(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】対面式キッチン
(51)【国際特許分類】
A47B 77/00 20060101AFI20241223BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20241223BHJP
A47B 77/06 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
A47B77/00
A47B81/00 A
A47B77/06
(21)【出願番号】P 2021129108
(22)【出願日】2021-08-05
【審査請求日】2024-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】三上山 怜
(72)【発明者】
【氏名】竹内 祥馬
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-169940(JP,A)
【文献】特開2013-022059(JP,A)
【文献】特開2002-233425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00
A47B 77/06
A47B 81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチン空間とダイニング空間とを隔てて配置される対面式キッチンであって、
キッチンと、
前記キッチンよりもダイニング空間側に配置される対面キャビネットと、
前記キッチンの側方に配置される第1側板と、
前記対面キャビネットの側方に配置される第2側板と、
前記第1側板と前記第2側板とを連結する連結部材と、を備え、
前記キッチンは、
キッチン天板と、
前記キッチン天板を支持するキッチン側板と、
前記キッチン天板の後側端部に配置されるとともに前記キッチン天板よりも上方に突出されるバックガードと、を有し、
前記第1側板は、前記キッチン側板と前記キッチン天板の側面とを被覆するように配置され、
前記第1側板の上面は、前記バックガードの上面よりも下方に配置されるとともに平坦状に形成され、
前記第2側板は、前記対面キャビネットの側面と前記バックガードの側面とを被覆するように配置され、
前記キッチン側板は、前記連結部材を配置するための空間が形成されること
を特徴とする対面式キッチン。
【請求項2】
前記対面キャビネットは、前記第2側板の上部に配置される対面キャビネット天板を有し、
前記第2側板の前後方向の幅は、前記対面キャビネット天板の前後方向の幅と同じであり、
前記第2側板の前面は、前記対面キャビネット天板の前面と面一であること
を特徴とする請求項1記載の対面式キッチン。
【請求項3】
前記第2側板の板厚は、前記第1側板の板厚と異なること
を特徴とする請求項1又は2記載の対面式キッチン。
【請求項4】
前記第2側板の板厚は、前記第1側板の板厚よりも厚いこと
を特徴とする請求項3記載の対面式キッチン。
【請求項5】
前記連結部材は、前記第1側板と前記第2側板に跨って配置される連結板と、前記連結板を前記第1側板と前記第2側板とに固定する固定部材と、を有すること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の対面式キッチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、対面式キッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対面式キッチンに関する技術として、特許文献1が開示されている。特許文献1のキャビネットは、本体の側面に、所定厚さ寸法を有するサイドパネルが取り付けられている。
【0003】
キッチン9と対面キャビネット8とを備える従来の対面式キッチン900は、
図9に示すように、キッチン9の側面がキッチン側サイドパネル91に被覆され、対面キャビネット8の側面が対面キャビネット側サイドパネル95に被覆される。そして、従来の対面式キッチン900は、キッチン側サイドパネル91がキッチン9のバックガード93の側面を被覆するように配置される。これにより、キッチン側サイドパネル91がキッチン9の天板92よりも余分に立ち上がるものとなる。このため、キッチン9の側面側に圧迫感が生じてしまい、意匠性が低い。
【0004】
また、従来の対面式キッチンでは、キッチン側の天板と対面キャビネット側の天板とは互いに高さが異なることから、開放感を創出するためにキッチン側サイドパネルに切り欠きを形成することも考えられる。しかしながら、切り欠きを形成してしまうと、対面式キッチンとしての統一感に欠け、意匠性が低い。また、キッチン側サイドパネルと対面キャビネット側サイドパネルとを一体的なものとしてしまうと、対面式キッチンとしての表現の幅が狭く、意匠性が低い。
【0005】
また、従来の対面式キッチン900では、
図10に示すように、キッチン側サイドパネル91と対面キャビネット側サイドパネル95とはそれぞれ独立して設けられており、連結されていない。特に、従来の対面式キッチン900では、
図9に示すように、バックガード93の側面はキッチン側サイドパネル91により被覆され、対面キャビネット側サイドパネル95は対面キャビネットのみを被覆する。このため、キッチン側サイドパネル91と対面キャビネット側サイドパネル95とを対面式キッチン100の内側の空間から連結部材により連結できない。このため、対面キャビネットに荷重をかけたときに両サイドパネル間に隙間が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、意匠性が高く、対面キャビネットに荷重をかけたときにキッチンの側面を覆う第1側板と対面キャビネットの側面を覆う第2側板との間に隙間が生じるのを抑制することが可能となる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る対面式キッチンは、キッチン空間とダイニング空間とを隔てて配置される対面式キッチンであって、キッチンと、前記キッチンよりもダイニング空間側に配置される対面キャビネットと、前記キッチンの側方に配置される第1側板と、前記対面キャビネットの側方に配置される第2側板と、前記第1側板と前記第2側板とを連結する連結部材と、を備え、前記キッチンは、キッチン天板と、前記キッチン天板を支持するキッチン側板と、前記キッチン天板の後側端部に配置されるとともに前記キッチン天板よりも上方に突出されるバックガードと、を有し、前記第1側板は、前記キッチン側板と前記キッチン天板の側面とを被覆するように配置され、前記第1側板の上面は、前記バックガードの上面よりも下方に配置されるとともに平坦状に形成され、前記第2側板は、前記対面キャビネットの側面と前記バックガードの側面とを被覆するように配置され、前記キッチン側板は、前記連結部材を配置するための空間が形成されることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る対面式キッチンは、第1発明において、前記対面キャビネットは、前記第2側板の上部に配置される対面キャビネット天板を有し、前記第2側板の前後方向の幅は、前記対面キャビネット天板の前後方向の幅と同じであり、前記第2側板の前面は、前記対面キャビネット天板の前面と面一であることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る対面式キッチンは、第1発明又は第2発明において、前記第2側板の板厚は、前記第1側板の板厚と異なることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る対面式キッチンは、第3発明において、前記第2側板の板厚は、前記第1側板の板厚よりも厚いことを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る対面式キッチンは、第1発明~第4発明に何れかにおいて、前記連結部材は、前記第1側板と前記第2側板に跨って配置される連結板と、前記連結板を前記第1側板と前記第2側板とに固定する固定部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、意匠性が高く、対面キャビネットに荷重をかけたときにキッチンの側面を覆う第1側板と対面キャビネットの側面を覆う第2側板との間に隙間が生じるのを抑制することが可能となる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態に係る対面式キッチンの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る対面式キッチンの一例を示す拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る連結部材により連結された第1側板と第2側板とを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る対面式キッチンの第1変形例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る対面式キッチンの第2変形例を示す断面図である。
【
図9】
図9は、従来の対面式キッチンを拡大して示す斜視図である。
【
図10】
図10は、従来の対面式キッチンを拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態のいくつかを、図面を参照しながら説明する。各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図において、高さ方向Zとし、高さ方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を左右方向Xとし、高さ方向Z及び左右方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を前後方向Yとする。また、各図における構成は、説明のため模式的に記載されており、例えば各構成の大きさや、構成毎における大きさの対比等については、図とは異なってもよい。
【0016】
(第1実施形態)
対面式キッチン100は、例えば
図1~
図5に示すように、キッチン空間Pとダイニング空間Qとを隔てて配置される。対面式キッチン100は、キッチン1と、対面キャビネット2と、第1側板3と、第2側板4と、連結部材5と、を備える。
【0017】
キッチン1は、
図1に示すように、キッチン側板11と、キッチン天板12と、バックガード13と、キッチン保持板14と、キッチン底板15と、を有する。このほか、キッチン1は、例えば、食器等を収容可能な収容部と、シンクと、コンロ等を有する。キッチン1は、例えばステンレス等で構成される。
【0018】
キッチン側板11は、キッチン天板12を下方から支持して、キッチン天板12に取り付けられる。キッチン側板11は、キッチン1の両端に一対設けられる。キッチン側板11は、例えばステンレス製で構成され、
図3及び
図5に示すように、ステンレス平板の四辺が第1側板3側に向けて折り曲げられて形成される。キッチン側板11は、左右方向Xに直交する断面と前後方向Yに直交する断面とが例えばコの字状に形成される。このようにキッチン側板11は、ステンレス平板が折り曲げられることにより第1側板3側に連結部材5を配置するための空間Sが形成される。
【0019】
キッチン天板12は、直方体形状に形成される。キッチン天板12は、例えばステンレス板が用いられる。キッチン天板12は、キッチン1の上部に配置される。
【0020】
バックガード13は、
図2及び
図3に示すように、キッチン天板12のダイニング空間Q側である後側端部に配置されるとともにキッチン天板12よりも上方に突出される。
【0021】
キッチン保持板14は、対面キャビネット2側に配置される。キッチン保持板14の上部に、キッチン天板12が取り付けられる。キッチン保持板14の左右方向Xの側端に、キッチン側板11が取り付けられる。
【0022】
キッチン底板15は、キッチン1の下部に配置される。キッチン底板15は、キッチン側板11と、キッチン保持板14と、が取り付けられる。
【0023】
対面キャビネット2は、
図4に示すように、内部に食器等を収容する空間が形成され、キッチン1よりもダイニング空間Q側に配置される。対面キャビネット2は、対面キャビネット天板21と、対面キャビネット側板22と、開閉部23と、対面キャビネット保持板24と、対面キャビネット底板25と、を有する。
【0024】
対面キャビネット天板21は、
図1に示すように、直方体形状に形成される。対面キャビネット天板21は、例えば木板等が用いられる。対面キャビネット天板21は、第2側板4の上部に配置される。対面キャビネット天板21の左右方向Xの側面は、
図3に示すように、第2側板4の側面と面一で配置される。なお、対面キャビネット天板21の左右方向Xの側端面は、2側板4の側面よりも左右方向Xに突出するように配置されてもよい。対面キャビネット天板21は、
図4に示すように、バックガード13の上面13aを被覆するように配置される。対面キャビネット天板21の上面21aは、キッチン天板12の上面12aよりも例えば50mm~100mm程度上方に配置される。
【0025】
対面キャビネット側板22は、対面キャビネット2の左右方向Xの両端に一対設けられる。対面キャビネット側板22は、対面キャビネット天板21の下部に配置される。
【0026】
開閉部23は、対面キャビネット2の内部に収容された食器等を出し入れするための開閉扉である。開閉部23の上部に、対面キャビネット天板21が配置される。開閉部23の側方に、対面キャビネット側板22が配置される。
【0027】
対面キャビネット保持板24は、開閉部23とバックガード13の間に配置される。対面キャビネット保持板24の上部に、対面キャビネット天板21が取り付けられる。対面キャビネット保持板24の左右方向Xの側端に、対面キャビネット側板22が取り付けられる。
【0028】
対面キャビネット底板25は、対面キャビネット2の下部に配置される。対面キャビネット底板25は、対面キャビネット側板22と、開閉部23と、対面キャビネット保持板24と、が取り付けられる。
【0029】
第1側板3は、
図2に示すように、キッチン1の側方に配置され、直方体形状に形成される。第1側板3は、例えばメラミン化粧板、セラミック板、ステンレス板、ガラス板等が用いられる。第1側板3の上面3aは、バックガード13の上面13aよりも下方に配置され、キッチン天板12の上面12aよりも上方に配置される。第1側板3の上面3aは、平坦状に形成される。なお、第1側板3の上面3aは、第1側板3の上面3aの前端部に面取り加工が施されていてもよく、このときであっても平坦状といえる。第1側板3の左右方向Xの板厚t1は、例えば15mm程度である。
【0030】
第1側板3は、
図5に示すように、取付部材6を介してキッチン側板11に取り付けられる。第1側板3は、キッチン側板11とキッチン天板12の側面12bとを被覆するように配置される。取付部材6は、キッチン側板11に形成される空間Sに配置され、第1側板3をキッチン側板11に取り付けるための周知の取付部材が用いられる。
【0031】
第2側板4は、
図1に示すように、直方体形状に形成される。第2側板4は、例えばメラミン化粧板、セラミック板、ステンレス板、ガラス板等が用いられる。第2側板4は、対面キャビネット天板21と同じ素材のものが用いられてもよい。第2側板4は、
図2に示すように、バックガード13の側面13bを被覆するように配置される。第2側板4は、対面キャビネット保持板24よりもキッチン空間P側である前側に突出される。
【0032】
図4に示すように、第2側板4の前後方向Yの幅L2は、例えば対面キャビネット天板21の前後方向Yの幅L1と同じであり、第2側板4の前面4cは、対面キャビネット天板21の前面21cと面一であることが好ましい。なお、第2側板4の前後方向Yの幅L2は、例えば対面キャビネット天板21の前後方向Yの幅L1と異なっていてもよい。
【0033】
図5に示すように、第2側板4の左右方向Xの板厚t2は、例えば18mm程度である。第2側板4の左右方向Xの板厚t2は、第1側板3の左右方向Xの板厚t1と異なることが好ましい。第2側板4の左右方向Xの板厚t2は、第1側板3の左右方向Xの板厚t1よりも厚いことがより好ましい。なお、第2側板4の左右方向Xの板厚t2は、第1側板3の左右方向Xの板厚t1と同じでもよい。
【0034】
連結部材5は、
図5に示すように、第1側板3と第2側板4とを連結し、キッチン側板11に形成される空間Sに配置される。連結部材5は、
図6に示すように、連結板51と、固定部材52と、を有する。連結板51は、例えば金属等の板材が用いられる。連結板51は、第1側板3と第2側板4に跨って配置される。固定部材52は、例えばビス、釘等が用いられる。固定部材52は、連結板51を貫通し、連結板51を第1側板3と第2側板4とに固定する。
【0035】
本実施形態では、第1側板3は、キッチン側板11とキッチン天板12の側面12bとを被覆するように配置され、第1側板3の上面3aは、バックガード13の上面13aよりも下方に配置されるとともに平坦状に形成され、第2側板4は、対面キャビネット2の側面2bとバックガード13の側面13bを被覆するように配置され、キッチン側板11は、第1側板3と第2側板4とを連結する連結部材5を配置するための空間Sが形成される。これにより、キッチン1の側面側の圧迫感が軽減し、意匠性を高くすることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態によれば、第1側板3にバックガード13を覆うための切り欠きを形成する必要がない。このため、対面式キッチンとしての統一感を表現することができ、意匠性を高くすることができる。また、第1側板3の製造コストの低減化を図ることが可能となる。
【0037】
また、本実施形態では、第1側板3と第2側板4との境界部分が、空間Sに対向して配置されるものとなる。すなわち、空間Sが連結部材5を配置するための逃げの空間となる。このため、空間Sに配置された連結部材5により、第1側板3と第2側板4とを連結することができる。その結果、対面キャビネット2に荷重をかけたときに第1側板3と第2側板4との間に隙間が生じるのを抑制することが可能となる。
【0038】
本実施形態によれば、第1側板3と第2側板4とがそれぞれ別体であることから、第1側板3と第2側板4の色柄の組み合わせをユーザの好みに応じて設定することができる。このため、対面式キッチン100の表現の幅を広げることができ、意匠性を高くすることが可能となる。
【0039】
本実施形態によれば、第2側板4は、対面キャビネット天板21と同じ素材のものが用いられる。これにより、第2側板4と対面キャビネット天板21との組み合わせをコーディネートすることで多様な意匠表現をすることができ、意匠性を更に高くすることが可能となる。特に、第2側板4と対面キャビネット天板21とを同じ素材のものを用いることで、いわゆるゲートをモチーフにした独自性のある意匠とし、意匠性を更に高くすることが可能となる。
【0040】
本実施形態では、第2側板4の前後方向Yの幅L2は、対面キャビネット天板21の前後方向Yの幅L1と同じであり、第2側板4の前面4cは、対面キャビネット天板21の前面21cと面一である。これにより、対面キャビネット天板21は、バックガード13の上面13aを被覆するように配置されるものとなる。このため、上方からバックガード13が視認しづらくなる。
【0041】
ここで、第1側板3と第2側板4とは現場合わせで設置されることから、第1側板3の板厚と第2側板4の板厚とが同じ場合には、第1側板3と第2側板4とで段差が生じたとき、この段差が取り付け誤差として目立ってしまうおそれがある。この点、本実施形態では、第2側板4の板厚t2は、第1側板3の板厚と異なる。これにより、第1側板3と第2側板4とで段差が生じるものとして取り付け誤差が吸収され、第1側板3と第2側板4との取り付け誤差を目立ちにくくすることができる。
【0042】
特に、本実施形態では、第2側板4の板厚は、第1側板3の板厚よりも厚い。これにより、ダイニング空間Q側から対面式キッチン100を視認したとき、第1側板3が第2側板4に被覆される。このため、ダイニング空間Q側からの対面式キッチン100の見栄えが良くなり、意匠性が更に向上する。
【0043】
本実施形態では、連結部材5は、第1側板3と第2側板4に跨って配置される連結板51と、連結板51を第1側板3と第2側板4とに固定する固定部材52と、を有する。これにより、第1側板3と第2側板4とを連結板51に沿って固定することができる。このため、第2側板4に対して第1側板3を設計された位置に精度よく配置することが可能となる。
【0044】
図7は、実施形態に係る対面式キッチン100の第1変形例を示す断面図である。
図7に示す対面キャビネット天板21の上面21aは、キッチン天板12の上面12aよりも例えば250mm~300mm程度上方に配置される。これにより、例えばキッチン天板12よりも上方の対面キャビネット2に引き出し等を設ける等、対面キャビネット2の収容空間を増加させることができる。このため、利便性を更に向上させることが可能となる。
【0045】
図8は、実施形態に係る対面式キッチン100の第2変形例を示す断面図である。
図8に示すキッチン側板11は、木製で構成され、第1側板3側の面を座繰りする等の板厚方向の一部を切り欠くことにより、連結部材5を配置するための空間Sが形成される。本変形例では、この空間Sが連結部材5を配置するための逃げの空間となる。このため、空間Sに配置された連結部材5により、第1側板3と第2側板4とを連結することができる。その結果、対面キャビネットに荷重をかけたときに第1側板3と第2側板4との間に隙間が生じるのを抑制することが可能となる。なお、図示は省略するが、第1側板3は、板厚方向の全部を切り欠くことにより、連結部材5を配置するための空間Sが形成されてもよい。
【0046】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【符号の説明】
【0047】
100 :対面式キッチン
1 :キッチン
11 :キッチン側板
12 :キッチン天板
13 :バックガード
14 :キッチン保持板
15 :キッチン底板
2 :対面キャビネット
21 :対面キャビネット天板
22 :対面キャビネット側板
23 :開閉部
24 :対面キャビネット保持板
25 :対面キャビネット底板
3 :第1側板
4 :第2側板
5 :連結部材
51 :連結板
52 :固定部材
6 :取付部材
P :キッチン空間
Q :ダイニング空間
S :空間
X :左右方向
Y :前後方向
Z :高さ方向