(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】加熱要素
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20241223BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20241223BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20241223BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20241223BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/10
A24F40/44
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2019566774
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 US2019056343
(87)【国際公開番号】W WO2020081569
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523071097
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JUUL Labs, Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 F Street NW, Washington DC, 20004, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アリエル・アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・エル・ベリスル
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・クリステンセン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・エム・フーパイ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジョセフ・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・キング
(72)【発明者】
【氏名】エステバン・レオン・デューク
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ライオス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェイ・ロッサー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジェイ・ストラットン
(72)【発明者】
【氏名】アリム・サワー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・ピー・ウェストリー
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/020037(WO,A1)
【文献】特表2013-516159(JP,A)
【文献】特表2016-511008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/10
A24F 40/44
A24F 40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化性材料を含むリザーバと、前記リザーバと流体連通するウィッキング要素とを備える気化装置の加熱要素であって、前記加熱要素は、
互いに離間した少なくとも2つの歯部を含む加熱部であって、前記加熱部は、前記加熱部が前記ウィッキング要素の少なくとも一部を前記加熱要素に固定できるように前記ウィッキング要素を受けるように構成された内部容積を画定するために事前に形成され、前記加熱部は前記ウィッキング要素の少なくとも2つの別個の表面に接触するように構成される、加熱部と、
前記少なくとも2つの歯部に結合され、前記加熱部から離間した少なくとも2つの脚部とを含み、前記少なくとも2つの脚部は電源と電気通信するように構成され、
電力は前記電源から前記加熱部に供給されて熱を発生するように構成され、それにより、前記ウィッキング要素内に格納された前記気化性材料を気化させ、
前記少なくとも2つの歯部は、
第1の側歯部部分と、
前記第1の側歯部部分に対向する第2の側歯部部分と、
前記第1の側歯部部分を前記第2の側歯部部分に接続するプラットフォーム歯部部分とを含み、
前記少なくとも2つの歯部のそれぞれは、前記第1の側歯部部分及び前記第2の側歯部部分のそれぞれの端部で所定の角度でブリッジに接続しており、前記少なくとも2つの脚部のそれぞれは、前記気化性材料のオーバーフローを前記加熱部から低減または排除できるように、前記ブリッジによって前記加熱部から離間して配置される、加熱要素。
【請求項2】
前記少なくとも2つの脚部は4つの脚部を含む、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項3】
前記加熱部は、前記ウィッキング要素の少なくとも3つの別個の表面に接触するように構成される、請求項2に記載の加熱要素。
【請求項4】
前記プラットフォーム歯部部分は、前記第1の側歯部部分および前記第2の側歯部部分の一部に対して略垂直に配置され、
前記第1の側歯部部分、前記第2の側歯部部分、および前記プラットフォーム歯部部分は、前記ウィッキング要素が配置される前記内部容積を画定する、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項5】
前記少なくとも2つの脚部のそれぞれは前記少なくとも2つの脚部のそれぞれの端部に配置されたカートリッジ接点を含み、前記カートリッジ接点は前記電源と電気通信するように構成され、前記カートリッジ接点は、角度が付けられ、前記加熱部から離れて延びる、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項6】
前記少なくとも2つの歯部は、歯部の第1の対と歯部の第2の対とを含む、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項7】
前記歯部の第1の対の前記歯部は、互いに等間隔に配置される、請求項6に記載の加熱要素。
【請求項8】
前記歯部の第1の対の前記歯部は、幅の分だけ離間している、請求項6に記載の加熱要素。
【請求項9】
前記プラットフォーム歯部部分に隣接する前記加熱要素の内側領域の幅は、前記内側領域の反対側の前記第1の側歯部部分の外縁に隣接する前記加熱要素の外側領域の幅よりも大きい、請求項8に記載の加熱要素。
【請求項10】
前記気化装置は、前記加熱要素の温度を制御するために、前記4つの脚部のそれぞれで前記加熱要素の抵抗を測定するように構成される、請求項2に記載の加熱要素。
【請求項11】
前記加熱部を前記気化装置の本体から断熱するように構成された熱シールドをさらに備える、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項12】
前記気化装置は、前記加熱要素の少なくとも一部を取り囲むように構成され、かつ前記ウィッキング要素および前記加熱要素の少なくとも一部を取り囲むように構成されたウィックハウジングの本体から前記加熱部を断熱するように構成された熱シールドをさらに備える、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項13】
前記加熱部は、前記加熱部と前記少なくとも2つの脚部との間で折り畳まれて、前記加熱部を前記少なくとも2つの脚部から断熱する、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項14】
前記加熱部は、前記少なくとも2つの歯部の側面から延びる少なくとも1つのタブをさらに含み、前記ウィッキング要素が前記加熱部の前記内部容積に容易に進入できるようにする、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項15】
前記少なくとも1つのタブは、角度をなして前記内部容積から離れて延びる、請求項14に記載の加熱要素。
【請求項16】
前記少なくとも2つの脚部は毛細管機構を含み、前記毛細管機構は毛細管圧力の急激な変化を引き起こし、それにより前記気化性材料が前記毛細管機構を越えて流れるのを防ぐ、請求項1に記載の加熱要素。
【請求項17】
前記毛細管機構は、前記少なくとも2つの脚部に1つ以上の屈曲部を含む、請求項16に記載の加熱要素。
【請求項18】
前記少なくとも2つの脚部は、前記加熱部の前記内部容積に向かって角度をなして延び、前記角度のある少なくとも2つの脚部は、前記毛細管機構を画定する、請求項16に記載の加熱要素。
【請求項19】
気化装置であって、
気化性材料を含むリザーバと、
前記リザーバと流体連通するウィッキング要素と、
加熱要素とを含み、前記加熱要素は、
互いに離間した少なくとも2つの歯部を含む加熱部であって、前記加熱部は、前記加熱部が前記ウィッキング要素の少なくとも一部を前記加熱要素に固定できるように前記ウィッキング要素を受けるように構成された内部容積を画定するために事前に形成され、前記加熱部は前記ウィッキング要素の少なくとも2つの別個の表面に接触するように構成される、加熱部と、
前記少なくとも2つの歯部に結合され、前記加熱部から離間した少なくとも2つの脚部とを含み、前記少なくとも2つの脚部は電源と電気通信するように構成され、
電力は前記電源から前記加熱部に供給されて熱を発生するように構成され、それにより、前記ウィッキング要素内に格納された前記気化性材料を気化させ、
前記少なくとも2つの歯部は、
第1の側歯部部分と、
前記第1の側歯部部分に対向する第2の側歯部部分と、
前記第1の側歯部部分を前記第2の側歯部部分に接続するプラットフォーム歯部部分とを含み、
前記少なくとも2つの歯部のそれぞれは、前記第1の側歯部部分及び前記第2の側歯部部分のそれぞれの端部で所定の角度でブリッジに接続しており、前記少なくとも2つの脚部のそれぞれは、前記気化性材料のオーバーフローを前記加熱部から低減または排除できるように、前記ブリッジによって前記加熱部から離間して配置される、気化装置。
【請求項20】
前記少なくとも2つの脚部は4つの脚部を含む、請求項19に記載の気化装置。
【請求項21】
前記加熱部は、前記ウィッキング要素の少なくとも3つの別個の表面に接触するように構成される、請求項19に記載の気化装置。
【請求項22】
前記プラットフォーム歯部部分は、前記第1の側歯部部分および前記第2の側歯部部分の一部に対して略垂直に配置され、
前記第1の側歯部部分、前記第2の側歯部部分、および前記プラットフォーム歯部部分は、前記ウィッキング要素が配置される前記内部容積を画定する、請求項19に記載の気化装置。
【請求項23】
前記少なくとも2つの脚部のそれぞれは前記少なくとも2つの脚部のそれぞれの端部に配置されたカートリッジ接点を含み、前記カートリッジ接点は前記電源と電気通信するように構成され、前記カートリッジ接点は、角度が付けられ、前記加熱要素から離れて延びる、請求項19に記載の気化装置。
【請求項24】
前記少なくとも2つの歯部は、歯部の第1の対と歯部の第2の対とを含む、請求項19に記載の気化装置。
【請求項25】
前記歯部の第1の対の前記歯部は、互いに等間隔に配置される、請求項24に記載の気化装置。
【請求項26】
前記歯部の第1の対の前記歯部が幅の分だけ離間しており、前記プラットフォーム歯部部分に隣接する前記加熱要素の内側領域の幅は、前記内側領域の反対側の前記第1の側歯部部分の外縁に隣接する前記加熱要素の外側領域の幅よりも大きい、請求項24に記載の気化装置。
【請求項27】
気化装置用のアトマイザアセンブリを形成する方法であって、
ウィッキング要素を加熱要素の内部容積に固定するステップであって、前記加熱要素は、
互いに離間した少なくとも2つの歯部を含む加熱部と、
前記加熱部から離間した少なくとも2つの脚部とを含み、前記脚部は、前記気化装置の電源と電気通信するように構成され、
前記加熱部は、前記ウィッキング要素の少なくとも2つの表面に接触するように構成される、ステップと、
前記加熱要素を、前記ウィッキング要素および前記加熱要素の少なくとも一部を囲むように構成されたウィックハウジングに結合するステップとを含み、
前記少なくとも2つの歯部は、
第1の側歯部部分と、
前記第1の側歯部部分に対向する第2の側歯部部分と、
前記第1の側歯部部分を前記第2の側歯部部分に接続するプラットフォーム歯部部分とを含み、
前記少なくとも2つの歯部のそれぞれは、前記第1の側歯部部分及び前記第2の側歯部部分のそれぞれの端部で所定の角度でブリッジに接続しており、前記少なくとも2つの脚部のそれぞれは、
前記ウィッキング要素内に格納された気化性材料のオーバーフローを前記加熱部から低減または排除できるように、前記ブリッジによって前記加熱部から離間して配置される、方法。
【請求項28】
前記固定するステップは、前記ウィッキング要素を前記加熱要素の前記内部容積に滑り込ませるステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2019年10月9日に提出された「加熱要素」と題する米国仮出願第62/913,135号、2018年10月15日に提出された「加熱要素」と題する米国仮出願第62/745,589号、2019年2月28日に提出された「気化装置のカートリッジ」と題する米国仮出願第62/812,161号、および2018年10月17日に提出された「気化装置内のウィック供給装置および加熱要素」と題する米国仮出願第62/747,099号の優先権を主張し、それぞれの全体を、許可されている範囲で参照により本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本明細書で説明する発明は、気化装置用の加熱要素を含む気化装置に関する。
【背景技術】
【0003】
気化装置、または電子気化装置と呼ばれる気化装置は、気化装置のユーザによるエアロゾルの吸入によって、一つ以上の活性成分を含むエアロゾル(または「蒸気」)の送達に使用できる。例えば、電子ニコチン送達システム(ENDS)には、バッテリ駆動で、喫煙体験を模倣するために使用できるが、タバコや他の物質を燃焼させない類いの気化装置が含まれる。
【0004】
気化装置の使用中、ユーザは、液体、溶液、固体、ワックス、または特定の気化装置での使用に適合し得る他の任意の形態であり得る気化性材料を気化させる(例えば、液体または固体を少なくとも部分的に気相に移行させる)加熱要素によって生成される、一般に蒸気と呼ばれるエアロゾルを吸入する。気化装置とともに使用される気化性材料は、(例えば、ユーザによる吸入のための)マウスピースを含むカートリッジ(例えば、リザーバに気化性材料を含む気化装置の分離可能な部分)内に提供され得る。
【0005】
気化装置によって生成された吸入可能なエアロゾルを受け取るために、ユーザは、特定の例では、パフする、ボタンを押す、または他のアプローチによって気化装置を作動させることができる。パフとは、この用語が一般的に使用されている(そして本明細書でも使用されている)が、気化した気化性材料と空気の組み合わせによって吸入可能なエアロゾルが生成されるように、気化装置に大量の空気を引き込む方法でのユーザによる吸入を指す。
【0006】
気化装置が気化性材料から吸入可能なエアロゾルを生成する典型的なアプローチは、気化性材料を気化室(または加熱室)で加熱して、気化性材料を気(または蒸気)相に変換することを伴う。気化室とは一般に、気化装置内の領域または容積を指し、その中で熱源(例えば、導電、対流、および/または放射)が気化性材料を加熱し、空気と気化した気化性材料との混合物を生成し、気化装置のユーザによる吸入用の蒸気を形成する。
【0007】
本発明と一致する本明細書で使用する気化装置という用語は、一般に、個人使用に便利な携帯可能な内蔵型装置を指す。通常、このような装置は、気化装置の1つ以上のスイッチ、ボタン、タッチ感応装置、またはその他のユーザ入力機能など(一般にコントロールと呼ばれる)によって制御されるが、最近では、外部コントローラ(スマートフォン、スマートウォッチ、他のウェアラブル電子装置など)で無線通信できる多数の装置が利用可能になっている。この文脈でのコントロールとは、一般に、1つ以上の様々な動作パラメータに影響を与える能力を指し、これには、ヒータのオン/オフ、動作中にヒータが加熱される最低および/または最高温度の調整、ユーザが装置でアクセスする可能性のある様々なゲームまたは他のインタラクティブ機能、および/または他の操作などが含まれるが、これらに限定されない。
【0008】
様々な内容物およびそのような内容物を様々な割合で有する、様々な気化性材料をカートリッジに入れることができる。例えば、特定の活性成分の割合を必要とする規制などにより、気化性材料の一部は、気化性材料の総体積あたりの活性成分の割合が少ない場合がある。結果として、ユーザは、所望の効果を得るために、(例えば、カートリッジに格納できる気化性材料の全体積と比較して)大量の気化性材料を気化させる必要がある場合がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明の態様は、気化装置で使用するための加熱要素に関する。
【0010】
加熱要素は、加熱部と少なくとも2つの脚部とを含んでもよい。加熱部は、互いに離間した少なくとも2つの歯部を含むことができる。加熱部は、加熱部がウィッキング要素の少なくとも一部を加熱要素に固定するように、ウィッキング要素を受け入れるように構成された内部容積を画定するように事前に形成されてもよい。加熱部は、ウィッキング要素の少なくとも2つの別個の表面に接触するように構成されてもよい。少なくとも2つの脚部は、少なくとも2つの歯に結合され、加熱部から離間してもよい。少なくとも2つの脚部は、電源と電気通信するように構成されてもよい。電力は、電源から加熱部に供給されて熱を生成し、それにより、ウィッキング要素内に格納された気化性材料を気化させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの脚部は4つの脚部を含む。いくつかの実施形態では、加熱部は、ウィッキング要素の少なくとも3つの別個の表面に接触するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの歯は、第1の側歯部部分、第1の側歯部部分に対向する第2の側歯部部分、および第1の側歯部部分と第2の側歯部部分を接続するプラットフォーム歯部部分を含む。プラットフォーム歯部部分は、第1の側歯部部分および第2の側歯部部分の一部に対して略垂直に配置されてもよい。第1の側歯部部分、第2の側歯部部分、およびプラットフォーム歯部部分は、ウィッキング要素が配置される内部容積を画定する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの脚部は、ブリッジによって加熱部から離間して配置される。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの脚部のそれぞれは、少なくとも2つの脚部のそれぞれの端部に配置されたカートリッジ接点を含む。カートリッジ接点は、電源と電気通信できる。カートリッジ接点は、角度が付けられ、加熱部から離れて延びていてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの歯部は、歯部の第1の対と歯部の第2の対とを含む。いくつかの実施形態では、歯部の第1の対の歯部は、互いに等間隔に配置される。いくつかの実施形態では、歯部の第1の対の歯部は、幅の分だけ離間している。いくつかの実施形態では、プラットフォーム歯部部分に隣接する加熱要素の内側領域の幅は、内側領域の反対側の第1の側歯部部分の外縁に隣接する加熱要素の外側領域の幅よりも大きい。
【0015】
いくつかの実施形態では、気化装置は、加熱要素の温度を制御するために、4つの脚部のそれぞれで加熱要素の抵抗を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、加熱要素は、加熱部を気化装置の本体から断熱するように構成された熱シールドを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、気化装置は、加熱要素の少なくとも一部を取り囲むように構成され、かつウィッキング要素および加熱要素の少なくとも一部を取り囲むように構成されたウィックハウジングの本体から加熱部を断熱するように構成された熱シールドをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、加熱部は、加熱部と少なくとも2つの脚部との間で折り畳まれて、加熱部を少なくとも2つの脚部から断熱する。いくつかの実施形態では、加熱部は、少なくとも2つの歯部の側面から延びる少なくとも1つのタブをさらに含み、ウィッキング要素が加熱部の内部容積に容易に進入できるようにする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのタブは、角度をなして内部容積から離れて延びる。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの脚部は毛細管機構を含む。毛細管機構は、毛細管圧力の急激な変化を引き起こし、それによって気化性材料が毛細管機構を越えて流れるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、毛細管機構は、少なくとも2つの脚部に1つ以上の屈曲部を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの脚部は、加熱部の内部容積に向かって角度をなして延び、角度のある少なくとも2つの脚部は、毛細管機構を画定する。
【0019】
いくつかの実施形態では、気化装置は、気化性材料を含むリザーバ、リザーバと流体連通するウィッキング要素、および加熱要素を含む。加熱要素は、加熱部と少なくとも2つの脚部とを含む。加熱部は、互いに離間した少なくとも2つの歯部を含むことができる。加熱部は、加熱部がウィッキング要素の少なくとも一部を加熱要素に固定するように、ウィッキング要素を受け入れるように構成された内部容積を画定するように事前に形成されてもよい。加熱部は、ウィッキング要素の少なくとも2つの別個の表面に接触するように構成されてもよい。少なくとも2つの脚部は、少なくとも2つの歯部に結合され、加熱部から間隔を離間してもよい。少なくとも2つの脚部は、電源と電気通信するように構成されてもよい。電力は、電源から加熱部に供給されて熱を生成し、それにより、ウィッキング要素内に格納された気化性材料を気化させるように構成される。
【0020】
気化装置用のアトマイザアセンブリを形成する方法は、ウィッキング要素を加熱要素の内部容積に固定することを含み得る。加熱要素は、互いに離間した少なくとも2つの歯部を含む加熱部と、加熱部から離間した少なくとも2つの脚部とを含み得る。脚部は、気化装置の電源と電気通信するように構成されてもよい。加熱部は、ウィッキング要素の少なくとも2つの表面に接触するように構成される。この方法は、ウィッキング要素および加熱要素の少なくとも一部を囲むように構成されたウィックハウジングに加熱要素を結合することも含み得る。固定は、ウィッキング要素を加熱要素の内部容積に滑り込ませることも含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、気化装置は、一体的に形成され、互いに離間した1つ以上のヒータトレースを含む加熱部を含み、1つ以上のヒータトレースは、気化装置のウィッキング要素の少なくとも一部に接触するように構成され、そして気化装置は、電源から電力を受け取り、加熱部に電力を導くように構成された接続部と、加熱部の材料とは異なるめっき材料を有するめっき層とを含む。めっき層は、加熱要素と電源との間の接触抵抗を低減し、それにより加熱要素の加熱を加熱部に局所化するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本明細書で開示される発明の特定の態様を示し、説明とともに、開示される実施形態に関連する原理の一部を説明するのに役立つ。
【0023】
【
図1A】本発明の実施形態と一致する気化装置のブロック図を示す。
【
図1B】
図1Aの気化装置の実施形態の上面図を示し、気化装置本体から分離されたカートリッジを示す。
【
図1C】
図1Aの気化装置の実施形態の上面図を示し、気化装置本体に結合されたカートリッジを示す。
【
図1D】本発明の実施形態と一致する、カートリッジの実施形態の分解斜視図を示す。
【
図1E】本発明の実施形態と一致するカートリッジの実施形態の上面斜視図を示す。
【
図1F】本発明の実施形態と一致するカートリッジの実施形態の底面斜視図を示す。
【
図2】本発明の実施形態と一致する気化装置で使用するための加熱要素の概略図を示す。
【
図3】本発明の実施形態と一致する気化装置で使用するための加熱要素の概略図を示す。
【
図4】本発明の実施形態と一致する気化装置で使用するための加熱要素の概略図を示す。
【
図5】本発明の実施形態と一致する気化装置で使用するための気化装置カートリッジに配置された加熱要素の概略図を示す。
【
図6】本発明の実施形態と一致する加熱要素およびウィッキング要素を示す。
【
図7】本発明の実施形態と一致する加熱要素およびウィッキング要素を示す。
【
図8】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジ内に配置された加熱要素およびウィッキング要素を示す。
【
図9】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジ内に配置された加熱要素およびウィッキング要素を示す。
【
図10】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジ内に配置された加熱要素を示す。
【
図11】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図12】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図13】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図14】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図15】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図16】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図17】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図18】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図19】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図20】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図21】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図22】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図23】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図24】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図25】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素とウィッキング要素とを示す。
【
図26】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素とウィッキング要素とを示す。
【
図27】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素とウィッキング要素とを示す。
【
図28】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図29】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図30】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図31】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図32】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジの一部と結合された加熱要素を示す。
【
図33】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジ内に配置された加熱要素およびウィッキング要素を示す。
【
図34】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素を示す。
【
図35】本発明の実施形態と一致する部分的に屈曲状態にある加熱要素とウィッキング要素とを示す。
【
図36】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にあり、めっき部を有する加熱要素を示す。
【
図37】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にあり、めっき部を有する加熱要素を示す。
【
図38】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジ内に配置されためっき部分を有する加熱要素を示す。
【
図39】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図40】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の側面図を示す。
【
図41】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の正面図を示す。
【
図42】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素とウィッキング要素との斜視図を示す。
【
図43】本発明の実施形態と一致する気化装置カートリッジ内に配置された加熱要素を示す。
【
図44】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図45】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の側面図を示す。
【
図46】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の上面図を示す。
【
図47】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の正面図を示す。
【
図48】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図49】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の上面図を示す。
【
図50A】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図50B】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図51】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の側面図を示す。
【
図52】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の上面図を示す。
【
図53】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の正面図を示す。
【
図54A】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図54B】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図55A】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の上面図を示す。
【
図55B】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の上面図を示す。
【
図56】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの上面斜視図を示す。
【
図57】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの底面斜視図を示す。
【
図58】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの分解斜視図を示す。
【
図59】本発明の実施形態と一致する熱シールドの斜視図を示す。
【
図60A】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの側面断面図を示す。
【
図60B】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの別の側面断面図を示す。
【
図61】本発明の実施形態と一致する加熱要素を概略的に示す。
【
図62】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図63】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の側面図を示す。
【
図64】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の斜視図を示す。
【
図65】本発明の実施形態と一致する屈曲状態にある加熱要素の側面図を示す。
【
図66】本発明の実施形態と一致する加熱要素を備えた基板材料の上面図を示す。
【
図67】本発明の実施形態と一致する非屈曲状態にある加熱要素の上面図を示す。
【
図68A】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの上面斜視図を示す。
【
図68B】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリのウィックハウジングの一部の拡大図を示す。
【
図69】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの底面斜視図を示す。
【
図70】本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリの分解斜視図を示す。
【
図71A】本発明の実施形態と一致するアトマイザを組み立てるプロセスを示す。
【
図71B】本発明の実施形態と一致するアトマイザを組み立てるプロセスを示す。
【
図71C】本発明の実施形態と一致するアトマイザを組み立てるプロセスを示す。
【
図72A】本発明の実施形態と一致するアトマイザを組み立てるプロセスを示す。
【
図72B】本発明の実施形態と一致するアトマイザを組み立てるプロセスを示す。
【
図72C】本発明の実施形態と一致するアトマイザを組み立てるプロセスを示す。
【
図73】本発明の実施形態と一致する加熱要素を形成および実装する方法の特徴を示すプロセスフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態には、ユーザによる吸入のための1つ以上の物質の気化に関する装置が含まれる。本発明の実施形態と一致する気化装置の例には、電子気化装置、電子タバコ、eたばこなどが含まれる。
【0025】
気化装置で使用される気化性材料は、選択的にカートリッジ(例えば、リザーバまたは他の容器に気化性材料を含み、空の場合は補充可能、あるいは同じまたは異なる種類の追加の気化性材料を含む新しいカートリッジを選択して使い捨て可能である気化装置の一部)内に提供することができる。気化装置は、カートリッジを使用する気化装置、カートリッジがない気化装置、またはカートリッジの有無にかかわらず使用できる多目的気化装置であってもよい。例えば、多目的気化装置は、加熱室に直接気化性材料を受け入れるように、また、使用可能な量の気化性材料を少なくとも部分的に含むリザーバ、容積などを有するカートリッジまたは他の交換可能な装置を受け入れるように構成された加熱室(例えば、オーブン)を含むことができる。様々な実施形態において、気化装置は、液体気化性材料(例えば、活性成分および/または不活性成分が溶液に懸濁または保持されるキャリア溶液または気化性材料自体の原液形態)または固体気化性材料とともに使用するように構成され得る。本開示と一致するいくつかの気化装置は、固体と液体の両方の気化性材料で使用することができる。固体気化性材料は、気化性材料として植物材料の一部を放出する植物材料を含んでもよく(例えば、気化性材料がユーザによる吸入のために放出された後、植物材料の一部が廃棄物として残るように)、または、選択的に、吸入のためにすべての固体材料が最終的に気化できるように、気化性材料自体の固体形態(例えば「ワックス」)であってもよい。同様に、液体の気化性材料は、完全に気化させることができ、または、吸入に適した材料のすべてが消費された後に残る液体材料の一部を含むことができる。
【0026】
図1Aのブロック図を参照すると、気化装置10は通常、電源8(充電式電池であり得る電池など)、およびコントローラ19(例えば、ロジックを実行可能なプロセッサ、回路など)を含み、アトマイザ26(本明細書では「アトマイザアセンブリ」とも呼ばれる)への熱の送達を制御して、気化性材料を凝縮形態(例えば、固体、液体、溶液、懸濁液、少なくとも部分的に未処理の植物材料の一部など)から気相に変換させる。コントローラ19は、本発明の特定の実施形態と一致する1つ以上のプリント回路基板(PCB)の一部であってもよい。気化性材料を気相に変換した後、気化装置の種類、気化性材料の物理的および化学的特性、および/またはその他の要因に応じて、気相気化性材料の少なくとも一部が凝縮して、エアロゾルの一部として気相と少なくとも部分的に局所平衡状態にある微粒子状物質を形成することができ、この物質は、気化装置での所定のパフまたは吸入のために気化装置10によって提供される吸入可能用量の一部またはすべてを形成することができる。気化装置によって生成されたエアロゾルの気相と凝縮相との相互作用は、周囲温度、相対湿度、化学作用、空気流経路の流れ条件(気化装置内と人間または他の動物の気道の両方)、気相またはエアロゾル相の気化性材料と他の空気流との混合などの要素がエアロゾルの1つ以上の物理的パラメータに影響を与える可能性があるため、複雑で動的なものとなり得る。いくつかの気化装置、特により揮発性の高い気化性物質を送達する気化装置では、吸入可能な用量が主に気相で存在する場合がある(つまり、凝縮相粒子の形成が非常に制限される場合がある)。他の例では、逆の場合もある。
【0027】
液体の気化性材料(例えば、原液、懸濁液、溶液、混合物など)とともに使用する気化装置は、典型的にはアトマイザ26を含み、アトマイザの中でウィッキング要素(本明細書ではウィックとも呼ばれ(
図1Aに示さず)、毛細管圧力下でリザーバまたは流体格納構成要素から液体を引き出すことができる任意の構成要素(例えば、繊維ウィック、焼結材料、液体気化性材料によって濡れた表面間に狭いギャップまたはチャネルを有する構造))は、ある量の液体気化性材料を、加熱要素(やはり
図1Aに示さず)を含むアトマイザの一部に運ぶ。ウィッキング要素は、一般に、液体気化性材料が加熱要素から送達される熱によって気化できるように、液体気化性材料を含むように(そして使用中も含んでもよいように)構成されたリザーバから液体気化性材料を引き出すように構成される。ウィッキング要素はまた、選択的に、空気をリザーバに入れて、除去された液体の容積と置き換えてもよい。言い換えると、毛細管現象により液体気化性材料がウィックに引き込まれ、加熱要素(後述)による気化が行われ、また、本発明のいくつかの実施形態では、空気がウィックを介してリザーバに戻り、リザーバの圧力を少なくとも部分的に均等化することができる。しかし、気化性材料がリザーバから引き出されると、リザーバ内の圧力が低下し、それによって真空が生成され、毛細管現象に逆らって作用する。これにより、気化性材料をアトマイザに引き込むためのウィックの効力が低下し、それによって、ユーザが気化装置でパフするときなど、気化装置が気化性材料の所望の量を気化させる効率が低下する。さらに、リザーバ内に作られた真空により、最終的にすべての気化性材料をアトマイザに引き込めず、気化性材料を無駄にする可能性がある。したがって、これらの問題を改善または克服する改善された気化装置および/または気化カートリッジが望まれている。空気をリザーバに戻して圧力を均一にする他のアプローチも、本発明の範囲内である。
【0028】
加熱要素は、伝導ヒータ、放射ヒータ、および対流ヒータのうちの1つ以上であるか、それらを含むことができる。加熱要素の1つの種類は、抵抗加熱要素であり、抵抗加熱要素は、電流が加熱要素の1つ以上の抵抗セグメントを通過するときに熱の形で電力を放散するように構成された材料(例えば、ニッケルクロム合金などの金属若しくは合金、または非金属抵抗器)で構成され、または少なくとも含むことができる。本発明のいくつかの実施形態において、アトマイザは、抵抗コイルまたは他の加熱要素を含む加熱要素を含むことができ、加熱要素は、巻き付けられ、内部に配置され、バルク形状に組み込まれ、熱接触するように圧着され、または別の形でウィッキング要素に熱を送達し、ウィッキング要素によってリザーバから液体の気化性材料を引き出し、その後のユーザによる気体および/または凝縮(例えば、エアロゾル粒子または液滴)相の吸入のために気化させるように配置される。以下でさらに説明するように、他のウィッキング要素、加熱要素、および/またはアトマイザアセンブリ構成も可能である。例えば、本発明の実施形態と一致する加熱要素は、望ましくは、ウィッキング要素を受け入れるように形作られ、および/またはウィッキング要素の周りに少なくとも部分的にクリンプまたは圧着されてもよい。加熱要素は、加熱要素が加熱要素の少なくとも2つまたは3つの部分の間にウィッキング要素を固定するように構成されるように曲げられてもよい。加熱要素は、ウィッキング要素の少なくとも一部の形状に適合するように曲げられてもよい。加熱要素は、典型的な加熱要素よりも容易に製造可能であり得る。本発明の実施形態と一致する加熱要素は、抵抗加熱に適した導電性金属で作られてもよく、いくつかの実施形態では、加熱要素は、加熱要素(したがって、気化性材料)をより効率的に加熱できるようにするために、別の材料の選択的めっきを含んでもよい。
【0029】
特定の気化装置は、さらにまたは代替的に、例えば固相気化性材料(例えば、ワックス)または気化性材料を含む植物材料(例えば、タバコの葉および/またはタバコの葉の一部)などの非液体気化性材料の加熱を介して気相および/またはエアロゾル相気化性材料の吸入可能用量を生成するように構成されてもよい。そのような気化装置において、抵抗加熱要素は、非液体気化性材料が配置されるオーブンまたは他の加熱室の壁の一部であるか、そうでなければ組み込まれるか、または熱接触する。あるいは、抵抗加熱要素を使用して、非液体気化性材料を通過するまたは通過した空気を加熱し、非液体気化性材料の対流加熱を引き起こしてもよい。さらに他の例では、(例えば、オーブンの壁からの内側の導電のみに対向して)植物材料の直接的な導電加熱が植物材料の塊内から起こるように、植物材料と密接に接触するように抵抗加熱要素を配置してもよい。
【0030】
ユーザが気化装置のマウスピース21をパフ(例えば吸引、吸入など)することに関連して、加熱要素を作動させて(例えば、以下で説明するように選択的に気化装置本体の一部であるコントローラは、電源から、以下で説明するように選択的に気化装置カートリッジの一部である抵抗加熱要素を含む回路に電流を流してもよい)、アトマイザ(例えば1つ以上のウィッキング要素と1つ以上の加熱要素の組み合わせなど)を通過する空気流経路に沿って、選択的に1つ以上の凝縮エリアまたは凝縮室を介して、空気を空気入口からマウスピースの空気出口へ流してもよい。空気流経路に沿って流れる流入空気は、アトマイザの上、周囲、中などを通り、気相の気化性材料が空気に同伴される。上記のように、エアロゾル形態の気化性材料の吸入可能な用量が空気出口(例えば、ユーザによる吸入用にマウスピース21内)から送達されるように、同伴気相気化性材料は、残りの空気流経路を通過するときに凝縮されてもよい。
【0031】
加熱要素の作動は、例えば、周囲圧力に対する空気流経路に沿った圧力を検出するように(またはオプションで絶対圧力の変化を測定するために)配置された1つまたは複数の圧力センサ、気化装置の1つ以上のモーションセンサ、気化装置の1つ以上のフローセンサ、および/または気化装置の容量性リップセンサなどの1つ以上のセンサ29によって生成される1つ以上の信号に基づくパフの自動検出によって;ユーザと1つ以上の入力装置41(例えば、気化装置10のボタンまたは他の触覚制御装置)との相互作用の検出、気化装置と通信するコンピューティング装置からの1つ以上の信号の受信に応答して;および/または、パフが発生しているまたは差し迫っていることを判断するための他のアプローチを介して引き起こされ得る。
【0032】
前の段落で言及したように、本発明の実施形態と一致する気化装置は、気化装置と通信するコンピューティング装置(または選択的に2つ以上の装置)に(例えば、無線または有線接続を介して)接続するように構成することができる。この目的のために、コントローラ19は通信ハードウェア49を含むことができる。コントローラはまた、メモリ43を含んでもよい。コンピューティング装置は、気化装置10も含む気化装置システムの構成要素であり、気化装置10の通信ハードウェア49と無線通信チャネルを確立できる独自の通信ハードウェアを含むことができる。例えば、気化装置システムの一部として使用されるコンピューティング装置には、装置のユーザが気化装置と相互作用できるようにするユーザインターフェースを作るためのソフトウェアを実行する汎用コンピューティング装置(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチなどのその他の携帯装置など)が含まれる。本発明の他の実施形態では、気化装置システムの一部として使用されるそのような装置は、1つ以上の物理的または(例えば、画面またはその他の表示装置で設定可能、かつタッチセンシティブ画面またはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタンなどの他の入力装置とのユーザ対話を介して選択可能な)ソフト的インターフェース制御を有する遠隔制御または他の無線若しくは有線装置のような専用ハードウェア部品であり得る。気化装置はまた、ユーザに情報を提供するための1つ以上の出力37機構または装置を含むことができる。
【0033】
上記で定義された気化装置システムの一部であるコンピューティング装置は、用量の制御(例えば、用量監視、用量設定、用量制限、ユーザ追跡など)、セッションの制御(例えば、セッション監視、セッション設定、セッション制限、ユーザ追跡など)、ニコチン送達の制御(例えば、ニコチンと非ニコチン気化性材料の切り替え、送達されるニコチンの量の調整など)、位置情報の取得(例えば、他のユーザの場所、小売店/商業施設の場所、吸入場所、気化装置自体の相対的または絶対的な位置など)、気化装置の個人化設定(例えば、気化装置への命名、気化装置のロック/パスワード保護、1つ以上のペアレンタルコントロールの調整、気化装置のユーザグループへの関連付け、気化装置の製造業者または保証保守業者への登録など)、他のユーザとの社会的活動(例えば、ゲーム、ソーシャルメディアコミュニケーション、1つ以上のグループとの対話など)への参加などの任意の機能の1つ以上に使用することができる。「セッション化」、「セッション」、「気化装置セッション」、または「蒸気セッション」という用語は、一般的に、気化装置の使用に費やされる期間を指すために使用される。期間は、時間帯、服用回数、気化性材料の量などを含むことができる。
【0034】
コンピューティング装置が抵抗加熱要素の起動に関連する信号を提供する例、または様々な制御またはその他の機能の実装のためにコンピューティング装置と気化装置とを結合する他の例では、コンピューティング装置は、ユーザインターフェースおよび基本的なデータ処理を提供するように1つ以上のコンピュータ命令セットを実行する。一例では、コンピューティング装置による1つ以上のユーザインターフェース要素とのユーザの相互作用の検出により、コンピューティング装置は、気化装置10に信号を送り、吸入可能な用量の蒸気/エアロゾルを生成するための完全な動作温度に、または加熱要素の加熱を開始するためのより低い温度に加熱要素を作動させることができる。気化装置の他の機能は、気化装置と通信するコンピューティング装置上のユーザインターフェースとユーザとの相互作用によって制御されてもよい。
【0035】
気化装置の抵抗加熱要素の温度は、加熱要素の材料、抵抗加熱要素に供給される電力の量、および/または電力が供給されるデューティサイクル、電子気化装置の他の部分および/または環境への伝導熱伝達、ウィッキング要素および/またはアトマイザ全体からの気化性材料の気化による潜熱損失、および空気流(例えば、ユーザが電子式気化装置で吸入したときに、加熱要素またはアトマイザ全体を移動する空気)による対流熱損失を含む多くの要因に依存する場合がある。上記のように、加熱要素を確実に作動させる、または加熱要素を所望の温度に加熱するために、気化装置は、本発明のいくつかの実施形態において、圧力センサからの信号を利用して、ユーザが吸入しているときを判断する。圧力センサは、空気流経路に配置することができ、および/または装置に入る空気の入口と、生じた蒸気および/またはエアロゾルをユーザが吸入する出口とを接続する空気流経路に(例えば、通路または他の経路により)接続することができ、センサは、空気入口から空気出口まで気化装置を通過する空気と同時に圧力変化を受けることができる。本発明のいくつかの実施形態では、加熱要素は、例えば、空気流経路の圧力変化を検出する圧力センサなどによるパフの自動検出により、ユーザのパフに関連して作動されてもよい。上述のように、加熱要素は、加熱要素の加熱性能を高めるために、1つ以上の他の材料で完全におよび/または選択的にめっきされてもよい。
【0036】
典型的には、圧力センサ(および/または他のセンサ29)は、コントローラ19(例えば、プリント回路基板アセンブリまたは他の種類の回路基板)に配置または結合(例えば、物理的にまたは無線接続を介して、電気的または電子的に接続)することができる。測定を正確に行い、気化装置の耐久性を維持するために、気化装置の他の部分から空気流経路を分離する弾性シール60を提供することが有益であり得る。ガスケットとすることができるシール60は、気化装置の内部回路への圧力センサの接続が空気流経路にさらされる圧力センサの一部から分離されるように、圧力センサを少なくとも部分的に取り囲むように構成され得る。
【0037】
カートリッジベースの気化装置の例では、シールまたはガスケット60は、気化装置本体50と気化装置カートリッジ52との間の1つ以上の電気接続の部分を分離してもよい。気化装置10内のガスケットまたはシール60のそのような配置は、蒸気内または液相中の水、気化性材料などの他の流体などの環境要因との相互作用から生じる気化装置構成要素への潜在的な破壊的影響を緩和する、および/または気化装置内の設計された空気流経路からの空気の漏れを減らすために役立つ。気化装置の回路上を通過したり、気化装置の回路に接触したりする望ましくない空気、液体、またはその他の流体は、圧力測定値の変更など、様々な望ましくない影響を引き起こす可能性があり、および/または気化装置の一部における水分、気化性材料などの望ましくない材料の蓄積を引き起こす可能性があり、圧力信号の低下、圧力センサまたは他の構成要素の劣化、および/または気化装置の寿命の短縮をもたらす可能性がある。シールまたはガスケット60での漏れは、吸入することが望ましくない可能性のある材料を含むかまたはそれで構築された気化装置の部分を通過した空気をユーザが吸入することにもなり得る。
【0038】
最近人気が高まっている一般的なクラスの気化装置には、コントローラ19、電源8(例えば、バッテリ)、1つ以上のセンサ、充電接点、ガスケットまたはシール60、および様々な取り付け構造の1つ以上を介して気化装置本体50と結合するための気化装置カートリッジ52を受け入れるように構成されたカートリッジレセプタクル69を含む気化装置本体50が含まれる。いくつかの例では、気化装置カートリッジ52は、液体の気化性材料を収容するためのリザーバ55と、吸入可能な用量をユーザに送達するためのマウスピース21とを含む。気化装置カートリッジは、ウィッキング要素および加熱要素を有するアトマイザ26を含むことができ、あるいは、ウィッキング要素および加熱要素の一方または両方を気化装置本体50の一部とすることができる。アトマイザ26の任意の部分(例えば、加熱要素および/またはウィッキング要素)が気化装置本体50の一部である実施形態では、気化装置は、気化装置カートリッジのリザーバから気化装置本体に含まれるアトマイザ部分に液体気化性材料を供給するように構成され得る。
【0039】
非液体気化性材料の加熱によって吸入可能な用量の非液体気化性材料を生成する気化装置のカートリッジベースの構成も、本発明の範囲内である。例えば、気化装置カートリッジは、1つ以上の抵抗加熱要素の一部と直接接触するように処理および形成された植物材料の塊を含んでもよく、そのような気化装置カートリッジは、プロセッサ、電源、および1つ以上の抵抗加熱要素との回路を完成させるための対応するカートリッジ接点に接続するための電気接点を含む気化装置本体に機械的および電気的に結合されるように構成されていてもよい。
【0040】
電源8が気化装置本体50の一部であり、加熱要素が気化装置本体50と結合するように構成された気化装置カートリッジ52に配置される気化装置では、気化装置10は、コントローラ(例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラなど)、電源、および加熱要素を含む回路を完成させるための電気的接続機構(例えば、回路を完成させる手段)を含んでもよい。これらの機構は、気化装置カートリッジ52の底面、側面、内部、外部、または他の表面上に少なくとも2、4、またはそれ以上の接点(本明細書ではカートリッジ接点65と呼ぶ)を含むことができ、少なくとも2、4、またはそれ以上の接点は、気化装置10のカートリッジレセプタクル(本明細書ではレセプタクル接点62と呼ぶ)の基部近くに配置され、気化装置カートリッジ52がカートリッジレセプタクル69に挿入されて結合されると、カートリッジ接点65とレセプタクル接点62が電気接続する。
【0041】
いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65の少なくとも一部は、気化装置カートリッジの底面に略垂直な方向に面していてもよい。例えば、カートリッジ接点65の少なくとも一部は、気化装置カートリッジの側面に略平行であってもよく、および/または気化装置カートリッジの側面に向かって外向きに面していてもよい。そのような構成では、カートリッジ接点65は、気化装置カートリッジの外殻の外部に露出してアクセス可能であってもよく、および/または気化装置カートリッジの外殻内など、気化装置カートリッジの一部内に配置してもよい。例えば、カートリッジ接点65は、気化装置カートリッジの外殻の内壁または気化装置カートリッジの別の部分に面していてもよい。気化装置10のレセプタクル接点62は、気化装置カートリッジ52がカートリッジレセプタクル69に挿入されて結合されると、気化装置カートリッジの外殻などの気化装置カートリッジの一部に入り、カートリッジ接点65と電気的に接続する。いくつかの実施形態では、気化装置カートリッジ52がカートリッジレセプタクル69に挿入されて結合されると、レセプタクル接点65は、気化装置カートリッジ52の一部(例えば、気化装置カートリッジの外殻)とカートリッジ接点65との間に配置され得る。したがって、気化装置カートリッジ52の基部付近など、気化装置カートリッジ52の少なくとも一部は、カートリッジ接点65およびレセプタクル接点62が気化装置カートリッジ52の少なくとも一部内で嵌合するように、レセプタクル接点62を含むカートリッジレセプタクル69の少なくとも一部を受け入れるメス部を含むことができる。
【0042】
カートリッジ接点65および/またはレセプタクル接点62は、接点65、62と他の接点または電源との間の接続をきれいにするように構成された1つ以上のワイピングまたはブラシ型接点を含むことができる。例えば、ワイピングおよび/またはブラシ型接点は、挿入方向に平行または垂直な方向に互いに摩擦係合し、互いに摺動する2つの平行であるがオフセットされた突起部を含み得る。以下に説明するように、カートリッジ接点65は、気化装置カートリッジの加熱要素の一部を形成してもよい。カートリッジ接点65とレセプタクル接点62との間のこれらの電気接続によって完成した回路は、抵抗加熱要素への電流の送達を可能にし、例えば抵抗加熱要素の抵抗率の熱係数に基づいて抵抗加熱要素の温度を決定および/または制御する際に使用するために抵抗加熱要素の抵抗を測定する、抵抗加熱要素または気化装置カートリッジの他の回路の1つ以上の電気特性に基づいてカートリッジを識別するなどの、追加機能にさらに使用することができる。
【0043】
本発明のいくつかの例では、カートリッジ接点およびレセプタクル接点は、少なくとも2つの方向のいずれかで電気的に接続するように構成することができる。言い換えると、気化装置の動作に必要な1つ以上の回路は、気化装置カートリッジ52をカートリッジレセプタクル69に(カートリッジ接点65を有する気化装置カートリッジ52の端部が気化装置本体50のカートリッジレセプタクル69に挿入され、および/またはレセプタクル接点62を有するカートリッジレセプタクル69の少なくとも一部が、カートリッジ接点65を有する気化装置カートリッジ52の少なくとも一部に挿入される軸の周りでの)第1の回転方向に挿入することによって完成でき、それによりカートリッジ接点65の第1のカートリッジ接点がレセプタクル接点62の第1のレセプタクル接点に電気的に接続され、カートリッジ接点65の第1のカートリッジ接点の反対側の第2のカートリッジ接点が、レセプタクル接点62の第2のレセプタクル接点に電気的に接続され、以下同様である。さらに、気化装置の動作に必要な1つ以上の回路は、気化装置カートリッジ52をカートリッジレセプタクル69に第2の回転方向で挿入することによって完成でき、それにより第1のカートリッジ接点が第2のレセプタクル接点に電気的に接続され、第2のカートリッジ接点が第1のレセプタクル接点に電気的に接続される。気化装置本体50のカートリッジレセプタクル69に可逆的に挿入可能な気化装置カートリッジ52のこの特徴を、以下でさらに説明する。例えば、カートリッジ接点65およびレセプタクル接点62は、互いに対面するか、または相互に噛み合うように結合することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のカートリッジ接点65および/またはレセプタクル接点62は、2つの可逆的な向きのいずれかで互いに噛み合うことができるように、対称である傾斜または成形面を含むことができる。
【0044】
気化装置カートリッジ52を気化装置本体に結合するための取り付け構造の一例では、気化装置本体50は、カートリッジレセプタクル69の内面から内側に突出する戻り止め(例えば、くぼみ、突起、ばねなど)を含む。気化装置カートリッジ52の1つ以上の外面(例えば、気化装置カートリッジの外面に沿って配置された面、または気化装置カートリッジ内に配置された外部からアクセス可能な面)は、気化装置カートリッジ52の端部が気化装置本体50のカートリッジレセプタクル69に挿入されると、そのような戻り止めに嵌合し、受け入れ、および/または別の方法で噛み合うことができる対応する凹部(
図1Aには示さず)を含むことができる。気化装置カートリッジ52と気化装置本体50が結合されると(例えば、気化装置カートリッジ52の端部を気化装置本体50のカートリッジレセプタクル69に挿入することにより)、気化装置本体50の戻り止めは、気化装置カートリッジ52の凹部内に嵌合され、および/または別の方法で凹部内に収まり、組み付けられたときに気化装置カートリッジ52を所定の位置に保持する。このような戻り止め凹部アセンブリは、気化装置カートリッジ52を所定の位置に保持し、少なくとも2つのカートリッジ接点65と少なくとも2つのレセプタクル接点62との間の良好な接触を確保するのに十分な支持を提供することができる一方で、ユーザが気化装置カートリッジ52を合理的な力で引っ張って、気化装置カートリッジ52をカートリッジレセプタクル69から外すと、気化装置本体50から気化装置カートリッジ52を解放できる。
【0045】
カートリッジレセプタクル69内の気化装置カートリッジ52の少なくとも2つの回転方向が可能である、可逆的な気化装置カートリッジと気化装置本体50との間の電気的接続に関する上記の議論に加えて、気化装置によっては、気化装置カートリッジ52の形状、または少なくともカートリッジレセプタクル69への挿入用に構成された気化装置カートリッジの端部の形状は、少なくとも2回の回転対称性を有してもよい。言い換えると、気化装置カートリッジ52または気化装置カートリッジ52の少なくとも挿入可能な端部は、気化装置カートリッジ52がカートリッジレセプタクル69に挿入される軸に沿って180°回転した対称性を有してもよい。このような構成では、気化装置の回路は、気化装置カートリッジ52のどの対称的な向きが発生するかに関係なく、同一の動作をサポートしてもよい。
【0046】
いくつかの例では、気化装置カートリッジ52、またはカートリッジレセプタクル69に挿入するように構成された気化装置カートリッジ52の少なくとも端部は、気化装置カートリッジ52がカートリッジレセプタクル69に挿入されるときに沿う軸を横切る非円形断面を有してもよい。例えば、非円形断面は、ほぼ長方形、ほぼ楕円形(例えば、ほぼ卵形)、非長方形であるが2組の平行または略平行な対向する辺を備える形状(例えば、平行四辺形状の形状を有する)、または少なくとも2回の回転対称性を持つ他の形状であってもよい。この文脈において、おおよそ(ほぼ、略)の形状を有するということは、説明された形状への基本的な類似性が明らかであることを示すが、問題の形状の側面は完全に直線である必要はなく、頂点は完全に鋭利である必要はないことを示す。断面形状の縁部または頂点の両方またはいずれかの丸みは、本明細書で言及される任意の非円形断面の説明において考慮される。
【0047】
少なくとも2つのカートリッジ接点65および少なくとも2つのレセプタクル接点62は、様々な形態をとることができる。例えば、接点の一方または両方のセットは、導電性のピン、タブ、支柱、ピンまたは支柱用の受け穴などを含む場合がある。いくつかの種類の接点には、気化装置カートリッジと気化装置本体の接点の間の物理的および電気的接触を向上させるばねまたはその他の付勢機構が含まれている場合がある。電気的接点は、選択的に金めっきすることができ、および/または他の材料を含むことができる。
【0048】
図1Bは、気化装置カートリッジ52が解放可能に挿入され得るカートリッジレセプタクル69を有する気化装置本体50の実施形態を示す。
図1Bは、気化装置本体50への挿入のために位置されているカートリッジを示す気化装置10の上面図を示す。ユーザが気化装置10をパフすると、気化装置本体50の気化装置カートリッジ52の外面とカートリッジレセプタクル69の内面との間を空気が通過することができる。次に、カートリッジの挿入可能な端部3に空気を引き込み、加熱要素およびウィックを含むかまたは収容する気化室を通って、マウスピース21の出口から排出して吸入可能なエアロゾルをユーザに送達することができる。気化装置カートリッジ52のリザーバ55は、気化性材料2のレベルが気化装置カートリッジ52に沿って見えるように、全体または一部が半透明材料から形成されてもよい。
図1Cは、本発明の実施形態と一致する気化装置10の実施形態に含めることができる例示的な特徴を示している。例えば、
図1Cは、気化装置カートリッジ52を気化装置本体50に接続した後の気化装置10の一例の上面図を示している。
図1Dは気化装置カートリッジ52の一実施形態の分解図を示している。
図1Eは気化装置カートリッジ52の一実施形態の斜視図を示している。
図1Fは気化装置カートリッジ52の一実施形態の底面斜視図を示している。
図1D~
図1Fに示すように、気化装置カートリッジ52は、ハウジング7およびアトマイザアセンブリ(またはアトマイザ)26を含む。
【0049】
アトマイザアセンブリ26(
図56~
図58を参照)は、ウィッキング要素70、加熱要素100、およびウィックハウジング98を含み得る。以下により詳細に説明するように、加熱要素100の少なくとも一部は、ハウジング7とウィックハウジング98との間に配置され、気化装置本体50の一部と結合する(例えば、レセプタクル接点62と電気的に結合する)ように露出している。ウィックハウジング98は、4つの側面を含むことができる。例えば、ウィックハウジング98は、2つの対向する短側面と2つの対向する長側面を含むことができる。2つの対向する長側面はそれぞれ、少なくとも1つ(2つ以上)の凹部87を含むことができる(
図56、
図68Aを参照)。凹部87は、ウィックハウジング98の長側面に沿って、ウィックハウジング98の長側面と短側面との間のそれぞれの交差点に隣接して配置することができる。凹部87は、カートリッジレセプタクル69内で気化装置カートリッジ52を気化装置本体50に固定するために、気化装置本体50上の対応する機構(例えば、ばね)と解放可能に結合する形状とすることができる。凹部87は、気化装置カートリッジ52を気化装置本体50に結合するための機械的に安定した固定手段を提供する。
【0050】
いくつかの実施形態では、ウィックハウジング98は、識別チップ95も含み、識別チップ95は、気化装置上に配置された対応するチップリーダと通信するように構成され得る。識別チップ95は、ウィックハウジング98の短側面上など、ウィックハウジング98に接着および/またはその他の方法で付着されてもよい。ウィックハウジング98は、追加的または代替的に、識別チップ95を受け入れるように構成されたチップ凹部83(
図57を参照)を含むことができる。チップ凹部83は、2つ、4つ、またはそれ以上の壁によって囲まれていてもよい。チップ凹部83は、識別チップ95をウィックハウジング98に固定するような形状とすることができる。
【0051】
上記のように、気化装置カートリッジ52は、一般に、リザーバ、空気経路、およびアトマイザ26を含んでもよい。いくつかの構成では、本発明の実施形態によって説明される加熱要素および/またはアトマイザは、気化装置本体に直接実装することができ、および/または気化装置本体から取り外しできなくてもよい。いくつかの実施形態では、気化装置本体は取り外し可能なカートリッジを含まなくてもよい。
【0052】
本発明の様々な利点および利益は、本気化装置の構成、製造方法などに関する改善に関連し得る。例えば、本発明の実施形態と一致する気化装置の加熱要素は、望ましくは、材料のシートから(例えば、打ち抜きで)作られ、ウィッキング要素の少なくとも一部の周りにクリンプされるか曲げられて、ウィッキング要素を受け入れるように構成された事前形成要素を提供する(例えば、ウィッキング要素は加熱要素に押し込まれる、および/または加熱要素は張力が保持され、ウィッキング要素の上に引っ張られる)。加熱要素は、加熱要素が加熱要素の少なくとも2つまたは3つの部分の間にウィッキング要素を固定するように曲げられてもよい。加熱要素は、ウィッキング要素の少なくとも一部の形状に適合するように曲げられてもよい。加熱要素の構成により、加熱要素のより一貫した高品質の製造が可能になる。加熱要素の製造品質の一貫性は、規模調整されたおよび/または自動化された製造プロセス中に特に重要である。例えば、本発明の実施形態と一致する加熱要素は、複数の構成要素を有する加熱要素を組み立てるときに製造プロセス中に生じる可能性のある公差の問題を減らすのに役立つ。
【0053】
いくつかの実施形態では、加熱要素の測定値の精度(抵抗、電流、温度など)は、少なくとも部分的には、公差の問題が低減された、加熱要素の製造性の一貫性が改善されているために改善される場合がある。測定値の精度が向上すると、気化装置を使用する際のユーザエクスペリエンスが向上する。例えば、上述のように、気化装置10は、吸入可能な用量の蒸気/エアロゾルを生成するための完全動作温度に、または加熱要素の加熱を開始するためのより低い温度に加熱要素を作動させる信号を受信することができる。気化装置の加熱要素の温度は、上記のように多くの要因に依存する可能性があり、これらの要因のいくつかは、アトマイザ部品の製造および組み立てにおける潜在的な変動を排除することにより予測可能になる。材料のシートから(例えば、打ち抜きで)作られ、事前形成要素を提供するようにウィッキング要素の少なくとも一部の周りにクリンプされるか曲げられた加熱要素は、望ましくは、熱損失を最小限に抑え、加熱要素が予測どおりに適切な温度に加熱されるよう動作することを保証するのに役立つ。
【0054】
加えて、上述のように、加熱要素は、加熱要素の加熱性能を高めるために、1つ以上の材料で完全におよび/または選択的にめっきされてもよい。加熱要素のすべてまたは一部をめっきすると、熱損失を最小限に抑えることができる。めっきはまた、加熱要素の加熱部を適切な位置に集中させるのに役立ち、より効率的に加熱された加熱要素を提供し、さらに熱損失を削減する。選択的めっきは、加熱要素に供給される電流を適切な場所に誘導するのに役立つ。選択的めっきは、めっき材料の量および/または加熱要素の製造に関連するコストを削減するのにも役立つ。
【0055】
加熱要素が以下で説明する1つ以上のプロセスを介して適切な形状に形成されると、加熱要素はウィッキング要素の周りにクリンプされ、および/または適切な位置に曲げられてウィッキング要素を受け取る。ウィッキング要素は、いくつかの実施形態では、少なくともほぼ平らなパッドとして、または円、楕円などのような他の断面形状で形成された繊維ウィックであってもよい。平らなパッドによって、気化性材料がウィッキング要素に引き込まれる速度をより精密におよび/または正確に制御できるようになる。例えば、最適なパフォーマンスを得るために、長さ、幅、および/または厚さを調整できる。平らなパッドを形成するウィッキング要素は、より大きな伝達表面積を提供することができ、これにより、加熱要素による気化のために、リザーバからウィッキング要素への気化性材料の流れ(言い換えると、より大きな質量の気化性材料の伝達)および、ウィッキング要素からウィッキング要素を通過する空気への気化性材料の流れを増やすことができる。そのような構成では、気化性材料をウィッキング要素に引き込み気化性材料を気化させるプロセスの効率を高めるために、加熱要素は、複数の方向で(例えば、ウィッキング要素の少なくとも2つの側面で)ウィッキング要素に接触してもよい。また、平らなパッドは、より容易に成形および/または切断することができ、したがって、より簡単に加熱要素に組み付けることができる。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、加熱要素は、ウィッキング要素の片側のみでウィッキング要素に接触するように構成されてもよい。
【0056】
ウィッキング要素は、綿、シリカ、セラミックなどの1つ以上の剛性または圧縮性材料を含んでもよい。他のいくつかの材料に比べて、綿のウィッキング要素は、気化装置カートリッジのリザーバから気化されるウィッキング要素への気化性材料の流量を増やすおよび/またはより制御可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ウィッキング要素は、加熱要素に接触するように、および/または加熱要素の少なくとも2つの部分の間に固定されるように構成される少なくともほぼ平らなパッドを形成する。例えば、少なくともほぼ平らなパッドは、互いに略平行な少なくとも対向する側面の第1の対を有してもよい。いくつかの実施形態では、少なくともほぼ平らなパッドは、互いに略平行であり、かつ対向する側面の第1の対に略垂直である少なくとも対向する側面の第2の対を有してもよい。
【0057】
図2~
図5は、本発明の実施形態と一致する加熱要素100の概略図を示している。例えば、
図2は、展開位置にある加熱要素100の概略図を示している。示すように、展開位置では、加熱要素100は平面加熱要素を形成する。加熱要素100は、最初に基板材料から形成されてもよい。次に、基板材料は、打ち抜き、レーザ切断、フォトエッチング、化学エッチングなどを含むがこれらに限定されない様々な機械的プロセスを介して適切な形状に切断および/または打ち抜かれる。
【0058】
基板材料は、抵抗加熱に適した導電性金属でできていてもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素100は、ニッケルクロム合金、ニッケル合金、ステンレス鋼などを含む。以下で説明するように、加熱要素100は、基板材料の1つ以上の位置の加熱要素の抵抗率を向上、制限、または変更するために、基板材料の表面の1つ以上の位置(これは、加熱要素100の全部または一部であり得る)にコーティングでめっきされてもよい。
【0059】
加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102(例えば、加熱セグメント)、移行領域108に位置する1つ以上の脚部または(例えば、1つ、2つ、またはそれ以上の)接続部106、および電気的接触領域110に位置し、1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65を含む。歯部102、脚部106、およびカートリッジ接点65は、一体的に形成されてもよい。例えば、歯部102、脚部106、およびカートリッジ接点65は、基板材料から打ち抜きおよび/または切断された加熱要素100の部分を形成する。いくつかの実施形態では、加熱要素100は、脚部106のうちの1つ以上から延びる熱シールド118も含み、また、歯部102、脚部106、およびカートリッジ接点65と一体的に形成されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、加熱要素100の加熱部104の少なくとも一部は、気化装置カートリッジ52のリザーバ55からウィッキング要素に引き込まれる気化性材料と結びつくように構成される。加熱要素100の加熱部104は、所望の抵抗を生成するように成形、サイズ決定、および/またはその他の方法で処理することができる。例えば、加熱部104に位置する歯部102は、歯部102の抵抗が適切な抵抗値に対応し加熱部104における局所加熱に影響を与え、ウィッキング要素からの気化性材料をより効率的かつ効果的に加熱するように設計される。歯部102は、所望の抵抗量を提供するために、直列および/または並列に細い経路の加熱セグメントまたはトレースを形成する。
【0061】
歯部102(例えば、トレース)は、様々な形状、サイズ、および構成を含み得る。いくつかの構成では、1つ以上の歯部102は、気化性材料がウィッキング要素の外へとそこから出され、各歯部102の側縁から気化できるように離間され得る。歯部102の他の特性の中でも特に形状、長さ、幅、組成などは、加熱要素100の加熱部内から気化性材料を気化させることによりエアロゾルを生成する効率を最大化し、電気効率を最大化するために最適化され得る。歯部102の他の特性の中でも特に形状、長さ、幅、組成などは、追加的または代替的に、歯部102の長さ全体(または加熱部104のときなどは歯部102の一部)にわたって熱を均一に分散するように最適化されてもよい。例えば、歯部102の幅は、歯部102の長さに沿って均一または可変であり、加熱要素100の少なくとも加熱部104にわたる温度プロファイルを制御することができる。いくつかの例では、歯部102の長さは、加熱部104など、加熱要素100の少なくとも一部に沿って所望の抵抗を達成するように制御され得る。
図2~
図5に示すように、歯部102はそれぞれ同じサイズおよび形状を有する。例えば、歯部102は、ほぼ位置合わせされ、概ね長方形の形状を有する外縁103を含み、平ら若しくは正方形の外縁103(
図6~
図10も参照)または丸い外縁103(
図11および
図12を参照)を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の歯部102は、位置合わせされていない、および/または異なるサイズ若しくは形状の外縁103を含むことができる(
図14~
図19を参照)。いくつかの実施形態では、歯部102は、均等に離間され得るか、または隣接する歯部102間に可変間隔を有し得る(
図44~
図49を参照)。歯部102の特定の幾何学的形状は、加熱部104を加熱するための特定の局所抵抗を生成し、かつ気化性材料を加熱してエアロゾルを生成する加熱要素100の性能を最大化するように選択することが望ましい。
【0062】
加熱要素100は、歯部102に対してより広いおよび/またはより厚い幾何学的形状、および/または異なる組成の部分を含むことができる。これらの部分は、電気的接触領域および/またはより導電性の高い部分を形成し、および/または気化装置カートリッジ内に加熱要素100を取り付けるための機構を含むことができる。加熱要素100の脚部106は、最も外側の各歯部102Aの端部から延びている。脚部106は、典型的には歯部102のそれぞれの幅よりも広い幅および/または厚さを有する加熱要素100の一部を形成する。しかし、いくつかの実施形態では、脚部106は、歯部102のそれぞれの幅と同じかまたはそれよりも狭い幅および/または厚さを有する。脚部106は、加熱要素100をウィックハウジング98、または気化装置カートリッジ52の別の部分に結合し、その結果、加熱要素100は、ハウジング7によって少なくとも部分的にまたは完全に囲まれる。脚部106は、製造中および製造後に加熱要素100が機械的に安定することを促進する剛性を提供する。脚部106はまた、カートリッジ接点65を加熱部104に配置された歯部102と接続する。脚部106は、加熱要素100が加熱部104の電気的要件を維持できるような形状および大きさである。
図5に示すように、加熱要素100が気化装置カートリッジ52と組み立てられたとき、脚部106は、気化装置カートリッジ52の端部から加熱部104を離間させる。以下でより詳細に説明するように、少なくとも
図39~
図55および
図60~
図61に関して、脚部106は、毛細管機構198も含むことができる。毛細管機構198は、加熱部104から加熱要素100の他の部分への流体の流出を制限または防止する。
【0063】
いくつかの実施形態では、脚部106のうちの1つ以上は、1つ以上の位置決め機構116を含む。位置決め機構116は、気化装置カートリッジ52の他の(例えば、隣接する)構成要素と結びつくことにより、組み立て中および/または組み立て後の加熱要素100またはその部分の相対的な位置決めに使用され得る。いくつかの実施形態では、位置決め機構116を製造中または製造後に使用して、基板材料を適切に位置決めして基板材料を切断および/または打ち抜いて加熱要素100の形成または加熱要素100の後処理をすることができる。位置決め機構116は、加熱要素100をクリンプするか、別の方法で曲げる前に、剪断および/または切断されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、加熱要素100は、1つ以上の熱シールド118を含む。熱シールド118は、脚部106から横方向に延びる加熱要素100の一部を形成する。折り畳まれ、および/またはクリンプされると、熱シールド118は、第1の方向および/または第1の方向と反対の第2の方向に同じ平面上に歯部102からオフセットされて配置される。加熱要素100が気化装置カートリッジ52に組み付けられると、熱シールド118は、歯部102(および加熱部104)と気化装置カートリッジ52の本体(例えば、プラスチック本体)との間に配置されるように構成される。熱シールド118は、加熱部104を気化装置カートリッジ52の本体から断熱するのに役立つことができる。熱シールド118は、気化装置カートリッジ52の本体の加熱部104から発する熱の影響を最小限に抑え、気化装置カートリッジ52の本体の構造的完全性を保護し、気化装置カートリッジ52の融解または他の変形を防ぐのに役立つ。熱シールド118はまた、加熱部104内に熱を保持することにより加熱部104で一定の温度を維持するのに役立ち、それにより気化が起こっている間の熱損失を防止または制限する。いくつかの実施形態では、気化装置カートリッジ52は、さらにまたは代替的に、加熱要素100とは別個の熱シールド118Aを含んでもよい(
図59を参照)。
【0065】
上述のように、加熱要素100は、各脚部106の端部を形成する少なくとも2つのカートリッジ接点65を含む。例えば、
図2~
図5に示すように、カートリッジ接点65は、折り線107に沿って折り畳まれる脚部106の部分を形成してもよい。カートリッジ接点65は、脚部106に対して約90度の角度で折り畳まれてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65は、脚部106に対して約15度、25度、35度、45度、55度、65度、75度またはそれらの間の他の範囲の角度などの他の角度で折り畳まれてもよい。カートリッジ接点65は、実施形態に応じて、加熱部104に向かってまたは加熱部104から離れるように折り畳まれてもよい。カートリッジ接点65は、脚部106の少なくとも1つの長さに沿ってなど、加熱要素100の別の部分に形成することもできる。カートリッジ接点65は、気化装置カートリッジ52に組み付けられたときに環境に曝されるように構成されている(
図10を参照)。
【0066】
カートリッジ接点65は、導電性のピン、タブ、支柱、収容穴、若しくはピン若しくは支柱の表面、または他の接点構成を形成してもよい。いくつかの種類のカートリッジ接点65には、気化装置カートリッジ上のカートリッジ接点65と気化装置本体50上のレセプタクル接点62との間の物理的および電気的接触を向上させるばねまたは他の付勢機構が含まれている。いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65は、カートリッジ接点65と他の接点または電源との間の接続をきれいにするように構成されたワイピング接点を含む。例えば、ワイピング接点は、挿入方向に平行または垂直な方向に互いに摩擦係合し、互いに摺動する2つの平行であるがオフセットされた突起部を含むであろう。
【0067】
カートリッジ接点65は、気化装置10のカートリッジレセプタクルの基部近くに配置されたレセプタクル接点62と接合するように構成され、気化装置カートリッジ52がカートリッジレセプタクル69に挿入されて結合されると、カートリッジ接点65とレセプタクル接点62は電気接続を行う。カートリッジ接点65は、(レセプタクル接点62などを介してなどで)気化装置の電源8と電気通信できる。これらの電気接続によって完成した回路により、抵抗加熱要素へ電流を送達して加熱要素100の少なくとも一部を加熱でき、例えば抵抗加熱要素の抵抗率の熱係数に基づいて抵抗加熱要素の温度を決定および/または制御する際に使用するために抵抗加熱要素の抵抗を測定する機能、抵抗加熱要素または気化装置カートリッジの他の回路の1つ以上の電気特性に基づいてカートリッジを識別する機能などの、追加の機能にさらに使用することができる。カートリッジ接点65は、以下でより詳細に説明するように、例えば導電性めっき、表面処理、および/または堆積材料を使用して改善された電気特性(例えば、接触抵抗)を提供するように処理され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、加熱要素100は、加熱要素100を所望の三次元形状に成形するために一連のクリンプおよび/または曲げ操作により処理されてもよい。例えば、加熱要素100は、加熱要素100の少なくとも2つの部分(例えば、略平行な部分)間でウィッキング要素を固定するために(加熱部104の対向する部分の間などで)、ウィッキング要素70を受け入れるように事前に形成されるかまたはウィッキング要素70の周りでクリンプされてもよい。加熱要素100をクリンプするために、加熱要素100は、折り線120に沿って互いに向けて曲げられてもよい。加熱要素100を折り線120に沿って折り畳むと、折り線120の間の領域によって画定されるプラットフォーム歯部部分124と、折り線120と歯部102の外縁103との間の領域によって画定される側歯部部分126とが形成される。プラットフォーム歯部部分124は、ウィッキング要素70の一端に接触するように構成される。側歯部部分126は、ウィッキング要素70の両側に接触するように構成される。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70を受け入れる、および/またはウィッキング要素70の少なくとも一部の形状に適合するような形状のポケットを形成する。ポケットは、ウィッキング要素70がポケット内の加熱要素100によって固定および保持されることを可能にする。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70に接触して、加熱要素100とウィッキング要素70との間に多次元接触を提供する。加熱要素100とウィッキング要素70との間の多次元接触は、気化装置カートリッジ52のリザーバ55から加熱部104への(ウィッキング要素70を介した)気化される気化性材料のより効率的および/またはより高速の移動を提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、加熱要素100の脚部106の部分は、折り線122に沿って互いに離れるように曲げられてもよい。加熱要素100の脚部106の部分を折り線122に沿って互いに離れるように折り畳むことにより、脚部106は、(例えば、同じ平面で)第1の方向および/または第1の方向と反対の第2の方向で、加熱要素100の加熱部104(および歯部102)から離れた位置に配置される。したがって、加熱要素100の脚部106の部分を折り線122に沿って互いに離れるように折り畳むことにより、加熱部104は気化装置カートリッジ52の本体から離間する。
図3は、ウィッキング要素70に関する折り線120および折り線122に沿って折り畳まれた加熱要素100の概略図を示している。
図3に示すように、ウィッキング要素は、折り線120および122に沿って加熱要素100を折り畳むことによって形成されるポケット内に配置される。
【0070】
いくつかの実施形態では、加熱要素100は、折り線123に沿って折り畳まれてもよい。例えば、カートリッジ接点65は、折り線123に沿って互いに向けて(
図4に示すページの手前側および裏側に向けて)曲げられてもよい。カートリッジ接点65は、環境に露出してレセプタクル接点に接触し、加熱要素100の残りの部分は気化装置カートリッジ52内に配置される(
図5および
図10を参照)。
【0071】
使用時、加熱要素100が気化装置カートリッジ52に組み込まれているときにユーザが気化装置カートリッジ52のマウスピース21をパフすると、空気が気化装置カートリッジに入り空気経路に沿って流れる。ユーザのパフに関連して、加熱要素100は、例えば、圧力センサを介したパフの自動検出、ユーザによるボタン押下の検出、モーションセンサ、流れセンサ、静電容量式リップセンサから生成された信号の検出、および/またはユーザがパフしている、またはしようとしている、あるいは別の方法で吸入しようとして空気が気化装置10に入り、少なくとも空気経路に沿って移動することを検出できる別のアプローチによって作動することができる。加熱要素100が作動すると、カートリッジ接点65において気化装置から加熱要素100に電力を供給することができる。
【0072】
加熱要素100が作動すると、加熱要素100に電流が流れて発熱するため、温度が上昇する。熱は、伝導、対流、および/または放射による熱伝達を介してある程度の量の気化性材料に伝達され、気化性材料の少なくとも一部が気化する。熱伝達は、リザーバ内の気化性材料および/または加熱要素100によって保持されたウィッキング要素70に引き込まれた気化性材料に起こり得る。いくつかの実施形態では、上述のように、気化性材料は、歯部102の1つ以上の縁部に沿って気化することができる。気化装置に流入する空気は、加熱要素100を横切る空気経路に沿って流れ、気化した気化性材料を加熱要素100から除去する。気化した気化性材料は、冷却、圧力変化などにより凝縮され、ユーザが吸入するためのエアロゾルとしてマウスピース21を出る。
【0073】
上述のように、加熱要素100は、ニクロム、ステンレス鋼、または他の抵抗加熱材料などの様々な材料で作られていてもよい。2つ以上の材料の組み合わせを加熱要素100に含めることができ、そのような組み合わせは、加熱要素全体の2つ以上の材料の均一な分布、または2つ以上の材料の相対量が空間的に不均一となっている他の構成の両方を含むことができる。例えば、歯部102は、より抵抗性のある部分を有することができ、それにより、歯部または加熱要素100の他の部分よりも高温になるように設計されている。いくつかの実施形態では、少なくとも(加熱部104内などの)歯部102は、高い伝導性および耐熱性を有する材料を含むことができる。
【0074】
加熱要素100は、1つ以上の材料で完全にまたは選択的にめっきされてもよい。加熱要素100は、ステンレス鋼、ニクロム、または他の熱的および/または電気的伝導性合金などの熱的および/または電気的伝導性材料で作られているため、加熱要素100は、カートリッジ接点65と加熱要素100の加熱部104の歯部102との間の経路で電気的損失または加熱損失を受ける可能性がある。加熱および/または電気的損失を低減するのを助けるために、加熱要素100の少なくとも一部を1つ以上の材料でめっきして、加熱部104に至る電気経路の抵抗を低減することができる。本発明と一致するいくつかの実施形態では、加熱部104(例えば、歯部102)がめっきされないままであり、脚部106および/またはカートリッジ接点65の少なくとも一部が、それらの部分の抵抗(例えば、バルク抵抗および接触抵抗のいずれかまたは両方)を減らすめっき材料でめっきされることが有益である。
【0075】
例えば、加熱要素100は、異なる材料でめっきされた様々な部分を含むことができる。別の例では、加熱要素100は層状材料でめっきされてもよい。加熱要素100の少なくとも一部をめっきすることは、加熱部104に流れる電流を集中させて、加熱要素100の他の部分における電気的損失および/または熱損失を低減するのに役立つ。いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65と加熱要素100の歯部102との間の電気経路の低抵抗を維持して、電気経路の電気的損失および/または熱損失を低減し、加熱部104全体に集中している電圧降下を補償することが望ましい。
【0076】
いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65は選択的にめっきされてもよい。カートリッジ接点65を特定の材料で選択的にめっきすると、測定が行われ、カートリッジ接点65とレセプタクル接点との間に電気的接触が行われるポイントでの接触抵抗を最小化または排除できる。カートリッジ接点65において低抵抗を提供することにより、より正確な電圧、電流、および/または抵抗測定値および読み取り値を提供でき、これは加熱要素100の加熱部104の現在の実際の温度を正確に判定するのに有益であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65の少なくとも一部および/または脚部106の少なくとも一部を、1つ以上の外側めっき材料150でめっきすることができる。例えば、カートリッジ接点65の少なくとも一部および/または脚部106の少なくとも一部は、少なくとも金、または、白金、パラジウム、銀、銅などの低接触抵抗を提供する別の材料でめっきされてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、低抵抗外側めっき材料を加熱要素100に固定するために、加熱要素100の表面を接着めっき材料でめっきすることができる。そのような構成では、接着めっき材料を加熱要素100の表面に付着させ、外側めっき材料を付着めっき材料に付着させて、それぞれ第1および第2のめっき層を画定することができる。接着めっき材料は、外側めっき材料が接着めっき材料の上に付着するときに接着特性を有する材料を含む。例えば、接着めっき材料は、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、鉄、それらの合金などを含むことができる。
図36~
図38は、カートリッジ接点65が接着めっき材料および/または外側めっき材料で選択的にめっきされている加熱要素100の例を示している。
【0079】
いくつかの実施形態では、加熱要素100上に外側めっき材料を付着させるために、加熱要素100の表面を接着めっき材料でめっきするのではなく、非めっき下塗りを使用して加熱要素100の表面を下塗りしてもよい。例えば、加熱要素100の表面は、接着めっき材料を付着させるのではなく、エッチングを使用して下塗りされてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、脚部106およびカートリッジ接点65のすべてまたは一部は、接着めっき材料および/または外側めっき材料でめっきされてもよい。いくつかの例では、カートリッジ接点65は、カートリッジ接点65の残りの部分および/または加熱要素100の脚部106に比べてより厚い厚さを有する外側めっき材料を有する少なくとも一部を含むことができる。いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65および/または脚部106は、歯部102および/または加熱部104と比較して、より厚い厚さを有し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、加熱要素100を単一の基板材料で形成し、基板材料をめっきするのではなく、加熱要素100は、(例えば、レーザ溶接、拡散工程などを介して)一緒に結合される様々な材料で形成されてもよい。一緒に結合される加熱要素100の各部分の材料は、加熱要素100の他の部分に対して、カートリッジ接点65において抵抗が低いまたは抵抗がないように、歯部102または加熱部104において抵抗が高くなるように選択することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、加熱要素100は、銀インクで電気めっきされ、および/または接着めっき材料および外側めっき材料などの1つ以上のめっき材料でスプレーコーティングされてもよい。
【0083】
上述のように、加熱要素100は、加熱要素100の加熱部104をより効率的に加熱し、気化性材料をより効率的に気化させるために、様々な形状、サイズ、およびジオメトリを含むことができる。
【0084】
図6~
図10は、本発明の実施形態と一致する加熱要素100の例を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65、および1つ以上の脚部106から延びる熱シールド118を含む。この例では、歯部102のそれぞれは、同じまたは類似の形状およびサイズを有する。歯部102は、正方形および/または平らな外縁103を有する。
図6~
図9では、歯部102のポケット内にウィッキング要素70を固定するために、歯部102がウィッキング要素70(例えば、平らなパッド)の周りにクリンプされている。
【0085】
図11~
図12は、非屈曲位置(
図11)および屈曲位置(
図12)における本発明の実施形態と一致する加熱要素100の別の例を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65、および1つ以上の脚部106から延びる熱シールド118を含む。この例では、歯部102のそれぞれは同じまたは類似の形状およびサイズを有し、歯部102は丸いおよび/または半円形の外縁103を有する。
【0086】
図13は、
図11~
図12に示す例示的な加熱要素100に類似している本発明の実施形態と一致する屈曲位置にある加熱要素100の別の例を示しているが、この例では、歯部102のそれぞれは同じまたは類似の形状およびサイズを有し、歯部102は正方形および/または平らな外縁103を有する。
【0087】
図14~
図19は、少なくとも1つの歯部102が残りの歯部102とは異なるサイズ、形状、または位置を有する加熱要素100の他の例を示している。例えば、
図14~
図15に示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65を含む。この例では、歯部102は、歯部の第1のセット105Aおよび歯部の第2のセット105Bを含む。歯部の第1および第2のセット105A、105Bは、互いにオフセットされている。例えば、歯部の第1および第2のセット105A、105Bの外縁103は互いに位置合わせされていない。
図15に示すように、加熱部104が屈曲位置にあるとき、歯部の第1のセット105Aは、加熱要素100の第1の部分において歯部の第2のセット105Bよりも短く見え、歯部の第1のセット105Aは、加熱要素100の第2の部分において歯部の第2のセット105Bよりも長いように見える。
【0088】
図16~
図17に示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65を含む。この例では、歯部102は、歯部の第1のセット109Aおよび歯部の第2のセット109Bを含む。歯部の第1および第2のセット109A、109Bは、互いにオフセットされている。例えば、歯部の第1および第2のセット109A、109Bの外縁103は互いに位置合わせされていない。ここで、歯部の第2のセット109Bは、単一の最外歯部102Aを含む。
図16~
図17に示すように、加熱部104が屈曲位置にあるとき、歯部の第1のセット109Aは、歯部の第2のセット109Bよりも長いように見える。さらに、
図16~
図17では、歯部102は曲げられていない。むしろ、歯部102は、加熱要素100の第1の部分および第1の部分に対向して略平行に配置された第2の部分に配置されている。加熱要素100の第1の部分に配置された歯部の第1のセットは、歯部の第1のセットと第2のセットの間に配置され、両方から離間しているプラットフォーム部分130によって、加熱要素100の第2の部分に配置された歯部の第2のセットから離間される。プラットフォーム部分130は、ウィッキング要素70の端部に接触するように構成される。プラットフォーム部分130は、切り欠き部分132を含む。切り欠き部分132は、加熱要素100が作動したとき気化性材料が気化することができる追加の縁部を提供することができる。
【0089】
図18~
図19に示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65を含む。この例では、歯部102は、歯部の第1のセット109Aおよび歯部の第2のセット109Bを含む。歯部の第1および第2のセット109A、109Bは、互いにオフセットされている。例えば、歯部の第1および第2のセット109A、109Bの外縁103は互いに位置合わせされていない。ここで、歯部の第1および第2のセット109A、109Bのそれぞれは、2つの歯部102を含む。
図18~
図19に示すように、加熱部104が屈曲位置にあるとき、歯部の第1のセット109Aは、歯部の第2のセット109Bよりも短いように見える。さらに、
図18~
図19では、歯部102は曲げられていない。むしろ、歯部102は、加熱要素100の第1の部分および(第1の部分と対向して平行である)第2の部分に配置される。第1の部分に配置された歯部の第1のセットは、歯部の第1のセットと第2のセットの間に配置され、両方から離間しているプラットフォーム部分によって、第2の部分に配置された歯部の第2のセットから離間される。プラットフォーム部分は、ウィッキング要素70の端部に接触するように構成される。プラットフォーム部分は、切り欠き部分を含む。切り欠き部分は、加熱要素100が作動したとき気化性材料が気化することができる追加の縁部を提供することができる。
【0090】
図20~
図25は、非屈曲位置(
図20)および屈曲位置(
図21~
図25)における本発明の実施形態と一致する加熱要素100の別の例を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65、および1つ以上の脚部106から延びる熱シールド118を含む。この例では、加熱要素100は、円筒形のウィッキング要素70または円形断面を有するウィッキング要素70を受け入れるように、クリンプおよび/または曲げられるように構成される。歯部102のそれぞれは、開口部140を含む。開口部140は、加熱要素100が作動したときから気化性材料が気化することができる追加の縁部を提供することができる。開口部140はまた、加熱要素100を形成するために使用される材料の量を低減し、加熱要素100の重量および加熱要素100に使用される材料の量を低減し、それにより材料コストを低減する。
【0091】
図26~
図35は、加熱要素100がウィッキング要素70の片側に押し付けられる本発明の実施形態と一致する加熱要素100を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106のそれぞれの端部に形成されたカートリッジ接点65を含む。これらの例では、脚部106およびカートリッジ接点65は、第3の方向に垂直な第1~第2の方向ではなく、第3の方向に曲がるように構成される。そのような構成では、加熱部104の歯部102は、加熱要素100から外向きに面する平面プラットフォームを形成し、ウィッキング要素70に対して(例えば、ウィッキング要素70の片側に)押し付けられるように構成される。
【0092】
図28~
図31は、様々な形状で構成された歯部102を含む本発明の実施形態と一致する加熱要素100のいくつかの例を示している。上述のように、歯部102は、使用中にウィッキング要素70の片側に押し付けられる平面プラットフォームを形成する。歯部102ではなく脚部106は、屈曲位置で曲がる。
【0093】
図32は、ウィッキング要素70および加熱要素100を収容するウィックハウジング(例えば、ウィックハウジング98)などの気化装置カートリッジ52の構成要素に組み付けられた
図28に示す加熱要素100の例を示し、
図33は、本発明の実施形態と一致する例示的な気化装置カートリッジ52に組み付けられた加熱要素100を示す。示すように、カートリッジ接点65は、横方向に互いに向けて曲げられている。
【0094】
図34および35は、歯部102がウィッキング要素70に押し付けられるように構成されたプラットフォームを形成する加熱要素100の別の例を示している。ここで、脚部106は、脚部106のそれぞれに横方向内向きの力が加えられたときに、歯部102をウィッキング要素70に押し付けるばね状構造を形成することができる。例えば、
図35は、カートリッジ接点65などを介して加熱要素100に電力(例えば、電流)が供給されるときに、歯部102がウィッキング要素70に押し付けられている例を示している。
【0095】
図39~
図43は、本発明の実施形態と一致する加熱要素100の別の例を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106の端部に、および/またはその各々の一部として形成されたカートリッジ接点65を含む。この例では、歯部102のそれぞれは、同じまたは類似の形状およびサイズを有し、互いに等しい距離で離間している。歯部102は、丸い外縁103を有する。
【0096】
図42に示すように、歯部102によって形成されるポケット内にウィッキング要素70を固定するために、歯部102がウィッキング要素70(例えば、平らなパッド)の周りにクリンプされている。例えば、歯部102は、ウィッキング要素70が存在するポケットを画定するために折り畳まれ、および/またはクリンプされてもよい。歯部102は、プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126を含む。プラットフォーム歯部部分124は、ウィッキング要素70の一方の側部に接触するように構成され、側歯部部分126は、ウィッキング要素70の他の対向している側部に接触するように構成される。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70を受け入れる、および/またはウィッキング要素70の少なくとも一部の形状に適合するような形状のポケットを形成する。ポケットは、ウィッキング要素70がポケット内の加熱要素100によって固定および保持されることを可能にする。
【0097】
いくつかの実施形態では、側歯部部分126およびプラットフォーム歯部部分124は、圧縮によってウィッキング要素70を保持する(例えば、ウィッキング要素70の少なくとも一部は、両側の側歯部部分126および/またはプラットフォーム歯部部分124の間で圧縮される)。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70に接触して、加熱要素100とウィッキング要素70との間に多次元接触を提供する。加熱要素100とウィッキング要素70との間の多次元接触は、気化装置カートリッジ52のリザーバ55から加熱部104への(ウィッキング要素70を介した)気化される気化性材料のより効率的および/またはより高速の移動を提供する。
【0098】
図39~
図43に示す例示的な加熱要素100の1つ以上の脚部106は、4つの脚部106を含む。脚部106のそれぞれは、気化装置10の対応するレセプタクル接点62に接触するように構成されたカートリッジ接点65を含むおよび/または画定することができる。いくつかの実施形態では、脚部106の各対(およびカートリッジ接点65)は、単一のレセプタクル接点62と接触してもよい。脚部106は、脚部106がレセプタクル接点62との接触を維持できるように、ばね式であってもよい。脚部106は、レセプタクル接点62との接触を維持するのに役立つように湾曲した脚部106の長さに沿って延びる部分を含むことができる。ばね荷重された脚部106および/または脚部106の湾曲は、脚部106とレセプタクル接点62との間の一貫した圧力を増加および/または維持するのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、脚部106は、脚部106とレセプタクル接点62との間の一貫した圧力を増加および/または維持するのに役立つ支持体97と結合される。支持体97は、脚部106とレセプタクル接点62との間の接触を維持するのを助けるために、プラスチック、ゴム、または他の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、支持体97は脚部106の一部として形成される。
【0099】
脚部106は、カートリッジ接点65と他の接点または電源との間の接続をきれいにするように構成された1つ以上のワイピング接点と接触してもよい。例えば、ワイピング接点は、挿入方向に平行または垂直な方向に互いに摩擦係合し、互いに摺動する少なくとも2つの平行であるがオフセットされた突起部を含むであろう。
【0100】
図39~
図55に示すように、加熱要素100の1つ以上の脚部106は、4つの脚部106を含む。
図48~
図49、
図54A~
図55B、および
図66~
図67は、非屈曲位置にある加熱要素100の例を示している。示すように、加熱要素100は、4つの脚部106および歯部102によって画定されるH形状を有する。この構成により、ヒータ全体の抵抗をより正確に測定できるようになり、抵抗測定値のばらつきが減少するため、エアロゾル生成の効率が向上し、エアロゾル生成の品質が向上する。加熱要素100は、2対の対向する脚部106を含む。歯部102は、対向する脚部106の各対の中心またはその近くで、対向する脚部106の各対と結合(例えば、交差)する。加熱部104は、対向する脚部106の対の間に配置される。
【0101】
図66は、加熱要素100が基板材料177から打ち抜きおよび/または別の方法で形成される前の加熱要素100の例を示している。過剰な基板材料177Aは、1つ、2つ、またはそれ以上の結合位置177Bで加熱要素100と結合されてもよい。例えば、示すように、過剰な基板材料177Aは、加熱要素のプラットフォーム部分および/または加熱要素100の加熱部104の対向する横方向端部173の近くの2つの結合位置177Bで加熱要素100と結合され得る。いくつかの実施形態では、加熱要素100は、最初に基板材料177から打ち抜かれ、次に結合位置177Bで(例えば、加熱要素100をねじる、引っ張る、打ち抜く、切断するなどにより)過剰な基板材料177Aから除去されてもよい。
【0102】
上述のように、加熱要素100をクリンプするために、加熱要素100は、折り線123、122A、122B、120に沿って、互いに向かけてまたは互いに離れるように曲げられるか、別の方法で折り畳まれ得る(例えば、
図55Aを参照)。折り線は
図55Aに示されているが、
図1D~
図72Cに記載され示す例示的な加熱要素100は、折り線に沿ってクリンプ、折り畳み、またはその他の方法で曲げられてもよい。加熱要素100を折り線120に沿って折り畳むと、折り線120の間、および/または折り線120と歯部102の外縁103との間の領域によって画定される側歯部部分126の間の領域によって画定されるプラットフォーム歯部部分124が形成される。プラットフォーム歯部部分124は、ウィッキング要素70の一端に接触および/または一端を支持してもよい。側歯部部分126は、ウィッキング要素70の両側に接触してもよい。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70を受け入れる、および/またはウィッキング要素70の少なくとも一部の形状に適合する形状のポケットを形成する加熱要素の内部容積を画定する。内部容積により、ウィッキング要素70は、ポケット内の加熱要素100によって固定および保持されることが可能になる。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70に接触して、加熱要素100とウィッキング要素70との間に多次元接触を提供する。加熱要素100とウィッキング要素70との間の多次元接触は、気化装置カートリッジ52のリザーバ55から加熱部104への(ウィッキング要素70を介した)気化される気化性材料のより効率的および/またはより高速の移動を提供する。
【0103】
いくつかの実施形態では、加熱要素100の脚部106の部分は、折り線122A、122Bに沿って曲げられてもよい。加熱要素100の脚部106の部分を折り線122に沿って互いに離れるように折り畳むことにより、脚部106は、(例えば、同じ平面で)第1の方向および/または第1の方向と反対の第2の方向で、加熱要素100の加熱部104(および歯部102)から離れた位置に配置される。したがって、加熱要素100の脚部106の部分を折り線122に沿って互いに離れるように折り畳むことにより、加熱部104は気化装置カートリッジ52の本体から離間する。折り線122A、122Bに沿って脚部106の部分を折り畳むと、ブリッジ185が形成される。いくつかの実施形態では、ブリッジ185は、毛細管作用などによる加熱部104からの気化性材料のオーバーフローを低減または排除するのに役立つ。ブリッジ185はまた、加熱部104を脚部106から断熱するのに役立ち、その結果、加熱部104で発生した熱は脚部106に到達しない。これはまた、加熱部104内に加熱要素100の加熱を局所化するのに役立つ。
【0104】
いくつかの実施形態では、加熱要素100は、折り線123に沿って曲げられて、カートリッジ接点65を画定してもよい。カートリッジ接点65は、レセプタクル接点に接触するために環境に露出するか、別の方法でアクセス可能(および外殻などのカートリッジの一部の内部に配置可能)である一方、加熱要素100の加熱部104などの他の部分は、ウィックハウジングなどの気化装置カートリッジ52のアクセス不能な部分に配置される。
【0105】
いくつかの実施形態では、脚部106は、ウィッキング要素70および加熱要素100(加熱部104など)の少なくとも一部を囲むウィックハウジング98の少なくとも一部の周りに曲げられるように構成される保持部分99を含む。保持部分99は、脚部106の端部を形成する。保持部分99は、加熱要素100およびウィッキング要素70をウィックハウジング98(および気化装置カートリッジ52)に固定するのに役立つ。あるいは、保持部分99は、ウィックハウジング98の少なくとも一部から離れるように曲げられてもよい。
【0106】
図44~
図49は、本発明の実施形態と一致する加熱要素100の別の例を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106の端部に、および/またはその各々の一部として形成されたカートリッジ接点65を含む。
【0107】
歯部102は、ウィッキング要素70(例えば、平らなパッド)が存在するポケットを画定するために折り畳まれ、および/またはクリンプされてもよい。歯部102は、プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126を含む。プラットフォーム歯部部分124は、ウィッキング要素70の一方の側部に接触するように構成され、側歯部部分126は、ウィッキング要素70の他の対向している側部に接触するように構成される。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70を受け入れる、および/またはウィッキング要素70の少なくとも一部の形状に適合するような形状のポケットを形成する。ポケットは、ウィッキング要素70がポケット内の加熱要素100によって固定および保持されることを可能にする。
【0108】
この例では、歯部102は様々な形状およびサイズを有し、同じまたは変化する距離で互いに離間している。例えば、示すように、側歯部部分126のそれぞれは、少なくとも4つの歯部102を含む。隣接する歯部102の第1の対170では、隣接する歯部102のそれぞれは、プラットフォーム歯部部分124の近くに位置する内側領域176から外縁103の近くに位置する外側領域178まで等しい距離で離間している。隣接する歯部102の第2の対172では、隣接する歯部102は、内側領域176から外側領域178まで距離が変化して離間している。例えば、第2の対172の隣接する歯部102は、内側領域176で外側領域178よりも大きい幅で離間している。これらの構成は、加熱部104の歯部102の長さに沿って一定かつ均一な温度を維持するのに役立ち得る。歯部102の長さに沿って一定温度を維持することにより、最高温度が加熱部104全体にわたってより均一に維持可能であるため、より高品質のエアロゾルを提供し得る。
【0109】
上述のように、脚部106のそれぞれは、気化装置10の対応するレセプタクル接点62に接触するように構成されたカートリッジ接点65を含むおよび/または画定することができる。いくつかの実施形態では、脚部106の各対(およびカートリッジ接点65)は、単一のレセプタクル接点62と接触してもよい。いくつかの実施形態では、脚部106は、曲げられるように構成され、概して加熱部104から離れて延びる保持部分99を含む。保持部分99は、ウィックハウジング98の対応する凹部内に配置されるように構成される。保持部分99は、脚部106の端部を形成する。保持部分99は、加熱要素100およびウィッキング要素70をウィックハウジング98(および気化装置カートリッジ52)に固定するのに役立つ。保持部分99は、保持部分99の端部から加熱要素100の加熱部104に向かって延びる先端部分99Aを有してもよい。この構成は、保持部分が気化装置カートリッジ52の別の部分、または気化装置カートリッジ52をきれいにするための洗浄装置と接触する可能性を低減する。
【0110】
加熱部104の歯部102の外縁103は、タブ180を含んでもよい。タブ180は、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のタブ180を含んでもよい。タブ180は、外縁103から外向きに延び、加熱要素100の中心から離れて延びてもよい。例えば、タブ180は、ウィッキング要素70を受け入れるための少なくとも側歯部部分126によって画定される内部容積を取り囲む加熱要素100の縁部に沿って配置することができる。タブ180は、ウィッキング要素70の内部容積から離れて外向きに延びてもよい。タブ180はまた、プラットフォーム歯部部分124とは反対の方向に離れて延びてもよい。いくつかの実施形態では、ウィッキング要素70の内部容積の対向する側部に配置されたタブ180は、互いに離れて延びてもよい。この構成は、ウィッキング要素70の内部容積に通じる開口部を広げることに役立ち、それにより、ウィッキング要素70が加熱要素100に組み付けられたときに引っかかる、裂ける、および/または損傷する可能性を減らすのに役立つ。ウィッキング要素70の材料により、ウィッキング要素70は、加熱要素100に組み付けられた(例えば、内部に配置、または挿入された)ときに、容易に引っかかる、裂ける、および/または別の方法で損傷する可能性がある。ウィッキング要素70と歯部102の外縁103との間の接触も、加熱要素に損傷を引き起こす可能性がある。タブ180の形状および/または位置決めにより、ウィッキング要素70を、歯部102により形成されるポケット(例えば、加熱要素100の内部容積)内にまたはポケットに向けてより容易に位置決めすることができ、それにより、ウィッキング要素70および/または加熱要素が損傷する可能性を防止または低減する。したがって、タブ180は、ウィッキング要素70が加熱要素100と熱接触する際に加熱要素100および/またはウィッキング要素70に引き起こされる損傷を低減または防止するのに役立つ。タブ180の形状はまた、加熱部104の抵抗に対する影響を最小限に抑えるのに役立つ。
【0111】
いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65の少なくとも一部および/または脚部106の少なくとも一部を1つ以上の外側めっき材料150でめっきして、加熱要素100がレセプタクル接点62に接触する点における接触抵抗を低減することができる。
【0112】
図50A~
図55Bは、本発明の実施形態と一致する加熱要素100の別の例を示している。示すように、加熱要素100は、加熱部104に位置する1つ以上の歯部102、歯部102から延びる1つ以上の脚部106、および1つ以上の脚部106の端部に、および/またはその各々の一部として形成されたカートリッジ接点65を含む。
【0113】
歯部102は、ウィッキング要素70(例えば、平らなパッド)が存在するポケットを画定するために折り畳まれ、および/またはクリンプされてもよい。歯部102は、プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126を含む。プラットフォーム歯部部分124は、ウィッキング要素70の一方の側部に接触するように構成され、側歯部部分126は、ウィッキング要素70の他の対向している側部に接触するように構成される。プラットフォーム歯部部分124および側歯部部分126は、ウィッキング要素70を受け入れる、および/またはウィッキング要素70の少なくとも一部の形状に適合するような形状のポケットを形成する。ポケットは、ウィッキング要素70がポケット内の加熱要素100によって固定および保持されることを可能にする。
【0114】
この例では、歯部102は同じ形状およびサイズを有し、互いに等しい距離で離間している。ここで、歯部102は、プラットフォーム歯部部分124によって離間された第1の側歯部部分126Aおよび第2の側歯部部分126Bを含む。第1および第2の側歯部部分126A、126Bのそれぞれは、プラットフォーム歯部部分124の近くに位置する内側領域176から外縁103の近くに位置する外側領域178を含む。外側領域178で、第1の側歯部部分126Aは、第2の歯部部分126Bと略平行に配置される。内側領域176では、第1の側歯部部分126Aは第2の歯部部分126Bからオフセットされて配置され、第1および第2の側歯部部分126A、126Bは平行ではない。この構成は、加熱部104の歯部102の長さに沿って一定かつ均一な温度を維持するのに役立ち得る。歯部102の長さに沿って一定温度を維持することにより、最高温度が加熱部104全体にわたってより均一に維持可能であるため、より高品質のエアロゾルを提供し得る。
【0115】
上述のように、脚部106のそれぞれは、気化装置10の対応するレセプタクル接点62に接触するように構成されたカートリッジ接点65を含むおよび/または画定することができる。いくつかの実施形態では、脚部106の各対(およびカートリッジ接点65)は、単一のレセプタクル接点62と接触してもよい。いくつかの実施形態では、脚部106は、曲げられるように構成され、概して加熱部104から離れて延びる保持部分99を含む。保持部分99は、ウィックハウジング98の対応する凹部内に配置されるように構成される。保持部分99は、脚部106の端部を形成する。保持部分99は、加熱要素100およびウィッキング要素70をウィックハウジング98(および気化装置カートリッジ52)に固定するのに役立つ。保持部分99は、保持部分99の端部から加熱要素100の加熱部104に向かって延びる先端部分99Aを有してもよい。この構成は、保持部分が気化装置カートリッジ52の別の部分、または気化装置カートリッジ52をきれいにするための洗浄装置と接触する可能性を低減する。
【0116】
加熱部104の歯部102の外縁103は、タブ180を含んでもよい。タブ180は、外縁103から外向きに延び、加熱要素100の中心から離れて延びてもよい。タブ180は、ウィッキング要素70を歯部102によって形成されたポケット内により容易に配置できるように成形でき、それによりウィッキング要素70が外縁103に引っかかる可能性を防止または低減する。タブ180の形状は、加熱部104の抵抗に対する影響を最小限に抑えるのに役立つ。
【0117】
いくつかの実施形態では、カートリッジ接点65の少なくとも一部および/または脚部106の少なくとも一部を1つ以上の外側めっき材料150でめっきして、加熱要素100がレセプタクル接点65に接触する点における接触抵抗を低減することができる。
【0118】
図56~
図57は、加熱要素100がウィックハウジング98に組み付けられたアトマイザアセンブリ26の例を示し、
図58は、本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリ26の分解図を示している。ウィックハウジング98は、プラスチック、ポリプロピレンなどでできていてもよい。ウィックハウジング98は、加熱要素100の脚部106のそれぞれの少なくとも一部が配置および固定され得る4つの凹部192を含む。示すように、ウィックハウジング98はまた、内部容積194へのアクセスを提供する開口部193を含み、その中に、加熱要素100の少なくとも加熱部104およびウィッキング要素70が配置される。
【0119】
ウィックハウジング98はまた、
図59に示す別個の熱シールド118Aを含んでもよい。熱シールド118Aは、ウィックハウジング98の壁と加熱要素100との間のウィックハウジング98内の内部容積194内に配置される。熱シールド118Aは、加熱要素100の加熱部104を少なくとも部分的に取り囲み、ウィックハウジング98の側壁から加熱要素100を離すように成形される。熱シールド118Aは、加熱部104を気化装置カートリッジ52の本体および/またはウィックハウジング98から断熱するのに役立つことができる。熱シールド118Aは、気化装置カートリッジ52の本体の加熱部104および/またはウィックハウジング98から発する熱の影響を最小限に抑え、気化装置カートリッジ52の本体および/またはウィックハウジング98の構造的完全性を保護し、気化装置カートリッジ52および/またはウィックハウジング98の融解または他の変形を防ぐのに役立つ。熱シールド118Aはまた、加熱部104内に熱を保持することにより加熱部104で一定の温度を維持するのに役立ち、それにより熱損失を防止または制限する。
【0120】
熱シールド118Aは、ウィックハウジング98の基部など、開口部193の反対側のウィックハウジング98の一部に形成された1つ以上のスロット(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ以上のスロット)196と整列する1つ以上のスロット190(例えば、3つのスロット)を一端に含む(
図57および
図69を参照)。1つ以上のスロット190、196は、気化性材料の液体の流れに影響を与えることなく、加熱部104内の液体気化性材料の流れおよび気化性材料の気化によって引き起こされる圧力の逃げを可能にする。
【0121】
いくつかの実施形態では、加熱要素100(例えば、脚部106)とウィックハウジング98の外壁との間(または加熱要素100の部分間)にフラッディングが発生する場合がある。例えば、液体経路199によって示すように、加熱要素100の脚部106とウィックハウジング98の外壁との間の毛細管圧により、液体の気化性材料が蓄積する場合がある。そのような場合、リザーバおよび/または加熱部104から液体の気化性材料を引き出すのに十分な毛細管圧があり得る。液体気化性材料がウィックハウジング98(または加熱部104)の内部容積から逃げるのを制限および/または防止するのを助けるために、ウィックハウジング98および/または加熱要素100は、毛細管圧に急激な変化を引き起こす毛細管機構を含むことができ、それにより、追加のシール(例えば、ハーメチックシール)を使用せずに液体の気化性材料が機構を通過することを防ぐ液体バリアを形成する。毛細管機構は、ウィックハウジング98および/または加熱要素100の鋭い点、屈曲部、湾曲面、または他の表面によって形成される毛細管破断部を画定してもよい。毛細管機構により、導電性要素(例えば、加熱要素100)を湿潤領域および乾燥領域の両方に配置することができる。
【0122】
毛細管機構は、加熱要素100および/またはウィックハウジング98上に配置され、および/またはその一部を形成することができ、毛細管圧の急激な変化を引き起こす。例えば、毛細管機構は、加熱要素の長さに沿って、加熱要素とウィックハウジングとの間、または気化装置カートリッジの別の構成要素との間の毛細管圧の急激な変化を引き起こす、屈曲部、鋭い点、湾曲面、傾斜面、または他の表面機構を含み得る。毛細管機構は、加熱要素の部分間、加熱要素とウィックハウジングとの間などに形成される毛細管チャネルなどの毛細管チャネルを広げる加熱要素および/またはウィックハウジングの突起または他の部分も含むことができ、それは、毛細管チャネルが液体を毛細管チャネルに引き込まないように、毛細管チャネル内の毛細管圧を低下させるのに十分である(例えば、毛細管機構はウィックハウジングから加熱要素を離す)。したがって、毛細管機構は、毛細管圧力の急激な変化および/または低下に少なくとも部分的に起因して、液体が毛細管機構を超えて液体経路に沿って流れることを防止または制限する。毛細管機構のサイズおよび/または形状(例えば、屈曲部、鋭い点、湾曲面、傾斜面、突起など)は、加熱要素およびウィックハウジングなどの材料間に形成される濡れ角の関数であってもよく、または構成要素間に形成される毛細管チャネルの他の壁は、加熱要素および/またはウィックハウジングまたは他の構成要素の材料の関数であってもよく、および/または他の特性の中でも毛細管チャネルを画定する加熱要素および/またはウィックハウジングなどの2つの構成要素間に形成されるギャップのサイズの関数であってもよい。
【0123】
一例として、
図60Aおよび
図60Bは、毛細管圧の急激な変化を引き起こす毛細管機構198を有するウィックハウジング98を示している。毛細管機構198は、液体が毛細管機構198を越えて液体経路199に沿って流れるのを防止または制限し、脚部106とウィックハウジング98との間に液体が溜まるのを防ぐのに役立つ。ウィックハウジング98上の毛細管機構198は、加熱要素100(例えば、金属などで作られた構成要素)をウィックハウジング98(例えば、プラスチックなどで作られた構成要素)から離間させ、それにより2つの構成要素間の毛細管強度を低下させる。
図60Aおよび60Bに示す毛細管機構198は、液体が毛細管機構198を越えて流れるのを制限または防止するウィックハウジングの傾斜面の端部に鋭い縁部も含む。
【0124】
図60Bに示すように、加熱要素100の脚部106は、加熱要素100の内部容積および/またはウィックハウジング98に向かって内側に角度を付けられてもよい。角度の付いた脚部106は、液体が加熱要素の外側表面の上および加熱要素100の脚部106に沿って流れるのを制限または防止するのに役立つ毛細管機構を形成してもよい。
【0125】
別の例として、加熱要素100は、1つ以上の脚部106で形成され、加熱部104から脚部106を離間させる毛細管機構(例えば、ブリッジ185)を含んでもよい(
図39~
図55参照)。ブリッジ185は、加熱要素100を折り線120、122に沿って折り畳むことにより形成されてもよい。いくつかの実施形態では、ブリッジ185は、毛細管作用などによる加熱部104からの気化性材料のオーバーフローを低減または排除するのに役立つ。
図50A~
図55Bに示す例示的な加熱要素100などのいくつかの例では、ブリッジ185は、角度が付けられ、および/または屈曲部を含み、加熱部104からの流体の流れを制限するのに役立つ。
【0126】
別の例として、加熱要素100は、鋭い点を画定して毛細管圧の急激な変化を引き起こし、それによって液体の気化性材料が毛細管機構198を越えて流れるのを防ぐ毛細管機構198を含むことができる。
図61は、本発明の実施形態と一致する毛細管機構198を有する加熱要素100の例を示している。
図61に示すように、毛細管機構198は、脚部106と加熱部104との間の距離よりも大きい距離で加熱部から外向きに延びるブリッジ185の端部を形成することができる。ブリッジ185の端部は、液体の気化性材料が脚部106に流入するおよび/または加熱部104から出るのをさらに防止し、それにより漏れを減らし、加熱部104内に残る気化性材料の量を増加させるのに役立つ鋭利な縁部であってもよい。
【0127】
図62~
図63は、
図44~
図49に示す加熱要素100の変形例を示している。加熱要素100のこの変形例では、加熱要素100の脚部106は、屈曲領域111に屈曲部を含む。脚部106の屈曲部は毛細管機構198を形成することができ、これは、液体の気化性材料が毛細管機構198を越えて流れるのを防ぐのに役立つ。例えば、屈曲部は毛細管圧の急激な変化を生じさせ、これにより液体の気化性材料が屈曲部を越えて流れるのを、および/または脚部106とウィックハウジング98との間に溜まるのを制限または防止するのに役立つことができ、液体の気化性材料が加熱部104から流出するのを制限または防止するのに役立つことができる。
【0128】
図64~
図65は、
図50A~
図55Bに示す加熱要素100の変形例を示している。加熱要素100のこの変形例では、加熱要素100の脚部106は、屈曲領域111に屈曲部を含む。脚部106の屈曲部は毛細管機構198を形成することができ、これは、液体の気化性材料が毛細管機構198を越えて流れるのを防ぐのに役立つ。例えば、屈曲部は毛細管圧の急激な変化を生じさせ、液体の気化性材料が屈曲部を越えて流れるのを、および/または脚部106とウィックハウジング98との間に溜まるのを制限または防止するのに役立ち、液体の気化性材料が加熱部104から流出するのを制限または防止するのに役立つことができる。
【0129】
図68A~
図69は、加熱要素100がウィックハウジング98および熱シールド118Aに組み付けられたアトマイザアセンブリ26の別の例を示し、
図70は、本発明の実施形態と一致するアトマイザアセンブリ26の分解図を示している。ウィックハウジング98は、プラスチック、ポリプロピレンなどでできていてもよい。ウィックハウジング98は、加熱要素100の脚部106のそれぞれの少なくとも一部が配置および固定され得る4つの凹部192を含む。凹部192内で、ウィックハウジング98は、例えば加熱要素100の脚部106の少なくとも一部とウィックハウジング保持機構93との間のスナップ嵌合構成を介して、加熱要素100をウィックハウジング98に固定するのに役立つ1つ以上のウィックハウジング保持機構93(
図72Aを参照)を含むことができる。ウィックハウジング保持機構93はまた、ウィックハウジング98の表面から加熱要素100を離間させるのに役立ち、ウィックハウジングに熱が作用してウィックハウジング98の一部が溶けるのを防ぐのに役立つことができる。
【0130】
示すように、ウィックハウジング98はまた、内部容積194へのアクセスを提供する開口部193を含み、その中に、加熱要素100の少なくとも加熱部104およびウィッキング要素70が配置される。
【0131】
ウィックハウジング98はまた、ウィックハウジング98の表面から加熱要素100を離間させて、ウィックハウジング98の表面と接触する熱量を減らすのに役立つ1つ以上の他の切り欠きを含んでもよい。例えば、ウィックハウジング98は切り欠き91を含むことができる。切り欠き91は、開口部193に近接したウィックハウジング98の外面に沿って形成されてもよい。切り欠き91はまた、毛細管機構198などの毛細管機構を含むことができる。切り欠き91の毛細管機構は、隣接する(または交差する)壁(ウィックハウジングの壁など)の間の接触点を破壊する表面(例えば、湾曲面198)を画定してもよい。湾曲面198は、ウィックハウジングの隣接する外壁間に形成される毛細管現象を低減または排除するのに十分な半径を有してもよい。
【0132】
図68A~
図69を参照すると、ウィックハウジング98はタブ89を含むことができる。タブ89は、気化装置カートリッジの1つ以上の他の構成要素に対して、気化装置カートリッジの組み立て中にウィックハウジングを適切に配置および/または方向付けるのに役立ち得る。例えば、タブ89を形成する追加された材料は、ウィックハウジング98の質量中心をずらす。質量重心がずれたため、ウィックハウジング98は、特定の向きに回転または摺動して、組み立て中に気化装置カートリッジの別の構成要素の対応する機構と位置合わせすることができる。
【0133】
図71A~
図71Cは、本発明の実施形態と一致する、ウィックハウジング98、ウィッキング要素70、および加熱要素100を含む気化装置カートリッジ52のアトマイザアセンブリ26を形成する例示的な方法を示している。
図71Aに示すように、ウィッキング要素70は、加熱要素100に形成されたポケット(例えば、側歯部部分126およびプラットフォーム歯部部分124によって形成される)に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、気化性材料がウィッキング要素70に導入されると、ウィッキング要素70は、加熱要素100に固定された後に膨張する。
【0134】
図71Bは、ウィックハウジング98に結合されるウィッキング要素70および加熱要素100を示し、
図71Cは、ウィックハウジング98に組み付けられたウィッキング要素70および加熱要素100の例を示す。加熱部104などの加熱要素100の少なくとも一部は、ウィックハウジング98の内部容積内に配置することができる。加熱要素100の脚部106(例えば、保持部分99)は、例えば、スナップ嵌合構成を介して、ウィックハウジング98の外壁と結合してもよい。特に、脚部106の保持部分99は、ウィックハウジング98の凹部と結合し、少なくとも部分的にその中に配置することができる。
【0135】
図72A~
図72Cは、本発明の実施形態と一致する、ウィックハウジング98、ウィッキング要素70、および加熱要素100を含む気化装置カートリッジ52のアトマイザアセンブリ26を形成する別の例示的な方法を示している。
図72Aに示すように、例えば、ウィックハウジング98の内部容積内の加熱部104などの加熱要素100の少なくとも一部を挿入または他の方法で配置することにより、加熱要素100をウィックハウジング98に結合することができる。加熱要素100の脚部106(例えば、保持部分99)は、例えば、スナップ嵌合構成を介して、ウィックハウジング98の外壁と結合してもよい。特に、保持部分99または脚部106の別の部分は、例えば、ウィックハウジング保持機構93と結合することにより、ウィックハウジング98の凹部と結合し、少なくとも部分的にその中に配置することができる。
【0136】
図72Bに示すように、ウィッキング要素70は、加熱要素100に形成されたポケット(例えば、側歯部部分126およびプラットフォーム歯部部分124によって形成される)に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、ウィッキング要素70が加熱要素70と結合されると、ウィッキング要素70が圧縮される。いくつかの実施形態では、気化性材料がウィッキング要素70に導入されると、ウィッキング要素70は、加熱要素70内に嵌合し、加熱要素100に固定された後に膨張する。
【0137】
図72Cは、アトマイザアセンブリ26を形成するためにウィックハウジング98に組み付けられたウィッキング要素70および加熱要素100の例を示している。
【0138】
図73は、本発明の実施形態と一致する加熱要素100を組み立てるための例示的なプロセス3600を示している。プロセスフローチャート3600は、以下の一部またはすべてを選択的に含むことができる方法の特徴を示している。ブロック3610で、抵抗加熱特性を有する平面基板が提供される。ブロック3612で、平面基板は、所望の幾何学的形状に切断および/または打ち抜かれてもよい。ブロック3614で、加熱要素100の少なくとも一部がめっきされてもよい。例えば、上述のように、めっき材料(例えば、接着めっき材料および/または外側めっき材料)の1つ以上の層は、加熱要素100の外面の少なくとも一部の上に付着され得る。ブロック3616で、加熱部104(例えば、歯部102)は、ウィッキング要素の形状に一致し、かつウィッキング要素を加熱要素に固定するために、ウィッキング要素の周りで曲げられ、および/または別の方法でクリンプされてもよい。ブロック3618で、いくつかの実施形態では加熱要素100の脚部106の端部を形成するカートリッジ接点65は、ある平面に沿って第1または第2の方向に、あるいは第1または第2の方向に垂直な第3の方向に沿って曲げることができる。ブロック3620で、加熱要素100は、気化装置カートリッジ52に組み付けられ、ウィッキング要素70と気化性材料のリザーバとの間に流体連通が引き起こされ得る。3622で、気化性材料は、加熱要素100の加熱部104の少なくとも2つの表面と接触するように配置され得るウィッキング要素70に引き込まれ得る。ブロック3624で、加熱手段を加熱要素のカートリッジ接点65に設けて、加熱要素100を少なくとも加熱部104において加熱することができる。加熱により、気化性材料が気化する。ブロック3626で、気化した気化性材料は、加熱要素が配置されている気化カートリッジのマウスピースへの空気の流れに同伴される。
【0139】
(用語)
本明細書において、機構または要素が別の機構または要素の「上」にあると言及される場合、それは他の機構または要素の上に直接存在するか、介在する機構および/または要素も存在し得る。対照的に、ある機構または要素が別の機構または要素の「直接上」にあると言及される場合、介在する機構または要素は存在しない。機構または要素が別の機構または要素に「接続」、「取り付け」または「結合」されていると言及される場合、他の機構または要素に直接接続、取り付けまたは結合でき、あるいは介在する機構または要素が存在する場合があることも理解されよう。対照的に、ある機構または要素が別の機構または要素に「直接接続」、「直接取り付け」または「直接結合」されていると言及される場合、介在する機構または要素は存在しない。
【0140】
一実施形態に関して説明または図示したが、そのように説明または図示した機構および要素は、他の実施形態に適用することができる。また、別の機構に「隣接して」配置される構造または機構への言及は、隣接する機構に重なるまたはその基礎となる部分を有し得ることも当業者には理解されよう。
【0141】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態および実装を説明するためだけのものであり、限定することを意図するものではない。例えば、本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、用語「含む」は、本明細書で使用される場合、述べられた機構、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を述べているが、1つ以上の他の機構、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことを理解されたい。本明細書で使用される「および/または」という用語は、列挙された関連項目の1つ以上のあらゆる組み合わせを含み、「/」と略される場合がある。
【0142】
上記の説明および特許請求の範囲において、「少なくとも1つ」または「1つ以上」などの語句が出現し、その後に要素または機構の連結リストが続く場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または機構のリストにも現れる場合がある。それが使用される文脈によって暗黙的または明示的に否定されない限り、そのような語句は、リストされた要素または機構のいずれかを個別に、または列挙された要素または機構のいずれかを他の列挙された要素または機構のいずれかと組み合わせて意味することを意図している。例えば、「AとBの少なくとも1つ」、「AとBの1つ以上」、および「Aおよび/またはB」という語句は、それぞれ「A単独、B単独、またはAとBが一緒に」を意味する。同様の解釈は、3つ以上の項目を含むリストにも適用される。例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つ以上」、および「A、B、および/またはC」という語句は、それぞれ「A単独、B単独、C単独、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、またはAとBとCが一緒に」を意味する。上記および特許請求の範囲における「に基づいて」という用語の使用は、「少なくとも部分的に基づいて」を意味することを意図しており、そのため、列挙されていない機構または要素も許容される。
【0143】
「前方」、「後方」、「下方」、「下に」、「下部」、「上に」、「上部」などのような空間的に相対的な用語は、本明細書では、説明を容易にするために、図に示すように、1つの要素または機構の別の要素または機構との関係を説明するために使用される。空間的に相対的な用語は、図に示された向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。例えば、図の装置が上下逆になっている場合、他の要素または機能の「下方」または「下」に記載されている要素は、他の要素または機構の「上」に配向され得る。したがって、例示的な用語「下」は、上と下の両方の向きを含むことができる。装置は、他へと方向付けられ(90度または他の方向に回転して)、それに応じて本明細書で使用される空間的に相対的な記述子が解釈されてもよい。同様に、用語「上方に」、「下方に」、「垂直に」、「水平に」などは、特に明記しない限り、説明のためだけに本明細書で使用される。
【0144】
「第1」および「第2」という用語は、様々な機構/要素(ステップを含む)を説明するために本書で使用される場合があるが、これらの機構/要素は、文脈がそうでないことを示さない限り、これらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、ある機構/要素を別の機構/要素と区別するために使用される場合がある。したがって、本明細書で提供される教示から逸脱することなく、以下に説明する第1の機構/要素を第2の機構/要素と呼ぶことができ、同様に、以下に説明する第2の機構/要素を第1の機構/要素と呼ぶことができる。
【0145】
例で使用されるものを含む本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、および特に明示的に指定されない限り、すべての数字は、用語が明示的に表示されない場合でも、「約」または「およそ」という単語が前にあるように読むことができる。「約」または「およそ」という語句は、大きさおよび/または位置を説明するときに使用され、説明された値および/または位置が値および/または位置の妥当な予想範囲内であることを示す。例えば、数値は、指定された値(または値の範囲)の±0.1%、指定された値(または値の範囲)の±1%、指定された値(または値の範囲)の±2%、指定された値(または値の範囲)の±5%、指定された値(または値の範囲)の±10%などである値を有してもよい。本明細書で与えられる数値は、文脈がそうでないことを示さない限り、約またはほぼその値を含むことも理解されるべきである。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。本明細書に列挙された任意の数値範囲は、その中に含まれるすべての部分範囲を含むことを意図している。当業者によって適切に理解されるように、ある値が開示された場合、「その値以下」、「その値以上」および値間の可能な範囲も開示されていることも理解される。例えば、値「X」が開示された場合、「X以下」および「X以上」(例えば、ここでXは数値である)も開示されている。また、本願全体で、データはいくつかの様々な形式で提供され、このデータは終了点と開始点、およびデータポイントの任意の組み合わせの範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されている場合、10及び15の間だけでなく、10より大きく且つ15より大きく、10以上且つ15以上、10未満且つ15未満、10以下且つ15以下、および10と等しく且つ15と等しいことが、開示されていると理解されたい。また、2つの特定の数の間の各数も開示されていることが理解される。例えば、10と15が開示されている場合、11、12、13、14も開示されている。
【0146】
様々な例示的な実施形態が上述されているが、本明細書の教示から逸脱することなく、いくつかの変更のいずれかが様々な実施形態に対して行われてもよい。例えば、説明された様々な方法ステップが実行される順序は、代替実施形態ではしばしば変更され得、他の代替実施形態では、1つ以上の方法ステップは完全にとばされ得る。様々な装置およびシステムの実施形態の選択的特徴は、いくつかの実施形態に含まれ、他の実施形態には含まれない場合がある。したがって、前述の説明は主に例示目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0147】
本明細書で説明する発明の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、ストレージシステム、少なくとも一つの入力装置および少なくとも一つの出力装置とのデータおよび命令の送受信のために結合された、特殊用途または汎用であり得る少なくとも一つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムには、クライアントおよびサーバが含まれる。通常、クライアントおよびサーバは互いに遠隔にあり、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0148】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ばれ、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高レベルの手続型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/またはアセンブリ/マシン言語で実装できる。本明細書で使用される「機械可読媒体」という用語は、機械命令および/またはデータを、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含むプログラム可能なプロセッサへ提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD)などのコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的ソリッドステートメモリまたは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、例えば、プロセッサキャッシュまたは1つ以上の物理プロセッサコアに関連する他のランダムアクセスメモリのように、そのような機械命令を一時的方法で代替的または追加的に記憶することができる。
【0149】
本明細書に含まれる例および図は、限定ではなく例示として、発明が実施され得る特定の実施形態を示す。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を利用したり、そこから導出したりすることができる。本発明の主題のそのような実施形態は、実際に1つより多くの発明または発明の概念が開示されていても、単に便宜上、そして本出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図することなく、「発明」という用語によって個々にまたは集合的に本明細書で参照され得る。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示し説明したが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成を、示された特定の実施形態に置き換えることができる。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応または変形を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態は、上記の説明を検討することにより当業者には明らかであろう。