(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20241224BHJP
【FI】
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2022098764
(22)【出願日】2022-06-20
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】太田 順也
(72)【発明者】
【氏名】森光 孝敏
(72)【発明者】
【氏名】小池 宇織
(72)【発明者】
【氏名】岩本 国大
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-060102(JP,A)
【文献】特開2021-011341(JP,A)
【文献】特開2016-209943(JP,A)
【文献】特開2004-059250(JP,A)
【文献】中国実用新案第213110968(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの収納容器に
同梱されていた物品
毎の消費量を示す情報である消費情報を取得する情報取得部と、
前記消費情報
から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさが所定の第1閾値以上である場合、ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充する
ことを決定し、
前記ばらつきの大きさが前記第1閾値未満であり、かつ、前記消費情報から特定される前記物品毎の消費量の合計が所定の第2閾値を超える場合、前記ピッキングロボットを用いずに前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換する
ことを決定
し、前記ばらつきの大きさが前記第1閾値未満であり、かつ、前記消費情報から特定される前記物品毎の消費量の合計が前記第2閾値を超えない場合、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定する補充決定部と
を有する管理装置。
【請求項2】
収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得する情報取得部と、
前記物品の特徴に基づいて算出されるピッキングロボットが前記物品を一つピックアップするための第1作業コストと、前記消費情報から特定される消費された前記物品の数との積である第2作業コストが、所定の第3閾値未満である場合、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定し、前記第2作業コストが前記第3閾値以上である場合、前記ピッキングロボットを用いずに前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換することを決定する補充決定部と
を有する管理装置。
【請求項3】
前記物品の特徴は、少なくとも前記物品の重量
を含む
請求項
2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記物品の特徴は、少なくとも前記物品の素材
を含む
請求項
2に記載の管理装置。
【請求項5】
前記物品の特徴は、少なくとも前記物品の形状
を含む
請求項
2に記載の管理装置。
【請求項6】
管理装置が、
一つの収納容器に同梱されていた物品毎の消費量を示す情報である消費情報を取得し、
前記消費情報から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさが所定の第1閾値以上である場合、ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定し、前記ばらつきの大きさが前記第1閾値未満であり、かつ、前記消費情報から特定される前記物品毎の消費量の合計が所定の第2閾値を超える場合、前記ピッキングロボットを用いずに前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換することを決定し、前記ばらつきの大きさが前記第1閾値未満であり、かつ、前記消費情報から特定される前記物品毎の消費量の合計が前記第2閾値を超えない場合、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定する
管理方法。
【請求項7】
一つの収納容器に同梱されていた物品毎の消費量を示す情報である消費情報を取得する情報取得ステップと、
前記消費情報から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさが所定の第1閾値以上である場合、ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定し、前記ばらつきの大きさが前記第1閾値未満であり、かつ、前記消費情報から特定される前記物品毎の消費量の合計が所定の第2閾値を超える場合、前記ピッキングロボットを用いずに前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換することを決定し、前記ばらつきの大きさが前記第1閾値未満であり、かつ、前記消費情報から特定される前記物品毎の消費量の合計が前記第2閾値を超えない場合、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定する補充決定ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
管理装置が、
収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得し、
前記物品の特徴に基づいて算出されるピッキングロボットが前記物品を一つピックアップするための第1作業コストと、前記消費情報から特定される消費された前記物品の数との積である第2作業コストが、所定の第3閾値未満である場合、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定し、前記第2作業コストが前記第3閾値以上である場合、前記ピッキングロボットを用いずに前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換することを決定する
管理方法。
【請求項9】
収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得する情報取得ステップと、
前記物品の特徴に基づいて算出されるピッキングロボットが前記物品を一つピックアップするための第1作業コストと、前記消費情報から特定される消費された前記物品の数との積である第2作業コストが、所定の第3閾値未満である場合、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充することを決定し、前記第2作業コストが前記第3閾値以上である場合、前記ピッキングロボットを用いずに前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換することを決定する補充決定ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は管理装置、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流の自動化のための技術の開発が進められている。例えば、特許文献1は、倉庫において、ロボットが所定の格納先に商品を運搬することにより、出荷の作業や補充の作業を効率的に実現することについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らは、収納容器に収納された物品が消費された場合に物品の補充をロボットを用いて行なう技術として、ロボットで一つずつ補充すべき物品をピックアップし、当該収納容器に入れることを検討した。しかしながら、ロボットで一つずつ物品を補充する補充方法だけでは、効率的な補充を実現できない場合があり、効率的な補充を実現するための技術の提供が求められていた。
【0005】
本開示は、上記した事情を背景としてなされたものであり、非効率な補充が行われることを抑制することができる管理装置、管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本開示の一態様は、収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得する情報取得部と、前記消費情報に基づいて、ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充するか、前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換するかを決定する補充決定部とを有する管理装置である。
この管理装置によれば、物品の消費の状態に応じて、柔軟に補充方法が切り替えられる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【0007】
上記の一態様において、前記補充決定部は、前記消費情報から特定される消費量の大きさに基づいて、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充するか、前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換するかを決定してもよい。
このような構成によれば、物品が多数残存している収納容器が交換されてしまうことを避けることができる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【0008】
上記の一態様において、前記補充決定部は、前記消費情報から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさに基づいて、前記ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充するか、前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換するかを決定してもよい。
このような構成によれば、一部の物品が多数残存している収納容器が交換されてしまうことを避けることができる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【0009】
上記の一態様において、前記補充決定部は、前記ピッキングロボットによる補充のための、前記物品の特徴と前記消費情報から算出される前記ピッキングロボットの作業コストに基づいて、前記決定を行ってもよい。
このような構成によれば、ピッキングロボットの作業コストに応じて補充方法が切り替えられる。このため、ピッキングロボットの作業コストの観点から非効率である補充が行われることを抑制することができる。
【0010】
上記の一態様において、前記補充決定部は、少なくとも前記物品の重量に応じた前記作業コストに基づいて、前記決定を行なってもよい。
これにより、重量に起因するピッキングロボットの作業コストを考慮して、補充方法を決定することができる。
【0011】
上記の一態様において、前記補充決定部は、少なくとも前記物品の素材に応じた前記作業コストに基づいて、前記決定を行ってもよい。
これにより、素材に起因するピッキングロボットの作業コストを考慮して、補充方法を決定することができる。
【0012】
上記の一態様において、前記補充決定部は、少なくとも前記物品の形状に応じた前記作業コストに基づいて、前記決定を行ってもよい。
これにより、形状に起因するピッキングロボットの作業コストを考慮して、補充方法を決定することができる。
【0013】
上記目的を達成するための本開示の他の一態様は、管理装置が、収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得し、前記消費情報に基づいて、ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充するか、前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換するかを決定する管理方法である。
このような管理方法によれば、物品の消費の状態に応じて、柔軟に補充方法が切り替えられる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【0014】
上記目的を達成するための本開示の他の一態様は、収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得する情報取得ステップと、前記消費情報に基づいて、ピッキングロボットを用いて前記物品を前記物品が消費された前記収納容器に個別に補充するか、前記物品が消費された前記収納容器を前記物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換するかを決定する補充決定ステップとをコンピュータに実行させるプログラムである。
このプログラムによれば、物品の消費の状態に応じて、柔軟に補充方法が切り替えられる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、非効率な補充が行われることを抑制することができる管理装置、管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態の概要にかかる管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態の概要にかかる管理装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態1にかかる物品管理システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図4】収納箱を収容する棚の構成の一例を示す模式正面図である。
【
図5】ピッキングロボットの構成の一例を示す模式側面図である。
【
図6】搬送ロボットの構成の一例を示す模式側面図である。
【
図7】実施の形態1にかかる管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施の形態にかかる管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施の形態1にかかる管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態2にかかる管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】ばらつきの大きさの算出について説明するための表である。
【
図12】実施の形態2にかかる管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態3にかかる管理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図14】物品を一つピックアップするための作業コストの特定についての具体例を示す表である。
【
図15】作業コストの算出の具体例を示す表である。
【
図16】作業コストの算出の具体例を示す表である。
【
図17】実施の形態3にかかる管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態の概要>
実施形態の詳細な説明に先立って、実施形態の概要を説明する。
図1は、実施の形態の概要にかかる管理装置1の構成の一例を示すブロック図である。管理装置1は、収納容器に収納された物品が消費された場合に、消費された物品の補充のための制御処理を行なう装置である。例えば、物品は消耗物品であり、ユーザなどが収納容器から物品を取り出すことにより消費される。
図1に示すように、管理装置1は、情報取得部2と、補充決定部3とを有する。
【0018】
情報取得部2は、収納容器に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得する。情報取得部2は、1つの収納容器に異なる物品が収納されていた場合、消費情報として、物品毎の消費量を示す情報を取得してもよい。
【0019】
補充決定部3は、情報取得部2が取得した消費情報に基づいて、第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。ここで、第1の補充方法とは、ピッキングロボットを用いて、物品を、当該物品が消費された収納容器に個別に補充する方法である。すなわち、第1の補充方法は、初期状態よりも物品の量が減っている収納容器に、ピッキングロボットが物品を追加することにより補充を行なう方法である。物品の追加は、物品が所定の数(初期状態における数)になるまで繰り返される。なお、第1の補充方法において、収納容器の運搬のために他のロボット(例えば、後述する搬送ロボット300)がさらに用いられてもよい。また、第2の補充方法とは、物品が消費された収納容器を、当該物品が所定の数だけ収納された収納容器と交換する方法である。すなわち、第2の補充方法は、初期状態よりも物品の量が減っている第1の収納容器を、物品が所定の数(初期状態における数)だけ収納された新たな第2の収納容器と交換することにより補充を行なう方法である。すなわち、この方法では、ピッキングロボットは用いられない。なお、第2の補充方法において、収納容器の運搬のために他のロボット(例えば、後述する搬送ロボット300)が用いられてもよい。
【0020】
図2は、実施の形態の概要にかかる管理装置1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。以下、
図2に沿って、管理装置1の動作の流れの一例について説明する。
【0021】
まず、ステップS11において、情報取得部2が、1つの収納容器についての消費情報を取得する。
次に、ステップS12において、補充決定部3が、ステップS11で取得した消費情報に基づいて、第1の補充方法と第2の補充方法のうちいずれを行なうかを決定する。
【0022】
以上、実施の形態の概要にかかる管理装置1について説明した。例えば、物品の消費量が多い場合に、ピッキングロボットを用いて補充を行うと、補充に要する時間が長くなり補充作業の効率が低下する。それに対し、物品の消費量が少ない場合に、収納容器を交換してしまうと、物品が多数残存している収納容器が回収されてしまうこととなり、補充作業の効率が低下する。また、例えば、異なる様々な物品が収納される収納容器において、物品毎の消費量にばらつきがある場合に、収納容器を交換してしまうと、一部の物品が多数残存している収納容器が回収されてしまうこととなり、補充作業の効率が低下する。また、ピッキングロボットを用いて補充する場合、ピックアップする作業コストが大きい物品の補充量が多いほど、作業効率は低下することとなる。これに対し、管理装置1によれば、物品の消費の状態に応じて、柔軟に補充方法が切り替えられる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【0023】
次に、実施の形態の詳細について説明する。
<実施の形態1>
まず、実施の形態1について説明する。
図3は、実施の形態1にかかる物品管理システム10の構成の一例を示す模式図である。物品管理システム10は、収納容器に収納された物品が消費された場合に、消費された物品を補充するための処理を行なうシステムである。なお、本実施の形態では、一例として、収納容器は後述する収納箱であるが、収納容器は物品を収容できればよく、これに限られない。
【0024】
図3に示すように、物品管理システム10は、管理装置100と、ピッキングロボット200と、搬送ロボット300とを有する。管理装置100は、ピッキングロボット200及び搬送ロボット300とそれぞれ通信可能に無線接続又は有線接続されている。なお、必要により、ピッキングロボット200と搬送ロボット300間も通信可能に無線接続又は有線接続されていてもよい。
【0025】
管理装置100は、
図1の管理装置1に対応しており、収納箱に収納された物品の補充のための制御処理を行なう装置である。管理装置100の詳細については、後述する。収納箱には、ユーザが使用する物品が収納されている。収納箱に収納される物品は、例えば食料品や日用品等の消耗物品である。ユーザは、収納箱に保管された物品を取り出して使用する。これにより、収納箱内に保管された物品の数が減ることとなる。本実施の形態では、収納箱は、例えば、ユーザの居住空間などに置かれた棚に収容されているが、収納箱は必ずしも棚に収容されていなくてもよい。
【0026】
図4は、収納箱を収容する棚50の構成の一例を示す模式正面図である。棚50は、収納箱を収容する棚であり、例えば、家屋の居住空間内に設置される。なお、本明細書においては、家屋は、集合住宅やオフィスビル等を含み、居住空間は、オフィス空間を含む。
図4に示すように、棚50は、消耗物品を収納するための収納箱60a~60cを備えている。収納箱60a~60cは、互いにサイズが異なっている。以下、収納箱60a~60cについて特に区別することなく言及する場合、収納箱60と称すこととする。
【0027】
図4に示すように、棚50は、筐体51、仕切板52、レール53、及びロック機構54を備えている。
【0028】
なお、
図4に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正向きが鉛直上向き、xy平面が水平面である。また、
図4は正面図であるが、理解を容易にするため、収納箱60をハッチングして示している。さらに、
図4に示した棚50の構成は、あくまでも一例であって、収納箱を収容可能な他の構成を有する棚が用いられてもよい。
【0029】
筐体51は、棚50の外枠を構成する。
図4に示した例では、筐体51は、z軸正方向側に設けられた天板、z軸負方向側に設けられた底板、y軸正方向側及びy軸負方向側に設けられた側面板が一体に形成された枠体構造を有している。すなわち、筐体51の前面及び背面は、収納箱60を出し入れ可能なように開放されている。
なお、開放されている筐体51の前面及び背面に、開閉可能な扉が設けられていてもよい。また、筐体51の前面又は背面は、閉じられていてもよい。
【0030】
図4に示すように、仕切板52は、筐体51を構成する側面板に平行に(すなわちxz平面に平行に)、かつ、開放された筐体51の前面から背面に至るように、設けられている。
ここで、筐体51の側面板と隣接する仕切板52との間隔、並びに仕切板52同士の間隔が等しくなるように仕切板52が設けられている。
なお、
図4の例では、2枚の仕切板52が設けられ、収納箱60の収容場所が3列設けられているが、仕切板52の枚数は何ら限定されない。また、仕切板52が設けられず、収納箱60の収容場所が1列でもよい。
【0031】
図4に示すように、複数対のレール53は、筐体51の内面及び仕切板52において、奥行き方向(x軸方向)に延設されると共に、高さ方向(z軸方向)に等間隔に並設されている。ここで、レール53は、筐体51の内面及び仕切板52から略垂直に立ち上がるように設けられている。
図4の例では、1列ごとに4対のレール53が設けられており、最小サイズの収納箱60aを1列ごとに4つ収納できる。
【0032】
なお、当然のことながら、レール53の本数は何ら限定されない。また、レール53は、収納箱60を支持できればよいため、奥行き方向(x軸方向)に不連続に延設されていてもよい。あるいは、レール53に代えて、短尺の支持体が、奥行き方向(x軸方向)に整列するように配置されていてもよい。
【0033】
収納箱60の両サイドには、つば61が設けられており、つば61が隣接して対向する一対のレール53に下から支持されることにより、棚50において収納箱60が支持される。なお、つば61は、収納箱60から幅方向外側に突出した突出部である。つば61は、収納箱60の両サイドに正面から背面にわたって設けられている。一対のレール53上を、つば61が摺動することによって、収納箱60を出し入れできる。
このように、棚50は、予め規定された複数サイズの収納箱60の全てを、各対のレール53に沿ってスライド可能に支持しつつ収容できる。
【0034】
各対のレール53の上側には、ロック機構54が設けられている。ロック機構54によって、棚50に収容された収納箱60及びその蓋(不図示)を筐体51にロックし、収納箱60及びその内部に収納された消耗物品の盗難を防止できる。なお、棚50は、必ずしもロック機構54を備えていなくてもよい。また、収納箱60は必ずしも蓋を備えていなくてもよい。
【0035】
本実施形態では、予め規定された複数サイズの収納箱60a~60cは、いずれもy軸方向の幅及びx軸方向の奥行きが共通である。他方、収納箱60a~60cは、z軸方向の高さが異なる。最小サイズの収納箱60aの高さは、z軸方向において隣接するレール53同士の間隔に合わせて設計されている。当然のことながら、最小サイズの収納箱60aの高さは、当該レール53同士の間隔よりも小さい。中間サイズの収納箱60bの高さは、収納箱60aの高さの約2倍になるように設計されている。また、最大サイズの収納箱60cの高さは、収納箱60aの高さの約3倍になるように設計されている。
【0036】
すなわち、予め規定された複数サイズの収納箱60a~60cの高さは、z軸方向において隣接するレール53同士の間隔の約整数倍になるように設計されている。
なお、
図4に示した例では、収納箱のサイズが、3種類であるが、1種類あるいは2種類あるいは4種類以上でもよい。
図4の例では、収納箱60a~60cの他に、例えば収納箱60aの高さの約4倍の高さを有する収納箱を別途設けてもよい。
【0037】
収納箱60の内部には、例えば食料品や日用品等の消耗物品が収納されている。収納箱60の内部に収納された消耗物品は、所定のタイミングで第1の補充方法又は第2の補充方法により補充される。
【0038】
次に、ピッキングロボット200について説明する。ピッキングロボット200は、管理装置100の指示に基づいて、物品をピックアップして収納箱60に補充するロボットである。
【0039】
図5は、ピッキングロボット200の構成の一例を示す模式側面図である。
ピッキングロボット200は、ベース部201、リンク付根部202、第1リンク203、第2リンク204、エンドエフェクタ205を備えたマニピュレータである。ピッキングロボット200は、エンドエフェクタ205によって物品90をピックアップし、収納箱60に物品90を入れる。
図5は、物品90を配送するための収納箱70から収納箱60に物品90を入れる様子を示している。なお、物品を配送するための収納箱70として、収納箱60が用いられてもよい。なお、収納箱70には、物流センターなどにおいて、物品90が予め入れられている。
【0040】
なお、エンドエフェクタ205によって物品をピックアップ可能であれば、エンドエフェクタ205の構成は限定されない。例えば、エンドエフェクタ205は物品を把持することにより当該物品をピックアップしてもよいし、物品を吸着することにより当該物品をピックアップしてもよい。また、
図5に示した例では、リンク機構が第1リンク203及び第2リンク204の2つのリンクから構成されているが、リンク機構が3つ以上のリンクから構成されてもよい。
【0041】
ベース部201は、任意の場所に固定されている。例えば、ベース部201は、棚50の筐体51を構成する天板に固定されていてもよいし、家屋の居住空間内における壁や床面に固定されていてもよい。
リンク付根部202は、回転軸202a回りに回転可能に、回転軸202aを介してベース部201に連結されている。リンク付根部202の回転軸202aは、ベース部201が固定される面に垂直な軸である。リンク付根部202は、図示しないモータなどによって回転駆動される。
【0042】
第1リンク203は、第1リンク203の後端に設けられた第1関節部203aを介して、回動可能にリンク付根部202に連結されている。また、第2リンク204は、第2リンク204の後端に設けられた第2関節部204aを介して、回動可能に第1リンク203の先端に連結されている。第2リンク204の先端には、エンドエフェクタ205が連結されている。
【0043】
ここで、第1関節部203a、第2関節部204aの回転軸は、ベース部201が固定される面に平行な軸である。
図5に示した例では、第1リンク203及び第2リンク204が回動することによって、エンドエフェクタ205の高さを変化させることができる。第1リンク203及び第2リンク204は、それぞれ図示しないモータなどによって回転駆動される。
このような構成によって、ピッキングロボット200によって物品90を収納箱60に補充することができる。
【0044】
なお、図示されていないが、ピッキングロボット200は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、各種制御プログラムやデータ等が格納されたメモリと、を備えている。すなわち、ピッキングロボット200は、コンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて各種制御処理を実行する。
【0045】
次に、搬送ロボット300について説明する。搬送ロボット300は、管理装置100の指示に基づいて、収納箱60、70を搬送するロボットである。
本実施の形態では、搬送ロボット300は、ピッキングロボット200による物品の補充のために、次のような搬送を行なう。搬送ロボット300は、棚50に収容された収納箱60をピッキングロボット200の作業エリアに搬送する。また、搬送ロボット300は、物流センターなどの所定の場所から、予め物品が入れられた収納箱70をピッキングロボット200の作業エリアへと搬送する。そして、搬送ロボット300は、ピッキングロボット200による物品の補充作業が完了すると、物品が補充された収納箱60を棚50の所定の収容位置に搬送する。また、物品が取り除かれた収納箱70を物流センターなどの所定の場所へと搬送する。
また、本実施の形態では、搬送ロボット300は、物品が消費された収納箱60を物品が所定の数だけ収納された収納箱60と交換することによる補充のために、次のような搬送を行なう。搬送ロボット300は、物流センターなどの所定の場所から、物品が所定の数だけ収納された収納箱60を棚50の所定の収容位置へと搬送する。また、搬送ロボット300は、棚50に収容された、交換対象の収納箱60を物流センターなどの所定の場所に搬送する。
【0046】
なお、複数の搬送ロボット300により、収納箱を中継することにより、収納箱の搬送が行なわれてもよい。例えば、物流センターと居住空間付近との間の搬送を担当する搬送ロボット300と、居住空間内を搬送する搬送ロボット300とを用いて搬送が実現されてもよい。
【0047】
このように、本実施の形態では、収納箱を搬送する搬送ロボット300を用いつつ、ピッキングロボットによる補充又は収納箱の交換による補充が行われるが、必ずしも搬送ロボット300が用いられなくてもよい。すなわち、収納箱の搬送が人(作業者)により行なわれてもよい。
【0048】
図6は、搬送ロボット300の構成の一例を示す模式側面図である。
図6に示した搬送ロボット300は、棚50から収納箱60を出し入れするとともに、収納箱60を搬送する自律走行車両である。なお、搬送ロボット300は、収納箱70に対して、同様の作業を行なってもよい。
図6に示すように、搬送ロボット300は、車輪301、302、本体部303、天板304、支柱305を備えている。
【0049】
2対の車輪301、302は本体部303の下側に回転可能に固定されており、モータ等の駆動源(不図示)によって駆動される。
図6に示すように、伸縮可能な支柱305を介して、天板304が本体部303に連結されている。天板304は、支柱305の上端に連結されており、搬送ロボット300は、天板304に収納箱60を載置して、収納箱60を搬送する。
【0050】
支柱305は、例えばテレスコピック型の伸縮機構を有しており、モータ等の駆動源(不図示)によって伸縮される。
図6において白抜き矢印で示すように、支柱305の長さを変更することによって、天板304の高さを変更できる。そのため、棚50のあらゆる収容場所において収納箱60を出し入れできる。
【0051】
ここで、搬送ロボット300は、例えばマニピュレータ(不図示)を備えており、当該マニピュレータによって棚50から天板304上に収納箱60を移動させる。そして、当該マニピュレータによって、天板304上の収納箱60を棚50に移動させる。
【0052】
なお、図示されていないが、搬送ロボット300も、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、各種制御プログラムやデータ等が格納されたメモリと、を備えている。すなわち、搬送ロボット300も、コンピュータとしての機能を有しており、上記各種制御プログラム等に基づいて各種制御処理を実行する。
【0053】
次に、管理装置100の詳細について説明する。
図7は、管理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、管理装置100は、情報取得部101と、補充決定部102と、指示部103とを有する。
【0054】
情報取得部101は、
図1の情報取得部2に対応している。情報取得部101は、収納箱60に収納されていた物品の消費量を示す情報である消費情報を取得する。例えば、情報取得部101は、棚50に収容されている収納箱60のうち、選択された収納箱についての消費情報を取得する。なお、この選択は、所定の選択ルールにしたがって選択されればよく、例えば、棚50に収容されている収納箱60が順番に選択される。情報取得部101は、1つの収納箱60に異なる物品が収納されていた場合、消費情報として、物品毎の消費量を示す情報を取得する。消費情報は、例えば定期的に更新され、情報取得部101は定期的に消費情報を取得する。
【0055】
情報取得部101は、任意の方法により消費情報を取得すればよい。例えば、情報取得部101は、消費情報を他の任意の装置から受信することにより取得してもよいし、管理装置100のメモリなどの記憶装置から読み出すことにより取得してもよい。なお、消費情報は、任意の方法により予め生成されている。例えば、消費情報は、収納箱60内をカメラにより撮影した画像に対して画像認識処理を行なって、残存する物品を認識することにより生成されてもよい。この場合、管理装置100が、収納箱60内をカメラにより撮影した画像を受信して、消費情報を生成してもよい。すなわち、管理装置100が、受信した画像を解析して消費情報を生成する消費情報生成部を有してもよい。なお、消費情報の生成方法は、上述した方法に限られない。例えば、キーボード又はポインティングデバイスといった入力装置を介してユーザが入力した、消費した物品の数に基づいて、消費情報が生成されてもよい。この場合も、消費情報の生成が管理装置100により行なわれてもよい。
【0056】
補充決定部102は、
図1の補充決定部3に対応している。補充決定部102は、情報取得部101が取得した消費情報に基づいて、ピッキングロボット200を用いて物品を収納箱60に個別に補充するか、物品が消費された収納箱60を物品が所定の数だけ収納された収納箱60と交換するかを決定する。すなわち、補充決定部102は、情報取得部101が取得した消費情報に基づいて、上述した第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。
【0057】
本実施の形態では、補充決定部102は、消費情報から特定される消費量の大きさに基づいて、第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。具体的には、補充決定部102は、消費情報から特定される消費量が所定の閾値未満である場合、第1の補充方法により物品を補充することを決定する。すなわち、この場合、補充決定部102は、ピッキングロボット200を用いて、物品が消費された収納箱60(すなわち、物品の消費量が特定された収納箱60)に当該物品を個別に補充することを決定する。これに対し、補充決定部102は、消費情報から特定される消費量が所定の閾値以上である場合、第2の補充方法により物品を補充することを決定する。すなわち、この場合、補充決定部102は、物品が消費された収納箱60を、物品が所定の数だけ収納された収納箱60と交換することにより、物品の補充を実現することを決定する。
【0058】
なお、異なる物品が一つの収納箱60に同梱されていた場合、所定の閾値と比較される消費量は、例えば、収納箱60に同梱されている物品毎の消費量の合計である。ただし、異なる物品が一つの収納箱60に同梱されていた場合、所定の閾値と比較される消費量は、注目するいずれかの物品の消費量であってもよい。この場合、当該消費量が所定の閾値未満である場合、注目する物品のみならず、他の物品についても、ピッキングロボット200を用いて補充されることとなる。
【0059】
指示部103は、補充決定部102が決定した補充方法にしたがった物品の補充を実現するための指示を出力する。すなわち、指示部103は、第1の補充方法により補充することが決定された場合、物品を個別に補充するための指示を出力する。具体的には、この場合、例えば、指示部103は、予め物品が入れられた収納箱70から物品が消費された収納箱60へと、消費された物品を移し入れることを命令する指示をピッキングロボット200に通知する。なお、ピッキングロボット200への指示に先だって、指示部103は、物品が消費された収納箱60をピッキングロボット200の作業エリアへと搬送することを命令する指示を搬送ロボット300に通知してもよい。同様に、指示部103は、物流センターなどの所定の場所において予め物品が入れられた収納箱70をピッキングロボット200の作業エリアへと搬送することを命令する指示を搬送ロボット300に通知してもよい。なお、指示部103は、ピッキングロボット200の作業が完了した後、収納箱70を物流センターなどの所定の場所へと搬送することを命令する指示を搬送ロボット300に通知してもよいし、補充が済んだ収納箱60を棚50へと搬送することを命令する指示を搬送ロボット300に通知してもよい。
【0060】
また、指示部103は、第2の補充方法により補充することが決定された場合、収納箱60を交換するための指示を出力する。具体的には、この場合、例えば、指示部103は、物流センターなどの所定の場所において予め物品が入れられた収納箱60を棚50へと搬送することを命令する指示を搬送ロボット300に通知する。また、指示部103は、物品が消費された収納箱60を棚50から物流センターなどの所定の場所へと搬送することを命令する指示を搬送ロボット300に通知する。
【0061】
図8は、管理装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、管理装置100は、ネットワークインタフェース151、メモリ152、及びプロセッサ153を含む。
【0062】
ネットワークインタフェース151は、ピッキングロボット200及び搬送ロボット300などの任意の装置と通信するために使用される。ネットワークインタフェース151は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0063】
メモリ152は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ152は、プロセッサ153により実行されるプログラム、及び管理装置100の各種処理に用いるデータなどを格納するために使用される。
【0064】
プロセッサ153は、メモリ152からプログラムを読み出して実行することで、
図7に示した各構成要素の処理を行う。プロセッサ153は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などであってもよい。プロセッサ153は、複数のプロセッサを含んでもよい。
このように、管理装置100は、コンピュータとしての機能を備えている。
【0065】
プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明される1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0066】
次に、管理装置100の動作の流れについて説明する。
図9は、管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図9に沿って、管理装置100の動作の流れを説明する。
【0067】
ステップS100において、情報取得部101が、棚50に収容されている収納箱60についての消費情報を取得する。
【0068】
次に、ステップS101において、補充決定部102は、ステップS100で取得した消費情報から特定される消費量と所定の閾値とを比較する。消費情報から特定される消費量が所定の閾値未満である場合(ステップS101でNO)、補充決定部102は、第1の補充方法により物品を補充することを決定する。この場合、処理はステップS102へ移行する。これに対し、消費情報から特定される消費量が所定の閾値以上である場合(ステップS101でYES)、補充決定部102は、第2の補充方法により物品を補充することを決定する。この場合、処理はステップS103へ移行する。
【0069】
ステップS102において、指示部103は、物品を個別に補充するための指示を出力する。
これに対し、ステップS103では、指示部103は、収納箱60を交換するための指示を出力する。
【0070】
以上、実施の形態1について説明した。本実施の形態では、消費情報から特定される消費量の大きさに基づいて、補充方法が決定される。すなわち、消費量に応じて、収納箱自体を交換してしまうか、ピッキングロボット200により個別に物品を補充するかを切り替えることができる。例えば、物品が多数残存しているにもかかわらず、収納箱の交換が行なわれると、多数の物品が収納箱とともに物流センターなどの所定の場所に戻ることになってしまう。これに対して、本実施の形態では、上述の通り、消費量に応じて補充方法が切り替えられるので、物品が多数残存している収納箱が交換されてしまうことを避けることができる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。
【0071】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態は、消費情報に基づく補充方法の決定の仕方が、上述した実施の形態1と異なっている。具体的には、本実施の形態では、消費情報から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさに基づいて補充方法が決定される。以下、実施の形態1と異なる点について説明し、重複する説明は適宜説明する。
【0072】
本実施の形態にかかる物品管理システムは、管理装置100が管理装置100aに置き換わったことを除き、実施の形態1と同様のシステム構成を有している。
図10は、実施の形態2にかかる管理装置100aの機能構成の一例を示すブロック図である。
図10に示すように、管理装置100aは、情報取得部101と、ばらつき算出部104と、補充決定部102aと、指示部103とを有する。すなわち、管理装置100aは、ばらつき算出部104が追加されるとともに、補充決定部102が補充決定部102aに置き換わった点で、実施の形態1の管理装置100と異なっている。
【0073】
ばらつき算出部104は、消費情報から物品毎の消費量のばらつきの大きさを算出する。すなわち、ばらつき算出部104は、一つの収納箱60に同梱されていた物品毎の消費量のばらつきの大きさを算出する。この算出は、物品毎の補充すべき量のばらつきの大きさを算出しているともいえる。本実施の形態では、ばらつき算出部104は、一例として、次のようにして、物品毎の消費量のばらつきの大きさを算出する。
図11は、ばらつきの大きさの算出について説明するための表である。なお、
図11では、補充方法の決定対象である一つの収納箱60に予め物品AからDの4種類の物品が収納されている例を示している。ばらつき算出部104は、情報取得部101が取得した消費情報に基づいて、まず、物品毎の残存比を特定する。残存比は、初期状態の物品の数に対する、現在の当該物品の数の比として表されている。すなわち、残存比は、補充方法の決定対象の収納箱に予め収容されていた物品の数に対する、当該収納箱に現在残存している物品の数の比として表されている。次に、ばらつき算出部104は、物品毎の残存比の標準偏差を、物品毎の消費量のばらつきの大きさとして算出する。なお、ばらつき算出部104は、残存比から算出される指標値を用いて、標準偏差を算出してもよい。例えば、ばらつき算出部104は、以下の数式を用いて、残存比から指標値を算出してもよい。ここで、R
1は残存比(少数で表された残存比)であり、R
2は指標値である。
R
2=(1-R
1)×10
このように、本実施の形態では、ばらつき算出部104は、具体的には、残存比のばらつきを算出する。なお、上述した、ばらつきの算出方法は、一例に過ぎず、ばらつき算出部104は、他の方法により、ばらつきの大きさを算出してもよい。また、例えば、各物品の指標値R
2に、物品に応じた重み付けを行なった上で、標準偏差が算出されてもよい。また、この重み付けの値はユーザにより指定されてもよい。
【0074】
補充決定部102aは、
図1の補充決定部3に対応している。補充決定部102aも、情報取得部101が取得した消費情報に基づいて、上述した第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。ただし、補充決定部102aは、消費情報から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさに基づいて、第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。具体的には、補充決定部102aは、ばらつき算出部104が算出したばらつきの大きさが所定の閾値以上である場合、第1の補充方法により物品を補充することを決定する。すなわち、この場合、補充決定部102aは、ピッキングロボット200を用いて、物品が消費された収納箱60(すなわち、物品の消費量が特定された収納箱60)に当該物品を個別に補充することを決定する。これに対し、補充決定部102aは、ばらつき算出部104が算出したばらつきの大きさが所定の閾値未満である場合、第2の補充方法により物品を補充することを決定する。すなわち、この場合、補充決定部102aは、物品が消費された収納箱60を、物品が所定の数だけ収納された収納箱60と交換することにより、物品の補充を実現することを決定する。
【0075】
次に、管理装置100aの動作の流れについて説明する。
図12は、管理装置100aの動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図12に沿って、管理装置100aの動作の流れを説明する。
【0076】
ステップS200において、情報取得部101が、棚50に収容されている収納箱60についての消費情報を取得する。
次に、ステップS201において、ばらつき算出部104が、ステップS200で取得された消費情報から物品毎の消費量のばらつきを算出する。
【0077】
次に、ステップS202において、補充決定部102aは、ステップS201で算出されたばらつきの大きさと所定の閾値とを比較する。ばらつきの大きさが所定の閾値以上である場合(ステップS202でYES)、補充決定部102aは、第1の補充方法により物品を補充することを決定する。この場合、処理はステップS203へ移行する。これに対し、ばらつきの大きさが所定の閾値未満である場合(ステップS202でNO)、補充決定部102aは、第2の補充方法により物品を補充することを決定する。この場合、処理はステップS204へ移行する。
【0078】
ステップS203において、指示部103は、物品を個別に補充するための指示を出力する。
これに対し、ステップS204では、指示部103は、収納箱60を交換するための指示を出力する。
【0079】
以上、実施の形態2について説明した。本実施の形態では、消費情報から特定される物品毎の消費量のばらつきの大きさに基づいて、補充方法が決定される。すなわち、ばらつきの大きさに応じて、収納箱自体を交換してしまうか、ピッキングロボット200により個別に物品を補充するかを切り替えることができる。したがって、本実施の形態によれば、一部の物品が多数残存している収納容器が交換されてしまうことを避けることができる。このため、非効率な補充が行われることを抑制することができる。なお、補充決定部102aは、消費量のばらつきの大きさと、消費量の大きさとに基づいて、補充方法を決定してもよい。すなわち、本実施の形態の補充方法の決定の仕方は、実施の形態1の補充方法の決定の仕方と組み合わされてもよい。例えば、補充決定部102aは、物品毎の消費量のばらつきの大きさが所定の閾値(第1の閾値)未満である場合、必ずしも第2の補充方法(すなわち、収納箱の交換)により物品を補充することを決定するのではなく、第2の補充方法による補充を採用するかを、さらに消費量の大きさに応じて決定してもよい。すなわち、そのような場合、補充決定部102aは、消費量の大きさが所定の閾値(第2の閾値)を超える場合に限って、第2の補充方法(すなわち、収納箱の交換)により物品を補充することを決定してもよい。このようにすることで、いずれの物品もほとんど消費されていない場合に、収納箱の交換が行なわれることを避けることができる。
【0080】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態も、消費情報に基づく補充方法の決定の仕方が、上述した実施の形態1と異なっている。具体的には、本実施の形態では、後述されるように、物品の特徴と消費情報から算出される作業コストに基づいて補充方法が決定される。以下、実施の形態1と異なる点について説明し、重複する説明は適宜説明する。
【0081】
本実施の形態にかかる物品管理システムは、管理装置100が管理装置100bに置き換わったことを除き、実施の形態1と同様のシステム構成を有している。
図13は、実施の形態3にかかる管理装置100bの機能構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、管理装置100bは、情報取得部101aと、コスト算出部105と、補充決定部102bと、指示部103とを有する。すなわち、管理装置100bは、コスト算出部105が追加されるとともに、情報取得部101が情報取得部101aに置き換わり、補充決定部102が補充決定部102bに置き換わった点で、実施の形態1の管理装置100と異なっている。
【0082】
情報取得部101aは、消費情報だけでなく、物品毎の特徴を示す特徴情報をさらに取得する点で、上述した情報取得部101と異なる。ここで、物品の特徴とは、ピッキングロボット200による物品のピックアップの難易度に関する特徴をいう。特徴情報は、具体的には、ピッキングロボット200による物品のピックアップの難易度に影響を与える所定の属性についての情報(つまり、所定の属性の属性値)であってもよい。なお、属性値は、データであればよく、数値には限定されない。例えば、所定の属性は、物品の重量でもよいし、物品の素材であってもよいし、物品の形状であってもよい。すなわち、特徴情報は、物品の重量を示す情報であってもよいし、物品の素材を示す情報であってもよいし、物品の形状を示す情報であってもよい。特徴情報は、これらのうち一部だけを含んでもよいし、全てを含んでもよい。また、特徴情報は、具体的には、ピッキングロボット200による当該物品のピックアップの難易度自体であってもよい。この場合、特徴情報は、ピッキングロボット200による当該物品のピックアップの難易度、つまり、ピッキングロボット200が当該物品を一つピックアップするための作業コストを示す情報である。なお、作業コスト(難易度)は、物品のピックアップの難易度に影響を与える上述した所定の属性の属性値に基づいて定義される。
【0083】
物品の重量が大きいほど、ピッキングロボット200による当該物品のピックアップの難易度が高くなる。また、物品の素材とピックアップの難易度との関係としては例えば次のような関係がある。滑りやすい素材ほど、ピッキングロボット200による当該物品のピックアップの難易度が高くなる。また、変形しやすい素材ほど、ピッキングロボット200による当該物品のピックアップの難易度が高くなる。また、物品の素材が、細かい凹凸を含む素材や布類等である場合、物品を吸着することによりピックアップを行なうピッキングロボット200によるピックアップの難易度が高い。このような素材は吸着がしづらいためである。また、物品の形状とピックアップの難易度との関係としては例えば次のような関係がある。例えば、転がりやすい形状であるほど、ピッキングロボット200による当該物品のピックアップの難易度が高くなる。そのような形状の場合、ピックアップの際に、エンドエフェクタ205が物品に触れると、物品が移動してしまうためである。ピックアップの難易度に影響を与える属性は、上述した属性に限られない。例えば、特徴情報は、物品の大きさを示す情報など他の情報を含んでもよい。なお、所定の属性の属性値は、物品毎に予め定義されている。
【0084】
情報取得部101aは、物品毎に予め作成された特徴情報を任意の方法により取得すればよい。例えば、情報取得部101aは、特徴情報を他の任意の装置から受信することにより取得してもよいし、管理装置100bのメモリなどの記憶装置から読み出すことにより取得してもよい。
【0085】
コスト算出部105は、物品の特徴と消費情報から、ピッキングロボット200による補充のためのピッキングロボット200の作業コストを算出する。情報取得部101aが特徴情報として、各物品の所定の属性の属性値を示す情報を取得した場合、まず、コスト算出部105は、ピッキングロボット200が物品を一つピックアップするための作業コストを、物品毎に、特徴情報(具体的には、属性値)から特定する。
図14は、物品を一つピックアップするための作業コストの特定についての具体例を示す表である。
図14に示した例では、重量に基づく作業コストC
1と、素材に基づく作業コストC
2と、形状に基づく作業コストC
3の合計値が、物品を一つピックアップするための作業コストに相当している。コスト算出部105は、例えば、属性値と作業コストとを対応付ける予め定義されたルックアップテーブルを用いて、情報取得部101aが取得した属性値から作業コストを特定する。なお、コスト算出部105は、ピッキングロボット200の仕様に応じて、作業コストを特定することが好ましい。これは、ピッキングロボット200の仕様によって、同一の物品であってもピックアップの難易度が変わるからである。このため、例えば、コスト算出部105は、ピッキングロボット200の仕様に応じたルックアップテーブルを参照して、ピックアップの作業コストを特定する。なお、上述した通り、情報取得部101aは、特徴情報として、物品を一つピックアップするための作業コスト自体(C
1からC
3の各値又はC
1からC
3の合計値)を取得してもよい。この場合、上述した処理、すなわち属性値から作業コストを特定する処理は省略される。
【0086】
コスト算出部105は、物品を一つピックアップするための作業コストと、消費情報から特定される、補充すべき物品の数とを用いた演算を行なうことにより、収納箱60に対して第1の補充方法による補充を行なう場合の作業コストを算出する。コスト算出部105は、具体的には、次のようにして第1の補充方法(ピッキングロボット200による補充)を実現するためのピッキングロボット200の作業コストを算出する。コスト算出部105は、物品を一つピックアップするための作業コストと、消費された物品の数(補充すべき物品の数)との積を物品毎に算出し、さらに、物品毎の積の算出結果の総和を算出する。この総和が第1の補充方法(ピッキングロボット200による補充)を実現するためのピッキングロボット200の作業コストを表す。
【0087】
図15及び
図16は、作業コストの算出の具体例を示す表である。
図15及び
図16に示した例では、補充対象の収納箱は、4種類の物品A、物品B、物品C、及び物品Dが収納される収納箱60である。
図14に示した通り、物品Aを一つピックアップするための作業コストは15であり、物品Bを一つピックアップするための作業コストは7であり、物品Cを一つピックアップするための作業コストは2であり、物品Dを一つピックアップするための作業コストは5である。
【0088】
図15に示した例では、この収納箱60について情報取得部101aが取得した消費情報から、物品Cだけが2個消費されていたことが特定されたとする。すなわち、
図15に示した例では、初期状態に比べて、物品Cだけが2個消費されていたとする。したがって、
図15に示した例では、補充すべき物品は物品Cだけであり、補充すべき数は2である。この場合、この収納箱について、第1の補充方法による補充を行なう場合の作業コストは、物品Cを一つピックアップするための作業コスト(すなわち、2)と、補充すべき数(すなわち、2)の積の演算により算出される。この演算により、コスト算出部105は、この収納箱について、第1の補充方法による補充を行なう場合の作業コストとして4を出力する。
【0089】
同様に、
図16に示した例では、この収納箱60について情報取得部101aが取得した消費情報から、物品Aが1個消費され、物品Bが2個消費されていたことが特定されたとする。すなわち、
図16に示した例では、初期状態に比べて、物品Aが1個消費され、物品Bが2個消費されていたとする。したがって、
図16に示した例では、補充すべき物品は物品Aと物品Bであり、補充すべき数は物品Aが1であり、物品Bが2である。この場合、この収納箱について、第1の補充方法による補充を行なう場合の作業コストは、物品Aの補充にかかる作業コストと物品Bの補充にかかる作業コストの和を演算することにより算出される。物品Aの補充にかかる作業コストは、物品Aを一つピックアップするための作業コスト(すなわち、15)と、補充すべき数(すなわち、1)の積の演算により算出される。また、物品Bの補充にかかる作業コストは、物品Bを一つピックアップするための作業コスト(すなわち、7)と、補充すべき数(すなわち、2)の積の演算により算出される。これらの演算により、コスト算出部105は、この収納箱について、第1の補充方法による補充を行なう場合の作業コストとして29を出力する。
【0090】
補充決定部102bは、
図1の補充決定部3に対応している。補充決定部102bも、情報取得部101が取得した消費情報に基づいて、上述した第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。ただし、より詳細には、補充決定部102bは、ピッキングロボット200による補充(第1の補充方法による補充)のための、ピッキングロボット200の作業コストに基づいて、第1の補充方法と第2の補充方法のいずれにより物品を補充するかを決定する。すなわち、補充決定部102bは、コスト算出部105が算出した作業コストに基づいて、補充方法を決定する。具体的には、補充決定部102bは、コスト算出部105が算出した作業コストが所定の閾値未満である場合、第1の補充方法により物品を補充することを決定する。すなわち、この場合、補充決定部102bは、ピッキングロボット200を用いて、物品が消費された収納箱60(すなわち、物品の消費量が特定された収納箱60)に当該物品を個別に補充することを決定する。これに対し、補充決定部102bは、コスト算出部105が算出した作業コストが所定の閾値以上である場合、第2の補充方法により物品を補充することを決定する。すなわち、この場合、補充決定部102bは、物品が消費された収納箱60を、物品が所定の数だけ収納された収納箱60と交換することにより、物品の補充を実現することを決定する。例えば、所定の閾値の値が10である場合、
図15に示した例では、第1の補充方法により補充が行なわれ、
図16に示した例では、第2の補充方法により補充が行なわれることとなる。
【0091】
次に、管理装置100bの動作の流れについて説明する。
図17は、管理装置100bの動作の一例を示すフローチャートである。以下、
図17に沿って、管理装置100bの動作の流れを説明する。
【0092】
ステップS300において、情報取得部101aが、棚50に収容されている収納箱60についての消費情報を取得する。
次に、ステップS301において、情報取得部101aが、収納箱60に収納されている物品の特徴情報を取得する。なお、ステップS300とステップS301の順序が逆であってもよいし、同時に行なわれてもよい。
次に、ステップS302において、コスト算出部105が、ステップS300で取得された消費情報とステップS301で取得された特徴情報を用いて、作業コストを算出する。
【0093】
次に、ステップS303において、補充決定部102bは、ステップS302で算出された作業コストと所定の閾値とを比較する。作業コストが所定の閾値未満である場合(ステップS303でNO)、補充決定部102bは、第1の補充方法により物品を補充することを決定する。この場合、処理はステップS304へ移行する。これに対し、作業コストが所定の閾値以上である場合(ステップS303でYES)、補充決定部102bは、第2の補充方法により物品を補充することを決定する。この場合、処理はステップS305へ移行する。
【0094】
ステップS304において、指示部103は、物品を個別に補充するための指示を出力する。
これに対し、ステップS305では、指示部103は、収納箱60を交換するための指示を出力する。
【0095】
以上、実施の形態3について説明した。本実施の形態では、ピッキングロボット200の作業コストに基づいて、補充方法が決定される。すなわち、作業コストに応じて、収納箱自体を交換してしまうか、ピッキングロボット200により個別に物品を補充するかを切り替えることができる。したがって、本実施の形態によれば、ピッキングロボット200の作業コストに応じて補充方法が切り替えられる。このため、ピッキングロボット200の作業コストの観点から非効率である補充が行われることを抑制することができる。また、上述の通り、補充決定部102bは、物品の重量に応じた作業コストに基づいて、補充方法の決定を行なってもよい。この場合、重量に起因するピッキングロボット200の作業コストを考慮して、補充方法を決定することができる。また、上述の通り、補充決定部102bは、物品の素材に応じた作業コストに基づいて、補充方法の決定を行なってもよい。この場合、素材に起因するピッキングロボット200の作業コストを考慮して、補充方法を決定することができる。また、上述の通り、補充決定部102bは、物品の形状に応じた作業コストに基づいて、補充方法の決定を行なってもよい。この場合、形状に起因するピッキングロボット200の作業コストを考慮して、補充方法を決定することができる。
【0096】
なお、補充決定部102bは、消費量のばらつきの大きさと、作業コストとに基づいて、補充方法を決定してもよい。すなわち、本実施の形態の補充方法の決定の仕方は、実施の形態2の補充方法の決定の仕方と組み合わされてもよい。例えば、補充決定部102bは、作業コストの値と、物品毎の消費量のばらつきの大きさの値と、所定の閾値とを用いて、補充方法を決定してもよい。具体的には、例えば、補充決定部102bは、作業コストの値からばらつきの大きさの値を減じることにより得られる値が、所定の閾値以上である場合に、第2の補充方法による補充を行なうことを決定し、所定の閾値未満である場合に、第1の補充方法による補充を行なうことを決定してもよい。このようにすることで、作業コストとばらつきの2つの観点を考慮した補充作業の効率化が実現できる。
【0097】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、補充方法についてのユーザの要望を反映させるために、各実施の形態で言及した閾値の値がユーザの要望に応じて設定されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 管理装置
2 情報取得部
3 補充決定部
10 物品管理システム
50 棚
51 筐体
52 仕切板
53 レール
54 ロック機構
60a、60b、60c 収納箱
70 収納箱
90 物品
100、100a、100b 管理装置
101、101a 情報取得部
102、102a、102b 補充決定部
103 指示部
104 ばらつき算出部
105 コスト算出部
151 ネットワークインタフェース
152 メモリ
153 プロセッサ
200 ピッキングロボット
201 ベース部
202 リンク付根部
202a 回転軸
203 第1リンク
203a 第1関節部
204 第2リンク
204a 第2関節部
205 エンドエフェクタ
300 搬送ロボット
301 車輪
303 本体部
304 天板
305 支柱