(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】認知トレーニング及び監視のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20241223BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20241223BHJP
【FI】
G06N20/00
G16H20/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023111245
(22)【出願日】2023-07-06
(62)【分割の表示】P 2021571460の分割
【原出願日】2020-05-04
【審査請求日】2023-07-13
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521521242
【氏名又は名称】エースラー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ギルツ ヤエル
(72)【発明者】
【氏名】グラノット シャイ
(72)【発明者】
【氏名】イゾウトチーヴ アンナ
【審査官】多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/039610(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/189549(WO,A1)
【文献】特開2016-004525(JP,A)
【文献】特開2015-180933(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0266922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
G06N 3/02
G16H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバック
を受信するステップ
であって、
前記フィードバックは、トレーニングセッションの長さ、注意力安定性、フリーズ期間の数、場所、トレーニングプラットフォーム、及びトレーニングセッションの休憩回数から選択される、ステップと、
少なくとも1つの機械学習アルゴリズムによって、フィードバックに基づいてトレーニング成功率を予測するステップと、
前記トレーニング成功率に応じて、前記認知トレーニング計画
の演習のタイプ又はレベルを修正するステップと、
を含む、プロセッサによる認知トレーニングの方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、長短期メモリユニットを備えた回帰型ニューラルネットワーク上に実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いてトレーニングチャーンレートを予測するステップ
であって、前記トレーニングチャーンレートは、前記認知トレーニング計画における前記ユーザの継続的な関与のレベルを定義する、ステップと、
更に前記予測されたトレーニングチャーンレートに基づいて、前記認知トレーニング計画を修正するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トレーニング成功率に基づいて、前記ユーザの認知能力に影響を与える少なくとも1つの変数を確認するステップと、
表示される統計を生成し、どの変数が前記ユーザの認知能力に影響を与えるかを示すステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの変数は、トレーニング期間、トレーニング時間、及び睡眠の質から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
以前に受信した、既知の特性を有するユーザについてのユーザフィードバックを含む所定のデータセットを使用して、前記少なくとも1つの機械学習アルゴリズムをトレーニングするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知(cognitive)トレーニングに関する。より具体的には、本発明は、認知トレーニング計画(program)に応答してユーザフィードバックを監視し分析するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
認知障害(problem)に苦しんでいる人々、又は認知スキルを向上させたい人々は、ジムでの身体トレーニングと同様に、認知健康を改善し、記憶力をトレーニングするために、認知トレーニング計画を使用することがある。例えば、人々は、記憶カードを使用したり、クロスワードパズルを解いたり、コンピュータ画面の前に座ったりして認知能力(記憶、計算、語彙など)を向上させるように設計された様々なタスク(課題)を実行することができる。
【0003】
自己管理型認知トレーニング計画(例えば、専門家の監督なしで)の主な問題は、トレーニング計画へのユーザの持続性及び/又は関与である。例えば、反復的な計画では、ユーザが計画への興味を徐々に失い、それに応じてトレーニング結果が減少する等により、毎週の使用量(weekly use)は、時間の経過と共に減少することがある。トレーニングを効果的に行うために、人々は、長期間トレーニングを続ける必要がある。多くの人々は、通常、認知能力を向上させるために高い意欲でトレーニングを開始するが、平均的なユーザは、トレーニングを完了せず、時間の経過とともにトレーニングセッションを停止するか又はトレーニングセッションの量を大幅に減らす可能性がある。通常、これは、トレーニングが単調なこと、これらのゲームが日常のニーズにどのように関連しているかを理解するのが難しいこと、及び/又は興味の喪失という原因で発生する可能性がある。したがって、現在のトレーニング計画は、自己管理された場合、優れた認知効果をもたらさない。
【発明の概要】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態において、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを分析する方法は、プロセッサによって、所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズムをトレーニングして、トレーニング成功率を予測するステップであって、所定のデータセットが、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含む、ステップと、プロセッサによって、新たなユーザフィードバックを受信するステップと、プロセッサによって、受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いて、トレーニング成功率の予測を決定するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、強化学習でトレーニングされてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態において、ユーザフィードバックから行動パターンを決定してもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、長短期メモリユニットを備えた回帰型(recurrent)ニューラルネットワーク上に実装されてもよい。いくつかの実施形態において、トレーニングチャーン(churn)レート(解約率、不成功率)を予測してもよい。いくつかの実施形態において、タイミング、トレーニングセッションの長さ、トレーニングセッションの成功率、注意力安定性、フリーズ期間、場所、トレーニングプラットフォーム、及びトレーニングセッションの休憩(break)回数のうちの少なくとも1つについての、受信されたフィードバックを監視してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態において、ユーザフィードバックを分類して所定のプロファイルのリストからユーザプロファイルを決定してよく、決定されたトレーニング成功率の予測が、決定されたユーザプロファイルに基づいてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザプロファイルは、性別、年齢、教育、場所(location)、言語、職業、現在の職業状態、医学的状態及び結婚状況からなる群から選択される少なくとも1つのユーザ特性に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザプロファイルは、受信されたフィードバックのクラスタリング及び少なくとも1つのユーザ特性に基づいて決定されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの脳波(EEG)センサを用いてユーザを監視してよく、認知トレーニング計画が、測定されたEEG信号に基づいて変更されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのイメージャを用いてユーザの眼球運動を監視して、ユーザの注意力を決定してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザフィードバックから行動パターンを決定してよく、決定された行動パターンが所定の閾値を超えたときに、警報(alert)を発してもよい。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態において、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステムは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックのデータセットを含むデータベースと、データベースに接続(結合)(coupled to)されたプロセッサと、を含み、該プロセッサは、データセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズムをトレーニングして、トレーニング成功率を予測するステップと、新たなユーザフィードバックを受信するステップと、受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いて、トレーニング成功率の予測を決定するステップと、を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、強化学習でトレーニングされてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、ユーザフィードバックから行動パターンを決定してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサは、ユーザフィードバックを分類して所定のプロファイルのリストからユーザプロファイルを決定してよく、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いたトレーニング成功率の予測は、決定されたユーザプロファイルに基づいてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサは、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いてトレーニングチャーンレートを予測してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサは、タイミング、トレーニングセッションの長さ、トレーニングセッションの成功率、注意力安定性、フリーズ期間、及びトレーニングセッションの休憩回数のうちの少なくとも1つについての、受信されたフィードバックを監視してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、長短期メモリユニットを備えた回帰型ニューラルネットワーク上に実装されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザプロファイルは、性別、年齢、教育、場所、言語、職業、現在の職業状態及び結婚状況からなる群から選択される少なくとも1つのユーザ特性に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザプロファイルは、受信されたフィードバックのクラスタリングに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの脳波(EEG)センサは、プロセッサに接続されてもよく、該プロセッサは、少なくとも1つのEEGセンサを用いてユーザを監視してよく、ユーザプロファイルは、測定されたEEG信号に基づいて決定されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのイメージャは、プロセッサに接続されてよく、該プロセッサは、少なくとも1つのイメージャを用いてユーザの眼球運動を監視してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサは、ユーザフィードバックから行動パターンを決定し、決定された行動パターンが所定の閾値を超えたときに、警報(alert)を発してもよい。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態において、認知トレーニングの方法は、プロセッサによって、認知トレーニング計画に応答して、受信されたユーザフィードバックから行動パターンを決定するステップと、認知トレーニングを改善するために、プロセッサによって、決定された行動パターンに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いて認知トレーニング計画を修正するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを用いてトレーニングされてもよい。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを分析する方法は、プロセッサによって、所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズムをトレーニングして、トレーニング成功率を予測するステップであって、所定のデータセットが、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含む、ステップと、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いたトレーニング成功率の予測に従って、プロセッサによって、トレーニング変数を更新するステップと、を含む。いくつかの実施形態において、新たなユーザフィードバックを受信してよく、受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、トレーニング変数を再更新してもよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを分析する方法は、プロセッサによって、所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズムをトレーニングして、トレーニングチャーンレートを予測するステップであって、所定のデータセットが、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含む、ステップと、プロセッサによって、新たなユーザフィードバックを受信するステップと、プロセッサによって、受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いて、トレーニングチャーンレートの予測を決定するステップと、を含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを分析する方法は、プロセッサによって、所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズムをトレーニングして、認知低下を予測する(predict cognitive decline)ステップであって、所定のデータセットが、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含む、ステップと、プロセッサによって、新たなユーザフィードバックを受信するステップと、プロセッサによって、受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズムを用いて、認知低下の予測を決定するステップと、を含む。
【0016】
本発明の主題は、明細書の結論部分において特に指摘され、かつ明らかに特許請求される。しかしながら、本発明の組み合わせ及び動作方法、並びにその目的、特徴及び利点について、図面を参照しながら、以下の詳細な説明に関連して理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステムのブロック図を示す。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステムのブロック図を示す。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステムのブロック図を示す。
【
図2D】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステムのブロック図を示す。
【
図2E】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステムのブロック図を示す。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態に係る認知データ収集のためのシステムのブロック図を示す。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態に係る、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析する方法のフローチャートを示す。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態に係る、認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを認知分析する方法のフローチャートを示す。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを分析してトレーニングチャーンレートを決定する方法のフローチャートを示す。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画に応答してユーザフィードバックを分析して認知低下を決定する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を簡略かつ明確にするために、図面中の要素は必ずしも寸法通りに描かれていないことを理解されたい。例えば、明確にするために、一部の要素の寸法が他の要素に対して誇張される可能性がある。更に、適切と考えられる場合には、対応する要素又は類似の要素を示すために参照符号が図面間で繰り返し用いられていることがある。
【0019】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、当業者であれば、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることを理解されたい。その他、本発明を不明瞭にしないように、公知の方法、手順、コンポーネント(構成要素)、モジュール、ユニット及び/又は回路については、詳細な説明を省略した。ある実施形態に関して説明されるいくつかの特徴又は要素を、他の実施形態に関して説明された特徴又は要素と組み合わせてもよい。説明を明確化にするために、同一又は類似の特徴又は要素の説明は、繰り返さないことがある。
【0020】
本発明の実施形態がこれらに限定されないが、例えば、「処理」、「計算」、「算出」、「決定」、「確立」、「分析」、「チェック」(“processing”, “computing”, “calculating”, “determining”, “establishing”, “analyzing”, “checking”)などの用語を利用して議論したものは、コンピュータ、計算プラットフォーム、計算システム又は他の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又は処理を指して(参照して)(refer to)もよい。これは、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理(例えば、電子)量として表されるデータを、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリに或いは動作及び/又は処理を実行する命令を記憶してもよい他の非一時的な情報記憶媒体内に物理量として同様に表される他のデータに、操作及び/又は変換する。本発明の実施形態はこれらに限定されないが、本明細書において用いられる「複数」及び「複数の」という用語は、例えば、「多数」又は「2つ以上」を含んでもよい。本明細書において「複数」又は「複数の」という用語は、2つ以上のコンポーネント、装置、要素、ユニット、パラメータなどを記載するために用いられてもよい。本明細書において用いられる用語セットは、1つ以上の項目を含んでもよい。特に記載がない限り、本明細書に記載された方法の実施形態は、特定の順序又は順番に拘束されない。追加的に、記載されるいくつかの方法の実施形態又はその要素は、同時に、同じ時点で、又は並行して行われてもよい。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なコンピューティングデバイスの概略ブロック図である
図1を参照する。コンピューティングデバイス100は、コントローラ又はプロセッサ105(例えば、中央処理装置プロセッサ(CPU)、チップ又は任意の適切な計算又はコンピュテーショナル(computing or computational)装置)、オペレーティングシステム115、メモリ120、実行可能コード125、ストレージ130、入力デバイス135(例えば、キーボード又はタッチスクリーン)、出力デバイス140(例えば、ディスプレイ)、及び、例えばインターネットなどの通信ネットワークを介して遠隔装置(リモートデバイス)と通信する通信ユニット145(例えば、セルラー送信機又はモデム、Wi-Fi通信ユニットなど)を含んでもよい。コントローラ105は、プログラムコードを実行して、本明細書で説明される動作を実行するように構成されてもよい。本明細書で説明されるシステムは、例えば、
図2Aに示される様々な装置及び/又はコンポーネントとして機能するために、1つ以上のコンピューティングデバイス100を含んでもよい。例えば、システム200は、コンピューティングデバイス100又はそのコンポーネントであってもよいか、又はそれを含んでもよい。
【0022】
オペレーティングシステム115は、コンピューティングデバイス100の動作を調整し、スケジューリングし、調停し、監視し、制御するか、又は管理することを含むタスクを実行するように設計及び/又は構成された任意のコードセグメント(例えば、本明細書で説明される実行可能コード125に類似するもの)であってもよいか、又はそれを含んでもよい。その例は、ソフトウェアプログラムの実行をスケジューリングするか、又はソフトウェアプログラム若しくは他のモジュール若しくはユニットが通信できるようにすることである。
【0023】
メモリ120は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SD-RAM)、ダブルデータレート(DDR)メモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期メモリユニット、又は他の適切なメモリユニット又はストレージユニットであってよいか、又はそれらを含んでよい。メモリ120は、複数の、おそらく異なるメモリユニットであってよいか、又はそれらを含んでよい。メモリ120は、コンピュータ若しくはプロセッサの非一時的可読媒体、又はコンピュータの非一時的な記憶媒体、例えば、RAMであってよい。
【0024】
実行可能コード125は、任意の実行可能コード、例えば、アプリケーション、プログラム、プロセス、タスク、又はスクリプトであってよい。実行可能コード125は、おそらくオペレーティングシステム115の制御下でコントローラ105によって実行されてよい。例えば、実行可能コード125は、本明細書で更に説明されるような方法を実行するソフトウェアアプリケーションであってもよい。明確にするために、実行可能コード125の単一のアイテムが
図1に示されるが、本発明の実施形態に係るシステムは、メモリ120に記憶され、かつコントローラ105に本明細書に記載の方法を実行させることができる実行可能コード125と同様の複数の実行可能コードセグメントを含んでよい。
【0025】
ストレージ130は、例えば、ハードディスクドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス、又は他の適切な取り外し可能及び/又は固定ストレージユニットであってよいか、又はそれらを含んでよい。いくつかの実施形態において、
図1に示されるいくつかのコンポーネントを省略してよい。例えば、メモリ120は、ストレージ130の記憶容量を有する不揮発性メモリであってよい。したがって、ストレージ130は、別個のコンポーネントとして示されているが、メモリ120に埋め込まれるか、又は含まれてよい。
【0026】
入力デバイス135は、キーボード、タッチスクリーン若しくはパッド、1つ以上のセンサ、又は他の若しくは追加の適切な入力デバイスであってよいか、又はそれらを含んでよい。任意の適切な数の入力デバイス135をコンピューティングデバイス100に動作可能に接続してよい。出力デバイス140は、1つ以上のディスプレイ若しくはモニタ、及び/又は他の任意の適切な出力デバイスを含んでよい。任意の適切な数の出力デバイス140をコンピューティングデバイス100に動作可能に接続してもよい。ブロック135及び140によって示されるように、任意の適用可能な入力/出力(I/O)装置をコンピューティングデバイス100に接続してもよい。例えば、有線又は無線ネットワークインタフェースカード(NIC)、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス、又は外付けハードドライブは、入力デバイス135及び/又は出力デバイス140に含まれてよい。
【0027】
本発明の実施形態は、プロセッサ又はコントローラによって実行されると、本明細書に開示される方法を実行する命令、例えば、コンピュータ実行可能命令を符号化し、含むか又は記憶するメモリ、ディスクドライブ、又はUSBフラッシュメモリのようなコンピュータ若しくはプロセッサの非一時的可読媒体、又はコンピュータ若しくはプロセッサの非一時的な記憶媒体などの物品を含んでよい。例えば、物品は、メモリ120などの記憶媒体、実行可能コード125などのコンピュータ実行可能命令、及びコントローラ105などのコントローラを含んでよい。そのような非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、プロセッサ又はコントローラによって実行されると、本明細書に開示される方法を実行する命令、例えば、コンピュータ実行可能命令を符号化し、含むか又は記憶するメモリ、ディスクドライブ、又はUSBフラッシュメモリであってよい。記憶媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)などの半導体デバイスを含む任意のタイプのディスク、又はプログラマブル記憶装置を含む、電子命令の記憶に適した任意のタイプのメディアを含んでよいが、これらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、メモリ120は、非一時的な機械可読媒体である。
【0028】
本発明の実施形態に係るシステムは、複数の中央処理装置(CPU)又は任意の他の適切な多目的若しくは専用プロセッサ又はコントローラ(例えば、コントローラ105と同様のコントローラ)、複数の入力ユニット、複数の出力ユニット、複数のメモリユニット、及び複数のストレージユニットなどのコンポーネントを含んでよいが、これらに限定されない。システムは、他の適切なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントを更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、システムは、例えば、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、サーバコンピュータ、ネットワークデバイス、又は任意の他の適切なコンピューティングデバイスであってもよいか、又はそれを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、システム及び方法は、成人ユーザの認知健康、特に記憶機能をサポートするように構成された、個人化されコンピュータ化された認知トレーニング計画のために提供される。
【0030】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答してユーザフィードバックを認知分析するシステム200のブロック図を示す
図2Aを参照する。
図2Aでは、矢印の方向は、情報の流れの方向を示し、破線要素は、ソフトウェア及び/又はアルゴリズムを示す。
【0031】
システム200は、少なくとも1つのプロセッサ201(
図1に示されるコントローラ105など)、例えば、認知トレーニング計画210を実施できるモバイル機器及び/又はPC内のプロセッサを含んでもよい。プロセッサ201は、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバック203のデータセットを含むデータベース202(例えば、
図1に示されるストレージシステム130)に接続されてよい。例えば、年齢、性別、医学的及び/又は精神的状態などの既知の特性を有するユーザは、(例えば、本明細書で詳細に説明されるような初期較正段階で)認知トレーニング計画210にフィードバック203を提供してもよい。
【0032】
トレーニング中、プロセッサ201は、ユーザの将来のトレーニングのために認知トレーニング計画210を改善するために、1日のトレーニング時間、トレーニングセッションの長さ、ユーザによって使用されるプラットフォーム(例えば、PC、タブレット、スマートフォン)、及び/又はトレーニング場所(例えば、自宅又は公共の場所)のうちの1つ以上に関連する情報を収集してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、ユーザフィードバック203から、ユーザへ表示される様々なシナリオでのユーザ応答時間(例えば、ゲームにおいて)及び/又は回答のタイプ(例えば、正解/誤答/ミス回答)、及び/又はディスプレイ上のターゲット位置、及び/又は入力のタイプ(例えば、キーボード又はタッチスクリーンを使用)、及び/又はユーザが取る休憩回数などの情報を収集してもよい。回答のタイプに関連する情報を収集することに加えて、プロセッサ201は、成功率、注意力安定性、注意力不足、空間的注意力、最長連続成功(streak)(例えば、ゲームにおける連続した正解の数)、学習曲線、睡眠の質、及び/又は気分(例えば、トレーニングセッションの質問に基づいて、又はスマートウォッチ又は他のセンサなどの専用装置から直接決定されるもの)のうちの少なくとも1つに関連する情報を収集してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ201によって収集された情報は、ユーザフィードバック203としてデータベース202に記憶されてよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、認知トレーニング計画210は、低い成功率、及び/又は高い応答時間の標準偏差(例えば、ある所定の閾値を超えるもの)、及び/又は特定のタイプのミス(例えば、場所vs正しい確認(識別)(identification))などで確認される認知機能(例えば、ゲーム、演習(exercise)など)に基づいて修正されてよい。トレーニングされた認知機能は、視覚、特徴及び対象接続(object binding)、情報の整理、意味ネットワーク、注意力(記憶プロセスにとって重要である)などの記憶力要素を含んでよい。
ユーザの注意力は、注意力集中、注意力の向き、選択的注意力、視空間的注意力、持続的注意力、実行注意力及び/又は注意力制御(例えば、注意力分散及び抑制を含む)などに対してトレーニングされてよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、ユーザフィードバック203を監視して、全体的な応答時間、注意力欠如の確認(例えば、応答時間の偏差)及び注意力安定性(例えば、応答時間の全体的な標準偏差の大きさ)に基づいて、トレーニング注意力を決定してもよい。
【0034】
プロセッサ201は、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204(例えば、ディープニューラルネットワークを使用する深層学習を用いて)を実行して、ユーザフィードバック203のデータセットを用いてトレーニングし、ユーザのトレーニング成功率205を予測してもよい。少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、所定のルールで実行しながら、以前に収集されたデータを用いてユーザに対してトレーニングされてよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、機械学習を用いて(例えば、ニューラルネットワークを用いて)コンピュータネットワークの教師あり学習でトレーニングされてもよい。教師あり学習は、タグ付きデータセット(例えば、システムを用いた人間ユーザのトレーニングの例)を用いたトレーニングを含むか、又はサンプルにタグを付けてネットワークを教える人間オペレータの監督でのトレーニングを含んでよい。いくつかの実施形態において、所定の量の新たなデータが収集されると、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、アルゴリズムの再トレーニングのために所定の期間(例えば、半自動的に)アクティブ化されてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、例えば、長短期メモリ(LSTM)ユニットを用いて、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)上に実装されてよい。RNNは、ノード間の接続が時間シーケンスに沿って有向グラフを形成する人工ニューラルネットワークのクラスである。フィードフォワードニューラルネットワークとは異なり、LSTMアーキテクチャを備えたRNNには、内部状態(メモリ)を使用して入力シーケンスを処理するためのフィードバック接続がある場合がある。
【0035】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、(例えば、教師あり学習を用いて)トレーニング成功率205を予測してもよく、ここで、同様のユーザは、例えば、類似コンテンツ(例えば、性別、場所、年齢、教育など)及び/又は類似行動(例えば、トレーニング履歴の成功に対するもの)に基づいて長期ユーザの継続的に更新されるデータセットから確認されてよい。したがって、いくつかの実施形態において、特定のユーザのトレーニング成功率205は、特定のトレーニングセッションに対する類似ユーザの成功に基づいて、プロセッサ201によって計算及び/又は予測されてよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、認知トレーニング計画210は、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204から(例えば、直接及び/又はプロセッサ201を介して)入力を受信してよく、入力は、例えば、所望のトレーニング成功率205を受信するために使用する演習及び/又はレベル及び/又は変数を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を絶えず改善し、かつトレーニング結果を予測されたトレーニング成功率205と比較するために、トレーニング中及び/又はトレーニング後に、提供された命令に従ってトレーニングの進行状況に関する情報とともにユーザフィードバック203を継続的に受信してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いて(例えば、結果を達成するためにアルゴリズムを実行して)、推奨事項を生成してトレーニング成功率205を増加(又は減少)してもよい。トレーニング中、プロセッサ201は、計算されたトレーニング成功率205に従って認知トレーニング計画210を修正してもよく、例えば、計算されたトレーニング成功率205が所定の閾値を下回る場合、認知トレーニング計画210は、ユーザにとってより容易になるように修正されてよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、トレーニング時間(例えば、時刻又は曜日)、睡眠の質(例えば、最大集中力のために最適化された睡眠時間)、及び/又はこれらの変数に関してトレーニングセッションに違いがあるかどうかなど、どの変数が認知能力に影響を与えるかを反映するためにユーザへ表示される統計(例えば、グラフ)を生成してもよい。いくつかの実施形態において、少なくともいくつかの特徴は、プロセッサ201によって決定されてよい(例えば、成功率又はトレーニングチャーンレートは、異なる機械学習アルゴリズムによって実行される)。
【0038】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答して行動パターン206を決定する別のシステム230及び240のブロック図を示す
図2B及び2Cを参照する。
図2B及び2Cのいくつかの要素は、
図2Aに示される要素、例えば、プロセッサ201と同じであるか又は類似してよい。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ201は、例えば、機械学習アルゴリズム204を用いて、ユーザフィードバック203からユーザの行動パターン206(例えば、認知及び/又は運動能力を反映し得る反応時間及び/又は正解などの行動及び/又はフィードバックのパターン)を決定してもよい。いくつかの実施形態において、行動パターン206は、認知行動パターンであってよい。
【0040】
プロセッサ201は、決定されたユーザの行動パターン206及び/又はユーザ特性に基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いてトレーニング成功率205の予測を決定してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、決定されたユーザの行動パターン206が所定の閾値を超えたときに、警報を発してもよい。例えば、機械学習アルゴリズム204は、例えば、トレーニング成功率が40%減少することを決定(判定)するなど、ユーザの行動パターン206が所定の閾値を満たすか又は超えるかを決定するために、(例えば、ユーザフィードバック203からの)トレーニング中のユーザの行動を、(例えば、ユーザプロファイル207からの)初期状態と比較してよい。いくつかの実施形態において、警報手順で収集された情報は、ユーザの行動パターン206アルゴリズムにフィードバックされてよい。例えば、スライディングウィンドウ技術は、教師あり学習(RNNなど)又は以前のウィンドウ間の違いを見つけることによる教師なし学習と共に使用されてよい。どちらの場合も、サブシーケンス間の距離関数を定義して、いくつかの異常検出方法への入力として前のウィンドウからの距離を計算するために使用してよい。
【0041】
例えば、機械学習アルゴリズム204は、各ユーザに対する所定のトレーニング成功率205(例えば、80%)を達成するように構成されてよい。トレーニング成功率205は、例えば、ユーザがかなりの期間にわたってトレーニングし続けるようにするトレーニングセッション中(例えば、成功率の低下がトレーニングの持続性の低下も示す場合)に測定され、及び/又はトレーニング成功率205は、(ゲーム内などで)新たなトレーニングレベルを完了することに成功して測定されてもよい。例えば、トレーニング時間の短縮のために成功率205の低下が確認された場合、機械学習アルゴリズム204は、より低いトレーニング成功率205を達成することにより、ユーザのトレーニングを維持するように構成されてよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、トレーニング成功率205を更に高めるために、及び/又はユーザの行動が大幅に変化した場合に、ユーザと直接対話するための一連のアクションは、特定のユーザの行動パターン206に基づいて定義されてよい。ユーザフィードバックデータ203は、異なるアクションがユーザのパフォーマンスに与える影響についての強化及び/又は教師あり学習によって収集されてよい。収集されたユーザフィードバックデータ203に基づいて、所定のルール及び/又は機械学習アルゴリズムは、それに応じて、トレーニング及び/又は提示されるパラメータを実施してよい。そのような各アクション(例えば、ユーザとの電話の開始、教育材料の提供など)について、どのアクションがトレーニング成功率205を改善するかを知るために、トレーニング成功率205への影響を測定してよい。いくつかの実施形態において、アクションへの応答がシステム200及び/又はシステム230及び/又はシステム240によって学習されると、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、各ユーザに対して、どのアクションが必要とされ得るか、それに応じてトレーニング中のどの時間にこれらのアクションを適用するかを予測してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、ユーザフィードバック203を分類して(及び/又はプロセッサ201は、アルゴリズムに分類を実行するように指示してよい)、例えば、所定のプロファイル(例えば、データベース202に記憶される)のリストから、年齢、性別などを含む少なくとも1つのユーザプロファイル207を決定してもよく、例えば、少なくとも1つのプロファイルは、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204によって決定されてよい。いくつかの実施形態において、決定された少なくとも1つのユーザプロファイルは、
図2A~2Eに示されるシステム200、230、240、260及び270のうちの少なくとも1つによって使用されてよい。いくつかの実施形態において、ユーザの行動パターン206の決定された予測は、決定された少なくとも1つのユーザプロファイル207に基づいてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのユーザプロファイル207は、更に、又はその代わりに、性別、年齢、教育、場所、言語、職業、現在の職業状態、医学的状態及び/又は結婚状況などの少なくとも1つのユーザ特性に基づいて、決定されてよい。少なくとも1つのユーザプロファイル207は、更に、又はその代わりに、受信されたフィードバックのクラスタリングに基づいて決定されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答してトレーニングチャーンレート264を決定する別のシステム260のブロック図を示す
図2Dを参照する。
図2Dのいくつかの要素は、
図2Aに示される要素、例えば、プロセッサ201と同じであるか又は類似してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ201は、機械学習アルゴリズム204を用いてトレーニングチャーンレート264を予測してもよい。ユーザのトレーニングチャーンレートは、様々なレベルの継続的な関与(ongoing engagement)(例えば、トレーニング期間及び/又はトレーニングの時刻に基づいて)で定義されてよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、(例えば、ユーザがアカウントを閉じたか、又はトレーニングを停止した場合)継続的な使用及び/又はユーザ関与のデータを収集することにより、機械学習アルゴリズム204を用いてユーザのトレーニング習慣及び/又は所望のトレーニングチャーンレート264を予測してよい。いくつかの実施形態において、所望のトレーニングチャーンレート264を予測するために、機械学習アルゴリズム204は、例えば、更に、ユーザプロファイル207に基づいて、ユーザの収集された新たなトレーニングデータと比較する、関与の低下及び/又はトレーニングの停止として以前に確認された他のユーザのデータを入力として受信してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ201は、例えば、教師なし学習を用いて、ユーザの行動の変化及び/又は異常を検出してもよい。プロセッサ201は、ユーザのパフォーマンスを監視し、各プロファイルごとに期待される(expected)行動で、ユーザごとにプロファイルを定義してもよい。いくつかの実施形態において、新たなトレーニングセッションで検出された期待される行動からの普通ではない(non-trivial)又は重要な偏差(例えば、トレーニングの前に事前に定義されたもの)は、例えば、ユーザとの接触を開始するために、フラグを立てて警報を発してもよい(例えば、異常の原因を理解するために、又は、医学的な問題又は悲しみなどの大きな変化がある場合など、ユーザに電話をかける)。
【0048】
いくつかの実施形態において、認知能力に変化があるかどうかを確認するための客観的な測定又は評価として、ユーザの行動の測定を、所定の間隔で、例えば月に1回実行してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、行動の変化を決定するために、例えば、トレーニングチャーンレート264を決定するために、機械学習アルゴリズム204は、ユーザの行動パターン206(
図2Cに示される)のデータを入力として受信してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答して認知低下274を決定する別のシステム270のブロック図を示す
図2Eを参照する。
図2Eのいくつかの要素は、
図2Aに示される要素、例えば、プロセッサ201と同じであるか又は類似してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、機械学習アルゴリズム204を用いて、軽度認知障害(MCI)に関連する認知低下274を予測及び/又は検出してもよい。MCIは、記憶力及び思考力(判断力、適切な意思決定など)を含む認知能力の顕著で測定可能な低下を引き起こす可能性がある。MCIのある人は、アルツハイマー病又は別のタイプの認知症を発症するリスクが高くなる。
【0052】
いくつかの実施形態において、MCIの異なる段階にあるユーザが、例えば、外部の医療機関の診断によって最初にタグ付けされる場合、例えば、MCIのある段階でタグ付けされていないユーザの類似パターンを後に確認するために、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、そのようなユーザの行動パターンを学習してもよい。したがって、MCIの予測は、システム200及び/又はシステム270によって利用可能であってよい。いくつかの実施形態において、マルチラベル時系列は、注意メカニズム又はLSTMなどのマイノリティクラス予測アルゴリズム(新たなユーザに対して)と共に使用されてよい。オーバーサンプリング又は敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks)(GANs)メカニズムを使用して、例のセットを強化してもよい。いくつかの実施形態において、教師なし検出を、局所外れ値因子法(LOF)、カーネル密度推定(KDE)、K-Meansなどのクラスターベースのアルゴリズムと共に使用して、ユーザのMCIレベルを確認してよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、例えば、所望の認知低下274を予測するために、機械学習アルゴリズム204は、例えば、ユーザプロファイル207にも基づいて、ユーザの収集された新たなトレーニングデータと比較する、認知低下(例えば、MCI又は認知症のある)として以前に確認された他のユーザのデータを、入力として受信してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、行動の変化を決定するために、例えば、認知低下274を決定するために、機械学習アルゴリズム204は、ユーザの行動パターン206(
図2Cに示される)のデータを、入力として受信してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態に係る認知データ収集のためのシステム300のブロック図を示す
図3を参照する。いくつかの実施形態において、システム300は、ユーザ30から認知データを収集するためにシステム300の要素が追加されるとともに、システム200のいくつか又は全ての要素(プロセッサ201及びデータベース202など)を更に含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、システム300は、プロセッサ201に接続された、EEG信号を測定する少なくとも1つの脳波(EEG)センサ301を含んでもよい。プロセッサ201は、少なくとも1つのEEGセンサ301を用いてユーザ30の認知信号を監視するように構成される。いくつかの実施形態において、ユーザプロファイル207は、更に、測定されたEEG信号に基づいて決定されてもよい。例えば、ユーザ30は、少なくとも1つのEEGセンサ301を備えたヘッドセットを装着して、私的使用に応じて、又は臨床医によって許可された場合に、それぞれ商用EEGチャネル(1~16)又は臨床EEGチャネル(16~64)を使用して脳波及び特定の活動に関する測定値を収集してよい。いくつかの実施形態において、決定されたトレーニング成功率205は、少なくとも1つのEEGセンサ301によって収集されたデータに基づいて改善されてよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、EEGセンサ301は、同様に、異なる脳波(例えば、アルファ、ベータ、シータ)及びそれらの間の関係に従ってニューロフィードバックを提供し、例えば、認知トレーニング計画210に応答して脳波間の相関関係を見つけるために使用されてよい。いくつかの実施形態において、測定された信号は、測定された波及び/又は波の関係の閾値に対する特定の応答を伴って、トレーニングセッション(例えば、ゲーム)に統合されてよい。いくつかの実施形態において、トレーニングは、脳波活動(例えば、アルファレベル又はシータ/ベータレベルに基づく)と所定のレベル及び/又はトレーニング中に維持する手段に基づくニューロフィードバックを伴うデュアルタスクのオプションを含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、システム300は、例えば、プロセッサ201に接続された少なくとも1つのイメージャ302を含んでもよい。プロセッサ201は、少なくとも1つのイメージャ302を用いて、ディスプレイ310に表示されたコンテンツについてユーザ30の眼球運動を監視し、それに応じてトレーニング中のユーザ30の集中力及び/又は注意力を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、決定されたトレーニング成功率205は、例えば、少なくとも1つのイメージャ302によって収集されたデータに基づいて、改善されてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのイメージャ302は、タブレット、スマートフォンなどのコンピュータ化された装置(
図1に示されるコンピューティングデバイス100など)のカメラを用いて、又は臨床アイトラッカーによって、眼球運動及び/又は瞳孔サイズを追跡してもよい。視線追跡データは、トレーニング中に、トレーニングディスプレイ310に提示された状態に関連して、収集されてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、収集された視線追跡データを分析して、ディスプレイ310に提示されるコンテンツと相関するサッカード(saccade)、凝視、瞳孔サイズなどを確認し、注意力の質、注意力の測定及び記憶力の測定を決定してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのトレーニングセッションは、仮想現実環境で実行されてよい。例えば、着用可能な単一装置(例えば、ヘッドセット)は、バイオフィードバックを脈拍数及び発汗監視と組み合わせるために、EEGセンサ301及び/又はイメージャ302及び/又はヘッドセットで表示される仮想現実イメージングを含んでよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、プロセッサ201は、外部デバイス(EEGセンサ301及び/又はイメージャ302など)並びに活動量計、スマートウォッチ、スマートフォンなどのユーザによって使用される他の外部デバイスから収集されたデータ、臨床データ、及びテスト結果の分析を実行し、認知トレーニング計画210を改善し、それに応じてトレーニング成功率205を増加させてもよい。収集された付加的なデータは、睡眠の質、毎日の活動、場所(例えば、GPSデータを使用)、安定性(例えば、装置を保持している間の手の安定性)、及び/又は感情的な状態(例えば、音声、音声認識及び/又は栄養、投薬などに基づく)に関連する可能性がある。いくつかの実施形態において、この収集されたデータは、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いて計算されて、例えば、より正確な個人化されたトレーニング、個人的な推奨事項、及び/又は認知的フラグ付けを提供してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、プロセッサ201は、正解率及び/又は応答時間に基づいて、トレーニング成功率205及び/又は一般的なトレーニングの進行状況を計算してもよく、例えば、空間的注意力の検出に基づいて、ユーザが周囲空間でどのように注意力を分散させるかを測定してもよい。したがって、いくつかの実施形態において、トレーニングは、ディスプレイ310の異なる領域のターゲットを含んでよく、それらの領域間で受信された応答(例えば、ユーザフィードバック203として登録された)を比較して、例えば、空間的注意力マップを作成し、(表示領域内の)「無視(neglect)」の領域を特定してよい。ユーザの空間的注意力を改善するために、これらの領域をマークしてトレーニングしてよい。
【0063】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答してユーザフィードバック203を分析する方法のフローチャートを示す
図4Aを参照する。
【0064】
ステップ401で(例えば、プロセッサ201によって)所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204をトレーニングして、トレーニング成功率205を予測してもよい。所定のデータセットは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含んでよい。ステップ402で新たなユーザフィードバックを受信してもよく、ステップ403で(例えば、プロセッサ201によって)受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いて、トレーニング成功率205の予測を決定してよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、強化学習でトレーニングされてよい。いくつかの実施形態において、健康な人のデータを使用して、認知低下のある人々の予測モデルを構築するために、転移学習アルゴリズムを使用してよい。
【0065】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答してユーザフィードバック203を分析する方法のフローチャートを示す4Bを参照する。いくつかの実施形態において、ステップ404で(例えば、プロセッサ201によって)所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204をトレーニングして、トレーニング成功率205を予測してもよい。所定のデータセットは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含んでもよい。トレーニングセット及び/又はトレーニング変数は、(例えば、所定の閾値を用いて)トレーニング成功率205の予測を満たすように決定されてもよい。ステップ405で、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いたトレーニング成功率の予測に従って、トレーニング変数を更新してもよい。ステップ406で新たなユーザフィードバックを受信すると、ステップ405でトレーニング変数を再更新してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態によれば、(例えば、プロセッサ201によって)所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204をトレーニングして、例えば、ユーザの行動パターン206を決定してもよい。所定のデータセットは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックと、以前に計算された他のユーザの行動パターンとを含んでもよい。いくつかの実施形態において、新たなユーザフィードバックを受信してもよい。(例えば、プロセッサ201によって)少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いて、ユーザの行動パターン206と新たな受信データとの比較を実行して、動作パターン206の異常を確認してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、(例えば、プロセッサ201によって)所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204をトレーニングして、例えば、ユーザの行動パターン206を決定してもよい。所定のデータセットは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックと、以前に計算された他のユーザの行動パターンとを含んでもよい。少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204は、特定のユーザのストレス条件下での行動の予測など、他の状況でのユーザの行動を適宜予測するようにトレーニングされてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答してユーザフィードバック203を分析してトレーニングチャーンレート264を決定する方法のフローチャートを示す5を参照する。
【0069】
いくつかの実施形態において、ステップ501で(例えば、プロセッサ201によって)所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204をトレーニングして、トレーニングチャーンレート264を予測してよい。所定のデータセットは、以前に受信された、既知の特性(例えば、トレーニングセッションの数、トレーニングの頻度、トレーニングの時間/日付などに関するユーザフィードバック)を有するユーザのユーザフィードバックを含んでもよい。ステップ502で新たなユーザフィードバックを受信してよい。ステップ503で(例えば、プロセッサ201によって)受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いて、トレーニングチャーンレート264の予測を決定してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態に係る認知トレーニング計画210に応答してユーザフィードバック203を分析して認知低下274を決定する方法のフローチャートを示す
図6を参照する。
【0071】
いくつかの実施形態において、ステップ601で(例えば、プロセッサ201によって)所定のデータセットを用いて少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204をトレーニングして、可能性のある認知低下にフラグを立て、及び/又は認知低下274を予測してよい。所定のデータセットは、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックを含んでもよい。所定のデータセットは、例えば、認知臨床診断を含む、以前に受信された、既知の特性を有するユーザのユーザフィードバックに基づいて、異なる認知悪化状態を特徴付ける、以前に計算されたパターンを含んでもよい。ステップ602で新たなユーザフィードバックを受信してもよい。ステップ603で(例えば、プロセッサ201によって)受信された新たなユーザフィードバックに基づいて、少なくとも1つの機械学習アルゴリズム204を用いて、認知低下274の予測を決定してもよい。
【0072】
本発明の特定の特徴は既に本明細書において図示されて記載されたが、当業者であれば、多くの変形、置換、変更、均等物化を行うことができる。したがって、添付された特許請求の範囲は、本発明の真の範囲に含まれるこのような全ての変形及び変更をカバーすることを意図するものであると理解されたい。
【0073】
様々な実施形態について説明した。これらの実施形態の各々は、当然に、例示された他の実施形態の特徴を含む。詳細に説明されていない実施形態は、本明細書に記載されている様々な特徴を含み得る。