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特許7608176外科手術バットレス材料を支持するための外科手術ステープルカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】外科手術バットレス材料を支持するための外科手術ステープルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20241223BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021000730
(22)【出願日】2021-01-06
(65)【公開番号】P2021115465
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2024-01-05
(31)【優先権主張番号】16/748,899
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ロアニット フェルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】スレシュ クマール プレマ モハナスンダラム
(72)【発明者】
【氏名】ジテンドラ バルガヴァ スリニヴァス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ. チョワニク
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-215578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0221062(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068―17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ステープラと共に使用されるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
アンビルアセンブリと、
前記アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリであって、前記ステープルカートリッジアセンブリは、複数の保持スロット空洞を画定する、ステープルカートリッジアセンブリ
を備え
前記ステープルカートリッジアセンブリは、
記複数の保持スロット内にそれぞれ配置されている複数のステープルと、
記複数の保持スロットをそれぞれ通して、前記複数のステープルを排出するように構成されている複数のプッシャと、
記複数の保持スロットをそれぞれ通して、前記複数のステープルを排出するために前記複数のプッシャに順次係合するように、前記ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成されている作動そりであって、前記作動そりは、第1のナイフブレードを含む、作動そりと、
前記ステープルカートリッジアセンブリの組織に面する表面上に支持されるように構成されている外科手術バットレス材料と、
前記ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられている両端を含む結合糸と、
前記作動そりが遠位に前進するときに、前記結合糸の一部分が前記作動そりの前記第1のナイフブレードによって切断されるように前記空洞内に保持されるように、前記ステープルカートリッジアセンブリの前記空洞内に受容されるように構成されている固定ボタン
を含む、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記ステープルカートリッジアセンブリは、前記結合糸のそれぞれ両端を固定して受容するように構成されている対向する側方溝をさらに画定する、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記固定ボタンは、前記ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれ対向する側方溝と一致する対向する周溝を画定する、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記固定ボタンは、ノッチを画定し、前記ノッチは、前記ノッチを通して前記作動そりの前記第1のナイフブレードを受容するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記結合糸の前記一部分は、前記ステープルカートリッジアセンブリによって画定された中央の長手方向軸に直交するように配置されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記固定ボタンは、前記結合糸の前記一部分を前記空洞内に支持するように構成されている横断溝を画定する係合部分を含む、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記ステープルカートリッジアセンブリは、対向する側方ガイドを含み、前記対向する側方ガイドは、前記対向する側方ガイドの間に前記外科手術バットレス材料を受容するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記ステープルカートリッジアセンブリは、前記空洞と連通する中央の長手方向スロットをさらに画定する、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記中央の長手方向スロットは、前記空洞を通って延在する、請求項8に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記作動そりは、前記ステープルカートリッジアセンブリの前記組織に面する表面と重ね合わされた関係にある前記外科手術バットレス材料および組織を切断するように、前記中央の長手方向スロットを通って延在するように構成されている第2のナイフブレードをさらに含む、請求項9に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記外科手術バットレス材料は、前記中央の長手方向スロットの遠位部分と一致する切り欠きを含む遠位部分を有する、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記ステープルカートリッジアセンブリの前記空洞は、前記ステープルカートリッジアセンブリの遠位部分において画定されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、外科手術ステープラに関し、より具体的には、外科手術バットレス材料を着脱可能に支持するように構成された外科手術ステープルカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術ステープラは、外科医によって使用され、体組織のセグメントの一括接合、および/または吻合の作成を目的として、1列以上のファスナ、例えば、ステープル、または2部構成のファスナを体組織に連続的にまたは同時に適用する。リニア外科手術ステープラは、一般に、一対のジョーまたは指状の構造体を備え、その対の間に、接合される体組織が配置される。このリニア外科手術ステープラが作動、または「発射」すると、発射バーが長手方向に移動して、ジョーのうちの一方の中にあるステープル駆動部材に接触する。ステープル駆動部材は、体組織を通してステープルを形成する対向するジョーのアンビル内に外科用ステープルを押し込む。体組織を除去または分離する場合、ナイフブレードが装置のジョーのうちの1つに設けられて、ステープルのライン間で体組織を切断することができる。
【0003】
外科手術支持体、例えば、メッシュまたはバットレス材料を、外科手術ステープラと組み合わせて使用して、例えば、身体の腹壁、腰壁、横隔膜、または筋腱膜領域内で起こるような患者内の組織欠陥をブリッジし、修繕し、かつ/または補強することができる。この外科手術バットレス材料は、ステープルラインを補強し、ならびに組織の接合部を覆って、治癒前の漏出を減らす。この外科手術バットレス材料は、組織の任意の位置合わせ不良、および/または異常もしくは不均一な組織によって起きるねじれ/形状不良を減らしながら、適切なステープル形成を促進するのに役立ち得る。この外科手術バットレス材料はまた、衰弱した組織に支持体を提供し、または組織の厚さの相違に対処するのにも役立つことができる。
【0004】
したがって、外科手術ステープラへの外科手術バットレス材料の容易かつ有効な取り付け、ならびに外科手術ステープラからの外科手術バットレス材料の容易かつ有効な除去を可能にする新しいシステムおよび方法が、望まれるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態によれば、外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタは、アンビルアセンブリと、アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリと、を備える。このステープルカートリッジアセンブリは、複数の保持スロット、および空洞を画定する。このステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープル、複数のプッシャ、作動そり、外科手術バットレス材料、結合糸、および固定ボタンを含む。その複数のステープルは、それぞれの複数の保持スロット内に配設される。その複数のプッシャは、それぞれの複数の保持スロットを通して複数のステープルを排出するように構成される。その作動そりは、それぞれの複数の保持スロットを通して、複数のステープルを排出するために複数のプッシャに順次係合するように、ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成される。その作動そりは、第1のナイフブレードを含む。その外科手術バットレス材料は、ステープルカートリッジアセンブリの、組織に面する表面上に支持されるように構成される。その結合糸は、ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられた両端を含む。その固定ボタンは、ステープルカートリッジアセンブリの空洞内に受容されるように構成され、その結果、結合糸の一部分は、作動そりが遠位に前進するときに、作動そりの第1のナイフブレードによって切断されるように空洞内に保持される。
【0006】
一実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、結合糸のそれぞれの両端を固定して受容するように構成された対向する側方溝をさらに画定することができる。
【0007】
別の実施形態では、固定ボタンは、ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれの対向する側方溝と一致する対向する周溝を画定することができる。
【0008】
さらなる別の実施形態では、固定ボタンは、その固定ボタンを通って作動そりの第1のナイフブレードを受容するように構成されたノッチを画定することができる。
【0009】
なおもさらなる別の実施形態では、結合糸の一部分は、ステープルカートリッジアセンブリによって画定された中央の長手方向軸に直交するように配設されることができる。
【0010】
なおもさらなる別の実施形態では、固定ボタンは、空洞内の結合糸の一部分を支持するように構成された横断溝を画定する係合部分を含むことができる。
【0011】
一実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、対向する側方ガイドであって、対向する側方ガイドの間に外科手術バットレス材料を受容するように構成された、対向する側方ガイド、を含むことができる。
【0012】
別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、空洞と連通する中央の長手方向スロットをさらに画定することができる。
【0013】
一実施形態では、中央の長手方向スロットは、空洞を通って延在することができる。
【0014】
別の実施形態では、作動そりは、ステープルカートリッジアセンブリの、組織に面する表面と重ね合わされた関係にある外科手術バットレス材料および組織を切断するように、中央の長手方向スロットを通って延在するように構成された第2のナイフブレードをさらに含むことができる。
【0015】
さらなる別の実施形態では、外科手術バットレス材料は、中央の長手方向スロットの遠位部分と一致する切り欠きを含む遠位部分を有することができる。
【0016】
なおもさらなる別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリの空洞は、ステープルカートリッジアセンブリの遠位部分において画定されることができる。
【0017】
本開示の別の実施形態によれば、外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタは、アンビルアセンブリと、アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリと、を備える。このカートリッジアセンブリは、複数の保持スロット、および側方スロットを画定する。このカートリッジアセンブリは、複数のステープル、複数のプッシャ、作動そり、外科手術バットレス材料、結合糸、およびスライダカムを含む。その複数のステープルは、それぞれの複数の保持スロット内に配設される。その複数のプッシャは、それぞれの複数の保持スロットを通して複数のステープルを排出するように構成される。その作動そりは、それぞれの複数の保持スロットを通して、複数のステープルを排出するために複数のプッシャに係合するように、ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成される。その外科手術バットレス材料は、ステープルカートリッジアセンブリの、組織に面する表面上に支持されるように構成される。その結合糸は、ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられた両端を含む。そのスライダカムは、側方スロット内にスライド可能に受容されるように構成される。そのスライダカムは、作動そりの軸方向変位が、ステープルカートリッジアセンブリの対応する側方溝から結合糸の両端のうちの一端を順番に解放するスライダカムの側方移動を引き起こさせるように、作動そりに係合するように構成された係合部分を含む。
【0018】
一実施形態では、係合部分は、弓形またはテーパ形の外形を有することができる。
【0019】
別の実施形態では、スライダカムは、結合糸の両端のうちの一端に係合するように構成された平面を有する側方部分をさらに含むことができる。
【0020】
さらなる別の実施形態では、スライダカムは、側方部分を含む本体部分、および本体部分から遠位にフレキシブルに延在する指を含むことができる。
【0021】
なおもさらなる別の実施形態では、側方スロットは、スライダカムの側方変位を制限するように、指の一部分に係合するように構成された第1の停止部を含むことができる。
【0022】
なおもさらなる別の実施形態では、指は、側方スロットの第1の停止部に係合するように構成されたフック部分を含むことができる。
【0023】
一実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って延在する中央の長手方向スロットを画定することができる。
【0024】
別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリの側方スロットは、中央の長手方向スロットに向かうスライダカムの側方変位を制限するように構成された第2の停止部をさらに含むことができる。
【0025】
一実施形態では、スライダカムは、結合糸の両端の側方内向きに配設されることができる。
【0026】
別の実施形態では、外科手術バットレス材料は、ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれの対向する側方溝と一致するように構成された対向するノッチを画定することができる。
【0027】
さらなる別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、対向する側方ガイドであって、対向する側方ガイドの間に外科手術バットレス材料を受容するように構成された、対向する側方ガイド、を含むことができる。
【0028】
なおもさらなる別の実施形態では、外科手術バットレス材料は、それぞれの対向する側方ガイドに係合するように構成された階段状部分を含むことができる。
【0029】
なおもさらなる別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、組織に面する表面から延在するフック部材をさらに含むことができる。
【0030】
一実施形態では、外科手術バットレス材料は、切り欠きを画定することができる。
【0031】
別の実施形態では、フック部材は、外科手術バットレス材料をステープルカートリッジアセンブリに固定するように、外科手術バットレス材料の切り欠きを通って受容するように構成されることができる。
【0032】
さらなる別の実施形態では、作動そりは、ステープルカートリッジアセンブリの組織に面する表面と重ね合わされた関係にある外科手術バットレス材料および組織を切断するように、中央の長手方向スロットを通って延在するように構成されたナイフブレードを含むこともできる。
【0033】
なおもさらなる別の実施形態では、結合糸の両端は、ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれの対向する側方溝内に摩擦によって固定されることができる。
【0034】
本開示のさらに別の実施形態によれば、外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタは、アンビルアセンブリと、アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリと、を備える。このカートリッジアセンブリは、複数の保持スロット、および持ち上げスロットを画定する。このカートリッジアセンブリは、複数のステープル、複数のプッシャ、作動そり、外科手術バットレス材料、結合糸、および持ち上げ部材を含む。その複数のステープルは、それぞれの複数の保持スロット内に配設される。その複数のプッシャは、それぞれの複数の保持スロットを通して複数のステープルを排出するように構成される。その作動そりは、それぞれの複数の保持スロットを通して、複数のステープルを排出するために複数のプッシャに係合するように、ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成される。その外科手術バットレス材料は、ステープルカートリッジアセンブリの、組織に面する表面上に支持されるように構成される。その結合糸は、外科手術バットレス材料を組織に面する表面に着脱可能に固定するように、ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられた両端を含む。その持ち上げ部材は、ステープルカートリッジアセンブリから外科手術バットレス材料を解放するように、外科手術バットレス材料から離れるように結合糸を付勢するための持ち上げスロットを通って延在するように構成される。
【0035】
一実施形態では、持ち上げ部材は、複数のプッシャのうちの1つのプッシャに結合されることができる。
【0036】
別の実施形態では、持ち上げ部材は、複数のプッシャのうちの最遠位のプッシャに結合されることができる。
【0037】
さらなる別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、結合糸のそれぞれの両端を固定するように構成された対向する側方溝を画定することができる。
【0038】
なおもさらなる別の実施形態では、対向する側方溝のうちの1つの溝は、結合糸の一部分が持ち上げスロットにわたって延在するように、持ち上げスロットに隣接することができる。
【0039】
一実施形態では、結合糸は、フレキシブルであり得る。
【0040】
別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、対向する側方ガイドであって、対向する側方ガイドの間に外科手術バットレス材料を受容するように構成された、対向する側方ガイド、を含むことができる。
【0041】
さらなる別の実施形態では、外科手術バットレス材料は、切り欠きを画定することができる。
【0042】
なおもさらなる別の実施形態では、ステープルカートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジアセンブリの組織に面する表面から延在するフック部材を含むことができる。このフック部材は、外科手術バットレス材料をステープルカートリッジアセンブリに固定するように、外科手術バットレス材料の切り欠きを通って受容されるように構成される。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
アンビルアセンブリと、
上記アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリであって、上記ステープルカートリッジアセンブリが、複数の保持スロットおよび空洞を画定する、ステープルカートリッジアセンブリと、を備え、上記ステープルカートリッジアセンブリが、
それぞれの上記複数の保持スロット内に配設された複数のステープルと、
それぞれの上記複数の保持スロットを通して、上記複数のステープルを排出するように構成された複数のプッシャと、
それぞれの上記複数の保持スロットを通して、上記複数のステープルを排出するために上記複数のプッシャに順次係合するように、上記ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成された作動そりであって、上記作動そりが、第1のナイフブレードを含む、作動そりと、
上記ステープルカートリッジアセンブリの組織に面する表面上に支持されるように構成された外科手術バットレス材料と、
上記ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられた両端を含む結合糸と、
上記作動そりが遠位に前進するときに、上記結合糸の一部分が上記作動そりの上記第1のナイフブレードによって切断されるように上記空洞内に保持されるように、上記ステープルカートリッジアセンブリの上記空洞内に受容されるように構成された固定ボタンと、を含む、エンドエフェクタ。
(項目2)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、上記結合糸のそれぞれの上記両端を固定して受容するように構成された対向する側方溝をさらに画定する、上記項目に記載のエンドエフェクタ。
(項目3)
上記固定ボタンが、上記ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれの上記対向する側方溝と一致する対向する周溝を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目4)
上記固定ボタンが、ノッチを画定し、上記ノッチが、上記ノッチを通して上記作動そりの上記第1のナイフブレードを受容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目5)
上記結合糸の上記一部分が、上記ステープルカートリッジアセンブリによって画定された中央の長手方向軸に直交するように配設されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目6)
上記固定ボタンが、上記結合糸の上記一部分を上記空洞内に支持するように構成された横断溝を画定する係合部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目7)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、対向する側方ガイドを含み、上記対向する側方ガイドが、上記対向する側方ガイドの間に上記外科手術バットレス材料を受容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目8)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、上記空洞と連通する中央の長手方向スロットをさらに画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目9)
上記中央の長手方向スロットが、上記空洞を通って延在する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目10)
上記作動そりが、上記ステープルカートリッジアセンブリの上記組織に面する表面と重ね合わされた関係にある上記外科手術バットレス材料および組織を切断するように、上記中央の長手方向スロットを通って延在するように構成された第2のナイフブレードをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目11)
上記外科手術バットレス材料が、上記中央の長手方向スロットの遠位部分と一致する切り欠きを含む遠位部分を有する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目12)
上記ステープルカートリッジアセンブリの上記空洞が、上記ステープルカートリッジアセンブリの遠位部分において画定されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目13)
外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
アンビルアセンブリと、
上記アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリであって、上記カートリッジアセンブリが、複数の保持スロットおよび側方スロットを画定する、ステープルカートリッジアセンブリと、を備え、上記カートリッジアセンブリが、
それぞれの上記複数の保持スロット内に配設された複数のステープルと、
それぞれの上記複数の保持スロットを通して、上記複数のステープルを排出するように構成された複数のプッシャと、
それぞれの上記複数の保持スロットを通して、上記複数のステープルを排出するために上記複数のプッシャに係合するように、上記ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成された作動そりと、
上記ステープルカートリッジアセンブリの組織に面する表面上に支持されるように構成された外科手術バットレス材料と、
上記ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられた両端を含む結合糸と、
上記側方スロット内にスライド可能に受容されるように構成されたスライダカムであって、上記スライダカムは、上記作動そりの軸方向変位が、上記スライダカムの側方移動を引き起こし、次いでこれが、上記ステープルカートリッジアセンブリの上記対応する側方溝から上記結合糸の上記両端のうちの一端を解放するように、上記作動そりに係合するように構成された係合部分を含む、スライダカムと、を含む、エンドエフェクタ。
(項目14)
上記係合部分が、弓形またはテーパ形の外形を有する、上記項目に記載のエンドエフェクタ。
(項目15)
上記スライダカムが、上記結合糸の上記両端のうちの上記一端に係合するように構成された平面を有する側方部分をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目16)
上記スライダカムが、上記側方部分を含む本体部分、および上記本体部分から遠位にフレキシブルに延在する指を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目17)
上記側方スロットが、上記スライダカムの側方変位を制限するように、上記指の一部分に係合するように構成された第1の停止部を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目18)
上記指が、上記側方スロットの上記第1の停止部に係合するように構成されたフック部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目19)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、上記ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って延在する中央の長手方向スロットを画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目20)
上記ステープルカートリッジアセンブリの上記側方スロットが、上記中央の長手方向スロットに向かう上記スライダカムの側方変位を制限するように構成された第2の停止部をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目21)
上記スライダカムが、上記結合糸の上記両端の側方内向きに配設されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目22)
上記外科手術バットレス材料が、上記ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれの上記対向する側方溝と一致するように構成された対向するノッチを画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目23)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、対向する側方ガイドを含み、上記対向する側方ガイドが、上記対向する側方ガイドの間に上記外科手術バットレス材料を受容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目24)
上記外科手術バットレス材料が、それぞれの上記対向する側方ガイドに係合するように構成された階段状部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目25)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、上記組織に面する表面から延在するフック部材をさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目26)
上記外科手術バットレス材料が、切り欠きを画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目27)
上記フック部材が、上記外科手術バットレス材料を上記ステープルカートリッジアセンブリに固定するために、上記外科手術バットレス材料の上記切り欠きを通って受容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目28)
上記作動そりが、上記ステープルカートリッジアセンブリの上記組織に面する表面と重ね合わされた関係にある上記外科手術バットレス材料および組織を切断するように、上記中央の長手方向スロットを通って延在するように構成されたナイフブレードを含む、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目29)
上記結合糸の上記両端が、上記ステープルカートリッジアセンブリのそれぞれの上記対向する側方溝内に摩擦によって固定されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目30)
外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタであって、
アンビルアセンブリと、
上記アンビルアセンブリに対して、接近位置と離間位置との間を移動可能なステープルカートリッジアセンブリであって、上記カートリッジアセンブリが、複数の保持スロットおよび持ち上げスロットを画定する、ステープルカートリッジアセンブリと、を備え、上記カートリッジアセンブリが、
それぞれの上記複数の保持スロット内に配設された複数のステープルと、
それぞれの上記複数の保持スロットを通して、上記複数のステープルを排出するように構成された複数のプッシャと、
それぞれの上記複数の保持スロットを通して、上記複数のステープルを排出するために上記複数のプッシャに係合するように、上記ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成された作動そりと、
上記ステープルカートリッジアセンブリの組織に面する表面上に支持されるように構成された外科手術バットレス材料と、
上記外科手術バットレス材料を上記組織に面する表面に着脱可能に固定するように、上記ステープルカートリッジアセンブリの対向する側面に固定して取り付けられた両端を含む結合糸と、
上記ステープルカートリッジアセンブリから上記外科手術バットレス材料を解放するように、上記外科手術バットレス材料から離れるように上記結合糸を付勢するための、上記持ち上げスロットを通って延在するように構成された持ち上げ部材と、を含む、エンドエフェクタ。
(項目31)
上記持ち上げ部材が、上記複数のプッシャのうちの1つのプッシャに結合されている、上記項目に記載のエンドエフェクタ。
(項目32)
上記持ち上げ部材が、上記複数のプッシャのうちの最遠位のプッシャに結合されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目33)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、上記結合糸のそれぞれの両端を固定するように構成された対向する側方溝を画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目34)
上記対向する側方溝のうちの1つの溝は、上記結合糸の一部分が上記持ち上げスロットにわたって延在するように、上記持ち上げスロットに隣接している、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目35)
上記結合糸が、フレキシブルである、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目36)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、対向する側方ガイドを含み、上記対向する側方ガイドが、上記対向する側方ガイドの間に上記外科手術バットレス材料を受容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目37)
上記外科手術バットレス材料が、切り欠きを画定する、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(項目38)
上記ステープルカートリッジアセンブリが、上記ステープルカートリッジアセンブリの上記組織に面する表面から延在するフック部材を含み、上記フック部材が、上記外科手術バットレス材料を上記ステープルカートリッジアセンブリに固定するように、上記外科手術バットレス材料の上記切り欠きを通って受容されるように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
(摘要)
外科手術ステープラと共に使用するためのエンドエフェクタは、アンビルアセンブリに対して移動可能なステープルカートリッジアセンブリを含む。このステープルカートリッジアセンブリは、複数の保持スロット、および空洞を画定する。このステープルカートリッジアセンブリは、複数のステープル、複数のプッシャ、作動そり、外科手術バットレス材料、結合糸、および固定ボタンを含む。この作動そりは、それぞれの複数の保持スロットを通して、複数のステープルを排出するために複数のプッシャに順次係合するように、ステープルカートリッジアセンブリの長さに沿って移動するように構成される。この固定ボタンは、ステープルカートリッジアセンブリの空洞内に受容されるように構成され、その結果、結合糸の一部分は、作動そりが遠位に前進するときに、作動そりのナイフブレードによって切断されるように、空洞内に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本開示の上記および他の態様、特徴、ならびに利点は、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面と併せて読めば、以下の詳細な説明に照らして明らかになるであろう。
【0044】
図1】本開示の実施形態による、上部に取り付けられた外科手術バットレス材料を有する外科手術ステープラの斜視図である。
図2図1の外科手術ステープラのエンドエフェクタの斜視図である。
図3】部品が分離された、図1のエンドエフェクタのツール部分の分解組立斜視図である。
図4図1のエンドエフェクタのステープルカートリッジアセンブリの斜視図であり、上部に着脱可能に固定された外科手術バットレス材料を例示する。
図5図4の指示された詳細領域の拡大図である。
図6図3の指示された詳細領域の拡大図であり、図4のステープルカートリッジアセンブリの作動そりを例示する。
図7図3の指示された詳細領域の拡大図であり、図4のステープルカートリッジアセンブリの固定ボタンを例示する。
図8図4の切断線8-8に沿って切り取られた、図4のステープルカートリッジアセンブリの断面図である。
図9図8の指示された詳細領域の拡大図であり、図8のステープルカートリッジアセンブリと共に固定ボタンの配置を例示する。
図10図8の指示された詳細領域の拡大図であり、図8のステープルカートリッジアセンブリと共に固定ボタンの配置を例示する。
図11図5の切断線11-11に沿って切り取られた、図5のステープルカートリッジアセンブリの断面図である。
図12図11の切断線12-12に沿って切り取られた、図11のステープルカートリッジアセンブリの断面図であり、結合糸の切断を例示する。
図13図8のステープルカートリッジアセンブリの部分斜視図であり、結合糸の切断を例示する。
図14図1の外科手術ステープラによってステープル留めされ、切断された組織の斜視図である。
図15】本開示の別の実施形態による、図1の外科手術ステープラと共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリの斜視図である。
図16図15の指示された詳細領域の拡大図である。
図17】外科手術バットレス材料が分離された図15のステープルカートリッジアセンブリの斜視図である。
図18図17の指示された詳細領域の拡大図であり、図15のステープルカートリッジアセンブリのスライダカムを例示する。
図19図15の切断線19-19に沿って切り取られた、図15のステープルカートリッジアセンブリの断面図である。
図20図19の指示された詳細領域の拡大図である。
図21図20の切断線21-21に沿って切り取られた、図20の外科手術カートリッジアセンブリの断面図である。
図22図19の外科手術カートリッジアセンブリの部分断面図であり、側方に変位した位置にあるスライダカムを例示する。
図23図22の切断線23-23に沿って切り取られた、図22の外科手術カートリッジアセンブリの断面図である。
図24図15の外科手術カートリッジアセンブリの部分斜視図であり、結合糸の切断を例示する。
図25】本開示のさらなる別の実施形態による、図1の外科手術ステープラと共に使用するためのステープルカートリッジアセンブリの斜視図である。
図26図25の指示された詳細領域の拡大図である。
図27図25のステープルカートリッジアセンブリのステープルプッシャおよびステープルの斜視図である。
図28図25のステープルカートリッジアセンブリの部分上面図であり、想像線で示された図27のステープルプッシャを例示する。
図29図28の切断線29-29に沿って切り取られた、図28のステープルカートリッジアセンブリの断面図である。
図30図29のステープルカートリッジアセンブリの断面図であり、持ち上げ部材の作動を例示する。
図31図25のステープルカートリッジアセンブリの部分斜視図であり、持ち上げ部材の作動を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示の実施形態は、同様の参照符号が同様または同一の要素を特定する図面を参照してここで詳細に説明される。本記載全体にわたって、「近位」という用語は、ユーザにより近い、構造体またはその構成要素の一部分を指し、「遠位」という用語は、ユーザからより遠い、構造体またはその構成要素の一部分を指す。「上」、「下」、「側」などの方向参照用語は、実施形態の説明を容易にするために使用されており、ある構造またはその任意の部分の最終的な配向に限定的な効果を与えることは意図されない。以下の記載では、周知の機能または構成が、本開示を不必要に詳細に示して不明瞭にすることを避けるために、詳細には記載されていない。
【0046】
ここで、図1図3を参照すると、リニア外科手術ステープラの形態で典型的な外科手術ステープラ1が、ステープルで組織を固定し、外科手術バットレス材料100を組織に適用する際に使用するために示される。この外科手術ステープラ1は、一般に、ハンドルアセンブリ10、ハンドルアセンブリ10から遠位に延在する細長い管状本体部分20、および細長い管状本体部分20から遠位に延在するエンドエフェクタ30を含む。このエンドエフェクタ30は、アンビルアセンブリ40およびステープルカートリッジアセンブリ50を備える。エンドエフェクタ30は、細長い管状本体部分20に恒久的に取り付けられるか、または着脱可能に結合され得、したがって、新しいエンドエフェクタ30と交換可能であり得る。アンビルアセンブリ40および/またはステープルカートリッジアセンブリ50は、互いに対して枢動可能であり得、その結果、アンビル40および/またはステープルカートリッジアセンブリ50は、アンビル40およびステープルカートリッジアセンブリ50が互いに対して離間されている開放位置と、アンビル40およびステープルカートリッジアセンブリ50が実質的に互いに隣接している接近位置との間で移動可能である。ハンドルアセンブリ10は、例えば、ステープルカートリッジアセンブリ50から外へステープル58を排出するための作動そり66に動作可能に関連付けられた電気モータ(図示せず)を作動させるように構成された作動ボタン12、ならびに、例えば、開放位置と接近位置との間でアンビル40および/またはステープルカートリッジアセンブリ50を移行させるために、アンビル40および/またはステープルカートリッジアセンブリ50に動作可能に関連付けられた電気モータ(図示せず)を作動させるように構成された開放ボタン14および接近ボタン16を含む。
【0047】
例示的な外科手術ステープラの構造および機能の詳細な説明については、米国特許第8,256,656号、同第7,819,896号、および同第7,128,253号を参照することができ、それらの各々の全容は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の原理は、例えば、米国特許第7,334,717号、同第5,964,394号、および同第5,915,616号に記載されているタイプなどの他の構成を有する外科手術ステープラにも等しく適用可能であり、これらの各々の全容は、参照により本明細書に組み込まれることを認識されたい。したがって、様々な外科手術ステープラが利用され得ることを理解されたい。
【0048】
図2を参照すると、アンビルアセンブリ40は、内部に形成された中央の長手方向スロットを有するアンビルプレート(図示せず)、およびアンビルプレート上に固定されたカバープレート44を含み、その結果、カバープレート44は、アンビルアセンブリ40の上面または外側に向かって面する表面46を画定する。アンビルプレートは、そのアンビルプレートの内向きか、または組織に面する表面(図示せず)内で画定されたポケット/空洞(図示せず)を形成する、複数のステープルを含むことができる。
【0049】
図3を参照すると、ステープルカートリッジアセンブリ50は、ステープルカートリッジ54を内部に選択的に受容するように構成および寸法設計された細長い支持チャネル51を画定するカートリッジキャリア52を含む。カートリッジキャリア52はまた、ステープルカートリッジアセンブリ50の下部または外向き面53を画定する。このステープルカートリッジ54は、カートリッジキャリア52内で取り外し可能であり、交換可能である。ステープルカートリッジ54は、本体部分54aおよびカバー54bを含む。この本体部分54aは、複数のファスナまたはステープル58、およびステープルプッシャ60を内部に受容するためのステープルポケットまたは保持スロット55を画定する。ステープル58は、従来のタイプのものであり、バックスパンから延在する一対の脚を有するバックスパンを含む。脚は、組織貫通先端で終わる。ステープルプッシャ60は、それぞれのステープルポケット55内に配置され、ステープル58と、作動そり66の経路との間に位置決めされる。中央の長手方向スロット57が、それを通って作動そり66の第1のナイフブレード61を通過させるために、ステープルカートリッジ54の長さに沿って画定される。
【0050】
図4および図5を参照すると、空洞65(図3)が、中央の長手方向スロット57の遠位部分に隣接して画定される。この空洞65は、以下で考察されるように、ステープルカートリッジ54上に外科手術バットレス材料100を固定する結合糸17を支持するための固定ボタン70を受容するように構成される。ステープルカートリッジ54の本体部分54aの近位部分55aおよび遠位部分55bは、それぞれの結合糸17をそれに固定するように構成され、その結果、外科手術バットレス材料100を、本体部分54の、組織に面する表面56(図3)に着脱可能に固定する。この目的のために、本体部分54aの近位部分55aは、結合糸17のそれぞれの端部分を内部に固定して受容するように構成された側方溝69を画定する。例えば、結合糸17の端部分は、摩擦嵌めによって、または接着剤の使用によって、側方溝69に固定することができる。別の方法として、結合糸17は、超音波を使って側方溝69に溶接することができる。さらに、本体部分54aの近位部分55aは、組織に面する表面56(図3)から延在する一対の側方ガイド59を含む。外科手術バットレス材料100は、側方ガイド59の間に受容される。このようにして、一対の側方ガイド59と併せて、結合糸17は、外科手術バットレス材料100を、本体部分54aの近位部分55aに固定する。
【0051】
図4および図5を、引き続き参照すると、外科手術バットレス材料100は、本体部分54bの遠位部分55b内の別の結合糸17によってステープルカートリッジ54にさらに固定される。本開示は、外科手術バットレス材料100のそれぞれの近位部分102aおよび遠位部分102bを、本体部分54bに固定するための2つの結合糸17を開示している一方で、任意の数の結合糸17を利用して、外科手術バットレス材料100をステープルカートリッジ54に固定する効力をもたらすことができると考えられる。ステープルカートリッジ54の本体部分54bの遠位部分55bは、結合糸17のそれぞれの端部分を固定して受容するように構成された対向する側方溝69(1つのみを示す)を画定する。対向する側方溝69に固定された結合糸17を使用して、外科手術バットレス材料100の遠位端102bを、ステープルカートリッジ54の遠位部分55bに固定する。
【0052】
ここで、図6図10を参照すると、ステープルカートリッジ54への、およびそれからの、外科手術バットレス材料100の固定および脱着可能性を高めるために、固定ボタン70は、ステープルカートリッジ54の本体部分54aの空洞65に配置される。空洞65は、ステープルカートリッジ54の遠位部分55b内に画定される。特に、中央の長手方向スロット57は、空洞65を通って延在する。固定ボタン70は、互いに対して屈曲するように構成された第1の指72、および第2の指74を含む。固定ボタン70は、その上部に結合糸17の一部分を支持するための、第1の指72と第2の指74との間に配設された係合部分75を含む。固定ボタン70は、内部に結合糸17を受容するように構成された対向する周溝76a、76bを画定する。さらに、固定ボタン70は、第1の指72、および第2の指74を通って延在するノッチ73を画定する。このノッチ73は、それらの指を通って作動そり66の第2のナイフブレード62を受容するように構成される。そのような構成下で、作動そり66が前進すると、作動そり66の第2のナイフブレード62は、ノッチ73を通って延在し、ノッチ73を横切って延在する結合糸17の一部分を切断する。固定ボタン70の第1の指72、および第2の指74のうちの少なくとも1つの指は、ステープルカートリッジ54の空洞65中に内側に向かって延在する停止部67(図9)に係合するように構成された切り欠き77をさらに画定する。そのような構成下で、固定ボタン70が矢印「L」の方向に空洞65中に押されると(図9)、停止部67は、切り欠き77と係合し、停止部67は、固定ボタン70が矢印「L」の反対方向に引き戻るのを阻止し、その結果、固定ボタン70は、その内部に配置された空洞65内に留まる。
【0053】
図11を参照すると、結合糸17の両端は、ステープルカートリッジ54の遠位部分55bのそれぞれの側方溝69(図5)に固定され、結合糸17の一部分は、固定ボタン70によって、ステープルカートリッジ54の空洞65内に保持される。そのような構成下で、結合糸17の一部分は、第1の指72と、第2の指74との間で、かつノッチ73(図6)を横切って延在して、ノッチ73を通って前進する作動そり66の第2のナイフブレード62によって切断される。
【0054】
図6に戻って簡単に参照すると、作動そり66は、ステープルプッシャ60(図3)と順番に係合するように構成されたカムくさび68、組織および外科手術バットレス材料100を切断するように、中央の長手方向スロット57を通って受容されるように構成された第1のナイフブレード61、ならびに固定ボタン70のノッチ73(図7)を通って受容されるように構成された第2のナイフブレード62を含む。外科手術ステープラ1の動作中、作動そり66は、ステープルカートリッジ54を通って並進し、カムくさび68を前進させて、ステープルプッシャ60と順次接触させ、ステープルプッシャ60をステープルポケット55内で垂直方向に移動させ、かつアンビルアセンブリ40のアンビルプレート(図示せず)の組織に面する表面に向かって、ステープルポケット55から外へステープル58を排出する。さらに、第2のナイフブレード62は、以下で考察されるように、固定ボタン70に対して位置決めされた結合糸17を切断するように構成される。
【0055】
図11を参照すると、初めに、ステープルカートリッジ54は、カートリッジキャリア52(図3)内に装填される。外科手術バットレス材料100は、カートリッジキャリア52内にステープルカートリッジ54を装填する前後のいつでも、ステープルカートリッジ54に着脱可能に固定することができる。外科手術バットレス材料100は、生体吸収性または非吸収性、天然または合成である生体適合性材料から製造される。天然、合成、生体吸収性、および/または非生体吸収性材料の任意の組み合わせを使用して、外科手術バットレス材料100を形成することができることを理解されたい。外科手術バットレス材料100は、生分解性(例えば、生体吸収性材料および生体再吸収性材料から形成される)であってもよく、その結果、外科手術バットレス材料100は、体内の生理学的条件下で、分解または破壊され(物理的または化学的に)、その分解生成物は、身体によって、排泄可能または吸収可能である。外科手術バットレス材料100の成分または部分は、同じ材料または異なる材料から形成されてもよい。外科手術バットレス材料100全体は、単一の材料シートから形成(例えば、切断)されてもよく、または複数の材料シートから形成されてもよく、それらは、同じまたは異なる材料から製造され、例えば、溶接、接着剤の使用、結合糸の結束等によって互いに取り付けられる。
【0056】
いくつかの実施形態では、外科手術バットレス材料100の少なくとも一部分は、以下の群、すなわち、天然膠原質形成材料、腸線、および合成樹脂から選択された生分解性材料から作製され、それらには、アルキレンカーボネート、トリメチレン炭酸塩、シクロブタン炭酸塩、カプロラクトン、バレロラクトン、ジオキサノン、ポリ無水物、ポリエステル類、ポリアクリラート、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド、多水酸基の酪酸塩、ポリオルトエステル、多水酸基のアルカノアート、そのホモポリマー、およびそのコポリマーから誘導される生分解性材料が挙げられる。いくつかの実施形態では、外科手術バットレス材料100の少なくとも一部分は、以下の群から選択された非生分解性材料から作製され、それらは、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリプロピレンのコポリマー、ポリエチレンおよびポリプロピレンの配合物、超高分子量ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル類、テレフタル酸ポリエチレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリエーテル-エステル、ポリブタエステル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,4-ブタンジオール、およびポリウレタンである。
【0057】
外科手術バットレス材料100は、多孔質、非多孔質、またはその組み合わせであってもよい。好適な多孔質構造として、例えば、繊維質構造(例えば、編み構造、織り構造、および不織構造)および/または発泡体(例えば、連続気泡発泡体または独立気泡発泡体)が挙げられる。好適な非多孔質構造は、例えばフィルムを含む。外科手術バットレス材料100、またはその部分は、メルトブロー法またはメルトスパン法により形成された不織布構造、メッシュ材料、編組材料、および/または成型もしくは押し出しシートであってもよい。外科手術バットレス材料100、またはその部分は、単一の多孔質層もしくは非多孔質層であってもよく、または多孔質層および/もしくは非多孔質層の任意の組み合わせを含む複数の層を含んでもよい。
【0058】
使用中、装填された外科手術ステープラ1は、例えば、トロカールまたは他のアクセスデバイスを介して、外科手術部位に導入される。組織は、ハンドルアセンブリ10の閉鎖ボタン16を押すことによって、アンビルアセンブリ40とステープルカートリッジアセンブリ50との間で把持され得る。アンビル40およびステープルカートリッジアセンブリ50が組織上にクランプされると、臨床医は、作動ボタン12を押して、ステープル留めプロセスを開始し、それによって、作動そり66を前進させることができる。作動そり66が遠位に前進し、ステープル58のバックスパンに対して上向きにステープルプッシャ60を付勢すると、ステープル58は、ステープルポケット55から外に排出され、そして外科手術バットレス材料100ならびに捕捉された組織を貫通し、それによって、外科手術バットレス材料100を組織にステープル留めを行う。ステープル58の組織貫通先端は、アンビルアセンブリ40内のステープルの先端を曲げるポケット内で曲げられ、それによって、組織に対して、組織に面する表面56上に取り付けられた外科手術バットレス材料100を固定する。
【0059】
外科手術ステープラ1が作動すると、外科手術ステープラ1に関連付けられ、かつ作動そり66によって担持された第1のナイフブレード61は、外科手術バットレス材料100のノッチ104に入り、そしてここで先端が曲げられたステープルの列の間にある組織、ならびに組織上の外科手術バットレス材料100を切断する。その結果得られた組織は、分割され、ステープル58でステープル留めされる。
【0060】
図12図14を参照すると、作動そり66がさらに前進すると、第1のナイフブレード61は、外科手術バットレス材料100をステープルカートリッジ54の近位部分55aに固定している結合糸17を通って切断する。作動そり66がステープルカートリッジ54の遠位部分55bに到着すると、作動そり66の第2のナイフブレード62は、固定ボタン70のノッチ73を通って延在し、その中に延在する結合糸17の一部分を切断し、その結果、外科手術バットレス材料100をステープルカートリッジ54の遠位部分55bに固定する結合糸17が切断される。このようにして、外科手術バットレス材料100は、ステープルカートリッジ54から着脱可能であり、第1の部分132、および第2の部分134に分割される。このときに、臨床医は、エンドエフェクタ30から、組織にステープル留めされた外科手術バットレス材料100を取り外すために、エンドエフェクタ30および/または作動そり66を近位方向に移動させることができる。このようにして、外科手術バットレス材料100は、組織にステープル留めされ、それによって、ステープルにより作成されたステープルラインを封止および補強することができる。
【0061】
次いで、使用済みのステープルカートリッジ54は、取り外され、新しいステープルカートリッジ54および新しい外科手術バットレス材料100が、ステープルキャリア52上に装填され得る。取り外し可能および交換可能なステープルカートリッジの再装填は、米国特許第9,016,539号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
図15~17を参照すると、外科手術ステープラ(図1)と共に使用するためのステープルカートリッジの別の実施形態が、ステープルカートリッジ154として示される。ステープルカートリッジ54(図3)の部品と実質的に同様であるステープルカートリッジ154の部品は、本明細書に記載されておらず、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを回避している。ステープルカートリッジ154は、例えば、スナップ嵌めまたは締まり嵌めにより、カートリッジキャリア52(図1)に着脱可能に固定されてもよい。ステープルカートリッジ154は、外科手術バットレス材料200をそれに着脱可能に固定するように構成される。特に、ステープルカートリッジ154の近位部分154aは、間に外科手術バットレス材料200を受容するように構成された対向する側方ガイド159と、以下で考察されるように、外科手術バットレス材料200の近位部分202を固定するように構成されたフック部分190と、を含む。さらに、ステープルカートリッジ154の遠位部分154bは、内部で結合糸17のそれぞれの端部分を固定するための対向する側方溝169と、これ以降に説明されるように、内部でスライダカム170を受容するように構成されたスロット163と、を画定し、その結果、ステープルカートリッジ154から外科手術バットレス材料200を取り外す。
【0063】
外科手術バットレス材料200は、ステープルカートリッジ154の側方ガイド159に係合するように構成された階段状部分206を含む近位部分202を含み、ステープルカートリッジ154のフック部分190に係合し、かつ受容するように構成された空洞209を画定する。フック部分190は、外科手術バットレス材料200の、ステープルカートリッジ154との固定を強化するように構成されたテーパ形部分192を含むことができる。外科手術バットレス材料200の遠位部分204は、結合糸17との係合を容易にするように構成された対向する側方ノッチ205を画定する。ステープルカートリッジ154の遠位部分154bは、結合糸17のそれぞれの端部分を固定するように構成された側方溝169を画定する。加えて、ステープルカートリッジ154の遠位部分154bは、内部にスライド可能に受容されるスライダカム170を受容するように寸法設計されたスロット163をさらに画定する。
【0064】
図19および図20を参照すると、スライダカム170は、スロット163内で横方向にスライド可能である。特に図18を参照すると、スライダカム170は、対応する側方溝169から結合糸17を切り離すために、対応する側方溝169に固定された結合糸17の一部分に係合するように構成された係合表面172を有する本体171を含む。スライダカム170は、本体171から内側に向かって延在する内側部分177、および本体171から遠位に向かって延在する指174をさらに含む。内側部分177は、作動そり166の一部分に係合するように構成された弓形表面またはテーパ形表面178を有する。指174は、本体171から離間され、その結果、指174は、本体171に向かって、かつその本体から離れるように構成される。一実施形態では、指174は、本体171から離れるように付勢され、その結果、スライダカム170は、側方の外側に向かって移動し、指174のフック部分174aが、スライダカム170の側方変位を制限するための、ステープルカートリッジ154の支持部材151(図20)の外側停止部157aに係合する。このようにして、スライダカム170は、所定の量だけ、側方の外側に向かって移動可能である。例えば、スライダカム170は、ステープルカートリッジ154の対応する側方溝169から外に結合糸17を変位させるための所定の量だけ、側方の外側に向かって変位することができる。
【0065】
ここで、図20図22を参照すると、スライダカム170は、ステープルカートリッジ154のそれぞれの側方溝169(図16)内に固定された結合糸17の端部分の内側に向かって配設される。初めに、スライダカム170の内側部分177(図18)は、中央の長手方向スロット157(図20)と実質的に一致するように配設される。指174は、本体171および内側部分177によって画定された平面から上向きに延在し、その結果、指174は、内側停止部157bに係合して、中央の長手方向スロット157に向かう変位を制限する。そのような構成下で、スライダカム170は、内側部分177が中央の長手方向スロット157と実質的に一致する(図20)第1の位置と、本体171の係合表面172(図18)がステープルカートリッジ154(図22)の側方表面と実質的に同一平面上にある第2の位置との間でスライド可能である。
【0066】
ここで、図20図24を参照すると、初めに、スライダカム170は、外科手術バットレス材料200の遠位部分204(図17)をステープルカートリッジ154に固定する結合糸17の端部分の内側に向かって配設され、それによって、結合糸17の端部分は、ステープルカートリッジ154のそれぞれの側方溝169(図16)内に固定して配設される。作動そり166が遠位に前進すると、作動そり166の細長い係合部分179は、スライダカム170の内側部分177(図16)の弓形またはテーパ形表面178に係合し、それらの表面は、指174のフック部分174aが外側停止部157aに係合するまで、スライダカム170を矢印「O」の方向の側方の外側に向かって、順番に移動させる。スライダカム170の側方に外側に向かう変位が、対応する側方溝169から外へ結合糸17の対応する端部分を付勢する。このようにして、結合糸17の一端は、ステープルカートリッジ154から解放され、それによって、ステープルカートリッジ154からの外科手術バットレス材料200の取り外しを可能にする。ステープルカートリッジ154の方法および使用は、上述したステープルカートリッジ54の方法および使用と実質的に同様であり、したがって、本明細書では説明されない。
【0067】
ここで、図25図31を参照すると、外科手術ステープラ(図1)と共に使用するためのステープルカートリッジのさらなる別の実施形態が、ステープルカートリッジ254として示される。ステープルカートリッジ54(図3)、154(図15)の部品と実質的に同様であるステープルカートリッジ254の部品は、本開示を不必要な詳細で不明瞭にすることを避けるために、本明細書では説明されない。ステープルカートリッジ254は、例えば、スナップ嵌めまたは締まり嵌めにより、カートリッジキャリア52(図1)に着脱可能に固定されてもよい。ステープルカートリッジ254は、内部に複数のファスナまたはステープル58(図3)、およびステープルプッシャ60(図3)を受容するためのステープル保持スロット255(図31)を画定する。中央の長手方向スロット257(図3)が、ステープルカートリッジ254の実質的な長さに沿って画定され、それを通って作動そり66の第1のナイフブレード61(図6)の通過を容易にする。特に、ステープルカートリッジ254の近位部分255aおよび遠位部分255bは、外科手術バットレス材料300をステープルカートリッジ254に着脱可能に固定するように構成される。ステープルカートリッジ254の近位部分255aは、組織に面する表面256から延在する一対の側方ガイド259を含む。外科手術バットレス材料300は、側方ガイド259の間に受容される。さらに、ステープルカートリッジ254の近位部分255aは、外科手術バットレス材料300の近位部分300a内に画定された空洞304に係合するように構成されたテーパ形表面292を含むフック部分290を含む。
【0068】
ステープルカートリッジ254の遠位部分255bは、外科手術バットレス材料300をステープルカートリッジ254に固定するための、結合糸17のそれぞれの端部分を受容するように構成された対向する側方溝269を画定する。加えて、遠位部分255bは、それぞれの持ち上げ部材263(図27)を受容するように構成された一対の対向するスロット271をさらに画定する。そのような構成下で、外科手術バットレス材料300の一部分が、対向するスロット271の間に介在される。持ち上げ部材263は、それぞれの最遠位のプッシャ260上に配設され得る。一実施形態では、持ち上げ部材263、および最遠位のプッシャ260は、単一の構造として形成されてもよい。
【0069】
外科手術バットレス材料300の一部分が、スロット271の間に介在され、その結果、結合糸17のそれぞれの端部分が側方溝269に固定されると、結合糸17は、対向するスロット271の上を延在する。そのような構成下で、結合糸17は、外科手術バットレス材料300を、ステープルカートリッジ254の遠位部分255bに固定する。
【0070】
図30および図31に関して、持ち上げ部材263がそれぞれのスロット271から外に延在するとき、持ち上げ部材263は、外科手術バットレス材料300から離れるように、例えば、アンビルアセンブリ40に向かって結合糸17を付勢し、その結果、外科手術バットレス材料300は、ステープルカートリッジ254から解放され得る。一実施形態では、結合糸17は、フレキシブルであってもよい。
【0071】
外科手術ステープラ1の動作中、作動そり66は、ステープルカートリッジ254を通って並進して、作動そり66のカムくさび68を前進させて、ステープルプッシャ260と順次接触させる。これにより、ステープルプッシャ60をステープルポケット255内で垂直に移動させ、そしてステープルポケット255からアンビルアセンブリ40に向けてステープル58を付勢する。さらに、持ち上げ部材263は、それぞれのスロット271(図26)から外に延在し、ステープルカートリッジ254から外科手術バットレス材料300を解放する。ステープルカートリッジ254の方法および使用は、上述したステープルカートリッジ54、154の方法および使用と実質的に同様であり、したがって、本明細書では説明されない。
【0072】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容するのと同程度に広範であるべきであり、かつ本明細書は同様に読み取られるべきであると意図されているので、本開示はこれらの実施形態に限定されることを意図しない。したがって、本開示は、説明される厳密な実施形態に限定されることがなく、様々の他の変更および修正を、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者により行うことができることを理解されたい。また、特定の実施形態に関連して示され説明される構成要素および特徴は、特定の他の実施形態の構成要素および特徴と、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせることができ、かかる修正および変形もまた、本開示の範囲内に含まれる。したがって、上記の説明は、限定するものではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。したがって、実施形態の範囲は、与えられた例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によって決定されるべきである。
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