(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】防水性かつ水蒸気透過性履物
(51)【国際特許分類】
A43B 7/12 20060101AFI20241223BHJP
A43B 7/06 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
A43B7/12
A43B7/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023133957
(22)【出願日】2023-08-21
【審査請求日】2023-10-24
(32)【優先日】2022-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510326809
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソチアティ ソチエタ レスポンサビリタ リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーア ジュッポーニ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-512132(JP,A)
【文献】特表2012-513223(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0049889(US,A1)
【文献】特表2020-527078(JP,A)
【文献】特開平07-222603(JP,A)
【文献】特表2005-520611(JP,A)
【文献】特開2002-172003(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0000111(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0041474(US,A1)
【文献】中国実用新案第213370279(CN,U)
【文献】国際公開第2011/098344(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/033055(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00- 23/00
A43C 1/00- 19/00
A43D 1/00-999/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー、
インソール、
ソール、及び、
ネット材料、
を含む、防水性かつ水蒸気透過性履物物品であって、
前記アッパーは、外側材料と防水性かつ水蒸気透過性膜とを含み、前記防水性かつ水蒸気透過性膜は、前記
防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する前記外側材料の表面にラミネート化されており、
前記ネット材料の少なくとも上端部は、前記アッパーの前記防水性かつ水蒸気透過性膜に、前記アッパーの下周縁部で、前記
防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する前記防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上で取り付けられて
おり、前記ネット材料の下端部は靴型処理接着剤によって前記インソールの下側に取り付けられている、防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項2】
前記ネット材料はシームで前記防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられている、請求項1記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項3】
前記ネット材料及び前記防水性かつ水蒸気透過性膜は少なくとも6mmオーバーラップしている、請求項1又は請求項2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項4】
前記ネット材料は、前記ネット材料の内側に面する表面が前記防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられるように、上端部で巻かれた縁部を含む、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項5】
前記ネット材料は、前記ネット材料の外側に面する表面で前記防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられている、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項6】
前記インソールは、靴型ボー
ド又はつま先靴型ボードである、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項7】
前記インソールは窓及びスペーサ材料を含む、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項8】
前記アッパーは、前記防水性かつ水蒸気透過性膜の内側に面する表面にラミネート化されたテキスタイル又はメッシュ層をさらに含む、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項9】
前記
防水性かつ水蒸気透過性履物物品はライナーをさらに
含む、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項10】
前記ライナーはブーティを形成する、請求項
9記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項11】
保護つま先キャップは前記
防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側で前記アッパーに取り付けられている、請求項1又は2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
【請求項12】
防水性かつ水蒸気透過性履物物品を製造する方法であって、
少なくとも1つの外層と、
防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する表面上で前記外層にラミネート化された防水性かつ水蒸気透過性膜とを有するアッパー、インソール、ソール及びネット材料を提供すること
、
前記ネット材料の上端部を、前記アッパーの前記防水性かつ水蒸気透過性膜に、前記アッパーの下周縁部で前記
防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する前記防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上で取り付けること、
前記ネット材料の下端部を靴型処理接着剤によって前記インソールの下側に取り付ける工程、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アッパー、インソール、ソール及びネット材料を含む、防水性かつ水蒸気透過性履物物品に関する。アッパーは防水性かつ水蒸気透過性膜及び外側材料を含む。防水性かつ水蒸気透過性履物物品を製造する方法も提供される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
防水性かつ水蒸気透過性アッパー材料を含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品は、アウトドアスポーツだけでなく、例えば、防火、保健、警察、機械及び防衛の分野などのヘビーデューティワークにも使用されるなど、様々な目的に使用され、ここで、履物は通常、より厚くて丈夫である。このような防水性かつ水蒸気透過性履物物品は、水、流体、泥及び雪などの要素から保護すると同時に、耐久性及び保護も提供する。
【0003】
特にヘビーデューティ分野において、履物物品が使用中に確実に防水性を提供することが望ましい。例えば、防火分野において、ブーツに水が浸入すると、これらのブーツが冷たく、重くなり、履き心地が悪くなり、着用者の安全が損なわれることがある。重いブーツは、不快感により着用者の注意がそらされるとともに、着用者の素早い動きを妨げる可能性がある。
【0004】
さらに、ヘビーデューティワーク又はアウトドア用途で使用される防水性かつ水蒸気透過性履物物品は、しばしば、高い機械的応力に耐えることができる複雑なアッパー材料を必要とする。特に、アッパーとソールとの間の領域のシール形成は、これらの防水性かつ水蒸気透過性履物物品の製造において問題を引き起こすことがある。
【0005】
したがって、特にヘビーデューティ用途において、信頼性の高い防水性及び水蒸気透過性を提供する、防水性かつ水蒸気透過性履物物品が必要とされている。特に、防水性かつ水蒸気透過性履物物品のアッパーとソールとの間に適切なシール形成が必要とされている。さらに、上記の問題を回避する、このような防水性かつ水蒸気透過性履物を製造する改良された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
発明の要旨
アッパー、インソール、ソール及びネット材料を含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品が提供される。アッパーは、外側材料と、防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する外側材料の表面にラミネート化された防水性かつ水蒸気透過性膜とを含む。ネット材料の少なくとも上端部は、アッパーの防水性かつ水蒸気透過性膜に、アッパーの下周縁部にて、防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上で取り付けられる。
【0007】
ネット材料は防水性かつ水蒸気透過性膜にシームで取り付けられうる。ネット材料及び防水性かつ水蒸気透過性膜はオーバーラップすることができる。ネット材料及び防水性かつ水蒸気透過性膜は少なくとも6mmオーバーラップする。ネット材料は、ネット材料の外側に面する表面で防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられることができる。あるいは、ネット材料は、ネット材料の内側に面する表面が防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられるように、上端部で巻かれた縁を含むことができる。これに関して、ネット材料の内側に面する表面及びネット材料の外側に面する表面は、ネット材料の下端部で画定される。
【0008】
ネット材料の少なくとも下端部はインソールに取り付けられることができる。ネット材料は、シームでインソールに取り付けられることができる。ネット材料は接着剤でインソールに取り付けられることができる。実施形態では、履物物品の幾つかの部分において、ネット材料は接着剤でインソールに取り付けられ、他の部分ではシームで取り付けられている。
【0009】
インソールは、靴型ボード、ストロベルボード又はつま先靴型ボードであることができる。インソールは窓を含むことができる。この窓により、射出されたソールポリマーが窓を通って防水性かつ水蒸気透過性膜に向かって流れることができる。窓の周囲で、スペーサ材料は、着用者の足の下側に面するインソールの上面に取り付けられることができる。スペーサ材料はチャネルを含むことができる。チャネルは窓から外側に向けることができる。
【0010】
アッパーはバッキング層をさらに含むことができる。バッキング層は、防水性かつ水蒸気透過性膜の内側に面する表面にラミネート化されたテキスタイル層又はメッシュ層であることができる。テキスタイル層は編物又は織物であることができる。バッキング層は、射出ソールポリマーがアッパーの防水性かつ水蒸気透過性膜に浸透して到達できるように、開放構造を有しなければならない。
【0011】
少なくとも1つのテキスタイル層を、防水性かつ水蒸気透過性膜の外側に面する表面にラミネート化することができる。テキスタイルは、編物、織物又は不織布であることができる。
【0012】
防水性かつ水蒸気透過性履物物品は、ライナーをさらに含むことができる。ライナーはアッパーの内側にある。ライナーは、少なくとも1つのテキスタイル層又はメッシュ材料を含むことができる。ライナーは、少なくとも1つのテキスタイル層と、防水性かつ水蒸気透過性膜とを含むことができる。ライナーは、2つのテキスタイル層の間に挟まれた防水性かつ水蒸気透過性膜を含むラミネートであることができる。ライナーはブーティの形態であることができる。ライナーは、つま先領域のみにブーティを形成することができる。底部には、ブーティはブーティの側部とは異なる材料を含めることができる。ブーティの底部で、ライナーは、異なる材料で補強されうる。ライナーが底部で開口しており、防水性かつ水蒸気透過性膜を含むときに、防水性かつ水蒸気透過性膜はネット材料に面する。射出ソールポリマーがライナーの防水性かつ水蒸気透過性膜に到達するためには、防水性かつ水蒸気透過性膜の間に位置するバッキング層は開放構造を有しなければならない。
【0013】
防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側でアッパーに、保護つま先キャップを取り付けることができる。保護つま先キャップは、アッパーとライナーとの間に配置されうる。
【0014】
防水性かつ水蒸気透過性履物物品は、保護層、好ましくはポリウレタン層をさらに含むことができる。保護層はゴム層であることができる。保護層は、防水性かつ水蒸気透過性履物物品の外側に配置されうる。保護層は、アッパーの底部周囲の外側及びネット材料に取り付けることができる。保護層は、ソールポリマーを射出することによってネット材料に取り付けることができる。保護層は、接着剤でネット材料に取り付けることができる。
【0015】
防水性かつ水蒸気透過性履物物品を製造する方法であって、少なくとも1つの外層と、防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する表面上で前記外層にラミネート化された防水性かつ水蒸気透過性膜とを有するアッパー、インソール、ソール及びネット材料を提供すること、及び、場合により、少なくとも1つの防水性かつ水蒸気透過性膜を場合により含むライナー材料を提供すること、前記ネット材料の少なくとも上端部を、前記アッパーの前記防水性かつ水蒸気透過性膜に、前記防水性かつ水蒸気透過性履物物品の内側に面する前記防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上で、前記アッパーの下部周縁部で取り付けることを含む、方法がさらに提供される。
【0016】
この方法は、前記ネット材料の下端部を前記インソールに取り付ける工程をさらに含むことができる。さらなる工程として、ソールは射出成形される。
【0017】
この方法は、ソールを射出する工程をさらに含むことができる。
【0018】
本発明の異なる実施形態は、つま先領域及び履物物品の残りの部分に適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面の簡単な説明
本発明の特徴は、非限定的な例として提供される以下の説明及び添付の図面から、当業者であればよりよく理解されるであろう。
【0020】
【
図1】
図1は、ネット材料を含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品の断面図である。
【0021】
【
図2】
図2はネット材料及びライナーを含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品の断面図である。
【0022】
【
図3】
図3はネット材料を含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品の断面図である。
【0023】
【
図4】
図4はネット材料及びライナーを含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品の断面図である。
【0024】
【
図5】
図5はネット材料を含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本発明の様々な実施形態を以下に詳細に説明するが、本発明は、多種多様な特定の状況で具体化できる多くの適用可能な発明概念を提供することを理解されたい。本明細書で説明する特定の実施形態は、本発明を製造及び使用するための特定の方法を単に例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0026】
本発明の理解を容易にするために、幾つかの用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。「a」、「an」及び「the」などの用語は、単一の物のみを指すことを意図したものではなく、説明のために特定の例が使用されうる一般的なクラスを含む。本明細書における用語は、本発明の特定の実施形態を説明するために使用されるが、特許請求の範囲に概説される場合を除き、その使用法は本発明を限定するものではない。
【0027】
「履物」又は「履物物品」という用語は、靴、ブーツ、スニーカーなどの足の外側の覆いを指す。
【0028】
本発明は、防水性かつ水蒸気透過性履物物品、及び、前記防水性かつ水蒸気透過性履物物品の製造方法に関する。防水性かつ水蒸気透過性履物物品は、アッパー、インソール、ソール及びネット材料を含む。ネット材料は、ソールを成形するために射出されるポリマー材料に対して透過性を有しなければならない。好ましくは、ネット材料は、開放メッシュ材料又は開口部を含むテキスタイル材料である。これらの開口部は、ステープル、ループもしくはステッチ、又は、射出ソールポリマー材料が開口部を通って流れることを可能にする同様の構造から形成されうる。射出ソールポリマー材料の十分な流れにより、アッパーの防水性かつ水蒸気透過性膜と防水性ソールとの間に耐久性のある防水性シールが形成されうる。さらに、ネット材料には、ソールを射出成形する前に靴型又はストロベルプロセスに十分な機械的強度が必要である。
【0029】
アッパーは、外側材料及び防水性かつ水蒸気透過性膜をラミネートしたものを含む。アッパーは、外側材料と防水性かつ水蒸気透過性膜との間に少なくとも1つのテキスタイル層をさらに含むことができる。履物物品の内側に面する防水性かつ水蒸気透過性膜の側に、バッキング層をラミネート化することができる。バッキング層は、開放メッシュ材料又はテキスタイル層であることができる。バッキング層に関するテキスタイル層及び開放メッシュ材料は、ソールの射出ポリマー材料がテキスタイル層又は開放メッシュ材料に完全に浸透することを可能にする任意の材料を意味する。テキスタイル層は、好ましくは編物又は織物である。繊維、フィラメント又はヤーンの間の開口部は、射出ポリマーソール材料が浸透して防水性かつ水蒸気透過性膜に到達するのに十分な開口部を提供する。外側材料及び防水性かつ水蒸気透過性膜は、外側材料と防水性かつ水蒸気透過性膜とが表面の大部分にわたって取り付けられるように互いにラミネート化される。アッパーの防水性かつ水蒸気透過性膜は、2層、3層又は4層のラミネート(防水性かつ水蒸気透過性ラミネートを含む)を含むことができる。
【0030】
外側材料は、この目的に典型的に使用される任意の材料から作ることができる。例としては、皮革、合成皮革及びテキスタイル布帛などが挙げられる。典型的には、テキスタイル布帛は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド(例えば、ナイロン)又は綿を含む。外側材料は、上記の材料の2層以上の層を含むラミネートであることができる。
【0031】
テキスタイル布帛は、モノフィラメントなどのフィラメント、又は繊維、あるいはそれらの任意の混合物を含むことができる。繊維としては、天然繊維及び合成繊維ならびにそれらの任意の混合物が挙げられる。天然繊維としては、綿、麻、リネンなどのセルロース系、シルク、アンゴラ、羊毛、アルパカ、カシミア、モヘアなどの動物繊維、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0032】
合成繊維としては、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミドをベースとした繊維及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。テキスタイル布帛は、編布、織布、不織布のいずれであってもよい。布帛は伸長することができる。伸張性は、エラストマー製などの伸張性のあるヤーン又は繊維を使用しているためであることができる。伸張性は、ヤーン又は繊維の編み方又は織り方に起因することができる。
【0033】
本明細書で使用されるときに、「編物布帛(編布)」という用語は、ループステッチと呼ばれるループの連続列になった少なくとも1本のヤーン、糸又はモノフィラメントを含む構成を有する任意の布帛又はテキスタイルを指す。各列が進むにつれて、新しいループが既存のループを介して引っ張られる。活性ループステッチは、別のループが通過できるまで針に保持される。
【0034】
製編の方法において、1つ又は複数のヤーン又はモノフィラメントのループが絡み合うことによって布帛が形成される。ヤーン又はモノフィラメントの各糸はコースと呼ばれる蛇行経路をたどるため、糸の蛇行経路に対して対称的にループを形成する。あるループを別のループに通すときに、ループステッチは形成される。ループステッチは水平方向(緯編)又は垂直方向(経編)に形成できる。各ステッチが次のステッチから吊り下げられている一連のループステッチをウェールと呼ぶ。
【0035】
緯編は、単一のヤーン又はモノフィラメントからループが水平方向に作られ、ループの噛み合いが横方向、つまりウェールがヤーン又はモノフィラメントのコースに対して垂直になる布帛を形成する方法である。緯編は、1本のヤーン又はモノフィラメントのみを使用して編成することも、複数のヤーン又はモノフィラメントを使用して編成することもできる。
【0036】
経編は、各経糸又はモノフィラメントから布帛の長さに沿って垂直にループを作成し、ループの絡み合いが長さ方向に起こる布帛形成方法である。経編において、ウェール及びコースは平行に走る。各ウェールには1本のヤーン又はモノフィラメントが必要であるため、多数のヤーン又はモノフィラメントの端は横方向に配置された個々の針に同時に供給される。
【0037】
好ましい編物材料は、ナイロン(例えば、PA6又はPA6.6)などのポリアミド又はポリエステルから作られた繊維を含む。
【0038】
「織物」とは、製織によって形成された布帛又はテキスタイルを指す。製織は、経糸と緯糸を織り交ぜて布帛を形成する方法である。経糸と緯糸はどちらも基本的に真っ直ぐで、縦方向(経糸)又は横方向(緯糸)に互いに平行に走る。
【0039】
「不織布」は、典型的に、繊維又はフィラメントが機械的、熱的又は化学的に絡み合ったシート又はウェブ構造として定義される。繊維はシート又はウェブの形で、典型的には、ランダムな構成で配置され、次いで、結合剤の存在の有無にかかわらず、結合のために少なくとも部分的に、ニードルパンチング又は水流交絡などの機械的結合、又は、シート又はウェブ上への結合剤の適用による化学的結合、又は、繊維又はフィラメントを溶融させることによる熱結合のいずれかで結合される。
【0040】
実施形態において、アッパーは4つの層を含むラミネートであることができる。このラミネートの最外層はマイクロファイバから作られていてよい。この最外層は不織布層にラミネート化されてもよい。マイクロファイバ層の反対側の表面上で、不織布層は防水性かつ水蒸気透過性膜にラミネート化されていることができる。第四の層として、テキスタイル層を、不織布層とは反対側の防水性かつ水蒸気透過性膜の表面にラミネート化されることができる。この層はアッパーにおいて履物の内側に向いている。この層は、編物などの開放メッシュ材料であることができる。開放メッシュ構造により、ソール材料がテキスタイル層を通って防水性かつ水蒸気透過性膜に浸透することができる。好ましくは、マイクロファイバはポリアミド又はポリウレタンから作られる。好ましくは、不織布層はポリエステル又はポリアミド、例えばナイロンから作られる。
【0041】
実施形態において、外層は耐久性撥水(DWR)加工されうる。DWRは、布帛に疎水剤をコーティング、浸漬又はスプレーして、布帛に耐水性又は疎水性を与える処理である。布帛が水で飽和するのを防ぐことで、機能層の通気性の低下を防ぐ。
【0042】
履物の防水性は、米国特許第5,329,807号明細書に記載されている遠心分離試験を使用して測定できる。その全体を参照により本明細書に組み込む。遠心分離試験は30分間実行できる。30分経過しても漏れが見られないならば、履物物品は防水性であると考えられる。
【0043】
履物の水蒸気透過性は、国防総省陸軍戦闘ブーツの温帯天候仕様に準拠した全ブーツ湿気蒸気透過率試験の決定に従って評価できる。仕様は次のとおりである。
全ブーツ湿気蒸気透過率
ブーツの蒸気透過性試験は、内部環境と外部環境の間の水蒸気濃度の差によって、試験サンプルを通る水蒸気透過速度(MVTR)を示すように設計されるべきである。
装置
a)外部試験環境制御システムは、試験期間全体にわたって23(±1)℃、相対湿度50%±2%を維持できるべきである。
b)重量計は水が充填された試験サンプルの重量を(±0.01)グラムの精度で測定できるべきである。
c)保水バッグは試験サンプルに挿入でき、内部の輪郭に適合するように可撓性であるべきであり、折り目がエアギャップを作らないほど十分に薄くなければならず、試験される履物物品よりもはるかに高いMVTRを有しなければならず、また、液体の水ではなく、水蒸気のみが履物物品の内部と接触するように防水性でなければならない。
d)試験サンプルのための内部ヒータは、試験サンプル中の液体の水の温度を35(±1)℃に均一に温度を制御できるべきである。
e)試験サンプルのカラー周囲のシーリング方法は、液体の水と水蒸気の両方に不透過性であるべきである。
手順
a)サンプルを試験環境及び条件に少なくとも12時間配置する。
b)加熱デバイスを保水バッグ内に挿入し、次いで、完成したアセンブリを試験サンプルの開口部に入れ、ソールの内側から測って5cmの高さまで水を満たす。
c)履物の上部の周囲でプラスチックラップによりカラーの周りの開口部をシールし、梱包テープを使用してテーピングする。
d)試験サンプルにおいて水を35℃に加熱する。
e)試験サンプルの重量を計量し、Wiとして記録する。
f)計量後に試験サンプルの温度を少なくとも4時間保持する。
g)少なくとも4時間後に、試験サンプルの重量を再計量する。重量をWfとして記録し、試験時間をTdとして記録する。
h)下記式から試験サンプルのMVTRをグラム/時で計算する。
i)MVTR=(Wi-Wf)/Td
この試験はASTM D8041 (2016)に準拠している。
例えば、ヨーロッパの靴サイズ42のローアンクルシューズでは、上記の計算値が1.5グラム/時間以上であるならば、その履物は通気性があると考えることができる。靴のサイズが大きいか又は小さい場合に、前記限界値は、靴の表面積の増加又は減少に従って外挿することができる。
【0044】
防水性かつ水蒸気透過性膜は、DIN EN 343 (2010)で指定された要件が満たされるときに、つまりEN 20 811(1992)に準拠した静水圧に対する液体耐水性試験が8000Pa以上の液体耐水性Wpをもたらすときに、防水特性を有するものと考えられる。
防水性かつ水蒸気透過性膜の水蒸気透過性は、「カップテスト」としても知られるEN ISO 15496で試験及び定義される。20cm×20cm又は直径100mmの円形の防水性かつ水蒸気透過性膜のサンプルを水を含む容器上に置き、水蒸気透過性かつ防水性膜で覆う。次に、酢酸カリウムを含み、同じ膜で覆われたカップをサンプルの上に置く。水蒸気は防水性かつ水蒸気透過性膜を通過してカップに入り、カップの重量増加が測定される。防水性かつ水蒸気透過性膜は、水蒸気透過性が0.01g/(Pam2h)以上であるならば、水蒸気透過性又は通気性があると考えられる。必要なサイズのサンプルが得られないならば、基準で指定されている酢酸カリウムの半分の量、すなわち、100gの代わりに50gを入れ、15.6gの水と混合した小さなカップを使用して、より小さなサンプルを測定に使用することができる。水蒸気透過性及び通気性という用語は、本明細書では相互互換的に使用される。
【0045】
防水性かつ水蒸気透過性である適切な合成ポリマー膜の非限定的な例としては、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、変性ポリテトラフルオロエチレンポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)コポリマー、ポリプロピレン及びポリエチレンなどのポリアルキレン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエステル、米国特許公開第2016/0032069号明細書で教示されているとおりのポリ(p-キシリレン)(ePPX)、Sbrigliaの米国特許第9,926,416号明細書、Bellの米国特許出願第2021/0317276号明細書、BellのPCT特許出願第2020/28331号明細書に教示されているとおりの多孔質超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、Sbrigliaの米国特許第9,932,429号明細書に教示されているとおりの多孔質エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、Sbrigliaらの米国特許第7,932,184号明細書で教示されるとおりの多孔質ポリ乳酸(ePLLA)、Sbrigliaの米国特許第9,441,088号明細書で教示されるとおりの多孔質フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレン[VDF-コ-(TFE又はTrFE)]ポリマー、それらのコポリマー及び組み合わせが挙げられる。
【0046】
防水性かつ水蒸気透過性膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、延伸ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、延伸ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル及びコポリエーテルエステル、ポリエーテル、延伸ポリエーテル、ポリアミド、コポリエーテルアミド及びポリアクリレートのうちの少なくとも1つ、及びそれらの複合体もしくは多層ラミネートを含むことができる。防水性かつ水蒸気透過性膜は、フルオロポリマー、特に微孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から作ることができる。
【0047】
微孔質ポリテトラフルオロエチレンの防水性かつ水蒸気透過性膜は、米国特許第3,953,566号明細書及び米国特許第4,187,390号明細書に教示されているとおりの延伸ポリテトラフルオロエチレンの膜であることができる。このような延伸ポリテトラフルオロエチレンの膜は、W.L.Gore and Associatesから商品名GORE-TEX(登録商標)布帛として市販されている。水蒸気透過性かつ防水性膜は、W.L.Gore and Associates,メリーランド州エルクトンに譲渡された米国特許第4,194,041号明細書及び米国特許第4,942,214号明細書の教示にしたがって実質的に製造された、ポリウレタン被覆された微孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンからなる。膜の片面又は両面に編物テキスタイルなどのさらなる支持材料が存在してもよい。
【0048】
実施形態において、防水性かつ水蒸気透過性膜は、膜と支持層とのラミネート、又は、2つの支持層の間に挟まれた膜を含む。支持層は、上記に論じたようにテキスタイル層であることができる。ネット材料に面する防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上の支持層は、開放メッシュ材料又は開放テキスタイル層のみであることができる。これに関して、開放テキスタイル層及び開放メッシュ材料とは、ソールの射出ポリマー材料がテキスタイル材料又は開放メッシュ材料に完全に浸透することを可能にする任意の材料を意味する。テキスタイル層は、好ましくは編物又は織物である。
【0049】
防水性かつ水蒸気透過膜はアッパー全長に存在していてよい。あるいは、防水性かつ水蒸気透過性膜は、着用者の足を取り囲むアッパーの領域、例えば、着用者の足の裏から足首を取り囲む領域までのみ存在し、それ以上は存在しなくてよい。
【0050】
インソールは、例えば、ボンド結合皮革、合成布帛、熱可塑性ポリマー、ファイバボード又はゴムなどの任意の適切な材料から作ることができる。インソールは靴型ボード、ストロベルボード又はつま先靴型ボードであることができる。靴型ボードは、ストロベルボードよりも高い剛性及び硬度を有することができる。ストロベルボードは、典型的に、ネット材料及びライナーをストロベルボードに縫い付けることを可能にするテキスタイル材料である。つま先靴型ボードは、つま先靴型ボードと、ストロベルボードをブーティに縫い付けるシームとの間でブーティのシール形成を可能にする、より小さい寸法の靴型ボードである。
【0051】
ホットメルト接着剤又は感圧接着剤などの典型的な靴型処理接着剤、例えば、コポリエステル又はポリアミドホットメルト接着剤又はポリウレタンを使用できる。
【0052】
保護つま先キャップが安全つま先キャップであるときに、この安全つま先キャップは靴型ボードの縁まで延在しており、射出ソール材料がネット材料を通ってアッパーの防水性かつ水蒸気透過性膜に浸透して履物物品をシールすることができるために十分でない可能性がある。防水性かつ水蒸気透過性膜に到達する射出ソール材料の量を改善するために、窓及びスペーサを含む靴型ボードをインソールとして使用することができる。窓の周囲で、スペーサ材料は、着用者の足の下側に面するインソールの上面に取り付けられることができる。スペーサは、射出ソール材料が防水性かつ水蒸気透過性膜に向かって流れるためのチャネルを備えた窓の周囲に隆起縁を有することができる。あるいは、メッシュであることができる。メッシュは窓の上にグルー接着されうる。スペーサ材料は、好ましくは、少なくとも2mmの厚さを有する。
【0053】
ソールをポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)又はエチレン酢酸ビニル(EVA)などのポリマー材料から作り、靴型上で組み立てられる履物構造の底部に射出することができる。
【0054】
製造方法の最後に、フットベッドが履物物品内に配置されうる。フットベッドは、着用者の足にクッション性を与え、より良いフィット感及びさらなる断熱性を提供する材料から作られることができる。
【0055】
実施形態において、フットベッドは二層の材料を含むことができる。ソールに面する下層は、例えばポリウレタン(PU)フォーム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン(PE)フォームから作製されうる。着用者の足に面する上層は、内層用に開示された材料のいずれかから作ることができる。実施形態において、上層は、履物物品の内層と同じ材料から作製されうる。フットベッドは取り外し可能で、インソール及び/又は内層に取り付けられていなくてよい。
【0056】
図1は、アッパー40、インソール60、ソール90及びネット材料50を含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品10を示し、アッパー40は、外側材料20と防水性かつ水蒸気透過性膜30とのラミネートを含む。ネット材料50の上端部は、シーム80によってアッパー40の下端部でアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30に取り付けられている。防水性かつ蒸気透過性履物物品10を耐久的にシールために、ネット材料50とアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30は、シーム領域で、好ましくは少なくとも6mmオーバーラップし、射出ソールポリマーが防水性かつ水蒸気透過性膜の部分を確実に覆う。ネット材料50の下端部は、靴型処理接着剤70によってインソール60の下側に取り付けられる。ソール90は靴型上に射出される。好ましくは、ソール材料はアッパー40の外側の下端部を部分的に覆う。
図1に示されるように、射出されたソール90のポリマー材料はネット材料50を貫通して、ソール90とアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30との間に防水性シールを提供する。さらに、
図1に示されるように、ソール90をシーム80の上に隆起させて、さらなるシールを提供することができる。アッパーは、防水性かつ水蒸気透過性膜30にその内側に面する表面上でラミネート化されたバッキング層をさらに含むことができる(図示せず)。
【0057】
図2は、ライナー110をさらに含む防水性かつ水蒸気透過性履物物品10を示す。ライナー110は、防水性かつ水蒸気透過性膜などの防水性かつ水蒸気透過性材料30の1つの層とテキスタイル層100とがラミネート化されたものを含む。実施形態において、ライナーは3つの層を含み、そのうちの2層がテキスタイル層であり、好ましくは2つのテキスタイル層の間に挟まれた防水性かつ水蒸気透過性膜を含む。防水性かつ水蒸気透過性膜にラミネート化されており、そしてネット材料に面するテキスタイル層は、射出されたポリマーがネット材料から防水性かつ水蒸気透過性膜に流れることを可能にする開放構造を有する必要がある。
図2において、ライナー110は底部が開放されており、ネット材料50を貫通した射出ソールポリマーによって所定の位置に保持されている。ネット材料はアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30に縫い付けられているが、ライナー110には縫い付けられていない。ライナー110はまた、ブーツの形態であることができる。あるいは、ライナー110は、つま先領域ではブーティの形態であり、防水性かつ水蒸気透過性履物物品10の残りの部分では開放構成であることができる。この実施形態において、つま先靴型ボードはつま先領域で使用される。
【0058】
図3及び
図4に示される実施形態は、ネット材料50が両端で履物物品の他の構成要素に縫い付けられている点で、
図1及び
図2の実施形態とは異なる。
図3において、ネット材料50の上端部はアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30に縫い付けられ、下端部はインソール60に縫い付けられている。インソール60はストロベルボードである。ネット材料50は、射出ソールポリマーがネット材料を登ってすべてのシーム80を防水性とし、アッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30とソール80との間にシールを提供し、履物物品10を防水性にすることを可能にする。
【0059】
防水性かつ水蒸気透過性膜30を含むライナー110は、
図4の実施形態において取り付けられている。ライナー110は、ネット材料の下端部をインソール60に取り付けるシームと同じシームでインソールに取り付けられる。ポリマーソール材料がソール90を成形するように射出されるときに、ポリマー材料はネットバンド50を貫通し、アッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30及びライナー110の両方に接触する。
【0060】
図5は、ネット材料50が、巻かれた縁部でネット材料50の内側に面する表面でアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30に取り付けられるさらなる実施形態を示す。
図1~
図4の実施形態は、ネット材料50の外側に面する表面での防水性かつ水蒸気透過性膜へのネット材料50の取り付けを示している。
図5の実施形態では、ネット材料50の上端部は、 内側に面する表面がアッパー40の防水性かつ水蒸気透過性膜30に面するように、巻かれた縁部を有する。得られるネット材料50の弧は、ソールポリマー90の射出中にソールポリマーによって貫通されることになり、耐久性のある防水性シールが可能になる。
【0061】
本発明を好ましい実施形態に従って説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく均等及び変形が可能である。
(態様)
(態様1)
アッパー、
インソール、
ソール、及び、
ネット材料、
を含む、防水性かつ水蒸気透過性履物物品であって、
前記アッパーは、外側材料と防水性かつ水蒸気透過性膜とを含み、前記防水性かつ水蒸気透過性膜は、前記履物物品の内側に面する前記外側材料の表面にラミネート化されており、
前記ネット材料の少なくとも上端部は、前記アッパーの前記防水性かつ水蒸気透過性膜に、前記アッパーの下周縁部で、前記履物物品の内側に面する前記防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上で取り付けられている、防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様2)
前記ネット材料はシームで前記防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられている、態様1記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様3)
前記ネット材料及び前記防水性かつ水蒸気透過性膜は少なくとも6mmオーバーラップしている、態様1又は態様2記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様4)
前記ネット材料は、前記ネット材料の内側に面する表面が前記防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられるように、上端部で巻かれた縁部を含む、態様1~3のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様5)
前記ネット材料は、前記ネット材料の外側に面する表面で前記防水性かつ水蒸気透過性膜に取り付けられている、態様1~3のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様6)
前記ネット材料の少なくとも下端部は前記インソールに取り付けられている、態様1~5のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様7)
前記ネット材料はシーム又は接着剤で前記インソールに取り付けられている、態様6記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様8)
前記インソールは、靴型ボード、ストロベルボード又はつま先靴型ボードである、態様1~7のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様9)
前記インソールは窓及びスペーサ材料を含む、態様1~8のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様10)
前記アッパーは、前記防水性かつ水蒸気透過性膜の内側に面する表面にラミネート化されたテキスタイル又はメッシュ層をさらに含む、態様1~9のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様11)
前記履物物品はライナーをさらに含み、場合により、前記ライナーは防水性かつ水蒸気透過性膜を含む、態様1~10のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様12)
前記ライナーはブーティを形成する、態様11記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様13)
保護つま先キャップは前記履物物品の内側で前記アッパーに取り付けられている、態様1~12のいずれか1項記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品。
(態様14)
防水性かつ水蒸気透過性履物物品を製造する方法であって、
少なくとも1つの外層と、履物物品の内側に面する表面上で前記外層にラミネート化された防水性かつ水蒸気透過性膜とを有するアッパー、インソール、ソール及びネット材料を提供すること、
場合により、少なくとも1つの防水性かつ水蒸気透過性膜を場合により含むライナー材料を提供すること、
前記ネット材料の上端部を、前記アッパーの前記防水性かつ水蒸気透過性膜に、前記アッパーの下周縁部で前記履物物品の内側に面する前記防水性かつ水蒸気透過性膜の表面上で取り付けること、
を含む、方法。
(態様15)
前記ネット材料の下端部を前記インソールに取り付ける工程をさらに含む、態様14記載の防水性かつ水蒸気透過性履物物品を製造する方法。