IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシーの特許一覧

特許7608053ポリフェニレンスルフィドポリマー粒子の調製方法
<>
  • 特許-ポリフェニレンスルフィドポリマー粒子の調製方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】ポリフェニレンスルフィドポリマー粒子の調製方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/12 20060101AFI20241223BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20241223BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20241223BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20241223BHJP
【FI】
C08J3/12 Z CEZ
C08J3/12 CFD
B29C64/153
B33Y10/00
B33Y70/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019568029
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 EP2018062425
(87)【国際公開番号】W WO2018224247
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-04-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】62/516,387
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17184614.0
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512323929
【氏名又は名称】ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェオル, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ブランハム, ケリー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ローラー, デイヴィッド ブレイク
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】植前 充司
【審判官】松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】特開10-273594(JP,A)
【文献】特開2014-43522(JP,A)
【文献】特表2015-526556(JP,A)
【文献】特開昭48-10384(JP,A)
【文献】特開2017-43654(JP,A)
【文献】エチレングリコールテレフタレート-ジエチレングリコールテレフタレート共重合体,高分子化学,22巻・247号,日本,1965年,679-685
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/12
B29C 64/153
B33Y 10/00
B33Y 70/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子の調製方法であって、

a)少なくとも1種のPPSと、
b)少なくとも1種のポリエステルポリマー(PE)であって、
・少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸成分、
・少なくとも1種のジオール成分であって少なくとも2モル%の前記ジオール成分が式(I):
H(O-C2m-OH
(式中、mは2~4の整数であり、nは2~10で変動する)
を有するポリ(アルキレングリコール)であるジオール成分、
・芳香核に結合した少なくとも1つのSO M基を含む少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸であって、MがH、又は、ナトリウム、リチウム、及びカリウムからなる群から選択される金属イオンである芳香族ジカルボン酸
由来の単位を含む少なくとも1種のポリエステルポリマー(PE)と、
を含有する混合物(M)を溶融ブレンドする工程;
- 前記混合物(M)をペレット又はストランドへと加工する工程;
- 前記ペレット又はストランドを80℃未満の温度で冷却する工程;
- 場合によっては最大95℃の温度に加熱されている水と、前記ペレット又はストランドを接触させる工程;
- 前記粒子を回収する工程;
- 場合によっては、前記粒子を乾燥する工程;並びに
- 場合によっては、前記粒子をふるい分けする工程;
を含み、
前記少なくとも1種のポリエステルポリマー(PE)が、水溶性又は水分散性を有する、ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子の調製方法。
【請求項2】
前記PPSの繰り返し単位の少なくとも50モル%が、式(L):
(式中:
- 各Rは、水素原子、ハロゲン原子、C~C12アルキル基、C~C24アルキルアリール基、C~C24アラルキル基、C~C24アリレン基、C~C12アルコキシ基、及びC~C18アリールオキシ基からなる群から独立して選択され、
- iは0~4の整数である)
の繰り返し単位(R PPS ):(モル%は前記PPSポリマー中の総モル数基準である)
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PPSの繰り返し単位の少なくとも50モル%が、式(L’):
の繰り返し単位(R PPS である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記PEが、
- イソフタル酸、
- エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,2-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるジオール、
少なくとも2モル%(前記PE中の総モル数基準)の、ジエチレングリコールのポリ(アルキレングリコール)、
- 芳香核に結合した少なくとも1つのSOM基を含む芳香族ジカルボン酸であって、MがH、又は、ナトリウム、リチウム、及びカリウムからなる群から選択される金属イオンである芳香族ジカルボン
由来の単位を含むか、又はこれらから本質的になる、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物(M)が、
a)10~60重量%のPPS、及び
b)40~90重量%のP
を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶融ブレンド工程が250℃より高い温度で行われる、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/516,387号及び2017年8月3日に出願された欧州特許出願第17184614.0号に対する優先権を請求し、これら出願の各々の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ジカルボン酸成分とジオール成分と由来の単位を含むポリエステルポリマー(PE)の使用に基づくポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子の調製方法であって、少なくとも2モル%のジオール成分がポリ(アルキレングリコール)である方法に関する。この方法は、PPSとPEの溶融ブレンド、ブレンドの冷却、及びPEの水への溶解による粒子の回収を含む。本発明は、それから得られるPPS粒子、並びにSLS 3D印刷、コーティング、及び熱硬化性樹脂の強化におけるこれらの粒子の使用にも関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造システムは、コンピュータ支援設計(CAD)モデリングソフトウェアで作成されたデジタル設計図から3D物体を印刷或いは構築するために使用される。利用可能な付加製造技術の1つである選択的レーザー焼結(「SLS」)は、レーザーからの電磁放射を使用して、粉末材料を塊に融合させる。レーザーは、粉末床の表面の物体のデジタル設計図から生成された断面を走査することにより、粉末材料を選択的に融合させる。断面が走査された後、粉末床が1層の厚さ分下げられ、材料の新しい層が適用され、床が再走査される。その前の焼結層との接着性だけでなく、最上部の粉末層中でのポリマー粒子の局所的な完全合体が必要とされる。このプロセスは、物体が完成するまで繰り返される。
【0004】
Schmidらの論文 (J.Mater. Res,Vol 29,No.17,2014)には、SLS 3D印刷用のポリマーとその粉末形態の特性が概説されている。粒子は、自由流動挙動を促しローラー又はブレード系によりプリンタの粉末床に均一に分布させるために、球形である必要がある。一般的には20~80μmの粒子サイズ分布の球状粒子が、SLS装置上での作業に最適である。
【0005】
球形のポリマー粉末は、ポリマーを有機溶媒に溶解し、続いて大量の非溶媒の中に析出させるプリリングと呼ばれるプロセスにより調製することができる。第1に、溶媒の使用により、重大な環境問題及び廃棄処分問題が生じる。第2に、このプロセスでは、効率的な処理に十分なレベルでポリマーが有機溶媒に溶解する必要がある。ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、SLS 3D印刷にとって特に興味深い有益な熱特性、機械的特性、及び耐薬品性を示すものの、PPSはほとんどの一般的な溶媒に不溶性である。
【0006】
米国特許第8,454,866B2号明細書には、ポリ(アルキレンオキシド)ブロックを含むブロックコポリマーである添加剤と溶融ブレンドを形成することによって脂肪族ポリアミドの粉末を調製することが開示されている。これらのブレンドは水中で崩壊してポリアミド粒子の分散液を生成し、これはその後ろ過及び乾燥によって分離することができる。この特許に記載されているポリ(アルキレンオキシド)ポリマーは、脂肪族ポリアミド粉末の調製に有用であるものの、高性能芳香族ポリマーとともに使用するための熱安定性が不足している。
【0007】
特開2014-043522号公報には、PPS粒子を調製するための、PPSと溶融ブレンドされた変性PETの使用が記載されている。しかしながら、変性PETは最大95℃まで加熱された水の中に溶解しない。
【0008】
本発明の目的の1つは、有機溶媒を使用せずに球形のPPS粒子を調製する方法を提供することである。
【0009】
本発明のもう1つの目的は、SLS 3D印刷、コーティング組成物、及び熱硬化性樹脂の強化によく適したPPS粒子を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のPPS粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1の目的は、有機溶媒を使用せずに球形のPPS粒子を調製する方法である。出願人の功績は、高温芳香族PPSポリマーと一緒に処理するのに適した球形のPPS粒子の調製を可能にする、PPSとの溶融ブレンドに十分な熱安定性を有する材料の種類(ここではポリエステルポリマー(PE)と呼ぶ)を特定したことである。本発明のPEポリマーは、高温耐性を有する。すなわち、特に例えば250℃を超える高温で劣化しない。更に、ポリエステルポリマー(PE)は、場合によっては最大95℃の温度に加熱されている水に、塩基又は酸を含む水を添加する必要なしに溶解することができる。そのため、本発明のPEポリマーは、PPSと溶融ブレンドするのに十分な熱安定性を示すだけでなく、水溶性又は水分散性でもあり、これはPPS粒子を調製するためのオーバープロセスを行い易くする。
【0012】
本発明の方法は、水溶性又は水分散性のポリエステル(PE)でできている相に分散しているPPS粒子を形成するように、例えば離散粒子を形成するのに十分なエネルギーを加えることによって、PPSと水溶性又は水分散性ポリエステル(PE)とを溶融ブレンドすることに基づくものである。その後、ブレンドは冷却され、粒子は水(場合によっては最大95℃温度に加熱される)の中にポリエステルを溶解させることによって回収される。
【0013】
本出願において:
- いずれの記載も、特定の実施形態に関連して記載されているとしても、本開示の他の実施形態に適用可能であり、及びそれらと交換可能であり;
- 要素又は成分が、列挙された要素又は成分の一覧に含まれ、及び/又はそれらから選択されると言われる場合、本明細書で明示的に企図される関連実施形態においては、要素又は成分はまた、個別の列挙された要素若しくは成分のいずれか1つでもあってもよく、又は明示的に列挙された要素若しくは成分の任意の2種以上からなる群から選択されてもよく、要素又は成分の一覧中に列挙されたいずれかの要素又は成分は、こうした一覧から省略されてもよいことを理解されたく、
- 本明細書での端点による数値範囲のいずれの列挙も、列挙された範囲内に包含されるすべての数、並びに範囲の端点及び相当物を含む。
【0014】
より正確には、本発明は、

a)少なくとも1種のPPSと、
b)
・少なくとも1種のジカルボン酸成分、
・少なくとも1種のジオール成分であって少なくとも2モル%のジオール成分が式(I):
H(O-C2m-OH
(式中、mは2~4の整数であり、nは2~10で変動する)
を有するポリ(アルキレングリコール)であるジオール成分、
由来の単位を含む少なくとも1種のポリエステルポリマー(PE)と、
を含有する混合物(M)を溶融ブレンドする工程;
- 混合物(M)をペレット又はストランドへと加工する工程;
- 任意選択的に、ペレット又はストランドを80℃未満の温度で冷却する工程;
- 例えば場合によっては最大95℃の温度に加熱されている水の中にペレット又はストランドを浸漬することによって、前記ペレット又はストランドを水と接触させる工程;
- 例えば水から粒子を分離して粒子を回収する工程;
- 任意選択的に粒子を乾燥する工程;並びに
- 任意選択的に粒子をふるい分けする工程;
を含む、ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子の調製方法に関する。
【0015】
より一般的には、混合物(M)の溶融ブレンドからなる工程は、芳香族PPSポリマーを溶融するために必要とされる温度に適合する、エンドレススクリューミキサー又はスターラーミキサー、例えば混錬機などの任意の適切な装置を用いて行うことができる。この工程に加えられるエネルギーの量は、それから得られるポリマー粒子のサイズを制御するように調製することができる。当業者であれば、例えば平均直径が約0.5μmから約500μmの間で変化する望みのサイズの粒子を得るために、装置(例えばスクリューの幾何学的形状)及び装置のパラメータ(例えば回転速度)を調整することができる。
【0016】
好ましい実施形態によれば、溶融ブレンドする工程は、280℃超の温度、例えば290℃超、300℃超、又は310℃超の温度で行われる。
【0017】
混合物をペレット又はストランドへと加工することからなる工程は、ダイを通して押し出すプロセスによって行うことができる。
【0018】
溶融ブレンドする工程及びペレット又はストランドへ加工する工程は、好ましくは押出ダイを備えた押出機内で行われる。
【0019】
冷却工程は、80℃未満の温度、例えば50℃未満の温度で、任意の適切な手段によって行われる。特に、空冷又は、例えば水中などの液体中での急冷を挙げることができる。
【0020】
ペレット又はストランドを水と接触させる段階は、これを例えば最大95℃の温度まで加熱された水などの水に、場合によっては複数の水浴に浸す工程から構成されていてもよい。この工程によって、ポリエステルを溶解させてPPS粒子を回収することができる。本発明者らは、ポリエステルを十分に溶解するために、水に酸又は塩基を添加する必要がないことを実証した。本発明は、有利には中性のpHの水又は流水を利用する。
【0021】
本発明の方法の工程は、バッチ式で行われても連続的に行われてもよい。
【0022】
一実施形態によれば、80℃未満、例えば50℃未満の温度でペレット又はストランドを冷却し、ペレット又はストランドを例えば水(水は場合によっては最大95℃の温度まで加熱されていてもよい)に浸漬することにより前記ペレット又はストランドを水と接触させる工程は、同じ装置で同時に行うことができる。
【0023】
本発明の方法は、粒子を乾燥させる追加の工程、及び/又は粒子をふるい分けする追加の工程も含んでいてもよい。乾燥工程は、例えば流動床で行うことができる。
【0024】
ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)
本発明によれば、「ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)」は、その繰り返し単位の少なくとも約50モル%が、式(L)の繰り返し単位(RPPS):
である任意のポリマーを意味し、
式中、
- 各Rは、水素原子、ハロゲン原子、C~C12アルキル基、C~C24アルキルアリール基、C~C24アラルキル基、C~C24アリーレン基、C~C12アルコキシ基、及びC~C18アリールオキシ基からなる群から独立して選択され、
- iは、0~4の整数である。
【0025】
最も広く解釈した定義において、本発明のポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)は、置換及び/又は無置換のフェニレンスルフィド基からなることができる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)は、その繰り返し単位の少なくとも50モル%が式(L’)の繰り返し単位(RPPS):
であり、式中のRが水素原子である任意のポリマーを意味する。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、ポリフェニレンスルフィドポリマーは、PPS中の繰り返し単位の少なくとも約60モル%、少なくとも約70モル%、少なくとも約80モル%、少なくとも約90モル%、少なくとも約95モル%、少なくとも約99モル%が、式(L)又は(L’)の繰り返し単位(RPPS)であるようなポリマーである。
【0028】
モル%は、ここではPPS中の合計モル数を基準とする。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、PPSポリマーは、繰り返し単位の約100モル%が、式(L)又は(L’)の繰り返し単位(RPPS)であるようなポリマーである。この実施形態によれば、PPSポリマーは、本質的に式(L)又は(L’)の繰り返し単位(RPPS)からなる。
【0030】
PPSは、特にSolvay Specialty Polymers USA,LLC.により製造され、商品名Ryton(登録商標)PPSとして販売されている。
【0031】
本発明によれば、(ASTM D1238手順Bに従って5kgの重量下で316℃での)PPSのメルトフローレートは、50~400g/10分、例えば60~300g/10分又は70~200g/10分であり得る。
【0032】
一実施形態によれば、PPSポリマーは、混合物(M)の総重量を基準として、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、又は20重量%未満の量で混合物(M)の中に存在する。
【0033】
ポリエステルポリマー(PE)
本発明によれば、「ポリエステルポリマー(PE)」は、
- 少なくとも1種のジカルボン酸成分、
- 少なくとも1種のジオール成分であって少なくとも2モル%のジオール成分が式(I):
H(O-C2m-OH
(式中、mは2~4の整数であり、nは2~10で変動する)
のポリ(アルキレングリコール)であるジオール成分、
由来の単位を含む任意のポリマーを意味する。
【0034】
一実施形態によれば、ジカルボン酸成分は、例えばイソフタル酸(IPA)、テレフタル酸(TPA)、ナフタレンジカルボン酸(例えばナフタレン-2,6-ジカルボン酸)、4,4’-二安息香酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼン、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸を含む。
【0035】
一実施形態によれば、ジオール成分は、少なくとも2モル%のジオール成分が式(II):
H(O-CH-CH-OH
(nは2~10で変動する)
のポリ(エチレングリコール)であるものである。
【0036】
一実施形態によれば、ジオール成分は、少なくとも4モル%、少なくとも10モル%、少なくとも20モル%、少なくとも30モル%、少なくとも40モル%、又は少なくとも50モル%のジオール成分(ジオール成分の総モル数基準)が、式(I):
H(O-C2m-OH
(mは2~4の整数であり、nは2~10で変動する)
のポリ(アルキレングリコール)であるものであり、好ましくは式(II):
H(O-CH-CH-OH
(nは2~10で変動する)
のポリ(エチレングリコール)であるものである。
【0037】
別の実施形態によれば、ジオール成分は、少なくとも2モル%、少なくとも4モル%、少なくとも10モル%、少なくとも20モル%、少なくとも30モル%、少なくとも40モル%、又は少なくとも50モル%のジオール成分(ジオール成分の総モル数基準)が、式HO-CH-CH-O-CH-CH-OHのジエチレングリコールであるものである。
【0038】
更なる実施形態によれば、2モル%の最少含有率のポリ(アルキレングリコール)とは別に、ジオール成分は、エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,2-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、イソソルビド、及び2,5-ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1種のジオールを含んでいてもよい。
【0039】
また別の実施形態によれば、ポリエステルポリマー(PE)のジオール成分は、
- エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,2-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、イソソルビド、及び2,5-ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフランからなる群から選択されるジオール、
- 少なくとも2モル%の、式(I)のポリ(エチレングリコール):
H(O-CH-CH-OH
(nは2~10で変動する)、
から本質的になる。
【0040】
別の実施形態によれば、ポリエステルポリマー(PE)のジオール成分は、
- エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,2-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、イソソルビド、及び2,5-ビスヒドロキシメチルテトラヒドロフランからなる群から選択されるジオール、
- 少なくとも2モル%のジエチレングリコール(ジオール成分の総モル数基準)、
から本質的になる。
【0041】
本発明によれば、好ましいポリエステル(PE)は、芳香核に結合した少なくとも1つのSOM基を含む二官能性モノマー由来の繰り返し単位を更に含むポリエステルであり、官能基はカルボキシであり、MはH、又は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、銀、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、銅、パラジウム、鉄、及びセシウムからなる群から選択される金属イオン、好ましくはナトリウム、リチウム、及びカリウムからなる群から選択される金属イオンである。そのような好ましいポリエステルは、スルホポリエステル(SPE)と呼ばれる場合もある。この実施形態によれば、二官能性スルホモノマーは、例えば、SPE中の総モル数(すなわち、SPEが二酸とジオール成分のみから構成される場合の二酸とジオール成分の総モル数)を基準として、1~40モル%、例えば5~35モル%、又は8~30モル%に含まれるモル比でSPE中に存在することができる。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、ポリエステル(PE)は、
- 少なくとも1種のジカルボン酸成分、
- 少なくとも1種のジオール成分であって少なくとも2モル%のジオール成分が式(I):
H(O-C2m-OH
(mは2~4の整数であり、nは2~10で変動し、好ましくはmは2と等しく、nは2と等しい)
のポリ(アルキレングリコール)であるジオール成分、
- 芳香核に結合した少なくとも1つのSOM基を含む少なくとも1種の二官能性モノマーであって、官能基がカルボキシであり、MがH、又は、ナトリウム、リチウム、及びカリウムからなる群から選択される金属イオンである二官能性モノマー、
由来の単位を含む。
【0043】
本発明の別の実施形態によれば、ポリエステル(PE)は、
- 少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸成分、
- 少なくとも1種のジオール成分、
- 少なくとも1モル%(PE中の単位の総モル数基準、例えばPEが二酸とジオールの単位のみから構成される場合の二酸とジオール成分の総モル数)の、式(I):
H(O-C2m-OH
(mは2~4の整数であり、nは2~10で変動する)
のポリ(アルキレングリコール)、
- 芳香核に結合した少なくとも1つのSOM基を含む少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸であって、MがH、又は、ナトリウム、リチウム、及びカリウムからなる群から選択される金属イオンである芳香族ジカルボン酸、
由来の単位を含む。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリエステルポリマー(PE)は、
- イソフタル酸(IPA)、テレフタル酸(TPA)、ナフタレンジカルボン酸(例えばナフタレン-2,6-ジカルボン酸)、4,4’-二安息香酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3-カルボキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェニル)ベンゼン、及びこれらの混合物からなる群から選択される芳香族ジカルボン酸、好ましくはイソフタル酸、
- エチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、プロパン-1,2-ジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるジオール、
- 少なくとも1モル%(PE中の単位の総モル数基準、例えばPEが二酸とジオールの単位のみから構成される場合の二酸とジオール成分の総モル数)のジエチレングリコール、
- 芳香核に結合した少なくとも1つのSOM基を含む芳香族ジカルボン酸(例えばイソフタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸)であって、MがH、又は、ナトリウム、リチウム、及びカリウムからなる群から選択される金属イオンである芳香族ジカルボン酸、
由来の単位を含み、或いはこれらから本質的に構成される。
【0045】
一実施形態によれば、PEは、PE中の単位の総モル数(例えばPEが二酸とジオールの単位のみから構成される場合の二酸とジオール成分の総モル数)を基準として、少なくとも2モル%、少なくとも4モル%、少なくとも10モル%、少なくとも20モル%、少なくとも30モル%、少なくとも40モル%、又は少なくとも50モル%のジエチレングリコールを含む。
【0046】
そのようなポリエステルの実例は、Eastman AQ Polymers、特に約25℃~約50℃の範囲のガラス転移温度を有するものである。最も好ましいものは、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール/(CHDM)、イソフタレート、及びスルホイソフタレートの単位から構成されるポリエステルであるEastman AQ 38Sである。
【0047】
本発明のポリエステル(PE)は、スルホン酸又は/及びカルボン酸の塩の形態、より正確にはスルホネート-SO 、又はカルボキシレート-COOの形態であってもよい。そのため、PEは、1つ又は複数の基(SO )及び/また(COO)を含み、Mは金属である。一実施形態によれば、Mは、ナトリウム、カリウム又はリチウム、カルシウム、マグネシウム、銀、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、銅、パラジウム、鉄、及びセシウムからなる群から選択される。
【0048】
本発明のポリエステル(PE)は、例えば上述した成分のエステル化によって誘導されたものであってもよい。
【0049】
GPCにより決定されるポリエステル(PE)の数平均分子量は、1,000g/mol~40,000g/mol、より好ましくは2,000g/mol~30,000g/molであってもよい。
【0050】
一実施形態によれば、PEポリマーは、混合物(M)の総重量を基準として、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%の量で混合物(M)中に存在する。
【0051】
PPS粒子
本発明の方法は、規則的な形状及びサイズのPPS粒子の調製を可能にする。
【0052】
本明細書において使用される用語「粒子」は、個別化された存在を指す。
【0053】
粒子は、約200μm未満、いくつかの実施形態では約0.5μm~約150μm、或いは約1μm~約100μm、又は約1μm~約50μmの平均直径を有し得る。平均直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって評価することができる。
【0054】
本発明の粒子は、それらの粒子サイズ分布D50(略して「D50」)によって特徴付けることができ、これは、粒子サイズ分布のメジアン直径又は中央値としても知られ、これによれば、サンプル中の粒子の50%がそれより大きく、サンプル中の粒子の50%がそれより小さい。粒子サイズの分析は、例えばMicrotrac Sample Delivery Controller(SDC)を備えたMicrotracTM S3500で行うことができる。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、PPS粒子は、5μm~100μmに含まれるD50、例えば80μm未満~10μm超又は60μm未満~15μm超のD50を有する。
【0056】
本発明の粒子は、それらのかさ密度及びそれらのタップ密度によって特徴付けることができる。粉末のかさ密度は、タップしない状態での粉末サンプルの質量と、粒子間空隙体積の寄与を含むその体積との比である。かさ密度は、グラム毎ミリリットル(g/ml)又はグラム毎立方センチメートル(g/cm)で表すことができる。密度測定は、例えばQuantachrome AutotapTMタップ密度分析装置で行うことができる。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、PPS粒子は、
- 少なくとも0.45、好ましくは少なくとも0.47、より好ましくは少なくとも0.49のかさ密度、及び
- 少なくとも0.55、好ましくは少なくとも0.57、より好ましくは少なくとも0.59のタップ密度、
を有する。
【0058】
本発明は、
- PPSを、
・少なくとも1種のジカルボン酸成分と、
・少なくとも1種のジオール成分であって少なくとも2モル%のジオール成分が式(I):
H(O-C2m-OH
(式中、mは2~4の整数であり、nは2~10で変動する)
を有するポリ(アルキレングリコール)であるジオール成分と、
由来の単位を含む少なくとも1種のポリエステルポリマー(PE)と溶融ブレンドすること;
- PEを水の中に分散させること;
を含む方法によって製造されるポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子にも関する。
【0059】
ポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子の調製方法に関する全ての上述した実施形態は、本明細書のこのセクションにも等しく適用される。
【0060】
上述した方法から得られたPPSの粒子に対して、以下の可能な工程:
- 無機物、例えばシリカなどの粉末流動促進剤で被覆する工程;
- 少なくとも80℃、例えば少なくとも90℃の温度で、少なくとも0.5時間、好ましくは少なくとも1時間、場合によっては減圧下で乾燥する工程:及び
- ふるい分けする工程;
のうちの少なくとも1つを行ってもよい。
【0061】
本発明の粒子は、例えば少なくとも0.75、例えば少なくとも0.8又は少なくとも0.85の円形度及び/又は真円度を有する実質的に球形であってもよい。
【0062】
真円度は、粒子の表面の滑らかさの尺度として定義され、以下の式に従って測定される:
【0063】
円形度は、粒子の球形の尺度として定義され、以下の式に従って測定される:
【0064】
本発明は、本発明のポリフェニレンスルフィドポリマー(PPS)粒子のブレンド、及びそのようなブレンドの調製方法にも関する。
【0065】
一実施形態によれば、本発明のPPS粒子のブレンドは、5~100μm、好ましくは8~90μm、さらに好ましくは10~70μmの範囲のD50を有する少なくとも2つの粒子の集団を含む。
【0066】
任意成分
本発明の粒子は、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、顔料、加工助剤、染料、又は充填剤(例えばヒドロキシアパタイトなどの生体適合性充填剤)などの様々な添加剤を含んでいてもよい。例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、又は硫化亜鉛を特に挙げることができ、これらは潤滑剤及び/又は研磨剤として使用される。充填剤(例えば強化充填剤又は鉱物充填剤)は、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、マイカなどからなる群から選択することができる。
【0067】
ポリマー組成物は、ハロゲン難燃剤及びハロゲンフリー難燃剤などの難燃剤を更に含んでいてもよい。
【0068】
本発明の主な利点の1つは、任意選択的な添加剤が存在する場合、これがPPS粒子の内側に配置され、ポリマー物質中に均一に配置されることである。
【0069】
用途
本発明の粒子は、様々な用途、特にSLS 3D印刷、コーティング、及び熱硬化性樹脂の強化において使用することができる。
【0070】
したがって、本発明は、レーザー焼結付加製造システムを使用する三次元物体の製造のためのPPS粒子の使用にも関する。
【実施例
【0071】
実施例1
原材料
PPS:Solvay Specialty Polymers USA, L.L.C.から市販されているRyton(登録商標)QC160N
【0072】
PE: Eastmanから市販されているスルホポリエステルEastman AQTM 48。このPEは、ジエチレングリコールと、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)と、イソフタレートと、スルホイソフタレートとの単位から構成されている。1H NMR分析によれば、ジエチレングリコールのモル濃度は、ジオール(CHMD+ジエチレングリコール)の総モル数を基準として70モル%である。
【0073】
PTS: Spectrum Chemicalからのパラトルエンスルホン酸エステル
【0074】
材料の加工
ブレンドは表1に従って製造した。
15gの各組成物を、特定の温度(表1を参照)及び150~200rpmでDSM Xplore(登録商標)Micro-コンパウンダーで3分間溶融ブレンドした。次いで、各ブレンドをストランドに加工し、その後固化するまで急冷した。サンプルを95℃に加熱した水に2時間浸漬した。その後、水を取り除いた。サンプルを90℃に加熱した水に再度2時間浸漬した。
【0075】
いくつかの組成物(実施例1、実施例2、及び実施例3)は、本発明によるポリマー粉末を与えた。その後、粉末を濾過により分離し、真空乾燥した。
【0076】
【0077】
走査型電子顕微鏡(SEM)
以下に示すように、走査型電子顕微鏡を使用して各ポリマーサンプルを調べた。アルミニウムスタブに固定されたカーボンテープ上に粉末を分散させ、Emitech K575x Turboスパッタコーターを使用してAuPdでスパッタコーティングした。Hitachi S-4300冷陰極電界放出型走査電子顕微鏡を使用して画像を記録し、近似した50個の粒子画像について、ImageJ v 1.49b Javaベースの画像解析ソフトウェアを使用して、画像を平均直径に関して分析した。粉末のSEM写真から見積もられた平均粒子径のまとめは表2に示されている。
【0078】
図1は、実施例1のPPS粒子のSEMスキャンである。
【0079】
粒子サイズ分析-D50
粒子サイズ分析(PSA)は、Microtrac Sample Delivery Controller(SDC)を備えたMicrotrac S3500を使用して行った。
【0080】
【0081】
実施例2
この実施例は、特開2014-043522号公報に記載の変性PET成分が95℃の温度まで加熱された水の中に溶解しないことを実証することを目的としている。
【0082】
原材料
PET: Eastman Chemicalから市販されているEstar(登録商標)ポリエステルEN052
【0083】
DMSI: Alfa Aesarから市販されているジメチル5-スルホイソフタレートナトリウム塩(純度98%、Mw: 296.23)
【0084】
変性PETの調製方法
13gのPET(90モル%)及び2.3gのDMSI(10モル%)を、DSMマイクロコンパウンダーの中で310℃で4~8分間溶融ブレンドした。
【0085】
水溶性試験
全てのサンプルを、0.5gの材料及び10gの脱イオン水の条件で1時間、80℃に加熱された水浴にさらした。
【0086】
【0087】
実施例3
原材料
PPS: Solvay Specialty Polymers USA, L.L.C.から市販されているRyton(登録商標)QC160N。
【0088】
PE: Eastmanから市販されているスルホポリエステルEastman AQTM 38S。このPEは、ジエチレングリコールと、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)と、イソフタレートと、スルホイソフタレートとの単位から構成されている。1H NMR分析によれば、ジエチレングリコールのモル濃度は、ジオール(CHMD+ジエチレングリコール)の総モル数を基準として80モル%である。
【0089】
材料の加工
ブレンドは表4に従って製造した。
各組成物を、表4に示されている特定の条件で、ZSK-26二軸押出機(Coperion)で溶融ブレンドした。
各ポリマー溶融物を、時折混合しながら、押出機のダイから熱水(60℃)のバケツに垂らした。粉末を、ブフナー漏斗を使用して真空濾過によって分離した。次いで、ブフナー漏斗中で、粉末を2~3Lの脱イオン水で洗浄した。粉末を100℃で減圧乾燥した。各ポリマーをコロイダルシリカ(Aerosil(登録商標)200、Spectrum Chemical)と混合して、1重量%の混合物を得た。
【0090】
【0091】
粒子サイズ分析-D50
粒子サイズ分析(PSA)は、Microtrac Sample Delivery Controller(SDC)を備えたMicrotrac S3500を使用して行った。
【0092】
かさ密度及びタップ密度
密度は、500回のタップのサイクルを用いるQuantachrome AutotapTMタップ密度分析計を使用して行った。
図1