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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイスのための装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20241223BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241223BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20241223BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/57
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2023510393
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-02
(86)【国際出願番号】 GB2021052386
(87)【国際公開番号】W WO2022058723
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】2014643.7
(32)【優先日】2020-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヴィントラ, トミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェン, ジーヨン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111567899(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102013209720(DE,A1)
【文献】国際公開第2007/088931(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03582586(EP,A1)
【文献】特表2018-528767(JP,A)
【文献】特表2019-531740(JP,A)
【文献】特表2016-524777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
A24F 40/20
A24F 40/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイスのための装置であって、
1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備える第1の共振回路であり、前記第1の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第1のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものである、第1の共振回路と、
第1の状態及び第2の状態を有する第1のスイッチング構成体であり、前記第1の状態では、電圧源から生成された変動電流が、前記第1の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、前記第2の状態では、前記第1のスイッチング構成体が非導通である、第1のスイッチング構成体と、
前記第1のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第1の制御信号を提供するコントロールモジュールであり、前記コントロールモジュールが、前記第1の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、前記加熱動作段階中には、前記第1のスイッチング構成体が、前記コントロールモジュールの制御下で前記第1の状態の複数のインスタンスと前記第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、前記第2の状態の各インスタンスが、前記第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、コントロールモジュールと
を具備する、装置。
【請求項2】
前記1つ又は複数の誘導素子及び前記1つ又は複数の容量素子が、並列に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の状態の各インスタンスが前記装置の通常動作中に発生すると予想される前記第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有するように、前記加熱動作段階における各第2の状態の持続時間を設定することをさらに含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の状態の各インスタンスが、固定の持続時間を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のスイッチング構成体が、トランジスタスイッチを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記加熱動作段階において、前記第1の制御信号が、固定周波数で前記第1の状態及び前記第2の状態の間で前記第1のスイッチング構成体を切り替える、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記固定周波数が、250kHzである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コントロールモジュールが、前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルを設定する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルが、前記装置の加熱要件に応じて設定される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルが、温度測定値に応じて設定される、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
加熱されるデバイスの温度を測定するための温度センサをさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備える第2の共振回路であり、前記第2の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第2のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものである、第2の共振回路と、
第1の状態及び第2の状態を有する第2のスイッチング構成体であり、前記第1の状態では、前記電圧源から生成された変動電流が、前記第2の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、前記第2の状態では、前記第2のスイッチング構成体が、非導通である、第2のスイッチング構成体と
をさらに具備し、
前記コントロールモジュールが、前記第2のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第2の制御信号を提供し、前記コントロールモジュールが、前記第2の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、前記加熱動作段階中には、前記第2のスイッチング構成体が、前記コントロールモジュールの制御下で前記第1の状態の複数のインスタンスと前記第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、前記第2の状態の各インスタンスが、前記第2の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のスイッチング構成体が、トランジスタスイッチを備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の共振回路の前記誘導素子が、加熱される要素の遠位端又は前記遠位端の付近に設けられており、前記第2の共振回路の前記誘導素子が、前記加熱される要素の口端又は前記口端の付近に設けられている、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の共振回路及び前記第2の共振回路それぞれの前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルが、前記加熱される要素の前記遠位端及び前記口端それぞれにおける加熱要件に応じて設定される、請求項8に従属する場合の請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記コントロールモジュールが、前記第1の共振回路及び前記第2の共振回路の加熱モードが重複しないように、前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルを設定する、請求項8に従属する場合の請求項12~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記誘導素子が、誘導コイルである、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記電圧源が、直流電圧源である、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の装置を備える、不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項20】
前記エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品を受けるように構成される、請求項19に記載の不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項21】
前記エアロゾル生成材料が、エアロゾル生成基材及びエアロゾル形成材料を含む、請求項20に記載の不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項22】
前記取り外し可能な物品が、前記第1のサセプタ構成体を含む、請求項20又は21に記載の不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項23】
前記装置が、タバコ加熱システムを備える、請求項19~22のいずれか一項に記載の不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項24】
第1のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第1の制御信号を、コントロールモジュールにおいて、若しくは前記コントロールモジュールから、生成する、取得する、又は受け取るステップであり、前記コントロールモジュールが、第1の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施する、ステップを含む方法であって、
前記第1の共振回路が、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備え、前記第1の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第1のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものであり、
前記第1のスイッチング構成体が、第1の状態及び第2の状態を有し、前記第1の状態では、変動電流が、電圧源から生成され、前記第1の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、前記第2の状態では、前記第1のスイッチング構成体が、非導通であり、
前記加熱動作段階中には、前記第1のスイッチング構成体が、前記コントロールモジュールの制御下で前記第1の状態の複数のインスタンスと前記第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、前記第2の状態の各インスタンスが、前記第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、
方法。
【請求項25】
前記1つ又は複数の誘導素子及び前記1つ又は複数の容量素子が、並列に配置されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の状態の各インスタンスが装置の通常動作中に発生すると予想される前記第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有するように、前記加熱動作段階における各第2の状態の持続時間を設定するステップをさらに含む、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
加熱モードにおいて、前記第1の制御信号が、固定周波数で前記第1の状態及び前記第2の状態の間で前記第1のスイッチング構成体を切り替える、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記コントロールモジュールが、前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルを設定する、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルが、加熱要件に応じて設定される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルが、温度測定値に応じて設定される、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
第2のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第2の制御信号を、前記コントロールモジュールにおいて、若しくは前記コントロールモジュールから、生成する、取得する、又は受け取るステップであり、前記コントロールモジュールが、第2の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施する、ステップをさらに含み、
前記第2の共振回路が、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備え、前記第2の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第2のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものであり、
前記第2のスイッチング構成体が、第1の状態及び第2の状態を有し、前記第1の状態では、変動電流が、電圧源から生成され、前記第2の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、前記第2の状態では、前記第2のスイッチング構成体が、非導通であり、
前記加熱動作段階中には、前記第2のスイッチング構成体が、前記コントロールモジュールの制御下で前記第1の状態の複数のインスタンスと前記第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、前記第2の状態の各インスタンスが、前記第2の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、
請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の共振回路の前記誘導素子が、加熱される要素の遠位端に設けられており、前記第2の共振回路の前記誘導素子が、前記加熱される要素の口端に設けられている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の共振回路及び前記第2の共振回路それぞれの前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルが、前記加熱される要素の前記遠位端及び前記口端それぞれにおける加熱要件に応じて設定される、請求項28に従属する場合の請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記コントロールモジュールが、前記第1の共振回路及び前記第2の共振回路の加熱モードが重複しないように、前記加熱動作段階及び前記非加熱動作段階の前記周波数並びに/又は前記デューティサイクルを設定する、請求項28に従属する場合の請求項31~33のいずれか一項に記載の方法
【請求項35】
不燃性エアロゾル生成システムで使用するための物品を含む部品のキットであって、前記不燃性エアロゾル生成システムが、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置又は請求項19~23のいずれか一項に記載の不燃性エアロゾル生成デバイスを含む、部品のキット。
【請求項36】
前記物品が、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品である、請求項35に記載の部品のキット。
【請求項37】
第1のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第1の制御信号を、第1の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施するコントロールモジュールにおいて、若しくは前記コントロールモジュールから、生成する、取得する、又は受け取ることを装置に実行させるための命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記第1の共振回路が、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備え、前記第1の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第1のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものであり、
前記第1のスイッチング構成体が、第1の状態及び第2の状態を有し、前記第1の状態では、変動電流が、電圧源から生成され、前記第1の共振回路の前記1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、前記第2の状態では、前記第1のスイッチング構成体が、非導通であり、
前記加熱動作段階中には、前記第1のスイッチング構成体が、前記コントロールモジュールの制御下で前記第1の状態の複数のインスタンスと前記第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、前記第2の状態の各インスタンスが、前記第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル生成デバイスのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
シガレット、シガーなどの喫煙品は、使用中にタバコを燃やしてタバコの煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を作成することにより、これらの物品の代用品を提供する試みがなされてきた。たとえば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル生成基材を加熱し、基材を燃やさずに加熱することによって、エアロゾルを形成する。
【発明の概要】
【0003】
(概要)
第1の態様において、本明細書では、エアロゾル生成デバイスのための装置であって、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備える第1の共振回路であり、第1の共振回路の1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第1のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものである、第1の共振回路と、第1の状態及び第2の状態を有する第1のスイッチング構成体(たとえば、トランジスタスイッチ)であり、第1の状態では、電圧源から生成された変動電流が、第1の共振回路の1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、第2の状態では、第1のスイッチング構成体が、非導通である、第1のスイッチング構成体と、第1のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第1の制御信号を提供するコントロールモジュールであり、コントロールモジュールが、第1の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、加熱動作段階中には、第1のスイッチング構成体が、コントロールモジュールの制御下で第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、第2の状態の各インスタンスが、第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、コントロールモジュールとを具備する、装置について説明する。
【0004】
いくつかの例示的な実施形態では、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子が、並列に配置されている。代替配置(たとえば、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子の直列配置)も可能である。
【0005】
いくつかの実施形態は、第2の状態の各インスタンスが装置の通常動作中に発生すると予想される第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有するように、加熱動作段階における各第2の状態の持続時間を設定することをさらに含む。
【0006】
第1の状態の各インスタンスが、固定の持続時間を有してもよい。
【0007】
加熱動作段階において、第1の制御信号が、固定周波数(たとえば、250kHz)で第1の状態及び第2の状態の間で第1のスイッチング構成体を切り替えてもよい。
【0008】
コントロールモジュールが、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルを設定してもよい。たとえば、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルが、装置の加熱要件に応じて設定されてもよい。或いは又はさらに、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルが、温度測定値に応じて設定されてもよい。
【0009】
装置は、加熱されるデバイスの温度を測定するための温度センサをさらに備えてもよい。
【0010】
装置は、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子(たとえば、並列に配置されるが、直列配置などの他の配置も可能である)を備える第2の共振回路であり、第2の共振回路の1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第2のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものである、第2の共振回路と、第1の状態及び第2の状態を有する第2のスイッチング構成体(たとえば、トランジスタスイッチ)であり、第1の状態では、電圧源から生成された変動電流が、第2の共振回路の1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、第2の状態では、第2のスイッチング構成体が、非導通である、第2のスイッチング構成体とをさらに具備してもよく、コントロールモジュールが、第2のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第2の制御信号を提供し、コントロールモジュールが、第2の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、加熱動作段階中には、第2のスイッチング構成体が、コントロールモジュールの制御下で第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、第2の状態の各インスタンスが、第2の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する。
【0011】
第1の共振回路の誘導素子が、加熱される要素の遠位端又は遠位端の付近に設けられていてもよく、第2の共振回路の誘導素子が、加熱される要素の口端(mouth end)又は口端の付近に設けられていてもよい。第1の共振回路及び第2の共振回路それぞれの加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルが、加熱される要素の遠位端及び口端それぞれにおける加熱要件に応じて設定されてもよい。
【0012】
コントロールモジュールが、第1の共振回路及び第2の共振回路の加熱モードが重複しないように、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルを設定してもよい。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、誘導素子の一部又は全部が、誘導コイルである。
【0014】
電圧源が、DC電圧源(たとえば、バッテリー供給源)であってもよい。
【0015】
第2の態様において、本明細書では、第1の態様を参照して上述した任意の装置を備える、エアロゾル生成デバイス(たとえば、不燃性エアロゾル生成デバイス)について説明する。装置は、たとえば、タバコ加熱システムを備えてもよい。エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品を受けるように構成されてもよい。エアロゾル生成材料が、エアロゾル生成基材及びエアロゾル形成材料を含んでもよい。取り外し可能な物品が、第1のサセプタ構成体を含んでもよい。
【0016】
第3の態様において、本明細書では、第2の態様を参照して上述したエアロゾル生成デバイスを備える電子喫煙品について説明する。
【0017】
第4の態様において、本明細書では、第1のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第1の制御信号を生成する、取得する、又は受け取るステップであり、コントロールモジュールが、第1の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、加熱動作段階中には、第1のスイッチング構成体が、コントロールモジュールの制御下で第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、第2の状態の各インスタンスが、第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、ステップを含む方法であって、第1の共振回路が、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子を備え、第1の共振回路の1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第1のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものであり、第1のスイッチング構成体が、第1の状態及び第2の状態を有し、第1の状態では、変動電流が、電圧源から生成され、第1の共振回路の1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、第2の状態では、第1のスイッチング構成体が、非導通である、方法について説明する。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子が、並列に配置されている。代替配置(たとえば、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子の直列配置)も可能である。
【0019】
方法は、第2の状態の各インスタンスが装置の通常動作中に発生すると予想される第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有するように、加熱動作段階における各第2の状態の持続時間を設定するステップをさらに含んでもよい。
【0020】
加熱モードにおいて、第1の制御信号が、固定周波数で第1の状態及び第2の状態の間で第1のスイッチング構成体を切り替えてもよい。
【0021】
コントロールモジュールが、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルを設定してもよい。たとえば、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルが、加熱要件に応じて設定されてもよい。或いは又はさらに、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルが、温度測定値に応じて設定される。
【0022】
方法は、第2のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第2の制御信号を生成する、取得する、又は受け取るステップであり、コントロールモジュールが、第2の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、加熱動作段階中には、第2のスイッチング構成体が、コントロールモジュールの制御下で第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、第2の状態の各インスタンスが、第2の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、ステップをさらに含み、第2の共振回路が、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子(これらの誘導素子及び容量素子は並列に配置されてもよいが、直列接続などの他の構成が可能である)を備え、第2の共振回路の1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第2のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものであり、第2のスイッチング構成体が、第1の状態及び第2の状態を有し、第1の状態では、変動電流が、電圧源から生成され、第2の共振回路の1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、第2の状態では、第2のスイッチング構成体が、非導通である。
【0023】
第1の共振回路の誘導素子が、加熱される要素の遠位端に設けられていてもよく、第2の共振回路の誘導素子が、加熱される要素の口端に設けられている。第1の共振回路及び第2の共振回路それぞれの加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルが、加熱される要素の遠位端及び口端それぞれにおける加熱要件に応じて設定されてもよい。
【0024】
コントロールモジュールが、第1の共振回路及び第2の共振回路の加熱モードが重複しないように、加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルを設定してもよい。
【0025】
第5の態様において、本明細書では、コンピューティング装置によって実行された場合に、コンピューティング装置に第4の態様を参照して説明した任意の方法を実行させるコンピュータ可読命令について説明する。
【0026】
第6の態様において、本明細書では、不燃性エアロゾル生成システムで使用するための物品を含む部品のキットであって、不燃性エアロゾル生成システムが、第1の態様を参照して上述した装置又は第2の態様を参照して上述したデバイスを含む、部品のキットについて説明する。この物品は、たとえば、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品であってもよい。
【0027】
第7の態様において、本明細書では、第1のスイッチング構成体のスイッチング素子のための第1の制御信号を生成する、取得する、又は受け取ることであり、コントロールモジュールが、第1の共振回路の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施し、加熱動作段階中には、第1のスイッチング構成体が、コントロールモジュールの制御下で第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、第2の状態の各インスタンスが、第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有する、生成する、取得する、又は受け取ることを装置に実行させるための命令を含むコンピュータプログラムであって、第1の共振回路が、1つ又は複数の誘導素子及び1つ又は複数の容量素子(これらの誘導素子及び容量素子は、並列又は直列に配置されてもよい)を備え、第1の共振回路の1つ又は複数の誘導素子が、エアロゾル生成材料を加熱することによりエアロゾルを生成するために、第1のサセプタ構成体を誘導加熱するためのものであり、第1のスイッチング構成体が、第1の状態及び第2の状態を有し、第1の状態では、変動電流が、電圧源から生成され、第1の共振回路の1つ又は複数の誘導素子を通って流れ、第2の状態では、第1のスイッチング構成体が、非導通である、コンピュータプログラムについて説明する。
【0028】
ここで、以下の概略図を参照して、例示的な実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
図2】例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスを示す図である。
図3】例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスを示す図である。
図4】例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品の図である。
図5】例示的な実施形態による回路のブロック図である。
図6】例示的な実施形態に従って使用される信号を示す図である。
図7】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
図8】例示的な実施形態の一態様を示すプロットである。
図9】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
図10】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
図11】例示的な実施形態に従って使用される信号を示す図である。
図12】例示的な実施形態によるシステムの図である。
図13】例示的な実施形態に従って使用される信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(詳細な説明)
本明細書で使用する場合、「送達システム」という用語は、物質をユーザに送達するシステムを包含することを意図しており、以下を含む。
【0031】
可燃性エアロゾル供給システム、たとえば、シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用又は手巻き用若しくは手作りシガレット用のタバコなど(タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品又は他の喫煙材のいずれに基づくかを問わない)。
【0032】
エアロゾル化可能材料を燃焼させることなくエアロゾル化可能材料から化合物を放出する不燃性エアロゾル供給システム、たとえば、電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル化可能材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなど。
【0033】
エアロゾル化可能材料を含み、これらの不燃性エアロゾル供給システムのうちの1つで使用されるように構成される物品。
【0034】
エアロゾル不使用の送達システム、たとえば、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能な粉末を含む物品、及び無煙タバコ製品、たとえば、スヌース及びスナッフなどであり、これらはエアロゾルを形成せずに材料をユーザに送達し、材料はニコチンを含む場合と含まない場合とがある。
【0035】
本開示によれば、「可燃性」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)を構成するエアロゾル化可能材料が、ユーザへの送達を容易にするために燃焼される又は燃やされるものである。
【0036】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)を構成するエアロゾル化可能材料が、ユーザへの送達を容易にするために燃焼されない又は燃やされないものである。本明細書に記載の実施形態では、送達システムは不燃性エアロゾル供給システム、たとえば、動力付き不燃性エアロゾル供給システムである。
【0037】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは電子タバコであり、これはベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られているが、エアロゾル化可能材料内のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0038】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0039】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、エアロゾル化可能材料のうちの1つ又は複数は加熱されてもよい。エアロゾル化可能材料のそれぞれは、たとえば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有してもしなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料及び固体のエアロゾル化可能材料を含む。固体のエアロゾル化可能材料は、たとえば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0040】
典型的には、不燃性エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイス及び不燃性エアロゾル供給システムと共に使用するための物品を含んでもよい。しかしながら、エアロゾル生成構成要素に動力を供給するための手段をそれ自体が含む物品自体が、不燃性エアロゾル供給システムを形成してもよいということも想定される。
【0041】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを含んでもよい。動力源は、電力源であっても発熱源であってもよい。一実施形態では、発熱源は、発熱源に近接するエアロゾル化可能材料又は熱伝達材料に熱の形態で動力を供給するようにエネルギーを与えることができる炭素基材を含む。一実施形態では、発熱源などの動力源は、不燃性エアロゾル供給を形成するように物品内に提供される。
【0042】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、エアロゾル化可能材料、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成領域、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能材料を受けるための領域を含んでもよい。
【0043】
一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル化可能材料と相互作用することが可能なヒーターである。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱せずにエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。たとえば、エアロゾル生成構成要素は、振動、機械、加圧又は静電手段のうちの1つ又は複数などによって、熱を加えることなく、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成可能であってもよい。
【0044】
一実施形態では、エアロゾル化可能材料は、活性材料、エアロゾル形成材料、及び任意選択で1つ又は複数の機能材料を含んでもよい。活性材料は、ニコチン(任意選択でタバコ又はタバコ派生品に含有される)或いは1つ又は複数の他の非嗅覚の生理活性材料を含んでもよい。非嗅覚の生理活性材料は、嗅覚以外の生理反応を実現するためにエアロゾル化可能材料に含まれる材料である。本明細書で使用する活性物質は、生理反応を実現又は増強することを目的とする材料である生理活性材料であってもよい。活性物質は、たとえば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は、天然のもの又は合成的に得られるものであってもよい。活性物質は、たとえば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12又はCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、或いはそれらの成分、派生物、又は組み合わせを含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻又は他の植物の1つ又は複数の成分、派生物又は抽出物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0045】
エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0046】
1つ又は複数の機能材料は、香料、担体、pH調整剤、安定剤、及び/又は抗酸化剤のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0047】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、エアロゾル化可能材料又はエアロゾル化可能材料を受けるための領域を含んでもよい。一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、マウスピースを含んでもよい。エアロゾル化可能材料を受けるための領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。たとえば、貯蔵領域はリザーバであってもよい。一実施形態では、エアロゾル化可能材料を受けるための領域は、エアロゾル生成領域とは別個であってもよいし、又はエアロゾル生成領域と結合されてもよい。
【0048】
本明細書ではエアロゾル生成材料と呼ぶ場合もあるエアロゾル化可能材料は、たとえば、加熱されたとき、照射されたとき、又は他の任意の方法でエネルギーが与えられたときに、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル化可能材料は、たとえば、ニコチン及び/又は香味料を含有してもしなくてもよい固体、液体、又はゲルの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維性)と呼ばれる場合もある「非晶質固体」を含んでもよい。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体などの何らかの流体を内部に保持することができる固体材料である。
【0049】
エアロゾル化可能材料は、基材上に存在してもよい。基材は、たとえば、紙、カード、板紙、厚紙、再生されたエアロゾル化可能材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、又は金属合金であってもよいし、又はそれらを含んでもよい。
【0050】
消耗品とは、エアロゾル生成材料を含むか、又はエアロゾル生成材料からなる物品であり、その一部又は全部がユーザにより使用中に消費されることが意図されている。消耗品は1つ又は複数の他の構成要素、たとえば、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー(wrapper)、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤を含んでもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒーターなどのエアロゾル生成器を含んでもよい。ヒーターは、たとえば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを含んでもよい。
【0051】
サセプタは、交番磁場などの変動磁場による侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、これにより、変動磁場が侵入すると、加熱材料の誘導加熱が引き起こされる。加熱材料は磁性材料であってもよく、これにより、変動磁場が侵入すると、加熱材料の磁気ヒステリシス加熱が引き起こされる。サセプタは導電性及び磁性の両方を有してもよく、これにより、両方の加熱メカニズムでサセプタが加熱可能になる。変動磁場を生成するように構成されるデバイスを、本明細書では磁場生成器と呼ぶ。
【0052】
図1は、参照番号10によって全体を示す、例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。システム10は、共振回路12(たとえば、LC共振回路)、スイッチングモジュール13、及びコントロールモジュール14を含む。直流(DC:direct current)電圧源の形態の電源(VDC)が、共振回路12に提供される。電源は、たとえば、バッテリーによって供給されてもよい。
【0053】
共振回路12は、並列に接続されたインダクタ及びキャパシタを含んでもよい。以下で詳細に論じるように、共振回路は、サセプタ構成体16を誘導加熱してエアロゾル生成材料を加熱するために使用されてもよい。(以下でさらに論じるように)エアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成してもよい。
【0054】
コントロールモジュール14は、スイッチングモジュール13を第1の状態と第2の状態との間で切り替えるための制御信号を提供する。第1の状態では、電圧源から共振回路12を介して電流が引き出される(これにより、共振回路のインダクタが充電される)。第2の状態では、第1のスイッチングモジュールは非導通である。スイッチングモジュール13が第1の状態から第2の状態に切り替わったときに共振回路12のインダクタが充電されている場合、共振回路は共振して、電荷がインダクタからキャパシタに流れて再び戻る。
【0055】
コントロールモジュール14は、システム10の加熱動作段階及び非加熱動作段階を実施する。加熱動作段階では、第1のスイッチング構成体は、コントロールモジュール14の制御下で、第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わる。以下で詳細に論じるように、この切り替わりによってサセプタ16が加熱される。
【0056】
システム10は、多種多様なサセプタ構成体と共に使用することができる。いくつかの実施形態を例として以下に論じる。
【0057】
図2は、参照番号20によって全体を示す、例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスを示している。図2は、外側カバーが取り外されたエアロゾル供給デバイス20の透視図である。エアロゾル供給デバイス20は交換可能な物品21を含んでもよく、物品21をエアロゾル供給デバイス20に挿入してサセプタを加熱できるようにしてもよい(サセプタはたとえば物品21内に含まれてもよい)。
【0058】
エアロゾル供給デバイス20は、複数の誘導素子23a、23b、及び23cと、1つ又は複数のエアチューブエクステンダ(air tube extender)24及び25とを含む。1つ又は複数のエアチューブエクステンダ24及び25は任意選択的なものであってもよい。
【0059】
複数の誘導素子23a、23b、及び23cはそれぞれ、共振回路12などの共振回路の一部を形成してもよい。誘導素子23a、23b、及び23cはそれぞれ、螺旋形インダクタコイルを含んでもよい。一例では、螺旋形インダクタコイルは、螺旋形インダクタコイルを提供するように螺旋状に巻かれたリッツ線/ケーブルから作られる。多くの代替的なインダクタの形成が可能であり、たとえば、プリント回路基板内にインダクタが形成される。3つの誘導素子23a、23b、及び23cの使用は、全ての例示的な実施形態にとって必須ではない。したがって、エアロゾル生成デバイス20は、1つ又は複数の誘導素子を含んでもよい。
【0060】
サセプタは、物品21の一部として提供されてもよい。例示的な実施形態では、物品21がエアロゾル生成デバイス20に挿入されたときに、物品21の挿入によってエアロゾル生成デバイス20がオンにされてもよい。これはたとえば、適切なセンサ(たとえば、光センサ)を使用してエアロゾル生成デバイス内の物品21の存在を検出することによるものであってもよく、又は、サセプタが物品21の一部を形成する場合には、共振回路12を使用してサセプタの存在を検出することによるものであってもよい。エアロゾル生成デバイス20がオンにされた場合、誘導素子23は、サセプタを介して物品21を誘導加熱させてもよい。代替の実施形態では、サセプタは、エアロゾル生成デバイス20の一部として(たとえば、物品21を受けるためのホルダの一部として)提供されてもよい。
【0061】
エアロゾル生成デバイス20は、エアロゾル生成デバイスの一例である。多くの変形及び代替が可能である。たとえば、図3は、参照番号100によって全体を示す、例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスを示している。
【0062】
図3に示すように、第1の端部材106はデバイス100の一端に配置されており、第2の端部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。蓋108は、デバイス100の上面を画定する。
【0063】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用時にユーザの口に最も近いので、デバイス100の近位端(又は口端)として知られ得る。開口104から最も遠いデバイスの他端は、デバイス100の遠位端として知られ得る。使用時に、物品110(上述の物品21と同様)が開口104に挿入される。
【0064】
デバイス100は、たとえば充電式又は非充電式バッテリーなど、バッテリーなどの電源118をさらに含む。バッテリーはデバイス100の加熱アセンブリに電気的に結合され、必要なときに、コントローラ(図示せず)の制御下で電力を供給して、エアロゾル生成材料を加熱する。この例では、バッテリーは中央支持体120に接続され、これによりバッテリーを定位置に保持する。
【0065】
デバイス100は、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに含む。モジュール122は、たとえば、プリント回路基板(PCB:printed circuit board)を含んでもよい。PCBは少なくとも1つのコントローラ、たとえばプロセッサと、メモリとを支持してもよい。
【0066】
デバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を含む。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(たとえば、サセプタ)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、たとえば、1つ又は複数のインダクタコイルと、変動電流を誘導電流に通すためのデバイスとを含んでもよい。システム10は、そのような誘導加熱システムの一例である。
【0067】
誘導素子内の変動電流は、変動磁場を発生させる。変動磁場は、誘導素子に対して適切に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内に渦電流を生成する。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有しているので、この抵抗に逆らって渦電流が流れると、サセプタはジュール熱によって加熱される。
【0068】
デバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ132、第1のインダクタコイル124、及び第2のインダクタコイル126を含む。第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、螺旋形インダクタコイルを提供するように螺旋状に巻かれたリッツ線/ケーブルなどの導電性材料から作られる。
【0069】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の磁場を生成するように構成され、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の変動磁場を生成するように構成される。当然ながら、2つのインダクタは例として設けられているが、より多い又は少ないインダクタが設けられてもよい(たとえば、上述のシステム10の共振回路の一部として単一のインダクタが設けられる)。
【0070】
この例のサセプタ132は中空であり、したがって、エアロゾル生成材料を受けるレセプタクルを画定する。たとえば、物品110をサセプタ132に挿入することができる。
【0071】
デバイス100は、ポリエーテルケトン(PEEK:poly ether ketone)から構成されてもよい絶縁部材128をさらに含む。
【0072】
図4は、参照番号30によって全体を示す、例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品の図である。物品30は、図2及び図3を参照して上述した物品21及び110の一例である。
【0073】
物品30は、マウスピース31と、マウスピース31に接続された、この場合はタバコ材料であるエアロゾル生成材料33の円筒形ロッドとを含む。エアロゾル生成材料33は、たとえば、本明細書に記載のエアロゾル生成デバイス20又は100などの不燃性エアロゾル生成デバイス内で加熱されると、エアロゾルを提供する。エアロゾル生成材料33はラッパー32に包まれている。ラッパー32は、たとえば、紙又は紙で裏打ちされた箔のラッパーとすることができる。ラッパー32は、空気に対して実質的に不透過性のものであってもよい。
【0074】
一実施形態では、ラッパー32はアルミニウム箔を含む。アルミニウム箔は、エアロゾル生成材料33内でのエアロゾルの形成を促進するのに特に効果的であることが分かった。一例では、アルミニウム箔は、約6μmの厚さを有する金属層を有する。アルミニウム箔は紙の裏打ちを有してもよい。しかしながら、代替構成では、アルミニウム箔は他の厚さ、たとえば4μm~16μmの間の厚さを有することができる。アルミニウム箔は紙の裏打ちを有さなくてもよいが、たとえば、箔に適切な引張強度を提供するのを助けるために、他の材料から形成された裏打ちを有してもよく、又は裏打ち材料を有さなくてもよい。アルミニウム以外の金属層又は箔も使用することができる。さらに、そのような金属層が物品30の一部として提供されることは必須ではなく、たとえば、そのような金属層は、装置20又は100の一部として提供されてもよい。
【0075】
本明細書ではエアロゾル生成基材33とも呼ばれるエアロゾル生成材料33は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を含む。本例では、エアロゾル形成材料はグリセロールである。代替例では、エアロゾル形成材料は、本明細書に記載の他の材料又はその組み合わせとすることができる。エアロゾル形成材料は、香料化合物などの化合物をエアロゾル生成材料から消費者に移すのを助けることによって、物品の知覚性能を改善することが分かった。
【0076】
図4に示すように、物品30のマウスピース31は、エアロゾル生成基材33と隣り合う上流端31aと、エアロゾル生成基材33から離れた下流端31bとを含む。エアロゾル生成基材はタバコを含んでもよいが、代替物も可能である。
【0077】
マウスピース31は、本例では、中空管状要素34の上流に材料本体36を含み、これはこの例では、中空管状要素34と隣り合い、これと当接関係にある。材料本体36及び中空管状要素34はそれぞれ、実質的に円筒形の全体的な外側形状を画定し、共通の長手方向軸線を共有する。材料本体36は、第1のプラグラップ(plug wrap)37で包まれている。第1のプラグラップ37は、約20gsm~40gsmの間など、50gsm未満の坪量を有してもよい。
【0078】
本例では、中空管状要素34は第1の中空管状要素34であり、マウスピースは、第1の中空管状要素34の上流に、冷却要素とも呼ばれる第2の中空管状要素38を含む。本例では、第2の中空管状要素38は、材料本体36の上流にあり、これと隣り合い、これと当接関係にある。材料本体36及び第2の中空管状要素38はそれぞれ、実質的に円筒形の全体的な外側形状を画定し、共通の長手方向軸線を共有する。第2の中空管状要素38は複数の紙の層から形成され、これらは平行に巻かれ、継ぎ目が接合されて、管状要素38を形成する。本例では、第1の紙の層及び第2の紙の層が2重の管に設けられているが、他の実施例では、3つ、4つ又はそれ以上の紙の層を使用して、3重、4重又はそれ以上の層の管を形成することができる。螺旋状に巻かれた紙の層、厚紙管、張り子タイプのプロセスを使用して形成された管、成形又は押出成形されたプラスチック管など、他の構造を使用することもできる。第2の中空管状要素38は、本明細書に記載の第2のプラグラップ39及び/又はチップペーパー35として堅いプラグラップ及び/又はチップペーパーを使用して形成することもでき、これは別個の管状要素が必要ないことを意味する。
【0079】
第2の中空管状要素38は、冷却セグメントとして機能するマウスピース31内の空隙の周りに位置し、これを画定する。空隙は、エアロゾル生成材料33によって生成された加熱された揮発成分が流れ得るチャンバを提供する。第2の中空管状要素38は中空であり、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するが、製造中及び物品21の使用中に生じる可能性のある軸方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有する。第2の中空管状要素38は、エアロゾル生成材料33と材料本体36との間の物理的変位を提供する。第2の中空管状要素38によって提供される物理的変位は、第2の中空管状要素38の長さにわたって温度勾配を提供する。
【0080】
当然ながら、物品30は例としてのみ提供している。当業者は、本明細書に記載のシステムで使用できるそのような物品の多くの代替構成に気付くであろう。
【0081】
図5は、参照番号200によって全体を示す、例示的な実施形態による回路のブロック図である。回路200は、上述のシステム10の実装例である。
【0082】
回路200は、上述のシステム10のコントロールモジュール14を含む。回路200は、並列に配置されたインダクタ202及びキャパシタ204(共振回路12を実装)と、トランジスタ206(スイッチングモジュール13を実装)と、をさらに含む。インダクタ202及びキャパシタ204から形成される共振回路は、上で詳細に論じたように、サセプタ構成体(図示せず)を誘導加熱するためのものである。
【0083】
トランジスタ206は、コントロールモジュール14の出力に応じて第1の状態及び第2の状態を有する。第1の状態では、トランジスタ206は導通しており、電圧源VDCから生成された変動電流がインダクタ202を流れる(以てインダクタが充電される)。電圧源は、バッテリー(たとえば、エアロゾル生成デバイスのバッテリー)によって提供されてもよい。バッテリー電圧は、時間の経過と共に(限られた範囲で)変動する場合がある。
【0084】
第2の状態では、第1のスイッチング構成体は非導通であり、(第1の状態で充電された)インダクタ202が放電して、以てキャパシタ204が充電される。スイッチング構成体が第2の状態にとどまっていた場合、共振回路12は、インダクタ202及びキャパシタ204のインダクタンス(L)及びキャパシタンス(C)に応じた周波数で共振することになり、これは次式で与えられる。
【0085】
【数1】
【0086】
図6は、参照番号210によって全体を示す、例示的な実施形態に従って使用される信号を示している。信号210はコントロールモジュール14の出力であり、これはトランジスタ206の入力に提供される。
【0087】
信号210は、第1の段階211、第2の段階212、及び第3の段階213を含む。第1の段階211及び第3の段階213は、共振回路12の加熱動作段階である。第2の段階212は、共振回路の非加熱動作段階である。
【0088】
加熱動作段階中には、コントロール回路14の出力は高電圧レベルと低電圧レベルとの間で繰り返し遷移して、トランジスタ206が上述の第1の状態及び第2の状態の複数のインスタンスの間で繰り返し切り替わるようにする。第1の段階中に共振回路に電流が流れると、サセプタに電流が流れて、以てサセプタが加熱される。
【0089】
非加熱動作段階中には、コントロール回路14の出力は、トランジスタがオンになるようなものである。したがって、非加熱段階では、インダクタ202及びキャパシタ204の両方の一端が電圧源VDCに結合され、インダクタ202及びキャパシタ204の他端がトランジスタ206を介して接地される。
【0090】
加熱段階の効率は、加熱段階211及び213中のトランジスタ206のスイッチングの周波数に少なくとも部分的に依存する。実際、スイッチング周波数が共振回路の共振周波数に近づくにつれて、加熱効率は増加する。
【0091】
図7は、参照番号220によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。アルゴリズム220は動作222から開始し、ここでインダクタ202及びキャパシタ204によって形成される共振回路12の共振が決定される。次いで、動作224において、動作222で決定された共振に少なくとも部分的に基づいて加熱パラメータが設定される。
【0092】
アルゴリズム220は、システム設計プロセスの一部を形成してもよい。したがって、たとえば、システムの加熱パラメータは、共振パラメータに基づいて(たとえば、設計された共振パラメータに基づいて)設定され、その後固定されてもよい。たとえば、加熱パラメータは、コントロールモジュール14内に記憶され、システム200の通常の使用中に変更されなくてもよい。
【0093】
動作224で加熱パラメータを設定することは、第2の状態の各インスタンスが、装置の通常動作中に発生すると予想される第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有するように、加熱動作段階における各第2の状態の持続時間を設定することを含んでもよい。さらに、動作224で加熱パラメータを設定することは、第1の状態の各インスタンスを固定の持続時間に設定することを含んでもよい。1つの例示的な実施形態では、共振の詳細はメモリに記憶され、(動作222で)取り出されて、(動作224で)パラメータを設定する際に使用されてもよい。
【0094】
図8は、参照番号230によって全体を示す、例示的な実施形態の態様を示すプロットである。プロット230は、トランジスタ206のゲート入力における電圧を示す第1の信号231と、トランジスタ206にわたる電圧である第2の信号232とを含む。
【0095】
第1の信号231によって示すように、トランジスタ206は、回路200が加熱動作モードになるように、第1の状態(トランジスタ入力がハイであり、トランジスタが導通している)と、第2の状態(トランジスタ入力がローであり、トランジスタが非導通である)との間で切り替えられる。
【0096】
第1の状態では、トランジスタ206は導通しており、トランジスタにわたって電圧が現れない。この状態では、電圧源VDCからインダクタ202を通って電流が流れることにより、インダクタが充電される。第2の状態では、インダクタ202が放電することにより、キャパシタ204が充電され、この結果、トランジスタ56にわたって電圧が現れる。
【0097】
プロット230に示すように、トランジスタ206にわたる電圧は振動し始めるが、振動は第1の状態に戻ることによって停止する。
【0098】
動作224で設定される加熱パラメータは、第2の状態の各インスタンスが第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分である持続時間を有するように設定される。これは図8に示しており、ここで第2の信号は、振動周期の前半が第1の信号81の各立ち上がり端の直前に完了することを示している。
【0099】
共振回路12の共振周波数は、たとえば回路公差、バッテリー電圧、温度などにより、可変である(又は少なくとも公差を有する)場合があることに留意されたい。したがって、第2の状態の持続時間を、通常動作中に発生すると予想される第1の共振回路の振動周期の半分よりもわずかに長く設定することによって、トランジスタにわたる電圧が各周期後に確実にゼロに低下することができるようにすることができる。
【0100】
加熱動作段階では、固定周波数(たとえば、250kHz)で第1の状態及び第2の状態の間で切り替わるようにトランジスタ206を制御することができる。加熱段階のデューティサイクルは、たとえば動作224で定義された加熱パラメータに基づいて、可変であってもよい。
【0101】
図9は、参照番号240によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0102】
アルゴリズム240は、加熱動作段階が行われる動作242から開始する。上で論じたように、加熱段階中には、第1のスイッチング構成体(たとえば、トランジスタ206)は、第1の状態の複数のインスタンスと第2の状態の複数のインスタンスとの間で切り替わり、第2の状態の各インスタンスは、第1の共振回路の振動周期の少なくとも半分の持続時間を有する。加熱段階の例は、上述の信号210の部分211及び213に示している。
【0103】
加熱段階が完了すると、アルゴリズム240は動作244に移動し、ここで非加熱動作段階が行われる。上で論じたように、非加熱段階中には、トランジスタ206はオンであり、サセプタの誘導加熱は行われない。非加熱段階の例は、上述の信号210の部分212に示している。
【0104】
動作246において、加熱プロセスが完了したか否かに関する判定が行われる。加熱が完了すると、アルゴリズム240は動作248で終了し、そうでない場合、アルゴリズムは動作242に戻り、ここで(上述の信号210の部分213によって示すように)さらなる加熱が行われる。
【0105】
加熱段階242及び非加熱段階244の様々なパラメータは、上述のアルゴリズム220の動作224で設定されてもよい(又は以下でさらに論じる動作254で設定されてもよい)。たとえば、各段階の持続時間(及び加熱段階と非加熱段階との相対的な持続時間)は制御可能であってもよい。或いは又はさらに、動作246の複数のインスタンスによって可能にされる繰り返しの数は可変であってもよい。
【0106】
図10は、参照番号250によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0107】
アルゴリズム250は動作252から開始し、ここで加熱要件が決定される。加熱要件は、たとえば、温度測定値に応じたもの(たとえば、温度要件と測定温度との差に応じたもの)であってもよい。動作252は、たとえば、現在の加熱レベルを増加させるべきか減少させるべきかを判定してもよい。
【0108】
動作254において、上述の加熱段階及び非加熱段階のパラメータが設定される。たとえば、加熱段階及び非加熱段階の間の循環の周波数が変更されてもよい。或いは又はさらに、加熱段階及び非加熱段階のデューティサイクルが変更されてもよい。
【0109】
図11は、参照番号260によって全体を示す、例示的な実施形態に従って使用される信号を示している。
【0110】
信号260は、第1の信号261及び第2の信号262を含む。両方の信号は、トランジスタ206への入力として提供されるコントロール回路14の出力の例である。
【0111】
上述のように、動作254を使用して、制御信号のデューティサイクルを動作252で決定された加熱要件に応じて変更することができる。
【0112】
第1の信号261は、比較的低いデューティサイクルを有し、必要な加熱量が比較的低い場合に使用されてもよい。第2の信号262は、より高いデューティサイクルを有し、必要な加熱量がより高い場合に使用されてもよい。信号261及び262の加熱段階は同じであり、変化するのは、加熱段階の間の持続時間(すなわち、非加熱段階の持続時間)であることに留意されたい。この構成は、加熱量を変更できる唯一のメカニズムではなく、たとえば、所与の時間内に加熱量を増加又は減少させるために、加熱段階の持続時間を変更することができる。
【0113】
回路200は、単一の共振回路を駆動するために使用することができる。しかしながら、上述のように、複数の共振回路を設けて、エアロゾル生成デバイスの異なるゾーンを異なる共振回路によって加熱できるようにしてもよい。
【0114】
図12は、参照番号270によって全体を示す、例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。システム270は、上述のシステム10(及び回路200)と類似しているが、以下で詳細に論じるように、2つの共振回路を含む(2つのサセプタと相互作用する)。
【0115】
システム270は、第1の共振回路12a及び第2の共振回路12b(両方とも上述の共振回路12と同様)、第1のスイッチングモジュール13a及び第2のスイッチングモジュール(両方とも上述のスイッチングモジュール13と同様)、並びにコントロールモジュール272を含む。直流(DC)電圧源の形態の電源(VDC)が共振回路12a及び12bに提供される。電源は、たとえば、バッテリーによって供給されてもよい。
【0116】
上で詳細に論じたように、共振回路12a及び12bのそれぞれは、並列に接続されたインダクタ及びキャパシタを含んでもよい。共振回路12aは、第1のサセプタ構成体16aを誘導加熱するために使用されてもよく、共振回路12bは、第2のサセプタ構成体を誘導加熱するために使用されてもよい。第1のサセプタ構成体16a及び第2のサセプタ構成体16bはそれぞれ、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成材料を加熱してもよい(また、たとえば、同じエアロゾル生成材料の異なるゾーンを加熱してもよい)。
【0117】
コントロールモジュール272は、第1の温度センサ17a及び第2の温度センサ17bから入力を受け取り、第1のスイッチングモジュール13a及び第2のスイッチングモジュール13bを切り替えるための制御信号を提供する。
【0118】
したがって、コントロールモジュール272は、たとえば上述のアルゴリズム240及び250に従って、共振回路12a及び12bの加熱動作段階及び非加熱動作段階を制御することができる。温度センサ17a及び17bは、たとえば、動作252の実装において使用されてもよい。
【0119】
上で示したように、第1のサセプタ構成体16a及び第2のサセプタ構成体16bはそれぞれ、エアロゾルを生成するために、同じエアロゾル生成材料の異なるゾーンを加熱してもよい。たとえば、第1の共振回路12aの誘導素子は、エアロゾル生成デバイス(又は加熱される他の何らかの要素)の遠位端又はその付近に設けられていてもよく、第2の共振回路12bの誘導素子は、エアロゾル生成デバイス(又は加熱される他の何らかの要素)の口端又はその付近に設けられていてもよい。
【0120】
コントロールモジュール272は、第1のスイッチング構成体13a及び第2のスイッチング構成体13bを別々に制御してもよい。たとえば、第1の共振回路12a及び第2の共振回路12bそれぞれの加熱動作段階及び非加熱動作段階の周波数並びに/又はデューティサイクルは異なっていてもよく、たとえば、加熱される要素の遠位端及び口端それぞれにおける加熱要件に応じて設定されてもよい。
【0121】
図13は、参照番号280によって全体を示す、例示的な実施形態に従って使用される信号を示している。信号280は、第1の信号281及び第2の信号282を含む。第1の信号281は、(たとえば、第1のスイッチングモジュール13aを制御する)コントロールモジュール272の第1の出力であってもよく、第2の信号282は、(たとえば、第2のスイッチングモジュール13bを制御するための)コントロールモジュール272の第2の出力であってもよい。
【0122】
第1の信号281及び第2の信号282は、同じ周波数並びにデューティサイクルを有するが、第1の共振回路13a及び第2の共振回路13bの加熱モードが重複しないように設定される。
【0123】
第1の信号281及び第2の信号282は、実際には、一方の信号が他方に対して時間的にシフトされた同じ信号である。これは全ての例示的な実施形態にとって必須ではない。たとえば、それぞれのサセプタの加熱要件が異なる場合、たとえば、第1の信号及び第2の信号の周波数並びに/又はデューティサイクルは異なっていてもよい。
【0124】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求する特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示している。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供しており、網羅的及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に対する限定とも、特許請求の範囲の均等物に対する限定とも考えられるべきではなく、特許請求する発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいということを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載したもの以外の、開示した要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組み合わせを好適に含んでもよく、それらからなってもよく、又は本質的にそれらからなってもよい。さらに、本開示は、現在特許請求していないが、将来請求する可能性のある他の発明も含むことができる。
図1
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