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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】生体磁気測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/245 20210101AFI20241224BHJP
【FI】
A61B5/245
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023566156
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2022040419
(87)【国際公開番号】W WO2023105984
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2021200993
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】五味 朋寛
(72)【発明者】
【氏名】冨田 定
(72)【発明者】
【氏名】品田 恵
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-168138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/242 - 5/248
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
請求項1に記載の生体磁気測定装置において、
前記演算装置は、前記測定の内容を示す情報である前記被検体の臨床情報に基づいて前記配置パターンを取得する生体磁気測定装置。
【請求項8】
請求項1に記載の生体磁気測定装置において、
前記測定の内容を示す情報と前記配置パターンが関連したテーブルを記憶する記憶部を備える生体磁気測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体磁気測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体から発せられる微弱な磁気を検出して磁場の分布を例えば可視化することができる生体磁気測定装置は、多様な目的の測定を行うことができるとして期待がされている。このような生体磁気測定装置は、複数のセンサを備え、各センサから出力される信号に基づいて被検体における磁場の分布を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-148409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の生体磁気測定装置は、被検体に対するセンサの最適な配置が測定の目的に応じて異なることについて十分に考慮がされていない。
【0005】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、測定の目的に応じてセンサの配置を考慮した生体磁気測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明の生体磁気測定装置は、被検体の体外に配置され、被検体の生体磁気を測定する磁気センサ群と、測定の内容を示す情報に基づき、測定の内容に対応する磁気センサ群の配置パターンを取得する演算装置を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の生体磁気測定装置は、測定の内容を示す情報に基づき、測定の内容に対応する磁気センサ群の配置パターンを取得する演算装置を備えている。本発明の生体磁気測定装置は、測定の目的に応じてセンサの配置が十分に考慮されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例に係る生体磁気測定装置の構成を説明する機能ブロック図である。
図2】実施例に係る測定の内容を示す情報の入力について説明する模式図である。
図3】実施例に係る配置情報出力部が参照するテーブルである。
図4】実施例に係る配置情報出力部が参照するテーブルである。
図5】実施例に係る配置パターンの出力について説明する模式図である。
図6】変形例に係る配置パターンの出力について説明する模式図である。
図7】配置パターンの例示を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る生体磁気測定装置について図面を参照しながら説明する。実施例に係る生体磁気測定装置1は、被検体の頭部を覆うヘルメット2と、ヘルメット2に複数設けられた貫通孔2aのいずれかに挿入される複数のセンサ3とを備えている。センサ3は、生体磁気を検出できる程度に高感度であり、ヘルメット2に対して着脱が可能となっている。具体的にセンサ3としては、常温で生体磁気を感知することができる例えば光ポンピングモジュールが適用できる。また、センサ3にダイヤモンド量子センサなどの他の構成を用いるようにしてもよい。ヘルメット2が有する貫通孔2aには、区別の必要性から番号が付されている。同様に、センサ3にも区別の必要性から番号が付されている。
【実施例
【0010】
生体磁気測定装置1は、測定の内容を示す情報、被検体の臨床情報をユーザに入力させる入力部11と、測定の内容を示す情報、被検体の臨床情報に対応するセンサ3の配置パターンを取得する演算装置12と、演算装置12が動作するときに参照するテーブルを記憶する記憶部13と、配置パターンを表示するモニタ14とを有している。その他、生体磁気測定装置1は、各センサ3の出力を画像化する画像生成部21を備えている。画像生成部21が生成した脳磁図などの画像は、上述したモニタ14に表示される。
【0011】
演算装置12および画像生成部21は、CPU(Central Processing Unit)が各種のプ
ログラムを実行することにより実現される。各部は、単一のCPUによって実現されてもよいし、複数の独立したプロセッサで実現されてもよい。また、記憶部13は、上述のテーブルに限らず生体磁気測定装置1が動作するのに必要な各種情報を記憶している。各部12,21は、これら情報を取得することで動作する。
【0012】
生体磁気測定装置1は、多様な目的の測定を行うことができる点で特徴的である。生体磁気を測定する際、測定に適切なセンサ3の配置は測定の目的に応じて変化するので、実施例に係る生体磁気測定装置1は、被検体に対するセンサ3の配置を変更できるようにセンサ3の位置を可変としている。すなわち、実施例のセンサ3は、測定の目的に応じてヘルメット2の貫通孔2aに挿入される。このようにすれば、測定の目的に合わせて各センサ3を適切に配置することができる。
【0013】
単に各センサ3をヘルメット2に取り付けようとする場合、その方法は何通りも考えられる。しかしながら、特定の測定を実行するときの画像生成部21は、その複数通りのうち、例えば、ただ1通りの取り付け方法に基づいて各センサ3がヘルメット2に配置されたことを前提に動作する。各貫通孔2aには1つのセンサ3しか挿入できないので、特定の測定を行う場合、貫通孔2aには、当該貫通孔2aの番号に対応した番号のセンサ3が挿入されていることが前提となる。また、特定の測定とは異なる測定を実行するときの画像生成部21は、特定の測定のときとは異なる取り付け方法に基づいて各センサ3が各貫通孔2aに配置されていることを前提に動作することがある。このときの取り付け方法における貫通孔2aの番号とセンサ3の番号の対応関係は、上述した特定の測定を行うときの対応関係と同じとは限らない。
【0014】
実施例の構成は、測定の内容を示す情報を取得すると、その測定の内容に対応する各センサ3の取り付け方法をモニタ14の表示画面14aに表示することができるようになっている。以降、生体磁気測定装置1がセンサ3の取り付け方法を表示画面14aに表示する時の動作について説明する。
【0015】
まず、各センサ3をヘルメット2に取り付ける前に、ユーザは、入力部11を通じて、測定の内容を示す情報を生体磁気測定装置1に入力する。このときユーザは、モニタ14の表示画面14aを参照しながら測定の内容に関する情報を生体磁気測定装置1に入力することになる。このときの表示画面14aには、図2に示すように、「使用するセンサ数」の項31a,測定の内容である「タスク」の項31b,被検体の臨床情報である「頭部サイズ」の項31c,被検体の臨床情報である「頭部形状」の項31dから構成される設定画面が表示されている。使用するセンサ数、タスク、頭部サイズ、頭部形状は、ヘルメット2に対するセンサ3の取り付け方法に影響を与える本実施例における測定の内容を示す情報の例である。表示画面14a上の「使用するセンサ数」の項31aの周辺には、ユーザが当該項目についての具体的な情報を入力可能な入力ボックス32aが表示される。同様に、表示画面14a上の「タスク」の項31bの周辺には、ユーザがタスクについての情報を入力可能な入力ボックス32bが表示され、表示画面14a上の「頭部サイズ」の項31cの周辺には、ユーザが頭部サイズについての情報を入力可能な入力ボックス32cが表示される。そして、表示画面14a上の「頭部形状」の項31dの周辺には、ユーザが頭部形状についての情報を入力可能な入力ボックス32dが表示される。
【0016】
本実施例のタスクについて説明する。生体磁気測定装置1を用いて被検体の生体磁気を測定する際に、被検体に所定の課題を課すことがある。課題の具体例とは、例えば、測定中の被検体にまぶたの開閉をするという課題であったり、特定の映像を鑑賞するという課題であったり、特定の音を聴取するという課題であったりする。タスクとは、所定の課題を課したときの測定種別のことである。従って、タスクの各々には、対応する課題が設定されている。
【0017】
以降、測定の内容を示す情報について説明する。ユーザが入力部11を通じて生体磁気測定装置1に入力するセンサ数に関する情報は、測定時に用いるセンサ数を示すものであり、ユーザは、測定に用いるセンサ数を測定の目的に合わせて増減することができる。
【0018】
ユーザが入力部11を通じて生体磁気測定装置1に入力するタスクに関する情報は、測定時に行われる課題に対応したタスクを示すものであり、ユーザは、測定に用いるセンサ数を測定の目的に合わせて選択することができる。
【0019】
ユーザが入力部11を通じて生体磁気測定装置1に入力する頭部サイズ、頭部形状に関する情報は、例えば測定に用いられるヘルメットの種類を示すものである。
【0020】
入力ボックス32a,32b,32c,32dの具体的構成としては、ユーザが入力部11に付属のキーボードを通じて各種情報を入力する構成としてもよいし、ユーザが入力部11に付属のポインティングデバイスを通じて入力ボックス32a,32b,32c,32dに表示されるプルダウンメニューから目的の項目を選択するようにしてもよい。
【0021】
表示画面14aに表示される確定ボタン33は、ユーザが各項目の入力を完了した後に使用される。確定ボタン33に対して操作を行うと、ユーザの入力操作は完了し、ユーザが入力した測定の内容を示す情報は、演算装置12に送出される。
【0022】
<演算装置12の動作>
演算装置12は、測定の内容を示す情報を受信して、測定に適したセンサ3の取り付け方法に関する情報を出力する。図3は、演算装置12が動作の際に参照するテーブルT1を示している。本実施例では、説明の便宜上、ユーザはタスクについてのみ選択可能であるとする。演算装置12は、取得したタスクに関する情報に基づいて、当該タスクに対応したセンサ3の取り付け方法を出力する。取り付け方法は、本発明の配置パターンに相当する。
【0023】
演算装置12が参照するテーブルT1は、各種タスクとそれに最適なセンサ3の取り付け方法が対応づけられている。例えば、ユーザが入力部11を通じてタスク1を選択すると、演算装置12は、これに適切なセンサ3の取り付け方法は、取り付け方法1であるものと認識する。
【0024】
図4が説明するテーブルT2も演算装置12が参照するテーブルである。適切なセンサの取り付け方法を認識した演算装置12は、今度は、テーブルT2を参照して、認識した取り付け方法を具体的に示すセンサ番号と、ヘルメット2が有する貫通孔2aの各々を識別する取り付け位置番号の対応関係を把握する。本例では、取り付け方法1が適切な選択なので、図4のテーブルは、取り付け方法1に関する対応関係を示したものとなっている。しかし実際には、記憶部13は、テーブルT1に示された取り付け方法の全てについて図4と同様のテーブルを記憶しており、演算装置12は、これら複数のテーブルのうち、ユーザによって選択されたタスクに対応する取り付け方法を示すテーブルを参照して動作する。
【0025】
なお、図2で説明したタスク以外の他の設定項目についても、タスクの場合と同様、記憶部13は、テーブルT1に相当する関連表を記憶している。したがって、本実施例の演算装置12は、タスク以外の他の項目についてもタスクの場合と同様な動作により、適切な取り付け方法を把握することができる。なお、テーブルT2は、取り付け方法ごとに作成され、記憶部13に記憶されているので、演算装置12は、取り付け方法を取得すれば、タスクの場合と同様な動作により、適切なセンサ番号と取り付け位置番号の対応関係を認識することができる。なお、テーブルT2にヘルメット2の種別に関する項を設け、ユーザによる「頭部サイズ」「頭部形状」の設定に対応して適切なヘルメット2の種別を演算装置12に認識させるようにしてもよい。
【0026】
演算装置12は、取得した対応関係に関する情報をモニタ14に送信する。モニタは、図5に示すように、テーブルT2の内容を表示画面14aに表示する。ユーザは、この表示内容を参照してセンサ3の各々をヘルメット2の貫通孔2aに挿入する。このようにして、実施例における生体磁気測定装置1は、測定に用いるセンサ3の配置を測定の内容に合わせて適切なものとすることができる。
【0027】
<実施形態の構成における効果>
以降、本例における生体磁気測定装置1の構成と、その効果について説明する。
(1)本例の生体磁気測定装置は、被検体の体外に配置され、被検体の生体磁気を測定する磁気センサ群と、測定の内容を示す情報に基づき、測定の内容に対応する磁気センサ群の配置パターンを取得する演算装置12を備える。
【0028】
上述のように、測定の内容を示す情報に基づき、測定の内容に対応する磁気センサ群の配置パターンを取得する演算装置12を備えるようにすれば、測定の目的に応じてセンサの配置を最適化することができる生体磁気測定装置1が提供できる。
【0029】
(2) (1)に記載の生体磁気測定装置において、演算装置12が取得した配置パターンを表示する表示部を備える。
【0030】
上述のように、演算装置12が取得した配置パターンを表示する表示部を備えるようにすれば、ユーザが容易に配置パターンを把握できる生体磁気測定装置1が提供できる。
【0031】
(3) (1)または(2)に記載の生体磁気測定装置において、演算装置12は、測定の内容を示す情報または被検体の臨床情報に基づいて配置パターンを取得する。
【0032】
上述のように、演算装置12が測定の内容を示す情報または被検体の臨床情報に基づいて配置パターンを取得すれば、測定の内容、被検体の臨床情報によって異なる最適なセンサ3の配置を瞬時に取得することができる生体磁気測定装置1が提供できる。
【0033】
(4) (1)ないし(3)のいずれかに記載の生体磁気測定装置において、測定の内容を示す情報をユーザから受け付ける入力部11を備える。
【0034】
上述のように、測定の内容を示す情報をユーザから受け付ける入力部11を備えていれば、ユーザは、測定の内容に合ったセンサ3の配置を瞬時に取得することができる。
【0035】
(5) (1)ないし(4)に記載の生体磁気測定装置において、磁気センサ3を保持し、被検体に装着されるヘルメット2をさらに備え、配置パターンに関する情報は、ヘルメット2にセンサ3の取り付ける際の取り付け方法に関する情報である。
【0036】
上述のように、配置パターンに関する情報は、センサ3を配設して前記被検体に装着するヘルメット2にセンサ3の取り付ける際の取り付け方法に関する情報であれば、ユーザは、ヘルメット2へのセンサ3の取り付け方法を瞬時に把握することができる。
【0037】
(6) (5)に記載の生体磁気測定装置において、配置パターンに関する情報は、特定のセンサ3とヘルメット2における特定の取り付け位置の対応関係に関する情報を含む。
【0038】
上述のように、配置パターンに関する情報は、特定のセンサ3とヘルメット2における特定の取り付け位置の対応関係に関する情報を含んでいれば、ユーザは、センサ番号と取り付け位置番号との対応関係を瞬時に理解することができる。
【0039】
(7) (1)ないし(6)のいずれかに記載の生体磁気測定装置において、演算装置12が取得した配置パターンを受信してセンサ3を移動させる駆動部を備える。本例の詳細は後述する。
【0040】
上述のように、演算装置12から出力される配置パターンを受信してセンサ3を移動させる駆動部を備えるようにすれば、ユーザがセンサ3を手動で移動させなくてもセンサ3の配置は測定の目的に合わせて最適なものとなる。
【0041】
(8) (1)ないし(7)のいずれかに記載の生体磁気測定装置において、測定の内容を示す情報と配置パターンが関連したテーブルを記憶する記憶部13を備える。
【0042】
上述のように、測定の内容を示す情報と配置パターンが関連したテーブルを記憶する記憶部13を備えれば、演算装置12の動作がより確実なものとなる。
【0043】
<他の実施例>
なお、今回開示された実施例は、全ての点において例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲、並びに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。例として、本発明は、下記の様に変形実施することができる。
【0044】
(1)上述の実施例では、ヘルメット2へのセンサ3の装着はユーザの手動であったが、これを自動とすることもできる。このような構成の生体磁気測定装置1は、センサ3をヘルメット2の貫通孔2aに挿入するための機構を備えている。すなわち、本変形例によれば、センサ3を駆動する駆動部を備え、駆動部は、演算装置12から出力されるセンサ3の取り付け方法に関する情報を受信してセンサ3を移動させる。本変形例においては、必ずしもセンサ3の取り付け方法に関する情報をモニタ14の表示画面14aに表示させる必要はない。
【0045】
(2)上述の実施例においては、センサ番号と取り付け位置番号の対応関係をモニタ14の表示画面14aに表示する構成となっていたが、本発明はこの構成に限られない。本発明は、センサ3を区別する必要のない構成にも適用ができる。本変形例の各センサ3は、ヘルメット2における貫通孔2aに挿入されると、貫通孔2aに設けられた識別部に基づいて、挿入された貫通孔2aの取り付け位置番号を取得できる構成となっている。各センサ3は取得した取り付け位置番号に従って、ヘルメット2における自身の位置を把握し、画像生成部21に取り付け位置番号に関する情報を出力する。各センサ3には、画像生成部21が区別できるようにセンサ番号が付されており、各センサ3は、取り付け位置番号とともに自身のセンサ番号も画像生成部21に送信する。これにより、画像生成部21は、センサ番号と取り付け位置番号の対応関係を把握して動作することができる。貫通孔2aに設けられる識別部としては、タグ(例えばバーコード)などが適用できる。この例では、センサ3はバーコードを読み取るスキャナを備え、貫通孔2aの内壁に設けられたバーコードを読み取って動作する。
【0046】
本例では、センサ3を区別してヘルメット2に装着する必要がないので、モニタ14の表示画面14aに表示されるテーブルの内容は、図6に示すように取り付け位置に関する情報のみで足りる。したがって、記憶部13において記憶されるテーブルもこれに準じ、図4で示されたテーブルT2のセンサ番号の項を省いたようなものとなる。
【0047】
(3)上述の実施例の図2で説明した測定の内容の設定画面において、例えばタスクを省いた構成とすることもできる。すなわち、本発明は、被検体に課題を課さない安定状態において生体磁気を測定する装置にも適用ができる。このような事情は図2に記載されている他の項「使用するセンサ数」「頭部サイズ」「頭部形状」についても同様である。また、測定の内容として、例えば「病状」など、図2に記載のない設定項目を追加して測定の内容としてもよい。
【0048】
(4)上述の実施例では、記憶部13に記憶されたテーブルT2の内容をモニタ14の表示画面14aに表示するようにしていたが、本発明はこの構成に限られない。演算装置12が「頭部サイズ」「頭部形状」等の情報に基づいてテーブルT2に編集を加え、編集後のテーブルをモニタ14に送信するようにしてもよい。このように構成することで、考え得る全ての場合についてテーブルを予め用意しておく必要がなくなり、柔軟性に優れた生体磁気測定装置が提供できる。
【0049】
(5)上述の実施例では、記憶部13に記憶されたテーブルT2の内容をモニタ14の表示画面14aに表示するようにしていたが、本発明はこの構成に限られない。記憶部13にヘルメット2の形状およびヘルメット2における貫通孔2aの位置を記憶させ、演算装置12が「頭部サイズ」「頭部形状」等の情報に基づいてテーブルを生成するようにしてもよい。このように構成することで、考え得る全ての場合についてテーブルを予め用意しておく必要がなくなり、柔軟性に優れた生体磁気測定装置が提供できる。
【0050】
(6) 図1においては貫通孔2aの全てについてセンサ3が装着されていない。これは、所定のタスク等を実行するときのセンサ3の装着状況を示すものであり、タスク等によっては、貫通孔2aの全てにセンサ3を装着して測定する場合も考えられる。また、貫通孔2aの全てについてセンサ3を装着しない場合であっても、タスク等によっては、センサ3が挿入されない貫通孔2aの位置が図1に示す通りとならない場合もある。その他、ヘルメット2における貫通孔2aの個数、センサ3の個数等は、全て例示である。図7は、被検体の頭頂部を見下ろしたときの貫通孔2aおよびセンサ3の位置を示しており、タスクAにおけるセンサ3の配置とタスクBにおけるセンサの配置を例示している。すなわち、タスクAでは、ヘルメット2の左側、右側において3×3の二次元マトリックス状にセンサ3が配置される。一方、タスクBでは、ヘルメット2の頭頂部と、頭頂部を囲む前後左右の位置にセンサ3が配置され、ヘルメット2の後部と、後部を囲む前後左右の位置にセンサ3が配置される。
【0051】
(7)上述の実施例は、脳磁図に関する構成となっていたが、本発明は、例えば心磁図などの脳磁図以外の画像を生成可能な装置にも適用ができる。
【符号の説明】
【0052】
3 センサ(磁気センサ)
11 入力部
12 配置情報出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7