(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20241223BHJP
H01R 12/71 20110101ALN20241223BHJP
【FI】
H01R13/52 301H
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2021075537
(22)【出願日】2021-04-28
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】古本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】木村 晃
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵介
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1651654(KR,B1)
【文献】特開2016-009576(JP,A)
【文献】特開2014-107122(JP,A)
【文献】特開平08-250198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0373431(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/40-13/533
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケースに取り付けられたコネクタとを備える電子機器であって、
前記ケースは、主部を有しており、
前記主部は、第1方向において表面及び裏面を有しており、
前記主部には、開口部が設けられており、
前記開口部は、前記第1方向において前記主部を貫通しており、
前記コネクタは、前記第1方向に沿って前記開口部を通して挿入された相手側コネクタと嵌合可能であり、
前記コネクタは、ハウジングと、防水部材とを備えており、
前記ハウジングは、底部と、側部とを有しており、
前記底部は、前記第1方向において前記主部の前記裏面から離れて位置しており、
前記側部は、前記底部から前記第1方向において前記主部の前記裏面に向かって延びており、
前記防水部材は、弾性を有しており、前記ハウジングに取り付けられており、
前記防水部材は、前記第1方向において、前記底部と前記主部の前記裏面とに挟まれており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの嵌合時に、前記防水部材は、前記第1方向と直交する第2方向において前記相手側コネクタと前記側部とに挟まれており、
前記防水部材は、少なくとも1つの第1接部と、少なくとも1つの第2接部と、少なくとも1つの第3接部と、少なくとも1つの第4接部とを有しており、
前記第1接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第1方向において前記底部に押し付けられて接触しており、
前記第2接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第1方向において前記主部の前記裏面に押し付けられて接触しており、
前記第3接部は、前記第2方向において前記側部に接触しており、
前記嵌合時に、前記第3接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第2方向において前記側部に押し付けられており、
前記第4接部は、前記第2方向において前記開口部より内側に突出しており、
前記嵌合時に、前記第4接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第2方向において前記相手側コネクタに押し付けられて接触して
おり、
前記防水部材は、全体として環形状を有しており、
前記防水部材は、前記ハウジングにインサート成形されていない
電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器であって、
前記主部の前記裏面と前記ハウジングの前記側部とは、前記第1方向において離れて位置している
電子機器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電子機器であって、
前記防水部材は、凹部を有しており、
前記凹部は、前記第2方向において前記第4接部の反対側に位置しており、
前記凹部は、前記側部から離れて位置している
電子機器。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記少なくとも1つの第3接部は、2つあり、
前記第3接部は、前記第1方向において互いに離れて位置しており、
前記防水部材と前記側部の間には、空間が形成されており、
前記空間は、前記第1方向において前記第3接部の間に位置している
電子機器。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記第1接部は、前記第2方向において、前記側部に対してよりも前記第4接部に対して近い位置にある
電子機器。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記第2接部は、前記第2方向において、前記第1接部と同じ位置にある
電子機器。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記ケースは、受け部を更に有しており、
前記受け部は、前記第2方向において内側に向いており、
前記防水部材は、被受け部を更に有しており、
前記被受け部は、前記第2方向において外側に向いており、
前記被受け部は、前記第2方向において、前記第2接部に隣接し且つ前記第2接部と前記側部との間に設けられており、
前記嵌合時に、前記被受け部は、前記受け部に押し当てられる
電子機器。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記防水部材は、第1凸部と、第2凸部と、第3凸部と、第4凸部と、少なくとも1つの第5凸部とを有しており、
前記第1凸部及び前記第2凸部の夫々は、前記第1方向において外側に突出しており、
前記第3凸部及び前記第4凸部の夫々は、前記第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びており、
前記第5凸部は、前記第2方向において内側に突出しており、
前記少なくとも1つの第1接部は、2つあり、
前記第1接部は、前記第1凸部と前記前記第3凸部とに夫々設けられており、
前記少なくとも1つの第2接部は、2つあり、
前記第2接部は、前記第2凸部と前記第4凸部とに夫々設けられており、
前記少なくとも1つの第3接部は、2つあり、
前記第3接部は、前記第3凸部と前記第4凸部とに夫々設けられており、
前記第4接部は、前記第5凸部に設けられており、
前記第1凸部と前記第3凸部との間には、第1くびれ部が形成されており、
前記第2凸部と前記第4凸部との間には、第2くびれ部が形成されており、
前記第3凸部と前記第4凸部との間には、凹部が形成されている
電子機器。
【請求項9】
請求項8記載の電子機器であって、
前記第5凸部は、鈍角の頂部を有している
電子機器。
【請求項10】
請求項8記載の電子機器であって、
前記少なくとも1つの第4接部は、複数あり、
前記少なくとも1つの第5凸部は、複数あり、
前記第4接部は、前記第5凸部に夫々設けられている
電子機器。
【請求項11】
請求項8から請求項10までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記防水部材が前記ハウジングに取り付けられる前の状態において、前記第1凸部の先端から前記第2凸部の先端までの前記第1方向における距離は、前記第3凸部の先端から前記第4凸部の先端までの前記第1方向における距離よりも長い
電子機器。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記防水部材が前記ハウジングに取り付けられる前の状態において、前記防水部材は、前記第1方向と直交する平面について鏡対称な形状を有している
電子機器。
【請求項13】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載の電子機器であって、
前記防水部材は、被挟持部を有しており、
前記被挟持部は、前記第1方向において前記ケースと前記側部とに挟まれている
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水部材を有するコネクタを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
図18に示されるように、特許文献1には、この種の電子機器900が開示されている。電子機器900は、筐体910と、筐体側コネクタ部(コネクタ)920とを備えている。コネクタ920は、筐体910の壁面912に取り付けられている。コネクタ920は、Z方向に沿って図示しないケーブル側コネクタ部(相手側コネクタ)と嵌合可能である。コネクタ920は、筐体側ハウジング部(ハウジング)922と、第1の防水ゴム924と、第2の防水ゴム925と、コネクタ間防水ゴム926とを備えている。ハウジング922と壁面912との間には、コネクタ920の第1の防水ゴム924および第2の防水ゴム925により、防水構造が形成されている。コネクタ920と相手側コネクタとの嵌合時には、コネクタ間防水ゴム926により、コネクタ920のハウジング922と相手側コネクタのケーブル側ハウジング(図示せず)との間に防水構造が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電子機器900のような電子機器のコネクタにおいて、防水部材の部品点数の削減が求められている。
【0005】
よって本発明は、防水部材の部品点数が削減されたコネクタを備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の電子機器として、
ケースと、前記ケースに取り付けられたコネクタとを備える電子機器であって、
前記ケースは、主部を有しており、
前記主部は、第1方向において表面及び裏面を有しており、
前記主部には、開口部が設けられており、
前記開口部は、前記第1方向において前記主部を貫通しており、
前記コネクタは、前記第1方向に沿って前記開口部を通して挿入された相手側コネクタと嵌合可能であり、
前記コネクタは、ハウジングと、防水部材とを備えており、
前記ハウジングは、底部と、側部とを有しており、
前記底部は、前記第1方向において前記主部の前記裏面から離れて位置しており、
前記側部は、前記底部から前記第1方向において前記主部の前記裏面に向かって延びており、
前記防水部材は、弾性を有しており、前記ハウジングに取り付けられており、
前記防水部材は、前記第1方向において、前記底部と前記主部の前記裏面とに挟まれており、
前記コネクタと前記相手側コネクタとの嵌合時に、前記防水部材は、前記第1方向と直交する第2方向において前記相手側コネクタと前記側部とに挟まれており、
前記防水部材は、少なくとも1つの第1接部と、少なくとも1つの第2接部と、少なくとも1つの第3接部と、少なくとも1つの第4接部とを有しており、
前記第1接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第1方向において前記底部に押し付けられて接触しており、
前記第2接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第1方向において前記主部の前記裏面に押し付けられて接触しており、
前記第3接部は、前記第2方向において前記側部に接触しており、
前記嵌合時に、前記第3接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第2方向において前記側部に押し付けられており、
前記第4接部は、前記第2方向において前記開口部より内側に突出しており、
前記嵌合時に、前記第4接部は、前記防水部材の前記弾性により、前記第2方向において前記相手側コネクタに押し付けられて接触している
電子機器を提供する。
【0007】
また、本発明は、第2の電子機器として、第1の電子機器であって、
前記主部の前記裏面と前記ハウジングの前記側部とは、前記第1方向において離れて位置している
電子機器を提供する。
【0008】
また、本発明は、第3の電子機器として、第1又は第2の電子機器であって、
前記防水部材は、凹部を有しており、
前記凹部は、前記第2方向において前記第4接部の反対側に位置しており、
前記凹部は、前記側部から離れて位置している
電子機器を提供する。
【0009】
また、本発明は、第4の電子機器として、第1から第3までのいずれかの電子機器であって、
前記少なくとも1つの第3接部は、2つあり、
前記第3接部は、前記第1方向において互いに離れて位置しており、
前記防水部材と前記側部の間には、空間が形成されており、
前記空間は、前記第1方向において前記第3接部の間に位置している
電子機器を提供する。
【0010】
また、本発明は、第5の電子機器として、第1から第4までのいずれかの電子機器であって、
前記第1接部は、前記第2方向において、前記側部に対してよりも前記第4接部に対して近い位置にある
電子機器を提供する。
【0011】
また、本発明は、第6の電子機器として、第1から第5までのいずれかの電子機器であって、
前記第2接部は、前記第2方向において、前記第1接部と同じ位置にある
電子機器を提供する。
【0012】
また、本発明は、第7の電子機器として、第1から第6までのいずれかの電子機器であって、
前記ケースは、受け部を更に有しており、
前記受け部は、前記第2方向において内側に向いており、
前記防水部材は、被受け部を更に有しており、
前記被受け部は、前記第2方向において外側に向いており、
前記被受け部は、前記第2方向において、前記第2接部に隣接し且つ前記第2接部と前記側部との間に設けられており、
前記嵌合時に、前記被受け部は、前記受け部に押し当てられる
電子機器を提供する。
【0013】
また、本発明は、第8の電子機器として、第1から第7までのいずれかの電子機器であって、
前記防水部材は、第1凸部と、第2凸部と、第3凸部と、第4凸部と、少なくとも1つの第5凸部とを有しており、
前記第1凸部及び前記第2凸部の夫々は、前記第1方向において外側に突出しており、
前記第3凸部及び前記第4凸部の夫々は、前記第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びており、
前記第5凸部は、前記第2方向において内側に突出しており、
前記少なくとも1つの第1接部は、2つあり、
前記第1接部は、前記第1凸部と前記前記第3凸部とに夫々設けられており、
前記少なくとも1つの第2接部は、2つあり、
前記第2接部は、前記第2凸部と前記第4凸部とに夫々設けられており、
前記少なくとも1つの第3接部は、2つあり、
前記第3接部は、前記第3凸部と前記第4凸部とに夫々設けられており、
前記第4接部は、前記第5凸部に設けられており、
前記第1凸部と前記第3凸部との間には、第1くびれ部が形成されており、
前記第2凸部と前記第4凸部との間には、第2くびれ部が形成されており、
前記第3凸部と前記第4凸部との間には、凹部が形成されている
電子機器を提供する。
【0014】
また、本発明は、第9の電子機器として、第8の電子機器であって、
前記第5凸部は、鈍角の頂部を有している
電子機器を提供する。
【0015】
また、本発明は、第10の電子機器として、第8の電子機器であって、
前記少なくとも1つの第4接部は、複数あり、
前記少なくとも1つの第5凸部は、複数あり、
前記第4接部は、前記第5凸部に夫々設けられている
電子機器を提供する。
【0016】
また、本発明は、第11の電子機器として、第8から第10までのいずれかの電子機器であって、
前記防水部材が前記ハウジングに取り付けられる前の状態において、前記第1凸部の先端から前記第2凸部の先端までの前記第1方向における距離は、前記第3凸部の先端から前記第4凸部の先端までの前記第1方向における距離よりも長い
電子機器を提供する。
【0017】
また、本発明は、第12の電子機器として、第1から第11までのいずれかの電子機器であって、
前記防水部材が前記ハウジングに取り付けられる前の状態において、前記防水部材は、前記第1方向と直交する平面について鏡対称な形状を有している
電子機器を提供する。
【0018】
また、本発明は、第13の電子機器として、第1から第3までのいずれかの電子機器であって、
前記防水部材は、被挟持部を有しており、
前記被挟持部は、前記第1方向において前記ケースと前記側部とに挟まれている
電子機器を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電子機器は、以下のように構成されている:防水部材は、少なくとも1つの第1接部と、少なくとも1つの第2接部と、少なくとも1つの第3接部と、少なくとも1つの第4接部とを有している;第1接部は、防水部材の弾性により、第1方向においてコネクタのハウジングの底部に押し付けられて接触している;第2接部は、防水部材の弾性により、第1方向においてケースの主部の裏面に押し付けられて接触している;第3接部は、第2方向においてコネクタのハウジングの側部に接触している;コネクタと相手側コネクタとの嵌合時に、第3接部は、防水部材の弾性により、第2方向においてコネクタのハウジングの側部に押し付けられている;コネクタと相手側コネクタとの嵌合時に、第4接部は、防水部材の弾性により、第2方向において相手側コネクタに押し付けられて接触している。即ち、本発明の電子機器においては、コネクタとケースとの間の防水構造と、コネクタと相手側コネクタとの間の防水構造とを、1つの防水部材により実現している。従って、本発明の電子機器は、防水部材の部品点数が削減されたコネクタを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による組立体を示す斜視図である。図において、電子機器のコネクタと相手側コネクタとは嵌合していない。
【
図2】
図1の組立体をA-A線に沿って示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図3】
図1の組立体を示す別の斜視図である。図において、コネクタと相手側コネクタとは互いに嵌合している。
【
図4】
図3の組立体をB-B線に沿って示す断面図である。図において、電子機器
と相手側コネクタの一部を拡大して示している。
【
図5】
図2の組立体に含まれる電子機器を示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図7】
図6の電子機器に含まれる防水部材を示す断面図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態による組立体に含まれる電子機器を示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図9】
図8の電子機器に含まれる防水部材を示す断面図である。図中の防水部材は、コネクタに取り付けられる前の状態を示している。
【
図10】本発明の第3の実施の形態による組立体に含まれる電子機器を示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図11】
図10の電子機器に含まれる防水部材を示す断面図である。図中の防水部材は、コネクタに取り付けられる前の状態を示している。
【
図12】本発明の第4の実施の形態による組立体に含まれる電子機器を示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図13】
図12の電子機器に含まれる防水部材を示す断面図である。図中の防水部材は、コネクタに取り付けられる前の状態を示している。
【
図14】本発明の第5の実施の形態による組立体に含まれる電子機器を示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図15】
図14の電子機器に含まれる防水部材を示す断面図である。図中の防水部材は、コネクタに取り付けられる前の状態を示している。
【
図16】本発明の第6の実施の形態による組立体に含まれる電子機器を示す断面図である。図において、電子機器の一部を拡大して示している。
【
図17】
図16の電子機器に含まれる防水部材を示す断面図である。図中の防水部材は、コネクタに取り付けられる前の状態を示している。
【
図18】特許文献1の電子機器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施の形態による組立体870は、電子機器10と、相手側コネクタ800とを備えている。
【0022】
図2に示されるように、本実施の形態の相手側コネクタ800は、相手側ハウジング810と、複数の相手側端子820とを備えている。相手側ハウジング810は、第1方向と直交する第2方向外側に向いた当接部812を有している。本実施の形態において、第1方向は、Z方向である。また、第1方向は、上下方向でもある。ここで、上方を+Z方向とし、下方を-Z方向とする。相手側端子820は、相手側ハウジング810に保持されている。
【0023】
図6に示されるように、本実施の形態の電子機器10は、ケース600と、コネクタ100とを備えている。
【0024】
図6を参照して、本実施の形態のケース600は、樹脂製である。ケース600は、主部610を有している。
【0025】
図5に示されるように、本実施の形態の主部610は、第1方向と直交する平板形状を有している。主部610は、第1方向において表面612及び裏面614を有している。表面612は、第1方向外側に向いている。即ち、表面612は、上下方向において上方に向いている。裏面614は、第1方向内側に向いている。即ち、裏面614は、上下方向において下方に向いている。主部610には、開口部616が設けられている。開口部616は、第1方向において主部610を貫通している。
【0026】
図5に示されるように、本実施の形態のコネクタ100は、ケース600に取り付けられている。コネクタ100は、基板850に搭載されるものである。
図2及び
図4から理解されるように、コネクタ100は、第1方向に沿って開口部616を通して挿入された相手側コネクタ800と嵌合可能である。より詳しくは、コネクタ100は、上下方向に沿って開口部616を通して上方から挿入された相手側コネクタ800と嵌合可能である。
【0027】
図6に示されるように、コネクタ100は、ハウジング200と、複数の端子500と、防水部材300とを備えている。
【0028】
図6を参照して、本実施の形態のハウジング200は、絶縁部材からなる。
図5に示されるように、ハウジング200は、底部210と、側部230とを有している。
【0029】
図5に示されるように、本実施の形態の底部210は、第1方向と直交する平板形状を有している。底部210は、第1方向と直交する第2方向におけるコネクタ100の端部付近に位置している。底部210は、第1方向において主部610の裏面614から離れて位置している。
【0030】
図6を参照して、本実施の形態の側部230は、第1方向に沿って見た場合、略矩形を有している。
図5に示されるように、側部230は、底部210から第1方向において主部610の裏面614に向かって延びている。即ち、側部230は、底部210から上下方向において上方に延びている。ケース600とハウジング200の側部230との間には隙間170がある。即ち、主部610の裏面614とハウジング200の側部230とは、第1方向において離れて位置している。
【0031】
図5に示されるように、側部230は、底部210の第2方向外端から上方に立ち上がっており、これにより、底部210と側部230とで構成される部分は、第1方向を含む面内において。L字状の断面を構成している。ケース600と、ハウジング200の底部210及び側部230とで構成される部分は、第1方向を含む面内において、略凹状の断面を構成している。ここで、上記略凹状の断面は、第1方向と直交する第2方向において内側に開口している。換言すると、ケース600と、ハウジング200の底部210及び側部230とで構成される部分は、防水部材300を収容する溝状の凹みを構成する。
【0032】
図5を参照して、本実施の形態の端子500の夫々は、金属製である。端子500は、ハウジング200に保持されている。
図4に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ800とが嵌合した際、端子500は相手側端子820に接続される。
【0033】
図6を参照して、本実施の形態の防水部材300は、第1方向に沿って見た場合、角丸の四角環形状を有している。防水部材300は、弾性を有している。防水部材300は、継ぎ目を有さないゴム製である。即ち、防水部材300は、一体物である。
図5に示されるように、防水部材300は、ハウジング200に取り付けられている。
【0034】
図7に示されるように、防水部材300は、防水部材300がハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1方向と直交する平面について鏡対称な形状を有している。本実施の形態において、第1方向と直交する平面は、XY平面である。また、XY平面は、水平面でもある。
【0035】
図5に示されるように、防水部材300は、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれている。より詳しくは、防水部材300は、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれつつ接触している。即ち、コネクタ100とケース600との間には、防水部材300により、防水構造が形成されている。
【0036】
図4に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時に、防水部材300は、第1方向と直交する第2方向において相手側コネクタ800と側部230とに挟まれている。即ち、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時には、防水部材300により、コネクタ100と相手側コネクタ800との間に防水構造が形成される。このように、本実施の形態の電子機器10においては、コネクタ100とケース600との間の防水構造と、コネクタ100と相手側コネクタ800との間の防水構造とが、1つの防水部材300により実現されている。換言すると、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時において、1つの防水部材300が、コネクタ100、ケース600及び相手側コネクタ800の三者に接触している。
【0037】
図7に示されるように、防水部材300は、2つの第1接部310と、2つの第2接部320と、2つの第3接部330と、1つの第4接部340とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、防水部材300は、少なくとも1つの第1接部310と、少なくとも1つの第2接部320と、少なくとも1つの第3接部330と、少なくとも1つの第4接部340とを有していればよい。
【0038】
図7に示されるように、本実施の形態の第1接部310は、防水部材300がハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向において互いに離れて位置している。
図5に示されるように、防水部材300がハウジング200に取り付けられた状態において、第1接部310は、第2方向において互いに離れて位置している。
【0039】
図5に示されるように、第1接部310は、防水部材300の弾性により、第1方向において底部210に押し付けられて接触している。
【0040】
図7に示されるように、本実施の形態の第1接部310は、第1主接部312と、第1副接部314とを含んでいる。なお、本発明はこれに限定されず、第1接部310は、第1副接部314を含まなくてもよい。
【0041】
図7に示されるように、本実施の形態の第1主接部312は、
防水部材300の第1方向外端を規定している。即ち、第1主接部312は、
防水部材300の上下方向における下端を規定している。第1主接部312は、第2方向において第3接部330と第4接部340との間に位置している。第1主接部312は、第3接部330よりも第2方向内側に位置している。第1主接部312は、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
図5に示されるように、第1主接部312は、第2方向において開口部616よりも外側に位置している。
【0042】
図5に示されるように、第1接部310の第1主接部312は、第2方向において、側部230と第4接部340との間に位置している。第1接部310の第1主接部312は、第2方向において、側部230に対してよりも第4接部340に対して近い位置にある。より詳しくは、防水部材300がハウジング200に取り付けられた状態において、第1接部310の第1主接部312は、第2方向において、側部230に対してよりも第4接部340に対して近い位置にある。
【0043】
図7に示されるように、本実施の形態の第1副接部314は、第2方向において第1主接部312の外側に位置している。第1副接部314は、第2方向において第3接部330と第4接部340との間に位置している。第1副接部314は、第3接部330よりも第2方向内側に位置している。第1副接部314は、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
【0044】
図7に示されるように、本実施の形態の第2接部320は、防水部材300がハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向において互いに離れて位置している。
図5に示されるように、防水部材300がハウジング200に取り付けられた状態において、第2接部320は、第2方向において互いに離れて位置している。
【0045】
図5に示されるように、第2接部320は、防水部材300の弾性により、第1方向において主部610の裏面614に押し付けられて接触している。
【0046】
図7に示されるように、本実施の形態の第2接部320は、第2主接部322と、第2副接部324とを含んでいる。なお、本発明はこれに限定されず、第2接部320は、第2副接部324を含まなくてもよい。
【0047】
図7に示されるように、本実施の形態の第2主接部322は、
防水部材300の第1方向外端を規定している。即ち、第2主接部322は、
防水部材300の上下方向における上端を規定している。第2主接部322は、第2方向において第3接部330と第4接部340との間に位置している。第2主接部322は、第3接部330よりも第2方向内側に位置している。第2主接部322は、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
図5に示されるように、第2主接部322は、第2方向において開口部616よりも外側に位置している。
【0048】
図5に示されるように、第2接部320の第2主接部322は、第2方向において、側部230と第4接部340との間に位置している。第2接部320の第2主接部322は、第2方向において、側部230に対してよりも第4接部340に対して近い位置にある。より詳しくは、防水部材300がハウジング200に取り付けられた状態において、第2接部320の第2主接部322は、第2方向において、側部230に対してよりも第4接部340に対して近い位置にある。
【0049】
図5に示されるように、第2接部320の第2主接部322は、第2方向において、第1接部310の第1主接部312と同じ位置にある。これにより、防水部材300をケース600とハウジング200の底部210とで挟み込んだ際に、防水部材300が安定的にコネクタ100に保持されるようになっている。
【0050】
図7に示されるように、本実施の形態の第2副接部324は、第2方向において第2主接部322と第3接部330との間に位置している。第2副接部324は、第2方向において第2主接部322の外側に位置している。第2副接部324は、第3接部330よりも第2方向内側に位置している。第2副接部324は、第2方向において第3接部330と第4接部340との間に位置している。第2副接部324は、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
【0051】
図7に示されるように、本実施の形態の第3接部330は、防水部材300がハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向外側に突出する曲面を形成している。第3接部330は、防水部材300がハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1方向において互いに離れて位置している。
図5に示されるように、防水部材300がハウジング200に取り付けられた状態において、第3接部330は、第1方向において互いに離れて位置している。
【0052】
図5に示されるように、第3接部330は、第2方向において側部230に接触している。
図4に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時に、第3接部330は、防水部材300の弾性により、第2方向において側部230に押し付けられている。
【0053】
図7に示されるように、本実施の形態の第3接部330は、第3主接部332と、第3副接部334とを含んでいる。
【0054】
図7に示されるように、本実施の形態の第3主接部332は、
防水部材300の第2方向外端を規定している。第3主接部332は、第1方向において第1接部310と第2接部320との間に位置している。第3主接部332は、第1接部310よりも第1方向内側に位置している。第3主接部332は、第2接部320よりも第1方向内側に位置している。
【0055】
図7に示されるように、本実施の形態の第3副接部334は、
防水部材300の第2方向外端を規定している。第3副接部334は、第1方向において第1接部310と第2接部320との間に位置している。第3副接部334は、第1接部310よりも第1方向内側に位置している。第3副接部334は、第2接部320よりも第1方向内側に位置している。第3副接部334は、上下方向において第3主接部332の上方に位置している。
【0056】
図5に示されるように、本実施の形態の第4接部340は、防水部材300の第2方向における内端を規定している。第4接部340は、第2方向において開口部616より内側に突出している。
【0057】
図2及び
図4を参照して、コネクタ100と相手側コネクタ800とが嵌合していない状態において、第4接部340の周長は、当接部812の周長よりも短くなっている。また、コネクタ100と相手側コネクタ800とが嵌合していない状態における第4接部340と第3主接部332との第2方向における距離は、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時における側部230と当接部812との第2方向における距離よりも大きい。更に、コネクタ100と相手側コネクタ800とが嵌合していない状態における第4接部340と第3副接部334との第2方向における距離は、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時における側部230と当接部812との第2方向における距離よりも大きい。これにより、
図4に示されるように、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時に、第4接部340は、防水部材300の弾性により、第2方向において相手側コネクタ800に押し付けられて接触している。より詳しくは、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時に、第4接部340は、防水部材300の弾性により、第2方向において相手側ハウジング810の当接部812に押し付けられて接触している。
【0058】
上述のように、第1接部310は、第2方向において、側部230に対してよりも第4接部340に対して近い位置にある。これにより、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時に第4接部340が下方に押されても、第1方向及び第2方向の双方と直交する方向を軸として防水部材300が回転しないため、第3接部330が上方にずれにくくなっている。
【0059】
図5に示されるように、防水部材300と側部230の間には、空間150が形成されている。
【0060】
図5に示されるように、空間150は、第1方向において第3接部330の間に位置している。即ち、空間150は、第1方向において第3主接部332と第3副接部334の間に位置している。これにより、防水部材300が側部230に対して空間150を有することなく密着している場合と比較して、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時においても第3副接部334の位置が上方にずれにくくなっている。
【0061】
図7に示されるように、防水部材300は、第1凸部410と、第2凸部420と、第3凸部430と、第4凸部440と、第5凸部450とを有している。
【0062】
図5及び
図7を参照して、本実施の形態の第1凸部410は、第1方向において外側に突出している。即ち、第1凸部410は、上下方向において下方に突出している。第1凸部410は、第2方向において第2凸部420と同じ位置に位置している。第1凸部410は、第2方向において第3凸部430と第5凸部450との間に位置している。第1凸部410は、第2方向において第4凸部440と第5凸部450との間に位置している。第1接部310の第1主接部312は、第1凸部410に設けられている。
【0063】
図5及び
図7を参照して、本実施の形態の第2凸部420は、第1方向において外側に突出している。即ち、第2凸部420は、上下方向において上方に突出している。第2凸部420は、第2方向において第1凸部410と同じ位置に位置している。第2凸部420は、第2方向において第3凸部430と第5凸部450との間に位置している。第2凸部420は、第2方向において第4凸部440と第5凸部450との間に位置している。第2接部320の第2主接部322は、第2凸部420に設けられている。
【0064】
図5及び
図7を参照して、本実施の形態の第3凸部430は、第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びている。即ち、第3凸部430は、上下方向において下方に突出すると共に第2方向外側に延びている。第3凸部430は、第2方向において、第1凸部410の外側に位置している。第3凸部430は、第2方向において、第2凸部420の外側に位置している。第3凸部430は、第2方向において、第5凸部450の外側に位置している。
【0065】
図7に示されるように、第1接部310の第1副接部314は、第3凸部430に設けられている。また、第3接部330の第3主接部332は、第3凸部430に設けられている。
【0066】
図7に示されるように、第1凸部410と第3凸部430との間には、第1くびれ部460が形成されている。
【0067】
図5に示されるように、本実施の形態の第1くびれ部460は、第1方向において内側に凹んでいる。即ち、第1くびれ部460は、上下方向において上方に凹んでいる。
【0068】
図5及び
図7を参照して、本実施の形態の第4凸部440は、第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びている。即ち、第4凸部440は、上下方向において上方に突出すると共に第2方向外側に延びている。第4凸部440は、第2方向において、第1凸部410の外側に位置している。第4凸部440は、第2方向において、第2凸部420の外側に位置している。第4凸部440は、第2方向において、第5凸部450の外側に位置している。
【0069】
図5に示されるように、第2接部320の第2副接部324は、第4凸部440に設けられている。また、第3接部330の第3副接部334は、第4凸部440に設けられている。
【0070】
図7に示されるように、防水部材300がハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1凸部410の先端から第2凸部420の先端までの第1方向における距離D1は、第3凸部430の先端から第4凸部440の先端までの第1方向における距離D2よりも長くなっている。
【0071】
図5に示されるように、第4凸部440は、密着部442を有している。
【0072】
図5に示されるように、本実施の形態の密着部442は、隙間170に入り込んでケース600の裏面614及び側部230の双方と密着している。これにより、コネクタ100とケース600との間の防水構造が強化されている。
【0073】
図7に示されるように、第2凸部420と第4凸部440との間には、第2くびれ部470が形成されている。
【0074】
図5に示されるように、本実施の形態の第2くびれ部470は、第1方向において内側に凹んでいる。即ち、第2くびれ部470は、上下方向において下方に凹んでいる。
【0075】
図7に示されるように、第3凸部430と第4凸部440との間には、凹部350が形成されている。即ち、防水部材300は、凹部350を有している。
【0076】
図7に示されるように、本実施の形態の凹部350は、第2方向内側に凹んでいる。凹部350は、第2方向において第5凸部450の反対側に位置している。凹部350は、第2方向において第4接部340の反対側に位置している。
図5に示されるように、凹部350は、側部230から離れて位置している。即ち、凹部350は、第2方向において側部230から離れて位置している。空間150は、防水部材300の凹部350とハウジング200の側部230との間に位置している。
【0077】
本実施の形態の防水部材300は、凹部350を有することにより、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時において、第4接部340が第2方向外側に移動しやすくなっている。
【0078】
図7に示されるように、本実施の形態の第5凸部450は、第2方向において内側に突出している。第5凸部450は、鈍角の頂部452を有している。第4接部340は、第5凸部450に設けられている。より詳しくは、第4接部340は、頂部452に設けられている。これにより、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時において、防水部材300は、第1方向及び第2方向の双方と直交する方向を軸とする回転を起こしにくくなっている。即ち、第4接部340は、コネクタ100と相手側コネクタ800との嵌合時に第2方向外側に移動しやすくなっている。これにより、相手側コネクタ800のコネクタ100に対する挿入を容易としながら、防水性が維持されるようになっている。
【0079】
(第2の実施形態)
図8を参照して、本発明の第2の実施の形態による組立体(図示せず)は、電子機器10Aと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態の相手側コネクタは、第1の実施の形態と同様の構造を有しているため、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0080】
図8に示されるように、本実施の形態の電子機器10Aは、ケース600と、コネクタ100Aとを備えている。本実施の形態のケース600は、第1の実施の形態と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態のケース600と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0081】
図8に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Aは、ハウジング200と、複数の端子500と、防水部材300Aとを備えている。本実施の形態のハウジング200及び端子500は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0082】
図8を参照して、本実施の形態の防水部材300Aは、第1方向に沿って見た場合、角丸の四角環形状を有している。防水部材300Aは、弾性を有している。防水部材300Aは、継ぎ目を有さないゴム製である。即ち、防水部材300Aは、一体物である。防水部材300Aは、ハウジング200に取り付けられている。本実施の形態の防水部材300Aは、第1の実施の形態の防水部材300と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態の防水部材300と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0083】
図9に示されるように、防水部材300Aは、防水部材300Aがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1方向と直交する平面について鏡対称な形状を有している。
【0084】
図8に示されるように、防水部材300Aは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれている。より詳しくは、防水部材300Aは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれつつ接触している。即ち、コネクタ100Aとケース600との間には、防水部材300Aにより、防水構造が形成されている。
【0085】
図8を参照して、コネクタ100Aと相手側コネクタとの嵌合時に、防水部材300Aは、第1方向と直交する第2方向において相手側コネクタと側部230とに挟まれている。即ち、コネクタ100Aと相手側コネクタとの嵌合時には、防水部材300Aにより、コネクタ100Aと相手側コネクタとの間に防水構造が形成される。このように、本実施の形態の電子機器10Aにおいては、コネクタ100Aとケース600との間の防水構造と、コネクタ100Aと相手側コネクタとの間の防水構造とが、1つの防水部材300Aにより実現されている。換言すると、コネクタ100Aと相手側コネクタとの嵌合時において、1つの防水部材300Aが、コネクタ100A、ケース600及び相手側コネクタの三者に接触している。
【0086】
図9に示されるように、防水部材300Aは、2つの第1接部310Aと、2つの第2接部320Aと、2つの第3接部330Aと、1つの第4接部340とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、防水部材300Aは、少なくとも1つの第1接部310Aと、少なくとも1つの第2接部320Aと、少なくとも1つの第3接部330Aと、少なくとも1つの第4接部340とを有していればよい。本実施の形態の第1接部310A、第2接部320A及び第4接部340については、第1の実施の形態の第1接部310、第2接部320及び第4接部340と同様であるので、詳細は省略する。
【0087】
図9に示されるように、本実施の形態の第3接部330Aは、防水部材300Aがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向と直交する平面を形成している。第3接部330Aは、防水部材300Aがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1方向において互いに離れて位置している。
図8に示されるように、防水部材300Aがハウジング200に取り付けられた状態において、第3接部330Aは、第1方向において互いに離れて位置している。
【0088】
図8に示されるように、第3接部330Aは、第2方向において側部230に接触している。
図8を参照して、コネクタ100Aと相手側コネクタとの嵌合時に、第3接部330Aは、防水部材300Aの弾性により、第2方向において側部230に押し付けられている。
【0089】
上述のように、防水部材300Aがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第3接部330Aは、第2方向と直交する平面を形成している。これにより、本実施の形態の第3接部330Aは、第1の実施の形態の第3接部330と比較して、側部230に対してより大きい面積で接触することができるようになっている。
【0090】
図9に示されるように、本実施の形態の第3接部330Aは、第3主接部332Aと、第3副接部334Aとを含んでいる。
【0091】
図9を参照して、本実施の形態の第3主接部332Aは、
防水部材300Aの第2方向外端を規定している。第3主接部332Aは、第1方向において第1接部310Aと第2接部320Aとの間に位置している。第3主接部332Aは、第1接部310Aよりも第1方向内側に位置している。第3主接部332Aは、第2接部320Aよりも第1方向内側に位置している。
【0092】
図9に示されるように、本実施の形態の第3副接部334Aは、
防水部材300Aの第2方向外端を規定している。第3副接部334Aは、第1方向において第1接部310Aと第2接部320Aとの間に位置している。第3副接部334Aは、第1接部310Aよりも第1方向内側に位置している。第3副接部334Aは、第2接部320Aよりも第1方向内側に位置している。第3副接部334Aは、上下方向において第3主接部332Aの上方に位置している。
【0093】
図8に示されるように、防水部材300Aと側部230の間には、空間150Aが形成されている。空間150Aは、第1の実施の形態の空間150と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0094】
図8に示されるように、防水部材300Aは、第1凸部410と、第2凸部420と、第3凸部430Aと、第4凸部440Aと、第5凸部450とを有している。本実施の形態の第1凸部410、第2凸部420及び第5凸部450については第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0095】
図8及び
図9を参照して、本実施の形態の第3凸部430Aは、第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びている。即ち、第3凸部430Aは、上下方向において下方に突出すると共に第2方向外側に延びている。第3凸部430Aは、第2方向において、第1凸部410の外側に位置している。第3凸部430Aは、第2方向において、第2凸部420の外側に位置している。第3凸部430Aは、第2方向において、第5凸部450の外側に位置している。
【0096】
図9に示されるように、第1接部310Aの第1副接部314Aは、第3凸部430Aに設けられている。また、第3接部330Aの第3主接部332Aは、第3凸部430Aに設けられている。
【0097】
図8及び
図9を参照して、本実施の形態の第4凸部440Aは、第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びている。即ち、第4凸部440Aは、上下方向において上方に突出すると共に第2方向外側に延びている。第4凸部440Aは、第2方向において、第1凸部410の外側に位置している。第4凸部440Aは、第2方向において、第2凸部420の外側に位置している。第4凸部440Aは、第2方向において、第5凸部450の外側に位置している。
【0098】
図9に示されるように、第2接部320Aの第2副接部324Aは、第4凸部440Aに設けられている。また、第3接部330Aの第3副接部334Aは、第4凸部440Aに設けられている。
【0099】
図8及び
図9を参照して、防水部材300Aがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1凸部410の先端から第2凸部420の先端までの第1方向における距離は、第3凸部430Aの先端から第4凸部440Aの先端までの第1方向における距離よりも長くなっている。
【0100】
図8に示されるように、第4凸部440Aは、密着部442Aを有している。
【0101】
図8に示されるように、本実施の形態の密着部442Aは、隙間170に入り込んでケース600の裏面614及び側部230の双方と密着している。これにより、コネクタ100Aとケース600との間の防水構造が強化されている。
【0102】
(第3の実施形態)
図10を参照して、本発明の第3の実施の形態による組立体(図示せず)は、電子機器10Bと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態の相手側コネクタは、第1の実施の形態と同様の構造を有しているため、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0103】
図10に示されるように、本実施の形態の電子機器10Bは、ケース600と、コネクタ100Bとを備えている。本実施の形態のケース600は、第1の実施の形態と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態のケース600と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0104】
図10に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Bは、ハウジング200と、複数の端子500と、防水部材300Bとを備えている。本実施の形態のハウジング200及び端子500は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0105】
図10を参照して、本実施の形態の防水部材300Bは、第1方向に沿って見た場合、角丸の四角環形状を有している。防水部材300Bは、弾性を有している。防水部材300Bは、継ぎ目を有さないゴム製である。即ち、防水部材300Bは、一体物である。防水部材300Bは、ハウジング200に取り付けられている。本実施の形態の防水部材300Bは、第1の実施の形態の防水部材300と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態の防水部材300と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0106】
図11に示されるように、防水部材300Bは、防水部材300Bがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1方向と直交する平面について鏡対称な形状を有している。
【0107】
図10に示されるように、防水部材300Bは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれている。より詳しくは、防水部材300Bは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれつつ接触している。即ち、コネクタ100Bとケース600との間には、防水部材300Bにより、防水構造が形成されている。
【0108】
図10を参照して、コネクタ100Bと相手側コネクタとの嵌合時に、防水部材300Bは、第1方向と直交する第2方向において相手側コネクタと側部230とに挟まれている。即ち、コネクタ100Bと相手側コネクタとの嵌合時には、防水部材300Bにより、コネクタ100Bと相手側コネクタとの間に防水構造が形成される。このように、本実施の形態の電子機器10Bにおいては、コネクタ100Bとケース600との間の防水構造と、コネクタ100Bと相手側コネクタとの間の防水構造とが、1つの防水部材300Bにより実現されている。換言すると、コネクタ100Bと相手側コネクタとの嵌合時において、1つの防水部材300Bが、コネクタ100B、ケース600及び相手側コネクタの三者に接触している。
【0109】
図11に示されるように、防水部材300Bは、3つの第1接部310Bと、3つの第2接部320Bと、2つの第3接部330Bと、1つの第4接部340とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、防水部材300Bは、少なくとも1つの第1接部310Bと、少なくとも1つの第2接部320Bと、少なくとも1つの第3接部330Bと、少なくとも1つの第4接部340とを有していればよい。本実施の形態の第3接部330Bは、第2の実施の形態の第3接部330Aと同様であるので、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態の第4接部340は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0110】
図11に示されるように、本実施の形態の第1接部310Bは、防水部材300Bがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向において互いに離れて位置している。
図10に示されるように、防水部材300Bがハウジング200に取り付けられた状態において、第1接部310Bは、第2方向において互いに離れて位置している。
【0111】
図10に示されるように、第1接部310Bは、防水部材300Bの弾性により、第1方向において底部210に押し付けられて接触している。
【0112】
図11に示されるように、本実施の形態の第1接部310Bは、第1主接部312と、第1副接部314Bと、第1補助的接部316を含んでいる。本実施の形態の第1主接部312は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0113】
図10に示されるように、本実施の形態の第1副接部314Bは、第2方向において第1主接部312の外側に位置している。第1副接部314Bは、第2方向において第1主接部312と第1補助的接部316との間に位置している。第1副接部314Bは、第2方向において第3接部330Bと第4接部340との間に位置している。第1副接部314Bは、第3接部330Bよりも第2方向内側に位置している。第1副接部314Bは、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
【0114】
図10に示されるように、本実施の形態の第1補助的接部316は、第2方向において第1副接部314Bの外側に位置している。第1補助的接部316は、第2方向において第3接部330Bと第4接部340との間に位置している。第1補助的接部316は、第3接部330Bよりも第2方向内側に位置している。第1補助的接部316は、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
【0115】
図11に示されるように、本実施の形態の第2接部320Bは、防水部材300Bがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向において互いに離れて位置している。
図10に示されるように、防水部材300Bがハウジング200に取り付けられた状態において、第2接部320Bは、第2方向において互いに離れて位置している。
【0116】
図10に示されるように、第2接部320Bは、防水部材300Bの弾性により、第1方向において主部610の裏面614に押し付けられて接触している。
【0117】
図11に示されるように、本実施の形態の第2接部320Bは、第2主接部322と、第2副接部324Bと、第2補助的接部326を含んでいる。本実施の形態の第2主接部322は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0118】
図10に示されるように、本実施の形態の第2副接部324Bは、第2方向において第2主接部322の外側に位置している。第2副接部324Bは、第2方向において第2主接部322と第2補助的接部326との間に位置している。第2副接部324Bは、第2方向において第3接部330Bと第4接部340との間に位置している。第2副接部324Bは、第3接部330Bよりも第2方向内側に位置している。第2副接部324Bは、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
【0119】
図10に示されるように、本実施の形態の第2補助的接部326は、第2方向において第2副接部324Bの外側に位置している。第2補助的接部326は、第2方向において第3接部330Bと第4接部340との間に位置している。第2補助的接部326は、第3接部330Bよりも第2方向内側に位置している。第2補助的接部326は、第4接部340よりも第2方向外側に位置している。
【0120】
図10に示されるように、防水部材300Bと側部230の間には、空間150Bが形成されている。空間150Bは、第1の実施の形態の空間150と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0121】
図11に示されるように、防水部材300Bは、第1凸部410と、第2凸部420と、第3凸部430Bと、第4凸部440Bと、第5凸部450とを有している。本実施の形態の第1凸部410、第2凸部420及び第5凸部450については第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0122】
図10及び
図11を参照して、本実施の形態の第3凸部430Bは、第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びている。即ち、第3凸部430Bは、上下方向において下方に突出すると共に第2方向外側に延びている。第3凸部430Bは、第2方向において、第1凸部410の外側に位置している。第3凸部430Bは、第2方向において、第2凸部420の外側に位置している。第3凸部430Bは、第2方向において、第5凸部450の外側に位置している。
【0123】
図11に示されるように、第1接部310Bの第1副接部314B及び第1補助的接部316は、第3凸部430Bに設けられている。また、第3接部330Bの第3主接部332Bは、第3凸部430Bに設けられている。
【0124】
図11に示されるように、第1凸部410と第3凸部430Bとの間には、第1くびれ部460Bが形成されている。第1くびれ部460Bは、第1の実施の形態の第1くびれ部460と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0125】
図10及び
図11を参照して、本実施の形態の第4凸部440Bは、第1方向において外側に突出すると共に第2方向において外側に延びている。即ち、第4凸部440Bは、上下方向において上方に突出すると共に第2方向外側に延びている。第4凸部440Bは、第2方向において、第1凸部410の外側に位置している。第4凸部440Bは、第2方向において、第2凸部420の外側に位置している。第4凸部440Bは、第2方向において、第5凸部450の外側に位置している。
【0126】
図11に示されるように、第2接部320Bの第2副接部324B及び第2補助的接部326は、第4凸部440Bに設けられている。また、第3接部330Bの第3副接部334Bは、第4凸部440Bに設けられている。
【0127】
図10及び
図11を参照して、防水部材300Bがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1凸部410の先端から第2凸部420の先端までの第1方向における距離は、第3凸部430Bの先端から第4凸部440Bの先端までの第1方向における距離よりも長くなっている。
【0128】
図10に示されるように、第4凸部440Bは、密着部442Bを有している。
【0129】
図10に示されるように、本実施の形態の密着部442Bは、隙間170に入り込んでケース600の裏面614及び側部230の双方と密着している。これにより、コネクタ100Bとケース600との間の防水構造が強化されている。
【0130】
図11に示されるように、第2凸部420と第4凸部440Bとの間には、第2くびれ部470Bが形成されている。第2くびれ部470Bは、第1の実施の形態の第2くびれ部470と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0131】
(第4の実施形態)
図12を参照して、本発明の第4の実施の形態による組立体(図示せず)は、電子機器10Cと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態の相手側コネクタは、第1の実施の形態と同様の構造を有しているため、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0132】
図12に示されるように、本実施の形態の電子機器10Cは、ケース600と、コネクタ100Cとを備えている。本実施の形態のケース600は、第1の実施の形態と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態のケース600と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0133】
図12に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Cは、ハウジング200と、複数の端子500と、防水部材300Cとを備えている。本実施の形態のハウジング200及び端子500は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0134】
図12を参照して、本実施の形態の防水部材300Cは、第1方向に沿って見た場合、角丸の四角環形状を有している。防水部材300Cは、弾性を有している。防水部材300Cは、継ぎ目を有さないゴム製である。即ち、防水部材300Cは、一体物である。防水部材300Cは、ハウジング200に取り付けられている。
【0135】
図12に示されるように、防水部材300Cは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれている。より詳しくは、防水部材300Cは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれつつ接触している。即ち、コネクタ100Cとケース600との間には、防水部材300Cにより、防水構造が形成されている。
【0136】
図12を参照して、コネクタ100Cと相手側コネクタ(図示せず)との嵌合時に、防水部材300Cは、第1方向と直交する第2方向において相手側コネクタと側部230とに挟まれている。即ち、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時には、防水部材300Cにより、コネクタ100Cと相手側コネクタとの間に防水構造が形成される。このように、本実施の形態の電子機器10Cにおいては、コネクタ100Cとケース600との間の防水構造と、コネクタ100Cと相手側コネクタとの間の防水構造とが、1つの防水部材300Cにより実現されている。換言すると、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時において、1つの防水部材300Cが、コネクタ100C、ケース600及び相手側コネクタの三者に接触している。
【0137】
図13に示されるように、防水部材300Cは、1つの第1接部310Cと、1つの第2接部320Cと、1つの第3接部330Cと、1つの第4接部340Cとを有している。
【0138】
図13に示されるように、第1接部310Cは、第1方向外側に向いている。即ち、第1接部310Cは、上下方向において下方を向いている。
図12に示されるように、第1接部310Cは、防水部材300Cの弾性により、第1方向において底部210に押し付けられて接触している。
【0139】
図13に示されるように、第2接部320Cは、第1方向外側に向いている。即ち、第2接部320Cは、上下方向において上方を向いている。
図12に示されるように、第2接部320Cは、防水部材300Cの弾性により、第1方向において主部610の裏面614に押し付けられて接触している
。
【0140】
図13に示されるように、第3接部330Cは、第2方向外側に向いている。
図12に示されるように、第3接部330Cは、第2方向において側部230に接触している。
図12を参照して、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時に、第3接部330Cは、防水部材300Cの弾性により、第2方向において側部230に押し付けられている。
【0141】
図12に示されるように、本実施の形態の第4接部340Cは、第2方向において開口部616より内側に突出している。第4接部340Cは、鈍角の頂部342を有している。
【0142】
図12を参照して、コネクタ100Cと相手側コネクタとが嵌合していない状態において、第4接部340Cの周長は、相手側コネクタの相手側ハウジング(図示せず)の当接部(図示せず)の周長よりも短い。また、コネクタ100Cと相手側コネクタとが嵌合していない状態における第4接部340Cと第3接部330Cとの第2方向における距離は、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時における側部230と当接部との第2方向における距離よりも大きい。これにより、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時に、第4接部340Cは、防水部材300Cの弾性により、第2方向において相手側コネクタに押し付けられて接触している。より詳しくは、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時に、第4接部340Cは、防水部材300Cの弾性により、第2方向において相手側ハウジングの当接部に押し付けられて接触している。
【0143】
図12に示されるように、防水部材300Cと側部230の間には、空間150Cが形成されている。また、防水部材300Cは、凹部350Cを有している。
【0144】
図12に示されるように、本実施の形態の凹部350Cは、第2方向内側に凹んでいる。凹部350Cは、第2方向において第4接部340Cの反対側に位置している。凹部350Cは、側部230から離れて位置している。即ち、凹部350Cは、第2方向において側部230から離れて位置している。凹部350Cは、第1方向において第1接部310Cに対してよりも第2接部320Cに対して近い。空間150Cは、防水部材300Cの凹部350Cとハウジング200の側部230との間に位置している。
【0145】
本実施の形態の防水部材300Cは、凹部350Cを有することにより、コネクタ100Cと相手側コネクタとの嵌合時において、第4接部340Cが第2方向外側に移動しやすくなっている。
【0146】
図13に示されるように、本実施の形態の防水部材300Cは、被挟持部370を有している。被挟持部370は、第2方向外側に延びている。被挟持部370は、防水部材300Cの第2方向外端を規定している。
図12に示されるように、被挟持部370は、第1方向においてケース600と側部230とに挟まれている。これにより、防水部材300Cは、電子機器10Cに安定的に保持されるようになっている。
【0147】
(第5の実施形態)
図14を参照して、本発明の第5の実施の形態による組立体(図示せず)は、電子機器10Dと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態の相手側コネクタは、第1の実施の形態と同様の構造を有しているため、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0148】
図14に示されるように、本実施の形態の電子機器10Dは、ケース600と、コネクタ100Dとを備えている。本実施の形態のケース600は、第1の実施の形態と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態のケース600と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0149】
図14に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Dは、ハウジング200と、複数の端子500と、防水部材300Dとを備えている。本実施の形態のハウジング200及び端子500は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0150】
図14を参照して、本実施の形態の防水部材300Dは、第1方向に沿って見た場合、角丸の四角環形状を有している。防水部材300Dは、弾性を有している。防水部材300Dは、継ぎ目を有さないゴム製である。即ち、防水部材300Dは、一体物である。防水部材300Dは、ハウジング200に取り付けられている。本実施の形態の防水部材300Dは、第1の実施の形態の防水部材300と同様の構造を有している。よって、第1の実施の形態の防水部材300と同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0151】
図15に示されるように、防水部材300Dは、防水部材300Dがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第1方向と直交する平面について鏡対称な形状を有している。
【0152】
図14に示されるように、防水部材300Dは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれている。より詳しくは、防水部材300Dは、第1方向において、底部210と主部610の裏面614とに挟まれつつ接触している。即ち、コネクタ100Dとケース600との間には、防水部材300Dにより、防水構造が形成されている。
【0153】
図14を参照して、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時に、防水部材300Dは、第1方向と直交する第2方向において相手側コネクタと側部230とに挟まれている。即ち、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時には、防水部材300Dにより、コネクタ100Dと相手側コネクタとの間に防水構造が形成される。このように、本実施の形態の電子機器10Dにおいては、コネクタ100Dとケース600との間の防水構造と、コネクタ100Dと相手側コネクタとの間の防水構造とが、1つの防水部材300Dにより実現されている。換言すると、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時において、1つの防水部材300Dが、コネクタ100D、ケース600及び相手側コネクタの三者に接触している。
【0154】
図15に示されるように、防水部材300Dは、2つの第1接部310と、2つの第2接部320と、2つの第3接部330と、複数の第4接部340Dとを有している。より詳しくは、本実施の形態の第4接部340Dの数は、3つである。なお、本発明はこれに限定されず、防水部材300Dは、少なくとも1つの第1接部310と、少なくとも1つの第2接部320と、少なくとも1つの第3接部330と、少なくとも1つの第4接部340Dとを有していればよい。本実施の形態の第1接部310、第2接部320及び第3接部330については、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0155】
図14に示されるように、本実施の形態の第4接部340Dの夫々は、第2方向において開口部616より内側に突出している。
【0156】
図14を参照して、コネクタ100Dと相手側コネクタとが嵌合していない状態において、第4接部340Dの周長は、相手側コネクタの相手側ハウジング(図示せず)の当接部(図示せず)の周長よりも短い。また、コネクタ100Dと相手側コネクタとが嵌合していない状態における第4接部340Dと第3主接部332との第2方向における距離は、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時における側部230と当接部との第2方向における距離よりも大きい。更に、コネクタ100Dと相手側コネクタとが嵌合していない状態における第4接部340Dと第3副接部334との第2方向における距離は、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時における側部230と当接部との第2方向における距離よりも大きい。これにより、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時に、第4接部340Dの夫々は、防水部材300Dの弾性により、第2方向において相手側コネクタに押し付けられて接触している。より詳しくは、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時に、第4接部340Dの夫々は、防水部材300Dの弾性により、第2方向において相手側ハウジングの当接部に押し付けられて接触している。
【0157】
図15に示されるように、防水部材300Dは、第1凸部410と、第2凸部420と、第3凸部430と、第4凸部440と、複数の第5凸部450Dとを有している。より詳しくは、本実施の形態の第5凸部450Dの数は、3つである。本実施の形態の第1凸部410、第2凸部420、第3凸部430及び第4凸部440については第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0158】
図15に示されるように、本実施の形態の第5凸部450Dの夫々は、第2方向において内側に突出している。第4接部340Dは、第5凸部450Dに夫々設けられている。これにより、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時において、第4接部340Dは相手側コネクタに引きずられて下方に移動しにくくなっている。即ち、第4接部340Dは、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時に第2方向外側に移動しやすくなっている。これにより、相手側コネクタのコネクタ100Dに対する挿入を容易としながら、防水性が維持されるようになっている。
【0159】
図14に示されるように、本実施の形態の凹部350は、第2方向において第4接部340Dの反対側に位置している。
【0160】
本実施の形態の防水部材300Dは、凹部350を有することにより、コネクタ100Dと相手側コネクタとの嵌合時において、第4接部340Dが第2方向外側に移動しやすくなっている。
【0161】
(第6の実施形態)
図16を参照して、本発明の第6の実施の形態による組立体(図示せず)は、電子機器10Eと、相手側コネクタ(図示せず)とを備えている。本実施の形態の相手側コネクタは、第1の実施の形態と同様の構造を有しているため、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0162】
図16に示されるように、本実施の形態の電子機器10Eは、ケース600Eと、コネクタ100Eとを備えている。
【0163】
図16を参照して、本実施の形態のケース600Eは、樹脂製である。ケース600Eは、主部610Eを有している。
【0164】
図16を参照して、本実施の形態の主部610Eは、第1方向と直交する平板形状を有している。主部610Eは、第1方向において表面612及び裏面614Eを有している。主部610Eには、開口部616が設けられている。開口部616は、第1方向において主部610Eを貫通している。
【0165】
図16に示されるように、ケース600Eは、溝部615を有している。溝部615は、第1方向外側に凹んでいる。より詳しくは、溝部615は、上下方向において上方に凹んでいる。溝部615は、裏面614Eの一部を構成している。溝部615は、受け部620を有している。即ち、ケース600Eは、受け部620を有している。受け部620は、第2方向において内側に向いている。
【0166】
図16に示されるように、本実施の形態のコネクタ100Eは、ハウジング200と、複数の端子500と、防水部材300Eとを備えている。本実施の形態のハウジング200及び端子500は、第1の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0167】
図16に示されるように、ハウジング200の底部210は、第1方向において主部610Eの裏面614Eから離れて位置している。ハウジング200の側部230は、底部210から第1方向において主部610Eの裏面614Eに向かって延びている。ケース600Eとハウジング200の側部230との間には隙間170Eがある。即ち、主部610Eの裏面614Eとハウジング200の側部230とは、第1方向において離れて位置している。
【0168】
図16を参照して、本実施の形態の防水部材300Eは、第1方向に沿って見た場合、角丸の四角環形状を有している。防水部材300Eは、弾性を有している。防水部材300Eは、継ぎ目を有さないゴム製である。即ち、防水部材300Eは、一体物である。防水部材300Eは、ハウジング200に取り付けられている。本実施の形態の防水部材300Eは、第2の実施の形態の防水部材300Aと同様の構造を有している。よって、第2の実施の形態の防水部材300Aと同様の構成については同様の参照符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0169】
図16に示されるように、防水部材300Eは、第1方向において、底部210と主部610Eの裏面614Eとに挟まれている。より詳しくは、防水部材300Eは、第1方向において、底部210と主部610Eの裏面614Eとに挟まれつつ接触している。即ち、コネクタ100Eとケース600Eとの間には、防水部材300Eにより、防水構造が形成されている。
【0170】
図16を参照して、コネクタ100Eと相手側コネクタとの嵌合時に、防水部材300Eは、第1方向と直交する第2方向において相手側コネクタと側部230とに挟まれている。即ち、コネクタ100Eと相手側コネクタとの嵌合時には、防水部材300Eにより、コネクタ100Eと相手側コネクタとの間に防水構造が形成される。このように、本実施の形態の電子機器10Eにおいては、コネクタ100Eとケース600Eとの間の防水構造と、コネクタ100Eと相手側コネクタとの間の防水構造とが、1つの防水部材300Eにより実現されている。換言すると、コネクタ100Eと相手側コネクタとの嵌合時において、1つの防水部材300Eが、コネクタ100E、ケース600E及び相手側コネクタの三者に接触している。
【0171】
図17に示されるように、防水部材300Eは、2つの第1接部310Aと、2つの第2接部320Eと、2つの第3接部330Aと、1つの第4接部340とを有している。なお、本発明はこれに限定されず、防水部材300Eは、少なくとも1つの第1接部310Aと、少なくとも1つの第2接部320Eと、少なくとも1つの第3接部330Aと、少なくとも1つの第4接部340とを有していればよい。本実施の形態の第1接部310A、第3接部330A及び第4接部340については、第2の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0172】
図17に示されるように、本実施の形態の第2接部320Eは、防水部材300Eがハウジング200に取り付けられる前の状態において、第2方向において互いに離れて位置している。
図16に示されるように、防水部材300Eがハウジング200に取り付けられた状態において、第2接部320Eは、第2方向において互いに離れて位置している。
【0173】
図16に示されるように、第2接部320Eは、防水部材300Eの弾性により、第1方向において主部610Eの裏面614Eに押し付けられて接触している。
【0174】
図17に示されるように、第2接部320Eは、第2主接部322Eと、第2副接部324Aとを含んでいる。
図16に示されるように、防水部材300Eがハウジング200に取り付けられた状態において、第2主接部322Eは、防水部材300Eの弾性により、第1方向において溝部615に押し付けられて接触している。ここで、本実施の形態の第2主接部322E及び第2副接部324Aは、第2の実施の形態の第2主接部322及び第2副接部324Aと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0175】
図17に示されるように、防水部材300Eは、第1凸部410と、第2凸部420Eと、第3凸部430Aと、第4凸部440Aと、第5凸部450とを有している。本実施の形態の第1凸部410、第3凸部430A、第4凸部440A、及び第5凸部450については第2の実施の形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0176】
図17に示されるように、第2接部320Eの第2主接部322Eは、第2凸部420Eに設けられている。
図16に示されるように、防水部材300Eがハウジング200に取り付けられた状態において、第2凸部420Eは、溝部615に受容されている。
【0177】
図17に示されるように、第2凸部420Eには、被受け部360が設けられている。即ち、防水部材300Eは、被受け部360を有している。
【0178】
図16に示されるように、本実施の形態の被受け部360は、第2方向において外側に向いている。被受け部360は、第2方向において、第2接部320Eの第2主接部322Eに隣接し且つ第2接部320Eの第2主接部322Eと側部230との間に設けられている。
図16を参照して、コネクタ100Eと相手側コネクタとの嵌合時に、被受け部360は、受け部620に押し当てられる。これにより、本実施の形態の電子機器10Eにおいては、ケース600Eとハウジング200との間に防水構造を確実に形成することができる。
【0179】
図16に示されるように、本実施の形態の密着部442Aは、隙間170Eに入り込んでケース600Eの裏面614E及び側部230の双方と密着している。これにより、コネクタ100Eとケース600Eとの間の防水構造が強化されている。
【0180】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0181】
10,10A,10B,10C,10D,10E 電子機器
100,100A,100B,100C,100D,100E コネクタ
150,150A,150B,150C 空間
170,170E 隙間
200 ハウジング
210 底部
230 側部
300,300A,300B,300C,300D,300E 防水部材
310,310A,310B,310C 第1接部
312 第1主接部
314,314A,314B 第1副接部
316 第1補助的接部
320,320A,320B,320C,320E 第2接部
322,322E 第2主接部
324,324A,324B 第2副接部
326 第2補助的接部
330,330A,330B,330C 第3接部
332,332A,332B 第3主接部
334,334A,334B 第3副接部
340,340C,340D 第4接部
342 頂部
350,350C 凹部
360 被受け部
370 被挟持部
410 第1凸部
420,420E 第2凸部
430,430A,430B 第3凸部
440,440A,440B 第4凸部
442,442A,442B 密着部
450,450D 第5凸部
452 頂部
460,460B 第1くびれ部
470,470B 第2くびれ部
500 端子
600,600E ケース
610,610E 主部
612 表面
614,614E 裏面
615 溝部
616 開口部
620 受け部
800 相手側コネクタ
810 相手側ハウジング
812 当接部
820 相手側端子
850 基板
870 組立体
D1 距離
D2 距離