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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20241223BHJP
   B60C 5/00 20060101ALI20241223BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20241223BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
B60C11/13 B
B60C5/00 H
B60C11/03 B
B60C11/03 300A
B60C11/12 C
B60C11/03 300E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020211100
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022097868
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 誠也
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-081806(JP,A)
【文献】特開2009-090680(JP,A)
【文献】特開2010-095196(JP,A)
【文献】特開2012-201335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0085471(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0096055(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 11/13
B60C 5/00
B60C 11/03
B60C 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記複数の主溝及び一対の接地端によって区画される複数の陸と、を備え、
前記複数の陸は、タイヤ幅方向の最も外側に配置される第1及び第2ショルダー陸と、タイヤ赤道面に最も近くに配置されるセンター陸と、を備え、
前記第1ショルダー陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第1ショルダースリットと、前記複数の第1ショルダースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第1ショルダースリットによって区画される第1ショルダーブロックと、を備え、
前記第1ショルダーブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第1ショルダー周溝を備え、
前記少なくとも一つの第1ショルダー周溝は、前記一対の第1ショルダースリットのそれぞれから離れ、
前記第2ショルダー陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第2ショルダースリットと、前記複数の第2ショルダースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第2ショルダースリットによって区画される第2ショルダーブロックと、を備え、
前記第2ショルダーブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第2ショルダー周溝を備え、
前記少なくとも一つの第2ショルダー周溝は、前記一対の第2ショルダースリットのそれぞれから離れ、
前記センター陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数のセンタースリットと、前記複数のセンタースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対のセンタースリットによって区画されるセンターブロックと、を備え、
前記センターブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つのセンター周溝を備え、
前記少なくとも一つのセンター周溝は、前記一対のセンタースリットのそれぞれに連接される、空気入りタイヤ。
【請求項2】
タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記複数の主溝及び一対の接地端によって区画される複数の陸と、を備え、
前記複数の陸は、タイヤ幅方向の最も外側に配置される第1及び第2ショルダー陸と、タイヤ赤道面に最も近くに配置されるセンター陸と、を備え、
前記第1ショルダー陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第1ショルダースリットと、前記複数の第1ショルダースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第1ショルダースリットによって区画される第1ショルダーブロックと、を備え、
前記第1ショルダーブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第1ショルダー周溝を備え、
前記少なくとも一つの第1ショルダー周溝は、前記一対の第1ショルダースリットのそれぞれから離れ、
前記センター陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数のセンタースリットと、前記複数のセンタースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対のセンタースリットによって区画されるセンターブロックと、を備え、
前記センターブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つのセンター周溝を備え、
前記少なくとも一つのセンター周溝は、前記一対のセンタースリットのそれぞれに連接される、空気入りタイヤであって、
前記複数の陸は、前記第1ショルダー陸と前記センター陸との間に配置される第1メディエイト陸をさらに含み、
前記第1メディエイト陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第1メディエイトスリットと、前記複数の第1メディエイトスリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第1メディエイトスリットによって区画される第1メディエイトブロックと、を備え、
前記第1メディエイトブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第1メディエイト周溝を備え、
前記少なくとも一つの第1メディエイト周溝は、前記一対の第1メディエイトスリットのそれぞれから離れる、空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第1メディエイト周溝は、前記第1メディエイトブロックの前記タイヤ幅方向の中心よりも、前記タイヤ幅方向の内側に配置される、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記複数の陸は、前記第2ショルダー陸と前記センター陸との間に配置される第2メディエイト陸をさらに含み、
前記第2メディエイト陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第2メディエイトスリットと、前記複数の第2メディエイトスリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第2メディエイトスリットによって区画される第2メディエイトブロックと、を備え、
前記第2メディエイトブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第2メディエイト周溝を備え、
前記少なくとも一つの第2メディエイト周溝は、前記一対の第2メディエイトスリットのうちの一つに連接され、且つ、前記一対の第2メディエイトスリットのうちの一つから離れる、請求項1~3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記複数の主溝及び一対の接地端によって区画される複数の陸と、を備え、
前記複数の陸は、タイヤ幅方向の最も外側に配置される第1及び第2ショルダー陸と、タイヤ赤道面に最も近くに配置されるセンター陸と、を備え、
前記第1ショルダー陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第1ショルダースリットと、前記複数の第1ショルダースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第1ショルダースリットによって区画される第1ショルダーブロックと、を備え、
前記第1ショルダーブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第1ショルダー周溝を備え、
前記少なくとも一つの第1ショルダー周溝は、前記一対の第1ショルダースリットのそれぞれから離れ、
前記センター陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数のセンタースリットと、前記複数のセンタースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対のセンタースリットによって区画されるセンターブロックと、を備え、
前記センターブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つのセンター周溝を備え、
前記少なくとも一つのセンター周溝は、前記一対のセンタースリットのそれぞれに連接される、空気入りタイヤであって、
前記複数の陸は、前記第2ショルダー陸と前記センター陸との間に配置される第2メディエイト陸をさらに含み、
前記第2メディエイト陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第2メディエイトスリットと、前記複数の第2メディエイトスリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第2メディエイトスリットによって区画される第2メディエイトブロックと、を備え、
前記第2メディエイトブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第2メディエイト周溝を備え、
前記少なくとも一つの第2メディエイト周溝は、前記一対の第2メディエイトスリットのうちの一つに連接され、且つ、前記一対の第2メディエイトスリットのうちの一つから離れ、
前記少なくとも一つの第2メディエイト周溝は、前記タイヤ周方向に対して傾斜するように延びる、空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、空気入りタイヤは、タイヤ周方向へ延びる複数の主溝と、複数の主溝及び一対の接地端によって区画される複数の陸とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、陸は、タイヤ幅方向に亘って延びる複数のスリットと、複数のスリットによって区画される複数のブロックとを備えている。
【0003】
ブロックは、タイヤ周方向に延びる複数の周溝を備えており、全ての周溝は、スリットから離れている。これにより、ブロックのタイヤ周方向の端部の剛性が低下することを抑制することができる。しかしながら、周溝の長さが短くなるため、周溝のエッジによるトラクションを大きくすることができない。したがって、スノー路面性能を十分に向上させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-247708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本開示の目的は、ブロックの剛性を確保しつつ、スノー路面性能を向上することができる空気入りタイヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数の主溝と、前記複数の主溝及び一対の接地端によって区画される複数の陸と、を備え、前記複数の陸は、タイヤ幅方向の最も外側に配置される第1及び第2ショルダー陸と、タイヤ赤道面に最も近くに配置されるセンター陸と、を備え、前記第1ショルダー陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数の第1ショルダースリットと、前記複数の第1ショルダースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対の第1ショルダースリットによって区画される第1ショルダーブロックと、を備え、前記第1ショルダーブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つの第1ショルダー周溝を備え、前記少なくとも一つの第1ショルダー周溝は、前記一対の第1ショルダースリットのそれぞれから離れ、前記センター陸は、前記タイヤ幅方向に亘って延びる複数のセンタースリットと、前記複数のセンタースリットのうち、前記タイヤ周方向で隣接される一対のセンタースリットによって区画されるセンターブロックと、を備え、前記センターブロックは、前記タイヤ周方向に延びる少なくとも一つのセンター周溝を備え、前記少なくとも一つのセンター周溝は、前記一対のセンタースリットのそれぞれに連接される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1傾斜側の説明図
図2】第2傾斜側の説明図
図3】一実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ子午面における要部断面図
図4】同実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面の要部展開図
図5】同実施形態に係る第1ショルダー陸の要部展開図
図6】同実施形態に係る第1メディエイト陸の要部展開図
図7】同実施形態に係るセンター陸の要部展開図
図8】同実施形態に係る第2メディエイト陸の要部展開図
図9】同実施形態に係る第2ショルダー陸の要部展開図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、空気入りタイヤにおける一実施形態について、図1図9を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
なお、後述する各寸法値、位置関係及び大小関係等は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1を正規リム30に装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態で測定したものである。正規リムは、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ1ごとに定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRA及びETRTOであれば「Measuring Rim」となる。
【0010】
また、正規内圧は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。
【0011】
各図において、第1の方向D1は、タイヤ1の回転中心であるタイヤ回転軸と平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ1の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3は、タイヤ回転軸周りのタイヤ周方向D3である。
【0012】
タイヤ幅方向D1において、内側は、タイヤ赤道面S1に近い側となり、外側は、タイヤ赤道面S1から遠い側となる。また、タイヤ径方向D2において、内側は、タイヤ回転軸に近い側となり、外側は、タイヤ回転軸から遠い側となる。
【0013】
タイヤ幅方向D1のうち、第1側D11は、第1幅方向側D11ともいい、第2側D12は、第2幅方向側D12ともいう。また、タイヤ周方向D3のうち、第1側D31は、第1周方向側D31ともいい、第2側D32は、第2周方向側D32ともいう。
【0014】
タイヤ赤道面S1とは、タイヤ回転軸に直交する面で且つタイヤ1のタイヤ幅方向D1の中心に位置する面のことであり、タイヤ子午面とは、タイヤ回転軸を含む面で且つタイヤ赤道面S1と直交する面のことである。また、タイヤ赤道線とは、タイヤ1のタイヤ径方向D2の外表面(後述する、トレッド面2a)とタイヤ赤道面S1とが交差する線のことである。
【0015】
なお、図1に示すように、第1幅方向側D11へ行くにつれて、第1周方向側D31へ向かう側(第2幅方向側D12へ行くにつれて、第2周方向側D32へ向かう側)D4は、第1傾斜側D4という。また、図2に示すように、第1幅方向側D11へ行くにつれて、第2周方向側D32へ向かう側(第2幅方向側D12へ行くにつれて、第1周方向側D31へ向かう側)D5は、第2傾斜側D5という。
【0016】
そして、「タイヤ周方向D3(タイヤ幅方向D1)に対して同じ側に傾斜する」とは、同じ傾斜側(例えば、第1傾斜側D4,D4同士、第2傾斜側D5,D5同士)であることをいう。即ち、タイヤ周方向D3(タイヤ幅方向D1)に対する傾斜角度が異なっていても、同じ傾斜側D4,D4(D5,D5)であれば、「タイヤ周方向D3(タイヤ幅方向D1)に対して同じ側に傾斜する」に含まれる。
【0017】
また、「タイヤ周方向D3(タイヤ幅方向D1)に対して反対側に傾斜する」とは、反対の傾斜側(第1傾斜側D4と第2傾斜側D5)であることをいう。即ち、タイヤ周方向D3(タイヤ幅方向D1)に対する傾斜角度が同じであっても、反対の傾斜側D4,D5であれば、「タイヤ周方向D3(タイヤ幅方向D1)に対して反対側に傾斜する」に含まれる。
【0018】
図3に示すように、本実施形態に係るタイヤ1は、ビードコアを有する一対のビード1aと、各ビード1aからタイヤ径方向D2の外側に延びるサイドウォール1bと、一対のサイドウォール1bのタイヤ径方向D2の外端に連接され、タイヤ径方向D2の外表面(トレッド面2a)が路面に接地するトレッド2とを備えている。本実施形態においては、タイヤ1は、内部に空気が入れられる空気入りタイヤ1であって、リム30に装着される。
【0019】
また、タイヤ1は、一対のビードコアの間に架け渡されるカーカス1cと、カーカス1cの内側に配置され、空気圧を保持するために、気体の透過を阻止する機能に優れるインナーライナ1dとを備えている。カーカス1c及びインナーライナ1dは、ビード1a、サイドウォール1b、及びトレッド2に亘って、タイヤ内周に沿って配置されている。
【0020】
タイヤ1は、タイヤ赤道面S1に対して非対称となる構造である。本実施形態においては、タイヤ1は、車両への装着向きを指定されたタイヤであり、リム30に装着する際に、タイヤ1の左右何れを車両に対面するかを指定されたタイヤである。なお、トレッド2のトレッド面2aに形成されるトレッドパターンは、タイヤ赤道面S1に対して非対称となる形状としている。
【0021】
車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール1bに表示されていてもよい。具体的には、サイドウォール1bは、タイヤ外表面を構成すべく、カーカス1cのタイヤ幅方向D1の外側に配置されるサイドウォールゴム1eを備え、該サイドウォールゴム1eは、表面に、車両への装着の向きを表示する表示部(図示していない)を有する、という構成でもよい。
【0022】
例えば、車両装着時に内側(以下「車両内側」ともいう)に配置される一方のサイドウォール1bは、車両内側となる旨の表示(例えば、「INSIDE」等)を付されている。また、例えば、車両装着時に外側(以下「車両外側」ともいう)に配置される他方のサイドウォール1bは、車両外側となる旨の表示(例えば、「OUTSIDE」等)を付されている。特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1幅方向側D11は、車両外側D11とし、第2幅方向側D12は、車両内側D12としてもよい。
【0023】
トレッド2は、路面に接地するトレッド面2aを有するトレッドゴム2bと、トレッドゴム2bとカーカス1cとの間に配置されるベルト2cとを備えている。そして、トレッド面2aは、実際に路面に接地する接地面を有しており、当該接地面のうち、タイヤ幅方向D1の外端は、接地端2d,2eという。なお、該接地面は、タイヤ1を正規リム30にリム組みし、正規内圧を充填した状態でタイヤ1を平坦な路面に垂直に置き、正規荷重を加えたときの路面に接地するトレッド面2aを指す。
【0024】
正規荷重は、タイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ1ごとに定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば上記の表に記載の最大値、ETRTOであれば「LOAD CAPACITY」であるが、タイヤ1が乗用車用である場合には内圧180kPaの対応荷重の85%とする。
【0025】
図3及び図4に示すように、トレッドゴム2bは、タイヤ周方向D3に延びる複数の主溝3,4,5,6と、複数の主溝3,4,5,6及び一対の接地端2d,2eによって区画される複数の陸7,8,9,10,11とを備えている。特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、主溝3,4,5,6の個数は、四つとし、陸7,8,9,10,11の個数は、五つとしてもよい。
【0026】
主溝3,4,5,6は、タイヤ周方向D3に連続して延びている。主溝3,4,5,6は、例えば、摩耗するにしたがって露出することで摩耗度合が分かるように、溝を浅くしてある部分、所謂、トレッドウエアインジケータ(図示していない)を備えていてもよい。また、例えば、主溝3,4,5,6は、接地端2d,2e間の距離(タイヤ幅方向D1の寸法)の3%以上の溝幅を有していてもよい。また、例えば、主溝3,4,5,6は、5mm以上の溝幅を有していてもよい。
【0027】
タイヤ幅方向D1の最外側に配置される一対の主溝3,4は、ショルダー主溝3,4という。ショルダー主溝3,4のうち、第1幅方向側(車両外側)D11に配置される主溝3は、第1ショルダー主溝3といい、第2幅方向側(車両内側)D12に配置される主溝4は、第2ショルダー主溝4という。
【0028】
また、一対のショルダー主溝3,4間に配置される主溝5,6は、センター主溝5,6という。センター主溝5,6のうち、第1幅方向側(車両外側)D11に配置される主溝5は、第1センター主溝5といい、第2幅方向側(車両内側)D12に配置される主溝6は、第2センター主溝6という。
【0029】
ショルダー主溝3,4と接地端2d,2eによって区画される陸7,8は、ショルダー陸7,8といい、隣接される一対の主溝3,4,5,6によって区画される陸9,10,11は、ミドル陸9,10,11という。なお、ショルダー主溝3,4とセンター主溝5,6とによって区画されるミドル陸9,10は、メディエイト陸9,10ともいい、一対のセンター主溝5,6によって区画されるミドル陸11は、センター陸11ともいう。
【0030】
ショルダー陸7,8のうち、第1幅方向側(車両外側)D11に配置される陸7は、第1ショルダー陸7といい、第2幅方向側(車両内側)D12に配置される陸8は、第2ショルダー陸8という。また、メディエイト陸9,10のうち、第1幅方向側(車両外側)D11に配置される陸9は、第1メディエイト陸9といい、第2幅方向側(車両内側)D12に配置される陸10は、第2メディエイト陸10という。
【0031】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、主溝3,4,5,6は、ストレート主溝3,5及びジグザグ主溝4,6を備えていてもよい。なお、ストレート主溝3,5は、トレッド面2aにおける端縁のそれぞれがタイヤ周方向D3に対して平行である主溝3,5であり、ジグザグ主溝4,6は、トレッド面2aにおける端縁のそれぞれがタイヤ周方向D3に対して傾斜する主溝4,6である。
【0032】
陸7,8,9,10,11は、複数の副溝12,13,…,25,26を備えている。副溝12,13,…,25,26のうち、タイヤ周方向D3に沿って延びる副溝12,13,14,15,16は、周溝12,13,14,15,16といい、副溝12,13,…,25,26のうち、タイヤ幅方向D1に沿って延びる副溝17,18,…,25,26は、幅溝17,18,…,25,26という。
【0033】
そして、幅溝17,18,…,25,26のうち、トレッド面2aにおける溝幅が1.6mm以上である幅溝17,18,19,20,21は、スリット17,18,19,20,21という。また、幅溝17,18,…,25,26のうち、トレッド面2aにおける溝幅が1.6mm未満である幅溝22,23,24,25,26は、サイプ22,23,24,25,26という。
【0034】
なお、周溝12,13,14,15,16がタイヤ周方向D3に対して傾斜する角度は、45°未満であり、例えば、30°以下であることが好ましい。また、幅溝17,18,…,25,26がタイヤ幅方向D1に対して傾斜する角度は、45°以下であり、例えば、30°以下であることが好ましい。
【0035】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、全てのスリット17,18,19,20,21は、陸7,8,9,10,11のタイヤ幅方向D1の全長に亘って延びていてもよい。即ち、全てのスリット17,18,19,20,21の両端部は、主溝3,4,5,6又は接地端2d,2eにそれぞれ連接されていてもよい。これにより、陸7,8,9,10,11は、タイヤ周方向D3に並ぶように、スリット17,18,19,20,21によって区画される複数のブロック7a,8a,9a,10a,11aを備えている。
【0036】
なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、各陸7,8,9,10,11のブロック7a,8a,9a,10a,11aの個数は、同じでもよく、また、各陸7,8,9,10,11のスリット17,18,19,20,21の個数は、同じでもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、スリット17,18,19,20,21の溝幅は、全長に亘って、一定(同じだけでなく、±5%の差異を有する略同じも含む)であってもよい。
【0037】
また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝12,13,14,15,16は、ブロック7a,8a,9a,10a,11aにそれぞれ一つ備えられていてもよい。また、特に限定されないが、周溝12,13,14,15,16の溝幅は、例えば、0.5mm~3.0mmとしてもよく、また、例えば、1.0mm~2.0mmであることが好ましい。
【0038】
また、特に限定されないが、周溝12,13,14,15,16のタイヤ周方向D3の長さは、ブロック7a,8a,9a,10a,11aのタイヤ周方向D3の長さに対して、例えば、67%(=2/3)以上であることが好ましく、75%(=3/4)以上であることがさらに好ましい。そして、例えば、周溝12,13,14,15,16は、ブロック7a,8a,9a,10a,11aの全てのサイプ22,23,24,25,26と交差するように、タイヤ周方向D3へ延びていてもよい。
【0039】
ここで、全体がタイヤ赤道面S1よりも車両外側(第1幅方向側)D11に配置される陸7,9のサイプ22,24と、全体がタイヤ赤道面S1よりも車両内側(第2幅方向側)D12に配置される陸8,10のサイプ23,25との構成について、図4を参照しながら説明する。
【0040】
図4に示すように、例えば、第2ショルダー陸8のサイプ23の個数は、第1ショルダー陸7のサイプ22の個数よりも、多くなっていてもよい。そして、例えば、第2ショルダー陸8のサイプ23の長さの合計は、第1ショルダー陸7のサイプ22の長さの合計よりも、大きくなっていてもよい。
【0041】
また、例えば、本実施形態のように、第2メディエイト陸10のサイプ25の個数は、第1メディエイト陸9のサイプ24の個数よりも、多くなっていてもよい。そして、例えば、第2メディエイト陸10のサイプ25の長さの合計は、第1メディエイト陸9のサイプ24の長さの合計よりも、大きくなっていてもよい。
【0042】
このように、全体がタイヤ赤道面S1よりも第2幅方向側(車両内側)D12に配置される陸8,10において、サイプ23,25の長さが長くなることによって、第2幅方向側(車両内側)D12の陸8,10のサイプ23,25のエッジによるトラクションを大きくすることができる。これにより、スノー路面性能を向上させることができる。
【0043】
しかも、全体がタイヤ赤道面S1よりも第1幅方向側(車両外側)D11に配置される陸7,9において、サイプ22,24の長さが長くなり過ぎることを抑制することによって、第1幅方向側(車両外側)D11の陸7,9の剛性が低下することを抑制することができる。これにより、ドライ路面性能(特に、旋回時の操縦安定性能)を向上させることができる。
【0044】
したがって、トラクションの発揮によるスノー路面性能と剛性の確保によるドライ路面性能との両立を図ることができる。これにより、特に限定されないが、本実施形態に係るタイヤ1は、オールシーズン用タイヤ(ドライ路面及びスノー路面に適したタイヤ)として使用され得る。なお、サイプ22,23,24,25,26の長さ(後述する各部22c,22d,23c,23d,…,25c,25d,26c,26dの長さも同様)とは、サイプ22,23,24,25,26の溝幅中心の長さのことである。
【0045】
次に、各陸7,8,9,10,11の構成について、図5図9を参照しながら説明する。
【0046】
まず、第1ショルダー陸7の構成について、図5を参照しながら説明する。
【0047】
例えば、車両が制動したり、タイヤ1が外輪として車両が旋回したりする場合に、第1ショルダー陸7には、大きな力が働き易い。それに対して、図5に示すように、第1ショルダー陸7の周溝(「第1ショルダー周溝」ともいう)12は、ブロック(「第1ショルダーブロック」ともいう)7aを区画する一対のスリット(「第1ショルダースリット」ともいう)17,17のそれぞれから離れている。
【0048】
これにより、ブロック7aのタイヤ周方向D3の端部の剛性が低下することを抑制することができるため、ブロック7aの剛性が低下することを抑制することができる。したがって、例えば、ドライ路面性能(特に、制動性能、旋回時の操縦安定性能)を向上させることができる。
【0049】
なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝12の溝幅は、サイプ22の溝幅よりも大きく、且つ、スリット17の溝幅よりも小さい、という構成でもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝12(具体的には、溝幅中心)は、タイヤ周方向D3に対して平行(完全に平行だけでなく、±1°未満の傾斜である略平行も含む)に延びていてもよい。
【0050】
また、例えば、サイプ22の第1端(タイヤ幅方向D1の外端)22aは、第1ショルダー陸7のタイヤ幅方向D1の外端7bに連接され、サイプ22の第2端(タイヤ幅方向D1の内端)22bは、第1ショルダー陸7のタイヤ幅方向D1の内端7cに連接されている、という構成でもよい。即ち、サイプ22の第1端22aは、第1接地端2dに連接され、サイプ22の第2端22bは、第1ショルダー主溝3に連接されている、という構成でもよい。
【0051】
また、サイプ22は、例えば、ストレート状に延びるストレート部22cと、ジグザグ状に延びるジグザグ部22dとを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、周溝12は、サイプ22のストレート部22cと交差していてもよい。なお、例えば、本実施形態のように、第1ショルダー陸7のサイプ22においては、ストレート部22cの長さは、ジグザグ部22dの長さよりも、長くなっていてもよい。
【0052】
また、例えば、本実施形態のように、ストレート部22cは、サイプ22のタイヤ幅方向D1の両側に一対配置され、ジグザグ部22dは、一対のストレート部22c,22cの間に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、第1ショルダー陸7のスリット17とサイプ22とは、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。
【0053】
次に、第1メディエイト陸9の構成について、図6を参照しながら説明する。
【0054】
例えば、タイヤ1が外輪として車両が旋回した場合に、第1メディエイト陸9にも、やや大きな力が働き易い。それに対して、図6に示すように、第1メディエイト陸9の周溝(「第1メディエイト周溝」ともいう)14は、ブロック(「第1メディエイトブロック」ともいう)9aを区画する一対のスリット(「第1メディエイトスリット」ともいう)19,19のそれぞれから離れている。
【0055】
これにより、ブロック9aのタイヤ周方向D3の端部の剛性が低下することを抑制することができるため、ブロック9aの剛性が低下することを抑制することができる。したがって、例えば、ドライ路面性能(特に、旋回時の操縦安定性能)を向上させることができる。
【0056】
ところで、タイヤ1が外輪として車両が旋回した場合に、第1メディエイト陸9のブロック9aにおいては、タイヤ幅方向D1の内側領域の接地圧が低くなるため、当該内側領域のエッジによるトラクションが小さくなり易い。それに対して、周溝14は、ブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L1よりも、タイヤ幅方向D1の内側に配置されている。
【0057】
これにより、ブロック9aの内側領域のエッジ長さを長くすることができるため、スノー路面の旋回時に、接地圧が低くなるブロック9aの内側領域のトラクションが小さくなることを抑制することができる。したがって、スノー路面性能(特に、旋回時の操縦安定性能)が低下することを抑制することができる。なお、ブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L1(後述する中心L2も同様)とは、ブロック9aのタイヤ幅方向D1の最外端及び最内端間の中心位置を通るタイヤ周方向D3に対して平行な線である。
【0058】
また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝14の溝幅は、サイプ24の溝幅よりも大きく、且つ、スリット19の溝幅よりも小さい、という構成でもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝14(具体的には、溝幅中心)は、タイヤ周方向D3に対して平行(完全に平行だけでなく、±1°未満の傾斜である略平行も含む)に延びていてもよい。
【0059】
また、例えば、サイプ24の第1端(タイヤ幅方向D1の外端)24aは、第1メディエイト陸9のタイヤ幅方向D1の外端9bに連接され、サイプ24の第2端(タイヤ幅方向D1の内端)24bは、第1メディエイト陸9のタイヤ幅方向D1の内端9cに連接されている、という構成でもよい。即ち、サイプ24の第1端24aは、第1ショルダー主溝3に連接され、サイプ24の第2端24bは、第1センター主溝5に連接されている、という構成でもよい。
【0060】
また、サイプ24は、例えば、ストレート状に延びるストレート部24cと、ジグザグ状に延びるジグザグ部24dとを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、周溝14は、サイプ24のストレート部24cと交差していてもよい。なお、例えば、本実施形態のように、第1メディエイト陸9のサイプ24においては、ストレート部24cの長さは、ジグザグ部24dの長さよりも、長くなっていてもよい。
【0061】
また、例えば、本実施形態のように、ストレート部24cは、サイプ24のタイヤ幅方向D1の両側に一対配置され、ジグザグ部24dは、一対のストレート部24c,24cの間に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、第1メディエイト陸9のスリット19とサイプ24とは、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。
【0062】
次に、センター陸11の構成について、図7を参照しながら説明する。
【0063】
例えば、車両が直進する場合に、タイヤ幅方向D1の内側領域、特に、センター陸11の接地長(タイヤ周方向D3の長さ)が長くなる。これにより、センター陸11の周溝(「センター周溝」ともいう)16は、数多く接地する。
【0064】
それに対して、センター陸11の周溝16は、ブロック(「センターブロック」ともいう)11aを区画する一対のスリット(「センタースリット」ともいう)21,21のそれぞれに連接されている。これにより、数多く接地するセンター陸11の周溝16の長さを長くすることができるため、スノー路面に対して、周溝16のエッジによるトラクションを大きくすることができる。したがって、スノー路面性能(特に、横滑りを防止することによる操縦安定性能)を向上することができる。
【0065】
なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝16の溝幅は、サイプ26の溝幅よりも大きく、且つ、スリット21の溝幅よりも小さい、という構成でもよい。また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝16(具体的には、溝幅中心)は、タイヤ周方向D3に対して平行(完全に平行だけでなく、±1°未満の傾斜である略平行も含む)に延びていてもよい。
【0066】
また、例えば、サイプ26の第1端26aは、センター陸11のタイヤ幅方向D1の第1端11bに連接され、サイプ26の第2端26bは、センター陸11のタイヤ幅方向D1の第2端11cに連接されている。即ち、サイプ26の第1端26aは、第1センター主溝5に連接され、サイプ26の第2端26bは、第2センター主溝6に連接されている。
【0067】
また、サイプ26は、例えば、ストレート状に延びるストレート部26cと、ジグザグ状に延びるジグザグ部26dとを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、周溝16は、サイプ26のジグザグ部26dと交差していてもよい。なお、例えば、本実施形態のように、センター陸11のサイプ26においては、ジグザグ部26dの長さは、ストレート部26cの長さよりも、長くなっていてもよい。
【0068】
また、例えば、本実施形態のように、ストレート部26cは、サイプ26のタイヤ幅方向D1の両側に一対配置され、ジグザグ部26dは、一対のストレート部26c,26cの間に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、センター陸11のスリット21とサイプ26とは、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。
【0069】
次に、第2メディエイト陸10の構成について、図8を参照しながら説明する。
【0070】
図8に示すように、第2メディエイト陸10の周溝(「第2メディエイト周溝」ともいう)15は、ブロック(「第2メディエイトブロック」ともいう)10aを区画する一対のスリット(「第2メディエイトスリット」ともいう)20a,20bのうちの一方20aに連接されている。これにより、周溝15の長さを確保することができる。
【0071】
また、第2メディエイト陸10の周溝15は、一対のスリット20a,20bのうちの他方20bから離れている。これにより、ブロック10aのタイヤ周方向D3の一端部の剛性が低下することを抑制することができる。
【0072】
したがって、スノー路面に対して、周溝15のエッジによるトラクションを確保することができるため、スノー路面性能(特に、横滑りを防止することによる操縦安定性能)を確保することができ、しかも、ブロック10aの剛性が低下することを抑制することができる。このように、第2メディエイト陸10において、例えば、トラクションの発揮によるスノー路面性能と剛性の確保によるドライ路面性能との両立を図ることができる。
【0073】
なお、特に限定されないが、例えば、一方のスリット20aの溝深さ(例えば、溝深さの平均)は、他方のスリット20bの溝深さ(例えば、溝深さの平均)よりも、浅くなっていてもよい。即ち、一対のスリット20a,20bは、周溝15に連接される浅溝スリット20aと、周溝15とは離れ、溝深さが浅溝スリット20aの溝深さよりも深い深溝スリット20bとを備えていてもよい。
【0074】
なお、例えば、本実施形態のように、タイヤ周方向D3に並ぶスリット20は、浅溝スリット20aと深溝スリット20bとをタイヤ周方向D3で交互に配置されていてもよい。また、例えば、本実施形態のように、スリット20a,20bは、溝底からタイヤ径方向D2の外側に突出する凸部20cを備えることによって、溝深さを浅くしていてもよい。
【0075】
また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝15の溝幅は、サイプ25の溝幅よりも大きく、且つ、スリット20の溝幅よりも小さい、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、第2メディエイト陸10の複数の周溝15a,15bのうち、一部の周溝15aは、ブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L2よりも、タイヤ幅方向D1の内側に配置されていてもよい。
【0076】
即ち、第2メディエイト陸10の周溝15は、ブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L2よりもタイヤ幅方向D1の内側に配置される内寄り周溝15aと、ブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L2と交差する中央周溝15bとを備えている、という構成でもよい。なお、例えば、本実施形態のように、タイヤ周方向D3に並ぶ周溝15は、内寄り周溝15aと中央周溝15bとをタイヤ周方向D3で交互に配置されていてもよい。
【0077】
また、周溝15(具体的には、溝幅中心)は、タイヤ周方向D3に対して傾斜するように、延びている。これにより、第2メディエイト陸10の周溝15の長さを長くすることができるため、スノー路面に対して、周溝15のエッジによるトラクションを大きくすることができる。したがって、スノー路面性能(特に、横滑りを防止することによる操縦安定性能)を向上させることができる。
【0078】
特に限定されないが、周溝15がタイヤ周方向D3に対して傾斜する角度は、例えば、1°以上であることが好ましく、また、例えば、10°以下であることが好ましい。また、例えば、本実施形態のように、周溝15とスリット20とは、タイヤ周方向D3に対して反対側D5,D4に傾斜していてもよい。具体的には、本実施形態においては、周溝15は、第2傾斜側D5に傾斜して延びており、スリット20は、第1傾斜側D4に傾斜して延びている。
【0079】
また、例えば、サイプ25の第1端25aは、第2メディエイト陸10のタイヤ幅方向D1の側端10b,10cに連接されており、サイプ25の第2端25bは、第2メディエイト陸10のタイヤ幅方向D1の側端10b,10cから離れている、という構成でもよい。即ち、サイプ25の第1端25aは、主溝4,6に連接されており、サイプ25の第2端25bは、主溝4,6から離れている、という構成でもよい。
【0080】
また、サイプ25は、例えば、ストレート状に延びるストレート部25cと、ジグザグ状に延びるジグザグ部25dとを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、周溝15は、サイプ25のジグザグ部25dと交差していてもよい。なお、例えば、本実施形態のように、第2メディエイト陸10のサイプ25においては、ジグザグ部25dの長さは、ストレート部25cの長さよりも、長くなっていてもよい。
【0081】
また、例えば、本実施形態のように、ストレート部25cは、サイプ25の第1端25a側に配置され、ジグザグ部25dは、サイプ25の第2端25b側に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、第2メディエイト陸10のスリット20とサイプ25とは、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。
【0082】
次に、第2ショルダー陸8の構成について、図9を参照しながら説明する。
【0083】
例えば、車両が制動する場合に、第2ショルダー陸8には、大きな力が働き易い。それに対して、例えば、図9に示すように、第2ショルダー陸8の周溝(「第2ショルダー周溝」ともいう)13は、ブロック(「第2ショルダーブロック」ともいう)8aを区画する一対のスリット(「第2ショルダースリット」ともいう)18,18のそれぞれから離れていてもよい。
【0084】
これにより、ブロック8aのタイヤ周方向D3の端部の剛性が低下することを抑制することができるため、ブロック8aの剛性が低下することを抑制することができる。したがって、例えば、ドライ路面性能(特に、制動性能)を向上させることができる。なお、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、周溝13の溝幅は、サイプ23の溝幅よりも大きく、且つ、スリット18の溝幅よりも小さい、という構成でもよい。
【0085】
また、周溝13(具体的には、溝幅中心)は、タイヤ周方向D3に対して傾斜するように、延びている。これにより、第2ショルダー陸8の周溝13の長さを長くすることができるため、スノー路面に対して、周溝13のエッジによるトラクションを大きくすることができる。したがって、スノー路面性能(特に、横滑りを防止することによる操縦安定性能)を向上させることができる。
【0086】
特に限定されないが、周溝13がタイヤ周方向D3に対して傾斜する角度は、例えば、1°以上であることが好ましく、また、例えば、10°以下であることが好ましい。また、例えば、本実施形態のように、周溝13とスリット18とは、タイヤ周方向D3に対して反対側D5,D4に傾斜していてもよい。具体的には、本実施形態においては、周溝13は、第2傾斜側D5に傾斜して延びており、スリット18は、第1傾斜側D4に傾斜して延びている。
【0087】
また、例えば、本実施形態のように、サイプ23の第1端(タイヤ幅方向D1の外端)23aは、第2ショルダー陸8のタイヤ幅方向D1の外端8bに連接され、サイプ23の第2端(タイヤ幅方向D1の内端)23bは、第2ショルダー陸8のタイヤ幅方向D1の内端8cから離れている、という構成でもよい。即ち、サイプ23の第1端23aは、第2接地端2eに連接され、サイプ23の第2端23bは、第2ショルダー主溝4から離れている、という構成でもよい。
【0088】
また、サイプ23は、例えば、ストレート状に延びるストレート部23cと、ジグザグ状に延びるジグザグ部23dとを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、周溝13は、サイプ23のジグザグ部23dと交差していてもよい。なお、例えば、本実施形態のように、第2ショルダー陸8のサイプ23においては、ジグザグ部23dの長さは、ストレート部23cの長さよりも、長くなっていてもよい。
【0089】
また、例えば、本実施形態のように、ストレート部23cは、サイプ23のタイヤ幅方向D1の内側に配置され、ジグザグ部23dは、サイプ23のタイヤ幅方向D1の外側に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、本実施形態のように、第2ショルダー陸8のスリット18とサイプ23とは、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。
【0090】
なお、図5図9に示すように、例えば、本実施形態のように、各陸7,8,9,10,11のスリット17,18,19,20,21は、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。また、例えば、本実施形態のように、各陸7,8,9,10,11のサイプ22,23,24,25,26は、タイヤ幅方向D1に対して同じ側(第1傾斜側)D4に傾斜していてもよい。
【0091】
以上より、本実施形態のように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向D3に延びる複数の主溝3,4,5,6と、前記複数の主溝3,4,5,6及び一対の接地端2d,2eによって区画される複数の陸7,8,9,10,11と、を備え、前記複数の陸7,8,9,10,11は、タイヤ幅方向D1の最も外側に配置される第1及び第2ショルダー陸7,8と、タイヤ赤道面S1に最も近くに配置されるセンター陸11と、を備え、前記第1ショルダー陸7は、前記タイヤ幅方向D1に亘って延びる複数の第1ショルダースリット17と、前記複数の第1ショルダースリット17のうち、前記タイヤ周方向D3で隣接される一対の第1ショルダースリット17,17によって区画される第1ショルダーブロック7aと、を備え、前記第1ショルダーブロック7aは、前記タイヤ周方向D3に延びる少なくとも一つの第1ショルダー周溝12を備え、前記少なくとも一つの第1ショルダー周溝12は、前記一対の第1ショルダースリット17,17のそれぞれから離れ、前記センター陸11は、前記タイヤ幅方向D1に亘って延びる複数のセンタースリット21と、前記複数のセンタースリット21のうち、前記タイヤ周方向D3で隣接される一対のセンタースリット21,21によって区画されるセンターブロック11aと、を備え、前記センターブロック11aは、前記タイヤ周方向D3に延びる少なくとも一つのセンター周溝16を備え、前記少なくとも一つのセンター周溝16は、前記一対のセンタースリット21,21のそれぞれに連接される、という構成が好ましい。
【0092】
斯かる構成によれば、第1ショルダー周溝12が、一対の第1ショルダースリット17,17から離れているため、第1ショルダーブロック7aのタイヤ周方向D3の端部の剛性が低下することを抑制することができる。これにより、第1ショルダーブロック7aの剛性が低下することを抑制することができる。
【0093】
そして、車両が直進する場合に、タイヤ幅方向D1の内側領域の接地長が長くなることに対して、センター周溝16は、一対のセンタースリット21,21のそれぞれに連接されている。これにより、数多く接地するセンター周溝16の長さを長くすることができるため、スノー路面に対して、センター周溝16のエッジによるトラクションを大きくすることができる。したがって、ブロック7aの剛性を確保しつつ、スノー路面性能を向上することができる。
【0094】
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記複数の陸7,8,9,10,11は、前記第1ショルダー陸7と前記センター陸11との間に配置される第1メディエイト陸9をさらに含み、前記第1メディエイト陸9は、前記タイヤ幅方向D1に亘って延びる複数の第1メディエイトスリット19と、前記複数の第1メディエイトスリット19のうち、前記タイヤ周方向D3で隣接される一対の第1メディエイトスリット19,19によって区画される第1メディエイトブロック9aと、を備え、前記第1メディエイトブロック9aは、前記タイヤ周方向D3に延びる少なくとも一つの第1メディエイト周溝14を備え、前記少なくとも一つの第1メディエイト周溝14は、前記一対の第1メディエイトスリット19,19のそれぞれから離れる、という構成が好ましい。
【0095】
斯かる構成によれば、第1メディエイト周溝14が、一対の第1メディエイトスリット19,19から離れているため、第1メディエイトブロック9aのタイヤ周方向D3の端部の剛性が低下することを抑制することができる。これにより、第1メディエイトブロック9aの剛性が低下することを抑制することができる。
【0096】
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記少なくとも一つの第1メディエイト周溝14は、前記第1メディエイトブロック9aの前記タイヤ幅方向D1の中心L1よりも、前記タイヤ幅方向D1の内側に配置される、という構成が好ましい。
【0097】
斯かる構成によれば、旋回時に、第1メディエイトブロック9aのタイヤ幅方向D1の内側領域の接地圧が低くなり、当該内側領域のエッジによるトラクションが小さくなり易いことに対して、第1メディエイト周溝14は、第1メディエイトブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L1よりも、タイヤ幅方向D1の内側に配置されている。これにより、第1メディエイトブロック9aの内側領域のエッジ長さを長くすることができるため、スノー路面の旋回時に、第1メディエイトブロック9aの内側領域のトラクションが小さくなることを抑制することができる。
【0098】
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記複数の陸7,8,9,10,11は、前記第2ショルダー陸8と前記センター陸11との間に配置される第2メディエイト陸10をさらに含み、前記第2メディエイト陸10は、前記タイヤ幅方向D1に亘って延びる複数の第2メディエイトスリット20と、前記複数の第2メディエイトスリット20のうち、前記タイヤ周方向D3で隣接される一対の第2メディエイトスリット20,20によって区画される第2メディエイトブロック10aと、を備え、前記第2メディエイトブロック10aは、前記タイヤ周方向D3に延びる少なくとも一つの第2メディエイト周溝15を備え、前記少なくとも一つの第2メディエイト周溝15は、前記一対の第2メディエイトスリット20,20のうちの一つに連接され、且つ、前記一対の第2メディエイトスリット20,20のうちの一つから離れる、という構成が好ましい。
【0099】
斯かる構成によれば、第2メディエイト周溝15が、一対の第2メディエイトスリット20,20のうちの一つに連接されているため、第2メディエイト周溝15の長さを確保することができる。これにより、スノー路面に対して、第2メディエイト周溝15のエッジによるトラクションを確保することができるため、スノー路面性能を確保することができる。
【0100】
そして、第2メディエイト周溝15が、一対の第2メディエイトスリット20,20のうちの一つから離れているため、第2メディエイトブロック10aのタイヤ周方向D3の一端部の剛性が低下することを抑制することができる。これにより、第2メディエイトブロック10aの剛性が低下することを抑制することができる。
【0101】
また、本実施形態のように、空気入りタイヤ1においては、前記少なくとも一つの第2メディエイト周溝15は、前記タイヤ周方向D3に対して傾斜するように延びる、という構成が好ましい。
【0102】
斯かる構成によれば、第2メディエイト周溝15が、タイヤ周方向D3に対して傾斜するように延びているため、第2メディエイト周溝15の長さを長くすることができる。これにより、スノー路面に対して、第2メディエイト周溝15のエッジによるトラクションを大きくすることができるため、スノー路面性能を向上させることができる。
【0103】
なお、空気入りタイヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、空気入りタイヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0104】
(1)上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1メディエイト周溝14は、一対の第1メディエイトスリット19,19のそれぞれから離れる、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1メディエイト周溝14は、一対の第1メディエイトスリット19,19の少なくとも一方と連接する、という構成でもよい。
【0105】
(2)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第1メディエイト周溝14は、第1メディエイトブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L1よりも、タイヤ幅方向D1の内側に配置される、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0106】
例えば、第1メディエイト周溝14は、第1メディエイトブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L1よりも、タイヤ幅方向D1の外側に配置される、という構成でもよい。また、例えば、第1メディエイト周溝14は、第1メディエイトブロック9aのタイヤ幅方向D1の中心L1と交差して配置される、という構成でもよい。
【0107】
(3)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2メディエイト周溝15は、一対の第2メディエイトスリット20,20のうちの一方に連接され、且つ、他方から離れる、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2メディエイト周溝15は、一対の第2メディエイトスリット20,20のそれぞれに連接される、という構成でもよく、また、一対の第2メディエイトスリット20,20のそれぞれから離れる、という構成でもよい。
【0108】
(4)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、第2メディエイト周溝15は、タイヤ周方向D3に対して傾斜するように延びる、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2メディエイト周溝15は、タイヤ周方向D3に対して平行に延びる、という構成でもよい。
【0109】
(5)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1においては、タイヤ赤道面S1と交差する陸11は、一つであり、タイヤ赤道面S1に最も近くに配置されるセンター陸11は、当該陸である、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0110】
例えば、タイヤ赤道面S1と交差する陸は、例えば、ゼロである、という構成でもよく、また、例えば、二つである、という構成でもよい。これらの構成においては、タイヤ赤道面S1に最も近くに配置されるセンター陸11は、二つ備えられることになるが、第1及び第2センター陸11と第1及び第2ショルダー陸7,8とのうち、第1幅方向側D11に配置される第1センター陸11と第1ショルダー陸7とが、所定の構成を有していればよい。
【0111】
なお、所定の構成とは、第1ショルダー陸7のブロック7aの少なくとも一つの第1ショルダー周溝12は、一対の第1ショルダースリット17,17のそれぞれから離れ、第1センター陸11のブロック11aの少なくとも一つのセンター周溝16は、一対のセンタースリット21,21のそれぞれに連接される、という構成である。
【0112】
(6)また、上記実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両への装着向きを指定されたタイヤである、という構成である。しかしながら、空気入りタイヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、空気入りタイヤ1は、車両への装着向きを指定されていないタイヤである、という構成でもよい。具体的には、トレッドパターンは、タイヤ赤道線上の任意点に対して点対称となるトレッドパターンでもよく、また、タイヤ赤道線に対して線対称となるトレッドパターンでもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…空気入りタイヤ、1a…ビード、1b…サイドウォール、1c…カーカス、1d…インナーライナ、1e…サイドウォールゴム、2…トレッド、2a…トレッド面、2b…トレッドゴム、2c…ベルト、2d…第1接地端、2e…第2接地端、3…第1ショルダー主溝、4…第2ショルダー主溝、5…第1センター主溝、6…第2センター主溝、7…第1ショルダー陸、7a…第1ショルダーブロック、7b,8b,9b…外端、7c,8c,9c…内端、8…第2ショルダー陸、8a…第2ショルダーブロック、9…第1メディエイト陸、9a…第1メディエイトブロック、10…第2メディエイト陸、10a…第2メディエイトブロック、10b…側端、10b…側端、11…センター陸、11a…センターブロック、11b…第1端、11c…第2端、12…第1ショルダー周溝、13…第2ショルダー周溝、14…第1メディエイト周溝、15…第2メディエイト周溝、15a…内寄り周溝、15b…中央周溝、16…センター周溝、17…第1ショルダースリット、18…第2ショルダースリット、19…第1メディエイトスリット、20…第2メディエイトスリット、20a…浅溝スリット、20b…深溝スリット、20c…凸部、21…センタースリット、22…第1ショルダーサイプ、22a,23a,24a,25a,26a…第1端、22b,23b,24b,25b,26b…第2端、22c,23c,24c,25c,26c…ストレート部、22d,23d,24d,25d,26d…ジグザグ部、23…第2ショルダーサイプ、24…第1メディエイトサイプ、25…第2メディエイトサイプ、26…センターサイプ、30…リム、D1…タイヤ幅方向、D2…タイヤ径方向、D3…タイヤ周方向、D4…第1傾斜側、D5…第2傾斜側、D11…第1幅方向側(車両外側)、D12…第2幅方向側(車両内側)、D31…第1周方向側、D32…第2周方向側、S1…タイヤ赤道面
図1
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図9