(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】電子機器、情報保存方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/31 20190101AFI20241224BHJP
G06F 16/34 20250101ALI20241224BHJP
【FI】
G06F16/31
G06F16/34
(21)【出願番号】P 2020157745
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】横田 悠希
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-293295(JP,A)
【文献】特開2005-293318(JP,A)
【文献】特開2011-141845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見出し語に対応する説明情報に含まれる一部の文字列であって、前記見出し語の訳または意味を示す文字列がユーザ操作にしたがって指定されると、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させる制御部を備え、
前記制御部は、前記見出し語の訳または意味ではない一部の文字列が前記ユーザ操作にしたがって指定された場合には、前記指定された一部の文字列を前記見出し語と関連づけて前記記憶部に記憶させない、
電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、ユーザ操作にしたがって、前記見出し語に対応する複数の訳または意味のうちの一部の訳または意味を前記見出し語と関連づけて前記記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザ操作によって入力された語句を辞書データから検索し、検索された語句を含む見出し語と、前記見出し語に対応する説明情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記見出し語と、前記見出し語に対応する説明情報とを表示する表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記指定された文字列と、前記指定された文字列に関連づけられた見出し語とを一覧にして表示する、
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記表示部に表示された、すでに前記記憶部に記憶されている見出し語と異なる見出し語に対応した説明情報に含まれる
当該異なる見出し語の訳または意味を示す文字列が指定される毎に、当該すでに前記記憶部に記憶されている見出し語と異なる見出し語を前記指定された文字列と関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された見出し語と、前記記憶された見出し語に関連づけられた文字列とを、ユーザ操作に基づく指示に応じて前記表示部に表示させる、
請求項4または請求項5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、
前記表示部に表示された前記見出し語に対応する説明情報に含まれる
前記見出し語の訳または意味を示す文字列が前記ユーザ操作により指定された場合、前記表示された前記見出し語と前記指定された文字列とに、日時情報と
前記見出し語の難易度情報と
前記見出し語の検索回数情報とのうち、少なくとも一つの情報を関連づけて前記記憶部に記憶させる、
請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記見出し語と前記見出し語に関連づけられた文字列とを、前記日時情報に対応する日時順または前記難易度情報に対応する難易度順または前記検索回数情報に対応する検索回数順または前記見出し語の言語種順に前記表示部に表示させる、
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記見出し語と前記見出し語に関連づけられた文字列とを、特定の枠内に展開した表示態様で前記表示部に表示させる、
請求項4ないし請求項8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、
前記見出し語と前記見出し語に関連づけられた文字列とを、ユーザ操作により入力される任意のファイル名
を付けたファイルとして記憶させる、
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
電子機器の制御部
が、
見出し語に対応する説明情報に含まれる一部の文字列であって、前記見出し語の訳または意味を示す文字列がユーザ操作にしたがって指定されると、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させ、前記見出し語の訳または意味ではない一部の文字列が前記ユーザ操作にしたがって指定された場合には、前記指定された一部の文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させない、
情報保存方法。
【請求項12】
コンピュータを、
見出し語に対応する説明情報に含まれる一部の文字列であって、前記見出し語の訳または意味を示す文字列がユーザ操作にしたがって指定されると、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させ、前記見出し語の訳または意味ではない一部の文字列が前記ユーザ操作にしたがって指定された場合には、前記指定された一部の文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させない、
ように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば辞書機能を備えた電子機器、情報保存方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、文献や書籍などの文章を読んで行く過程において、解らない単語や熟語などの語句がある場合、電子辞書が使用される。
【0003】
電子辞書は、国語系や英語系などの言語別の辞典、電気や化学などの分野別の辞典、百科事典、などの多様な種類の辞書データを記憶し、特許文献1のように、ユーザによって入力された見出し語に対応する訳や意味などの説明の情報(説明情報)を辞書データから検索して表示部に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ユーザがある英語の文献を読んで行く過程において、文献の中に解らない単語が数多くある場合、その都度、電子辞書により検索して単語の訳を調べることになる。
【0006】
しかしながら、単語等の語句には、訳として複数の意味があるものがあり、その中でユーザが必要としている意味のみと語句とを対応づけて記憶させることが困難であった。
【0007】
本発明は、語句とその意味の関連づけを可能とした電子機器、情報保存方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る電子機器は、見出し語の説明情報の一部の文字列であって、前記見出し語の訳または意味を示す文字列がユーザ操作にしたがって指定されると、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させる制御部を備え、前記制御部は、前記見出し語の訳または意味ではない一部の文字列が前記ユーザ操作にしたがって指定された場合には、前記指定された一部の文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させない、
ように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の電子機器、情報保存方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図。
【
図2】電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図3】電子辞書10の見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに記憶されるデータの一例を示す図。
【
図4】電子辞書10の一時保存BOX機能によるBOX保存処理を示すフローチャート。
【
図5】電子辞書10の一時保存BOX機能によるBOX表示処理を示すフローチャート。
【
図6A】電子辞書10の辞書機能に従った検索結果表示画面G1を示す図。
【
図6B】検索結果表示画面G1内で指定した文字列の簡易検索を行った場合の表示動作を示す図。
【
図6C】電子辞書10のBOX保存処理に従い一時保存BOX機能を起動した場合の表示動作(その1)を示す図。
【
図6D】電子辞書10のBOX保存処理に従い一時保存BOX機能を起動した場合の表示動作(その2)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の電子機器、情報保存方法およびプログラムの実施形態に係る電子辞書10の外観構成を示す正面図である。
【0012】
電子機器は、以下に説明する電子辞書10として構成されるだけでなく、辞書機能を備えたタブレット型のPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機、通信ネットワーク上のサーバなどとしても構成され得る。
【0013】
電子辞書10は、その本体ケース11と蓋体ケース12とがヒンジ部13を介して展開/閉塞可能な折り畳み型ケースを備えて構成される。折り畳み型ケースを展開した本体ケース11の表面には、[ホーム]キー14a、機能指定キー14b、文字入力キー14c、[決定]キー14d、[戻る]キー14e、[BOX]キー14f、カーソル移動キー14g、[シフト]キー14hなどを含むキー入力部14(ハードウェアキー)、音声出力部(スピーカを含む)15および音声入力部(マイクを含む)16などが設けられる。
【0014】
また、蓋体ケース12の表面には、タッチパネル式表示部17が設けられる。タッチパネル式表示部17は、ユーザがペンや指などでタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、パックライト付きのカラー液晶表示画面に透明のタッチパネルを重ねて構成される。
【0015】
タッチパネル式表示部17の左端には、キー入力部14における一部のキーの押下操作や本電子辞書10の一部の機能の指定操作を、タッチ操作により行うためのキーや機能の表記([マーカ]、[付箋]、[暗記カード]など)が固定印刷されたタッチキーエリア(ソフトウェアキー)が設けられていてもよい。例えば[マーカ]キーは、タッチパネル式表示部17に表示されたテキストを対象に、任意の色のマーカを付加するためのマーカ機能を指定するキーである。
【0016】
キー入力部14の[ホーム]キー14aは、表示部17にホーム画面を表示させるためのキーである。特に図示されないが、ホーム画面には、本電子辞書10の初期設定あるいはユーザ操作に応じて登録された複数のアイコンが表示される。各アイコンは、当該アイコンの表記に対応する機能を起動させるための図形や記号などである。例えば、辞書コンテンツや学習コンテンツを利用する機能(アプリケーション)を直接起動させるアプリケーションアイコンや、一つのカテゴリに属する複数の機能のアイコンの一覧画面を表示させるグループアイコンを含む。
【0017】
キー入力部14の機能指定キー14bは、各キーに表記されている辞書コンテンツ([大辞典]など)、辞書コンテンツのカテゴリ([国語]、[古語]、[漢和]、[英和]など)、[コンテンツ一覧]やツールの一つのカテゴリ[学習帳]を、それぞれ直接指定するためのキーである。
【0018】
また、キー入力部14のキーは、[シフト]キー14hが操作された後に続けて操作されることで、そのキートップに枠囲み無しで表記されたキー機能ではなく、枠囲みして表記されたキーとして機能できるようになっている。例えば、[シフト]キー14hの操作後に[削除]キーが操作されると、[削除]キーではなく[設定]キーとして機能する。
【0019】
本電子辞書10は、キー入力部14に配置された或いはタッチパネル式表示部17に表示された[BOX]キー14fにより起動される一時保存BOX機能を有する。一時保存BOX機能は、検索によりタッチパネル式表示部17に表示された見出し語(ここでは“study”)とその説明情報を含む検索結果表示画面G1において、ユーザが指定した説明情報の中の例えば一部の訳や意味などである文字列(ここでは“研究”)を、後述の見出し語訳一時保存BOX記憶領域22e(
図2参照)に、見出し語“study”に対応付けて保存(記憶)する場合に起動される。また、一時保存BOX機能は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存(記憶)した見出し語とその訳や意味などである文字列の一覧を表示させる場合に起動される。
【0020】
図2は、電子辞書10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0021】
電子辞書10の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU:central processing unit)21を備える。制御部21は、フラッシュROMなどの記憶部22に予め記憶された制御プログラムに従って回路各部の動作を制御する。CPU等のプロセッサは1つでも2つ以上でもよい。
【0022】
なお、制御プログラム及び後述する辞書データの少なくとも一方は、メモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読取部24により読み取られて記憶部22に記憶されてもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(ここではプログラムサーバ)30から通信部25を介してダウンロードされ記憶部22に記憶されてもよい。
【0023】
制御部21には、データおよび制御バスを介して、記憶部22、記録媒体読取部24、通信部25を接続するほか、キー入力部14、音声出力部15、音声入力部16、タッチパネル式表示部17、を接続する。
【0024】
記憶部22は、本電子辞書10の全体の動作を司るシステムプログラム、通信部25を介して外部の電子機器と通信接続するための通信プログラムのほか、検索処理プログラム22a、一時保存BOX処理プログラム22bを含む制御プログラムを記憶する。
【0025】
また記憶部22には、辞書データ記憶領域22c、検索履歴記憶領域22d、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22e、作業データ記憶領域22fなど、本電子辞書10により各種の機能を実行するためのデータを記憶する記憶領域が確保される。
【0026】
検索処理プログラム22aは、辞書データ記憶領域22cに辞書データ(22c)として記憶される各種の辞書コンテンツ(英和辞典/和英辞典/国語辞典/百科辞典/…)に基づいて、ユーザ所望の見出し語と当該見出し語に対応する訳語、語義、用例、解説などの説明情報を検索して表示させるための制御プログラムを含む。
【0027】
なお、各種の辞書コンテンツ(辞書データ(22c))の見出し語には、見出し語の例えば学習上の難易度(難易度低1~難易度高5)を示す難易度情報が対応付けられている。
【0028】
一時保存BOX処理プログラム22bは、[BOX]キー14fにより起動される一時保存BOX機能を司る制御プログラムであって、見出し語とその説明情報を含む検索結果表示画面G1において、ユーザが指定した説明情報の中の例えば一部の訳や意味などとなる文字列のみを、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに、ユーザが文字列を指定した後に再度ユーザが別途見出し語を選択する操作をすることなく見出し語に対応付けて保存(記憶)させるためのBOX保存処理(
図4参照)の制御プログラム、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存(記憶)された見出し語と文字列の一覧を表示させるためのBOX表示処理(
図5参照)の制御プログラムを含む。
【0029】
検索履歴記憶領域22dには、ユーザ操作に応じた検索に従い、見出し語とその説明情報が検索結果表示画面G1として表示される毎に、検索対象とされた見出し語がその検索回数を示す検索回数情報とともに検索履歴として辞書データの種類別に記憶される。
【0030】
作業データ記憶領域22fには、制御部21による制御プログラムに従った回路各部の動作の制御に伴い、ユーザ操作に応じて入力されたデータや制御部21により取得あるいは生成されるなどした各種のデータが必要に応じて一時記憶(保持)される。
【0031】
図3は、電子辞書10の見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに記憶されるデータの一例を示す図である。
【0032】
見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eには、検索した見出し語とその説明情報を含む検索結果表示画面G1においてユーザが指定した説明情報の中の例えば一部の訳や意味などである文字列(ここでは訳)のみが、当該見出し語に対応付けられて保存(記憶)される。また見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eには、保存(記憶)される見出し語とその訳に対応付けられて、当該見出し語とその訳の保存日時、見出し語の難易度、見出し語の検索回数も保存(記憶)される。
【0033】
なお、見出し語の難易度は、辞書コンテンツ(辞書データ(22c))に含まれる見出し語の難易度情報に基づき取得され、また、見出し語の検索回数は、検索履歴記憶領域22dに記憶された見出し語の検索回数情報に基づき取得される。ここでの見出し語の難易度と検索回数は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存することなく、必要に応じて辞書コンテンツ(辞書データ(22c))と検索履歴記憶領域22dを参照して取得してもよい。
【0034】
また、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eには、見出し語と見出し語の説明情報のうちのユーザが指定した文字列のみと、を対応付けた一覧のデータが、ユーザ任意のファイル名に対応付けられて保存され、さらに、ファイル名を対応付けたデータは、ユーザ任意のフォルダに保存される。ここで、一つのファイル名に対応付けられた見出し語とユーザが指定した文字列のみとの一覧のデータは、一つの見出し語訳一時保存BOX40(
図6C、
図6D参照)に対応するデータとして保存される。
【0035】
このように構成された電子辞書10は、制御部21が、記憶部22に記憶された制御プログラムの命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような辞書機能および一時保存BOX機能を含む各種の機能を実現する。
【0036】
次に、実施形態の電子辞書10の動作について説明する。
【0037】
図4は、電子辞書10の一時保存BOX機能によるBOX保存処理を示すフローチャートである。
【0038】
図5は、電子辞書10の一時保存BOX機能によるBOX表示処理を示すフローチャートである。
【0039】
図6Aは、電子辞書10の辞書機能に従った検索結果表示画面G1を示す図である。
【0040】
図6Bは、検索結果表示画面G1内で指定した文字列の簡易検索を行った場合の表示動作を示す図である。
【0041】
図6Cは、電子辞書10のBOX保存処理に従い一時保存BOX機能を起動した場合の表示動作(その1)を示す図である。
【0042】
図6Dは、電子辞書10のBOX保存処理に従い一時保存BOX機能を起動した場合の表示動作(その2)を示す図である。
【0043】
<BOX保存処理>
ここでは、ユーザが、例えばある英語の文献(文献名a1)を対象に、その文章(英文)に含まれる単語、熟語、略語などの解らない語句を検索して調べながら読んで行く場合を仮定する。以降の処理において、限定がなければ原則、制御部21が実行または制御するものとする。
【0044】
なお、ユーザが読む対象とする文章は、ある単独の言語により記述された文章に限らず、英語と日本語など、複数の言語種が混在する文章も勿論対象に含まれる。
【0045】
ユーザが、機能指定キー14bにより英和辞典の辞書コンテンツ(辞書データ(22c))を指定して、文字入力キー14cにより検索対象の見出し語(ここでは単語)“study”を入力し、[決定]キー14dを操作すると、制御部21は、指定された英和辞典の辞書データ(22c)から、入力された見出し語“study”を検索する。そして、
図6Aに示すように、検索の結果、見出し語“study”とその説明情報とを取得し、取得された見出し語とその説明情報とを含む検索結果表示画面G1をタッチパネル式表示部17に表示させる(ステップS1)。
【0046】
検索結果表示画面G1において、例えばユーザが読んでいる文献中の語句“study”の訳として説明情報中の“研究”が相応しいとユーザが判断し、語句“study”とその訳として“研究”のみとを関連(対応)づけて電子辞書10に記憶させたい場合、ユーザが“研究”の文字列を、タッチパネル式表示部17でのタッチ操作あるいはキー入力部14でのキー操作によって指定すると(ステップS2(Yes))、制御部21は、指定された文字列“研究”の周囲の領域の背景色を、表示部17全体の背景色と異なる色(例えば黄色等の有色)になるよう識別表示Hにするとともに、指定された文字列“研究”が、検索した見出し語“study”の訳であるか否かを、辞書データ(22c)に基づき判定する(ステップS3)。
【0047】
なお、ユーザが任意の文字列をキー操作によって指定しない場合(ステップS2(No))、後述するBOX機能での処理が行われない。
【0048】
指定された文字列“研究”が、検索した見出し語“study”の訳であると判定されると(ステップS3(Yes))、制御部21は、一時保存BOX機能を起動するアイコンであるソフトウェアキーとしての[BOX]キー14fを含む簡易検索結果ウインドウEを、タッチパネル式表示部17に表示させる。(ステップS4)。
【0049】
簡易検索結果ウインドウEに設けられた[BOX]キー14f或いはキー入力部14に配置された[BOX]キー14fがユーザによって操作されることによって、一時保存BOX機能が起動されると(ステップS4(Yes))、制御部21は、
図6Cに示すように、見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ42を検索結果表示画面G1内に表示させる。見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ42には、見出し語訳一時保存BOX40と、一時保存BOX40の上端側に設けられた[BOX]ボタン41と、タッチすることで見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ42を閉じるクローズボタン43とが、含まれている。ここでは、作業データ記憶領域22fに現在一時保持(記憶)されている見出し語と指定された文字列のみとの組み合わせの一覧(ここでは、見出し語としての“[ant]”と指定された文字列としての“蟻”、見出し語としての“[biology]”と指定された文字列としての“生物学”)を、見出し語訳一時保存BOX40に展開して表示させている。
【0050】
この状態で、新たに検索された見出し語“study”と指定された文字列“研究”との組み合わせのデータを電子辞書10の見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存させるために、ユーザが[BOX]ボタン41を操作すると、
図6Dに示すように、当該一時保存BOX40にある見出し語と指定された文字列のみとの組み合わせの一覧に、今回検索した見出し語“study”と指定された訳“研究”の文字列とを関連(対応)づけて追加させる(ステップS5)。換言すれば、“study”の他の訳である、“学問”や“学業”等は見出し語“study”と組み合わせて一時保存BOX40に表示されることはない。
【0051】
なお、ユーザがキー操作による追加を行わない場合(ステップS4(No))、後述するBOX機能での処理が行われない。
【0052】
図6Cでは、ユーザが現在読んでいる文献(文献名a1)の中の2つの単語“ant”“biology”が、単語“study”と同様に既に検索され、作業データ記憶領域22fに一時保持(記憶)されている状態での表示例を示し、
図6Dでは、ステップS5の処理に従い、今回検索した見出し語“study”と指定した訳“研究”の文字列とが関連(対応)づけられ、既に一時保持されている2つの単語とその訳として指定された文字列との組み合わせ([ant]蟻、[biology]生物学)の一覧に追加された状態での表示例を示している。
【0053】
なお、
図6Aで示したように、検索結果表示画面G1において、見出し語“study”の説明情報に含まれる“研究”の文字列が指定された場合(ステップS2(Yes))、本電子辞書10が簡易検索の機能を有する場合には、
図6Bに示すように、指定された文字列“研究”の簡易な説明情報(主要な語義、訳などを抜粋した説明情報)を検索して表記した簡易検索結果ウインドウEが表示される。
【0054】
そして、簡易検索結果ウインドウEに設けられた[BOX]キー14f或いはキー入力部14に配置された[BOX]キー14fがユーザによって操作されると、前述同様に、制御部21は、作業データ記憶領域22fに現在一時保持(記憶)されている見出し語と訳の一覧(ここでは、[ant]蟻、[biology]生物学)を、
図6Cに示すように、見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ42に表示させる。ここで一時保存BOX40の上端に設けられた[BOX]ボタン41がユーザによって操作されると、
図6Dに示すように、一時保存BOX40にある見出し語と訳の一覧に、今回検索した見出し語“study”と指定された訳“研究”の文字列とが関連(対応)づけられて追加される(ステップS5)。
【0055】
引き続き
図6Dで示す検索結果表示画面G1および見出し語訳一時保存BOX40の表示状態において、クローズボタン43がユーザにより操作されると、今回検索した見出し語“study”と指定された訳“研究”の文字列とのデータを見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに追加して保存することなく、見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ42を閉じる(ステップS6(No))。一方、再度[BOX]ボタン41がユーザによって操作されると、保存(記憶)の指示が開始される(ステップS6(Yes))。保存の指示が開始されると、制御部21は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eにおける保存先のフォルダを指定するためのフォルダ指定ウインドウ(図示せず)を表示部17に表示させる(ステップS7)。なおこの段階であってもクローズボタン43がユーザにより操作されることで追加して保存することなく、見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ42を閉じてもよい。
【0056】
ここで、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eにおけるフォルダのフォルダ名は、例えば「英語文書」「日本語文書」「学術誌」など、読み込み対象の文章の言語別あるいは分野別に、ユーザにより任意に設定されてよい。
【0057】
そして、保存先のフォルダが指定されると、制御部21は、ファイル名を指定するためのファイル名入力ウインドウ(図示せず)を表示部17に表示させる(ステップS8)。なお、保存すべきフォルダがない場合、新たにフォルダを作成してもよい。
【0058】
ここで、ファイル名として、例えば現在読み込み中の文献の文献名「a1」が入力されて指定されると、制御部21は、例えば
図3で示したように、指定されたフォルダ「A」の指定されたファイル名「a1」に対応付けて、作業データ記憶領域22fに現在一時保持(記憶)されている見出し語とその訳の一覧のデータを、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eへ保存(記憶確定)させる(ステップS9)。
【0059】
なお、ステップS6において、見出し語訳一時保存BOX40の[BOX]ボタン41のタッチ操作による保存(記憶)の指示が行われることなく、且つクローズボタン43がユーザにより操作されない状態が一定時間続くと、保存(記憶)の指示が開始されないとみなして、前述同様の検索に伴う見出し語とその訳の一覧への追加が繰り返された場合(ステップS1~S5)、その都度、検索した見出し語と指定した訳の文字列が、作業データ記憶領域22fに追加されて一時保持(記憶)されるように設定してもよい。
【0060】
この場合、見出し語と訳の一覧の見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eへの保存(記憶確定)はされていないが、いつでも、見出し語訳一時保存BOX40の[BOX]ボタン41の操作により、見出し語と訳との一覧を見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eへと保存することができる。
【0061】
これにより、ユーザは、解からない単語等の語句を検索して調べつつ文献を読んでいる途中であっても、これまでに調べた語句とその訳とを容易に確認しながら、当該文献の読み込みをスムーズに進めて行くことができる。
【0062】
一方、ステップS3において、例えば、語句“研究”の代わりに語句“文学”を指定し、検索結果表示画面G1にてユーザに指定された文字列が、検索した見出し語の訳ではないと判定された場合(ステップS3(No))、制御部21は、一時保存BOX機能ではない他の機能の指定があるか否かを判定する(ステップS10)。
【0063】
ここで、ユーザが例えばタッチキーエリアの[マーカ]キーをタッチ操作することによりマーカ機能が指定される場合、他の機能の指定があると判定され(ステップS10(Yes))、指定された他の機能、すなわち指定された文字列へのマーカの付加が実行される(ステップS11)。他の機能の指定がないと判定された場合(ステップS10(No))、処理が終了する。
【0064】
このような一時保存BOX機能のBOX保存処理に従い、ユーザは、任意の文献を読みながら、電子辞書10により検索して調べた見出し語(ここでは単語)と当該見出し語に相応しい訳とを、順次、見出し語訳一時保存BOX40の一覧にして作業データ記憶領域22fに一時保持(記憶)させることができ、更に、一時保持された見出し語訳一時保存BOX40の見出し語と訳の一覧を、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存(記憶確定)させることができる。このように記憶させることでユーザは不必要な訳を覚える必要がなく、また見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに記憶させる量を抑制することができる。
【0065】
<BOX表示処理>
ここでは、ユーザが、前述のBOX保存処理に従い、解からない語句を検索して調べながら一旦読み終えた英語の文献(文献名a1)を対象に、同文献(文献名a1)を再び読んでいく場合を説明する。
【0066】
キー入力部14の[BOX]キー14fの操作に応じて、一時保存BOX機能が起動されると(ステップD1(Yes))、制御部21は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存(記憶)されているフォルダからユーザ任意のファイルを指定するためのファイル名一覧ウインドウ(図示せず)を表示部17に表示させる。
【0067】
ファイル名一覧ウインドウにおいて、フォルダ「A」のファイル名「a1」が指定されると(ステップD2)、制御部21は、指定のファイル内に保存(記憶)されている見出し語(単語)と訳の一覧の表示順を指定するための表示順指定ウインドウ(図示せず)を表示部17に表示させる(ステップD3)。
【0068】
表示順指定ウインドウでは、表示順の選択肢<保存順><ABC/五十音順><難易度順><検索回数順>が表示される。
【0069】
表示順指定ウインドウにおいて、表示順の選択肢の中から<保存順>が指定されると(ステップD3<保存順>)、制御部21は、保存の時系列の昇順または降順をユーザに選択させるための選択肢[昇順/降順]を表示させる。
【0070】
ユーザ操作に応じて、昇順または降順が選択されると(ステップD4a)、制御部21は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22e(
図3参照)に保存(記憶)されている指定のファイル名「a1」に対応付けられた見出し語と訳の一覧([ant]蟻、[biology]生物学、[study]研究)を、その保存日時に基づいて、昇順または降順に並べて展開した見出し語訳一時保存BOX40(
図6D参照)を生成する。そして、生成した見出し語訳一時保存BOX40を表示部17に表示させる(ステップD5)。
【0071】
また、表示順指定ウインドウにおいて、表示順の選択肢の中から<ABC/五十音順>が指定されると(ステップD3<ABC/五十音順>)、制御部21は、ABC(アルファベット)順または五十音順をユーザに選択させるための選択肢[ABC順/五十音順]を表示させる。
【0072】
ユーザ操作に応じて、ABC順または五十音順で且つ昇順が選択されると(ステップD4b)、制御部21は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22e(
図3参照)に保存(記憶)されている指定のファイル名「a1」に対応付けられた見出し語と訳の一覧を、その見出し語の言語と文字列に基づいて、ABC順が選択されている場合にはアルファベットを使用した言語の見出し語をアルファベット順にして上位に、五十音順が選択されている場合には日本語の見出し語を五十音順にして上位に並べて展開した見出し語訳一時保存BOX40(
図6D参照)を生成する。そして、生成した見出し語訳一時保存BOX40を表示部17に表示させる(ステップD5)。
【0073】
また、表示順指定ウインドウにおいて、表示順の選択肢の中から<難易度順>で且つ降順が指定されると(ステップD3<難易度順>)、制御部21は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22e(
図3参照)に保存(記憶)されている指定のファイル名「a1」に対応付けられた見出し語と訳の一覧([ant]蟻、[biology]生物学、[study]研究)を、その見出し語の難易度の指数に基づいてソートする(ステップD4c)。ここでは、“ant”の難易度指数2、“biology”の難易度指数3、“study”の難易度指数1なので、[biology]生物学→[ant]蟻→[study]研究、の順でソートされる。
【0074】
そして、難易度に基づいてソートした見出し語と訳の一覧を展開した見出し語訳一時保存BOX40を生成し、生成した見出し語訳一時保存BOX40を表示部17に表示させる(ステップD5)。
【0075】
また、表示順指定ウインドウにおいて、表示順の選択肢の中から<検索回数順>で且つ降順が指定されると(ステップD3<検索回数順>)、制御部21は、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22e(
図3参照)に保存(記憶)されている指定のファイル名「a1」に対応付けられた見出し語と訳の一覧([ant]蟻、[biology]生物学、[study]研究)を、その見出し語の検索回数に基づいてソートする(ステップD4d)。ここでは、“ant”の検索回数4、“biology”の検索回数3、“study”の検索回数1なので、前述した<保存順>[昇順]の場合と同様に、[ant]蟻→[biology]生物学→[study]研究、の順でソートされる。
【0076】
そして、検索回数に基づいてソートした見出し語と訳の一覧を展開した見出し語訳一時保存BOX40を生成し、生成した見出し語訳一時保存BOX40を表示部17に表示させる(ステップD5)。
【0077】
これにより、ユーザは、一旦読み終えた英語の文献(文献名a1)を再び読んで行く場合に、過去に調べた単語であっても憶えきれていない単語とその訳については、表示部17に表示された見出し語訳一時保存BOX40により直ぐに確認しながらスムーズに読み進めることができる。
【0078】
しかも、見出し語訳一時保存BOX40を表示させるにあたり、<保存順>を指定した場合には、文章を読み進めて行く流れに合うように、前述のBOX保存処理において保存を指示した見出し語とその訳が並べられて表示されるので、ユーザは、文章中に憶えきれていない単語が出現しても、よりスムーズにその訳を再確認しながら文章を読み進めることができる。
【0079】
また、<ABC/五十音順>を指定した場合には、前述のBOX保存処理において保存を指示した見出し語とその訳が、ユーザの言語種の選択に応じて、アルファベットを使用した言語の見出し語が上位に並べられるか、または日本語を使用した見出し語が上位に並べられて表示されるので、例えばユーザが読んでいる文献が学術文献などであって、保存されている見出し語に複数の言語が混在している場合でも、ユーザは、ユーザ自身優先度の高い言語種の見出し語とその訳を、見出し語訳一時保存BOX40の上位に再確認しながらスムーズに文章を読み進めることができる。
【0080】
また、<難易度順>を指定した場合には、前述のBOX保存処理において保存を指示した見出し語とその訳が、見出し語の難度順に並べられて表示されるので、ユーザは、難易度の高い単語とその訳を、見出し語訳一時保存BOX40の上位に再確認しながら、スムーズ且つ学習上効果的に文章を読み進めることができる。
【0081】
また、<検索回数順>を指定した場合には、前述のBOX保存処理において保存を指示した見出し語とその訳が、見出し語の検索回数順に並べられて表示されるので、ユーザは、ユーザ自身が憶えきれていない注目度の高い単語とその訳を、見出し語訳一時保存BOX40の上位に再確認しながら、よりスムーズに文章を読み進めることができる。
【0082】
さらに、見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eには、ユーザが保存を指定した見出し語とその訳の一覧が、例えばユーザが読んだ文献毎に、その文献名など、ユーザ任意のファイル名を対応付けて保存(記憶)されるので、過去に読んだ文献を再び読む対象とする場合には、対象とする文献に対応して保存した見出し語(単語)と訳の一覧を、スムーズに見出し語訳一時保存BOX40に展開して表示させることができる。
【0083】
<実施形態のまとめ>
実施形態によれば、検索された語句である辞書における見出し語と、この見出し語の説明情報のうち、ユーザによって指定された文字列のみとの組み合わせのデータを電子辞書10の見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存させるために、改めて見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eから検索された見出し語を読み出したときに、仮に、指定された文字列以外にユーザにとって不必要な文字列が見出し語の説明情報にあったとしても、指定されていないため表記されることがないので、ユーザは不必要な訳を覚える必要がなく、また見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに記憶させる量を抑制することができる。
【0084】
そして、ユーザによって、説明情報のうち任意の文字列を指定するだけで、自動的に対応する見出し語を、指定された文字列に紐付けて見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存でき、保存操作を簡略することができる。
【0085】
実施形態の電子辞書10の一時保存BOX機能によれば、例えばある文章を対象に、ユーザが解からない単語、熟語、略語などの語句を見出し語として検索して調べながら読んで行く過程において、検索された見出し語の説明情報に含まれる当該見出し語に相応しい訳や語義などとしてユーザが判断した文字列が指定されると、検索された見出し語と指定された文字列が順次一覧となって見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存(記憶)される。
【0086】
そして、ユーザが、例えば過去に読んだ文章を再び読み込む場合、同文章を過去に読んだ際に検索して調べた見出し語(語句)のうち、ユーザが指定して見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eに保存(記憶)されている見出し語(語句)とその訳や語義などである文字列の一覧を、見出し語訳一時保存BOX40に展開させて表示部17に表示させることができる。
【0087】
これにより、ユーザは、例えば、過去に読んだ文章を再び読んで行く場合に、同じ語句の調べ直しを要することなく、ユーザが憶えきれていない語句とその語句に相応しい訳や語義などの情報を直ぐに確認しながらスムーズに読んで行くことが可能になる。
【0088】
以上の実施形態において記載した電子辞書10による各処理の手法、すなわち、
図4のフローチャートに示すBOX保存処理、
図5のフローチャートに示すBOX表示処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した辞書機能および一時保存BOX機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0089】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した辞書機能および一時保存BOX機能を実現することもできる。
【0090】
実施形態の電子機器は、電子辞書10により実現した場合を説明したが、通信ネットワークN上のWebサーバ30により実現可能であるのは勿論である。この場合、例えば、ユーザが操作するタブレット端末などの通信端末を使用してWebサーバ30と通信接続することで、Webサーバ30は実施形態の電子辞書10が有する機能と同じ機能を実行する。上記実施形態では、電子辞書10は辞書データ記憶領域22cを備えているが、代わりに辞書データ記憶領域22cをWebサーバ30に設けてもよい。
【0091】
また上記実施形態では、電子辞書10は見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eを備えているが、代わりに見出し語訳一時保存BOX記憶領域22eをWebサーバ30に設けてもよい。
【0092】
本願発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0093】
[付記1]
見出し語の説明情報の一部の文字列がユーザ操作にしたがって指定されると、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させる制御部を備える、
電子機器。
【0094】
[付記2]
前記説明情報が指定されていない文字列を含む場合、前記制御部は、前記指定されていない文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させない、
付記1に記載の電子機器。
【0095】
[付記3]
前記制御部は、ユーザ操作によって入力された語句を辞書データから検索し、検索された語句を含む見出し語と、前記見出し語に対応する説明情報を取得する、
付記1または付記2に記載の電子機器。
【0096】
[付記4]
前記見出し語と、前記見出し語に対応する説明情報とを表示する表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記指定された文字列と、前記指定された文字列に関連づけられた見出し語とを一覧にして表示する、
付記1ないし付記3の何れかに記載の電子機器。
【0097】
[付記5]
前記制御部は、
前記表示部に表示された見出し語に対応する説明情報に含まれる文字列がユーザ操作により指定された場合、異なる見出し語に対応した説明情報に含まれる文字列が指定される毎に、前記表示された見出し語と前記指定された文字列とを一覧にして前記記憶部に記憶させる、
付記4に記載の電子機器。
【0098】
[付記6]
前記制御部は、
前記表示部に表示された見出し語に対応する説明情報に含まれる文字列がユーザにより指定された場合、前記指定された文字列が前記表示された見出し語を説明する文字列であるか否かを判定し、
前記指定された文字列が前記表示された見出し語を説明する文字列であると判定した場合に、前記表示された見出し語と前記指定された文字列とを関連づけて前記記憶部に記憶させる、
付記4または付記5に記載の電子機器。
【0099】
[付記7]
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された見出し語と、前記記憶された見出し語に関連づけられた文字列とを、前記ユーザの指示に応じて前記表示部に表示させる、
付記4ないし付記6のいずれかに記載の電子機器。
【0100】
[付記8]
前記制御部は、
前記表示部に表示された見出し語に対応する説明情報に含まれる文字列がユーザにより指定された場合、前記表示された見出し語と前記指定された文字列とに、日時情報と同見出し語の難易度情報と同見出し語の検索回数情報とのうち、少なくとも一つの情報を関連づけて前記記憶部に記憶させる、
付記4ないし付記7のいずれかに記載の電子機器。
【0101】
[付記9]
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された見出し語と前記見出し語に関連づけられた文字列とを、前記日時情報に対応する日時順または前記難易度情報に対応する難易度順または前記検索回数情報に対応する検索回数順または前記見出し語の言語種順に前記表示部に表示させる、
付記8に記載の電子機器。
【0102】
[付記10]
前記制御部は、
前記記憶部に記憶された見出し語と前記見出し語に関連づけられた文字列とを、特定の枠内に展開した表示態様で前記表示部に表示させる、
付記4ないし付記9のいずれかに記載の電子機器。
【0103】
[付記11]
前記制御部は、
前記見出し語と前記見出し語に関連づけられた文字列とを、前記ユーザにより入力される任意のファイル名に対応付けて記憶させる、
付記1ないし付記10のいずれかに記載の電子機器。
【0104】
[付記12]
電子機器の制御部により、
見出し語の説明情報に含まれる文字列を、ユーザ操作にしたがって指定し、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させる、
ようにした情報保存方法。
【0105】
[付記13]
電子機器の制御部を、
見出し語の説明情報に含まれる文字列を、ユーザ操作にしたがって指定し、前記指定された文字列を前記見出し語と関連づけて記憶部に記憶させる、
ように機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0106】
10 …電子辞書(電子機器)
14 …キー入力部
14f…[BOX]キー
17 …タッチパネル式表示部
21 …制御部(CPU)
22 …記憶部
22a…検索処理プログラム
22b…一時保存BOX処理プログラム
22c…辞書データ記憶領域
22d…検索履歴記憶領域
22e…見出し語訳一時保存BOX記憶領域
22f…作業データ記憶領域
23 …外部記録媒体
24 …記録媒体読取部
25 …通信部
N …通信ネットワーク
30 …Webサーバ
G1 …検索結果表示画面
40 …見出し語訳一時保存BOX
41 …[BOX]ボタン
42 …見出し語訳一時保存BOX表示ウインドウ
E …簡易検索結果ウインドウ