(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】エリア認識システム、エリア認識方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241224BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2022080179
(22)【出願日】2022-05-16
【審査請求日】2024-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】糸澤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-202514(JP,A)
【文献】特開昭63-313210(JP,A)
【文献】特開2001-14029(JP,A)
【文献】特開平7-108937(JP,A)
【文献】米国特許第4990841(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットの走行エリアを認識するエリア認識システムであって、
異なる走行エリア間に、第1の磁性部材を含む1以上の磁性部材が配置され、
前記第1の磁性部材の上面側の極性は、N極とS極の一方である第1磁極であり、
前記ロボットは、
第1の磁気センサと、
第2の磁気センサと、
前記第1の磁気センサを用いて前記第1磁極を検出することでロボットの動作を抑制する安全装置と、
前記第2の磁気センサを用いて前記1以上の磁性部材の各々を検出することで、異なる走行エリア間の移動を認識する認識部と、
を備え、
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記ロボットの幅方向において互いに異なる位置に配置され、
異なる走行エリア間において前記ロボットの幅方向の移動が制限される場合、前記1以上の磁性部材の各々は、前記第2の磁気センサによって検出され、かつ、前記第1の磁気センサによって検出されないように配置される、
エリア認識システム。
【請求項2】
前記第1の磁気センサの数は複数であり、
複数の第1の磁気センサは、前記ロボットの幅方向において異なる位置に配置された2つの磁気センサを含み、
前記ロボットの幅方向において、前記第2の磁気センサは、前記2つの磁気センサの間に配置され、
前記ロボットの幅方向において、前記1以上の磁性部材の各々の長さは、前記2つの磁気センサの間の距離よりも短い、
請求項1に記載のエリア認識システム。
【請求項3】
前記1以上の磁性部材は、エレベータの出入口に配置される、
請求項1または2のいずれかに記載のエリア認識システム。
【請求項4】
前記ロボットの走行エリアは、高速走行エリアおよび低速走行エリアを含み、
前記高速走行エリアおよび前記低速走行エリアには、前記安全装置を動作させるための第3の磁性部材が配置され、
前記第3の磁性部材の上面側の極性は前記第1磁極である、
請求項1または2のいずれかに記載のエリア認識システム。
【請求項5】
ロボットの走行エリアを認識するエリア認識方法であって、
異なる走行エリア間に、第1の磁性部材を含む1以上の磁性部材が配置され、
前記第1の磁性部材の上面側の極性は、N極とS極の一方である第1磁極であり、
前記ロボットは、
第1の磁気センサと、
第2の磁気センサと、
前記第1の磁気センサを用いて前記第1磁極を検出することでロボットの動作を抑制する安全装置と、
を備え、
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記ロボットの幅方向において互いに異なる位置に配置され、
異なる走行エリア間において前記ロボットの幅方向の移動が制限される場合、前記1以上の磁性部材の各々は、前記第2の磁気センサによって検出され、かつ、前記第1の磁気センサによって検出されないように配置され、
前記ロボットは、
前記第2の磁気センサを用いて前記1以上の磁性部材の各々を検出することで、異なる走行エリア間の移動を認識する、
エリア認識方法。
【請求項6】
請求項5に記載のエリア認識方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エリア認識システム、エリア認識方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人走行車両の走行路が、高速走行区間と低速走行区間に区分される場合がある。特許文献1は、低速走行区間と高速走行区間の間にN極磁石およびS極磁石を設けて、エリアを認識する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロボットが、磁気の検出に応じて作動する安全装置を備える場合がある。このような場合、エリアを認識するために設けた磁気部材により、ロボットの安全装置が誤作動してしまうおそれがあった。
【0005】
本開示は、このような問題を解決するためになされたものであり、安全装置の誤作動を防ぎつつ、走行エリアを認識できるエリア認識システム、エリア認識方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態におけるエリア認識システムは、
ロボットの走行エリアを認識するエリア認識システムであって、
異なる走行エリア間に、第1の磁性部材を含む1以上の磁性部材が配置され、
前記第1の磁性部材の上面側の極性は、N極とS極の一方である第1磁極であり、
前記ロボットは、
第1の磁気センサと、
第2の磁気センサと、
前記第1の磁気センサを用いて前記第1磁極を検出することでロボットの動作を抑制する安全装置と、
前記第2の磁気センサを用いて前記1以上の磁性部材の各々を検出することで、異なる走行エリア間の移動を認識する認識部と、
を備え、
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記ロボットの幅方向において互いに異なる位置に配置され、
異なる走行エリア間において前記ロボットの幅方向の移動が制限される場合、前記1以上の磁性部材の各々は、前記第2の磁気センサによって検出され、かつ、前記第1の磁気センサによって検出されないように配置される。
【0007】
本実施の形態におけるエリア認識方法は、
ロボットの走行エリアを認識するエリア認識方法であって、
異なる走行エリア間に、第1の磁性部材を含む1以上の磁性部材が配置され、
前記第1の磁性部材の上面側の極性は、N極とS極の一方である第1磁極であり、
前記ロボットは、
第1の磁気センサと、
第2の磁気センサと、
前記第1の磁気センサを用いて前記第1磁極を検出することでロボットの動作を抑制する安全装置と、
を備え、
前記第1の磁気センサおよび前記第2の磁気センサは、前記ロボットの幅方向において互いに異なる位置に配置され、
異なる走行エリア間において前記ロボットの幅方向の移動が制限される場合、前記1以上の磁性部材の各々は、前記第2の磁気センサによって検出され、かつ、前記第1の磁気センサによって検出されないように配置され、
前記ロボットは、
前記第2の磁気センサを用いて前記1以上の磁性部材の各々を検出することで、異なる走行エリア間の移動を認識する。
【0008】
本実施の形態におけるプログラムは、上記エリア認識方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、安全装置の誤作動を防ぎつつ、走行エリアを認識できるエリア認識システム、エリア認識方法、およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1にかかるエリア認識システムの構成を示す概略図である。
【
図2】高速走行エリアと低速走行エリアの具体例を示す概略図である。
【
図3】実施形態1にかかるロボットの機能を示すブロック図である。
【
図4】第1の磁気センサおよび第2の磁気センサの位置を説明するための図である。
【
図5】関連技術にかかるエリア認識システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
【0012】
実施形態1
以下、図面を参照して実施形態1にかかるエリア認識システムについて説明する。
図1は、実施形態1にかかるエリア認識システム1000の構成を示す概略図である。エリア認識システム1000は、ロボット100の走行エリアを認識するシステムである。
【0013】
エリア認識システム1000は、ロボット100を備えている。ロボット100の走行エリアは、高速走行エリアHおよび低速走行エリアLを含んでいる。ロボット100は、荷物を搬送する搬送ロボットであってもよい。エリア認識システム1000は、ロボット100の走行ルートを生成するサーバ(不図示)をさらに備えていてもよい。なお、ロボット100内で処理が完結したシステムも、エリア認識システム1000には含まれ得る。
【0014】
図2を参照して、高速走行エリアHおよび低速走行エリアLの一例を説明する。ロボット100は搬送ロボットであるものとする。ロボット100は、ロジスティックセンターLCからレジデンスRへ荷物を搬送する。レジデンスRは人間の居住地であり、ロボット100と人間が共用する通路を含んでいる。ロジスティックセンターLCとレジデンスRの間には、地下通路Aが設けられている。ロボット100の最大速度は、地下通路Aでは、例えば1.6[m/s]に制限され、レジデンスRでは、例えば0.5[m/s]に制限される。このような場合、地下通路Aは高速走行エリアHであり、レジデンスRは低速走行エリアLである。
【0015】
なお、
図2は、高速走行エリアHおよび低速走行エリアの一例を示しているに過ぎない。低速走行エリアLにおいてロボット100の速度が制限されている必要があるが、低速走行エリアLおよび高速走行エリアHはいかなるものであってもよい。例えば、高速走行エリアHが車道であり、低速走行エリアLが歩道であってもよい。
【0016】
図1に戻り説明を続ける。エリア認識システム1000は、1以上の磁性部材200を備えている。1以上の磁性部材200は、磁性部材210を備えている。磁性部材210は、第1の磁性部材とも呼ばれる。磁性部材210の上面側の極性は、N極とS極の一方である第1磁極である。以下では、第1磁極がN極である場合を中心に説明するが、第1磁極はS極であってもよい。1以上の磁性部材200は、高速走行エリアHと低速走行エリアLの間に配置されている。1以上の磁性部材200の各々は、磁気テープであってもよく、磁石であってもよい。
【0017】
図1に示すように、1以上の磁性部材200は、磁性部材220をさらに備えていてもよい。磁性部材220は、第2の磁性部材とも呼ばれる。磁性部材210および220は、ロボット100の進行方向に沿って並べられている。
図1中の矢印は、ロボット100の進行方向を例示している。具体的には、磁性部材220の上面側の極性は、第1磁極とは異なる第2磁極である。
【0018】
なお、1以上の磁性部材200は、磁性部材220を備えていなくてもよい。また、磁性部材210および220の上面側の極性が同一であり、磁極の強さが互いに異なってもよい。さらに、1以上の磁性部材200は、3つ以上の磁性部材を含んでいてもよい。
【0019】
1以上の磁性部材200は、ロボット100が走行エリアを認識するために用いられる。
図1では、磁性部材210は高速走行エリアH側に配置され、磁性部材220は低速走行エリアL側に配置されている。
【0020】
低速走行エリアLや高速走行エリアHには、第3の磁性部材(不図示)が配置される。第3の磁性部材は、安全装置を動作させるために用いられる。第3の磁性部材の上面側の極性は、第1磁極(例えば、N極)である。
【0021】
高速走行エリアHと低速走行エリアLの間において、ロボット100の幅方向の移動が制限されているものとする。例えば、高速走行エリアHと低速走行エリアLの境界部は、ロボット100の幅と比べて狭い通路や、エレベータの出入口に設けられてもよい。
【0022】
図3は、ロボット100の機能構成を示すブロック図である。ロボット100は、移動部110、磁気センサ120、磁気センサ130、安全装置140、および制御部150を備えている。ロボット100は、荷物を移動させるロボットアームをさらに備えていてもよい。
【0023】
移動部110は、車輪111、および車輪111を回転させるモータ112を備えている。モータ112は、減速機などを介して車輪111を回転させる。モータ112は、制御部150からの制御信号に応じて、車輪111を回転させることで、ロボット100を任意の位置に移動させることができる。車輪111は、後述する安全装置140の動作により、停止または減速する。
【0024】
磁気センサ120は、第1磁極(N極)を検出する。磁気センサ120は、第1の磁気センサとも称される。磁気センサ120の数は複数であってもよい。磁気センサ120の検出結果は安全装置140を動作させるために用いられる。複数の磁気センサ120がロボット100の底面の外周部(例えば、四隅)に設けられていてもよい。磁気センサ120は、検出結果を安全装置140に出力する。
【0025】
磁気センサ130は、N極とS極の両方を検出する。磁気センサ130は、例えば、ロボット100の底面の中央部分に設けられる。磁気センサ130は、第2の磁気センサとも呼ばれる。磁気センサ130は、検出結果を制御部150に出力する。
【0026】
磁気センサ120および磁気センサ130は、ロボット100の幅方向において互いに異なる位置に配置される。そして、磁性部材210および磁性部材220は、磁気センサ130によって検出され、磁気センサ120によって検出されないように配置される。磁気センサ120および磁気センサ130の具体的な配置については後述する。
【0027】
安全装置140は、磁気センサ120を用いて第1磁極(例えば、N極)を検出することでロボット100の動作を抑制する。安全装置140は、第1磁極が検出された場合に、車輪111の回転を減速または停止する。なお、安全装置140は、後述する制御部150の機能として実現されてもよい。低速走行エリアL内や高速走行エリアH内には第3の磁性部材(不図示)が配置されており、ロボット100の走行をより安全にしている。例えば、第3の磁性部材が階段の手前に配置されている場合、エリア認識システム1000は、ロボット100の転倒を防止できる。
【0028】
次に、
図4を参照して、磁気センサ120および磁気センサ130の配置について説明する。なお、磁気センサ120a、120b、120c、および120dは、上述した磁気センサ120の具体例である。
図4は、ロボット100が4つの磁気センサ120a、120b、120c、および120dを備える例を示しているが、磁気センサ120の数は4つには限定されない。
【0029】
図4は、ロボット100を上面視した図であり、磁気センサ120a、磁気センサ120b、磁気センサ120c、磁気センサ120d、および磁気センサ130の水平面内の位置を点線で示している。ロボット100は、エレベータE内に位置している。エレベータEの出入口には、磁性部材210および磁性部材220が配置されている。
【0030】
安全装置140を動作させるための磁極をN極とすると、磁気センサ120a、120b、120c、および120dはN極を検出可能な磁気センサである。磁気センサ130は、N極とS極の両方を検出可能な磁気センサである。
【0031】
磁気センサ120a、120b、120c、および120dは、ロボット100の底面の四隅に設けられていている。磁気センサ120aおよび120bは、ロボット100の幅方向において異なる位置に配置されている。磁気センサ130は、ロボット100の底面の中央部分に設けられている。
【0032】
上述の通り、磁性部材210および磁性部材220は、磁気センサ130によって検出され、磁気センサ120によって検出されないように配置される。ロボット100の幅方向において、磁気センサ130は、磁気センサ120aと磁気センサ120bの間に配置されている。ロボット100の幅方向において、磁性部材210の長さおよび磁性部材220の長さは、磁気センサ120aと磁気センサ120bの間の距離よりも短い。換言すると、磁性部材210および220の幅は十分に狭い。
【0033】
ロボット100がエレベータEの外へ移動した場合、磁気センサ130が磁性部材210および磁性部材220を検出することで、後述する制御部150は走行エリアを認識する。このとき、磁気センサ120a、120b、120c、および120dは磁性部材210を検出しないため、安全装置140が誤作動することはない。
【0034】
図3に戻り説明を続ける。制御部150は、プロセッサおよびメモリを備えている。制御部150は、認識部151および走行制御部152を備えている。制御部150の各機能は、プログラム(不図示)をメモリに読み込ませ、プロセッサが実行することにより実現されてもよい。
【0035】
認識部151は、磁気センサ130を用いて1以上の磁性部材200の各々を検出することで、ロボット100が異なる走行エリア間を移動したことを認識する。例えば、磁気センサ130が第1磁極を検出し、第2磁極を検出した場合に、認識部151は、ロボット100が高速走行エリアHから低速走行エリアLへ移動したことを認識する。そして、磁気センサ130が第2磁極を検出し、第1磁極を検出した場合に、認識部151は、低速走行エリアLから高速走行エリアHへ移動したことを認識する。
【0036】
走行制御部152は、認識部151のエリア認識結果に基づいて、ロボット100の移動を制御する。具体的には、走行制御部152は、ロボット100が高速走行エリアHを走行するときには高速で走行し、ロボット100が低速走行エリアLを走行するときには低速で走行する。走行制御部152は、ロボット100の走行エリアにおける最大速度を超えないように、ロボット100の移動を制御してもよい。走行制御部152は、ロボット100の走行ルートを生成する機能をさらに備えていてもよい。
【0037】
次に、
図1を参照して、実施形態1にかかるエリア認識方法を説明する。第1磁極がN極であり、第2磁極がS極であるものとする。まず、ロボット100が、高速走行エリアHから低速走行エリアLへ移動する場合について説明する。矢印は、ロボット100の移動方向を示している。
【0038】
まず、ロボット100が、磁性部材210および磁性部材220の上を通過する。磁気センサ130はN極を検出し、S極を検出する。次に、制御部150の認識部151は、高速走行エリアHから低速走行エリアLへの移動を認識する。ロボット100の走行制御部152は、認識部151の認識に応じて、低速走行を開始してもよい。
【0039】
上述の通り、磁性部材210および磁性部材220は、磁気センサ130によって検出され、磁気センサ120によって検出されないように配置される。したがって、ロボット100が磁性部材210の上を通過したとき、安全装置140は作動しない。
【0040】
次に、ロボット100が、低速走行エリアLから高速走行エリアHへ移動する場合について説明する。まず、ロボット100が磁性部材210および220の上を通過する。磁気センサ120は、S極を検出し、N極を検出する。次に、制御部150の認識部151は、低速走行エリアLから高速走行エリアHへの移動を認識する。
【0041】
実施形態1によると、安全装置の誤作動を防ぎつつ、走行エリアを認識できる。
【0042】
なお、実施形態1では、低速走行エリアLや高速走行エリアHの全面に磁性部材を配置する必要はない。
図5は、関連技術にかかるエリア認識システム2000を示す概略図であり、発明者の検討内容を示している。エリア認識システム2000は、ロボット500を備えている。
【0043】
エリア認識システム2000の高速走行エリアHの全面に、例えば、S極を有する磁性部材(例えば、磁気テープ)が配置されている。ロボット500は、S極を検出しているとき、高速走行エリアHを走行していると認識し、S極を検出していないとき、低速走行エリアLを走行していると認識する。ロボット500は、例えば、N極を有する磁性部材(不図示)を検出することにより安全装置を動作させる。
【0044】
エリア認識システム2000では、N極を用いてエリア認識を行わないため、安全装置の誤作動を防ぎつつエリアを認識できる。しかし、エリア認識システム2000では、低速走行エリアLか高速走行エリアHの全面に磁性部材を配置する必要があるという問題がある。実施形態1にかかるエリア認識システム1000では、低速走行エリアLや高速走行エリアの全面に磁性部材を配置する必要はなく、関連技術と比較してコストが低いという利点を有している。
【0045】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1000 エリア認識システム
100 ロボット
110 移動部
111 車輪
112 モータ
120、120a、120b、120c、120d 磁気センサ
130 磁気センサ
140 安全装置
150 制御部
151 認識部
152 走行制御部
200 1以上の磁性部材
210 磁性部材
220 磁性部材
2000 エリア認識システム
500 ロボット
H 高速走行エリア
L 低速走行エリア
LC ロジスティックセンター
A 地下通路
R レジデンス
E エレベータ