(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】電子ビームによって包装及び/又はプリフォームを照射するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/08 20060101AFI20241223BHJP
B65B 55/04 20060101ALI20241223BHJP
B65B 55/08 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
A61L2/08 108
B65B55/04 C
B65B55/08 B
(21)【出願番号】P 2021575460
(86)(22)【出願日】2020-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2020062566
(87)【国際公開番号】W WO2021004678
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】102019118238.7
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506040652
【氏名又は名称】クロネス アクティェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ミッコ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンツィンガー, フランク
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-280151(JP,A)
【文献】特開2018-070199(JP,A)
【文献】特開平08-041632(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0110481(US,A1)
【文献】特開2019-099179(JP,A)
【文献】特開2012-180129(JP,A)
【文献】特開2008-207935(JP,A)
【文献】特開平11-114030(JP,A)
【文献】特開2009-220156(JP,A)
【文献】特開2019-018207(JP,A)
【文献】特開平11-137645(JP,A)
【文献】特表2018-503565(JP,A)
【文献】特表2016-506340(JP,A)
【文献】特表2015-507579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/08
B65B 55/04
B65B 55/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装(2)及び/又は包装のためのプリフォームを照射する方法であって、
前記包装及び/又は前記プリフォームが、少なくとも1つの電子ビーム(6、26、36)に曝露され、前記包装及び/又は前記プリフォーム、及び/又は、前記電子ビームが、プロセス中にロボットアーム(4)上で取り扱われ、
前記ロボットアーム(4)は、多関節アームロボット又はデルタキネマティックロボットの形態のプログラム可能な産業用ロボットの一部であ
り、
前記ロボットアーム(4)が、前記ロボットアーム(4)上で支持された前記電子ビーム(6、26)のエミッタ(5、25)を交換するために、保管部(43)に移動し、前記保管部(43)で交換されるべき前記エミッタを取り外し、前記保管部(43)で利用可能に保持されたエミッタ(5、25)を適所で受け取る、方法。
【請求項2】
前記包装(2)が、内部照射のために少なくとも1つの第1の電子ビームに曝露され、及び/又は、外部照射のために少なくとも1つの第2の電子ビーム(26)に曝露され、前記第2の電子ビームは前記ロボットアーム(4)上に沿って生成されそれぞれ移動される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の電子ビーム(6)及び/又は前記第2の電子ビーム(26)と前記ロボットアーム(4)上の前記包装とが互いに対して移動される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記包装(29)が、前記ロボットアーム(4)の旋回、傾動及び/又は直線運動によって、前記包装(29)の外部照射のために第3の、特に静止した、電子ビーム(36)の領域内に誘導される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つの前記包装(2)が、前記ロボットアーム(4)上で同時に取り扱われ、プロセス中に少なくとも1つの電子ビーム(6、26、36)に曝露される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ロボットアーム(4)が、クリーンルーム条件に従う保管領域(44)に不十分に照射された包装(2’)を配置し、特に搬送間隔及び/又は搬送中断が入口側にある場合に、さらなる包装(2)を処理した後に、前記保管領域(44)から前記包装(2’)を再びピックアップし、前記包装(2’)を再び電子ビーム(6、26、36)に曝露する、請求項
1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
電子照射後の前記ロボットアーム(4)が、前記包装(2)を逆さまの位置状態に回転させ、及び/又は異なる製造ラインに分配する、請求項
1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ロボットアーム(4)を取り囲むクリーンルーム(42)に存在する機械表面(46)が、前記ロボットアーム上に沿って生成され移動される少なくとも1つの電子ビームによって、特に第1の電子ビーム(6)及び/又は第2の電子ビーム(26)によって滅菌される、請求項
1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項
1~8のいずれか一項による包装(2)及び/又は
包装のためのプリフォームを照射する
方法のための装置(1、21、31、41)であって、
前記包装(2)及び/又は前記プリフォームが照射されている間に前記包装及び/又は前記プリフォームを取り扱うためのロボットアーム(4)を有する多関節アームロボット又はデルタキネマティックロボットの形態のプログラム可能な産業用ロボット(3)と、
前記電子ビームを生成するために、静止した態様において、前記ロボットアーム上に沿って及び/又は前記ロボットアームの取り扱い領域の中にて、移送される少なくとも1つのエミッタ(5、25、35)と
を備え、
第1のエミッタ(5)及び/又は第2のエミッタ(25)用の保管部(43)をさらに有し、
前記保管部(43)が、前記ロボットアーム(4)の取り扱い領域に配置され、前記ロボットアームが、前記第1のエミッタ(5)及び/又は前記第2のエミッタ(25)をピックアップ及びセットダウンするためのモータ制御ホルダ(7)を備える、装置。
【請求項10】
前記包装(2)及び/又は前記プリフォームの内部照射用の少なくとも1つの第1のエミッタ(5)及び/又は外部照射用の少なくとも1つの第2のエミッタ(25)が、前記ロボットアーム(4)に取り付けられている、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のエミッタ(5)が、指形状であり、前記包装(2)及び/又は前記ロボットアーム(4)に保持された前記包装(2)及び/又は前記プリフォーム内にモータによって移動することができる、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2のエミッタが前記ロボットアーム上に保持された前記包装(2)及び/又は前記プリフォームの周りで回転運動(27)を実行することができ、プロセス中に前記包装及び/又は前記プリフォーム上に導かれるように、前記第2のエミッタ(25)が前記ロボットアーム(4)上のモータによって回転可能に取り付けられている、請求項
10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記包装(2)及び/又は前記プリフォームの外部照射のために、前記ロボットアーム(4)の前記取り扱い領域に特に静止した態様で配置された第3のエミッタ(35)をさらに有する、請求項
9~12のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームによって包装及び/又は包装のためのプリフォームを照射する、特に滅菌するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、欧州特許第3415302号明細書から、電子ビームによってプラスチック容器をコーティング及び/又は滅菌することが知られている。この目的のために、容器は、回転ホルダのカルーセル上に配置され、カルーセルの周囲に静止して配置された電子ビームエミッタの取り扱い領域を通って誘導される。カルーセル及び生成された電子ビームの両方は、食品製造のための関連する衛生規則によりクリーンルームによって囲まれている。
【0003】
しかしながら、問題は、静止して配置されたエミッタが、プラスチック容器の外部滅菌及び内部滅菌の両方の役割を担い、したがって相応に強力で、比較的大きな空間を必要としなければならないことである。加えて、容器は、静止電子ビームによって固定基準円に沿って搬送され、これは、滅菌が異なる包装に不十分にしか適合され得ないことを意味する。
【0004】
別の問題は、カルーセル上の容器が電子ビームを通る製品の連続的な流れとして誘導され、進行中の製造プロセス中の個々の容器の不十分な滅菌は、下流に排出されるという点でしか反応できないことである。これは、製品の損失又は不十分に滅菌されたプラスチック容器の製品の流れへの複雑な戻りを引き起こす。
【0005】
例えば、滅菌性能が低下したときの電子ビームエミッタの修理は、望ましくないほど長い生産ダウンタイムに関連付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述の問題の少なくとも1つに関して改善された、包装及び/又はプリフォームを照射し、特に滅菌するための方法及び装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、請求項1に記載の方法及び独立装置請求項に記載の装置によって満たされる。
【0008】
本方法は、包装及び/又は包装のためのプリフォームを照射するため、特に滅菌するために使用されるが、代わりに又は加えて、原理として既知の、適切なコーティング剤の作用を受けて包装やプリフォームをコーティングするのにも適している。いずれの場合でも、包装及び/又はプリフォームは、少なくとも1つの電子ビームを受け、プロセス中においてロボットアームで取り扱われる。追加的又は代替的に、電子ビームは、照射中にロボットアーム上で取り扱うことができる。
【0009】
包装は、特に、例えば飲料などの食品用の製品容器である。包装は、ボトル、缶、カップ、ボウルなどであり得る。これはまた、蓋、スクリューキャップなどのような包装の個々の構成要素を含むことが好適である。
【0010】
包装は、好適にはプラスチックボトル、特にPET製のボトルである。プリフォームもまた、好適にはPETから作製される。そのような包装及びプリフォームは、電子ビームによって特に効率的な方法で滅菌及び/又はその他の場合、処理、例えばコーティングすることができる。
【0011】
既知のように、プリフォームは、さらなる製造プロセス、特にブロー成形プロセスで包装に形成されるプラスチックブランクを意味すると理解されるべきである。次いで、プリフォーム及びそこからブロー加工される包装、特にボトルは、既知のように同一のネック仕上がり部を有し、その結果、特にネック仕上がり部を外部及び/又は内部から把持することによって(いわゆるネック取り扱いで)本明細書に記載のロボットアーム上で包装やプリフォームを取り扱うことは、包装及びプリフォームに等しく適している。
【0012】
プリフォームが以下に明示的に言及されていない場合、「包装」という用語は、より読みやすいように「包装及び/又はプリフォーム」を表すものとする。
【0013】
ロボットアームは、プログラム可能な産業用ロボットの一部である。プログラム可能な産業用ロボットは、例えば、多関節アームロボット、ポータルロボット、又はデルタキネマティックロボット(例えば、「三脚型」)であり得る。
【0014】
「取り扱い」とは、電子照射のために包装及び/又は少なくとも1つのエミッタを保持して移動させることを意味する。この目的のために、ロボットアームは、好適には、各々1つの包装のための少なくとも1つの外部グリッパ及び/又は内部グリッパを備える。外部グリッパ及び内部グリッパの場合、この組み合わせを使用して、グリッパのそれぞれ露出した接触領域を処理(滅菌)することができるように、同じ包装を内側及び外側で交互に把持することができる。
【0015】
ロボットアーム上で取り扱われるエミッタは、例えば、ロボットアームとは独立して取り扱われる/搬送される包装上に/包装の中に配置することができる。例えば、内部照射のためにこのようにして取り扱われる包装にロボットアームによってエミッタを導入するために、包装の別個の、特にクロック的な搬送が考えられる。外部照射のためにこのようにして取り扱われる包装に沿って、ロボットアームによってエミッタを誘導するために、包装の別個の、特に連続的な搬送も考えられる。
【0016】
さらに、ロボットアームは、少なくとも入口側で包装をピックアップし、電子ビームの領域に包装を配置し、照射後のさらなる処理のために出口側で包装を再び排出するために、原理として既知の方法でいくつかの自由度を伴う運動を可能にする。特に、ロボットは、3つ以上、特に4つ以上の軸を有することができる。
【0017】
包装の内部照射のために、包装は、好適には、ロボットアーム上で生成され、特にロボットアームに沿って移動される第1の電子ビームに曝露される。次いで、包装の内部を、比較的低い照射エネルギー、照射出力及び/又は照射持続時間を伴う電子ビームによって滅菌及び/又はコーティングすることができる。加えて、包装の内部は、実質的にロボットアームでの取り扱いの全持続時間中に第1の電子ビームに曝露される可能性があり、次いで取り扱いの持続時間は、それぞれ効率的に利用されるか、又は全体的に最小化される可能性がある。
【0018】
第1の電子ビーム及びロボットアーム上の包装は、特にロボットアームからロボットアーム上に保持された包装内への指形状/棒状のエミッタのモータ駆動延長部によって、互いに対して移動されることが好適である。後者は、例えば、外部グリッパによって包装のネック仕上がり部に保持することができる。
【0019】
指形状エミッタは、直線駆動装置、スピンドル駆動装置などによって包装に拡張することができる。処理される包装の長さに応じて、指形状エミッタは、照射中に包装の長手方向軸線に沿って異なる延長部に延伸され、及び/又は移動され得る。
【0020】
エミッタ及び/又は駆動装置にエネルギーを供給するためのリード線は、ロボットアームのハウジングの中、すなわち内側に通すことができる。これにより、ロボットアームの清掃が容易になる。
【0021】
特に、ロボット自体が、ロボットのハウジングの部品、特に存在するエミッタを洗浄及び/又は滅菌することができる。
【0022】
2つのそのようなロボットが互いに近接している場合には、ロボットは、特に存在するエミッタを用いて、互いに洗浄及び/又は滅菌することができる。
【0023】
包装の外部照射のために、包装は、好適には、ロボットアーム上で生成され、特にロボットアームに沿って移動される第2の電子ビームに曝露される。次いで、包装の外壁を、比較的低い照射エネルギー、照射出力及び/又は照射持続時間を伴う電子ビームによって滅菌及び/又はコーティングすることができる。加えて、包装の外壁は、実質的にロボットアームでの取り扱いの全持続時間中に第2の電子ビームに曝露される可能性があり、次いで取り扱いの持続時間は、それぞれ効率的に利用されるか、又は全体的に最小化される可能性がある。したがって、比較的小型で安価なエミッタを包装の外部照射に採用することができる。
【0024】
第2の電子ビーム及びロボットアーム上の包装は、特に包装の周りの第2の電子ビームの部分的に円周方向の循環によって、互いに対して移動されることが好適である。次いで、関連するエミッタは、例えばモータによって、ロボットアームに回転可能に取り付けられたブームなどの上で包装の周りを移動する。次いで、包装は、ロボットアームに対して一定の及び/又は任意の回転位置で比較的容易に取り扱うことができるが、例えば側面から、及び下方から斜めに完全に照射することができる。次いで、包装の側壁及び基部領域を効率的に滅菌及び/又はコーティングすることができる。
【0025】
外部照射のために、包装は、ロボットアームの旋回、傾動、及び/又は直線運動によって、第3の、特に静止、電子ビームの領域に誘導されることが好適である。次いで、第3の電子ビームの領域の異なる位置に包装を柔軟に配置することができる。
【0026】
加えて、第3の電子ビームの領域の包装は、ロボットアーム上に存在する回転可能なホルダによって包装の長手方向軸線を中心に回転させることができ、及び/又はそれに対して垂直に、例えば上下逆さまの位置状態まで傾動させることができる。
【0027】
例えば、ロボットアームに沿って搬送される指形状エミッタによる内部照射、及び固定エミッタによる外部照射が考えられる。
【0028】
少なくとも2つの包装は、好適には、ロボットアーム上で、及び少なくとも1つの電子ビームに曝露されるプロセスにおいて同時に取り扱われる。これにより、機械性能を最適化することができる。
【0029】
ロボットアームに沿って搬送される電子ビームのエミッタを交換するために、ロボットアームは、好適には、保管部に移動し、そこで交換されるべきエミッタを取り外し、取り外されたエミッタの代わりに、保管部で利用可能にされたエミッタを受け取る。取り扱い領域/ロボットの範囲内で利用可能にされたエミッタは、迅速にアクセスされ、例えばエミッタの性能が低下したときの交換のために、又は型式の切り替えのために、クリーンルーム条件を受けることができる。
【0030】
例えば、保管部に新しいエミッタを装備するために、保管部を外部から開いた後、ロボットは、保管部の一部(特に内壁)又は新しいエミッタをそれぞれ滅菌することができる。
【0031】
2つのそのようなロボットが互いに隣接して配置されている場合には、両方が同じ保管部にアクセスすることができる。
【0032】
ロボットアームは、好適には、クリーンルーム条件を受ける保管領域に不十分に照射された包装を配置し、特に搬送間隔及び/又は搬送中断が入口側にある場合には、他の包装を取り扱い/照射した後に、保管領域から、これらの包装を再び取り出すだけである。次いで、不十分に照射された包装は、電子ビームに再曝露される。ロボットの取り扱い領域の無菌中間保管部は、不十分に照射された包装の製品の流れへの戻りを単純化し、製品の損失を低減する。特に、この目的のために、ロボットの近傍にレールが存在することができ、このレールには、特にレールの上に存在する支持リング上に包装を吊り下げるか又は引っ掛けることができる。包装の基部表面上への配置も可能である。
【0033】
ロボットアームは、特に第1、第2、及び/又は第3の電子ビームの照射後に、包装を逆さまの位置状態に回転させることが好適である。例えば、後続のリンサー(洗い流し機)では、逆さまの位置状態が必要である。したがって、ロボットはまた、後続の処理ステップのための包装の位置を変更するために使用するのが有効であり得る。次いで、他の場所での位置の対応する変更のための追加のアセンブリは不要である。追加的又は代替的に、ロボットアームは、例えばプリフォームの下流で異なる包装を製造するために、又は異なる充填ステーションに包装を供給するために、特に電子照射後にプリフォームを異なる製造ラインに分配する。
【0034】
ロボットアームを取り囲むクリーンルームに存在する機械表面は、好適には、ロボットアーム上に沿って生成及び搬送される少なくとも1つの電子ビームによって、特に第1及び/又は第2の電子ビームによって滅菌される。機械表面は、例えば、ロボットの表面、包装の入口側及び/又は出口側の搬送装置の表面、並びに隣接する処理機械及び/又は検査機械の表面であり得る。回転機械の表面の照射は、ロータ上の機械表面が電子ビームを通って移動する場合に特に効率的である。
【0035】
次いで、ロボットアームは、包装の取り扱い、配置、及び/又は分配、並びに機械表面のメンテナンスの実行、又は衛生生産規制の遵守のために、様々な作業に柔軟に使用することができる。
【0036】
特許請求される装置は、特に上述の実施形態の少なくとも1つにより、電子ビームによって包装を照射し、特に滅菌するために使用される。装置は、電子ビームを受けたときに包装を取り扱うためのロボットアームを有するプログラム可能なロボット、並びに電子ビームを生成するために、ロボットアームに沿って搬送され、及び/又はロボットアームの取り扱い領域に、特に固定して配置された少なくとも1つのエミッタを備える。したがって、本発明による方法に関して説明した利点を達成することができる。
【0037】
包装の内部照射のための第1のエミッタ及び/又は包装の外部照射のための第2のエミッタは、好適にはロボットアームに取り付けられる。エミッタと包装との間の照射距離が小さいため、これにより、少なくとも1つの電子ビームへの比較的効率的な照射、並びに内部照射及び/又は外部照射のためのロボットアームでの取り扱い時間の効率的な利用が可能になる。加えて、ロボットアーム上の包装は、電子ビームで比較的短い配置動作を用いて正確に配置することができる。
【0038】
第1のエミッタは、好適には指形状又は棒状であり、モータによってロボットアームに保持された包装内に移動させることができる。次いで、第1のエミッタは、第1の電子ビームの作用の領域を適合させるために、及び/又は包装の内部全体を電子放射に適切にさらすために、包装の長手方向に柔軟に移動させることもできる。次いで、包装は、好適には、外部グリッパによってロボットアームに保持される。しかしながら、包装のための内部グリッパの使用も考えられ、第1のエミッタは、その後、内部グリッパに形成された凹部を通して包装に導入される。
【0039】
第2のエミッタは、好適には、エミッタがそれぞれ円周方向に、ロボットアームに保持された包装の周りで移動することができるように、モータによって回転可能であるようにロボットアームに取り付けられる。これにより、ロボットアーム上の包装のピックアップ及びセットダウンを妨げることなく、部分的に円周方向又は完全に円周方向の外部照射を可能にする。次いで、包装は、好適には、内部グリッパによってロボットアームに保持される。しかしながら、原理として、外部グリッパの使用も考えられる。
【0040】
装置は、好適には、包装の外部照射のために特にロボットアームの固定取り扱い領域に配置された第3のエミッタをさらに備える。包装は、ロボットアームを活用して第3のエミッタの取り扱い領域に比較的柔軟に配置することができる。そのような固定エミッタはまた、回転非対称であるか、又は例えば成形表面などの他の何らかの複雑な形状を有する包装に特に適している。
【0041】
装置は、好適には、少なくとも1つ、特に複数の第1及び/又は第2のエミッタ用の保管部をさらに備え、保管部は、ロボット/ロボットアームの取り扱い領域に配置され、ロボットアームは、第1、第2のエミッタをピックアップ及びセットダウンするためのモータ制御ホルダを備える。ホルダは、例えば、第1/第2のエミッタ用の機械式、空気圧式、油圧式、及び/又は電気式の迅速交換式結合器であり得る。摩耗及び/又は型式の切り替えの場合には、エミッタは、自動化された方法で、製造作業をほとんど又は全く中断することなく、比較的迅速に任意選択的に変更することができる。エミッタの型式のメンテナンス/適合を実行するための追加の装置は不要である。
【0042】
エミッタの動作のモードを監視することができる監視装置は、ロボットの近くに配置されることが好適である。監視装置は、エミッタが故障したときにエラーメッセージを出力するか、又はエミッタの自動交換を開始する制御装置に信号を出力することができる。
【0043】
制御装置はまた、1つ又は複数のロボットが配置されるルームの滅菌のための滅菌プロセスを制御するように構成される。
【0044】
1つ又は複数のロボットのアクセス領域にも配置された保管部又はさらなる保管部は、内部及び/又は外部グリッパの供給部を有することができ、供給部の各々は異なる型式、例えば異なる受入直径を有する。
【0045】
特に、ロボットは、ロボット上に配設されたグリッパをこの保管部に置いて、新しい型式を有する別のグリッパを独立してピックアップすることができる。
【0046】
エミッタを用いて照射する代わりに、方法及び装置は、ガス又は液体で包装を滅菌することもできる。エミッタの代わりに、噴射流をさらに使用して気体又は液体を排出し、ロボット上に配置することができる。
【0047】
方法の部分で開示されたすべての要素を装置に使用することもでき、逆もまた同様である。
【0048】
本発明の好適な実施形態が図面によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】包装の内部照射のための第1のエミッタを有するロボットアームの概略図である。
【
図2】包装の外部照射のための第2のエミッタを有するロボットの概略図である。
【
図3】包装の外部照射のための第3のエミッタを有するロボットの概略図である。
【
図4】ロボット及びエミッタ用の保管部を有するクリーンルームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1の概略図に見られるように、電子ビームによって包装2及び/又はプリフォーム(図示せず)を照射し、特に滅菌するための装置1は、照射中に包装2を取り扱うためのロボットアーム4を有するプログラム可能なロボット3及び第1の電子ビーム6によって包装2を内部照射するためにロボットアーム4に沿って移動される第1のエミッタ5を備える。
【0051】
ロボットアーム4は、例えば、上部アーム4a、下部アーム4b、及び把持ハンド4cを備える(これらの構造的用語は説明のためにのみ使用される)。上部アーム4aは、例えば第1のピボットジョイント4dによって、ロボット3のコラム3aに取り付けられている。上部アーム4a及び下部アーム4bは、例えば第2のピボットジョイント4eによって互いに連結されている。
【0052】
把持ハンド4c上には、好適には、外部グリッパ7が配置され、外部グリッパ7は、例えば、把持ハンド4c上に形成された支持リングなどによって包装のネック仕上かせり部2aで把持ハンド4c上に包装2を保持する。グリッパ7は、好適には、包装2をピックアップするためにアクティブに閉じ、包装2を解放するために再び開く制御可能なグリッパである。このようなグリッパ7の動作のモードは原理として既知であり、したがってこれ以上説明しない。原理的には、グリッパ7はまたさらに、
図1の図示とは異なり、ネック仕上がり部2aにおいて内側から係合する内部グリッパであり得る。
【0053】
第1のエミッタ5は、好適には迅速交換式結合器8によって、ロボットアーム4に取り付けられる。第1のエミッタ5とロボットアーム4との間の機械的連結に加えて、迅速交換式結合器8はまた、ロボットアーム4を介して第1のエミッタ5に駆動エネルギー、制御信号、冷却剤などの動作リソースを供給するために、電気的、空気圧的、及び/又は油圧的連結を確立することもできる。
【0054】
第1のエミッタ5は、特に、好適には関連する持ち上げ駆動装置9によってロボットアーム4に対して電気的に制御された方法で移動させることができる。これにより、包装2の長手方向軸線2bに沿ったロボットアーム4に対する第1のエミッタ5の持ち上げ動作10が可能になる。持ち上げ動作10は、例えば、第1のエミッタ5をホルダ7によって保持された包装2に導入し、包装の内部照射に適した方法で配置するために使用される。
【0055】
第1のエミッタ5の異なる持ち上げ位置は、特定の包装2の内部照射中に、並びに持ち上げ動作10の最大ストロークを処理される包装2のそれぞれの型式に適合させるために、持ち上げ駆動装置9によって近づくことができる。包装2の供給及びグリッパ7の動作のモードに応じて、第1のエミッタ5は、原理として、ロボットアーム4に対して定められた高さ位置に配置することもでき、それによって持ち上げ駆動装置9は不要になる。
【0056】
把持ハンド4c(又はロボットアーム4の同様の端部)は、グリッパ7及びそれによって保持された包装2を例えば逆さまの位置状態などにする(概略的に示された)回転運動11を実行するために、把持ハンド4cの長手方向軸線4fを中心に回転可能であり得る。
【0057】
さらに、把持ハンド4c(又はロボットアーム4の同様の端部)を内外に移動させるため、すなわちロボットアーム4を後退及び延長するために、直線運動12が考えられる。
【0058】
任意選択の回転運動11及び/又は直線運動12を実行するために必要なモータ駆動装置13は、原理として既知であり、したがって詳細には説明しない。
【0059】
包装2を取り扱うために、ロボットアーム4は、原理として既知の方法で装置構成に応じて必要とされる自由度を伴う選択的な方法で設計することができる。ジョイント4d、4e(例として示す)は、ロボットアーム4の傾動14、15を可能にする。ロボット3の基部3bに対するロボットアーム4の水平旋回運動16(例として示す)は、コラム3a及び/又は基部3bの水平及び/又は垂直並進運動17と全く同様に可能である。
【0060】
最後に、照射のための包装2の取り扱いは、ロボット3用のプログラム可能な制御装置18、例えば、ロボットアーム4上の包装2の軌道、グリッパ7の機能、迅速交換式結合器8、及び/又は持ち上げ駆動装置9によって柔軟に適合させることができる。
【0061】
原理として、いくつかのグリッパ7、把持ハンド4c、又は説明した機能を伴う同様の端部は、ロボット3と同時にいくつかの包装2を取り扱い、プロセスで包装を少なくとも1つの電子ビームに曝露するために、ロボットアーム4上に存在することができる。これは、説明したすべての実施形態に当てはまる。
【0062】
図2は、電子ビームによって包装2及び/又はプリフォーム(図示せず)を照射し、特に滅菌するためのさらなる利点となる装置21を示す。簡単にするために、装置21は、ロボットアーム4の自由端領域に非常に単純化された態様で示されており、原理として、把持ハンド4cの領域に
図1に示す装置の特徴及び機能のすべてが存在することが可能である。例えば、第1のエミッタ5、ホルダ7、迅速交換式結合器8、及び/又は持ち上げ駆動装置9が存在することができる。
【0063】
したがって、長手方向軸線2bを有する1つの包装2、及び第2の電子ビーム26による包装2の外部照射のための第2のエミッタ25のみが、表現として示されている。第2のエミッタ25はまた、ロボットアーム4上に配置され、包装2がロボットアームの上に保持された状態で、第2の電子ビーム26への照射作用中に必要に応じて搬送され得る。
【0064】
第2のエミッタ25は、好適には、例えば把持ハンド4c上のロボットアーム4上で回転可能であるように取り付けられ、その結果、第2のエミッタ25を少なくとも部分的に、好適には包装2の周りに完全に移動させることができる。次いで、第2のエミッタ25は、包装2の長手方向軸線2bの周りで略回転運動27を行う。
【0065】
包装2の外部照射用の第2のエミッタ25も、好適には迅速交換式結合器28によってロボットアーム4に取り付けられている。例えば、回転運動27を実行するために、第2のエミッタ25用の回転駆動装置29がロボットアーム4に設けられる。例えば、回転駆動装置29は、公知の方法で、電気的などで駆動することができる。
【0066】
次いで、第2のエミッタ25は、好適には包装2の側壁及び基部領域の両方を外側から第2の電子ビーム26にさらすために、例えば、ロボットアーム4に保持された包装2の全周の周りを移動することができる。
【0067】
次いで、包装は、好適には、内部グリッパ(図示せず)によってロボットアームに保持される。
【0068】
さらに、回転駆動装置29は、包装2の取り扱いを最適化するために、包装2をピックアップしてセットダウンするため、第2のエミッタ25を特定の回転位置に任意選択的に移動させることを可能にする。
【0069】
図3は、電子ビームによって包装2及び/又はプリフォーム(図示せず)を照射し、特に滅菌するためのさらなる利点を有する装置31を示す。
図1に示される装置の特徴及びこれに関して説明されるロボット3の機能の大部分は、明確にするために
図3では同様に省略されている。ここでも、例えば、第1のエミッタ5、ホルダ7、迅速交換式結合器8、及び/又は持ち上げ駆動装置9が存在することができる。
【0070】
包装2の外部照射のための第2のエミッタ25の代替として、又は加えて、装置31は、第3の電子ビーム36による包装2の外部照射のために、特にロボット3の取り扱い領域に、すなわちロボットアーム4の実質的に到達範囲内に静止して配置される第3のエミッタ35を備える。
【0071】
次いで、ロボットアーム4に対して一定の回転位置に包装2を保持するように構成された、
図1に示すホルダ7を、包装2の長手方向軸線2bを中心に回転させることができるホルダ37と任意選択的に交換することができる。その結果、例えば、包装2の全周外部照射を容易にするために、第3のエミッタ35の領域又は第3の電子ビーム36の領域で、包装2をそれぞれの長手方向軸線2bを中心に回転させることができる。関連する回転運動38は、よりよく理解するために概略的に示されている。
【0072】
ロボット3を活用して、包装2は、外部照射のために第3のエミッタ35/第3の電子ビーム36の領域の異なる位置に柔軟に配置され、及び/又は異なる軌道に従って移動され得る。これは、特に、回転非対称断面、複雑な形状の壁の輪郭などを伴う包装2にも当てはまり、第2のエミッタ25が沿って搬送された状態で外部から不十分にしか照射されない可能性がある。
【0073】
図4は、電子ビームによって包装2及び/又はプリフォーム(図示せず)を照射し、特に滅菌するためのさらなる利点となる装置41を示す。したがって、装置41は、ロボット3がロボット3のロボットアーム4(非常に簡略化された形態で示されている)と共に配置されるクリーンルーム42を備える。さらに、第1及び/又は第2のエミッタ5、25用の保管部43が、ロボット3の取り扱い領域に配置されている。
【0074】
包装2の内部照射用の第1のエミッタ5及び包装の外部照射用の第2のエミッタ25は、好適には、上述の迅速交換式結合器8、28によってロボットアーム4に取り付けられる。迅速交換式結合器8、28は、第1及び/又は第2のエミッタ5、25の比較的簡単な、特に工具不要の交換を可能にする。
【0075】
交換のために、ロボットアーム4は、ロボットアームの上に保持されたエミッタ5、25を保管部43の領域に移動させる。迅速交換式結合器8、28の少なくとも1つを機械的に作動させることにより、交換されるそれぞれの第1及び/又は第2のエミッタ5、25がそれぞれ保管部43に配置され、保管部43に利用可能に保持されている第1及び/又は第2のエミッタ5、25が交換品として取り外され、迅速交換式結合器8、28によってロボットアーム4に機械的に固定される。
【0076】
第1及び/又は第2のエミッタ5、25の交換は、例えば、摩耗、滅菌性能の低下、及び/又は型式の切り替えのため、例えば、異なる長さ、異なる断面、異なる側壁輪郭などを有する包装タイプを使用するときに必要であり得る。
【0077】
エミッタ5、25の交換は機械によるものであり、制御装置18(
図4には図示せず)によって完全に自動的にトリガすることができ、ロボットアーム4と保管部43との間のエミッタ5、25用の追加の移送機構及び搬送装置はない。加えて、エミッタ5、25の交換は、生産を比較的わずかに中断することなく、又は比較的わずかに中断して生産プロセスに統合することができる。
【0078】
加えて、電子ビームによって適切に処理されていない、包装2’用の保管領域44が、
図4に概略的に示されている。包装はそこで利用可能に保持され、電子ビームによる処理のために再び供給され得る。
【0079】
保管領域44は、クリーンルーム42及びロボット3の取り扱い領域に配置され、その結果、誤って照射された包装2’は、第1に、適切な衛生条件下で待機位置に保持することができ、電子ビームによる再処理のための任意の期間にわたって保持することができ、第2に、待機中の包装2’へのロボットアーム4による迅速なアクセスが与えられる。
【0080】
加えて、電子照射、特に機械表面46の滅菌のための少なくとも1つの第4のエミッタ45をロボットアーム4上に配置することができ、ロボット3を制御することによって機械表面46上に選択的に向けることができる。機械表面46は、追加的又は代替的に、包装2を処理するためにロボットアーム4に沿って搬送されるエミッタ5、25の少なくとも1つで照射され得る。機械表面46は、クリーンルーム42に配置され、及び/又はクリーンルーム42から適切なロック(図示せず)を通してロボットアーム4にアクセス可能である。
【0081】
機械表面46は、例えば、包装2用の少なくとも1つの処理機械47及び/又は包装2を検査するための少なくとも1つの検査ユニット48及び/又はクリーンルーム42で包装2を搬送するための少なくとも1つの搬送装置49の構成要素とすることができる。これは、
図4に概略的に例として示されている。クリーンルーム42の内壁もこのように処理することができる。
【0082】
ロボット3は、第1の電子ビーム5/第2の電子ビーム6を用いて包装2に照射するために必要とされない、機械表面46を照射するための追加の自由度及び/又はカバー処理領域を有することができる。
【0083】
そして、装置1、21、31、41の製造及びメンテナンス用の異なるタスクを、説明したロボット3を用いて実行することができることが特に有効であり得る。例えば、グリッパ、充填バルブ、閉鎖ヘッドは、ロボットアーム4に配置されたエミッタ5、25、45を通して、ちょうど保管部43と同様に、滅菌電子線を受けることができる。
【0084】
例えば、ロボットアーム4は、少なくとも1つのエミッタ5、25、45を回転機械の領域に移動させ、その結果、例として上述したように、ロボットアーム4の上に存在する構成要素は、回転機械の回転運動の結果としてそれぞれのエミッタ5、25、45を通って連続的に移動し、電子放射を受けることが考えられる。
【0085】
個々のエミッタ5、25、35の滅菌性能は、測定技術を通して原理として既知の方法で監視することができる。滅菌性能が許容できないレベルに低下した場合には、影響を受け、したがって許容できない照射が行われた包装2’は、選択的な方法で保管領域44に供給され、例えば、それぞれのエミッタ5、25が自動化された方法で交換された後に、再び照射され得る。
【0086】
ロボット3の取り扱い領域に照射される包装2を供給するための搬送装置49が、
図4に例として示されている。照射された包装をクリーンルーム42内に転送するためのロボット3の取り扱い領域の対応する搬送装置は、明確にするために示されていない。従来の搬送装置、例えばコンベヤベルト、移送用星形ホイールなどは、包装2に適している。
【0087】
1つ又は複数の搬送装置49はまた、例えば、ロボット3の取り扱い領域(図示せず)を通って延伸することができ、その結果、電子ビームを受けたときに包装2をロボット3とは独立して取り扱う/搬送することができる。
【0088】
次いで、ロボットアーム4は、例えば、搬送装置49によって別々に取り扱われる包装2の中/上にエミッタ5、25、45の少なくとも1つを配置し、及び/又はエミッタ5、25、45に対して適切な方法でエミッタ5、25、45の少なくとも1つを移動させることができる。
【0089】
包装2が内側及び外側の表面全体にわたって照射されることを可能にするために、場合によっては包装2の異なる取り扱いを伴ういくつかの別個の搬送装置49もまた、ロボット3の取り扱い領域において考えられる。
【0090】
したがって、記載されたロボット3の1つの利点は、記載された装置1、21、31、41の入口及び出口における異なる搬送手段、及び/又は包装2、2’用の少なくとも1つの保管領域44と相互作用することができることである。ロボットはまた、場合によってはプリフォームから異なる包装などを製造するために、特定の包装2、特にプリフォームを下流の搬送経路又は生産ラインにそれぞれ分配することができる。
【0091】
装置1、21、31、41は、例えば、プラスチック包装、特にプラスチックボトルを製造するためのブロー成形機と下流の充填材との間に配置することができる。次いで、クリーンルーム42は、例えば、少なくともブロー成形機から充填材まで延伸する。
【0092】
装置1、21、31、41が、プリフォームを加熱するための炉と、プリフォームから、そして特にプラスチックボトルである、包装2をブロー成形するためのブロー成形機との間に配置されるシステム構成も考えられる。それから、クリーンルーム42は、好適には炉からブロー成形機まで、好適にはブロー成形機の上を下流の処理機まで延伸する。
【0093】
本発明による方法では、包装は、従来の方法で、例えば、直線コンベヤ、移送用星形ホイールなどを通して、ロボット3の取り扱い領域に搬送することができる。次いで、包装2は、ロボットアーム4上のグリッパ7によって次々に、又はロボットアーム4の上に存在してもよく、それぞれの処理に十分な処理時間にわたってロボットアーム4上で取り扱われるとき、第1、第2、及び/又は第3の電子ビーム6、26、36を受けるグリッパ7によるグループでもピックアップされる。
【0094】
次いで、電子ビーム6、26、36による処理は、主に包装2を滅菌するのに役立つが、包装2のコーティング又は同様の処理にも使用することができる。
【0095】
ロボット3のプログラム可能な制御により、ロボットアーム4は、異なる包装2に柔軟に適合することができる、包装2及び電子ビーム6、26、36の互いに対する柔軟な配置、並びに関連する搬送装置への入口側及び出口側の包装2の移送を可能にする。例えば、エミッタ5、25、35の滅菌性能が徐々に低下するときにも、軌道、運動の速度、照射時間などを柔軟に適合させることができる。
【0096】
エミッタ5、25のための少なくとも1つの保管部43の統合及び自動化された包含はまた、摩耗したエミッタの迅速で衛生的に問題のない交換、又は包装2の特定の型式に適した異なるエミッタ5、25の使用を可能にする。
【0097】
加えて、適切に照射されなかった包装2は、ロボットアーム4を用いて適時にかつクリーンルーム42内で、場合によっては電子ビームによる正常な滅菌(又はコーティングも)が達成されるまで必要な回数だけ再照射することもできる。これにより、クリーンルーム42からの照射が不十分な包装2のチャネリング及び/又は製造プロセス全体の煩雑さ及び/又は製品の損失を回避することができる。
【0098】
原理として、食品及び/又はそのような包装を製造するためのプリフォーム用のボトルなどの任意の包装は、方法及び装置1、21、31、41を用いて処理することができる。PET製のプラスチックボトル及びボトルの製造に使用されるプリフォームに対する本発明の適用は、特に有効である。
【0099】
ロボット3/ロボットアーム4について説明した一連の動作は、プログラムされた制御装置18によって柔軟に事前に定められ、異なる製造条件に適合させることができる。生産、システム滅菌、及び/又は他のメンテナンス対策のための関連プログラムは、エラーなしで迅速に検索することができる。