(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
H04L 69/24 20220101AFI20241223BHJP
【FI】
H04L69/24
(21)【出願番号】P 2021038839
(22)【出願日】2021-03-11
【審査請求日】2023-09-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】市坪 新平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩司
(72)【発明者】
【氏名】井田 智永
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08184677(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0002761(US,A1)
【文献】国際公開第2005/093986(WO,A1)
【文献】特開2005-184662(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0267077(US,A1)
【文献】特開2007-312289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/46
H04L 1/00
H04L 5/16
H04L 12/46
H04L 69/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信速度で通信可能な通信装置であって、
AutoNegotiationを実行すると共に、Power Back Offによるトレーニングを行うことで、第1の通信装置とリンクを確立するリンク制御部と、
前記第1の通信装置が送信するデータ信号に基づいて、ビット誤り率を測定し、
前記ビット誤り率と予め設定された閾値とを比較する測定制御部と、
前記ビット誤り率が前記閾値よりも大きいと判定された後に、前記通信装置と前記第1の通信装置との間でデータ通信が行われていない場合、リンクの切断予告を示すリンク切断宣言フレームを生成するデータ生成部と、
前記リンク切断宣言フレームを前記第1の通信装置に送信するデータ送信部と、
前記リンク切断宣言フレームの応答フレームであるリンク切断許可フレームを受信した場合、リンク切断指示を前記リンク制御部に送信し、前記リンク制御部に対して、現在の通信速度よりも遅い通信速度で前記第1の通信装置とリンクを確立するように指示する指示制御部と、
を有し、
前記リンク制御部は、前記リンク切断指示を受信した場合、リンクの切断処理を実行し、前記指示に従って、現在の通信速度よりも遅い通信速度で前記第1の通信装置とリンクを確立するための処理を行う、
通信装置。
【請求項2】
前記測定制御部は、前記ビット誤り率が前記閾値以下である場合、予め設定された時間が経過した後、再度、前記第1の通信装置が送信するデータ信号に基づいて、ビット誤り率を測定する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記測定制御部は、ビット誤り率が前記閾値以下である回数が、予め設定された数値以上である場合、前記リンク切断指示を前記リンク制御部に送信し、前記リンク制御部に対して、現在の通信速度よりも速い通信速度で前記第1の通信装置とリンクを確立するように指示し、
前記リンク制御部は、前記リンク切断指示を受信した場合、リンクの切断処理を実行し、前記指示に従って、現在の通信速度よりも速い通信速度で前記第1の通信装置とリンクを確立するための処理を行う、
請求項2に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の通信装置が、有線ネットワークを介して通信を行うことが知られている。通信装置の中には、イーサネット(登録商標)のインタフェースが複数の通信速度に対応している通信装置が存在する。当該通信装置は、リンクアップする場合、接続先の通信装置が全ての通信速度に対応しているか不明であるため、AutoNegotiationを行う。これにより、通信モード、通信速度などが決定される(非特許文献1、非特許文献2を参照)。また、Downshift機能を有する通信装置が知られている。当該通信装置では、PBO(Power Back Off)によるトレーニングが行われる。トレーニング結果がNGである場合、当該通信装置は、10GBASE-T、5GBASE-T、1000BASE-T、100BASE-TXと通信規格の通信速度を下げていくことで、通信速度の最適化を図ることができる(非特許文献2を参照)。
また、特許文献1では、リンクアップ方法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】IEEE802.3-2018
【文献】NBASE-T Physical Layer Specification version2.3
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のDownshiftでは、PBOによるトレーニングのみが行われる。そのため、1000BASE-T用として広く普及しているCat.5eケーブルを使用している場合、Cat.6a以上のケーブルが経年劣化している場合などのとき、偶然、トレーニング結果が、OKとなることがある。偶然、トレーニング結果がOKとなった場合、能力以上の通信速度に基づいたリンクが確立される。当該リンクが確立された場合、BER(Bit Error Rate)が高い状況で通信が行われるという問題がある。
【0006】
本開示の目的は、BERが高い状況を是正することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る通信装置が提供される。通信装置は、複数の通信速度で通信可能な通信装置である。通信装置は、AutoNegotiationを実行すると共に、Power Back Offによるトレーニングを行うことで、第1の通信装置とリンクを確立するリンク制御部と、前記第1の通信装置が送信するデータ信号に基づいて、ビット誤り率を測定し、前記ビット誤り率と予め設定された閾値とを比較する測定制御部と、前記ビット誤り率が前記閾値よりも大きいと判定された後に、前記通信装置と前記第1の通信装置との間でデータ通信が行われていない場合、リンクの切断予告を示すリンク切断宣言フレームを生成するデータ生成部と、前記リンク切断宣言フレームを前記第1の通信装置に送信するデータ送信部と、前記リンク切断宣言フレームの応答フレームであるリンク切断許可フレームを受信した場合、リンク切断指示を前記リンク制御部に送信し、前記リンク制御部に対して、現在の通信速度よりも遅い通信速度で前記第1の通信装置とリンクを確立するように指示する指示制御部と、を有する。前記リンク制御部は、前記リンク切断指示を受信した場合、リンクの切断処理を実行し、前記指示に従って、現在の通信速度よりも遅い通信速度で前記第1の通信装置とリンクを確立するための処理を行う。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、BERが高い状況を是正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1の通信システムを示す図である。
【
図2】実施の形態1の通信装置が有するハードウェアを示す図である。
【
図3】実施の形態1の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態2の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態3の接続元の通信装置の機能を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態3の接続先の通信装置の機能を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態3の接続元の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャート(その1)である。
【
図8】実施の形態3の接続元の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャート(その2)である。
【
図9】実施の形態3の接続元の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャート(その3)である。
【
図10】実施の形態3の接続先の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の通信システムを示す図である。通信システムは、通信装置100と通信装置200とを含む。通信装置100と通信装置200とは、有線ケーブルを介して、接続する。
通信装置100は、制御方法を実行する装置である。通信装置100は、複数の通信速度で通信可能な通信装置である。通信装置200は、第1の通信装置とも言う。
【0012】
ここで、通信装置100が有するハードウェアを説明する。
図2は、実施の形態1の通信装置が有するハードウェアを示す図である。通信装置100は、プロセッサ101、揮発性記憶装置102、及び不揮発性記憶装置103を有する。
【0013】
プロセッサ101は、通信装置100全体を制御する。例えば、プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などである。プロセッサ101は、マルチプロセッサでもよい。また、通信装置100は、処理回路を有してもよい。処理回路は、単一回路又は複合回路でもよい。
【0014】
揮発性記憶装置102は、通信装置100の主記憶装置である。例えば、揮発性記憶装置102は、RAM(Random Access Memory)である。不揮発性記憶装置103は、通信装置100の補助記憶装置である。例えば、不揮発性記憶装置103は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はFlashメモリである。
【0015】
図1に戻って、通信装置100が有する機能を説明する。通信装置100は、データ生成部110、データ送信部120、データ受信部130、データ処理部140、リンク制御部150、及び測定制御部160を有する。
【0016】
データ生成部110、データ送信部120、データ受信部130、データ処理部140、リンク制御部150、及び測定制御部160の一部又は全部は、処理回路によって実現してもよい。また、データ生成部110、データ送信部120、データ受信部130、データ処理部140、リンク制御部150、及び測定制御部160の一部又は全部は、プロセッサ101が実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。例えば、プロセッサ101が実行するプログラムは、制御プログラムとも言う。例えば、制御プログラムは、記録媒体に記録されている。
【0017】
データ生成部110は、データ信号を生成する。なお、データ生成部110は、MAC(Media Access Controller)とも言う。
データ送信部120は、データ信号を通信装置200に合わせた信号に変換し、変換された信号を通信装置200に送信する。なお、データ送信部120は、物理層デバイスとも言う。
データ受信部130は、通信装置200からデータ信号を受信する。データ処理部140は、データ受信部130が受信したデータ信号に対して処理を行う。
【0018】
リンク制御部150は、AutoNegotiation機能と、Downshift機能とを有する。そして、リンク制御部150は、リンクを確立するための処理を行う。また、リンク制御部150は、リンクを切断するための処理を実行することもある。
【0019】
測定制御部160は、BER(すなわち、ビット誤り率)を測定する。例えば、測定制御部160は、データ信号(すなわち、フレーム)に含まれているフレームチェックシーケンスのエラーに基づいて、BERを算出する。また、測定制御部160は、次の式(1)を用いて、BERを算出してもよい。αは、数値である。αは、1ブロックに何bitの誤りがあったら訂正できないかによって、決められる。
【0020】
【0021】
また、測定制御部160は、64B/65B符号のエラーに基づいて、64Bに戻せなかったブロック数でBERを算出してもよい。また、測定制御部160は、次の式(2)を用いて、BERを算出してもよい。
【0022】
【0023】
次に、通信装置100が実行する処理を、フローチャートを用いて、説明する。
図3は、実施の形態1の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
(ステップS11)リンク制御部150は、通信装置100と通信装置200との間で、AutoNegotiationを実行すると共に、PBOによるトレーニングを行う。トレーニング結果がNGである場合、リンク制御部150は、Downshiftを行う。
リンク制御部150の処理により、リンクが確立する。
【0024】
(ステップS12)測定制御部160は、通信装置200が送信するデータ信号に基づいて、BERを測定する。
(ステップS13)測定制御部160は、BERが予め設定した閾値以下であるか否かを判定する。BERが当該閾値以下である場合、処理は、ステップS16に進む。BERが当該閾値よりも大きい場合、処理は、ステップS14に進む。
【0025】
(ステップS14)測定制御部160は、リンク切断指示をリンク制御部150に送信する。また、測定制御部160は、リンク制御部150に対して、現在の通信速度よりも遅い通信速度で通信装置200とリンクを確立するように指示する。
【0026】
(ステップS15)リンク制御部150は、リンクの切断処理を実行する。これにより、通信装置100と通信装置200との間のリンクは、切断される。そして、処理は、ステップS11に進む。
なお、当該ステップS11では、リンク制御部150は、指示に従って、現在の通信速度よりも遅い通信速度で通信装置200とリンクを確立するための処理を行う。これにより、次に確立されるリンクでは、遅い通信速度で通信が行われる。そのため、BERが高い状況が、是正される。
(ステップS16)通信装置100と通信装置200との間の接続状態は、継続される。
【0027】
実施の形態1によれば、通信装置100は、BERが当該閾値より大きい場合、リンクの切断処理を実行する。そして、通信装置100は、リンクの確立をやり直す。当該リンクは、現在の通信速度よりも遅い通信速度で確立される。そのため、BERが高い状況が、是正される。よって、通信装置100は、BERが高い状況を是正できる。
【0028】
実施の形態2.
次に、実施の形態2を説明する。実施の形態2では、実施の形態1と相違する事項を主に説明する。そして、実施の形態2では、実施の形態1と共通する事項の説明を省略する。
実施の形態1では、リンク確立直後にBERが高い状況を是正する場合を説明した。通信装置100と通信装置200との間の有線ケーブルは、時間の経過と伴に、劣化する可能性が高い。実施の形態2では、このような場合に対処するための方法を説明する。
【0029】
次に、通信装置100が実行する処理を、フローチャートを用いて説明する。
図4は、実施の形態2の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図4の処理は、ステップS17が実行される点が
図3の処理と異なる。そのため、
図4では、ステップS17を説明する。そして、ステップS17以外の処理の説明は、省略する。
(ステップS17)測定制御部160は、予め設定された時間、待機する。そして、処理は、ステップS12に進む。このように、通信装置100は、定期的にBERを監視する。
【0030】
上記したように、測定制御部160は、BERが当該閾値以下である場合、予め設定された時間が経過した後、再度、通信装置200が送信するデータ信号に基づいて、BERを測定する。
【0031】
実施の形態2によれば、通信装置100は、BERの測定を繰り返すことで、有線ケーブルの劣化に伴うBERが高い状況を是正できる。
【0032】
また、測定制御部160は、BERが当該閾値以下である回数が、予め設定された数値以上である場合、リンク切断指示をリンク制御部150に送信してもよい。また、測定制御部160は、リンク制御部150に対して、現在の通信速度よりも速い通信速度で通信装置200とリンクを確立するように指示する。リンク制御部150は、リンクの切断処理を実行する。そして、リンク制御部150は、指示に従って、現在の通信速度(例えば、5GBASE-Tの通信速度)よりも速い通信速度(例えば、10GBASE-Tの通信速度)で通信装置200とリンクを確立するための処理を行う。これにより、次に確立されるリンクでは、速い通信速度で通信が行われる。よって、通信装置100は、最適な通信速度で通信装置200と通信できる。
【0033】
実施の形態3.
次に、実施の形態3を説明する。実施の形態3では、実施の形態2と相違する事項を主に説明する。そして、実施の形態3では、実施の形態2と共通する事項の説明を省略する。
実施の形態2では、ある程度時間が経過し、BERが高い状況である場合に当該状況を是正する方法を説明した。実施の形態3では、BERが高い状況であり、かつデータ通信が行われていない場合に、当該状況を是正する方法を説明する。
【0034】
図5は、実施の形態3の接続元の通信装置の機能を示すブロック図である。
図1に示される構成と同じ
図5の構成は、
図1に示される符号と同じ符号を付している。通信装置100aは、送信カウンタ部170、受信カウンタ部180、及び指示制御部190を有する。
【0035】
送信カウンタ部170、受信カウンタ部180、及び指示制御部190の一部又は全部は、処理回路によって実現してもよい。また、送信カウンタ部170、受信カウンタ部180、及び指示制御部190の一部又は全部は、プロセッサ101が実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。
【0036】
送信カウンタ部170は、通信装置200aに送信する送信フレームの数である送信フレーム数をカウントする。
受信カウンタ部180は、通信装置200aから受信した受信フレームの数である受信フレーム数をカウントする。
指示制御部190の機能は、後で説明する。
【0037】
図6は、実施の形態3の接続先の通信装置の機能を示すブロック図である。通信装置200aは、データ受信部210、データ処理部220、指示制御部230、データ生成部240、及びデータ送信部250を有する。なお、通信装置200aは、第1の通信装置とも言う。
【0038】
データ受信部210、データ処理部220、指示制御部230、データ生成部240、及びデータ送信部250の一部又は全部は、通信装置200aが有する処理回路によって実現してもよい。また、データ受信部210、データ処理部220、指示制御部230、データ生成部240、及びデータ送信部250の一部又は全部は、通信装置200aが有するプロセッサが実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。
【0039】
データ受信部210、データ処理部220、指示制御部230、データ生成部240、及びデータ送信部250の機能については、後で説明する。
【0040】
次に、通信装置100aが実行する処理を、フローチャートを用いて、説明する。
図7は、実施の形態3の接続元の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャート(その1)である。
(ステップS21)リンク制御部150は、通信装置100aと通信装置200aとの間で、AutoNegotiationを実行すると共に、PBOによるトレーニングを行う。トレーニング結果がNGである場合、リンク制御部150は、Downshiftを行う。
リンク制御部150の処理により、リンクが確立する。
【0041】
(ステップS22)指示制御部190は、通信装置200aへのデータ送信が停止されているか否かを判定する。後述するステップS41によって、通信装置200aへのデータ送信が停止されている可能性がある。そのため、ステップS22が、行われる。
データ送信が停止されている場合、処理は、ステップS23に進む。データ送信が停止されていない場合、処理は、ステップS24に進む。
【0042】
(ステップS23)指示制御部190は、データ送信部120に、データ送信の開始を指示する。これにより、データ送信が開始される。
(ステップS24)測定制御部160は、通信装置200aが送信するデータ信号に基づいて、BERを測定する。
【0043】
(ステップS25)測定制御部160は、BERが予め設定した閾値以下であるか否かを判定する。BERが当該閾値以下である場合、処理は、ステップS26に進む。BERが当該閾値よりも大きい場合、処理は、ステップS31に進む。
(ステップS26)測定制御部160は、予め設定された時間、待機する。そして、処理は、ステップS24に進む。このように、通信装置100aは、定期的にBERを監視する。
【0044】
図8は、実施の形態3の接続元の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャート(その2)である。
(ステップS31)送信カウンタ部170は、n1秒間隔で、送信フレーム数をカウントする。ここで、“n1”、後述する“n2”、及び“n3”は、任意の数値であり、予め設定された数値である。
(ステップS32)指示制御部190は、送信カウンタ部170の送信カウント数がn2回連続でゼロであるか否かを判定する。送信カウント数がn2回連続でゼロである場合、処理は、ステップS34に進む。送信カウント数がn2回連続でゼロでない場合、処理は、ステップS33に進む。
【0045】
(ステップS33)送信カウンタ部170は、n3秒、待機する。そして、処理は、ステップS31に進む。
(ステップS34)受信カウンタ部180は、n1秒間隔で、受信フレーム数をカウントする。
【0046】
(ステップS35)指示制御部190は、受信カウンタ部180の受信カウント数がn2回連続でゼロであるか否かを判定する。受信カウント数がn2回連続でゼロでない場合、処理は、ステップS33に進む。受信カウント数がn2回連続でゼロである場合、指示制御部190は、通信装置100aと通信装置200aとの間でデータ通信が行われていないと判定する。指示制御部190は、リンクの切断予告を示すリンク切断宣言フレームの生成をデータ生成部110に指示する。そして、処理は、ステップS36に進む。
【0047】
(ステップS36)データ生成部110は、リンク切断宣言フレームを生成する。
(ステップS37)データ送信部120は、リンク切断宣言フレームを通信装置200aに送信する。
(ステップS38)指示制御部190は、データ受信部130がリンク切断許可フレームを通信装置200aから受信したか否かを判定する。リンク切断許可フレームは、リンク切断宣言フレームの応答フレームである。リンク切断許可フレームを受信した場合、処理は、ステップS41に進む。リンク切断許可フレームを受信していない場合、処理は、終了する。
【0048】
図9は、実施の形態3の接続元の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャート(その3)である。
(ステップS41)指示制御部190は、データ送信の停止をデータ送信部120に指示する。
(ステップS42)指示制御部190は、リンク切断指示をリンク制御部150に送信する。また、指示制御部190は、リンク制御部150に対して、現在の通信速度よりも遅い通信速度で通信装置200aとリンクを確立するように指示する。
【0049】
(ステップS43)リンク制御部150は、リンクの切断処理を実行する。これにより、通信装置100aと通信装置200aとの間のリンクは、切断される。そして、処理は、ステップS21に進む。
なお、当該ステップS21では、リンク制御部150は、指示に従って、現在の通信速度よりも遅い通信速度で通信装置200aとリンクを確立するための処理を行う。これにより、次に確立されるリンクでは、遅い通信速度で通信が行われる。そのため、BERが高い状況が、是正される。
【0050】
次に、通信装置200aが実行する処理を、フローチャートを用いて、説明する。
図10は、実施の形態3の接続先の通信装置が実行する処理の例を示すフローチャートである。
(ステップS51)データ受信部210は、リンク切断宣言フレームを通信装置100aから受信する。指示制御部230は、データ処理部220を介して、リンク切断宣言フレームを受信したことを検出する。指示制御部230は、リンク切断許可フレームの生成をデータ生成部240に指示する。
【0051】
(ステップS52)データ生成部240は、リンク切断許可フレームを生成する。
(ステップS53)データ送信部250は、リンク切断許可フレームを通信装置100aに送信する。
(ステップS54)指示制御部230は、データ送信の停止をデータ送信部250に指示する。
ステップS54の後、再度、リンクが確立した場合、通信装置200aは、通信装置100aとの通信を開始する。
【0052】
実施の形態3によれば、通信装置100aは、通信装置100aと通信装置200aとの間でデータ通信が行われていないことを確認し、リンク切断許可フレームを受信した場合、リンクを切断する。そのため、通信装置100aは、データ通信が行われているときに、通信装置100aが一方的にリンクを切断することを防ぐことができる。
【0053】
以上に説明した各実施の形態における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0054】
100 通信装置、 100a 通信装置、 101 プロセッサ、 102 揮発性記憶装置、 103 不揮発性記憶装置、 110 データ生成部、 120 データ送信部、 130 データ受信部、 140 データ処理部、 150 リンク制御部、 160 測定制御部、 170 送信カウンタ部、 180 受信カウンタ部、 190 指示制御部、 200 通信装置、 200a 通信装置、 210 データ受信部、 220 データ処理部、 230 指示制御部、 240 データ生成部、 250 データ送信部。