(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】画像調整装置、画像形成装置、画像調整方法及び画像調整プログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20241224BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241224BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241224BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
G03G15/00 303
B41J29/38 350
B41J29/393 105
H04N1/387
(21)【出願番号】P 2021031799
(22)【出願日】2021-03-01
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 洋
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-135614(JP,A)
【文献】特開2012-008478(JP,A)
【文献】特開2018-126896(JP,A)
【文献】特開2005-283675(JP,A)
【文献】特開2020-166677(JP,A)
【文献】特開2006-159890(JP,A)
【文献】特開2019-040617(JP,A)
【文献】特開2016-173536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
B41J 29/00-29/70
H04N 1/38- 1/393
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の位置を移動させる移動量に関する第1の調整項目においてユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた前記第1の調整項目においては前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整し、前記第1の調整項目とは異なる第2の調整項目においては記録媒体に形成された調整用画像の読取結果から自動調整される画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え
、
前記調整部は、前記画像の位置を移動させる移動量を調整して、前記形成態様を調整する、
画像調整装置。
【請求項2】
前記調整部は、画像形成装置による画像形成中に印刷用画像の形成態様を調整する、
請求項1に記載の画像調整装置。
【請求項3】
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部で受け付けられた前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する第1モードと、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を自動で調整する第1モードとは異なる第2モードとを有する調整部と、
を備え、
前記調整部は、
前記第2モードが選択された場合であっても前記画像調整値が入力された場合には、前記入力受付部で受け付けられた前記画像調整値に基づいて
、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する、
画像調整装置。
【請求項4】
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、前記形成態様を調整する、
画像調整装置。
【請求項5】
前記画像調整値は、前記画像の位置を移動させる移動量である、
請求項4に記載の画像調整装置。
【請求項6】
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記画像調整値は、前記画像の位置を移動させる移動量である、
画像調整装置。
【請求項7】
前記画像調整値は、前記画像の倍率である、
請求項4に記載の画像調整装置。
【請求項8】
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記画像調整値は、前記画像の倍率である、
画像調整装置。
【請求項9】
前記記録媒体のサイズを検出する検出部を備え、
前記入力受付部は、前記ユーザーによる前記記録媒体のサイズの入力を受け付け、
前記調整部は、前記検出部で検出された前記記録媒体のサイズと入力が受け付けられた前記記録媒体のサイズとが一致しない場合、前記読取結果よりも前記画像調整値としての前記画像の倍率を優先して用いて、前記形成態様を調整する、
請求項7又は8に記載の画像調整装置。
【請求項10】
前記入力受付部は、前記ユーザーによる前記記録媒体の特性の入力を受け付け、
前記調整部は、入力された前記記録媒体の特性に基づいて、画像形成により前記記録媒体のサイズが変化すると判定する場合、前記読取結果よりも前記画像調整値としての前記画像の倍率を優先して用いて、前記形成態様を調整する、
請求項7又は8に記載の画像調整装置。
【請求項11】
前記調整部は、前記記録媒体の第1面及び第2面の一方に対する前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、前記第1面及び前記第2面の両方において、前記読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、前記形成態様を調整する、
請求項5から8のいずれか一項に記載の画像調整装置。
【請求項12】
前記ユーザーの指示に応じて、前記読取結果を用いた前記形成態様の調整を停止する調整停止部を備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載の画像調整装置。
【請求項13】
前記読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いる旨を報知する報知部を備える、
請求項1から12のいずれか一項に記載の画像調整装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の画像調整装置と、
調整された前記形成態様となるように、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【請求項15】
画像の位置を移動させる移動量に関する第1の調整項目においてユーザーによる画像調整値の入力を受け付け、
前記画像調整値の入力が受け付けられた前記第1の調整項目においては前記画像調整値に基づいて
、前記画像の位置を移動させる移動量を調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整し、前記第1の調整項目とは異なる第2の調整項目においては記録媒体に形成された調整用画像の読取結果から自動調整される画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する、
画像調整方法。
【請求項16】
画像形成装置による画像形成中に印刷用画像の形成態様を調整する、
請求項15に記載の画像調整方法。
【請求項17】
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付け、
入力が受け付けられた前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する第1モードと、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を自動で調整する第1モードとは異なる第2モードとのうち、
前記第2モードが選択された場合であっても前記画像調整値が入力された場合には、入力が受け付けられた前記画像調整値に基づいて
、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する、
画像調整方法。
【請求項18】
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付け、
記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する前記画像の形成態様を調整する、
画像調整方法。
【請求項19】
ユーザーによる画像調整値として、画像の位置を移動させる移動量の入力を受け付け、
記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する、
画像調整方法。
【請求項20】
ユーザーによる画像調整値として、画像の倍率の入力を受け付け、
記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する、
画像調整方法。
【請求項21】
コンピューターに、
画像の位置を移動させる移動量に関する第1の調整項目においてユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた前記第1の調整項目においては前記画像調整値に基づいて
、前記画像の位置を移動させる移動量を調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整し、前記第1の調整項目とは異なる第2の調整項目においては記録媒体に形成された調整用画像の読取結果から自動調整される画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる画像調整プログラム。
【請求項22】
前記調整処理は、画像形成装置による画像形成中に印刷用画像の形成態様を調整する、
請求項21に記載の画像調整プログラム。
【請求項23】
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記入力受付処理で受け付けられた前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する第1モードと、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を自動で調整する第1モードとは異なる第2モードとを有し、
前記第2モードが選択された場合であっても前記画像調整値が入力された場合には、前記入力受付処理で受け付けられた前記画像調整値に基づいて
、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる画像調整プログラム。
【請求項24】
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する前記画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる画像調整プログラム。
【請求項25】
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値として、画像の位置を移動させる移動量の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる画像調整プログラム。
【請求項26】
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値として、画像の倍率の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる画像調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像調整装置、画像形成装置、画像調整方法及び画像調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、用紙(記録媒体)の表裏に形成される印刷用画像のシフト量(現在の位置からの移動量)や倍率などを調整する表裏調整機能を有しているものがある。表裏調整機能においては、手動調整が可能であり、この場合、ユーザーがシフト量や倍率などを入力すると、入力されたシフト量や倍率などに基づいて、印刷用画像を形成する(手動調整機能)。
【0003】
また、表裏調整機能においては、自動調整も可能であり、この場合、用紙に形成された調整用マークの位置を検出し、検出された位置に基づいて、シフト量や倍率などを自動で調整して、印刷用画像を形成する(自動調整機能)。例えば、特許文献1においては、調整用マークの位置を検出し、検出された位置と調整用マークの設計位置とのずれ量を用いて、シフト量や倍率などを自動調整するようにしている。
【0004】
ユーザーは、形成される印刷用画像の形成位置を所望の位置に変更したい場合、上記の手動調整機能を用いて、形成される印刷用画像のシフト量を所望のシフト量に設定することになる。
【0005】
また、用紙は、種類によっては画像形成により縮んだり、用紙毎にサイズに誤差があったりする場合がある。このような場合、ユーザーは、画像形成時の用紙の縮みや用紙サイズの誤差に左右されずに、特定の大きさの印刷用画像を形成するため、上記の手動調整機能を用いて、形成される印刷用画像の倍率を所望の倍率に設定することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記の自動調整機能を用いる場合でも、例えば、シフト量などについては、上記の手動調整機能を用いてユーザーが設定したシフト量などを使用したい場合がある。ところが、従来は、上記の手動調整機能を用いて、ユーザーが所望のシフト量を設定しても、その設定後に、上記の自動調整機能を用いると、検出された調整用マークの位置に基づいて、シフト量が自動調整されて、ユーザーが設定したシフト量から変更されていた。
【0008】
また、上記の手動調整機能を用いて、ユーザーが所望の倍率を設定しても、その設定後に、上記の自動調整機能を用いると、検出された調整用マークの位置に基づいて、倍率が自動調整されて、ユーザーが設定した倍率から変更されていた。つまり、実際の用紙サイズに応じた(用紙の縮みや用紙サイズの誤差が考慮された)倍率に自動調整されていた。
【0009】
このように、上記の自動調整機能を用いる場合、ユーザーが入力した設定に関係なく、シフト量や倍率などを自動調整してしまうため、印刷用画像の形成態様(シフト量や倍率など)をユーザーの意図通りにできない場合があった。
【0010】
本発明の目的は、画像の形成態様をユーザーの意図通りに調整可能な画像調整装置、画像形成装置、画像調整方法及び画像調整プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る画像調整装置は、
画像の位置を移動させる移動量に関する第1の調整項目においてユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた前記第1の調整項目においては前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整し、前記第1の調整項目とは異なる第2の調整項目においては記録媒体に形成された調整用画像の読取結果から自動調整される画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記画像の位置を移動させる移動量を調整して、前記形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整装置は、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部で受け付けられた前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する第1モードと、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を自動で調整する第1モードとは異なる第2モードとを有する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記第2モードが選択された場合であっても前記画像調整値が入力された場合には、前記入力受付部で受け付けられた前記画像調整値に基づいて、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整装置は、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、前記形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整装置は、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記画像調整値は、前記画像の位置を移動させる移動量である。
また、本発明に係る画像調整装置は、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付部と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整部と、
を備え、
前記画像調整値は、前記画像の倍率である。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、
上記の画像調整装置と、
前記形成態様を用いて、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
を備える。
【0013】
本発明に係る画像調整方法は、
画像の位置を移動させる移動量に関する第1の調整項目においてユーザーによる画像調整値の入力を受け付け、
前記画像調整値の入力が受け付けられた前記第1の調整項目においては前記画像調整値に基づいて、前記画像の位置を移動させる移動量を調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整し、前記第1の調整項目とは異なる第2の調整項目においては記録媒体に形成された調整用画像の読取結果から自動調整される画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整方法は、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付け、
入力が受け付けられた前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する第1モードと、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を自動で調整する第1モードとは異なる第2モードとのうち、前記第2モードが選択された場合であっても前記画像調整値が入力された場合には、入力が受け付けられた前記画像調整値に基づいて、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整方法は、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付け、
記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する前記画像の形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整方法は、
ユーザーによる画像調整値として、画像の位置を移動させる移動量の入力を受け付け、
記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する。
また、本発明に係る画像調整方法は、
ユーザーによる画像調整値として、画像の倍率の入力を受け付け、
記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する。
【0014】
本発明に係る画像設定調整プログラムは、
コンピューターに、
画像の位置を移動させる移動量に関する第1の調整項目においてユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた前記第1の調整項目においては前記画像調整値に基づいて、前記画像の位置を移動させる移動量を調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整し、前記第1の調整項目とは異なる第2の調整項目においては記録媒体に形成された調整用画像の読取結果から自動調整される画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる。
また、本発明に係る画像設定調整プログラムは、
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記入力受付処理で受け付けられた前記画像調整値に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を調整する第1モードと、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果に基づいて記録媒体に対する画像の形成態様を自動で調整する第1モードとは異なる第2モードとを有し、前記第2モードが選択された場合であっても前記画像調整値が入力された場合には、前記入力受付部で受け付けられた前記画像調整値に基づいて、前記画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる。
また、本発明に係る画像設定調整プログラムは、
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、画像の位置を移動させる移動量、前記画像の倍率、前記画像の回転、前記画像の歪み、前記画像の傾き、又は、前記画像の曲がりを調整して、記録媒体に対する前記画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる。
また、本発明に係る画像設定調整プログラムは、
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値として、画像の位置を移動させる移動量の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる。
また、本発明に係る画像設定調整プログラムは、
コンピューターに、
ユーザーによる画像調整値として、画像の倍率の入力を受け付ける入力受付処理と、
前記画像調整値の入力が受け付けられた場合、記録媒体に形成された調整用画像の読取結果よりも前記画像調整値を優先して用いて、記録媒体に対する画像の形成態様を調整する調整処理と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像の形成態様をユーザーの意図通りに調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示した画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。
【
図3】
図1に示した画像形成装置において実行する表裏調整の手動調整を説明する図であって、倍率及びシフトの操作画面を示す図である。
【
図4】
図1に示した画像形成装置において実行する表裏調整の手動調整を説明する図であって、歪みに関する調整項目の操作画面を示す図である。
【
図5】
図1に示した画像形成装置において実行する表裏調整の操作画面を示す図であって、全ての調整項目の画像調整値を自動調整する場合を示す図である。
【
図6】
図1に示した画像形成装置において実行する表裏調整の操作画面を示す図であって、調整項目の画像調整値の一部を手動入力とし、それ以外を自動調整する場合を示す図である。
【
図7】
図1に示した画像形成装置において画像形成処理中に実行する画像調整方法を説明するフローチャートである。
【
図8】
図7に示したフローチャートのステップS15で実行するサブルーチンを説明するフローチャートである。
【
図9】
図7に示したフローチャートのステップS16で実行するサブルーチンを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置100の全体構成を概略的に示す図である。
図2は、本実施の形態に係る画像形成装置100の制御系の主要部を示す図である。なお、下記の画像形成装置100の構成や仕様などは、本実施の形態の一例であり、以下の説明に限定されず、同様の周知の技術を任意に選択して、適宜に変更可能である。
【0019】
画像形成装置100は、用紙(記録媒体)に画像を形成可能なものである。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体110、読取装置120(検出部)などを備える。
【0020】
[画像形成装置本体]
画像形成装置本体110は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。即ち、画像形成装置本体110は、感光体上に形成されたCMYKの各色トナー像を中間転写体に一次転写し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に二次転写することにより、印刷用画像を形成する。なお、CMYKは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のことである。
【0021】
また、画像形成装置本体110には、CMYKの4色に対応する感光体を中間転写体の走行方向に直列配置し、中間転写体に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
【0022】
画像形成装置本体110は、
図1に示すように、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60などを備える。
【0023】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)などを備える。
【0024】
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
【0025】
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーに結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
【0026】
操作表示部20は、例えば、タッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部70(
図2を参照)から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況などの表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキーなどの各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部70に出力する。
【0027】
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じた画像処理を行う回路などを備える。画像処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
【0028】
画像形成部40は、画像処理部30からの画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42などを備える。
【0029】
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。そのため、
図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号を付し、他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号を省略する。
【0030】
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、ドラムクリーニングユニット415などを備える。
【0031】
露光装置411は、例えば、半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。レーザー光の照射により感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されると、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。その結果、感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
【0032】
現像装置412は、例えば、現像スリーブなどを有する二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、現像スリーブから感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより、静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
【0033】
感光体ドラム413は、例えば、アルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)などを備える。感光体ドラム413は、導電性円筒体の周面にアンダーコート層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層することで構成された光導電性を有する感光体である。感光体ドラム413は、例えば、負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。感光体ドラム413は、その駆動モーター(図示省略)に供給される駆動電流を制御部70(
図2を参照)が制御することにより、一定の周速度(線速度)で回転される。
【0034】
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
【0035】
ドラムクリーニングユニット415は、感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーをクリーニングブレードによりクリーニングする。なお、ドラムクリーニングユニット415は、感光体ドラム413に対するトナーの付着力を低減させる潤滑剤(滑剤)を、感光体ドラム413上に供給する滑剤供給装置を備えていてもよい。
【0036】
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aなどを含む複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424などを備える。なお、中間転写ユニット42は、例えば、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレードにより、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去するベルトクリーニング装置を備えていてもよい。
【0037】
中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架され、支持ローラー423が回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。一次転写ローラー422は、中間転写ベルト421を感光体ドラム413に圧接させている。これにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写する。二次転写ローラー424は、中間転写ベルト421を挟んでバックアップローラー423Aに圧接されている。これにより、中間転写ベルト421から用紙へトナー像を転写する。トナー像が転写された用紙は定着部60に向けて搬送される。なお、二次転写ローラー424に代えて、複数の支持ローラーに二次転写ベルトがループ状に張架されたベルト式の二次転写ユニットを採用してもよい。
【0038】
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、搬送経路部53、反転機構部54などを備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a~51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対などの複数の搬送ローラー対を有する。
【0039】
給紙トレイユニット51a~51cに収容されている用紙は、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対が配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙の傾きが補正されると共に搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40、定着部60を経て画像形成された用紙は、排紙部52により機外に排紙される。用紙の両面に印刷用画像を形成する場合は、反転機構部54により用紙面を反転させて、再度、画像形成部40(二次転写ローラー424)へ用紙を搬送する。
【0040】
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙を定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙にトナー像を定着させる。定着部60は、定着ローラー61、加圧ローラー62などを備える。定着ローラー61及び加圧ローラー62は、それらの間で用紙を挟持して搬送する定着ニップを形成している。なお、定着ローラー61に代えて、複数の支持ローラーに定着ベルトがループ状に張架されたベルト式の定着ユニットを採用してもよい。
【0041】
画像形成装置本体110は、上述した構成により、用紙の表裏に印刷用画像を形成する。また、画像形成装置本体110は、上述した構成により、用紙の表裏の余白領域に複数の調整用マーク(調整用画像)を形成する。例えば、用紙の表裏の余白領域において、用紙の四隅の近傍それぞれに十字形状の調整用マーク(トンボ)を画像形成する。このとき、調整用マークは、用紙のエッジを基準として当該エッジから所定距離だけ離れた位置となるように形成される。なお、調整用マークは、用紙の余白領域であれば、どこに形成されてもよい。
【0042】
[読取装置]
読取装置120は、
図1に示すように、画像形成装置100において、画像形成装置本体110より用紙搬送方向下流側に配置され、第1センサー121、第2センサー122などを備えている。読取装置120は、画像形成装置本体110により用紙の両面に調整用マークが形成された場合、第1センサー121及び第2センサー122で用紙の両面スキャン(読取り)を行って、調整用マークを検出可能な構成となっている。また、読取装置120は、第1センサー121及び第2センサー122で用紙端部(用紙サイズ)の検出も可能である。読取装置120による調整用マークや用紙端部の検出結果(読取結果)は、後述する記憶部82に記憶され、制御部70により利用される。
【0043】
第1センサー121は、読取装置120内において、用紙搬送方向上流側に配置され、通過する用紙に対し下方から読み取りを行う。第1センサー121は、例えば、ラインスキャナなどの比較的高速で読み取りを行うことができる光学式センサーである。そのため、用紙端部などに形成された調整用マークを比較的高速で検出して、検出結果を出力することができる。また、第1センサー121は、用紙の幅方向の全体に渡る長さの光学式センサーである。そのため、用紙の幅方向の全体を読み取ることができる。
【0044】
第2センサー122は、読取装置120内において、用紙搬送方向下流側に配置され、通過する用紙に対して上方から読み取りを行う。第2センサー122は、第1センサー121と同様に構成されている。
【0045】
なお、第1センサー121と第2センサー122との位置関係は逆でもよく、読取装置120内において、第2センサー122を用紙搬送方向上流側に配置し、第1センサー121を用紙搬送方向下流側に配置してもよい。
【0046】
また、ここでは、第1センサー121と第2センサー122の2つのセンサーを設けているが、上述した反転機構部54と同等の機構を読取装置120に設ければ、これらのセンサーはいずれか一方を設ければよい。
【0047】
また、ここでは、読取装置120は、画像形成装置本体110とは別の独立した装置としているが、画像形成装置本体110の内部に設けるようにしてもよい。その場合、読取装置120は、画像形成装置本体110において、定着部60より用紙搬送方向下流側に配置される。
【0048】
[制御部]
画像形成装置100は、
図2に示すように、制御部70を備える。
【0049】
制御部70は、コンピューターとして機能し、CPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only Memory)72及びRAM(Random Access Memory)73などを備えている。CPU71は、ROM72から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM73に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置100の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部82に格納されているLUT(Look Up Table)などの各種データが参照される。記憶部82は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(所謂、フラッシュメモリ)又はハードディスクドライブで構成される。
【0050】
制御部70は、通信部81を介して、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークに接続された外部の装置(例えば、パーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部70は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙に印刷用画像を形成する。通信部81は、例えば、LANカードなどの通信制御カードで構成される。
【0051】
制御部70には、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60が、それぞれ接続されている。また、制御部70には、読取装置120も接続されている。これらは、制御部70の指示に基づいて所定の処理を実行する。
【0052】
[調整部]
画像形成装置100においては、上述した画像形成装置本体110、読取装置120を用いて、印刷用画像の形成態様を構成する調整項目の画像調整値を自動的に調整して、印刷用画像の形成態様を自動的に調整する調整部が構成されている。このように、調整部は、調整項目の画像調整値を自動的に調整する自動調整機能を有している。調整部で自動調整される調整項目の画像調整値としては、印刷用画像の位置を移動させる移動量(シフト量)、印刷用画像の倍率、印刷用画像の回転、印刷用画像の歪み、印刷用画像の傾き、又は、印刷用画像の曲がりなどがある。
【0053】
調整部は、具体的には、用紙に形成された調整用マークを読取装置120の第1センサー121及び第2センサー122で検出する。制御部70は、例えば、シフト量を自動調整する場合には、検出された調整用マークの位置に基づいて、用紙端部からの距離を算出し、予め規定された用紙端部から調整用マークまでの距離と算出された距離との差分に基づいて、シフト量を自動的に調整する。そして、画像形成装置本体110は、自動調整されたシフト量を用いて、用紙に印刷用画像を形成する。
【0054】
このように、調整部では、印刷用画像の調整項目の画像調整値を自動的に調整するが、印刷用画像の調整項目の画像調整値をユーザーが所望する値に設定したい場合がある。その場合、後述する
図3及び
図4に示す入力受付画面Sc1、Sc2を用いて、印刷用画像のシフト量、倍率などを所望の値に設定することができる(手動調整機能)。
【0055】
ところが、従来は、上記の手動調整機能を用いて、ユーザーが所望のシフト量や倍率を設定しても、その設定後に、上記の調整部を用いると、検出された調整用マークの位置に基づいて、シフト量や倍率が自動調整されていた。つまり、ユーザーによりが設定されたシフト量や倍率が、ユーザーの意図に反して変更されていた。
【0056】
このように、上記の調整部を用いる場合、ユーザーが入力した設定に関係なく、シフト量や倍率などが自動調整されてしまうため、印刷用画像の形成態様をユーザーの意図通りにできない場合があった。
【0057】
そこで、本実施の形態において、画像形成装置100は、以下に説明する入力受付部と調整部とを有する画像調整装置を備える。画像調整装置は、後述の
図7~
図9で説明する画像調整方法(画像調整プログラム)を実行する。
【0058】
入力受付部は、ユーザーによる画像調整値の入力を受け付ける(入力受付処理)。入力受付部については、
図3及び
図4を参照して後述する。
【0059】
調整部は、更に、画像調整値の入力が受け付けられた場合、用紙に形成された調整用マークの読取結果よりも、ユーザーに入力された画像調整値を優先して用いて、用紙に対する印刷用画像の形成態様を調整するよう構成されている(調整処理)。
【0060】
このような入力受付部及び調整部は、制御部70の1つの機能として備えられている。例えば、入力受付部及び調整部は、制御部70で実行されるプログラムとして備えられている。
【0061】
[入力受付部及び手動調整]
制御部70(入力受付部)について、
図3、
図4を参照して以下に説明する。ここで、
図3は、画像形成装置100において実行する表裏調整の手動調整を説明する図であって、倍率及びシフトの操作画面を示す図である。
図4は、画像形成装置100において実行する表裏調整の手動調整を説明する図であって、歪みに関する調整項目の操作画面を示す図である。なお、
図3及び
図4中においては、画像調整値を表裏調整値と表示している。
【0062】
ユーザーが画像調整値としてのシフト量や倍率を入力する場合、制御部70(入力受付部)は、
図3に示す操作画面Sc1をタッチパネルである操作表示部20に表示する。
【0063】
操作画面Sc1においては、トレイの設定が可能である。例えば、「トレイ1」と表示された操作領域B11にユーザーがタッチすると、画像調整値が入力可能なトレイとして、トレイ1が選択される。また、「トレイ2」と表示された操作領域B12にユーザーがタッチすると、画像調整値が入力可能なトレイとして、トレイ2が選択される。また、「トレイ3」と表示された操作領域B13にユーザーがタッチすると、画像調整値が入力可能なトレイとして、トレイ3が選択される。
【0064】
なお、
図3においては、操作領域B11が選択され、操作領域B12、B13は選択されていない。このような選択状態であることを示すため、
図3においては、操作領域B11が黒地に白字で表示され、操作領域B12、B13が白地に黒字で表示されている。
【0065】
操作画面Sc1においては、「オモテ」と表示された操作領域B21にユーザーがタッチしたため、画像調整値として、用紙の第1面であるオモテ面のシフト量や倍率の設定が可能である。ここでも、操作領域B21が選択された状態であることを示すため、
図3においては、操作領域B21が黒地に白字で表示されている。
【0066】
なお、「ウラ」と表示された操作領域B22にユーザーがタッチした場合には、画像調整値として、用紙の第2面であるウラ面のシフト量や倍率の設定が可能である。この場合の操作画面は、操作領域B21が白地に黒字で表示され、操作領域B22が黒地に白字で表示されることを除いて、
図3に示す操作画面Sc1と同じである。
【0067】
また、「歪み」と表示された操作領域B23にユーザーがタッチした場合には、画像調整値として、歪みに関する調整項目の設定が可能である。これは、
図4を参照して説明を行う。また、「表裏差」と表示された操作領域B24にユーザーがタッチした場合には、シフト量や倍率などの画像調整値の表裏差の設定が可能である。また、「自動測定」と表示された操作領域B25にユーザーがタッチした場合には、印刷用画像の調整項目の自動調整のための自動測定の実行が可能である。これは、後述の
図5を参照して説明を行う。
【0068】
操作画面Sc1において、「タテ倍」と表示された操作領域B31にユーザーがタッチすると、画像調整値として、印刷用画像の縦倍率について入力が可能となる。また、「ヨコ倍」と表示された操作領域B32にユーザーがタッチすると、画像調整値として、印刷用画像の横倍率について入力が可能となる。また、「上下」と表示された操作領域B33にユーザーがタッチすると、画像調整値として、印刷用画像の上下方向(通紙方向)のシフト量について入力が可能となる。また、「左右」と表示された操作領域B34にユーザーがタッチすると、画像調整値として、印刷用画像の左右方向(幅方向)のシフト量について入力が可能となる。
【0069】
なお、
図3においては、操作領域B31が選択され、操作領域B32~B34は選択されていない。このような選択状態であることを示すため、
図3においては、操作領域B31が黒地に白字で表示され、操作領域B32~B34が白地に黒字で表示されている。
【0070】
そして、上記の印刷用画像の縦倍率、横倍率、上下方向のシフト量、左右方向のシフト量は、操作画面Sc1中の数値入力領域B35に表示された数値を示す領域や上矢印、下矢印を示す領域をユーザーがタッチすることで、入力することができる。
【0071】
そして、「閉じる」と表示された操作領域B14をユーザーがタッチすると、ユーザーに入力された印刷用画像の縦倍率、横倍率、上下方向のシフト量、左右方向のシフト量が設定されることになる。つまり、ユーザーの手動入力により、印刷用画像の縦倍率、横倍率、上下方向のシフト量、左右方向のシフト量が設定されることになる(手動調整)。
【0072】
この設定後にユーザーが画像形成装置100に画像形成処理を実行させると、画像形成装置本体110は、手動入力された画像調整値を用いて、画像形成処理を実行する。例えば、画像形成装置本体110の画像形成部40は、手動入力されたシフト量に基づいて、印刷用画像をシフト(移動)することで、ユーザーの意図通りの印刷用画像を形成することができる。
【0073】
ユーザーが、画像調整値として、歪みに関する調整項目を入力する場合、制御部70(入力受付部)は、
図4に示す操作画面Sc2を操作表示部20に表示する。
【0074】
操作画面Sc2においても、トレイの設定が可能であり、これは、上述した操作画面Sc1と同じであるので、重複する説明は省略する。
【0075】
操作画面Sc2においては、「歪み」と表示された操作領域B23にユーザーがタッチしたため、画像調整値として、歪みに関する調整項目の設定が可能である。ここでも、操作領域B23が選択された状態であることを示すため、
図4においては、操作領域B23が黒地に白字で表示されている。
【0076】
操作画面Sc2において、「オモテ」と表示された操作領域B41にユーザーがタッチすると、画像調整値として、用紙のオモテ面の歪みに関する調整項目の設定が可能である。また、「ウラ」と表示された操作領域B42にユーザーがタッチすると、画像調整値として、用紙のウラ面の歪みに関する調整項目の設定が可能である。
【0077】
なお、
図4においては、操作領域B41が選択され、操作領域B42は選択されていない。このような選択状態であることを示すため、
図4においては、操作領域B41が黒地に白字で表示され、操作領域B42が白地に黒字で表示されている。
【0078】
また、操作画面Sc2において、「回転」と表示された操作領域B43にユーザーがタッチすると、印刷用画像の回転の画像調整値について入力が可能となる。また、「Skew」と表示された操作領域B44にユーザーがタッチすると、印刷用画像の傾きの画像調整値について入力が可能となる。また、「タテ台形」と表示された操作領域B45にユーザーがタッチすると、印刷用画像のタテ台形の画像調整値について入力が可能となる。また、「ヨコ台形」と表示された操作領域B46にユーザーがタッチすると、印刷用画像のヨコ台形の画像調整値について入力が可能となる。また、「曲がり」と表示された操作領域B47にユーザーがタッチすると、印刷用画像の曲がりの画像調整値について入力が可能となる。また、「曲がり位置」と表示された操作領域B48にユーザーがタッチすると、印刷用画像の曲がり位置の画像調整値について入力が可能となる。
【0079】
なお、
図4においては、操作領域B43が選択され、操作領域B44~B48は選択されていない。このような選択状態であることを示すため、
図4においては、操作領域B43が黒地に白字で表示され、操作領域B44~B48が白地に黒字で表示されている。
【0080】
操作画面Sc2中の数値入力領域B49は、
図3で示した操作画面Sc1中の数値入力領域B35と同じである。従って、数値入力領域B49に表示された数値を示す領域や上矢印、下矢印を示す領域をユーザーがタッチすることで、上述した画像調整値に数値を入力することができる。
【0081】
そして、「閉じる」と表示された操作領域B14をユーザーがタッチすると、ユーザーに入力された回転の画像調整値、傾きの画像調整値、タテ台形の画像調整値、ヨコ台形の画像調整値、曲がりの画像調整値、曲がり位置の画像調整値が設定されることになる。つまり、ユーザーの手動入力により、印刷用画像の回転の画像調整値、傾きの画像調整値、タテ台形の画像調整値、ヨコ台形の画像調整値、曲がりの画像調整値、曲がり位置の画像調整値が設定されることになる(手動調整)。
【0082】
この設定後にユーザーが画像形成装置100に画像形成処理を実行させると、画像形成装置本体110は、手動入力された画像調整値を用いて、画像形成処理を実行する。例えば、画像形成装置本体110の画像形成部40は、手動入力された回転の画像調整値に基づいて、印刷用画像を回転することで、ユーザーの意図通りの印刷用画像を形成することができる。
【0083】
[調整部及び自動調整]
制御部70(調整部)について、
図5、
図6を参照して以下に説明する。ここで、
図5は、画像形成装置100において実行する表裏調整の操作画面を示す図であって、全ての調整項目の画像調整値を自動調整する場合を示す図である。
図6は、画像形成装置100において実行する表裏調整の操作画面を示す図であって、調整項目の画像調整値の一部を手動入力とし、それ以外を自動調整する場合を示す図である。なお、
図5及び
図6中においても、画像調整値を表裏調整値と表示している。
【0084】
制御部70(調整部)は、基本的には、調整用マークの読取結果を用いて、印刷用画像の調整項目の画像調整値を自動調整して、用紙に対する印刷用画像の形成態様を調整する(
図5を参照)。更に、本実施の形態において、制御部70(調整部)は、画像調整値の入力が受け付けられた場合、調整用マークの読取結果よりも、手動入力された画像調整値を優先して用いて、用紙に対する印刷用画像の形成態様を調整するよう構成されている(
図6を参照)。
【0085】
用紙に形成された調整用マークの読取結果を用いて、印刷用画像の調整項目の画像調整値を自動調整する場合について、
図5を参照して説明を行う。
【0086】
ユーザーが画像調整値を入力しなかった場合、「自動測定」と表示された操作領域B25にユーザーがタッチすると、制御部70(調整部)は、
図5に示す操作画面Sc3を操作表示部20に表示する。例えば、ユーザーが、
図3、
図4に示した操作画面Sc1、Sc2を用いて画像調整値を入力しなかった場合、制御部70(調整部)は、操作画面Sc3を表示する。なお、ここでも、操作領域B25が選択された状態であることを示すため、
図5においては、操作領域B25が黒地に白字で表示されている。
【0087】
操作画面Sc3において、調整項目表示領域B51には、調整項目、オモテ面の画像調整値、ウラ面の画像調整値が表示されている。操作画面Sc3の場合、ユーザーが画像調整値を入力しなかったので、調整項目表示領域B51には、各調整項目のオモテ面の画像調整値及びウラ面の画像調整値として、例えば、画像形成装置100に予め設定された初期値が白地に黒字で示されている。
【0088】
そして、「印刷モードへ」と表示された操作領域B15をユーザーがタッチすると、画像形成装置100は、用紙の両面に調整用マークを形成し、読取装置120は、第1センサー121及び第2センサー122を用いて、用紙の両面の調整用マークを検出する。制御部70は、検出された調整用マークの位置に基づいて、調整項目の画像調整値を自動的に調整し、調整項目表示領域B51の画像調整値を更新する。そして、「閉じる」と表示された操作領域B14をユーザーがタッチすると、自動測定により更新された調整項目の画像調整値が設定されることになる(自動調整)。
【0089】
この設定後にユーザーが画像形成装置100に画像形成処理を実行させると、画像形成装置本体110は、自動測定により更新された調整項目の画像調整値を用いて、画像形成処理を実行する。例えば、画像形成装置本体110の画像形成部40は、自動測定により更新されたシフト量に基づいて、印刷用画像をシフト(移動)することで、印刷用画像を形成する。
【0090】
なお、操作画面Sc3においても、トレイの設定が可能であり、これは、基本的には、上述した操作画面Sc1と同じであるが、操作画面Sc3において、ユーザーは、複数のトレイを選択可能である。例えば、操作画面Sc3において、「全トレイ」と表示された操作領域B1にユーザーがタッチすると、全トレイが選択され、「複数トレイ」と表示された操作領域B2にユーザーがタッチすると、複数のトレイが選択される。
【0091】
操作画面Sc3においては、一例として、ユーザーが、「複数トレイ」と表示された操作領域B2にタッチし、その後、「トレイ1」と表示された操作領域B11、「トレイ2」と表示された操作領域B12にタッチしている。そして、これらが選択された状態であることを示すため、
図5においては、操作領域B2、B11及びB12が黒地に白字で表示されている。
【0092】
用紙に形成された調整用マークの読取結果よりも、手動入力された画像調整値を優先して用いて、用紙に対する印刷用画像の形成態様を調整する場合について、
図6を参照して説明を行う。
【0093】
ユーザーが画像調整値を入力した後、「自動測定」と表示された操作領域B25にユーザーがタッチすると、制御部70(調整部)は、
図6に示す操作画面Sc4を操作表示部20に表示する。例えば、ユーザーが、
図3、
図4に示した操作画面Sc1、Sc2を用いて画像調整値を入力した場合、制御部70(調整部)は、操作画面Sc4を表示する。なお、ここでも、操作領域B25が選択された状態であることを示すため、
図6においては、操作領域B25が黒地に白字で表示されている。
【0094】
操作画面Sc4において、調整項目表示領域B51には、調整項目、オモテ面の画像調整値、ウラ面の画像調整値が表示されている。操作画面Sc4の場合、この操作画面Sc4に移行する前に、ユーザーが画像調整値を入力している。例えば、
図3に示すように、操作画面Sc1において、縦倍率を「+1.00%」とユーザーが入力したものとする。すると、縦倍率の調整項目及び画像調整値については、ユーザーが入力したものであることを示すため、例えば、黒地に白字で示すようにしている。つまり、制御部70は、報知部として機能する操作表示部20を用いて、この画像調整値を優先して用いる旨をユーザーに報知するようにしている。
【0095】
なお、ここでは、制御部70は、操作表示部20を用いて、優先して用いる調整項目及び画像調整値を黒地に白字で示しているが、これに限らず、領域や文字を、他の色に変えたり、点滅させたりすることで、ユーザーに報知するようにしてもよい。更に、制御部70は、例えば、スピーカー(図示省略)を報知部として用いて、音声により、優先して用いる調整項目及び画像調整値を報知するようにしてもよい。
【0096】
ユーザーが画像調整値を入力しなかった項目については、調整項目表示領域B51において、各調整項目のオモテ面の画像調整値及びウラ面の画像調整値として、例えば、画像形成装置100に予め設定された初期値が白地に黒字で示されている。
【0097】
そして、「印刷モードへ」と表示された操作領域B15をユーザーがタッチすると、画像形成装置100は、用紙の両面に調整用マークを形成し、読取装置120は、第1センサー121及び第2センサー122を用いて、用紙の両面の調整用マークを検出する。制御部70は、検出された調整用マークの位置に基づいて、ユーザーが入力した調整項目を除く調整項目について、画像調整値を自動的に調整し、調整項目表示領域B51の画像調整値を更新する。そして、「閉じる」と表示された操作領域B14をユーザーがタッチすると、ユーザーにより入力された調整項目の画像調整値及び自動測定により更新された調整項目の画像調整値が設定されることになる(一部自動調整)。
【0098】
この設定後にユーザーが画像形成装置100に画像形成処理を実行させると、画像形成装置本体110は、ユーザーにより入力された調整項目の画像調整値及び自動測定により更新された調整項目の画像調整値を用いて、画像形成処理を実行する。例えば、画像形成装置本体110の画像形成部40は、ユーザーにより入力されたシフト量に基づいて、印刷用画像をシフト(移動)し、また、自動測定により更新された回転の画像調整値に基づいて、印刷用画像を回転することで、印刷用画像を形成する。これにより、ユーザーの意図通りの印刷用画像を形成することができる。
【0099】
従来は、上記の手動調整機能を用いて、ユーザーが所望のシフト量や倍率を設定しても、その設定後に、自動調整機能を用いると、検出された調整用マークの位置に基づいて、シフト量や倍率が自動調整されていた。これに対し、本実施の形態では、
図6を参照して説明したように、ユーザーにより入力された画像調整値を優先して用いるようにしているので、印刷用画像の形成態様をユーザーの意図通りに調整することができる。
【0100】
[画像形成処理中における画像調整方法]
以上の説明においては、画像形成装置100による画像形成処理前に印刷用画像の形成態様を調整していたが、画像形成処理中に印刷用画像の形成態様を調整するようにしてもよい。
図7~
図9を参照して、画像形成処理中における画像調整方法を説明する。
【0101】
ここで、
図7は、画像形成装置100において画像形成処理中に実行する画像調整方法を説明するフローチャートである。
図8は、
図7に示したフローチャートのステップS15で実行するサブルーチンを説明するフローチャートである。
図9は、
図7に示したフローチャートのステップS16で実行するサブルーチンを説明するフローチャートである。
【0102】
画像形成装置100において、ユーザーが画像形成処理を開始する操作を実行すると、制御部70は、以下の手順を実行する。以下に説明する手順は、制御部70で実行される画像調整プログラムとして、記憶部82に格納されている。
【0103】
(ステップS11)
制御部70は、調整停止モードが選択されているかどうかを確認する。調整停止モードが選択されていない場合(NO)、ステップS12へ進み、選択されている場合(YES)、ステップS19へ進む。
【0104】
調整停止モードは、図示は省略するが、例えば、操作画面において、調整停止モードと表示された操作領域をユーザーが選択することにより指示される。この調整停止モードは、制御部70(調整停止部)が、全ての調整項目について、調整部による自動調整を停止するモードである。この調整停止モードでは、後述のステップS19で説明するように、各調整項目に入力されている画像調整値を用いることになる。
【0105】
(ステップS12)
制御部70は、印刷用画像を形成する用紙に対する画像調整マークを画像形成装置本体110に形成させる。画像形成装置本体110は、例えば、印刷用画像を形成する用紙の表裏において、用紙端部の余白部分に画像調整マークを形成する。なお、印刷用画像を形成する用紙ではなく、印刷用画像を形成しない画像調整用の用紙に画像調整マークを形成してもよい。
【0106】
(ステップS13)
制御部70は、画像調整マークが形成された用紙を読取装置120に読み取らせる。このとき、読取装置120の第1センサー121及び第2センサー122は、用紙に形成された画像調整マークだけでなく、用紙端部も検出する。
【0107】
(ステップS14)
制御部70は、読取装置120(第1センサー121及び第2センサー122)の読取結果に基づいて、画像調整マークが形成された用紙の用紙サイズを求める。
【0108】
(ステップS15)
制御部70は、シフト量を設定するサブルーチンを実行する。シフト量を設定するサブルーチンについて、
図8を参照して説明する。
【0109】
(ステップS151)
制御部70は、シフト量の入力があったかどうかを確認する。例えば、
図3に示す操作画面Sc1において、「上下」と表示された操作領域B33がユーザーにタッチされて、上下方向のシフト量が入力された場合、シフト量の入力があったと判定する。また、
図3に示す操作画面Sc1において、「左右」と表示された操作領域B34がユーザーにタッチされて、左右方向のシフト量が入力された場合、シフト量の入力があったと判定する。シフト量の入力があった場合(YES)、ステップS152へ進み、シフト量の入力がなかった場合(NO)、ステップS155へ進む。
【0110】
(ステップS152)
制御部70は、片面に対してのみシフト量が入力されたかどうかを確認する。例えば、以下に示す操作がユーザーによって行われた場合、片面に対してのみシフト量が入力されたと判定する。
【0111】
例えば、「オモテ」と表示された操作領域B21又は「ウラ」と表示された操作領域B22と、「上下」と表示された操作領域B33とがユーザーにタッチされて、オモテ面又はウラ面の一方に上下方向のシフト量が入力された場合である。また、「オモテ」と表示された操作領域B21又は「ウラ」と表示された操作領域B22と、「左右」と表示された操作領域B34とがユーザーにタッチされて、オモテ面又はウラ面の一方に左右方向のシフト量が入力された場合である。
【0112】
そして、片面に対してのみシフト量が入力されたと判定された場合(ステップS152、YES)、ステップS153へ進む。一方、片面に対してのみシフト量が入力されたと判定されない場合(ステップS152、NO)、即ち、両面に対してシフト量が入力されたと判定された場合、ステップS154へ進む。
【0113】
(ステップS153)
ステップS152において、片面に対してのみシフト量が入力されたと判定された場合、制御部70は、用紙の両面のシフト量として、入力された片面のシフト量を用いる。このとき、制御部70は、操作表示部20(報知部)において、入力された片面のシフト量を表示して、ユーザーに報知するようにしてもよい。
【0114】
(ステップS154)
ステップS152において、片面に対してのみシフト量が入力されたと判定されない場合、即ち、両面に対してシフト量が入力されたと判定された場合、制御部70は、用紙の両面のシフト量として、用紙の両面に対して各々入力されたシフト量を用いる。このとき、制御部70は、操作表示部20(報知部)において、入力された両面のシフト量を表示して、ユーザーに報知するようにしてもよい。
【0115】
(ステップS155)
ステップS151において、シフト量の入力がなかったと判定された場合、制御部70は、読取装置120の読取結果に基づいて、用紙の両面のシフト量を自動で調整する。
【0116】
(ステップS16)
制御部70は、倍率を設定するサブルーチンを実行する。倍率を設定するサブルーチンについて、
図9を参照して説明する。
【0117】
(ステップS161)
制御部70は、倍率の入力があったかどうかを確認する。例えば、
図3に示す操作画面Sc1において、「タテ倍」と表示された操作領域B31がユーザーにタッチされて、縦倍率が入力された場合、倍率の入力があったと判定する。また、
図3に示す操作画面Sc1において、「ヨコ倍」と表示された操作領域B32がユーザーにタッチされて、横倍率が入力された場合、倍率の入力があったと判定する。倍率の入力があった場合(YES)、ステップS162へ進み、倍率の入力がなかった場合(NO)、ステップS166へ進む。
【0118】
(ステップS162)
制御部70は、ユーザーにより設定された用紙サイズと、読取装置120の読取結果に基づいて求められた用紙サイズとを比較し、これらの用紙サイズが一致しているかどうかを確認する。用紙サイズが一致していない場合(NO)、ステップS163へ進み、用紙サイズが一致している場合(YES)、ステップS166へ進む。なお、ユーザーにより設定される用紙サイズは、画像形成処理前に、操作表示部20を用いて入力されている。この判定処理により、用紙サイズが一致していない場合には、以下に説明するように、ユーザーにより入力された倍率を優先して用いることになる。
【0119】
(ステップS163)
制御部70は、片面に対してのみ倍率が入力されたかどうかを確認する。例えば、以下に示す操作がユーザーによって行われた場合、片面に対してのみ倍率が入力されたと判定する。
【0120】
例えば、「オモテ」と表示された操作領域B21又は「ウラ」と表示された操作領域B22と、「タテ倍」と表示された操作領域B31とがユーザーにタッチされて、オモテ面又はウラ面の一方に縦倍率が入力された場合である。また、「オモテ」と表示された操作領域B21又は「ウラ」と表示された操作領域B22と「ヨコ倍」と表示された操作領域B32とがユーザーにタッチされて、オモテ面又はウラ面の一方に横倍率が入力された場合である。
【0121】
そして、片面に対してのみ倍率が入力されたと判定された場合(ステップS163、YES)、ステップS164へ進む。一方、片面に対してのみ倍率が入力されたと判定されない場合(ステップS163、NO)、即ち、両面に対して倍率が入力されたと判定された場合、ステップS165へ進む。
【0122】
(ステップS164)
ステップS163において、片面に対してのみ倍率が入力されたと判定された場合、制御部70は、用紙の両面の倍率として、入力された片面の倍率を用いる。このとき、制御部70は、操作表示部20(報知部)において、入力された片面の倍率を表示して、ユーザーに報知するようにしてもよい。
【0123】
(ステップS165)
ステップS163において、片面に対してのみ倍率が入力されたと判定されない場合、即ち、両面に対して倍率が入力されたと判定された場合、制御部70は、用紙の両面の倍率として、用紙の両面に対して各々入力された倍率を用いる。このとき、制御部70は、操作表示部20(報知部)において、入力された両面の倍率を表示して、ユーザーに報知するようにしてもよい。
【0124】
(ステップS166)
ステップS161において、倍率の入力がなかったと判定された場合、及び、ステップS162において、用紙サイズが一致していると判定された場合、制御部70は、読取装置120の読取結果に基づいて、用紙の両面の倍率を自動で調整する。
【0125】
なお、
図9に示したサブルーチンにおいて、用紙サイズを比較しない場合、ステップS162は除いてもよい。その場合、
図7に示したステップS14も除くようにすればよい。
【0126】
また、ユーザーが用紙に関する項目として、用紙プロファイルに含まれる用紙特性を設定した場合、制御部70は、設定された用紙特性に基づいて、画像形成処理により用紙サイズが変化する(縮む)と判定できる場合がある。その場合は、例えば、
図9に示すステップS162とステップS163との間において、以下に説明する判定処理を実行してもよい。
【0127】
制御部70は、設定された用紙特性に基づいて、画像形成処理により用紙が縮むかどうかを判定し、用紙が縮むと判定された場合には、ステップS163へ進み、用紙が縮むと判定されなかった場合には、ステップS166へ進む。なお、ユーザーにより設定される用紙特性は、画像形成処理前に、操作表示部20を用いて入力されている。この判定処理により、画像形成処理により用紙が縮む場合には、ユーザーにより入力された調整項目を優先して用いることになる。
【0128】
図7に示すフローチャートに戻り、以降のステップS17~S19を説明する。
【0129】
(ステップS17)
制御部70は、ユーザーにより入力された画像調整値、読取装置120の読取結果に基づいて自動調整された画像調整値を用いて、印刷用画像の回転、Skew、台形、曲がりの補正量を算出する。
【0130】
(ステップS18)
制御部70は、調整が必要な調整項目の画像調整値を自動で調整する。例えば、ユーザーにより入力された画像調整値や読取装置120の読取結果に基づいて自動調整された画像調整値により、印刷用画像の回転に調整が必要な場合、ステップS17で算出された補正量を用いて、印刷用画像の回転の画像調整値を調整し、更新する。他のSkew、台形、曲がりについても同様である。
【0131】
(ステップS19)
ステップS11において、調整停止モードが選択されていると判定された場合(YES)、制御部70は、各調整項目の画像調整値の自動調整は行わず、各調整項目に入力されている画像調整値を用いて、印刷用画像の形成態様を設定する。
【0132】
以上の手順により、印刷用画像の形成態様を調整する画像調整方法は終了する。この画像調整方法は、調整が必要な画像調整値をリアルタイムで自動調整する場合には、画像形成処理中において、用紙毎に行うようにしてもよい。また、これに限らず、例えば、一定の用紙処理枚数毎に行うようにしてもよいし、また、画像形成処理の開始直後のみ行うようにしてもよい。
【0133】
そして、画像形成処理中において、画像形成装置本体110は、ユーザーにより入力された画像調整値や自動調整された画像調整値を用いて、用紙に対する印刷用画像の画像形成処理を実行する。例えば、画像形成装置本体110の画像形成部40は、ユーザーにより入力されたシフト量に基づいて、印刷用画像をシフト(移動)し、また、自動測定により更新された回転の画像調整値に基づいて、印刷用画像を回転することで、印刷用画像を形成する。これにより、ユーザーの意図通りの印刷用画像を形成することができる。
【0134】
以上説明したように、画像形成処理中において、当該処理前にユーザーに入力された調整項目については、入力された画像調整値を優先して用い、他の調整項目の画像調整値は自動測定により更新している。そのため、印刷用画像の形成態様をユーザーの意図通りに調整することができる。
【0135】
上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0136】
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
70 制御部
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
120 読取装置
121 第1センサー
122 第2センサー