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特許7608638パルス状流体ポンプを駆動するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】パルス状流体ポンプを駆動するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/268 20210101AFI20241223BHJP
   A61M 60/117 20210101ALI20241223BHJP
   A61M 60/441 20210101ALI20241223BHJP
   A61M 60/585 20210101ALI20241223BHJP
   A61M 60/508 20210101ALI20241223BHJP
   F04B 43/04 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
A61M60/268
A61M60/117
A61M60/441
A61M60/585
A61M60/508
F04B43/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023575495
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 US2021019262
(87)【国際公開番号】W WO2022182334
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504317673
【氏名又は名称】ヴェントリフロ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント, ダグラス イー.
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ブズラ, コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】オルニー, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】スミス, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ネイバー, ジェフリー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ラボンテ, ジュディ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント, キャスリーン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, マシュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シールズ, パトリック
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-513521(JP,A)
【文献】特表2005-518491(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0245405(US,A1)
【文献】特開2014-083091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/268,60/569,60/546,60/538,
60/523,60/508,60/585
F04B 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプアセンブリを駆動するためのパルス状流体ポンプシステムであって、前記パルス状流体ポンプシステムは、
磁石およびコイルを有する往復運動リニアモータであって、前記磁石は、前記コイル関連して移動し、前記コイルは、電気入力を有する、往復運動リニアモータと、
前記コイルの前記電気入力に結合されている電気出力と原型電気波形が記憶されている記憶システムとを有するコントローラシステムと
を備え、
前記コントローラシステムは、前記電気出力において電気波形を定義する波形プログラムを実行するように構成されており、
前記波形プログラムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能なパラメータの組のユーザ提供値を受け入れるように構成されており、前記波形プログラムは、そのようなパラメータのための前記ユーザ提供値に応答して、前記記憶システムから前記原型電気波形を読み取り、振幅、周波数、形状、および、これらの組み合わせから成る群から選択される特徴に関して前記原型電気波形を修正することによって、前記電気出力において前記電気波形を生成するようにさらに構成されている、パルス状流体ポンプシステム。
【請求項2】
前記パルス状流体ポンプシステムは、前記コントローラシステムに結合されているグラフィックディスプレイをさらに備え、前記コントローラシステムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組を示すことを前記グラフィックディスプレイに行わせるように構成されているグラフィックプログラムを実行する、請求項1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項3】
前記パルス状流体ポンプシステムは、一体型ポンプアセンブリを含む流体経路に機械的に結合されている流動センサをさらに備え、前記流動センサは、前記コントローラシステムに結合されている電気出力を有し、前記コントローラシステムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組の値物理的流動特性の組の値を含むアイテムの組を示すことを前記グラフィックディスプレイに行わせるように構成されているグラフィックプログラムを実行する、請求項2に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項4】
前記示されるアイテムの組は、ほぼリアルタイム瞬間流量波形を含む、請求項3に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項5】
前記示されるアイテムの組は、ほぼリアルタイム瞬間拍出体積波形を含む、請求項3に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項6】
前記波形プログラムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組に応答する様式で、多区分多項式スプラインアルゴリズムを繰り返し実行することによって、前記電気出力において前記電気波形を生成するように構成されている、請求項1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項7】
前記パルス状流体ポンプシステムは、前記コントローラシステムに電気的に結合されているセンサの組をさらに備え、前記センサの組は、圧送性能に対応するセンサ出力の組を生成するように構成されており、前記波形プログラムは、前記センサ出力の組ユーザ規定可能パラメータの組に応答する様式で、前記電気出力において前記電気波形を生成するように構成されている、請求項1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項8】
前記パルス状流体ポンプシステムのユーザは、波形プログラムの組から選定することが可能である、請求項1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【請求項9】
前記グラフィックディスプレイは、タッチセンサ式である、請求項2に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、同日に出願され、弁理士整理番号第4747/1001号、第4747/1002号、第4747/1003号、および第4747/1004号をもつ4つの出願のうちの1つである。本願以外のこれらの関連出願の各々は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、パルス状流体ポンプに関し、より具体的に、血液を圧送するために好適なパルス状流体ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
パルス状流体ポンプは、本発明の共同発明者であるDouglas VincentおよびMatthew Murphyの発明に関する米国特許第7,850,593号(特許文献1)(「本発明者らの先行する特許」)において教示されている。本発明者らの先行する特許は、可撓性膜の往復運動を引き起こすように構成されるリニアモータによって作動されるポンプを開示し、ポンプは、流体筐体の壁としての役割を果たし、次に、パルス状流体流を実装するような様式において対の球状弁に結合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,850,593号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると、流体ポンプアセンブリを駆動するためのパルス状流体ポンプシステムは、磁石およびコイルを有する往復運動リニアモータを含み、磁石は、コイルと関連して移動し、コイルは、電気入力を有する。パルス状流体ポンプシステムは、コイルの電気入力に結合された電気出力を有するコントローラシステムをさらに含み、コントローラシステムは、電気出力において電気波形を定義する波形プログラムを実行するように構成されている。波形プログラムは、電気出力において電気波形の振幅、周波数、形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される特徴の修正によって、リニアモータの動作を制御するように構成されている。波形プログラムは、リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組を受け入れ、そのようなパラメータに応答して、電気波形を修正するようにさらに構成されている。
【0006】
代替として、または、加えて、パルス状流体ポンプシステムは、コントローラシステムに結合されたグラフィックディスプレイをさらに含み、コントローラシステムは、グラフィックディスプレイに、リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組を示させるように構成されたグラフィックプログラムを実行する。
【0007】
代替として、または、加えて、パルス状流体ポンプシステムは、一体型ポンプアセンブリを含む流体経路に機械的に結合された流動センサをさらに含み、流動センサは、コントローラシステムに結合された電気出力を有し、コントローラシステムは、グラフィックディスプレイに、リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組の値および物理的流動特性の組の値を含むアイテムの組を示させるように構成されたグラフィックプログラムを実行している。
【0008】
また、代替として、または、加えて、示されるアイテムの組は、ほぼリアルタイムにおける瞬間流量波形を含む。代替として、または、加えて、示されるアイテムの組は、ほぼリアルタイムにおける瞬間拍出体積波形を含む。
【0009】
また、代替として、または、加えて、波形プログラムは、リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組に応答する様式において、多区分多項式スプラインアルゴリズムを繰り返し実施することによって、電気出力において電気波形を発生させるように構成されている。
【0010】
関連する実施形態では、コントローラシステムは、原型電気波形が記憶された記憶システムを有し、波形プログラムは、電気出力において電気波形を発生させるために、記憶システムから原型電気波形を読み取り、リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組に基づいて、原型電気波形を修正する。
【0011】
代替として、または、加えて、パルス状流体ポンプシステムは、コントローラシステムに電気的に結合され、圧送性能に対応するセンサ出力の組を生成するように構成されたセンサの組をさらに含む。波形プログラムは、センサ出力の組およびユーザ規定可能パラメータの組に応答する様式において、電気出力において電気波形を発生させるように構成されている。
【0012】
また、代替として、または、加えて、パルス状流体ポンプシステムのユーザは、波形プログラムの組から選定し得る。代替として、または、加えて、グラフィックディスプレイは、タッチセンサ式である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
流体ポンプアセンブリを駆動するためのパルス状流体ポンプシステムであって、前記パルス状流体ポンプシステムは、
磁石およびコイルを有する往復運動リニアモータであって、前記磁石は、前記コイルと関連して移動し、前記コイルは、電気入力を有する、往復運動リニアモータと、
前記コイルの前記電気入力に結合された電気出力を有するコントローラシステムと
を備え、
前記コントローラシステムは、前記電気出力において電気波形を定義する波形プログラムを実行するように構成され、
前記波形プログラムは、前記電気出力における前記電気波形の振幅、周波数、形状、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される特徴の修正によって、前記リニアモータの動作を制御するように構成され、前記波形プログラムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組を受け入れ、そのようなパラメータに応答して、前記電気波形を修正するように構成されている、パルス状流体ポンプシステム。
(項目2)
前記コントローラシステムに結合されたグラフィックディスプレイをさらに備え、前記コントローラシステムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組を前記グラフィックディスプレイに示させるように構成されたグラフィックプログラムを実行する、項目1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目3)
前記一体型ポンプアセンブリを含む流体経路に機械的に結合された流動センサをさらに備え、前記流動センサは、前記コントローラシステムに結合された電気出力を有し、前記コントローラシステムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組の値および物理的流動特性の組の値を含むアイテムの組を前記グラフィックディスプレイに示させるように構成されたグラフィックプログラムを実行する、項目2に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目4)
前記示されるアイテムの組は、ほぼリアルタイムにおける瞬間流量波形を含む、項目3に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目5)
前記示されるアイテムの組は、ほぼリアルタイムにおける瞬間拍出体積波形を含む、項目3に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目6)
前記波形プログラムは、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組に応答する様式において、多区分多項式スプラインアルゴリズムを繰り返し実施することによって、前記電気出力において前記電気波形を発生させるように構成されている、項目1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目7)
前記コントローラシステムは、原型電気波形が記憶された記憶システムを有し、前記波形プログラムは、前記記憶システムから前記原型電気波形を読み取り、前記リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの組に基づいて前記原型電気波形を修正し、前記電気出力において前記電気波形を発生させる、項目1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目8)
前記コントローラシステムに電気的に結合されたセンサの組をさらに備え、前記センサの組は、圧送性能に対応するセンサ出力の組を生成するように構成され、前記波形プログラムは、前記センサ出力の組およびユーザ規定可能パラメータの組に応答する様式において、前記電気出力において前記電気波形を発生させるように構成されている、項目1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目9)
前記パルス状流体ポンプシステムのユーザは、波形プログラムの組から選定可能である、項目1に記載のパルス状流体ポンプシステム。
(項目10)
前記グラフィックディスプレイは、タッチセンサ式である、項目2に記載のパルス状流体ポンプシステム。
【図面の簡単な説明】
【0013】
実施形態の前述の特徴は、付随の図面を参照して解釈される以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【0014】
図1図1は、パルス状流体ポンプシステム301の垂直断面であり、コントローラシステム311、電力増幅器321、リニアモータ330(コイル332、冷却フィン334、および磁石339)、プッシュロッドアセンブリ341、可撓性シール351、制御筐体361、および一体型ポンプアセンブリ200を示す。
【0015】
図2図2は、タッチセンサ式グラフィックディスプレイ400のユーザインターフェースの例であり、ユーザ規定可能モータパラメータ401、流動特性411、およびユーザ規定可能入力パラメータ421を示す。
【0016】
図3図3は、プッシュロッドアセンブリ341の垂直断面である。
【0017】
図4図4は、リニアモータ330の垂直断面である。
【0018】
図5図5は、波形プログラムを説明する、ブロック図である。
【0019】
図6図6は、波形プログラム511の第1の実施形態511aを説明するブロック図である。
【0020】
図7図7は、波形プログラム511の第2の実施形態511bを説明するブロック図である。
【0021】
図8図8は、グラフィックプログラム611を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義。本説明および付随の請求項内で使用されるように、以下の用語は、文脈上別様に要求されない限り、示される意味を有するものとする。
「組」は、少なくとも1つの部材を含む。
「電気波形」は、電流波形、電圧波形、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される波形である。
用語「ユーザ規定可能入力パラメータ」は、流動下限421a、流動上限421b、および本体表面積421c(BSA)、および前述の属性のいずれかの組み合わせ等、ユーザインターフェースのための警告設定または計算と関連するユーザ定義可能属性を含む。
圧送の過程における用語「リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータ」は、拍出強度401a、拍動率401b、流量、平均流量、拍出体積、流動指数、パルス圧、出力圧力、磁石変位、および前述の属性のいずれかの組み合わせ等、モータ性能属性を含む。
用語「物理的流動特性」は、拍出強度、拍動率、流量、平均流量411a、拍出体積411b、流動指数411c、パルス圧、流量波形412、拍出体積波形413、(例えば、タイマ414によって測定される)ポンプが起動している持続時間、および前述の属性のいずれかの組み合わせ等、測定された属性を含む。ある属性が本発明の所与の実施形態においてユーザ規定されたものである場合、その属性の測定は、その値が規定されているので、補助的に重要である。同様に、測定されているある属性が本発明の所与の実施形態において主要な重要性を有する場合、パラメータは、ユーザ規定されたものではないであろう。
【0023】
図1は、パルス状流体ポンプシステム301の垂直断面であり、コントローラシステム311(電気出力311bを伴う);電力増幅器321(電気入力321aおよび電気出力321bを伴う);([電気入力332aを伴う]コイル332、フレーム333、および冷却フィン334を含む静止部材331と、図4のばね338、および磁石339を含む移動部材とから成る)リニアモータ330;位置センサ371;プッシュロッドアセンブリ341(プッシュロッド342および力センサ372から成る);可撓性シール351;制御筐体361;および、シャーシ363を示す。一体型ポンプアセンブリ200(チャンバ102を伴うポンプ弁調節アセンブリ101、ダイヤフラムアセンブリ201、および周辺フランジ221aから成る)は、周辺フランジ221a、およびチャネル362内のコンプライアント部材(図示せず)によって制御筐体361内に保持される(これらの図では、同様の付番されたアイテムは、異なる図にわたって類似する構成要素に対応する)。
【0024】
図2は、タッチセンサ式グラフィックディスプレイ400のユーザインターフェースの例であり、ユーザ規定可能モータパラメータ401を示す。このインターフェースに、拍出強度401aおよび拍動率401bのパラメータが、現れている。これらのパラメータは、リニアモータの性能を定義するユーザ規定可能パラメータの一部である。加えて、本インターフェースに、流動特性411(平均流量411a、拍出体積411b、流動指数411c)、流量波形412、拍出体積波形413、およびタイマ414が、現れている。これらの流動ベースの属性は、物理的流動特性の一部である。加えて、ユーザインターフェースは、ユーザ規定可能入力421(流動下限421a、流動上限421b、および本体表面積421c)を表示する。
【0025】
図3は、プッシュロッド342および力センサ372から成るプッシュロッドアセンブリ341の垂直断面である。
【0026】
図4は、リニアモータ330の垂直断面であり、電気入力332aを伴うコイル332、フレーム333、磁石センタリングバネ338、および磁石339を示す。モータの他の構成要素および詳細は、図1に提供される。
【0027】
図5では、波形プログラム511は、コントローラシステム311のマイクロプロセッサ311cによって実行されるコンピュータプログラムであり、波形プログラム511は、は、センサの組370(図1の位置センサ371、図1および3の力センサ372、および図8の外部流動センサ373を含む)からの入力、圧送の過程におけるリニアモータ330の性能を定義するユーザ規定可能モータパラメータの組401(拍出強度401aおよび拍動率401b)を受け入れる。加えて、図5は、ユーザ規定可能入力パラメータの組421(流動下限421a、流動上限421b、および本体表面積421c)を示す。波形プログラム511は、電気出力311bにおいて、電気波形512(すなわち、アルゴリズムの組513の結果)を出力する。電気出力311bは、リニアモータ330の電気入力332aに結合されている。
【0028】
パルス状ポンプの望ましい特性が、十分な血液動態エネルギーおよび人間に近い波形アーキテクチャの両方を含むべきであるという総意が高まりつつある。パルス状流動を評価するために、本発明者らは、最良モデルとして、ヒトの心臓を選定し、最良モデルは、各拍出の最後における生理的安静を伴う自然なリズムにおいて適切な拍出体積を送達することと、拍出体積および拍動率の積として心拍出力を調節することによって患者の生理的要求に適合させることとを行う。左心室を介して、ヒトの心臓は、血液動態エネルギーを提供し、結果として、弾性的な動脈樹を通して完全に伝搬する、圧力波をもたらす。生体模倣時間フレームにおいて送達される生体模倣拍出体積(心臓によって生成される自然な収縮期の収縮のような)のみが、弾性的な動脈樹が拡張期位相中に適切に弛むことを可能にすると考えられる。持続的な流動デバイスの使用は、弾性的な動脈壁を引き延ばすが、適切な弛緩を可能にすることは決してなく、内皮細胞上に一定かつ異常な応力を生成し、自然な圧受容器の交感神経および副交感神経のシグナル伝達に干渉し、したがって、身体の恒常的制御状態を妨害する。
【0029】
波形プログラム511は、ユーザ規定された拍動率401bにおいて、生理的な自然なリズムにおいて、ポンプチャンバ102の拍出体積の必要とされる割合の送達を引き起こすことによって、ユーザ規定された拍出強度401aに比例した生理的血液動態エネルギーを送達するためのヒトの心臓の左心室の能力をパルス状流体ポンプシステム301に再現させる。患者の生理的要求を満たすために、拍出強度401a(拍出体積の間接的な規定)および拍動率401bを調節するのは、パルス状流体ポンプシステム301のユーザ(灌流技師)である。さらに、波形プログラム511は、各拍出の最後における生理的安静を再現し、それによって、動脈樹の自然な弛緩を可能にする。
【0030】
本発明の種々の実施形態によるパルス状ポンプの構造は、ヒトの心臓の属性を有用に反映することができる。ヒトの心臓は、前負荷敏感性であり、心臓は、血液を左心室の中に「引っ張り込む」ことができず、ヒトの心臓は、利用可能な血液が心室の中に自然に流動することのみを可能にすることができる。ヒトの心臓は、それが下流の血管系におけるコンプライアンスおよび抵抗に応答し、血管系を損傷し得る過剰な力を血液に及ぼさないという点において、後負荷敏感性でもある。最後に、左心室は、それが収縮するときに心室内に存在しない血液を送達することができず、それが送達することができる血液のボーラスは、限定される。
【0031】
パルス状流体ポンプシステム301は、類似した固有の安全性の属性を有し:それは、前負荷および後負荷敏感性であり、パルス状流体ポンプシステム301は、それが送達できる血液の体積およびそれが血液のボーラスを送達できる力の両方において限定される。充填するとき、パルス状流体ポンプシステム301は、静脈内リザーバからの重力充填を可能にし、最小限の陰圧を及ぼす。空にされているとき、リニアモータ330は、発生させることができる力において、その設計によって本質的に限定される。したがって、それは、下流の管類または血管系に過度の圧力をかけることができず;代わりに、ポンプチャンバ102内の血液の体積より少ない量を送達し、それによって、血管系が受け取ることができる体積と同程度の量のみを送達する。
【0032】
一体型ポンプアセンブリ200は、ヒトの心臓の左心室と似ており、本明細書の種々の実施形態において使用される流入口球状逆止弁アセンブリは、僧帽弁と似ており、本明細書の種々の実施形態において使用される流出口球状逆止弁アセンブリは、大動脈弁と似ている。ヒトの心臓と同様、流入口および流出口球状逆止弁アセンブリは、受動的であり、閉鎖するために、流動のわずかな逆行を要求する。この流動のわずかな逆行は、ヒトの心臓の大動脈弁が閉鎖するときに生じる、わずかな逆行を模倣する。
【0033】
図6に示される、本発明の一実施形態では、波形プログラム511aは、コントローラシステム311のマイクロプロセッサ311cによって実行されるコンピュータプログラムであり、波形プログラム511aは、は、センサの組370、ユーザ規定可能モータパラメータの組401、およびユーザ規定可能入力パラメータの組421からの入力を受け入れる。波形プログラム511aは、本発明のパルス状流体ポンプシステム301の実施形態のために適切であると実験的に決定されている波形をシミュレートするように構成されている。波形プログラム511aは、多区分多項式スプラインアルゴリズム513aを繰り返し実施することによって、実験的に決定された波形をシミュレートし、結果として生じる波形は、リニアモータ330を駆動するために使用される。ユーザがユーザ規定可能モータパラメータ401のうちの1つを変更する場合、波形プログラム511aは、新しい電気波形512bを生成するために、ユーザ規定可能モータパラメータの組401、0個以上の流動特性411、0個以上のユーザ規定可能入力パラメータ421、および現在の電気波形512aとともに、センサの組370から現在および/または以前の値の0個以上のものを使用する。波形プログラム511aは、電気出力311bにおいて、定義済みの持続時間での別々の出力電圧から成る新しい電気波形512bを出力する。電気出力311bは、リニアモータ330の電気入力332aに結合される。
【0034】
図7に示される、本発明の別の実施形態では、波形プログラム511bは、コントローラシステム311のマイクロプロセッサ311cによって実行されるコンピュータプログラムであり、波形プログラム511bは、センサの組370、ユーザ規定可能モータパラメータの組401、およびユーザ規定可能入力パラメータの組421からの入力を受け入れる。波形プログラム511bは、コントローラシステム311内に電子的に記憶された原型電気波形512cを読み取る。波形プログラム511bは、次いで、アルゴリズム513bを使用し、原型電気波形512cを調節する。アルゴリズム513bは、ユーザ規定可能モータパラメータの組401、0個以上の流動特性411、0個以上のユーザ規定可能入力パラメータ421、および現在の電気波形512aとともに、センサの組370の現在および/または以前の値の0個以上のものを使用して、原型電気波形512cから新しい電気波形512bを生成する。波形プログラム511bは、電気出力311bにおいて、定義済みの持続時間における別々の出力電圧から成る新しい電気波形512bを出力する。電気出力311bは、リニアモータ330の電気入力332aに結合される。
【0035】
図8では、グラフィックプログラム611は、コントローラシステム311によって実行されるコンピュータプログラムであり、それは、ユーザ規定可能モータパラメータ401およびユーザ規定可能入力パラメータ421を受け入れる。グラフィックプログラム611は、ユーザ規定可能モータパラメータの現在の値の組401、流動特性の組411、およびユーザ規定可能入力パラメータの組421がグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。
【0036】
拍出強度401a値が、0から正の値に遷移するとき、グラフィックプログラム611は、タイマ414を0に設定し、リアルタイムで、タイマ414を増やし、毎秒ごとに、更新されたタイマ414の値がグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。拍出強度401a値が、正の値から0に遷移するとき、グラフィックプログラム611は、タイマ414を増やすことを停止し、タイマ414の最新の値がグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。
【0037】
グラフィックプログラム611は、流動センサ373からの入力を受け入れ、平均流量411aを計算し、平均流量411aがグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。グラフィックプログラム611はまた、ほぼリアルタイムで、流量波形412としての瞬間流量がグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。
【0038】
グラフィックプログラム611は、流動センサ373からのデータを使用し、平均拍出体積411bを計算し、平均拍出体積411bがグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。グラフィックプログラム611は、ほぼリアルタイムで、所与の拍出に関する現在送達されている流体の総体積もグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。所与の拍出に関する現在送達されている流体の体積は、拍出体積波形413としての瞬間流動の積分であり、流量波形412の下に網掛けされたエリアとして表示される。
【0039】
グラフィックプログラム611は、本体表面積421cの入力を受け入れ、本体表面積421cによって除算される平均流量411aとしての流動指数411cを計算する。グラフィックプログラム611は、本体表面積421cおよび計算された流動指数411cがグラフィックディスプレイ400上にさらに示されるようにする。
【0040】
グラフィックプログラム611は、流動下限421aおよび流動上限421bの入力を受け入れ、流動下限421aおよび流動上限421bの設定がグラフィックディスプレイ400上に示されるようにする。
【0041】
上記に説明される本発明の実施形態は、単に例示的であることが意図され、多数の変形例および修正が、当業者には明白であろう。全てのそのような変形例および修正は、任意の添付の請求項において定義されるように、本発明の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8