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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】給餌管理システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/80 20170101AFI20241223BHJP
【FI】
A01K61/80
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023184418
(22)【出願日】2023-10-27
【審査請求日】2024-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003274
【氏名又は名称】マルハニチロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】藤田 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】村山 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】黒木 寿幸
(72)【発明者】
【氏名】山元 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】内藤 信二
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/170771(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03316220(EP,A1)
【文献】国際公開第2020/017542(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/017132(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00-63/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水面より下に沈下している生簀内の給餌対象の摂餌状態及び給餌状態の少なくとも一方を管理する給餌管理システムであって、
前記生簀内の給餌対象の映像を取得するカメラと、
前記沈下している生簀に音波を出力し、前記音波の反射波を検知することにより、前記生簀内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方、及び前記生簀外の水棲生物の状態を取得する音波装置と、
前記カメラによって取得されたリアルタイムの前記映像と、前記音波装置によって取得されたリアルタイムの前記分布状態及び前記遊泳状態の少なくとも一方、及び前記生簀外の水棲生物の状態と、を表示する1又は複数の表示部と、を備える
ことを特徴とする給餌管理システム。
【請求項2】
前記音波装置は、
記生簀内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方、及び前記生簀外の水棲生物の状態を取得するイメージングソナーと、
水深毎の前記生簀内の給餌対象の分布状態を経過時間毎に取得する魚群探知機と、を含み、
前記1又は複数の表示部は、前記イメージングソナーによって取得された前記生簀内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方、前記生簀外の水性生物の状態、及び前記魚群探知機によって取得された経過時間毎の前記分布状態、を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の給餌管理システム。
【請求項3】
前記イメージングソナー及び前記魚群探知機が取り付けられ、前記イメージングソナー及び前記魚群探知機の角度を調整可能な角度調整装置、をさらに備える
ことを特徴とする請求項2に記載の給餌管理システム。
【請求項4】
前記カメラは、上向き、及び下向きに前記生簀外から前記生簀内及び前記生簀外を撮像すると共に、横向きに前記生簀内から前記生簀内を撮像する
ことを特徴とする請求項1に記載の給餌管理システム。
【請求項5】
前記生簀内の給餌対象に餌を給餌する給餌装置と、
前記カメラによって取得されたリアルタイムの映像と前記音波装置によって取得されたリアルタイムの前記分布状態及び前記遊泳状態の少なくとも一方、及び前記生簀外の水棲生物の状態に基づいて、前記給餌装置による餌の供給量又は餌の供給速度を制御する制御部と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の給餌管理システム。
【請求項6】
前記給餌対象に対して給餌する初期段階、中期段階、終期段階それぞれの画像を、給餌初期画像、給餌中期画像、給餌終期画像としてあらかじめ取得しておき、
前記制御部は、前記カメラまたは前記音波装置によって取得した前記給餌対象の画像を前記給餌初期画像、前記給餌中期画像、前記給餌終期画像とそれぞれ比較することにより、前記給餌対象が前記初期段階、前記中期段階、前記終期段階のうちいずれにあるのかを判定し、
前記制御部は、前記給餌対象が前記初期段階または前記中期段階であると判定した場合は、前記給餌装置による餌の供給量又は餌の供給速度を前記判定した段階に応じた供給量または供給速度に調整し、
前記制御部は、前記給餌対象が前記終期段階であると判定した場合は、前記給餌装置による給餌を停止する
ことを特徴とする請求項5に記載の給餌管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給餌管理システムに関し、特に沈下している生簀内の給餌対象の給餌状態を管理する給餌管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ノルウェーなどの養殖先進国では、水中カメラを用いて給餌対象の給餌状態を観察することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-001108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した水中カメラを用いる例として、特許文献1の段落0041には、「一例として、センサ6は、水中カメラ7,8を有する。水中カメラ7は、対応する生簀2内の水中において、水棲生物の大きさを認識可能な画像を取得する。例えば水中カメラ7は、水中カメラ7から水棲生物までの距離を検出可能なステレオカメラである。ステレオカメラによれば、画像内における水棲生物の大きさと、水棲生物までの距離とに基づいて、水棲生物の大きさを検出することができる。」と記載され、段落0042には、「水中カメラ8は、対応する生簀2内の水中において、残餌を検出可能なカメラである。水中カメラ8は、生簀2の底部近傍設けられ、上方に向けられている。残餌とは、生簀2内に供給されたが水棲生物に摂取されなかった餌を意味する。生簀2の底部近傍において上方に向けられた水中カメラ8によれば、水面近傍で摂餌する水棲生物に摂取されずに、水棲生物が摂餌している深さから更に沈降した残餌を検出することが可能である。」と記載されている。
【0005】
沈下している生簀に水中給餌を行う場合、水中カメラでの目視確認は可能であるが、水中カメラの設置位置から離れた場所からの餌の散逸、給餌時の魚群の行動までを把握することが困難であった。その結果、給餌対象に対する給餌コントロールが不十分であった。
【0006】
そこで、本発明は、沈下させた生簀内の給餌対象による給餌状態を海水の濁りや光の角度や強弱などに関わらずリアルタイムで把握し、さらに予測することが可能な給餌管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の給餌管理システムは、沈下している生簀内の給餌対象の摂餌状態及び給餌状態の少なくとも一方を管理する給餌管理システムであって、生簀内の給餌対象の映像を取得するカメラと、沈下している生簀に音波を出力し、音波の反射波を検知することにより、生簀内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方を取得する音波装置と、カメラによって取得されたリアルタイムの映像と、音波装置によって取得されたリアルタイムの分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方と、を表示する1又は複数の表示部と、を備える。
【0008】
上記した音波装置は、生簀を側方又は上方から見た生簀内の給餌対象及び生簀付近の水棲生物の分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方を取得するイメージングソナーと、水深毎の生簀内の給餌対象の分布状態を経過時間毎に取得する魚群探知機と、を含む。
【0009】
上記した給餌管理システムは、イメージングソナー及び魚群探知機が取り付けられ、イメージングソナー及び魚群探知機の角度を調整可能な角度調整装置、をさらに備える。
【0010】
上記したカメラは、上向き、横向き、及び下向きに生簀を撮像する。
【0011】
上記した給餌管理システムは、生簀内の給餌対象に餌を給餌する給餌装置と、カメラによって取得されたリアルタイムの映像と音波装置によって取得されたリアルタイムの分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方とに基づいて、給餌装置による餌の供給量又は餌の供給速度を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カメラによって取得されたリアルタイムの映像と、音波装置によって取得されたリアルタイムの分布状態及び遊泳状態とを用いて、沈下させた生簀内の給餌対象による給餌状態を海水の濁りや光の角度や強弱などに関わらず給餌対象の摂餌状態及び給餌状態の少なくとも一方をリアルタイムで把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】給餌装置が搭載される給餌船を示した図である。
図1B】給餌管理システムの全体構成を示したブロック図である。
図1C】制御部のハードウェア構成を示したブロック図である。
図2】給餌装置の斜視図である。
図3】給餌ホース及び水中拡散部を示した図である。
図4】二重傘タイプの水中拡散部を示した図である。
図5】三つ又タイプの水中拡散部を示した図である。
図6】浮沈式生簀を示した図である。
図7】上向きの水中カメラが取得した上向き画像である。
図8】横向きの水中カメラが取得した横向き画像である。
図9】下向きの水中カメラが取得した下向き画像である。
図10】イメージングソナー及び魚群探知機によって取得された画像である。
図11】イメージングソナーによって取得された生簀を上方から見た画像である。
図12】第1実施形態の生簀内の給餌対象への給餌方法を示したフローチャートである。
図13】第2実施形態の生簀内の給餌対象への給餌方法を示したフローチャートである。
図14図13のフローチャートのS201の給餌状態を判断する方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はここで説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。
【0015】
(第1実施形態)
<給餌船1>
給餌船1は、養殖業において、餌を船から供給することで魚を育てるための船である。本実施形態の給餌船1は、給餌対象が収容される生簀に餌を供給する。また、本実施形態の給餌船1は、生簀が沈下している状態において水中で餌を供給する。給餌対象は、例えば、ブリ、ハマチ、カンパチ、真鯛、スズキ、トラフグ、ヒラメ、コイ、クルマエビ、イセエビ、アワビ、サザエ、タコなどの魚介類である。
【0016】
給餌船1は、図1Aに示すように、後述する給餌装置10と、給餌装置10の給餌ホース25(図2図3参照)を吊り下げるクレーン20と、を備える。
【0017】
<給餌管理システム100>
給餌管理システム100は、沈下している生簀内の給餌対象の摂餌状態及び給餌状態を管理するシステムである。給餌管理システム100は、給餌対象の摂餌状態及び給餌状態の少なくとも一方を管理してもよい。摂餌状態及び給餌状態の把握により、餌を食べている魚群の状態、及び餌を食べていない魚群の状態を把握することが可能となる。図1Bに示すように、給餌管理システム100は、沈下している生簀60内の給餌対象からの光を受光し、生簀60内の給餌対象のリアルタイムの映像を取得する水中カメラ102と、沈下している生簀60に音波(例えば、超音波)を出力し、音波の反射波を検知することにより、生簀60内の給餌対象のリアルタイムの分布状態及び遊泳状態を取得する音波装置103と、水中カメラ102によって取得された画像と、音波装置103によって取得された分布状態と、を表示する表示部104と、を備える。表示部104は、1つであってもよいし、複数であってもよい。音波装置103が出力する音波は、超音波(人間の耳には聞こえない、例えば20kHz以上の音波)に限らない。
【0018】
音波装置103は、生簀60を側方又は上方から見た生簀60内の給餌対象及び生簀60付近の水棲生物の分布状態及び遊泳状態を取得するイメージングソナー131と、水深毎の生簀60内の給餌対象の分布状態を経過時間毎に取得する魚群探知機132と、を含む。イメージングソナー131は、生簀60内外を把握することができる。
【0019】
水中カメラ102は、上向き、横向き、及び下向きに生簀60内を撮像する。1台の水中カメラ102が、上向き、横向き、及び下向きに生簀60内を撮像してもよいし、生簀60の内側から横向きに生簀60内を撮像するカメラ、上向きに生簀60内を撮像するカメラ、及び下向きに生簀60内を撮像するカメラを別個に設けてもよい。
【0020】
また、給餌管理システム100は、生簀60内の給餌対象に餌を給餌する給餌装置10と、給餌装置10による餌の供給量又は餌の供給速度を制御する制御部106と、を備える。
【0021】
<制御部106>
図1Cは、制御部106のハードウェア構成を示すブロック図である。図1Cを参照して、制御部106のハードウェア構成を説明する。
【0022】
制御部106は、プロセッサ161と、主記憶部162と、補助記憶部163と、通信インターフェース164(以下、インターフェースをI/Fと略記する)と、入出力I/F165と、上記した各モジュールを通信可能に接続するバス166と、を有する。プロセッサ161は、制御部106の各部の動作の制御を行う中央処理演算装置である。プロセッサ161は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。プロセッサ161は、補助記憶部163に記憶されたプログラムを主記憶部162の作業領域に実行可能に展開する。主記憶部162は、プロセッサ161が実行するプログラム、当該プロセッサが処理するデータ等を記憶する。主記憶部162は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。補助記憶部163は、OS(Operating System)等の各種のプログラムおよび各種のデータを記憶する。補助記憶部163は、例えば、ソリッドステートドライブ装置(SSD:Solid State Drive)、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)装置、又はそれらの組み合わせ等である。通信I/F164は、制御部をLANなどのネットワークに接続するための装置であって、例えば、NIC(Network Interface Controller)等である。入出力I/F165は、制御部に接続されるマウス、キーボード、ディスプレイ等の入出力デバイスとデータの入出力を行うデバイスコントローラ等である。
【0023】
本実施形態の制御部106の通信I/F164は、イメージングソナー131及び魚群探知機132と有線又は無線によって通信可能に接続される。通信I/F164は、イメージングソナー131から生簀60内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態に係るデータを受信する。そして、プロセッサ161は、当該データを処理して、生簀60内の給餌対象の分布状態を表示部104に表示する。また、通信I/F164は、魚群探知機132から水深毎の生簀60内の給餌対象の分布状態に係るデータを経過時間毎に受信する。そして、プロセッサ161は、当該データを処理して、水深毎の生簀60内の給餌対象の分布及び遊泳状態を経過時間毎に表示部104に表示する。
【0024】
<給餌装置10>
給餌装置10は、沈下している生簀内の給餌対象に給餌する装置である。給餌装置10は、図2に示すように、海水を汲み上げるポンプ21と、ポンプ21により汲み上げられた海水が流通する海水ホース22と、給餌対象に給餌される餌26を送出する餌送出部23と、ポンプ21により汲み上げられる海水と餌送出部23により送出される餌26とが合流する合流部24と、合流部24に連通し、合流部24で合流した海水と餌26との混合物を送出する給餌ホース25と、を備える。
【0025】
給餌ホース25の合流部24に接続される部分であって混合物(海水+餌)が流入する入口25aは、合流部24に流入する海水の流れ方向(図中のF方向)に沿って設けられる。つまり、海水の流れ方向(図中のF方向)は、混合物(海水+餌)の流れ方向(図中のG方向)に一致し、且つ当該流れ方向(F方向及びG方向)に沿って海水ホース22の出口及び給餌ホース25の入口25aが設けられる。これにより、海水ホース22から合流部24に送出された海水が、その勢いのまま給餌ホース25に流入する。合流部24には餌送出部23から餌26が供給されるため、当該餌26は、海水とともに給餌ホース25に供給される。
【0026】
餌送出部23は、餌送出部23より合流部24に餌26が送出される方向(図中のH方向)が、合流部24に流入する水の流れ方向(F方向)に対して鋭角になるように構成される。これにより、餌送出部23より送出された餌26が、海水の流れに逆らわずに流れ、給餌ホース25に流入する。なお、餌送出部23より合流部24に餌26が送出される方向(図中のH方向)は、合流部24に流入する水の流れ方向(F方向)に対して直角であってもよいし、鈍角であってもよい。
【0027】
合流部24の上部は、開口している。合流部24は、密閉された空間では無く、開放空間となっている。つまり、合流部24で合流した海水と餌26とは、大気圧下で給餌ホース25に流入する。すなわち、本実施形態の給餌装置10では、圧縮空気を使わず、大気圧下で混合物(海水+餌)を給餌ホース25に供給することができる。
【0028】
<水中拡散部30>
給餌装置10は、給餌ホース25の先端に設けられる水中拡散部30を備える。水中拡散部30は、給餌ホース25により送出される混合物を水中で拡散する。図3に示すように、給餌ホース25は、給餌船1のクレーン20により吊し上げられる。給餌ホース25の先端には、水中において給餌ホース25から供給される混合物を放射状に拡散する水中拡散部30が設けられる。そして、水中拡散部30には、水中拡散部30を水中に沈めるための錘31が設けられる。錘31は、例えば、土嚢である。
【0029】
水中拡散部30は、図3及び図4に示すように、給餌ホース25の先端に設けられ、先端に向かって開口が徐々に広がる第1円錐部41と、第1円錐部41と間隔を隔てて重なるように設けられる第2円錐部42と、を有する。給餌ホース25により送出される混合物(海水+餌)は、第1円錐部41の内周面と第2円錐部42の外周面との間から水中に送出される。第2円錐部42の頂点付近に落下する混合物は、第2円錐部42の外周面を伝って、放射状に拡散する。
【0030】
また、水中拡散部30は、水中拡散部30を生簀60の蓋網69に固定するための複数の固定部43を有する。この水中拡散部30は、生簀60の蓋網69の目印に向かって移動され、当該目印付近で固定部43が蓋網69に係止される。
【0031】
<水中拡散部50>
水中拡散部の構造、形状、大きさなどは、図4に例示した水中拡散部30に限定されない。他の例の水中拡散部50は、図5に示すように、給餌ホース25の先端に連通する3つの筒部51を有する。図5の例では、筒部51の本数は3つであったが、筒部51は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。複数の筒部51は、等角度間隔で配置することにより餌の拡散性が向上する。給餌ホース25により送出される混合物は、複数の筒部51を介して水中に拡散される。
【0032】
水中拡散部50には、少なくとも鉛直下方向を撮像可能な撮像部55が取り付けられる。撮像部55は、例えば、防水性の水中カメラである。撮像部55は、有線又は無線により撮像画像を給餌船1に搭載される表示部104に表示される。撮像部55は、水中拡散部30に取り付けてもよい。給餌船1のクレーン20を操作する操作者は、表示部104に表示される撮像部55の撮像画像を見ながら、水中拡散部50の位置を調整することができる。
【0033】
上記した二重傘タイプの水中拡散部30は、例えば、ブリの生簀に使用される。また、上記した三つ又タイプの水中拡散部50は、例えば、カンパチの生簀に使用される。
【0034】
<生簀60>
本実施形態の生簀60は、浮沈式の生簀である。浮沈式の生簀60は、生簀60の蓋網69が水面から水深8mの位置まで沈下することができる。生簀60のサイズは、例えば、縦20m、横20m、及び深さ12mである。生簀60のサイズは、このサイズに限定されない。生簀60は、コンクリート62やジャンボフロート63などに固定される側張61に取り付けられる。
【0035】
生簀60の上方の水面には、複数のフロート64が設けられる。複数のフロート64間には、給餌船1を係留するためのロープ65が接続されている。また、生簀60の上方の水面には、生簀60を浮上又は沈下させるための空気を注入/排出するための空気注入口66が設けられる。空気注入口66から空気を注入することによって生簀60が浮上し、空気注入口66から空気を排出することによって生簀60が沈下する。本実施形態では、生簀60は、給餌船1を用いて給餌するときにも沈下している。
【0036】
生簀60の内側、上方、及び下方には、生簀60を撮像する水中カメラ102が設けられる。例えば、水中カメラ102は、沈下している生簀60上に係留した給餌船1より、給餌開始前に生簀60上及び内に必要な台数を投入し、給餌終了後に全て回収される。上向きの水中カメラ102(102a)は、生簀60の蓋網69及び底網の網目(例えば、4.5cm×4.5cm)を通過し、底網の下から生簀60の上向き画像を取得する。また、横向きの水中カメラ102(102b)は、生簀60の蓋網69の網目を通過し、生簀60の内部で生簀60内を横向きに撮像する。この横向きの水中カメラ102(102b)は、水平方向に回転してもよい。また、下向きの水中カメラ102(102c)は、生簀60の蓋網69の上から生簀60の下向き画像を取得する、もしくは生簀60の蓋網69の網目を通過し、生簀60内の上層から生簀60内を下向きに撮像する。
【0037】
生簀60の近傍には、イメージングソナー131及び魚群探知機132が設けられる。給餌船1には、水平方向に回転可能なバー67に固定されたイメージングソナー131及び魚群探知機132が設置される。イメージングソナー131及び魚群探知機132は、水平方向に回転可能なバー67に固定されている。また、バー67には、イメージングソナー131及び魚群探知機132の角度を調整可能な角度調整装置68が取り付けられ、イメージングソナー131及び魚群探知機132のそれぞれは、角度調整装置68に取り付けられる。これにより、イメージングソナー131及び魚群探知機132は、所望の角度に固定される。また、バー67は、水深方向に移動可能に構成される。これにより、イメージングソナー131及び魚群探知機132の水深方向の位置を調整することができる。
【0038】
次に、表示部104に表示される各種画面を説明する。
【0039】
<上向き画像700>
図7は、上向きの水中カメラ102(102a)が取得した上向き画像700である。上向き画像700により、生簀60の底網付近の魚の様子及び餌の状態(流れる量、方向、散逸、濁りなど)を把握することができる。
【0040】
<横向き画像800>
図8は、横向きの水中カメラ102(102b)が取得した横向き画像800である。横向き画像800により、どの水深に魚が密集しているか及び餌の状態(流れる量、方向、散逸、濁りなど)などを把握することができる。
【0041】
<下向き画像900>
図9は、下向き水中カメラ102(102c)が取得した下向き画像900である。下向き画像900により、生簀60の蓋網69付近の魚の様子及び餌の状態(流れる量、方向、散逸、濁りなど)を把握することができる。
【0042】
<イメージングソナーの画像>
図10の左側の画像1001は、イメージングソナー131によって取得された生簀60内の給餌対象の分布状態を示す画像である。画像1001は、生簀60内部を横から見た画像であって、画像中の白い点の一つが魚一匹に対応する。画像1001では、右上及び中層あたりに白い点が密集しており、当該箇所に魚が密集していると把握することができる。一方で、画像1001では、下層には白い点がなく、当該箇所に魚が少ないと把握することができる。
【0043】
<魚群探知機の画像>
図10の右側の画像1002は、魚群探知機132によって取得された水深毎の生簀60内の給餌対象の分布状態を経過時間毎に示した画像である。画像1002は、魚群探知機132から真下鋭角に超音波を出力して得られた画像である。画像1002の横軸1003は、経過時間を示し、縦軸1004は、水深を示す。実際の画像は、魚の動きが活発な箇所、及び魚の動きが少ない箇所で色が異なる。
【0044】
図10の例では、イメージングソナー131によって取得された画像1001と魚群探知機132によって取得された画像1002とを合成した画像を表示部104に表示したが、画像1001と画像1002とを別の表示部に表示してもよいし、画像1001と画像1002とを切り替えて1つの表示部に表示してもよい。
【0045】
<イメージングソナーの画像>
図11の画像は、イメージングソナー131によって取得された生簀60内の給餌対象の分布状態を示す画像1100である。画像1100は、画像1001とは異なり、生簀60を上方から見た画像であって、画像中の白い点の一つが魚一匹に対応する。当該画像1100では、生簀60の蓋網69(上面部)の輪郭が明確に表示されている。この輪郭の外側であって当該輪郭の近傍に白い点が見えていない(輪郭の近傍に生簀60外の魚が集まっていない)ことから、餌が流出していないことが分かる。
【0046】
<フローチャート>
給餌船1の操縦者は、給餌船1を沈下している生簀60の上に係留する(S101)。
【0047】
クレーン20の操作者は、給餌船1に設けられるクレーン20を操作して、給餌装置10の給餌ホース25を吊り、給餌ホース25の先端に設けられる水中拡散部30(又は水中拡散部50)を沈下する(S102)。
【0048】
当該操作者は、クレーン20を操作して、撮像部55(水中カメラ)で生簀60の中央の位置を確認しながら水中拡散部30(又は水中拡散部50)を所定位置へ誘導し、固定する(S103)。水中拡散部30(又は水中拡散部50)を固定した後、水中カメラ102及び音波装置103がセットされる。なお、水中カメラ102及び音波装置103は、給餌開始前までにセットされればよい。
【0049】
給餌船1上の給餌装置10は、海水と餌とを混合し、給餌ホース25を介して水中に配置された水中拡散部30(又は水中拡散部50)から生簀60内の給餌対象に餌を供給する(S104)。
【0050】
水中カメラ102は、生簀60内の魚群の画像を取得する(S105)。例えば、水中カメラ102aは上向きに設定され、水中カメラ102bは横向きに設定され、及び、水中カメラ102cは下向きに設定される。これらの水中カメラ102a~102cは、生簀60の網目を通過可能な小型のカメラである。これらの水中カメラ102a~102cは、約30mのケーブルの先端に取り付けられ、ケーブルの巻き取り量に応じて、水中カメラ102aは生簀60の下層、水中カメラ102bは生簀60の中間層、及び水中カメラ102cは生簀60の上層に配置される。
【0051】
ただし、水中カメラ102a~102cは、特性上、撮像できる画角、距離、光量に限界があるため、音波装置103と比較して生簀60の広範囲の観察が困難であり、特に海水の透明度が悪いとき或いは光度不足、光の角度によっては、生簀60内の観察が困難となる。
【0052】
水中カメラ102a~102cによって撮像された各画像は、表示部104に表示される(図7図9)。表示部104の観察者は、表示部104に表示された各画像を確認することによって、餌の生簀60外への流出などの給餌状態を確認する(S106)。
【0053】
また、音波装置103のイメージングソナー131及び魚群探知機132は、超音波を出力し、生簀60内の魚群の画像を取得する(S107)。イメージングソナー131及び魚群探知機132の角度を調整することにより、生簀60内外の全体像を俯瞰的に把握することができる。また、イメージングソナー131及び魚群探知機132の角度によっては、生簀60外への餌の散逸、生簀60外に流出した餌を捕食する生簀60外の魚の様子を把握することができる。
【0054】
音波装置103の超音波出力により取得された各画像は、表示部104に表示される(図10、及び図11)。表示部104の観察者は、表示部104に表示された各画像を確認することによって、生簀60内の魚群分布の確認、及び各層にいる魚群のスピードを確認する(S108)。例えば、魚群探知機132から出力された超音波により取得された画像の色や密度により摂餌中や摂餌後の魚を区別することができる。
【0055】
また、表示部104の観察者は、表示部104に表示された各画像を確認することによって、餌の生簀60外への流出などの給餌状態を確認する(S109)。
【0056】
上記したS106、S108及びS109での確認後、給餌装置10の操作者は、餌と海水との混合量を調整することにより、生簀60内の給餌対象への餌の供給量や供給速度を調整する(S110)。
【0057】
音波装置103は、最初に摂餌した魚群が沈み、別の魚群が最初に摂餌した魚群と入れ替わる状態を受像する(S111)。例えば、音波装置103による画像によれば、摂餌中の最上層の魚群の水深を確認することができる。そして、給餌後半になると、摂餌中の最上層の魚群の水深が深くなっていく様子(画像中の両肩が下がる様子)を確認することができる。
【0058】
そして、水中カメラ102及び音波装置103は、魚群の大部分が摂餌を終了し、給餌作業が終了に近づく様子を受像する(S112)。給餌終盤では、総給餌量と給餌終了とのタイミングを推定し、準備する餌の量を早めに調整することができる。
【0059】
上記したS112での確認後、給餌装置10の操作者は、給餌終了に向けて、餌と海水との混合量を調整することにより、生簀60内の給餌対象への餌の供給量や供給速度を調整する(S113)。
【0060】
そして、操作者は給餌終了を判断し(S114)、餌の供給を停止する(S115)。
【0061】
クレーン20の操作者は、水中カメラ102を回収し、給餌船1に設けられるクレーン20を操作して、給餌ホース25及び水中拡散部30(又は水中拡散部50)を回収し(S116)、給餌船1の係留を解き、給餌船1及び給餌装置10を次の生簀へ移動する(S117)。
【0062】
(実施形態の効果)
本実施形態では、生簀60内の給餌対象の映像を取得する水中カメラ102と、沈下している生簀60内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態を取得する音波装置103と、水中カメラ102によって取得されたリアルタイムの映像と、音波装置103によって取得された分布状態及び遊泳状態と、を表示する1又は複数の表示部104と、を設けることにより、沈下させた生簀60内の給餌対象による給餌状態を海水の濁りや光の角度や強弱などに関わらずリアルタイムで把握し、さらに予測することができる。さらに、水中カメラ102に加えて、音波装置103を設けることにより、水中カメラ102の設置位置から離れた場所からの餌の散逸、給餌時の魚群の行動までを把握することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態では、生簀60を沈下させた状態で給餌対象に給餌することができるので、給餌のために生簀60を浮上させる必要がない。これにより、給餌時における生簀60内の給餌対象に対する、近年の地球温暖化による海面温度の影響、紫外線の影響、赤潮の影響、寄生虫の影響などのリスクを低減することができる。寄生虫対策のための薬浴コストの低減を図ることができる。また、給餌対象の本来の生息水深において給餌を行うことが可能となる。
【0064】
生簀60内の給餌対象の分布状態を取得するイメージングソナー131と、水深毎の生簀60内の給餌対象の分布状態を経過時間毎に取得する魚群探知機132と、を用いることによって、種々の画像で給餌対象の分布状態を確認することができる。
【0065】
イメージングソナー131及び魚群探知機132の角度を調整可能な角度調整装置68を設けることによって、生簀60内外の全体像を俯瞰的に把握することができる。
【0066】
水中カメラ102は、上向き、横向き、及び下向きに生簀60内を撮像することによって、生簀60内の底網付近の様子、水深毎の様子、蓋網69付近の様子を確認することができる。
【0067】
(第2実施形態)
第1実施形態では、水中カメラ102によって取得された画像と音波装置103によって取得された分布状態とに基づいて、手動で給餌装置10による餌の供給量や供給速度を調整したが、供給量や供給速度の調整を自動化してもよい。第1実施形態と同様の説明は適宜省略する。
【0068】
第2実施形態の給餌管理システムは、生簀60内の給餌対象に餌を給餌する給餌装置10と、水中カメラ102によって取得された画像と音波装置103によって取得された分布状態とに基づいて、給餌装置10による餌の供給量又は餌の供給速度を制御する制御部106と、を備える。
【0069】
図13に示すように、水中カメラ102が生簀60内の魚群の画像を取得し(S105)、且つ音波装置103(イメージングソナー131及び魚群探知機132)が生簀60内の魚群の画像を取得した(S107)後、制御部106は、生簀60内の給餌対象の給餌状態を判断する(S201)。この給餌状態の判断の詳細は後述する。
【0070】
制御部106は、給餌状態の判断結果により給餌状態が給餌の初期又は中期だと判断すると、初期又は中期に応じた供給量及び供給速度に調整されるように、給餌装置10を制御して、餌と海水との混合量を調整する(S202)。そして、その調整された供給量及び供給速度で、給餌ホース25を介して海水と餌とを混合した混合物を供給する(S104)。
【0071】
一方で、制御部106は、給餌状態の判断結果により給餌状態が給餌の終期だと判断すると、給餌装置10を制御して、餌の供給を停止する(S203)。
【0072】
<給餌状態の判断>
制御部106は、S201において給餌状態を判断する。まず、図14に示すように、予め取得された画像(例えば、水中カメラ102で取得された画像、及び音波装置103で取得された画像)を、給餌初期画像1401、給餌中期画像1402、及び給餌終期画像1403に分類する。この分類は、人が手動で分類してもよいし、学習済みの分類器で分類してもよい。
【0073】
そして、水中カメラ102又は音波装置103で取得した判断対象の取得画像1404を、給餌初期画像1401、給餌中期画像1402、及び給餌終期画像1403と比較して、取得画像1404が類似する画像を特定する。制御部106は、取得画像1404が給餌初期画像1401に最も類似すると判断した場合には、給餌初期だと判断し、給餌中期画像1402に最も類似すると判断した場合には、給餌中期だと判断し、給餌終期画像1403に最も類似すると判断した場合には、給餌終期だと判断する。
【0074】
画像類似度判定は、比較対象の画像の特徴量を比較する方法であってもよい。また、取得画像1404が入力されると、給餌の初期、中期、又は終期を出力する学習済みモデルを用いて、S201の判断を行ってもよい。学習済みモデルは、予め取得されたラベル付きの給餌初期画像1401、給餌中期画像1402、及び給餌終期画像1403で学習されたものであってもよいし、ラベルなしの画像で学習されたものであってもよい。
【0075】
なお、制御部106は、給餌装置10による餌の供給量又は餌の供給速度を制御したが、給餌装置10による生簀60に対する給餌位置を制御してもよい。すなわち、給餌管理システムは、生簀60内の給餌対象に餌を給餌する給餌装置10と、水中カメラ102によって取得された画像と音波装置103によって取得された分布状態とに基づいて、給餌装置10による生簀60に対する給餌位置を制御する制御部106と、を備えてもよい。
【0076】
(変形例)
以上、本発明を実施形態と共に説明したが、実施形態は本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0077】
例えば、本実施形態の給餌装置10を給餌船1に搭載する例について説明したが、給餌装置10は、海上又は陸上の設備としてもよい。
【0078】
また、本実施形態の表示部104は、給餌船1に搭載されてもよいし、陸上の施設に設置されてもよい。また、表示部104は、水中カメラ102が取得した画像を1つの表示部で分割表示又は順次表示するものであってもよいし、複数の表示部で各水中カメラの画像を表示してもよい。また、表示部104は、イメージングソナー131の画像と魚群探知機132の画像とを1つの表示部で分割して表示したが、2つの表示部でイメージングソナー131の画像と魚群探知機132の画像とを別個に表示してもよい。
【符号の説明】
【0079】
1:給餌船、 10:給餌装置、 20:クレーン、 21:ポンプ、 22:海水ホース、 23:餌送出部、 24:合流部、 25:給餌ホース、 26:餌、 30:水中拡散部、 31:錘、 41:第1円錐部、 42:第2円錐部、 50:水中拡散部、 51:筒部、 55:撮像部、 60:生簀、 61:側張、 62:コンクリート、 63:ジャンボフロート、 64:フロート、 65:ロープ、 66:空気注入口、 67:バー、 68:角度調整装置、 100:給餌管理システム、 102,102a,102b,102c:水中カメラ、 103:音波装置、 131:イメージングソナー、 132:魚群探知機
【要約】
【課題】沈下させた生簀内の給餌対象による給餌状態を海水の濁りや光の角度などに関わらずリアルタイムで把握する。
【解決手段】給餌管理システム100は、沈下している生簀60内の給餌対象の給餌状態を管理する給餌管理システムであって、生簀60内の給餌対象の映像を取得する水中カメラ102と、沈下している生簀60に音波を出力し、音波の反射波を検知することにより、生簀60内の給餌対象の分布状態及び遊泳状態を取得する音波装置103と、水中カメラ102によって取得されたリアルタイムの画像と、音波装置103によって取得されたリアルタイムの分布状態及び遊泳状態の少なくとも一方と、を表示する1又は複数の表示部104と、を備える。
【選択図】図1B
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14