(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】イヤホン充電ケース検出
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20241223BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20241223BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H02J7/00 301B
H02J7/10 B
(21)【出願番号】P 2022577726
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 US2021038077
(87)【国際公開番号】W WO2021257984
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アダム・シー・ブロダーズ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・パトリック・グロス
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109756808(CN,A)
【文献】特開2017-147928(JP,A)
【文献】特開2020-039243(JP,A)
【文献】特開2017-041983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
H04R 25/00-25/04
H02J 7/00- 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
充電式イヤホン電源を備えるイヤホンと、
イヤホン電源充電構成において前記イヤホンとインターフェース接続するように構成され、前記イヤホン電源を再充電するように構成されたケース電源を備えるケースと、
一部が前記イヤホン内に配置され、一部が前記ケース内に配置され、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されたときに少なくとも1つのケース電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも1つのイヤホン電気接点を備える検出回路であって、前記イヤホン及びケース電気接点を使用して、前記ケース電源が電力を有していない場合であっても、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された検出回路と、を含
み、
前記検出回路は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された回路を前記イヤホン内に備え、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された前記イヤホン内の前記回路は、前記イヤホンへの前記ケース電源の接続に起因して前記イヤホンの感知電圧が変化するときを検出するための回路を備える、システム。
【請求項2】
前記イヤホンは、ユーザの耳内に配置されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記イヤホンは、補聴器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ケースは、閉じたケース内部容積内に前記イヤホンを収容するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記イヤホンは、前記イヤホン内の前記検出回路が、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されているときを検出した後に、所定のイヤホン機能を無効にするように構成された回路を更に備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ケース電源の前記イヤホンへの接続に起因して前記イヤホンの感知電圧が変化するときを検出するための前記イヤホン内の前記回路は、前記イヤホン電源に電気的に接続された入力と出力とを有する分圧器を備え、前記ケース電源が前記分圧器に電気的に接続されるとき、前記分圧器を通る経路が変更され、それによって前記分圧器出力が変更される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記検出回路は、前記ケース内の第1の分圧器と、前記イヤホン内の第2の分圧器とを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記検出回路は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された回路を前記ケース内に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された前記ケース内の前記回路は、前記ケース電源を前記イヤホンに接続して、イヤホン回路要素の状態の変化を引き起こすように構成され、前記ケース内の前記回路は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されたことの表示として前記イヤホン回路要素の状態の前記変化を検出するように構成される、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出回路は、前記ケース電源から電力を受け取るように構成された前記イヤホン内の可変電圧源を更に備える、請求項
8に記載のシステム。
【請求項11】
前記検出回路は、前記ケース内の回路と前記イヤホン内の回路とを更に備え、ともにブーストコンバータを達成し、前記ケース内の回路の動作は、前記ブーストコンバータによって変更され、そのような変更は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されていることを示すものとして使用される、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ケース内の回路は、前記ケース電源から電力を提供するように構成され、前記電力は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されるときを検出するように構成される前記イヤホン内の前記回路に電力を供給することと、前記イヤホン電源を再充電することとの両方に使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記検出回路は、前記ケースの内側の少なくとも4つの接点と電気的に接続するように構成された前記イヤホン上の少なくとも4つの外部接点を含む少なくとも4セットの接点を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
第1のセットの接点は、前記ケース及び前記イヤホンの接地電位を電気的に接続し、第2のセットの接点は、前記ケース電源を前記イヤホン電源に電気的に接続し、第3のセットの接点は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されるときを決定するために前記イヤホン回路によって使用され、第4のセットの接点は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されるときを決定するために前記ケース回路によって使用される、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記検出回路は、2セットの接点を備え、第1セットの接点は、前記ケース及び前記イヤホンの接地電位を電気的に接続し、第2セットの接点は、前記イヤホン電源充電構成において前記イヤホンが前記ケースとインターフェース接続されていることを決定するために前記ケース回路によって使用されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
システムであって、
ユーザの耳内に配置されるように構成され、充電式補聴器電源を備える補聴器と、
補聴器電源充電構成において前記補聴器とインターフェース接続するように構成されたケースであって、前記補聴器が前記ケースの閉じられた容積内に収容され、前記ケースが、前記補聴器電源を再充電するように構成されたケース電源を備える、ケースと、
一部が前記補聴器内に配置され、一部が前記ケース内に配置され、前記補聴器電源充電構成において前記ケースが前記補聴器とインターフェース接続されたときに前記ケースの内側の少なくとも4つの電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも4つの外部補聴器電気接点を備える検出回路であって、前記ケース電源が電力を有していなくても、前記補聴器及びケース電気接点を使用して、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された検出回路と、を含み、
第1のセットの接点は、前記ケース及び前記補聴器の接地電位を電気的に接続し、第2のセットの接点は、前記ケース電源を前記補聴器電源に電気的に接続し、第3のセットの接点は、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されるときを決定するために前記補聴器回路によって使用され、第4のセットの接点は、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されるときを決定するために前記ケース回路によって使用され、
前記検出回路は、
前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された前記補聴器内の回路
であって、前記補聴器への前記ケース電源の接続に起因して前記補聴器の感知電圧が変化するときを検出するための回路を備える、前記補聴器内の回路と、
前記ケース内の回路であって、前記ケース電源を前記補聴器に接続して補聴器回路要素の状態の変化を生じさせ、前記補聴器回路要素の状態の前記変化を、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されていることを示すものとして検出することによって、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されているときを検出するように構成された回路と、
前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されたときを前記補聴器内の前記検出回路が検出した後に、所定の補聴器機能を無効にするように構成された回路を更に備える、システム。
【請求項17】
システムであって、
ユーザの耳内に配置されるように構成され、充電式補聴器電源を備える補聴器と、
補聴器電源充電構成において前記補聴器とインターフェース接続するように構成されたケースであって、前記補聴器が前記ケースの閉じられた容積内に収容され、前記ケースが、前記補聴器電源を再充電するように構成されたケース電源を備える、ケースと、
一部が前記補聴器内に配置され、一部が前記ケース内に配置され、前記補聴器電源充電構成において前記ケースが前記補聴器とインターフェース接続されたときに前記ケースの内側の少なくとも3つの電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも3つの外部補聴器電気接点を備える検出回路であって、前記ケース電源が電力を有していなくても、前記補聴器及びケース電気接点を使用して、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された検出回路と、を含み、
第1のセットの接点が、前記ケース及び前記補聴器の接地電位を電気的に接続し、第2のセットの接点が、前記ケース電源を前記補聴器電源に電気的に接続し、第3のセットの接点が、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されるときを決定するために使用され、
前記検出回路は、
前記ケース内の第1の分圧器と、
前記補聴器電源に電気的に接続された入力を有し、出力を有する、前記補聴器内の第2の分圧器であって、前記ケース電源が前記第2の分圧器に電気的に接続されると、前記分圧器を通る経路が変更され、それによって前記分圧器出力が変更される、第2の分圧器と、を含み、
前記検出回路は、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された回路を前記補聴器内に備え、前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された前記補聴器内の前記回路は、前記補聴器への前記ケース電源の接続に起因して前記補聴器の感知電圧が変化するときを検出するための回路を備える、
前記補聴器電源充電構成において前記補聴器が前記ケースとインターフェース接続されたときを前記補聴器内の前記検出回路が検出した後に、所定の補聴器機能を無効にするように構成された回路を更に備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イヤホンがその充電ケースにあるときを検出することに関する。
【背景技術】
【0002】
小型イヤホン及び補聴器等のイヤホンを含むウェアラブルオーディオデバイスは、典型的には、充電式バッテリを有する。ウェアラブルオーディオデバイスのためのキャリングケースは、ウェアラブルオーディオデバイスがケース内に配置されたときにウェアラブルオーディオデバイスのバッテリを再充電することもできる。
【発明の概要】
【0003】
下記で言及される全ての実施例及び特徴は、任意の技術的に可能な方式で組み合わせることができる。
【0004】
一態様では、システムは、充電式イヤホン電源を備えるイヤホンと、イヤホン電源充電構成においてイヤホンとインターフェース接続するように構成され、イヤホン電源を再充電するように構成されたケース電源を備えるケースとを含む。イヤホン内に部分的に配置され、ケース内に部分的に配置される検出回路は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されるときに少なくとも1つのケース電気接点に電気的に結合するように構成される少なくとも1つのイヤホン電気接点を備える。検出回路は、イヤホン電源及びケース電源のうちの一方が電力を有していなくても、イヤホン及びケース電気接点を使用して、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成される。
【0005】
いくつかの実施例は、上記及び/若しくは下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。一例では、イヤホンは、ユーザの耳内に配置されるように構成される。一例では、イヤホンは補聴器を含む。一例では、ケースは、実質的に閉じられたケース内部容積内にイヤホンを収容するように構成される。一例では、検出回路は、ケース内の第1の分圧器と、イヤホン内の第2の分圧器とを備える。
【0006】
いくつかの実施例は、上記及び/若しくは下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例では、検出回路は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成された回路をイヤホン内に備える。一例では、イヤホンは、イヤホン内の検出回路が、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されているときを検出した後に、所定のイヤホン機能を無効にするように構成された回路を更に備える。一例では、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成されたイヤホン内の回路は、イヤホンへのケース電源の接続に起因してイヤホンの感知電圧が変化するときを検出するための回路を備える。一例では、イヤホンへのケース電源の接続に起因してイヤホンの感知電圧が変化するときを検出するためのイヤホン内の回路は、イヤホン電源に電気的に接続された入力と出力とを有する分圧器を備え、ケース電源が分圧器に電気的に接続されるとき、分圧器を通る経路が変更され、それによって分圧器出力が変更される。
【0007】
いくつかの実施例は、上記及び/若しくは下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例では、検出回路は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されるときを検出するように構成された回路をケース内に備える。一例では、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成されたケース内の回路は、イヤホン回路要素の状態の変化を引き起こすためにケース電源をイヤホンに接続するように構成され、ケース内の回路は、イヤホン回路要素の状態の変化を、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されることを示すものとして検出するように構成される。一例では、検出回路は、ケース電源から電力を受け取るように構成されたイヤホン内の可変電圧源を更に備える。一例では、検出回路は、ブーストコンバータをともに達成するケース及びイヤホン内の回路を更に含み、ケース内の回路の動作は、ブーストコンバータによって変更され、そのような変更は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されていることを示すものとして使用される。
【0008】
いくつかの実施例は、上記及び/若しくは下記の特徴のうちの1つ、又はそれらの任意の組み合わせを含む。一例では、ケース内の回路は、ケース電源から電力を供給するように構成され、この電力は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されたときを検出するように構成されたイヤホン内の回路に電力を供給することと、イヤホン電源を再充電することとの両方に使用される。一例では、検出回路は、ケースの内側の少なくとも4つの接点と電気的に接続するように構成されたイヤホン上の少なくとも4つの外部接点を含む少なくとも4セットの接点を含む。一例では、接点の第1のセットは、ケース及びイヤホンの接地電位を電気的に接続し、接点の第2のセットは、ケース電源をイヤホン電源に電気的に接続し、接点の第3のセットは、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されるときを決定するためにイヤホン回路によって使用され、接点の第4のセットは、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されるときを決定するためにケース回路によって使用される。一例では、検出回路は、2セットの接点を備え、第1セットの接点は、ケース及びイヤホンの接地電位を電気的に接続し、第2セットの接点は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されていることを決定するためにケース回路によって使用されるように構成される。
【0009】
別の態様では、システムは、ユーザの耳内に配置されるように構成され、充電式補聴器電源を備える補聴器と、補聴器電源充電構成において補聴器とインターフェース接続するように構成されたケースとを含み、補聴器はケースの実質的に閉じられた容積内に収容される。ケースは、補聴器電源を再充電するように構成されたケース電源を備える。一部が補聴器内に配置され、一部がケース内に配置された検出回路は、補聴器電源充電構成においてケースが補聴器とインターフェース接続されたときにケース内部の少なくとも4つの電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも4つの外部補聴器電気接点を備える。検出回路は、補聴器及びケース電気接点を使用して、補聴器電源及びケース電源のうちの一方が電力を有していない場合であっても、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成される。第1のセットの接点は、ケース及び補聴器の接地電位を電気的に接続し、第2のセットの接点は、ケース電源を補聴器電源に電気的に接続し、第3のセットの接点は、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されるときを決定するために、補聴器回路によって使用され、第4のセットの接点は、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されるときを決定するために、ケース回路によって使用される。検出回路は、補聴器電源充電構成において補聴器がケースにインターフェース接続されたときを検出するように構成された補聴器内の回路と、ケース電源を補聴器に接続して補聴器回路要素の状態を変化させ、補聴器回路要素の状態の変化を、イヤホン電源充電構成において補聴器がケースにインターフェース接続されていることを示すものとして検出することによって、補聴器電源充電構成において補聴器がケースにインターフェース接続されたときを検出するように構成されたケース内の回路とを含む。補聴器は、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されていることを補聴器内の検出回路が検出した後、所定の補聴器機能を無効にするように構成された回路を更に備える。
【0010】
別の態様では、システムは、ユーザの耳内に配置されるように構成され、充電式補聴器電源を備える補聴器と、補聴器電源充電構成において補聴器とインターフェース接続するように構成されたケースとを含み、補聴器はケースの実質的に閉じられた容積内に収容される。ケースは、補聴器電源を再充電するように構成されたケース電源を備える。一部が補聴器内に配置され、一部がケース内に配置された検出回路は、補聴器電源充電構成においてケースが補聴器とインターフェース接続されたときにケース内部の少なくとも3つの電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも3つの外部補聴器電気接点を備える。検出回路は、補聴器及びケース電気接点を使用して、補聴器電源及びケース電源のうちの一方が電力を有していない場合であっても、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成される。第1のセットの接点は、ケース及び補聴器の接地電位を電気的に接続し、第2のセットの接点は、ケース電源を補聴器電源に電気的に接続し、第3のセットの接点は、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されたときを決定するために使用される。検出回路は、ケース内の第1の分圧器と、補聴器電源に電気的に接続された入力と出力とを有する補聴器内の第2の分圧器とを備える。ケース電源が第2の分圧器に電気的に接続されると、分圧器を通る経路が変更され、それによって分圧器出力が変更される。補聴器は、補聴器電源充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されていることを補聴器内の検出回路が検出した後、所定の補聴器機能を無効にするように構成された回路を更に備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】イヤホン及びイヤホンの充電ケースのブロック図である。
【
図2】イヤホン電源充電構成においてケースの内側に位置する2つのイヤホンの概略図である。
【
図3A】補聴器及び補聴器用の充電ケースのブロック図であり、補聴器電源及びケース電源の一方が電力を有していない場合であっても、補聴器充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された検出回路を示す。
【
図4】補聴器電源及びケース電源の一方が電力を有していない場合であっても、補聴器充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された別の検出回路を示す、補聴器及び補聴器用の充電ケースのブロック図である。
【
図5】補聴器電源及びケース電源の一方が電力を有していない場合であっても、補聴器充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された別の検出回路を示す、補聴器及び補聴器用の充電ケースのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
小型イヤホン、補聴器、及び他のタイプのイヤホンなどのウェアラブルオーディオデバイスは、通常、充電式バッテリを有する。イヤホンを格納するように構成されたケースは、イヤホンがケース内に格納されたときにイヤホンのバッテリを再充電するように構成することもできる。イヤホンが充電ケースに適切に係合又はドッキングされたときの知識を有利に使用することができる。例えば、イヤホンがドッキングされているときにオンである場合、オフにすることができる。補聴器の場合、補聴器が充電ケースにあるときにオフにされない場合、補聴器はフィードバック及びスキールを開始する可能性があり、これは明らかに望ましくない。イヤホンが充電ケースに適切にドッキングされたときの知識はまた、ドッキングステータス及び/又は充電状態を示すようにユーザインターフェース(UI)を設定するために、ならびに/あるいはイヤホンが完全に充電されているが依然としてドッキングされているときにどのように電力が使用されるかに関する知的決定を行うために使用され得る。適切なドッキングに基づく他の動作は、当該技術分野において知られている。いくつかのドッキングステータス知識方式では、イヤホンがケースにドッキングされているときに小型イヤホン内の電源又はケース内の電源が電力を有していない場合、ドッキングステータスが適切に決定されないことがある。
【0013】
本開示では、イヤホンがケースと適切にドッキングされたときを検出するためのシステム及び方法は、部分的にイヤホン内に位置し、部分的にケース内に位置する検出回路を含む。一例では、検出回路は、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されるときに少なくとも1つのケース電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも1つのイヤホン電気接点を含む。検出回路は、イヤホン電源及びケース電源のうちの一方が電力を有していなくても、イヤホン及びケース電気接点を使用して、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成される。いくつかの例示的な検出方式が本明細書に開示される。これらの検出方式は例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではなく、当業者であれば他の方法で検出を達成することができる。
【0014】
本開示は、ウェアラブルオーディオデバイスに関する。本開示のいくつかの非限定的な例は、例えば、小型イヤホン又は補聴器であり得る、イヤホンとして知られるタイプのウェアラブルオーディオデバイスを説明する。小型イヤホン及び補聴器は、一般に、音を生成し、かつ/又は音を感知するための1つ以上の電気音響変換器を含む。小型イヤホン及び補聴器は、無線又は有線であり得る。本明細書で説明される例では、それらは、電源(一般に、充電式バッテリ)、電源の再充電に関与する回路、及び任意の必要な処理を含む。本開示に関与しない小型イヤホン、補聴器、及び他のタイプのウェアラブルオーディオデバイスの他の態様は、単に例示の容易さ及び明確さのために、示されず、又は説明されない。
【0015】
また、本開示のいくつかの実施例では、開放型オーディオデバイスとして知られるタイプのウェアラブルオーディオデバイスも記載する。開放型オーディオデバイスは、外耳道開口部から離れて位置する1つ以上の電気音響変換器(すなわち、オーディオドライバ)を有する。いくつかの実施例では、開放型オーディオデバイスは、1つ以上のマイクロホンも含み、マイクロホンは、ユーザの声、周囲の音を拾うために、及び/又は雑音消去のために使用され得る。開放型オーディオデバイスは、米国特許第10,397,681号に更に記載されており、その開示全体は、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0016】
ヘッドホンは、通常、耳の周り、耳上、又は耳内に嵌めて装着し、外耳道の中に音響エネルギーを直接又は間接的に放射するデバイスを指す。ヘッドホンは、ときには、イヤホン、イヤホン、ヘッドセット、小型イヤホン、又はスポーツヘッドホンと称され、有線式又は無線式とすることができる。ヘッドホンは、オーディオ信号を音響エネルギーに変換する電気音響変換器(ドライバ)を含む。音響ドライバは、頭部若しくは耳に位置するように、又はユーザの外耳道に直接挿入されるように構成されている、イヤカップ若しくはハウジングに収納されてもされなくてもよい。ヘッドホンは、各耳に1つずつ、単一の独立型ユニット、又は一対の(各々が少なくとも1つの音響ドライバを含む)ヘッドホンのうちの一方であってもよい。ヘッドホンは、例えば、ヘッドバンドによって、及び/又はヘッドホン内の音響ドライバにオーディオ信号を伝えるリード線によって、別のヘッドホンに機械的に接続され得る。ヘッドホンは、オーディオ信号を無線で受信するためのコンポーネントを含み得る。ヘッドホンはまた、ANRシステム用の追加のマイクロホン、又はユーザの声及び/又は周囲の音を拾うために使用される1つ以上のマイクロホンなど、他の機能を含むことができる。
【0017】
開放型オーディオデバイスは、オフイヤヘッドホン、すなわち、(典型的には支持構造体によって)頭部又は耳に結合されるが、外耳道開口部を閉塞しない1つ以上の電気音響変換器を有するデバイスを含むが、それに限定されない。いくつかの実施例では、開放型オーディオデバイスは、オーディオ眼鏡を備えるオフイヤヘッドホンであるが、これは本開示を限定するものではない。なぜなら開放型オーディオデバイスでは、デバイスは、典型的にはイヤカップもイヤバッドもない着用者の片耳又は両耳に音を送達するように構成されるからである。本明細書で企図されるウェアラブルオーディオシステムには、無線ヘッドセット、補聴器、眼鏡、保護用ヘルメット、及び他の開放型イヤオーディオデバイスなどのオーバーイヤフックを含む、種々のデバイスが含まれ得る。
【0018】
本明細書に記載のデバイス、システム、及び方法のうちの1つ以上は、様々なフォームファクタのウェアラブルオーディオデバイスを含む、多種多様なウェアラブルオーディオデバイス又はシステムにおいて、様々な実施例及び組み合わせで使用され得る。
【0019】
オーディオを音響的に出力する目的を主に果たすウェアラブルオーディオデバイスの具体的な実装形態は、ある程度の詳細が提示されているが、そのような特定の実装形態の提示は、実施例の提供を通じて理解を容易にすることを意図するものであり、開示の範囲又は特許請求の範囲のいずれかを限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0020】
図1は、イヤホン14とイヤホン用の充電ケース12とを含む検出システム10のブロック図である。システム10はまた、本明細書に説明される方法を達成するために使用されることができる。システム10は、イヤホン14がケース12に適切にドッキングされたときを検出するように構成される。システム10は、イヤホン14内に配置された検出回路部品又は部分26と、ケース12内に配置された検出回路部品又は部分25とを有する検出回路を含む。イヤホン14及びケース12の両方は、イヤホンがケースと適切に係合される(ドッキングされる)ときに互いに電気的に結合されるように構成され、位置決めされ、配置される電気接点を含む。イヤホン及びケースの各々は、1つ以上のそのような接点を有することができる。この非限定的な例では、各々は、4つの嵌合接点、すなわち、ケース12上又はケース12内の接点15~18と、接点19~22とを有し、接点19~22は、イヤホン14の表面に露出しているため、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースと適切に係合又はインターフェース接続されたときに、接点15~18とそれぞれ電気的に接触する。この例では、検出回路は、イヤホン電源充電構成でケースがイヤホンとインターフェース接続されるときに少なくとも1つのケース電気接点に電気的に結合するように構成された少なくとも1つのイヤホン電気接点を含む。部分25及び26を備える検出回路は、イヤホン電源24及びケース電源23のうちの1つが電力を有していなくても、イヤホン及びケース電気接点を使用して、イヤホン電源充電構成においてイヤホンがケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成される。イヤホン14はまた、マイクロホン及び/又は音響ドライバなどの1つ以上の変換器28を含む。一方又は両方のタイプの変換器は、一般的にイヤホンに使用される。例えば、ドライバを使用して、耳又は耳に近い環境に出力される音を生成することができる。マイクロホンを使用して、ユーザの声及び/又は環境音を検出することができる。イヤホンが小型イヤホン又は一種の開放型オーディオデバイスである場合、マイクロホンは、多くの場合、ユーザの音声(例えば、通話又は音声コマンドのため)を検出するため、及び/又は音響ドライバからの音及び/又はアクティブノイズ低減に使用するための環境音を検出するために使用される。イヤホンが補聴器である場合、マイクロホンを使用して、オーディオドライバによって再生され、ユーザの耳の中又は近くに提供される環境音を検出することができる。イヤホン及びイヤホンの充電ケースの態様は、単に明確にするために
図1に含まれていないことを理解されたい。
【0021】
図2は、充電ケース30内の2つのイヤホン40及び42の概略図である。イヤホン40及び42は、イヤホン電源充電構成にある。ケース30は、上部34を開閉することができるように、底部32と上部34とがヒンジ36によって連結されて構成されている。ケース内部38の一部は開放されている。したがって、ケース内部38は音響チャンバとして機能する。一方又は両方のイヤホンがオンにされ、それらがケース内にあるときに音を検出及び生成する場合、音がフィードバックし、望ましくないきしみ音につながる可能性がある。したがって、イヤホンがケース内に配置されたときに自動的にオフにされることが、イヤホンにとって最良である。イヤホンが充電構成に適切に配置されていることの検出は、ケース及び/又はイヤホンの他の態様を制御するために使用することもできる。例えば、上述したように、イヤホンが充電ケースに適切にドッキングされたときの知識を有利に使用することができる。例えば、イヤホンがドッキングされているときにオンである場合、オフにすることができる。また、UI(図示せず)は、ドッキングステータス及び/若しくは充電状態を示すように、ならびに/又はイヤホンが完全に充電されているが依然としてドッキングされているときに電力がどのように使用されるかについて知的決定を行うように設定され得る。適切なドッキングに基づく他の動作は、当該技術分野において知られている。
【0022】
図3Aは、補聴器54及び補聴器用の充電ケース52を含むシステム50のブロック図であり、補聴器/イヤホン電源及びケース電源のうちの1つが電力を有していない場合であっても、補聴器/イヤホンが充電構成においてケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された検出回路を示す。補聴器54は、イヤホンがケース内に適切にドッキングされたときにケース電気接点56~59にそれぞれ電気的に接続するように構成された外部接点60~63を有する。いったんドッキングされると、ケース電源74(バッテリ、又は例えば壁コンセントからAC若しくは主電源が供給される電源であり得る)は、接点58及び62を介してイヤホンバッテリ電源88を再充電するために電力を供給する。補聴器54がケース52に適切にドッキングされているかどうかを検出するように構成された検出回路の態様が、
図3Aに示されている。このような検出は、ケース電源74及び補聴器電源88の一方が電力を有していない場合であっても行うことができる。考えられるが非限定的なシナリオは、補聴器のバッテリが切れてケースに入れられて充電されるときである。また、ケースは、ケース電源(+5V DCであることが多い)のための電源に差し込まれなくてもよい。
【0023】
多くの既存のイヤホン充電ケースでは、イヤホンがケース内に配置されているときにイヤホンバッテリが消耗した場合、イヤホン及びケースがイヤホンがドッキングされていることを通信することができる前に、バッテリは部分的に再充電しなければならない。これは、上述したような望ましくない作用をもたらす可能性がある。また、ケースに電力が供給されていない(例えば、ケースのプラグが抜かれているか、バッテリが消耗しているかのいずれかである)が、補聴器が依然として電力を有しており、オンである場合、補聴器はケースを検出することができないので、補聴器は自動的にオフにされない可能性があり、ケースが閉じられているとき、補聴器は、望ましくない迷惑なきしみ音を生成する可能性がある。別の結果は、補聴器が後で使用するためにバッテリを保存していたときに、補聴器がバッテリを消耗することである。
【0024】
検出回路は、プルアップ抵抗器82及び84を有する2つの汎用入力/出力(GPIO)ピン81及び83と、I2C機能80とを含み、それらの全ては、適切なデジタル及びアナログハードウェアならびにI2Cチップ上のシステムの一部であり得る任意の必要な制御及び通信機能(例えば、ファームウェア)によって有効にされ得る。例示的なI2Cプロセッサ80では、抵抗器82及び84、ならびにプロセッサ86は全て、1つの補聴器プロセッサの機能的態様である。ピン81は接点60に接続され、ピン83は接点61に接続されている。接地は、嵌合接点59及び63を介して提供される。接点60は、プロセッサ70及び抵抗器72を介して補聴器54の接続を感知するためにケース52によって使用される。電源74が接点58及び62を介して補聴器に結合されているとき、プロセッサ86及びI2C 80はピン81のプルアップを可能にする。結果として生じるピン56における電圧の変化は、ケース電力が補聴器54に供給されている(すなわち、補聴器54が適切なドッキング位置にある)ことを示すものとしてプロセッサ70によって感知される。プロセッサ70は、「充電」インジケータLED(図示せず)をオンにするなど、ケース52の所望の動作を引き起こすことができる。また、接続により、ピン83が引き上げられる。結果として生じるピン83の電圧変化(補聴器電源88からの電力及びケース接点58を介した接地接続による)は、補聴器54のプロセッサ86が、補聴器がドッキングされていることを決定し、その変換器(この図には示されていない)を遮断して、きしみ音を防止するなど、補聴器の所望の動作を行うことを可能にする。このシステム設計の当然の結果として生じる態様は、補聴器とケースとの間のより良好な通信を可能にするために、補聴器I2CチップがGPIOプルアップを無効にすることができることである。プロセッサ内のロジックは、I2Cピン上の状態変化がI2Cメッセージであるか又は静的状態であるかを決定することができる。次いで、I2Cトランザクションが終了しそうであるとそのロジックが決定するまで、GPIOプルアップを無効にすることができる。
【0025】
システム50の変形例が、
図3Bのシステム50aとして示されている。補聴器54aは、I2C 80a及びGPIO 83aを機能的に含むプロセッサ86aを含む。補聴器54aは、
図3Aに関連して上述したのと同じ方法でケース52aを検出する。ケース52aは、プロセッサ70を使用してピン56上の電圧を検出することによって、補聴器54aを感知する。補聴器が切断されているとき、この電圧は通常高い。補聴器にプラグを差し込むと、このラインは低くなるが、これは、接点56、58、及び59が全て対応する補聴器接点に適切に接続されている場合に限る。接点62へのケース電源74の印加は、NチャネルMOSFET 89をオンにし、接点60における信号を接地に接続する。充電ケースが電力を有していないシナリオでは、充電ケースはトランジスタ89をオンにせず、ケースは接点56で信号を感知する電力を有していないので、これは問題ではない。抵抗器73は、ケースレール電圧に接続される。したがって、プロセッサ70が高電圧を検出した場合、補聴器が接続されていないか、又は接点56、58、及び59のうちの1つが適切な接続を行っていないかのいずれかである。プロセッサ70が低電圧を検出した場合、接点56、58及び59は全て、補聴器の対応する接点に適切に接続される。
【0026】
図4は、補聴器及び補聴器用の充電ケースを含むシステム100のブロック図であり、補聴器電源及びケース電源のうちの1つが電力を有していない場合であっても、補聴器充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかを検出するように構成された別の検出回路を示す。システム100は、ケース102及び補聴器104の各々に3つの嵌合接点、それぞれ接点103~105及び106~108を使用する。接点セット105及び108は接地接続を確立する。接点セット104及び107は、補聴器電源150が消耗した場合に、補聴器電源150を再充電し、かつ補聴器検出回路に電力を供給することができる電力接続を確立する。接点セット103及び106は、センス接続を確立する。ケース102は電圧比較器110を含み、補聴器104は電圧比較器140を含む。各比較器は、入力電圧(ローカル電源によって供給されるVrail)を含む。比較器はまた、抵抗器R1~R4と、背中合わせのP-FETS 114及び144とを含む。
【0027】
センスピンは共有され、他方が電力を有するかどうかにかかわらず、いずれかの部分が他方を検出することを可能にする。比較器方法では、抵抗値は、補聴器が電力を有するか否かにかかわらず電圧が低下するように選択される。抵抗値に依存して、回路は、ケース側のVsenseが、電力供給された補聴器が接続されたときに高い閾値を超えて上昇し、電力供給されていない補聴器が接続されたときに低い閾値を下回るように確立され得る。電圧スイングは、少なくとも部分的に抵抗値に依存する。
【0028】
ケース電源120に接続されたNチャネルMOSFET 146では、センスピン、電源ピン、及び接地ピンが全て接続されている場合にのみ検出が機能する。MOSFET 146が存在しない場合、システムは、補聴器への電力をオンにする前にセンスピン上の存在を検出するように構成されるが、それを含むことは、検出するために電力がオンにされることを必要とする。
【0029】
イネーブル電圧(Ven、ケース及び補聴器の両方について)は、それぞれのシステムプロセッサ/コントローラ112及び142から来る。各側のイネーブル電圧は、セット114及び144のPチャネルMOSFETをオンにするのに十分に低い必要がある。Vrailが存在しない場合、PFETはオフになるので、それらは静的にローに結合されることさえある。PFETを無効にすると、特に、システム内の他の情報を使用して検出が不要であることを確立することができる場合、わずかな電力を節約することができる。検出が必要とされないことを確立するために使用され得る他の情報の非限定的な例は、以下を含む。充電ケースは、開閉可能な蓋を有する。ケースプロセッサは、蓋が開いているか閉じているかを感知することができる。プロセッサが、蓋が閉じられており、補聴器が挿入されていないと決定した場合、プロセッサは、蓋が開かれるまで補聴器を挿入することができないと仮定することができる。蓋が開かれるまで、補聴器検出部分は無効にされ得る。補聴器側では、補聴器がそのプロセッサを介してケースに接続されていることを検出し、ケースが電力を供給していることも感知することができる場合、ケース電源が取り外されるまで、検出回路を無効にすることができる。この時点で、それは、検出回路が依然としてケース内に挿入されているか否かを二重チェックするように、検出回路を再び有効化することができる。これを行うことは、聴覚が取り付けられていることを感知する充電ケースの能力に影響を与えない。補聴器検出回路は、補聴器が通常動作している間、パルス・オン/オフすることができる。感知がパルス化される周期が十分に頻繁である限り、補聴器は、その場合を検出し、ユーザが望ましくない挙動のいずれかに気づく前にその出力をミュートする。しかしながら、デフォルト値は、ゲート-ソース電圧が検出回路を有効化するのに十分な大きさであるように、イネーブル信号がローであるためのものである。
【0030】
システム100に関する接続及び電力オプションは、以下の通りである。ケース102及び補聴器104の両方が電力供給され、全てのピン上で正常に接続されている場合、それぞれが他方を感知し、プロセッサ112及び142を介してそれぞれの感知後タスクを実行する(例えば、ケースがそのUIを更新し、補聴器がその出力をミュートする)。ケースに電力が供給され、補聴器に電力が供給されておらず、それらが3つのピン全てで正常に接続されている場合、ケースは、補聴器が存在することを感知することができ、そのUI(例えば、LEDディスプレイ)を更新し、補聴器は充電を開始する。ケースに電力が供給されておらず、補聴器に電力が供給されており、それらが全てのピン上でうまく接続されている場合、ケースは補聴器を充電することができないが、補聴器はケースの存在を感知し、必要に応じてそれ自体の構成を変更する。ケースと補聴器の両方に電力が供給されているが、電力ピンが接続されておらず、他の2セットのピンが接続されている場合、補聴器は、接続されていることを感知することができるが、ケースは、接続を感知しない。
【0031】
ケースは以下のように補聴器を感知する。Vsense(case)ノード上の電圧は、補聴器がプラグインされたときに変動する。この電圧変化は、いくつかの異なる方法で感知することができる。1つは、比較器(ある所定の基準電圧と比較する)の使用によるものである。
図4に示すように、2つの比較器を使用して、上昇シナリオと下降シナリオの両方を捕捉することができる。別の方法は、アナログ-デジタルコンバータを用いて電圧を読み取り、閾値を超えたか否かをファームウェアで決定することによる。この方法は、補聴器及びケースの一方又は両方において使用することができる。もう1つは、Vsense(case)電圧を使用してトランジスタ(図示せず)を制御することもできることである。トランジスタはスイッチとして使用することができ、Vsense(ケース)電圧は、補聴器が接続/切断されるときにトランジスタのターンオン閾値を超えるように調整することができる。
【0032】
図5は、補聴器電源及びケース電源のうちの一方が電力を有していない場合であっても、補聴器充電構成において補聴器がケースとインターフェース接続されているかどうかをケースが検出することができるように構成された別の検出回路を示す、補聴器184及び補聴器の充電ケース182を含むシステム180のブロック図である。補聴器がケースを感知するために、別のセンサ(図示せず、補聴器内のホール効果センサ及びケース内の嵌合磁石など)を使用することができる。システム180は、2セットの嵌合接点しか必要としない。セット186及び188は接地接続を確立し、接点185及び187は、接続されたときにケース電源194を接続して補聴器電源196を再充電し、更に補聴器の検出回路を動作させる電力を供給する電力/検知接点である。検出は、パルス電圧源202と、補聴器192とケース190との間でそれぞれ分割されたブーストコンバータ回路とを用いて行われる。ブーストコンバータは最終的にデジタルスイッチ200をオンにし、したがって位置197における電圧を変化させ、補聴器が接続されていることをケースプロセッサ198に示す。補聴器プロセッサ204は、パルス源202を制御するとともに、別個のセンサを使用して、補聴器がケースに接続されていることを決定し、本明細書の他の箇所に記載されているような適切な動作を行うために使用することができる。
【0033】
図面の要素は、ブロック図の個別要素として図示及び説明される。これらの要素は、アナログ回路又はデジタル回路の1つ以上として実装されるようにしてもよい。代替的に、又は追加的に、これらの要素は、1つ以上のマイクロプロセッサがソフトウェア命令を遂行して実装されるようにしてもよい。ソフトウェア命令は、デジタル信号処理命令を含むことができる。動作は、アナログ回路により、又はマイクロプロセッサが、アナログ動作と同等の動作を実行するソフトウェアを遂行することにより実行することができる。信号ラインは、個別のアナログ信号ライン又はデジタル信号ラインとして、別個の信号を処理することができる適切な信号処理を行う個別のデジタル信号ラインとして、及び/又は無線通信システムの要素として実装されてもよい。
【0034】
ブロック図でプロセスが表現又は示唆されるときに、ステップは、1つの要素又は複数の要素によって実行され得る。これらのステップは、一括して実行される、又は異なる時点で行われてもよい。活動を実行する要素は、物理的に同じであっても互いに近接していてもよく、又は物理的に離れていてもよい。1つの要素は、1つのブロックよりも多くの活動を実行することができる。オーディオ信号は、符号化することができる、又は符号化されなくてもよく、デジタル形式又はアナログ形式のいずれかで伝送することができる。従来のオーディオ信号処理装置及び動作は、図面から省略されている場合がある。
【0035】
本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法の例は、当業者には明白であろうコンピュータコンポーネント及びコンピュータ実装ステップを含む。例えば、コンピュータ実装ステップが、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、フラッシュROM、不揮発性ROM、及びRAMのコンピュータ可読媒体上にコンピュータ実行可能命令として記憶され得ることが当業者によって理解されるべきである。更に、コンピュータ実行可能命令が、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイなどの様々なプロセッサ上で実行され得ることが当業者によって理解されるべきである。説明を容易にするために、システム及び方法の全てのステップ又は要素が、コンピュータシステムの一部として本明細書で説明されるわけではないが、各ステップ又は要素が、対応するコンピュータシステム又はソフトウェアコンポーネントを有し得ることを、当業者は認識するであろう。したがって、このようなコンピュータシステム及び/又はソフトウェアコンポーネントは、それらの対応するステップ又は要素(即ち、それらの機能性)を記載することによって有効化され、また本開示の範囲内にある。
【0036】
複数の実装形態を説明してきた。それにもかかわらず、本明細書に記載される本発明の概念の範囲から逸脱することなく、追加の改変を行うことができ、したがって、他の例も、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが理解される。