(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-20
(45)【発行日】2025-01-06
(54)【発明の名称】撮像光学レンズ
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20241223BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20241223BHJP
【FI】
G02B13/04
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2024001915
(22)【出願日】2024-01-10
【審査請求日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】202311218788.9
(32)【優先日】2023-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320011719
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス (ソシュウ) カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ハン▼
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲順▼▲達▼
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106597642(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0196986(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0285310(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0212836(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像光学レンズであって、
物体側から像側へ順に、
負の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ、
正の屈折力を有する第3レンズ、
負の屈折力を有する第4レンズ、
正の屈折力を有する第5レンズ、第6レンズおよび
正の屈折力を有する第7レンズによって構成され、
前記第3レンズの像側面から前記第4レンズの物体側面までの軸上距離をd6、前記撮像光学レンズの光学長をTTL、前記撮像光学レンズの画角をFOV、前記撮像光学レンズの対角線方向の全視野像高をIH、前記撮像光学レンズの焦点距離をf、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側面の中心曲率半径をR4
、前記第1レンズの屈折率をn1としたときに、以下の条件式(1)~(
5)を満たす、ことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.06≦d6/TTL≦0.20 (1)
90.00≦(FOV×f)/IH≦140.00 (2)
1.00≦f3/f≦5.00 (3)
1.00≦R4/R3≦15.00 (4)
1.70≦n1≦2.10 (5)
【請求項2】
撮像光学レンズであって、
物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ、第2レンズ、正の屈折力を有する第3レンズ、負の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、第6レンズおよび正の屈折力を有する第7レンズによって構成され、
前記第3レンズの像側面から前記第4レンズの物体側面までの軸上距離をd6、前記撮像光学レンズの光学長をTTL、前記撮像光学レンズの画角をFOV、前記撮像光学レンズの対角線方向の全視野像高をIH、前記撮像光学レンズの焦点距離をf、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側面の中心曲率半径をR4、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記第3レンズの軸上厚みをd5としたときに、以下の条件式(1)~(4)及び(7)を満たす、ことを特徴とする撮像光学レンズ。
0.06≦d6/TTL≦0.20 (1)
90.00≦(FOV×f)/IH≦140.00 (2)
1.00≦f3/f≦5.00 (3)
1.00≦R4/R3≦15.00 (4)
1.20≦d3/d5≦5.00 (7)
【請求項3】
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第5レンズの焦点距離をf5としたときに、以下の条件式(6)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
―4.00≦f4/f5≦―0.60 (6)
【請求項4】
前記第1レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の中心曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1としたときに、以下の条件式(8)~(10)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮影光学レンズ。
―4.50≦f1/f≦―1.40 (8)
0.24≦(R1+R2)/(R1―R2)≦2.57 (9)
0.03≦d1/TTL≦0.20 (10)
【請求項5】
前記第2レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、前記第2レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第2レンズの軸上厚みをd3としたときに、以下の条件式(11)と(12)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮影光学レンズ。
―13.03≦f2/f≦18.87 (11)
0.09≦d3/TTL≦0.20 (12)
【請求項6】
前記第3レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、
前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径をR5、前記第3レンズの像側面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5としたときに、以下の条件式(13)と(14)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
―2.06≦(R5+R6)/(R5―R6)≦―0.30 (13)
0.03≦d5/TTL≦0.09 (14)
【請求項7】
前記第4レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側面の中心曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7としたときに、以下の条件式(15)~(17)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
―6.91≦f4/f≦―1.58 (15)
―7.81≦(R7+R8)/(R7―R8)≦―0.07 (16)
0.01≦d7/TTL≦0.04 (17)
【請求項8】
前記第5レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、
前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズの像側面の中心曲率半径をR10、前記第5レンズの軸上厚みをd9としたときに、以下の条件式(18)~(20)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
1.70≦f5/f≦3.63 (18)
―2.38≦(R9+R10)/(R9―R10)≦―0.34 (19)
0.03≦d9/TTL≦0.15 (20)
【請求項9】
前記第6レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第6レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径をR11、前記第6レンズの像側面の中心曲率半径をR12、前記第6レンズの軸上厚みをd11としたときに、以下の条件式(21)~(23)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
―20.00≦f6/f≦49.00 (21)
―70.00≦(R11+R12)/(R11―R12)≦11.35 (22)
0.02≦d11/TTL≦0.07 (23)
【請求項10】
前記第7レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第7レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第7レンズの焦点距離をf7、前記第7レンズの物体側面の中心曲率半径をR13、前記第7レンズの像側面の中心曲率半径をR14、前記第7レンズの軸上厚みをd13としたときに、以下の条件式(24)~(26)を満たす、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
4.60≦f7/f≦70.00 (24)
―17.00≦(R13+R14)/(R13―R14)≦39.00 (25)
0.04≦d13/TTL≦0.25 (26)
【請求項11】
前記第1レンズ及び/又は前記第2レンズ及び/又は前記第3レンズ及び/又は前記第4レンズ及び/又は前記第5レンズ及び/又は前記第6レンズ及び/又は前記第7レンズは、ガラス材質である、ことを特徴とする請求項1
または2に記載の撮像光学レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特にスマートフォン、デジタルカメラなどの携帯端末装置と、レーザレーダ装置と、モニタ、PCレンズなどの撮像装置とに適用される撮像光学レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影レンズの小型化の要求が高まっている。例えば、インテリジェント探知技術の推進の下で、レーザレーダに基づく3D空間探知技術が盛んに発展している。レーザレーダレンズは、探知精度が高く、耐干渉能力が強く、カバー範囲が遠く、適用範囲が広いなどのメリットがあるため、軍用及び民間分野に応用されている。但し、撮影レンズの感光素子は、感光結合素子(Charge Coupled Device、CCD)又は相補型金属酸化物半導体素子(Complementary Metal―Oxide Semiconductor Sensor、CMOS Sensor)という2種類しかなく、且つ半導体製造プロセス技術の進歩により、感光素子の画素サイズが縮小させ、良好な結像品質を有する小型化撮像レンズが現在の市場の主流となっている。また、技術の発展及びユーザの多様化のニーズの増加に伴い、感光素子の画素面積が縮小しつつあり、且つ結像品質に対するシステムからの要求が高くなってきている場合には、5枚式、6枚式、7枚式のレンズ構成が徐々にレンズの設計に現れている。優れた光学特性、大口径、極薄の広角化撮像光学レンズの需要が緊迫化している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、高結像性能を得るとともに、大口径、極薄化及び広角化の要求を満たす撮像光学レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術課題を解決するために、本発明の実施形態は、撮像光学レンズを提供する。
当該撮像光学レンズは、物体側から像側へ順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズおよび第7レンズによって構成され、
前記第3レンズの像側面から前記第4レンズの物体側面までの軸上距離をd6、前記撮像光学レンズの光学長をTTL、前記撮像光学レンズの画角をFOV、前記撮像光学レンズの対角線方向の全視野像高をIH、前記撮像光学レンズの焦点距離をf、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第2レンズの物体側面の中心曲率半径をR3、前記第2レンズの像側面の中心曲率半径をR4としたときに、以下の条件式(1)~(4)を満たす。
0.06≦d6/TTL≦0.20 (1)
90.00≦(FOV×f)/IH≦140.00 (2)
1.00≦f3/f≦5.00 (3)
1.00≦R4/R3≦15.00 (4)
【0005】
好ましくは、前記第1レンズの屈折率をn1としたときに、以下の条件式(5)を満たす。
1.70≦n1≦2.10 (5)
【0006】
好ましくは、前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第5レンズの焦点距離をf5としたときに、以下の条件式(6)を満たす。
―4.00≦f4/f5≦―0.60 (6)
【0007】
好ましくは、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記第3レンズの軸上厚みをd5としたときに、以下の条件式(7)を満たす。
1.20≦d3/d5≦5.00 (7)
【0008】
好ましくは、前記第1レンズは、負の屈折力を有し、前記第1レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第1レンズの物体側面の中心曲率半径をR1、前記第1レンズの像側面の中心曲率半径をR2、前記第1レンズの軸上厚みをd1としたときに、以下の条件式(8)~(10)を満たす。
―4.50≦f1/f≦―1.40 (8)
0.24≦(R1+R2)/(R1―R2)≦2.57 (9)
0.03≦d1/TTL≦0.20 (10)
【0009】
好ましくは、前記第2レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、前記第2レンズの像側面は、近軸において凸面であり、
前記第2レンズの焦点距離をf2、前記第2レンズの軸上厚みをd3としたときに、以下の条件式(11)と(12)を満たす。
―13.03≦f2/f≦18.87 (11)
0.09≦d3/TTL≦0.20 (12)
【0010】
好ましくは、前記第3レンズは、正の屈折力を有し、前記第3レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、
前記第3レンズの物体側面の中心曲率半径をR5、前記第3レンズの像側面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズの軸上厚みをd5としたときに、以下の条件式(13)と(14)を満たす。
―2.06≦(R5+R6)/(R5―R6)≦―0.30 (13)
0.03≦d5/TTL≦0.09 (14)
【0011】
好ましくは、前記第4レンズは、負の屈折力を有し、前記第4レンズの物体側面は、近軸において凹面であり、
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの物体側面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側面の中心曲率半径をR8、前記第4レンズの軸上厚みをd7としたときに、以下の条件式(15)~(17)を満たす。
―6.91≦f4/f≦―1.58 (15)
―7.81≦(R7+R8)/(R7―R8)≦―0.07 (16)
0.01≦d7/TTL≦0.04 (17)
【0012】
好ましくは、前記第5レンズは、正の屈折力を有し、前記第5レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、
前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの物体側面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズの像側面の中心曲率半径をR10、前記第5レンズの軸上厚みをd9としたときに、以下の条件式(18)~(20)を満たす。
1.70≦f5/f≦3.63 (18)
―2.38≦(R9+R10)/(R9―R10)≦―0.34 (19)
0.03≦d9/TTL≦0.15 (20)
【0013】
好ましくは、前記第6レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第6レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの物体側面の中心曲率半径をR11、前記第6レンズの像側面の中心曲率半径をR12、前記第6レンズの軸上厚みをd11としたときに、以下の条件式(21)~(23)を満たす。
―20.00≦f6/f≦49.00 (21)
―70.00≦(R11+R12)/(R11―R12)≦11.35 (22)
0.02≦d11/TTL≦0.07 (23)
【0014】
好ましくは、前記第7レンズは、正の屈折力を有し、前記第7レンズの物体側面は、近軸において凸面であり、前記第7レンズの像側面は、近軸において凹面であり、
前記第7レンズの焦点距離をf7、前記第7レンズの物体側面の中心曲率半径をR13、前記第7レンズの像側面の中心曲率半径をR14、前記第7レンズの軸上厚みをd13としたときに、以下の条件式(24)~(26)を満たす。
4.60≦f7/f≦70.00 (24)
―17.00≦(R13+R14)/(R13―R14)≦39.00 (25)
0.04≦d13/TTL≦0.25 (26)
【0015】
好ましくは、前記第1レンズ及び/又は前記第2レンズ及び/又は前記第3レンズ及び/又は前記第4レンズ及び/又は前記第5レンズ及び/又は前記第6レンズ及び/又は前記第7レンズは、ガラス材質である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。本発明に係る撮像光学レンズは、優れた光学特性を有し、大口径、極薄化及び広角化の要求を満たし、特に高画素用のCCD、CMOS等の撮像素子により構成された携帯電話の撮像レンズユニット、WEB撮像レンズ及びレーザーレーダーレンズに適用される。
【0017】
本発明の実施形態の技術案をより明確に説明するために、以下に実施形態に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図3】
図1に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図4】
図1に示す撮像光学レンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズの構成を示す模式図である。
【
図6】
図5に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図7】
図5に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図8】
図5に示す撮像光学レンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズの構成を示す模式図である。
【
図10】
図9に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図11】
図9に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図12】
図9に示す撮像光学レンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズの構成を示す模式図である。
【
図14】
図13に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図15】
図13に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図16】
図13に示す撮像光学レンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図17】本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズの構成を示す模式図である。
【
図18】
図17に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図19】
図17に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図20】
図17に示す撮像光学レンズの軸上色収差を示す模式図である。
【
図21】本発明の比較例に係る撮像光学レンズの構成を示す模式図である。
【
図22】
図21に示す撮像光学レンズの像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
【
図23】
図21に示す撮像光学レンズの倍率色収差を示す模式図である。
【
図24】
図21に示す撮像光学レンズの軸上色収差を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、解決手段およびメリットがより明瞭になるように、以下では、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の各実施形態において本発明をより良好に理解するために多くの技術的詳細を述べることは、当業者に理解され得る。しかし、これらの技術的詳細および以下の各実施形態に基づく様々な変更および修正がなくても、本発明が保護請求する技術案も実現できる。
【0020】
(第1実施形態)
図面を参照すると、本発明は、撮影光学レンズ10を提供する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮影光学レンズ10を示し、当該撮影光学レンズ10は、7つのレンズを備える。具体的には、当該撮像光学レンズ10は、物体側から像側へ順に、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞りS1、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6及び第7レンズL7によって構成される。第7レンズL7と像面Siとの間に光学フィルタ(filter)GFなどの光学素子が設けられてもよい。
【0021】
本実施形態において、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6及び第7レンズL7は、いずれもガラス材質である。
【0022】
第1レンズL1は、球面レンズであり、第2レンズL2は、球面レンズであり、第3レンズL3は、球面レンズであり、第4レンズL4は、球面レンズであり、第5レンズL5は、球面レンズであり、第6レンズL6は、非球面レンズであり、第7レンズL7は、非球面レンズである。
【0023】
本実施形態において、第3レンズL3の像側面から第4レンズL4の物体側面までの軸上距離をd6、撮像光学レンズ10の光学長をTTLとして定義すると、条件式0.06≦d6/TTL≦0.20を満たす。この条件式は、第3レンズL3の像側面から第4レンズL4の物体側面までの軸上距離d6と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、規定の範囲内にある場合、絞りにおける2つのレンズ(第3レンズL3と第4レンズL4)の間隔が大きく、平坦に遷移することができ、画質の向上に有利である。
【0024】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の画角をFOV、撮像光学レンズ10の像高をIH、撮像光学レンズ10の焦点距離をfとして定義すると、条件式90.00≦(FOV×f)/IH≦140.00を満たす。この条件式は、撮像光学レンズ10の画角FOV及び撮像光学レンズ10の焦点距離fの積と、撮像光学レンズ10の像高IHとの比を規定し、規定の範囲内にある場合、大画角と長焦点とを持ち兼ね、中遠距離結像を実現できる。好ましくは、レンズが広角化の要求を満たすように、条件式FOV≧70.00を満たす。
【0025】
本実施形態において、第3レンズL3の焦点距離をf3として定義すると、条件式1.00≦f3/f≦5.00を満たす。この条件式は、第3レンズL3の焦点距離f3と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、単レンズの焦点距離値を制御し、規定の範囲内にある場合、焦点距離を合理的に分配することができ、温度ドリフトの制御に有利であり、温度性能が良い。
【0026】
本実施形態において、第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径をR3、第2レンズL2の像側面の中心曲率半径をR4として定義すると、条件式1.00≦R4/R3≦15.00を満たす。この条件式は、第2レンズL2の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0027】
本発明の撮像光学レンズ10の画角、撮像光学レンズ10の像高、撮像光学レンズ10の光学長、撮像光学レンズ10の焦点距離、関連するレンズの焦点距離、関連するレンズの厚み、関連するレンズの物体側面の中心曲率半径及び像側面の中心曲率半径が上記条件式を満たす場合には、撮像光学レンズ10が大口径、極薄化及び広角化を満たすとともに、良好な光学性能を有することができる。
【0028】
本実施形態において、第1レンズL1の屈折率をn1として定義すると、条件式1.70≦n1≦2.10を満たし、第1レンズL1は、高屈折率材料を選択して採用することが好ましく、先端口径を小さくすることと、結像品質を向上させることとに有利である。
【0029】
本実施形態において、第4レンズL4の焦点距離をf4、第5レンズL5の焦点距離をf5として定義すると、条件式―4.00≦f4/f5≦―0.60を満たす。この条件式は、第4レンズL4の焦点距離f4と第5レンズL5の焦点距離f5との比を規定し、規定の範囲内にある場合、第4レンズL4の焦点距離の値と第5レンズL5の焦点距離の値とが接近し、光線の緩やかな遷移に有利であり、画質を向上させる。
【0030】
本実施形態において、第2レンズL2の軸上厚みをd3、第3レンズL3の軸上厚みをd5として定義すると、条件式1.20≦d3/d5≦5.00を満たす。この条件式は、第2レンズL2の軸上厚みd3と第3レンズL3の軸上厚みd5との比を規定し、規定の範囲内にある場合、レンズの広角化に有利である。
【0031】
本実施形態では、第1レンズL1は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凹面であり、第1レンズL1は、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第1レンズL1の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第1レンズL1は、正の屈折力を有してもよい。
【0032】
本実施形態において、第1レンズL1の焦点距離をf1として定義すると、条件式―4.50≦f1/f≦―1.40を満たす。この条件式は、第1レンズL1の焦点距離f1と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、屈折力を適切に配分することにより、レンズが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0033】
本実施形態において、第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径をR1、第1レンズL1の像側面の中心曲率半径をR2として定義すると、条件式0.24≦(R1+R2)/(R1―R2)≦2.57を満たす。この条件式は、第1レンズL1の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0034】
本実施形態において、第1レンズL1の軸上厚みをd1として定義すると、条件式0.03≦d1/TTL≦0.20を満たす。この条件式は、第1レンズL1の軸上厚みd1と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0035】
本実施形態において、第2レンズL2は、物体側面が近軸において凹面であり、像側面が近軸において凸面であり、第2レンズL2は、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第2レンズL2の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第2レンズL2は、正の屈折力を有してもよい。
【0036】
本実施形態において、第2レンズL2の焦点距離をf2として定義すると、条件式―13.03≦f2/f≦18.87を満たす。この条件式は、第2レンズL2の焦点距離f2と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、屈折力を適切に配分することにより、レンズが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0037】
本実施形態において、第2レンズL2の軸上厚みd3と撮像光学レンズ10の光学長TTLは、条件式0.09≦d3/TTL≦0.20を満たす。この条件式は、第2レンズL2の軸上厚みd3と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0038】
本実施形態において、第3レンズL3は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凸面であり、第3レンズL3は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第3レンズL3の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第3レンズL3は、負の屈折力を有してもよい。
【0039】
本実施形態において、第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径をR5、第3レンズL3の像側面の中心曲率半径をR6として定義すると、条件式―2.06≦(R5+R6)/(R5―R6)≦―0.30を満たす。この条件式は、第3レンズL3の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0040】
本実施形態において、第3レンズL3の軸上厚みをd5として定義すると、条件式0.03≦d5/TTL≦0.09を満たす。この条件式は、第3レンズL3の軸上厚みd5と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0041】
本実施形態において、第4レンズL4は、物体側面が近軸において凹面であり、像側面が近軸において凸面であり、第4レンズL4は、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第4レンズL4の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第4レンズL4は、正の屈折力を有してもよい。
【0042】
本実施形態において、第4レンズL4の焦点距離f4と撮像光学レンズ10の焦点距離fは、条件式―6.91≦f4/f≦―1.58を満たす。この条件式は、第4レンズL4の焦点距離f4と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、屈折力を適切に配分することにより、レンズが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0043】
本実施形態において、第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径をR7、第4レンズL4の像側面の中心曲率半径をR8として定義すると、条件式―7.81≦(R7+R8)/(R7―R8)≦―0.07を満たす。この条件式は、第4レンズL4の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0044】
本実施形態において、第4レンズL4の軸上厚みをd7として定義すると、条件式0.01≦d7/TTL≦0.04を満たす。この条件式は、第4レンズL4の軸上厚みd7と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0045】
本実施形態において、第5レンズL5は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凹面であり、第5レンズL5は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第5レンズL5の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第5レンズL5は、負の屈折力を有してもよい。
【0046】
本実施形態において、第5レンズL5の焦点距離f5と撮像光学レンズ10の焦点距離fは、条件式1.70≦f5/f≦3.63を満たす。この条件式は、第5レンズL5の焦点距離f5と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、屈折力を適切に配分することにより、レンズが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0047】
本実施形態において、第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径をR9、第5レンズL5の像側面の中心曲率半径をR10として定義すると、条件式―2.38≦(R9+R10)/(R9―R10)≦―0.34を満たす。この条件式は、第5レンズL5の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0048】
本実施形態において、第5レンズL5の軸上厚みをd9として定義すると、条件式0.03≦d9/TTL≦0.15を満たし、第5レンズL5の軸上厚みd9と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0049】
本実施形態において、第6レンズL6は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凹面であり、第6レンズL6は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第6レンズL6の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第6レンズL6は、負の屈折力を有してもよい。
【0050】
本実施形態において、第6レンズL6の焦点距離をf6として定義すると、条件式―20.00≦f6/f≦49.00を満たす。この条件式は、第6レンズL6の焦点距離f6と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、屈折力を適切に配分することにより、レンズが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0051】
本実施形態において、第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径をR11、第6レンズL6の像側面の中心曲率半径をR12として定義すると、条件式―70.00≦(R11+R12)/(R11―R12)≦11.35を満たす。この条件式は、第6レンズL6の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0052】
本実施形態において、第6レンズL6の軸上厚みをd11として定義すると、条件式0.02≦d11/TTL≦0.07を満たす。この条件式は、第6レンズL6の軸上厚みd11と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0053】
本実施形態において、第7レンズL7は、物体側面が近軸において凸面であり、像側面が近軸において凹面であり、第7レンズL7は、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第7レンズL7の物体側面及び像側面は、他の凹・凸分布状況に設置されてもよく、第7レンズL7は、負の屈折力を有してもよい。
【0054】
本実施形態において、第7レンズL7の焦点距離をf7として定義し、第7レンズL7の焦点距離f7と撮像光学レンズ10の焦点距離fは、条件式4.60≦f7/f≦70.00を満たす。この条件式は、第7レンズL7の焦点距離f7と撮像光学レンズ10の焦点距離fとの比を規定し、屈折力を適切に配分することにより、レンズが優れた結像品質及び低い感度を有する。
【0055】
本実施形態において、第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径をR13、第7レンズL7の像側面の中心曲率半径をR14として定義すると、条件式―17.00≦(R13+R14)/(R13―R14)≦39.00を満たす。この条件式は、第7レンズL7の形状を規定し、規定される範囲内において、光線がレンズを通る偏向度合いを緩和可能であり、軸外画角の収差等の問題を補正するのに有利である。
【0056】
本実施形態において、第7レンズL7の軸上厚みをd13として定義すると、条件式0.04≦d13/TTL≦0.25を満たす。この条件式は、第7レンズL7の軸上厚みd13と撮像光学レンズ10の光学長TTLとの比を規定し、極薄化を図ることに有利である。
【0057】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の絞り値をFnoとして定義すると、条件式Fno≦1.30を満たし、レンズが広角化の要求を満たす。
【0058】
以下、本発明の撮像光学レンズ10について、実施例を用いて説明する。各実施例に記載の記号は以下のことを示す。焦点距離、軸上距離、中心曲率半径、軸上厚み、変曲点位置、停留点位置の単位は、mmである。
【0059】
TTL:光学長(第1レンズL1の物体側面から像面Siまでの軸上距離)であり、単位は、mmである。
【0060】
また、高品質の結像ニーズを満たすように、各レンズの物体側面及び/又は像側面に変曲点及び/又は停留点が更に設置されてもよく、具体的な実施形態を以下に示す。
【0061】
表1は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10の設計データを示す。
【0062】
【0063】
但し、各符号の意味は、以下の通りである。
S1:絞り
R:光学面中心における中心曲率半径
R1:第1レンズL1の物体側面の中心曲率半径
R2:第1レンズL1の像側面の中心曲率半径
R3:第2レンズL2の物体側面の中心曲率半径
R4:第2レンズL2の像側面の中心曲率半径
R5:第3レンズL3の物体側面の中心曲率半径
R6:第3レンズL3の像側面の中心曲率半径
R7:第4レンズL4の物体側面の中心曲率半径
R8:第4レンズL4の像側面の中心曲率半径
R9:第5レンズL5の物体側面の中心曲率半径
R10:第5レンズL5の像側面の中心曲率半径
R11:第6レンズL6の物体側面の中心曲率半径
R12:第6レンズL6の像側面の中心曲率半径
R13:第7レンズL7の物体側面の中心曲率半径
R14:第7レンズL7の像側面の中心曲率半径
R15:光学フィルタGFの物体側面の中心曲率半径
R16:光学フィルタGFの像側面の中心曲率半径
d:レンズの軸上厚み、レンズ間の軸上距離
d0:絞りS1から第1レンズL1の物体側面までの軸上距離
d1:第1レンズL1の軸上厚み
d2:第1レンズL1の像側面から第2レンズL2の物体側面までの軸上距離
d3:第2レンズL2の軸上厚み
d4:第2レンズL2の像側面から第3レンズL3の物体側面までの軸上距離
d5:第3レンズL3の軸上厚み
d6:第3レンズL3の像側面から第4レンズL4の物体側面までの軸上距離
d7:第4レンズL4の軸上厚み
d8:第4レンズL4の像側面から第5レンズL5の物体側面までの軸上距離
d9:第5レンズL5の軸上厚み
d10:第5レンズL5の像側面から第6レンズL6の物体側面までの軸上距離
d11:第6レンズL6の軸上厚み
d12:第6レンズL6の像側面から第7レンズL7の物体側面までの軸上距離
d13:第7レンズL7の軸上厚み
d14:第7レンズL7の像側面から光学フィルタGFの物体側面までの軸上距離
d15:光学フィルタGFの軸上厚み
d16:光学フィルタGFの像側面から像面Siまでの軸上距離
nd:d線の屈折率
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率
nd7:第7レンズL7のd線の屈折率
ndg:光学フィルタGFのd線の屈折率
vd:アッベ数
v1:第1レンズL1のアッベ数
v2:第2レンズL2のアッベ数
v3:第3レンズL3のアッベ数
v4:第4レンズL4のアッベ数
v5:第5レンズL5のアッベ数
v6:第6レンズL6のアッベ数
v7:第7レンズL7のアッベ数
vg:光学フィルタGFのアッベ数
【0064】
表2は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における第6レンズL6及び第7レンズL7の非球面データを示す。
【0065】
【0066】
但し、kは、円錐係数であり、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20は、非球面係数である。
【0067】
y=(x2/R)/[1+{1―(k+1)(x2/R2)}1/2]+A4x4+A6x6+A8x8+A10x10+A12x12+A14x14+A16x16+A18x18+A20x20 (27)
【0068】
但し、xは、非球面曲線上の点と光軸との垂直距離であり、yは、非球面深さ(非球面において光軸からxだけ離れた点と、非球面の光軸上の頂点に接する接平面の両者間の垂直距離)である。
【0069】
各レンズ面の非球面は、便宜上、上記式(27)で表される非球面を使用している。しかしながら、本発明は、特にこの式(27)の非球面多項式に限定されるものではない。
【0070】
表3、表4は、本発明の第1実施形態に係る撮像光学レンズ10における各レンズの変曲点及び停留点の設計データを示す。但し、P1R1、P1R2は、それぞれ第1レンズL1の物体側面と像側面を示し、P2R1、P2R2は、それぞれ第2レンズL2の物体側面と像側面を示し、P3R1、P3R2は、それぞれ第3レンズL3の物体側面と像側面を示し、P4R1、P4R2は、それぞれ第4レンズL4の物体側面と像側面を示し、P5R1、P5R2は、それぞれ第5レンズL5の物体側面と像側面を示し、P6R1、P6R2は、それぞれ第6レンズL6の物体側面と像側面を示し、P7R1、P7R2は、それぞれ第7レンズL7の物体側面と像側面を示す。「変曲点位置」欄の対応するデータは、各レンズの表面に設置された変曲点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離である。「停留点位置」欄の対応するデータは、各レンズの表面に設置された停留点から撮像光学レンズ10の光軸までの垂直距離である。
【0071】
【0072】
【0073】
図2は、波長940nmの光が撮像光学レンズ10を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
図2の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
図3、
図4は、それぞれ波長930nm、940nm及び950nmの光が撮像光学レンズ10を通った後の倍率色収差及び軸上色収差を示す模式図である。
【0074】
表25に示すように、第1実施形態は、各条件式を満たす。
【0075】
本実施形態において、撮像光学レンズ10の入射瞳径ENPDは、8.361mmであり、対角線方向の全視野像高IHは、9.615mmであり、対角線方向の画角FOVは、101.60°であり、これにより、撮像光学レンズ10は、大口径、広角、極薄、低い感度及び中遠距離結像の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、且つ優れた光学特性を有する。
【0076】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態における撮像光学レンズ20の構成を示す模式図であり、第2実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、ここでは同じ部分について繰り返し説明しなく、相違点のみを以下に示す。
【0077】
本実施形態において、第6レンズL6は、負の屈折力を有する。
【0078】
表5は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20の設計データを示す。
【0079】
【0080】
表6は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における第6レンズL6及び第7レンズL7の非球面データを示す。
【0081】
【0082】
表7、表8は、本発明の第2実施形態に係る撮像光学レンズ20における各レンズの変曲点及び停留点の設計データを示す。
【0083】
【0084】
【0085】
図6は、波長940nmの光が撮像光学レンズ20を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
図6の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
図7、
図8は、それぞれ波長930nm、940nm及び950nmの光が撮像光学レンズ20を通った後の倍率色収差及び軸上色収差を示す模式図である。
【0086】
表25に示すように、第2実施形態は、各条件式を満足する。
【0087】
本実施形態において、撮像光学レンズ20の入射瞳径ENPDは、11.315mmであり、対角線方向の全視野像高IHは、9.615mmであり、対角線方向の画角FOVは、70.84°であり、これにより、撮像光学レンズ20は、大口径、広角、極薄、低い感度及び中遠距離結像の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、且つ優れた光学特性を有する。
【0088】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態における撮像光学レンズ30の構成を示す模式図であり、第3実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、ここでは同じ部分について繰り返し説明しなく、相違点のみを以下に示す。
【0089】
本実施形態において、第1レンズL1の物体側面は、近軸において凹面であり、第2レンズL2は、正の屈折力を有し、第4レンズL4の像側面は、近軸において凹面である。
【0090】
表9は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30の設計データを示す。
【0091】
【0092】
表10は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における第6レンズL6及び第7レンズL7の非球面データを示す。
【0093】
【0094】
表11、表12は、本発明の第3実施形態に係る撮像光学レンズ30における各レンズの変曲点及び停留点の設計データを示す。
【0095】
【0096】
【0097】
図10は、波長940nmの光が撮像光学レンズ30を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
図10の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
図11、
図12は、それぞれ波長930nm、940nm及び950nmの光が撮像光学レンズ30を通った後の倍率色収差及び軸上色収差を示す模式図である。
【0098】
表25に示すように、第3実施形態は、各条件式を満足する。
【0099】
本実施形態において、撮像光学レンズ30の入射瞳径ENPDは、12.153mmであり、対角線方向の全視野像高IHは、9.615mmであり、対角線方向の画角FOVは、85.11°であり、これにより、撮像光学レンズ30は、大口径、広角、極薄、低い感度及び中遠距離結像の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、且つ優れた光学特性を有する。
【0100】
(第4実施形態)
図13は、第4実施形態における撮像光学レンズ40の構成を示す模式図であり、第4実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、ここでは同じ部分について繰り返し説明しなく、相違点のみを以下に示す
【0101】
本実施形態において、第5レンズL5は、像側面が近軸において凸面である。
【0102】
表13は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40の設計データを示す。
【0103】
【0104】
表14は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における第6レンズL6及び第7レンズL7の非球面データを示す。
【0105】
【0106】
表15、表16は、本発明の第4実施形態に係る撮像光学レンズ40における各レンズの変曲点及び停留点の設計データを示す。
【0107】
【0108】
【0109】
図14は、波長940nmの光が撮像光学レンズ40を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
図14の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
図15、
図16は、それぞれ波長930nm、940nm及び950nmの光が撮像光学レンズ40を通った後の倍率色収差及び軸上色収差を示す模式図である。
【0110】
表25に示すように、第4実施形態は、各条件式を満足する。
【0111】
本実施形態において、撮像光学レンズ40の入射瞳径ENPDは、7.644mmであり、対角線方向の全視野像高IHは、9.615mmであり、対角線方向の画角FOVは、88.61°であり、これにより、撮像光学レンズ40は、大口径、広角、極薄、低い感度及び中遠距離結像の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、且つ優れた光学特性を有する。
【0112】
(第5実施形態)
図17は、第5実施形態における撮像光学レンズ50の構成を示す模式図であり、第5実施形態は、第1実施形態と基本的に同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、ここでは同じ部分について繰り返し説明しなく、相違点のみを以下に示す。
【0113】
本実施形態において、第3レンズL3の像側面は、近軸において凹面であり、第4レンズL4の像側面は、近軸において凹面である。
【0114】
表17は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50の設計データを示す。
【0115】
【0116】
表18は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における第6レンズL6及び第7レンズL7の非球面データを示す。
【0117】
【0118】
表19、表20は、本発明の第5実施形態に係る撮像光学レンズ50における各レンズの変曲点及び停留点の設計データを示す。
【0119】
【0120】
【0121】
図18は、波長940nmの光が撮像光学レンズ50を通過した後の像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
図18の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
図19、
図20は、それぞれ波長930nm、940nm及び950nmの光が撮像光学レンズ50を通った後の倍率色収差及び軸上色収差を示す模式図である。
【0122】
表25に示すように、第5実施形態は、各条件式を満足する。
【0123】
本実施形態において、撮像光学レンズ50の入射瞳径ENPDは、7.397mmであり、対角線方向の全視野像高IHは、9.615mmであり、対角線方向の画角FOVは、111.94°であり、これにより、撮像光学レンズ50は、大口径、広角、極薄、低い感度及び中遠距離結像の設計要求を満たし、その軸上、軸外色収差が十分に補正され、且つ優れた光学特性を有する。
【0124】
(比較例)
【0125】
図21は、比較例における撮像光学レンズ60の構造を示す模式図であり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、ここでは同じ部分について繰り返し説明しない。
【0126】
表21は、本発明の比較例に係る撮像光学レンズ60の設計データを示す。
【0127】
【0128】
表22は、本発明の比較例に係る撮像光学レンズ60における第6レンズL6及び第7レンズL7の非球面データを示す。
【0129】
【0130】
表23、表24は、本発明の比較例に係る撮像光学レンズ60における各レンズの変曲点及び停留点の設計データを示す。
【0131】
【0132】
【0133】
図22は、波長940nmの光が撮像光学レンズ60を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す模式図である。
図22の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、タンジェンシャル方向の像面湾曲である。
図23、
図24は、それぞれ波長930nm、940nm及び950nmの光が撮像光学レンズ60を通った後の倍率色収差及び軸上色収差を示す模式図である。
【0134】
本比較例では、撮像光学レンズ60の入射瞳径ENPDは、7.9876mmであり、対角線方向の全視野像高IHは、9.615mmであり、対角線方向の画角FOVは、133.76°である。
【0135】
表25に、実施形態1~5及び比較例における各種の数値と条件式で規定されたパラメータに対応する値を示している。明らかに、比較例に係る撮像光学レンズ60は、条件式90.00≦(FOV×f)/IH≦140.00を満たしていない。撮像光学レンズ60は、大画角と長焦点を有効的に持ち兼ねることができず、中遠距離結像を実現できず、光学性能が十分に優れない。
【0136】
【0137】
但し、f12は、第1レンズL1と第2レンズL2との合成焦点距離である。
【0138】
以上は、本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属する。
【要約】
【課題】本発明は、光学レンズの分野に関し、撮像光学レンズを提供する。
【解決手段】当該撮像光学レンズは、物体側から像側へ順に、第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ及び第7レンズによって構成され、第3レンズの像側面から第4レンズの物体側面までの軸上距離をd6、撮像光学レンズの光学長をTTL、撮像光学レンズの画角をFOV、撮像光学レンズの対角線方向の全視野像高をIH、撮像光学レンズの焦点距離をf、第3レンズの焦点距離をf3、第2レンズの物体側面の中心曲率半径をR3、第2レンズの像側面の中心曲率半径をR4としたときに、条件式0.06≦d6/TTL≦0.20、90.00≦(FOV×f)/IH≦140.00、1.00≦f3/f≦5.00、1.00≦R4/R3≦15.00を満たす。本発明による撮像光学レンズは、大口径、広角化及び極薄等の良好な光学性能を有する。
【選択図】
図1