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特許7608477外部終端デバイス及び外部終端デバイスを流動ラインに接続するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】外部終端デバイス及び外部終端デバイスを流動ラインに接続するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20241223BHJP
   A61M 39/20 20060101ALI20241223BHJP
   A61M 39/16 20060101ALI20241223BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20241223BHJP
   A61M 25/02 20060101ALI20241223BHJP
   A61B 5/1459 20060101ALN20241223BHJP
【FI】
A61M39/10 130
A61M39/20
A61M39/16
A61M39/10 100
A61M25/00 506
A61M25/02
A61B5/1459
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022567707
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 IB2021050232
(87)【国際公開番号】W WO2021144716
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】102020000000565
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102020000000568
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511285288
【氏名又は名称】ニコラ・グランドルフォ
(73)【特許権者】
【識別番号】522281394
【氏名又は名称】エミリオ・マガルディ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・グランドルフォ
(72)【発明者】
【氏名】エミリオ・マガルディ
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503433(JP,A)
【文献】国際公開第2013/108280(WO,A1)
【文献】米国特許第09295773(US,B1)
【文献】特表2005-536239(JP,A)
【文献】国際公開第2006/044973(WO,A1)
【文献】特表2012-529965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 39/16
A61M 39/20
A61M 25/00
A61M 25/02
A61M 1/14
A61B 5/1459
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下カフ(9)が付けられる一側で少なくとも1つのカテーテル(3)に接続されかつ他側で蓋体(10)にまたは治療装置の流動ラインに接続されるように構成された外部終端デバイスであって、
-複数の側壁(50)によって区画されたベース(5)であって、当該ベースには前記流動ラインに関して遠位開口部(12)及び一対の近位開口部(13、13)がある、ベースと、前記側壁(50)にある取り外し可能なカバー(6)と、を有する筐体(4)と、
-前記筐体(4)内に収容され、少なくとも1つの前記カテーテル(3)内に係合する少なくとも1つの遠位部分(16)と2つの近位路(17、17)とを有する取付具(15)と、
-前記取付具(15)の各別の前記近位路(17)に外挿される遠位端部(180)と近位端部(181)とをそれぞれ有する一対の湾曲管(18、18)と、
を備え、
当該外部終端デバイスが、
-ノズルチャンバ(191、191)が備え付けられかつ前記湾曲管(18、18)の前記近位端部(181、181)内に挿入された一対のノズル(190、190)であって、当該ノズルそれぞれの内側にはキャップ(20)があり、前記キャップが当該ノズル(190)を密閉閉鎖するように構成されかつ可逆的に穿刺可能である、一対のノズルと、
-前記キャップ(20)を可逆的に穿刺するようにかつ一対の前記ノズル(190、190)を前記治療装置の前記流動ラインに接続するように設計された穿刺接続導管(24)と、
をさらに備えること特徴とする外部終端デバイス。
【請求項2】
前記蓋体(10)が、遠位突出部(22、22)を有し、
前記筐体(4)の前記ベース(5)及び取り外し可能な前記カバー(6)が、前記キャップ(20)で閉鎖した前記ノズルチャンバ(191、191)と前記蓋体(10)との間に殺菌スポンジ(21)を介在させた状態で当該外部終端デバイスを閉鎖する際に、前記蓋体(10)の前記遠位突出部(22、22)が係合可能である凹所(23)を有することを特徴とする請求項1に記載の外部終端デバイス。
【請求項3】
前記遠位開口部(12)及び前記近位開口部(13、13)が、隔壁を挿入するための案内を構成するのに適した溝部によって3つの側部で区画されており、
少なくとも1つの前記カテーテル(3)を通過させかつ前記取付具(15)へ取り付けるための被穿孔隔壁(14)が、前記遠位開口部(12)内に受けられており、
一対の前記ノズルチャンバ(191、191)を収容する一対の隔壁(19、19)が、前記近位開口部(13、13)に各別に受けられていることを特徴とする請求項1に記載の外部終端デバイス。
【請求項4】
前記穿刺接続導管(24)が、当該穿刺接続導管(24)の遠位端部から始まる平行線において、
-一対のクランプ(26、26)であって、当該クランプ(26)それぞれが前記線に沿って中心が穿孔された中心体(27)と一対の前記ノズルチャンバ(191、191)を収容する一対の隔壁(19)にある各別の前記ノズル(190)に接続されることを意図した硬質管(25)と前記硬質管(25)の反対側において前記中心体(27)に位置する結合体(28)とを有する、一対のクランプと、
-一対の弾性管(32、32)であって、当該弾性管(32)それぞれが前記結合体(28)に外挿される遠位端部(320)及び近位端部(321)を有する、一対の弾性管と、
-一対のロック素子(33、33)であって、当該ロック素子(33)それぞれが一側において前記弾性管(32)の前記近位端部(321)に接続されており、他側において前記治療装置の前記流動ラインに接続されている、一対のロック素子と、
-一対の閉塞クリップ(34、34)であって、当該閉塞クリップ(34)それぞれが前記弾性管(32)それぞれの周りに位置付けられている、一対の閉塞クリップと、
-一対の穿刺部材(35、35)であって、当該穿刺部材(35)それぞれが針(36)及び内部が中空であり前記ロック素子(33)を閉鎖するヘッド(37)を有し、前記針(36)が前記ロック素子(33)、前記弾性管(32)及び前記クランプ(26)を通過して前記硬質管(25)の前記遠位端部から出る、一対の穿刺部材と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の外部終端デバイス。
【請求項5】
前記筐体(4)の前記ベース(5)及び取り外し可能な前記カバー(6)が、凹所(23)を有し、
一対の前記クランプ(26、26)が、把持アーム(29、29)を有し、前記把持アームそれぞれの遠位側には、前記中心体(27)の両側において、前記筐体(4)に前記穿刺接続導管(24)を適切に接続するために前記凹所(23)に係合するのに適したフック(30、30)が備え付けられていることを特徴とする請求項4に記載の外部終端デバイス。
【請求項6】
可逆的に穿刺可能な前記キャップ(20)が、シリコンで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外部終端デバイス。
【請求項7】
前記取付具(15)が、2つの前記近位路(17、17)に加え、前記カテーテル(3)のアクセス導管(182)を有し、
バイオセンサ(60)が、前記アクセス導管(182)内に部分的に挿入されており、
前記バイオセンサ(60)が、前記カテーテル(3)を包む血液と光学的に反応することが可能な反応性素子(62)を有することを特徴とする請求項1に記載の外部終端デバイス。
【請求項8】
前記バイオセンサ(60)が、前記アクセス導管(182)を通して前記カテーテル(3)に受けられる光ファイバ(61)に固定された反応性素子(62)と、前記光ファイバ(61)に接続されかつ可変波長を有する光源を有する光学システム(63)と、検出記録伝達システム(64)と、を備えることを特徴とする請求項7に記載の外部終端デバイス。
【請求項9】
前記カテーテル(3)が、前記バイオセンサ(60)の前記反応性素子(62)を向く透明窓(300)を有することを特徴とする請求項8に記載の外部終端デバイス。
【請求項10】
取り外し可能な前記カバー(6)が、ガスケット(11)を介在させた状態で、ネジ(7)を用いて前記側壁(50)に締結されていることを特徴とする請求項1に記載の外部終端デバイス。
【請求項11】
外部終端デバイスを治療機器の流動ラインに接続するための方法であって、
前記外部終端デバイスが、
-殺菌スポンジ(21)が介在した状態で、ベース(5)、取り外し可能なカバー(6)及び蓋体(10)を有する筐体(4)と、
-ノズルチャンバ(191、191)が備え付けられており、遠位端部において取付具(15)を通して少なくとも1つのカテーテル(3)に接続されている一対のノズル(190、190)であって、前記ノズルチャンバ(191)それぞれの内側には、当該ノズル(190)を密閉閉鎖するのに適して可逆的に穿刺可能なキャップ(20)がある、一対のノズルと、
-前記キャップ(20)を可逆的に穿刺し、かつ、一対の前記ノズル(190、190)を前記治療機器の前記流動ラインに接続するように構成された穿刺接続導管(24)と、
を備え、
前記穿刺接続導管(24)が、当該穿刺接続導管(24)の遠位端部から始まる平行線において、
-当該穿刺接続導管を前記筐体(4)に引っ掛けるのに適した一対のクランプ(26、26)と、
-一対の弾性管(32、32)と、
-前記治療機器の前記流動ラインに接続可能な一対のロック素子(33、33)と、
-前記弾性管(32)それぞれの周り位置付けられた一対の閉塞クリップ(34、34)と、
-一対の穿刺部材(35、35)であって、当該穿刺部材(35)それぞれが針(36)及び内部が中空であり前記ロック素子(33)を閉鎖するヘッド(37)を有し、前記針(36)が前記ロック素子(33)、前記弾性管(32)及び前記クランプ(26)を通過して硬質管(25)の前記遠位端部から出る、一対の穿刺部材と、
を備え、
当該方法が、
-前記蓋体(10)及び前記殺菌スポンジ(21)を前記筐体(4)から取り外すステップと、
-一対の前記クランプ(26、26)と一対の前記弾性管(32、32)と前記弾性管(32)の各別の周りにある一対の前記閉塞クリップ(34、34)と一対の前記ロック素子(33、33)と一対の前記穿刺部材(35、35)とを結合することによって前記穿刺接続導管(24)を直列に組み立てるステップと、
-一対の前記クランプ(26)が前記筐体(4)に連結するまで、備え付けた前記穿刺接続導管(24)を同軸で一対の前記ノズル(190)に接近させ、結果として、前記ノズルチャンバ(191、191)の内側にある前記キャップ(20)を可逆的に穿刺するステップと、
-一対の前記穿刺部材(35)を前記穿刺接続導管(24)から取り外し、同時に、一対の前記弾性管(32、32)の周りで一対の前記閉塞クリップ(34、34)を閉鎖するステップと、
-一対の前記ロック素子(33、33)を前記治療機器の前記流動ラインに接続するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば血液透析、腹膜透析及び化学療法で使用可能な外部終端デバイスに関する。本発明は、同様に、外部終端デバイスを治療機器の流動ラインに接続する方法を説明する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二部品式分割型血液透析デバイスが記載されており、この2部品は、血液透析機の流動ラインの遠位側にある部品であって、患者内に埋め込まれた2ルーメン型カテーテルに接続されかつ縫合ステッチにより患者に固定された部品と、2ルーメン型カテーテルに取り付けられ得かつ流動ラインに接続するための近位ルアーコネクタで終端する各別の延長管を有する近位部品と、である。流動阻害クランプは、延長管それぞれに設けられている。
【0003】
デバイスの近位部品を遠位部品から分離すると、遠位部品は、開放したままであり、したがって、汚れやすくなり、感染し始める。近位部品及び遠位部品を一緒にすると、患者は、デバイスを血液透析機から接続解除した場合であっても、近位部品及び遠位部品双方を装着させられる。同様に、この場合において、ルアーコネクタは、外側に露出しており、汚れる。
【0004】
特許文献2には、長期留置型カテーテルのための外部終端デバイスが記載されており、このデバイスは、一側において少なくとも1つのカテーテルに接続可能でありかつ他側において閉塞蓋体に接続可能な容器を備えており、この容器は、殺菌物質が浸漬されている使い捨て吸収材料を収容している。この容器は、2つのタップを収納しており、これらタップには、外側から動作し得るノブが設けられている。2つのタップには、一方において、カテーテルに接続するための第1端子が設けられており、他方において、外部機器に接続するための容器から突出する第2端子が設けられている。第1端子は、カテーテルに接続されており、このカテーテルは、少なくとも1つの非硬質支持スリーブを通して容器から出て、そして、容器と一体的になる。支持スリーブは、患者の身体の皮下組織に位置付けることを意図したカフを外部に担持する。第2端子には、使い捨て吸収材料で囲まれたカップが設けられており、閉塞蓋体内に位置する。閉塞蓋体は、吸収材料をキャップに付着させ、キャップを被覆して、同様に吸収材料に浸漬している殺菌物質を用いてキャップをバクテリア攻撃から対外的に保護する。容器の外側に位置付けられたノブは、カテーテルに接続されたタップを動作させる。タップそれぞれは、カテーテルに接続された各別の導管の内側に位置する球状体を移動させ、必要に応じて、血流を開閉する。
【0005】
球状体は、血液が横断する外部材料であり、この血液は、球状体を横断する際の摩擦によって及び球状体によって流動が阻害されることによって、ストレスを受ける。
【0006】
これを克服するために、特許文献3には、長期留置型カテーテルのための外部終端デバイスが記載されており、このデバイスでは、2つのスリーブ弁と弁スリーブとして機能する2つの弾性管とは、特許文献2に記載されたデバイスのタップに置き換わっている。特許文献3にかかるデバイスは、タップが血液に機械的に作動することを回避するが、縦要素が衝突することによって引き起こされる血液へのストレスを取り除かず、この垂直要素は、2つの弾性管に作用し、患者を血液透析治療機器などから接続解除したときに血流を阻害する。
【0007】
血液透析治療のためのアクセスシステムは、特許文献4で説明されており、この特許文献の出願人であるBiolink社の設立者は、Dialockとして公知の製品の開発に寄与した。この特許文献で説明されたシステムは、機械と患者の血液供給との間の境界流体導管を備える。この導管は、表皮及び皮下組織を通過する被案内経路に沿って繰り返し接続され得る。特許文献4で説明されたデバイスは、相当な利点を有する一方で、皮下ポートの設置及び血液透析治療ごとに繰り返される患者の皮膚の穿刺を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第6,969,381号明細書
【文献】国際公開第2010/146614号
【文献】国際公開第2013/108280号
【文献】米国特許第9,295,773号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した欠点及び困難性を克服することを目的とする。
【0010】
本発明の目的は、1以上の長期留置型カテーテルのための外部終端デバイスを提供することであり、この外部終端デバイスは、環境から、ひいては病原体からのカテーテルの隔離、及び、カテーテルの開閉デバイスの隔離を改善する。
【0011】
本発明の別の目的は、血液に引き起こされる摩擦応力、すなわち「剪断応力」を取り除くこと、である。
【0012】
本発明のさらなる目的は、タップまたは弁を有しておらずしたがってタップまたは弁の実際の閉鎖位置を検証することを必要としない終端デバイスを提供すること、である。
【0013】
本発明の追加の目的は、患者の血液内の被験物質の濃度を検出することを許容する終端デバイスを提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1態様において、外部終端デバイスは、請求項1に及び請求項1に従属する請求項に記載されているように提供される。
【0015】
本発明の第2態様において、外部終端デバイスを治療機器の流動ラインに接続する方法は、請求項11に規定されるように提供される。
【0016】
さらなる特徴及び利点は、添付の図面を用いて非限定的な例として示された外部終端デバイスの実施形態の本説明において最も明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態にかかる閉鎖位置にあるデバイスを示す全体斜視図である。
図2図1の外部終端デバイスを示す分解斜視図であって、血液透析のための治療装置の流動ラインに接続される穿刺接続導管を備える、分解斜視図である。
図3】特に穿刺接続導管の図2の拡大縮尺比での部分分解斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態にかかる外部終端デバイスを示す頂面図である。
図5】デバイスの内側を示すために取り外し可能なカバー及び蓋体のない、図4の本発明の第2実施形態にかかる外部終端デバイスを示す頂面図である。
図6】明確性のために部品を取り外した図5のデバイスを示す長手方向断面図である。
図7図6に対応する斜視図である。
図8図3の穿刺接続デバイスの流動ラインに沿う、分解状態における分解長手方向断面図である。
図9図3の穿刺接続デバイスの流動ラインに沿う、組立状態における分解長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、この図1は、本発明の第1実施形態にかかるデバイスの全体斜視図であり、このデバイスは、閉鎖位置にある、すなわち、血液治療機器の流動ラインに接続されていない。全体として参照符号1で示される外部終端デバイスは、患者に埋め込まれる2ルーメン型カテーテル3、以下カテーテル3に結合されている。カテーテル3は、患者の外部に終端デバイスを固定するように構成された管状コーティング2を通過する。外部終端デバイス1は、筐体4を備えており、この筐体は、ベース5と、全体として参照符号7で示されるネジを用いてベース5に固定される取り外し可能なカバー6と、を有する。外部終端デバイス1を患者の皮膚に縫い付けるための2つのリング8(図1では一方のみが視認可能である)は、ベース5に一体化されている。カフ9は、管状コーティング2に付けられており、皮下位置に配置することを意図されている。筐体4は、図2においてより良好に視認可能である蓋体10で閉塞されており、この図2は、図1における外部終端デバイス1の分解斜視図を示し、血液透析のための治療装置の流動ラインに接続される穿刺接続導管が備えられている。
【0019】
ベース5は、側壁50を備えており、取り外し可能なカバー6は、ガスケット11が介在した状態でネジ7を用いてこれら側壁に固定されている。側壁50において、ベース5は、血液透析のための治療装置の流動ラインに関する遠位開口部12及び一対の近位開口部13、13を有する。
【0020】
遠位開口部12及び近位開口部13、13は、隔壁を挿入するための案内を形成するように設計された溝部によって3つの側部に区画されている。特に、遠位開口部12は、被穿孔隔壁14を挿入するために設けられており、この被穿孔隔壁には、壁140と、壁140を貫通する管状路141と、が備えられている。カテーテル3は、ベース5内に位置する取付具15に係合させるために、管状路141を貫通する。取付具15の遠位部分16は、全体として、カテーテル3に係合する2ルーメン型カテーテル路である。取付具15の2つの近位路17、17は、湾曲管18、18の遠位端部180内に嵌合する。湾曲管18、18の近位端部181は、図3に示すように、ノズルチャンバ191、191と各別に接続されたノズル190、190に挿入されており、この図3は、図2の拡大尺における、特に穿刺接続導管の部分分解斜視図である。ノズルチャンバ191、191は、筐体4の壁50の近位開口部13、13内に保持されることを意図した隔壁19、19を通して受けられている。ノズルチャンバ191、191は、ノズル190に向けて先細るほぼ筒形状を有している。キャップ20は、図2及び図3に示すように、ノズルチャンバ191それぞれの内側に挿入されている。
【0021】
キャップ20は、可逆的に穿刺可能であり、ノズルチャンバ191と同様に、遠位側へ先細るほぼ筒形状からなる。可逆的に穿刺可能である特徴は、キャップ20が穿刺部材によって穿孔され、穿刺部材の引き抜き後に完全な封止に復帰し得ること、を意味する。可逆的に穿刺可能なキャップ20は、シリコンまたは他の適切な材料で形成され得る。
【0022】
このようにして、外部終端デバイス1が使用中でないとき、シリコンキャップ20は、ノズル190の通路を完全に閉鎖し、筐体4は、殺菌スポンジ21が介在した状態で蓋体10によって閉鎖される。蓋体10は、遠位突出部22、22を有しており、これら遠位突出部の端部は、取り外し可能なカバー6にある参照符号23で示された対応する凹所と筐体4のベース5の底壁に対外的に形成された同様の凹所(図示略)とに係合する。
【0023】
ここで、図4及び図5を参照すると、これら図4及び図5は、第2実施形態にかかる外部終端デバイスを示す頂面図であり、図5は、取り外し可能なカバー及び蓋体のないデバイスを示す。さらに、図6及び図7を参照し、これら図6及び図7は、明確性のために部品を取り外した図5のデバイスの長手方向断面図及び斜視図を各別に示す。
【0024】
本発明の第2実施形態によれば、外部終端デバイスは、反応性素子62を有するバイオセンサ60を備える。この目的のために、カテーテル3には、バイオセンサ60の反応性素子62を向く透明窓300が設けられており、それにより、反応性素子62は、カテーテル3の周りにある血液を視野内にする。取付具15は、2つの近位路17、17に加え、カテーテル3へのアクセス導管182を有しており、このアクセス導管の内側には、バイオセンサ60が部分的に配設されている。バイオセンサ60は、光ファイバ61を備えており、この光ファイバの端部には、反応性素子62が配設されている。光ファイバ61は、アクセス導管182に挿通されている。光学システム63は、光ファイバ61に接続されている。バイオセンサ60は、バイオセンサの反応性素子の既知の技術による光学反応により、血液内にみられる被験物質を検出する。
【0025】
明確になった検出伝達システム64は、同様に提供される。検出伝達システム64は、マイクロプロセッサであり、このマイクロプロセッサは、信号処理、信号の数学操作及びデータ蓄積を管理する。検出伝達システム64は、物理的または無線接続にあり得る。光学システム63は、可変波長光源を有しており、この可変波長光源は、血液に溶けている様々な物質であって供給される光の波長に対して異なるレベルの反応性を有する物質をスキャンすることを可能とする。説明していること行うために、国際公開第2006/044973号を参照し、この文献は、被験物質の濃度、特に患者の血液内のグルコース濃度を検出するのに適した光ファイバを説明している。
【0026】
図3図8及び図9を参照すると、これら図8及び図9は、図3の穿刺接続導管の一のみの流動ラインに沿う分解長手方向断面図及び組立状態にある分解長手方向断面図を各別に示す。
【0027】
図3における参照符号は、明確にする目的で、この導管の一部のみに示されており、他の部分は、同じである。
【0028】
方法を説明する際に後述するように、外部終端デバイス1を血液透析治療装置のラインに接続するときに、蓋体10及び殺菌スポンジ21を取り外す。そして、穿刺接続導管24を用いて血液のための外部終端デバイスのキャップ20を通る経路が形成される。穿刺接続導管24は、遠位側から開始して、クランプ26、26に各別に備えられた一対の硬質管25、25を備える。クランプ26それぞれは、硬質管25と中心体27における硬質管25とは反対側に位置する結合体28との間の接続を形成するために、中心が穿孔された中心体27を備える。中心体27の上下には、把持アーム29、29が設けられており、これら把持アームは、遠位側に、筐体4を保持するためのフック30を有する。把持アーム29、29は、中心体27に対する両側において、取り外し可能なカバー6に及びベース5に形成された凹所23に係合するようなサイズとされている。これにより、穿刺接続導管24の筐体4への、ひいては治療機器の流動ラインへの適切な接続が得られる。
【0029】
把持アーム29、29に対する反対側、すなわち、近位路には、適切に外部に刻み目のある把持レバー31がある。
【0030】
結合体28には、弾性管32の遠位端部320が挿入されており、この弾性管は、弾性管の近位端部321において、流動ラインへ取り付けるために、参照符号33で示されるルアーロックのような各別のロック素子に結合されている。閉塞クリップ34は、弾性管32それぞれに位置付けられている。流動ラインそれぞれのための穿刺部材35は、穿刺接続導管24を完成させる。穿刺部材35それぞれは、針36及び内部中空ヘッド37を有しており、ロック素子33を閉鎖する。
【0031】
図8は、簡素化のために、単一の穿刺接続導管24を示しており、この穿刺接続導管において、クランプ26は、弾性管32に接続され、この弾性管は、閉塞クリップ34を挿入した後に、順に、ロック素子33に接続される。穿刺部材35は、別個に示されている。
【0032】
図9に示すように、穿刺接続導管24は、いったん完全に組み立てると、外部終端デバイスに接近され、それにより、ロック素子33、弾性管32、結合体28、クランプ26の中心体27及び硬質管25を通過し、貫通隔壁19のノズルチャンバ191内に位置するキャップ20を穿刺する。把持アーム29、29がフック30を用いて貫通隔壁19のノズルに係合すると、キャップ20それぞれは、穿刺され、硬質管25は、針36と同軸で、キャップの内側を通る。このようにして、穿刺部材35、35を引き抜いてロック素子33、33を血液透析治療装置の流動ラインに接続すると、治療装置の流動ラインとノズル190、190との間に接続を形成する。穿刺部材35、35を挿入する前に弾性管32、32に閉鎖される閉塞クリップ34、34は、開き、治療は、開始し得る。
【0033】
治療の終わりにおいて、閉塞クリップ34、34を閉じ、穿刺接続導管24を外部終端デバイス1から引き抜く。引き抜き中において、硬質管25、25は、キャップ20から各別に外に出て、これらキャップは、これらキャップ出口を密閉する。このようにして、血液の漏洩を防止し、外部終端デバイス1の包装体は、殺菌スポンジ21及び蓋体10を用いて閉鎖され得る。
【0034】
簡潔に、本発明にかかる外部終端デバイスを治療機器の流動ラインに接続するための方法は、以下のステップ:
-蓋体10及び殺菌スポンジ21を外部終端デバイスの筐体4から取り外すステップと、
-一対のクランプ26、26、一対の弾性管32、32、弾性管32、32の各別の周りにある一対の閉塞クリップ34、34、一対のロック素子33、33及び一対の穿刺部材35、35を直列に組み立てるステップと、
-一対のクランプ26、26を筐体4に連結し、結果としてノズルのチャンバ191、191の内側に可逆的に穿刺するまで、穿刺接続導管24を一対のノズル190、190に接近させ、ひいては同軸に備え付けるステップと、
-一対の穿刺部材35、35を穿刺接続導管24から取り外すと同時に、一対の閉塞クリップ34、34を一対の弾性管32、32の周りで閉鎖するステップと、
-一対のロック素子33、33を治療機器の流動ラインに接続するステップと、
を備える。
【0035】
理解すべきことは、意図した目的を達成すること、である。本発明にかかる外部終端デバイスは、特許文献4で説明されている外部終端デバイスに近い性能及び効率性を有しているが、治療機器に接続するごとに患者の皮膚を穿刺する必要がないという利点を有する。この性能は、包装体4の密閉封止によって、及び、患者の血液が外部と接触ることを最小限にしてその結果感染の危険性を低減することによって、保証されている。
【符号の説明】
【0036】
3 カテーテル、4 筐体、5 ベース、6 カバー、7 ネジ、9 皮下カフ、10 蓋体、11 ガスケット、12 遠位開口部、13 近位開口部、14 被穿孔隔壁、15 取付具、16 遠位部分、17 近位路、18 湾曲管、20 キャップ、21 殺菌スポンジ、22 遠位突出部、23 凹所、24 穿刺接続導管、25 硬質管、26 クランプ、27 中心体、28 結合体、29 把持アーム、30 フック、32 弾性管、33 ロック素子、34 閉塞クリップ、35 穿刺部材、36 針、37 ヘッド、50 側壁、60 バイオセンサ、61 光ファイバ、62 反応性素子、63 光学システム、64 検出記録伝達システム、180 遠位端部、181 近位端部、182 アクセス導管、190 ノズル、191 ノズルチャンバ、300 透明窓、320 遠位端部、321 近位端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9