(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】容器を取り扱うシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20241223BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/137 G
(21)【出願番号】P 2023540093
(86)(22)【出願日】2021-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2021087662
(87)【国際公開番号】W WO2022144330
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-07-28
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】カネロス、イオアニス
(72)【発明者】
【氏名】ファイネコス、オレスティス
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0330269(US,A1)
【文献】米国特許第10029851(US,B1)
【文献】国際公開第2017/197285(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/083199(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0329978(US,A1)
【文献】独国実用新案第202018101774(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を取り扱うためのシステム(100)であって、
容器(111)を保管するための少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)と、
前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)から容器(111)をピックアップ又は解放するための把持機構を備えるミニロードシステム(101)と、
少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)と
を備え、前記ミニロードシステム(101)、前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)、及び前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、別個のユニットであり、互いに独立して動作する、システム(100)において、前記ミニロードシステム(101)は、台座(101a)を備え、前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)は、前記台座(101a)上に取り付けられ、前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、作業場内で前記ミニロードシステム(101)及び前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)を共に移動させるように構成されることを特徴とする、システム(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(107)は、作業場中に自由に据え付けられ、前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、前記移動在庫キャリア(107)を持ち上げる及び/又は回転させるように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、作業場内で前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)を運搬するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)は、1つ以上の車輪(112)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記ミニロードシステム(101)は、フレーム(101b)、一対の架台ジョイント(101c,101d)、及び容器ハンドラ(101e)を備える架台システムを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記フレーム(101b)は、台座(101a)に固定して取り付けられる、請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)は、台座(104c)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記台座(104c)は、レールと、そのレールに結合された1つ以上の車輪とを備える、請求項7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記自律移動ロボットユニット(102)は、ワイヤレスであり、一体型再充電可能バッテリを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)の前記一体型再充電可能バッテリは、前記ミニロードシステム(101)に電力を提供する、請求項9に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記ミニロードシステム(101)の前記把持機構は、少なくとも1つのカメラ及び少なくとも1つの照明手段を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記把持機構は、前記移動在庫キャリア(107)の角度偏差及び/又は線形偏差を識別し、それによって、前記一対の前記架台ジョイント(101c,101d)及び前記容器ハンドラ(101e)の動きを案内するように構成される、
請求項5を引用する請求項11に記載のシステム(100)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのカメラ及び前記少なくとも1つの照明手段は、ストリーム映像を生成するように構成され、前記ストリーム映像は、ソフトウェア手段によって処理され、目標容器を取り出すように前記把持機構に指示する、請求項11又は12に記載のシステム(100)。
【請求項14】
フルフィルメントステーションに在庫品物を供給するための方法であって、
a)フルフィルメントセンターの在庫エリアから交換地点まで第1の自律移動ロボットユニット(102)によって1つ以上の充填されたドナー容器を有する第1の移動在庫キャリアを運搬するステップと、
b)第2の移動在庫キャリア(104,107)にミニロードシステムによって前記第1の移動在庫キャリア(104,107)の1つ以上の前記ドナー容器(111)を積み込むステップと、ここで、前記第2の移動在庫キャリア(104,107)は、積み込み前には空であり、
c)前記第2の移動在庫キャリア(104,107)が容器を完全に積み込まれるまでステップa及びbを繰り返すステップと、
d)フルフィルメントセンターのピッキングステーションに自律移動ロボットユニット(102)によって、完全に積み込まれた前記第2の移動在庫キャリア(104,107)を運搬するステップと、
e)前記ピッキングステーションにおいてミニロードシステム(101)の台座上に前記第2の移動在庫キャリア(104,107)を移送するステップと、
f)前記第2の移動在庫キャリア(104,107)から第1のドナー容器を選択し、オペレータに前記第1のドナー容器を配送するステップと、
g)前記第1のドナー容器から少なくとも1つの品物を前記オペレータによって選択し、注文容器中に前記品物を配置するステップと
を備え、ステップf及びgは、前記オペレータが全ての前記ドナー容器から前記品物を選択し、前記注文容器中にそれらを配置するまで繰り返される、方法。
【請求項15】
-自律移動ロボットユニット(102)がフルフィルメントセンターの前記ピッキングステーションに到着するステップと、
-前記第2の移動在庫キャリア(104,107)がミニロードシステムの台座上に配置され、前記自律移動ロボットユニット(102)によって持ち上げられるステップと、 -前記自律移動ロボットユニット(102)が前記フルフィルメントセンターの前記在庫エリアに前記第2の移動在庫キャリア(104,107)を戻し、ミニロードシステム(101)の台座上にそれを配置するステップと
を更に備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記自律移動ロボットユニット(102)は、好ましくは、プロセスに関与していないとき、又はバッテリが低レベルにあるとき、再充電されるために自動的に充電ステーションに行く、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
フルフィルメントセンター内で請求項1~11のいずれか一項に記載の容器を取り扱うためのシステム(100)の使用。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年12月31日に出願された欧州特許出願第20217951.1号の優先権を主張し、その内容は、この参照によってその全体が本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、容器を取り扱うためのシステム、在庫を供給する方法、及びそのシステムの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
過去20年の間に、インターネットの指数関数的な急増及びスマートフォンの使用によって促進された電子商取引の驚異的な増加は、製品が小売業者から最終顧客に移送される方法に大きな変化を与えた。
【0004】
何十年もの間、これは従来の方法で行われており、商品のパレットが生産現場又は卸売業者から小売業者の倉庫に移送されていた。そこから、商品は、通常、混合パレット(即ち、箱から構築されたパレットであって、各箱が固有の在庫管理単位(SKU)を包含する)の形態で、店舗に転送された。店舗において、パレットは解体され、箱は店舗の倉庫に片付けられた。最後に、製品が店舗の棚の上に置かれ、そこから顧客が製品をピックアップした。
【0005】
電子商取引の突然の出現は、この数十年来の製品流通モデルを混乱させており、注文された品物を顧客に最終的に配送するために品物のピッキング及び梱包を達成しなければならないのは今や小売業者である。
【0006】
品物ピッキングの労力はパレット又は箱ピッキングの労力よりも遙かに高いので、流通モデルにおけるこれらの劇的な変化は、ピッキング及び梱包コストの大幅な増加をもたらした。また、倉庫内での箱及び容器の取り扱いは、より頻繁且つ複雑である。顧客は、オンラインで商品を購入するときにより高い価格を支払うことに非常に気が進まないので、これらのコストは、通常、小売業者に負担を掛ける。
【0007】
この問題は、小売市場の最大部分(小売市場全体の40%~50%)である食料品電子商取引では、以下の理由で更により大きくなる:
-オンライン注文当たりの品物の平均数は、小売部門の残りよりも遙かに多い(平均オンライン注文当たり約50個の品物)。
-腐敗しやすい品物のために複数の温度ゾーンを維持する追加の必要性がある。
-最後に、食料品産業は、僅かなマージン(通常<2%)で運営されており、それは、この産業が、インフラストラクチャへの必要とされる投資のコストを負担して、ピッキング、梱包、及び出荷コストを低減し、オンライン食料品がポジティブな最終損益を享受することを可能にすることを非常に困難にする。
【0008】
全ての上記の困難は、容器ハンドリングシステムも装備された自律ロボット車両に基づく革新的なマテリアルハンドリングシステムの登場を後押しした。これらの複合機械は、倉庫の通路内を自由に移動し、棚から製品を有する容器を取り出し、それらの内蔵保管ラック上に容器を一時的に保管し、更なるプロセスのために倉庫内の指定された地点に容器を移送することが可能であり(WO2017/121747、WO2018/234155)、その一方で、例えばUS201514719196に記載されているような他のシステムは、同様のシステムを提案しているが、一度に1つの容器を運ぶことが可能である。
【0009】
これらの従来のシステムの基本的な欠点は、それらが提案するロボット機械が、棚の前の通路から直接アクセス可能な容器と相互作用(取り出し又は保管)することができることである。これは、倉庫の広い面積が通路として使用されなければならず、このことから、容器を棚に置く/保管するために使用することができる面積を低減するという欠点を有する。
【0010】
これらの従来のシステムの別の欠点は、自律移動ロボット(AMR)ユニット及び容器ハンドリングシステムが同じプラットフォーム上に確実に接合され、それらの部品のうちの1つがプロセスに関与する限り、他方の部品は非アクティブのままであり、それが各部品の利用時間を制限するという事実である。例えば、自律移動ロボットのバッテリがバッテリ再充電ステーションに接続されたままである必要があるとき、同時に、容器ハンドリングシステムは非アクティブのままである。他の例では、システムがフルフィルメントステーションに駐車し、オペレータに在庫ドナー容器(donor containers)を供給する必要があるとき、このタスクが実行される限り、機械の自律移動ロボットは、ステーションに留まり、実行することができない。更に、いずれかの部品が故障すると、他方の部品も故障し、それは、単一障害点システムを構成する。
【0011】
例えばEP0235488及びEP0458722に記載されているような他のシステムは、その部品の全て、即ち自律移動ロボット、容器ハンドリングシステム、及び保管ラックが同じプラットフォーム上に確実に接合されているという意味で、更により柔軟性のないロボット機械を教示している。
【0012】
US2017330269A1は、配送ステーションにおける顧客によるピックアップのために補充ステーションにおいてオンライン注文を受け取るように構成されたポッド中の移動ロボットユニット(MRU)を使用して在庫キャリアを管理するための方法を開示している。そのような方法は、移動ロボットユニットによって、第1の在庫キャリアを識別する命令を受信することと、識別された在庫キャリアのロケーションに移動ロボットユニットを移動させることと、移動ロボットユニットを使用して、配送車両によるピックアップのために補充ステーションに識別された在庫キャリアを運搬することとを含む。
【0013】
US10029851B1は、複数の在庫ホルダと、在庫ホルダを移動させるための駆動ユニットとを有する在庫システムを記載している。この文書は、容器及び/又は他の特徴を使用して、人間オペレータによって容器から抽出されるように在庫品物をルーティングすること、又はロボットマニピュレータによって容器から抽出されるように在庫品物をルーティングすることの間など、自動オプションと手動オプションとの間の在庫品物処理の分割を容易にする在庫システムの動作を開示している。
【0014】
WO2017197285A1は、完全に無人のシステムを介して顧客にオンライン注文を配送するための方法を開示している。そのような方法は、補充ハッチを介して容器を運ぶ在庫キャリアを使用することによってポッドを補充することと、適切な温度の室内で移動ロボットユニットによって、キャリア基部に取り付けられた在庫キャリアを移動させることとを含む。加えて、この方法は、ミニロードステーションにおいて在庫キャリアを移送することと、配送キャリア上に注文容器を積み込むこととを含む。この方法は、顧客が認証に続いて引き出しを引き出し、注文された品物をピッキングすることが可能となるように、配送キャリアを移送し、配送ハッチにそれを取り付けることを更に含む。
【0015】
WO2019083199A1は、ロボットを使用する自律組み合わせピッキング及び分類動作モデルと動作方法とを組み合わせる商品移送システムを記載している。その文書の商品移送システムは、商品が積み込まれる複数のセルを含む少なくとも1つの運搬カートと、運搬カート上に積み込まれた商品を移動させることが可能なピッキングロボットとを備え、ピッキングロボットは、複数のセルに割り振られた商品に関する情報を受信し、商品を再配置するか、又は商品の不足を補う。
【0016】
顧客によってオンラインで出された注文を最適な形で処理するために必要とされる全てのプロセスを実施するのを助ける1つ以上の自律移動ロボットを有する完全自動化システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0017】
本開示は、容器を取り扱うためのシステムと、倉庫内の、又は注文のフルフィルメント若しくは注文、例えば食料品の注文の配送が行われる任意の他のロケーション内のフルフィルメントセンターに在庫品物を供給するための方法と、そのシステムの使用とに属する。
【0018】
本開示の態様によると、容器を保管するための少なくとも1つの移動在庫キャリア、少なくとも1つの移動在庫キャリアから容器をピックアップ又は解放するための把持機構を備えるミニロードシステムと、少なくとも1つの自律移動ロボットユニットとを備える、容器を取り扱うためのシステムが提供され、ミニロードシステム、少なくとも1つの移動在庫キャリア、及び少なくとも1つの自律移動ロボットユニットは、別個のユニットであり、互いに独立して動作する。
【0019】
本開示の他の態様では、少なくとも1つの移動在庫キャリアは、作業場中に自由に据え付けられ、少なくとも1つの自律移動ロボットユニットは、移動在庫キャリアを持ち上げる及び/又は回転させるように構成される。
【0020】
本開示の他の態様によると、少なくとも1つの自律移動ロボットユニットは、作業場内で少なくとも1つの移動在庫キャリアを運搬するように構成される。
【0021】
他の態様では、ミニロードシステムは、台座を備え、少なくとも1つの移動在庫キャリアは、台座上に取り付けられ、少なくとも1つの自律移動ロボットユニットは、作業場内でミニロードシステム及び少なくとも1つの移動在庫キャリアを共に移動させるように構成される。
【0022】
他の態様では、ミニロードシステムは、架台フレームと、Z軸及びX軸上で移動するための1対の架台ジョイントと、Y軸内で移動し、且つXY平面上で回転することが可能な容器ハンドラ(101e)とを備える架台システムを備える。
【0023】
他の態様では、ミニロードシステムの把持機構は、少なくとも1つのカメラ及び少なくとも1つの照明手段を備え、移動在庫キャリア(107)の角度偏差及び/又は線形偏差を識別し、それによって、一対の架台ジョイント(101c,101d)及び容器ハンドラ(101e)の動きを案内するように構成される。他の態様では、少なくとも1つのカメラ及び少なくとも1つの照明手段は、ストリーム映像を生成するように構成される。
【0024】
他の態様では、少なくとも1つの移動在庫キャリアは、自律移動ロボットユニットによって持ち上げられ、架台タイプのミニロードの台座上に配置されている。次いで、自律移動ロボットユニットは、下に推進し、ミニロード及び少なくとも1つの移動在庫キャリアの両方を上昇させ、作業場内でそれらを移動させることが可能である。
【0025】
他の態様では、第1の台座は、レールと、そのレールに結合された1つ以上の車輪とを備える。
【0026】
本開示の他の態様では、自律移動ロボットユニットは、ワイヤレスであり、一体型再充電可能バッテリを備える。
【0027】
本開示の他の態様では、自律移動ロボットユニットの一体型再充電可能バッテリは、ミニロードシステムに電力を提供する。
【0028】
本開示の他の態様によると、フルフィルメントステーションに在庫品物を供給するための方法が提供され、本方法は、
a)フルフィルメントセンターの在庫エリアから交換地点まで第1の自律移動ロボットユニットによって1つ以上の充填されたドナー容器を有する第1の移動在庫キャリアを運搬するステップと、
b)ミニロードシステムの台座上に配置された第2の移動在庫キャリアにミニロードシステムによって第1の移動在庫キャリアの1つ以上のドナー容器を積み込むステップと、ここで、第2の移動在庫キャリアは、積み込み前には空であり、
c)第2の移動在庫キャリアがドナー在庫容器を完全に積み込まれるまでステップa及びbを繰り返すステップと、
d)フルフィルメントセンターのピッキングステーションに自律移動ロボットユニットによって、積み込まれた第2の移動在庫キャリアを運搬するステップと、
e)ピッキングステーションにサービスするミニロードシステムの台座上に第2の移動在庫キャリアを移送するステップと、
f)第2の移動在庫キャリアから第1のドナー容器をミニロードグリッパによって選択し、オペレータに第1のドナー容器を配送するステップと、
g)第1のドナー容器から少なくとも1つの品物をオペレータによって選択し、注文容器中にそれを配置するステップと
を備え、ステップf及びgは、オペレータが全てのドナー容器から品物を選択し、指定された注文容器中にそれらを配置するまで繰り返される。
【0029】
本開示の他の態様では、在庫品物を供給するための方法は、
-自律移動ロボットユニットがフルフィルメントセンターのピッキングステーションに到着するステップと、
-第2の移動在庫キャリアがピッキングステーションにサービスするミニロードシステムの台座から自律移動ロボットユニットによって持ち上げられるステップと、
-自律移動ロボットユニットがフルフィルメントセンターの在庫エリアに第2の移動在庫キャリアを戻し、別のミニロードシステムの台座上にそれを配置するステップと
を備える。
【0030】
本開示の他の態様では、自律移動ロボットは、プロセスに関与していないとき、又はそのバッテリが非常に低いレベルで消耗しているとき、再充電されるために自動的に充電ステーションに行く。
【0031】
他の実施形態では、フルフィルメントセンター内で容器を取り扱うためのシステムの使用が提供される。
【0032】
互いに独立して動作する別個のユニットを有することの第1の効果は、システムのいずれかの構成要素が故障した場合に、別の同様の構成要素によって置き換えられ、他の2つの構成要素と円滑に動作することができるので、単一障害点が回避されるだけでなく、各及び全ての構成要素の利用の増加が達成されることである。従って、故障したユニットを有することは、必ずしもシステムの他の構成要素を故障させない。更に、自律移動ロボットユニットが再充電されるとき、そのバッテリは、再充電が行われている間、ミニロードの動作を妨げない。
【0033】
加えて、移動在庫キャリアが動作エリア内の地点Aから地点Bに移送されなければならないとき、その動作を実施するために自律移動ロボットユニットのみが必要である。その一方で、ミニロードシステムは、別のスポット、例えばドナー容器を取り扱うピッキングステーションにおいて同時に動作することができるか、又は提供されるプロセスのうちの1つを実行するために別の自律移動ロボットユニットと協働することができる。
【0034】
システムの主要構成要素、即ち、自律移動ロボットユニット、ミニロード、及び移動在庫キャリアの動作におけるこの自由は、利用率の増加をもたらし、その結果、所与のレベルのスループットに対するリソース需要がより少なくなる。
【0035】
それに加えて、システムの大量並列動作は、機械故障に起因する一時的な機能停止を大幅に低減する。単一障害点のレガシーシステムの場合である一時的な機能停止は、注文の配送に著しい遅延を引き起こし得、更なる人的資源の投入を強制し得、このことから、全体的なコスト増加及びシステムの疑わしい品質をもたし得るので、連続動作を有することは有利である。
【0036】
本開示において本明細書に記載される「容器」という用語は、当業者によって、ホスト在庫に適した対象の様々な選択肢を備えると解釈されるべきであり、それは、例えば、限定されないが、無地のトレイ、又はトレイと箱若しくはdekit容物との組み合わせであり得る。
【0037】
このことから、本開示のシステムは、システム全体を構成する特定の構成要素の各々及び全てに対して遙かにより高い利用率を可能にし、その結果、前述の従来のシステムによって提案される機械と比較して、必要とされるリソースがより少なくなることが理解され得る。
【0038】
容器を取り扱うための本明細書に開示するシステムによって達成される別の効果は、システムが倉庫内で効果的に動作することであり、倉庫では、在庫がドナー容器中に保管され、ドナー容器は、次に、移動されることが可能な在庫キャリア上に保管され、そのような移動在庫キャリアは、自律移動ロボットユニットがその下に推進し、それを上昇させ、それを方向転換させるか、又はそれを動作エリア内の地点Aから地点Bに移動させることを可能にする台座上に取り付けられる。(例えばWO2017/121747にあるような)最先端のシステムでは、在庫キャリアは、作業場の地面に固定して取り付けられ、例えばボルト留めされ、それらの把持機構は、作業場の通路を介して直接アクセス可能な在庫を取り出すことが可能である。これにより、これらのシステムは、同様の在庫保管のためにより多くの空間を必要とするという欠点を有する。
【0039】
更に、システムの様々なユニットが別個且つ取り外し可能であることにより、移動在庫キャリアは、遙かにより高密度に(例えば、背中合わせに)保管されることが可能にされる。これは、同様の量の在庫を保管するために従来のシステムのために必要とされる保管エリアと比較して、必要とされる保管エリアがより少ないことを意味し、その理由は、従来のシステムが、通路から直接アクセス可能な容器でしか動作することができず、結果として、従来のシステムが考慮されるときに必要とされる通路の数がより多くなるからである。
【0040】
これらに加えて、本開示の自律移動ロボットユニットが、例えば、作業場内の地点Aから地点Bに移動しなければならないとき、それらは、通路を介した経路を使用して、又は移動在庫キャリアの台座の下に推進することもできる。この結果、通路での交通渋滞がより少なくなり、それは、遙かにより効率的な経路計画を適用することができ、それは、最終的に、従来のシステムと比較して、同様のスループットのために必要とされる自律移動ロボットユニットの数を低減することを意味する。
【0041】
添付の特許請求の範囲において特許請求する本明細書に開示するシステムは、在庫キャリアの遙かにより高密度のレイアウトを可能にし、それは、最終的に、同様の保管のために必要とされる空間の低下をもたらす。
【0042】
上記の説明並びに以下の発明を実施するための形態は、示す図と併せて読まれるとき、より良く理解されるであろう。例示の目的で、図面は、本開示の特定の実施形態を示す。しかしながら、本開示は、特定の実施形態及び現れる特徴に限定されないことを理解されたい。本説明に含まれ、その一部を形成する添付の図面は、本説明によるシステムの実施形態を例示し、それと共に、本説明による利点及び原理を例示する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】システムが動作することができる作業場の例の斜視図であり、作業場は、オンライン注文又は任意の他のタイプの注文、例えば、コンビニエンスストア又は任意の他のタイプの店舗に在庫品物を供給する注文のためのマイクロフルフィルメントセンターである。
【
図2】架台タイプのミニロードシステムの斜視図である。
【
図3】持ち上げ機構が高位置にある自律移動ロボットユニットの斜視図である。
【
図4】持ち上げ機構が低位置にある自律移動ロボットユニットの斜視図である。
【
図5】保管スロットに容器がない移動在庫キャリアの斜視図である。
【
図6】dekit容器(111)を有する移動在庫キャリアの斜視図である。
【
図7】いくつかの空の容器と在庫品物を保持するいくつかの容器とを有する移動在庫キャリアの斜視図である。
【
図8】移動在庫キャリアの下に進むように移動する自律移動ロボットユニットの斜視図である。
【
図9】移動在庫キャリアの下に移動し、移動在庫キャリアを持ち上げて移動させ、ミニロードの台座上に配置した自律移動ロボットユニットの斜視図である。
【
図10】ミニロードシステムと、自律移動ロボットユニットと、ミニロードの台座上に配置された移動在庫キャリアとの斜視図である。
【
図11】在庫品物を有するドナー容器を運ぶ移動在庫キャリアの斜視図を示す。
【
図12】自律移動ロボットユニットによって支持された移動在庫キャリアを取り付けられたミニロードを示す。ミニロードは、移動在庫キャリアからドナー容器を取り出し、その移動在庫キャリアの保管スロット上にそれらを保管している。
【
図13】台座の頂面に取り付けられたレール中に案内されてしっかりと締結される車輪を特徴とする移動在庫キャリアの斜視図を示す。
【
図14】自律移動ロボットユニットが移動在庫キャリアを運搬した在庫受取ステーションの概観を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本開示の例の以下の説明は、添付の図面を参照して行われ、ここで、同じ参照番号は、同一又は同様の要素を示す。
【0045】
以下に使用される語句及び専門用語は、説明を目的としており、限定するものと解釈されるべきではない。例えば、「1」などの単一のグレードを使用することは、動作の数を決定することを意図しない。また、「上」、「下」、「左」、「右」、「後」、等などの局所的代名詞の使用は、図面のある特定の要素を明確にする目的で説明において使用されており、本説明又は添付の特許請求の範囲を限定することを意図されない。加えて、本開示の特徴のうちのいずれも、自律的に、又は他の特徴と組み合わせて使用され得ることを理解されたい。本開示の他の機能的に等価なシステム、方法、特徴、使用、及び利点は、図面及び説明を吟味した後に当業者に明らかになるであろう。全ての追加のシステム、方法、特徴、使用、及び利点は、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲から保護されることを意図される。
【0046】
図1では、容器を取り扱うためのシステム100を示す。詳細には、自律移動ロボットユニット102、移動在庫キャリア104、107、車輪付き移動在庫キャリア108、及びミニロードシステム101を示す。
【0047】
例では、移動在庫キャリア104は、
図5にも見られるように、作業場内に自由に据え付けられる。自由に据え付けられるとは、移動在庫キャリアが作業場の地面にボルト留めされておらず、運搬されることが可能であると解釈され得る。そのため、移動在庫キャリアは、
図8、9、及び10に示すように、自律移動ロボットユニット102によって持ち上げられ、移送され、ミニロードの台座上に配置され得る。
【0048】
それから、自律移動ロボットユニットは、ミニロードシステム101及びその台座上に取り付けられた移動在庫キャリア104の両方を持ち上げ、作業場内の地点Aから地点Bにそれらを移動させることが可能である。
【0049】
このようにして達成される各及び全ての構成要素の利用率の増加とは別に、例えば、空の移動在庫キャリアが自律移動ロボットユニットによって運搬されて再び充填され得るので、未使用又はアイドル状態のままの構成要素がないので、システムの柔軟性及び有効性の増加も成功し、このことから、作業場内で移動在庫キャリア上に保管された容器を運搬するためのいかなる人間の関与も回避する。
【0050】
更に、平行六面体形状を有し得る持ち上げ機構が最も低い位置にある自律移動ロボットユニット102を示し、それは、頂面、底面、及び1つ以上の側面を備える。高さhは、
図3に見られるように、長さl及び/又は幅wより小さくあり得る。円筒形又は立方体など、これらに限定されないが、自律移動ロボットユニット102の他の適切な形状も企図される。自律移動ロボットユニット102の高さhは、自律移動ロボットユニット102がミニロードシステム101又は在庫キャリア104の台座の下にフィットし、必要な電子機器及びそのような台座を持ち上げて運搬するための機構を包含するような高さである。更に、自律移動ロボットユニット102は、ワイヤレスであり得、図に示していない一体型再充電可能エネルギー貯蔵構成要素、例えば、再充電可能バッテリを更に包含し得、このことから、作業場内でのその完全な自律動作及び自由な移動を確実にし得る。幅w及び長さlの寸法の各々は、1mのオーダーであり得、その一方で、高さは、26cmのオーダーである。しかしながら、当業者は、自律移動ロボットユニット102の寸法が、電子機器の複雑さ、CPU及びエネルギー貯蔵装置の寸法、並びに持ち上げ重量のサイズ及びカーゴの関連する重心などの要因に応じて変化し得ることを理解し得る。特定の例の自律移動ロボットユニット102は、約2tn、好ましくは約500kgの重量を持ち上げることができる。
【0051】
エネルギー貯蔵装置は、交換可能であり得るか、又はより短い充電時間で再充電可能な(LiFePO4)のような特別なタイプであり得る。このようにして、自律移動ロボットユニット102は、いつでも実行するために利用可能であり、いかなる他のプロセスにも関与していないとき、又はそのバッテリレベルが非常に低いときにのみ充電される。また、このタイプのエネルギー貯蔵装置は、短絡しても炎を発生しないので、安全性が増加する。エネルギー貯蔵装置はまた、スーパーキャパシタタイプのものであり得、これは、自律ロボットユニットが適切な誘導充電ステーション上を移動するときに極めて高速に再充電する。
【0052】
他の例では、自律移動ロボットユニット102がいずれのプロセスにも従事していないとき、自律移動ロボットユニット102は、必要に応じて、そのエネルギー貯蔵システムを再充電するために充電ステーションに移動する。
【0053】
他の例では、自律移動ロボットユニット102は、自律移動ロボットユニット102が滑らかに移動することを可能にするために、その底面に1つ以上の駆動車輪を有し得る。他の例では、自律移動ロボットユニット102はまた、車両を適切に支持するためにいくつかのキャスター車輪を備え得る。駆動車輪及びキャスター車輪はまた、それらが特定の限度内で床の平坦度の不一致に適応することを可能にするように、車両のシャーシ上に設置され得る。自律移動ロボットユニット102は、底面の中心に単一の車輪を有し得るが、当業者は、そのような構成が、特に積み込まれるときに、システム100の安定性の低減を引き起こし得ることを理解することができる。車輪の数及びそれらの寸法は、自律移動ロボットユニット102によって持ち上げられる重量に依存する。
【0054】
頂面に、自律移動ロボットユニットは、
図3及び4に見られるような持ち上げ機構102aのインタフェースと、図に示していないシステムのためのエネルギー供給部とを有し得る。
【0055】
他の例では、自律移動ロボットユニット102は、作業場内の任意の場所でミニロードシステム101及び移動在庫キャリア104を共に運搬し得る。ミニロードシステム101が移動在庫キャリア(又はその反対)の近傍に運ばれると、自律移動ロボットユニット102は、
図8、9、及び10に見られるように、移動在庫キャリア104の第1の台座の下に移動し、それを持ち上げ、ミニロードシステム101の第2の台座上に安全な方法でフィットさせ得る。このようにして、ミニロードシステム及び移動在庫キャリア104は、作業場内で自律移動ロボットユニットによって移動させることができる。
【0056】
別の例では、自律移動ロボットユニットは、第1の台座を有する移動在庫キャリアの下に推進し、それを持ち上げ、作業場内の任意の所望のロケーションに移動在庫キャリアを運搬し得る。そのようなロケーションはまた、例えば、特定の地点Aから特定の地点Bへと予め定義され得る。
【0057】
移動在庫キャリアが自律移動ロボットユニットによって運搬され、ミニロードの台座上に配置されることが可能であるとき、そのような在庫キャリアはまた、運搬可能な在庫キャリア(104)と呼ばれ得る。
【0058】
本開示によると、明確にする目的で、移動在庫キャリア(107)は、自律移動ロボットユニットによって単純に持ち上げられ回転させられることが可能であり得る。そのような移動在庫キャリア(107)は、
図1及び11に示す。他の例では、移動在庫キャリア(104)は、作業場内の任意のロケーションに運搬され得る。更に、そのような移動在庫キャリアは、ミニロードシステムの台座上に配置され得、従って、それらは、作業場内の任意のロケーション内で自律移動ロボットユニットによってミニロードシステムと共に運搬されることが可能である。そのような移動在庫キャリア(104)はまた、例えば
図9、10に見られるように、運搬可能な在庫キャリアと呼ばれ得る。
【0059】
そうではあるが、他の例では、自律移動ロボットユニット102は、移動在庫キャリア107の下を推進し、それを持ち上げ、好ましくはミニロード101の隣の適切な位置に運ぶようにそれを回転させ得、そこで、その把持機構は、容器をピッキングし、それを別の移動在庫キャリア104上に配置することができ、それは、
図12に示すように、本開示において以前に定義されたように運搬可能であり得る。
【0060】
他の例では、自律移動ロボットユニット102は、任意の必要な動作を実施するために、ミニロードシステム101の下に推進し、それを持ち上げ、作業場内の任意の所望のロケーションにそれを運搬し得る。他の例では、自律移動ロボットユニット102は、移動在庫キャリア104がミニロードの台座上に配置されている間に、ミニロードシステムの下に推進し、ミニロード及び移動在庫キャリア104の両方を上昇させ、作業場内の任意の地点Aから任意の地点Bにそれらを移動させ得る。
【0061】
例では、移動在庫キャリア104及びミニロードシステム101の台座はそれぞれ、単一のプレートの形態であり得るか、又は頂面及びいくつかの脚部を備え得る。好ましい実施形態では、台座は、移動在庫キャリア104上により多くの重量が加えられることを可能にしながら、ユニットの安定性を確実にするために、少なくとも3つの脚部、最も好ましくは、
図10に示すように4つの脚部を備える。しかしながら、ミニロードシステム101及び移動在庫キャリア104はまた、単一の脚部であっても有効であることが企図されなければならない。
【0062】
台座は、約300kgを支持することができる任意の既知の材料で作製され得、例えば、それらは、軽量であり、より多くの重量に耐えることが可能な鋼又は好ましくはアルミニウムのような金属で作製され得る。それはまた、適切な合成材料から構築され得る。台座頂面は、例えば、長方形、正方形、円形、等の任意の形状であり得るが、当業者は、コストの理由及びシステムの運搬の向上のために、台座頂面の形状が、移動在庫キャリア104又はミニロードシステムの頂面及び自律移動ロボットユニット102の頂面202の形状及びサイズに従うことが有益であろうことを理解する。第1及び第2の台座の長さは、0.8m~2m、好ましくは1m~1.5m、より好ましくは1.2mであり得、台座の幅は、0.8m~2m、好ましくは1m~1.5m、より好ましくは1.2mであり得る。
【0063】
例では、移動在庫キャリアは、同じ又は異なる寸法の複数のトレイを備える。各棚のサイズに応じて、
図5、6、及び7に見られるように、棚は、その効率を増加させるために、1~30個、好ましくは5~12個のいくつかの容器111を支持する。例では、移動在庫キャリア104は、一群の脚部、少なくとも3つの脚部、好ましくは安定性の理由から少なくとも4つの脚部上に立ち得る。移動在庫キャリア104(
図5)及びその棚は、400kgの総近似重量を保持し、それ自体が著しい重量を有さないように、任意の既知の材料、例えば、金属、好ましくは鋼で作製され得る。移動在庫キャリア104は、3D印刷を含む任意の可能な方法で生産され得る。
【0064】
移動在庫キャリア104は任意の寸法であり得るが、当業者であれば、移動在庫キャリア104の寸法は、それが移動するために利用可能な空間及びそれが耐えることが可能であるべき重量に依存することを理解することができる。また、その寸法は、所望の安定性に依存し、例えば、非常に高い移動在庫キャリア104は、安定性が減少するであろう。
【0065】
移動在庫キャリア107は、好ましくは、在庫を有するドナー容器を保管するために使用される。それは、通常、いくつかの棚を備え、その棚は、いくつかの、通常は4つ又は6つの容器保管スロットを有するが、容器のサイズに応じて任意の数の保管スロットを有し得る(
図11)。
【0066】
本開示において定義されるようなドナー容器は、在庫を保持する容器であり、その一方で、注文容器は、ドナー容器から受け取られた品物でピッキングステーションにおいて満たされる容器である。
【0067】
移動在庫キャリア(104,107)はまた、車輪112(
図13)、通常は各脚に1つずつ4つの車輪を有し得るが、任意の数の車輪を有し得ることが企図されなければならない。車輪は、適切なレール113、通常は2つのレール中に案内されるが、任意の数のレールを有し得、レールは、車輪がその端部位置に到達したときに車輪をロックし、車輪を固定し、運搬されている間に車輪が移動するのを防止することが可能な凹部を端部に有する。レールは、台座の頂面に据え付けられ、そのため、自律移動ロボットユニット102は、その下に推進し、移動在庫キャリア(104、107)と共に台座を持ち上げ、作業空間内でそれを移動させることが可能である。車輪は、移動在庫キャリア(通常、「ロールラック」と呼ばれる)がロボット作業場から出ているときに移動在庫キャリアを転がす役割を果たし、そのため、オペレータは、移動在庫キャリア(104、107)を容易に押し回して保管するか、又は運搬車両上に積み込むことができる。しかしながら、ロールラックもまた、
図13に示すように適切な台座上に配置されるとき、自律移動ロボットユニットによって持ち上げられ、回転させられ、及び/又は運搬されることが可能であることに留意されたい。
【0068】
各容器111は、異なる形態、例えば、容物(
図13)、又はトレイ(104a/
図6及び7)、箱若しくはカード箱の形態であり得る。
【0069】
ミニロードシステム101及び自律移動ロボットユニット102は、このことから、完全に別個のユニットであり、それらは、互いに独立して動作する。このようにして、他の独立ユニット、即ち自律移動ロボットユニット102又はミニロードシステム101のうちのいずれかの任意の潜在的な故障は、他方の故障していないユニットが別のユニットと共に動作し続ける能力を制限しない。また、自律移動ロボットユニット102が再充電される必要があるとき、これは、ミニロードが別の自律移動ロボットユニットと協働して動作し続ける能力を制限しない。従来のシステムのうちのいずれにも開示されていないこの能力は、システムの構成要素の各々の利用率を大幅に増加させ、最終的に、システムの全体的な所有コストを低減する。
【0070】
ミニロードシステム101は、容器111を移動在庫キャリア107からピックアップして別の移動在庫キャリア104に解放するための把持機構を備え、この別の移動在庫キャリア104は、本開示で定義されたような運搬可能な在庫キャリアとも呼ぶことができる。
【0071】
他の例では、ミニロードシステムは、架台フレーム101bと、Z軸上で垂直に移動する架台ジョイントZ101cと、X軸上で水平に移動する架台ジョイントX101dと、Y軸で移動することが可能であると共にXY平面上で回転することが可能な容器ハンドラ101eとを備える架台タイプ101(
図2)であり得る。架台フレームは、プレートの形状を有し得る台座101a上に固定して取り付けられ得る。台座は、いくつかの脚部、通常は4つの脚部を有し、自律移動ロボットユニット102が台座の下に推進して到着し、全てのミニロードと共に台座を持ち上げ、他の例で説明したように、移動在庫キャリア104(運搬可能)を持ち上げ、作業場内でそれらをあちこち移動させるのに十分な台座の下の空間を可能にする。
【0072】
他の態様では、ミニロードの把持機構は、容器111を安全に取り扱うために架台ジョイント101c、101d、及び容器ハンドラ101eの動きを案内するように構成された視覚サーボシステムを備える。他の例では、ミニロードシステム101は、把持機構が在庫キャリア上の所望の容器のロケーションに応じて上方又は下方のうちのいずれかに垂直に直線的に移動することを可能にされるレールを備え得る細長い柱を更に備え得る。更なる例では、細長い柱は、プレートの形状を有し得る台座上に固定して取り付けられ得る。このようにして、自律移動ロボットユニットは、台座の下に進み、ミニロードシステム全体を運搬することができる。台座は、任意選択で、レール付き通路に結合され得、それは、その結果として、在庫キャリアのロケーションに応じて、ミニロードシステム101全体の水平移動を可能にする。
【0073】
他の例では、ミニロードシステム101は、自律移動ロボットユニット102の頂面に取り付けられ得る。自律移動ロボットユニット102は、そのエネルギー供給部を通してミニロードシステム101にエネルギーを供給する。自律移動ロボットユニット102の頂面には開口部があり、それを通して必要なハーネスがミニロードシステム101に到達し、それに接続することができる。このようにして、自律移動ロボットユニット102は、ミニロードシステム101にエネルギーを供給して、ミニロードシステム101が移動在庫キャリア104に到達し、容器111をそこに積み込み、そこから積み降ろすことを可能にする。加えて、自律移動ロボットユニット102はまた、倉庫及び/又はフルフィルメントセンターの周りでミニロードシステム101を運搬することができる。自律移動ロボットユニット102によってミニロードシステム101にエネルギーを提供することはより環境に優しく、持続可能であることを当業者は理解し得るが、別の例では、ミニロードシステム101は、自律型であり得、再充電可能又は使い捨てのプラグ又はエネルギー貯蔵装置を備え得る。
【0074】
自律移動ロボットユニットは、例えば、移動在庫キャリア(104)を取り付けられたミニロードの台座の下に移動し、システムを持ち上げ、移動在庫キャリア107の隣にそれを移動させて、その上に保管された容器を取り出し得る。理論上の粗さの予想される制限された線形偏差及び角度偏差に起因して、移動在庫キャリア107は、小さな位置誤差(通常、10mm未満の横方向誤差及び0.5度未満の角度誤差)を有し得、その結果、計算されない場合、グリッパが移動在庫キャリアのトレイ又はフレームのうちのいずれかと衝突する可能性があるであろう。そのような望ましくない不具合を排除するために、ミニロードシステム101の把持機構は、その移動中にストリーム映像を生成することが可能なカメラ及び照明のシステムを装備される。ストリームビデオは、ソフトウェア手段によって更に処理され、目標容器を取り出すように把持機構に指示する。より具体的には、映像は、任意の横方向又は角度の誤配置を理解することが可能な特注ソフトウェアによって連続的に分析され、閉ループ制御では、グリッパを制御するモータを案内して、任意のそのような誤配置を補償し、容器を取り出すより前にグリッパの最終位置を補正する。このシステムは、「視覚サーボ」システムとも呼ばれ得る。視覚サーボのサポートにより、システムを円滑に動作させるために、グリッパの動作に必要な精度が達成される。
【0075】
他の例では、自律移動ロボットは、組み合わせられたミニロード及び移動在庫キャリア(104)を別の移動在庫キャリア(107)の隣に移動させており、そこで、第1のドナー在庫容器は、ミニロードグリッパによって取り出され、グリッパの視覚サーボシステムによって案内され、移動在庫キャリア(104,107)上の保管スポット上に適切な精度で配置される。
【0076】
少なくとも1つの移動在庫キャリアと、自律移動ロボットユニットと、ミニロードシステムとを備え、それらの全てが別個のユニットとして独立して動作する、本開示及び添付の特許請求の範囲によるシステムは、オンライン注文をフルフィルメント及び配送することに関与する全ての機能、並びに店舗、コンビニエンスストア、等のような任意の実店舗に在庫を供給しなければならない任意の流通センターにおける全ての機能をサポートすることが可能である。
【0077】
例では、在庫が倉庫又はフルフィルメントセンター、例えば在庫受取ステーション114(
図14)において受け取られるとき、在庫は通常、パレット115(
図14)に積み重ねられた容器又は箱に梱包される。倉庫内に在庫を効率的に補充するために、自律移動ロボットユニット102は、在庫受取ステーション114(
図14)において複数の空のトレイ111を有する移動在庫キャリア104を運搬しており、在庫受取ステーションにサービスする静止ミニロードの台座上にそれを配置する。ミニロードシステム101は、移動在庫キャリア104から空のトレイ111を把持し、所望の在庫をトレイ111中に配置するオペレータにそれを提示する。操作を容易にするために、パレットからのインバウンド在庫を有する箱117は、既に作業台116上にあり得、このことから、オペレータがトレイ内に所望の在庫を配置することをより容易にする(
図14を参照)。移動在庫キャリア104の全てのトレイ111が所望の在庫で充填されるまで、同じプロセスが連続的に繰り返される。全てのトレイが充填されると、自律移動ロボットユニットは、在庫保管場所に近いロケーションに移動在庫キャリア104を運搬し、そこで、別のミニロードシステム101が、この充填された移動在庫キャリア104を受け取るために待機しており、次いで、自律移動ロボットユニットによって推進されて、移動在庫キャリア107などの、在庫保管エリア内に保管されている他の在庫キャリア上に各容器111を保管する。例では、移動在庫キャリアの向きに起因して保管場所における特定の保管ロケーションにアクセスすることが可能でない(例えば、容器を保管するための移動在庫キャリアのスロットが、ミニロードが立つ通路に面していない)とき、別の自律移動ロボットユニットが移動在庫キャリアの下に移動し、それを持ち上げ、それを180度まで回転させ、このことから、移動在庫キャリアの目標保管スロットをミニロードグリッパにとってアクセス可能にする。
【0078】
他の実施形態では、フルフィルメントステーションに在庫品物を供給するための方法が提供され、本方法は以下の、
a)フルフィルメントセンターの在庫エリアから交換地点まで第1の自律移動ロボットユニット(102)によって1つ以上の充填されたドナー容器を有する第1の移動在庫キャリアを運搬するステップと、
b)第2の移動在庫キャリア(104,107)にミニロードシステムによって第1の移動在庫キャリア(104,107)の1つ以上のドナー容器(111)を積み込むステップと、ここで、第2の移動在庫キャリア(104,107)は、積み込み前には空であり、
c)第2の移動在庫キャリア(104,107)が容器を完全に積み込まれるまでステップa及びbを繰り返すステップと、
d)フルフィルメントセンターのピッキングステーションに自律移動ロボットユニット(102)によって、完全に積み込まれた第2の移動在庫キャリア(104,107)を運搬するステップと、
e)ピッキングステーションにおいてミニロードシステム(101)の台座上に第2の移動在庫キャリア(104,107)を移送するステップと、
f)第2の移動在庫キャリア(104,107)から第1のドナー容器を選択し、オペレータに第1のドナー容器を配送するステップと、
g)第1のドナー容器から少なくとも1つの品物をオペレータによって選択し、注文容器中に品物を配置するステップと
を備え、ステップf及びgは、オペレータが全てのドナー容器から品物を選択し、注文容器中にそれらを配置するまで繰り返される。
【0079】
更なるステップでは、自律移動ロボットユニットが移動在庫キャリアの下に到着し、台座からそれを持ち上げ、在庫保管エリアにそれを戻して、対応する移動在庫キャリア上のそれらの元の保管スロットにドナートレイを戻す。
【0080】
そのような方法は、クライアントからの任意の注文の迅速且つ正確なフルフィルメントを確実にし、その一方で、システムの全ての構成要素が調和的に協働して、選択されたロケーションに配送キャリア及び在庫キャリアを運搬して、それらを充填し、オペレータに選択された商品を配送するので、任意の後続の注文が妥当な時間量で利用可能になることを保証する。
【0081】
例では、本開示によるシステム100は、材料及び商品の取り扱いのために異なるロケーションで使用され得る。好ましい実施形態では、システムは、オンライン注文をフルフィルメントするために倉庫内で使用される。注文のフルフィルメントは、在庫補充ステーションと、在庫エリアと、ピッキングステーションと、保管エリアとを備える倉庫のフルフィルメントセンターにおいて行われ得る。
【0082】
そのようなシステムはまた、店舗、特にコンビニエンスストアに必要とされる在庫を供給するために使用することができ、それらの非常に限られた保管容量に起因して、固有の在庫管理単位(SKU)を包含するパレット又は箱にさえ在庫を保管することが可能でなく、いくつかの異なるSKUを包含する容器に在庫を保管するだけである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 容器を取り扱うためのシステム(100)であって、
容器(111)を保管するための少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)と、
前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)から容器(111)をピックアップ又は解放するための把持機構を備えるミニロードシステム(101)と、
少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)と
を備え、前記ミニロードシステム(101)、前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)、及び前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、別個のユニットであり、互いに独立して動作する、システム(100)において、前記ミニロードシステム(101)は、台座(101a)を備え、前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)は、前記台座(101a)上に取り付けられ、前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、作業場内で前記ミニロードシステム(101)及び前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)を共に移動させるように構成されることを特徴とする、システム(100)。
[2] 前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(107)は、作業場中に自由に据え付けられ、前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、前記移動在庫キャリア(107)を持ち上げる及び/又は回転させるように構成される、[1]に記載のシステム(100)。
[3] 前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)は、作業場内で前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104,107)を運搬するように構成される、[1]に記載のシステム(100)。
[4] 前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)は、1つ以上の車輪(112)を備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載のシステム(100)。
[5] 前記ミニロードシステム(101)は、フレーム(101b)、一対の架台ジョイント(101c,101d)、及び容器ハンドラ(101e)を備える架台システムを備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載のシステム(100)。
[6] 前記フレーム(101b)は、台座(101a)に固定して取り付けられる、[5]に記載のシステム(100)。
[7] 前記少なくとも1つの移動在庫キャリア(104)は、台座(104c)を備える、[1]~[6]のいずれか一項に記載のシステム(100)。
[8] 前記台座(104c)は、レールと、そのレールに結合された1つ以上の車輪とを備える、[7]に記載のシステム(100)。
[9] 前記自律移動ロボットユニット(102)は、ワイヤレスであり、一体型再充電可能バッテリを備える、[1]~[8]のいずれか一項に記載のシステム(100)。
[10] 前記少なくとも1つの自律移動ロボットユニット(102)の前記一体型再充電可能バッテリは、前記ミニロードシステム(101)に電力を提供する、[9]に記載のシステム(100)。
[11] 前記ミニロードシステム(101)の前記把持機構は、少なくとも1つのカメラ及び少なくとも1つの照明手段を備える、[1]~[10]のいずれか一項に記載のシステム(100)。
[12] 前記把持機構は、前記移動在庫キャリア(107)の角度偏差及び/又は線形偏差を識別し、それによって、前記一対の前記架台ジョイント(101c,101d)及び前記容器ハンドラ(101e)の動きを案内するように構成される、[11]に記載のシステム(100)。
[13] 前記少なくとも1つのカメラ及び前記少なくとも1つの照明手段は、ストリーム映像を生成するように構成され、前記ストリーム映像は、ソフトウェア手段によって処理され、目標容器を取り出すように前記把持機構に指示する、[11]又は[12]に記載のシステム(100)。
[14] フルフィルメントステーションに在庫品物を供給するための方法であって、
a)フルフィルメントセンターの在庫エリアから交換地点まで第1の自律移動ロボットユニット(102)によって1つ以上の充填されたドナー容器を有する第1の移動在庫キャリアを運搬するステップと、
b)第2の移動在庫キャリア(104,107)にミニロードシステムによって前記第1の移動在庫キャリア(104,107)の1つ以上の前記ドナー容器(111)を積み込むステップと、ここで、前記第2の移動在庫キャリア(104,107)は、積み込み前には空であり、
c)前記第2の移動在庫キャリア(104,107)が容器を完全に積み込まれるまでステップa及びbを繰り返すステップと、
d)フルフィルメントセンターのピッキングステーションに自律移動ロボットユニット(102)によって、完全に積み込まれた前記第2の移動在庫キャリア(104,107)を運搬するステップと、
e)前記ピッキングステーションにおいてミニロードシステム(101)の台座上に前記第2の移動在庫キャリア(104,107)を移送するステップと、
f)前記第2の移動在庫キャリア(104,107)から第1のドナー容器を選択し、オペレータに前記第1のドナー容器を配送するステップと、
g)前記第1のドナー容器から少なくとも1つの品物を前記オペレータによって選択し、注文容器中に前記品物を配置するステップと
を備え、ステップf及びgは、前記オペレータが全ての前記ドナー容器から前記品物を選択し、前記注文容器中にそれらを配置するまで繰り返される、方法。
[15] -自律移動ロボットユニット(102)がフルフィルメントセンターの前記ピッキングステーションに到着するステップと、
-前記第2の移動在庫キャリア(104,107)がミニロードシステムの台座上に配置され、前記自律移動ロボットユニット(102)によって持ち上げられるステップと、 -前記自律移動ロボットユニット(102)が前記フルフィルメントセンターの前記在庫エリアに前記第2の移動在庫キャリア(104,107)を戻し、ミニロードシステム(101)の台座上にそれを配置するステップと
を更に備える、[14]に記載の方法。
[16] 前記自律移動ロボットユニット(102)は、好ましくは、プロセスに関与していないとき、又はバッテリが低レベルにあるとき、再充電されるために自動的に充電ステーションに行く、[14]又は[15]に記載の方法。
[17] フルフィルメントセンター内で[1]~[11]のいずれか一項に記載の容器を取り扱うためのシステム(100)の使用。