(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20241223BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2021008946
(22)【出願日】2021-01-22
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】520326828
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテクネクサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芳野 悟
(72)【発明者】
【氏名】工藤 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 清一
(72)【発明者】
【氏名】安部 貴博
(72)【発明者】
【氏名】森木 勇策
(72)【発明者】
【氏名】毛塚 充昭
(72)【発明者】
【氏名】古田 美子
(72)【発明者】
【氏名】石毛 将磨
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-173759(JP,A)
【文献】特開2008-077313(JP,A)
【文献】特開2006-350750(JP,A)
【文献】特開2004-199182(JP,A)
【文献】特開2013-008168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親部品の構成要素となる子部品を特定できる文字列を含む子部品情報と、前記子部品が含有する化学物質を特定できる文字列及び前記化学物質の含有量を含む化学物質情報とを格納する記憶部と、
外部装置と通信する通信部と、
所定条件を満たす場合に、前記通信部を介して前記外部装置に、前記子部品が含有する化学物質に関する情報の提供の要求を送信し、前記通信部を介して前記外部装置から前記要求に対する前記子部品が含有する化学物質に関する情報を受信したとき、受信した当該情報に基づいて、前記記憶部に格納される前記化学物質情報を変更する制御部と、
を備え
、
前記記憶部は、前記子部品が含有する化学物質の規制に関する規制情報を格納し、
前記所定条件は、前記記憶部に格納される前記規制情報の変更を検出することである、情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記親部品を特定できる文字列を含む親部品情報と、前記親部品と前記親部品の構成要素である前記子部品との対応関係を示す対応部品情報とを格納し、
前記制御部は、1つの子部品の前記子部品情報と、前記対応部品情報とに基づいて、前記子部品を構成要素とする親部品の前記親部品情報、及び、当該親部品の構成要素であるすべての子部品の前記子部品情報を抽出する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信部を介して外部装置から、前記親部品情報と前記対応部品情報とを受信し、前記親部品情報と、前記対応部品情報とを、前記記憶部に格納する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記親部品と、当該親部品の構成要素となる前記子部品ごとに含有される前記化学物質の前記化学物質情報を対応付けて前記記憶部に格納する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが、
親部品の構成要素となる子部品を特定できる文字列を含む子部品情報と、前記子部品が
含有する化学物質を特定できる文字列及び前記化学物質の含有量を含む化学物質情報と
、前記子部品が含有する化学物質の規制に関する規制情報とを格納し、
前記規制情報の変更を検出した場合に、外部装置に、前記子部品が含有する化学物質に関する情報の提供の要求を送信し、前記外部装置から前記要求に対する前記子部品が含有する化学物質に関する情報を受信したとき、受信した当該情報に基づいて、格納される前記化学物質情報を変更する、
ことを実行する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータが、
親部品の構成要素となる子部品を特定できる文字列を含む子部品情報と、前記子部品が含有する化学物質を特定できる文字列及び前記化学物質の含有量を含む化学物質情報と
、前記子部品が含有する化学物質の規制に関する規制情報とを格納し、
前記規制情報の変更を検出した場合に、外部装置に、前記子部品が含有する化学物質に関する情報の提供の要求を送信し、前記外部装置から前記要求に対する前記子部品が含有する化学物質に関する情報を受信したとき、受信した当該情報に基づいて、格納される前記化学物質情報を変更する、
ことを実行するための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
RoHS指令、REACH規制等の規制化学物質は、年々追加されている。このため、人的リソースが不足している電子部品、機構部品を製造する中小企業において、化学物質管理と規制化学物質に関するドキュメント作成とが大きな負担になっている。従来はJGPSSI(Japan Green Procurement Survey Standardization Initiative)が運営して
いたJGPシステムや、JAMP(Joint Article Management. Promotion-consortium)が運営していたAISシステムなどによって規制化学物質管理がなされていた。近年、経済産業省主導で「chem SHERPA」という規制化学物質管理システムが開発された。当該システムは現在JAMPによって運営されている。多くの企業では現在当該システムで作成されたshaiファイルと呼ばれる調査シート(化学物質安全性データシート)を用いた規制化学物質管理がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来より、規制化学物質の管理をサポートするシステムはある。従来のシステムでは、構成要素である個別の部品ごとの情報を取得、参照し、当該個別の部品ごとの取扱い基準情報を比較して共通情報を生成し、当該共通情報により対象製品の取扱い基準情報を設定する処理を行っていた(例えば、特許文献1)。
【0005】
例えば、規制化学物質管理の1つとして一般に、規制化学物質を含有していないことを保証する不含有保証書の作成、管理が行われているが、特許文献1記載のシステムにおいては、当該保証書を自動作成、出力管理することまで、開示・示唆しておらず、効率面、使い勝手の面に改良の余地がある。規制化学物質は、規制化学物質の不含有保証書の作成に加え、製品を構成する部品ごとの含有規制化学物質エビデンスデータを管理し、製品の含有規制化学物質エビデンスデータを作成することが求められることがある。そのため、規制化学物質の管理工数が増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、ユーザの使い勝手や効率面を考慮し、容易に製品に含まれる部品の規制化学物質を管理する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
親部品の構成要素となる子部品を特定できる文字列を含む子部品情報と、前記子部品が含有する化学物質を特定できる文字列及び前記化学物質の含有量を含む化学物質情報とを格納する記憶部と、
外部装置と通信する通信部と、
所定条件を満たす場合に、前記通信部を介して前記外部装置に、前記子部品が含有する化学物質に関する情報の提供の要求を送信し、前記通信部を介して前記外部装置から前記要求に対する前記子部品が含有する化学物質に関する情報を受信したとき、受信した当該
情報に基づいて、前記記憶部に格納される前記化学物質情報を変更する制御部と、
を備える情報処理装置とする。
【0008】
開示の態様は、プログラムが情報処理装置によって実行されることによって実現されてもよい。即ち、開示の構成は、上記した態様における各手段が実行する処理を、情報処理装置に対して実行させるためのプログラム、或いは当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として特定することができる。また、開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を情報処理装置が実行する方法をもって特定されてもよい。開示の構成は、上記した各手段が実行する処理を行う情報処理装置を含むシステムとして特定されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容易に製品に含まれる部品の規制化学物質を管理する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態の含有物質管理装置の機能構成例を示す図である
【
図2】
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、含有物質管理装置100における含有物質管理の動作フローの例を示す図である。
【
図4】
図4は、含有物質管理装置100における含有物質管理支援の動作フローの例を示す図である。
【
図6】
図6は、依頼情報DB111に格納される提出要求の例を示す図である。
【
図7】
図7は、BOM情報DB112に格納されるBOM情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0012】
〔実施形態〕
本実施形態の含有物質管理装置は、製品の構成要素となる部品の情報、当該部品の構成要素となる子部品の情報、当該部品に含有される化学物質(規制化学物質等)の情報等を管理する。含有物質管理装置は、要求に応じて、管理する部品に含有される化学物質の情報(環境資料等)を、提供する。含有物質管理装置は、適宜、部品に含有される化学物質の情報を、外部装置等に要求する。
【0013】
(構成例)
図1は、本実施形態の含有物質管理装置の機能構成例を示す図である。含有物質管理装置100は、制御部102、通信部104、入出力部106、格納部110を備える。格納部110は、依頼情報DB(Database)111、BOM(Bills Of Material)情報D
B112、データ請求情報DB113、回答情報DB114、提出情報DB115、進捗情報DB116、外部リスト情報DB117を有する。含有物質管理装置100は、通信部104及びインターネット等の通信ネットワークを介して、通信可能に接続される。
【0014】
制御部102は、含有物質管理装置100における動作を制御する。制御部102は、含有物質管理、進捗管理、含有物質管理支援、閲覧等の機能等の処理を実行する。
【0015】
通信部104は、他の装置と通信可能に接続し、含有物質管理装置100と他の装置との間の通信を制御する。
【0016】
入出力部106は、入力装置、出力装置を含む。入力装置は、利用者等によるデータ等の入力を受け付ける。出力装置は、利用者等に対して、データ等の出力を行う。
【0017】
格納部110は、含有物質管理装置100で実行される各種プログラム、含有物質管理装置100で使用されるされる各種データ、各種テーブルを記憶する。格納部110は、依頼情報DB111、BOM情報DB112、データ請求情報DB113、回答情報DB114、提出情報DB115、進捗情報DB116、外部リスト情報DB117を含む。格納部110は、記憶部の一例である。
【0018】
依頼情報DB111は、外部装置などから受信した部品の環境情報提出要求等の依頼の情報を格納するデータベースである。依頼情報DB111には、例えば、提出要求毎に、依頼を受けた部品の部品名、部品コード(識別情報)、要求する環境情報の種類、依頼元を特定できる文字列、回答期限等が格納される。BOM情報DB112は、部品(親部品)と当該親部品の構成要素である部品(子部品)との関係を示すBOM情報を格納するデータベースである。BOM情報DB112には、例えば、親部品の部品コード(識別子)、親部品と子部品との対応関係を識別する識別子、当該親部品の構成要素である子部品の部品コード(識別子)、親部品で使用される子部品の数等が対応付けられるBOM情報が格納される。BOM情報は、親部品と子部品との対応関係を示す情報である。BOM情報は、対応部品情報の一例である。BOM情報DB112は、親部品に関する親部品情報、子部品に関する子部品情報を含んでもよい。親部品情報は、親部品を特定できる文字列を含む。親部品を特定できる文字列は、例えば、親部品を識別する識別子、名称である。子部品情報は、子部品を特定できる文字列を含む。子部品を特定できる文字列は、例えば、子部品を識別する識別子、名称である。BOM情報DB112は、部品(親部品、子部品)毎に、各部品が含有する材料の名称、化学物質の名称及び含有量を含む環境情報を格納してもよい。材料の名称は、材料を特定できる文字列であってもよい。化学物質の名称は、化学物質の化学式や、化学物質を識別する識別子などの化学物質を特定できる文字列であってもよい。環境情報は、部品が含有する化学物質に関する情報、化学物質情報の一例である。また、BOM情報DB112は、各部品(親部品、子部品)についての環境情報を、各部品の部品情報に対応付けて格納してもよい。データ請求情報DB113は、子部品の仕入先(製造元等)に子部品に関するデータ(情報)の請求の情報を格納するデータベースである。データ請求情報DB113には、例えば、請求する子部品の部品コード、データの請求先、請求日時、回答期限等が格納されている。回答情報DB114は、子部品の仕入先からの回答情報(データ)を格納するデータベースである。回答情報DB114には、例えば、データを要求した子部品の部品コード、仕入先から受信した環境情報、回答日時、仕入先を識別できる文字列等が格納されている。提出情報DB115は、提出要求に対する回答となる環境情報等のデータ(情報)を格納するデータベースである。提出情報DB115には、例えば、提出要求毎に、依頼を受けた部品の部品名、部品コード(識別情報)、取得した環境情報、作成した環境情報、依頼元を特定できる文字列等が格納される。進捗情報DB116は、提出要求毎に、環境情報要求の進捗状況を示す進捗情報を格納するデータベースである。進捗情報DB116には、例えば、提出要求毎に、各処理(提出要求(依頼)の登録、BOM情報の作成、仕入先への環境情報の請求、仕入先からの環境情報の受領、書類(環境情報)の作成、依頼元への回答提出等)を行った日時等の情報、環境情報等が格納される。外部リスト情報DB117は、化学物質等に対する規制等の情報(外部リスト)、4M変更管理情報等の情報(4M情報)を格納するデータベースである。4Mとは、人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)を指し、品質管理に必要な主要項目である。外部リストの情報は、規制情報の一例である。
【0019】
図6は、依頼情報DB111に格納される提出要求の例を示す図である。
図6の依頼情報DB111の提出要求では、提出要求毎に、依頼元名、依頼元における品名、環境情報を要求する親部品を識別する部品コード、要求する環境情報(請求書類)の種類ごとの要否とが対応付けられて格納されている。依頼情報DB111には、他の情報が格納されていてもよい。
【0020】
図7は、BOM情報DB112に格納されるBOM情報の例を示す図である。
図7のBOM情報では、親部品を識別する親部品ID、1つの親部品と1以上の子部品との関係を識別するBOMID、親部品の品名、子部品を識別する子部品ID、親部品で使用される子部品の数の情報、子部品の品名が対応付けられている。子部品の子部品IDは、当該子部品が他の親部品の構成要素となる場合であっても、同じ子部品IDが使用される。
【0021】
含有物質管理装置100は、例えば、PC(Personal Computer)、携帯端末、ワーク
ステーション(WS、Work Station)のような専用または汎用のコンピュータを介して表示されるWEB画面などの画面がインタフェースとなり記憶部からの各種情報をユーザが参照できるようにされる。また、含有物質管理装置100は、記憶部をクラウド環境に置いてユーザ間との各種情報を通信する場合もある。また、含有物質管理装置100は、専用または汎用のコンピュータ、、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現してもよい。
【0022】
図2は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示す情報処理装置は、一般的なコンピュータの構成を有している。含有物質管理装置100は、
図2に示すような情報処理装置90によって実現される。
図2の情報処理装置90は、プロセッサ91、メモリ92、記憶部93、入力部94、出力部95、通信制御部96を有する。これらは、互いにバスによって接続される。メモリ92及び記憶部93は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。コンピュータのハードウェア構成は、
図2に示される例に限らず、適宜構成要素の省略、置換、追加が行われてもよい。
【0023】
情報処理装置90は、プロセッサ91が記録媒体に記憶されたプログラムをメモリ92の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0024】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。
【0025】
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ92は、主記憶装置とも呼ばれる。
【0026】
記憶部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク
ドライブ(HDD、Hard Disk Drive)である。また、記憶部93は、リムーバブルメデ
ィア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)のようなディスク記録媒体である。記憶部93は、二次記憶装置とも呼ばれる。
【0027】
記憶部93は、各種のプログラム、各種のデータ及び各種のテーブルを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部93には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。記憶部93に格納される情報は、メモリ92に格納されてもよい。また、メモリ92に格納される情報は、記憶部93に
格納されてもよい。
【0028】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信制御部96を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。外部装置等には、例えば、他のコンピュータ、外部記憶装置等が含まれる。
【0029】
入力部94は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、タッチパネル等を含む。また、入力部94は、カメラのような映像や画像の入力装置や、マイクロフォンのような音声の入力装置を含むことができる。
【0030】
出力部95は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)パ
ネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置、プリンタ等の出力装置を含む。また、出力部95は、スピーカのような音声の出力装置を含むことができる。
【0031】
通信制御部96は、他の装置と接続し、情報処理装置90と他の装置との間の通信を制御する。通信制御部96は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボード、無線通信のための無線通信回路、有線通信のための通信回路である。LANインタフェースボードや無線通信回路は、インターネット等のネットワークに接続される。
【0032】
含有物質管理装置100を実現する情報処理装置90は、プロセッサ91が記憶部93に記憶されているプログラムをメモリ92にロードして実行することによって、制御部102の含有物質管理等の機能を実現する。一方、格納部110に格納される各DBは、メモリ92または記憶部93の記憶領域に設けられる。通信部104は、通信制御部96によって実現される。
【0033】
(動作例)
〈含有物質管理〉
図3は、含有物質管理装置100における含有物質管理の動作フローの例を示す図である。ここでは、含有物質管理装置100が、製品を製造するメーカなどからの要求に応じて、当該製品に含まれるある部品についての環境情報の提出要求を受け付け、要求された当該部品に関する環境情報を取得し、メーカなどに対して回答する構成について説明する。含有物質管理装置100は、例えば、クラウド上に設置され、当該部品を製造するメーカや当該部品を販売する商社の従業員等に使用されるものとする。また、含有物質管理装置100は、当該部品を製造するメーカや、当該部品を販売する商社等に設置され、当該メーカや商社等の従業員等によって使用されてもよい。
【0034】
環境情報は、例えば、不含有証明書、SDS(Safety Data Sheet:安全データシート
)、shaiファイル、ミルシート、原産地証明書などである。不含有証明書は、所定の化学物質等が含まれていないことを証明する文書である。SDSは、化学物質および化学物質を含む混合物を、譲渡等する際に、当該化学物質の物理化学的性質や危険性・有害性及び取扱いに関する情報を、化学物質等を譲渡等する相手方に提供するための文書である。SDSには、含まれる化学物質の名称、物理化学的性質、危険性、有害性、曝露した際の応急措置、取扱方法、保管方法、廃棄方法などの情報が含まれる。Shaiファイルは、製品に含有される化学物質情報をサプライチェーン全体で適正に運用するためのデータ作成支援ツールChemSHERPAで作成され、使用されるファイルである。Shaiファイルには、部品の材料等として含有される化学物質に関する情報(成分情報(化学物質名、含有量など)、遵法判断情報等)が格納されている。ChemSHERPAは、子部品ごとのShaiファイルに基づいて
、子部品を構成要素とする親部品のShaiファイルを生成することができる。環境情報は、これらに限定されるものではない。ChemSHERPAは、例えば、含有物質管理装置100もしくは含有物質管理装置100と通信可能な外部装置において、実行される。ChemSHERPAは、規制化学物質に関する変更等があった場合に、バージョンが更新される。ChemSHERPAのバージョン情報は、例えば、外部リスト情報DB117に格納される。ミルシートは、鋼材の材質を証明する文書である。原産地証明書は、金、鉄マンガン重石、コンゴ隣接国における紛争の資金源になる鉱物等の紛争鉱物の原産地を証明する文書である。
【0035】
S101では、含有物質管理装置100の制御部102は、通信部104を介して、外部装置から送信される、対象となる部品についての環境情報の提出要求を受け付ける。ここでの外部装置は、例えば、部品を構成要素とする製品を製造するメーカが管理するコンピュータなどの装置である。また、制御部102は、入出力部106等により、含有物質管理装置100の利用者による対象となる部品についての環境情報の提出要求の入力を受け付けてもよい。当該提出要求には、対象となる部品を識別する部品コード(識別情報)、要求する環境情報の種類(不含有証明書、SDS、shaiファイル)等が含まれる。対象となる部品を識別する部品コードは、当該部品を特定できる文字列であってもよい。制御部102は、提出要求から、対象となる部品を識別する部品コード、要求する環境情報の種類を抽出し、提出要求毎に、格納部110の依頼情報DB111に格納する。利用者が入力する場合、例えば、あらかじめ、当該利用者は、部品を構成要素とする製品を製造するメーカなどから、電子メール等の手段により、対象となる部品についての環境情報の提出要求を受けている。含有物質管理装置100の制御部102は、提出要求とともに、もしくは、提出要求とは別に、通信部104を介して、対象の部品(親部品)と当該親部品の構成要素となる子部品との関係を示すBOM情報を受信してもよい。制御部102は、受信したBOM情報を、BOM情報DB112に格納する。また、制御部102は、提出要求を受け付けた日時等を、提出要求を識別する識別情報とともに、進捗情報DB116に格納する。
【0036】
S102では、制御部102は、格納部110のBOM情報DB112のBOM情報を検索し、S101で受け付けた提出要求に含まれる部品を親部品とする、子部品を抽出する。制御部102は、例えば、親部品の部品コード(親部品コード)を検索キーとして、子部品を抽出する。BOM情報DB112には、例えば、親部品の情報(親部品の名称、親部品コード、型式、識別子等)と、当該親部品の構成要素となる子部品の名称、子部品コード、型式、識別子、使用される数量、子部品の仕入先(製造元等)等の子部品の情報とが対応付けられるBOM情報が格納されている。BOM情報DB112には、親部品の情報を親部品情報、子部品の情報を子部品情報として格納されていてもよい。仕入先の情報は、例えば、仕入先の識別情報、仕入先の電子メールアドレス等の連絡先(通知先)の情報である。仕入先の連絡先の情報は、仕入先の識別情報に対応付けられて、他のDBに格納されていてもよい。仕入先の連絡先の情報は、仕入先に対して通知を行う際に使用される。制御部102は、BOM情報DB112に、親部品に対するBOM情報がない場合、入出力部106等に対する、親部品の情報(識別子等)、子部品の情報(識別子等)の入力を受け付けること等により、当該親部品のBOM情報を生成してもよい。また、制御部102は、BOM情報DB112に、親部品に対するBOM情報がない場合、外部装置などから取得したBOM情報を、BOM情報DB112にアップロードすることによりBOM情報を生成してもよい。制御部102は、BOM情報とともに、BOM情報に含まれる部品の情報(親部品情報、子部品情報)等も生成してもよい。制御部102は、BOM情報を生成した日時等を、提出要求を識別する識別情報とともに、進捗情報DB116に格納する。
【0037】
S103では、制御部102は、通信部104を介して、S102で抽出した各子部品の各仕入先に対して、S101の提出要求で要求された各部品の環境情報を請求する通知
を行う。当該通知は、例えば、各仕入先に電子メールを送信することにより行われる。当該通知には、例えば、子部品の部品コード、当該子部品に対して請求する環境情報の種類、回答期限などが含まれる。ここで、制御部102は、各子部品に対する環境情報が、既に回答情報DB114に格納されている場合、格納されている子部品の環境情報については、請求を通知しなくてもよい。ただし、制御部102は、子部品に対する環境情報が回答情報DB114に格納されている場合であっても、回答情報DB114に格納された以降に、外部リスト情報DB117に含まれる所定の情報および4M変更管理情報等の情報(4M情報)が更新されている場合、部品の環境情報を請求する通知を行う。所定の情報の更新とは、例えば、化学物質規制の変更や、chemSHERPAのバージョンの更新等を指す。制御部102は、環境情報を請求した日時等を、提出要求を識別する識別情報、各子部品の情報とともに、進捗情報DB116に格納する。
【0038】
当該通知を受領した仕入先は、請求された環境情報を用意して、含有物質管理装置100に回答する。当該回答は、含有物質管理装置100の利用者宛であってもよい。制御部102は、各子部品の各仕入先に、通知を行った旨を、データ請求情報DB113に格納する。制御部102は、環境情報を請求した日時等を、提出要求を識別する識別情報、子部品の情報とともに、進捗情報DB116に格納する。これにより、各子部品の環境情報の請求を自動で行うことができる。
【0039】
S104では、制御部102は、外部装置から、通信部104を介して、S103で請求した子部品についての環境情報を、回答として受け付ける。ここでの外部装置は、例えば、仕入先(子部品を製造するメーカ等)等が管理するコンピュータなどの装置である。また、制御部102は、入出力部106等により、仕入先等から環境情報を受領した利用者による対象となる環境情報の入力(アップロード)を、回答として受け付けてもよい。例えば、制御部102は、仕入先の担当者等から含有物質管理装置100の利用者に対して送信される電子メール等に含まれる子部品についての環境情報(不含有証明書、SDS、shaiファイルなどの電子ファイル)を取り込むこと等により、各子部品の環境情報を受け付ける。制御部102は、受け付けた各子部品の環境情報を、回答情報DB114に格納する。制御部102は、環境情報を受け付けた日時等を、提出要求を識別する識別情報、各子部品の情報とともに、進捗情報DB116に格納する。
【0040】
S105では、制御部102は、S101の提出要求に、shaiファイルについての要求が含まれている場合、親部品のshaiファイルの作成支援を行う。制御部102は、各仕入先から、親部品の構成要素となる各子部品のshaiファイルを受領していることを、格納部110の回答情報DB114や進捗情報DB116などにより確認すると、各子部品のshaiファイルを回答情報DB114から抽出する。制御部102は、chemSHERPAに、抽出した各子部品のshaiファイルを入力する。chemSHERPAは、入力された各子部品のshaiファイルに基づいて、親部品のshaiファイルを作成する。制御部102は、chemSHERPAから作成された親部品のshaiファイルを受信し、提出情報DB115に格納する。また、制御部102は、抽出した各子部品のshaiファイルを出力し、利用者が出力されたshaiファイルをchemSHERPAに入力することにより、親部品のshaiファイルを作成してもよい。このとき、制御部102は、入出力部106等により、利用者による親部品のshaiファイルの入力(アップロード)を受け付ける。制御部102は、親部品のshaiファイルを格納した日時等を、提出要求を識別する識別情報とともに、進捗情報DB116に格納する。
【0041】
S106では、制御部102は、S101の提出要求に、不含有保証書についての要求が含まれている場合、親部品の不含有保証書の作成を行う。制御部102は、各仕入先から、親部品の構成要素となる各子部品の不含有保証書を受領していることを、格納部110の回答情報DB114や進捗情報DB116などにより確認すると、各子部品の不含有保証書を回答情報DB114から抽出する。制御部102は、抽出した各子部品の不含有
保証書を統合して、親部品の不含有保証書の作成をする。制御部102は、作成された親部品の不含有証明書を提出情報DB115に格納する。制御部102は、親部品の不含有証明書を作成した日時等を、提出要求を識別する識別情報とともに、進捗情報DB116に格納する。
【0042】
S107では、制御部102は、S101の提出要求に基づいて、格納部110の提出情報DB115に格納される、要求された対象となる部品(親部品)についての環境情報を抽出する。制御部102は、通信部104を介して、抽出した環境情報を要求に対する回答として、提出要求を送信した外部装置に、送信する。また、制御部102は、抽出した環境情報を、要求に対する回答として、電子ファイルなどとして出力してもよい。利用者は、出力された回答(電子ファイル)を、電子メール等により、環境情報を要求した者(親部品を含む製品を製造するメーカの担当者など)に送信することができる。
【0043】
制御部102は、取得や作成した各部品の環境情報を、格納部110のBOM情報DB112の親部品情報、子部品情報に対応付けて格納してもよい。
【0044】
〈含有物質管理支援〉
図4は、含有物質管理装置100における含有物質管理支援の動作フローの例を示す図である。ここでは、含有物質管理装置100が、外部リスト(材質・法規制など)が更新された場合に、関連する部品を抽出し、抽出された部品に関する環境情報を取得する構成について説明する。ここでは、外部リストの更新について説明しているが、外部リストの更新だけでなく、4M情報等が更新された場合も同様とする。
【0045】
S201では、含有物質管理装置100の制御部102は、通信部104を介して、外部装置から、外部リストを受信する。外部リストは、化学物質の規制に関する情報、chemSHERPAのバージョン情報などである。外部リストは、外部リスト情報DB117に含まれる外部リストの情報が更新される毎に、外部装置から含有物質管理装置100に送信される。外部リスト情報DB117に含まれる外部リストの情報は、例えば、REACH、ROHS等の法令規則変更時に更新される。化学物質の規制に関する情報には、例えば、規制化学物質名、規制化学物質の許容含有量、規制化学物質の用途、規制対象エリアなどの情報が含まれる。含有物質管理装置100の制御部102は、格納部110の外部リスト情報DB117に、受信した外部リストを格納して、外部リスト情報DB117の外部リストの情報を更新する。また、制御部102は、入出力部106等を介して、更新された外部リストを取得した含有物質管理装置100の利用者に、当該外部リストを入力(アップロード)させてもよい。制御部102は、入力された外部リストを、格納部110の外部リスト情報DB117に格納して、外部リスト情報DB117の外部リストの情報を更新する。
【0046】
S202では、制御部102は、格納部110の外部リスト情報DB117に格納される外部リストが更新を検出すると、更新に関連する子部品を抽出する。更新に関連する子部品は、例えば、更新された外部リストに関連する化学物質、材料等を含む子部品である。更新に関連する子部品は、法規制対象部品である。制御部102は、更新された外部リストに関連する化学物質、材料等を抽出する。制御部102は、格納部110のBOM情報DB112の子部品情報から、抽出された化学物質、材料等を検索キーとして、当該化学物質、材料等を含む子部品の子部品情報を抽出する。また、制御部102は、あらかじめ更新された外部リストに基づいて当該化学物質、材料等を含む子部品を抽出した利用者に、入出力部106等により、当該化学物質、材料等を含む子部品(子部品の識別子等)を入力させてもよい。このとき、制御部102は、格納部110のBOM情報DB112の子部品情報から、入力された子部品の子部品情報を抽出する。外部リストの更新の検出、利用者による更新された外部リストに関連する化学物質、材料等を含む子部品の入力は
、所定条件の例である。
【0047】
さらに、制御部102は、抽出された子部品を検索キーとして、格納部110のBOM情報DB112のBOM情報から、抽出された子部品を構成要素とする親部品の親部品情報を抽出する。制御部102は、抽出された親部品を検索キーとして、格納部110のBOM情報DB112のBOM情報から、当該親部品の構成要素となるすべての子部品の子部品情報を抽出する。
【0048】
S203では、制御部102は、通信部104を介して、S202で抽出したすべての子部品の各仕入先に対して、各子部品の環境情報を請求する通知を行う。当該通知は、例えば、仕入先で管理される装置(外部装置)に送信される。当該通知は、例えば、各仕入先に電子メールを能動的に送信することにより行われる。当該通知は、子部品が含有する化学物質に関する情報の提供要求の送信の例である。当該電子メールには、例えば、子部品の部品コード、当該子部品に対して請求する環境情報の種類などが含まれる。環境情報の種類は、例えば、BOM情報DB112に格納される子部品の環境情報の種類と同じ環境情報の種類とする。制御部102は、各子部品の仕入先の電子メールアドレス等の連絡先(通知先)の情報を、格納部110のBOM情報DB112の子部品情報から抽出する。
【0049】
当該通知を受領した仕入先は、請求された環境情報を用意して、含有物質管理装置100に回答する。当該回答は、含有物質管理装置100の利用者宛であってもよい。制御部102は、各子部品の各仕入先に、通知を行った旨を、データ請求情報DB113に格納する。制御部102は、環境情報を請求した日時等を、提出要求を識別する識別情報、子部品の情報とともに、進捗情報DB116に格納する。これにより、外部リストが更新された際に、関連する子部品の環境情報の請求を自動で行うことができる。
【0050】
S204では、制御部102は、外部装置から、通信部104を介して、S203で請求した子部品についての環境情報を、回答として受け付ける。ここでの外部装置は、例えば、仕入先(子部品を製造するメーカ等)等が管理するコンピュータなどの装置である。また、制御部102は、入出力部106等により、仕入先等から環境情報を受領した利用者による対象となる環境情報の入力(アップロード)を、回答として受け付けてもよい。例えば、制御部102は、仕入先の担当者等から含有物質管理装置100の利用者に対して送信される電子メール等に含まれる子部品についての環境情報(不含有証明書、SDS、shaiファイルなどの電子ファイル)を取り込むこと等により、各子部品の環境情報を受け付ける。制御部102は、過去に取得した各子部品の環境情報を、受け付けた各子部品の環境情報に変更してBOM情報DB112に格納する。これにより、外部リストが更新された際に、関連する子部品の環境情報を取得することができる。
【0051】
〈進捗管理〉
ここでは、
図3の含有物質管理の動作フローの進捗を管理する進捗管理について説明する。進捗管理は、利用者が含有物質管理装置100に、進捗管理画面の表示のための入力をすることにより開始される。制御部102は、利用者による入出力部106への進捗管理画面を表示する旨の入力を受け付ける。制御部102は、格納部110の進捗情報DB116に基づいて、進捗管理画面を入出力部106の表示手段(ディスプレイ等)に表示する。
【0052】
図5は、進捗管理画面の例を示す図である。進捗管理画面では、環境情報の提出要求毎に、環境情報の提出要求を識別する識別子(番号)(#)、状態(ステータス)、情報確認、BOM作成、データ請求、請求書類、Aの格納(A UP)、Bの作成、回答提出、情報Aの各項目が示されている。進捗管理画面の各行は、環境情報の提出要求(S101
)を受領する毎に生成される。状態は、各環境情報の提出要求がどの段階まで進んでいるかの情報を示す項目である。情報確認は、当該項目を選択することで、当該環境情報の提出要求についての詳細が表示される。詳細には、例えば、それぞれの項目の完了日時、環境情報の請求先、親部品の情報(顧客情報、依頼情報等)、子部品の情報(仕入先情報、環境情報等)、請求情報履歴(回答データ等)などが含まれる。利用者は、当該詳細情報により、進捗状況の詳細を把握することができる。BOM作成は、環境情報の提出要求に含まれる親部品についてのBOM情報の作成について示す項目である(S102)。データ請求は、抽出された子部品についての仕入先等への環境情報の請求について示す項目である(S103)。請求書類は、仕入先等への請求書類である環境情報の受領を示す項目である(S104)。ここでは、請求書類として、書類A、書類B、書類Cが挙げられている。書類A、書類B、書類Cの欄に表示される情報は、各書類(環境情報)を要求した数に対する受領した数を示す情報である。書類A、書類B、書類Cには、例えば、Shaiファイル、不含有証明書、SDSなどが該当する。Aの格納(A UP)は、書類Aの回答情報DB114への格納を示す項目である(S105)。Bの作成(B作成)は、書類Bの作成を示す項目である(S106)。回答提出は、環境情報の提出要求に対する回答の提出を示す項目である(S107)。情報Aは、各環境情報の提出要求に関連する情報を示す項目である。進捗管理画面には、ここに挙げたもの以外の他の情報を示す情報が含まれていてもよい。
【0053】
BOM作成、データ請求、請求書類、Aの格納(A UP)、Bの作成(B作成)、回答提出の各項目において、黒い四角で示されていることは、環境情報の提出要求が当該項目の段階まで進んでいることを示す。BOM作成の項目が黒い四角で示されていることは、環境情報の提出要求を受け付け、BOM情報の作成が終了していないことを示す。データ請求の項目が黒い四角で示されていることは、BOM作成は終了しているが、データ請求(仕入先等への環境情報の請求)が行われていないことを示す。請求書類の項目が黒い四角で示されていることは、データ請求(仕入先等への環境情報の請求)は終了しているが、請求した環境情報(請求書類)の受領が完了していないことを示す。Aの格納(A UP)の項目が黒い四角で示されていることは、請求した環境情報(請求書類)の受領が完了しているが書類Aの回答情報DB114への格納が終了していないことを示す。Bの作成(B作成)の項目が黒い四角で示されていることは、請求した環境情報(請求書類)の受領が完了しているが書類Bの作成が終了していないことを示す。例えば、各子部品の不含有証明書を受領しているが、親部品の不含有証明書の作成が完了していないことを示す。回答提出の項目が黒い四角で示されていることは、回答の書類(環境情報)は揃っているが、依頼元への要求された環境情報の提出が完了していないことを示す。例えば、#3の環境情報の提出要求に対しては、親部品についてのBOM情報の作成が完了しており、各子部品の仕入先へのデータ請求が完了していないことを示す。また、#4の環境情報の提出要求に対しては、環境情報の請求は完了しており、書類Aが10件の請求に対し3件の受領、書類Bが5件の請求に対し3件の受領、書類Cが4件の請求に対し3件の受領であることを示す。
【0054】
また、制御部102は、進捗管理画面のBOM作成、データ請求、請求書類、Aの格納(A UP)、Bの作成(B作成)、回答提出を、入出力部106へのクリック操作などにより選択されると、格納部110に格納されるかくDBを参照することなどにより、各項目の詳細情報を、入出力部106の表示手段に表示する。制御部102は、BOM作成が選択された場合には、BOM情報及びBOM情報に関連する情報(子部品情報、親部品情報)を表示する。また、制御部102は、BOM作成が選択された場合に、BOM情報が作成されていない場合には、BOM情報作成画面を表示してもよい。利用者は、BOM情報作成画面に従って、BOM情報を作成することができる。制御部102は、データ請求が選択された場合には、環境情報の請求に関連する情報(子部品情報、仕入先の情報など)を表示する。制御部102は、請求書類が選択された場合には、受領した環境情報に
関連する情報を表示する。制御部102は、請求書類が選択された場合には、受領した環境情報を含有物質管理装置100に格納するための画面を表示してもよい。利用者は、当該画面に従って、受領した環境情報を格納することができる。制御部102は、Aの格納(A UP)が選択された場合には、書類Aに関する情報を表示する。制御部102は、Aの格納(A UP)が選択された場合に受領した書類Aを含有物質管理装置100に格納するための画面や受領した書類AをchemSHERPAに送信するための画面等を表示してもよい。利用者は、当該画面に従って、受領した書類Aの格納や書類AのchemSHERPAへの送信を行うことができる。制御部102は、Bの作成(B作成)が選択された場合には、書類Bに関する情報を表示する。制御部102は、Bの作成(B作成)が選択された場合に、書類Bを作成するするための画面等を表示してもよい。利用者は、当該画面に従って、受領した書類Bの作成を行うことができる。制御部102は、回答提出が選択された場合には、回答する環境情報に関する情報を表示する。制御部102は、利用者毎に、閲覧できる情報を制限する閲覧権限を設けるようにしてもよい。
【0055】
このように、含有物質管理装置100に表示される進捗管理画面により、利用者は、進捗状況を一覧で確認し、所定の書類の格納、作成等を行うことができる。含有物質管理装置100によれば、利用者が環境情報の提出要求の進捗状況を容易に確認できることで、仕入先などに対する問い合わせの頻度を低減することができ、作業効率が向上する。
【0056】
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の含有物質管理装置100は、製品を製造するメーカなどからの要求に応じて、当該製品に含まれるある部品についての環境情報の提出要求を受け付け、要求された当該部品に関する環境情報を取得し、メーカなどに対して回答する。また、含有物質管理装置100は、外部リスト情報が変更された場合に、関連する部品を抽出し、抽出された部品に関する環境情報を取得する。含有物質管理装置100は、外部リストが変更されたときに、関連する子部品を抽出し、子部品に関する環境情報を仕入先等に請求することができる。含有物質管理装置100によれば、依頼元から親部品の環境情報を求められた場合、最新の外部リストに基づく環境情報を迅速に提供することができる。含有物質管理装置100によれば、親部品の環境情報を容易に管理することができる。
【0057】
〈コンピュータ読み取り可能な記録媒体〉
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0058】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
【0059】
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0060】
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【0061】
(その他)
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各構成
の組み合わせなど、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
90 情報処理装置
91 プロセッサ
92 メモリ
93 記憶部
94 入力部
95 出力部
96 通信制御部
100 含有物質管理装置
102 制御部
104 通信部
106 入出力部
110 格納部
111 依頼情報DB
112 BOM情報DB
113 データ請求情報DB
114 回答情報DB
115 提出情報DB
116 進捗情報DB
117 外部リスト情報DB