 爪部
71 第二形材
77 溝部
100 撮影装置
101 撮像部
102 筐体
【要約】
【課題】作業性に優れた撮像装置の取付具を提供する
【解決手段】
一解決手段に係る取付具は、撮像装置を取付対象物に取り付けるための取付具であって、撮像装置保持部と、撮像装置取付部を有し、前記撮像装置保持部は、前記撮像装置を保持するフレーム部と、相対する第一フランジ部を有し、前記撮像装置取付部は、ウェブ部と、相対する第二フランジ部を有し、前記ウェブ部は、前記ウェブ部の下面側で、かつ該ウェブ部の長手方向両端部近傍付近に、前記撮像装置を前記取付対象物に取り付けるための取付手段を有し、前記第二フランジ部は、前記ウェブ部の上面側に立ち上げられ、前記撮像装置保持部と前記撮像装置取付部は前記第一フランジ部と前記第二フランジ部で連結されることを一特徴とする。
【選択図】
図10