(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】管理装置、遠隔操作システム、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
H04Q9/00 301B
(21)【出願番号】P 2022020475
(22)【出願日】2022-02-14
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末廣 優樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 敏暢
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-68132(JP,A)
【文献】特開2021-61516(JP,A)
【文献】特開2019-3403(JP,A)
【文献】国際公開第2018/116480(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/087879(WO,A1)
【文献】特開2018-77649(JP,A)
【文献】特開2018-22378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G1/09-1/0969
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と
前記遠隔操作の際に前記遠隔オペレータ
によって使用される遠隔オペレータ端末と通信を行う管理装置であって、
1又は複数のプロセッサを備え、
前記1又は複数のプロセッサは、
前記遠隔操作が必要な前記移動体に対して前記遠隔オペレータを割り当て、
前記移動体の前記遠隔操作の最中、前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から前記遠隔操作に関連する第1情報を受信し、前記第1情報を前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
前記第1情報の通信状態に基づいて、前記第1装置から前記管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する通信異常判定処理と、
前記第1通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第1通信の前記異常の発生を前記第1装置に通知する処理と
を実行するように構成された
管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサは、更に、前記第1通信の前記異常の発生を前記第2装置に通知する
管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の管理装置であって、
前記通信異常判定処理は、
前記第1装置から受信する前記第1情報に基づいて、前記第1通信の遅延量を取得する処理と、
前記遅延量が閾値を超えた場合、前記第1通信の前記異常が発生していると判定する処理と
を含む
管理装置。
【請求項4】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
前記遠隔操作の際に前記遠隔オペレータ
によって使用される遠隔オペレータ端末と、
前記移動体及び前記遠隔オペレータ端末と通信を行う管理装置と
を備え、
前記管理装置は、
前記遠隔操作が必要な前記移動体に対して前記遠隔オペレータを割り当て、
前記移動体の前記遠隔操作の最中、前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から前記遠隔操作に関連する第1情報を受信し、前記第1情報を前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
前記第1情報の通信状態に基づいて、前記第1装置から前記管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する第1通信異常判定処理と、
前記第1通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第1通信の前記異常の発生を前記第1装置に通知する処理と
を実行するように構成された
遠隔操作システム。
【請求項5】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
前記遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と、
前記移動体及び前記遠隔オペレータ端末と通信を行う管理装置と
を備え、
前記管理装置は、
前記移動体の前記遠隔操作の最中、前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から前記遠隔操作に関連する第1情報を受信し、前記第1情報を前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
前記第1情報の通信状態に基づいて、前記第1装置から前記管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する第1通信異常判定処理と、
前記第1通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第1通信の前記異常の発生を前記第1装置に通知する処理と
を実行するように構成され、
前記第2装置は、
前記第1情報の通信状態に基づいて、前記管理装置から前記第2装置への第2通信の異常が発生しているか否かを判定する第2通信異常判定処理と、
前記第2通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第2通信の前記異常の発生を前記管理装置に通知する処理と
を実行するように構成された
遠隔操作システム。
【請求項6】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と
前記遠隔操作の際に前記遠隔オペレータ
によって使用される遠隔オペレータ端末とを含む遠隔操作システムを管理する管理方法であって、
管理装置において、前記遠隔操作が必要な前記移動体に対して前記遠隔オペレータを割り当てる処理と、
前記移動体の前記遠隔操作の最中、前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から前記遠隔操作に関連する第1情報を
前記管理装置に送信し、更に、前記第1情報を前記管理装置から前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
前記管理装置において、前記第1情報の通信状態に基づいて、前記第1装置から前記管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する第1通信異常判定処理と、
前記第1通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第1通信の前記異常の発生を前記管理装置から前記第1装置に通知する処理と
を含む
管理方法。
【請求項7】
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と前記遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末とを含む遠隔操作システムを管理する管理方法であって、
前記移動体の前記遠隔操作の最中、前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から前記遠隔操作に関連する第1情報を管理装置に送信し、更に、前記第1情報を前記管理装置から前記移動体と前記遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
前記管理装置において、前記第1情報の通信状態に基づいて、前記第1装置から前記管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する第1通信異常判定処理と、
前記第1通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第1通信の前記異常の発生を前記管理装置から前記第1装置に通知する処理と、
前記第2装置において、前記第1情報の通信状態に基づいて、前記管理装置から前記第2装置への第2通信の異常が発生しているか否かを判定する第2通信異常判定処理と、
前記第2通信の前記異常が発生していると判定された場合、前記第2通信の前記異常の発生を前記第2装置から前記管理装置に通知する処理と
を
含む
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両の遠隔操作を行う車両遠隔操作装置を開示している。車両遠隔操作装置は、車両を遠隔操作するための操作信号を出力するオペレータ操作部と、オペレータ操作部から出力される操作信号を受信する複数の制御部とを備える。各制御部は、受信した操作信号を操作情報決定部に送信する。複数の制御部から受信する操作信号の操作内容が一致する場合、操作情報決定部は、当該操作信号を車両に送信する。一方、複数の制御部から受信する操作信号の操作内容が一致しない場合、操作情報決定部は、車両への操作信号の送信を制限する。
【0003】
その他、車両の遠隔操作に関連する技術が、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-061516号公報
【文献】特開2018-506800号公報
【文献】国際公開第2020/157942号
【文献】特開2018-077649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遠隔オペレータによる移動体(例:車両、ロボット)の遠隔操作について考える。移動体の遠隔操作の最中、移動体と遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末との間で通信が行われる。通信異常が発生した場合には、安全確保のために素早い対応を行うことが望まれる。
【0006】
本開示の1つの目的は、移動体の遠隔操作の最中に発生する通信異常に対して素早い対応を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点は、遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と通信を行う管理装置に関連する。
管理装置は、1又は複数のプロセッサを備える。
1又は複数のプロセッサは、
移動体の遠隔操作の最中、移動体と遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から遠隔操作に関連する第1情報を受信し、第1情報を移動体と遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
第1情報の通信状態に基づいて、第1装置から管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する通信異常判定処理と、
第1通信の異常が発生していると判定された場合、第1通信の異常の発生を第1装置に通知する処理と
を実行するように構成される。
【0008】
第2の観点は、遠隔操作システムに関連する。
遠隔操作システムは、
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と、
移動体及び遠隔オペレータ端末と通信を行う管理装置と
を備える。
管理装置は、
移動体の遠隔操作の最中、移動体と遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から遠隔操作に関連する第1情報を受信し、第1情報を移動体と遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
第1情報の通信状態に基づいて、第1装置から管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する第1通信異常判定処理と、
第1通信の異常が発生していると判定された場合、第1通信の異常の発生を第1装置に通知する処理と
を実行するように構成される。
【0009】
第3の観点は、遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末とを含む遠隔操作システムを管理する管理方法に関連する。
管理方法は、
移動体の遠隔操作の最中、移動体と遠隔オペレータ端末の一方である第1装置から遠隔操作に関連する第1情報を管理装置に送信し、更に、第1情報を管理装置から移動体と遠隔オペレータ端末の他方である第2装置に送信する処理と、
管理装置において、第1情報の通信状態に基づいて、第1装置から管理装置への第1通信の異常が発生しているか否かを判定する第1通信異常判定処理と、
第1通信の異常が発生していると判定された場合、第1通信の異常の発生を管理装置から第1装置に通知する処理と
を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、移動体と遠隔オペレータ端末との間の管理装置が、通信異常が発生したか否かを判定する機能を備える。そして、管理装置が、通信異常の発生を通信相手に通知する。これにより、通信異常の発生が通信相手に素早く通知される。従って、通信異常の発生に対して素早い対応を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態に係る遠隔操作システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】車両と管理装置と遠隔オペレータ端末との間の通信を説明するための概念図である。
【
図4】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理及び異常通知処理の第1の例を説明するための概念図である。
【
図5】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理及び異常通知処理の第1の例を説明するための概念図である。
【
図6】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理及び異常通知処理の第2の例を説明するための概念図である。
【
図7】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理及び異常通知処理の第2の例を説明するための概念図である。
【
図8】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理及び異常通知処理の第3の例を説明するための概念図である。
【
図9】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図10】本開示の実施の形態に係る通信異常判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の実施の形態に係る車両の構成例を示すブロック図である。
【
図12】本開示の実施の形態に係る遠隔オペレータ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図13】本開示の実施の形態に係る管理装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
【0013】
1.遠隔操作システムの概要
移動体の遠隔操作(遠隔運転)について考える。遠隔操作の対象である移動体としては、車両、ロボット、飛翔体、等が例示される。車両は、自動運転車両であってもよいし、ドライバが運転する車両であってもよい。ロボットとしては、物流ロボット、作業ロボット、等が例示される。飛翔体としては、飛行機、ドローン、等が例示される。
【0014】
一例として、以下の説明においては、遠隔操作の対象である移動体が車両である場合について考える。一般化する場合には、以下の説明における「車両」を「移動体」で読み替えるものとする。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る遠隔操作システム1の構成例を示す概略図である。遠隔操作システム1は、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300を含んでいる。車両100は、遠隔操作の対象である。遠隔オペレータ端末200は、遠隔オペレータOが車両100を遠隔操作する際に使用する端末装置である。遠隔オペレータ端末200を遠隔操作HMI(Human Machine Interface)と言うこともできる。管理装置300は、遠隔操作システム1の管理を行う。遠隔操作システム1の管理は、例えば、遠隔操作が必要な車両100に対して遠隔オペレータOを割り当てることを含む。管理装置300は、通信ネットワークを介して車両100及び遠隔オペレータ端末200と通信可能である。典型的には、管理装置300は、クラウド上の管理サーバである。管理サーバは、分散処理を行う複数のサーバにより構成されていてもよい。
【0016】
車両100には、カメラを含む各種センサが搭載されている。カメラは、車両100の周囲の状況を撮像し、車両100の周囲の状況を示す画像情報を取得する。車両情報VCLは、各種センサにより得られる情報であり、カメラにより得られる画像情報を含む。車両100は、管理装置300を介して、車両情報VCLを遠隔オペレータ端末200に送信する。つまり、車両100は、車両情報VCLを管理装置300に送信し、管理装置300は、受け取った車両情報VCLを遠隔オペレータ端末200に転送する。
【0017】
遠隔オペレータ端末200は、車両100から送信された車両情報VCLを受け取る。遠隔オペレータ端末200は、車両情報VCLを遠隔オペレータOに提示する。具体的には、遠隔オペレータ端末200は、表示装置を備えており、画像情報等を表示装置に表示する。遠隔オペレータOは、表示された情報をみて、車両100の周囲の状況を認識し、車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に関する情報である。例えば、遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を含む。遠隔オペレータ端末200は、管理装置300を介して、遠隔操作情報OPEを車両100に送信する。つまり、遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作情報OPEを管理装置300に送信し、管理装置300は、受け取った遠隔操作情報OPEを車両100に転送する。
【0018】
車両100は、遠隔オペレータ端末200から送信された遠隔操作情報OPEを受け取る。車両100は、受け取った遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。このようにして、車両100の遠隔操作が実現される。
【0019】
図2は、以下の説明において用いられる用語を説明するための概念図である。便宜上、車両100から管理装置300への車両情報VCLの通信を「上り通信U100」と呼び、管理装置300から車両100への遠隔操作情報OPEの通信を「下り通信D100」と呼ぶ。同様に、遠隔オペレータ端末200から管理装置300への遠隔操作情報OPEの通信を「上り通信U200」と呼び、管理装置300から遠隔オペレータ端末200への車両情報VCLの通信を「下り通信D200」と呼ぶ。
【0020】
2.通信異常判定処理及び異常通知処理
本実施の形態に係る遠隔操作システム1は、異常が発生したか否かを判定する「異常判定機能(異常検知機能)」を備えている。遠隔操作システム1の異常としては、車両100の異常、遠隔オペレータ端末200の異常、及び通信の異常が挙げられる。以下では特に、「通信異常」について考える。車両100の遠隔操作の最中に通信異常が発生した場合には、安全確保のために素早い対応を行うことが望まれる。
【0021】
図3は、比較例を示している。遠隔オペレータ端末200は、車両100から受信する車両情報VCLの通信状態に基づいて、車両100から遠隔オペレータ端末200への通信の異常が発生しているか否かを判定する(通信異常判定処理)。例えば、上り通信U100の異常が発生した場合、遠隔オペレータ端末200は、車両100から遠隔オペレータ端末200への通信のどこかで異常が発生したことを検知する。通信異常を検知した場合、遠隔オペレータ端末200は、通信異常の発生を管理装置300や車両100に通知(フィードバック)する(異常通知処理)。その通知を受信すると、管理装置300や車両100は、安全確保のための対応を行う。例えば、車両100は、安全な位置に退避して停止する退避制御を実行する。
【0022】
しかしながら、比較例の場合、通信異常の発生が通信相手にフィードバックされるまで時間が比較的長くなる。また、通信異常の発生箇所を細かく特定することができない。そこで、本実施の形態は、通信異常の発生を通信相手により早くフィードバックすることができる技術を提案する。
【0023】
2-1.第1の例
図4及び
図5は、第1の例を説明するための概念図である。第1の例によれば、管理装置300が「通信異常判定部10」を備えている。
【0024】
図4に示される例では、通信異常判定部10は、車両100から受信する車両情報VCLの通信状態に基づいて、車両100から管理装置300への上り通信U100の異常が発生しているか否かを判定する(通信異常判定処理)。この通信異常判定処理の具体例については後述する(セクション2-4参照)。
【0025】
通信異常フラグFLは、通信異常判定処理の結果を示す情報である。通信異常が発生していないと判定された場合、つまり、通信異常が検知されていない場合、通信異常フラグFLは例えば「0」に設定される。一方、通信異常が発生していると判定された場合、つまり、通信異常が検知された場合、通信異常フラグFLは例えば「1」に設定される。
【0026】
少なくとも上り通信U100の異常が検知された場合、通信異常判定部10は、上り通信U100の異常発生を示す通信異常フラグFLを通信相手である車両100に通知(フィードバック)する(異常通知処理)。
【0027】
このように、上り通信U100異常発生は、可能な限り早く車両100にフィードバックされる。従って、上り通信U100の異常発生に対して素早い対応を行うことが可能となる。例えば、車両100は、より早いタイミングで退避制御を行うことが可能となる。これにより、安全性が向上する。
【0028】
図5に示される例では、通信異常判定部10は、遠隔オペレータ端末200から受信する遠隔操作情報OPEの通信状態に基づいて、遠隔オペレータ端末200から管理装置300への上り通信U200の異常が発生しているか否かを判定する(通信異常判定処理)。少なくとも上り通信U200の異常が検知された場合、通信異常判定部10は、上り通信U200の異常発生を示す通信異常フラグFLを通信相手である遠隔オペレータ端末200に通知(フィードバック)する(異常通知処理)。
【0029】
このように、上り通信U200異常発生は、可能な限り早く遠隔オペレータ端末200にフィードバックされる。従って、上り通信U200の異常発生に対して素早い対応を行うことが可能となる。例えば、遠隔オペレータOは、より早いタイミングで車両100に退避制御の実行を指示することが可能となる。これにより、安全性が向上する。
【0030】
一般化すると次の通りである。「第1装置」は、車両100と遠隔オペレータ端末200の一方であり、「第2装置」は、車両100と遠隔オペレータ端末200の他方である。車両100の遠隔操作の最中、管理装置300は、第1装置から遠隔操作に関連する第1情報(車両情報VCLあるいは遠隔操作情報OPE)を受信し、その第1情報を第2装置に送信する。管理装置300の通信異常判定部10は、第1装置から受信する第1情報の通信状態に基づいて、第1装置から管理装置300への第1通信(U100あるいはU200)の異常が発生しているか否かを判定する(通信異常判定処理)。第1通信の異常が発生していると判定された場合、管理装置300の通信異常判定部10は、第1通信の異常発生を第1装置に通知する(異常通知処理)。
【0031】
このように、第1の例によれば、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の管理装置300が、通信異常が発生したか否かを判定する機能を備える。そして、管理装置300が、通信異常の発生を通信相手に通知する。これにより、通信異常の発生が通信相手に素早く通知される。従って、通信異常の発生に対して素早い対応を行うことが可能となる。その結果、より安全な遠隔操作システム1が実現される。
【0032】
更に、第1の例によれば、異常発生箇所が上り通信U100あるいは上り通信U200であることまで特定することが可能となる。すなわち、異常発生箇所をより細かく特定することが可能となる。
【0033】
2-2.第2の例
図6及び
図7は、第2の例を説明するための概念図である。上述の第1の例と重複する説明は適宜省略される。
【0034】
図6に示される例は、上述の
図4で示された例の変形例である。少なくとも上り通信U100の異常が検知された場合、通信異常判定部10は、上り通信U100の異常発生を示す通信異常フラグFLを車両100だけでなく遠隔オペレータ端末200にも通知する。
【0035】
図7に示される例は、上述の
図5で示された例の変形例である。少なくとも上り通信U200の異常が検知された場合、通信異常判定部10は、上り通信U200の異常発生を示す通信異常フラグFLを遠隔オペレータ端末200だけでなく車両100にも通知する。
【0036】
このように、第2の例によれば、送信側の第1装置だけでなく受信側の第2装置にも通信異常の発生が素早く通知される。従って、通信異常の発生に対して素早い対応を行うことが可能となる。これにより、より安全な遠隔操作システム1が実現される。
【0037】
2-3.第3の例
図8は、第3の例を説明するための概念図である。第3の例によれば、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300の各々が、通信異常判定部10を備えている。便宜上、車両100の通信異常判定部10を、通信異常判定部10-1と呼ぶ。遠隔オペレータ端末200の通信異常判定部10を、通信異常判定部10-2と呼ぶ。管理装置300の通信異常判定部10を、通信異常判定部10-3と呼ぶ。
【0038】
管理装置300の通信異常判定部10-3は、上述の第1の例あるいは第2の例において説明された通信異常判定部10と同様である。すなわち、通信異常判定部10-3は、第1装置から受信する第1情報の通信状態に基づいて、第1装置から管理装置300への第1通信(U100あるいはU200)の異常が発生しているか否かを判定する(第1通信異常判定処理)。第1通信の異常が発生していると判定された場合、通信異常判定部10-3は、第1通信の異常発生を第1装置あるいは第1装置と第2装置の両方に通知する(第1異常通知処理)。
【0039】
車両100の通信異常判定部10-1は、管理装置300から受信する遠隔操作情報OPEの通信状態に基づいて、管理装置300から車両100への下り通信D100の異常が発生しているか否かを判定する(第2通信異常判定処理)。少なくとも下り通信D100の異常が検知された場合、通信異常判定部10-1は、下り通信D100の異常発生を示す通信異常フラグFLを管理装置300に通知する(第2異常通知処理)。更に、管理装置300は、その通信異常フラグFLを遠隔オペレータ端末200に通知してもよい。
【0040】
遠隔オペレータ端末200の通信異常判定部10-2は、管理装置300から受信する車両情報VCLの通信状態に基づいて、管理装置300から遠隔オペレータ端末200への下り通信D200の異常が発生しているか否かを判定する(第2通信異常判定処理)。少なくとも下り通信D200の異常が検知された場合、通信異常判定部10-2は、下り通信D200の異常発生を示す通信異常フラグFLを管理装置300に通知する(第2異常通知処理)。更に、管理装置300は、その通信異常フラグFLを車両100に通知してもよい。
【0041】
一般化すると次の通りである。車両100の遠隔操作の最中、管理装置300は、第1装置から遠隔操作に関連する第1情報(車両情報VCLあるいは遠隔操作情報OPE)を受信し、その第1情報を第2装置に送信する。第2装置の通信異常判定部10は、管理装置300から受信する第1情報の通信状態に基づいて、管理装置300から第2装置への第2通信(D100あるいはD200)の異常が発生しているか否かを判定する(第2通信異常判定処理)。第2通信の異常が発生していると判定された場合、第2装置の通信異常判定部10は、第2通信の異常発生を少なくとも管理装置300に通知する(第2異常通知処理)。
【0042】
第3の例によれば、上述の第1の例あるいは第2の例と同様の効果が得られる。更に、異常発生箇所が上り通信U100、上り通信U200、下り通信D100、及び下り通信D200のうちどれであるかまで特定することが可能となる。すなわち、異常発生箇所を更に細かく特定することが可能となる。
【0043】
2-4.通信異常判定処理の例
図9は、通信異常判定部10による通信異常判定処理の例を示すフローチャートである。一例として、管理装置300の通信異常判定部10-3について考える。車両100の通信異常判定部10-1や遠隔オペレータ端末200の通信異常判定部10-2についても同様である。
【0044】
ステップS110において、通信異常判定部10は、管理装置300がデータを受信しているか否かを判定する。データを受信している場合(ステップS110;Yes)、処理はステップS120に進む。それ以外の場合(ステップS110;No)、処理はステップS130に進む。
【0045】
ステップS120において、通信異常判定部10は、受信状態が良好か否かを判定する。受信状態は、通信速度、電波受信強度、等のパラメータにより表される。当該パラメータが所定の閾値以上である場合(ステップS120;Yes)、受信状態は良好であると判定され、処理はステップS160に進む。それ以外の場合(ステップS120;No)、処理はステップS130に進む。
【0046】
ステップS130において、通信異常判定部10は、データを受信していない状態、あるいは、受信状態が良好ではない状態が、Ta秒継続したか否かを判定する。そのような不良状態がTa秒継続した場合(ステップS130;Yes)、処理はステップS140に進む。一方、そのような不良状態がまだTa秒継続していない場合(ステップS130;No)、処理はステップS150に進む。
【0047】
ステップS140において、通信異常判定部10は、通信異常が発生していると判定(断定)する。
【0048】
ステップS150において、通信異常判定部10は、判断を確定することなく、現在の状態を「通信異常判定中」とする。その後、処理はステップS110に戻る。
【0049】
図10は、ステップS160の例を示すフローチャートである。ステップS160では、通信の遅延量DLが考慮される。
【0050】
ステップS161において、通信異常判定部10は、通信相手から受信する受信情報に基づいて、通信の遅延量DLを取得する。
【0051】
ステップS162において、通信異常判定部10は、遅延量DLが第1閾値DL_th1を超えているか否かを判定する。第1閾値DL_th1は、通信異常が発生していると断定してもよいような遅延量DLである。例えば、第1閾値DL_th1は、通常は起こり得ないような遅延量DLである。遅延量DLが第1閾値DL_th1を超える場合(ステップS162;Yes)、処理はステップS163に進む。一方、遅延量DLが第1閾値DL_th1以下である場合(ステップS162;No)、処理はステップS164に進む。
【0052】
ステップS163において、通信異常判定部10は、通信異常が発生していると判定(断定)する。
【0053】
ステップS164において、通信異常判定部10は、遅延量DLが第2閾値DL_th2を超えているか否かを判定する。第2閾値DL_th2は、上記の第1閾値DL_th1よりも小さい。例えば、第2閾値DL_th2は、遅延量DLの許容範囲の上限値である。遅延量DLが第2閾値DL_th2を超える場合(ステップS164;Yes)、処理はステップS165に進む。一方、遅延量DLが第2閾値DL_th2以下である場合(ステップS164;No)、処理はステップS167に進む。
【0054】
ステップS165において、通信異常判定部10は、遅延量DLが第2閾値DL_th2を超えている状態がTb秒継続したか否かを判定する。そのような状態がTb秒継続した場合(ステップS165;Yes)、処理はステップS163に進む。一方、そのような状態がまだTb秒継続していない場合(ステップS165;No)、処理はステップS166に進む。
【0055】
ステップS166において、通信異常判定部10は、判断を確定することなく、現在の状態を「通信異常判定中」とする。その後、処理はステップS110に戻る。
【0056】
ステップS167において、通信異常判定部10は、通信異常は発生しておらず、通信は正常であると判定する。その後、処理はステップS110に戻る。
【0057】
3.車両の例
3-1.構成例
図11は、車両100の構成例を示すブロック図である。車両100は、通信装置110、センサ群120、走行装置130、及び制御装置150を備えている。
【0058】
通信装置110は、車両100の外部と通信を行う。例えば、通信装置110は、遠隔オペレータ端末200や管理装置300と通信を行う。
【0059】
センサ群120は、認識センサ、車両状態センサ、位置センサ、等を含んでいる。認識センサは、車両100の周辺の状況を認識(検出)する。認識センサとしては、カメラ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、等が例示される。車両状態センサは、車両100の状態を検出する。車両状態センサは、速度センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、等を含んでいる。位置センサは、車両100の位置及び方位を検出する。例えば、位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)を含んでいる。
【0060】
走行装置130は、操舵装置、駆動装置、及び制動装置を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジン、電動機、インホイールモータ、等が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
【0061】
制御装置150は、車両100を制御するコンピュータである。制御装置150は、1又は複数のプロセッサ160(以下、単にプロセッサ160と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置170(以下、単に記憶装置170と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ160は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ160は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置170は、プロセッサ160による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置170としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等が例示される。制御装置150は、1又は複数のECU(Electronic Control Unit)を含んでいてもよい。
【0062】
車両制御プログラムPROG1は、プロセッサ160によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ160が車両制御プログラムPROG1を実行することにより、制御装置150の機能が実現される。車両制御プログラムPROG1は、記憶装置170に格納される。あるいは、車両制御プログラムPROG1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
【0063】
3-2.運転環境情報
制御装置150は、センサ群120を用いて、車両100の運転環境を示す運転環境情報ENVを取得する。運転環境情報ENVは、記憶装置170に格納される。
【0064】
運転環境情報ENVは、認識センサによる認識結果を示す周辺状況情報を含む。例えば、周辺状況情報は、カメラによって撮像される画像情報を含む。周辺状況情報は、車両100の周辺の物体に関する物体情報を含んでいてもよい。車両100の周辺の物体としては、歩行者、他車両(先行車両、駐車車両、等)、白線、信号、標識、路側構造物、等が例示される。物体情報は、車両100に対する物体の相対位置及び相対速度を示す。
【0065】
また、運転環境情報ENVは、車両状態センサによって検出される車両状態を示す車両状態情報を含む。
【0066】
更に、運転環境情報ENVは、車両100の位置及び方位を示す車両位置情報を含む。車両位置情報は、位置センサにより得られる。地図情報と周辺状況情報(物体情報)を用いた自己位置推定処理(Localization)により、高精度な車両位置情報が取得されてもよい。
【0067】
3-3.車両走行制御
制御装置150は、車両100の走行を制御する車両走行制御を実行する。車両走行制御は、操舵制御、駆動制御、及び制動制御を含む。制御装置150は、走行装置130(操舵装置、駆動装置、及び制動装置)を制御することによって車両走行制御を実行する。
【0068】
制御装置150は、運転環境情報ENVに基づいて自動運転制御を行ってもよい。より詳細には、制御装置150は、運転環境情報ENVに基づいて、車両100の走行プランを生成する。更に、制御装置150は、運転環境情報ENVに基づいて、車両100が走行プランに従って走行するために必要な目標トラジェクトリを生成する。目標トラジェクトリは、目標位置及び目標速度を含んでいる。そして、制御装置150は、車両100が目標トラジェクトリに追従するように車両走行制御を行う。
【0069】
3-4.遠隔操作に関連する処理
以下、車両100の遠隔操作が行われる場合について説明する。制御装置150は、通信装置110を介して、遠隔オペレータ端末200と通信を行う。
【0070】
制御装置150は、車両情報VCLを遠隔オペレータ端末200に送信する。車両情報VCLは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に必要な情報であり、上述の運転環境情報ENVの少なくとも一部を含んでいる。例えば、車両情報VCLは、周辺状況情報(特に画像情報)を含んでいる。車両情報VCLは、更に、車両状態情報や車両位置情報を含んでいてもよい。
【0071】
また、制御装置150は、遠隔操作情報OPEを遠隔オペレータ端末200から受信する。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に関する情報である。例えば、遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を含む。制御装置150は、受信した遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。
【0072】
更に、制御装置150は、上述の通信異常判定部10-1を備えていてもよい。通信異常判定部10-1は、上述の通信異常判定処理を行う(セクション2参照)。そして、通信異常の発生を検知した場合、通信異常判定部10-1は、通信異常の発生を示す通信異常フラグFLを管理装置300に通知する異常通知処理を行う。
【0073】
4.遠隔オペレータ端末の例
図12は、遠隔オペレータ端末200の構成例を示すブロック図である。遠隔オペレータ端末200は、通信装置210、表示装置220、入力装置230、及び制御装置250を含んでいる。
【0074】
通信装置210は、車両100及び管理装置300と通信を行う。
【0075】
表示装置220は、各種情報を表示することにより、各種情報を遠隔オペレータOに提示する。
【0076】
入力装置230は、遠隔オペレータOからの入力を受け付ける。例えば、入力装置230は、遠隔オペレータOが車両100を遠隔操作する際に操作する遠隔操作部材を含む。遠隔操作部材は、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、方向指示器、等を含んでいる。
【0077】
制御装置250は、遠隔オペレータ端末200を制御する。制御装置250は、1又は複数のプロセッサ260(以下、単にプロセッサ260と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置270(以下、単に記憶装置270と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ260は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ260は、CPUを含んでいる。記憶装置270は、プロセッサ260による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置270としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD、等が例示される。
【0078】
遠隔操作プログラムPROG2は、プロセッサ260によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ260が遠隔操作プログラムPROG2を実行することにより、制御装置250の機能が実現される。遠隔操作プログラムPROG2は、記憶装置270に格納される。あるいは、遠隔操作プログラムPROG2は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。遠隔操作プログラムPROG2は、ネットワーク経由で提供されてもよい。
【0079】
制御装置250は、通信装置210を介して、車両100と通信を行う。制御装置250は、車両100から送信される車両情報VCLを受信する。制御装置250は、画像情報を含む車両情報VCLを表示装置220に表示することによって、車両情報VCLを遠隔オペレータOに提示する。遠隔オペレータOは、表示装置220に表示される車両情報VCLに基づいて、車両100の状態や周囲の状況を認識することができる。
【0080】
遠隔オペレータOは、入力装置230の遠隔操作部材を操作する。遠隔操作部材の操作量は、遠隔操作部材に設置されたセンサにより検出される。制御装置250は、遠隔オペレータOによる遠隔操作部材の操作量を反映した遠隔操作情報OPEを生成する。そして、制御装置250は、その遠隔操作情報OPEを通信装置210を介して車両100に送信する。
【0081】
更に、制御装置150は、上述の通信異常判定部10-2を備えていてもよい。通信異常判定部10-2は、上述の通信異常判定処理を行う(セクション2参照)。そして、通信異常の発生を検知した場合、通信異常判定部10-2は、通信異常の発生を示す通信異常フラグFLを管理装置300に通知する異常通知処理を行う。
【0082】
5.管理装置の例
図13は、管理装置300の構成例を示すブロック図である。管理装置300は、通信装置310及び制御装置350を含んでいる。
【0083】
通信装置310は、車両100及び遠隔オペレータ端末200と通信を行う。
【0084】
制御装置350は、管理装置300を制御する。制御装置350は、1又は複数のプロセッサ360(以下、単にプロセッサ360と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置370(以下、単に記憶装置370と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ360は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ360は、CPUを含んでいる。記憶装置370は、プロセッサ360による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置370としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD、等が例示される。
【0085】
管理プログラムPROG3は、プロセッサ360によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ360が管理プログラムPROG3を実行することにより、制御装置350の機能が実現される。管理プログラムPROG3は、記憶装置370に格納される。あるいは、管理プログラムPROG3は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。管理プログラムPROG3は、ネットワーク経由で提供されてもよい。
【0086】
制御装置350は、通信装置310を介して、車両100及び遠隔オペレータ端末200と通信を行う。制御装置350は、車両100から送信される車両情報VCLを受信する。そして、制御装置350は、受信した車両情報VCLを遠隔オペレータ端末200に送信する。また、制御装置350は、遠隔オペレータ端末200から送信される遠隔操作情報OPEを受信する。そして、制御装置350は、受信した遠隔操作情報OPEを車両100に送信する。
【0087】
更に、制御装置350は、上述の通信異常判定部10(10-3)を備えていてる。通信異常判定部10は、上述の通信異常判定処理を行う(セクション2参照)。そして、通信異常の発生を検知した場合、通信異常判定部10は、通信異常の発生を示す通信異常フラグFLを車両100や遠隔オペレータ端末200に通知する異常通知処理を行う。
【符号の説明】
【0088】
1 遠隔操作システム
10 通信異常判定部
100 車両
150 制御装置
160 プロセッサ
170 記憶装置
200 遠隔オペレータ端末
250 制御装置
260 プロセッサ
270 記憶装置
300 管理装置
350 制御装置
360 プロセッサ
370 記憶装置
FL 通信異常フラグ
OPE 遠隔操作情報
VCL 車両情報