(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】回収容器及び粉体塗装装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20241224BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
G03G21/12
G03G21/16 161
(21)【出願番号】P 2021053822
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】袁 磊
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-113760(JP,A)
【文献】特開2017-054085(JP,A)
【文献】特開2015-210321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/12
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着対象に対して着脱可能で且つ粉体を収容可能な容器本体と、
前記容器本体に設けられ、前記容器本体における該容器本体の装着方向と交差する方向の両壁部のうち一方の前記壁部から突出可能とされ、突出方向の移動により前記装着対象において前記一方の壁部に対向する部分に設けられた第1開口部に挿入される第1挿入部と、
前記容器本体に設けられ、他方の前記壁部から前記第1挿入部と反対側に突出可能とされ、突出方向の移動により前記装着対象において前記他方の壁部に対向する部分に設けられた第2開口部に挿入される第2挿入部と、
前記容器本体に設けられ、前記他方の壁部から前記第2挿入部と同じ側に突出可能とされ、突出方向の移動により前記装着対象において前記他方の壁部に対向する部分に設けられた第3開口部に挿入される第3挿入部と、
前記容器本体の前記一方の壁部に設けられ、前記一方の壁部から該壁部との間に間隔をあけて前記装着方向と反対側に延びる第1把持部と、
前記第1把持部の前記容器本体側と反対側の面に設けられ、前記装着対象に設けられた第1被引掛部に引っ掛かる突起状の第1引掛部と、
前記容器本体の前記他方の壁部に設けられ、前記他方の壁部から該壁部との間に間隔をあけて前記装着方向と反対側に延びる第2把持部と、
前記第2把持部の前記容器本体側と反対側の面に設けられ、前記装着対象に設けられた第2被引掛部に引っ掛かる突起状の第2引掛部と、
を備える回収容器。
【請求項2】
前記容器本体は、前記装着方向及び交差する方向に対して直交する方向の長さが前記装着方向の長さよりも長い形状であり、
前記第2挿入部と第3挿入部は、前記直交する方向に離隔して配置されている、請求項1に記載の回収容器。
【請求項3】
前記第1挿入部、前記第2挿入部及び前記第3挿入部は、それぞれ前記直交する方向にずれて配置されている、請求項2に記載の回収容器。
【請求項4】
前記容器本体には、操作部材が設けられており、
前記第1挿入部、前記第2挿入部及び前記第3挿入部の各々の突出動作が前記操作部材の操作に連動している、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項5】
前記第2把持部は、板状であり、
前記第2挿入部は、突出状態において前記第2把持部を貫通している、請求項
1~請求項4のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項6】
前記第2挿入部には、突出状態で前記第2把持部の前記他方の壁部への接近を制限する制限部が設けられている、請求項
1~請求項5のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項7】
前記容器本体内には、前記他方の壁部側から前記一方の壁部側へ前記粉体を搬送する搬送部材が設けられており、
前記搬送部材を駆動させるための軸継手が前記容器本体の前記装着方向側の面における前記他方の壁部側に設けられている、請求項
1~請求項
6のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項8】
前記装着方向から見て、前記第2挿入部と前記軸継手が前記装着方向及び交差する方向に対して直交する方向でラップしている、請求項
7に記載の回収容器。
【請求項9】
前記第1把持部は、板状であり、
前記第1挿入部は、突出状態において前記第1把持部を貫通している、請求項
1~請求項
8のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項10】
前記第1挿入部には、突出状態で前記第1把持部の前記一方の壁部への接近を制限する制限部が設けられている、請求項
1~請求項
9のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項11】
粉体としての色材を供給する供給手段と、
前記供給手段から排出された前記色材を回収する請求項1~請求項
10のいずれか1項に記載の回収容器と、
を備える粉体塗装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収容器及び粉体塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置に着脱可能に装着される粉体の回収容器について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装着対象に装着される粉体の回収容器がある。この回収容器には装着方向と交差する方向で互いに逆向きに突出(突出方向に移動)する一対の挿入部が設けられており、一対の挿入部が装着対象の対応する開口部に挿入されることで、回収容器が装着対象に装着される。しかしながら、装着された回収容器の装着姿勢が安定しないことがある。
【0005】
本発明は、装着方向と交差する方向で互いに逆向きに突出する一対の挿入部のみで容器本体の装着姿勢を保持する構成と比して、容器本体の装着姿勢を安定させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の回収容器は、装着対象に対して着脱可能で且つ粉体を収容可能な容器本体と、前記容器本体に設けられ、前記容器本体における該容器本体の装着方向と交差する方向の両壁部のうち一方の前記壁部から突出可能とされ、突出方向の移動により前記装着対象において前記一方の壁部に対向する部分に設けられた第1開口部に挿入される第1挿入部と、前記容器本体に設けられ、他方の前記壁部から前記第1挿入部と反対側に突出可能とされ、突出方向の移動により前記装着対象において前記他方の壁部に対向する部分に設けられた第2開口部に挿入される第2挿入部と、前記容器本体に設けられ、前記他方の壁部から前記第2挿入部と同じ側に突出可能とされ、突出方向の移動により前記装着対象において前記他方の壁部に対向する部分に設けられた第3開口部に挿入される第3挿入部と、を備える。
【0007】
第2態様の回収容器は、第1態様の回収容器において、前記容器本体は、前記装着方向及び交差する方向に対して直交する方向の長さが前記装着方向の長さよりも長い形状であり、前記第2挿入部と第3挿入部は、前記直交する方向に離隔して配置されている。
【0008】
第3態様の回収容器は、第2態様の回収容器において、前記第1挿入部、前記第2挿入部及び前記第3挿入部は、それぞれ前記直交する方向にずれて配置されている。
【0009】
第4態様の回収容器は、第1態様~第3態様のいずれか一態様の回収容器において、前記容器本体には、操作部材が設けられており、前記第1挿入部、前記第2挿入部及び前記第3挿入部の各々の突出動作が前記操作部材の操作に連動している。
【0010】
第5態様の回収容器は、第1態様~第4態様のいずれか一態様の回収容器において、前記容器本体の前記一方の壁部に設けられ、前記一方の壁部から該壁部との間に間隔をあけて前記装着方向と反対側に延びる第1把持部と、前記第1把持部の前記容器本体側と反対側の面に設けられ、前記装着対象に設けられた第1被引掛部に引っ掛かる突起状の第1引掛部と、前記容器本体の前記他方の壁部に設けられ、前記他方の壁部から該壁部との間に間隔をあけて前記装着方向と反対側に延びる第2把持部と、前記第2把持部の前記容器本体側と反対側の面に設けられ、前記装着対象に設けられた第2被引掛部に引っ掛かる突起状の第2引掛部と、を備える。
【0011】
第6態様の回収容器は、第5態様の回収容器において、前記第2把持部は、板状であり、前記第2挿入部は、突出状態において前記第2把持部を貫通している。
【0012】
第7態様の回収容器は、第5態様又は第6態様の回収容器において、前記第2挿入部には、突出状態で前記第2把持部の前記他方の壁部への接近を制限する制限部が設けられている。
【0013】
第8態様の回収容器は、第5態様~第7態様のいずれか一態様の回収容器において、前記容器本体内には、前記他方の壁部側から前記一方の壁部側へ前記粉体を搬送する搬送部材が設けられており、前記搬送部材を駆動させるための軸継手が前記容器本体の前記装着方向側の面における前記他方の壁部側に設けられている。
【0014】
第9態様の回収容器は、第8態様の回収容器において、前記装着方向から見て、前記第2挿入部と前記軸継手が前記装着方向及び交差する方向に対して直交する方向でラップしている。
【0015】
第10態様の回収容器は、第5態様~第9態様のいずれか一態様の回収容器において、前記容器本体内には、前記他方の壁部側から前記一方の壁部側へ前記粉体を搬送する搬送部材が設けられており、前記搬送部材を駆動させるための軸継手が前記容器本体の前記装着方向側の面における前記他方の壁部側に設けられている。
【0016】
第11態様の回収容器は、第5態様~第10態様のいずれか一態様の回収容器において、前記第1挿入部には、突出状態で前記第1把持部の前記一方の壁部への接近を制限する制限部が設けられている。
【0017】
第12態様の粉体塗装装置は、粉体としての色材を供給する供給手段と、前記供給手段から排出された前記色材を回収する第1態様~第11態様のいずれか一態様の回収容器と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
第1態様の構成によれば、装着方向と交差する方向で互いに逆向きに突出する一対の挿入部のみで容器本体の装着姿勢を保持する構成と比して、容器本体の装着姿勢を安定させることができる。
【0019】
第2態様の構成によれば、第2挿入部と第3挿入部が装着方向に離隔して配置された構成と比して、容器本体の装着姿勢を安定させることができる。
【0020】
第3態様の構成によれば、第1挿入部と第2挿入部又は第1挿入部と第3挿入部がそれぞれ直交する方向で同じ位置にある構成と比して、容器本体の装着姿勢を安定させることができる。
【0021】
第4態様の構成によれば、第1挿入部、第2挿入部及び第3挿入部の各々の突出動作が別々の操作部材で行われる構成と比して、1回の操作で容器本体を装着対象に装着させることができる。
【0022】
第5態様の構成によれば、容器本体を装着対象に仮止めすることができる。
【0023】
第6態様の構成によれば、第2把持部を避けた位置に第2挿入部を配置する構成と比して、他方の壁部に対して第2挿入部を自由な位置に設定することができる。
【0024】
第7態様の構成によれば、第2把持部の誤操作を防止することができる。
【0025】
第8態様の構成によれば、軸継手が容器本体の装着方向側の面における一方の壁部側に設けられている構成と比して、駆動源側の軸継手と容器本体の軸継手の嵌合不良を抑制することができる。
【0026】
第9態様の構成によれば、装着方向から見て、第2挿入部と軸継手が直交する方向で離れている構成と比して、駆動源側の軸継手と容器本体の軸継手の嵌合不良を抑制することができる。
【0027】
第10態様の構成によれば、第1把持部を避けた位置に第1挿入部を配置する構成と比して、一方の壁部に対して第1挿入部を自由な位置に設定することができる。
【0028】
第11態様の構成によれば、第1把持部の誤操作を防止することができる。
【0029】
第12態様の構成によれば、装着方向と交差する方向で互いに逆向きに突出する一対の挿入部のみによって容器本体の装着姿勢が保持された構成と比して、供給手段から排出された色材を回収容器で回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、カバーを開いた状態を示している。
【
図3】
図2の画像形成装置の斜視図であり、回収容器を外した状態を示している。
【
図4】
図2の回収容器を前面側から見た斜視図であり、回収容器を筐体からアンロックした状態(ロックが解除された状態)を示している。
【
図5】
図4の回収容器を背面側から見た斜視図であり、回収容器を筐体にロックした状態を示している。
【
図6】
図4の回収容器を背面側から見た斜視図であり、回収容器を筐体からアンロックした状態を示している。
【
図9】
図4の回収容器の幅方向一方側の側部を示す斜視図である。
【
図10】
図9の回収容器の幅方向一方側の側部を、
図9と反対側から見た斜視図である。
【
図11】
図9の回収容器の幅方向一方側の側部を側方から見た側面図である。
【
図12】(A)筐体の回収口の周辺部を回収容器のガイド部でガイドする動作を説明するための拡大側面図である。(B)回収口の周辺部によって開閉シャッターが押し開かれる動作を説明するための拡大側面図である。(C)外部排出口と回収口とが接続された状態を説明するための拡大側面図である。
【
図13】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させている途中の状態におけるロック部を示す拡大平面図である。
【
図14】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させている途中の状態における突起を示す拡大平面図である。
【
図15】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させてロック部が開口部に挿入された状態を示す拡大平面図である。
【
図16】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させて突起が被引掛部に引っ掛かった状態を示す拡大平面図である。
【
図17】回収容器が筐体に装着された状態を示す、収容部の装置幅方向一方側の側面の拡大斜視図である。
【
図18】回収容器が筐体に装着された状態での回収容器の幅方向一方側の側部を示す正面図である。
【
図19】
図9の回収容器の幅方向他方側の側部を側方から見た側面図である。
【
図20】回収容器がアンロック状態のときの回収容器の幅方向他方側の側部周りの2つのロック部の動作を説明するための正面図である。
【
図21】回収容器がロック状態のときの回収容器の幅方向他方側の側部周りの2つのロック部の動作を説明するための正面図である。
【
図22】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させてロック部が開口部に挿入された状態を示す要部拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一実施形態に係る回収容器及び粉体塗装装置について説明する。
【0032】
まず、本実施形態の粉体塗装装置の一例である画像形成装置10について説明し、次に、画像形成装置10に用いる回収容器60について説明する。
【0033】
〔全体構成〕
まず、本実施形態の画像形成装置10について説明する。
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置10は、装置本体としての筐体11を有している。また、
図1に示されるように、画像形成装置10は、像保持体の一例としての感光体12と、帯電手段の一例としての帯電装置14と、露光手段の一例としての露光装置16と、供給手段の一例としての現像装置18と、制御手段の一例としての制御部20と、転写手段の一例としての転写装置22と、定着手段の一例としての定着装置24と、清掃手段の一例としてのクリーニング装置26と、粉体容器の一例としてのトナーカートリッジ28と、を筐体11の内部に備えている。また、感光体12、帯電装置14、露光装置16及びクリーニング装置26によって、像保持ユニットの一例としての感光体ユニット30が形成されている。この感光体ユニット30の筐体31は、筐体11に対して着脱可能に装着されている。
【0034】
なお、以下の説明では、画像形成装置10をユーザ(図示省略)が立つ側から正面視して、装置幅方向、装置高さ方向、装置奥行き方向をX方向、Y方向、Z方向と記載する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交している。また、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、画像形成装置10の上側を+Y側、下側を-Y側、右側を+X側、左側を-X側、奥側を+Z側、前側を-Z側と記載する。Y方向は、重力方向の一例である。X方向及びZ方向は、水平方向の一例である。
【0035】
図2に示されるように、筐体11の前面には、装置奥行き方向前側に回転するカバー32が取り付けられている。このカバー32の装置奥行き方向奥側には、粉体の一例である色材としての現像剤の回収容器60が装着対象の一例としての筐体11に対して着脱可能に装着されている。具体的には、筐体11には、回収容器60の外形に対応した形状の収容部50が形成されており、この収容部50に回収容器60が収容されて回収容器60が筐体11に装着されている。なお、回収容器60の幅方向、高さ方向、厚み方向は、回収容器60を筐体11に装着した状態で、装置幅方向、装置高さ方向、装置奥行き方向と一致する。そのため、回収容器60を正面視して、回収容器60の上側が+Y側、下側が-Y側、右側が+X側、左側が-X側、奥側が+Z側、前側が-Z側に相当する。
また、
図11では、回収容器60(容器本体62)の筐体11に対する装着方向を矢印E方向で示す。なお、ここでいう装着方向は、装置奥行き方向の奥側と同じ方向である。
【0036】
この回収容器60の前部(容器本体62の装置奥行き方向前側の部分)62Dには、
図7及び
図8に示されるように、操作部材の一例としての操作ハンドル88が設けられている。この操作ハンドル88を操作することで、回収容器60の筐体11へのロックが解除されると共に粉体の一例としての現像剤の回収口66が閉塞される。また、操作ハンドル88の操作に連動して転写装置22の一次転写ロール34が感光体12から離間する。その後、回収容器60を筐体11から脱離することで、筐体11に装着された各色に対応した感光体ユニット30が外部に露出される(
図3参照)。これにより、感光体ユニット30へアクセスできるようになる。
【0037】
また、回収容器60を脱離した状態で、現像装置18に設けられた操作レバー38を操作して、感光体ユニット30の脱離経路上から操作レバー38を退避させる。その後、感光体ユニット30を装置奥行き方向前側へ引き出すことで、感光体ユニット30が筐体11から脱離される。
【0038】
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
画像形成装置10の各部の動作は、制御部20により制御される。この画像形成装置10では、現像装置18がトナーカートリッジ28から搬送された粉体の一例である色材としての現像剤で感光体12の潜像を現像することにより、現像剤像の一例としてのトナー像が形成される。さらに、画像形成装置10では、転写装置22が記録媒体Pにトナー像を転写した後で、定着装置24によってトナー像が記録媒体Pに定着される。
【0039】
現像剤は、一例として、負極性に帯電する色材の一例としてのトナーと、正極性に帯電する磁性体の一例としての鉄製のキャリアとを主成分として、さらに、添加剤を含んで構成されている。トナーは、例えば、ポリエステル樹脂製である。
【0040】
〔要部構成〕
次に、本実施形態の回収容器60について詳細に説明する。
本実施形態の回収容器60は、現像装置18で使用した現像剤、中間転写ベルト36から除去された現像剤、及び、感光体12から除去された現像剤を回収し、その後、回収した現像剤を集約して後述する外部排出口68(
図12参照)から筐体11の下部の回収ボトル58(
図2及び
図12参照)へ排出するようになっている。なお、本発明における「回収」とは、粉体をその場所に一時的に保持する態様や粉体を最終的に保持する態様を含む。
【0041】
図4~
図8に示されるように、回収容器60は、容器本体62を備えている。
【0042】
容器本体62は、箱形状とされている。具体的には、容器本体62は、幅方向の長さが厚み方向の長さよりも長い箱形状とされている。また、容器本体62の内部には、現像剤を回収する回収経路64が設けられている。この容器本体62は、筐体11の収容部50に収容されて筐体11に装着されるようになっている。なお、前述したように、収容部50の形状が回収容器60(容器本体62)の外形に対応した形状のため、容器本体62を収容部50に収容した状態では、容器本体62によって感光体12及び転写装置22が覆われる。
【0043】
回収経路64は、後述する回収口66から回収した現像剤を集約して外部排出口68へ搬送するための通路部である。この回収経路64は、複数の回収口66からそれぞれ下方側へ延びる図示しない枝通路と、これらの枝通路が合流する主通路64Aとを備えている。主通路64Aは、容器本体62の下部に設けられ、容器本体62の幅方向の一方側(
図7及び
図8では右側)から他方側(
図7及び
図8では左側)に向けて延びている。なお、主通路64Aに回収された現像剤は、主通路64Aの延在方向の一方(
図7及び
図8では左側)から他方(
図7及び
図8では右側)へ搬送されようになっている。具体的には、主通路64Aには、主通路64Aの延在方向を軸方向として回転する搬送部材の一例としての搬送オーガ70が設けられている。この搬送オーガ70の回転により、主通路64A内の現像剤が容器本体62の幅方向の他方側から一方側へ搬送される。言い換えると、搬送オーガ70は、主通路64A内の粉体を主通路64Aの延在方向に沿って後述する側部62C側から側部62B側へ搬送する。
【0044】
また、容器本体62の底部62Aには、外部排出口68(
図12参照)が設けられている。具体的には、外部排出口68は、主通路64Aの延在方向の他端部に設けられており、下方に向けて開口している。主通路64Aを搬送された現像剤は、外部排出口68を通って外部へ排出されるようになっている。なお、本実施形態では、回収容器60を筐体11に装着した状態において、外部排出口68が収容部50の底面50Aに設けられた回収口52に接続されるようになっている。この回収口52は、筐体11の収容部50よりも下側に装着された回収ボトル58の口部につながっている。このため、外部排出口68から排出された現像剤は、回収口52を介して回収ボトル58に集められる。
【0045】
また、容器本体62の底部62Aにおける外部排出口68に対応する部分には、図示しないバネ材(一例としてコイルスプリング)によって装着方向Eに付勢されて、外部排出口68を閉じる開閉部の一例としての開閉シャッター72が設けられている。この開閉シャッター72は、容器本体62を筐体11に装着した装着状態では、回収口52のフランジ部52Aによって押し開かれるようになっている。具体的には、容器本体62を筐体11に対して装着方向Eに移動させていくと、
図12(A)~
図12(C)に示されるように、回収口52のフランジ部52Aが開閉シャッター72の装着方向E側の端部72Aに接触する。そして、容器本体62を更に装着方向Eに移動させると、開閉シャッター72が装着方向Eと反対側へ押し込まれて、外部排出口68が開放される。そして、外部排出口68と回収口52が接続される。
【0046】
また、容器本体62の開閉シャッター72を挟んで外部排出口68と反対側には、開閉シャッター72の移動をガイドするガイド部74が設けられている。このガイド部74には、
図10及び
図12に示されるように、装着方向Eの端部から装着方向Eに向けて開閉シャッター72から離れる方向に斜めに延びる傾斜部76が設けられている。この傾斜部76は、回収口52のフランジ部52Aを開閉シャッター72へ誘いこみ可能とされている。具体的には、容器本体62を筐体11に装着するときに、回収口52のフランジ部52Aが傾斜部76に接触すると、回収口52のフランジ部52Aが傾斜部76によって、容器本体62の高さ方向で外部排出口68とガイド部74との間にガイドされる。そして、ガイドされた回収口52のフランジ部52Aは、開閉シャッター72の端部72Aに接触して、開閉シャッター72を押し込む。
【0047】
図5及び
図6に示されるように、本実施形態では、ガイド部74が外部排出口68を挟んで容器本体62の幅方向両側にそれぞれ設けられている。これらのガイド部74によって、開閉シャッター72の幅方向両端部が支持及びガイドされるため、開閉シャッター72の移動のガタ付きが抑制される。また、一対のガイド部74には、それぞれ前述の傾斜部76が設けられているため、回収口52のフランジ部52Aが安定した状態でガイドされる。
【0048】
容器本体62の容器本体62の後部62E(装置奥行き方向後側の部分)には、搬送オーガ70を回転駆動させるための軸継手の一例としてのコネクタ86(
図5及び
図6参照)が設けられている。具体的には、コネクタ86は、容器本体62の裏面(前面62DAと反対側の面)で且つ後述する側部62C近傍の下部に設けられている。そして、コネクタ86は、容器本体62を筐体11に装着した状態では、筐体11に設けられた図示しない回転駆動部に連結され、回転駆動部の回転力を搬送オーガ70の回転力に変換するようになっている。このため、容器本体62を筐体11に装着した状態では、回転駆動部からの回転力がコネクタ86を介して搬送オーガ70の回転力に変換されて、主通路64A内に回収された現像剤が搬送オーガ70の回転により外部排出口68に向けて搬送される。
【0049】
また、容器本体62の後部62Eには、筐体11側から現像剤を回収する回収口66が複数設けられている。これらの回収口66は、容器本体62の回収経路64上に設けられている。また、これらの回収口66は、筐体11側の粉体排出部の一例としての現像剤排出部40に接続可能とされている。回収口66と現像剤排出部40が接続された状態では、現像剤排出部40から排出された現像剤が回収口66で回収されて、回収経路64(枝通路から主通路64A)へ送られるようになっている。具体的には、本実施形態の回収口66は、現像装置18で使用した現像剤、中間転写ベルト36から除去された現像剤、及び、感光体12から除去された現像剤を回収するようになっている。なお、現像装置18の現像剤排出部40から排出される現像剤を回収する回収口を符号66A(
図5参照)で示し、感光体12からクリーニング装置26によって除去された現像剤を回収する回収口を符号66B(
図5参照)で示し、中間転写ベルト36からベルト清掃部材(図示省略)によって除去された現像剤を回収する回収口を符号66C(
図5参照)で示す。
【0050】
なお、回収口66Aは、図示しない付勢部材の一例としてのコイルスプリングによって装着方向Eへ付勢された開閉シャッター67によって開閉可能とされている。この開閉シャッター67は、容器本体62を筐体11に装着した装着状態では、現像剤排出部40の周辺部によって装着方向Eと反対側に押され、回収口66Aを開放するようになっている(
図6参照)。また、容器本体62を筐体11から脱離した脱離状態では、開閉シャッター67が回収口66Aを閉塞している(
図7参照)。
【0051】
また、容器本体62の幅方向一方側(
図7及び
図8では右側)の側部62Bには、第1把持部の一例としての着脱ハンドル100が設けられている。具体的には、着脱ハンドル100は、容器本体62の側部62Bの上部に設けられている。より具体的には、着脱ハンドル100は、側部62Bの張出部80よりも上方に設けられている。この張出部80は、容器本体62の幅方向一方側の側部62Bの下部に設けられた幅方向外側に張り出した部分である(
図11及び
図12参照)。この着脱ハンドル100は、容器本体62の側部62Bに一端部100Bが支持され、他端部100Cが一端部100Bよりも装着方向Eの反対側に位置する板状のバネ材である。なお、回収容器60の脱離状態では、着脱ハンドル100の他端部100Cは、自由状態とされている。さらに、具体的に説明すると、着脱ハンドル100は、
図16に示されるように、上方から見て、一端部100Bから装着方向Eと反対側で且つ側部62Bから離間する側(容器本体62の幅方向外側)に延びる傾斜板部100Dと、この傾斜板部100Dの端部から装着方向Eと反対側に延びる把持板部100Eと、を備えている。すなわち、着脱ハンドル100は、側部62Bから該側部62Bとの間に間隔をあけて装着方向Eと反対側に延びる形状とされている。また、傾斜板部100Dの長さは、把持板部100Eの長さよりも長くなっている。
なお、着脱ハンドル100の他端部100Cは、容器本体62の前面62DAよりも容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)に張り出している。すなわち、把持板部100Eの一部が前面62DAよりも装置奥行き方向前側に張り出しているため、回収容器60を筐体11から脱離する際の着脱ハンドル100の操作がしやすくなっている。
【0052】
また、着脱ハンドル100の容器本体62側と反対側の面には、第1引掛部の一例としての突起90が設けられている。具体的には、着脱ハンドル100の他端部100C側の表面100Aには、突起90が設けられている。より具体的には、突起90は、傾斜板部100Dの把持板部100E側の端部に設けられている。なお、本実施形態の突起90は、容器本体62の高さ方向の中間部に装着方向Eに沿って延びる溝部(凹部)が形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。また、突起90は、収容部50の側壁面50C(
図3では右側の壁面)に形成された被引掛部54Aに引っ掛かるようになっている。
【0053】
着脱ハンドル100は、
図14に示されるように、回収容器60(容器本体62)を筐体11に装着するときには、収容部50の装置幅方向一方側(
図14及び
図17では右側)の側壁面50Bに接した突起90から容器本体62の幅方向内側への力を受けて、一端部100Bを中心として撓み、他端部100C側が容器本体62の幅方向内側へ移動する。そして、
図16に示されるように、突起90が収容部50の開口部54に至ると、突起90が収容部50の被引掛部54Aに引っ掛かるようになっている。また、開口部54は、側壁面50Bの凹状部51よりも上方に形成されている。また、被引掛部54Aは、開口部54の装置奥行き方向手前側の縁部を指す。
【0054】
また、着脱ハンドル100には、
図10に示されるように、後述するロック部材102のロック部102Aが通過する開口101が形成されている。具体的には、開口101は、着脱ハンドル100の傾斜板部100Dと把持板部100Eに跨って形成されている。また、突起90は、傾斜板部100Dの開口101よりも下側に配置されている。具体的には、突起90は、傾斜板部100Dの下端部近傍に形成されている。
【0055】
また、容器本体62の幅方向他方側(
図7及び
図8では左側)の側部62Cには、第2把持部の一例としての着脱ハンドル104が設けられている。具体的には、着脱ハンドル104は、容器本体62の側部62Cの下部に設けられた張出部81に設けられている。この張出部81は、容器本体62の側部62Bの下部に設けられた幅方向外側に張り出した部分である(
図5及び
図6参照)。この着脱ハンドル104は、容器本体62の側部62Cの張出部81に一端部104Bが支持され、他端部104Cが一端部104Bよりも装着方向Eの反対側に位置する板状のバネ材である。なお、回収容器60の脱離状態では、着脱ハンドル104の他端部104Cは、自由状態とされている。さらに、具体的に説明すると、着脱ハンドル104は、
図22に示されるように、上方から見て、一端部104Bから装着方向Eと反対側で且つ側部62Cから離間する側(容器本体62の幅方向外側)に延びる傾斜板部104Dと、この傾斜板部104Dの端部から装着方向Eと反対側に延びる把持板部104Eと、を備えている。すなわち、着脱ハンドル104は、側部62Cから該側部62Cとの間に間隔をあけて装着方向Eと反対側に延びる形状とされている。また、傾斜板部104Dの長さは、把持板部104Eの長さよりも長くなっている。
なお、着脱ハンドル104の他端部104Cは、容器本体62の前面62DAよりも容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)に張り出している。すなわち、把持板部104Eの一部が前面62DAよりも装置奥行き方向前側に張り出しているため、回収容器60を筐体11から脱離する際の着脱ハンドル104の操作がしやすくなっている。
【0056】
また、着脱ハンドル104の容器本体62側と反対側の面には、第2引掛部の一例としての突起106が設けられている。具体的には、着脱ハンドル104の他端部104C側の表面104Aには、
図5及び
図6に示されるように、突起106が設けられている。より具体的には、突起106は、傾斜板部104Dの把持板部104E側の端部に設けられている。なお、本実施形態の突起106は、容器本体62の高さ方向の中間部に装着方向Eに沿って延びる溝部(凹部)が形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。また、突起106は、収容部50の側壁面50C(
図3では左側の壁面)に形成された図示しない被引掛部に引っ掛かるようになっている。
【0057】
着脱ハンドル104は、
図14に示されるように、回収容器60(容器本体62)を筐体11に装着するときには、収容部50の側壁面50Cに接した突起106から容器本体62の幅方向内側への力を受けて、一端部104Bを中心として撓み、他端部104C側が容器本体62の幅方向内側へ移動する。そして、突起106が側壁面50Cの被引掛部に至ると、突起106が被引掛部に引っ掛かるようになっている。
【0058】
また、着脱ハンドル104には、
図5及び
図22に示されるように、後述するロック部材102のロック部102Cが通過する開口105が形成されている。具体的には、開口105は、着脱ハンドル104の傾斜板部104Dと把持板部104Eに跨って形成されている。また、突起106は、傾斜板部104Dの開口105を容器本体62の高さ方向に挟んで一対形成されている。
【0059】
ここで、回収容器60の突起90及び突起106が被引掛部54A及び図示しない被引掛部にそれぞれ引っ掛かることで、回収容器60が筐体11に保持(装着)される。また、回収容器60の両側にある着脱ハンドル100及び着脱ハンドル104のそれぞれの他端部100C、104Cを把持し、互いに幅方向内側へ向けて押すことで、突起90及び突起106が被引掛部54A及び図示しない被引掛部から外れる(引掛りが解除される)。この状態で回収容器60を筐体11から装着方向Eと反対側へ引き抜くことで、回収容器60が筐体11から脱離される。
【0060】
容器本体62には、
図7及び
図8に示されるように、ロック部材102が設けられている。操作ハンドル88の操作によって回収容器60の筐体11に対する装着状態を維持するための部材である。このロック部材102は、第1挿入部の一例としての第1ロック部102Aと、第2挿入部の一例としての第2ロック部102Bと、第3挿入部の一例としての第3ロック部102Cと、を備えている。
【0061】
ロック部102Aは、
図7及び
図8に示されるように、容器本体62の側部62Bから突出可能(言い換えると、出没可能)とされている。具体的には、ロック部102Aは、容器本体62の側部62Bから容器本体62の幅方向外側へ突出して、収容部50の側壁面50Bに設けられた開口部55に挿入されるようになっている(
図15参照)。より具体的には、ロック部102Aは、突出方向への移動、すなわち、容器本体62の幅方向一方側へ移動可能とされ、この移動によって側部62Bからの突出高さが高くなり(突出量が増え)、開口部55に挿入される。ここで「ロック部が容器本体の側部から突出可能」とは、ロック部の突出方向の移動により該ロック部の先端が側部から突出する態様やロック部の突出方向の移動により該ロック部の側部から突出している部分の突出高さが高くなる態様を含む。
【0062】
図9及び
図13に示されるように、ロック部102Aは、略直方体状に形成されており、先端面102AAから容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)の側面102ABに向けて斜面102ACが形成されている。このロック部102Aは、操作ハンドル88の操作によって容器本体62の幅方向外側へ向けて突出方向に移動すると、着脱ハンドル100の開口101を通り、収容部50の開口部55に挿入される。すなわち、ロック部102Aは、突出状態において着脱ハンドル100を貫通している。
【0063】
また、ロック部102Aには、突出状態で着脱ハンドル100の側部62Bへの接近を制限する制限部110が設けられている。具体的には、ロック部102Aの周辺に制限部110が一体に形成されている。この制限部110は、ロック部102Aの側面102ABから突出した部分である。このため、ロック部102Aが側部62Bから容器本体62の幅方向外側へ突出する動作に連動して、制限部110も容器本体62の幅方向外側へ移動する。ここで、回収容器60を筐体11に装着し、ロック部材102をロック状態としたときには、制限部110の制限面110A(容器本体62の幅方向外側の面)が、着脱ハンドル100の裏面に対向する。このため、ロック部材102でロックした状態では、着脱ハンドル100を容器本体62の幅方向内側への移動が制限部110によって制限(一例として阻止)されるので、着脱ハンドル100の誤操作が阻止される。
【0064】
ロック部102Bは、
図7及び
図8に示されるように、容器本体62の側部62Cから突出可能(言い換えると、出没可能)とされている。具体的には、ロック部102Bは、容器本体62の側部62Cの張出部81から容器本体62の幅方向外側へ突出して、収容部50の側壁面50Cに設けられた開口部56に挿入されるようになっている。より具体的には、ロック部102Bは、突出方向への移動、すなわち、容器本体62の幅方向他方側へ移動可能とされ、この移動によって側部62Cからの突出高さが高くなり(突出量が増え)、開口部56に挿入される(
図22参照)。
【0065】
図5に示されるように、ロック部102Bは、略直方体状に形成されており、先端面102BAから容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)の側面102BBに向けて斜面102BCが形成されている(
図22参照)。このロック部102Bは、操作ハンドル88の操作によって容器本体62の幅方向外側へ向けて突出方向に移動すると、着脱ハンドル104の開口105を通り、収容部50の開口部56に挿入される。すなわち、ロック部102Bは、突出状態において着脱ハンドル104を貫通している。
【0066】
また、ロック部102Bには、突出状態で着脱ハンドル104の側部62Cへの接近を制限する制限部111が設けられている。具体的には、ロック部102Bの周辺に制限部111が一体に形成されている。この制限部111は、ロック部102Bの側面102BBから突出した部分である。このため、ロック部102Bが側部62Cから容器本体62の幅方向外側へ突出する動作に連動して、制限部111も容器本体62の幅方向外側へ移動する。ここで、回収容器60を筐体11に装着し、ロック部材102でロックした状態では、制限部111の制限面111A(容器本体62の幅方向外側の面)が、着脱ハンドル104の裏面に対向する。このため、ロック部材102をロック状態としたときには、着脱ハンドル104を容器本体62の幅方向内側への移動が制限部111によって制限(一例として阻止)されるので、着脱ハンドル104の誤操作が阻止される。
【0067】
図5及び
図6に示されるように、ロック部102Cは、容器本体62の側部62Cの上部から突出可能(言い換えると、出没可能)とされている。具体的には、ロック部102Cは、容器本体62の側部62Cの上部から容器本体62の幅方向外側へ突出して、収容部50の側壁面50Cに設けられた開口部56に挿入されるようになっている。より具体的には、ロック部102Cは、側部62Cの張出部81よりも上側から容器本体62の幅方向外側へ突出するようになっている。より具体的には、突出方向への移動、すなわち、容器本体62の幅方向他方側へ移動可能とされ、この移動によって側部62Cからの突出高さが高くなり(突出量が増え)、開口部57に挿入される(
図2参照)。
【0068】
図5及び
図6に示されるように、ロック部102Cは、略直方体状に形成されており、操作ハンドル88の操作によって容器本体62の幅方向外側へ向けて突出方向に移動すると、収容部50の開口部56(
図3参照)に挿入される。
【0069】
また、
図20及び
図21に示されるように、ロック部102Bとロック部102Cは、連結部114によって連結されている。このため、本実施形態では、ロック部102Bとロック部102Cの動作が連動するようになっている。
【0070】
また、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cの各々の突出動作は、操作ハンドル88の操作に連動している。すなわち、操作ハンドル88を操作することで、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cを容器本体62の幅方向外側へそれぞれ突出させることができる。
【0071】
図7及び
図8に示されるように、ロック部102Bとロック部102Cは、容器本体62の高さ方向に離隔して配置されている。さらに、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cは、容器本体62の高さ方向にずれて配置されている。
【0072】
また、容器本体62の装着方向Eから見て、ロック部102Bとコネクタ86は、容器本体62の高さ方向でラップしている。言い換えると、ロック部102Bは、コネクタ86の容器本体62の幅方向外側に配置されている(
図19参照)。
【0073】
また、ロック部材102は、容器本体62の上部62Fに設けられた収納部63に収容された状態から容器本体62の幅方向にスライドして容器本体62の上部62Fに突出するロック部102Dを備えている。なお、収納部63は、容器本体62の上部62Fから容器本体62の高さ方向で上方に張り出した部分であり、ロック部102Dを格納可能とされている。ロック部102Dは、収納部63に収まった状態から容器本体62の幅方向他方側へスライドすることで収納部63から出て、容器本体62の上部62Fから突出した状態となる。
【0074】
ロック部102Dは、操作ハンドル88の操作により容器本体62の幅方向にスライドして容器本体62の上部62Fに突出することで、収容部50の天井面50Dに設けられた図示しない被引掛部に引っ掛かるようになっている。なお、ロック部102Dは、操作ハンドル88の操作に連動してロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cと共に容器本体62から突出する。
【0075】
なお、ロック部102Aは、操作ハンドル88の操作により、容器本体62の幅方向へ直線的に移動して側部62Bから幅方向外側へ突出する構成としてもよいし、回転移動によって側部62Bから幅方向外側へ突出する構成としてもよい。なお、ロック部102B、ロック部102C及びロック部102Dについてもロック部102Aと同様の構成としてもよい。
【0076】
また、容器本体62の前部62Dには、操作ハンドル88が設けられている。この操作ハンドル88は、ロック部材102に連結されている。この操作ハンドル88を操作することで、図示しない連動機構により、ロック部材102による回収容器60のロック(装着状態の維持)及びアンロック(装着状態の維持解除)を切り換えることができる。具体的には、回収容器60を筐体11に装着した状態で操作ハンドル88を時計回りに回転させると、操作ハンドル88の操作力によってロック部材102が動作し、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cが容器本体62から突出して、回収容器60の筐体11に対する装着状態がロックされる。このとき、操作ハンドル88の操作によって、上記連動機構に含まれる図示しない開閉機構が動作して、回収口66Aが開放される。また、図示しない移動機構によって感光体12から離間していた一次転写ロール34が感光体12に接近する。一方、操作ハンドル88を反時計回りに回転させると、操作ハンドル88の操作力によってロック部材102が動作し、回収容器60の筐体11に対する装着状態がアンロックされる。このとき、操作ハンドル88の操作によって、図示しない開閉機構が動作して、回収口66Aが閉塞される。また、図示しない移動機構によって感光体12から一次転写ロール34が離間される。
【0077】
次に、本実施形態の作用について説明する。
回収容器60では、操作ハンドル88を操作すると、ロック部材102のロック部102Aとロック部102Cとが容器本体62の幅方向において互いに逆向きに突出し、ロック部102Bがロック部102Cと同じ方向に突出する。そして、ロック部102Aは開口部55に挿入され、ロック部102Bは開口部56に挿入され、ロック部102Cは開口部57に挿入されると、回収容器60が筐体11にロックされる。
ここで、回収容器60では、少なくともロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cの3箇所で回収容器60が筐体11にロックされることから、容器本体62の幅方向において互いに逆向きに突出する一対のロック部102A、102Cのみで容器本体62の装着姿勢を保持する構成と比して、容器本体62の装着姿勢を安定させることができる。一例として、容器本体62の幅方向を回転軸とした容器本体62の回転を制限することができる。
【0078】
回収容器60では、容器本体62の形状が該容器本体62の幅方向の長さが厚み方向の長さよりも長い形状であり、ロック部102Bとロック部102Cが容器本体62の高さ方向に離隔して配置されている。このため、回収容器60は、ロック部102Bとロック部102Cが容器本体62の厚み方向に離隔して配置された構成と比して、容器本体62の装着姿勢を安定させることができる。
【0079】
回収容器60では、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cがそれぞれ容器本体62の高さ方向にずれて配置されている。このため、回収容器60は、ロック部102Aとロック部102B又はロック部102Aとロック部102Cがそれぞれ容器本体62の高さ方向で同じ位置にある構成と比して、容器本体62の装着姿勢を安定させることができる。
【0080】
回収容器60では、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cの各々の突出動作が操作ハンドル88の操作に連動している。したがって、回収容器60は、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cの各々の突出動作が別々の操作部材で行われる構成と比して、1回の操作で容器本体62を装着対象に装着させることができる。
【0081】
回収容器60では、容器本体62の側部62Bに着脱ハンドル100と突起90を備え、側部62Cに着脱ハンドル104と突起106を備えている。そして、回収容器60を収容部50に収容すると、突起90が被引掛部54Aに引っ掛かり、突起106が図示しない被引掛部に引っ掛かり、回収容器60が収容部50に仮装着(仮止め)される。この状態で操作ハンドル88を操作することで、回収容器60が筐体11にロック(本止め)される。
【0082】
回収容器60では、ロック部102Bが突出状態において着脱ハンドル104を貫通している。このため、回収容器60は、着脱ハンドル104を避けた位置にロック部102Bを配置する構成と比して、側部62Cに対してロック部102Bを自由な位置に設定することができる。
【0083】
また、回収容器60では、ロック部102Aが突出状態において着脱ハンドル100を貫通している。このため、回収容器60は、着脱ハンドル100を避けた位置にロック部102Aを配置する構成と比して、側部62Bに対してロック部102Aを自由な位置に設定することができる。
【0084】
回収容器60では、ロック部102Bに突出状態で着脱ハンドル104の側部62Cへの接近を制限する制限部111が設けられている。このため、回収容器60では、操作ハンドル88をロック状態にしている場合、制限部111との接触によって着脱ハンドル104の側部62Cへの接近が制限されることから、着脱ハンドル104の容器本体62の幅方向内側への操作が制限される。したがって、回収容器60では、着脱ハンドル104の誤操作を防止することができる。
【0085】
また、回収容器60では、ロック部102Aに突出状態で着脱ハンドル100の側部62Bへの接近を制限する制限部110が設けられている。このため、回収容器60では、操作ハンドル88をロック状態にしている場合、制限部110との接触によって着脱ハンドル100の側部62Bへの接近が制限されることから、着脱ハンドル100の容器本体62の幅方向内側への操作が制限される。したがって、回収容器60では、着脱ハンドル100の誤操作を防止することができる。
【0086】
回収容器60では、容器本体62内に搬送オーガ70が設けられ、コネクタ86が容器本体62の後部62Eにおける側部62C側に設けられている。このため、回収容器60では、コネクタ86が容器本体62の後部62Eにおける側部62Bに設けられている構成と比して、筐体11に設けられた図示しない回転駆動部と容器本体62のコネクタ86との嵌合不良を抑制することができる。
【0087】
回収容器60では、装着方向Eから見て、ロック部102Bとコネクタ86が容器本体62の高さ方向でラップしている。このため、回収容器60は、装着方向Eから見て、ロック部102Bとコネクタ86が容器本体62の高さ方向で離れている構成と比して、筐体11に設けられた図示しない回転駆動部と容器本体62のコネクタ86との嵌合不良を抑制することができる。
【0088】
画像形成装置10では、回収容器60を用いるため、容器本体62の幅方向で互いに逆向きに突出する一対の挿入部のみによって容器本体の装着姿勢が保持される回収容器を用いる構成と比して、現像装置18から排出された色材を回収容器60で回収することができる。
【0089】
前述の実施形態の回収容器60では、回収容器60で一旦回収した現像剤を、外部排出口68から筐体11に装着された回収ボトル58に回収口52を介して排出する構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。回収容器60に外部排出口68を設けずに、一定量現像剤を回収した後は、回収容器60毎を交換する構成としてもよい。
【0090】
前述の実施形態の回収容器60では、ロック部102Bを容器本体62の側部62Cから突出させる構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、ロック部102Bを容器本体の60の側部62Bから突出させる構成としてもよい。この場合においても、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cによって容器本体62が筐体11に対して少なくとも3箇所でロックされるため、前述の実施形態と同様の作用を得ることができる。
【0091】
前述の実施形態の回収容器60では、一つの操作ハンドル88の操作によってロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cが動作する構成とされているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、複数のハンドルでロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cを操作してもよい。
【0092】
前述の実施形態の回収容器60では、容器本体62に着脱ハンドル100及び着脱ハンドル104を設けているが、本発明はこの構成に限定されず、容器本体62に着脱ハンドル100及び着脱ハンドル104を設けなくてもよい。この場合においても、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cによって容器本体62が筐体11に対して少なくとも3箇所でロックされるため、前述の実施形態と同様の作用を得ることができる。
【0093】
また、前述の実施形態では、本発明における回収容器を画像形成装置10に適用したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明における回収容器は、粉体を回収する用途であれば、画像形成装置10とは異なる方式で画像を形成する装置に適用してもよいし、画像形成装置10に限定される必要もない。例えば、食品などに粉体(粉状の食材や添加物等)を塗装又は塗布する装置に用いてもよい。
【0094】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0095】
10 画像形成装置
11 筐体(「装着対象」の一例)
18 現像装置(「供給手段」の一例)
54A 被引掛部
55 第1開口部
56 第2開口部
57 第3開口部
60 回収容器
62 容器本体
62B 側部(「一方側の壁部」の一例)
62C 側部(「他方側の壁部」の一例)
70 搬送オーガ(「搬送部材」の一例)
86 コネクタ(「軸継手」の一例)
88 操作ハンドル(「操作部材」の一例)
90 突起(「第1引掛部」の一例)
100 着脱ハンドル(「第1把持部」の一例)
102A ロック部(「第1挿入部」の一例)
102B ロック部(「第2挿入部」の一例)
102C ロック部(「第3挿入部」の一例)
104 着脱ハンドル(「第1把持部」の一例)
106 突起(「第2引掛部」の一例)
110 制限部
111 制限部