(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】センサ構成およびセンサ構成を製造する方法
(51)【国際特許分類】
G01K 7/22 20060101AFI20241223BHJP
【FI】
G01K7/22 N
(21)【出願番号】P 2023536085
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2021083721
(87)【国際公開番号】W WO2022128468
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】102020133985.2
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518379278
【氏名又は名称】テーデーカー エレクトロニクス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】コー,エイブラハム
(72)【発明者】
【氏名】マウテ,ガイド
(72)【発明者】
【氏名】ペルマナ,アンディ
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/104868(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/010216(WO,A1)
【文献】特開平9-82502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K7/16-7/22
H01C1/00-1/16
H01C7/02-7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度測定のためのセンサ構成であって、
- セラミックベースの基板と、
- ボンディング材料によって水平位置において前記基板に直接接続される少なくとも1つのセンサチップと、
- 当該センサ構成の外側電極として作用するように構成および配置される少なくとも1つの第1のコンタクト要素および少なくとも1つの第2のコンタクト要素と、
- 前記センサチップと前記コンタクト要素の少なくとも部分とを囲む絶縁本体と、を含み、
第1のコンタクト要素は、前記ボンディング材料によって前記センサチップに電気的に接触するように構成および配置されるコンタクト部材を含み、
前記基板は、大部分は前記絶縁本体の材料がな
く、
前記絶縁本体の前記材料は、少なくとも前記基板の上面の部分の上に直接配置され、前記基板の側面および下面は、前記絶縁本体の前記材料がなく、
前記コンタクト部材は、前記第1のコンタクト要素と前記センサチップとの間の機械的応力を低減するよう設計される、
センサ構成。
【請求項2】
前記絶縁本体の前記材料は、当該センサ構成の電気抵抗および耐湿性を増大させるように構成および配置され
る、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項3】
それぞれのコンタクト要素が、U字形状のバネ部材を含む、請求項1
または2に記載のセンサ構成。
【請求項4】
それぞれのコンタクト要素が、前記絶縁本体の前記材料がない第1のコンタクト領域を含み、該第1のコンタクト領域は、当該センサ構成の前記外側電極として機能する、請求項1~
3のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項5】
前記第1のコンタクト領域は、前記それぞれのU字形状のバネ部材の2つの脚のうちの1つによって形成される、請求項
3を引用するときの請求項
4に記載のセンサ構成。
【請求項6】
それぞれのコンタクト要素が、前記絶縁本体内に完全に配置される第2のコンタクト領域を含み、該第2のコンタクト領域は、前記コンタクト要素と前記基板との間の電気的接触を確立するために、前記基板の金属化されたパッドに接合される、請求項1~
5のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項7】
前記第2のコンタクト領域は、前記それぞれのU字形状のバネ部材の2つの脚のうちの他の1つによって形成される、請求項
3を引用するときの請求項
6に記載のセンサ構成。
【請求項8】
前記コンタクト部材は、前記第1のコンタクト要素の前記第2のコンタクト領域の自由端に配置される追加的なバネを含む、請求項
6に記載のセンサ構成。
【請求項9】
前記コンタクト要素は、銅、黄銅またはリン青銅を含む、請求項1~
8のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項10】
前記基板は、Al
2O
3、ZTA、ケイ酸塩、AINまたはSi
3N
4セラミックを含む、請求項1~
9のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項11】
当該センサ構成は、少なくとも1つのNTCセンサチップおよび/または少なくとも1つの
PTCセンサチップを含む、請求項1~
10のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項12】
前記ボンディング材料は、動作温度が>200℃である高融点はんだ材料を含む、請求項1~
11のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項13】
当該センサ構成は、200℃までの高温で動作するように構成される、請求項1~
12のうちのいずれか1項に記載のセンサ構成。
【請求項14】
前記第1のコンタクト要素および前記コンタクト部材は、一体的に形成される、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項15】
前記コンタクト部材は、弓形の形状を含む、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項16】
前記第1のコンタクト要素および前記第2のコンタクト要素は、少なくとも一定の程度弾性変形可能である、請求項1に記載のセンサ構成。
【請求項17】
中間領域において、前記第2のコンタクト領域は通過して、前記コンタクト部材になり、前記中間領域は、曲げられる、請求項6に記載のセンサ構成。
【請求項18】
温度を測定するセンサ構成を製造する方法であって、
A)セラミックベースの基板を提供し、複数の金属化されたパッドを前記基板の上面に配置するステップと、
B)
前記複数の金属化されたパッドの少なくとも一部にボンディング材料を提供するステップと、
C)複数のセンサチップを提供するステップであって、それぞれのセンサチップは、前記センサチップの上側および下側に配置される電極を含む、ステップと、
D)それぞれのセンサチップが水平位置において前記基板上に配置されるように、それぞれのセンサチップの前記電極のうちの1つを前記基板と電気的に接続するためにリフローはんだ付けするステップと、
E)
それぞれのセンサチップの前記電極のうちの1つおよび前記金属化されたパッドの少なくとも一部に前記ボンディング材料を提供するステップと、
F)複数の第1および第2のコンタクト要素を提供するステップであって、それぞれのコンタクト要素は、第1のコンタクト領域と、第2のコンタクト領域とを含み、それぞれの第1のコンタクト要素は、コンタクト部材を含む、ステップと、
G)前記第2のコンタクト領域を前記金属化されたパッドと電気的に接続し且つ前記コンタクト部材を前記センサチップの前記電極のうちの他の1つと電気的に接続するためにリフローはんだ付けするステップと、
H)
絶縁材料で前記基板の上面をパッケージングするステップと、
I)
前記パッケージングされた前記基板をシンギュレーションするステップと、を含む、
方法。
【請求項19】
前記ステップH)は、絶縁材料が前記センサチップおよび前記第2のコンタクト領域が接続される前記基板の表面の少なくとも部分を覆うように、絶縁材料を提供し、絶縁本体を成形するステップを含む、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記絶縁材料は、前記センサチップ、前記第2のコンタクト領域および前記コンタクト部材を完全に覆い、前記第1のコンタクト領域は、絶縁材料がない、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記基板は、Al
2O
3、ZTA、ケイ酸塩、AINまたはSi
3N
4セラミックを含む、請求項
18~
20のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記センサチップは、複数のNTCセンサチップおよび/または
PTCセンサチップを含む、請求項
18~
21のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記ボンディング材料は、動作温度が>200℃である高融点はんだ材料を含む、請求項
18~
22のうちのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ構成、例えば、温度を測定するセンサ構成(sensor arrangement)に関する。その上、本発明は、センサ構成を製造する方法、例えば、温度を測定するセンサ構成を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
主に垂直位置における感知素子の位置制約の故に、NTC(負温度係数(Negative Temperature Coefficient))センサ設計において、温度表面感度を最適に得ることができない。これは、高電圧耐性および耐湿性要件を満たすために、強力なパッケージング(packaging)が必要とされるという事実によって悪化する。
【0003】
さらに、200℃までの高い動作温度を達成することは、利用可能な材料の選択が非常に限定的であるため、困難である。既知のセンサ設計のいずれも、小型サイズのコスト包括的な設計、および大量生産に適したパッケージング解決策において、全ての既述の難題を解決することができない。
【0004】
特許文献1は、キャリア基板と、NTC素子と、一対の電極と、NTC素子に電気的に接触し且つ絶縁ハウジングの表面に外側電極を形成する金属ブロックとを含む、温度センサを記載している。
【0005】
特許文献2は、絶縁材料と、熱伝導素子と、熱伝導素子の領域内に配置された且つ/或いは熱伝導素子に押し付けられた熱感知センサチップと、少なくとも2つの接続素子とからなるハウジングを有する、温度センサを記載している。少なくとも1つの導電性ピンが設けられる。導電性ピンの端の一方は、センサチップ上で熱伝導要素に対して方向付けられた圧力を印加し、その他方の端は、ハウジングの内側に配置された両方の接続要素のうちの1つの接続要素の端または接触バネの別個の固定部分の端で支持される。
【0006】
特許文献3は、パッドとリードとを有する導電構造を有するキャリアを含む半導体センサを記載しており、導電線が樹脂パッケージから突出している。
【0007】
特許文献4は、セラミックキャリアを有するセンサチップパッケージ、パッドとリードとを有する導電構造、ならびに樹脂パッケージを記載している。
【0008】
特許文書5は、曲げられたリードフレームにはんだ付けされたチップサーミスタの構成を記載している。
【0009】
特許文献6は、少なくとも1つの電極と、金属ブラケットとして成形された少なくとも1つのコンタクト要素とを有する、センサチップを含む、センサ構成を記載している。コンタクト要素は、センサチップの無線接触のために配置され構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の問題を解決することが、本開示の目的である。この目的は、独立項に従ったセンサ構成及び方法によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1の態様によれば、センサ構成が提供される。センサ構成は、温度を測定するために構成されてよい。センサ構成は、温度センサ構成であってよい。センサ構成は、200℃までの高温で動作するように構成されてよい。
【0012】
センサ構成は、基板を含む。基板は、セラミックベースであってよい。換言すれば、基板は、セラミック材料を含んでよい。基板は、電気絶縁性及び耐湿性に優れ、高い熱伝導率を有する、高性能セラミック基板であることがある。基板は、さらに、センサ構成のさらなるコンポーネント(構成要素)を機械的に安定化させ且つ電気的に絶縁するように構成および配置されることがある。
【0013】
セラミック材料は、例えば、Al2O3を含んでよい。Al2O3(アルミナ)セラミックは、一般的に使用され、よく知られた特性、すなわち、高い熱伝導率、高い電気絶縁性、低い熱膨張を有する。しかしながら、酸化物セラミックおよび非酸化物セラミックの両方の代替的な材料も利用可能である。ケイ酸塩セラミックは、あるいはZTA(Zirconia Toughen Alumina)さえも、より高い機械的強度のために、酸化物セラミックの例である。代替的に、AIN(窒化アルミナ)またはSi3N4(窒化シリコン)セラミックのような非酸化物セラミックが使用されてよい。
【0014】
センサ構成は、少なくとも1つのセンサチップをさらに含む。センサチップは、NTCセンサチップであってよい。代替的に、センサチップは、PTC(正温度係数(Positive Temperature Coefficient))センサチップであってよい。センサ構成は、1つよりも多くのセンサチップを含んでよい。例えば、センサ構成は、NTCセンサチップとPTCセンサチップとの組み合わせを含んでよい。
【0015】
センサチップ、特に、センサチップの表面(例えば、下面)上に配置された電極は、水平位置において基板に直接接続される。「水平(horizontal)」とは、最大延伸を有するセンサチップの表面が基板に接続されることを意味する。これはセンサチップの表面感度を高める。センサチップ3は直接接合されるが、センサチップ3は、それにもかかわらず、セラミック基板の優れた電気的絶縁性および耐湿性の特性の故に、完全に絶縁される。
【0016】
センサチップは、ボンディング材料によって基板に接続される。換言すれば、センサチップは、基板、特に、基板の金属化されたパッドに接合される。ボンディング材料は、動作温度が>200℃である高融点はんだ材料であってよい。ボンディング材料は、鉛または無鉛であってよい。適切な材料は、例えば、Pb97.5SnAg1.5、SnAg0.3Cu0.7またはSn90Sb10であることがある。
【0017】
センサ構成は、さらに、第1のコンタクト要素および第2のコンタクト要素を含む。コンタクト要素は、例えば、銅、黄銅またはリン青銅を含む。コンタクト要素は、センサ構成の外側電極として作用するように構成および配置される。これは、コンタクト要素がセンサ構成の外側からセンサ構成の電気接続を可能にすることを意味する。
【0018】
コンタクト要素は、基板に、特に、基板の金属化されたパッドに電気的および機械的に接続される。コンタクト要素は、前述のボンディング材料によって基板に接続される。
【0019】
第1のコンタクト要素は、コンタクト部材をさらに含む。第1のコンタクト要素及びコンタクト部材は、一体的に形成されてよい。コンタクト部材は、ボンディング材料によってセンサチップに電気的に接触するように構成される。換言すれば、コンタクト部材は、前述のボンディング材料によって、センサチップに、特に、センサチップの表面(例えば、上面)上に配置された電極に接合される。
【0020】
センサ構成は、絶縁本体をさらに含む。絶縁本体は、センサ構成を電気的に絶縁し、センサ構成を環境の影響から保護する、ように設計される。絶縁本体は、センサチップを完全に囲む。絶縁本体は、コンタクト要素の少なくとも部分を囲む。例えば、絶縁本体は、コンタクト部材を完全に覆う。しかしながら、基板は、大部分が絶縁本体の材料を含まない。
【0021】
その特定の設計および組成の故に、センサ構成は、優れた表面感度のために高性能熱結合を提供する。換言すれば、センサ構成は、高速応答センサである。その上、センサ構成は、高い電圧耐力を備え、200℃までの温度で動作することができる。加えて、センサ構成は、コンパクトで小型サイズであり、大量生産に適している。全体として、使用中に非常に柔軟性がある、非常にロバスト(堅牢)で、高速で、費用効果的なセンサ構成が提供される。
【0022】
一実施形態によれば、絶縁本体の材料は、センサ構成の電気抵抗および耐湿性を増加させるように構成される。絶縁本体の絶縁材料は、200℃に近い温度のガラス転移を伴う熱硬化性エポキシ材料を含む。
【0023】
セラミック基板と絶縁材料との間の組み合わせは、高い電圧耐性、耐湿性、高い動作温度(200℃まで)の要求を満足する。さらに、それはコンパクトで小さなセンサ構成のための特定の設計を提供する。材料の特定の選択および周知の生産プロセスにより、センサ構成は、追加的に、非常に費用効果的である。材料は、ROHS、無鉛および無ハロゲン要求に従うグリーン製品(green product)を満たすように選択される。
【0024】
絶縁本体の材料は、基板の上面に直接配置される。特に、絶縁本体の材料は、センサチップおよびコンタクト要素が接続される基板の表面、すなわち、基板の上面の少なくとも部分を覆う。
【0025】
センサチップと基板との間の接続部、ならびにコンタクト要素と基板との間の接続部は、絶縁本体の材料によってパッケージ化される。基板の側面および下面は、絶縁本体の材料がない。基板のこの自由領域は、センサ構成の感知部として機能する。その上、基板の上面の円周方向エッジ領域も、絶縁本体の材料がないことがある。
【0026】
一実施形態によれば、それぞれのコンタクト要素は、U字形状である。具体的には、コンタクト要素は、U字形状のブラケットまたはバネ部材を含む。換言すれば、それぞれのコンタクト要素は、バー(棒)またはブリッジ(橋)によって接続される2つの脚(レッグ)を含むことがある。脚およびバーは、一体に形成される。これは、第1の脚がバーに合体し、バーがそれぞれのコンタクト要素の第2の脚に合体することを意味する。換言すれば、脚およびバーは、一体成形品に作られることがある。
【0027】
コンタクト要素の特定の形状は、接合プロセスの間に、良好なはんだ付け能力、より少ない質量密度、およびより少ない機械的応力をセンサチップに提供する。
【0028】
一実施形態によれば、それぞれのコンタクト要素は、第1のコンタクト領域を含む。第1のコンタクト領域は、それぞれのU字形状のバネ部材の2つの脚のうちの1つによって形成/提供されてよい。第1のコンタクト領域は、絶縁本体の絶縁材料がない。換言すれば、第1のコンタクト領域は、絶縁本体の絶縁材料から突出する。第1のコンタクト領域は、センサ構成の外側電極として機能する。このようにして、センサ構成の効果的なさらなる処理が可能とされる。
【0029】
一実施形態によれば、それぞれのコンタクト要素は、第2のコンタクト領域を含む。第2のコンタクト領域は、それぞれのU字形状のバネ部材の2つの脚部のうちの他の1つの脚によって形成される。第2のコンタクト領域は、絶縁本体の絶縁材料で完全に囲まれる。換言すれば、それはセンサ構成の絶縁本体内に配置される。
【0030】
第2のコンタクト領域は、コンタクト要素と基板との間の電気的接触を確立するために、基板の金属化されたパッドに結合される。このようにして、基板とコンタクト要素との間の効果的な電気的接続が可能にされる。その上、コンタクト要素の特定の形状は、例えば、金属ブロックと比較して、より少ない熱を蓄える。高速消散の故に、これはより正確な測定結果をもたらす。
【0031】
一実施形態によれば、コンタクト部材は、第1のコンタクト要素とセンサチップとの間の機械的応力を低減するように設計される。コンタクト部材は、平坦な形状または弓形の形状を含むことがある。コンタクト部材は、第1のコンタクト要素の第2のコンタクト領域の自由端に配置される追加のバネを含むことがある。コンタクト部材は、本体の絶縁材料内に配置される。コンタクト部材の特定の形状は、センサチップが、ワイヤボンドのない感知要素として使用されることを許容して、よりロバストな接続および非常に経済的な解決策を可能にする。
【0032】
さらなる態様によれば、センサ構成を製造する方法が記載される。センサ構成は、前述のセンサ構成であってよい。センサ構成に関連して記載される全ての構成は、方法に当て嵌まり、その逆もまた同様である。
【0033】
方法は、以下のステップを含む。
【0034】
A)セラミックベースの基板を提供し、複数の金属化されたパッドを基板の上面に、特に、基板の上面に配置するステップ。基板は、電気絶縁性及び耐湿性に優れ、高い熱伝導率を有する、高性能セラミック基板であってよい。基板は、Al2O3、ZTA、ケイ酸塩、AlNまたはSi3N4セラミックを含んでよい。
【0035】
B)ボンディング材料を提供するステップ。ボンディング材料は、はんだペーストを含むことがある。ボンディング材料は、動作温度が>200℃である高融点はんだ材料であってよい。ボンディング材料は、鉛または無鉛であってよい。高溶融はんだであるが、鉛が添加された材料の例は、Pb97.5SnAg1.5であることがある。代替的に、SnAg0.3Cu0.7またはSn90Sb10が、200℃を超える用途について無鉛および高温はんだ材料のためのオプションであることがある。
【0036】
ボンディング材料は、点状に塗布されることがある。特に、ボンディング材料の1つのそれぞれの点が、金属化されたパッドの一部に塗布されることがある。ボンディング材料は、金属化されたパッド上に計量分配されてよく、あるいはスクリーン印刷されてよい。
【0037】
C)複数のセンサチップを提供するステップ。それぞれのセンサチップは、センサチップの上側および下側に配置される電極(上方電極および下方電極)を含むことがある。センサチップは、NTCおよび/またはPTCセンサチップを含むことがある。
【0038】
センサチップは、基板上に、特に、基板の金属化されたパッド上に塗布されたボンディング材料上に配置されてよい。特に、それぞれのセンサチップの先端が、点状ボンディング材料上に配置される。センサチップは、それぞれのセンサチップが水平位置において基板上に配置されるように配置される。
【0039】
D)それぞれのセンサチップが水平位置において基板上に配置されるように、それぞれのセンサチップの電極のうちの1つ(すなわち、下方電極)を基板と電気的に接続するためにリフローはんだ付けする(reflow soldering)ステップ。
【0040】
E)ボンディング材料を再び提供するステップ。ボンディング材料は、ステップB)において塗布されたボンディング材料と同じボンディング材料であってよい。
【0041】
ボンディング材料は、点状に塗布(適用)されてよい。具体的には、ボンディング材料の1つのそれぞれの点が、それぞれのセンサチップの上方電極に塗布されてよい。ボンディング材料のさらなる点が、金属化されたパッドの少なくとも部分に塗布(適用)されてよい。特に、ボンディング材料の2つの点が、1つの最終的なセンサ構成を達成するために、金属化されたパッドのうちの2つに塗布(適用)されてよい。ボンディング材料は、金属化されたパッドおよびセンサチップ上に計量分配されてよく、あるいはスクリーン印刷されてよい。
【0042】
F)複数の第1および第2のコンタクト要素を提供するステップ。それぞれのコンタクト要素は、第1のコンタクト領域と、第2のコンタクト領域とを含む。第1のコンタクト領域は、センサ構成の外側電極として作用するのに適している。第2のコンタクト領域は、基板をそれぞれのコンタクト要素に電気的に接続するのに適している。それぞれの第1のコンタクト要素は、コンタクト部材を含む。コンタクト部材は、センサチップと第1のコンタクト要素との間に電気的接続を確立するように構成および配置される。
【0043】
コンタクト要素は、1つのそれぞれの第2のコンタクト領域が金属化されたパッド上に配置されたボンディング材料の1つのそれぞれの点の上に配置されるように、基板上に配置される。その上、コンタクト要素は、それぞれのコンタクト部材がセンサチップの上方電極上に配置された点状ボンディング材料上に配置されるように、配置される。
【0044】
第2のコンタクト領域を金属化されたパッドと電気的に接続し且つコンタクト部材をセンサチップの電極のうちの他の1つ(即ち、上方電極)と電気的に接続するためにリフローはんだ付けするステップ。
【0045】
H)パッケージングするステップ。このステップは、絶縁材料を提供し、絶縁材料から絶縁本体を成形することを含む。絶縁材料は、センサチップおよび第2のコンタクト領域が接続される基板の表面の部分、すなわち、基板の上面のみを覆うように成形される。
【0046】
絶縁材料は、コンタクト要素と基板との間の接続部およびセンサチップと基板との間の接続部を完全にパッケージ化するように配置される。絶縁材料は、センサチップ、第2のコンタクト領域およびコンタクト部材を完全に覆うようにさらに配置される。第1のコンタクト領域ならびに基板の側面および下面は、絶縁材料がないままである。その上、基板の上面の部分(例えば、円周方向エッジ領域)も、絶縁材料がないままであってよい。
【0047】
絶縁材料は、200℃に近い温度のガラス転移を伴う熱硬化性エポキシ材料を含む。
【0048】
I)シンギュレーションするステップ。このステップは、基板を個々のコンポーネントに切断して、複数のセンサ構成を提供することを含む。
【0049】
既述の方法によって、高速で費用効果的なプロセスが、高表面感度、小型サイズ、高電圧耐性、耐湿性、および200℃までの高動作温度を有する複数のセンサ構成を製造するために提供される。2つのロバスト(堅牢)な電極(コンタクト要素)を備えるセンサ構成は、容易なさらなる処理を可能にし、最適なシステム統合をもたらす。
【0050】
さらなる構成、改良点、および便宜性は、図面に関連する例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】第1の実施形態によるセンサ構成の側断面図を図式的に示している。
【
図2】第2の実施形態によるセンサ構成の側断面図を図式的に示している。
【
図3】さらなる実施形態によるセンサ構成の側断面図を図式的に示している。
【
図4】マルチセンサ構成パッケージの頂面図を図式的に示している。
【
図5】さらなる実施形態によるマルチセンサ構成パッケージの頂面図を図式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図において、同じ構造及び/又は機能性の要素は、同じ参照番号によって参照されることがある。図に示す実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。
【0053】
図1は、第1の実施形態による温度測定のためのセンサ構成1を示している。センサ構成1は、高表面感度、高電圧耐性、および200℃までの動作温度を提供するように構成される。センサ構成は、小型でコンパクトな設計である。
【0054】
センサ構成1は、セラミックベースの基板2を含む。基板2のセラミック材料は、例えば、Al2O3、ZTA、ケイ酸塩、AlNまたはSi3N4を含む。基板2は、電気絶縁性であり、高耐湿性を備えている。
【0055】
基板2は、上面2aと、下面2cと、側面2bとを含む。基板2は、基板2の電気的接続を可能にするメタライゼーションパッド4(metallization pads)を含む。メタライゼーションパッド4は、基板2の上面2aに直接配置されている。
【0056】
センサ構成1は、センサチップ3をさらに含む。この実施形態において、センサチップ3は、NTC温度センサチップである。しかしながら、代替的な実施形態において、センサ構成1は、PTCセンサ、またはNTCセンサとPTCセンサとの組み合わせを含んでもよい。
【0057】
センサチップ3は、センサチップ3の上面に配置された電極3a(上方電極)と、センサチップ3の下面に配置された電極3a(下方電極)とを含む。
【0058】
センサチップ3、特に、下方電極3aは、良好な表面感度を達成するために、水平位置において基板2のメタライゼーションパッド4に直接接合される。この文脈において、「水平位置」という用語は、基板2に接合されるセンサチップ3の下面が、基板2の上面2aに対して垂直に延在するセンサチップ3の側面よりも大きな伸延(extension)を有することを意味する。
【0059】
センサチップ3は、ボンディング材料5によって基板2に接合される。ボンディング材料5は、動作温度が>200℃の高融点はんだ材料である。例えば、ボンディング材料5は、高融点はんだであるが、Pb97.5SnAg1.5のような鉛化された材料を含む。代替的に、ボンディング材料5は、例えば、無鉛のSnAg0.3Cu0.7またはSn90Sb10を含む。
【0060】
センサ構成1は、さらに、第1のコンタクト要素8aと、第2のコンタクト要素8bとを含む。コンタクト要素8a、8b(接触要素)は、U字形状である。特に、それらは、バー(bar)又は中間片(middle piece)9によって接続された2つの脚(レッグ)を含む。脚およびバー9は、一体的に形成される、すなわち、それらは一体成形品から作られる。
【0061】
コンタクト要素8a、8bは、少なくともある程度弾性変形可能である。これは、センサ構成1のコンポーネント(構成要素)が互いに接続されるときに生じる機械的応力を低減するのに役立つ。コンタクト要素8a、8bは、U字形状のバネ部材である。それらは、金属を含む。コンタクト要素8a、8bのための適切な材料は、銅、黄銅、またはリン青銅であることがある。
【0062】
コンタクト要素8a、8bは、それぞれ、第1のコンタクト領域12および第2のコンタクト領域13を含む。この実施形態において、第1のコンタクト領域12および第2のコンタクト領域13は、反対に配置されている。第1のコンタクト領域12は、センサ構成1の上方領域に位置する。第2のコンタクト領域13は、センサ構成1の下方領域に配置される。第1のコンタクト領域12は、それぞれのU字形状バネ部材の2つの脚のうちの一方の脚(特に、上方脚)によって提供される。第2のコンタクト領域13は、それぞれのU字形状バネ部材の2つの脚のうちの他方の脚(特に、下方脚)によって提供される。
【0063】
第1のコンタクト領域12は、センサ構成1の絶縁本体7から突出する。絶縁本体7の詳細は、後述される。しかしながら、
図1からわかるように、コンタクト領域12は、絶縁本体7/センサ構成1の上面から突出しない。むしろ、絶縁本体7/センサ構成1の上面は、平坦である。コンタクト領域12は、上面に一体化され、絶縁本体7/センサ構成1の上面の一部を形成する。
【0064】
既述のように、本実施形態において、第1のコンタクト領域12は、センサ構成1の上面に形成される。換言すれば、第1のコンタクト領域12は、さらなる処理を可能にするために、センサ構成1の上側からアクセス可能である。第1のコンタクト領域12は、センサ構成1の外側電極6として作用する。それぞれのコンタクト要素8a、8bの上方脚の自由端14が、第1の接触面12に対して曲げられる。特に、自由端14は、基板2に向かって曲げられる。これは、機械的応力をさらに減少させるのに役立つことがある。
【0065】
第2のコンタクト領域13は、前述のボンディング材料5によって金属化されたパッド4(metallized pads)に接続される。
【0066】
第1のコンタクト要素8aは、前述のボンディング材料5によってセンサチップ3の上方電極3aに接合されるコンタクト部材11をさらに含む。
【0067】
コンタクト部材11は、第1のコンタクト要素8aの一部である。特に、それは第1のコンタクト要素8aと一体的に形成される。コンタクト部材11は、第1のコンタクト要素8aの第2のコンタクト領域13の自由端によって形成される。中間領域15において、第2のコンタクト領域13は通過して、コンタクト部材11になる。中間領域15は、曲げられる。
【0068】
コンタクト部材11は、第1のコンタクト部材8aとセンサチップ3との間の機械的応力を低減するように設計される。コンタクト部材11は、第2のコンタクト領域13の自由端に配置された追加のバネを含む。この実施形態において、コンタクト部材11は、平坦な形状を備える。コンタクト部材11は、センサチップ3の上方電極3a上に完全に載置されている。
【0069】
センサ構成1は、上述の絶縁本体7をさらに含む。絶縁本体7は、センサ構成1の電気抵抗および耐湿性を増加させる。それは、200℃に近い温度のガラス転移を伴う熱硬化性エポキシ材料を含む。
【0070】
絶縁本体7の材料(絶縁材料)は、センサチップ3、コンタクト部材11および第2のコンタクト領域13を完全に覆う。第1のコンタクト領域12の自由端14も、絶縁本体7内に完全に配置される。
【0071】
しかしながら、第1のコンタクト領域12、特に、第1のコンタクト領域12の上面は、絶縁本体7の絶縁材料がない。換言すれば、それらは、絶縁本体7から突出し、よって、センサ構成1の外側電極6として作用する。
【0072】
その上、絶縁本体7は、基板2の一部のみを覆う。絶縁本体7の材料は、少なくとも部分的に基板2の上面2aに配置される。特に、絶縁材料は、センサチップ3とコンタクト要素8a、8bとが接続される基板2の表面の部分を覆う。従って、コンタクト要素8a、8bと基板2との間の接続部、およびセンサチップ3と基板2との間の接続部は、絶縁本体7の材料によって完全にパッケージ化される。
【0073】
しかしながら、
図1からわかるように、絶縁本体7の材料は、基板2の上面2a上に突出しない。基板2の側面2b及び下面2cは、絶縁本体7の材料がない。絶縁材料のないこの部分は、センサ構成1の感知部として機能する。
【0074】
センサ構成1の上述の設計および材料は、センサ構成1の高い表面感度、高い電圧耐性、高い耐湿性、および高い動作温度(200℃まで)をもたらす。
【0075】
図2は、第2の実施形態による温度測定のためのセンサ構成1を示している。センサ構成1は、上述のセンサ構成1と同じコンポーネント、すなわち、基板2と、センサチップ3と、第1および第2のコンタクト領域12、13を有するコンタクト要素8a、8bと、絶縁本体7とを含む。これらのコンポーネントについては、
図1の説明を参照のこと。
【0076】
図1に関連して説明したセンサ構成とは対照的に、第1のコンタクト要素8aのコンタクト部材11は、平坦でなく、弓形の形状を有する。よって、コンタクト部材11は、センサチップ3の上方電極3a上に完全に、すなわち、その伸延全体に亘って位置しない。むしろ、それは、小さな領域、すなわち、中央領域16においてのみ、上方電極3に接合される。コンタクト部材11の中央領域16を囲む側方領域17が、センサ構成1の上面に向かって上向きに曲げられる。
【0077】
この設計は、センサチップ3と第1のコンタクト要素8aとの間の機械的応力をさらに低減するのに役立つ。その上、センサチップ3の厚さのばらつきは、コンタクト部材11の弓形の形状とするのにより良い方法で補償されることがある。
【0078】
図3は、第3の実施形態による温度測定のためのセンサ構成1を示している。センサ構成1は、上述のセンサ構成1と同じコンポーネント、すなわち、基板2と、センサチップ3と、第1および第2のコンタクト領域12、13を有するコンタクト要素8a、8bと、絶縁本体7と、コンタクト部材11とを含む。これらのコンポーネントについては、
図1の説明を参照のこと。
【0079】
上述の実施形態とは対照的に、第1のコンタクト領域12は、絶縁本体7/センサ構成1の上面に形成されない。この実施形態において、第1のコンタクト領域12は、絶縁本体7/センサ構成1の側面に形成される。従って、外側電極6として作用する第1の接触面12は、さらなる処理を可能にするために、センサ構成1の側面からアクセス可能である。
【0080】
その上、この実施形態において、それぞれのコンタクト要素8a、8bの上方脚の自由端14は、第1の接触面12に対して曲げられない。むしろ、自由端は、絶縁本体7の側面に沿って延在し、絶縁本体7の外側からアクセス可能である。
【0081】
図1に関連して既に説明したように、コンタクト領域12は、側面から突出せず、側面に一体化され、側面の一部を形成する。
【0082】
図4および
図5は、マルチチップパッケージ10の上面図を図式的に示している。マルチチップパッケージ10は、複数のセンサチップ3、例えば、2つのセンサチップ3(
図4を参照)または3つのセンサチップ3(
図5を参照)を含む。もちろん、マルチチップパッケージ10は、3つよりも多くのセンサチップ3、例えば5つまたは10のセンサチップ3を含むことができる。
【0083】
マルチチップパッケージ10は、上述のように、コンタクト要素8a、8bの第1のコンタクト領域12によって形成される外側電極6によって電気的に接続されることができる。コンタクト要素8a、8bおよびセンサチップ3は、基板2(図示せず、
図1~
図3を参照)に接合され、絶縁本体7に埋め込まれる。
【0084】
以下では、センサ構成1および/またはマルチチップパッケージ10を製造する方法が説明される。特に、この方法によって、前述のセンサ構成1/マルチチップパッケージ10が製造される。
【0085】
本方法は、以下のステップを含む。
【0086】
A)第1のステップでは、セラミックベースの基板2が提供される。基板2は、電気絶縁および耐湿性に優れる高性能セラミック基板であり、高熱伝導性を有する。基板2は、Al2O3、ZTA、ケイ酸塩、AlNまたはSi3N4セラミックを含む。然る後、複数の金属化されたパッド4が、基板2上に配置される。金属化されたパッド4は、基板2の上面2aに配置される。
【0087】
B)第2のステップでは、ボンディング材料5が提供される。ボンディング材料5は、動作温度が>200℃の高融点はんだ材料である。ボンディング材料5は、例えば、Pb97.5SnAg1.5、SnAg0.3Cu0.7またはSn90Sb10を含むことがある。
【0088】
ボンディング材料5の1つのそれぞれの点(ポイント)が、金属化されたパッド4の部分的な量に塗布(適用)される。特に、ボンディング材料5の1つの特定の点が、センサチップ3のうちの1つのセンサチップの電気的接続を可能にするために、1つの金属化されたパッド4に塗布される。ボンディング材料5は、金属化されたパッド4の部分的な量の上に計量分配されるか、あるいはスクリーン印刷される。
【0089】
C)さらなるステップでは、複数のセンサチップ3が設けられる。センサチップ3は、NTCまたはPTCチップまたはそれらの組み合わせであってよい。NTCチップとPTCチップとの組み合わせは、温度計測に安全性機能要件が装備されている用途に使用される。それぞれのセンサチップ3は、センサチップ3の上側および下側に配置される電極3aを含む。
【0090】
センサチップ3は、基板2上に配置され、特に、点状ボンディング材料5上に配置される。センサチップ3は、それぞれのセンサチップ3が水平位置において基板2上に配置されるように配置される。
【0091】
D)次のステップでは、リフローはんだ付けが行われる。このようにして、それぞれのセンサチップ3の下方電極3aは、基板2に電気的に接続される。下方電極3aは、それぞれのセンサチップ3が水平位置において基板2上に配置されるように、ボンディング材料5によって金属化されたパッド4に接続される。このようにして、センサ構成1/マルチチップパッケージ10の表面感度は増加する。
【0092】
E)次のステップでは、ボンディング材料5が、再度、例えば、スクリーン印刷されるか、あるいは計量分配される。ボンディング材料5は、それぞれのセンサチップ3の上方電極3aに点状に塗布される。
【0093】
ボンディング材料5のさらなる点が、金属化されたパッド4の残量の金属化されたパッド4に塗布される。特に、ボンディング材料5の2つの点が、1つの最終的なセンサ構成1を達成するために、金属化されたパッド4のうちの2つに塗布される。従って、この方法のステップでは、1つの最終的なセンサ構成1を得るために、ボンディング材料5の全部で3つの点が塗布される。
【0094】
F)さらなるステップでは、複数の第1および第2のコンタクト要素8a、8bが提供される。それによって、1つのセンサチップ3について、1対のコンタクト要素8a、8bが提供される。それぞれのコンタクト要素8a、8bは、第1のコンタクト領域12と、第2のコンタクト領域13とを含む。
【0095】
第1のコンタクト領域12は、センサ構成1/マルチチップパッケージ10の外側電極6として作用し、よって、センサ構成1/マルチチップパッケージ10の外側からアクセス可能である。
【0096】
第2のコンタクト領域13は、基板2をそれぞれのコンタクト要素8a、8bに電気的に接続するために使用される。それぞれの第1のコンタクト要素8aは、センサチップ3および第1のコンタクト要素8aを電気的に接続するために使用されるコンタクト部材11を含む。
【0097】
1つのそれぞれのコンタクト要素8a、8bは、金属化されたパッド4上に配置されたボンディング材料5の1つの点の上に配置される。その上、コンタクト要素8a、8bは、それぞれのコンタクト部材11がセンサチップ3の上方電極3a上に配置された点状ボンディング材料5上に配置されるように配置される。換言すれば、ボンディング材料5の3つ点は、1対のコンタクト要素8a、8bを基板2に電気的に接続し、さらに第1のコンタクト要素8a(特に、コンタクト部材11)をセンサチップ3に電気的に接続するために、必要とされる。
【0098】
G)次のステップでは、コンタクト要素8a、8b、特に、第2のコンタクト領域13を金属化されたパッド4と電気的に接続し、コンタクト部材11をそれぞれのセンサチップ3の上方電極3aと電気的に接続するために、リフローはんだ付けが行われる。
【0099】
H)次のステップでは、パッケージングが行われる。これによって、絶縁材料が設けられ、絶縁本体7が絶縁材料から成形される。絶縁材料は、200℃に近い温度のガラス転移を伴う熱硬化性エポキシ材料を含む。
【0100】
絶縁本体7は、絶縁材料が基板2の上面2aの少なくとも部分を覆うように形成される。例えば、上面2の円周方向エッジ領域は、絶縁材料がないままであってよい。しかしながら、絶縁材料は、コンタクト要素8a、8bと基板2との間の接続部、およびセンサチップ3と基板2との間の接続部を完全に覆う。
【0101】
絶縁材料は、さらに、センサチップ3、第2のコンタクト領域13、およびコンタクト部材11を完全に覆う。第1のコンタクト領域12は、絶縁材料がないままである。その上、基板2の側面2aおよび下面2cも、絶縁材料がないままである。
【0102】
I)最後のステップでは、シンギュレーション(単一化)(singulation)が行われる。それによって、基板2は、個々のコンポーネントに切断されて、複数のセンサ構成1を提供する。切断パターンは、マルチチップパッケージ10を得るために異なることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【文献】米国特許出願公開第2018/122537A号明細書
【文献】国際公開第96/04536A1号
【文献】米国特許出願公開第2008/308886A号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/352603A号明細書
【文献】韓国公開特許第2005/0112719A号公報
【文献】米国特許出願公開第2018/0306646AA号明細書
【符号の説明】
【0104】
1 センサ構成
2 基板
2a 上面
2b 側面
2c 下面
3 センサチップ
3a センサチップの電極
4 金属化されたパッド
5 ボンディング材料
6 外側電極
7 絶縁/本体
8a 第1のコンタクト要素
8b 第2のコンタクト要素
9 バー
10 マルチチップパッケージ
11 コンタクト部材
12 第1のコンタクト領域
13 第2のコンタクト領域
14 自由端
15 中央領域
16 側方領域