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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20241224BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20241224BHJP
【FI】
G06T7/00 650B
H04N23/60
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022013099
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2023111305
(43)【公開日】2023-08-10
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 貴大
【審査官】菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/118954(WO,A1)
【文献】特開2018-014653(JP,A)
【文献】特開2014-143673(JP,A)
【文献】特開2007-025739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00-7/90
G06V 10/00-40/70
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を撮像する撮像装置が撮像した複数のフレームが格納された記憶部と、
前記記憶部に格納された複数のフレームから少なくとも1つのフレームを選択し、選択した選択フレームから抽出した抽出画像を出力する処理部と、
を備え、
前記処理部は、
選択したフレームに初期トリミング範囲を設定し、
前記初期トリミング範囲の画像の評価値よりも高くなる更新トリミング範囲を設定できる場合には、前記更新トリミング範囲でトリミングされた画像を前記抽出画像として出力し、
前記初期トリミング範囲の画像の評価値よりも高いトリミング範囲を設定できない場合には、前記初期トリミング範囲内の画像を前記抽出画像として出力し、
トリミング範囲の画像の評価値は、
前記トリミング範囲の画像内における対象物の位置関係と、
前記トリミング範囲の画像内における前記対象物の大きさと、
前記トリミング範囲の画像内における対象物の鮮明度と、
前記トリミング範囲の画像の明度と、
前記トリミング範囲の画像内における対象物の見切れ度合と、
の少なくとも1つの評価項目に基づいて設定され
前記処理部は、前記複数のフレームから第1選択フレームと、第2選択フレームとを選択し、
前記第1選択フレームから抽出される第1抽出画像の評価値が、前記第2選択フレームから抽出される第2抽出画像の評価値よりも高い場合には、第1抽出画像を出力する、画像処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、予め登録された除外対象物が前記トリミング範囲の画像内に撮像されている場合には、前記評価値を低くする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記対象物は車両である、請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記対象物としての車両の位置に基づいて、構図が異なる初期トリミング範囲を設定する、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記対象物としての対象車両のナンバープレート情報と、前記対象車両の外観を特定する外観情報との少なくとも1つを予め取得し、
前記処理部は、前記複数のフレームから前記対象車両が撮像されたフレームを選択し、前記選択したフレームから前記対象車両を含むようにトリミングして、前記抽出画像を作成する、請求項1から請求項のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
抽出処理モデルが格納されたメモリをさらに備え、
前記抽出処理モデルは、撮像対象物を含む画像を入力として、所定値以上の評価値の前記抽出画像を出力する学習済モデルである、請求項1から請求項のいずれかに記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を撮像して画像データを取得し、該取得した画像データから所定の対象物を検出する撮像装置が従来から知られている。たとえば、特開2009-94946号公報に記載された画像処理装置においては、検出した1つ以上の対象物(K1~K4)に対して、対象物の大きさ、位置、変化量及び合焦評価値のうち1つ以上を含む情報に基づいて、それぞれ有効被写体か無効被写体かを判断する。そして、無効被写体と判断された対象物(例えばK4)に対して肖像権保護処理を施す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-94946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」と記載する)に投稿(アップロード)する際に、動画から良好な画像をトリミング抽出して、SNSなどに投稿したいとの要求がある。
【0005】
しかし、撮像対象物が車などの動くものである場合には、動画の各フレームから撮像対象物を良好に抽出して、抽出画像を作成することは困難である。
【0006】
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、撮像対象物が車などの動くものである場合であっても、動画の各フレームから撮像対象物が良好に抽出された抽出画像を作成することができる画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
画像処理装置は、動画を撮像する撮像装置が撮像した複数のフレームが格納された記憶部と、記憶部に格納された複数のフレームから少なくとも1つのフレームを選択し、選択した選択フレームから抽出した抽出画像を出力する処理部と、を備え、処理部は、選択したフレームに初期トリミング範囲を設定し、初期トリミング範囲の画像の評価値よりも高くなる更新トリミング範囲を設定できる場合には、更新トリミング範囲でトリミングされた画像を抽出画像として出力し、初期トリミング範囲の画像の評価値よりも高いトリミング範囲を設定できない場合には、初期トリミング範囲内の画像を抽出画像として出力し、トリミング範囲の画像の評価値は、トリミング範囲の画像内における対象物の位置関係と、トリミング範囲の画像内における対象物の大きさと、トリミング範囲の画像内における対象物の鮮明度と、トリミング範囲の画像の明度と、トリミング範囲の画像内における対象物の見切れ度合との少なくとも1つの評価項目に基づいて設定される。
【0008】
上記処理部は、複数のフレームから第1選択フレームと、第2選択フレームとを選択し、第1選択フレームから抽出される第1抽出画像の評価値が、第2選択フレームから抽出される第2抽出画像の評価値よりも高い場合には、第1抽出画像を出力する。
【0009】
上記処理部は、予め登録された除外対象物がトリミング範囲の画像内に撮像されている場合には、評価値を低くする。上記対象物は車両である。
【0010】
上記処理部は、対象物としての車両の位置に基づいて、構図が異なる初期トリミング範囲を設定する。
【0011】
上記処理部は、対象物としての対象車両のナンバープレート情報と、対象車両の外観を特定する外観情報との少なくとも1つを予め取得し、処理部は、複数のフレームから対象車両が撮像されたフレームを選択し、選択したフレームから対象車両を含むようにトリミングして、抽出画像を作成する。
【0012】
画像処理装置は、抽出処理モデルが格納されたメモリをさらに備え、記抽出処理モデルは、撮像対象物を含む画像を入力として、所定値以上の評価値の抽出画像を出力する学習済モデルである。
【0013】
なお、抽出処理に用いられる学習済みモデル(抽出処理モデル)の学習前モデルは、たとえば、ニューラルネットワークを含む。ニューラルネットワークは、ディープラーニングによる画像認識処理に用いられる公知のニューラルネットワークである。そのようなニューラルネットワークとしては、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolution Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)などが挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る画像処理装置によれば、撮像対象物が車などの動くものである場合であっても、動画の各フレームから撮像対象物が良好に抽出された抽出画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】画像処理システム1を模式的に示す図である。
図2】撮影システム2を示す斜視図である。
図3】識別用カメラ10が撮影した動画データの1つのフレームFR0を示す図である。
図4】鑑賞用カメラ11が撮影した動画データの1つのフレームFR1を示す図である。
図5】画像処理システム1の構成を示すブロック図である。
図6】切り出し動画CV0を模式的に示す図である。
図7】物体検出処理がなされたフレームの一例を示す。
図8】特定動画CV2が生成されてから高評価画像が選択されるまでのフローを示すフロー図である。
図9】S200における抽出処理を示すフロー図である。
図10】初期トリミング範囲TR0(1)が設定されたフレームFRを示す図である。
図11】初期トリミング範囲TR0(2)が設定されたフレームFRを示す図である。
図12】トリミング範囲TR1が設定された状態の選択フレームSFを示す図である。
図13】抽出処理に用いられる学習済みモデル(抽出処理モデル)の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<システム構成>
図1は、画像処理システム1を模式的に示す図である。
【0017】
画像処理システム1は、撮影システム2と、サーバ3と、出力端末4を備える。出力端末4は、たとえば、ユーザのスマホやパソコンなどである。サーバ3は、画像処理装置として機能している。
【0018】
撮影システム2とサーバ3とはネットワーク5を通して互いに通信可能とされており、サーバ3および出力端末4もネットワーク5を通して互いに通信可能とされている。
【0019】
図2は、撮影システム2を示す斜視図である。撮影システム2は、識別用カメラ10と、鑑賞用カメラ11と、制御装置12と、通信部13とを含む。識別用カメラ10は、道路を走行する車両などを撮影するカメラである。なお、この図2に示す例においては、識別用カメラ10の撮像方向と、鑑賞用カメラ11の撮像方向とは異なる。識別用カメラ10は、撮影した動画データを制御装置12に送信しており、鑑賞用カメラ11は、撮影した動画データを制御装置12に送信している。なお、動画は、複数のフレームを含む。
【0020】
図3は、識別用カメラ10が撮影した動画データの1つのフレームFR0を示す図である。このフレームFR0においては、道路60と、道路60を走行する複数の車両9A,9Bとが撮像されている。
【0021】
図4は、鑑賞用カメラ11が撮影した動画データの1つのフレームFR1を示す図である。フレームFR1には、道路61と、山62と、樹木63とが撮像されている。なお、撮影エリアR1は鑑賞用カメラ11が撮影するエリアを示す。
【0022】
図5は、画像処理システム1の構成を示すブロック図である。出力端末4は、入力部30と、通信部31とを含む。入力部30は、たとえば、タッチパネル機能を有する画面である。
【0023】
撮影システム2は、識別用カメラ10と、鑑賞用カメラ11と、制御装置12と、通信部13とを含む。
【0024】
制御装置12は、車両抽出部14と、ナンバー認識部15と、マッチング処理部16と、対象車両選択部17と、特徴量抽出部18と、記憶部19と、動画切り出し部20とを含む。
【0025】
サーバ3は、通信部30と、記憶部31と、演算処理部32とを含む。演算処理部32は、物体検出部34と、対象車両特定部35と、フレーム抽出部36と、画像処理部37および評価部38を含む抽出処理部49と、アルバム作成部39と、ウェブサービス管理部40と、撮影システム管理部41とを含む。記憶部30は、画像記憶部301と、登録情報記憶部302とを含む。
【0026】
上記のように構成された画像処理システム1において、ユーザは出力端末4を用いて、撮像対象車両に関する車両情報を入力する。撮像対象車両としては、たとえば、ユーザが使用する車両などが挙げられる。
【0027】
車両情報としては、たとえば、撮像対象車両の車両番号(ナンバープレートの番号)と、車種と、カラーとを示す情報を含む。出力端末4は、出力端末4の端末IDと、車両情報VIとサーバ3に送信する。サーバ3は、車両情報VIおよび端末IDを記憶部31に格納する。
【0028】
撮影システム2において、識別用カメラ10は、識別動画を車両抽出部14に出力する。車両抽出部14は、識別動画から車両を抽出する車両抽出処理を実施する。車両抽出部14は、識別動画から対象車両に限られず、車両全般を抽出する。この処理を「車両抽出処理」とも記載する。車両抽出処理には、たとえば、ディープラーニング(深層学習)などの機械学習の技術により生成された学習済みモデルを用いることができる。本例では、車両抽出部14は「車両抽出モデル」によって実現される。
【0029】
車両抽出部14は、識別動画のうち車両が抽出された動画(車両を含むフレーム)をナンバー認識部15に出力するとともにマッチング処理部16に出力する。
【0030】
ナンバー認識部15は、車両抽出部14により車両が抽出された動画からナンバープレートのナンバーを認識する。この処理を「ナンバー認識処理」とも記載する。ナンバー認識処理にもディープラーニングなどの機械学習の技術により生成された学習済みモデルを用いることができる。本例では、ナンバー認識部15は「ナンバー認識モデル」によって実現される。ナンバー認識部15は、認識したナンバーをマッチング処理部16に出力する。また、ナンバー認識部15は、認識したナンバーを通信部13に出力する。これにより、各車両のナンバーがサーバ3に送信される。
【0031】
マッチング処理部16は、車両抽出部14により抽出された車両と、ナンバー認識部15により認識されたナンバーとを対応付ける。この処理を「マッチング処理」とも記載する。具体的には、再び図3を参照して、2台の車両9A,9Bが抽出され、かつ、2つのナンバー81,82が認識された状況を例に説明する。マッチング処理部16は、ナンバー毎に、ナンバーと車両との間の距離(フレーム上でのナンバーの座標と車両の座標との間の距離)を算出する。そして、マッチング処理部16は、ナンバーと、そのナンバーとの間の距離が短い車両とをマッチングする。この例では、ナンバー81と車両9Aとの間の距離の方がナンバー81と車両9Bとの間の距離よりも短いので、マッチング処理部16は、ナンバー81と車両9Aとを対応付ける。同様にして、マッチング処理部16は、ナンバー82と車両9Bとを対応付ける。マッチング処理部16は、マッチング処理の結果(ナンバーが対応付けられた車両)を対象車両選択部17に出力する。
【0032】
対象車両選択部17は、マッチング処理によってナンバーが対応付けられた車両のなかから、ナンバーが対象車両のナンバー(サーバ3から受信したもの)に一致する車両を対象車両として選択する。対象車両選択部17は、対象車両として選択された車両を特徴量抽出部18に出力する。
【0033】
特徴量抽出部18は、対象車両を含む動画を解析することで対象車両の特徴量を抽出する。より具体的には、特徴量抽出部18は、対象車両を含むフレームにおける対象車両の時間的変化(たとえば、フレーム間での対象車両の移動量、フレーム間での対象車両のサイズの変化量)に基づいて、対象車両の走行速度を算出する。特徴量抽出部18は、対象車両の走行速度に加えて、たとえば対象車両の加速度(減速度)を算出してもよい。また、特徴量抽出部18は、公知の画損認識技術を用いて対象車両の外観(ボディ形状、ボディ色など)に関する情報を抽出する。特徴量抽出部18は、対象車両の特徴量(走行状態および外観)を動画切り出し部に出力する。また、特徴量抽出部18は、対象車両の特徴量を通信部13に出力する。これにより、対象車両の特徴量がサーバ3に送信される。
【0034】
記憶部19は、鑑賞動画を一時的に記憶する。記憶部19は、代表的にはリングバッファ(循環バッファ)であって、1次元配列の先頭と末尾とが論理的に連結された環状の記憶領域を有する。新たに撮影された鑑賞動画は、記憶領域に格納可能な所定の時間分だけ記憶部19に記憶される。当該所定の時間を超えた分の鑑賞動画(古い動画)は、記憶部19から自動的に消去される。
【0035】
動画切り出し部20は、記憶部19に記憶された鑑賞動画から、特徴量抽出部18により抽出された特徴量(対象車両の走行速度、加速度、ボディ形状、ボディ色など)に基づいて、対象車両が撮影されている可能性が高い部分を切り出す。より詳細に説明すると、識別用カメラ10により撮影される地点と、鑑賞用カメラ11により撮影される地点との間の距離は既知である。したがって、対象車両の走行速度(および加速度)が分かれば、動画切り出し部20は、識別用カメラ10により対象車両が撮影されるタイミングと、鑑賞用カメラ11により対象車両が撮影されるタイミングとの間の時間差を算出できる。動画切り出し部20は、識別用カメラ10により対象車両が撮影されたタイミングと上記の時間差とに基づいて、鑑賞用カメラ11により対象車両が撮影されるタイミングを算出する。
【0036】
そして、動画切り出し部20は、鑑賞動画から、撮影エリアR1内に対象車両が入り込み始めてから撮影エリアR1外に移動するまでの間の動画を含むように動画を切り出す。このようにして、動画切り出し部20は、切り出し動画CV0を生成する。
【0037】
図6は、切り出し動画CV0を模式的に示す図である。切り出し動画CV0は、複数のフレームFRS0~FRE0を含む。
【0038】
なお、フレームFRS0は、対象車両である車両9Aが撮影エリアR1に進入し始めた状態におけるフレームである。フレームFRE0は、車両9Aが撮影エリアR1から抜け出す直前の状態におけるフレームである。
【0039】
動画切り出し部20は、切り出し動画CV0を通信部13に送信する。通信部13は切り出し動画CV0をサーバ3に送信する。
【0040】
サーバ3において、記憶部31は、画像記憶部301に、切り出し動画CV0と、後述する抽出画像と、サーバ3による演算処理により得られる高評価画像などの情報と、各種評価情報とを格納する。
【0041】
登録情報記憶部302は、車両撮影サービスに関する登録情報を記憶している。登録情報は、車両撮影サービスの提供を申し込んだユーザの個人情報と、そのユーザの車両情報とを含む。ユーザの個人情報は、たとえば、ユーザの識別番号(ID)、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレスなどに関する情報を含む。ユーザの車両情報は、車両のナンバープレートのナンバーに関する情報を含む。車両情報は、たとえば、車種、年式、ボディ形状(セダン型、ワゴン型、ワンボックス型)、ボディ色などに関する情報を含んでもよい。
【0042】
図5において、通信部30は、ネットワークを介して撮影システム2の通信部13と双方向の通信を行う。通信部30は、対象車両のナンバーを撮影システム2に送信する。また、通信部30は、撮影システム2から対象車両を含む切り出し動画CV0と、対象車両の特徴量(走行状態および外観)とを受信する。
【0043】
物体検出部34は、切り出し動画CV0の各フレームFRS0~FRE0において、物体検出処理を実施する。図7は、物体検出処理がなされたフレームの一例を示す。
【0044】
このフレームには、道路61と、山62と、樹木63と、歩行者64と、道路61を走行する複数の車両9A,9Bとが撮像されている。
【0045】
領域R62は山62が占める領域を示す。領域R63は樹木63が占める領域を示す。領域R64は歩行者64が占める領域を示す。領域RAは車両9Aが占める領域を示し、領域RBは車両9Bが占める領域を示す。なお、「物体検出処理」には、YOLO(You Look Only Onse)などのオブジェクト検出モデルを用いることができる。
【0046】
図5において、物体検出部34は切り出し動画CV0の全フレームについて物体検出処理を施した検出動画CV1を作成する。このため、検出動画CV1の各フレームFRS1~FRE1において、領域RA,RBなどが設定されている。そして、物体検出部34は、検出動画CV1を対象車両特定部35に送信する。
【0047】
対象車両特定部35は、物体検出部34から受信した各フレームFRS1~FRE1において対象車両を特定する。対象車両特定部35は、物体検出部34により抽出された物体のなかから、対象車両の特徴量(すなわち、走行速度、加速度などの走行状態、および、ボディ形状、ボディ色などの外観)に基づいて対象車両を特定する。この処理を「対象車両特定処理」とも記載する。対象車両特定処理にもディープラーニングなどの機械学習の技術により生成された学習済みモデルを用いることができる。本例では、対象車両特定部35は「対象車両特定モデル」によって実現される。なお、本実施の形態においては、対象車両は、車両9Aである。
【0048】
そして、対象車両特定部35によって対象車両が特定された特定動画CV2が生成される。なお、特定動画CV2は、複数のフレームFRS2~FRE2を含む。
【0049】
フレーム抽出部36は、特定動画CV2から順次、フレームを選択し、抽出処理部49に送信する。抽出処理部49は、画像処理部37および評価部38を含む。
【0050】
抽出処理部49は、後述する評価値に基づいてフレーム抽出部36において選択された選択フレームにから抽出画像を抽出する抽出処理を実行する。
【0051】
抽出処理部49は、全フレームFRS2~FRE2の各々について、抽出画像を生成して、アルバム作成部39に出力する。そして、アルバム作成部39は、各選択フレームから抽出された抽出画像のうち評価値が高い抽出画像を高評価画像として選択する。アルバム作成部39は、選択した高評価画像を通信部30を通して、出力端末4に送信する。
【0052】
図8は、特定動画CV2が生成されてから高評価画像が選択されるまでのフローを示すフロー図である。
【0053】
フレーム抽出部36は、特定動画CV2の未送信フレームを1つ選択フレームSFとして、抽出処理部49に送信する(S100)。なお、フレーム抽出部36は、最初に、フレームFRS2を送信する。抽出処理部49は選択フレームSFを受信すると、抽出処理を実施する(S200)。
【0054】
抽出処理部49は抽出処理を終了すると、抽出画像をアルバム作成部39に送信する(S300)。抽出処理部49は、フレーム抽出部36に要求信号を送信する(S400)。フレーム抽出部36は、要求信号を受信すると、全てのフレームFRS2~FRE2を送信したかを判断する(S410)。フレーム抽出部36は、全てのフレームFRS2~FRE2を抽出処理部49に送信したと判断すると(S410にてYes)、抽出処理部49に終了信号を送信する(S420)。
【0055】
その一方で、フレーム抽出部36は、未送信のフレームがあると判断すると(S410にてNo)、上記S100に戻って未送信のフレームを抽出処理部49に送信する。
【0056】
そして、抽出処理部49は終了信号を受信すると、抽出処理部49はフレーム抽出部36に完了信号を送信する(S500)。
【0057】
アルバム作成部39は、受信した複数の抽出画像から所定枚数の抽出画像を高評価画像として選択する(S600)。アルバム作成部39は、たとえば、後述する評価値が高い順に、所定枚数の抽出画像を高評価画像として選択する。そして、アルバム作成部39は、高評価画像を出力端末4に送信する(S700)。
【0058】
図9は、S200における抽出処理を示すフロー図である。
抽出処理を実施する際には、まず、画像処理部37は、車両9Aの位置を抽出する(S205)。たとえば、画像処理部37は、領域RAの中心位置を選択フレームSFから抽出する。画像処理部37は、領域RAの中心位置に基づいて、初期トリミング範囲TR0を選択フレームSFに設定する(S210)。なお、初期トリミング範囲TR0は、領域RAの中心位置によって異なる。
【0059】
たとえば、図10に示すような位置に車両9Aが位置している場合には、初期トリミング範囲TR0として、初期トリミング範囲TR0(1)が設定される。また、図11に示すような位置に車両9Aが位置している場合には、初期トリミング範囲TR0として、初期トリミング範囲TR0(2)が設定される。
【0060】
なお、図10に示す例においては、初期トリミング範囲TR0(1)を設定することで、車両9Aと、山62と、樹木63との位置関係は、三分割構図法に適合した位置関係となる。また、図11に示す例においては、初期トリミング範囲TR0(2)を設定することで、樹木63と、車両9Aとの位置関係は、日の丸構図法に適合した位置関係となる。
【0061】
図10の三分割構図線50は、三分割構図を模式的に示すものである。
三分割構図線50は初期トリミング範囲TR0内を9分割している。三分割構図線50は、等間隔に配置された縦線51,52と、等間隔に配置された横線53,54と、外枠55と、交点P1,P2,P3,P4とを含む。外枠55は、初期トリミング範囲TR0に一致している。
【0062】
初期トリミング範囲TR0は、領域RAの中心位置OAが位置P4に一致するように配置される。そして、初期トリミング範囲TR0は山62の頂点O62が位置P1に一致または近接するように設定される。さらに、縦線52および外枠55の間の領域を領域R2とすると、領域R2内に領域R63が位置するように、または、領域R2内に領域R63の大部分が位置するように初期トリミング範囲TR0を設定する。
【0063】
なお、撮影エリアR1が固定されていることから、頂点O62および樹木63の位置は固定されている。このため、中心位置OAを抽出することで、画像処理部37は、選択フレームSF内に初期トリミング範囲TR0を設定することができる。
【0064】
図9に戻って、画像処理部37は、初期トリミング範囲TR0が設定された選択フレームSFを評価部38に送信する(S215)。
【0065】
評価部38は、初期トリミング範囲TR0の初期トリミング画像TI0の評価値EVを算出する(S220)。
【0066】
評価部38は、評価項目EI1~EI5と、減点項目DI1とに基づいて、初期トリミング画像TI0の評価値EV0を算出する。
【0067】
評価部38は、各評価項目EI1~評価項目EI5の項目点IP1~IP5の合算値TPと、減点項目DI1の項目係数DPとに基づいて、評価値EVを算出する。具体的には、下記式(1)に基づいて、評価値EVを算出する。なお、項目点IP1~IP5は正の数である。
【0068】
評価値EV=合算値TP×項目係数DP・・・(1)
評価項目EI1は、撮像対象である車両9Aと、背景対象である山62および樹木63との位置関係である。
【0069】
図10に示す例においては、評価部38は、交点P1と頂点O62との位置ずれ量と、領域R2から領域R63(領域R63)のはみ出し量とに基づいて、評価項目EI1の項目点IP1を算出する。評価部38は、交点P1および頂点O62の位置ずれ量が大きいほど項目点IP1を低くし、領域R63のはみ出し量が大きい程、項目点IP1を低くする。
【0070】
評価項目EI2は、トリミング範囲内における車両9Aの大きさである。評価部38は、初期トリミング範囲TR0の面積に対する領域RAの面積比率AR0に基づいて、評価項目EI2の項目点IP2を算出する。評価部38は、面積比率AR0が所定の範囲内でない場合には、項目点IP2を低く設定する。
【0071】
評価項目EI3は、対象車両および背景対象の鮮明度である。図10に示す例においては、対象車両は車両9Aであり、背景対象は山62および樹木63である。評価部38は、初期トリミング画像TI0の各ピクセルデータに基づいて、車両9A、山62、樹木63などの画像の鮮明度を算出して、評価項目EI3の項目点IP3を算出する。
【0072】
評価項目EI4は、トリミング画像の明度である。評価部38は、初期トリミング画像TI0の各ピクセルデータに基づいて初期トリミング画像TI0の明度を算出し、評価項目EI4の項目点IP4を算出する。評価部38は、初期トリミング画像TI0の明度が所定範囲でない場合には、項目点IP4を低く設定する。
【0073】
評価項目EI5は、対象車両の見切れ度合である。評価部38は、撮影エリアR1から領域RAがはみ出しているはみ出し量に基づいて、車両9Aの見切れ度合を算出する。評価部38は、撮影エリアR1から領域RAがはみ出すはみ出し量が大きいほど、評価項目EI5の項目点IP5を低くする。
【0074】
減点項目DI1は、トリミング範囲内に除外対象物が入り込んでいるか否かである。評価部38は、トリミング画像内に除外対象物があると、減点項目DI1の項目係数DPは「0」に設定し、トリミング画像内に除外対物がないと項目係数DPは「1」に設定する。なお、徐外対象物としては、個人を特定することができる情報と、対象車両以外の車両などを含む。個人を特定することができる情報としては、たとえば、顔を特定することができる人物像と、家の表札などである。なお、徐外対象物に関する情報は、たとえば、記憶部31に格納されている。なお、評価部38は、上記の評価項目EI1~EI5に基づいて評価値を算出するようにしてもよい。
【0075】
図10に示す例においては、評価部38は、初期トリミング範囲TR0内に領域RBが入り込んでいるため、評価部38は、初期トリミング画像TI0に関する減点項目DI1の項目係数DPを「0」に設定する。
【0076】
図9において、評価部38は、評価項目EI1~EI5と、減点項目DI1との評価を終了すると、初期トリミング画像TI0の評価値EV0を算出する(S220)。
【0077】
評価部38は、評価値の算出を終了すると、初期トリミング範囲TR0が設定されたフレームFRと、評価情報EIとを記憶部31に送信する(S225)。
【0078】
評価部38は評価値EV0を算出すると、しきい値Thよりも大きいか否かを判断する(S230)。なお、しきい値Thの初期値は負の値である。評価値EV0は0以上であるから評価値EV0はしきい値Thよりも大きい。
【0079】
評価部38は、評価値EV0がしきい値Thよりも大きいと判断すると(S230にてYes)、基準評価情報BEIを設定する(S235)。
【0080】
基準評価情報BEIは、既に評価したトリミング画像において、最も評価値が高いトリミング画像HTIに関する情報である。基準評価情報BEIは、トリミング画像HTIと、トリミング画像HTIの評価情報EIと、トリミング画像HTIのトリミング領域HTRを示す情報とを含む。評価情報EIは、トリミング画像HTIの各項目点IP1~IP5と、減点項目DI1の項目係数DPと、トリミング画像HTIの評価値HEVとを示す情報とを含んでもよい。
【0081】
さらに、基準評価情報BEIは、トリミング画像HTIにおける交点P1と頂点O62との位置ずれ量と、領域R2から領域R63のはみ出し量と、面積比率ARと、対象車両および背景対象の鮮明度と、トリミング画像の明度と、撮影エリアR1から領域RAがはみ出しているはみ出し量とを含んでもよい。
【0082】
なお、評価部38が初期トリミング画像TI0しか評価していない場合には、基準評価情報BEIは、初期トリミング画像TI0の評価情報EIと、初期トリミング範囲TR0を示す情報とを含む。そして、トリミング画像HTIは初期トリミング範囲TR0であり、トリミング領域HTRは初期トリミング範囲TR0である。
【0083】
評価部38は基準評価情報BEIを設定すると、評価部38はしきい値Thを評価値HEVにする(S240)。
【0084】
評価部38は、基準評価情報BEIの更新頻度が所定頻度よりも大きいかを判断する(S245)。基準評価情報BEIの更新頻度は、所定時間内に基準評価情報BEIが更新された頻度を示す。なお、評価部38が初期トリミング画像TI0しか評価していない状態においては、基準評価情報BEIの更新頻度は所定頻度よりも大きい。
【0085】
評価部38は更新頻度が所定頻度よりも大きいと判断すると(S245にてYes)、評価部38は基準評価情報BEIを画像処理部37に送信する(S246)。画像処理部37は、基準評価情報BEIを受信すると、基準評価情報BEIに含まれる評価値よりも、評価値が高くなるようにトリミング範囲を更新する(S250)。
【0086】
たとえば、画像処理部37は、項目係数DPが「0」であると判断すると、除外対象物がトリミング範囲に入らないように初期トリミング範囲TR0を変形させて、トリミング範囲TR1を設定する。
【0087】
図12は、トリミング範囲TR1が設定された状態の選択フレームSFを示す図である。なお、図10に示す状態においては、領域RBが初期トリミング範囲TR0内に入らないように、トリミング範囲を右にずらすと、新たな領域R64がトリミング範囲に含まれることになる。そのため、評価部38は、領域R64および領域RBがトリミング範囲内に入り込まないようにトリミング範囲TR1を設定する。
【0088】
また、画像処理部37は、領域RBおよび領域R64が含まれないようにすると共に、評価項目EI1~EI5の項目点IP1~IP5の少なくとも1つが向上するようにトリミング範囲TR1を設定するようにしてもよい。
【0089】
たとえば、画像処理部37は、トリミング画像HTIにおいて面積比率ARが所定の範囲よりも大きいと判断した場合には、トリミング領域HTRよりも、上下方向に長くトリミング範囲TR1を設定する。たとえば、画像処理部37は、面積比率ARが所定の範囲よりも小さい場合と判断した場合には、トリミング領域HTRよりも、上下方向に短いトリミング範囲TR1を設定する。
【0090】
たとえば、画像処理部37は、トリミング画像HTIにおける領域R2から領域R63のはみ出し量が所定値よりも大きいと判断した場合には、当該はみ出し量が小さくなるように、トリミング範囲TR1を設定する。
【0091】
たとえば、画像処理部37は、トリミング画像HTIにおける交点P1と頂点O62との位置ずれ量が所定のしきい値よりも大きいと判断すると、当該位置ずれ量が小さくなるように、トリミング範囲TR1を設定する。
【0092】
具体的には、画像処理部37はトリミング範囲TR1内に三分割構図線50Aを設定する。そして、交点P1Aと頂点O62との間の距離が、トリミング領域HTRにおける交点P1および頂点O62との間の距離よりも小さくなるように、トリミング範囲TR1を設定する。
【0093】
たとえば、画像処理部37は、トリミング画像HTIにおける車両9Aなどの鮮明度が所定のしきい値よりも小さくと判断すると、トリミング範囲TR1内においてエッジ強調処理などを実施する。
【0094】
たとえば、画像処理部37は、トリミング画像HTIの明度が所定のしきい値よりも小さいと判断すると、トリミング範囲TR1内の各ピクセルの明度を高くする。
【0095】
そして、図9に戻って、画像処理部37は、トリミング範囲をトリミング範囲TR1に更新すると(S250)、画像処理部37は、トリミング範囲TR1を設定したフレームFRを評価部38に送信する(S215)。
【0096】
評価部38は、トリミング範囲TR1内のトリミング画像TI1を評価する(S220)。具体的には、評価項目EI1~EI5と、減点項目DI1とを評価して、評価値EV1を算出する。
【0097】
評価部38は、トリミング画像TI1の評価を完了すると、トリミング範囲TR1が設定されたフレームFRと、評価情報EIとを記憶部31に送信する(S225)。
【0098】
そして、評価部38は、S230において、評価値EV1がしきい値Thよりも大きいかを判断する。評価部38は、評価値EV1がしきい値Thよりも大きいときには、(S230にてYes)、基準評価情報BEIを再設定する(S235)。
【0099】
その一方で、評価部38は、評価値EV1がしきい値Th以下であると判断すると(S230にてNo)と、基準評価情報BEIを再設定せずに、基準評価情報BEIの更新頻度が所定頻度よりも大きいかを判断する(S245)。
【0100】
そして、評価部38は、基準評価情報BEIの更新頻度が所定頻度以下であると判断すると(S245にてNo)、評価部38は、基準評価情報BEIとして設定されているトリミング画像HTIを抽出画像に設定する(S255)。
【0101】
抽出処理を終了する。そして、図8において、抽出処理部49の評価部38は、抽出画像をアルバム作成部39に送信する(S300)。
【0102】
この際、抽出処理部49は、抽出画像としてのトリミング画像HTIと、評価値HEVと、トリミング画像HTI内における領域RAの中心位置情報とをアルバム作成部39に送信する。
【0103】
そして、フレーム抽出部36は、受信した複数の抽出画像から所定枚数の抽出画像を高評価画像として選択する(S600)。この際、各抽出画像の領域RAの中心位置が互いに離れるように、高評価画像を選択するようにしてもよい。
【0104】
なお、S200における≪抽出処理≫を学習済みモデルで実施するようにしてもよい。
<学習済みモデル>
図13は、抽出処理に用いられる学習済みモデル(抽出処理モデル)の一例を説明するための図である。学習前モデルである推定モデル510は、たとえば、ニューラルネットワーク511と、パラメータ512とを含む。ニューラルネットワーク511は、ディープラーニングによる画像認識処理に用いられる公知のニューラルネットワークである。そのようなニューラルネットワークとしては、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolution Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)などが挙げられる。パラメータ512は、ニューラルネットワーク511による演算に用いられる重み付け係数などを含む。
【0105】
多数の教師データが開発者により予め準備される。教師データは、例題データと、正解データとを含む。例題データは、撮像対象である車両を含む画像データである。正解データは、例題データに対応する抽出結果を含む。具体的には、正解データは、例題データに含まれる車両と、背景とを含むトリミング画像である。なお、このトリミング画像は、上記の評価値EVが所定値以上であるトリミング画像である。
【0106】
学習システム610は、例題データおよび正解データを用いて推定モデル510を学習させる。学習システム610は、入力部611と、抽出部612と、学習部613とを含む。
【0107】
入力部611は、開発者により準備された多数の例題データ(画像データ)を受け付けて抽出部612に出力する。
【0108】
抽出部612は、入力部611からの例題データを推定モデル510に入力することによって、例題データに含まれる車両を例題データ毎に抽出する。抽出部612は、その抽出結果(推定モデル510からの出力)を学習部613に出力する。
【0109】
学習部613は、抽出部612から受けた例題データからの車両の抽出結果と、その例題データに対応する正解データとに基づいて、推定モデル510を学習させる。具体的には、学習部613は、抽出部612によって得られた車両および背景を含むトリミング画像の抽出結果が正解データに近づくように、パラメータ512(たとえば重み付け係数)を調整する。
【0110】
以上のように推定モデル510の学習が行われ、学習が完了した推定モデル510が抽出処理モデル700として、抽出処理部49に格納されている。抽出処理モデル700は、特定動画CV2を入力とし、かつ、車両および背景を含む抽出画像を出力する。
【0111】
なお、本実施の形態において、記憶部19または記憶部31の少なくとも一方は、特許請求の範囲に記載された「記憶部」に相当し、演算処理部32は特許請求の範囲に記載された「処理部」に相当する。
【0112】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0113】
1 画像処理システム、2 撮影システム、3 サーバ、4 出力端末、5 ネットワーク、9A,9B 車両、10 識別用カメラ、11 鑑賞用カメラ、12 制御装置、13 通信部、14 車両抽出部、15 ナンバー認識部、16 マッチング処理部、17 対象車両選択部、18 特徴量抽出部、19,31 記憶部、20 動画切り出し部、611 入力部、32 演算処理部、34 物体検出部、35 対象車両特定部、36 フレーム抽出部、37 画像処理部、38 評価部、39 アルバム作成部、40 ウェブサービス管理部、41 撮影システム管理部、49 抽出処理部、50,50A 三分割構図線、51,52 縦線、53,54 横線、55 外枠、60,61 道路、62 山、63 樹木、64 歩行者、81,82 ナンバー、301 画像記憶部、302 登録情報記憶部、510 推定モデル、511 ニューラルネットワーク、512 パラメータ、610 学習システム、612 抽出部、613 学習部、700 抽出処理モデル、2009 特開、AR,AR0 面積比率、BEI 基準評価情報、CV0 切り出し動画、CV1 検出動画、CV2 特定動画、DI1 減点項目、DP 項目係数、EI 評価情報、EI1,EI2,EI3,EI4,EI5 評価項目、EV,EV0,EV1,HEV 評価値。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13