(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】筐体及びパウチ電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/242 20210101AFI20241223BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241223BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241223BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20241223BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20241223BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M10/613
H01M10/6556
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/271 B
H01M50/342 201
H01M50/569
H01M50/588
H01M50/591 101
(21)【出願番号】P 2023553940
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(86)【国際出願番号】 CN2021143624
(87)【国際公開番号】W WO2023123333
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】522492196
【氏名又は名称】遠景動力技術(江蘇)有限公司
【氏名又は名称原語表記】AESC Dynamics Technology(Jiangsu)Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.66 Shentai Road,Shengang Street,Jiangyin City,Wuxi City,Jiangsu Province,214443 China
(73)【特許権者】
【識別番号】522492200
【氏名又は名称】遠景睿泰動力技術(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】AESC Intelligent Innovation Dynamics Technology (Shanghai) Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 101,Building No.2,No.2555 Xiupu Road,Kangqiao Town,Pudong New District,Shanghai,201315 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】楊 明平
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0069873(KR,A)
【文献】中国実用新案第213782162(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0108887(US,A1)
【文献】中国実用新案第212907959(CN,U)
【文献】中国実用新案第212571214(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側プレート(2)と、右側プレート(3)と、前側エンドカバー(4)と、後側エンドカバー(5)と、
ブラケット(1)と、を備え
る、
電池筐体である筐体であって、
前記ブラケット(1)の横断面は「エ」字型を呈し、前記ブラケット(1)は、前記筐体の上部カバープレートとして設置される上部平坦部(11)と、前記上部平坦部(11)と平行に設置され、前記筐体の下カバープレートとして設置される下部平坦部(12)と、両端がそれぞれ前記上部平坦部(11)及び前記下部平坦部(12)と固定接続される接続部(13)と、を備え、
前記左側プレート(2)は前記ブラケット(1)の第1の側に溶接され、前記ブラケット(1)とともに第1の収容キャビティを形成し、前記右側プレート(3)は前記ブラケット(1)の第2の側に溶接され、前記ブラケット(1)とともに第2の収容キャビティを形成し、前記前側エンドカバー(4)及び前記後側エンドカバー(5)は、それぞれ前記ブラケット(1)の両端に溶接され、前記ブラケット(1)の第1の側と前記ブラケット(1)の第2の側は対向して設置される、筐体。
【請求項2】
前記筐体は、前記前側エンドカバー(4)を位置決めするように設けられた前側接続フレーム(6)と、前記後側エンドカバー(5)を位置決めするように設けられた後部接続フレーム(7)と、をさらに備え、前記前側接続フレーム(6)は前記ブラケット(1)の前端と固定接続され、前記後部接続フレーム(7)は前記ブラケット(1)の後端と固定接続される、請求項
1に記載の筐体。
【請求項3】
前記前側接続フレーム(6)は絶縁体であり、前記後部接続フレーム(7)は絶縁体である、請求項
2に記載の筐体。
【請求項4】
前記前側接続フレーム(6)と前記ブラケット(1)2つのうちの一方には前側ロック凸部(15)が設けられ、他方には前記前側ロック凸部(15)と係合する前側ロック溝(61)が設けられ、前記前側接続フレーム(6)を前記ブラケット(1)の第1の端に係合することができ、
前記後部接続フレーム(7)と前記ブラケット(1)2つのうちの一方には後側係合凸部(16)が設けられ、他方には前記後側係合凸部(16)と係合する後側係合溝(711)が設けられ、前記後部接続フレーム(7)を前記ブラケット(1)の第2の端に係合する、請求項
2に記載の筐体。
【請求項5】
前記前側エンドカバー(4)には前側位置決め溝(41)が設けられ、前記前側接続フレーム(6)には前側位置決めブロックが設けられ、前記前側位置決めブロックは、前記前側位置決め溝(41)内に係合するように設けられ、
前記後側エンドカバー(5)には後位置決め溝(51)が設けられ、前記後部接続フレーム(7)には後側位置決めブロック(71)が設けられ、前記後側位置決めブロック(71)は前記後位置決め溝(51)内に係合する、請求項
4に記載の筐体。
【請求項6】
前記後側係合溝(711)は前記後側位置決めブロック(71)上に設けられ、かつ、前記上部平坦部(11)及び前記下部平坦部(12)には、それぞれ前記後側係合凸部(16)が設けられ、
前記前側ロック溝(61)は前記前側位置決めブロック上に設けられ、かつ、前記上部平坦部(11)及び前記下部平坦部(12)には、それぞれ前記前側ロック凸部(15)が設けられる、請求項
5に記載の筐体。
【請求項7】
前記前側接続フレーム(6)はストリップ状構造であり、少なくとも一部の前記前側接続フレーム(6)は前記前側位置決めブロックとして用いられ、かつ、前記前側エンドカバー(4)上の前側位置決め溝(41)内に係合するように設けられ、前記前側ロック溝(61)は前記前側接続フレーム(6)を貫通する、請求項
6に記載の筐体。
【請求項8】
前記筐体は、集電サンプリングプレート(8)をさらに備え、前記集電サンプリングプレート(8)にはサンプリング凸部(81)が設けられ、前記後側エンドカバー(5)には貫通穴(52)が設けられ、前記集電サンプリングプレート(81)は前記後部接続フレーム(7)上に位置決め及び取り付けされ、かつ、一部の前記サンプリング凸部(81)は前記貫通穴(52)から伸出する、請求項
2に記載の筐体。
【請求項9】
前記集電サンプリングプレート(8)及び前記後部接続フレーム(7)の2つのうちの一方には位置決め柱(72)が設けられ、他方には前記位置決め柱(72)と適合する位置決め孔(82)が設けられ、前記集電サンプリングプレート(8)を前記後部接続フレーム(7)上に位置決め及び取り付けさせる、請求項
8に記載の筐体。
【請求項10】
前記後部接続フレーム(7)には、嵌め込み溝(73)が設けられ、前記集電サンプリングプレート(8)は、前記嵌め込み溝(73)内に嵌め込まれる、請求項
8に記載の筐体。
【請求項11】
前記後部接続フレーム(7)には、クランプ(74)がさらに設けられ、前記クランプ(74)は、前記ブラケット(1)の接続部(13)上にクランプされる、請求項
2に記載の筐体。
【請求項12】
前記クランプ(74)は、
第1の支持部(7411)及び第2の支持部(7412)を備え、前記第1の支持部(7411)と前記第2の支持部(7412)は対向して設置される支持本体(741)と、
第1の弾性片(7421)及び第2の弾性片(7422)を備えるクランプ弾性片(742)と、を備え、
前記第1の弾性片(7421)の一端は前記第1の支持部(7411)上に固定され、前記第2の弾性片(7422)の一端は前記第2の支持部(7412)上に固定され、前記第1の弾性片(7421)と前記第2の弾性片(7422)との間は鋭角に設けられ、かつ、前記第1の弾性片(7421)と前記第2の弾性片(7422)との間の開口は前記接続部(13)に面しており、前記第1の弾性片(7421)と前記第2の弾性片(7422)との間の最小距離は、前記接続部(13)の厚さよりも小さい、請求項
11に記載の筐体。
【請求項13】
前記支持本体(741)には、少なくとも2つの前記クランプ弾性片(742)が設けられ、少なくとも2つの前記クランプ弾性片(742)は、前記開口の深さ方向に沿って、間隔をあけて設けられる、請求項
12に記載の筐体。
【請求項14】
前記第1の支持部(7411)の端部は円弧状の面であり、前記第2の支持部(7412)の端部は円弧状の面である、請求項
12に記載の筐体。
【請求項15】
前記前側エンドカバー(4)及び前記後側エンドカバー(5)には、それぞれ防爆弁(9)が設けられる、請求項
1に記載の筐体。
【請求項16】
絶縁膜(17)をさらに備え、前記絶縁膜(17)は、前記上部平坦部(11)、前記接続部(13)及び前記下部平坦部(12)上に貼り付けられ、前記絶縁膜(17)の長さと前記接続部(13)の長さは同一であり、前記上部平坦部(11)の長さと前記下部平坦部(12)の長さは同一であり、前記接続部(13)の長さよりも長い、請求項
1に記載の筐体。
【請求項17】
前記上部平坦部(11)の第1の端及び前記上部平坦部(11)の第2の端には、それぞれ上限凸部(111)が設けられ、前記下部平坦部(12)の第1の端及び第2の端には、それぞれ前記上限凸部(111)と対向する下限凸部(121)が設けられ、前記左側プレート(2)の両端がそれぞれ前記ブラケット(1)の第1の端の上限凸部(111)及び下限凸部(121)に当接し、前記右側プレート(3)の両端がそれぞれ前記ブラケット(1)の第2の端の上限凸部(111)及び下限凸部(121)に当接する、請求項
1に記載の筐体。
【請求項18】
セル(10)と、請求項
1~
17のいずれか一項に記載の筐体を備え、前記第1の収容キャビティ及び前記第2の収容キャビティ内には、それぞれ前記セル(10)が設けられ、前記セル(10)はセル単体である、または、前記セル(10)はセル積層体である、パウチ電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池の技術分野に関し、例えば、ブラケット、筐体及びパウチ電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術においては、電気自動車の走行距離がますます長くなり電池パックのエネルギー密度をいかに向上させるかが、業界共通の課題となっている。電池パックの設計では、モジュール不要の設計により、エネルギー密度を約30%高めることができ、同時に電気コネクタを大幅に削減できるため、電池パック内のエネルギー損失とコストの削減に貢献する。
【0003】
電池パック筐体は、一般に、前後のエンドカバー、左右側プレート及び上下カバープレートからなり、組み立てが煩雑で手間がかかるほか、セル単体又はセル積層体を筐体内に配置し、セル積層方向のサイズは一般に500~800mmの間であり、積層するセルの数は60~100の間であり、積層するセルの内部には支えがないため、電池パックの全体の剛度は相対的に劣り、その内のセルは力を受けて変形し、電池パックの性能に影響しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本願は、電池筐体に適用でき、上下のカバープレートを節約でき、組み立てに便利で、筐体内の支えを提供し、筐体の剛度を向上できるブラケットを提供する。
【0005】
本願はまた、上記ブラケットを用いることにより、全体の剛性に優れ、変形しにくく、組み立てが容易な筐体を提供する。
【0006】
本発明はまた、上記筐体を使用することにより、全体の剛性に優れ、安定した性能を有するパウチ電池モジュールを提供する。
【0007】
一実施形態は、ブラケットを提供し、前記ブラケットの横断面は「エ」字形を呈し、前記ブラケットは、電池筐体の上部カバープレートとして設置される上部平坦部と、前記上部平坦部と平行に設置され、電池筐体の下カバープレートとして設置される下部平坦部と、両端がそれぞれ前記上部平坦部及び前記下部平坦部と固定接続される接続部と、を備える。
【0008】
一実施形態は、左側プレートと、右側プレートと、前側エンドカバーと、後側エンドカバーと、前記ブラケットと、を備える筐体を提供し、前記左側プレートは、前記ブラケットの第1の側に溶接され、前記ブラケットは第1の収容キャビティを形成し、前記第2の側板は、前記ブラケットの右側に溶接され、前記ブラケットは第2の収容キャビティを形成し、前記前側エンドカバー及び前記後側エンドカバーは、それぞれ前記ブラケットの前後両端に溶接され、前記ブラケットの第1の側と前記ブラケットの第2の側は対向して設置される。
【0009】
一実施形態は、セル及び前記筐体を備えるパウチ電池モジュールを提供し、前記第1の収容キャビティ及び前記第2の収容キャビティ内には、それぞれ前記セルが設けられ、前記セルはセル単体である、または、前記セルはセル積層体である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本願の一実施形態により提供されるブラケットの1つの方向の構造概略図である。
【
図2】本願の一実施形態により提供されるブラケットの別の1つの方向の構造概略図である。
【
図3】本願の一実施形態により提供される電池モジュールの分解概略図である。
【
図4】本願の一実施形態により提供される筐体の正面図である。
【
図5】本願の一実施形態により提供される筐体の背面図である。
【
図6】本願の一実施形態により提供される後部接続フレームの集電サンプリングプレートの構造概略図である。
【
図7】本願の一実施形態により提供される後部接続フレームの構造概略図である
【
図8】本願の一実施形態により提供される後部接続フレームの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
なお、本願の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等の用語が示す向き又は位置関係は、図面に示された向きや位置関係、又はその応用製品が使用される際に通常置かれる向きや位置関係に基づくものであり、専ら本願の説明の簡略化のために用いられるものであって、参照される装置又は構成要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成及び動作する必要があることを示し又は暗示するものではないから、本願を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」などの用語は、専ら区分して説明するために使用されるものであり、相対的な重要性を示し又は暗示すると解釈されるべきではない。本願の説明において、「複数」とは、特に断りのない限り、2つ以上を意味する。
【0012】
本願の説明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「設置」、「接続」という用語は広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であって良く、取り外し可能な接続であって良く、又は一体的な接続であって良く、機械的な接続であって良く、電気な接続であっても良い。当業者は、具体的な状況において本願における前記用語の特定の意味を理解することができる。
【0013】
本願では、特に明示的に指定及び制限されない限り、第2の特徴の「上」又は「下」にある第1の特徴は、第1及び第2の特徴の間の直接接触する場合を含んで良く、また、第1及び第2の特徴が直接接触しておらず、それらの間の別の特徴を介して接触する場合を含んで良い。さらに、第2の特徴「の上」、「上方」、「上面」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあること、あるいは単に第1の特徴が第2の特徴よりも水平方向に高いことを含む。第2の特徴「の下」、「下方」、「下面」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の直下及び斜め下にあることを含み、あるいは単に第1の特徴が第2の特徴よりも水平方向に低いことを含む。
【0014】
実施形態1
【0015】
図1~
図2に示されるように、本実施形態は、ブラケット1を提供し、ブラケット1の横断面は「エ」字形を呈し、ブラケット1は、上部平坦部11、下部平坦部12及び接続部13を備え、上部平坦部11は、電池筐体の上部カバープレートとして用いられる。下部平坦部12は上部平坦部11と平行に設置され、下部平坦部12は電池筐体の下カバープレートとして設置される。接続部13は、両端がそれぞれ上部平坦部11及び下部平坦部12と固定接続される。前記ブラケット1が、左側プレート2、右側プレート3、前側エンドカバー4及び後側エンドカバー5とともに筐体を形成するとき、接続部13は筐体内部の支えとして用い、筐体の剛度を向上させ、上下カバープレートを省略することができるので、組み立てに便利である。
【0016】
一実施形態では、ブラケット1は一体成型の構造である。他の実施形態では、ブラケット1は、背中合わせ固定的に接続された2つの「匚」字型ブラケットによって形成することもできる。他の実施形態では、ブラケット1は、その他の形式で形成することもでき、筐体の上下カバープレートを省略し、筐体内部に支えを提供することができさえすれば良く、ここでは一つ一つ例を挙げて説明しない。
【0017】
一実施形態では、上部平坦部11には、その長さ方向に沿って貫通する冷却液流路14が設けられる。下部平坦部12には、その長さ方向に沿って貫通する冷却液流路14が設けられる。接続部13には、その長さ方向に沿って貫通する冷却液流路14が設けられる。
【0018】
一実施形態では、ブラケット1は押出成形によって形成することができ、同時に冷却液流路14を形成することができる。
【0019】
実施形態2
【0020】
本実施形態は、第1の実施形態で説明したブラケット1を備える筐体を提供する。
【0021】
図3に示されるように、前記筐体は、左側プレート2、右側プレート3、前側エンドカバー4、後側エンドカバー5、前側接続フレーム6、後部接続フレーム7、集電サンプリングプレート8及び防爆弁9をさらに備える。
【0022】
左側プレート2は、ブラケット1の第1の側に溶接され、ブラケット1とともに第1の収容キャビティを形成し、右側プレート3は、ブラケット1の第2の側に溶接され、ブラケット1とともに第2の収容キャビティを形成する。ここで、ブラケット1の第1の側とブラケット1の第2の側は、対向する側であり、前側エンドカバー4及び後側エンドカバー5は、それぞれブラケット1の両端に溶接され、これにより四方を閉じたケース状の構造を形成する。
【0023】
一実施形態では、前側エンドカバー4には防爆弁9が設けられ、後側エンドカバー5には、防爆弁9が設けられ、セルが熱暴走した後、高温ガスを定方向に噴射することができ、筐体の防爆性能を向上することができる。
【0024】
一実施形態では、
図1とあわせて
図4に示されるように、上部平坦部11の両端には上限凸部111が設けられ、下部平坦部12の両端には下限凸部121が設けられ、上部平坦部11の第1の端の上限凸部111と下部平坦部12の第1の端の下限凸部121は対向して設置され、上部平坦部11の第2の端の上限凸部111と下部平坦部12の第2の端の下限凸部121は対向して設置される。左側プレート2の両端がそれぞれ上部平坦部11の第1の端の上限凸部111及び下部平坦部12の第1の端の下限凸部121に当接することにより、取り付け及び位置決めが容易となり、左側プレート2をブラケット1に溶接するのに有利である。右側プレート3の両端がそれぞれ上部平坦部11の第2の端の上限凸部111及び下部平坦部12の第2の端の下限凸部121に当接することにより、取り付け及び位置決めが容易となり、右側プレート3をブラケット1に溶接するのに有利である。
【0025】
一実施形態では、
図4に示されるように、筐体は、絶縁膜17をさらに備え、絶縁膜17は、上部平坦部11、接続部13及び下部平坦部12に貼り付けられ、絶縁膜17の長さは接続部13の長さと同一であり、上部平坦部11の長さ及び下部平坦部12の長さは同一であり、接続部13の長さよりも長い。簡単に言えば、絶縁膜17は、第1の収容キャビティ及び第2の収容キャビティ内に貼り付けられ、セル10とブラケット1との間の絶縁に用いられる。
【0026】
図4に示されるように、前側接続フレーム6は、ブラケット1の前端に固定されて良く、前側エンドカバー4を位置決めするように構成され、前側エンドカバー4を速やかに位置決め及び取り付けして、取付効率を向上させるとともに、前側エンドカバー4の溶接時に、前側エンドカバー4がずれて移動することを防止し、溶接の精度及び質を確保することができる。
【0027】
図5に示されるように、後部接続フレーム7は、ブラケット1の後端に固定されて良く、後側エンドカバー4を位置決めするように構成され、後側エンドカバー4を速やかに位置決め及び取り付けして、取付効率を向上させるとともに、後側エンドカバー4の溶接時に、後側エンドカバー4がずれて移動することを防止し、溶接の精度及び質を確保することができる。
【0028】
一実施形態では、前側接続フレーム6は絶縁体である。同様に、後部接続フレーム7は絶縁体である。
【0029】
前側接続フレーム6とブラケット1の固定接続の便宜のために、前側接続フレーム6とブラケット12つのうちの一方には、前側ロック凸部15が設けられ、他方には前側ロック凸部15と係合する前側ロック溝61が設けられ、前側接続フレーム6をブラケット1の前端に係止することができる。
【0030】
例示的に、前側ロック凸部15はブラケット1上に設けられ、具体的には、前側ロック凸部15は、上部平坦部11及び下部平坦部12上に設けられて良く、前側接続フレーム6には前側ロック溝61が設けられ、前側ロック溝61は、前側ロック凸部15上に係止され、前側接続フレーム6とブラケット1の位置決め接続を実現することができる。
【0031】
前側エンドカバー4と前側接続フレーム6の位置決め接続の便宜のために、前側エンドカバー4には前側位置決め溝41が設けられ、前側接続フレーム6には前側位置決めブロックが設けられ、前側位置決めブロックは、前側位置決め溝41内に係止され、これにより前側エンドカバー4の位置決めを実現し、前側エンドカバー4が溶接過程においてずれることを防止し、溶接の精度及び質を確保することができる。
【0032】
本実施形態では、
図1及び
図4に示されるように、前側接続フレーム6はストリップ状構造であり、少なくとも一部の前側接続フレーム6は、前側位置決めブロックを前側エンドカバー4上の前側位置決め溝41に係止して、前側ロック溝61が前側接続フレーム6を貫通できるようにするために用いられる。組立過程では、まず、前側接続フレーム6をブラケット1上に取り付け、このとき、前側ロック溝61は前側ロック凸部15上に係止し、その後、前側エンドカバー4の前側位置決め溝41を前側接続フレーム6上に係止する。
【0033】
後部接続フレーム7とブラケット1の位置決め接続の便宜のために、
図1及び
図5に示されるように、後部接続フレーム7とブラケット1の2つのうちの一方には後側係合凸部16が設けられ、他方には後側係合凸部16と係合する後側係合溝711が設けられ、後部接続フレーム7をブラケット1の後端に係合するすることができる。
【0034】
一実施形態では、後部接続フレーム7には後側係合溝711が設けられ、2つの後側係合溝711は垂直方向に沿って後部接続フレーム7上に間隔をあけて設けられ、ブラケット1の上部平坦部11及び下部平坦部12にはいずれも後側係合凸部16が設けられ、後側係合溝711をブラケット1上の後側係合凸部16上に係止することにより、後部接続フレーム7とブラケット1の位置決めと固定接続を実現する。
【0035】
後側エンドカバー5と後部接続フレーム7の位置決め接続の便宜のため、
図5に示されるように、後側エンドカバー5には後位置決め溝51が設けられ、後部接続フレーム7には後側位置決めブロック71が設けられ、後側位置決めブロック71は、後位置決め溝51内に係止され、後側エンドカバー5の溶接過程におけるずれを防止し、溶接の精度及び質を確保することができる。。
【0036】
一実施形態では、後側位置決めブロック71には後側係合溝711が設けられ、かつ、上部平坦部11及び下部平坦部12にはそれぞれ後側係合凸部16が設けられる。本実施形態では、2つの後側位置決めブロック71は垂直方向に沿って後部接続フレーム7上に間隔をあけて設けられ、かつ、各後側位置決めブロック71には後側係合溝711が設けられる。組立過程では、まず後部接続フレーム7をブラケット1上に取り付け、このとき、後側係合溝711を後側係合凸部16上に係止し、その後、後側エンドカバー5を後部接続フレーム7上に取り付け、このとき、後位置決め溝51を後側位置決めブロック71上に係止する。
【0037】
電池モジュールのサンプリングの便宜のため、
図5及び
図6に示されるように、集電サンプリングプレート8にはサンプリング凸部81が設けられ、後側エンドカバー5には貫通穴52が設けられ、集電サンプリングプレート81を後部接続フレーム7上に位置決め及び取り付けし、かつ、一部のサンプリング凸部81を貫通穴52から伸出させることができる。
【0038】
一実施形態では、
図6に示されるように、集電サンプリングプレート8と後部接続フレーム72つのうちの一方には位置決め柱72が設けられ、他方には位置決め柱72に適合する位置決め孔82が設けられて、集電サンプリングプレート8を後部接続フレーム7上に位置決め及び取り付けし、集電サンプリングプレート8を後部接続フレーム7上に位置決め及び取り付けさせることができる。
【0039】
一実施形態では、集電サンプリングプレート8には位置決め孔82が設けられ、後部接続フレーム7には位置決め柱72が設けられる。
【0040】
一実施形態では、集電サンプリングプレート8と後部接続フレーム7の位置決め接続後、両者をホットリベット留めによって固定することができる。他の実施形態では、さらに、集電サンプリングプレート8と後部接続フレーム7を一体射出成形によって固定しても良い。
【0041】
筐体の長さを短縮するために、後部接続フレーム7には嵌め込み溝73が設けられ、前記嵌め込み溝73に集電サンプリングプレート8を嵌め込むことができ、集電サンプリングプレート8と後部接続フレーム7の位置決め接続後、両者は嵌め込むことができるので、集電サンプリングプレート8と後部接続フレーム7の全体の厚さは、両者の厚さの合計よりも小さくなければならない。
【0042】
図7~
図8に示されるように、後部接続フレーム7には、集電サンプリングプレート8がさらに別途接続され、後部接続フレーム7にかかる力は不均一となり、後側係合溝711と後側係合凸部16の係合強度に影響するので、後部接続フレーム7とブラケット1の接続強度を向上させるために、後部接続フレーム7にはクランプ74がさらに設けられ、クランプ74は、ブラケット1の接続部13上にクランプされることができる。
【0043】
一実施形態では、2つのクランプ74は、垂直方向に沿って後部接続フレーム7上に間隔をあけて設けられ、後部接続フレーム7とブラケット1の接続強度を確保する。
【0044】
一実施形態では、
図7及び
図8に示されるように、クランプ74は、支持本体741及びクランプ弾性片742を備え、支持本体741は、第1の支持部7411及び第2の支持部7412を備え、第1の支持部7411と第2の支持部7412とは対向して設置される。クランプ弾性片742は、第1の弾性片7421及び第2の弾性片7422を備え、第1の弾性片7421の一端は第1の支持部7411上に固定され、第2の弾性片7422の一端は第2の支持部7412上に固定され、第1の弾性片7421及び第2の弾性片7422は鋭角に設けられ、かつ、開口が接続部13に面しており、第1の弾性片7421と第2の弾性片7422との間の最小距離は接続部13の厚さよりも短く、クランプ弾性片742の接続部13に対するクランプを確実にする。
【0045】
一実施形態では、支持本体741上に少なくとも2つのクランプ弾性片742が設けられ、少なくとも2つのクランプ弾性片742はクランプ深さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、クランプ74のクランプ力を向上させることができる。
【0046】
一実施形態では、第1の支持部7411の端部は円弧状の面である。第2の支持部7412の端部は円弧状の面である。前記円弧状の面構造により、接続部13に対して案内作用を奏し、接続部13をスムーズにクランプ74へ插入し、組み立ての利便性を向上させることができる。
【0047】
実施形態3
【0048】
図3に示されるように、本実施形態は、セル10及び実施形態2に記載の筐体を備えるパウチ電池モジュールを提供し、第1の収容キャビティ及び第2の収容キャビティ内には、それぞれセル10が設けられ、セル10はセル単体である、または、セル10はセル積層体である。前記パウチ電池モジュールは、前記筐体を適用することで、全体の剛度に優れ、内部のセル10は変形しにくく、性能が安定している。
【符号の説明】
【0049】
1、ブラケット
11、上部平坦部
111、上限凸部
12、下部平坦部
121、下限凸部
13、接続部
14、冷却液流路
15、前側ロック凸部
16、後側係合凸部
17、絶縁膜
2、左側プレート
3、後側板
4、前側エンドカバー
41、前側位置決め溝
5、後側エンドカバー
51、後位置決め溝
52、貫通穴
6、前側接続フレーム
61、前側ロック溝
7、後部接続フレーム
71、後側位置決めブロック
711、後側係合溝
72、位置決め柱
73、嵌め込み溝
74、クランプ
741、支持本体
7411、第1の支持部
7412、第2の支持部
742、クランプ弾性片
7421、第1の弾性片
7422、第2の弾性片
8、集電サンプリングプレート
81、サンプリング凸部
82、位置決め孔
9、防爆弁
10、セル