(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】現像装置、画像形成装置、現像剤検出方法
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241224BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241224BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
G03G15/08 321B
G03G21/00 510
G03G21/14
(21)【出願番号】P 2021005653
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴志
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-031327(JP,A)
【文献】特開平08-202138(JP,A)
【文献】特開2015-191077(JP,A)
【文献】特開2011-237705(JP,A)
【文献】特開2015-125159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0232531(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/08
13/095
13/34
15/00
15/08
15/095
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する収容部と、
前記収容部において回転可能に設けられ、前記収容部内の前記現像剤を撹拌及び搬送する搬送部と、
前記搬送部による前記現像剤の搬送経路の予め定められた検出位置における透磁率に応じた電気信号を出力するセンサーと、
前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号に基づく特定値を取得する取得処理部と、
前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号の変動幅が予め定められた閾値未満である場合は、前記搬送部の回転速度
及び前記変動幅のうち前記搬送部の回転速度のみに基づいて前記特定値を補正し、前記変動幅が前記閾値以上である場合は、前記搬送部の回転速度及び前記変動幅
の両方に基づいて前記特定値を補正する補正処理部と、
を備える現像装置。
【請求項2】
前記搬送部は、スクリュー状の部材である、
請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤は、非磁性体のトナーであって、
前記収容部は、前記トナー及び磁性体のキャリアを収容する、
請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記特定値は、前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号の最大値又は最小値である、
請求項1~3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の現像装置を備える画像形成装置。
【請求項6】
現像剤を収容する収容部と、前記収容部において回転可能に設けられ、前記収容部内の前記現像剤を撹拌及び搬送する搬送部と、前記搬送部による前記現像剤の搬送経路の予め定められた検出位置における透磁率に応じた電気信号を出力するセンサーと、を備える現像装置で実行される現像剤検出方法であって、
前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号に基づく特定値を取得する取得ステップと、
前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号の変動幅が予め定められた閾値未満である場合は、前記搬送部の回転速度
及び前記変動幅のうち前記搬送部の回転速度のみに基づいて前記特定値を補正し、前記変動幅が前記閾値以上である場合は、前記搬送部の回転速度及び前記変動幅
の両方に基づいて前記特定値を補正する補正ステップと、
を含む現像剤検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、画像形成装置、及び現像剤検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラムなどの像担持体に形成された静電潜像を現像する現像装置を備える。前記現像装置は、トナーなどの現像剤を収容する収容部を備えており、前記収容部に収容された前記現像剤を用いて前記静電潜像を現像する。
【0003】
例えば、この種の現像装置の前記収容部には、非磁性体の前記現像剤及び磁性体のキャリアを含む2成分現像剤が収容される。また、前記収容部には、搬送部及びセンサーが設けられる。前記搬送部は、前記収容部において回転可能に設けられ、前記現像剤及び前記キャリアを撹拌するとともに搬送する。前記センサーは、前記搬送部による前記現像剤及び前記キャリアの搬送経路上の所定の検出位置における透磁率に応じた電気信号を出力する。前記センサーは、前記収容部における前記現像剤の収容量の検出に用いられる。
【0004】
ところで、前記搬送部の回転速度が上昇すると、前記搬送部によって巻き上げられる前記キャリアの量が増加して、前記検出位置における前記キャリアの密度が低下する。これにより、前記収容部における前記現像剤の収容量の変化の有無に関わらず前記センサーの出力が変化する。そのため、前記搬送部の回転速度を変更可能な構成では、前記収容部における前記現像剤の収容量の検出精度が低下する。これに対し、前記搬送部の回転速度と前記センサーの出力値との間に一次式で表現可能な関係性が存在する点に着目して、前記搬送部の回転速度に基づいて前記センサーの出力値を補正する画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記搬送部の回転速度の上昇に伴う前記検出位置における前記キャリアの密度の低下には限界がある。この限界を超えると、前記搬送部の回転速度が上昇しても前記検出位置における前記キャリアの密度はほとんど低下しなくなる。つまり、前記搬送部の回転速度が限界値を超えると、前記搬送部の回転速度と前記センサーの出力値との間の関係性が変化する。上述の画像形成装置では、この点が考慮されていないため、前記現像剤の収容量を精度よく検出することができない。
【0007】
本発明の目的は、現像剤の収容量の検出精度を向上可能な現像装置、画像形成装置、及び現像剤検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る現像装置は、収容部と、搬送部と、センサーと、取得処理部と、補正処理部とを備える。前記収容部は、現像剤を収容する。前記搬送部は、前記収容部において回転可能に設けられ、前記収容部内の前記現像剤を撹拌及び搬送する。前記センサーは、前記搬送部による前記現像剤の搬送経路の予め定められた検出位置における透磁率に応じた電気信号を出力する。前記取得処理部は、前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号に基づく特定値を取得する。前記補正処理部は、前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号の変動幅が予め定められた閾値未満である場合は、前記搬送部の回転速度に基づいて前記特定値を補正し、前記変動幅が前記閾値以上である場合は、前記搬送部の回転速度及び前記変動幅に基づいて前記特定値を補正する。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記現像装置を備える。
【0010】
本発明の他の局面に係る現像剤検出方法は、現像剤を収容する収容部と、前記収容部において回転可能に設けられ、前記収容部内の前記現像剤を撹拌及び搬送する搬送部と、前記搬送部による前記現像剤の搬送経路の予め定められた検出位置における透磁率に応じた電気信号を出力するセンサーと、を備える現像装置で実行され、以下の取得ステップと、補正ステップとを含む。前記取得ステップでは、前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号に基づく特定値が取得される。前記補正ステップでは、前記搬送部の回転周期中に出力される前記電気信号の変動幅が予め定められた閾値未満である場合は、前記搬送部の回転速度に基づいて前記特定値が補正され、前記変動幅が前記閾値以上である場合は、前記搬送部の回転速度及び前記変動幅に基づいて前記特定値が補正される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像剤の収容量の検出精度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の現像部の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される現像剤検出処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるトナーセンサーから出力される電気信号と第1搬送部材の回転速度との関係を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるトナーセンサーから出力される電気信号の推移を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるトナーセンサーから出力される電気信号の推移を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるトナーセンサーから出力される電気信号の推移を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る画像形成装置におけるトナーセンサーから出力される電気信号の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
[画像形成装置100の構成]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、
図1は画像形成装置100の構成を示す断面図である。
【0015】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(
図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図1に示される画像形成装置100の紙面左側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0016】
画像形成装置100は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100は、プリント装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などであってもよい。
【0017】
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、操作表示部5、記憶部6、及び制御部7を備える。
【0018】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿を搬送する。ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。
【0019】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。
【0020】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式により、給紙部4から供給されるシートにカラー又はモノクロの画像を形成する。
【0021】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。給紙部4は、給紙カセット、手差しトレイ、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0022】
操作表示部5は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。操作表示部5は、制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部7に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0023】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリー及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリー、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置である。
【0024】
制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。
図2に示されるように、制御部7は、CPU11、ROM12、及びRAM13を備える。CPU11は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM12は、CPU11に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM13は、CPU11が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶装置である。制御部7では、CPU11によりROM12に予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置100が制御部7により統括的に制御される。
【0025】
なお、制御部7は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。また、制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0026】
[画像形成部3の構成]
次に、
図1~
図3を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、
図3は画像形成ユニット24の構成を示す断面図である。
【0027】
図1に示されるように、画像形成部3は、4つの画像形成ユニット21~24、光走査装置25、中間転写ベルト26、二次転写ローラー27、定着装置28、及び排紙トレイ29を備える。また、画像形成部3は、第1駆動部30(
図2参照)を備える。
【0028】
画像形成ユニット21はY(イエロー)、画像形成ユニット22はC(シアン)、画像形成ユニット23はM(マゼンタ)、画像形成ユニット24はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。
図1に示されるように、画像形成ユニット21~24は、画像形成装置100の前後方向D2に沿って、画像形成装置100の前方側からイエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの順に併設される。
【0029】
図3に示されるように、画像形成ユニット24は、感光体ドラム31、帯電ローラー32、現像部33、一次転写ローラー34、及びドラム清掃部35を備える。画像形成ユニット21~23各々は、画像形成ユニット24と同様の構成を備える。
【0030】
感光体ドラム31は、トナー像を担持する。感光体ドラム31は、第1駆動部30から供給される回転駆動力を受けて、
図3に示される回転方向D4に回転する。
【0031】
帯電ローラー32は、感光体ドラム31の表面を帯電させる。帯電ローラー32によって帯電された感光体ドラム31の表面には、光走査装置25から射出される画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
【0032】
現像部33は、非磁性体のトナーを用いて、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像を現像する。前記トナーは、本発明の現像剤の一例である。これにより、感光体ドラム31の表面にトナー像が形成される。
【0033】
一次転写ローラー34は、現像部33により感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト26に転写する。
【0034】
ドラム清掃部35は、一次転写ローラー34によるトナー像の転写後の感光体ドラム31の表面に残存する前記トナーを除去する。
【0035】
光走査装置25は、画像形成ユニット21~24各々の感光体ドラム31の表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。
【0036】
中間転写ベルト26は、画像形成ユニット21~24各々の感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト26は、駆動ローラー及び張架ローラーによって所定のテンションで張架される。中間転写ベルト26は、第1駆動部30から供給される回転駆動力を受けて前記駆動ローラーが回転することで、
図3に示される回転方向D5に回転する。
【0037】
二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26の表面に転写されたトナー像を給紙部4から供給されるシートに転写する。
【0038】
定着装置28は、二次転写ローラー27によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。
【0039】
排紙トレイ29には、定着装置28によってトナー像が定着されたシートが排出される。
【0040】
第1駆動部30は、画像形成ユニット21~24各々の感光体ドラム31及び現像部33、並びに中間転写ベルト26などに回転駆動力を供給するモーターである。
【0041】
[現像部33の構成]
次に、
図3及び
図4を参照しつつ、画像形成ユニット24の現像部33の構成について説明する。ここで、
図4は筐体41の第1搬送路52及び第2搬送路53を上側から見た図である。なお、画像形成ユニット21~23も、以下に述べる現像部33と同様の構成を備える。
【0042】
図3及び
図4に示されるように、現像部33は、筐体41、第1搬送部材42、第2搬送部材43、現像ローラー44、規制部材45、及びトナーセンサー46を備える。また、現像部33は、トナーコンテナ47(
図1参照)、及び第2駆動部48(
図2参照)を備える。なお、
図2には、画像形成ユニット24に対応するトナーセンサー46、及び第2駆動部48が示されている。
【0043】
筐体41は、第1搬送部材42、第2搬送部材43、現像ローラー44、及び規制部材45を収容する。また、筐体41は、前記トナー及び磁性体のキャリアを含む2成分現像剤を収容する。筐体41は、本発明の収容部の一例である。筐体41は、左右方向D3に長尺に形成される。筐体41は、底面51(
図3参照)及び側壁によって形成される内部空間において前記トナー及び前記キャリアを収容する。
【0044】
図3及び
図4に示されるように、筐体41は、前記トナー及び前記キャリアが搬送される第1搬送路52及び第2搬送路53を有する。具体的に、筐体41の底面51には、左右方向D3に延在する隔壁54(
図4参照)が設けられている。筐体41の底面51、側壁、及び隔壁54により、左右方向D3に延在する第1搬送路52及び第2搬送路53が形成される。
【0045】
第1搬送部材42は、筐体41において回転可能に設けられる。
図4に示されるように、第1搬送部材42は、第1搬送路52に設けられる。第1搬送部材42は、第1搬送路52に収容された前記トナー及び前記キャリアを、
図4に示される搬送方向D6に搬送する。また、第1搬送部材42は、前記トナー及び前記キャリアを撹拌して、前記トナー及び前記キャリアを摩擦帯電させる。第1搬送部材42は、本発明の搬送部の一例である。例えば、第1搬送部材42は、第1搬送路52において左右方向D3に沿った回転軸を中心に回転可能に設けられたスクリュー状の部材である。第1搬送部材42は、第1駆動部30から供給される回転駆動力を受けて回転する。なお、第1搬送部材42は、スクリュー状の部材に限られず、前記トナー及び前記キャリアを撹拌及び搬送可能な部材であればよい。
【0046】
第2搬送部材43は、筐体41において回転可能に設けられる。
図4に示されるように、第2搬送部材43は、第2搬送路53に設けられる。第2搬送部材43は、第2搬送路53に収容された前記トナー及び前記キャリアを、
図4に示される搬送方向D7に搬送する。また、第2搬送部材43は、前記トナー及び前記キャリアを撹拌して、前記トナー及び前記キャリアを摩擦帯電させる。例えば、第2搬送部材43は、第2搬送路53において左右方向D3に沿った回転軸を中心に回転可能に設けられたスクリュー状の部材である。第2搬送部材43は、第1駆動部30から供給される回転駆動力を受けて回転する。
【0047】
第1搬送路52における搬送方向D6の下流側の端部には、第2搬送路53へ通じる第1通路55が設けられている。第1通路55は、筐体41の側壁と隔壁54の右端部により形成される。また、第2搬送路53における搬送方向D7の下流側の端部には、第1搬送路52へ通じる第2通路56が設けられている。第2通路56は、筐体41の側壁と隔壁54の左端部により形成される。つまり、筐体41の内部には、第1搬送路52、第1通路55、第2搬送路53、及び第2通路56により、前記トナー及び前記キャリアが循環する循環搬送路が形成されている。
【0048】
現像ローラー44は、前記トナーを用いて感光体ドラム31に形成された静電潜像を現像する。
図3に示されるように、現像ローラー44は、第2搬送部材43及び感光体ドラム31に対向して設けられる。現像ローラー44は、筐体41により回転可能に支持されており、第1駆動部30から供給される回転駆動力を受けて回転方向D8(
図3参照)に回転する。現像ローラー44は、第2搬送路53から前記トナー及び前記キャリアを汲み上げる。現像ローラー44によって汲み上げられた前記トナー及び前記キャリアは、現像ローラー44の内部に設けられた磁極の磁力により、現像ローラー44の外周面において磁気ブラシを形成する。現像ローラー44は、外周面に形成された前記磁気ブラシを感光体ドラム31との対向領域R1(
図3参照)に搬送し、前記磁気ブラシに含まれる前記トナーを感光体ドラム31の表面へ移動させる。これにより、感光体ドラム31に形成された静電潜像が現像される。
【0049】
規制部材45は、現像ローラー44の外周面に形成された前記磁気ブラシの層厚を規制する。
図3に示されるように、規制部材45は、第2搬送部材43と現像ローラー44との対向領域よりも回転方向D8の下流側であって、現像ローラー44と感光体ドラム31との対向領域R1よりも回転方向D8の上流側に設けられる。規制部材45は、現像ローラー44の外周面との間に所定のギャップが形成されるように、現像ローラー44の外周面と対向して設けられる。
【0050】
トナーセンサー46は、第1搬送部材42による前記トナー及び前記キャリアの搬送経路の検出位置P1(
図4参照)における透磁率に応じた電気信号を出力する。トナーセンサー46は、本発明のセンサーの一例である。
図3に示されるように、トナーセンサー46は、筐体41の底面部に設けられる。例えば、トナーセンサー46は、検出位置P1における透磁率に応じた電圧を出力する。例えば、トナーセンサー46によって出力される電圧は、検出位置P1における前記トナーの量が多いほど低下する。トナーセンサー46は、現像部33における前記トナーの収容量の検出に用いられる。
【0051】
トナーコンテナ47は、K(ブラック)の前記トナーを収容する。トナーコンテナ47は、容器本体、供給口部、及び搬送部材47A(
図1参照)を備える。前記容器本体は、左右方向D3に長尺に形成されており、内部に前記トナーを収容する。前記供給口部は、前記容器本体における左端部に形成される。前記供給口部は、下方へ向けて開口している。前記供給口部は、鉛直方向に延びる不図示の供給路を介して、筐体41の上面部に形成された開口部57(
図3参照)に通じている。
【0052】
開口部57は、筐体41の上面部において、第1搬送部材42による前記トナー及び前記キャリアの搬送経路における検出位置P1よりも当該搬送経路の上流側の供給位置P2(
図4参照)へ向けて開口する。
図4に示されるように、供給位置P2は、第1搬送路52における左端部の位置である。
【0053】
搬送部材47Aは、トナーコンテナ47から筐体41における供給位置P2(
図4参照)へ前記トナーを供給する。搬送部材47Aは、トナーコンテナ47内において左右方向D3に沿った回転軸を中心に回転可能に設けられ、回転数に応じた量の前記トナーを前記供給口部に搬送する。例えば、搬送部材47Aは、トナーコンテナ47内の前記トナーを左方向に搬送可能なスクリュー状の部材である。搬送部材47Aによって前記供給口部に搬送された前記トナーは、自重によって前記供給路内を移動し、筐体41の供給位置P2に落下する。つまり、搬送部材47Aは、回転数に応じた量の前記トナーを筐体41の供給位置P2へ供給可能である。
【0054】
第2駆動部48は、搬送部材47Aに駆動力を供給する。例えば、第2駆動部48はモーターである。搬送部材47Aは、第2駆動部48から供給される回転駆動力を受けて回転する。
【0055】
ところで、第1搬送部材42の回転速度が上昇すると、第1搬送部材42によって巻き上げられる前記キャリアの量が増加して、検出位置P1における前記キャリアの密度が低下する。これにより、筐体41における前記トナーの収容量の変化の有無に関わらずトナーセンサー46の出力が変化する。そのため、第1搬送部材42の回転速度を変更可能な構成では、筐体41における前記トナーの収容量の検出精度が低下する。これに対し、第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との間に一次式で表現可能な関係性が存在する点に着目して、第1搬送部材42の回転速度に基づいてトナーセンサー46の出力値を補正する画像形成装置が知られている。
【0056】
しかしながら、第1搬送部材42の回転速度の上昇に伴う検出位置P1における前記キャリアの密度の低下には限界がある。この限界を超えると、第1搬送部材42の回転速度が上昇しても検出位置P1における前記キャリアの密度はほとんど低下しなくなる。つまり、第1搬送部材42の回転速度が限界値を超えると、第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との間の関係性が変化する。上述の画像形成装置では、この点が考慮されていないため、前記トナーの収容量を精度よく検出することができない。
【0057】
図6に、第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との関係の一例を示す。
図6では、第1搬送部材42の回転速度が100rpmの倍数である場合のトナーセンサー46の出力値がプロットされている。なお、
図6では、トナーセンサー46の出力値が8ビットのデジタル値として示されている。
【0058】
図6に示されるように、第1搬送部材42の回転速度が100rpmから400rpmまでの範囲においては、第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との間に一次式で表現可能な関係性が存在することが認められる。一方、第1搬送部材42の回転速度が400rpmを超えたあたりで、第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との間の関係性が変化している。この例では、第1搬送部材42の回転速度が400rpmを超えた付近で、前記キャリアの密度の低下が限界を迎えたものと考えられる。なお、前記キャリアの密度の低下が限界を迎える第1搬送部材42の回転速度(以下、「限界速度」と呼称する。)は、筐体41内の温湿度、及び筐体41における前記トナーの収容量などの要因によって変化する。
【0059】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、筐体41における前記トナーの収容量の検出精度を向上させることが可能である。
【0060】
具体的に、画像形成装置100では、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の変動幅に基づいて、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度を超えているか否かが判定される。前記変動幅は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の最大値と最小値との差である。そして、判定結果に応じて、トナーセンサー46の出力値の補正方法が切り替えられる。
【0061】
ここで、
図7には、第1搬送部材42の回転速度が300rpmである場合における、第1搬送部材42の回転周期T1中に出力されるトナーセンサー46の出力値の推移の一例が示されている。また、
図8には、第1搬送部材42の回転速度が400rpmである場合における、第1搬送部材42の回転周期T2中に出力されるトナーセンサー46の出力値の推移の一例が示されている。また、
図9には、第1搬送部材42の回転速度が500rpmである場合における、第1搬送部材42の回転周期T3中に出力されるトナーセンサー46の出力値の推移の一例が示されている。また、
図10には、第1搬送部材42の回転速度が600rpmである場合における、第1搬送部材42の回転周期T4中に出力されるトナーセンサー46の出力値の推移の一例が示されている。なお、
図6では、第1搬送部材42の回転速度が100rpmの倍数である場合における、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の出力値のうちの最大値がプロットされている。
【0062】
図6~
図8に示されるように、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度以下である場合は、第1搬送部材42の回転速度が増加しても、前記変動幅は変化しない。一方、
図6、
図9、及び
図10に示されるように、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度を超えている場合は、第1搬送部材42の回転速度の増加に応じて、前記変動幅が増加する。つまり、前記変動幅に基づいて、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度を超えているか否かを判定可能である。また、前記変化幅に基づいて、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度を超えている場合の、第1搬送部材42の回転速度と前記限界速度との差を判定可能である。
【0063】
[制御部7の構成]
以下、
図2を参照しつつ、トナーセンサー46の出力値を補正する制御部7について説明する。
【0064】
図2に示されるように、制御部7は、駆動制御部61、取得処理部62、補正処理部63、及び出力処理部64を含む。現像部33、取得処理部62、補正処理部63、及び出力処理部64を含む装置が、本発明の現像装置の一例である。
【0065】
具体的に、制御部7のROM12には、制御部7のCPU11に後述の現像剤検出処理(
図5のフローチャート参照)を実行させるための現像剤検出プログラムが予め格納されている。そして、制御部7のCPU11は、ROM12に格納された前記現像剤検出プログラムを実行することにより、駆動制御部61、取得処理部62、補正処理部63、及び出力処理部64として機能する。
【0066】
なお、前記現像剤検出プログラムは、CD、DVD、及びフラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。また、駆動制御部61、取得処理部62、補正処理部63、及び出力処理部64は、電子回路によって構成されてもよい。
【0067】
なお、以下では、画像形成ユニット21~24のうち、画像形成ユニット24に含まれる各部を例に挙げて説明を行う。以下の説明は、画像形成ユニット21~23各々についても同様に当てはまる。
【0068】
駆動制御部61は、画像形成部3を用いてシートに画像を形成する印刷処理が実行される場合に、第1駆動部30を予め定められた特定駆動速度で駆動させる。
【0069】
ここで、前記特定駆動速度は、予め定められた複数の印刷速度のうち、ユーザーの操作によって前記印刷処理の実行速度として設定された特定印刷速度に対応する第1駆動部30の駆動速度である。つまり、画像形成装置100では、第1駆動部30が、複数の前記印刷速度に対応する複数の駆動速度のいずれかで駆動される。また、第1搬送部材42が、複数の第1駆動部30の駆動速度に対応する複数の回転速度のいずれかで回転される。例えば、第1搬送部材42は、100rpm、200rpm、300rpm、400rpm、500rpm、及び600rpmのいずれかの回転速度で回転される(
図6参照)。
【0070】
取得処理部62は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号に基づく特定値を取得する。
【0071】
ここで、前記特定値は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の最大値である。
【0072】
なお、前記特定値は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の最小値であってもよい。また、前記特定値は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の平均値であってもよい。
【0073】
補正処理部63は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の前記変動幅が予め定められた閾値未満である場合は、予め定められた第1補正処理を実行する。具体的に、前記第1補正処理は、第1搬送部材42の回転速度に基づいて前記特定値を補正する処理である。
【0074】
また、補正処理部63は、前記変動幅が前記閾値以上である場合は、前記第1補正処理とは異なる第2補正処理を実行する。具体的に、前記第2補正処理は、第1搬送部材42の回転速度及び前記変動幅に基づいて前記特定値を補正する処理である。
【0075】
ここで、前記閾値は、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度以下である場合の前記変動幅に基づいて定められる。例えば、前記閾値は、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度以下である場合の前記変動幅に、1.2などの予め定められた係数を乗算した値である。前記閾値は、画像形成装置100の出荷時などに予め設定されていればよい。また、前記閾値は、予め定められた設定タイミングが到来するごとに設定されてもよい。例えば、制御部7は、第1搬送部材42を最も低速な回転速度で回転させた場合に取得されるトナーセンサー46の電気信号の前記変動幅に基づいて設定してもよい。前記設定タイミングは、画像形成装置100の電源が投入されたタイミング、及び画像形成装置100における累積印刷枚数が予め定められた基準枚数の倍数に達したタイミングなどであればよい。
【0076】
例えば、前記第1補正処理では、以下に示す式(1)に基づいて、前記特定値が補正される。なお、式(1)に含まれる基準速度は、複数の前記印刷速度に対応する複数の第1搬送部材42の回転速度のうち、トナーセンサー46の出力値の補正が不要な回転速度である。また、式(1)に含まれる第1補正係数は、
図6に示される第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との関係性に基づいて予め定められる値である。具体的に、前記第1補正係数は、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度以下である場合における、第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との関係性を表す一次近似式の傾きに対応する値である(
図6参照)。
【0077】
補正後の特定値=補正前の特定値-(現在の第1搬送部材42の回転速度-基準速度)×第1補正係数・・・(1)
【0078】
また、前記第2補正処理では、以下に示す式(2)に基づいて、前記特定値が補正される。なお、式(2)に含まれる第2補正係数は、
図6に示される第1搬送部材42の回転速度とトナーセンサー46の出力値との関係性に基づいて予め定められる値である。なお、前記第2補正処理は、式(2)とは異なる数式を用いて前記特定値を補正する処理であってもよい。
【0079】
補正後の特定値=補正前の特定値-(現在の第1搬送部材42の回転速度-基準速度)×第1補正係数+(トナーセンサー46の電気信号の変動幅)×第2補正係数・・・(2)
【0080】
出力処理部64は、補正処理部63によって補正された前記特定値を出力する。出力処理部64によって出力される補正後の前記特定値は、当該特定値に基づく処理を実行する制御部7の内部の処理主体に入力される。なお、制御部7とは別に画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部が設けられる場合、出力処理部64によって出力される補正後の前記特定値は、当該メイン制御部に入力、又は制御部7に設けられるレジスタに格納されてもよい。
【0081】
例えば、出力処理部64によって出力される補正後の前記特定値は、現像部33への前記トナーの補給制御、及び前記印刷処理の実行制御に用いられる。例えば、画像形成装置100では、出力処理部64によって出力される補正後の前記特定値が予め定められた第1基準値以上である場合に、トナーコンテナ47から現像部33へ前記トナーが供給される。また、画像形成装置100では、出力処理部64によって出力される補正後の前記特定値が前記第1基準値よりも高い第2基準値以上である場合に、トナーエンプティーが検出されて、前記印刷処理の実行が制限される。
【0082】
[現像剤検出処理]
以下、
図5を参照しつつ、画像形成装置100において制御部7により実行される現像剤検出処理の手順の一例とともに、本発明の現像剤検出方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部7により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記現像剤検出処理は、前記印刷処理の実行指示が入力された場合に実行される。
【0083】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部7は、第1駆動部30を前記特定駆動速度で駆動させる。ここで、ステップS11の処理は、制御部7の駆動制御部61により実行される。これにより、現像部33に第1駆動部30の駆動力が供給されて、第1搬送部材42が前記特定駆動速度に対応する回転速度で回転される。
【0084】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部7は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号に基づく前記特定値を取得する。ここで、ステップS12の処理は、本発明の取得ステップの一例であって、制御部7の取得処理部62により実行される。
【0085】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部7は、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の前記変動幅が前記閾値未満であるか否かを判定する。
【0086】
ここで、制御部7は、前記変動幅が前記閾値未満であるか否かの判定結果に応じて、次の処理を切り替える。具体的に、制御部7は、前記変動幅が前記閾値未満であると判定すると(ステップS13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、制御部7は、前記変動幅が前記閾値以上であると判定すると(ステップS13のNo側)、処理をステップS15に移行させる。
【0087】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部7は、前記第1補正処理を実行する。ここで、ステップS14の処理は、本発明の補正ステップの一例であって、制御部7の補正処理部63により実行される。
【0088】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部7は、前記第2補正処理を実行する。ここで、ステップS15の処理は、本発明の補正ステップの一例であって、制御部7の補正処理部63により実行される。
【0089】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部7は、ステップS14又はステップS15において補正された前記特定値を出力する。ここで、ステップS16の処理は、制御部7の出力処理部64により実行される。
【0090】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部7は、前記印刷処理が終了したか否かを判定する。
【0091】
ここで、制御部7は、前記印刷処理が終了したか否かの判定結果に応じて、次の処理を切り替える。具体的に、制御部7は、前記印刷処理が終了したと判定すると(ステップS17のYes側)、前記現像剤検出処理を終了させる。また、制御部7は、前記印刷処理が終了していないと判定すると(ステップS17のNo側)、処理をステップS12に移行させる。この場合、制御部7は、前記印刷処理が終了したと判定されるまで、ステップS12からステップS16までの処理を繰り返し実行する。これにより、筐体41内の温湿度の変化、及び筐体41における前記トナーの収容量の変化などにより、前記印刷処理の実行中に前記限界速度が変化した場合であっても、前記トナーの収容量を精度よく検出可能である。
【0092】
このように、画像形成装置100では、第1搬送部材42の回転周期中に出力されるトナーセンサー46の電気信号の前記変動幅に基づいて、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度を超えているか否かが判定される。そして、判定結果に応じて、トナーセンサー46の出力値の補正方法が切り替えられる。具体的に、前記変動幅が前記閾値未満である場合は、第1搬送部材42の回転速度に基づいて前記特定値が補正される。また、前記変動幅が前記閾値以上である場合は、第1搬送部材42の回転速度及び前記変動幅に基づいて前記特定値が補正される。これにより、第1搬送部材42の回転速度が前記限界速度を超えているか否かを判定することなく、第1搬送部材42の回転速度に基づいてトナーセンサー46の出力値を補正する構成と比較して、筐体41における前記トナーの収容量の検出精度を向上させることが可能である。
【0093】
なお、筐体41は、前記キャリアを含まない1成分現像剤を収容するものであってもよい。この場合、前記トナーは磁性体であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 操作表示部
6 記憶部
7 制御部
24 画像形成ユニット
30 第1駆動部
33 現像部
41 筐体
42 第1搬送部材
46 トナーセンサー
61 駆動制御部
62 取得処理部
63 補正処理部
64 出力処理部
100 画像形成装置