(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/38 20190101AFI20241224BHJP
【FI】
G06F16/38
(21)【出願番号】P 2020159116
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊英
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-209516(JP,A)
【文献】特開2000-315168(JP,A)
【文献】特開平05-020152(JP,A)
【文献】特開平11-144027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
ユーザにより設定された、文書の属性名であるユーザ設定属性名と、当該ユーザ設定属性名に対応する属性値とが付与された既存文書が格納されている格納場所に、新規文書が格納された際、当該既存文書に設定されている前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定
し、
前記格納場所に、複数の既存文書が登録されているとき、
前記プロセッサは、
前記複数の既存文書のうち全ての既存文書間において共通する前記ユーザ設定属性名が存在する場合には、前記全ての既存文書間において共通する前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定し、
前記複数の既存文書のうち全ての既存文書間において共通する前記ユーザ設定属性名が存在しない場合には、前記複数の既存文書のうち最も多くの既存文書間において共通する前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定する情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記新規文書に設定した前記ユーザ設定属性名に対応付ける属性値の入力を受け付け、入力された前記属性値を前記新規文書に設定する請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
さらに、前記共通する前記ユーザ設定属性名に対して前記既存文書において対応付けられている属性値であって、最も多くの前記既存文書に共通する属性値を、前記新規文書に設定する請求項
1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記新規文書に設定されている前記ユーザ設定属性名と共通する前記ユーザ設定属性名が設定された文書を最も多く含む格納場所を、提示する請求項1~
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記新規文書に設定されている前記ユーザ設定属性名及び当該ユーザ設定属性名に対応する属性値と共通する前記ユーザ設定属性名及び属性値が設定された文書を最も多く含む格納場所を、提示する請求項1~
3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記新規文書が格納されている格納場所と、提示した格納場所とが異なる場合、前記新規文書を前記提示した格納場所に格納するか否かの入力を受け付け、
前記新規文書を前記提示した格納場所に格納する旨を受け付けた場合、前記新規文書を前記提示した格納場所に格納し、
前記提示した格納場所に既に格納されている既存文書に設定されている前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定する請求項
4又は請求項
5記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1~
6のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、読取装置で読み取られた税務会計に関する文書データを分類保存する税務会計業務向けのデータ管理システムにおいて、文書データが登録される記憶領域と、文書データの登録場所に関連するキーワードが登録された1以上のテーブルを格納するテーブル格納領域と、前記読み取られた文書のイメージデータをテキスト情報に変換する文字認識手段と、前記1以上のテーブルのキーワードについて前記文書データのテキスト情報を検索するテキスト検索部と、前記テキスト検索部から出力される検索情報を用いて前記文書データの登録場所またはその候補を決定する登録先判定部とを具え、前記テーブル格納領域に格納された1以上のテーブルには、少なくとも業務フォルダと文書カテゴリを対応づける第1の対応関係と、前記文書カテゴリと各文書カテゴリに関連するキーワードを対応づける第2の対応関係とが登録されており、前記記憶領域には、会社毎に設けられる会社フォルダの下層に文書カテゴリに対応する1以上の前記業務フォルダが設けられ、前記登録先判定部は、(1)文書ファイル内で最も多く検出されるキーワード、(2)文書ファイル内で最初にヒットしたキーワード、(3)キーワード毎の重みづけ数値を当該キーワードの数に乗じた値が最も大きいキーワード、のいずれか1以上に基づいて、前記第2の対応関係を参照して当該文書データの文書カテゴリを抽出し、抽出された文書カテゴリから前記第1の対応関係を参照して対応する業務フォルダを抽出することにより、前記文書データがどの業務フォルダに登録されるべきかを決定することを特徴とするデータ管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文書の管理の容易のため、ユーザが各文書の特性に応じて各文書に自由に属性を設定した上で各文書を管理する文書管理システムがある。文書の属性は、属性の名称である属性名と、その値である属性値とで表される。以下、ユーザが設定する属性名を、ユーザ設定属性名と呼ぶ。
本発明は、文書管理システムで管理する各文書に、ユーザが個別に、その文書に付与すべきユーザ設定属性名を全て入力して設定する場合と比較して、ユーザ設定属性名の付与を簡略化できる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ユーザにより設定された、文書の属性名であるユーザ設定属性名と、当該ユーザ設定属性名に対応する属性値とが付与された既存文書が格納されている格納場所に、新規文書が格納された際、当該既存文書に設定されている前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定する。
【0006】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記格納場所には、複数の既存文書が登録されており、前記プロセッサは、前記複数の既存文書のうち少なくとも一部の既存文書間において共通する前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定する。
【0007】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記新規文書に設定した前記ユーザ設定属性名に対応付ける属性値の入力を受け付け、入力された前記属性値を前記新規文書に設定する。
【0008】
第4態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、さらに、前記共通する前記ユーザ設定属性名に対して前記既存文書において対応付けられている属性値であって、最も多くの前記既存文書に共通する属性値を、前記新規文書に設定する。
【0009】
第5態様に係る情報処理装置は、第1~第4態様のいずれか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記新規文書に設定されている前記ユーザ設定属性名と共通する前記ユーザ設定属性名が設定された文書を最も多く含む格納場所を、提示する。
【0010】
第6態様に係る情報処理装置は、第1~第4態様のいずれか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記新規文書に設定されている前記ユーザ設定属性名及び当該ユーザ設定属性名に対応する属性値と共通する前記ユーザ設定属性名及び属性値が設定された文書を最も多く含む格納場所を、提示する。
【0011】
第7態様に係る情報処理装置は、第5態様又は第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記新規文書が格納されている格納場所と、提示した格納場所とが異なる場合、前記新規文書を前記提示した格納場所に格納するか否かの入力を受け付け、前記新規文書を前記提示した格納場所に格納する旨を受け付けた場合、前記新規文書を前記提示した格納場所に格納し、前記提示した格納場所に既に格納されている既存文書に設定されている前記ユーザ設定属性名を、前記新規文書に設定する。
【0012】
第8態様に係る情報処理プログラムは、第1態様~第7態様のいずれか1の態様に係る情報処理装置として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
第1態様、及び第8態様によれば、各文書にユーザが個別に、ユーザ設定属性名を全て入力して設定する場合と比較して、ユーザ設定属性名の設定を簡略化できる。
【0014】
第2態様によれば、新規文書を格納する格納場所に登録されている既存文書に合わせて、ユーザ設定属性名を新規文書に設定できる。
【0015】
第3態様によれば、属性値に、ユーザの意思を反映させることができる。
【0016】
第4態様によれば、新規文書を格納する格納場所に登録されている既存文書に合わせて、属性値を設定できる。
【0017】
第5態様によれば、新規文書の格納場所として蓋然性が高い格納場所をユーザに提示できる。
【0018】
第6態様によれば、ユーザ設定属性名及び属性値の両方を考慮して、新規文書の格納場所として蓋然性が高い格納場所をユーザに提示できる。
【0019】
第7態様によれば、提示した格納場所に格納するかユーザの意思を確認でき、提示通りに格納される場合には、提示した格納場所に格納されている既存文書に設定されているユーザ設定属性名に合わせて、ユーザ設定属性名を新規文書に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】文書管理システムの概略構成例を示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】ユーザが属性を持たない新規文書をフォルダに登録処理をする一例を示す図である。
【
図5】ユーザが選択したフォルダの直下の文書の属性を精査する処理の一例を示す図である。
【
図6】ユーザに属性値の入力を要請する処理の一例を示す図である。
【
図7】ユーザが属性を持つ新規文書をフォルダに登録処理をする一例を示す図である。
【
図8】該当属性を最も多く含むフォルダを抽出する処理の一例を示す図である。
【
図9】該当属性を最も多く含むフォルダをユーザに表示して格納場所の要否受付をする一例を示す図である。
【
図10】文書の登録先の変更通知の一例を示す図である。
【
図11】ユーザに属性値の入力を要請する処理の一例を示す図である。
【
図12】ユーザ設定属性名及び属性値が設定された場合の提示の一例を示す図である。
【
図13】ユーザ設定属性名及び属性値が設定された場合の提示の一例であって、属性値の変更が可能な場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る文書管理システムの概略構成を示す図である。
【0023】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置30を有する文書管理システム10の概略構成を示す図である。
図1に示すように、文書管理システム10は、利用者としてのユーザ100が使用するユーザ端末装置20と、サーバ装置としての情報処理装置30とが、ネットワークなどの通信手段に接続されて構成されている。なお、通信手段としては、後述するように、インターネットやイーサネット(登録商標)などの各種ネットワークを適用することができる。また、
図1では、ユーザ100を2人、ユーザ端末装置20を2台と、情報処理装置30を1台の例を示しているが、この数に限定するものではない。
【0024】
図2は、情報処理装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、情報処理装置30は、コンピュータとしての機能を備え、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、ストレージ34、ユーザインタフェースとしての入力部35、液晶表示装置である表示部36と、通信I/F(通信インタフェース)37を有している。情報処理装置30の各部は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。
【0025】
プロセッサの一例であるCPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又はストレージ34に記録されているプログラムに従って、情報処理装置30の各部の制御および各種の演算処理を行う。
【0026】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0027】
ユーザインタフェースとしての入力部35は、サーバ管理者が情報処理装置30を使用する際のインタフェースであり、例えば、ボタンやタッチパネル等の入力部35である。表示部36は、液晶ディスプレイ等を有している。
【0028】
通信インタフェース37は、パソコン等のユーザ端末装置20等と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース37の通信方式としては、有線又は無線が用いられる。通信インタフェース37の通信規格としては、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等が用いられる。
【0029】
上記のプログラムを実行する際に、情報処理装置30は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。
【0030】
本実施形態に係る情報処理装置30は、上述したようにプロセッサとしてのCPU31を有している。
CPU31は、ユーザにより設定された、文書の属性名であるユーザ設定属性名と、当該ユーザ設定属性名に対応する属性値とが付与された既存文書が格納されている格納場所に、新規文書が格納された際、当該既存文書に設定されているユーザ設定属性名を、新規文書に設定する。
【0031】
本実施形態では、ユーザが新規文書に登録した格納場所としてのフォルダには、複数の既存文書が登録されている。
CPU31は、この複数の既存文書のうち少なくとも一部の既存文書間において共通するユーザ設定属性名を、新規文書に設定する。
さらに、CPU31は、共通するユーザ設定属性名を新規文書に設定し、この設定したユーザ設定属性名に対応付ける属性値の入力を受け付け、入力された属性値を新規文書に設定する。
CPU31は、さらに、共通するユーザ設定属性名に対して既存文書において対応付けられている属性値であって、最も多くの既存文書に共通する属性値を、新規文書に設定する。
また、CPU31は、新規文書に設定されているユーザ設定属性名と共通するユーザ設定属性名が設定された文書を最も多く含む格納場所を、提示する。
CPU31は、新規文書に設定されているユーザ設定属性名及び当該ユーザ設定属性名に対応する属性値と共通するユーザ設定属性名及び属性値が設定された文書を最も多く含む格納場所を、提示する。
また、CPU31は、新規文書が格納されている格納場所と、提示した格納場所とが異なる場合、新規文書を提示した格納場所に格納するか否かの入力を受け付け、新規文書を提示した格納場所に格納する旨を受け付けた場合、新規文書を提示した格納場所に格納し、提示した格納場所に既に格納されている既存文書に設定されているユーザ設定属性名を、新規文書に設定する。
【0032】
本実施形態では、コンピュータを、上述したような情報処理装置として機能させるための情報処理プログラムをRAM33又はストレージ34に記憶させている。
そして、CPU31は、ROM32又はストレージ34から上述した情報処理プログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行することができるものである。
【0033】
次に、情報処理装置30の作用について説明する。
図3は、情報処理装置30による情報処理の流れを示すフローチャートである。
図4は、ユーザが属性を持たない新規文書をフォルダに登録処理をする一例を示す図である。
図5は、ユーザが選択したフォルダの直下の文書の属性を精査する処理の一例を示す図である。
図6は、ユーザに属性値の入力を要請する処理の一例を示す図である。
図7は、ユーザが属性を持つ新規文書をフォルダに登録処理をする一例を示す図である。
図8は、該当属性を最も多く含むフォルダを抽出する処理の一例を示す図である。
図9は、該当属性を最も多く含むフォルダをユーザに表示して格納場所の要否受付をする一例を示す図である。
図10は、文書の登録先の変更通知の一例を示す図である。
図11は、ユーザに属性値の入力を要請する処理の一例を示す図である。
図12は、ユーザ設定属性名及び属性値が設定された場合の提示の一例を示す図である。
図13は、ユーザ設定属性名及び属性値が設定された場合の提示の一例であって、属性値の変更が可能な場合の一例を示す図である。
【0034】
ステップS110において、CPU31は、ユーザによって指定された文書を、格納場所であるフォルダに新たに登録する。例えば、ユーザ100は、自身のユーザ端末装置20から、情報処理装置30のストレージ34にアクセスし、ディレクトリ等を参照しつつ、所望のフォルダを選択して、所望の文書の保存を指示する。当該指示により、CPU31は、文書を登録する。以下では、新たに登録される文書を、新規文書と呼ぶ。
ステップS111において、CPU31は、ユーザ100の新規文書に属性があるか否かを判定する。CPU31は、属性が無いと判定した場合(ステップS111:No)は、ステップS112に進み、属性があると判定した場合(ステップS111:Yes)には、ステップS116に進む。
【0035】
ステップS112において、CPU31は、新規文書が登録されたフォルダ内の直下の文書の属性を精査する。
具体的には、例えば、
図4に示すように、ユーザ100がユーザ設定属性名及び属性値を付していない新規文書が、「機能使用」という名前が付いたフォルダに登録される場合を考える。この場合、CPU31は、
図5に示すように、「機能仕様」のフォルダを参照し、当該フォルダに登録されている文書の全てについて、ユーザ設定属性名及び対応する属性値を確認する。なお、本実施形態では、新規文書が登録されたフォルダ内の直下の文書を精査する場合について説明している。しかし、直下の文書だけでなく、新規文書が登録されたフォルダ内に登録されている別のフォルダ内の文書を精査しても良い。以下では、新規文書が登録されたフォルダ内に既に登録されている文書を、既存文書と呼ぶ。
【0036】
ステップS113において、CPU31は、既存文書間において、共通しているユーザ設定属性名を抽出する。
具体的には、例えば、
図5に示すように、「商品名」というユーザ設定属性名と、「バージョン」というユーザ設定属性名とが、「機能仕様」のフォルダ内の既存文書間において共通しているとする。この場合、CPU31は、「商品名」及び「バージョン」のユーザ設定属性名をそれぞれ抽出する。
なお、全ての文書において、共通するユーザ設定属性名が無いときには、共通するユーザ設定属性名の文書数が最も多いものが抽出される。また、本実施形態では、既存文書間で共通するユーザ設定属性名を抽出しているが、既存ファイル間で共通するユーザ設定属性名と対応する属性値との組を抽出しても良い。
【0037】
ステップS114において、CPU31は、ステップS113で抽出した共通するユーザ設定属性名を、新規文書に設定する。
具体的には、例えば、CPU31は、新規文書に
図5で抽出した共通のユーザ設定属性名である「商品名」、「バージョン」を付与する。
ステップS115において、CPU31は、新規文書に設定したユーザ設定属性名に対して、その属性値を入力するように、ユーザに要請する。
具体的には、例えば、CPU31は、
図6に示す画面を、ユーザ100のユーザ端末装置20に表示させる。そして、ユーザ100による属性値の入力を受け付ける。
図6に示す例では、CPU31は、ユーザ設定属性名である「商品名」及び「バージョン」に対応する属性値の入力を要請するダイアログをユーザ端末装置20に表示する。
【0038】
ステップS111において、属性があると判定した場合(ステップS111:Yes)で、ステップS116に進む場合の説明に戻る。
ステップS116において、CPU31は、文書に属性がある場合に、当該属性を最も多く含むフォルダを抽出する。
具体的には、例えば、
図7に示すように、ユーザ100がユーザ設定属性名として「組織」、属性値として「5G」を設定している新規文書を文書管理システム10のフォルダ「その他」を選択して登録した場合を考える。
【0039】
この場合、CPU31は、例えば、
図8に示すように、新規文書に設定されている属性(ユーザ設定属性名「組織」、属性値「5G」)と同じ属性の文書を最も多く含むフォルダB(開発資料/5G)を抽出する。
なお、当該属性を最も多く含むフォルダが複数あって、それらのフォルダが階層化されているような場合には、例えば、より下層側のフォルダ又はより上層側のフォルダが抽出されるように設定されている。
【0040】
ステップS117において、CPU31は、新規文書の格納場所が適正であるか否かを判断する。具体的には、ステップS110でユーザ100が新規文書を登録したフォルダと、ステップS112で抽出したフォルダとが一致するか否かを判定するものである。一致する場合(ステップS117:Yes)には、CPU31は、適正と判断し、ステップS112に進む。ステップS112以降の処理は、上述の通りである。一方、一致しない場合(ステップS117:No)には、CPU31は、適正でないと判断し、次のステップS118に進む。
【0041】
ステップS118において、CPU31は、ステップS112で抽出したフォルダをユーザ100に提示して、格納場所の要否を受け付ける。
具体的には、例えば、CPU31は、
図9に示すように、ユーザ端末装置20に「属性の内容から、格納場所をより適切な格納場所として以下のフォルダがあります。変更しますか?」と表示し、適切な格納場所として、「開発資料/5G」のフォルダを提示する。併せて、CPU31は、「YES」[NO」のボタンを表示させる。ユーザ100は、「YES」を選択することにより、新規文書の格納場所を提示した格納場所に変更することに同意でき、「NO」を選択することにより、新規文書の格納場所を提示した格納場所に変更することを拒絶できる。
【0042】
なお、上記例では、新規文書のユーザ設定属性名及びこのユーザ設定属性名に対応する属性値の組と共通するユーザ設定属性名及び属性値の組が設定された文書を最も多く含むフォルダを、提示している。しかし、特にこれに限定されるものではない。例えば、ユーザ設定属性名だけに注目して、ユーザ設定属性名が新規文書と共通するファイルを最も多く含むフォルダを、提示しても良い。
【0043】
ステップS119において、CPU31は、格納場所を変更するか否かを判定する。格納場所を変更するか否かは、上述のように、例えば、
図9に示す画面で、「YES」が選択されたか、「NO」が選択されたかによる。CPU31は、「YES」が選択された場合、格納場所を変更すると判定し、「NO」が選択された場合、格納場所を変更しないと判定する。格納場所を変更しないと判定した場合(ステップS119:No)、CPU31は、ステップ112に進む。ステップS112以降の処理は上述の通りである。一方、格納場所を変更すると判定した場合(ステップS119:Yes)、CPU31は、ステップS120に進む。
【0044】
ステップS120において、CPU31は、新規文書の登録先変更通知を行う。
具体的には、例えば、CPU31は、ユーザ端末装置20にダイアログとして、
図10に示すように、「属性の内容から、格納場所をより適切な格納場所として以下のフォルダに変更しました。」と表示し、新たな格納場所として、「開発資料/5G」のフォルダを提示する。ユーザ100は、新たな格納場所を確認した上で、「OK」を選択できる。
【0045】
なお、本実施形態では、ステップS115において、例えば、
図6に示すように、ユーザ100に属性値の入力を要請している。しかし、特にこれに限定されるものではない。属性値を自動で設定しても良い。この場合、例えば、CPU31は、既存文書間で、共通するユーザ設定属性名及び対応する属性値の組を抽出し、抽出した組のユーザ設定属性名をステップS114で新規文書に設定すると共に、当該組の属性値も新規文書に設定する。この場合、CPU31は、
図12に示すように画面をユーザ端末装置20に表示させ、自動的に新規文書に設定されるユーザ設定属性名及び属性値を、ユーザが認識できるようにする。なお、このように自動的に属性値まで設定する場合には、CPU31は、ステップS116において、新規文書に設定されているユーザ設定属性名及び対応する属性値の組と、共通するユーザ設定属性名及び属性値の組が設定された文書を最も多く含むフォルダを抽出する。そして、CPU31は、ステップS118で、新規文書と共通するユーザ設定属性名及び属性値の組が設定された文書を最も多く含むフォルダを提示することが好ましい。
【0046】
さらに、上述したユーザ設定属性名及び属性値を設定した場合、ユーザにより、属性値を変更可能としても良い。この場合、CPU31は、ユーザ端末装置20に、
図13に示すように、ダイアログを表示させ、ユーザによる属性値の編集を受け付ける。
図13に示す画面で、ユーザ設定属性名及び属性値の両方を編集可能としても良い。或いは、
図13において、自動設定されたユーザ設定属性名及び属性値を採用しないことをユーザに選択可能としても良い。この場合、例えば、「採用しない」ボタンを
図13に表示する。
【0047】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した実施形態は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0048】
本実施形態では、一例として各処理をソフトウェアで実現する形態について説明したが、各処理のフローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)に実装し、ハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、各処理をそれぞれソフトウェアで実現した場合と比較して、処理の高速化が図られる。
【0049】
また、上述した実施形態では、情報処理プログラムがROM等にインストールされている形態を説明したが、これに限定されるものではない。本発明に係る情報処理プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば、本発明に係る情報処理プログラムを、CD(Compact Disc)-ROM、又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、本発明に係る情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びフラッシュメモリ等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。更に、情報処理装置30は、通信回線を通じて、通信回線と接続される外部装置からプログラムを取得するようにしてもよい。
【0050】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 文書管理システム、20 ユーザ端末装置、30 情報処理装置、31 CPU、32 ROM、33 RAM、34 ストレージ、35 入力部、36 表示部、37 通信I/F、100 ユーザ