(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6594 20110101AFI20241223BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20241223BHJP
【FI】
H01R13/6594
H01R12/71
(21)【出願番号】P 2021134708
(22)【出願日】2021-08-20
【審査請求日】2024-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】横山 陽平
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0247014(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0198242(US,A1)
【文献】特開2021-064545(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0119386(US,A1)
【文献】特開2020-202095(JP,A)
【文献】登録実用新案第3230774(JP,U)
【文献】中国実用新案第213584448(CN,U)
【文献】特開2021-089829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6594
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性のハウジングと、前記ハウジングに配列保持された複数の端子と、導電性のシェルとを備え、相手側コネクタと嵌合されるコネクタであって、
前記ハウジングは島状をなして前記シェル内に位置し、
前記シェルは一枚の金属板によって形成されて、前記ハウジングを囲む周壁と、前記周壁の前記相手側コネクタが嵌合されてくる側と反対側の下端から前記周壁の内側に延長された底板と、前記底板から延長された一対の第1保持片及び二対の第2保持片を備え、
前記周壁は全周に亘って継目のない前記金属板の一重構造とされ、
前記一対の第1保持片は前記ハウジングの互いに反対側となる側面にそれぞれ沿うように前記底板から立ち上げられた立ち上げ部と、前記立ち上げ部から折り曲げ延長されて前記ハウジングの前記相手側コネクタが嵌合されてくる側の上面に位置する延長部と、前記延長部から折り曲げ延長された圧入部とをそれぞれ備え、前記圧入部はそれぞれ前記上面に形成された穴に圧入されており、
前記ハウジングの前記側面の前記立ち上げ部が沿う部分を挟む幅方向両端部には前記側面より1段へこんだ段部がそれぞれ形成され、
前記二対の第2保持片の各対は前記第1保持片の両側に位置し、前記底板から立ち上げられて前記段部にそれぞれ嵌め込まれており、
前記第2保持片は前記上面より突出され、かつ前記幅方向において前記ハウジングより突出されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記周壁の上端には外側に曲げられてなる曲げ部が全周に亘って設けられていることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は例えば基板対基板コネクタとして基板に搭載されて使用されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には基板対基板コネクタが記載されており、
図7は特許文献1に記載されている基板対基板コネクタを構成する第1のコネクタ10を示し、
図8は基板対基板コネクタを構成する第2のコネクタ20を示す。
【0003】
第1のコネクタ10は第1のインシュレータ11と、第1のインシュレータ11に配列保持された複数の第1のコンタクト12と、導電性の第1のシェル13とによって構成されている。
図9Aは第1のシェル13を示したものであり、
図9Bは第1のコネクタ10から第1のシェル13を取り除いた状態を示したものである。
【0004】
第1のインシュレータ11は底板部11aと一対の側壁11bとを備え、底板部11aの上面には中央凸部11cが突出形成され、さらに中央凸部11cを挟む両側には側方凸部11dがそれぞれ突出形成されている。中央凸部11cと側方凸部11dの互いに対向する側面には凹部11e,11fがそれぞれ形成されており、第1のコンタクト12はこれら凹部11eと11fにまたがって位置して第1のインシュレータ11に固定保持されている。
【0005】
方形の枠状をなす第1のシェル13は金属板の折り曲げ加工によって形成されており、方形の長辺をなす対向二辺にそれぞれ位置する外壁部14と方形の短辺をなす他の対向二辺にそれぞれ位置する外壁部15とを備え、さらにそれら外壁部14,15からそれぞれ内側に折り返されて外壁部14,15のそれぞれの内側に位置する各一対の内壁部16,17を有している。隣接する外壁部14と15は上端において連結部18によって連結されている。各内壁部17の辺方向両端には突起17aが突出形成されており、各内壁部17の下端の中央部分には腕部19が延長形成されている。
【0006】
第1のシェル13の取付けは第1のコンタクト12を保持した第1のインシュレータ11の上から第1のシェル13を被せて押し込み、突起17aを備えた内壁部17を第1のインシュレータ11の側壁11bの内側面の凹部11gに圧入し、腕部19の先端部19aを中央凸部11cの両端の段部11hの穴11iに圧入することによって行われる。
【0007】
第2のコネクタ20は第2のインシュレータ21と、第2のインシュレータ21に配列保持された複数の第2のコンタクト22と、導電性の第2のシェル23とによって構成されている。第2のインシュレータ21は一対の保持壁21aを備えており、第2のコンタクト22は第2のインシュレータ21にインサート成形されて各保持壁21aに配列固定されている。
【0008】
方形の枠状をなす第2のシェル23は金属板の折り曲げ加工によって形成され、方形の長辺をなす対向二辺にそれぞれ位置する外壁部24と、方形の短辺をなす対向二辺にそれぞれ位置する外壁部25と、外壁部24と25の上端を連結する連結部26とを備えている。第2のシェル23の取付けは第1のコネクタ10の第1のシェル13と同様、第2のコンタクト22を保持した第2のインシュレータ21の上から第2のシェル23を被せて押し込むことによって行われる。
【0009】
第1のコネクタ10と第2のコネクタ20は互いに対向される基板の互いの対向面に実装されて互いに接続される。
図10は第1のコネクタ10と第2のコネクタ20が接続された状態を示したものであり、基板の図示は省略されている。第2のコネクタ20は第1のコネクタ10の方形枠状をなす第1のシェル13内に嵌め込まれて接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、このように基板対基板コネクタとして基板に搭載されるコネクタは、使用される電子機器の小型化、高実装密度化及び電気信号の高周波化に伴い、EMI対策がますます重要な課題となってきている。
【0012】
しかるに、上述した第1のコネクタ10と第2のコネクタ20とよりなる従来の基板対基板コネクタでは第1のコネクタ10及び第2のコネクタ20はそれぞれ導電性の第1のシェル13及び第2のシェル23を備え、これら第1のシェル13及び第2のシェル23によってそれぞれ電磁シールドを行うものとなっているものの、第1のコネクタ10及び第2のコネクタ20のそれぞれ外郭を構成する第1のシェル13及び第2のシェル23はいずれも方形の角部において外壁をなす部分が欠落した形状となっており、よってこの外壁の欠落部分から電磁気的な漏れが生じるため、シールド効果は十分とは言えないものとなっていた。
【0013】
この発明の目的はこの問題に鑑み、優れたシールド性能を有するコネクタを提供することにあり、さらに相手側コネクタとの嵌合、離脱時の損傷を防止できるようにしたコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明によれば、絶縁性のハウジングと、ハウジングに配列保持された複数の端子と、導電性のシェルとを備え、相手側コネクタと嵌合されるコネクタにおいて、ハウジングは島状をなしてシェル内に位置され、シェルは一枚の金属板によって形成されて、ハウジングを囲む周壁と、周壁の相手側コネクタが嵌合されてくる側と反対側の下端から周壁の内側に延長された底板と、底板から延長された一対の第1保持片及び二対の第2保持片を備え、周壁は全周に亘って継目のない金属板の一重構造とされ、一対の第1保持片はハウジングの互いに反対側となる側面にそれぞれ沿うように底板から立ち上げられた立ち上げ部と、立ち上げ部から折り曲げ延長されてハウジングの相手側コネクタが嵌合されてくる側の上面に位置する延長部と、延長部から折り曲げ延長された圧入部とをそれぞれ備え、圧入部はそれぞれ前記上面に形成された穴に圧入されており、ハウジングの前記側面の立ち上げ部が沿う部分を挟む幅方向両端部には前記側面より1段へこんだ段部がそれぞれ形成され、二対の第2保持片の各対は第1保持片の両側に位置し、底板から立ち上げられて前記段部にそれぞれ嵌め込まれており、第2保持片は前記上面より突出され、かつ前記幅方向においてハウジングより突出されているものとされる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、優れたシールド性能を有し、かつ相手側コネクタとの嵌合、離脱時の損傷を防止することができるようにしたコネクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】Aはこの発明によるコネクタの一実施例を示す上方から見た斜視図、BはAに示したコネクタを下方から見た斜視図。
【
図2】Aは
図1Aにおける端子を保持したハウジングを示す上方から見た斜視図、BはAに示した端子を保持したハウジングを下方から見た斜視図。
【
図3】Aは
図1Aにおけるシェルを示す上方から見た斜視図、BはAに示したシェルを下方から見た斜視図。
【
図4】Aは
図1Aに示したコネクタと嵌合される相手側コネクタを示す上方から見た斜視図、BはAに示した相手側コネクタを下方から見た斜視図。
【
図5】
図1に示したコネクタと
図4に示した相手側コネクタが嵌合された状態を示す斜視図。
【
図6】Aは
図1に示したコネクタと
図4に示した相手側コネクタの嵌合途中の一状態を示す断面図、Bは
図1に示したコネクタと
図4に示した相手側コネクタの嵌合途中の他の状態を示す断面図。
【
図7】従来の基板対基板コネクタにおける第1のコネクタを示す斜視図。
【
図8】従来の基板対基板コネクタにおける第2のコネクタを示す斜視図。
【
図9】Aは
図7における第1のシェルを示す斜視図、Bは
図7における第1のコンタクトを保持した第1のインシュレータを示す斜視図。
【
図10】
図7に示した第1のコネクタと
図8に示した第2のコネクタが接続された状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
【0018】
図1はこの発明によるコネクタの一実施例を示したものであり、このコネクタ100は例えば基板対基板コネクタとして一方の基板に搭載されるコネクタであって、相手側コネクタが嵌め込まれる側のコネクタ(相手側コネクタを受容するコネクタ)であり、前述の、
図7に示した第1のコネクタ10に対応する。
【0019】
コネクタ100は絶縁性のハウジング30と、ハウジング30に配列保持された複数(この例では40本)の端子40と、導電性のシェル50とによって構成されている。
図2はコネクタ100からシェル50を取り除いた状態を示したものであり、
図3はシェル50の詳細を示したものである。
【0020】
ハウジング30は樹脂製とされ、この例では細長く扁平な略直方体形状をなす。ハウジング30には長手方向両端部を残して長手方向に延伸する2本の細長い溝31が互いに平行に形成されている。これら各溝31の互いに対向する長手方向の内壁には凹部32,33が所定のピッチで長手方向に配列されてそれぞれ形成されており、互いに対向して形成された凹部32,33の組は各溝31にそれぞれ20組形成されている。ハウジング30の長手方向両端部において、ハウジング30の、相手側コネクタが嵌合されてくる側の上面30aには穴34がハウジング30の幅方向中央に位置してそれぞれ形成されている。また、ハウジング30の長手方向両端の側面30b,30cの幅方向両端部には側面30b,30cより1段へこんだ段部35がそれぞれ形成されている。なお、ハウジング30の2本の溝31で挟まれた部分は中央凸部36をなして上面30aよりやや高くされている。
【0021】
端子40はハウジング30の下面30dから挿入されてハウジング30に取り付けられている。端子40は凹部32と33にまたがって位置してハウジング30の各溝31にそれぞれ20本配列されている。なお、基板のパッドにはんだ付け接続される各端子40の接続部41はハウジング30の下面30dに形成された凹部37に位置して先端がハウジング30の側面30e,30fからそれぞれわずかに突出されている。
【0022】
シェル50は一枚の金属板が加工されて形成されており、矩形の枠状をなす周壁51と、周壁51の基板に搭載される側(相手側コネクタが嵌合されてくる側と反対側)の下端から周壁51の内側に延長形成された底板52と、底板52から延長形成された一対の第1保持片53と二対の第2保持片54とを備えている。
【0023】
底板52はシェル50の長手方向両端部に位置して周壁51がなす開口をわずかに塞ぐものとされており、一対の第1保持片53はシェル50の長手方向両端部に位置する底板52から互いに対向するように立ち上げられて形成されている。各第1保持片53は立ち上げ部53aと、立ち上げ部53aから互いに内向きに折り曲げられて延長された延長部53bと、延長部53bから下方に折り曲げられて延長された圧入部53cとよりなる。
【0024】
二対の第2保持片54の各対は第1保持片53の両側に位置して第1保持片53の立ち上げ部53aと同様、底板52から立ち上げられている。これら第2保持片54の、第1保持片53に向く側の端面には突起54aがそれぞれ突出形成されている。なお、底板52には第1保持片53と第2保持片54の間にそれぞれ位置するように切欠き52aが設けられている。
【0025】
周壁51は全周に亘って継目がなく、金属板が連続した金属板の一重構造となっており、上端には外側に曲げられてなる曲げ部51aが全周に亘って設けられている。周壁51の矩形の長辺をなす対向二辺の上端側には内向きに突出されてなる突部51bがそれぞれ2つ形成されており、矩形の短辺をなす他の対向二辺の上端側には同様に内向きに突出されてなる突部51cがそれぞれ1つ形成されている。
【0026】
上記のような構成を有するシェル50は所要の形状に型抜きしたブランク(平板)を絞り加工した後、第1保持片53及び第2保持片54の曲げ加工及び突部51b,51cを突き出す加工を行うことによって形成される。
図3A中、矢印Dは絞り加工の方向を示す。底板52は絞り加工における底をなす。
【0027】
シェル50のハウジング30への取付けは、端子40を保持したハウジング30の上方からシェル50を押し下げ、一対の第1保持片53の圧入部53cをハウジング30の穴34にそれぞれ圧入し、突起54aを有する二対の第2保持片54をそれぞれハウジング30の段部35に嵌め込むことによって行われる。ハウジング30はこれら一対の第1保持片53と二対の第2保持片54によって保持されてシェル50内に島状に位置し、全周がシェル50の周壁51によって囲まれた構造となって、
図1に示したコネクタ100が完成する。なお、一対の第1保持片53の立ち上げ部53aはハウジング30の側面(ハウジング30の互いに反対側となる側面)30b,30cにそれぞれ沿うように位置し、ハウジング30を挟み込んだ構造となり、延長部53bはハウジング30の上面30aに位置する。また、ハウジング30の側面30b,30cの、第1保持片53の立ち上げ部53aが沿う部分を挟む幅方向両端部に位置する段部35に嵌め込まれた各第2保持片54の上端はハウジング30の上面30aより突出され、突起54aが形成されている側と反対側の側端は側面30b,30cの幅方向においてハウジング30より突出され、即ちハウジング30の長手方向に沿う側面30e,30fより突出される。
【0028】
図4は上述したコネクタ100と嵌合されて基板対基板コネクタを構成する相手側コネクタ200を示したものであり、
図4中、60は絶縁性のハウジングを示し、70は端子を示す。また、80は導電性のシェルを示す。端子70はハウジング60にインサート成形されて二列に配置されており、一列20本、二列で計40本配列されている。
【0029】
矩形の枠状をなすシェル80はこの例では金属板の折り曲げ加工によって形成されており、矩形の長辺をなす対向二辺にそれぞれ位置する外壁部81と、矩形の短辺をなす対向二辺にそれぞれ位置する外壁部82と、外壁部81と82の上端を連結する連結部83と、各外壁部82から内側に折り返されて外壁部82の内側に位置する内壁部84とを備えている。なお、外壁部82は辺方向中央が欠落されて2分されており、また辺方向両端から折り曲げ延長されて外壁部81の内側に位置し、外壁部81と重なる延長部82aを備えている。
【0030】
シェル80は端子70を保持したハウジング60の上からシェル80を被せて押し込むことによってハウジング60に取り付けられている。シェル80の両外壁部81には外向きに突出されてなる突部81aがそれぞれ2つ形成されている。
【0031】
図5はコネクタ100と相手側コネクタ200が嵌合された状態を、コネクタ100及び相手側コネクタ200がそれぞれ実装される基板の図示を省略して示したものであり、相手側コネクタ200はコネクタ100のシェル50内に嵌め込まれて接続される構造となっている。
【0032】
以上、この発明によるコネクタの一実施例としてのコネクタ100の構成について説明し、加えて相手側コネクタ200の構成及び相手側コネクタ200との嵌合状態についても説明したが、コネクタ100の構成によれば、下記(1)~(3)の効果を得ることができる。
(1)コネクタ100の外郭を構成し、電磁シールドを担うシェル50の周壁51は全周に亘って継目がなく、金属板が全周に亘って連続している構造となっているため、従来の第1のコネクタ10のように電磁気的な漏れが生じるといったことは発生せず、よって優れたシールド性能を得ることができる。
【0033】
加えて言えば、コネクタ100は相手側コネクタ200が嵌め込まれて相手側コネクタ200を受容するコネクタであるため、相手側コネクタ200との嵌合状態ではシェル50の周壁51によって相手側コネクタ200も囲まれるため、例えば相手側コネクタ200のシールド性能が十分でなくても、嵌合状態においては十分なシールド性能を実現することができる。
(2)一対の第1保持片53の立ち上げ部53aはハウジング30の側面30b,30cにそれぞれ沿い、ハウジング30を挟み込むように位置し、また延長部53bはハウジング30の上面30a上に位置しており、二対の第2保持片54はそれぞれ上端がハウジング30の上面30aより突出し、側端がハウジング30の側面30e,30fより突出した構成となっている。よって、これらの構成により、相手側コネクタ200との嵌合時にコネクタ100に対し、相手側コネクタ200がずれていたり、あるいはコネクタ100をこじるような傾きが相手側コネクタ200に生じていても、相手側コネクタ200の金属製のシェル80が樹脂製のハウジング30にぶつかることによってハウジング30が損傷するといったことを回避することができるものとなっている。
【0034】
図6A,Bはこの様子を示したものであり、
図6Aはハウジング30の長手方向に相手側コネクタ200がずれ、かつ長手方向に傾いて嵌合される状態を示し、
図6Bはハウジング30の幅方向に相手側コネクタ200がずれ、かつ幅方向に傾いて嵌合される状態を示す。
図6Aでは相手側コネクタ200のシェル80は第1保持片53にぶつかるため、ハウジング30の損傷を防止することができ、また
図6Bでは相手側コネクタ200のシェル80は第2保持片54にぶつかるため、ハウジング30の損傷を防止することができる。このように一対の第1保持片53と二対の第2保持片54はハウジング30を保持すると共に、ハウジング30の損傷を防止する機能を有するものとなっている。
(3)シェル50の周壁51は従来の第1のコネクタ10のように金属板が内外に二重に存在する構成と異なり、一重の金属板によって構成され、またこの周壁51が位置する部分にはハウジング30は存在せず、周壁51が単独で存在し、ハウジング30はシェル50内に島状に位置する構成となっているため、これらの点からコネクタを小型化しやすい構成となっている。
【符号の説明】
【0035】
10 第1のコネクタ 11 第1のインシュレータ
11a 底板部 11b 側壁
11c 中央凸部 11d 側方凸部
11e,11f,11g 凹部 11h 段部
11i 穴 12 第1のコンタクト
13 第1のシェル 14,15 外壁部
16,17 内壁部 17a 突起
18 連結部 19 腕部
19a 先端部 20 第2のコネクタ
21 第2のインシュレータ 21a 保持壁
22 第2のコンタクト 23 第2のシェル
24,25 外壁部 26 連結部
30 ハウジング 30a 上面
30b,30c,30e,30f 側面 30d 下面
31 溝 32,33 凹部
34 穴 35 段部
36 中央凸部 37 凹部
40 端子 41 接続部
50 シェル 51 周壁
51a 曲げ部 51b,51c 突部
52 底板 52a 切欠き
53 第1保持片 53a 立ち上げ部
53b 延長部 53c 圧入部
54 第2保持片 54a 突起
60 ハウジング 70 端子
80 シェル 81,82 外壁部
81a 突部 82a 延長部
83 連結部 84 内壁部
100 コネクタ 200 相手側コネクタ