(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】搬送装置、及び、区分システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/95 20060101AFI20241223BHJP
B07C 5/36 20060101ALI20241223BHJP
B65G 21/14 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
B65G47/95 Z
B07C5/36
B65G21/14 C
(21)【出願番号】P 2020115671
(22)【出願日】2020-07-03
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】南埜 雄飛
【審査官】一ノ瀬 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5508818(US,A)
【文献】特開平10-101244(JP,A)
【文献】実開平01-152908(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0125745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/95
B07C 5/36
B65G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置された対象物を搬送するコンベア本体と、
前記コンベア本体を駆動するモータと、
前記コンベア本体に載置された前記対象物の搬送方向に沿って前記コンベア本体における
下流側の端部に設けられ、前記コンベア本体を前記コンベア本体の幅方向に平行な一軸回りに回動可能に支持する支持部と、
前記対象物を搬送する第1の位置から、前記コンベア本体における
上流側の端部との間
に前記対象物が通過可能な
隙間を形成する第2の位置まで前記支持部を軸として前記コンベア本体を押し上げるカムと、
前記モータを第1の回転方向に回転させるとき、前記カムに対して前記第1の回転方向の回転による動力を伝達せず、かつ、前記コンベア本体を前記搬送方向に駆動させ、前記モータを前記第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向に回転させるとき、前記カムに対して前記第2の回転方向の回転による動力
を伝達する伝達機構と、
を備える搬送装置。
【請求項2】
前記コンベア本体を前記第2の位置から前記第1の位置へ向かう方向に付勢する付勢部材を備える、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第2の位置から前記第1の位置へ向かう方向で前記コンベア本体に当接して前記コンベア本体を前記第1の位置に支持する当接部を備える、
請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記コンベア本体の下面の少なくとも一部を覆うガイドを備える、請求項1乃至請求項3のうちのいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記伝達機構は、前記
支持部に設けられ、
前記コンベア本体を前記搬送方向に駆動させ、前記カムに対して前記第1の回転方向の回転を伝達不能とするワンウェイクラッチを備
える、
請求項1乃至請求項4のうちのいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の搬送装置と、
前記搬送装置が搬送した前記対象物を区分する区分装置と、
を備え、
前記搬送装置は、
前記対象物を区分する為の区分情報を取得する通信部と、
前記対象物の搬送方向に沿って
上流側に設けられ、前記対象物を検出するセンサと、
前記区分情報と前記センサの検出結果とに基づいて前記モータを前記逆方向に回転させる制御部と、
を備える区分システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、荷物を搬送する搬送装置、及び、区分システムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の搬送過程において、荷物を搬送先に応じて区分する区分装置が知られている。この種の区分装置として、荷物を搬送する搬送路の一部を構成する搬送装置の搬送方向で下流(二次)側の端部を下げて、この搬送装置、及び、この搬送装置の下流側の搬送路との間に、荷物を通す隙間を設ける技術が知られている。搬送装置は例えばベルトコンベアである。搬送装置及び下流側の搬送路の間に隙間を形成し、この隙間を通して荷物を下方の箱に落下させることで荷物を区分する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、搬送装置を押し上げる機構の簡素化、及び、製造コストを低減することができる搬送装置、並びに、区分システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、搬送装置は、コンベア本体と、モータと、支持部と、カムと、伝達機構と、を備える。前記コンベア本体は、載置された対象物を搬送する。前記モータは、前記コンベア本体を駆動する。前記支持部は、前記コンベア本体に載置された前記対象物の搬送方向に沿ってコンベア本体における下流側の端部に設けられ、前記コンベア本体を前記コンベア本体の幅方向に平行な一軸回りに回動可能に支持する。前記カムは、前記対象物を搬送する第1の位置から、前記コンベア本体における上流側の端部との間に前記対象物が通過可能な隙間を形成する第2の位置まで前記支持部を軸として前記コンベア本体を押し上げる。前記伝達機構は、前記モータを第1の回転方向に回転させるとき、前記カムに対して前記第1の回転方向の回転による動力を伝達せず、かつ、前記コンベア本体を前記搬送方向に駆動させ、前記モータを前記第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向に回転させるとき、前記カムに対して前記第2の回転方向の回転による動力を伝達する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る搬送装置の構成を示す斜視図。
【
図5】同搬送装置が用いられる区分システムの一例を示す斜視図。
【
図10】第2の実施形態に係る搬送装置の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
第1の実施形態に係る回動搬送装置10、及び、回動搬送装置10が用いられる区分システム1の一例を、
図1乃至
図9を用いて説明する。
図1は、回動搬送装置10の構成を示す斜視図であり、回動搬送装置10が対象物を搬送する第1の位置P1にある状態を示している。
図2は、回動搬送装置10の構成を示す側面図であり、回動搬送装置10が第1の位置にある状態を示している。
図3は、回動搬送装置10の構成を示す斜視図であり、回動搬送装置10が第1の位置P1から回動した第2の位置にある状態を示している。
図4は、回動搬送装置10の構成を示す側面図であり、回動搬送装置10が第2の位置P2にある状態を示している。
図5は、回動搬送装置10が用いられる区分システム1の一例を示す斜視図である。
図6は、区分システム1の構成を示すブロック図である。
図7は、区分システム1の構成を示す説明図である。
図8は、区分システム1の動作の一例を示す説明図である。
図9は、区分システム1の他の動作の一例を示す説明図である。
【0008】
回動搬送装置10は、荷物2を一方向に搬送可能に構成される。荷物2は、回動搬送装置10が搬送する対象物の一例である。荷物2は、例えば、書状等の郵便物である。なお、対象物は、書状に限定されるものではない。
【0009】
また、回動搬送装置10は、搬送方向で下流(二次)側の端部が搬送路3の幅方向に平行な一軸回りに回転可能に構成される。ここで、搬送路3は、荷物2が搬送される経路であり、回動搬送装置10により構成される。本実施形態では、搬送路3は、一例として、回動搬送装置10の荷物2が載置される載置面により構成される。幅方向は、搬送路3及び載置面の双方に直交する方向である。
【0010】
そして、回動搬送装置10は、下方から押し上げられることで回転軸回りに回転し、回動搬送装置10の上流(一次)側の間に荷物2が通過できる隙間Sを形成可能に構成される。ここで、回動搬送装置10の上流側は、例えば、回動搬送装置10が用いられる区分システム1の搬送路において、回動搬送装置10の上流側の搬送路である。
【0011】
回動搬送装置10は、
図1乃至
図4に示すように、例えば、荷物2を搬送するコンベア本体20と、コンベア本体20を支持する支持部30と、コンベア本体20を駆動するモータ40と、コンベア本体20を押し上げる押上機構50と、ガイド60と、第1のセンサ70と、第2のセンサ80と、制御装置90と、を備えている。
【0012】
コンベア本体20は、荷物2が載置される載置面21を構成するコンベア部22を有する。コンベア部22は、モータ40により駆動される。本実施形態では、コンベア本体20は、一例としてベルトコンベアであり、コンベア部22は、無端ベルトである例を用いて説明する。
【0013】
コンベア本体20は、例えば、コンベア部22と、一対の支持板23と、駆動ローラ24と、従動ローラ25と、当接部26と、を備えている。ここで、コンベア本体20の幅方向を規定する。幅方向は、コンベア本体20の搬送方向に直交する一方向であって、コンベア部22の荷物2が載置される載置面に平行な方向である。
【0014】
支持板23は、搬送路3の幅方向両側に1つずつ設けられる。
【0015】
駆動ローラ24は、一対の支持板23間に回転可能に支持されている。駆動ローラ24は、搬送路3の幅方向に平行に配置される。駆動ローラ24は、コンベア本体20の搬送方向で下流(二次)側の端部に配置される。
【0016】
駆動ローラ24には、モータ40が直接的または間接的に接続される。ここで、直接的とは、モータ40の回転軸が駆動ローラ24に直接的に接続されることである。間接的に接続とは、モータ40の回転軸が、減速機構等を介して駆動ローラ24に接続されることである。駆動ローラ24は、モータ40によって回転される。
【0017】
従動ローラ25は、一対の支持板23間に回転自由に支持される。従動ローラ25は、駆動ローラ24と搬送方向で離間して配置される。従動ローラ25は、コンベア本体20の搬送方向に上流(一次)側の端部に配置される。
【0018】
コンベア部22は、例えば無端ベルトである。コンベア部22は、駆動ローラ24及び従動ローラ25に回し掛けられている。コンベア部22は、駆動ローラ24の回転に伴って回転する。
【0019】
当接部26は、押上機構50の後述する梃子54に当接し、梃子54により押し上げられる。当接部26は、例えば、コンベア本体20の幅方向の端部に設けられ、幅方向外側に突出する突状に構成される。当接部26は、例えば、支持板23の外面に設けられる。当接部26は、例えば円柱状に構成される。
【0020】
また、コンベア本体20は、伝達機構52の後述する第1のストッパ55が当接する当接部を備える。当接部は、コンベア本体20のコンベア部22以外の構成である。当接部が第1のストッパ55に当接した状態であっても、コンベア部22による荷物2の搬送は阻害されない。本実施形態では、例えば、支持板23が、第1のストッパ55と当接する当接部の一例である。
【0021】
支持部30は、コンベア本体20の搬送方向で下流側の端部を幅方向に平行な一軸回りに回転可能に支持可能に構成される。支持部30は、例えば、コンベア本体20に設けられる幅方向に平行な軸部31と、軸部31を回転可能に支持する支持部材32と、を備える。
【0022】
軸部31は、例えば、駆動ローラ24と同軸上に設けられる。また、軸部31は、例えば、駆動ローラ24と一体に回転可能に設けられる。軸部31は、駆動ローラ24と一体に回転可能であることから、モータ40と一体に回転可能となる。
【0023】
また、軸部31は、支持板23から幅方向で外側に突出する。軸部31は、コンベア本体20の幅方向で両側のそれぞれに設けられる。
【0024】
なお、幅方向でモータ40が設けられる側では、例えば、モータ40の回転軸及び駆動ローラ24を接続してモータ40の回転を駆動ローラ24に伝達する伝達機構の一部が、側の軸部31を構成してもよい。
【0025】
一方の支持部材32は、コンベア本体20に対して幅方向で一方の外側に配置される。一方の支持部材32は、一方の軸部31を回転可能に支持する。他方の支持部材32は、コンベア本体20に対して幅方向で他方の外側に配置される。他方の支持部材32は、他方の軸部31を回転可能に支持する。支持部材32は、例えば、上下方向に延出し、軸部31を支持する縦壁部33と、幅方向に延出する底壁部34と、を備える。
【0026】
モータ40は、例えば、一方の支持部材32に固定される。モータ40は、駆動ローラ24に直接的または間接的に接続される。モータ40は、両方向に回転可能に構成される。モータ40は、例えば、サーボモータである。ここで、モータ40の一方の回転方向を第1の回転方向R1とし、他方の回転方向を第2の回転方向R2とする。第1の回転方向R1は、コンベア本体20を、荷物2を搬送する方向に駆動する回転方向である。本実施形態では、第1の回転方向R1は、駆動ローラ24を荷物2の搬送方向に回転する方向である。
【0027】
押上機構50は、コンベア本体20を、軸部31回りに、第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げ可能に構成される。押上機構50は、例えば、コンベア本体20の幅方向で両側にそれぞれ設けられる。
【0028】
第1の位置P1は、コンベア本体20が荷物2を搬送する位置である。第2の位置P2は、回動搬送装置10の上流側の搬送路3、及び、コンベア本体20の間に、荷物2が通過可能な隙間Sを形成する位置である。押上機構50は、モータ40の第2の回転方向R2の回転を、コンベア本体20の第1の位置P1から第2の位置P2への押し上げる力に変換する。
【0029】
押上機構50は、例えば、コンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げるカム51と、モータ40の回転をカム51に伝達する、ワンウェイクラッチ53を含む伝達機構52と、カム51により駆動される梃子54と、第1のストッパ55と、第2のストッパ56と、付勢部材57と、を備えている。
【0030】
カム51は、軸部31に、ワンウェイクラッチ53を介して設けられている。カム51は、ワンウェイクラッチ53を介して、軸部31と一体に回転しえる。カム51は、コンベア本体20を、梃子54を介して押し上げることで、コンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる形状に構成される。
【0031】
伝達機構52は、モータ40の第1の回転方向R1の回転をカム51に伝達不能であり、モータ40の第2の回転方向R2の回転をカム51に伝達可能に構成される。伝達機構52は、ワンウェイクラッチ53を備える。また、本実施形態では、駆動ローラ24、及び、支持部30の軸部31が、伝達機構52の一部を構成する。
【0032】
ワンウェイクラッチ53は、軸部31に設けられている。ワンウェイクラッチ53は、軸部31の第1の回転方向R1の回転をカム51に伝達不能に、かつ、軸部31の第2の回転方向R2の回転をカム51に伝達可能に構成される。
【0033】
梃子54は、カム51の回転を、コンベア本体20の搬送方向で上流側の端部を第1の位置P1から第2の位置P2側へ押し上げる回転に変換可能に構成される。梃子54は、例えば、一方向に長い棒状の部材である。梃子54の長手方向で中途部は、支持部30の、例えば支持部材32に、軸部54aにより回転自由に支持される。軸部54aは、支点として機能する。
【0034】
梃子54の一端部54bには、カム51が当接される。一端部54bは、力点として機能する。具体的には、一端部54bに、カム51が上方から下方に向かって当接する。
【0035】
梃子54の他端部54cは、コンベア本体20に連結される。本実施形態では、梃子54の他端部54cには、梃子54の長手方向に沿って長い長孔形状の孔54dが形成されている。孔54dは、コンベア本体20の当接部26を回転可能に配置する。孔54dは、作用点として機能する。このように、一例として、当接部26が孔54dに配置されることで、梃子54は、コンベア本体20に連結される。
【0036】
孔54dの長手方向の長さは、コンベア本体20が第1の位置P1及び第2の位置P2の間で移動できる長さに設定されている。梃子54は、孔54dの縁で当接部26を押圧することで、コンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる。
【0037】
このように構成される梃子54の、例えば、力点として機能する一端部54bから支点として機能する軸部54aまでの寸法は、軸部54aから作用点として機能する孔54dまでの長さよりも長い長さに設定される。
【0038】
この為、梃子54は、カム51の梃子54と当接する部位の移動量を増大させて、コンベア本体20の押し上げ量に変換することが可能となる。
【0039】
第1のストッパ55は、第1の位置P1にコンベア本体20のコンベア部22以外の部位に当接することで、コンベア本体20が第1の位置P1から第2の位置P2とは反対側に向かって回転することを防止可能に構成される。第1のストッパ55は、例えば、支持板23に当接する。第1のストッパ55は、例えば、支持部材32に設けられている。
【0040】
第2のストッパ56は、例えば支持部材32に設けられており、第1の位置P1にあるコンベア本体20のカム51に当接することで、カム51が第1の回転方向R1に回転することを防止可能に構成される。
【0041】
付勢部材57は、コンベア本体20を第2の位置P2側から第1の位置P1側へ付勢可能に構成される。換言すると、付勢部材57は、コンベア本体20を第1のストッパ55に向かって付勢する。付勢部材57は、例えば引張りコイルバネである。付勢部材57の一端は、支持部材32に支持されている。付勢部材57の他端は、梃子54の軸部54aよりも孔54d側に支持されている。
【0042】
ガイド60は、コンベア本体20の下面の少なくとも一部を覆う。ここで、コンベア本体20の下面とは、コンベア本体20が第1の位置P1にあるときの下面である。ガイド60は、例えば2つの支持部30に設けられており、コンベア本体20の下面の少なくとも一部を覆う。ガイド60は、例えば、隙間Sを通過する荷物2がコンベア本体20のコンベア部22に接触することを防止可能な大きさを有する板状に構成される。すなわち、ガイド60は、コンベア本体20の、第2の位置P2にある状態において隙間S側を覆うカバーとして機能する。ガイド60は、例えば、支持板23の下面の上流側の一端部から下流側の一端部までの範囲に設けられる。
【0043】
また、ガイド60は、当接した荷物2を、コンベア本体20の下方に設けられる、荷物2の搬送先に案内可能な形状に構成される。ここで、搬送先は、本実施形態では一例として、後述する第2の区分用箱4である。ガイド60の下面は、例えば、回動搬送装置10が第2の位置P2にある状態において搬送方向で上流側に対して下流側が下方に位置する傾斜面となる面に構成される。
【0044】
ガイド60は、コンベア本体20が第2の位置P2にあるときに、回動搬送装置10の上流側の搬送路から落下した荷物2に当接することで、荷物2を回動搬送装置10の下方に設置された例えば区分用の収容箱等に落下させる。なお、荷物2によってはその重さにより、ガイド60に当接する前に、区分用の箱内に落下する場合もある。ガイド60は、全ての荷物2に当接するように構成されることに限定されない。ガイド60は、回動搬送装置10の上流側の搬送路から落下した荷物2が慣性により、回動搬送装置10の下方に設置された例えば区分用の収容箱の上方を通過する場合に、当該荷物2に当接することで荷物2を区分用の箱に落下させる構成であってもよい。
【0045】
図2及び
図4に示すように、第1のセンサ70は、コンベア本体20が第2の位置P2まで回転したことを検出可能に構成される。なお、
図1及び
図3では、第1のセンサ70は図示が省略されている。
【0046】
第1のセンサ70は、荷物2の搬送を阻害しない位置に設けられる。第1のセンサ70は、例えば、一方の支持部材32に設けられる。第1のセンサ70は、検出結果を制御装置90に送信する。第1のセンサ70は、例えば、近接センサ、接触センサが用いられる。または、第1のセンサ70は、モータ40の回転角度を検出することで、コンベア本体20が第2の位置P2に到達したことを検出する構成であってもよい。第1のセンサ70は、検出結果を制御装置90に送信する。
【0047】
図2及び
図4に示すように、第2のセンサ80は、コンベア本体20の
上流側に設けられて、荷物2を検出する。また、第2のセンサ80は、荷物2の情報を読み取ることが可能に構成される。第2のセンサ80は、例えば、荷物2に設けられるタグ2aから、荷物2の情報を読み取る。第2のセンサ80は、読み取った荷物2の情報を制御装置90に送信する。
【0048】
制御装置90は、複数の荷物2の区分情報を有している。制御装置90は、第2のセンサ80で読み取った荷物2の情報に基づいて、コンベア本体20の駆動を制御する。制御装置90は、例えば、通信部91と、記憶部92と、制御部93と、を備えている。制御装置90は、例えば、支持部30、区分システム1が設置される床面、または、区分システム1を監視するモニターが設置される監視ルームに設けられる。
【0049】
通信部91は、外部装置と通信を行う。外部装置は、制御装置90に、荷物2の区分情報を送信する。外部装置は、例えば、区分システム1の全体を制御する制御装置であってもよい。
【0050】
記憶部92は、荷物2の区分情報を記憶する。
【0051】
制御部93は、第1のセンサ70及び第2のセンサ80の検出結果、並びに、記憶部92に記憶された荷物2の区分情報に基づいて、モータ40を制御する。制御部93は、例えば、1または複数のCPU(Central Processor Unit)やメモリを含むプロセッサや、ASICである。
【0052】
このような制御装置90は、1つの制御端末で構成されていてもよく、または複数の制御端末を組み合わせて構成されてもよい。例えば、制御装置90を構成するコンピュータは、CPUやメモリを含むプロセッサから構成される制御部93、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の記憶部92、及び、通信部91を備える。記憶部92には、各種プログラムが格納されている。制御部93は、記憶部92のROMに格納された制御プログラムを記憶部92のRAMに展開して実行する。
【0053】
なお、制御装置90は、1つの回動搬送装置10に対して1つ用いられることに限定されない。制御装置90は、例えば、複数の回動搬送装置10に対して1つ用いられてもよい。または、区分システム1の全体を制御する制御装置が、制御装置90の機能を有してもよい。
【0054】
このように構成された回動搬送装置10は、例えば、区分システム1の一部として用いられる。
図1乃至
図9に示すように、区分システム1は、荷物2を搬送する搬送路3aを有し、荷物2の搬送過程で荷物2を区分可能に構成される。
【0055】
図6に示すように、本実施形態では、区分システム1は、例えば税関で用いられる。区分システム1は、例えば、X線検査装置で検査する対象の荷物2を区分する第1の区分装置95と、第1の区分装置95の
上流(一次
)側に設けられてX線検査装置で検査する対象外となる荷物2を区分する第2の区分装置100と、第2の区分装置100に荷物2を搬送する搬送装置5と、を備える。
【0056】
区分対象外となる荷物2は、例えば、金属を含む荷物や、所定の重さより重い荷物である。荷物2は、荷物2を特定する情報を有するタグ2aを有する。タグ2aは、例えば、荷物2の上面に設けられる。タグ2aは、例えばバーコードが設けられる。
【0057】
図7に示すように、第1の区分装置95は、例えば、搬送装置96と、区分用箱97と、を備える。第1の区分装置95は、区分対象となる荷物2を、搬送装置96で区分用箱97に移動することで、荷物2を区分する。
【0058】
搬送装置96は、第2の区分装置100を通過した荷物を、区分用箱97に搬送可能に構成される。搬送装置96は、例えばベルトコンベアである。
【0059】
区分用箱97は、例えば、搬送装置96から落下する荷物2を収容可能に構成される。区分用箱97は、例えば、上端に開口を有する箱状に構成される。
【0060】
第2の区分装置100は、例えば複数用いられ、本実施形態では具体例として2つ用いられる。2つの第2の区分装置100は、例えば、搬送方向に並んで配置される。第2の区分装置100は、例えば、検査対象外の荷物2を重さに応じて区分する。例えば、一方の第2の区分装置100は、検査対象外の荷物2のうち、所定の重さ以上の荷物2を区分する。他方の第2の区分装置100は、検査対象以外の荷物2のうち、所定の重さ未満の荷物2を区分する。
【0061】
第2の区分装置100は、回動搬送装置10と、第2の区分用箱4と、を備える。第2の区分用箱4は、回動搬送装置10の下方に配置される。
【0062】
回動搬送装置10は、回動搬送装置10の搬送方向を、区分システム1の搬送方向に合わせた姿勢で、設置される。回動搬送装置10のガイド60は、隙間Sから落下した荷物2を、第2の区分用箱4に収容可能に構成される。
【0063】
回動搬送装置10の第2のセンサ80は、例えば、搬送装置5により搬送される荷物2を検出可能に、及び、タグ2aを読み込み可能に構成される。第2のセンサ80は、例えば、搬送装置5の搬送路に設けられる。
【0064】
制御装置90は、本実施形態では、一例として、2つの第2の区分装置100に共通して用いられる。換言すると、2つの回動搬送装置10に対して、1つの制御装置90が用いられる。
【0065】
制御装置90は、外部装置から通信部91を介して、検査対象となる荷物2の情報、及び、検査対象外となる荷物2の情報の少なくとも一方を受信しており、当該情報を記憶部92に記憶している。
【0066】
第2の区分用箱4は、搬送路3から落下する荷物2を収容可能に構成される。第2の区分用箱4は、例えば、上端に開口を有する箱状に構成される。
【0067】
ここで、上流(一次)側に配置される第2の区分装置100を、第3の区分装置100Aとし、下流(二次)側に配置される第2の区分装置100を、第4の区分装置100Bとする。上流(一次)側に配置される第2の区分用箱4を、第3の区分用箱4Aとし、下流(二次)側に配置される第2の区分用箱4を、第4の区分用箱4Bとする。
【0068】
搬送装置5は、第2の区分装置100まで荷物2を搬送可能に構成される。搬送装置5は、載置された荷物2を搬送する。搬送装置5は、例えば、ベルトコンベアである。
【0069】
搬送装置5及び第1の区分装置95は、例えば、制御装置90に対して別の制御装置によって制御される。
【0070】
次に、区分システム1の動作を、
図1乃至
図9を用いて説明する。
【0071】
図5に示すように、搬送装置5は、荷物2を第2の区分装置100側に搬送する。
【0072】
第2のセンサ80は、荷物2を検出して荷物2のタグ2aを読み取ると、読み取った荷物2の情報を制御装置90に送信する。制御装置90は、荷物2の情報を記憶部92に照会し、荷物2が検査対象外の荷物2であると、
図7に示すように2つの第3の区分装置100A及び第4の区分装置100Bの双方の回動搬送装置10のモータ40を第1の回転方向R1に回転する。
【0073】
第3の区分装置100A及び第4の区分装置100Bの双方の回動搬送装置10のモータ40が第1の回転方向R1に回転することで、両回動搬送装置10の無端ベルトに構成されたコンベア部22は荷物2を搬送する方向に回転される。また、カム51が回転されないので、コンベア本体20は、付勢部材57によって第1の位置P1に維持される。この為、荷物2は、2つの回動搬送装置10を通過して、第1の区分装置95の搬送装置96に搬送される。
【0074】
搬送装置96に搬送された荷物2は、搬送装置96によって搬送されて、区分用箱97内に落下する。
【0075】
図8に示すように、制御部93は、第2のセンサ80が読み取った荷物2の情報を記憶部92に照会し、荷物2が区分対象外の荷物であって第3の区分用箱4Aに区分される荷物であると、荷物2が第3の区分装置100Aの回動搬送装置10に到達する前に、第3の区分装置100Aの回動搬送装置10のコンベア本体20を、第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる。
【0076】
具体的には、
図2及び
図4に示すように、制御部93は、第3の区分装置100Aの回動搬送装置10のモータ40を、第2の回転方向R2に回転させる。モータ40が第2の回転方向R2に回転することで、軸部31が第2の回転方向R2に回転する。軸部31の第2の回転方向R2の回転は、ワンウェイクラッチ53によってカム51に伝達される。
【0077】
カム51は、梃子54の一端部54bを、上方から下方に向かって押圧する。梃子54は、カム51に押圧されることで軸部54a回りに回転する。梃子54は、軸部54a回りに回転することで、梃子54の他端部54cの孔54dの縁が、コンベア本体20の当接部26を下方から上方に向かって押圧する。結果、コンベア本体20は、第1の位置P1から第2の位置側に押し上げられる。
【0078】
コンベア本体20は、梃子54により第2の位置P2側に押し上げられることで、付勢部材57の付勢力に抗って第2の位置P2側に回転する。
【0079】
第1のセンサ70は、コンベア本体20が第2の位置P2まで回転したことを検出すると、検出結果を制御装置90に送信する。
【0080】
制御部93は、第1のセンサ70の検出結果に基づいてコンベア本体20が第2の位置P2まで回転したことを検出すると、モータ40の回転を停止し、コンベア本体20を第2の位置P2に維持する。制御部93は、モータ40に、コンベア本体20を第2の位置P2に維持するトルクを生じさせる。
【0081】
図4に示すように、コンベア本体20が第2の位置P2まで回転され、かつ、第2の位置P2に維持されることで、搬送装置5及び第3の区分装置100Aのコンベア本体20の間に、荷物2が通過可能な隙間Sが形成される。
【0082】
搬送装置5によって搬送された荷物2は、搬送装置5の下流(二次)側の一端から落下すると、隙間Sを通って第3の区分用箱4A内に落下する。このように、荷物2は、第3の区分用箱4Aに区分される。
【0083】
制御部93は、荷物2が第3の区分用箱4Aに区分されると、例えばモータ40に対する通電を停止することで、コンベア本体20を第2の位置P2に維持するトルクの発生を停止させる。
【0084】
制御部93は、例えば、第2のセンサ80で荷物2を検出してから所定時間が経過すると、荷物2が第3の区分用箱4Aに区分されたと判断してもよい。所定時間は、予め実験等によって求められる。または、第3の区分用箱4Aに荷物2が区分されたことを検出するセンサが、第3の区分用箱4Aに設けられ、制御部93はこのセンサの検出結果に基づいて、荷物2が第3の区分用箱4Aに区分されたことを判断してもよい。
【0085】
コンベア本体20を第2の位置P2に維持するトルクの発生が停止されることで、コンベア本体20は、付勢部材57の付勢力によって、第2の位置P2から第1の位置P1に回転される。コンベア本体20の支持板23が第1のストッパ55に当接することで、コンベア本体20は第1の位置P1で回転が止まり、第1の位置P1に維持される。
【0086】
図9に示すように、制御装置90は、第2のセンサ80が読み取った荷物2の情報を記憶部92に照会し、荷物2が区分対象外の荷物であって第4の区分用箱4Bに区分する荷物であると、荷物2が第4の区分装置100Bのコンベア本体20に到達する前に、第4の区分装置100Bのコンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる。なお、第4の区分装置100Bのコンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2へ押し上げる動作は、第3の区分装置100Aのコンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2へ押し上げる動作と同様である。
【0087】
制御部93は、荷物2が第4の区分用箱4Bに区分されると、モータ40による、コンベア本体20を第2の位置P2に維持するトルクの発生を停止する。なお、制御部93は、荷物2が第4の区分用箱4Bに区分されたことの判断として、第2のセンサ80で荷物2を検出してから所定時間が経過すると、荷物2が第4の区分用箱4Bに区分されたと判断してもよい。または、第4の区分用箱4Bに荷物2が区分されたことを検出するセンサが、第4の区分用箱4Bに設けられてもよい。
【0088】
このように構成される回動搬送装置10では、押上機構50は、駆動装置として、コンベア部22を駆動するモータ40を利用する構成である。この為、回動搬送装置10の構成を簡素にできる。さらに、コンベア部22を駆動するモータ40とは別に、押上機構50に用いられる駆動装置を必要としないので、コンベア本体20の製造コストを低減できる。
【0089】
さらに、コンベア部22を駆動するモータ40とは別に、押上機構50に用いられる駆動装置を必要としないので、回動搬送装置10の設置スペースを小さくできる。この為、区分システム1の設置スペースを小さくできる。
【0090】
さらに、回動搬送装置10は、ガイド60を備えることで、荷物2をスムーズに第2の区分用箱4に区分することが可能となる。例えば、上流(一次)側の搬送路3から落下した荷物2は、落下しつつ慣性によって搬送方向にも移動する。このとき、例えば荷物2の搬送方向の移動速度が大きいと、荷物2が第2の区分用箱4内に落下する前にコンベア部22に当接する虞がある。
【0091】
しかしながら、ガイド60は、荷物2に当接することで荷物2の移動の軌道を変えて、荷物2を第2の区分用箱4内に落下させることが可能に構成される。この為、荷物2を第2の区分用箱4にスムーズに区分することが可能となる。
【0092】
さらに、本実施形態のように、コンベア部22として無端ベルトが用いられる構成である場合、荷物2が落下の際にベルトに当接することでベルトに対して擦る虞があるが、荷物2がガイド60と当接することで、荷物2がコンベア部22に接触して擦ることを防止できる。
【0093】
さらに、モータ40の回転をカム51に伝達する伝達機構52の一部として、軸部31を利用することで、伝達機構52の構成を簡素にすることが可能となる。
【0094】
さらに、第1のストッパ55を備えることで、コンベア本体20を第1の位置P1に停止させることが可能となる。
【0095】
さらに、付勢部材57を備えることで、荷物2の搬送時に、コンベア本体20が第1の位置P1から第2の位置P2側に向かって移動することを防止できる。
【0096】
さらに、伝達機構52が梃子54を備えることで、カム51の回転角度に対するコンベア本体20の押し上げ量を増大できる。
【0097】
このように、本実施形態によれば、搬送装置を押し上げる機構の簡素化、及び、製造コストを低減できる搬送装置、及び、区分システムを提供できる。
【0098】
なお、上述の例では、梃子54は、力点から支点までの寸法が、支点から作用点までの寸法よりも短い形状に構成される例が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、力点から支点までの寸法が、支点から作用点までの寸法よりも長い形状に構成されてもよい。この構成の場合、カム51の回転トルクを増大してコンベア本体20を押し上げる力に変換することが可能となる。
【0099】
次に、第2の実施形態に係る回動搬送装置10Aを、
図10乃至
図13を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】
図10は、第1の位置P1にある回動搬送装置10Aの構成を示す斜視図である。
図11は、第1の位置P1にある回動搬送装置10Aの構成を示す説明図である。
図12は、第2の位置P2にある回動搬送装置10Aの構成を示す斜視図である。
図13は、第2の位置P2にある回動搬送装置10Aの構成を示す説明図である。
【0101】
図10及び
図11に示すように、回動搬送装置10Aは、コンベア本体20Aと、支持部30と、モータ40と、プーリ101と、伝達ベルト102と、押上機構50Aと、ガイド60と、第1のセンサ70と、第2のセンサ80と、制御装置90と、を備えている。
【0102】
コンベア本体20Aは、例えば、コンベア部22と、一対の支持板23と、駆動ローラ24と、従動ローラ25と、当接部26Aと、を備えている。
【0103】
当接部26Aは、押上機構50Aのカム51Aが当接する。当接部26Aは、例えば、支持板23の内面の下端部に設けられる。ここで、支持板23の内面は、幅方向で内側の面である。当接部26Aは、例えば、軸線が幅方向に平行な円柱状に構成される。
【0104】
モータ40は、回転軸41と、例えばプーリ42と、を備えている。プーリ42は、回転軸41と同軸上に設けられる。プーリ42は、回転軸41と一体に回転可能に構成される。なお、プーリ42は、回転軸41に、減速機等を介して接続されてもよい。
【0105】
プーリ101は、軸部31と同軸上に設けられる。プーリ101は、軸部31と一体に回転可能に設けられる。
【0106】
伝達ベルト102は、モータ40の回転をプーリ101に伝達する。例えば、伝達ベルト102は、モータ40のプーリ42及びプーリ101に回しかけられる。
【0107】
押上機構50Aは、例えば、2つのカム51Aと、伝達機構52Aと、2つの第1のストッパ55と、2つの付勢部材57と、を備えている。一方のカム51、伝達機構52A、一方の第1のストッパ55、及び、一方の付勢部材57は、コンベア本体20の幅方向で一方側、例えばモータ40が設けられる側の一方に設けられる。他方のカム51、他方の第1のストッパ55、及び、他方の付勢部材57は、コンベア本体20の幅方向で他方側に設けられる。
【0108】
カム51Aは、例えば、コンベア本体20Aの上流(一次)側の端部の下方に設けられている。カム51Aは、例えば円板状に形成される。カム51Aは、コンベア本体20Aのコンベア部22以外の部位に当接する。カム51Aは、例えば、当接部26Aに下方から当接する。2つのカム51Aは、軸部材103によって一体に回転可能に固定される。軸部材103は、カム51Aの中心から偏心した位置に固定される。
【0109】
伝達機構52Aは、モータ40の第2の回転方向R2の回転をカム51Aに伝達し、モータ40の第1の回転方向R1の回転をカム51Aに伝達不能に構成される。本実施形態では、プーリ101、及び、伝達ベルト102は、伝達機構52Aの一部を構成する。
【0110】
伝達機構52Aは、ワンウェイクラッチ53と、プーリ101と、伝達ベルト102と、軸部104と、プーリ105と、を備える。
【0111】
ワンウェイクラッチ53は、カム51Aに設けられる。ワンウェイクラッチ53の回転軸は、カム51Aの中心に対して偏心した位置に設けられる。軸部104は、ワンウェイクラッチ53に設けられる。軸部104は、ワンウェイクラッチ53に回転を伝達する。プーリ105は、軸部104と同軸上に設けられる。プーリ101は、軸部104と一体に回転可能に設けられる。プーリ105は、伝達ベルト102に回しかけられる。
【0112】
このように構成された押上機構50Aは、例えば、伝達ベルト102にテンションを付与する1つまたは複数のテンションプーリ106を備えてもよい。
【0113】
また、カム51Aは、例えば支持部30に幅方向に平行な回転軸回りに回転可能に支持されてもよい。例えば、カム51Aは、軸部104によって、支持部30の縦壁部33に回転に支持されてもよい。
【0114】
このように構成される回動搬送装置10Aは、例えば、区分システム1の第2の区分装置100に用いられてもよい。
【0115】
次に、回動搬送装置10Aの動作として、区分システム1に用いられた場合を一例として、説明する。
【0116】
制御部93は、第2のセンサ80が読み取った荷物2の情報を記憶部92に照会し、荷物2が検査対象外の荷物2ではないと、第3の区分装置100A及び第4の区分装置100Bの双方のモータ40を第1の回転方向R1に回転する。
【0117】
モータ40が第1の回転方向R1に回転されると、モータ40の回転は、伝達ベルト102及びプーリ101を介して駆動ローラ24に伝達され、コンベア部22を搬送方向に回転する。結果、荷物2は、第3の区分装置100A及び第4の区分装置100Bを通過して、第1の区分装置95の搬送装置96に搬送される。搬送装置96に搬送された荷物2は、区分用箱97に区分される。
【0118】
制御部93は、第2のセンサ80が読み取った荷物2の情報を記憶部92に照会し、荷物2が区分対象外の荷物であって第3の区分用箱4Aに区分する荷物であると、荷物2が第3の区分装置100Aのコンベア本体20Aに到達する前に、
図12及び
図13に示すように、コンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる。
【0119】
具体的には、制御部93は、モータ40を第2の回転方向R2に回転する。モータ40が第2の回転方向R2に回転されると、モータ40の回転は、伝達ベルト102を介してプーリ105に伝達される。プーリ105が、伝達ベルト102を介してモータ40の第2の回転方向R2の回転を受けると、プーリ105が回転する。プーリ105の回転は、軸部104及びワンウェイクラッチ53を介して2つのカム51Aに伝達される。結果、2つのカム51Aは、回転する。
【0120】
2つのカム51Aが回転することで、コンベア本体20は、2つのカム51Aによって、第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げられる。
【0121】
制御部93は、第1のセンサ70によってコンベア本体20Aが第2の位置P2に到達したことを検出すると、モータ40の回転を停止する。そして、モータ40に、コンベア本体20Aを第2の位置P2に維持するトルクを生じさせる。
【0122】
コンベア本体20Aが第2の位置P2に押し上げられることで、搬送装置5及び第3の区分装置100Aのコンベア本体20の間には、荷物2が通過可能な隙間Sが形成される。
【0123】
搬送装置5の下流(二次)側の一端から落下した荷物2は、隙間Sを通って、第3の区分用箱4A内に落下する。
【0124】
制御部93は、荷物2が第3の区分用箱4Aに区分されると、モータ40を第2の回転方向R2に回転する。モータ40が第2の回転方向R2に回転されることで、コンベア本体20Aは、第1の位置P1に戻る。制御部93は、コンベア本体20Aが第1の位置P1に戻ると、モータ40の第2の回転方向R2への回転を停止する。
【0125】
なお、制御部93は、モータ40の回転角度に基づいてコンベア本体20Aが第1の位置P1まで回転したことを判断してもよい。または、第1の位置P1にあるコンベア本体20Aを検出するセンサを設け、制御部93は、このセンサの検出結果に基づいて、コンベア本体20Aが第1の位置P1まで回転したことを判断してもよい。
【0126】
制御装置90は、第2のセンサ80が読み取った荷物2の情報を記憶部92に照会し、荷物2が区分対象外の荷物であって第4の区分用箱4Bに区分する荷物であると、第3の区分装置100Aのモータ40を第1の回転方向R1に回転して荷物2を第4の区分装置100Bまで搬送する。
【0127】
また、荷物2が第4の区分装置100Bのコンベア本体20Aに到達する前に第4の区分装置100Bのコンベア本体20Aを第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる。第4の区分装置100Bの押し上げの動作は、第3の区分装置100Aの押し上げの動作と同様である。
【0128】
本実施形態の区分システム1では、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0129】
なお、上述した例では、コンベア本体20、20Aは、第1の位置P1から、コンベア本体20の上流側の端部を上方に押し上げる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、コンベア本体20、20Aは、第1の位置P1から、コンベア本体20の搬送方向で上流側の端部を下方に回転可能に構成されてもよい。
【0130】
また、上述の例では、コンベア本体20、20Aは、第2の位置P2が一定の位置に設定される構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、第2の位置P2は複数設定されてもよい。または、コンベア本体20、20Aは、モータ40の回転角度を調整することで、荷物2の大きさに応じて隙間Sを調整可能に構成されてもよい。
【0131】
また、上述の例では、コンベア本体20、20Aは、荷物2が載置されるコンベア部22として無端ベルトが用いられるベルトコンベアが用いられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、コンベア本体20、20Aは、荷物2が載置されるコンベア部22として複数のローラを用いるローラコンベアが用いられてもよい。
【0132】
また、上述の例では、回動搬送装置10、10Aは、税関のX線検査装置で検査される荷物2を区分する第1の区分装置95の上流(一次)側に設けられる第2の区分装置100に用いられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、回動搬送装置10は、X線検査装置の上流(一次)側に設けられる区分装置に用いられてもよい。
【0133】
また、上述した例では、回動搬送装置10が税関で用いられる区分システム1に用いられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、回動搬送装置10は、荷物2をピックして別の場所に移動するピッキングロボットの上流(一次)側に設けられて、当該ピッキングロボットにより移動される荷物以外の荷物を区分する区分装置に用いられてもよい。このように、回動搬送装置10は、荷物2に対して所定の処理を施す装置の上流(一次)側に設けられて、当該処理の対処とはならない荷物2を区分する区分装置に用いられてもよい。ここで、所定の処理を施す装置の一例は、上述した、第1の区分装置95、X線検査装置、及び、ピッキングロボットである。
【0134】
または、回動搬送装置10は、荷物2に対して所定の処理を施す装置の上流(一次)側に設けられる構成以外であってもよく、例えば、荷物2を搬送先に応じて区分する区分システムの区分装置として用いられてもよい。
【0135】
また、上述の例では、コンベア本体20、20Aの下方には、荷物2の搬送先の一例として第2の区分用箱4が設けられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、コンベア本体20、20Aの下方に、別の搬送路が設けられてもよい。または、シュートが設けられてもよい。
【0136】
以上、説明した少なくとも1つの実施形態によれば、コンベア本体20を第1の位置P1から第2の位置P2に押し上げる機構の一部としてコンベア部22を駆動するモータ40を利用することから、コンベア本体20を押し上げる機構を簡素にでき、かつ、製造コストを低減できる。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、特許出願時の特許請求の範囲を付記する。
[付記1]
載置された対象物を搬送するコンベア本体と、
前記コンベア本体を駆動するモータと、
前記コンベア本体の前記対象物の搬送方向に沿って二次側の端部に設けられ、前記コンベア本体を前記コンベア本体の幅方向に平行な一軸回りに回動可能に支持する支持部と、 前記対象物を搬送する第1の位置から、前記コンベア本体の一次側との間を前記対象物が通過可能な第2の位置まで前記支持部を軸として前記コンベア本体を押し上げるカムと、
前記コンベア本体を駆動する際の回転方向とは逆方向の前記モータの回転による動力を前記カムに伝達する伝達機構と、
を備える搬送装置。
[付記2]
前記コンベア本体を前記第2の位置から前記第1の位置へ向かう方向に付勢する付勢部材を備える、付記1に記載の搬送装置。
[付記3]
前記第2の位置から前記第1の位置へ向かう方向で前記コンベア本体に当接して前記コンベア本体を前記第1の位置に支持する当接部を備える、
付記1または付記2に記載の搬送装置。
[付記4]
前記コンベア本体の下面の少なくとも一部を覆うガイドを備える、付記1乃至付記3のうちのいずれか1に記載の搬送装置。
[付記5]
前記支持部は、前記コンベア本体の前記二次側の前記端部の前記幅方向の端部に設けられる軸部、及び、前記軸部を回転可能に支持する支持部材を備え、
前記伝達機構は、前記軸部に設けられ、前記コンベア本体を駆動する際の前記モータの回転による動力を前記カムに伝達しないワンウェイクラッチを備え、
前記カムは、前記ワンウェイクラッチに設けられる、
付記1乃至付記4のうちのいずれか1に記載の搬送装置。
[付記6]
付記1乃至付記5のいずれか1に記載の搬送装置と、
前記搬送装置が搬送した前記対象物を区分する区分装置と、
を備え、
前記搬送装置は、
前記対象物を区分する為の区分情報を取得する通信部と、
前記対象物の搬送方向に沿って一次側に設けられ、前記対象物を検出するセンサと、 前記区分情報と前記センサの検出結果とに基づいて前記モータを前記逆方向に回転させる制御部と、
を備える区分システム。
【符号の説明】
【0138】
1…区分システム、2…荷物、3…搬送路、4…第2の区分用箱、4A…第3の区分用箱、4B…第4の区分用箱、5…搬送装置、10…回動搬送装置、10A…回動搬送装置、20…コンベア本体、20A…コンベア本体、21…載置面、22…コンベア部、23…支持板、24…駆動ローラ、25…従動ローラ、26…当接部、26A…当接部、30…支持部、31…軸部、32…支持部材、33…縦壁部、34…底壁部、40…モータ、41…回転軸、42…プーリ、50…押上機構、50A…押上機構、51…カム、51A…カム、52…伝達機構、52A…伝達機構、53…ワンウェイクラッチ、54…梃子、55…第1のストッパ、56…第2のストッパ、57…付勢部材、60…ガイド、70…第1のセンサ、80…第2のセンサ、90…制御装置、91…通信部、92…記憶部、93…制御部、95…第1の区分装置、96…搬送装置、97…区分用箱、100…第2の区分装置、101…プーリ、102…伝達ベルト、103…軸部材、104…軸部、105…プーリ、P1…第1の位置、P2…第2の位置、R1…第1の回転方向、R2…第2の回転方向、S…隙間。