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特許7609146情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20241224BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241224BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241224BHJP
【FI】
G06F3/16 540
G06F3/01 510
G06F3/16 610
G06F3/0481
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022150751
(22)【出願日】2022-09-21
(65)【公開番号】P2024044920
(43)【公開日】2024-04-02
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】澤渡 愛子
(72)【発明者】
【氏名】菊地 大輔
(72)【発明者】
【氏名】加来 航
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-46822(JP,A)
【文献】特開2022-98825(JP,A)
【文献】特開2022-109025(JP,A)
【文献】国際公開第2020/054855(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G06F 3/01
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理装置であって、
遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信する制御部、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2ユーザが前記第1ユーザに視線を向けて発話すると、前記第1ユーザの前記対話装置に前記第1音声データを送信し、前記第1ユーザ及び発話した前記第2ユーザ以外の前記ユーザの前記対話装置に前記第2音声データを送信する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記対話装置は、前記第1ユーザが使用する第1対話装置と、前記第2ユーザが使用する第2対話装置と、を備え、
前記制御部は、前記第2対話装置を使用する前記第2ユーザとしての複数の前記対話相手の前記パラメータを推定し、
前記パラメータが閾値未満である前記第2ユーザとしての前記対話相手を示すアラートを前記第1対話装置に表示させ、
前記第1ユーザは、前記遠隔対話の話題に対する教師を含み、
前記第2ユーザは、前記教師との前記対話相手としての生徒を含む、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1ユーザの前記対話装置の前記画面に表示されている前記対話相手を強調表示させることで前記アラートを表示させる、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記パラメータは、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手の理解度、関心度、及集中度の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の情報処理装置と、
複数の前記ユーザのそれぞれによって使用される前記対話装置と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項7】
相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理装置に、
遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信することを含む動作を実行させる、
プログラム。
【請求項8】
相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理方法であって、
遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信することを含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する技術が知られている。例えば、特許文献1には、複数の通信端末間で通信によって遠隔会議などを行う際に、聴取者が会議などの内容を理解しているのかを認識し易くすることができる通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-267621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、ユーザが対話相手として所定のユーザに呼びかけたい場合、呼びかけた声が所定のユーザへの出力と同様の音量で他のユーザへも出力される。したがって、所定のユーザへの呼びかけが届かない可能性もある。結果として、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話サービスの利便性が低下していた。
【0005】
本開示は、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話サービスの利便性が向上する情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理装置であって、遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信する制御部、を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理装置に、遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信することを含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理方法であって、遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法によれば、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話サービスの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す構成図である。
図2図1の情報処理装置、第1対話装置、及び第2対話装置のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
図3図1の情報処理システムにより実行される情報処理方法の第1例を説明するためのシーケンス図である。
図4図1の情報処理システムにより実行される情報処理方法の第2例を説明するためのシーケンス図である。
図5】第1ユーザの第1対話装置の出力部の画面に表示される映像の一例を示す模式図である。
図6】第2ユーザの第2対話装置の出力部の画面に表示される映像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成を示す構成図である。図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、1つの第1対話装置20と、複数の第2対話装置30と、を有する。
【0013】
図1では説明の簡便のため、第2対話装置30について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する第2対話装置30の数は2つ以上である。図1では説明の簡便のため、情報処理装置10について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10の数は2つ以上であってもよい。情報処理装置10、1つの第1対話装置20、及び複数の第2対話装置30のそれぞれは、移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0014】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する。本開示において、「対話装置」は、第1対話装置20又は第2対話装置30を含む。
【0015】
情報処理装置10は、遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定する。本開示において、「話題」は、例えば授業で説明している内容などを含む。「パラメータ」は、例えば理解度、関心度、及び集中度の少なくとも1つを含む。情報処理装置10は、推定されたパラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの対話装置に表示させる。
【0016】
情報処理装置10は、当該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、アラートが表示された対話相手に第1ユーザが視線を向けて発話すると、当該対話相手の対話装置に大きな音量の第1音声データを送信する。情報処理装置10は、当該対話相手以外の対話相手の対話装置に小さな音量の第2音声データを送信する。
【0017】
本開示において、「第1ユーザ」は、例えば遠隔対話の話題に対する教師を含む。「第2ユーザ」は、例えば当該教師との対話相手としての生徒を含む。「第1音声データ」は、ユーザが発話したときの音声データに対して、他のユーザの対話装置から当該発話内容を音声として出力するときに音量が大きくなるように設定されたデータを含む。「第2音声データ」は、ユーザが発話したときの音声データに対して、他のユーザの対話装置から当該発話内容を音声として出力するときに音量が小さくなるように設定されたデータを含む。
【0018】
ユーザは、例えば自身の対話装置にインストールされ、情報処理装置10と連携する遠隔対話用のWebアプリケーションを用いて、当該対話装置の画面を視認しながら他のユーザと対話する。例えば、第1ユーザの対話装置の画面には、複数の第2ユーザの映像が映し出される。例えば、第2ユーザの対話装置の画面には、第1ユーザの映像と他の第2ユーザの映像とが映し出される。ユーザの対話装置は、ユーザが発話した内容を音声データとして情報処理装置10を介し他のユーザの対話装置に送信する。ユーザの対話装置は、他のユーザの対話装置から受信した音声データに基づいて当該他のユーザの発話内容を音声として出力する。
【0019】
情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0020】
第1対話装置20は、PC、タブレットPC、又はスマートフォンなどの汎用の電子機器である。第1対話装置20は、第1ユーザが使用する電子機器である。第1対話装置20は、これらに限定されず、第1ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0021】
第2対話装置30は、PC、タブレットPC、又はスマートフォンなどの汎用の電子機器である。第2対話装置30は、第2ユーザが使用する電子機器である。第2対話装置30は、これらに限定されず、第2ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0022】
図2は、図1の情報処理装置10、第1対話装置20、及び第2対話装置30のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10、第1対話装置20、及び第2対話装置30のそれぞれの構成の一例について主に説明する。
【0023】
図2に示すとおり、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0024】
通信部11は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含む。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0025】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部12は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部11により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部12に記憶された情報は、通信部11を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能である。
【0026】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0027】
情報処理システム1に含まれる第1対話装置20の構成について主に説明する。図2に示すとおり、第1対話装置20は、通信部21、記憶部22、取得部23、入力部24、出力部25、及び制御部26を有する。
【0028】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部21は、4G及び5Gなどの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含む。一実施形態において、第1対話装置20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0029】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、第1対話装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部21により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部22に記憶された情報は、通信部21を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能である。
【0030】
取得部23は、第1ユーザが発話している様子などを撮像可能な任意の撮像装置を含む。例えば、取得部23は、Webカメラなどを含む。取得部23は、第1対話装置20を用いて遠隔対話を行っている第1ユーザの様子を撮像する。取得部23は、第1ユーザの様子を、遠隔対話が実行されている間常時撮像する。
【0031】
入力部24は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部24は、物理キー、静電容量キー、出力部25のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0032】
出力部25は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部25は、情報を映像で出力するディスプレイ、並びに情報を音声で出力するスピーカ、イヤホン、及びヘッドホンなどを含む。
【0033】
制御部26は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部26は、第1対話装置20を構成する各構成部と通信可能に接続され、第1対話装置20全体の動作を制御する。
【0034】
情報処理システム1に含まれる第2対話装置30の構成について主に説明する。図2に示すとおり、第2対話装置30は、通信部31、記憶部32、取得部33、入力部34、出力部35、及び制御部36を有する。
【0035】
通信部31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部31は、4G及び5Gなどの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含む。一実施形態において、第2対話装置30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0036】
記憶部32は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部32は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、第2対話装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部31により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部32に記憶された情報は、通信部31を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能である。
【0037】
取得部33は、第2ユーザが発話している様子などを撮像可能な任意の撮像装置を含む。例えば、取得部33は、Webカメラなどを含む。取得部33は、第2対話装置30を用いて遠隔対話を行っている第2ユーザの様子を撮像する。取得部33は、第2ユーザの様子を、遠隔対話が実行されている間常時撮像する。
【0038】
入力部34は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部34は、物理キー、静電容量キー、出力部35のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0039】
出力部35は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部35は、情報を映像で出力するディスプレイ、並びに情報を音声で出力するスピーカ、イヤホン、及びヘッドホンなどを含む。
【0040】
制御部36は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部36は、第2対話装置30を構成する各構成部と通信可能に接続され、第2対話装置30全体の動作を制御する。
【0041】
図3は、図1の情報処理システム1により実行される情報処理方法の第1例を説明するためのシーケンス図である。図3を参照しながら、図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の第1例について主に説明する。図3に示すシーケンス図は、第1対話装置20を使用する第1ユーザが第2対話装置30を使用する第2ユーザに向けて発話するときの情報処理方法の基本的な処理の流れを主に示す。図3では一例として第2対話装置30について2つのみ図示しているが、情報処理システム1に含まれる第2対話装置30の数は、3つ以上であってもよい。
【0042】
ステップS100では、一の第2ユーザが使用する第2対話装置30の制御部36は、取得部33に含まれる撮像装置を用いて、遠隔対話を行う一の第2ユーザの映像を取得する。このとき、制御部36は、一の第2ユーザが発話すると、入力部34に含まれるマイクロフォンを用いて一の第2ユーザの発話内容を音声データとして映像と共に取得する。
【0043】
ステップS101では、一の第2ユーザが使用する第2対話装置30の制御部36は、ステップS100において取得された映像を、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。このとき、制御部36は、一の第2ユーザの発話内容に基づく音声データを、当該映像と共に必要に応じて情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、一の第2ユーザが使用する第2対話装置30により取得された映像を、ネットワーク40及び通信部11を介して当該第2対話装置30から受信する。このとき、制御部13は、一の第2ユーザの発話内容に基づく音声データを、当該映像と共に必要に応じて当該第2対話装置30から受信する。
【0044】
ステップS102では、他の第2ユーザが使用する第2対話装置30の制御部36は、取得部33に含まれる撮像装置を用いて、遠隔対話を行う他の第2ユーザの映像を取得する。このとき、制御部36は、他の第2ユーザが発話すると、入力部34に含まれるマイクロフォンを用いて他の第2ユーザの発話内容を音声データとして映像と共に取得する。
【0045】
ステップS103では、他の第2ユーザが使用する第2対話装置30の制御部36は、ステップS102において取得された映像を、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。このとき、制御部36は、他の第2ユーザの発話内容に基づく音声データを、当該映像と共に必要に応じて情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、他の第2ユーザが使用する第2対話装置30により取得された映像を、ネットワーク40及び通信部11を介して当該第2対話装置30から受信する。このとき、制御部13は、他の第2ユーザの発話内容に基づく音声データを、当該映像と共に必要に応じて当該第2対話装置30から受信する。
【0046】
情報処理装置10の制御部13は、ステップS101及びステップS103において取得された第2ユーザの映像及び音声データを、通信部11及びネットワーク40を介して第1対話装置20に送信する。これにより、制御部13は、ステップS101及びステップS103において取得された第2ユーザの映像及び音声データを、第1対話装置20の出力部25に出力させる。
【0047】
ステップS104では、情報処理装置10の制御部13は、遠隔対話の実行中、各対話相手の映像、すなわちステップS101及びステップS103において取得された第2ユーザの映像に基づいて、遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定する。より具体的には、制御部13は、映像に示される第2ユーザの表情及び仕草などから画像解析などの技術に基づいて当該第2ユーザのパラメータを推定する。このとき、制御部13は、ユーザの表情及び仕草などとパラメータとを互いに関連付けた学習データに基づき、、ユーザの表情及び仕草などに応じたパラメータを学習して構築された学習モデルを用いて、第2ユーザのパラメータを推定してもよい。
【0048】
ステップS105では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において推定されたパラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートに関するアラート情報を生成する。
【0049】
ステップS106では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS105において生成されたアラート情報を、通信部11及びネットワーク40を介して第1対話装置20に送信する。第1対話装置20の制御部26は、情報処理装置10により生成されたアラート情報を、ネットワーク40及び通信部21を介して情報処理装置10から受信する。これにより、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において推定されたパラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの第1対話装置20に表示させる。第1対話装置20の制御部26は、情報処理装置10から取得されたアラート情報に基づいて、ステップS104において推定されたパラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを出力部25に表示する。
【0050】
ステップS107では、第1対話装置20の制御部26は、第1対話装置20の出力部25の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、ステップS106においてアラートが表示された対話相手に第1ユーザが視線を向けて発話したときの視線情報を、取得部23を用いて取得する。このとき、制御部26は、第1ユーザの発話内容を、入力部24に含まれるマイクロフォンを用いて音声データとして視線情報と共に取得する。
【0051】
ステップS108では、第1対話装置20の制御部26は、ステップS107において取得された視線情報及び音声データを、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、第1対話装置20により取得された視線情報及び音声データを、ネットワーク40及び通信部11を介して第1対話装置20から受信する。
【0052】
ステップS109では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS108において取得された視線情報に基づいて、第1対話装置20の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、ステップS106においてアラートが表示された対話相手に第1ユーザが視線を向けて発話したと判定する。制御部13は、このように判定すると、ステップS108において取得された音声データに基づいて、第1ユーザの当該対話相手に向けた発話内容を当該対話相手の第2対話装置30において大きな音量で出力するための第1音声データを生成する。
【0053】
ステップS110では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS109における判定処理に応じて、ステップS108において取得された音声データに基づいて、第1ユーザの上記対話相手に向けた発話内容を当該対話相手以外の対話相手の第2対話装置30において小さな音量で出力するための第2音声データを生成する。
【0054】
ステップS111では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS109において生成された大きな音量の第1音声データを、上記対話相手の第2対話装置30に送信する。より具体的には、制御部13は、ステップS109において生成された第1音声データを、第1ユーザが視線を向けて発話した、ステップS106においてアラートが表示された対話相手としての第2ユーザの第2対話装置30に、通信部11及びネットワーク40を介して送信する。当該第2対話装置30の制御部36は、情報処理装置10において生成された第1音声データを、ネットワーク40及び通信部31を介して情報処理装置10から受信する。
【0055】
以上により、情報処理装置10の制御部13は、第1対話装置20の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、ステップS106においてアラートが表示された対話相手に第1ユーザが視線を向けて発話すると、当該対話相手の第2対話装置30に大きな音量の第1音声データを送信する。当該第2対話装置30の制御部36は、第1ユーザが発話した内容を、取得された第1音声データに基づいて大きな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザに向けて出力する。
【0056】
ステップS112では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS110において生成された小さな音量の第2音声データを、上記対話相手以外の対話相手の第2対話装置30に送信する。より具体的には、制御部13は、ステップS110において生成された第2音声データを、第1ユーザが視線を向けて発話した対話相手以外の対話相手としての第2ユーザの第2対話装置30に、通信部11及びネットワーク40を介して送信する。当該第2対話装置30の制御部36は、情報処理装置10において生成された第2音声データを、ネットワーク40及び通信部31を介して情報処理装置10から受信する。
【0057】
以上により、情報処理装置10の制御部13は、第1対話装置20の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、ステップS106においてアラートが表示され第1ユーザが視線を向けて発話した対話相手以外の対話相手の第2対話装置30に小さな音量の第2音声データを送信する。当該第2対話装置30の制御部36は、第1ユーザが発話した内容を、取得された第2音声データに基づいて小さな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザに向けて出力する。
【0058】
図4は、図1の情報処理システム1により実行される情報処理方法の第2例を説明するためのシーケンス図である。図4を参照しながら、図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の第2例について主に説明する。図4に示すシーケンス図は、第2対話装置30を使用する第2ユーザが第1対話装置20を使用する第1ユーザに向けて発話するときの情報処理方法の基本的な処理の流れを主に示す。図4では一例として第2対話装置30について2つのみ図示しているが、情報処理システム1に含まれる第2対話装置30の数は、3つ以上であってもよい。
【0059】
ステップS200では、第1ユーザが使用する第1対話装置20の制御部26は、取得部23に含まれる撮像装置を用いて、遠隔対話を行う第1ユーザの映像を取得する。このとき、制御部26は、第1ユーザが発話すると、入力部24に含まれるマイクロフォンを用いて第1ユーザの発話内容を音声データとして映像と共に取得する。
【0060】
ステップS201では、第1ユーザが使用する第1対話装置20の制御部26は、ステップS200において取得された映像を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。このとき、制御部26は、第1ユーザの発話内容に基づく音声データを、当該映像と共に必要に応じて情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、第1ユーザが使用する第1対話装置20により取得された映像を、ネットワーク40及び通信部11を介して当該第1対話装置20から受信する。このとき、制御部13は、第1ユーザの発話内容に基づく音声データを、当該映像と共に必要に応じて当該第1対話装置20から受信する。
【0061】
ステップS202では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS201において取得された第1ユーザの映像及び音声データを、通信部11及びネットワーク40を介して複数の第2対話装置30に送信する。これにより、制御部13は、ステップS201において取得された第1ユーザの映像及び音声データを、複数の第2対話装置30の各々の出力部35に出力させる。
【0062】
ステップS203では、第2対話装置30の制御部36は、第2対話装置30の出力部35の画面に表示される第1ユーザに第2ユーザが視線を向けて発話したときの視線情報を、取得部33を用いて取得する。このとき、制御部36は、第2ユーザの発話内容を、入力部34に含まれるマイクロフォンを用いて音声データとして視線情報と共に取得する。
【0063】
ステップS204では、第2対話装置30の制御部36は、ステップS203において取得された視線情報及び音声データを、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部13は、第2対話装置30により取得された視線情報及び音声データを、ネットワーク40及び通信部11を介して第2対話装置30から受信する。
【0064】
ステップS205では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS204において取得された視線情報に基づいて、第2対話装置30の画面に表示される第1ユーザに第2ユーザが視線を向けて発話したと判定する。制御部13は、このように判定すると、ステップS204において取得された音声データに基づいて、第2ユーザの対話相手に相当する第1ユーザに向けた発話内容を当該第1ユーザの第1対話装置20において大きな音量で出力するための第1音声データを生成する。
【0065】
ステップS206では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS205における判定処理に応じて、ステップS204において取得された音声データに基づいて、第2ユーザの対話相手に相当する第1ユーザに向けた発話内容を当該第1ユーザ以外の対話相手の第2対話装置30において小さな音量で出力するための第2音声データを生成する。
【0066】
ステップS207では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS205において生成された大きな音量の第1音声データを、上記対話相手としての第1ユーザの第1対話装置20に送信する。より具体的には、制御部13は、ステップS205において生成された第1音声データを、第2ユーザが視線を向けて発話した対話相手としての第1ユーザの第1対話装置20に、通信部11及びネットワーク40を介して送信する。当該第1対話装置20の制御部26は、情報処理装置10において生成された第1音声データを、ネットワーク40及び通信部21を介して情報処理装置10から受信する。
【0067】
以上により、情報処理装置10の制御部13は、第2対話装置30の画面に表示される第1ユーザに第2ユーザが視線を向けて発話すると、第1ユーザの第1対話装置20に大きな音量の第1音声データを送信する。当該第1対話装置20の制御部26は、第2ユーザが発話した内容を、取得された第1音声データに基づいて大きな音量で、出力部25のスピーカなどから第1ユーザに向けて出力する。
【0068】
ステップS208では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS206において生成された小さな音量の第2音声データを、上記対話相手としての第1ユーザ及び発話した第2ユーザ以外のユーザの第2対話装置30に送信する。より具体的には、制御部13は、ステップS206において生成された第2音声データを、第2ユーザが視線を向けて発話した対話相手としての第1ユーザ及び発話した第2ユーザ以外のユーザの第2対話装置30に、通信部11及びネットワーク40を介して送信する。当該第2対話装置30の制御部36は、情報処理装置10において生成された第2音声データを、ネットワーク40及び通信部31を介して情報処理装置10から受信する。
【0069】
以上により、情報処理装置10の制御部13は、第2対話装置30の画面に表示される第1ユーザに第2ユーザが視線を向けて発話すると、第1ユーザ及び発話した第2ユーザ以外のユーザの第2対話装置30に小さな音量の第2音声データを送信する。当該第2対話装置30の制御部36は、第2ユーザが発話した内容を、取得された第2音声データに基づいて小さな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザに向けて出力する。
【0070】
図5は、第1ユーザの第1対話装置20の出力部25の画面に表示される映像の一例を示す模式図である。
【0071】
第1対話装置20の制御部26は、第2対話装置30を用いて取得された第2ユーザの映像及び音声データを、出力部25を用いて出力する。より具体的には、制御部26は、複数の第2ユーザの映像を出力部25の画面に表示する。制御部26は、複数の第2ユーザの音声を出力部25のイヤホンから出力する。
【0072】
このとき、制御部26は、情報処理装置10から取得されたアラート情報に基づいて、推定されたパラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを出力部25の画面に表示する。より具体的には、情報処理装置10の制御部13は、第1ユーザの第1対話装置20の出力部25の画面に表示されている対話相手を強調表示させることでアラートを表示させる。
【0073】
例えば、制御部26は、推定された理解度が閾値未満である第2ユーザAを示す第1アラートU1を出力部25の画面に表示する。制御部26は、出力部25の画面に表示されている第2ユーザAの周囲を枠で囲って第2ユーザAを強調表示させることで第1アラートU1を表示させる。
【0074】
例えば、制御部26は、推定された関心度が閾値未満である第2ユーザB及び第2ユーザCを示す第2アラートU2を出力部25の画面に表示する。制御部26は、出力部25の画面に表示されている第2ユーザB及び第2ユーザCの各々の周囲を第1アラートU1と異なる枠で囲って第2ユーザB及び第2ユーザCの各々を強調表示させることで第2アラートU2を表示させる。
【0075】
制御部26は、出力部25の画面において第1アラートU1が表示されている第2ユーザAに第1ユーザが視線を向けて発話したときの視線情報を、取得部23を用いて取得する。このとき、制御部26は、第1ユーザの発話内容を、入力部24に含まれるマイクロフォンを用いて音声データとして視線情報と共に取得する。
【0076】
第2ユーザAの第2対話装置30の制御部36は、第1ユーザが発話した内容を、情報処理装置10により生成され情報処理装置10から取得された第1音声データに基づいて大きな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザAに向けて出力する。第2ユーザA以外の第2ユーザの第2対話装置30の制御部36は、第1ユーザが発話した内容を、情報処理装置10により生成され情報処理装置10から取得された第2音声データに基づいて小さな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザに向けて出力する。
【0077】
制御部26は、出力部25の画面において第2アラートU2が表示されている第2ユーザBに第1ユーザが視線を向けて発話したときの視線情報を、取得部23を用いて取得する。このとき、制御部26は、第1ユーザの発話内容を、入力部24に含まれるマイクロフォンを用いて音声データとして視線情報と共に取得する。
【0078】
第2ユーザBの第2対話装置30の制御部36は、第1ユーザが発話した内容を、情報処理装置10により生成され情報処理装置10から取得された第1音声データに基づいて大きな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザBに向けて出力する。第2ユーザB以外の第2ユーザの第2対話装置30の制御部36は、第1ユーザが発話した内容を、情報処理装置10により生成され情報処理装置10から取得された第2音声データに基づいて小さな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザに向けて出力する。
【0079】
情報処理システム1における以上のような処理内容は、出力部25の画面において第2アラートU2が表示されている第2ユーザCに対しても同様に当てはまる。
【0080】
図6は、第2ユーザの第2対話装置30の出力部35の画面に表示される映像の一例を示す模式図である。
【0081】
第2対話装置30の制御部36は、第1対話装置20を用いて取得された第1ユーザの映像及び音声データを、出力部35を用いて出力する。より具体的には、制御部36は、第1ユーザの映像を出力部35の画面に表示する。制御部36は、第1ユーザの音声を出力部35のイヤホンから出力する。
【0082】
第2対話装置30の制御部36は、他の第2対話装置30を用いて取得された他の第2ユーザの映像及び音声データを、出力部35を用いて出力する。より具体的には、制御部36は、複数の他の第2ユーザの映像を出力部35の画面に表示する。制御部36は、複数の他の第2ユーザの音声を出力部35のイヤホンから出力する。
【0083】
制御部36は、出力部35の画面に表示されている第1ユーザDに第2ユーザが視線を向けて発話したときの視線情報を、取得部33を用いて取得する。このとき、制御部36は、第2ユーザの発話内容を、入力部34に含まれるマイクロフォンを用いて音声データとして視線情報と共に取得する。
【0084】
第1ユーザDの第1対話装置20の制御部26は、第2ユーザが発話した内容を、情報処理装置10により生成され情報処理装置10から取得された第1音声データに基づいて大きな音量で、出力部25のスピーカなどから第1ユーザDに向けて出力する。第1ユーザD及び発話した第2ユーザ以外のユーザの第2対話装置30の制御部36は、第2ユーザが発話した内容を、情報処理装置10により生成され情報処理装置10から取得された第2音声データに基づいて小さな音量で、出力部35のスピーカなどから第2ユーザに向けて出力する。
【0085】
以上のような一実施形態によれば、相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話サービスの利便性が向上する。情報処理装置10は、推定されたパラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの第1対話装置20に表示させる。これにより、第1ユーザは、遠隔対話における話題に対するパラメータが低い各対話相手を視認可能となる。したがって、第1ユーザは、例えば話題に対する理解度が低い対話相手に対して理解度を向上させるためにより詳細な説明を当該対話相手に対して行うこともできる。第1ユーザは、例えば話題に対する関心度又は集中度が低い対話相手に対して当該話題に意識をより向けさせるために適切なフォローを当該対話相手に対して行うこともできる。
【0086】
情報処理装置10は、第1ユーザが視線を向けて発話した、アラートが表示されている対話相手の第2対話装置30に大きな音量の第1音声データを送信する。一方で、情報処理装置10は、当該対話相手以外の対話相手の第2対話装置30に小さな音量の第2音声データを送信する。以上により、第1ユーザの発話した音声が、第1ユーザの注目対象である対話相手の第2対話装置30では比較的大きな音量で出力される一方、注目対象以外の対話相手の第2対話装置30では比較的小さな音量で出力される。したがって、例えば第1ユーザが教師である場合に、第1ユーザは、パラメータが低い対話相手に対して選択的に呼びかけを行うことができる。
【0087】
情報処理装置10は、第2ユーザが第1ユーザに視線を向けて発話すると、第1ユーザの第1対話装置20に大きな音量の第1音声データを送信する。情報処理装置10は、第1ユーザ及び発話した第2ユーザ以外のユーザの第2対話装置30に小さな音量の第2音声データを送信する。以上により、第2ユーザの発話した音声が、第2ユーザの注目対象である第1ユーザの第1対話装置20では比較的大きな音量で出力される一方、注目対象以外の対話相手の第2対話装置30では比較的小さな音量で出力される。したがって、例えば第2ユーザが生徒である場合に、当該第2ユーザは、自身の第2対話装置30の画面上の教師に注目しながら質問することで、他の生徒には質問内容を伝わりにくくすることができる。したがって、情報処理装置10は、当該第2ユーザに対して積極的に質問を促すことが可能となる。
【0088】
第1ユーザが遠隔対話の話題に対する教師を含み、第2ユーザが教師との対話相手としての生徒を含むことで、情報処理システム1は、一対複数によるオンライン授業のサービスに活用可能である。
【0089】
情報処理装置10は、第1ユーザの第1対話装置20の画面に表示されている対話相手を強調表示させることでアラートを表示させる。これにより、所定の第2ユーザを示すアラートの視認性が向上する。第1ユーザは、自身の第1対話装置20の画面上で、アラートが示された所定の第2ユーザを容易に認識することができる。
【0090】
パラメータが、遠隔対話の話題に対する各対話相手の理解度、関心度、及集中度の少なくとも1つを含むことで、情報処理装置10は、理解度、関心度、及集中度の少なくとも1つを基準にして閾値未満の所定の第2ユーザを特定することができる。
【0091】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0092】
例えば、上述した実施形態で情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が第1対話装置20又は第2対話装置30において実行されてもよい。例えば、情報処理装置10に代えて、第1対話装置20又は第2対話装置30自体が、情報処理装置10に関する上述した一連の処理動作を実行してもよい。第1対話装置20又は第2対話装置30において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0093】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0094】
又は、一実施形態に係る開示は、実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0095】
上記実施形態では、情報処理装置10は、第2ユーザが第1ユーザに視線を向けて発話すると第1対話装置20に第1音声データを送信し、第1ユーザ及び発話した第2ユーザ以外のユーザの第2対話装置30に第2音声データを送信すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような処理を実行しなくてもよい。すなわち、情報処理システム1は、第2ユーザが第1ユーザに視線を向けて発話したときであっても、発話した第2ユーザ以外のユーザの対話装置に同様の音量で当該第2ユーザの音声を出力させてもよい。
【0096】
上記実施形態では、第1ユーザは、遠隔対話の話題に対する教師を含むと説明したが、これに限定されない。第1ユーザは、教師との対話相手としての生徒を含んでもよいし、教師及び生徒の関係性以外の関係性を有する任意の他のユーザを含んでもよい。例えば、第1ユーザは、ビジネス会議などの任意の会議にオンラインで参加しているユーザを含んでもよい。
【0097】
上記実施形態では、情報処理システム1を利用する第1ユーザは1人であり情報処理システム1が1つの第1対話装置20のみ有すると説明したが、これに限定されない。情報処理システム1を利用する第1ユーザは複数人であってもよく、情報処理システム1が複数の第1対話装置20を有してもよい。
【0098】
上記実施形態では、第2ユーザは、教師との対話相手としての生徒を含むと説明したが、これに限定されない。第2ユーザは、遠隔対話の話題に対する教師を含んでもよいし、教師及び生徒の関係性以外の関係性を有する任意の他のユーザを含んでもよい。例えば、第2ユーザは、ビジネス会議などの任意の会議にオンラインで参加しているユーザを含んでもよい。
【0099】
上記実施形態では、情報処理システム1を利用する第2ユーザは複数人であり情報処理システム1が複数の第2対話装置30を有すると説明したが、これに限定されない。情報処理システム1を利用する第2ユーザは1人であってもよく、情報処理システム1が1つの第2対話装置30のみを有してもよい。
【0100】
上記実施形態では、情報処理システム1は、教師一人に対し複数人の生徒によるオンライン授業のサービスに活用されると説明したが、これに限定されない。情報処理システム1は、教師一人に対し一人の生徒によるオンライン授業のサービスに活用されてもよいし、教師複数人に対し一人又は複数人の生徒によるオンライン授業のサービスに活用されてもよい。その他にも、情報処理システム1は、第1ユーザ及び第2ユーザについて一対一、一対複数、複数対一、又は複数対複数のオンライン会議のサービスに活用されてもよい。
【0101】
上記実施形態では、情報処理装置10は、第1ユーザの第1対話装置20の画面に表示されている対話相手を強調表示させることでアラートを表示させると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、第1ユーザの第1対話装置20の画面に表示されている対話相手を強調表示以外の任意の表示手段で表示させることでアラートを表示させてもよい。
【0102】
上記実施形態では、パラメータは、遠隔対話の話題に対する各対話相手の理解度、関心度、及集中度の少なくとも1つを含むと説明したが、これに限定されない。パラメータは、遠隔対話の話題に対する各対話相手の状態を数値として客観的に捉えることが可能な任意の他の指標を含んでもよい。
【0103】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理装置であって、
遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信する制御部、を備える、
情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2ユーザが前記第1ユーザに視線を向けて発話すると、前記第1ユーザの前記対話装置に前記第1音声データを送信し、前記第1ユーザ及び発話した前記第2ユーザ以外の前記ユーザの前記対話装置に前記第2音声データを送信する、
情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記第1ユーザは、前記遠隔対話の話題に対する教師を含み、
前記第2ユーザは、前記教師との前記対話相手としての生徒を含む、
情報処理装置。
[付記4]
付記1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第1ユーザの前記対話装置の前記画面に表示されている前記対話相手を強調表示させることで前記アラートを表示させる、
情報処理装置。
[付記5]
付記1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記パラメータは、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手の理解度、関心度、及集中度の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
[付記6]
付記1乃至5のいずれか1つに記載の情報処理装置と、
複数の前記ユーザのそれぞれによって使用される前記対話装置と、
を備える、
情報処理システム。
[付記7]
相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理装置に、
遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信することを含む動作を実行させる、
プログラム。
[付記8]
相互に遠隔に位置する複数のユーザのそれぞれによって使用される対話装置を用いた対話を支援する情報処理方法であって、
遠隔対話の実行中、各対話相手の映像に基づいて、前記遠隔対話の話題に対する各対話相手のパラメータを推定し、推定された前記パラメータが閾値未満である各対話相手を示すアラートを第1ユーザの前記対話装置に表示させ、該対話装置の画面に表示される、第2ユーザとしての複数の対話相手のうち、前記アラートが表示された対話相手に前記第1ユーザが視線を向けて発話すると、該対話相手の前記対話装置に大きな音量の第1音声データを送信し、該対話相手以外の対話相手の前記対話装置に小さな音量の第2音声データを送信することを含む、
情報処理方法。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 第1対話装置
21 通信部
22 記憶部
23 取得部
24 入力部
25 出力部
26 制御部
30 第2対話装置
31 通信部
32 記憶部
33 取得部
34 入力部
35 出力部
36 制御部
40 ネットワーク
A、B、C 第2ユーザ
D 第1ユーザ
U1 第1アラート
U2 第2アラート
図1
図2
図3
図4
図5
図6