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特許7608584自律移動体、乗車可否判定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】自律移動体、乗車可否判定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20241223BHJP
   G05D 1/617 20240101ALI20241223BHJP
   G05D 1/435 20240101ALI20241223BHJP
【FI】
B66B31/00 D
G05D1/617
G05D1/435
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023213467
(22)【出願日】2023-12-19
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 克也
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-167662(JP,A)
【文献】特開2022-166743(JP,A)
【文献】特開2023-078778(JP,A)
【文献】特開2023-107618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に連結されて移動する複数の踏段を備える乗客コンベアの前記踏段に乗車可能な自律移動体であって、
下方に向けて設けられ、下方に存在する物体との距離を検知可能な検知部と、
前記検知部を支持する支持部と、
前記支持部を前記自律移動体の前後方向に移動して、前記検知部と前記自律移動体との距離を伸縮させる伸縮機構と、
前記乗客コンベアにおける前記複数の踏段の移動方向の入口である乗降口に前記自律移動体が到着した場合に、前記伸縮機構を制御して、前記乗降口に配置され、前記複数の踏段が繰り出される乗降板の前記踏段に面する端部近傍の前記踏段の踏み面の位置である第1の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させ、前記第1の位置で前記踏み面との距離である第1の距離を検出させるように前記検知部を制御し、前記伸縮機構を制御して、前記第1の位置から前記踏段の進行方向の長さである踏段長に相当する距離だけ離れた前記踏み面の位置である第2の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させ、前記第2の位置で前記踏み面との距離である第2の距離を検出させるように前記検知部を制御する検知制御部と、
前記第1の距離と前記第2の距離との差分に基づいて、前記自律移動体の前記踏段への乗車の可否を判断する判断部と、
前記判断部により乗車可能と判断された場合に、前記自律移動体を前記踏段に乗車するように走行させる走行制御部と、
を備える自律移動体。
【請求項2】
前記判断部は、前記差分が所定の範囲内である場合に、前記自律移動体が前記踏段に乗車可能と判断し、前記差分が前記所定の範囲外である場合に、前記自律移動体が前記踏段に乗車不可能と判断する、
請求項1に記載の自律移動体。
【請求項3】
前記検知制御部は、前記伸縮機構を制御して所定の距離間隔で前記支持部を前方に移動させながら、前記検知部を制御して前記検知部に前記所定の距離間隔で前記踏み面までの距離を検知させ、
前記判断部は、前記検知部が連続する二つの踏段との間隙を検知した場合に、前記間隙の前後で検知された二つの距離の差分が前記所定の範囲内である場合に、前記自律移動体が前記踏段に乗車可能と判断し、前記二つの距離の差分が前記所定の範囲外である場合に、前記自律移動体が前記踏段に乗車不可能と判断する、
請求項2に記載の自律移動体。
【請求項4】
無端状に連結されて移動する複数の踏段を備える乗客コンベアの前記踏段に乗車可能な自律移動体で実行される乗車可否判定方法であって、
前記自律移動体は、
下方に向けて設けられ、下方に存在する物体との距離を検知可能な検知部と、
前記検知部を支持する支持部と、
前記支持部を前記自律移動体の前後方向に移動して、前記検知部と前記自律移動体との距離を伸縮させる伸縮機構と、を備え、
前記乗客コンベアにおける前記複数の踏段の移動方向の入口である乗降口に前記自律移動体が到着した場合に、前記伸縮機構を制御して、前記乗降口に配置され、前記複数の踏段が繰り出される乗降板の前記踏段に面する端部近傍の前記踏段の踏み面の位置である第1の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させるステップと、
前記第1の位置で前記踏み面との距離である第1の距離を検出させるように前記検知部を制御するステップと、
前記伸縮機構を制御して、前記第1の位置から前記踏段の進行方向の長さである踏段長に相当する距離だけ離れた前記踏み面の位置である第2の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させるステップと、
前記第2の位置で前記踏み面との距離である第2の距離を検出させるように前記検知部を制御するステップと、
前記第1の距離と前記第2の距離との差分に基づいて、前記自律移動体の前記踏段への乗車の可否を判断するステップと、
乗車可能と判断された場合に、前記自律移動体を前記踏段に乗車するように走行させるステップと、
を含む乗車可否判定方法。
【請求項5】
無端状に連結されて移動する複数の踏段を備える乗客コンベアの前記踏段に乗車可能な自律移動体のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記自律移動体は、
下方に向けて設けられ、下方に存在する物体との距離を検知可能な検知部と、
前記検知部を支持する支持部と、
前記支持部を前記自律移動体の前後方向に移動して、前記検知部と前記自律移動体との距離を伸縮させる伸縮機構と、を備え、
前記乗客コンベアにおける前記複数の踏段の移動方向の入口である乗降口に前記自律移動体が到着した場合に、前記伸縮機構を制御して、前記乗降口に配置され、前記複数の踏段が繰り出される乗降板の前記踏段に面する端部近傍の前記踏段の踏み面の位置である第1の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させるステップと、
前記第1の位置で前記踏み面との距離である第1の距離を検出させるように前記検知部を制御するステップと、
前記伸縮機構を制御して、前記第1の位置から前記踏段の進行方向の長さである踏段長に相当する距離だけ離れた前記踏み面の位置である第2の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させるステップと、
前記第2の位置で前記踏み面との距離である第2の距離を検出させるように前記検知部を制御するステップと、
前記第1の距離と前記第2の距離との差分に基づいて、前記自律移動体の前記踏段への乗車の可否を判断するステップと、
乗車可能と判断された場合に、前記自律移動体を前記踏段に乗車するように走行させるステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自律移動体、乗車可否判定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設や交通機関等に設置されているエスカレータ等の乗客コンベアにおいて、従来、施設の担当者が運転停止操作を行うとともに、外観目視や聴音等によりエスカレータの日常点検を実施している。また、専門業者が実施する定期点検においても日常点検と同等の簡易な確認を人手で実行している。
【0003】
このような点検業務において省人化が見込まれており、エスカレータの施設管理者が行う毎朝の起動と営業終了後の停止に合わせた日常点検を、ロボット等の自律移動体に代行させることが考えられる。自律移動体に点検業務を実施させる場合には、自律移動体の上下階の移動が必要不可欠になる。従来の建物内の巡回型の自律移動体では、上下階の移動にエレベータを利用していたが、エスカレータの日常管理業務を自律移動体に代行させる場合、自律移動体をエスカレータに乗車させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6516074号公報
【文献】特開2019-001613号公報
【文献】特開2019-001612号公報
【文献】国際公開第2018/109822号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自律移動体をエスカレータ等の乗客コンベアに乗車させる場合には、運転中で巡回移動している踏段の段差運動の影響を受けない位置に乗車させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の自律移動体は、無端状に連結されて移動する複数の踏段を備える乗客コンベアの前記踏段に乗車可能な自律移動体であって、下方に向けて設けられ、下方に存在する物体との距離を検知可能な検知部と、前記検知部を支持する支持部と、前記支持部を前記自律移動体の前後方向に移動して、前記検知部と前記自律移動体との距離を伸縮させる伸縮機構と、前記乗客コンベアにおける前記複数の踏段の移動方向の入口である乗降口に前記自律移動体が到着した場合に、前記伸縮機構を制御して、前記乗降口に配置され、前記複数の踏段が繰り出される乗降板の前記踏段に面する端部近傍の前記踏段の踏み面の位置である第1の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させ、前記第1の位置で前記踏み面との距離である第1の距離を検出させるように前記検知部を制御し、前記伸縮機構を制御して、前記第1の位置から前記踏段の進行方向の長さである踏段長に相当する距離だけ離れた前記踏み面の位置である第2の位置に前記検知部が位置するように前記支持部を移動させ、前記第2の位置で前記踏み面との距離である第2の距離を検出させるように前記検知部を制御する検知制御部と、前記第1の距離と前記第2の距離との差分に基づいて、前記自律移動体の前記踏段への乗車の可否を判断する判断部と、前記判断部により乗車可能と判断された場合に、前記自律移動体を前記踏段に乗車するように走行させる走行制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる自律移動体制御システムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態にかかる乗客コンベアの踏段の構成を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態における複数の踏段の踏み面と乗降板とコムとを上方からみた例を示す平面図である。
図4図4は、実施形態にかかるロボットの外観の一例を示す模式図である。
図5図5は、実施形態にかかる伸縮機構と、アームの構成の一例を示す模式図である。
図6図6は、実施形態にかかるロボットの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態にかかるエスカレータにおいて、上昇運転の場合における第1の距離および第2の距離と踏段の段差との関係の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態にかかるエスカレータにおいて、下降運転の場合における第1の距離および第2の距離と踏段の段差との関係の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態においてコムから繰り出される連続する踏段の水平部分が踏段長以上ある例を示す模式図である。
図10図10は、実施形態においてコムから繰り出される連続する踏段の水平部分が踏段長未満である例を示す模式図である。
図11図11は、実施形態にかかる乗車可否判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、変形例における検知される距離と踏段の段差との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態にかかる自律移動体制御システム1000の全体構成の一例を示す図である。
【0010】
図1に示すように、自律移動体制御システム1000は、エスカレータ1と、ロボット200と、を備えている。
ロボット200は、エスカレータ1に乗車して、エスカレータ1の点検を行うものである。ロボット200は、自律移動体の一例である。ロボット200の詳細については後述する。
【0011】
エスカレータ1は、複数の踏段100、欄干パネル101、手摺りベルト102、乗降口103、乗降板104、スカートガードパネル105、インナーデッキ106、アウターデッキ107、及びインレット108、第1のセンサ151、第2のセンサ152、制御装置300を備える。エスカレータ1は、乗客コンベアの一例である。
【0012】
複数の踏段100は無端状に連結されている。各々の踏段100は、例えばアルミダイカストから形成され、設定された傾斜角度を有して図示しないトラスによって支持されている。また、各々の踏段100は、図示しない駆動モータにより、上下階における乗降口103間の階段状の乗り台として循環移動する。すなわち、各々の踏段100は、上階の乗降口103と下階の乗降口103との間を周回しながら移動する。これにより、各々の踏段100は、エスカレータ1の利用者の足場となる。
【0013】
欄干パネル101は、エスカレータ1の幅方向において、複数の踏段100の両側に設置されている。つまり、1対の欄干パネル101が、複数の踏段100を挟んで対向して設置されている。欄干パネル101は、例えば透明のガラスやアクリルなどによって形成されている。
【0014】
手摺りベルト102は、エスカレータ1に乗っている際に利用者が手を掛けることができるよう構成されている。手摺りベルト102は、無端状のベルトであり、1対の欄干パネル101のそれぞれの周縁部に移動可能に巻き付けられている。手摺りベルト102は、図示しない駆動モータにより各々の踏段100の移動に同期して移動する。手摺りベルト102は、例えばゴムなどで形成されている。
【0015】
乗降板104は、上下階に位置する乗降口103にそれぞれ設けられている。乗降板104は、利用者がエスカレータ1に乗降する際の足場となるほか、取り外し可能に設置されている。乗降板104の踏段100に面する端部には櫛歯状のコムプレート104cが設けられている。乗降板104の下には、駆動モータ及び折り畳まれた踏段100等が格納される。コムプレート104cの幅は、一例として、約150mmであるが、これに限定されるものではない。なお、これ以降、コムプレート104cをコム104cと称する場合がある。
【0016】
つまり、上下階の間で階段状に並ぶ複数の踏段100は、上下階の乗降板104の近傍では互いに略水平となり、入口側の乗降板104下方から引き出され、出口側の乗降板104下方へと引き込まれる。
【0017】
スカートガードパネル105は、複数の踏段100の幅方向両端部の近傍で、エスカレータ1の延伸方向に延びる。スカートガードパネル105は、上下階の乗降口103近傍に設置される2対の先端パネル105fと、上下階の先端パネル105fの間に設置される複数の中間パネル105mとによって構成されている。
【0018】
すなわち、1対の先端パネル105fは、上階の乗降板104近傍に踏段100を挟んで対向して設置される。これらの先端パネル105fは、複数の踏段100の移動方向において、コムプレート104cの前後に跨る位置に設置されている。
【0019】
また、もう1対の先端パネル105fは、下階の乗降板104近傍に踏段100を挟んで対向して設置される。これらの先端パネル105fは、複数の踏段100の移動方向において、コムプレート104cの前後に跨る位置に設置されている。
【0020】
複数の踏段100の幅方向片側の上下階に設置される先端パネル105fの間には、これらを接続するように複数の中間パネル105mが配列されている。また、複数の踏段100の幅方向もう一方側の上下階に設置される先端パネル105fの間にも、これらを接続するように複数の中間パネル105mが配列されている。
【0021】
インナーデッキ106は、スカートガードパネル105の上端部を覆う。アウターデッキ107は、欄干パネル101を挟んでインナーデッキ106に隣接して設置されている。スカートガードパネル105、インナーデッキ106、及びアウターデッキ107等で囲われた空間内には、例えば図示しない操作盤に接続される機器およびその他の配電機器等が収納されている。
【0022】
インレット108は、上下階の乗降口103近傍に、それぞれの先端パネル105fに接続されるように設置される。上下階の乗降口103のうち、入口側に設置される1対のインレット108からは、それぞれの手摺りベルト102が繰り出される。また、上下階の乗降口103のうち、出口側に設置される1対のインレット108には、それぞれの手摺りベルト102が繰り込まれる。
【0023】
トラスにおける乗降板104の下方には、制御装置300が設けられている。制御装置300は、不図示の駆動モータを制御して、複数の踏段100巡回移動の制御を行う。
【0024】
次に、踏段100の詳細について説明する。
図2は、実施形態にかかるエスカレータ1の踏段100の構成を示す斜視図である。踏段1002は、図2に示すように、略扇形の側面形状を有するブラケット21と、ブラケット21の上部に設けられた踏み面(「クリート面」とも称する)100aと、ブラケット21の弧形状に沿って配置されたライザ23とを備える。
【0025】
ブラケット21の先端部にはシャフト取付け部24が形成されており、そこに踏段連結シャフト25が回転自在に取り付けられる。踏段連結シャフト25は、踏段100の移動方向に沿って所定の間隔で水平方向に配設されている。この踏段連結シャフト25は、左右の踏段チェーン3に係合しており、その両端部に左右一対の車輪(前輪)26が設けられている。また、ブラケット21のライザ23の下端部の両側には左右一対の車輪(後輪)27が設けられている。左右一対の車輪(後輪)27は、一方の車輪、他方の車輪に相当する。ここで、左右の後輪のそれぞれを、後輪27a、27bと称するが、左右を区別しない場合には、後輪27と称する。
【0026】
また、本実施形態の踏段100には、図2に示すように、踏み面100aの両側縁部と前縁部にデマケーションラインが設けられている(付されている)。デマケーションラインは、2つの連続する踏段100の境目を見やすくするためのものであり、例えば、樹脂製で黄色等に着色されている。ここで、前縁部とは、踏段100の進行方向の縁部である。
【0027】
図3は、実施形態における複数の踏段100の踏み面100aと乗降板104とコム104cとを上方からみた例を示す平面図である。
図3に示すように、コム104cから踏段100が繰り出されてくるが、その踏み面100aまたは連続する踏み面100aの進行方向の長さが踏段長以上であれば、ロボット200は踏段100に乗車可能である。すなわち、ロボット200が踏段100に乗車可能となるためには、少なくとの二つの踏段100の踏み面100aが間隙501を挟んで推定部分を形成しており、段差を形成しない必要がある。ここで、踏段長とは、踏段の進行方向の長さであり、例えば、400mm等が該当する。ただし、これに限定されるものではない。
【0028】
本実施形態のロボット200は、このような連続する踏段100の段差の有無を判定することで、ロボット200が踏段100に乗車可能か否かを判定している。以下、ロボット200の詳細について説明する。
【0029】
図4は、実施形態にかかるロボット200の外観の一例を示す模式図である。図4では、ロボット200を横からみた図を示している。
【0030】
本実施形態にかかるロボット200は、図4に示すように、上部に撮像部210を備えている。この撮像部210は、例えば、カメラであり、ロボット200の進行方向の前方領域を撮像する。本実施形態では、前方領域として、乗降板104やコム104c、踏段100等があげられるがこれらに限定されるものではない。
【0031】
また、ロボット200はその本体部分に、深度センサ221と、アーム222と、伸縮機構230とを備えている。
深度センサ221は、例えば、発光部と受光部とから構成され、発光部からレーザ等を出射し、物体で反射したレーザを受光部で受光することにより、物体までの距離を検知するセンサである。深度センサ221は、検知部の一例であれる。なお、物体までの距離を検知可能なセンサであれば、深度センサ以外のセンサを用いることもできる。
【0032】
アーム222は、その先端に深度センサ221を発光部および受光部を下方に向けて保持する。アーム222は、支持部の一例である。
【0033】
伸縮機構230は、アーム222をロボット200の前後方向に移動して、深度センサ221とロボット200の本体との間の距離を伸縮させる機構である。
図5は、実施形態にかかる伸縮機構230と、アーム222の構成の一例を示す模式図である。
本実施形態では、図5に示すように、アーム222の先端の下面に、深度センサ221が装着されている。深度センサ221の発光部と受光部が下方を向いている。
【0034】
伸縮機構230は、図5に示すように、ラックアンドピニオン機構により、アーム211をロボット200の前後方向に移動させている。すなわち、伸縮機構230は、図5に示すように、アーム222の上面に取り付けられたラックギア231と、ラックギア231と噛み合う円形状のピニオンギア232と、ピニオンギア232の中心にも受けられ、ピニオンギア232を回転させる軸部233と、軸部233に、不図示のギアを介してその駆動軸をするモータ234とから構成される。
【0035】
モータ234を正逆回転させることで、軸部233によりピニオンギア232が回転し、その回転がラックギア231に伝達されて、アーム222が図5の左右方向、すなわち、ロボット200の前後方向に伸縮する。ここで、アーム222は少なくとも踏段長の長さとなっている。
【0036】
次に、ロボット200の機能的構成について説明する。
図6は、実施形態にかかるロボット200の機能的構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態にかかるロボット200は、上述したとおり、撮像部210と、深度センサ221と、アーム222と、伸縮機構230と、を備えている。
また、本実施形態のロボット200は、図6に示すように、通信部201と、解析部204と、判断部202と、検知制御部205と、走行制御部203と、をさらに備えている。
【0037】
通信部201は、エスカレータ1の制御装置300と各種通信を行う。本実施形態では、通信部201は、制御装置300に対してエスカレータ1の運転停止指令や運転指令を送信することが可能となっている。
解析部204は、撮像部210で撮像した撮像画像を解析する。
【0038】
検知制御部205は、深度センサ221と伸縮機構230のモータ234と電気的に接続され、深度センサ221と伸縮機構230のモータ234のそれぞれに各種指示を送出することで、深度センサ221と伸縮機構230を制御可能となっている。
【0039】
検知制御部205は、エスカレータ1の乗降口103にロボット200が到着した場合に、伸縮機構230(すなわち、モータ234)を制御して、乗降口103の乗降板104の踏段100に面する端部であるコム104c近傍の踏段100の踏み面100aの位置である第1の位置に深度センサ221が位置するようにアーム222を移動させ、第1の位置で踏み面100aとの距離である第1の距離を検出させるように深度センサ221を制御する。
【0040】
また、検知制御部205は、伸縮機構230(すなわち、モータ234)を制御して、第1の位置から踏段長に相当する距離だけ離れた踏み面100aの位置である第2の位置に深度センサ221が位置するようにアーム222を移動させ、第2の位置で踏み面100aとの距離である第2の距離を検出させるように深度センサ221を制御する。
【0041】
判断部202は、検知制御部205の制御により深度センサ221で検知された第1の距離と第2の距離との差分を算出する。すなわち、判断部202は、コム104c近傍の第1の位置で計測した第1の距離とコム104cから踏段長だけ離れた第2の位置で計測された第2の距離の差分を算出する。そして、判断部202は、当該差分に基づいて、ロボット200の踏段100への乗車の可否を判断する。
【0042】
具体的には、判断部202は、コム104cで計測した第1の距離とコム104cから踏段長だけ離れた位置で計測された第2の距離との差分が所定の範囲内である場合に、ロボット200が踏段100に乗車可能と判断する。ここで、所定の範囲とは、0若しくは0と誤差程度の微少の数値の範囲であり、踏段100の踏み面100aに段差がなく、水平である判断できる程度の値の範囲である。
【0043】
従って、判断部202は、第1の距離と第2の距離との差分が所定の範囲内である場合には、連続する踏段100の踏み面100aに段差は存在しないと判断し、ロボット200を踏段100に乗車可能であると判断する。
【0044】
一方、判断部202は、第1の距離と第2の距離の差分が所定の範囲外である場合には、連続する二つの踏段100の踏み面100aに段差が存在すると判断し、ロボット200が踏段100に乗車不可能と判断する。
【0045】
以下、具体例をあげて説明する。
図7は、実施形態にかかるエスカレータ1において、上昇運転の場合における第1の距離および第2の距離と踏段100の段差との関係の一例を示す図である。図7の例では、コム104cの直前でロボット200が停止している例を示している。また、図7では、第1の位置がロボット200の本体前部から、コム104cの幅(例えば、150mm)の分離れた位置であり、第2の位置が、第1の位置から踏段長(例えば、400mm)離れた位置、すなわち、ロボット200の本体前部から約550mmだけ離れた位置を例にあげて示している。後述する図8も同様である。
【0046】
図7(a)では、第1の距離と第2の距離は不変で差分が所定の範囲内にあり、このため、コム104cから繰り出されてきた連続する二つの踏段100に段差がないことがわかる。このため、図7(a)の例では、判断部202は、ロボット200は踏段に乗車可能と判断する。
【0047】
一方、図7(b)では、第1の距離より第2の距離が小さく、差分が所定の範囲外となり、このため、コム104cから繰り出されてきた連続する二つの踏段100に段差があることがわかる。このため、図7(b)の例では、判断部202は、ロボット200は踏段に乗車不可能と判断する。
【0048】
図7の例では、踏段100が上昇移動する上昇運転の場合の例を示したが、踏段100が下降移動する下降運転の場合も同様に判断することができる。
【0049】
図8は、実施形態にかかるエスカレータ1において、下降運転の場合における第1の距離および第2の距離と踏段100の段差との関係の一例を示す図である。
図8(a)では、第1の距離と第2の距離は不変で差分が所定の範囲内にあり、このため、コム104cから繰り出されてきた連続する二つの踏段100に段差がないことがわかる。このため、図8(a)の例では、判断部202は、ロボット200は踏段に乗車可能と判断する。
【0050】
一方、図8(b)では、第1の距離より第2の距離が大きく、差分が所定の範囲外となり、このため、コム104cから繰り出されてきた連続する二つの踏段100に段差があることがわかる。このため、図8(b)の例では、判断部202は、ロボット200は踏段に乗車不可能と判断する。
【0051】
図9は、実施形態においてコム104cから繰り出される連続する踏段100の水平部分が踏段長以上ある例を示す模式図である。すなわち、図9の例では、踏段100が1段以上コム104cから表に出ているため、判断部202は、ロボット200が踏段100に乗車可能であると判断する。
【0052】
図10は、実施形態においてコム104cから繰り出される連続する踏段100の水平部分が踏段長未満である例を示す模式図である。すなわち、図10の例では、踏段100の1段分がコム104cから表に出ていないため、判断部202は、ロボット200が踏段100に乗車不可能であると判断する。
【0053】
図6に戻り、走行制御部203は、ロボット200に設けられている不図示の駆動モータを駆動制御することにより、ロボット200の走行を制御する。本実施形態では、走行制御部203は、判断部202によりロボット200が踏段100に乗車可能と判断された場合に、ロボット200を踏段100に乗車するように走行させる。
【0054】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるロボット200による乗車可否判定処理について説明する。
図11は、実施形態にかかる乗車可否判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0055】
まず、ロボット200は移動を開始する(S11)。そして、ロボット200は乗降口103に到着すると(S12)、走行を停止する(S13)。乗降口103の位置としては、例えば、コム104cの直前の位置とすることができる。
【0056】
ここで、ロボット200は、撮像部210による撮像画像により乗降口103若しくはコム104c直前の位置への到着を判断する。例えば、解析部204が撮像画像を解析して、撮像画像に写っているコム104cや乗降板104上でコム104c直前に存在するビス等を認識した場合に、ロボット200が乗降口103若しくはコム104c直前の位置に到着したと判断すればよい。
【0057】
ロボット200が乗降口103に到着したら、通信部201はエスカレータ1の制御装置300に運転停止指示を送信する(S14)。これにより、運転停止時を受信した制御装置300は、指示に従って、エスカレータ1の運転、すなわち踏段100の巡回移動を停止する。
【0058】
次に、検知制御部205は、伸縮機構230を制御して、アーム222を前方に移動して深度センサ221を、コム104c近傍の踏段100の踏み面100aの位置である第1の位置まで移動させる(S15)。そして、検知制御部205は、深度センサ221に第1の位置で第1の距離を検知させる(S16)。
【0059】
次に、検知制御部205は、伸縮機構230を制御して、アーム222を前方に移動して深度センサ221を、第1の位置から踏段長に相当する距離だけ離れた踏み面100aの位置である第2の位置まで移動する(S17)。そして、検知制御部205は、深度センサ221に第2の位置で第2の距離を検知させる(S18)。
【0060】
次に、判断部202は、S16で検知した第1の距離と、S18で検知した第2の距離と、の差分を求め、当該差分が所定の範囲内であるか否かを判断する(S19)。差分が所定の範囲内である場合には(S19:Yes)、判断部202は、ロボット200は踏段100に乗車可能であると判断する(S20)。そして、走行制御部203は、ロボット200を走行させて踏段100に乗車させる(S21)。この後、ロボット200によるエスカレータ1の点検作業が実施される。
【0061】
ここで、エスカレータ1の点検作業としては、エスカレータ1の運転中における踏段100の振動や異常音の有無を確認作業や、エスカレータ1への乗車中にスカートガードパネル105と踏段100間の隙間、パネルや三角ガード損傷の有無の確認作業等があげられる。ただし、点検作業は、これらに限定されるものではない。
【0062】
S19で、差分が所定の範囲外である場合には(S19:No)、判断部202は、ロボット200は踏段100に乗車不可能であると判断する(S22)。そして、処理はS15へ移行する。この場合、エスカレータ1の踏段100の移動を再開して、S15から処理が繰り返し実行される。
【0063】
このように本実施形態にかかるロボット200では、検知制御部205は、エスカレータ1の乗降口103にロボット200が到着した場合に、伸縮機構230を制御して、乗降口103の乗降板104の踏段100に面する端部であるコム104c近傍の踏段100の踏み面100aの位置である第1の位置に深度センサ221が位置するようにアーム222を移動させ、第1の位置で踏み面100aとの距離である第1の距離を検出させるように深度センサ221を制御する。また、検知制御部205は、伸縮機構230を制御して、第1の位置から踏段長に相当する距離だけ離れた踏み面100aの位置である第2の位置に深度センサ221が位置するようにアーム222を前方に移動させ、第2の位置で踏み面100aとの距離である第2の距離を検出させるように深度センサ221を制御する。そして、判断部202は、検知制御部205の制御により深度センサ221で検知された第1の距離と第2の距離との差分に基づいて、ロボット200の踏段100への乗車の可否を判断する。
【0064】
具体的には、本実施形態では、ロボット200の判断部202は、第1の距離と第2の距離の差分が所定の範囲内である場合に、ロボット200が踏段100に乗車可能と判断し、上記差分が所定の範囲外である場合に、ロボット200が踏段100に乗車不可能と判断する。
【0065】
このため、本実施形態によれば、第1の位置で検知した踏み面100aまでの第1の距離と、第1の位置から1段分の踏段100の長さ(踏段長)離れた第2の位置での踏み面100aまでの第2の距離との差分から、連続する踏段100の踏み面100aの水平部分が踏段100の1段以上存在しているか否かを判断することができる。すなわち、本実施形態によれば、ロボット200をエスカレータ1の踏段100に乗車させる場合において、水平部分が1.5段、3段等、エスカレータ1の仕様の相違によらず、連続する複数の踏段100の水平部分を正確に判定することができる。従って、本実施形態によれば、運転中で巡回移動している踏段100の段差運動の影響を受けない位置にロボット200を乗車させることができる。
また、本実施形態によれば、エスカレータ1の仕様の相違によらず、ロボット200側で連続する複数の踏段100の水平部分を正確に判定するので、エスカレータ1側に乗車可否の判定機能を設ける必要がなく、エスカレータ1側の処理を軽減させることができる。
【0066】
(変形例)
上記実施形態では、踏み面100aのコム104c近傍の第1の位置と、第1の位置から踏段100側に踏段長だけ離れた第2の位置の2箇所で、踏み面100aとの距離を深度センサ221で検知していたが、これに限定されるものではない。
【0067】
例えば、伸縮機構230を制御して所定の間隔でアーム222を前方に移動させながら、深度センサ221を制御して深度センサ221に踏み面100aまでの距離を検知させるように検知制御部205を構成することができる。
【0068】
この場合には、深度センサ221が連続する二つの踏段100との間隙を検知した場合に、間隙の前後で検知された二つの距離の差分が所定の範囲内である場合に、ロボット200が踏段100に乗車可能と判断し、二つの距離の差分が所定の範囲外である場合に、ロボット200が前記踏段に乗車不可能と判断するように判断部202を構成することができる。
【0069】
ここで、深度センサ221で検知した距離が、踏み面100aまでの距離よりも大きく、所定の閾値以上である場合に、二つの踏段100との間隙を検知したと判断するよう判断部202を構成すればよい。
【0070】
図12は、変形例における検知される距離と踏段100の段差との関係を示す模式図である。図12では、踏段100が上昇移動する場合の例を示しているが、踏段100が下降移動する場合も同様である。
【0071】
図12(a)では、間隙の前後で検知した距離は不変で差分が所定の範囲内にあり、このため、コム104cから繰り出されてきた連続する二つの踏段100に段差がないことがわかる。このため、図12(a)の例では、判断部202は、ロボット200は踏段に乗車可能と判断する。
【0072】
一方、図12(b)では、間隙の前後で検知した二つの距離に差があり、差分が所定の範囲外となり、このため、コム104cから繰り出されてきた連続する二つの踏段100に段差があることがわかる。このため、図12(b)の例では、判断部202は、ロボット200は踏段に乗車不可能と判断する。
【0073】
本変形例によれば、ロボット200は、検知制御部205は、伸縮機構230を制御して所定の間隔でアーム222を前方に移動させながら、深度センサ221を制御して深度センサ221に踏み面100aまでの距離を検知させる。また、判断部202は、深度センサ221が二つの踏段100との間隙を検知した場合に、間隙の前後で検知された二つの距離の差分が所定の範囲内である場合に、ロボット200が踏段100に乗車可能と判断し、二つの距離の差分が所定の範囲外である場合に、ロボット200が前記踏段に乗車不可能と判断する。
【0074】
このため、本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏する他、深度センサ221がコム104c近傍の第1の位置から踏段長まで離れた第2の位置まで移動する前に、踏段100の段差の有無を判断することができるので、乗車可否の判断を早期に行うことができる。
【0075】
上記実施形態および変形例にかかるロボット200は、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、タッチパネルなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0076】
上記実施形態および変形例にかかるロボット200で実行される乗車可否判断プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0077】
上記実施形態および変形例にかかるロボット200で実行される乗車可否判断プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0078】
さらに、上記実施形態および変形例にかかるロボット200で実行される乗車可否判断プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態および変形例にかかるロボット200で実行される乗車可否判断プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0079】
上記実施形態および変形例にかかるロボット200で実行される乗車可否判断プログラムは、上述した各部(通信部201、解析部204、検知制御部205、判断部202、走行制御部203)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから乗車可否判断プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部201、解析部204、検知制御部205、判断部202、走行制御部203が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…エスカレータ(乗客コンベア)、100…踏段、100a…踏み面、103…乗降口、104…乗降板、104c…コムプレート(コム)、200…ロボット(自律移動体)、201…通信部、202…判断部、203…走行制御部、204…解析部、205…検知制御部、300…制御装置、221…深度センサ、222…アーム(支持部)、230…伸縮機構、231…1000…自律移動体制御システム。
【要約】
【課題】巡回移動している踏段の段差運動の影響を受けない位置に自律移動体を乗車させること。
【解決手段】実施形態の自律移動体は、乗客コンベアの乗降口に自律移動体が到着した場合に、伸縮機構を制御して、複数の踏段が繰り出される乗降板の踏段に面する端部近傍の踏段の踏み面の位置である第1の位置に検知部が位置するように支持部を移動させ、第1の位置で前記踏み面との距離である第1の距離を検出させるように検知部を制御し、伸縮機構を制御して、第1の位置から踏段の進行方向の長さである踏段長に相当する距離だけ離れた踏み面の位置である第2の位置に検知部が位置するように支持部を移動させ、第2の位置で前記踏み面との距離である第2の距離を検出させるように検知部を制御する検知制御部と、第1の距離と第2の距離との差分に基づいて、自律移動体の踏段への乗車の可否を判断する判断部と、を備える。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12