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特許7609313乗客コンベアの薬液噴霧装置及び乗客コンベア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-23
(45)【発行日】2025-01-07
(54)【発明の名称】乗客コンベアの薬液噴霧装置及び乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20241224BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20241224BHJP
【FI】
B66B31/02 A
B66B31/00 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024023680
(22)【出願日】2024-02-20
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】土居 真吾
(72)【発明者】
【氏名】峯田 果林
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特許第7256305(JP,B1)
【文献】特許第6074015(JP,B1)
【文献】特開2019-142649(JP,A)
【文献】特許第7416311(JP,B1)
【文献】中国実用新案第206172774(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、
前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、
前記第1検知部よりも前記乗客コンベア側に設置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、
前記第1検知部が乗客を検知したことを示す信号と前記第2検知部が乗客の手を検知したことを示す信号との検知時間の差と前記第1検知部と前記第2検知部の距離に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、
を備えた乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項2】
前記乗客の歩行速度に対応する、前記移動手摺へ前記薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を記憶する記憶部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に対応する、前記移動手摺へ前記薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を、前記記憶部から取得する移動手摺噴霧時間取得部と、
を備え、
前記薬液噴霧制御部は、前記移動手摺噴霧時間取得部が取得した時間が経過すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる
請求項1に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項3】
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液を乗客の手に噴霧する第2噴霧口を有し、
前記第2検知部は、乗客の手を検知するように前記薬液噴霧装置本体に設けられ、
前記薬液噴霧制御部は、前記第2検知部が乗客の手を検知すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記第2噴霧口から乗客の手に前記薬液を噴霧させる
請求項1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項4】
前記薬液噴霧装置本体が前記薬液を噴霧した回数を計測する噴霧回数計測部と、
前記噴霧回数計測部が計測した前記薬液の噴霧回数が、予め定めた値以上であるか否かを判定する噴霧回数判定部と、
前記薬液の噴霧回数が予め定めた値以上となったこと通知する通知部と、
を備える請求項1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項5】
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液の残量を計測する薬液残量計測部を有し、
前記薬液残量計測部が計測した前記薬液の残量が、予め定めた残量以下であるか否かを判定する薬液残量判定部と、
前記薬液が予め定めた残量以下となったことを通知する通知部と、
を備える請求項1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項6】
前記第1検知部が前記乗客を検知した場合、前記薬液噴霧制御部は、前記薬液噴霧装置本体が作動可能である待機状態とする
請求項1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項7】
前記薬液噴霧装置本体は、前記乗客コンベアの欄干において、乗客コンベアの入口を構成する区間に固定されている
請求項1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項8】
前記薬液噴霧装置本体は、前記乗客コンベアの前記欄干において、ニュアル部の区間に固定されている
請求項に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項9】
薬液噴霧装置を備えた乗客コンベアであって、
前記薬液噴霧装置は、
乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、
前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、
前記第1検知部よりも前記乗客コンベア側に設置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、
前記第1検知部が乗客を検知したことを示す信号と前記第2検知部が乗客の手を検知したことを示す信号との検知時間の差と、前記第1検知部と前記第2検知部の距離に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、
を備えた乗客コンベア。
【請求項10】
乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、
前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、
前記第1検知部よりも前記乗客コンベア側に設置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、
前記第1検知部及び前記第2検知部が検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、
を備え、
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液を乗客の手に噴霧する第2噴霧口を有し、
前記第1検知部は、乗客の手を検知するように前記薬液噴霧装置本体に設けられ、
前記薬液噴霧制御部は、前記第1検知部が乗客の手を検知すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記第2噴霧口から乗客の手に前記薬液を噴霧させる
乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【請求項11】
乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、
前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、
前記第1検知部よりも前記乗客コンベア側に設置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、
前記第1検知部及び前記第2検知部が検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、
を備え、
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液を乗客の手に噴霧する第2噴霧口を有し、
前記第2検知部は、乗客の手を検知するように前記薬液噴霧装置本体に設けられ、
前記薬液噴霧制御部は、前記第2検知部が乗客の手を検知すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記第2噴霧口から乗客の手に前記薬液を噴霧させる
乗客コンベアの薬液噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は乗客コンベアの薬液噴霧装置及び乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乗客コンベアの薬液噴霧装置では、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知すると、乗客と、乗客が掴む前の移動手摺に対して霧化装置から薬液を噴霧させる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7256305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の乗客コンベアの薬液噴霧装置では、乗客を検知すると霧化装置から薬液を噴霧させる構成であるため、乗客の歩行速度が想定よりも速い又は遅い場合には、乗客が掴もうとする移動手摺の区間が、薬液が噴霧された移動手摺の区間とずれてしまう場合があった。この場合、乗客は安心して移動手摺を掴めない可能性があった。
【0005】
本開示は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする乗客コンベアの薬液噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗客コンベアの薬液噴霧装置は、乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、第1検知部よりも乗客コンベア側に設置され、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と第1検知部が乗客を検知したことを示す信号と第2検知部が乗客の手を検知したことを示す信号との検知時間の差と、第1検知部と第2検知部の距離に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、薬液噴霧装置本体を作動させ、薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、を備える。
【0007】
本開示に係る乗客コンベアは、薬液噴霧装置を備えた乗客コンベアであって、薬液噴霧装置は、乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、第1検知部よりも乗客コンベア側に設置され、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、第1検知部が乗客を検知したことを示す信号と第2検知部が乗客の手を検知したことを示す信号との検知時間の差と、第1検知部と第2検知部の距離に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、薬液噴霧装置本体を作動させ、薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る乗客コンベアの構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る薬液噴霧装置の構成を示す図である。
図3】実施の形態1に係る薬液噴霧装置本体の構成を示す図である。
図4】実施の形態1に係る記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
図5】実施の形態1に係る薬液噴霧制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図6】実施の形態1に係る乗客コンベアの薬液噴霧装置の動作を示すフローチャートである。
図7】実施の形態2に係る薬液噴霧装置の構成を示す図である。
図8】実施の形態2に係る薬液噴霧装置の変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1に係る乗客コンベア1の構成を説明する。図1は実施の形態1に係る乗客コンベア1の構成を示す図である。図1において、乗客コンベア1は、建物の下階階床2aと上階階床2bに跨って設置される。また、乗客コンベア1は、下階階床2aから上階階床2bに向かって、下階ニュアル部200、下階直線部201、下階曲線部202、直線部203、上階曲線部204、上階直線部205、上階ニュアル部206で形成されている。
【0011】
図1において、乗客コンベア1は、トラス3と、トラス3に支持され、無端状に連結された複数の踏段4と、トラス3上に設けられ、複数の踏段4の移動方向に沿ってその幅方向の両側に設けられる一対の欄干5と、一対の欄干5の上部に設けられ、複数の踏段4と同期して移動する移動手摺6と、一対の欄干5の下部に設けられるスカートガード7と、スカートガード7の両端に設けられ、移動手摺6を繰り出すインレット8と、移動手摺6が欄干5の周りで回転するように動力を供給する図示しない駆動装置9と、乗客コンベア1に乗客が乗降するために下階階床2a、上階階床2bに設けられた乗降板100a、100bと、薬液噴霧装置10a、10bと、を備える。なお、本実施の形態では、乗客コンベア1の複数の踏段4の移動方向は、下階階床2aから上階階床2b向けて移動する移動方向Aであるとする。
【0012】
薬液噴霧装置10aの構成について説明する。図2は実施の形態1に係る薬液噴霧装置10aの構成を示す図である。図2に示すように、薬液噴霧装置10aは、第1検知部30aと、薬液噴霧装置本体21aと、薬液噴霧制御装置40aと、を備える。なお、薬液噴霧装置10bは、薬液噴霧装置10aと互いに等しい構成を有する。すなわち、薬液噴霧装置10bは、図1に示す第1検知部30bと、図1に示す薬液噴霧装置本体21bと、図2に示す薬液噴霧制御装置40aに相当する薬液噴霧制御装置(図示なし)を備える構成としてよい。以後、薬液噴霧装置10bに関する説明は省略する。
【0013】
最初に、第1検知部30aについて説明する。第1検知部30aは、例えば、非接触式の反射型光電センサである。第1検知部30aは、例えば、図1に示すように、乗降板100aの上に1つ設けられる。第1検知部30aは、乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知する。
【0014】
次に、薬液噴霧装置本体21aについて説明する。薬液噴霧装置本体21aは、乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられる。また、薬液噴霧装置本体21aは、例えば、下階階床2aから上階階床2bをみた場合に、右側に設けられている欄干5に固定されている。薬液噴霧装置本体21aは、欄干5において、乗客コンベア1の入口を構成する区間に固定されている。ここで、乗客コンベア1の入口を構成する区間とは、入口が設けられる階床のニュアル部又は水平部における区間を示し、図1では、下階ニュアル部200又は下階水直線部201における区間を示す。なお、乗客が移動手摺6を掴んで安全に移動するために、薬液噴霧装置本体21aを固定する欄干5の位置は、より入口から近い区間であるニュアル部に固定することが望ましい。
【0015】
図3は、実施の形態1に係る薬液噴霧装置本体21aの構成を示す図である。図3に示すように、薬液噴霧装置本体21aは、筐体12と、タンク13と、噴霧ユニット14と、第2検知部31aと、を備える。
【0016】
筐体12は、タンク取付部12aと、欄干固定部12bと、を有する。タンク取付部12aは、例えば金属で覆われた容器であり、タンク13を内部に収容する。また、タンク取付部12aの下面には第1噴霧口15aが設けられ、タンク取付部12aの上面には第2噴霧口15bが設けられ、第1噴霧口15a及び第2噴霧口15bは噴霧ユニット14と接続される。なお、第1噴霧口15aは、第1検出部30aと対応し、移動手摺6に薬液を噴霧する目的で設けられている。また、第2噴霧口15bは、後述する第2検出部31aと対応し、乗客の手11に薬液を噴霧する目的で設けられる。また、欄干固定部12bは、例えば金属製であり、タンク取付部12aの下に延びるように設けられる。欄干固定部12bは、欄干5に筐体12を固定するために用いられる。
【0017】
タンク13は、内部に薬液を収容する。タンク13は、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を内部に収容可能とする。また、タンク13は、例えば内部に噴霧ユニット14を収容する。
【0018】
ここで、除菌作用とは、菌又はウイルスを除去してこれらの数を減らす作用である。菌又はウイルスを除去する手段は問わず、例えば、菌又はウイルスを死滅させる、あるいは洗い流すことにより、除去することを示す。殺菌作用とは、菌又はウイルスを殺してこれらの数を減らす作用である。消毒作用とは、菌又はウイルスを除去し、又は死滅させることにより、人体に害のない程度にまで数を減らす作用である。
【0019】
また、薬液は、乗客の顔や目に付着しても害のない程度に安全で、低刺激性の薬品を用いることとする。このような薬品には、当該薬品を希釈した液体も含まれる。
【0020】
噴霧ユニット14は、噴霧ポンプ14aと、管14bと、を有する。噴霧ポンプ14aは、タンク13から供給される薬液を噴霧する。なお、噴霧ポンプ14aは、タンク13内の薬液が少量になった場合にも薬液を供給できるように、タンク13内の下部に設けられることが望ましい。管14bは、噴霧ポンプ14aから上下に延びるようにそれぞれ設けられ、噴霧ポンプ14aから噴霧された薬液を、第1噴霧口15a及び第2噴霧口15bに供給する。なお、噴霧ポンプ14aが1回に噴霧する薬液の量は、第1噴霧口15aに対しては、乗客が掴むと推測される範囲の移動手摺6を十分に除菌、殺菌、及び消毒できる程度の量に設定され、第2噴霧口15bに対しては乗客の手11を十分に除菌、殺菌、及び消毒できる程度の量に設定される。なお、噴霧ポンプ14aは、薬液の噴霧量だけでなく、噴霧時間や噴霧タイミングも設定することが可能である。
【0021】
第2検知部31aは、例えば、非接触式の反射型光電センサである。第2検知部31aは、例えば、図3に示すように、タンク取付部12aの上面に設けられる。第2検知部31aは、乗客コンベアに乗り込もうとする乗客がかざした乗客の手11を検知する。
【0022】
次に、薬液噴霧制御装置40aについて説明する。薬液噴霧制御装置40aは、第1判定部41と、第2判定部42と、歩行速度算出部43と、移動手摺噴霧時間取得部44と、記憶部45と、薬液噴霧制御部46と、を備える。なお、薬液噴霧制御装置40aの機能を実現する構成は、薬液噴霧装置本体21a内に配置されてもよいし、薬液噴霧装置本体21aの近傍、又は遠方に配置されてもよい。
【0023】
第1判定部41は、第1検知部30aが乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知したか否かを判定する。第1判定部41は、周期的に判定をする構成としてもよい。第1検知部30aが乗客を検知した場合、第1判定部41は、乗客が検知されたことを示す信号を、歩行速度算出部43及び薬液噴霧制御部46に出力する。
【0024】
第2判定部42は、第2検知部31aが乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客の手11を検知したか否かを判定する。第2判定部42は、周期的に判定をする構成としてもよい。第2検知部31aが乗客の手11を検知した場合、第2判定部42は、乗客の手11が検知されたことを示す信号を歩行速度算出部43に出力する。
【0025】
歩行速度算出部43は、第1検知部30a及び第2検知部31aが検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する。具体的には、第1検知部30aが乗客を検知したことを示す信号と、第2検知部31aが乗客の手11を検知したことを示す信号との検知時間の差と、第1検知部30aと第2検知部31aの距離から、乗客の歩行速度を算出し、これを移動手摺噴霧時間取得部44に出力する。なお、ここでは第1検知部30a及び第2検知部31aが検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出することについて数学的に厳密に算出するものに限られるものではない。
【0026】
図4は、実施の形態1に係る記憶部45が記憶するテーブルを示す図である。図4に示すように、記憶部45は、乗客の歩行速度に対応する、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を示すテーブルを記憶する。ここで、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間とは、乗客の歩行速度から乗客が掴むと推測された移動手摺6の範囲を含んで薬液を噴霧することが可能となる、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を示す。例えば、図4に示すように、乗客の歩行速度が60m/minである場合、第1検知部30aが乗客を検知したタイミングから0.5秒後に移動手摺6へ薬液の噴霧を開始すると、乗客が掴むと推測される移動手摺6の範囲を含んで薬液を噴霧することが可能である。
【0027】
移動手摺噴霧時間取得部44は、歩行速度算出部43が算出した歩行速度に対応する、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始する時間を記憶部45が記憶するテーブルから取得し、これを薬液噴霧制御部46に出力する。
【0028】
薬液噴霧制御部46は、薬液噴霧装置本体21aが薬液を噴霧する動作を制御する。薬液噴霧制御部46は、第1検知部が乗客を検知した場合、薬液噴霧装置本体21aが作動可能である待機状態とする。薬液噴霧制御部46は、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を示す信号を受け取った場合、第1検知部30aが乗客を検知したタイミングから当該時間が経過すると、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、第1噴霧口15から移動手摺6に薬液を噴霧させる。薬液噴霧制御部46は、第2検知部31aが乗客の手11を検知した場合、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、第2噴霧口15bから前記乗客の手11に薬液を噴霧させる。
【0029】
ここで、実施の形態1に係る薬液噴霧制御装置40aのハードウェア構成について説明する。図5は、実施の形態1における薬液噴霧制御装置40aのハードウェア構成を示す図である。薬液噴霧制御装置40aは、例えばパーソナルコンピュータ、マイクロコントローラなどのコンピュータにより実現される。
【0030】
薬液噴霧制御装置40aは、バス1000を介して互いに接続された、プロセッサ1001と、メモリ1002と、インタフェース1003と、二次記憶装置1004と、を備える。
【0031】
プロセッサ1001は、例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)である。プロセッサ1001が、二次記憶装置1004に記憶された動作プログラムをメモリ1002に読み込んで実行することにより、薬液噴霧制御装置1000の各機能が実現される。
【0032】
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される主記憶装置である。メモリ1002は、プロセッサ1001が二次記憶装置1004から読み込んだプログラムを記憶する。また、メモリ1002は、プロセッサ1001がプログラムを実行する際のワークメモリとして機能する。
【0033】
インタフェース1003は、例えばシリアルポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、ネットワークインタフェースなどのI/O(Input/Output)インタフェースである。インタフェース1003によって、第1検知部30a及び第2検知部31aから出力が行われ、薬液噴霧装置本体21aには入出力が行われる。
【0034】
二次記憶装置1004は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。二次記憶装置1004は、薬液噴霧制御装置40aの動作に必要な各種情報及びプロセッサ1001が実行するプログラムを記憶する。
【0035】
次に、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aの動作について説明する。図6は、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aの動作を示すフローチャートである。なお、薬液噴霧装置10bの動作も、薬液噴霧装置10aの動作と等しい構成を有している。
【0036】
最初に、第1判定部41は、周期的に、第1検知部30aが乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知したか否かを判定する(S1)。第1検知部30aが乗客を検知した場合(S1のYES)、薬液噴霧制御部46は、薬液噴霧装置本体21aが作動可能である待機状態とする(S2)。第1検知部30aが乗客を検知しなかった場合(S1のNO)、再び第1判定部41は、第1検知部30aが乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知したか否かを判定する。
【0037】
次に、第2判定部42は、周期的に、第2検知部31aが乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客がかざした乗客の手11を検知したか否かを判定する(S3)。第2検知部31aが乗客の手11を検知した場合(S3のYES)、薬液噴霧制御部46は、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、第2噴霧口15bから乗客の手11に薬液を噴霧させる(S4)。また、歩行速度算出部43は、第1検知部30a及び第2検知部31aが検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する。具体的には、第1検知部30aが乗客を検知したことを示す信号と、第2検知部31aが乗客の手11を検知したことを示す信号との検知時間の差と、第1検知部30aと第2検知部31aの距離から、乗客の歩行速度を算出する(S5)。また、第2検知部31aが乗客の手11を検知しなかった場合(S3のYES)、再び第2判定部42は、第2検知部31aが乗客の手11を検知したか否かを判定する。
【0038】
次に、移動手摺噴霧時間取得部44は、歩行速度算出部43で算出された乗客の歩行速度に対応する、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を記憶部45から取得する(S6)。薬液噴霧制御部46は、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を示す信号を受け取り、第1検知部30aが乗客を検知したタイミングから当該時間が経過すると、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、第1噴霧口15aから移動手摺6に薬液を噴霧させる(S7)。
【0039】
以上のように、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aにおいて、乗客コンベア1の複数の踏段4の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺6に噴霧する薬液噴霧装置本体21aと、乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部30a及び第2検知部31aと、第1検知部30a及び第2検知部31aが検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部43と、歩行速度算出部43が算出した歩行速度に基づいて、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部46と、を備えることで、乗客が掴むと推測される移動手摺6の範囲を含んで薬液を噴霧することができ、乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする。
【0040】
また、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aにおいて、乗客の歩行速度に対応する、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を記憶する記憶部45と、歩行速度算出部43が算出した歩行速度に対応する、移動手摺6へ薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を、記憶部45から取得する移動手摺噴霧時間取得部44と、を備え、薬液噴霧制御部46は、移動手摺噴霧時間取得部44が取得した時間が経過すると、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、薬液を噴霧させることで、より正確に乗客が掴むと推測される移動手摺6の範囲を含んで薬液を噴霧することができ、乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする。
【0041】
なお、第2検知部31aは、薬液噴霧装置本体21aに設けられるとしたが、設置される位置は第1検知部30aよりも乗客コンベア1側に設置されれば限定されない。また、第2検知部31aは、乗客の手11を検知する構成として説明したが、乗客の手11を検知する構成に限定されず、乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知する構成としてもよい。これらのように、第2検知部の構成が限定されない場合であっても、乗客が掴むと推測される移動手摺6の範囲を含んで薬液を噴霧することができ、乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする。
【0042】
また、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aにおいて、薬液噴霧装置本体21aが薬液を前記乗客の手に噴霧する第2噴霧口を有し、第2検知部31aは、乗客の手11を検知するように薬液噴霧装置本体21aに設けられ、薬液噴霧制御部46は、第2検知部31aが乗客の手11を検知すると、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、第2噴霧口15bから乗客の手11に薬液を噴霧させる。これにより、乗客が掴むと推測される移動手摺6の範囲と、乗客の手11の両方に薬液を噴霧することができ、より乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする。
【0043】
なお、第1検知部30aが乗客の手11を検知するように薬液噴霧装置本体21aに設けられ、液噴霧制御部46は、第1検知部30aが乗客の手11を検知すると、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、第2噴霧口15bから乗客の手11に薬液を噴霧させるという構成としてもよい。
【0044】
また、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aにおいて、第1検知部30aが乗客を検知した場合、薬液噴霧制御部46は、薬液噴霧装置本体21aが作動可能である待機状態とすることで、薬液噴霧装置本体21aを滞りなく薬液を噴霧でき、より正確に移動手摺6または乗客の手11に薬液を噴霧できる。
【0045】
また、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aにおいて、薬液噴霧装置本体21aは、乗客コンベア1の欄干5において、乗客コンベア1の入口を構成する区間に固定されている。このように、薬液噴霧装置本体21aが乗客コンベア1に固定されることで、例えば乗降板100aといった乗客コンベア1の入口付近に設けられる部材の上のスペースが空き、乗客が乗客コンベア1をスムーズに利用することができる。
【0046】
また、実施の形態1に係る乗客コンベア1の薬液噴霧装置10aにおいて、薬液噴霧装置本体1aは、乗客コンベア1の欄干5において、ニュアル部の区間に固定されていることで、より入口から遠い区間から乗客は移動手摺6を掴むことができるため、乗客がより安全に移動することを可能とする。
【0047】
なお、第1検知部30a、30b、第2検知部31aで用いる装置は限定されない。例えば第1検知部30a、30bはカメラであり、カメラを用いて乗客を検知してもよい。例えば、第2検知部31aは、乗降板100aに設けられたペダルであり、乗客がペダルを踏むことで乗客の手11を検知してもよい。さらに、第2検知部31aは、第1検知部30a、30bと乗客コンベアの入口の間の位置に設置されれば、設置される位置は限定されない。例えば、第1検知部30a、30bをインレット8に設け、第2検知部31aを、乗客コンベア1の移動方向Aにおいてインレット8より進んだ方向に設置された区間の欄干5に設けてもよい。
【0048】
なお、薬液噴霧装置本体21aが設けられる場所は限定されない。例えば、左側の欄干5に設けられる構成としてもよく、両側の欄干5に設けられる構成としてもよい。
【0049】
なお、乗客コンベア1の複数の踏段4の移動方向は限定されない。例えば、上階階床2bから下階階床2aに向けて移動する移動方向であってもよい。この場合、乗客は、薬液噴霧装置10bを使用する構成としてよい。
【0050】
なお、薬液噴霧装置本体21aの具体的な構成については限定されない。薬液噴霧装置本体21aは、少なくとも、薬液を、第1噴霧口から移動手摺6に噴霧する構成を有していればよい。
【0051】
実施の形態2.
実施の形態2における薬液噴霧装置10cの構成について説明する。図7は、実施の形態2における薬液噴霧装置10cの構成を示す図である。実施の形態2における薬液噴霧装置10cは、薬液の残量が減少したことを検知し、それを通知する構成を有することが実施の形態1における薬液噴霧装置10aと相違する。なお、実施の形態1と同一又は相当する部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
図7において、薬液噴霧制御装置40bは、噴霧回数計測部50と、噴霧回数判定部51と、通知部52と、を備える。
【0053】
噴霧回数計測部50は、薬液噴霧制御部46から受け取った薬液噴霧装置本体21aが薬液を噴霧した回数を計測する。
【0054】
噴霧回数判定部51は、噴霧回数計測部50が計測した薬液の噴霧回数が、予め定めた値以上であるか否かを判定する。予め定めた値とは、タンク13内の薬液量と、一回の噴霧あたりの薬液の供給量から、決定される。例えば、タンク13内の薬液量が100mlであって、一回の噴霧あたりの薬液の供給量が1mlである場合には、予め定めた値は80と設定される。
【0055】
通知部52は、薬液の噴霧回数が予め定めた値以上となったこと通知する。通知部52は、例えば外部の保守会社53に通知をする。
【0056】
以上より、薬液噴霧装置本体21aが薬液を噴霧した回数を計測する噴霧回数計測部50と、噴霧回数計測部50が計測した薬液の噴霧回数が、予め定めた値以上であるか否かを判定する噴霧回数判定部51と、薬液の噴霧回数が予め定めた値以上となったこと通知する通知部52と、を備えることで、薬液の残量が減少した場合に補充することできる。これによって、より乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする。
【0057】
なお、薬液の残量が減少したことを判定する構成としては限定されない。図8は実施の形態2における薬液噴霧装置10cの変形例である薬液噴霧装置10dの構成を示す図である。薬液噴霧装置10dは、薬液噴霧装置本体21aに、薬液の残量を計測する薬液残量計測部54と、薬液残量計測部54が、予め定めた残量以下であるか否かを判定する薬液残量判定部55と、を備えることで、薬液の残量が減少したことを判定する。薬液残量計測部54は、例えばタンク13内に設置された液体の表面の変化を取得する液面センサであってもよく、タンク13内に設置された液体の残重量を計測する重量センサであってもよい。
【0058】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能である。また本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0059】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、
前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、
前記第1検知部よりも前記乗客コンベア側に設置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、
第1検知部及び第2検知部が検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、
を備えた乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記2)
前記乗客の歩行速度に対応する、前記移動手摺へ前記薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を記憶する記憶部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に対応する、前記移動手摺へ前記薬液の噴霧を開始するまでに待機する時間を、前記記憶部から取得する移動手摺噴霧時間取得部と、
を備え、
前記薬液噴霧制御部は、前記移動手摺噴霧時間取得部が取得した時間が経過すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる
付記1に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記3)
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液を乗客の手に噴霧する第2噴霧口を有し、
前記第1検知部は、乗客の手を検知するように前記薬液噴霧装置本体に設けられ、
前記薬液噴霧制御部は、前記第1検知部が乗客の手を検知すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記第2噴霧口から乗客の手に前記薬液を噴霧させる
付記1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記4)
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液を乗客の手に噴霧する第2噴霧口を有し、
前記第2検知部は、乗客の手を検知するように前記薬液噴霧装置本体に設けられ、
前記薬液噴霧制御部は、前記第2検知部が乗客の手を検知すると、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記第2噴霧口から乗客の手に前記薬液を噴霧させる
付記1又は2に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記5)
前記薬液噴霧装置本体が前記薬液を噴霧した回数を計測する噴霧回数計測部と、
前記噴霧回数計測部が計測した前記薬液の噴霧回数が、予め定めた値以上であるか否かを判定する噴霧回数判定部と、
前記薬液の噴霧回数が予め定めた値以上となったこと通知する通知部と、
を備える付記1から4のいずれか一項に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記6)
前記薬液噴霧装置本体は、前記薬液の残量を計測する薬液残量計測部を有し、
前記薬液残量計測部が計測した前記薬液の残量が、予め定めた残量以下であるか否かを判定する薬液残量判定部と、
前記薬液が予め定めた残量以下となったことを通知する通知部と、
を備える付記1から4のいずれか一項に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記7)
前記第1検知部が前記乗客を検知した場合、前記薬液噴霧制御部は、前記薬液噴霧装置本体が作動可能である待機状態とする
付記1から6のいずれか一項に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記8)
前記薬液噴霧装置本体は、前記乗客コンベアの欄干において、乗客コンベアの入口を構成する区間に固定されている
付記1から7のいずれか一項に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記9)
前記薬液噴霧装置本体は、前記乗客コンベアの前記欄干において、ニュアル部の区間に固定されている
付記8に記載の乗客コンベアの薬液噴霧装置。
(付記10)
薬液噴霧装置を備えた乗客コンベアであって、
前記薬液噴霧装置は、
乗客コンベアの複数の踏段の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口から移動手摺に噴霧する薬液噴霧装置本体と、
前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部と、
前記第1検知部よりも前記乗客コンベア側に設置され、前記乗客コンベアに乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部と、
第1検知部及び第2検知部が検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部と、
前記歩行速度算出部が算出した歩行速度に基づいて、前記薬液噴霧装置本体を作動させ、前記薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部と、
を備えた乗客コンベア。
【符号の説明】
【0060】
1 乗客コンベア、2a 下階階床、2b 上階階床、3 トラス、4 踏段、5 欄干、6 移動手摺、7 スカートガード、8 インレット、9 駆動装置、10a、10b、10c 薬液噴霧装置、11 乗客の手、12 筐体、12a タンク取付部、12b 欄干固定部、13 タンク、14 噴霧ユニット、14a 噴霧ポンプ、14b 管、15a 第1噴霧口、15b 第2噴霧口、21a、21b 薬液噴霧装置本体、30a、30b 第1検知部、31a 第2検知部、40a、40b 薬液噴霧制御装置、41 第1判定部、42 第2判定部、43 歩行速度算出部、44 移動手摺噴霧時間取得部、45 記憶部、46 薬液噴霧制御部、50 噴霧回数計測部、51 噴霧回数判定部、52 通知部、53 保守会社、54 薬液残量計測部、55 薬液残量判定部、100a 乗降板、100b 乗降板、200 下階ニュアル部、201 下階直線部、202 下階曲線部、203 直線部、204 上階曲線部、205 上階直線部、206 上階ニュアル部、1000 バス、1001 プロセッサ、1002 メモリ、1003 インタフェース、1004 二次記憶装置
【要約】
【課題】乗客が安心して移動手摺を利用することを可能とする乗客コンベアの薬液噴霧装置を提供することを目的とする。
【解決手段】乗客コンベア1の複数の踏段4の移動方向の入口を構成する区間に設けられ、除菌作用、殺菌作用、及び消毒作用の少なくともいずれかを有する薬液を、第1噴霧口15aから移動手摺6に噴霧する薬液噴霧装置本体21aと、乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知する第1検知部30aと、第1検知部30aよりも乗客コンベア1側に設置され、乗客コンベア1に乗り込もうとする乗客を検知する第2検知部31aと、第1検知部30a及び第2検知部31aが検知した情報に基づいて乗客の歩行速度を算出する歩行速度算出部43と、歩行速度算出部43が算出した歩行速度に基づいて、薬液噴霧装置本体21aを作動させ、薬液を噴霧させる薬液噴霧制御部46と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8