(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム。
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20241224BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241224BHJP
B60W 30/165 20200101ALI20241224BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G08G1/09 H
B60W30/165
(21)【出願番号】P 2022101394
(22)【出願日】2022-06-23
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】桑山 裕基
(72)【発明者】
【氏名】藤木 健司
(72)【発明者】
【氏名】村井 理恵
(72)【発明者】
【氏名】三輪 耕平
(72)【発明者】
【氏名】宮本 晃良
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】伊東 宥
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-28560(JP,A)
【文献】特開2019-170228(JP,A)
【文献】国際公開第2021/171539(WO,A1)
【文献】特開2021-68118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G05D 1/00 - 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部及び通信部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、
車両又は無人航空機に対して、作業車両を
前記車両又は前記無人航空機に追従走行させるための牽引
指令を送信することにより、前記作業車両を牽引し、且つ公道における自動走行が可能である
前記車両
に対して、走行経路情報を送信することにより、前記車両
を自動走行
させ、
前記制御部は、前記作業車両の作業地から前記車両の待機場所までの主要幹線道路以外の道路において、当該道路における自動走行が可能である前記作業車両が備えるセンサであり、前記自動走行を行う際に用いられる当該センサの汚れ度合いが所定値超えである場合、前記無人航空機により前記作業車両を牽引する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記主要幹線道路において、前記通信部を介して、前記車両によ
り前記作業車両
を牽
引する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前
記無人航空機
は、前記車両に搭載
されるものである、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記牽引は、無線による牽引を含む、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記作業車両は、一又は複数の農業機械を含む、情報処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記無人航空機は、一又は複数の農業用ドローンを含む、情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する方法であって、
車両又は無人航空機に対して、作業車両を
前記車両又は前記無人航空機に追従走行させるための牽引
指令を送信することにより、前記作業車両を牽引し、且つ公道における自動走行が可能である
前記車両
に対して、走行経路情報を送信することにより、前記車両
を自動走行
させることを含
み、
前記作業車両の作業地から前記車両の待機場所までの主要幹線道路以外の道路において、当該道路における自動走行が可能である前記作業車両が備えるセンサであり、前記自動走行を行う際に用いられる当該センサの汚れ度合いが所定値超えである場合、前記無人航空機により前記作業車両を牽引することを更に含む、方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の方法であって、
前記主要幹線道路において、前記車両によ
り前記作業車両
を牽
引することを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法であって、
前
記無人航空機
は、前記車両に搭載
されるものである、方法。
【請求項10】
請求項
7乃至
9の何れか一項に記載の方法であって、
前記牽引は、無線による牽引を含む、方法。
【請求項11】
請求項
7に記載の方法であって、
前記作業車両は、一又は複数の農業機械を含む、方法。
【請求項12】
請求項
9に記載の方法であって、
前記無人航空機は、一又は複数の農業用ドローンを含む、方法。
【請求項13】
コンピュータに、
車両又は無人航空機に対して、作業車両を
前記車両又は前記無人航空機に追従走行させるための牽引
指令を送信することにより、前記作業車両を牽引し、且つ公道における自動走行が可能である
前記車両
に対して、走行経路情報を送信することにより、前記車両
を自動走行
させることを実行させ
、
前記作業車両の作業地から前記車両の待機場所までの主要幹線道路以外の道路において、当該道路における自動走行が可能である前記作業車両が備えるセンサであり、前記自動走行を行う際に用いられる当該センサの汚れ度合いが所定値超えである場合、前記無人航空機により前記作業車両を牽引することを更に実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項
13に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記主要幹線道路において、前記車両によ
り前記作業車両
を牽
引することを更に実行させる、プログラム。
【請求項15】
請求項
14に記載のプログラムであって、
前
記無人航空機
は、前記車両に搭載
されるものである、プログラム。
【請求項16】
請求項
13に記載のプログラムであって、
前記作業車両は、一又は複数の農業機械を含む、プログラム。
【請求項17】
請求項
15に記載のプログラムであって、
前記無人航空機は、一又は複数の農業用ドローンを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動操舵機能を有する作業車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、例えば作業車両を格納するための格納庫と田又は畑等を含む農地との間の公道において作業車両を走行させるには改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、公道において作業車両を走行させる技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、制御部及び通信部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、前記通信部を介して、作業車両を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両と通信することにより、前記車両の自動走行を制御する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、情報処理装置が実行する方法であって、作業車両を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両と通信することにより、前記車両の自動走行を制御することを含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、作業車両を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両と通信することにより、前記車両の自動走行を制御することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、公道において作業車両を走行させる技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る車両の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
【0013】
システム1は、車両10と、情報処理装置20と、作業車両30と、無人航空機40と、を備える。車両10、情報処理装置20、作業車両30、及び無人航空機40は、ネットワーク50と通信可能に接続される。
【0014】
車両10は、例えば任意のレベルで運転が自動化されている自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。車両10は、例えばガソリン自動車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。なお、自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。
【0015】
情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。
【0016】
作業車両30は、無線通信を介して車両10又は無人航空機40に追従して走行することが可能なトラクタ、田植え機、又はコンバイン等を含む任意の農業機械である。システム1が備える作業車両30の数は任意に定められてもよく、作業車両30は一又は複数の農業機械を含んでもよい。
【0017】
無人航空機40は、農業用ドローン等の任意の無人航空機である。システム1が備える無人航空機40の数は任意に定められてもよく、無人航空機40は一又は複数の農業用ドローンを含んでもよい。なお、無人航空機40は、緊急性又は必要性に応じて手動で動作可能であってもよい。また、無人航空機40は、小型の農業機械を搭載可能であってもよい。
【0018】
ネットワーク50は、インターネット、少なくとも1つのWAN(wide area network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの任意の組合せを含む。ネットワーク50は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0019】
図1を参照して、本実施形態の概要を説明する。情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、作業車両30を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両10と通信することにより、車両10の自動走行を制御する。
【0020】
本実施形態によれば、作業車両30のセンサが泥等により汚れた場合であっても、公道における自動走行が可能である車両10が作業車両30を牽引する。したがって、公道において作業車両30を走行させる技術を改善することができる。
【0021】
図2を参照して、本実施形態に係る車両10の構成を説明する。
【0022】
車両10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、測位部14と、取得部15と、を備える。
【0023】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。制御部11は、車両10の各部を制御しながら、車両10の動作に関わる処理を実行する。
【0024】
通信部12は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th generation)規格、若しくは5G(5th generation)規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。通信部12は、車両10の動作に用いられるデータを受信し、また車両10の動作によって得られるデータを送信する。
【0025】
記憶部13は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部13は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部13には、車両10の動作に用いられるデータと、車両10の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、車両10の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を含む。
【0026】
測位部14は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、測位部14は、GPS(Global Positioning System)受信機を含む。測位部14は、車両10の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、住所、緯度、経度、及び高度等を含む。測位部14は、車両10の位置情報を取得可能である。測位部14は、車両10の位置情報を常時取得してもよいし、或いは定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0027】
取得部15は、車両10の公道における自動走行に必要な情報を取得可能な1つ以上のセンサモジュールを含む。センサモジュールは、例えば、速度センサ、加速度センサ、角速度センサ、又はステアリング操舵角センサ等であるが、これらに限られない。
【0028】
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の構成を説明する。
【0029】
情報処理装置20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備える。
【0030】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えばFPGAである。専用回路は、例えばASICである。制御部21は、情報処理装置20の各部を制御しながら、情報処理装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0031】
通信部22は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部22は、情報処理装置20の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0032】
記憶部23は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えばSRAM又はDRAMである。ROMは、例えばEEPROMである。記憶部23は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部23には、情報処理装置20の動作に用いられるデータと、情報処理装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、情報処理装置20の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を含む。
【0033】
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。この動作は、本開示の一実施形態に係る方法に相当する。
【0034】
本例では、情報処理装置20の記憶部23には、牽引対象の作業車両30を特定するための識別情報等が予め記憶されているものとする。また本例では、車両10は、作業車両30を牽引することが可能な無人航空機40を搭載することが可能である。また本例では、作業車両30は、農地から車両10の待機場所までの主要幹線道路以外の私道等を無人航空機40に追従走行し、車両10の待機場所から格納庫までの主要幹線道路を車両10に追従走行するものとする。なお、主要幹線道路は、交通量が所定値以上である一般国道、都道府県道、又は市町村道等を含むが、これらに限られない。ただし、本開示は、本例に限られず、作業車両30は、農地から格納庫までを車両10に追従走行してもよい。また、車両10に追従走行するのは、1台の作業車両30に限られず、複数台の作業車両30であってもよい。この場合、情報処理装置20の記憶部23には各作業車両30によって行われる農作業スケジュールが予め格納されており、制御部21は当該農作業スケジュールに基づいて各作業車両30の牽引を制御すればよい。
【0035】
ステップS1:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、車両10に搭載された無人航空機40に対して、作業車両30の牽引指令を送信する。
【0036】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30の所有者等によって予め指定された作業終了時刻よりも前に、記憶部23から牽引対象の作業車両30を特定するための識別情報を取得する。当該識別情報は、作業車両30の車体情報、画像情報、位置情報、目的地情報(格納庫の位置情報等)、及び所有者情報等を含むが、これらに限られない。そして、情報処理装置20の制御部21は、当該識別情報に基づいて、作業車両30からの距離が所定値未満となる場所に位置する車両10及び当該車両10に搭載された無人航空機40を特定する。そして、情報処理装置20の制御部21は、車両10の現在位置と作業車両30の現在位置とを往復する飛行経路情報と、無人航空機40の後方を作業車両30に追従走行させるための作業車両30と無人航空機40との無線通信に必要な情報を含む、作業車両30の牽引指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、特定した無人航空機40に対して、当該牽引指令を送信する。これにより、無人航空機40は、情報処理装置20から当該牽引指令を受信すると、作業車両30の現在位置まで自動飛行し、作業車両30と無線通信に関するペアリングを行った後に、作業車両30を無人航空機40に追従させながら、車両10の現在位置まで自動飛行により戻る。
【0037】
ステップS2:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、無人航空機40の車両10への帰還信号を受信したか否かを判断する。帰還信号が受信された場合、プロセスはステップS3に進む。一方、帰還信号が受信されていない場合、プロセスは待機する。
【0038】
具体的には、車両10の制御部11は、任意の画像認識技術等により無人航空機40の車両10への帰還を検知すると、帰還信号を生成する。そして、車両10の制御部11は、通信部12を介して、当該帰還信号を情報処理装置20に送信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、当該帰還信号を車両10から受信する。なお、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、車両10から帰還信号を受信するのに代えて、無人航空機40から帰還信号を直接受信してもよい。
【0039】
ステップS3:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、車両10に対して作業車両30の牽引指令を送信する。
【0040】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、ステップS1において取得した識別情報から、車両10の現在地から作業車両30の目的地までの走行経路情報と、車両10の後方を作業車両30に追従走行させるための車両10と作業車両30との無線通信(車車間通信)に必要な情報とを含む、作業車両30の牽引指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、ステップS1において特定した車両10に対して、当該牽引指令を送信する。これにより、車両10の制御部11は、通信部12を介して、情報処理装置20から当該牽引指令を受信すると、当該牽引指令に基づいて、作業車両30を車両10に追従走行させる。また、車両10の制御部11は、測位部14及び取得部15からの取得情報並びに上記走行経路情報を用いて、車両10のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行うことによって、格納庫まで自動走行する。なお、追従走行は、車両10と作業車両30との間の車間距離を一定に保ちながら、車両10の後方において作業車両30を車両10に自動追従させることを意味する。
【0041】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、作業車両30を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両10と通信することにより、車両10の自動走行を制御する。
【0042】
かかる構成によれば、作業車両30のセンサが泥等により汚れた場合であっても、公道における自動走行が可能である車両10が作業車両30を牽引する。したがって、公道において作業車両30を走行させる技術を改善することができる。
【0043】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0044】
一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30が備えるセンサ(例えば農作業用センサ)の汚れ度合いが所定値超えである場合、無人航空機40による作業車両30の牽引を制御してもよい。なお、当該センサの汚れ度合いが所定値以下である場合、作業車両30は当該センサを用いて車両10の待機位置まで自立走行(自動走行)してもよい。牽引の詳細については、上述した実施形態における説明を援用する。
【0045】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0046】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
制御部及び通信部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して、作業車両を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両と通信することにより、前記車両の自動走行を制御する、情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、主要幹線道路において、前記通信部を介して、前記車両による前記作業車両の牽引を制御する、情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記車両は、前記作業車両を牽引することが可能な無人航空機を搭載することが可能であって、
前記制御部は、前記主要幹線道路以外の道路において、前記通信部を介して、前記無人航空機による前記作業車両の牽引を制御する、情報処理装置。
[付記4]
付記3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記作業車両が備えるセンサの汚れ度合いが所定値超えである場合、前記無人航空機による前記作業車両の牽引を制御する、情報処理装置。
[付記5]
付記1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記牽引は、無線による牽引を含む、情報処理装置。
[付記6]
付記1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記作業車両は、一又は複数の農業機械を含む、情報処理装置。
[付記7]
付記3乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記無人航空機は、一又は複数の農業用ドローンを含む、情報処理装置。
[付記8]
情報処理装置が実行する方法であって、
作業車両を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両と通信することにより、前記車両の自動走行を制御することを含む、方法。
[付記9]
付記8に記載の方法であって、
主要幹線道路において、前記車両による前記作業車両の牽引を制御することを更に含む、方法。
[付記10]
付記8又は9に記載の方法であって、
前記車両は、前記作業車両を牽引することが可能な無人航空機を搭載することが可能であって、
前記主要幹線道路以外の道路において、前記無人航空機による前記作業車両の牽引を制御することを更に含む、方法。
[付記11]
付記10に記載の方法であって、
前記作業車両が備えるセンサの汚れ度合いが所定値超えである場合、前記無人航空機による前記作業車両の牽引を制御することを更に含む、方法。
[付記12]
付記8乃至11の何れか一項に記載の方法であって、
前記牽引は、無線による牽引を含む、方法。
[付記13]
付記8乃至12の何れか一項に記載の方法であって、
前記作業車両は、一又は複数の農業機械を含む、方法。
[付記14]
付記10乃至13の何れか一項に記載の方法であって、
前記無人航空機は、一又は複数の農業用ドローンを含む、方法。
[付記15]
コンピュータに、
作業車両を牽引することが可能であり、且つ公道における自動走行が可能である車両と通信することにより、前記車両の自動走行を制御することを実行させる、プログラム。
[付記16]
付記15に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
主要幹線道路において、前記車両による前記作業車両の牽引を制御することを更に実行させる、プログラム。
[付記17]
付記15又は16に記載のプログラムであって、
前記車両は、前記作業車両を牽引することが可能な無人航空機を搭載することが可能であって、
前記コンピュータに、
前記主要幹線道路以外の道路において、前記無人航空機による前記作業車両の牽引を制御することを更に実行させる、プログラム。
[付記18]
付記17に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記作業車両が備えるセンサの汚れ度合いが所定値超えである場合、前記無人航空機による前記作業車両の牽引を制御することを更に実行させる、プログラム。
[付記19]
付記15乃至18の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記作業車両は、一又は複数の農業機械を含む、プログラム。
[付記20]
付記17乃至19の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記無人航空機は、一又は複数の農業用ドローンを含む、プログラム。
【符号の説明】
【0047】
1 システム
10 車両
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 測位部
15 取得部
20 情報処理装置
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
30 作業車両
40 無人航空機
50 ネットワーク