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▶ イソラ・ユーエスエイ・コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/38 20060101AFI20241223BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
H05K3/38 B
H05K3/46 G
H05K3/46 Z
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021165553
(22)【出願日】2021-10-07
(62)【分割の表示】P 2018560474の分割
【原出願日】2017-05-18
(65)【公開番号】P2022008960
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-05
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-26
(31)【優先権主張番号】62/337,979
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517006566
【氏名又は名称】イソラ・ユーエスエイ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Isola USA Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100206140
【弁理士】
【氏名又は名称】大釜 典子
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ゲイ
【合議体】
【審判長】馬場 慎
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-148078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K3/38
H05K3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)第1の平面および第2の平面を有する平面誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔シートの前記第1の平面は、前記平面誘電材料層の前記第1の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の平面および第2の平面のそれぞれは、接着強化層を含み、該接着強化層は、表面の粗さを低減させる接着強化方法によって形成される、平面状シートを準備する工程と、
(ii)回路パターンを含む内層シートを形成するために、所定の場所に回路パターンの銅を残したまま前記第1の銅箔シートの不要な部分を除去して、前記第1の銅箔シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンが形成された後には前記回路パターンに形成されない、回路パターンを形成する工程と、
を含む、プリント回路基板の製造方法。
【請求項2】
誘電材料層が前記回路パターンの第2の平面に接着するように、前記誘電材料層が前記内層シートに積層される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接着強化法を用いて、前記第1の銅箔シートの前記第1の平面および前記第2の平面に接着強化層を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の接着強化法を用いて、前記第1の銅箔シートの前記第1の平面に前記接着強化層を形成し、第2の接着強化法を用いて、前記第1の銅箔シートの第2の平面に前記接着強化層を形成し、前記第1の接着強化法と前記第2の接着強化法とは異なる接着強化法である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記接着強化層は、約0.25~約5.0ミクロンのRz粗さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の銅箔シートの前記第1の平面の表面粗さは、約1.5ミクロン未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の銅箔シートの前記第2の平面の表面粗さは、約2.5ミクロン未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記回路パターンは、前記第1の銅箔シートの前記第1の平面に対応する底壁と、前記第1の銅箔シートの前記第2の平面に対応する天壁と、側壁と、を含み、
前記側壁は、接着強化層を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記内層シートは、複数の伝送線路を有する回路パターンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記平面状シートは、第1の平面と第2の平面とを有する第2の銅箔シートを含み、前記第2の銅箔シートの第1の平面は、前記平面誘電材料層の第2の平面と接し、前記第2の銅箔シートの前記第1の平面および前記第2の平面のそれぞれは、接着強化層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
回路パターンが前記第2の銅箔シートに形成され、接着強化層は、前記第2の銅箔シートの前記回路パターンが形成された後には前記第2の銅箔シートの前記回路パターンに形成されない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
レイアップが、少なくとも1つの内層シートをプリプレグ上に積み重ねることによって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の銅箔シートの前記第1の平面および前記第2の平面の粗さは同じである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の銅箔シートの前記第1の平面および第2の平面の粗さは、約0.1~約6.0ミクロンの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の銅箔シートおよび前記第2の銅箔シートはそれぞれ、1オンスの銅箔、1/2オンスの銅箔および1/4オンスの銅箔から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の銅箔シートは、10~400ミクロンの厚さを有する銅箔シートである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の銅箔シートの少なくとも1つの前記接着強化層がコーティングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記回路パターンは、約25~約250ミクロンの幅を有する複数の伝送線路を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の銅箔シートの前記第1の平面および前記第2の平面に同時に前記接着強化層を付与する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記平面状シートは、樹脂被覆銅、銅被覆プリプレグまたはCステージ積層板から選択される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の回路が既知及び再現性のある伝送線路の総信号損失を有する低プロファイルの銅層から積層板上に電気回路を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板(PCB:Printed circuit board)の設計者は、高速デジタルアプリケーション用のPCBに用いられる材料の限界を引き続き押し広げている。25Gb/チャンネル以上のデータレートを達成可能な伝送線路を備えた新しいPCBには、新規な樹脂システム(resin systems)、広がった扁平なガラス布および極めて低プロファイルの銅箔を有する積層板(laminates)およびプリプレグを使用して誘電特性を改善する新規な設計を開発するためのラミネーターが要求される。これらの設計の特徴の各々は、完成したプリント回路基板の電気的性能に影響を与える。
【0003】
銅箔技術により、新規かつ改善された表面トポグラフィーを用いて開発が続けられており、銅/誘電体の接着強度を改善し、表皮効果を低減している。銅箔の表面トポグラフィーは、PCBの製造に使用される材料に関連する信号損失の原因となる。5~7μmの粗さを有する箔と2~3μmの粗さを有する箔との間で、30%までの信号損失差が見られている。この改善は、積層材料全体の性能を改善するために活用することができる。しかしながら、信号損失の改善は、ラミネート(誘電材料層)に接着されて直接接触する銅箔表面に限定される。
【0004】
回路パターンを製造するための銅張積層板の内層加工では、銅伝送線路の3つの面を露出させ、プリプレグまたは内層間のボンディングシートへの接着を強化するように処理される。一般に酸化物(oxide)または接着強化プロセスと呼ばれる処理プロセスは、銅表面を改質して、処理された銅表面の隣接する誘電材料層との機械的および/または化学的結合を強化する種々の手段を通じて達成される。銅表面改質プロセスと同様に、得られる銅トポグラフィーは、使用される化学の種類、プロセス制御および製造者の能力、および内層を加工するために使用される装置に応じて異なる。これらの主要な寄与因子の各々は、プリント回路製造者間の結果として生じる銅表面トポグラフィーの変動を比較するときに拡大される(magnified)。
【0005】
伝送線路上に4つの表面がある。これらの表面のうち、積層板メーカー(laminate manufacturer)は、トレース(trace)の底部-ラミネートに接着される表面(銅の重量に応じて断面積の周囲の約40~45%)を制御し、伝送線路の頂部または銅箔のプロセス面を部分的にしか制御しない。ラミネーターは、許容可能な剥離強度を提供する最も低い表面プロファイルを有する箔を選択し、次に最も低いプロファイル表面、典型的にはドラム面を積層板に接着してもよい。ラミネーターは、「出荷時の」上部銅箔トポグラフィーを制御し、極めて低いプロファイルの銅を選択してもよいが、PCB製造者は、典型的には、銅の上面または伝送線路の上面に接着強化プロセスを施し、最終的な伝送線路の上面および側壁のプロファイル、およびその後の信号損失に対する影響を決定するのは、選択されたプロセスおよび選択されたプロセスのパフォーマンスである。
【0006】
PCB製造者は、種々の接着強化プロセスおよびプロセスパラメータを使用して、伝送線路の天壁および側壁のプロファイルを変更する。許容される回路損失仕様が低減され続けているため、プリント回路基板製造者間の接着強化プロセスからの表面トポグラフィーの相違が問題になってきている。製造者間の接着強化の表面トポグラフィー変動は、大きくなる課題と考えられ、種々のプリント回路基板の製造者の工程能力を合わせて、それぞれが接着強化を通じて内層を加工し、厳しい表面トポグラフィーの仕様を満足することを確保する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様は、第1の平面および第2の平面を有する平面誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔の平面は、前記第1の誘電材料層の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートを準備する工程と、回路パターンを含む内層シートを形成するために、所定の場所に回路パターンの銅を残したまま前記第1の平面銅シートの不要な部分を除去して前記第1の平面銅シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンに形成されない、回路パターンを形成する工程と、を含む、プリント回路基板の製造方法である。
【0008】
本発明の別の態様は、(a)第1の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程であって、第1の平面および第2の平面を有する誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔の第1の平面は、前記誘電材料層の第1の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の平面および第2の平面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートを準備する工程と、前記回路パターンを含む第1の製造された内層シートを形成するために、所定の場所に回路パターンの銅を残したまま前記第1の平面銅シートの不要な部分を除去して前記第1の銅箔シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンに形成されないで、前記回路パターンは、全回路損失を有する伝送線路を含む、回路パターンを形成する工程と、前記第1の製造された内層シートを第1の製造されたプリント回路基板に組み込む工程と、を含む、第1の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程と、(b)続いて、第2の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程であって、第1の平面および第2の平面を有する誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔シートの第1の平面は、前記誘電材料層の第1の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートを準備する工程と、回路パターンを含む第2の製造された内層シートを形成するために、所定の場所に回路パターンの銅を残したまま前記第1の平面銅シートの不要な部分を除去して前記第1の平面銅シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンに形成されないで、前記回路パターンは、全回路損失を有する伝送線路を含む、回路パターンを形成する工程と、前記第2の製造された内層シートを第2の製造されたプリント回路基板に組み込む工程であって、前記第1の製造された内層の前記伝送線路は、本質的に前記第2の製造された内層の伝送線路と一致している、前記第2の製造された内層シートを第2の製造されたプリント回路基板に組み込む工程と、を含む、第2の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程と、(c)複数の第1の製造された内層および第2の製造された内層を形成するために、工程(a)および工程(b)を複数回繰り返す工程であって、前記複数の第1の製造された内層の少なくとも90パーセントの伝送線路の測定された全損失と、前記複数の第2の製造された内層の少なくとも90%の伝送線路の測定された全損失とは、互いに10%以下異なる、工程(a)および工程(b)を複数回繰り返す工程と、を含む、複数のプリント回路基板の製造方法である。
【0009】
本発明の更に別の態様は、第1の平面および第2の平面を有する平面誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含み、前記第1の銅箔の平面は、前記第1の誘電材料層の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートである。
【0010】
特定の態様において、接着強化層は、約0.25~約5.0ミクロンのRz粗さを有する。他の態様において、第1の平面銅箔シートの第1の平面の表面粗さは、約1.5ミクロン未満である。更に他の態様において、第1の銅箔シートの第2平面の表面粗さは、約2.5ミクロン未満である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、プレクリーニング後、表面酸化前の銅箔表面の写真である。
図1B図1Bは、プレクリーニング後、表面酸化前の銅箔表面の写真である。
図2A図2Aは、プレクリーニング後に酸化物処理工程(oxide treatment step)が行われた銅箔表面の写真である。
図2B図2Bは、プレクリーニング後に酸化物処理工程が行われた銅箔表面の写真である。
図3A図3Aは、回路を形成するための本発明の方法における工程図である。
図3B図3Bは、回路を形成するための本発明の方法における工程図である。
図3C図3Cは、回路を形成するための本発明の方法における工程図である。
図4図4は、図3Cに示されているような内層シートを含む例示的なプリント回路基板の断面図である。
図5図5は、プリント回路基板が同一または本質的に同一の回路を含む異なる製造場所でプリント回路基板を製造するためのプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、樹脂被覆銅シート、銅被覆プリプレグ(copper clad prepregs)または銅張Cステージ積層板(copper clad c-staged laminates)のような平面材料シート(planar material sheets)を使用してプリント回路基板を製造する方法に関し、平面状シート(planar sheets)は、誘電材料シートまたは層、および少なくとも1つの平面銅箔(planar copper foil)またはシート表面を含み、銅箔またはシートは、両方の平面銅表面上に接着強化層を含み、回路が銅箔またはシートに形成される前に、銅箔またはシートに接着強化層が付与されている。本発明はさらに、1つまたは2つの露出した銅箔またはシート表面を有する樹脂被覆銅シート、銅被覆プリプレグおよび銅張積層板に関し、各銅箔またはシートの両方の平面には、接着強化層が付与されている。
【0013】
本発明の方法、プリプレグおよび積層板は、接着強化層で前処理された銅箔またはシートを含む。本明細書の目的のために、「箔」という用語は、任意の既知の方法によって作製された薄い平面銅シート材料、例えば、ローラー銅箔および電着銅箔を指し、これは樹脂被覆、プリプレグクラッディングとしての使用、またはそうでなければプリント回路基板の製造に使用されるときに有用である。
【0014】
銅箔シートは、種々の厚さを有する銅箔から選択されてもよく、好ましくは2オンス銅箔、1オンス銅箔、1/2オンス銅箔および1/4オンス銅箔から選択される銅箔でもよい。また、銅箔は、低プロファイルの銅箔または極めて低プロファイルの銅箔であることが好ましい。極めて低プロファイルの銅箔という用語は、1.3マイクロメートル以下のRz表面粗さ、好ましくは0.9マイクロメートル以下のRz表面粗さを有する銅箔と定義される。典型的には、低プロファイルの銅箔シートは、10~400ミクロンの厚さを有し、極めて低プロファイルの銅シートは、約5~約200ミクロン、より狭く約5~約35ミクロンの厚さを有する。
【0015】
本発明の二重処理された銅箔は平面状であり、第1の平面および第2の平面を含み、銅箔の両方の平面は、銅箔シートの各平面上に薄い接着強化層を形成する方法で前処理される。前処理は、根粒形生処理(nodulation treatment)、HET箔処理(HET foil treatment)、MLS箔処理(MLS foil treatment)、表面酸化物処理および他の類似の処理工程などの、当該技術分野で周知の任意の方法によって達成されてもよい。一態様において、同じ前処理方法を使用して、銅箔の第1および第2の平面に単一の工程で接着強化層を付与する。別法として、第1の処理方法によって銅箔の第1の平面に接着強化層を付与し、第2の処理方法によって第2の平面に接着強化層を付与する。
【0016】
図1Aおよび図1Bは、接着強化層処理前の銅箔シートの2つの表面の写真である。一般に、処理前の銅箔は、約0.4~約6.0μm、好ましくは約2.5μm以下の表面粗さ(Rz)を有する。「低プロファイルの銅箔」という用語は、約2.5μm以下のRz表面粗さを有する、誘電体層に接着される1つの平面を有する銅箔として定義される。銅電着または移動ドラムによって製造される銅箔について、図1Aおよび図1Bに示すように、銅箔のドラム面は、非ドラム面または「つや消し(matte)」面よりも滑らかな表面粗さを有する。そのような箔では、つや消し面は、ドラム面よりも1~3μm大きい表面粗さRzを有してもよい。
【0017】
図2Aおよび図2Bは、両方の銅箔平面上に接着強化層を形成するための1つ以上の接着強化方法による前処理後の銅箔シートの表面の写真である。接着強化方法では、通常、銅箔表面1~2μmから薄い銅層が除去される。さらに、接着強化方法は、通常、接着強化前の表面粗さと比較して、接着強化銅箔表面の粗さを減少させる。一態様において、接着強化表面を有する銅箔シートは、約0.25~約5.0μm、好ましくは約2.5μm未満、最も好ましくは約1.5μm未満のRz表面粗さを有する。
【0018】
本明細書で用いられている「接着強化層」という用語は、改善された剥離強度によって証明されるように、隣接する誘電材料層に接着する銅箔シートの能力を改善するために、および/または、銅箔表面へのフォトレジスト材料の接着を改善するために、何らかの方法で改質された銅箔シートの表面を指す。
【0019】
接着強化層は、誘電材料層に対するその接着性を改善するために、銅箔シートの表面を処理するかまたは改質するための当技術分野において周知の任意の方法によって形成されてもよい。方法としては、銅箔表面にシランまたは他の材料を塗布すること、銅箔表面の酸化物処理(oxide treatment)、化学洗浄などの化学的方法を含む。方法としては、マイクロエッチ処理(micro-etch treatments)、軽石処理(pumice treatment)などの機械的方法も含む。
【0020】
接着強化層はさらに、隣接する誘電材料層への銅箔の接着を容易にする材料で処理または被覆されてもよい。例えば、接着強化層は、シラン材料層であってもよく、または、例えば、参照によって本明細書に取り込まれる米国特許または出願No.5,525,433、5,622,782、6,248,401および2013/0113523の各々の明細書に開示されているシラン材料層で被覆されていてもよい。
【0021】
銅箔層に接する誘電材料層またはシートは、プリント回路基板技術において使用されるかまたは使用され得る任意の誘電材料から作製されてもよい。誘電材料の例は、エポキシ樹脂系およびポリイミド樹脂系のような熱硬化性樹脂を含む。ポリテトラフルオロエタンなどの熱可塑性材料も誘電材料層として採用されてもよい。
【0022】
本発明の方法および物品(articles)は、銅箔のそれぞれの平面が接着強化層を含む2つの平面を有する銅箔の平面と接しているか接着される、第1の平面と対向する第2の平面とを有する誘電材料層を含む平面状シートを含む。
【0023】
一例では、平面状シートは、プリプレグ(prepreg)である。プリプレグは、特別に配合された樹脂をガラス繊布に含浸することによって製造される。樹脂はプリプレグに特定の電気的、熱的および物理的特性を付与する。プリプレグは、両方の平面上に接着強化層を有する銅箔の薄層によって片面または両面に積層されたプリプレグの内層から成る銅張積層板に組み込まれる。積層は、1層以上の銅とプリプレグを強い熱、圧力および真空条件下で一緒にプレスすることによって達成される。接着強化層は、プリプレグ材料への銅箔の接着を容易にし、銅箔がプリプレグ材料から容易に剥離しないことを確保するために重要である。プリプレグ誘電材料は、典型的には、樹脂が部分的に硬化されていることを意味するbステージである。
【0024】
別の例では、平面状シートは、その平面の一方または両方に接着された銅箔層を含む完全に硬化された樹脂またはポリマーであってもよい。
【0025】
さらに別の例では、平面状シートは、樹脂被覆銅箔シートであってもよい。樹脂被覆銅は、多層高密度相互接続用の薄い誘電体として有用である。樹脂被覆銅は、電着銅箔上に支持された1層以上の樹脂からなる。樹脂は支持されていない。樹脂被覆銅は、電気回路を封止しながら、また外層導体としても作用しながら、電気絶縁層として作用し得る。樹脂被覆銅に接する樹脂は、BステージまたはCステージであってもよく、またはBステージの樹脂層とCステージの樹脂層との組み合わせを含んでもよい。樹脂被覆銅は、硬質ラミネートと共にキャップ層または連続的な積層(build up)として用いられてもよく、またフレックスカバーレイ(flex coverlay)用途に用いられてもよい。樹脂被覆銅からガラス補強を排除することにより、機械的な穿孔以外の手段によるブラインドマイクロビア(blind microvias)の大量形成が可能になる。
【0026】
図3A図3Bおよび図3Cは、本発明の特定の方法および製品の代表例である。二重処理(両方の平面上の接着強化層)銅箔シート(10)を図3Aに示す。二重処理銅箔シート(10)はさらに、第1の接着強化層である第1の表面処理平面(12)および第2の接着強化層である第2の表面処理平面(14)を含む。図3Bにおいて、2つの二重処理銅箔シート(10、10')は、第1の銅シートの第1の表面処理平面(14)が隣接し且つ平面誘電材料層(16)の第1の平面(18)に接着されるように、平面誘電材料層(16)に接着される。また、図3Bにおいて、第1の表面処理平面(14’)および第2の表面処理平面(12’)を有する第2の任意の銅箔シート(10’)は、誘電材料層(16)の第2の平面(20)に接着される。
【0027】
図3Bにおいて、第2の平面(12、12')は、さらなる処理のために露出したままである。次に、典型的には第1の表面処理平面にマスクを適用し、エッチングによってマスクされていない銅部分を除去することによって、回路が二重処理箔シート(10)に形成される。図3Cは、各伝送線路が第2の接着強化層(12または12')、第1の接着強化層(14または14')および側壁(20)を含む複数の伝送線路(32、34および36)を含む内層シート(40)であるエッチングプロセスの結果を示し、伝送線路の側壁(42)は、接着強化層を含まない。いくつかの実施形態において、伝送線路は、接着強化層を含まない1つ以上の端壁(end walls)を有してもよい。
【0028】
銅箔の頂部および底部、または伝送線路の断面積の周囲(perimeter)の約80~90%の表面トポグラフィーは、十分に制御された銅箔製造工程の結果であろう。換言すると、銅箔の一部が除去され、回路を形成するとき、回路を構成する表面の80~90%(回路の側面ではなく上面および底面)が表面処理されている。結果として、PCBメーカーは、回路構造が形成された後に回路構造に接着強化層を形成する必要がないため、2つ以上の製造設備(manufacturing facilities)にわたるプリント回路基板のばらつきを本質的に取り除く。
【0029】
プリント回路基板の製造者は、銅張積層板を使用して、しばしば繰り返される複数の工程が含まれた複雑なプロセスで多層PCBを製造している。一般に、積層板の銅表面をエッチングして電子回路を形成する。これらのエッチングされた積層板は、各エッチングされた積層板の間に1層以上の絶縁プリプレグを挿入することによって多層構成に組み立てられる。次に、穴(ビア)をあけてPCBにメッキし、層間の電気的接続を確立する。結果として得られる多層PCBは、半導体および他の部品が実装される複雑な相互接続デバイスであり、それが最終製品に組み込まれる。
【0030】
図4は、本発明の1つ以上の内層シート(40、40’、40’’)を含むプリント回路基板(50)の断面図である。典型的なプリント回路基板は、プリプレグ(42)によって任意に分離され且つ異なる内層シート上に形成された回路をつなぐ任意のビア(44)を含む、少なくとも1つ、より典型的には複数の内層シート(40)を含む。プリント回路基板(50)は、上部回路(46)および下部回路(48)を任意に含んでもよい。
【0031】
図5は、2つの異なる製造設備、すなわち第1の製造設備(100)と第2の製造設備(200)でプリント回路基板を製造するためのプロセスの概略図である。ステップ(110)の方法によれば、同じ平面状シートが両方の製造設備でPCB部品として準備される。準備された平面状シート(110)は、第1の平面および第2の平面を有する平面誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートとを含み、第1の銅箔の平面は第1の誘電材料層の平面と接しており、第1の銅箔シートの第1の表面と第2の表面は、それぞれ接着強化層を含む。
【0032】
次に、ステップ(120)および(220)において、伝送線路構造を含む第1の製造された内層シートを形成するために、所定の場所に回路の銅を残したまま第1の平面銅シートの不要な部分を除去することによって、第1および第2の製造設備のそれぞれにおいて、本質的に、同じ伝送線路構造が、第1の平面銅シートに形成される。このステップの間、接着強化層は、伝送線路構造に形成されない。結果として得られる伝送線路構造は、回路損失を有する第1の伝送線路を含む。
【0033】
第1の製造設備で伝送線路構造を形成するのに使用される方法(120)は、第2の製造設備で伝送線路構造を形成するのに使用される方法(220)と同じでも異なっていてもよい。例えば、一方のステップでポジ型フォトレジストを使用し、他方のステップでネガ型フォトレジストを使用してもよい。これは、伝送線路構造を形成するための方法が、第1の製造設備と第2の製造設備との間でどのように変動し得るかの一例に過ぎず、他の方法の変動は当業者の知識の範囲内であろう。
【0034】
次に、ステップ(130)および(230)において、伝送線路構造を含む内層シートをプリント回路基板に組み込む。プリント回路基板(図4に示す)は、単一の内層シート(40)または1つ以上のプリプレグ層(42)によって分離された複数の内層シート(40’、40’’)を有していてもよい。層を他の層の上に積み重ねてレイアップを形成し、次にそれを熱と圧力にさらしてシートを互いに接着する。第1および第2の製造設備のそれぞれにおいて、ビア形成、外側表面めっきおよび回路形成などのさらなる処理を全て完了して最終的なプリント回路基板を形成することができる。実行され得るPCB処理ステップの例は、ラミネーション、ビア空け(via drilling)、ダイレクトメタライゼーション、外層イメージング(outer layer imaging)、めっき、剥離/エッチング外層(strip/etch outer layer)、はんだマスク塗布、最終仕上げ、個々のPCBを形成するためのルーティング、および電気試験および検査を含む。また、一態様において、複数の本質的に同一のPCBが第1の製造設備で製造され、複数の本質的に同一のPCBが第2の製造施設で製造される。さらに、第1の製造設備で製造されたPCBは、第2の製造設備で製造されたPCBと本質的に同一である。この文脈における「本質的に同一」という用語は、製造されたPCBが、例えばPCBマザーボードとして、または特定の携帯電話モデル用の一次回路基板として同じ用途を意図されていることを意味する。
【0035】
伝送線路構造の形成と同様に、第1および第2の製造設備でプリント回路基板を形成するために行われる工程は同じでもよく、または異なってもよい。しかしながら、一態様において、第1の製造設備で製造された複数のPCBおよび第2の製造設備で製造された複数のPCBは、それぞれ同じ回路構造を有する内層と少なくとも1つの本質的に同一の伝送線路とを有する。ステップ(140)において、複数のPCBの本質的に同一の各伝送線路の全損失が検査される。最初に準備された内層(110)は、同じ方法によって製造された第1および第2の接着強化層を有する銅箔を含むため、回路損失は複数のPCB間で約10%以内で変動するはずである。
【0036】
一般的に、本明細書で使用される「損失」という用語は、「総損失」、すなわち
チャネル媒体での望ましくない影響により、通信システムの受信機に伝達されないすべての信号電力を指す。一般的なチャネルにおける信号電力損失の原因としては、電気信号の完全性に影響を与えるプリント回路基板材料および製造プロセスの不完全性を含む多くの考えられる原因がある。PCB伝送線路レベルでは、伝搬損失を含む様々な損失源がある。一態様において、「損失」は、IPC TM-650 2.5.5.12に記載されている4つの検査方法のうちの1つを使用して測定される。4つの損失検査方法には、ルートインパルスエネルギー(RIE: Root Impulse Energy)、等価帯域幅(EBW: Equivalent Bandwidth)、Sパラメータ(Sparameters)、および短パルス伝搬(SPP: Short Pulse Propagation)がある。別の態様において、損失とは、伝送線路の挿入損失を単独で、または誘電損失と組み合わせて表したものである。総挿入損失(αT)は、導体(αC)、誘電体(αD)、放射(αR)および漏れ損失(αL)を加味して測定される。
【0037】
製品および製品を使用する方法を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に規定された開示の範囲から逸脱することなく修正および変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示のいくつかの態様が本明細書で特に有利であると特定されているが、本発明は必ずしも開示のこれらの特定の態様に限定されないことが考えられる。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含み得る。
(態様1)
(i)第1の平面および第2の平面を有する平面誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔の平面は、前記第1の誘電材料層の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートを準備する工程と、
(ii)回路パターンを含む内層シートを形成するために、所定の場所に前記回路パターンの銅を残したまま前記第1の平面銅シートの不要な部分を除去して前記第1の平面銅シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンに形成されない、回路パターンを形成する工程と、
を含む、プリント回路基板の製造方法。
(態様2)
誘電材料層が前記回路パターンの前記第2の平面に接着するように、前記誘電材料層が前記内層シートに積層される、態様1に記載の方法。
(態様3)
接着強化法を用いて、前記平面銅箔シートの第1および第2の表面に接着強化層を形成する、態様1に記載の方法。
(態様4)
第1の接着強化法を用いて、前記平面銅箔シートの第1の表面に前記接着強化層を形成し、第2の接着強化法を用いて、前記平面銅箔シートの第2の表面に前記接着強化層を形成し、前記第1の接着強化法と前記第2の接着強化法とは異なる接着強化法である、態様3に記載の方法。
(態様5)
前記接着強化層は、約0.25~約5.0ミクロンのRz粗さを有する、態様1に記載の方法。
(態様6)
前記第1の平面銅箔シートの第1の平面の表面粗さは、約1.5ミクロン未満である、態様1に記載の方法。
(態様7)
前記第1の銅箔シートの第2の平面の表面粗さは、約2.5ミクロン未満である、態様1に記載の方法。
(態様8)
前記回路パターンは、前記第1の銅シートの第1の平面に対応する底壁と、前記第1の銅箔シートの第2の平面に対応する天壁と、側壁と、を含み、
前記側壁は、接着強化層を含まない、態様1に記載の方法。
(態様9)
前記内層シートは、複数の伝送線路を有する回路パターンを含む、態様1に記載の方法。
(態様10)
前記平面状シートは、第1の平面と第2の平面とを有する第2の銅箔シートを含み、前記第2の銅箔の第1の平面は、前記誘電材料層の第2の平面と接し、前記第2の平面銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、態様1に記載の方法。
(態様11)
回路パターンが前記第2の銅シートに形成され、接着強化層が前記回路パターンに形成されない、態様10に記載の方法。
(態様12)
レイアップが、少なくとも1つの内層シートをプリプレグ上に積み重ねることによって形成される、態様1に記載の方法。
(態様13)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面の粗さは、本質的に同じである、態様1に記載の方法。
(態様14)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面の粗さは、約0.1~約6.0ミクロンの範囲である、態様1に記載の方法。
(態様15)
前記銅箔は、1オンスの銅箔、1/2オンスの銅箔および1/4オンスの銅箔から選択される、態様1に記載の方法。
(態様16)
前記第1の銅箔シートは、10~400ミクロンの厚さを有する低プロファイルの銅箔シートであり、より好ましくは、約5ミクロン~約200ミクロンの厚さ、より狭くは、約5~約35ミクロンの厚さを有する極めて低プロファイルの銅シートである、態様1に記載の方法。
(態様17)
少なくとも1つの第1の銅シートの接着強化層がコーティングを含む、態様1に記載の方法。
(態様18)
前記回路パターンは、約25~約250ミクロンの幅を有する複数の伝送線路を含む、態様9に記載の方法。
(態様19)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面に同時に前記接着強化層を付与する、態様1に記載の方法。
(態様20)
前記平面状シートは、樹脂被覆銅、銅被覆プリプレグまたはCステージ積層板から選択される、態様1に記載の方法。
(態様21)
(a)第1の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程であって、
第1の平面および第2の平面を有する誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔の第1の平面は、前記誘電材料層の第1の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の平面および第2の平面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートを準備する工程と、
回路パターンを含む第1の製造された内層シートを形成するために、所定の場所に前記回路パターンの銅を残したまま前記第1の平面銅シートの不要な部分を除去して前記第1の銅箔シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンに形成されないで、前記回路パターンは、全損失を有する伝送線路を含む、回路パターンを形成する工程と、
前記第1の製造された内層シートを第1の製造されたプリント回路基板に組み込む工程と、
を含む、第1の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程と、
(b)第2の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程であって、
第1の平面および第2の平面を有する誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含む平面状シートを準備する工程であって、前記第1の銅箔シートの第1の平面は、前記誘電材料層の第1の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シートを準備する工程と、
回路パターンを含む第2の製造された内層シートを形成するために、所定の場所に前記回路パターンの銅を残したまま前記第1の平面銅シートの不要な部分を除去して前記第1の平面銅シートに回路パターンを形成する工程であって、接着強化層は、前記回路パターンに形成されないで、前記回路パターンは、全損失を有する伝送線路を含む、回路パターンを形成する工程と、
前記第2の製造された内層シートを第2の製造されたプリント回路基板に組み込む工程であって、前記第1の製造された内層の前記伝送線路は、本質的に前記第2の製造された内層の伝送線路と一致している、前記第2の製造された内層シートを第2の製造されたプリント回路基板に組み込む工程と、
を含む、第2の製造場所で複数のプリント回路基板を製造する工程と、
(c)複数の第1の製造された内層および第2の製造された内層を形成するために、工程(a)および工程(b)を複数回繰り返す工程であって、
前記複数の第1の製造された内層の少なくとも90パーセントの前記伝送線路の測定された全損失と、前記複数の第2の製造された内層の少なくとも90%の前記伝送線路の測定された全損失とは、互いに10%以下異なる、工程(a)および工程(b)を複数回繰り返す工程と、
を含む、複数のプリント回路基板の製造方法。
(態様22)
前記複数の第1の製造された内層の少なくとも95パーセントの前記伝送線路の測定された全損失と、前記複数の第2の製造された内層の少なくとも95%の前記伝送線路の測定された全損失とは、互いに10%以下異なる、態様21に記載の方法。
(態様23)
前記銅箔シートが誘電材料層に接する前に、接着強化法を用いて、前記平面銅箔シートの第1および第2の表面に接着強化層を形成する、態様21に記載の方法。
(態様24)
第1の接着強化法を用いて、前記平面銅箔シートの第1の表面に前記接着強化層を形成し、異なる第2の接着強化法を用いて、前記平面銅箔シートの第2の表面に前記接着強化層を形成する、態様23に記載の方法。
(態様25)
前記接着強化層は、約0.25~約5.0μmのRz粗さを有する、態様21に記載の方法。
(態様26)
前記第1の平面銅箔シートの第1の平面の表面粗さは、約1.5ミクロン未満である、態様21に記載の方法。
(態様27)
前記第1の銅箔シートの第2の平面の表面粗さは、約2.5ミクロン未満である、態様21に記載の方法。
(態様28)
工程(a)および(b)で形成される前記回路パターンは、前記第1の銅シートの第1の平面に対応する底壁と、前記第1の銅箔シートの第2の平面に対応する天壁と、側壁と、を含み、
前記側壁は、接着強化層を含まない、態様21に記載の方法。
(態様29)
工程(a)および(b)で製造される内層シートは、複数の伝送線路を有する回路パターンを含み、前記第1の製造設備と前記第2の製造設備とは、前記第1および第2の製造されたプリント回路基板を形成するための異なる方法を使用する、態様21に記載の方法。
(態様30)
工程(a)および(b)それぞれの前記平面状シートは、第1の平面と第2の平面とを有する第2の銅箔シートを含み、前記第2の銅箔の第1の平面は、前記誘電材料層の第2の平面と接し、前記第2の平面銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、態様21に記載の方法。
(態様31)
回路パターンが、工程(a)および(b)において、前記第2の銅シートに形成され、接着強化層が前記回路パターンに形成されない、態様30に記載の方法。
(態様32)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面の粗さは、本質的に同じである、態様21に記載の方法。
(態様33)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面の粗さは、約0.4~約6.0μmの範囲である、態様21に記載の方法。
(態様34)
工程(a)および(b)において用いられる前記第1の銅箔シートは、1オンスの銅箔、1/2オンスの銅箔および1/4オンスの銅箔から選択される、態様21に記載の方法。
(態様35)
工程(a)および(b)において用いられる前記第1の銅箔シートは、約5ミクロン~約35ミクロンの厚さを有する極めて低プロファイルの銅シートである、態様21に記載の方法。
(態様36)
少なくとも1つの第1の銅シートの接着強化層がコーティングを含む、態様21に記載の方法。
(態様37)
少なくとも1つの伝送線路は、約25~約250ミクロンの幅を有する、態様21に記載の方法。
(態様38)
工程(a)および(b)において用いられる前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面に同時に前記接着強化層を付与する、態様21に記載の方法。
(態様39)
工程(a)および(b)の前記平面状シートは、樹脂被覆銅、銅被覆プリプレグまたはCステージ積層板から選択される、態様21に記載の方法。
(態様40)
第1の平面および第2の平面を有する平面誘電材料層と、第1の平面および第2の平面を有する第1の銅箔シートと、を含み、
前記第1の銅箔の平面は、前記第1の誘電材料層の平面と接しており、前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、平面状シート。
(態様41)
回路パターンの銅を所定の位置に残して、前記第1の平面銅シートの不要な部分が除去されるように、回路パターンが前記第1の平面銅シートに形成され、接着強化層はそれが形成された後に前記回路パターンに形成されない、態様40に記載の平面状シート。
(態様42)
第2の誘電材料層が、前記回路パターンの前記第2の平面に接着されるように、前記平面状シートに積層される第2の誘電材料層を含む、態様40に記載の平面状シート。
(態様43)
前記第1の銅箔シートの第1の表面および第2の表面の前記接着強化層は、異なる接着強化法によって形成される、態様40に記載の平面状シート。
(態様44)
前記接着強化層は、約0.25~約5.0ミクロンのRz粗さを有する、態様40に記載の平面状シート。
(態様45)
前記第1の銅箔シートの第1の平面の前記表面粗さは、約1.5ミクロン未満である、態様40に記載の平面状シート。
(態様46)
前記第1の銅箔シートの第2の平面の前記表面粗さは、約2.5ミクロン未満である、態様40に記載の平面状シート。
(態様47)
前記回路パターンは、前記第1の銅シートの第1の平面に対応する底壁と、前記第1の銅箔シートの第2の平面に対応する天壁と、側壁と、を含み、
前記側壁は、接着強化層を含まない、態様41に記載の平面状シート。
(態様48)
前記回路パターンは、複数の伝送線路を含む、態様47に記載の平面状シート。
(態様49)
第1の平面および第2の平面を有する第2の銅箔シートを含み、
前記第2の銅箔の第1の平面は、前記誘電材料層の第2の平面と接し、前記第2の平面銅箔シートの第1の表面および第2の表面のそれぞれは、接着強化層を含む、態様40に記載の平面状シート。
(態様50)
回路パターンが前記第2の銅シートに形成され、接着強化層が前記回路パターンに形成されない、態様49に記載の平面状シート。
(態様51)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面の前記粗さは、本質的に同じである、態様40に記載の平面状シート。
(態様52)
前記第1の銅箔シートの前記第1および第2の平面銅表面の前記粗さは、約0.1~約6.0ミクロンの範囲である、態様40に記載の平面状シート。
(態様53)
前記銅箔は、1オンスの銅箔、1/2オンスの銅箔および1/4オンスの銅箔から選択される、態様40に記載の平面状シート。
(態様54)
前記第1の銅箔シートは、約5ミクロン~約35ミクロンの厚さを有する極めて低プロファイルの銅シートである、態様40に記載の平面状シート。
(態様55)
少なくとも1つの第1の銅シートの接着強化層がコーティングを含む、態様40に記載の平面状シート。
(態様56)
樹脂被覆銅、銅被覆プリプレグまたは銅被覆Cステージ積層板から選択される、態様40に記載の平面状シート。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5